流体処理エレメントのセットを備える流体処理装置及び流体処理装置を製造し使用するための方法
流体処理エレメントの少なくとも第1及び第2の半径方向にずらされているセット(12、13)を有する流体処理装置と流体処理装置を製造し使用するための方法を開示する。透過性流体処理メディアを含むリボンは、いずれかのセットの流体処理エレメントを形成するように複数の巻回数で螺旋状に巻くことができる。少なくとも2つ及び50以上の個数の流体処理エレメント(14’、14”)は、それぞれのセット内の中空コアアセンブリ(11)に沿って配置されうる。流体は、第1のセットの流体処理エレメント及び第2のセットの流体処理エレメントを通してコアアセンブリの内部に導かれるか、又は内部から導かれうる。それぞれの流体処理エレメント内で、流体は、概して縁に沿って透過性流体処理メディアを通って流れる。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は2007年3月19日出願の米国特許仮出願第60/907,066号明細書に基づく優先権を主張し、この仮出願の全開示内容は、参照により本明細書に引用したものとする。
【発明の開示】
【0002】
[0002]本発明は、流体処理装置と、流体処理装置を製造し使用するための方法に関する。詳細には、本発明は、螺旋状に巻かれた流体処理エレメントを備える流体処理装置と、螺旋状に巻かれた流体処理エレメントを備える流体処理装置を製造し使用するための方法に関する。流体処理エレメントは、リボンを複数の巻回数で螺旋状に巻いて略ディスク形の本体を形成することにより形成することができる。リボンは、第1及び第2の互いに対向する主面並びに第1及び第2の互いに対向する側端を有する透過性流体処理メディアの幅が狭く細長いストリップ(strip)を含むことができる。ディスク形の本体は、一方向に向く端面(例えば流入面)、反対の方向に向く他方の端面(例えば流出面)、及び外側リムを備えることができる。流体処理装置を形成するために、これらの流体処理エレメントのうちのいくつかを、エレメントの一部又は全部の間に空間を設けて中空コアアセンブリに沿って配置するとよい。
【0003】
[0003]流体は、流体処理エレメントに通して、即ち流体処理エレメントの流入面から流出面へと誘導されうる。流体が流体処理エレメント内を通過するときに、流体は、概して縁に沿ってそれぞれの巻回部の透過性流体処理メディアを通過しうる、即ち、流体は、リボンの第1及び第2の対向する主面に対しほぼ平行に透過性メディア内で横方向に流れうる。流体は、さらに、1つの巻回部の透過性流体処理メディアから半径方向に1つ又は複数の隣接する、又は近くにある巻回部の透過性メディアに流れ込み、次いで透過性メディアに沿って横方向に流れうる。
【0004】
[0004]本発明の1つ又は複数の態様を具現化する流体処理装置は、ガス、液体、若しくはガス、液体の混合物を含む流体、及び/又は固体を処理するために使用されうる。流体は、流体処理エレメント内を通過するときに、流体処理エレメントの流体処理特性に応じて、様々な方法で処理することができ、また多くの異なる流体処理特性がある。例えば、流体処理特性は、特定のサイズより大きい微粒子又は分子が通過するのを遅らせるか、又は妨げ、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに流体からこれらの微粒子又は分子を濾過する流体処理メディアの孔構造又は除去率に関係しうる。他の例では、流体処理特性は、流体が流体処理エレメント内を通って流れるときに流体中で1つ又は複数の物質、例えば、分子、蛋白質及び/又は核酸に結合し、流体からこれらの物質を分離する流体処理メディア上の、又は流体処理メディア中の化学又は生化学剤に関係しうる。さらに他の例では、流体処理特性は、流体が流体処理エレメント内を通って流れるときに流体から1つ又は複数の物質、例えば、分子又は化合物を吸収又は吸着し、流体からこれらの物質を分離する流体処理メディア中の、又は流体処理メディア上の吸収剤に関係しうる。さらに他の事例では、流体処理特性は、流体中に巻き込まれている小さな液滴を凝集し、流体から簡単に除去できるくらいの大きさの液滴を生成する流体処理メディアの表面化学に関係しうる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の一態様によれば、流体処理装置は、中空コアアセンブリ、コアアセンブリに沿って取り付けられた流体処理エレメントの少なくとも第1及び第2セット、並びに一方のセットの流体処理エレメントと他方のセットの流体処理エレメントを通る流体流路を備えることができる。コアアセンブリは、内部と軸線とを有する。それぞれのセットの複数の流体処理エレメントは、透過性流体処理メディアを有するリボンを備える。リボンは、複数の巻回数で巻かれて、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を形成する。ディスク形の本体は、さらに、本体の一方の側の第1の端面、本体の他方の側の第2の端面、及び外側リムを有する。流体処理エレメントの第2セットは、流体処理エレメントの第1セットから半径方向にずらされている。流体流路は、第1セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間及び第2セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間からコアアセンブリの内部に延びるか、又はコアアセンブリの内部から第1セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間及び第2セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間に延びる。
【0006】
[0006]本発明の他の態様によれば、流体処理装置を製造するための方法は、中空コアアセンブリに沿って螺旋状に巻かれたディスク形の流体処理エレメントの第1及び第2セットを取り付けることを含むことができる。流体処理エレメントの第1及び第2セットをコアアセンブリに沿って取り付けることは、流体処理エレメントの第2セットを流体処理エレメントの第1セットから半径方向にずらすことを含む。
【0007】
[0007]本発明の他の態様によれば、流体を処理するための方法は、流体処理装置の外部と中空コアアセンブリの内部との間に流体を誘導することを含むことができ、これは(1)流体を概ね縁に沿って第1の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すことと、(2)流体を概ね縁に沿って、第1の流体処理エレメントから半径方向にずらされている第2の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すこととを含む。
【0008】
[0008]本発明の実施形態には、多数の利点がある。例えば、流体処理エレメントの第1及び第2セットを互いに半径方向にずらして配置することにより、流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間を通過するときに、少なくとも2つの流体処理エレメント、例えば、第1セットの1つのエレメントと第2セットの1つのエレメントとを通って流れうる。流体の処理は、こうして、著しく向上させることができる。さらに、流体処理エレメントの第1及び第2セットをコアアセンブリに沿って半径方向にずらすことにより、大きな半径を有し軸線方向に短い流体処理装置が形成されうる。流体処理装置は半径が大きく、長さが短いほど、多くのハウジング内の空間を効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】流体処理装置の1/4断面図である。
【図2A】リボンの斜視図である。
【図2B】リボンの斜視図である。
【図3】図1の流体処理エレメントの正面図である。
【図4】他の流体処理エレメントの正面図である。
【図5】他の流体処理エレメントの正面図である。
【図6】他の流体処理エレメントの正面図である。
【図7】流体処理要装置を含む流体処理アセンブリの1/4断面図である。
【図8】他の流体処理装置の一部の1/4断面図である。
【図9】他の流体処理装置の一部の1/4断面図である。
【図10】他の流体処理装置の1/4断面斜位図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]流体処理エレメントの複数の半径方向に互いにずらしたセット、例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上のセットを有する流体処理装置が、様々な方法で構成されうる。流体処理装置10の一実施形態は、図1に示されているが、流体処理装置は、この図に例示されている特徴に限定されるわけではない。流体処理装置10は、コアアセンブリ11及びコアアセンブリ11に沿って取り付けられている螺旋状に巻かれた流体処理エレメント14’、14”の少なくとも2つの半径方向にずらされたセット、例えば、内側セット12及び外側セット13を備えることができる。コアアセンブリ11は、軸線を有するパイプ又はチューブなどのコア、内部15と2つの開放端又は1つの開放端及び閉鎖又は盲端とを有する略中空の構成とからなっている。コアアセンブリ11は、さらに、端部間のコアに沿って、溝又は他の穿孔などの開口部16、例えば、軸線方向に分離されている開口部を有することもできる。
【0011】
[0020]両方のセット12、13の流体処理エレメント14’、14”の大半又は全部は、本体20の一方の側の一方の端面21、本体20の対向する側の他方の端面22、外側リム23、及び内側リム23aを有する略ディスク形の本体20を備えることができる。ディスク形の本体20は、細長いリボンを螺旋状に巻いた複数の巻回部を含みうる。リボンは、様々な方法で構成されうる。2つのリボン24の例は、図2A及び2Bに示されているが、リボンは、これらの図に例示されている特徴に限定されるわけではない。それぞれのリボン24は、対向する主面25、26及び対向する側端30、31を有する細長い形状とすることができる。リボン24は、対向する主面25a、26a並びに対向する側端30a、31aも有する透過性流体処理メディア32の少なくとも1つのストリップを含む。多孔性流体処理メディアを含むリボン24は、透過性であるが、孔は開いていないもの、即ち対向する主面25、26、25a、26aの間に延びる貫通孔又は貫通溝を持たないものとしてよい。透過性流体処理メディア32を含む、リボン24の一方又は両方の側端30、31、30a、31aは、略直線状であるか、又は平らであるか、或いはギザギザであるか、フリンジ付きであるか、又は縮れていてもよい。ディスク形の本体20のそれぞれの端面21、22は、透過性流体処理メディア32の側端30a、31aを含む、リボン24の側端30、31の複数の螺旋状の巻回部を含む。一方又は両方の端面21、22は、平らな表面又は凸凹の表面であってもよく、これは、例えば、発明者としてThomas Welch,Jr.、Stephen Geibel、及びTanweer ul Haqが挙げられている、2007年3月19日に出願された、「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods of Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書、並びにこの仮出願に基づく優先権を主張するPCT国際出願において開示されており、両方ともこれら及び他の特徴を支持するため参照により本明細書に組み込まれている。
【0012】
[0021]透過性流体処理メディアは、例えば、天然又は合成ポリマー、ガラス、金属、カーボン、及び/又はセラミックを含む、多数の材料から形成されうる。透過性流体処理メディアは、例えば、織物又は不織繊維性ストリップなどの繊維性構造物、織布、押出成形、又は拡張メッシュストリップなどのメッシュ、支持又は非支持膜ストリップなどの透過性膜、多孔性発泡ストリップ、或いは多孔性焼結繊維金属又は粉末金属ストリップなどの多孔性金属を含む様々な構造物から形成されうる。
【0013】
[0022]透過性流体処理メディアは、無数の処理特性を有しているといってよい。例えば、透過性流体処理メディアは、複数の流体処理特性のうちのいずれかを有することができるか、又は有するように修正することができ、このような処理特性を持つものとしては、限定はしないが、正又は負電荷、例えば、疎水性又は親水性又は疎油性又は親油性の表面特性を含む、液体不親和性又は液体親和性の表面特性、流体中の物質に化学結合しうるリガンド又は任意の他の反応性モイエティなどの付着官能基、又は限定はしないが、すべての種類の吸収剤、反応剤、触媒、及びクロマトグラフィ充填剤を含む、流体及び/又は流体それ自体の中にある物質と化学的又は物理的に結合するか、反応するか、触媒するか、送達するか、又は他の何らかの形で影響を及ぼしうる組み込まれた機能性材料がある。より具体的には、機能性材料として、活性炭、シリカ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、粘土、アルミナ、重曹、イオン交換樹脂、触媒、金属酸化物、酸化剤、還元剤、緩衝剤、殺生剤、殺菌剤、殺ウイルス剤、消臭剤及び芳香剤を挙げることができる。機能性材料は、流体処理メディア中に組み込まれうる、例えば、流体処理メディアに接着されること、流体処理メディア上にコーティングされること、流体処理メディア中に固定化されること、及び/又は流体処理メディアとして形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、機能性材料は、流体処理メディア中に固定化された粒子又は繊維の形態をとりうる。さらに、透過性流体処理メディアの流体処理特性には、例えば、超多孔性又はナノ多孔性又はより細かい多孔性からマイクロ多孔性又はそれより粗い多孔性までを含む、広範な除去率又は孔構造を含めてもよい。例えば、流体処理特性は、サブミクロン範囲又はそれ以上の細かさ、例えば、最大約0.02μm若しくはそれ以上の粗さ、又は最大約0.1μm若しくはそれ以上の粗さ、或いはミクロン範囲若しくはそれ以上の粗さ、例えば、最大約1μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約5μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約10μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約50μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約75μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約100μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約200μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約300μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約500μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約1000μm若しくはそれ以上の粗さの除去率を含みうる。
【0014】
[0023]すべてのセットのすべての流体処理エレメントの流体処理メディアは、同じ流体処理特性を有していてもよい。代替として、流体処理特性は、例えば、これら及び他の特徴を支持するために参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月19日に出願された、発明者としてThomas Welch,Jr.、Mark Hurwitz、Tanweer ul Haq、及びJoseph Verschneiderが挙げられている「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Different Fluid Treatment Characteristics and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,069号明細書及びこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、単一の流体処理エレメント中で、或いは2つ以上の流体処理エレメント間で、流体処理メディア毎に異なっていてもよい。多くの実施形態について、流体処理装置の流体処理メディアの少なくとも1つ、例えば、一部又は全部は、例えばガラス繊維又はポリマー繊維の不織布の濾過メディアを備えることができ、また流体処理メディアの流体処理特性は、約0.02μm又はそれ以上の粗さの除去率を含みうる。
【0015】
[0024]リボン24は、図2Aに示されているように、リボンの単独コンポーネントとして透過性流体処理メディア32のストリップを含み、またリボン及び流体処理メディアの主面は、隣接する巻回部に沿って接触していてもよい。代替として、リボンは複数のコンポーネントを含んでいてもよい。例えば、リボン24は、図2Bに示されているように、互いの上に重ね合わされている複数の層を含む多層複合材33の1つの層として透過性流体処理メディアを備えることができる。透過性流体処理メディア32aの追加の層などの様々な追加の層が含まれうる。流体処理メディア32、32aは、互いに同一であってもよいし、また互いに異なっていてもよい。例えば、透過性流体処理メディア層は、同じ流体処理特性を有していても、異なる流体処理特性を有していてもよく、異なる流体処理特性を有する流体処理メディアを互いに平行に並べた流体処理エレメントを形成することができる。他の追加の層は、リボンの構造的完全性を強化する強化ストリップ34としてよい。リボンは、流体処理エレメントを形成するために複数の巻回数で巻かれるときに張力が加わる可能性があり、透過性流体処理メディアのストリップは、この張力に耐えるだけの十分な強度を持たないことがある。したがって、ポリマーフィルムのストリップなどのこの張力に耐えられる強化ストリップ34を流体処理メディアとともに層状に重ねるとよい。他の追加の層は、リボンの隣接する巻回部の隣接する表面を結合する結合ストリップ35としてよい。複合材リボンの複数の層は、すべてが同じ幅であるか又は位置が揃っているわけではない。層の末端は、位置が揃っているか、又は千鳥配置としてよい。多くの実施形態に関して、追加の流体処理メディア層以外の、追加の層の厚さは、流体処理エレメント内の流体処理メディアの相対的体積を増やすために流体処理メディア層の厚さよりも薄くすることができる。流体処理エレメント内を通って流れるときに流体処理メディアをバイパスする可能性のある流体の量を減らすために、縁に沿って追加の層を通る流体流れに対する抵抗は、縁に沿って流体処理メディア層を通る流体流れに対する抵抗に少なくとも実質的に等しいか、又はそれ以上であるものとすることができる。いくつかの実施形態では、縁に沿って追加の層を通る際の透過性は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の透過性に実質的に等しいか、又はそれ以下であり、及び/又は縁に沿って追加の層を通る際の除去率は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の除去率に実質的に等しいか、又はそれ以上の細かさとしてよい。いくつかの実施形態では、流体処理メディア層とは別の複合リボンの層の一部又は全部は、不浸透性であってもよい。代替として、縁に沿って追加の層を通る流体流に対する抵抗は、縁に沿って流体処理メディア層を通る流体流れに対する抵抗より小さいものとすることができる。いくつかの実施形態では、縁に沿って追加の層を通る際の透過性は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の透過性より大きく、及び/又は縁に沿って追加の層を通る際の除去率は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の除去率より粗いものとすることができる。
【0016】
[0025]代替として、又はそれに加えて、リボンは、縁に沿ってリボンを通る流体流路内で順番に隣り合わせで並ぶ形で配列されている複数のコンポーネント、例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上のコンポーネントを備えることができる。隣り合わせで並ぶコンポーネントは、その間に空間又は介在構造物を有しているか、或いは近接するように、例えば、接触するように配列されうる。例えば、流体処理メディアの複数のストリップは、縁と縁を並べる形で配列されうる。図2Bに示されている多孔性流体処理メディアの追加の層32aは、複数のストリップの隣り合わせに並ぶ配列の一例にすぎない。1つのストリップ32a’は、隣接するストリップ32a”と同一平面上で、近接するように配置されうる。例えば、ストリップ32a’、32a”の側端は、リボン24の長さに沿って互いに接触しあうことができる。メディアは、互いに類似していても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のメディアが、異なる孔サイズを有している場合があり、例えば、それぞれの連続するメディアが、大きな又は小さな除去率又は孔構造を有し、孔サイズはリボンの幅方向に勾配を有するものとしてよい。例えば、流体処理メディアの下流のストリップは、流体処理メディアの上流のストリップに比べて細かい除去率又は孔構造を有する場合がある。他の実施形態では、2つ以上のメディアが、異なる種類の流体処理を行う、例えば、濾過、吸着、及びイオン交換を行うことができる。隣り合わせで並ぶ配列のストリップは、類似の、又は異なる幅、厚さ、及び/又は長さを有することができる。隣り合わせで並ぶストリップは、様々な方法で支持されうる。例えば、複数のストリップを、支持層と重ね合わせることができる。支持層は、薄く、不浸透性であってよく、また流体処理メディアストリップの組み合わされた幅よりも小さい、ほぼ等しい、又は大きい幅を有していてもよい。
【0017】
[0026]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンは、様々な長さ、厚さ、及び幅を有することができる。多くの実施形態において、リボンは、連続的であり、所望の半径方向寸法を持つ流体処理エレメントを形成するために十分な数の巻回部を備えるために必要な完全な長さを持つものとすることができる。他の実施形態では、リボンの短い複数のセグメントを端と端で連結して、完全な長さのものとすることができる。さらに、多くの実施形態では、リボンは、概してストリップの長さ方向に沿って直線状のものとしてよい。しかし、リボンは湾曲していてもよい。例えば、リボンは、ストリップの長さに沿って伸びる循環的な、例えば、正弦曲線又は鋸歯状のパターンを持つものとしてもよい。
【0018】
[0027]透過性流体処理メディアのストリップを含む、リボンの厚さ、即ち、リボンを通る一方の主面から対向する主面までの距離は、例えば多孔性流体処理メディアの構造に応じて、リボン毎に及び/又は流体処理エレメント毎に異なるものとすることかできる。厚さは、例えば薄い透過性ポリマー膜の場合の約2/1000インチ以下から、例えば高さのある繊維性材料又は多孔性発泡体の場合の約250/1000インチ以上までの範囲内としてよい。厚さは、リボンの長さに沿って不均一であってもよいけれども、多くの実施形態では、厚さは、リボンの長さに沿って均一である。
【0019】
[0028]透過性流体処理メディアのストリップの幅を含む、リボンの幅、即ち、リボンを通り一方の側端から対向する側端までの最大の横方向の距離は、類似しているか又はリボン毎に及び/又は流体処理エレメント毎に異なりうる。流体が流体処理エレメント14’、14”内を通って流れると、流体は、概ね縁に沿ってリボン24及び透過性流体処理メディア32のストリップを通り一方の側端30、30a、31、31aから対向する側端31、31a、30、30aへ流れうる。したがって、リボンの幅は、圧力低下及び流体が受ける処理の程度に影響を及ぼしうる。例えば、リボンの幅は、濾過効率に影響を及ぼしうる。多くの実施形態について、幅は、約1/16インチ以下から約1インチ又は2インチ又は3インチ又はそれ以上までの範囲内とすることができる。例えば、幅は、約1/8インチ以上から約1/2インチ以下までの範囲を含む約2インチ以下、例えば1インチ以下から約1/16インチ以上までの範囲内とすることができる。さらに、幅は、リボンの長さに沿ってほぼ均一であり、流体処理エレメント内を通って流れる間に流体の処理はさらに均一になる。代替として、リボンの幅は、長さに沿って変化し、このため、例えば、狭いリムへ向かって次第に細くなるか、又は例えば幅広のリムに向かって次第に広がる流体処理エレメントを形成することができる。リボンの幅は、さらに、短い距離にわたっても変化し、例えば、1つ又は2つのギザギザの縁を持つリボンを形成することもできる。ギザギザの縁、さらにはフリンジ付き又は縮れた縁を持つリボンは、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願において開示されている。
【0020】
[0029]リボン24を複数の巻回数で螺旋状に巻くことにより形成された流体処理エレメント14’、14”は、多数の不規則な又は規則正しい幾何学的形態をとりうる。例えば、流体処理エレメント14’、14”のそれぞれの螺旋状に巻かれたディスク形の本体20、さらにはコアアセンブリ11は、図3に示されているように略円形の形態、又は図4、5、及び6にそれぞれ示されているように一般的な楕円形、三角形、又は矩形の形態をとりうる。例えば最内側の巻回部から最外側の巻回部までの、流体処理エレメント14’、14”の半径方向の寸法、即ち、コアアセンブリ11の軸線に対して略垂直な寸法は、例えば、巻回部数とリボンの厚さに応じて変わりうる。例えば、半径方向の寸法は、約1/4インチ以下又は約1/8インチ以下から最大約1インチまで又は最大約2インチまで又は最大約6インチまで又は最大約10インチまで又は最大約25インチ以上までの範囲内とすることができる。それぞれのセット12、13内の、又はセットからセットへの流体処理エレメントの半径方向の寸法は同等、例えば実質的に等しいか、或いは異なっていてもよい。多くの実施形態では、内側セット12の流体処理エレメント14’の内径は、互いに実質的に等しいものとしてよく、また外径は、互いに実質的に等しいものとしてよい。外側セット13の流体処理エレメント14”の内径は、互いに実質的に等しいものとしてよく、また内側セット12の流体処理エレメント14’の外径に実質的に等しいものとしてよく、外側セット13の流体処理エレメント14”の外径は、互いに実質的に等しいものとしてよい。
【0021】
[0030]流体処理エレメント14’、14”の容積は、例えば、リボンの幅及びディスク形の本体の半径方向の寸法などの因子に依存しうる。いくつかの実施形態では、流体処理装置10の流体処理エレメント14’、14”はすべて、同じ容積を有することができる。いくつかの実施形態では、内側セット12の流体処理エレメント14’はすべて、実質的に同じ容積を有し、外側セット13の流体処理エレメント14”はすべて、実質的に同じ容積を有するが、内側セット12の流体処理エレメント14’の容積に比べて大きいか、又は小さい、異なる容積を有することができる。
【0022】
[0031]流体処理エレメント14’の内側セット12は、コアアセンブリ11に沿って軸線方向に、例えば、コアアセンブリ11の周囲のすぐ近くに、またコアアセンブリ11に接触する形で配置されうる。流体処理エレメント14”の外側セット13は、流体処理エレメント14’の内側セット12から半径方向にずらされている、例えば、内側セット12から半径方向に外へ向かうコアアセンブリ11に沿って軸線方向に配置されうる。外側セット13の流体処理エレメント14”は、内側セット12の流体処理エレメント14’と軸線方向に揃えられるか、又は内側セット12の流体処理エレメント14’から軸線方向にオフセットされうる。内側セット12と外側セット13の両方の中で、流体処理エレメントのうちのいくつかは、隣接する流体処理エレメントの端面が隣接するエレメントの間の境界面に沿って互いに近接する、例えば接触して隣り合って並ぶ形で、コアアセンブリに沿って軸線方向に配置されうる。さらに、流体処理エレメント14’、14”の一部又は全部は、隣接する流体処理エレメントの端面21、22の間に空間40、41を画定するように軸線方向に互いに隔てられて並ぶコアアセンブリ11に沿って配置されうる。隣接する流体処理エレメントの間の距離は、それぞれの空間40、41の幅を画定し、それらの空間40、41の幅は、それぞれのセット内で及び/又は他のセット毎に均一でも、均一でなくてもよい。空間40、41は、流体処理エレメントの半径方向の寸法の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は約100%に沿って隣接する流体処理エレメントの間に半径方向に延びるものとしてよい。さらに、これらの空間40、41のうち多く又はすべては、例えば、これら及び他の特徴を支持するために参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月19日に出願された、発明者としてThomas Welch,Jr.、Tanweer ul Haq、及びJoseph Verschneiderが挙げられている「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Spaces Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,068号明細書及びこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、構造を実質的に含まないものとしてよい。代替として、これらの空間の一部又は全部が、例えば、様々な構造物を含むか、又は様々な構造物によって占有されうる。いくつかの構造物は、スペーサー及び/又は支持材としても働き、様々な方法で構成されうる。例えば、これらの構造物は、流体の空間への流入又は流出の際に通る空間或いはメッシュの1つ又は複数の層或いはたくさんの粗い繊維に流体を誘導して通すための溝、リブ、又は開口部を有するものとしてよい剛性のある、又は柔軟なプレート又はグリッドを備えることができる。代替として、これらの構造物は、例えば、これら及び他の特徴を支持するために参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月19日に出願された、発明者としてThomas Welch,Jr.、Tanweer ul Haq、及びJoseph Verschneiderが挙げられている「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,078号明細書及びこの国際出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているような、空間内で延びる1つ又は複数の支柱を備えうる。空間及び/又は支持材の他に、例えば機能性材料を含む、他の構造物が、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Different Fluid Treatment Characteristics and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,069号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、空間内に配置されうる。
【0023】
[0032]流体処理装置10は、さらに、流体処理エレメント14’、14”の内側及び外側セット12、13の間に内側の周辺部材42を、流体処理エレメント14”の外側セット13の周りに外側の周辺部材43を備えることができる。内側の周辺部材は、相隔てて並ぶ流体処理エレメントの間の空間及び/又は近接する流体処理エレメントの間の境界面の一部又は全部に関連付けられ、エレメントの1つのセットの空間、境界面、及び/又はリムをエレメントの他のセットのエレメントから隔てるために使用されうる。流体処理エレメント14”の外側セット13は、流体処理エレメント14’の内側セット12及び内側の周辺部材42の周りでコアアセンブリ11に沿って配置されうる。例えば、流体処理エレメント14”の外側セット13は、内側の周辺部材42及び/又は内側セット12の流体処理エレメント14’の外側リム23の周囲のすぐ近くにあり、接触しているものとしてよい。外側の周辺部材は、相隔てて並ぶ流体処理エレメントの間の空間及び/又は外側セットの近接する流体処理エレメントの間の境界面の一部又は全部に関連付けられ、外側セットの流体処理エレメントの空間、境界面、及び/又は外側リムを外側流体処理エレメントの外部、例えば外側流体処理エレメントを半径方向に越える領域から隔てるために使用されうる。
【0024】
[0033]それぞれの周辺部材は、例えば、流体処理エレメントとは別の1つ又は複数のコンポーネントとして、但し流体処理エレメントと関連付けられているものとして構成するなどの様々な方法で構成されうる。内側及び外側の周辺部材42、43の多数の異なる例のうちの1つは、複数の軸線方向に相隔てて並ぶ内側バンド44及び外側バンド45をそれぞれ含みうる。内側バンド44は、内側及び/又は外側セット12、13の流体処理エレメント14’、14”の間の空間及び/又は境界面の一部の周囲にあり、封止することができる。多くの実施形態では、内側バンド44は、それらの空間及び/又は境界面の一部の外側端部に橋架し、内側セット12の隣接する内側流体処理エレメント14’の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。内側バンド44は、さらに、それらの空間及び/又は境界面の一部の内側端部に橋架し、外側セット13の隣接する外側流体処理エレメント14”の内側リム23aを部分的に又は完全に覆うことができる。外側バンド45は、外側セット13の流体処理エレメント14”の間の空間及び/又は境界面の一部の周囲にあり、封止し、空間及び/又は境界面の一部の外側端部に橋架し、隣接する外側流体処理エレメント14”の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。それぞれの周辺部材42、43は、不浸透性であり、様々な方法で流体処理エレメント14’、14”に封止されうる。例えば、内側及び外側バンド44、45は、不浸透性ストリップ、例えば、不浸透性ポリマーストリップで構成することができ、また流体処理エレメント14’、14”のディスク形の本体20の外側リム23及び/又は内側リム23aに接着する、例えば、接着剤で接着するか、溶剤で接着するか、又は熱で接着することができる。代替として、バンドは、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,078号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、ホットメルト接着剤、ポリウレタン、又はエポキシなどの不浸透性硬化性接着材料を含むものとしてよく、また流体処理エレメントに接着できる。
【0025】
[0034]周辺部材、さらには流体処理エレメント及び両方のセットの流体処理エレメント間の空間は、コアアセンブリの内部と流体処理装置の外部、例えば流体処理装置を半径方向に越える領域との間の内側及び外側セットの流体処理エレメントに沿って流体を誘導するように様々な方法で構成できる。例えば、図1に例示されている実施形態を含む、多くの実施形態では、流体流路50は、流体を流体処理装置10の外部から、外側セット13の流体処理エレメント14”のうちの1つ又は複数のエレメントに通し、次いで内側セット12の流体処理エレメント14’のうちの1つ又は複数のエレメントに通して、コアアセンブリ11の内部15内に導き、軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って流すように配列されうる。外側セット13の流体処理エレメント14”の空間のいくつか、例えば外側供給空間40は、流体処理装置10の外部と流体的に連通し、流体を流体流路50に沿って流して外側供給空間40内に流し込むことができる。それぞれの外側供給空間40の内側端部で、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44のうちの1つ又は複数が、内側セット12の内側空間40、41、境界面、及び/又は流体処理エレメント14’から流体を隔離しうる。そこで、外側供給空間40に向く外側流体処理エレメント14”の端面21は、供給又は流入面とすることができ、流体は、供給面21を介して流体流路50に沿って供給空間40から隣接する外側流体処理エレメント14”内に流れ込むことができる。外側セット13の流体処理エレメント14”の他の空間、例えば外側透過液空間41は、流体処理装置10の外部から流体的に隔離されうる。例えば、外側の周辺部材43、例えば、外側バンド45のうちの1つ又は複数は、それぞれの外側透過液空間41の外側端部を流体処理装置10の外部から流体的に隔離することができる。そこで、外側透過液空間41に向く外側流体処理エレメント14”の端面22は、透過液面又は流出面とすることができ、流体は、透過液面22を介して外側流体処理エレメント14”から出て、外側透過液空間41に入るようにできる。
【0026】
[0035]内側セット12の流体処理エレメント14’の間の空間のいくつか、例えば、内側供給空間40は、外側透過液空間41と流体的に連通することができる。例えば、外側透過液空間41の内側端部は、内側供給空間40の外側端部内へと直接開き、これにより流体は流体流路50に沿って外側透過液空間41から内側供給空間40内に流れ込むことができる。それぞれの内側供給空間40の内側端部は、コアアセンブリ11によって流体的に隔離され、例えば、ブロックされうる。そこで、内側供給空間40に向く内側流体処理エレメント14’の端面21は、供給又は流入面とすることができ、流体は、供給面21を介して流体流路50に沿って内側供給空間40から内側流体処理エレメント14’内に流れ込むことができる。内側セット12の流体処理エレメント14’の他の空間、例えば内側透過液空間41は、内側流体処理エレメント14’の外部、例えば、内側流体処理エレメントを半径方向に越えた領域から流体的に隔離されうる。例えば、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44のうちの1つ又は複数は、それぞれの内側透過液空間41の外側端部を流体的に隔離することができる。そこで、内側透過液空間41に向く内側流体処理エレメント14’の端面は、透過液又は流出面とすることができ、流体は、透過液面22を介して内側流体処理エレメント14’から出て、内側透過液空間41に入るようにできる。内側透過液空間41は、コアアセンブリ11の開口部16と流体的に連通し、流体を流体流路50に沿って流し、コアアセンブリ11の内部15内に流し込み、軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って流すことができる。
【0027】
[0036]流体処理装置及び流体処理エレメントは、複数の異なる方法のうちのいずれかで製造することができる。例えば、流体処理装置を製造するための方法は、中空コアアセンブリに沿って螺旋状に巻かれたディスク形の流体処理エレメントの第1及び第2セットを取り付けることを含むことができ、さらにこれは流体処理エレメントの内側セットから流体処理エレメントの第2セットを半径方向にずらすことを含む。例えば、少なくとも2つ及び少なくとも10以上の、又は少なくとも25以上の、又は少なくとも50以上の、又は少なくとも100以上の数の流体処理エレメントが、それぞれのセット内のコアアセンブリに沿って取り付けられうる。1つのセット内の流体処理エレメントの個数は、隣接するセット内の流体処理エレメントの個数より少ないか、等しいか、又は多いものとしてよい。
【0028】
[0037]それぞれのセットの流体処理エレメントは、様々な方法でコアアセンブリに沿って配置されうる。例えば、リボンをコアアセンブリの周りに複数の巻回数で螺旋状に巻いて、コアアセンブリに沿った異なる軸線方向の位置で内側セット及び/又は外側セットの流体処理エレメントを形成することができる。内側セット12の流体処理エレメント14’では、リボン24をコアアセンブリ11の外部の周りに、直接その上へ巻いて、例えば、接触させて、内側流体処理エレメント14’のディスク形の本体20を形成することができる。それぞれのリボン24は、所定の半径方向寸法を有するディスク形の本体20を形成するのに十分な巻回部数で螺旋状に巻くことができる。多くの実施形態では、内側セット12の流体処理エレメント14’はすべて、実質的に同じ半径方向の寸法及び幅を有することができる。内側セット12の流体処理エレメント14’が形成された後、内側の周辺部材42が内側流体処理エレメント14’に結合されうる。例えば、内側バンド44は、内側セット12の透過液空間41及び/又は境界面の周りに配置され、隣接する内側流体処理エレメント14’に封止されうる。多くの実施形態では、内側バンド44は、内側流体処理エレメント14’の外側リム23の周りに巻くことができ、外側リム23に接着し、例えば、接着剤で接着するか、溶剤で接着するか、又は熱で接着して、外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。
【0029】
[0038]次いで、外側セット13の流体処理エレメント14”のリボン24は、リボン24を内側の周辺部材42及び/又は内側流体処理エレメント14’の外側リム23の周りに、直接その上へ巻いて、例えば、接触させることによりコアアセンブリ11の周りに巻くことができる。それぞれのリボン24は、所定の半径方向寸法を有するディスク形の本体20を形成するのに十分な巻回数で螺旋状に巻くことができる。多くの実施形態では、外側セット13の流体処理エレメント14”はすべて、実質的に同じ半径方向の寸法及び幅を有することができる。リボン24の数及び幅並びに外側流体処理エレメント14”のディスク形の本体20の半径方向の寸法は、内側流体処理エレメント14’と実質的に同じである場合も異なる場合もある。さらに、外側セット13のリボン24は、流体処理エレメント14’と軸線方向に揃えられるか、又は流体処理エレメント14’から軸線方向にオフセットされて、コアアセンブリ11の周りに巻くことができる。外側セット13の流体処理エレメント14”が形成された後、外側の周辺部材43が外側流体処理エレメント14”に結合されうる。例えば、外側バンド45は、外側セット13の透過液空間41及び/又は境界面の周りに配置され、隣接する外側流体処理エレメント14”に封止されうる。多くの実施形態では、外側バンド45は、外側流体処理エレメント14”の外側リム23の周りに巻くことができ、外側リム23に接着し、例えば、接着剤で接着するか、溶剤で接着するか、又は熱で接着して、外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。
【0030】
[0039]流体処理エレメントのそれぞれのセットについて、これら複数のリボンを、コアアセンブリの周りに、一度に1個、一度に数個、又は同時にすべて、例えば、順次又は同時に、巻くことができる。リボンの内側端部領域、例えば、第1の1つ、2つ、又は3つの巻回部を画定する領域をコアアセンブリ又は内側の周辺部材にあてがって十分に封止し、流体処理エレメントのバイパスを防ぐことができる。例えば、内側端部領域の少なくとも一部は、その部分をコアアセンブリ又は内側の周辺部材に熱接着、接着剤による接着、又は溶剤による接着によってコアアセンブリ又は内側の周辺部材に固定することができる。代替として、内側端部領域をコアアセンブリに接着せず、例えば、コアアセンブリの周りに最初の巻回部を密に巻いてコアアセンブリ又は内側の周辺部材に圧縮嵌めすることができる。さらに、内側端部領域は、先にゆくほど厚さが薄くなるものとするか、又は第1の巻回部の終わりから第2の巻回部の始まりへの移行で段が形成されないように十分密に巻くことができる。
【0031】
[0040]それぞれのセットの複数のリボンのうちのいずれか、又はすべてを螺旋状に巻いて、ディスク形の本体に少なくとも1つの凸凹の端面を形成することができる。例えば、凸凹の表面は、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、ギザギザの側端を有するリボンを螺旋状に巻くこと、及び/又は一方の巻回部の側端が他方の巻回部の側端に重なり合うようにしてリボンを螺旋状に巻くことにより形成されうる。代替として、リボンは、それぞれのディスク形の本体上に2つの平らな端面を形成するように螺旋状に巻いてもよい。
【0032】
[0041]流体処理エレメントのそれぞれのセットについて、それぞれのリボンは張力を受けて複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、これにより所望の半径方向の寸法の流体処理エレメントを形成することができる。張力は、一定であるか、又は流体処理エレメントの半径方向の寸法が増大するに従って変化させてもよく、張力は、多くの要因に基づき経験的に選択されうる。例えば、リボンが伸長して悪影響を生じる最大張力、例えば、流体処理メディアが過度に引き伸ばされるか、又は引き離され始める張力を決定することができる。次いで、リボンは、最大張力よりも低い張力、例えば、この最大張力の約80%以下又は約65%以下又は約50%以下の張力を使用して螺旋状に巻かれるようにできる。さらに、リボンは、流体処理エレメントの半径方向の寸法のほとんど又はすべてに沿って一方の巻回部から次の巻回部への流体処理メディアの類似の圧縮力、例えば、実質的に均一な圧縮力をもたらす張力を使用して螺旋状に巻かれうる。一方の巻回部から次の巻回部へ類似の圧縮力を発生させることにより、流体処理エレメントは、縁に沿って流体処理メディアの複数の巻回部を通して流れる流体をより均一に処理することができる。例えば、流体処理メディアが濾過材を備えている場合、流体処理エレメントをその半径方向の寸法に沿ってより一様に装填することで、エレメントの収塵容量及び/又は使用期間を向上させることができる。それに加えて、隣接する巻回部の隣接する表面とリボンの隣接する層の間で流体が横方向に流れるのを阻止又は防止するように、十分な張力でリボンを螺旋状に巻くことができる。例えば、リボンは、隣接する表面と隣接する層との間で流体が横方向に通らない十分な張力で、又はリボンの隣接する表面と隣接する層との間の横方向への流体経路が縁に沿って流体処理メディアを通る流体経路の透過性及び/又は除去率に比べて実質的に大きい又は粗いということがない透過性及び/又は除去率を有する十分な張力で螺旋状に巻くことができる。リボンは、さらに、安定した堅いディスク形の本体を有する実質的に自立型の流体処理エレメントを形成するのに十分な張力により巻かれうる。例えば、流体処理エレメントにおいて生じる差圧で隣接する巻回部及び隣接する層の横方向の滑り及び/又は半径方向の分離が妨げられるよう十分に密に隣接する巻回部及び隣接する層同士をくっつけておく十分な張力でリボンを巻くことができる。
【0033】
[0042]それぞれのリボンが所望の半径方向の寸法に合わせて螺旋状に巻かれた後、リボンの外側端部領域は、様々な方法のうちのいずれかの方法で適所に保持されうる。例えば、外側端部領域は、隣接する巻回部に、例えば、熱による接着、接着剤による接着、又は溶剤による接着により接着されうる。代替として、又はそれに加えて、リボンの外側端部領域は、他の巻回部にかしめることができる。例えば、高温の金属ピンを略半径方向にリボンの外側端部領域及び他方の巻回部に挿入して、ピンと接触しているリボンの部分を溶かすことができる。ピンが引き抜かれると、溶融部分は、互いの部分とともに固化し、略放射状のステークを形成し、リボンの複数の層を含む外側端部領域、及び他方の巻回部を適所に保持できる。代替として、又はそれに加えて、高温でも高温でなくてもよい、中空針を、外側端部領域及び他方の巻回部に略半径方向に挿入するか、又は隣接する巻回部の間の空間内に挿入することができる。針が引き抜かれるときに、例えば、ポリウレタン、エポキシ、又はホットメルト接着剤を含む、液体硬化性接着組成物又は材料が巻回部の中に注入され、これにより外側端部領域及び巻回部を適所に保持する略放射状のステークを形成することができる。さらに代替として、例えば溶接ビード又はホットメルト接着剤のビーズの形態のステークをリボンの外側端部領域の一方又は両方の側端及び他方の巻回部に沿って引くことができる。
【0034】
[0043]流体処理エレメントのそれぞれのセットについて、螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性は、ディスク形の本体の大半又は全部をかしめることによりさらに向上させることができる。例えば、略半径方向に延びるステークは、巻回部の大半又は実質的にすべてを通して形成されること及び/又はディスク形の本体の周りの様々なある角度で離間された位置に形成されることが可能である。同様に、ステークは、流体処理エレメントの一方又は両方の端面に沿って施されること及び/又は近接する流体処理エレメントの間の境界面の端面を含むそれぞれの端面の周りの様々なある角度で離間された位置に施されることが可能である。それぞれのステークは、ほとんど又は完全に流体処理エレメント内を通って、又は沿って延び、例えば、コアアセンブリ又は内側の周辺部材へ延びており、流体処理エレメントをコアアセンブリ又は内側の周辺部材に固定するようにできる。
【0035】
[0044]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性は、さらに、隣接する巻回部、及び/又はリボンの隣接する層を螺旋状に巻かれたリボンの長さに沿って連続的に又は断続的に互いに接着することにより高めることができる。隣接する巻回部及び/又は層は、様々な方法で接着することができる。例えば、リボンは、すでに説明されているように、接着層を備えることができる。接着層は、リボンが螺旋状に巻かれるときに隣接する巻回部及び/又は層を接着する接着剤を含みうる。代替として、接着層は、エレメントが形成された後に流体処理エレメントに溶剤を塗布するか、又は熱を加えることにより活性化されうる。さらに代替として、リボンが螺旋状に巻かれるときに、ホットメルト接着剤又は熱接着を、隣接する巻回部及び/又は層の間に、例えば、断続的に施すとよい。
【0036】
[0045]それぞれのセットの流体処理エレメントは、エレメントの一部、多く、又はすべての間に空間が設けられた状態でコアアセンブリに沿って配置されうる。流体処理エレメントがコアアセンブリに沿って取り付けられる前に、取り付けられる間に、又は取り付けられた後に、エレメント間の空間の一部又は全部の中で、或いはそれに対応する位置で、コアアセンブリに沿って様々な構造物が配列されうる。例えば、メッシュ、繊維の塊、プレート、グリッド、及び/又は支柱は、エレメントの間の空間の一部又は全部の中に配置されうる。
【0037】
[0046]流体処理装置が形成された後、これらは様々なハウジング内に収納され、流体処理アセンブリを形成することができる。流体処理アセンブリは、単一の流体処理装置のみを収納するハウジング、或いはハウジング内に直列になされた配置及び/又は並列になされた配置の複数の流体処理装置を収納するハウジングを備えることができる。例えば、ハウジングは、1つ又は複数の管板を収納し、複数の流体処理装置は、これらの管板に関連付けられうる。ハウジングは、流体処理装置を永久収納することができ、例えば、使い捨て型流体処理アセンブリを形成することができるか、又はハウジングは、流体処理装置を取り外し可能なように収納することができ、これにより、使用済みの流体処理装置を再利用可能なハウジング内の新しい流体処理装置と交換することができる。
【0038】
[0047]ハウジングは、プロセスパラメータ、例えば、流体の圧力及び温度及び化学組成に適合する不浸透性材料、例えば、金属材料又はポリマー材料から形成されうる。ハウジングは、2つ又はそれ以上の主要ポート、例えば、プロセス又は供給流体入口ポート及び濾過液又は透過液出口ポートを備えることができる。ハウジングは、ポート間に流体流路を画定し、流体処理装置は、第1及び第2の流体処理エレメントが流体流路内に直列に配置される形でハウジング内に配置されうる。ポートは、インライン構成、T型構成、又はL型構成を含む多数の構成のうちのいずれかでハウジング上に位置し、これらのポートは、様々な継手のうちのいずれかを備えることができる。ハウジングは、さらに、例えば、保持液又は濃縮液出口ポート並びに排液、排気、又は洗浄、例えば、逆洗に関連付けられている1つ又は複数のポートを含む、追加のポートを備えることができる。
【0039】
[0048]流体処理アセンブリ51及び少なくとも1つの流体処理装置10を収納するハウジング52の多くの例のうちの1つが図7に示されているが、流体処理アセンブリ及びハウジングは、図7に例示されている特徴に限定されはしない。ハウジング52は、カバー53及びシェル54を備えることができる。カバー53は、シェル54の一方の端部でシェル54に恒久的に、又は取り外し可能なように取り付けることができる。シェル54の他方の端部は、供給入口ポート55及び透過液出口ポート56を備えることができる。流体処理アセンブリ51の例示されている実施形態には、2つのポート55、56のみがあり、これらはハウジング52の一方の端部に配置されている。他の実施形態は、2つよりも多いポートを備えることができ、これらのポートは、ハウジングに沿った任意の場所、例えば、ハウジングの両端部及び/又は側面に配置されうる。
【0040】
[0049]流体処理装置10は、シェル54が第1及び第2セット12、13の流体処理エレメント14’、14”を囲む形で、供給入口ポート55と透過液出口ポート56との間の流体流路50にわたってハウジング52内に封止されうる。入口ポート55と出口ポート56との間の流体流路50の一部は、概ね縁に沿って流体処理エレメント14’、14”の流体処理メディアを貫通する流体流路を含む。流体流路50は、入口ポート55と出口ポート56との間を通り、外側セット13の少なくとも1つの流体処理エレメント14”及び内側セット12の少なくとも1つの流体処理エレメント14”のディスク形の本体20を貫通する。流体処理装置10は、多くの方法のうちのいずれかでハウジング52内に封止されうる。例えば、中空コアアセンブリ11の一方の端部は、カバー53に対し見えないように封止されうる。中空コアアセンブリ11の対向端は、開いており、透過液出口ポート56のところでシェル54に封止され、これにより、コアアセンブリ11の内部15と透過液出口ポート56との間で流体の連絡が可能になる。内側セット12のそれぞれの最も端の流体処理エレメント14’の外向きの端面は、流体処理エレメント14”の外側セットの周りで供給流体がバイパスするのを防ぐように封止されうる。例えば、封止用ディスク又はプレートなどのシール60を外に面している端面に接着するか、或いはホットメルト接着剤、ポリウレタン、又はエポキシなどの硬化性材料を外に面している表面に塗布して封止することができる。
【0041】
[0050]流体は、本発明を具現化する流体処理アセンブリ、流体処理装置、及び流体処理エレメントによる様々な方法で処理されうる。一操作モードにおいて、供給流体は、流体処理装置の外部と中空コアアセンブリの内部との間に流体を導くことにより処理されうるが、この方法は流体を概して縁に沿って第1の流体エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すことと、流体を概して縁に沿って、第1の流体処理エレメントから半径方向にずらされている第2の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すこととを含む。
【0042】
[0051]例えば、供給流体は、流体流路50に沿って導かれて流体処理アセンブリ51に通され、そこで、流体は、内側セット12及び外側セット13の流体処理エレメント14’、14”によって処理される。供給流体は、内側から外へと流体処理装置を通り、コアアセンブリの内部から外側セットの流体処理エレメントの外部に導かれうる。しかし、例示されている流体処理アセンブリ51では、供給流体は、外側から内側へと、流体処理装置10を通り、外側流体処理エレメント14”の外部からコアアセンブリ11の内部15に導かれうる。供給流体は、供給入口ポート55を通してハウジング52内に入り、流体流路50を辿って透過液出口ポート56に入ることができる。供給入口ポート55から来る供給流体は、略軸線方向にハウジング52に沿って外側セット13の流体処理エレメント14”の外部とシェル54の内部との間に流れうる。次いで、供給流体は、略半径方向内向きに外側流体処理エレメント14”の供給面21の間の供給空間40内に、外側供給空間40内にあるものとしてよい任意の構造物に沿って流れ込む。さらに外側供給空間40の内側端部を越える流体の半径方向の流れは、内側の周辺部材42によってブロックされうる。流体が外側供給空間40から内側セット12の流体処理エレメント14’の外側リム23内に流れ込むのを防ぎ、これにより外側セット13の流体処理エレメント14”をバイパスするために、内側の周辺部材42は、内側流体処理エレメント14’の外側リム23を完全に覆うものとしてよい。
【0043】
[0052]外側供給空間40から来る供給流体は、流体流路50に沿って略軸線方向に外側セット13の隣接する流体処理エレメント14”を通り外側透過液空間41内に流入しうる。流体は、外側供給空間40に隣接するそれぞれの外側流体処理エレメント14”の、例えばリボン24及び流体処理メディア32の一方の側端30、30a、31、31aの複数の巻回部を含む供給面21内に流入しうる。供給面21からの流体は、概ね縁に沿ってそれぞれの外側エレメント14”のそれぞれの巻回部の透過性流体処理メディア32を通って流れうる。流体は、さらに、1つの巻回部の透過性流体処理メディア32から半径方向にエレメント14”の1つ又は複数の隣接する又は近くにある巻回部のメディア32内に流れ込み、次いでメディア32に沿って横方向に流れうる。流体がそれぞれの外側流体処理エレメント14”の流体処理メディア32内を通過するときに、流体は、メディア32の流体処理特性に従って処理される。処理された流体は、例えば、リボン24及び流体処理メディア32の他方の側端31、31a、30、30aの複数の巻回部を含む外側流体処理エレメント14”から、透過液面22を介して出現する。外側流体処理エレメント14”の透過液供給空間22から来る流体は、外側の周辺部材43、例えば外側バンド45によって流体処理装置10の外部から分離されている外側透過液空間41内に流れ込む。外側透過液空間41から来る流体は、半径方向内向きに流体流路50に沿って、外側透過液空間41と流体的に連通する内側セット12の流体処理エレメント14’の間の内側供給空間40内に流入しうる。さらにそれぞれの内側供給空間40の内側端部を越える流体の半径方向の流れは、コアアセンブリ11の壁によってブロックされうる。
【0044】
[0053]内側供給空間40から来る流体は、流体流路50に沿って略軸線方向に内側セット12の隣接する流体処理エレメント14’を通り内側透過液空間41内に流入しうる。流体は、内側供給空間40に隣接するそれぞれの内側流体処理エレメント14’の、例えばリボン24及び流体処理メディア32の一方の側端30、30a、31、31aの複数の巻回部を含む供給面21内に流入しうる。供給面21からの流体は、概して縁に沿ってそれぞれの内側エレメント14’のそれぞれの巻回部の透過性流体処理メディア32を通って流れうる。流体は、さらに、1つの巻回部の透過性流体処理メディア32から半径方向にエレメント14’の1つ又は複数の隣接する又は近くにある巻回部のメディア32内に流れ込み、次いでメディア32に沿って横方向に流れうる。流体がそれぞれの内側流体処理エレメント14’の流体処理メディア32内を通過するときに、流体は、メディア32の流体処理特性に従って処理される。処理された流体は、例えば、リボン24及び流体処理メディア32の他方の側端31、31a、30、30aの複数の巻回部を含む内側流体処理エレメント14’から、透過液面22を介して出る。内側流体処理エレメント14’の透過液面22から来る流体は、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44によって外側空間40、41及び外側流体処理エレメント14”から分離されている、内側透過液空間41内に流れ込む。内側透過液空間41から来る流体は、半径方向内向きに流体流路50に沿ってコアアセンブリ11の開口部16を通って流れ、次いで軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿ってハウジング52の透過液出口ポート56に流れうる。
【0045】
[0054]本発明の1つ又は複数の態様を具現化する流体処理アセンブリ、流体処理装置、流体処理エレメント、及び流体処理方法には多くの利点が関連している。例えば、流体処理エレメントの第1及び第2セットの半径方向にずらされたセットを配置することにより、流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間を通過するときに、少なくとも2つの流体エレメント、例えば、第1セットの1つのエレメントと第2セットの1つのエレメントとを通って流れうる。流体の処理は、こうして、著しく向上させることができる。さらに、流体処理エレメントの第1及び第2セットをコアアセンブリに沿って半径方向にずらすことにより、大きな半径を有し軸線方向に短い流体処理装置が形成されうる。流体処理エレメントは半径が大きく、長さが短いほど、多くのハウジング内の空間を効率的に使用することができる。
【0046】
[0055]それに加えて、個別のリボンを螺旋状に巻いて第1及び第2セットの複数の流体処理エレメントのそれぞれを別々に形成することにより、流体処理装置及び流体処理エレメントの異なる構成のものを製造することが容易になる。それぞれのセットのそれぞれのエレメントの半径方向の寸法は、コアアセンブリの周りに巻くリボンの数を加減することにより容易に変えることができ、それぞれのセットのコアアセンブリに沿って備えられる流体処理エレメントの個数は、コアアセンブリの周りに巻くリボンの数を加減することにより容易に変えることができ、それぞれのセットのコアアセンブリに沿った流体処理エレメントの配置は、コアアセンブリの周りに巻かれるリボンの間の間隔を単に調整するだけで容易に変えることができる。さらに、それぞれのセットのリボンは、コアアセンブリの周りに非常に素早く螺旋状に巻くことができ、製造が高速化される。複数の個別の狭いリボンを、例えば、シート内に溝又は他の貫通孔のある単一の幅広のシートの代わりに使用することにより、製造の柔軟性及び効率が著しく向上し、エレメントの様々なセット、様々な数のエレメント、及びエレメントの間の間隔を使用する流体処理装置を、異なる幅又は異なる貫通孔構成を有するシートを切り替えなくても製造することができる。それに加えて、透過性流体処理メディアの孔又は破れなどの欠陥が製造時に発生した場合に、シート全体ではなく欠陥のあるリボンを交換するだけでよく、生産速度及び生産効率を向上させることができる。
【0047】
[0056]本発明の様々な態様は、いくつかの実施形態に関してすでに説明及び/又は例示がなされているが、本発明は、これらの実施形態に限定されない。例えば、これらの実施形態の1つ又は複数の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく排除されうる。多くの実施形態について、流体処理装置10は、内側セット12の一番端の流体処理エレメント14’の外に面している表面に沿ってシール60を備えることができる。代替として、いくつかの実施形態では、これらのシールを取り除いて、それらの外に面している表面を供給流体に曝すこともできる。そこで、供給流体の一部は、外側セットの流体処理エレメントをバイパスし、内側セットの一番端の流体処理エレメントを直接通り、コアアセンブリの内部に入るようにできる。
【0048】
[0057]さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、一実施形態の1つ又は複数の特徴を修正するか、或いは一実施形態の1つ又は複数の特徴を他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせることもできる。例えば、周辺部材は、他の多くの方法で構成することができる。いずれかの周辺部材が、さらに、供給面の外側端部を取り囲む追加バンドを備えることができ、例えば、供給空間に橋架し、隣接する流体処理エレメントの外側リムの一部又は全部を覆うことができる。これらのバンドは、供給空間が外側流体処理エレメントの外部又は外側透過液空間とこれらのバンドを通じて流体的に連通できるようにする開口部、例えば、穿孔を備えることができる。代替として、それぞれの周辺部材は、流体処理エレメントのすべての外側リムの周りにぴったり嵌められるか、又は熱収縮で接着されている柔軟な不浸透性スリーブ或いは流体処理エレメントのすべての外側リムの周りに螺旋状に巻かれた不浸透性螺旋状ラップを備えることができる。開口部、例えば、穿孔又はスリットが、供給空間との流体による連絡を可能にするように周辺部材内に形成されうる。
【0049】
[0058]他の例では、それぞれの周辺部材は、内側又は外側流体処理エレメントの外側リムにおける付加的な支持を形成するようにより剛性の高い構造を備えることができる。例えば、周辺部材は、流体処理エレメントの1つのセットの周りに嵌められ、互いに連結されてより剛性の高いケージを形成する半円筒状セクションを備えることができる。流体処理エレメントの外側リムは、様々な方法でケージに対し封止され、これにより流体処理エレメント間の透過液空間の外側端を封止することができる。例えば、外側リムは、ケージに接着剤で接着されるか、熱で接着されうる。代替として、又はそれに加えて、外側リムは、それらの間で機械的にぴったりと嵌め合わせることによりケージに対して封止されうる。ケージは、供給空間が外側流体処理装置の外部又は外側透過液空間と流体的に連通できるようにする開口部を備えることができる。より剛性の高い周辺部材の例が、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangement with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願において開示されている。
【0050】
[0059]他の例として、いずれかのセットの隣接する流体処理エレメントの間の空間のいくつかは、流体的な隔離性が高くなるように配列されうる。コアアセンブリ11、内側セット12の流体処理エレメント14’のいくつか、及び外側セット13の流体処理エレメント14”のいくつかを含む、流体処理装置10の一部が、図8に示されている。それぞれの流体処理エレメント14’、14”は、流体処理メディア32のストリップを有する螺旋状に巻かれたリボン24を備えることができる。螺旋状に巻かれているディスク形の本体20を含む流体処理エレメント14’、14”及び図8に例示されているコアアセンブリ11は、すでに説明されているのと類似のものであってもよいが、流体処理装置も、流体処理エレメントも、コアアセンブリも、周辺部材も、図8に示されている特徴に限定されない。流体処理装置10は、流体処理エレメント14’、14”の内側セット12及び/又は外側セット13内の供給空間40と透過液空間41との間で軸線方向に配置されている少なくとも1つの中間又は介在空間61を備えることができる。中間空間61は、一方の隣接する流体処理エレメントの透過液面22及び他方の隣接する流体処理エレメントの供給面21に向くものとしてよい。外側セット13内の中間空間61は、外側の周辺部材43によって外側流体処理エレメント14”の外部から流体的に隔離され、内側の周辺部材42によって内側セット12の空間、境界面、及び/又は流体処理エレメント14’から流体的に隔離されうる。例えば、外側バンド45は、外側中間空間61及び外側透過液空間41の両方の外側端部に橋架し、3つすべての隣接する外側流体処理エレメント14”の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。内側バンド44は、外側中間空間61及び外側供給空間40の内側端部に橋架し、3つすべての隣接する外側流体処理エレメント14”の内側リム23aを部分的に又は完全に覆うことができる。したがって、外側中間空間61は、外側端部と内側端部の両方で流体的に隔離され、外側中間空間61の一方の側の外側供給空間40は、内側端部でのみ流体的に隔離され、中間空間61の他方の側の外側透過液空間41は、外側端部でのみ流体的に隔離されうる。
【0051】
[0060]内側セット12内の中間空間61は、内側の周辺部材42によって、外側セット13の空間、境界面、及び/又は流体処理エレメント14”を含む、内側流体処理エレメント14’の外部から流体的に隔離され、開口部を持たないコアアセンブリ11の中空でない壁部分によってコアアセンブリ11の内部15から流体的に隔離されうる。例えば、内側バンド44は、内側中間空間61及び内側透過液空間41の外側端部に橋架し、内側セット12の流体処理エレメント14’の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。コアアセンブリ11の中空でない壁部分は、内側中間空間61及び内側供給空間40の内側端部を遮断するが、コアアセンブリ11の1つ又は複数の開口部16により、内側透過液空間41の内側端部はコアアセンブリ11の内部15と流体的に連通することができる。いずれかのセット12、13の空間40、41、61はどれも、スペーサー、支持材、及び/又は機能性材料などの構造物を実質的に含まないか、又はそのような構造物を備えることができる。供給流体は、例えば、略半径方向に外側供給空間40内に流入し、略軸線方向に、隣接する外側流体処理エレメント14”、外側中間空間61、及び次の隣接する外側流体処理エレメント14”を通り、外側透過液空間41内に流入しうる。流体は、さらに、外側透過液空間41から略半径方向に流れて、内側供給空間40内に流入し、略軸線方向に、隣接する内側流体処理エレメント14’、内側中間空間61、及び次の隣接する内側流体処理エレメント14’を通り、内側透過液空間41内に流入しうる。内側透過液空間41から来る流体は、略半径方向に、開口部16を通り、軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って、コアアセンブリ11の内部15内に流入する。
【0052】
[0061]さらに他の例では、内側セット及び/又は外側セットの流体処理エレメントは、予成形された流体処理エレメントをコアアセンブリに沿って略軸線方向にスライドさせることによりコアアセンブリに沿って取り付けることができる。例えば、リボンを複数の巻回数で所望の半径方向の寸法に合わせて、コアアセンブリの周りではなく、個別の中心ハブの周りに螺旋状に巻回部、流体処理エレメントを形成することができる。予成形内側流体処理エレメントは、コアアセンブリの外径と同じくらいの内径を有し、軸線方向にハブあり、又はハブなしでコアアセンブリに沿って所望の位置までスライドさせて適所に固定することができる。次いで、内側の周辺部材を流体処理エレメントの内側セットに施すことができる。こうして形成された予成形外側流体処理エレメントは、内側流体処理エレメント及び/又は内側の周辺部材の外径と同じくらいの内径を有し、軸線方向にハブあり、又はハブなしでコアアセンブリに沿って内側の周辺部材の周りに所望の位置までスライドさせて適所に固定することができる。次いで、外側の周辺部材を流体処理エレメントの外側セットに施すことができる。
【0053】
[0062]さらに、異なる特徴を有する実施形態は、それにもかかわらず、本発明の範囲内にあるものとしてよい。例えば、リボンを個別のハブの周りに螺旋状に巻くことで、内側流体処理エレメントを予成形することができる。それぞれのハブは、コアアセンブリの1つのセクションを含み、隣接するエレメントのハブセクションは、内側流体処理エレメントに取り付けられた中空コアアセンブリを形成するように互いに連結されうる。ハブセクションは、互いに機械的に結合されること及び/又は互いに接着されることが可能であり、ハブセクションの一部は、コアアセンブリの内側と流体的に連通できるようにする開口部を備えうる。次いで、内側の周辺部材を流体処理エレメントの内側セットに施し、外側セットの流体処理エレメントを内側の周辺部材の周りにコアアセンブリに沿って取り付け、内側周辺部材に対し封止することができる。例えば、外側流体処理エレメントのリボンを内側の周辺部材の周りに螺旋状に巻くか、又は予成形外側流体処理エレメントを内側の周辺部材に沿って軸線方向にスライドさせて適所に固定することができる。次いで、外側の周辺部材を流体処理エレメントの外側セットに施すことができる。
【0054】
[0063]他の例では、第1及び第2のシートアセンブリは、透過性流体処理メディアのシートを単独のコンポーネントとして、又は多層複合材の1つの層として、例えば、リボンの多層複合材と同様にして、備えることができる。それぞれのシートは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、所望の内径及び外径を含む、所望の半径方向の寸法を有するロールを形成することができる。次いで、第1及び第2のシートのロールから所望の幅を有するセクションを切断する、例えば、スライスして、それぞれ内側及び外側流体処理エレメントを予成形することができる。予成形された第1及び第2の流体処理エレメントは、次いで、すでに説明されているように、内側及び外側の周辺部材とともにコアアセンブリに沿って取り付けられうる。
【0055】
[0064]他の例では、流体処理装置は、流体処理エレメントの一方のセットのそれぞれの透過液空間から流体流を流体処理エレメントの隣接するセットの複数の供給空間、例えば、供給空間の一部、大半、又は全部に分配するための流れ分配器を備えることができる。例えば、流体処理エレメント14’の内側セット12、流体処理エレメント14”の外側セット13、内側の周辺部材42、及びそれらの間の流れ分配器62を備える流体処理装置の一部が、図9に示されている。それぞれの流体処理エレメント14’、14”は、流体処理メディア32のストリップを有するリボン24を備えることができる。螺旋状に巻かれたディスク形の本体20を含む、内側及び外側流体処理エレメント14’、14”は、すでに説明されているものに類似していてもよい。例えば、内側の周辺部材42は、内側バンド44a、44bの第1及び第2のセットを備えることができる。内側バンド44aの第1のセットは、内側セット12の流体処理エレメント14’の間の透過液空間41及び/又は境界面の外側端部に橋架し、内側透過液空間41又は境界面の外側端部を封止することができる。内側バンド44aの第1のセットは、さらに、内側透過液空間41又は境界面に隣接する内側流体処理エレメント14’の外側リム23上に部分的に、又は完全に広がり、覆うものとしてよい。内側バンド44bの第2のセットは、外側セット13の流体処理エレメント14”の間の供給空間40及び/又は境界面の内側端部に橋架し、外側供給空間40又は境界面の内側端部を封止することができる。内側バンド44bの第2のセットは、さらに、外側供給空間40又は境界面に隣接する外側流体処理エレメント14”の内側リム23a上に部分的に、又は完全に広がり、覆うものとしてよい。
【0056】
[0065]流れ分配器62は、少なくとも1つの透過液空間、例えば、流体処理エレメント14”の外側セット13の透過液空間41と流体処理エレメント14’の内側セット12の間の複数の供給空間、例えば、複数の供給空間40、例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上の供給空間、さらには供給空間すべてとの間を流体的に連通させる方法で内側の周辺部材42とともに配列されうる。流れ分配器は、この流体による連絡を可能にするような様々な方法で構成されうる。例えば、流れ分配器62は、内側の周辺部材42の内側バンド44a、44bの第1及び第2のセットの間の内側流体処理エレメント14’の一部、大半、又は全部の周りに巻かれた粗い孔を持つ材料のシート63を備えることができる。粗い孔を持つ材料としては、例えば、不織繊維性材料、例えば、ガラス又はポリマー繊維の不織布シート、又はメッシュ、例えば、2平面押し出し成形及び/又は発泡ポリマーメッシュなどがある。それぞれの外側透過液空間41の内側端部は、流れ分配器62上に開き、複数の、例えばすべての内側供給空間40の外側端部は、流れ分配器62上に開いているものとしてよい。それぞれの外側透過液空間41は、流れ分配器62、例えば、粗い孔を持つ材料のシート63を介して、軸線方向にずらされている内側供給空間40の1つ又は複数、例えば、すべてと流体的に連通することができる。
【0057】
[0066]流体処理エレメント14’、14”の内側及び外側セット12、13の間に粗い孔を持つ材料のシート63を位置決めするために、内側流体処理エレメント14’が最初に、例えばすでに説明されているように、コアアセンブリ11に沿って取り付けられうる。多くの実施形態では、リボン24がコアアセンブリ11の周りに螺旋状に巻かれ、内側流体処理エレメント14’を形成することができる。次いで、内側バンド44aの第1のセットが、内側透過液空間41及び内側流体処理エレメント14’に施されうる。次に、粗い孔を持つ材料のシート63が、1つ又は複数の巻回数で内側流体処理エレメント14’及び内側バンド44aの第1のセットの周りに巻かれうる。シート63の幅は、内側流体処理エレメント14’の間の供給空間40のすべてに渡るだけの幅であればよい。代替として、シートの幅は、内側供給空間のすべてではなくそれよりも少ない空間に渡るだけの幅であればよく、複数の細いシートを内側流体処理エレメントの周りにぐるっと巻回部、内側バンドの第1のセット又は単一の細いシートを内側流体処理エレメント及び内側バンドの第1のセットの周りに螺旋状に巻くとよい。さらに代替として、粗い孔を持つ材料のスリーブを、軸線方向に内側バンドの第1のセット及び内側流体処理エレメントに沿ってスライドさせることもできる。流れ分配器62が適所に置かれた後、内側バンド44bの第2のセットは、外側供給空間40の内側端部及び外側セット13の流体処理エレメント14”の内側リム23aに対応する場所に流れ分配器62に沿って配置されうる。例えば、内側バンド44bの第2のセットは、対応する場所で粗い孔を持つ材料のシート63の周りに巻かれうる。次いで、外側流体処理エレメント14”が、コアアセンブリ11に沿って内側バンド44bの第2のセット上に取り付けられ、接着剤又は圧縮嵌めによって内側バンド44bの第2のセットに対し封止されうる。多くの実施形態では、リボン24が内側の周辺部材42の内側バンド44bの第2のセットの周りに螺旋状に巻かれ、外側流体処理エレメント14”を形成することができる。次いで、外側の周辺部材43が、外側透過液空間41の外側端部及び外側流体処理エレメント14”の外側リム23に施されうる。
【0058】
[0067]流れ分配器を有する流体処理装置で流体を処理するための方法は、すでに説明されている処理方法に類似したものであってもよい。例えば、供給流体は、流路に沿って略半径方向内向きに外側セット13の流体処理エレメント14”の間の供給空間40内に通すことができ、さらに放射状流は内側バンド44bの第2のセットによってブロックされる。次いで、流体は、流路に沿って略軸線方向に流れ隣接する外側流体処理エレメント14”を通り外側透過液空間41内に流れ込むことができる。それぞれの外側透過液空間41から来る流体は、流路に沿って半径方向に流れ分配器62、例えば粗い孔を持つ材料のシート63を通り、又は軸線方向に流れ分配器62に沿って流れ、複数の内側供給空間40、例えばすべての内側供給空間40に流れうる。流体流をそれぞれの外側透過液空間41から複数の内側供給空間40に分配することにより、流体処理装置を通る間の圧力低下をさらに小さくできる。流体が流れ分配器62に沿って流れると、流れ分配器62と内側透過液空間41との間の流体流は、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44aの第1のセットによってブロックされうる。さらに、流体は流れ分配器62の軸線方向端部から流出する流体は、例えば、第1のセット12の一番端の流体処理エレメント14’のところでシール60によってブロックされうる。多くの実施形態では、ホットメルト接着剤、エポキシ、又はポリウレタンなどの封止剤が流れ分配器62、例えば、粗い孔を持つ材料のシート63の軸線方向端部に塗布され、これにより、流れが流れ分配器62の軸線方向端部に流入又は流出するのを防止することができる。内側供給空間40から来る流体は、流路に沿って略軸線方向に内側セット12の隣接する流体処理エレメント14’を通り内側透過液空間41内に流入しうる。内側透過液空間41から来る流体は、流路に沿って半径方向に、コアアセンブリ11の内部15内に流れ込み、コアアセンブリ11の開口部16を通り、次いで軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って流れうる。
【0059】
[0068]流れ分配器は、様々な方法で構成されうる。いくつかの実施形態では、流れ分配器及び内側の周辺部材は組み合わせて、単一構造にすることができる。例えば、流れ分配器及び内側の周辺部材は組み合わせて、単一の二重壁ケージにすることができる。内側及び外側同軸線壁は、それらの間の流れ空間を画定することができ、外壁は外側透過液空間のところに開口部を有し、内壁は内側供給空間のところに開口部を有する。さらに、流れ分配器を有する流体処理装置は、コアアセンブリの内部から流体処理装置の外部への流体流に対し別の構成にできる。これらの実施形態では、流れ分配器は、内側透過液空間及び外側供給空間が流れ分配器と流体的に連通する形で流体処理エレメントの内側及び外側セットの間に配列されうる。それに加えて、流れ分配器を有する流体処理装置はハウジング内に恒久的に、又は取り外し可能なように取り付けられ、すでに説明されている流体処理アセンブリに似た、流体処理アセンブリを形成することができる。
【0060】
[0069]さらに他の例として、流体処理装置は、流体処理エレメントの3つ以上の半径方向に変位されたセットを備えることができる。例えば、図10に示されているように、流体処理装置10は、コアアセンブリ11に沿って取り付けられている半径方向に変位された流体処理エレメントの3つのセット64、65、66を備えることができる。それぞれのセットの流体処理エレメントは、ディスク形の本体を形成するように螺旋状に巻かれている流体処理メディアのストリップを有するリボンを備えることができる。空間、例えば、供給空間40、透過液空間41、及び中間空間は、内側及び外側セット12、13についてすでに説明されているように、それぞれのセット64、65、66内の隣接する流体処理エレメント間に配置されうる。内側及び外側セット12、13についてすでに説明されているように、内側の周辺部材42及び/又は流れ分配器は、隣接するセット64、65、66の間に配置され、外側の周辺部材43は、一番外側のセット66の周りに配置されうる。それに加えて、流体処理エレメントの3つ以上の半径方向に変位されたセットを有する流体処理装置が1つのハウジング内に配置され、これにより、内側及び外側セット12、13を収納する流体処理アセンブリ51についてすでに説明されているように、流体処理アセンブリを形成することができる。
【0061】
[0070]こうして、本発明は、本明細書において説明及び/又は例示がなされている特定の実施形態に限定されず、請求項の範囲内に収まりうるすべての実施形態及び修正形態を含む。
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は2007年3月19日出願の米国特許仮出願第60/907,066号明細書に基づく優先権を主張し、この仮出願の全開示内容は、参照により本明細書に引用したものとする。
【発明の開示】
【0002】
[0002]本発明は、流体処理装置と、流体処理装置を製造し使用するための方法に関する。詳細には、本発明は、螺旋状に巻かれた流体処理エレメントを備える流体処理装置と、螺旋状に巻かれた流体処理エレメントを備える流体処理装置を製造し使用するための方法に関する。流体処理エレメントは、リボンを複数の巻回数で螺旋状に巻いて略ディスク形の本体を形成することにより形成することができる。リボンは、第1及び第2の互いに対向する主面並びに第1及び第2の互いに対向する側端を有する透過性流体処理メディアの幅が狭く細長いストリップ(strip)を含むことができる。ディスク形の本体は、一方向に向く端面(例えば流入面)、反対の方向に向く他方の端面(例えば流出面)、及び外側リムを備えることができる。流体処理装置を形成するために、これらの流体処理エレメントのうちのいくつかを、エレメントの一部又は全部の間に空間を設けて中空コアアセンブリに沿って配置するとよい。
【0003】
[0003]流体は、流体処理エレメントに通して、即ち流体処理エレメントの流入面から流出面へと誘導されうる。流体が流体処理エレメント内を通過するときに、流体は、概して縁に沿ってそれぞれの巻回部の透過性流体処理メディアを通過しうる、即ち、流体は、リボンの第1及び第2の対向する主面に対しほぼ平行に透過性メディア内で横方向に流れうる。流体は、さらに、1つの巻回部の透過性流体処理メディアから半径方向に1つ又は複数の隣接する、又は近くにある巻回部の透過性メディアに流れ込み、次いで透過性メディアに沿って横方向に流れうる。
【0004】
[0004]本発明の1つ又は複数の態様を具現化する流体処理装置は、ガス、液体、若しくはガス、液体の混合物を含む流体、及び/又は固体を処理するために使用されうる。流体は、流体処理エレメント内を通過するときに、流体処理エレメントの流体処理特性に応じて、様々な方法で処理することができ、また多くの異なる流体処理特性がある。例えば、流体処理特性は、特定のサイズより大きい微粒子又は分子が通過するのを遅らせるか、又は妨げ、流体が流体処理エレメントを通って流れるときに流体からこれらの微粒子又は分子を濾過する流体処理メディアの孔構造又は除去率に関係しうる。他の例では、流体処理特性は、流体が流体処理エレメント内を通って流れるときに流体中で1つ又は複数の物質、例えば、分子、蛋白質及び/又は核酸に結合し、流体からこれらの物質を分離する流体処理メディア上の、又は流体処理メディア中の化学又は生化学剤に関係しうる。さらに他の例では、流体処理特性は、流体が流体処理エレメント内を通って流れるときに流体から1つ又は複数の物質、例えば、分子又は化合物を吸収又は吸着し、流体からこれらの物質を分離する流体処理メディア中の、又は流体処理メディア上の吸収剤に関係しうる。さらに他の事例では、流体処理特性は、流体中に巻き込まれている小さな液滴を凝集し、流体から簡単に除去できるくらいの大きさの液滴を生成する流体処理メディアの表面化学に関係しうる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の一態様によれば、流体処理装置は、中空コアアセンブリ、コアアセンブリに沿って取り付けられた流体処理エレメントの少なくとも第1及び第2セット、並びに一方のセットの流体処理エレメントと他方のセットの流体処理エレメントを通る流体流路を備えることができる。コアアセンブリは、内部と軸線とを有する。それぞれのセットの複数の流体処理エレメントは、透過性流体処理メディアを有するリボンを備える。リボンは、複数の巻回数で巻かれて、半径方向寸法を有する略ディスク形の本体を形成する。ディスク形の本体は、さらに、本体の一方の側の第1の端面、本体の他方の側の第2の端面、及び外側リムを有する。流体処理エレメントの第2セットは、流体処理エレメントの第1セットから半径方向にずらされている。流体流路は、第1セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間及び第2セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間からコアアセンブリの内部に延びるか、又はコアアセンブリの内部から第1セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間及び第2セットの流体処理エレメントの第1の端面と第2の端面との間に延びる。
【0006】
[0006]本発明の他の態様によれば、流体処理装置を製造するための方法は、中空コアアセンブリに沿って螺旋状に巻かれたディスク形の流体処理エレメントの第1及び第2セットを取り付けることを含むことができる。流体処理エレメントの第1及び第2セットをコアアセンブリに沿って取り付けることは、流体処理エレメントの第2セットを流体処理エレメントの第1セットから半径方向にずらすことを含む。
【0007】
[0007]本発明の他の態様によれば、流体を処理するための方法は、流体処理装置の外部と中空コアアセンブリの内部との間に流体を誘導することを含むことができ、これは(1)流体を概ね縁に沿って第1の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すことと、(2)流体を概ね縁に沿って、第1の流体処理エレメントから半径方向にずらされている第2の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すこととを含む。
【0008】
[0008]本発明の実施形態には、多数の利点がある。例えば、流体処理エレメントの第1及び第2セットを互いに半径方向にずらして配置することにより、流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間を通過するときに、少なくとも2つの流体処理エレメント、例えば、第1セットの1つのエレメントと第2セットの1つのエレメントとを通って流れうる。流体の処理は、こうして、著しく向上させることができる。さらに、流体処理エレメントの第1及び第2セットをコアアセンブリに沿って半径方向にずらすことにより、大きな半径を有し軸線方向に短い流体処理装置が形成されうる。流体処理装置は半径が大きく、長さが短いほど、多くのハウジング内の空間を効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】流体処理装置の1/4断面図である。
【図2A】リボンの斜視図である。
【図2B】リボンの斜視図である。
【図3】図1の流体処理エレメントの正面図である。
【図4】他の流体処理エレメントの正面図である。
【図5】他の流体処理エレメントの正面図である。
【図6】他の流体処理エレメントの正面図である。
【図7】流体処理要装置を含む流体処理アセンブリの1/4断面図である。
【図8】他の流体処理装置の一部の1/4断面図である。
【図9】他の流体処理装置の一部の1/4断面図である。
【図10】他の流体処理装置の1/4断面斜位図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]流体処理エレメントの複数の半径方向に互いにずらしたセット、例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上のセットを有する流体処理装置が、様々な方法で構成されうる。流体処理装置10の一実施形態は、図1に示されているが、流体処理装置は、この図に例示されている特徴に限定されるわけではない。流体処理装置10は、コアアセンブリ11及びコアアセンブリ11に沿って取り付けられている螺旋状に巻かれた流体処理エレメント14’、14”の少なくとも2つの半径方向にずらされたセット、例えば、内側セット12及び外側セット13を備えることができる。コアアセンブリ11は、軸線を有するパイプ又はチューブなどのコア、内部15と2つの開放端又は1つの開放端及び閉鎖又は盲端とを有する略中空の構成とからなっている。コアアセンブリ11は、さらに、端部間のコアに沿って、溝又は他の穿孔などの開口部16、例えば、軸線方向に分離されている開口部を有することもできる。
【0011】
[0020]両方のセット12、13の流体処理エレメント14’、14”の大半又は全部は、本体20の一方の側の一方の端面21、本体20の対向する側の他方の端面22、外側リム23、及び内側リム23aを有する略ディスク形の本体20を備えることができる。ディスク形の本体20は、細長いリボンを螺旋状に巻いた複数の巻回部を含みうる。リボンは、様々な方法で構成されうる。2つのリボン24の例は、図2A及び2Bに示されているが、リボンは、これらの図に例示されている特徴に限定されるわけではない。それぞれのリボン24は、対向する主面25、26及び対向する側端30、31を有する細長い形状とすることができる。リボン24は、対向する主面25a、26a並びに対向する側端30a、31aも有する透過性流体処理メディア32の少なくとも1つのストリップを含む。多孔性流体処理メディアを含むリボン24は、透過性であるが、孔は開いていないもの、即ち対向する主面25、26、25a、26aの間に延びる貫通孔又は貫通溝を持たないものとしてよい。透過性流体処理メディア32を含む、リボン24の一方又は両方の側端30、31、30a、31aは、略直線状であるか、又は平らであるか、或いはギザギザであるか、フリンジ付きであるか、又は縮れていてもよい。ディスク形の本体20のそれぞれの端面21、22は、透過性流体処理メディア32の側端30a、31aを含む、リボン24の側端30、31の複数の螺旋状の巻回部を含む。一方又は両方の端面21、22は、平らな表面又は凸凹の表面であってもよく、これは、例えば、発明者としてThomas Welch,Jr.、Stephen Geibel、及びTanweer ul Haqが挙げられている、2007年3月19日に出願された、「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods of Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書、並びにこの仮出願に基づく優先権を主張するPCT国際出願において開示されており、両方ともこれら及び他の特徴を支持するため参照により本明細書に組み込まれている。
【0012】
[0021]透過性流体処理メディアは、例えば、天然又は合成ポリマー、ガラス、金属、カーボン、及び/又はセラミックを含む、多数の材料から形成されうる。透過性流体処理メディアは、例えば、織物又は不織繊維性ストリップなどの繊維性構造物、織布、押出成形、又は拡張メッシュストリップなどのメッシュ、支持又は非支持膜ストリップなどの透過性膜、多孔性発泡ストリップ、或いは多孔性焼結繊維金属又は粉末金属ストリップなどの多孔性金属を含む様々な構造物から形成されうる。
【0013】
[0022]透過性流体処理メディアは、無数の処理特性を有しているといってよい。例えば、透過性流体処理メディアは、複数の流体処理特性のうちのいずれかを有することができるか、又は有するように修正することができ、このような処理特性を持つものとしては、限定はしないが、正又は負電荷、例えば、疎水性又は親水性又は疎油性又は親油性の表面特性を含む、液体不親和性又は液体親和性の表面特性、流体中の物質に化学結合しうるリガンド又は任意の他の反応性モイエティなどの付着官能基、又は限定はしないが、すべての種類の吸収剤、反応剤、触媒、及びクロマトグラフィ充填剤を含む、流体及び/又は流体それ自体の中にある物質と化学的又は物理的に結合するか、反応するか、触媒するか、送達するか、又は他の何らかの形で影響を及ぼしうる組み込まれた機能性材料がある。より具体的には、機能性材料として、活性炭、シリカ、ゼオライト、モレキュラーシーブ、粘土、アルミナ、重曹、イオン交換樹脂、触媒、金属酸化物、酸化剤、還元剤、緩衝剤、殺生剤、殺菌剤、殺ウイルス剤、消臭剤及び芳香剤を挙げることができる。機能性材料は、流体処理メディア中に組み込まれうる、例えば、流体処理メディアに接着されること、流体処理メディア上にコーティングされること、流体処理メディア中に固定化されること、及び/又は流体処理メディアとして形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、機能性材料は、流体処理メディア中に固定化された粒子又は繊維の形態をとりうる。さらに、透過性流体処理メディアの流体処理特性には、例えば、超多孔性又はナノ多孔性又はより細かい多孔性からマイクロ多孔性又はそれより粗い多孔性までを含む、広範な除去率又は孔構造を含めてもよい。例えば、流体処理特性は、サブミクロン範囲又はそれ以上の細かさ、例えば、最大約0.02μm若しくはそれ以上の粗さ、又は最大約0.1μm若しくはそれ以上の粗さ、或いはミクロン範囲若しくはそれ以上の粗さ、例えば、最大約1μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約5μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約10μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約50μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約75μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約100μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約200μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約300μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約500μm若しくはそれ以上の粗さ、又は約1000μm若しくはそれ以上の粗さの除去率を含みうる。
【0014】
[0023]すべてのセットのすべての流体処理エレメントの流体処理メディアは、同じ流体処理特性を有していてもよい。代替として、流体処理特性は、例えば、これら及び他の特徴を支持するために参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月19日に出願された、発明者としてThomas Welch,Jr.、Mark Hurwitz、Tanweer ul Haq、及びJoseph Verschneiderが挙げられている「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Different Fluid Treatment Characteristics and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,069号明細書及びこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、単一の流体処理エレメント中で、或いは2つ以上の流体処理エレメント間で、流体処理メディア毎に異なっていてもよい。多くの実施形態について、流体処理装置の流体処理メディアの少なくとも1つ、例えば、一部又は全部は、例えばガラス繊維又はポリマー繊維の不織布の濾過メディアを備えることができ、また流体処理メディアの流体処理特性は、約0.02μm又はそれ以上の粗さの除去率を含みうる。
【0015】
[0024]リボン24は、図2Aに示されているように、リボンの単独コンポーネントとして透過性流体処理メディア32のストリップを含み、またリボン及び流体処理メディアの主面は、隣接する巻回部に沿って接触していてもよい。代替として、リボンは複数のコンポーネントを含んでいてもよい。例えば、リボン24は、図2Bに示されているように、互いの上に重ね合わされている複数の層を含む多層複合材33の1つの層として透過性流体処理メディアを備えることができる。透過性流体処理メディア32aの追加の層などの様々な追加の層が含まれうる。流体処理メディア32、32aは、互いに同一であってもよいし、また互いに異なっていてもよい。例えば、透過性流体処理メディア層は、同じ流体処理特性を有していても、異なる流体処理特性を有していてもよく、異なる流体処理特性を有する流体処理メディアを互いに平行に並べた流体処理エレメントを形成することができる。他の追加の層は、リボンの構造的完全性を強化する強化ストリップ34としてよい。リボンは、流体処理エレメントを形成するために複数の巻回数で巻かれるときに張力が加わる可能性があり、透過性流体処理メディアのストリップは、この張力に耐えるだけの十分な強度を持たないことがある。したがって、ポリマーフィルムのストリップなどのこの張力に耐えられる強化ストリップ34を流体処理メディアとともに層状に重ねるとよい。他の追加の層は、リボンの隣接する巻回部の隣接する表面を結合する結合ストリップ35としてよい。複合材リボンの複数の層は、すべてが同じ幅であるか又は位置が揃っているわけではない。層の末端は、位置が揃っているか、又は千鳥配置としてよい。多くの実施形態に関して、追加の流体処理メディア層以外の、追加の層の厚さは、流体処理エレメント内の流体処理メディアの相対的体積を増やすために流体処理メディア層の厚さよりも薄くすることができる。流体処理エレメント内を通って流れるときに流体処理メディアをバイパスする可能性のある流体の量を減らすために、縁に沿って追加の層を通る流体流れに対する抵抗は、縁に沿って流体処理メディア層を通る流体流れに対する抵抗に少なくとも実質的に等しいか、又はそれ以上であるものとすることができる。いくつかの実施形態では、縁に沿って追加の層を通る際の透過性は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の透過性に実質的に等しいか、又はそれ以下であり、及び/又は縁に沿って追加の層を通る際の除去率は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の除去率に実質的に等しいか、又はそれ以上の細かさとしてよい。いくつかの実施形態では、流体処理メディア層とは別の複合リボンの層の一部又は全部は、不浸透性であってもよい。代替として、縁に沿って追加の層を通る流体流に対する抵抗は、縁に沿って流体処理メディア層を通る流体流れに対する抵抗より小さいものとすることができる。いくつかの実施形態では、縁に沿って追加の層を通る際の透過性は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の透過性より大きく、及び/又は縁に沿って追加の層を通る際の除去率は、縁に沿って流体処理メディア層を通る際の除去率より粗いものとすることができる。
【0016】
[0025]代替として、又はそれに加えて、リボンは、縁に沿ってリボンを通る流体流路内で順番に隣り合わせで並ぶ形で配列されている複数のコンポーネント、例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上のコンポーネントを備えることができる。隣り合わせで並ぶコンポーネントは、その間に空間又は介在構造物を有しているか、或いは近接するように、例えば、接触するように配列されうる。例えば、流体処理メディアの複数のストリップは、縁と縁を並べる形で配列されうる。図2Bに示されている多孔性流体処理メディアの追加の層32aは、複数のストリップの隣り合わせに並ぶ配列の一例にすぎない。1つのストリップ32a’は、隣接するストリップ32a”と同一平面上で、近接するように配置されうる。例えば、ストリップ32a’、32a”の側端は、リボン24の長さに沿って互いに接触しあうことができる。メディアは、互いに類似していても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のメディアが、異なる孔サイズを有している場合があり、例えば、それぞれの連続するメディアが、大きな又は小さな除去率又は孔構造を有し、孔サイズはリボンの幅方向に勾配を有するものとしてよい。例えば、流体処理メディアの下流のストリップは、流体処理メディアの上流のストリップに比べて細かい除去率又は孔構造を有する場合がある。他の実施形態では、2つ以上のメディアが、異なる種類の流体処理を行う、例えば、濾過、吸着、及びイオン交換を行うことができる。隣り合わせで並ぶ配列のストリップは、類似の、又は異なる幅、厚さ、及び/又は長さを有することができる。隣り合わせで並ぶストリップは、様々な方法で支持されうる。例えば、複数のストリップを、支持層と重ね合わせることができる。支持層は、薄く、不浸透性であってよく、また流体処理メディアストリップの組み合わされた幅よりも小さい、ほぼ等しい、又は大きい幅を有していてもよい。
【0017】
[0026]透過性流体処理メディアのストリップを含むリボンは、様々な長さ、厚さ、及び幅を有することができる。多くの実施形態において、リボンは、連続的であり、所望の半径方向寸法を持つ流体処理エレメントを形成するために十分な数の巻回部を備えるために必要な完全な長さを持つものとすることができる。他の実施形態では、リボンの短い複数のセグメントを端と端で連結して、完全な長さのものとすることができる。さらに、多くの実施形態では、リボンは、概してストリップの長さ方向に沿って直線状のものとしてよい。しかし、リボンは湾曲していてもよい。例えば、リボンは、ストリップの長さに沿って伸びる循環的な、例えば、正弦曲線又は鋸歯状のパターンを持つものとしてもよい。
【0018】
[0027]透過性流体処理メディアのストリップを含む、リボンの厚さ、即ち、リボンを通る一方の主面から対向する主面までの距離は、例えば多孔性流体処理メディアの構造に応じて、リボン毎に及び/又は流体処理エレメント毎に異なるものとすることかできる。厚さは、例えば薄い透過性ポリマー膜の場合の約2/1000インチ以下から、例えば高さのある繊維性材料又は多孔性発泡体の場合の約250/1000インチ以上までの範囲内としてよい。厚さは、リボンの長さに沿って不均一であってもよいけれども、多くの実施形態では、厚さは、リボンの長さに沿って均一である。
【0019】
[0028]透過性流体処理メディアのストリップの幅を含む、リボンの幅、即ち、リボンを通り一方の側端から対向する側端までの最大の横方向の距離は、類似しているか又はリボン毎に及び/又は流体処理エレメント毎に異なりうる。流体が流体処理エレメント14’、14”内を通って流れると、流体は、概ね縁に沿ってリボン24及び透過性流体処理メディア32のストリップを通り一方の側端30、30a、31、31aから対向する側端31、31a、30、30aへ流れうる。したがって、リボンの幅は、圧力低下及び流体が受ける処理の程度に影響を及ぼしうる。例えば、リボンの幅は、濾過効率に影響を及ぼしうる。多くの実施形態について、幅は、約1/16インチ以下から約1インチ又は2インチ又は3インチ又はそれ以上までの範囲内とすることができる。例えば、幅は、約1/8インチ以上から約1/2インチ以下までの範囲を含む約2インチ以下、例えば1インチ以下から約1/16インチ以上までの範囲内とすることができる。さらに、幅は、リボンの長さに沿ってほぼ均一であり、流体処理エレメント内を通って流れる間に流体の処理はさらに均一になる。代替として、リボンの幅は、長さに沿って変化し、このため、例えば、狭いリムへ向かって次第に細くなるか、又は例えば幅広のリムに向かって次第に広がる流体処理エレメントを形成することができる。リボンの幅は、さらに、短い距離にわたっても変化し、例えば、1つ又は2つのギザギザの縁を持つリボンを形成することもできる。ギザギザの縁、さらにはフリンジ付き又は縮れた縁を持つリボンは、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願において開示されている。
【0020】
[0029]リボン24を複数の巻回数で螺旋状に巻くことにより形成された流体処理エレメント14’、14”は、多数の不規則な又は規則正しい幾何学的形態をとりうる。例えば、流体処理エレメント14’、14”のそれぞれの螺旋状に巻かれたディスク形の本体20、さらにはコアアセンブリ11は、図3に示されているように略円形の形態、又は図4、5、及び6にそれぞれ示されているように一般的な楕円形、三角形、又は矩形の形態をとりうる。例えば最内側の巻回部から最外側の巻回部までの、流体処理エレメント14’、14”の半径方向の寸法、即ち、コアアセンブリ11の軸線に対して略垂直な寸法は、例えば、巻回部数とリボンの厚さに応じて変わりうる。例えば、半径方向の寸法は、約1/4インチ以下又は約1/8インチ以下から最大約1インチまで又は最大約2インチまで又は最大約6インチまで又は最大約10インチまで又は最大約25インチ以上までの範囲内とすることができる。それぞれのセット12、13内の、又はセットからセットへの流体処理エレメントの半径方向の寸法は同等、例えば実質的に等しいか、或いは異なっていてもよい。多くの実施形態では、内側セット12の流体処理エレメント14’の内径は、互いに実質的に等しいものとしてよく、また外径は、互いに実質的に等しいものとしてよい。外側セット13の流体処理エレメント14”の内径は、互いに実質的に等しいものとしてよく、また内側セット12の流体処理エレメント14’の外径に実質的に等しいものとしてよく、外側セット13の流体処理エレメント14”の外径は、互いに実質的に等しいものとしてよい。
【0021】
[0030]流体処理エレメント14’、14”の容積は、例えば、リボンの幅及びディスク形の本体の半径方向の寸法などの因子に依存しうる。いくつかの実施形態では、流体処理装置10の流体処理エレメント14’、14”はすべて、同じ容積を有することができる。いくつかの実施形態では、内側セット12の流体処理エレメント14’はすべて、実質的に同じ容積を有し、外側セット13の流体処理エレメント14”はすべて、実質的に同じ容積を有するが、内側セット12の流体処理エレメント14’の容積に比べて大きいか、又は小さい、異なる容積を有することができる。
【0022】
[0031]流体処理エレメント14’の内側セット12は、コアアセンブリ11に沿って軸線方向に、例えば、コアアセンブリ11の周囲のすぐ近くに、またコアアセンブリ11に接触する形で配置されうる。流体処理エレメント14”の外側セット13は、流体処理エレメント14’の内側セット12から半径方向にずらされている、例えば、内側セット12から半径方向に外へ向かうコアアセンブリ11に沿って軸線方向に配置されうる。外側セット13の流体処理エレメント14”は、内側セット12の流体処理エレメント14’と軸線方向に揃えられるか、又は内側セット12の流体処理エレメント14’から軸線方向にオフセットされうる。内側セット12と外側セット13の両方の中で、流体処理エレメントのうちのいくつかは、隣接する流体処理エレメントの端面が隣接するエレメントの間の境界面に沿って互いに近接する、例えば接触して隣り合って並ぶ形で、コアアセンブリに沿って軸線方向に配置されうる。さらに、流体処理エレメント14’、14”の一部又は全部は、隣接する流体処理エレメントの端面21、22の間に空間40、41を画定するように軸線方向に互いに隔てられて並ぶコアアセンブリ11に沿って配置されうる。隣接する流体処理エレメントの間の距離は、それぞれの空間40、41の幅を画定し、それらの空間40、41の幅は、それぞれのセット内で及び/又は他のセット毎に均一でも、均一でなくてもよい。空間40、41は、流体処理エレメントの半径方向の寸法の少なくとも約85%、又は少なくとも約90%、又は約100%に沿って隣接する流体処理エレメントの間に半径方向に延びるものとしてよい。さらに、これらの空間40、41のうち多く又はすべては、例えば、これら及び他の特徴を支持するために参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月19日に出願された、発明者としてThomas Welch,Jr.、Tanweer ul Haq、及びJoseph Verschneiderが挙げられている「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Spaces Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,068号明細書及びこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、構造を実質的に含まないものとしてよい。代替として、これらの空間の一部又は全部が、例えば、様々な構造物を含むか、又は様々な構造物によって占有されうる。いくつかの構造物は、スペーサー及び/又は支持材としても働き、様々な方法で構成されうる。例えば、これらの構造物は、流体の空間への流入又は流出の際に通る空間或いはメッシュの1つ又は複数の層或いはたくさんの粗い繊維に流体を誘導して通すための溝、リブ、又は開口部を有するものとしてよい剛性のある、又は柔軟なプレート又はグリッドを備えることができる。代替として、これらの構造物は、例えば、これら及び他の特徴を支持するために参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月19日に出願された、発明者としてThomas Welch,Jr.、Tanweer ul Haq、及びJoseph Verschneiderが挙げられている「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,078号明細書及びこの国際出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているような、空間内で延びる1つ又は複数の支柱を備えうる。空間及び/又は支持材の他に、例えば機能性材料を含む、他の構造物が、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Different Fluid Treatment Characteristics and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,069号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、空間内に配置されうる。
【0023】
[0032]流体処理装置10は、さらに、流体処理エレメント14’、14”の内側及び外側セット12、13の間に内側の周辺部材42を、流体処理エレメント14”の外側セット13の周りに外側の周辺部材43を備えることができる。内側の周辺部材は、相隔てて並ぶ流体処理エレメントの間の空間及び/又は近接する流体処理エレメントの間の境界面の一部又は全部に関連付けられ、エレメントの1つのセットの空間、境界面、及び/又はリムをエレメントの他のセットのエレメントから隔てるために使用されうる。流体処理エレメント14”の外側セット13は、流体処理エレメント14’の内側セット12及び内側の周辺部材42の周りでコアアセンブリ11に沿って配置されうる。例えば、流体処理エレメント14”の外側セット13は、内側の周辺部材42及び/又は内側セット12の流体処理エレメント14’の外側リム23の周囲のすぐ近くにあり、接触しているものとしてよい。外側の周辺部材は、相隔てて並ぶ流体処理エレメントの間の空間及び/又は外側セットの近接する流体処理エレメントの間の境界面の一部又は全部に関連付けられ、外側セットの流体処理エレメントの空間、境界面、及び/又は外側リムを外側流体処理エレメントの外部、例えば外側流体処理エレメントを半径方向に越える領域から隔てるために使用されうる。
【0024】
[0033]それぞれの周辺部材は、例えば、流体処理エレメントとは別の1つ又は複数のコンポーネントとして、但し流体処理エレメントと関連付けられているものとして構成するなどの様々な方法で構成されうる。内側及び外側の周辺部材42、43の多数の異なる例のうちの1つは、複数の軸線方向に相隔てて並ぶ内側バンド44及び外側バンド45をそれぞれ含みうる。内側バンド44は、内側及び/又は外側セット12、13の流体処理エレメント14’、14”の間の空間及び/又は境界面の一部の周囲にあり、封止することができる。多くの実施形態では、内側バンド44は、それらの空間及び/又は境界面の一部の外側端部に橋架し、内側セット12の隣接する内側流体処理エレメント14’の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。内側バンド44は、さらに、それらの空間及び/又は境界面の一部の内側端部に橋架し、外側セット13の隣接する外側流体処理エレメント14”の内側リム23aを部分的に又は完全に覆うことができる。外側バンド45は、外側セット13の流体処理エレメント14”の間の空間及び/又は境界面の一部の周囲にあり、封止し、空間及び/又は境界面の一部の外側端部に橋架し、隣接する外側流体処理エレメント14”の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。それぞれの周辺部材42、43は、不浸透性であり、様々な方法で流体処理エレメント14’、14”に封止されうる。例えば、内側及び外側バンド44、45は、不浸透性ストリップ、例えば、不浸透性ポリマーストリップで構成することができ、また流体処理エレメント14’、14”のディスク形の本体20の外側リム23及び/又は内側リム23aに接着する、例えば、接着剤で接着するか、溶剤で接着するか、又は熱で接着することができる。代替として、バンドは、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Posts and/or Bands Between Fluid Treatment Elements and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,078号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、ホットメルト接着剤、ポリウレタン、又はエポキシなどの不浸透性硬化性接着材料を含むものとしてよく、また流体処理エレメントに接着できる。
【0025】
[0034]周辺部材、さらには流体処理エレメント及び両方のセットの流体処理エレメント間の空間は、コアアセンブリの内部と流体処理装置の外部、例えば流体処理装置を半径方向に越える領域との間の内側及び外側セットの流体処理エレメントに沿って流体を誘導するように様々な方法で構成できる。例えば、図1に例示されている実施形態を含む、多くの実施形態では、流体流路50は、流体を流体処理装置10の外部から、外側セット13の流体処理エレメント14”のうちの1つ又は複数のエレメントに通し、次いで内側セット12の流体処理エレメント14’のうちの1つ又は複数のエレメントに通して、コアアセンブリ11の内部15内に導き、軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って流すように配列されうる。外側セット13の流体処理エレメント14”の空間のいくつか、例えば外側供給空間40は、流体処理装置10の外部と流体的に連通し、流体を流体流路50に沿って流して外側供給空間40内に流し込むことができる。それぞれの外側供給空間40の内側端部で、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44のうちの1つ又は複数が、内側セット12の内側空間40、41、境界面、及び/又は流体処理エレメント14’から流体を隔離しうる。そこで、外側供給空間40に向く外側流体処理エレメント14”の端面21は、供給又は流入面とすることができ、流体は、供給面21を介して流体流路50に沿って供給空間40から隣接する外側流体処理エレメント14”内に流れ込むことができる。外側セット13の流体処理エレメント14”の他の空間、例えば外側透過液空間41は、流体処理装置10の外部から流体的に隔離されうる。例えば、外側の周辺部材43、例えば、外側バンド45のうちの1つ又は複数は、それぞれの外側透過液空間41の外側端部を流体処理装置10の外部から流体的に隔離することができる。そこで、外側透過液空間41に向く外側流体処理エレメント14”の端面22は、透過液面又は流出面とすることができ、流体は、透過液面22を介して外側流体処理エレメント14”から出て、外側透過液空間41に入るようにできる。
【0026】
[0035]内側セット12の流体処理エレメント14’の間の空間のいくつか、例えば、内側供給空間40は、外側透過液空間41と流体的に連通することができる。例えば、外側透過液空間41の内側端部は、内側供給空間40の外側端部内へと直接開き、これにより流体は流体流路50に沿って外側透過液空間41から内側供給空間40内に流れ込むことができる。それぞれの内側供給空間40の内側端部は、コアアセンブリ11によって流体的に隔離され、例えば、ブロックされうる。そこで、内側供給空間40に向く内側流体処理エレメント14’の端面21は、供給又は流入面とすることができ、流体は、供給面21を介して流体流路50に沿って内側供給空間40から内側流体処理エレメント14’内に流れ込むことができる。内側セット12の流体処理エレメント14’の他の空間、例えば内側透過液空間41は、内側流体処理エレメント14’の外部、例えば、内側流体処理エレメントを半径方向に越えた領域から流体的に隔離されうる。例えば、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44のうちの1つ又は複数は、それぞれの内側透過液空間41の外側端部を流体的に隔離することができる。そこで、内側透過液空間41に向く内側流体処理エレメント14’の端面は、透過液又は流出面とすることができ、流体は、透過液面22を介して内側流体処理エレメント14’から出て、内側透過液空間41に入るようにできる。内側透過液空間41は、コアアセンブリ11の開口部16と流体的に連通し、流体を流体流路50に沿って流し、コアアセンブリ11の内部15内に流し込み、軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って流すことができる。
【0027】
[0036]流体処理装置及び流体処理エレメントは、複数の異なる方法のうちのいずれかで製造することができる。例えば、流体処理装置を製造するための方法は、中空コアアセンブリに沿って螺旋状に巻かれたディスク形の流体処理エレメントの第1及び第2セットを取り付けることを含むことができ、さらにこれは流体処理エレメントの内側セットから流体処理エレメントの第2セットを半径方向にずらすことを含む。例えば、少なくとも2つ及び少なくとも10以上の、又は少なくとも25以上の、又は少なくとも50以上の、又は少なくとも100以上の数の流体処理エレメントが、それぞれのセット内のコアアセンブリに沿って取り付けられうる。1つのセット内の流体処理エレメントの個数は、隣接するセット内の流体処理エレメントの個数より少ないか、等しいか、又は多いものとしてよい。
【0028】
[0037]それぞれのセットの流体処理エレメントは、様々な方法でコアアセンブリに沿って配置されうる。例えば、リボンをコアアセンブリの周りに複数の巻回数で螺旋状に巻いて、コアアセンブリに沿った異なる軸線方向の位置で内側セット及び/又は外側セットの流体処理エレメントを形成することができる。内側セット12の流体処理エレメント14’では、リボン24をコアアセンブリ11の外部の周りに、直接その上へ巻いて、例えば、接触させて、内側流体処理エレメント14’のディスク形の本体20を形成することができる。それぞれのリボン24は、所定の半径方向寸法を有するディスク形の本体20を形成するのに十分な巻回部数で螺旋状に巻くことができる。多くの実施形態では、内側セット12の流体処理エレメント14’はすべて、実質的に同じ半径方向の寸法及び幅を有することができる。内側セット12の流体処理エレメント14’が形成された後、内側の周辺部材42が内側流体処理エレメント14’に結合されうる。例えば、内側バンド44は、内側セット12の透過液空間41及び/又は境界面の周りに配置され、隣接する内側流体処理エレメント14’に封止されうる。多くの実施形態では、内側バンド44は、内側流体処理エレメント14’の外側リム23の周りに巻くことができ、外側リム23に接着し、例えば、接着剤で接着するか、溶剤で接着するか、又は熱で接着して、外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。
【0029】
[0038]次いで、外側セット13の流体処理エレメント14”のリボン24は、リボン24を内側の周辺部材42及び/又は内側流体処理エレメント14’の外側リム23の周りに、直接その上へ巻いて、例えば、接触させることによりコアアセンブリ11の周りに巻くことができる。それぞれのリボン24は、所定の半径方向寸法を有するディスク形の本体20を形成するのに十分な巻回数で螺旋状に巻くことができる。多くの実施形態では、外側セット13の流体処理エレメント14”はすべて、実質的に同じ半径方向の寸法及び幅を有することができる。リボン24の数及び幅並びに外側流体処理エレメント14”のディスク形の本体20の半径方向の寸法は、内側流体処理エレメント14’と実質的に同じである場合も異なる場合もある。さらに、外側セット13のリボン24は、流体処理エレメント14’と軸線方向に揃えられるか、又は流体処理エレメント14’から軸線方向にオフセットされて、コアアセンブリ11の周りに巻くことができる。外側セット13の流体処理エレメント14”が形成された後、外側の周辺部材43が外側流体処理エレメント14”に結合されうる。例えば、外側バンド45は、外側セット13の透過液空間41及び/又は境界面の周りに配置され、隣接する外側流体処理エレメント14”に封止されうる。多くの実施形態では、外側バンド45は、外側流体処理エレメント14”の外側リム23の周りに巻くことができ、外側リム23に接着し、例えば、接着剤で接着するか、溶剤で接着するか、又は熱で接着して、外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。
【0030】
[0039]流体処理エレメントのそれぞれのセットについて、これら複数のリボンを、コアアセンブリの周りに、一度に1個、一度に数個、又は同時にすべて、例えば、順次又は同時に、巻くことができる。リボンの内側端部領域、例えば、第1の1つ、2つ、又は3つの巻回部を画定する領域をコアアセンブリ又は内側の周辺部材にあてがって十分に封止し、流体処理エレメントのバイパスを防ぐことができる。例えば、内側端部領域の少なくとも一部は、その部分をコアアセンブリ又は内側の周辺部材に熱接着、接着剤による接着、又は溶剤による接着によってコアアセンブリ又は内側の周辺部材に固定することができる。代替として、内側端部領域をコアアセンブリに接着せず、例えば、コアアセンブリの周りに最初の巻回部を密に巻いてコアアセンブリ又は内側の周辺部材に圧縮嵌めすることができる。さらに、内側端部領域は、先にゆくほど厚さが薄くなるものとするか、又は第1の巻回部の終わりから第2の巻回部の始まりへの移行で段が形成されないように十分密に巻くことができる。
【0031】
[0040]それぞれのセットの複数のリボンのうちのいずれか、又はすべてを螺旋状に巻いて、ディスク形の本体に少なくとも1つの凸凹の端面を形成することができる。例えば、凸凹の表面は、例えば、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangements with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願で開示されているように、ギザギザの側端を有するリボンを螺旋状に巻くこと、及び/又は一方の巻回部の側端が他方の巻回部の側端に重なり合うようにしてリボンを螺旋状に巻くことにより形成されうる。代替として、リボンは、それぞれのディスク形の本体上に2つの平らな端面を形成するように螺旋状に巻いてもよい。
【0032】
[0041]流体処理エレメントのそれぞれのセットについて、それぞれのリボンは張力を受けて複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、これにより所望の半径方向の寸法の流体処理エレメントを形成することができる。張力は、一定であるか、又は流体処理エレメントの半径方向の寸法が増大するに従って変化させてもよく、張力は、多くの要因に基づき経験的に選択されうる。例えば、リボンが伸長して悪影響を生じる最大張力、例えば、流体処理メディアが過度に引き伸ばされるか、又は引き離され始める張力を決定することができる。次いで、リボンは、最大張力よりも低い張力、例えば、この最大張力の約80%以下又は約65%以下又は約50%以下の張力を使用して螺旋状に巻かれるようにできる。さらに、リボンは、流体処理エレメントの半径方向の寸法のほとんど又はすべてに沿って一方の巻回部から次の巻回部への流体処理メディアの類似の圧縮力、例えば、実質的に均一な圧縮力をもたらす張力を使用して螺旋状に巻かれうる。一方の巻回部から次の巻回部へ類似の圧縮力を発生させることにより、流体処理エレメントは、縁に沿って流体処理メディアの複数の巻回部を通して流れる流体をより均一に処理することができる。例えば、流体処理メディアが濾過材を備えている場合、流体処理エレメントをその半径方向の寸法に沿ってより一様に装填することで、エレメントの収塵容量及び/又は使用期間を向上させることができる。それに加えて、隣接する巻回部の隣接する表面とリボンの隣接する層の間で流体が横方向に流れるのを阻止又は防止するように、十分な張力でリボンを螺旋状に巻くことができる。例えば、リボンは、隣接する表面と隣接する層との間で流体が横方向に通らない十分な張力で、又はリボンの隣接する表面と隣接する層との間の横方向への流体経路が縁に沿って流体処理メディアを通る流体経路の透過性及び/又は除去率に比べて実質的に大きい又は粗いということがない透過性及び/又は除去率を有する十分な張力で螺旋状に巻くことができる。リボンは、さらに、安定した堅いディスク形の本体を有する実質的に自立型の流体処理エレメントを形成するのに十分な張力により巻かれうる。例えば、流体処理エレメントにおいて生じる差圧で隣接する巻回部及び隣接する層の横方向の滑り及び/又は半径方向の分離が妨げられるよう十分に密に隣接する巻回部及び隣接する層同士をくっつけておく十分な張力でリボンを巻くことができる。
【0033】
[0042]それぞれのリボンが所望の半径方向の寸法に合わせて螺旋状に巻かれた後、リボンの外側端部領域は、様々な方法のうちのいずれかの方法で適所に保持されうる。例えば、外側端部領域は、隣接する巻回部に、例えば、熱による接着、接着剤による接着、又は溶剤による接着により接着されうる。代替として、又はそれに加えて、リボンの外側端部領域は、他の巻回部にかしめることができる。例えば、高温の金属ピンを略半径方向にリボンの外側端部領域及び他方の巻回部に挿入して、ピンと接触しているリボンの部分を溶かすことができる。ピンが引き抜かれると、溶融部分は、互いの部分とともに固化し、略放射状のステークを形成し、リボンの複数の層を含む外側端部領域、及び他方の巻回部を適所に保持できる。代替として、又はそれに加えて、高温でも高温でなくてもよい、中空針を、外側端部領域及び他方の巻回部に略半径方向に挿入するか、又は隣接する巻回部の間の空間内に挿入することができる。針が引き抜かれるときに、例えば、ポリウレタン、エポキシ、又はホットメルト接着剤を含む、液体硬化性接着組成物又は材料が巻回部の中に注入され、これにより外側端部領域及び巻回部を適所に保持する略放射状のステークを形成することができる。さらに代替として、例えば溶接ビード又はホットメルト接着剤のビーズの形態のステークをリボンの外側端部領域の一方又は両方の側端及び他方の巻回部に沿って引くことができる。
【0034】
[0043]流体処理エレメントのそれぞれのセットについて、螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性は、ディスク形の本体の大半又は全部をかしめることによりさらに向上させることができる。例えば、略半径方向に延びるステークは、巻回部の大半又は実質的にすべてを通して形成されること及び/又はディスク形の本体の周りの様々なある角度で離間された位置に形成されることが可能である。同様に、ステークは、流体処理エレメントの一方又は両方の端面に沿って施されること及び/又は近接する流体処理エレメントの間の境界面の端面を含むそれぞれの端面の周りの様々なある角度で離間された位置に施されることが可能である。それぞれのステークは、ほとんど又は完全に流体処理エレメント内を通って、又は沿って延び、例えば、コアアセンブリ又は内側の周辺部材へ延びており、流体処理エレメントをコアアセンブリ又は内側の周辺部材に固定するようにできる。
【0035】
[0044]螺旋状に巻かれた流体処理エレメントの安定性は、さらに、隣接する巻回部、及び/又はリボンの隣接する層を螺旋状に巻かれたリボンの長さに沿って連続的に又は断続的に互いに接着することにより高めることができる。隣接する巻回部及び/又は層は、様々な方法で接着することができる。例えば、リボンは、すでに説明されているように、接着層を備えることができる。接着層は、リボンが螺旋状に巻かれるときに隣接する巻回部及び/又は層を接着する接着剤を含みうる。代替として、接着層は、エレメントが形成された後に流体処理エレメントに溶剤を塗布するか、又は熱を加えることにより活性化されうる。さらに代替として、リボンが螺旋状に巻かれるときに、ホットメルト接着剤又は熱接着を、隣接する巻回部及び/又は層の間に、例えば、断続的に施すとよい。
【0036】
[0045]それぞれのセットの流体処理エレメントは、エレメントの一部、多く、又はすべての間に空間が設けられた状態でコアアセンブリに沿って配置されうる。流体処理エレメントがコアアセンブリに沿って取り付けられる前に、取り付けられる間に、又は取り付けられた後に、エレメント間の空間の一部又は全部の中で、或いはそれに対応する位置で、コアアセンブリに沿って様々な構造物が配列されうる。例えば、メッシュ、繊維の塊、プレート、グリッド、及び/又は支柱は、エレメントの間の空間の一部又は全部の中に配置されうる。
【0037】
[0046]流体処理装置が形成された後、これらは様々なハウジング内に収納され、流体処理アセンブリを形成することができる。流体処理アセンブリは、単一の流体処理装置のみを収納するハウジング、或いはハウジング内に直列になされた配置及び/又は並列になされた配置の複数の流体処理装置を収納するハウジングを備えることができる。例えば、ハウジングは、1つ又は複数の管板を収納し、複数の流体処理装置は、これらの管板に関連付けられうる。ハウジングは、流体処理装置を永久収納することができ、例えば、使い捨て型流体処理アセンブリを形成することができるか、又はハウジングは、流体処理装置を取り外し可能なように収納することができ、これにより、使用済みの流体処理装置を再利用可能なハウジング内の新しい流体処理装置と交換することができる。
【0038】
[0047]ハウジングは、プロセスパラメータ、例えば、流体の圧力及び温度及び化学組成に適合する不浸透性材料、例えば、金属材料又はポリマー材料から形成されうる。ハウジングは、2つ又はそれ以上の主要ポート、例えば、プロセス又は供給流体入口ポート及び濾過液又は透過液出口ポートを備えることができる。ハウジングは、ポート間に流体流路を画定し、流体処理装置は、第1及び第2の流体処理エレメントが流体流路内に直列に配置される形でハウジング内に配置されうる。ポートは、インライン構成、T型構成、又はL型構成を含む多数の構成のうちのいずれかでハウジング上に位置し、これらのポートは、様々な継手のうちのいずれかを備えることができる。ハウジングは、さらに、例えば、保持液又は濃縮液出口ポート並びに排液、排気、又は洗浄、例えば、逆洗に関連付けられている1つ又は複数のポートを含む、追加のポートを備えることができる。
【0039】
[0048]流体処理アセンブリ51及び少なくとも1つの流体処理装置10を収納するハウジング52の多くの例のうちの1つが図7に示されているが、流体処理アセンブリ及びハウジングは、図7に例示されている特徴に限定されはしない。ハウジング52は、カバー53及びシェル54を備えることができる。カバー53は、シェル54の一方の端部でシェル54に恒久的に、又は取り外し可能なように取り付けることができる。シェル54の他方の端部は、供給入口ポート55及び透過液出口ポート56を備えることができる。流体処理アセンブリ51の例示されている実施形態には、2つのポート55、56のみがあり、これらはハウジング52の一方の端部に配置されている。他の実施形態は、2つよりも多いポートを備えることができ、これらのポートは、ハウジングに沿った任意の場所、例えば、ハウジングの両端部及び/又は側面に配置されうる。
【0040】
[0049]流体処理装置10は、シェル54が第1及び第2セット12、13の流体処理エレメント14’、14”を囲む形で、供給入口ポート55と透過液出口ポート56との間の流体流路50にわたってハウジング52内に封止されうる。入口ポート55と出口ポート56との間の流体流路50の一部は、概ね縁に沿って流体処理エレメント14’、14”の流体処理メディアを貫通する流体流路を含む。流体流路50は、入口ポート55と出口ポート56との間を通り、外側セット13の少なくとも1つの流体処理エレメント14”及び内側セット12の少なくとも1つの流体処理エレメント14”のディスク形の本体20を貫通する。流体処理装置10は、多くの方法のうちのいずれかでハウジング52内に封止されうる。例えば、中空コアアセンブリ11の一方の端部は、カバー53に対し見えないように封止されうる。中空コアアセンブリ11の対向端は、開いており、透過液出口ポート56のところでシェル54に封止され、これにより、コアアセンブリ11の内部15と透過液出口ポート56との間で流体の連絡が可能になる。内側セット12のそれぞれの最も端の流体処理エレメント14’の外向きの端面は、流体処理エレメント14”の外側セットの周りで供給流体がバイパスするのを防ぐように封止されうる。例えば、封止用ディスク又はプレートなどのシール60を外に面している端面に接着するか、或いはホットメルト接着剤、ポリウレタン、又はエポキシなどの硬化性材料を外に面している表面に塗布して封止することができる。
【0041】
[0050]流体は、本発明を具現化する流体処理アセンブリ、流体処理装置、及び流体処理エレメントによる様々な方法で処理されうる。一操作モードにおいて、供給流体は、流体処理装置の外部と中空コアアセンブリの内部との間に流体を導くことにより処理されうるが、この方法は流体を概して縁に沿って第1の流体エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すことと、流体を概して縁に沿って、第1の流体処理エレメントから半径方向にずらされている第2の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すこととを含む。
【0042】
[0051]例えば、供給流体は、流体流路50に沿って導かれて流体処理アセンブリ51に通され、そこで、流体は、内側セット12及び外側セット13の流体処理エレメント14’、14”によって処理される。供給流体は、内側から外へと流体処理装置を通り、コアアセンブリの内部から外側セットの流体処理エレメントの外部に導かれうる。しかし、例示されている流体処理アセンブリ51では、供給流体は、外側から内側へと、流体処理装置10を通り、外側流体処理エレメント14”の外部からコアアセンブリ11の内部15に導かれうる。供給流体は、供給入口ポート55を通してハウジング52内に入り、流体流路50を辿って透過液出口ポート56に入ることができる。供給入口ポート55から来る供給流体は、略軸線方向にハウジング52に沿って外側セット13の流体処理エレメント14”の外部とシェル54の内部との間に流れうる。次いで、供給流体は、略半径方向内向きに外側流体処理エレメント14”の供給面21の間の供給空間40内に、外側供給空間40内にあるものとしてよい任意の構造物に沿って流れ込む。さらに外側供給空間40の内側端部を越える流体の半径方向の流れは、内側の周辺部材42によってブロックされうる。流体が外側供給空間40から内側セット12の流体処理エレメント14’の外側リム23内に流れ込むのを防ぎ、これにより外側セット13の流体処理エレメント14”をバイパスするために、内側の周辺部材42は、内側流体処理エレメント14’の外側リム23を完全に覆うものとしてよい。
【0043】
[0052]外側供給空間40から来る供給流体は、流体流路50に沿って略軸線方向に外側セット13の隣接する流体処理エレメント14”を通り外側透過液空間41内に流入しうる。流体は、外側供給空間40に隣接するそれぞれの外側流体処理エレメント14”の、例えばリボン24及び流体処理メディア32の一方の側端30、30a、31、31aの複数の巻回部を含む供給面21内に流入しうる。供給面21からの流体は、概ね縁に沿ってそれぞれの外側エレメント14”のそれぞれの巻回部の透過性流体処理メディア32を通って流れうる。流体は、さらに、1つの巻回部の透過性流体処理メディア32から半径方向にエレメント14”の1つ又は複数の隣接する又は近くにある巻回部のメディア32内に流れ込み、次いでメディア32に沿って横方向に流れうる。流体がそれぞれの外側流体処理エレメント14”の流体処理メディア32内を通過するときに、流体は、メディア32の流体処理特性に従って処理される。処理された流体は、例えば、リボン24及び流体処理メディア32の他方の側端31、31a、30、30aの複数の巻回部を含む外側流体処理エレメント14”から、透過液面22を介して出現する。外側流体処理エレメント14”の透過液供給空間22から来る流体は、外側の周辺部材43、例えば外側バンド45によって流体処理装置10の外部から分離されている外側透過液空間41内に流れ込む。外側透過液空間41から来る流体は、半径方向内向きに流体流路50に沿って、外側透過液空間41と流体的に連通する内側セット12の流体処理エレメント14’の間の内側供給空間40内に流入しうる。さらにそれぞれの内側供給空間40の内側端部を越える流体の半径方向の流れは、コアアセンブリ11の壁によってブロックされうる。
【0044】
[0053]内側供給空間40から来る流体は、流体流路50に沿って略軸線方向に内側セット12の隣接する流体処理エレメント14’を通り内側透過液空間41内に流入しうる。流体は、内側供給空間40に隣接するそれぞれの内側流体処理エレメント14’の、例えばリボン24及び流体処理メディア32の一方の側端30、30a、31、31aの複数の巻回部を含む供給面21内に流入しうる。供給面21からの流体は、概して縁に沿ってそれぞれの内側エレメント14’のそれぞれの巻回部の透過性流体処理メディア32を通って流れうる。流体は、さらに、1つの巻回部の透過性流体処理メディア32から半径方向にエレメント14’の1つ又は複数の隣接する又は近くにある巻回部のメディア32内に流れ込み、次いでメディア32に沿って横方向に流れうる。流体がそれぞれの内側流体処理エレメント14’の流体処理メディア32内を通過するときに、流体は、メディア32の流体処理特性に従って処理される。処理された流体は、例えば、リボン24及び流体処理メディア32の他方の側端31、31a、30、30aの複数の巻回部を含む内側流体処理エレメント14’から、透過液面22を介して出る。内側流体処理エレメント14’の透過液面22から来る流体は、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44によって外側空間40、41及び外側流体処理エレメント14”から分離されている、内側透過液空間41内に流れ込む。内側透過液空間41から来る流体は、半径方向内向きに流体流路50に沿ってコアアセンブリ11の開口部16を通って流れ、次いで軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿ってハウジング52の透過液出口ポート56に流れうる。
【0045】
[0054]本発明の1つ又は複数の態様を具現化する流体処理アセンブリ、流体処理装置、流体処理エレメント、及び流体処理方法には多くの利点が関連している。例えば、流体処理エレメントの第1及び第2セットの半径方向にずらされたセットを配置することにより、流体は、流体処理装置の外部とコアアセンブリの内部との間を通過するときに、少なくとも2つの流体エレメント、例えば、第1セットの1つのエレメントと第2セットの1つのエレメントとを通って流れうる。流体の処理は、こうして、著しく向上させることができる。さらに、流体処理エレメントの第1及び第2セットをコアアセンブリに沿って半径方向にずらすことにより、大きな半径を有し軸線方向に短い流体処理装置が形成されうる。流体処理エレメントは半径が大きく、長さが短いほど、多くのハウジング内の空間を効率的に使用することができる。
【0046】
[0055]それに加えて、個別のリボンを螺旋状に巻いて第1及び第2セットの複数の流体処理エレメントのそれぞれを別々に形成することにより、流体処理装置及び流体処理エレメントの異なる構成のものを製造することが容易になる。それぞれのセットのそれぞれのエレメントの半径方向の寸法は、コアアセンブリの周りに巻くリボンの数を加減することにより容易に変えることができ、それぞれのセットのコアアセンブリに沿って備えられる流体処理エレメントの個数は、コアアセンブリの周りに巻くリボンの数を加減することにより容易に変えることができ、それぞれのセットのコアアセンブリに沿った流体処理エレメントの配置は、コアアセンブリの周りに巻かれるリボンの間の間隔を単に調整するだけで容易に変えることができる。さらに、それぞれのセットのリボンは、コアアセンブリの周りに非常に素早く螺旋状に巻くことができ、製造が高速化される。複数の個別の狭いリボンを、例えば、シート内に溝又は他の貫通孔のある単一の幅広のシートの代わりに使用することにより、製造の柔軟性及び効率が著しく向上し、エレメントの様々なセット、様々な数のエレメント、及びエレメントの間の間隔を使用する流体処理装置を、異なる幅又は異なる貫通孔構成を有するシートを切り替えなくても製造することができる。それに加えて、透過性流体処理メディアの孔又は破れなどの欠陥が製造時に発生した場合に、シート全体ではなく欠陥のあるリボンを交換するだけでよく、生産速度及び生産効率を向上させることができる。
【0047】
[0056]本発明の様々な態様は、いくつかの実施形態に関してすでに説明及び/又は例示がなされているが、本発明は、これらの実施形態に限定されない。例えば、これらの実施形態の1つ又は複数の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく排除されうる。多くの実施形態について、流体処理装置10は、内側セット12の一番端の流体処理エレメント14’の外に面している表面に沿ってシール60を備えることができる。代替として、いくつかの実施形態では、これらのシールを取り除いて、それらの外に面している表面を供給流体に曝すこともできる。そこで、供給流体の一部は、外側セットの流体処理エレメントをバイパスし、内側セットの一番端の流体処理エレメントを直接通り、コアアセンブリの内部に入るようにできる。
【0048】
[0057]さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、一実施形態の1つ又は複数の特徴を修正するか、或いは一実施形態の1つ又は複数の特徴を他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせることもできる。例えば、周辺部材は、他の多くの方法で構成することができる。いずれかの周辺部材が、さらに、供給面の外側端部を取り囲む追加バンドを備えることができ、例えば、供給空間に橋架し、隣接する流体処理エレメントの外側リムの一部又は全部を覆うことができる。これらのバンドは、供給空間が外側流体処理エレメントの外部又は外側透過液空間とこれらのバンドを通じて流体的に連通できるようにする開口部、例えば、穿孔を備えることができる。代替として、それぞれの周辺部材は、流体処理エレメントのすべての外側リムの周りにぴったり嵌められるか、又は熱収縮で接着されている柔軟な不浸透性スリーブ或いは流体処理エレメントのすべての外側リムの周りに螺旋状に巻かれた不浸透性螺旋状ラップを備えることができる。開口部、例えば、穿孔又はスリットが、供給空間との流体による連絡を可能にするように周辺部材内に形成されうる。
【0049】
[0058]他の例では、それぞれの周辺部材は、内側又は外側流体処理エレメントの外側リムにおける付加的な支持を形成するようにより剛性の高い構造を備えることができる。例えば、周辺部材は、流体処理エレメントの1つのセットの周りに嵌められ、互いに連結されてより剛性の高いケージを形成する半円筒状セクションを備えることができる。流体処理エレメントの外側リムは、様々な方法でケージに対し封止され、これにより流体処理エレメント間の透過液空間の外側端を封止することができる。例えば、外側リムは、ケージに接着剤で接着されるか、熱で接着されうる。代替として、又はそれに加えて、外側リムは、それらの間で機械的にぴったりと嵌め合わせることによりケージに対して封止されうる。ケージは、供給空間が外側流体処理装置の外部又は外側透過液空間と流体的に連通できるようにする開口部を備えることができる。より剛性の高い周辺部材の例が、前記の「Fluid Treatment Elements and Fluid Treatment Arrangement with Fluid Treatment Elements Having Uneven Surfaces and Methods for Making and Using Them」という表題の米国特許仮出願第60/907,065号明細書並びにこの仮出願に基づく優先権を主張しているPCT国際出願において開示されている。
【0050】
[0059]他の例として、いずれかのセットの隣接する流体処理エレメントの間の空間のいくつかは、流体的な隔離性が高くなるように配列されうる。コアアセンブリ11、内側セット12の流体処理エレメント14’のいくつか、及び外側セット13の流体処理エレメント14”のいくつかを含む、流体処理装置10の一部が、図8に示されている。それぞれの流体処理エレメント14’、14”は、流体処理メディア32のストリップを有する螺旋状に巻かれたリボン24を備えることができる。螺旋状に巻かれているディスク形の本体20を含む流体処理エレメント14’、14”及び図8に例示されているコアアセンブリ11は、すでに説明されているのと類似のものであってもよいが、流体処理装置も、流体処理エレメントも、コアアセンブリも、周辺部材も、図8に示されている特徴に限定されない。流体処理装置10は、流体処理エレメント14’、14”の内側セット12及び/又は外側セット13内の供給空間40と透過液空間41との間で軸線方向に配置されている少なくとも1つの中間又は介在空間61を備えることができる。中間空間61は、一方の隣接する流体処理エレメントの透過液面22及び他方の隣接する流体処理エレメントの供給面21に向くものとしてよい。外側セット13内の中間空間61は、外側の周辺部材43によって外側流体処理エレメント14”の外部から流体的に隔離され、内側の周辺部材42によって内側セット12の空間、境界面、及び/又は流体処理エレメント14’から流体的に隔離されうる。例えば、外側バンド45は、外側中間空間61及び外側透過液空間41の両方の外側端部に橋架し、3つすべての隣接する外側流体処理エレメント14”の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。内側バンド44は、外側中間空間61及び外側供給空間40の内側端部に橋架し、3つすべての隣接する外側流体処理エレメント14”の内側リム23aを部分的に又は完全に覆うことができる。したがって、外側中間空間61は、外側端部と内側端部の両方で流体的に隔離され、外側中間空間61の一方の側の外側供給空間40は、内側端部でのみ流体的に隔離され、中間空間61の他方の側の外側透過液空間41は、外側端部でのみ流体的に隔離されうる。
【0051】
[0060]内側セット12内の中間空間61は、内側の周辺部材42によって、外側セット13の空間、境界面、及び/又は流体処理エレメント14”を含む、内側流体処理エレメント14’の外部から流体的に隔離され、開口部を持たないコアアセンブリ11の中空でない壁部分によってコアアセンブリ11の内部15から流体的に隔離されうる。例えば、内側バンド44は、内側中間空間61及び内側透過液空間41の外側端部に橋架し、内側セット12の流体処理エレメント14’の外側リム23を部分的に又は完全に覆うことができる。コアアセンブリ11の中空でない壁部分は、内側中間空間61及び内側供給空間40の内側端部を遮断するが、コアアセンブリ11の1つ又は複数の開口部16により、内側透過液空間41の内側端部はコアアセンブリ11の内部15と流体的に連通することができる。いずれかのセット12、13の空間40、41、61はどれも、スペーサー、支持材、及び/又は機能性材料などの構造物を実質的に含まないか、又はそのような構造物を備えることができる。供給流体は、例えば、略半径方向に外側供給空間40内に流入し、略軸線方向に、隣接する外側流体処理エレメント14”、外側中間空間61、及び次の隣接する外側流体処理エレメント14”を通り、外側透過液空間41内に流入しうる。流体は、さらに、外側透過液空間41から略半径方向に流れて、内側供給空間40内に流入し、略軸線方向に、隣接する内側流体処理エレメント14’、内側中間空間61、及び次の隣接する内側流体処理エレメント14’を通り、内側透過液空間41内に流入しうる。内側透過液空間41から来る流体は、略半径方向に、開口部16を通り、軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って、コアアセンブリ11の内部15内に流入する。
【0052】
[0061]さらに他の例では、内側セット及び/又は外側セットの流体処理エレメントは、予成形された流体処理エレメントをコアアセンブリに沿って略軸線方向にスライドさせることによりコアアセンブリに沿って取り付けることができる。例えば、リボンを複数の巻回数で所望の半径方向の寸法に合わせて、コアアセンブリの周りではなく、個別の中心ハブの周りに螺旋状に巻回部、流体処理エレメントを形成することができる。予成形内側流体処理エレメントは、コアアセンブリの外径と同じくらいの内径を有し、軸線方向にハブあり、又はハブなしでコアアセンブリに沿って所望の位置までスライドさせて適所に固定することができる。次いで、内側の周辺部材を流体処理エレメントの内側セットに施すことができる。こうして形成された予成形外側流体処理エレメントは、内側流体処理エレメント及び/又は内側の周辺部材の外径と同じくらいの内径を有し、軸線方向にハブあり、又はハブなしでコアアセンブリに沿って内側の周辺部材の周りに所望の位置までスライドさせて適所に固定することができる。次いで、外側の周辺部材を流体処理エレメントの外側セットに施すことができる。
【0053】
[0062]さらに、異なる特徴を有する実施形態は、それにもかかわらず、本発明の範囲内にあるものとしてよい。例えば、リボンを個別のハブの周りに螺旋状に巻くことで、内側流体処理エレメントを予成形することができる。それぞれのハブは、コアアセンブリの1つのセクションを含み、隣接するエレメントのハブセクションは、内側流体処理エレメントに取り付けられた中空コアアセンブリを形成するように互いに連結されうる。ハブセクションは、互いに機械的に結合されること及び/又は互いに接着されることが可能であり、ハブセクションの一部は、コアアセンブリの内側と流体的に連通できるようにする開口部を備えうる。次いで、内側の周辺部材を流体処理エレメントの内側セットに施し、外側セットの流体処理エレメントを内側の周辺部材の周りにコアアセンブリに沿って取り付け、内側周辺部材に対し封止することができる。例えば、外側流体処理エレメントのリボンを内側の周辺部材の周りに螺旋状に巻くか、又は予成形外側流体処理エレメントを内側の周辺部材に沿って軸線方向にスライドさせて適所に固定することができる。次いで、外側の周辺部材を流体処理エレメントの外側セットに施すことができる。
【0054】
[0063]他の例では、第1及び第2のシートアセンブリは、透過性流体処理メディアのシートを単独のコンポーネントとして、又は多層複合材の1つの層として、例えば、リボンの多層複合材と同様にして、備えることができる。それぞれのシートは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれ、所望の内径及び外径を含む、所望の半径方向の寸法を有するロールを形成することができる。次いで、第1及び第2のシートのロールから所望の幅を有するセクションを切断する、例えば、スライスして、それぞれ内側及び外側流体処理エレメントを予成形することができる。予成形された第1及び第2の流体処理エレメントは、次いで、すでに説明されているように、内側及び外側の周辺部材とともにコアアセンブリに沿って取り付けられうる。
【0055】
[0064]他の例では、流体処理装置は、流体処理エレメントの一方のセットのそれぞれの透過液空間から流体流を流体処理エレメントの隣接するセットの複数の供給空間、例えば、供給空間の一部、大半、又は全部に分配するための流れ分配器を備えることができる。例えば、流体処理エレメント14’の内側セット12、流体処理エレメント14”の外側セット13、内側の周辺部材42、及びそれらの間の流れ分配器62を備える流体処理装置の一部が、図9に示されている。それぞれの流体処理エレメント14’、14”は、流体処理メディア32のストリップを有するリボン24を備えることができる。螺旋状に巻かれたディスク形の本体20を含む、内側及び外側流体処理エレメント14’、14”は、すでに説明されているものに類似していてもよい。例えば、内側の周辺部材42は、内側バンド44a、44bの第1及び第2のセットを備えることができる。内側バンド44aの第1のセットは、内側セット12の流体処理エレメント14’の間の透過液空間41及び/又は境界面の外側端部に橋架し、内側透過液空間41又は境界面の外側端部を封止することができる。内側バンド44aの第1のセットは、さらに、内側透過液空間41又は境界面に隣接する内側流体処理エレメント14’の外側リム23上に部分的に、又は完全に広がり、覆うものとしてよい。内側バンド44bの第2のセットは、外側セット13の流体処理エレメント14”の間の供給空間40及び/又は境界面の内側端部に橋架し、外側供給空間40又は境界面の内側端部を封止することができる。内側バンド44bの第2のセットは、さらに、外側供給空間40又は境界面に隣接する外側流体処理エレメント14”の内側リム23a上に部分的に、又は完全に広がり、覆うものとしてよい。
【0056】
[0065]流れ分配器62は、少なくとも1つの透過液空間、例えば、流体処理エレメント14”の外側セット13の透過液空間41と流体処理エレメント14’の内側セット12の間の複数の供給空間、例えば、複数の供給空間40、例えば、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上の供給空間、さらには供給空間すべてとの間を流体的に連通させる方法で内側の周辺部材42とともに配列されうる。流れ分配器は、この流体による連絡を可能にするような様々な方法で構成されうる。例えば、流れ分配器62は、内側の周辺部材42の内側バンド44a、44bの第1及び第2のセットの間の内側流体処理エレメント14’の一部、大半、又は全部の周りに巻かれた粗い孔を持つ材料のシート63を備えることができる。粗い孔を持つ材料としては、例えば、不織繊維性材料、例えば、ガラス又はポリマー繊維の不織布シート、又はメッシュ、例えば、2平面押し出し成形及び/又は発泡ポリマーメッシュなどがある。それぞれの外側透過液空間41の内側端部は、流れ分配器62上に開き、複数の、例えばすべての内側供給空間40の外側端部は、流れ分配器62上に開いているものとしてよい。それぞれの外側透過液空間41は、流れ分配器62、例えば、粗い孔を持つ材料のシート63を介して、軸線方向にずらされている内側供給空間40の1つ又は複数、例えば、すべてと流体的に連通することができる。
【0057】
[0066]流体処理エレメント14’、14”の内側及び外側セット12、13の間に粗い孔を持つ材料のシート63を位置決めするために、内側流体処理エレメント14’が最初に、例えばすでに説明されているように、コアアセンブリ11に沿って取り付けられうる。多くの実施形態では、リボン24がコアアセンブリ11の周りに螺旋状に巻かれ、内側流体処理エレメント14’を形成することができる。次いで、内側バンド44aの第1のセットが、内側透過液空間41及び内側流体処理エレメント14’に施されうる。次に、粗い孔を持つ材料のシート63が、1つ又は複数の巻回数で内側流体処理エレメント14’及び内側バンド44aの第1のセットの周りに巻かれうる。シート63の幅は、内側流体処理エレメント14’の間の供給空間40のすべてに渡るだけの幅であればよい。代替として、シートの幅は、内側供給空間のすべてではなくそれよりも少ない空間に渡るだけの幅であればよく、複数の細いシートを内側流体処理エレメントの周りにぐるっと巻回部、内側バンドの第1のセット又は単一の細いシートを内側流体処理エレメント及び内側バンドの第1のセットの周りに螺旋状に巻くとよい。さらに代替として、粗い孔を持つ材料のスリーブを、軸線方向に内側バンドの第1のセット及び内側流体処理エレメントに沿ってスライドさせることもできる。流れ分配器62が適所に置かれた後、内側バンド44bの第2のセットは、外側供給空間40の内側端部及び外側セット13の流体処理エレメント14”の内側リム23aに対応する場所に流れ分配器62に沿って配置されうる。例えば、内側バンド44bの第2のセットは、対応する場所で粗い孔を持つ材料のシート63の周りに巻かれうる。次いで、外側流体処理エレメント14”が、コアアセンブリ11に沿って内側バンド44bの第2のセット上に取り付けられ、接着剤又は圧縮嵌めによって内側バンド44bの第2のセットに対し封止されうる。多くの実施形態では、リボン24が内側の周辺部材42の内側バンド44bの第2のセットの周りに螺旋状に巻かれ、外側流体処理エレメント14”を形成することができる。次いで、外側の周辺部材43が、外側透過液空間41の外側端部及び外側流体処理エレメント14”の外側リム23に施されうる。
【0058】
[0067]流れ分配器を有する流体処理装置で流体を処理するための方法は、すでに説明されている処理方法に類似したものであってもよい。例えば、供給流体は、流路に沿って略半径方向内向きに外側セット13の流体処理エレメント14”の間の供給空間40内に通すことができ、さらに放射状流は内側バンド44bの第2のセットによってブロックされる。次いで、流体は、流路に沿って略軸線方向に流れ隣接する外側流体処理エレメント14”を通り外側透過液空間41内に流れ込むことができる。それぞれの外側透過液空間41から来る流体は、流路に沿って半径方向に流れ分配器62、例えば粗い孔を持つ材料のシート63を通り、又は軸線方向に流れ分配器62に沿って流れ、複数の内側供給空間40、例えばすべての内側供給空間40に流れうる。流体流をそれぞれの外側透過液空間41から複数の内側供給空間40に分配することにより、流体処理装置を通る間の圧力低下をさらに小さくできる。流体が流れ分配器62に沿って流れると、流れ分配器62と内側透過液空間41との間の流体流は、内側の周辺部材42、例えば、内側バンド44aの第1のセットによってブロックされうる。さらに、流体は流れ分配器62の軸線方向端部から流出する流体は、例えば、第1のセット12の一番端の流体処理エレメント14’のところでシール60によってブロックされうる。多くの実施形態では、ホットメルト接着剤、エポキシ、又はポリウレタンなどの封止剤が流れ分配器62、例えば、粗い孔を持つ材料のシート63の軸線方向端部に塗布され、これにより、流れが流れ分配器62の軸線方向端部に流入又は流出するのを防止することができる。内側供給空間40から来る流体は、流路に沿って略軸線方向に内側セット12の隣接する流体処理エレメント14’を通り内側透過液空間41内に流入しうる。内側透過液空間41から来る流体は、流路に沿って半径方向に、コアアセンブリ11の内部15内に流れ込み、コアアセンブリ11の開口部16を通り、次いで軸線方向にコアアセンブリ11の内部15に沿って流れうる。
【0059】
[0068]流れ分配器は、様々な方法で構成されうる。いくつかの実施形態では、流れ分配器及び内側の周辺部材は組み合わせて、単一構造にすることができる。例えば、流れ分配器及び内側の周辺部材は組み合わせて、単一の二重壁ケージにすることができる。内側及び外側同軸線壁は、それらの間の流れ空間を画定することができ、外壁は外側透過液空間のところに開口部を有し、内壁は内側供給空間のところに開口部を有する。さらに、流れ分配器を有する流体処理装置は、コアアセンブリの内部から流体処理装置の外部への流体流に対し別の構成にできる。これらの実施形態では、流れ分配器は、内側透過液空間及び外側供給空間が流れ分配器と流体的に連通する形で流体処理エレメントの内側及び外側セットの間に配列されうる。それに加えて、流れ分配器を有する流体処理装置はハウジング内に恒久的に、又は取り外し可能なように取り付けられ、すでに説明されている流体処理アセンブリに似た、流体処理アセンブリを形成することができる。
【0060】
[0069]さらに他の例として、流体処理装置は、流体処理エレメントの3つ以上の半径方向に変位されたセットを備えることができる。例えば、図10に示されているように、流体処理装置10は、コアアセンブリ11に沿って取り付けられている半径方向に変位された流体処理エレメントの3つのセット64、65、66を備えることができる。それぞれのセットの流体処理エレメントは、ディスク形の本体を形成するように螺旋状に巻かれている流体処理メディアのストリップを有するリボンを備えることができる。空間、例えば、供給空間40、透過液空間41、及び中間空間は、内側及び外側セット12、13についてすでに説明されているように、それぞれのセット64、65、66内の隣接する流体処理エレメント間に配置されうる。内側及び外側セット12、13についてすでに説明されているように、内側の周辺部材42及び/又は流れ分配器は、隣接するセット64、65、66の間に配置され、外側の周辺部材43は、一番外側のセット66の周りに配置されうる。それに加えて、流体処理エレメントの3つ以上の半径方向に変位されたセットを有する流体処理装置が1つのハウジング内に配置され、これにより、内側及び外側セット12、13を収納する流体処理アセンブリ51についてすでに説明されているように、流体処理アセンブリを形成することができる。
【0061】
[0070]こうして、本発明は、本明細書において説明及び/又は例示がなされている特定の実施形態に限定されず、請求項の範囲内に収まりうるすべての実施形態及び修正形態を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空のコアアセンブリと、流体処理エレメントの少なくとも第1セット及び第2セットと、流体流路とを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部と軸線とを有し、
前記流体処理エレメントの前記第1セット及び前記第2セットは、前記コアアセンブリに沿って取り付けられており、前記第1セット及び前記第2セットの各々は複数の流体処理エレメントを備え、前記流体処理エレメントの各々は、透過性流体処理メディアを有するリボンを備え、前記リボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて略ディスク形の本体を画定し、前記略ディスク形の本体は半径方向の寸法、前記本体の一方の側の第1の端面、前記本体の他方の側の第2の端面、及び外側リムを有し、前記流体処理エレメントの前記第2セットは、前記流体処理エレメントの前記第1セットから半径方向にずらされており、
前記流体流路は、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間、及び前記第2セットにおける流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間から前記コアアセンブリの前記内部に延び、又は、前記コアアセンブリの前記内部から前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間、及び前記第2セットにおける流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びている、流体処理装置。
【請求項2】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントは、前記コアアセンブリに接触し、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントは、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントを半径方向に越え前記コアアセンブリに沿って取り付けられている、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントは、実質的に等しい外径を有する、請求項1〜2のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記第2セットにおける前記流体処理エレメントは、実質的に等しい内径を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントは、外径を有し、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントは、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの前記外径に実質的に等しい内径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の空間と、前記空間を取り囲み、前記空間の外側端部を流体的にブロックする周辺部材とをさらに備え、
前記コアアセンブリは、前記空間と前記コアアセンブリの前記内部との間を流体的に連通する開口部を備え、前記周辺部材は、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントと前記第2セットにおける前記流体処理エレメントとの間に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の空間をさらに備え、
前記空間は、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの前記外部上に開き、前記周辺部材は、前記空間の内側端部を流体的にブロックする、請求項6に記載の流体処理装置。
【請求項8】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の、供給空間及び透過液空間を含む空間と、
前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の、供給空間及び透過液空間を含む空間と、
前記第1セットにおける前記透過液空間を取り囲み、前記第1セットにおける前記透過液空間の外側端部及び前記第2セットにおける前記供給空間の内側端部を流体的にブロックする内側の周辺部材と、
前記第2セットにおける前記透過液空間を取り囲み、前記第2セットにおける前記透過液空間の外側端部を流体的にブロックする外側の周辺部材と
を備え、
前記第2セットにおける前記供給空間は、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの前記外部上に開いており、前記第2セットにおける前記透過液空間は、前記第1セットにおける前記供給空間内に開いている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項9】
前記第1セットにおける前記供給空間の内側端部は、前記コアアセンブリによって流体的にブロックされ、前記コアアセンブリは、前記第1セットにおける前記透過液空間と前記コアアセンブリの内部との間を流体的に連通する開口部を備える、請求項8に記載の流体処理装置。
【請求項10】
前記流体処理エレメントの前記第1セットと前記第2セットとの間に配置された流れ分配器をさらに備え、
前記流れ分配器は前記第1セット及び前記第2セットのうちの一方の中の少なくとも1つの空間と前記第1セット及び前記第2セットのうちの他方の中の複数の空間との間を流体的に連通する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項11】
前記流れ分配器は、前記第1セット及び前記第2セットのうちの一方の周りに巻かれた粗い孔を持つ材料のシートを備える、請求項10に記載の流体処理装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの空間は、透過液空間を備え、前記複数の空間は、供給空間を備える、請求項10又は11に記載の流体処理装置。
【請求項13】
前記流体処理エレメントの前記第2セットから半径方向に相隔てて並ぶ前記コアアセンブリに沿って取り付けられている流体処理エレメントの第3セットをさらに備え、
前記第3セットは、複数の流体処理エレメントを含み、前記流体処理エレメントの各々は、透過性流体処理メディアを有するリボンを備え、前記リボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて略ディスク形の本体を画定し、前記略ディスク形の本体は半径方向の寸法、前記本体の一方の側の第1の端面、前記本体の他方の側の第2の端面、及び外側リムを有し、前記流体流路は、さらに、前記第3セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間から前記コアアセンブリの前記内部に延び、又は前記コアアセンブリの前記内部から前記第3セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項14】
前記透過性流体処理メディアは、前記セットのうちの少なくとも1つのセットの少なくとも1つの流体処理エレメントの前記リボンの単独のコンポーネントである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項15】
前記セットのうちの少なくとも1つのセットの少なくとも1つの流体処理エレメントの前記リボンは、多層複合材を備え、前記透過性流体処理メディアは、前記複合材の1つの層である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項16】
少なくとも1つのセットの前記流体処理エレメントの前記流体処理メディアは、同じ流体処理特性を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項17】
前記セットのうちのすべての前記流体処理エレメントの前記流体処理メディアは、同じ流体処理特性を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項18】
ハウジングと、前記ハウジングの内側に配置される請求項1〜17のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備える流体処理アセンブリであって、
前記ハウジングは、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に流体流路を画定し、前記流体処理装置は前記ハウジング内に、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の前記流体流路を横切って配置されており、前記流体処理装置の前記流体流路は、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の前記流体流路の一部を含む、流体処理アセンブリ。
【請求項19】
中空のコアアセンブリに沿って螺旋状に巻かれたディスク形の流体処理エレメントの第1セット及び第2セットを取り付けるステップを含み、
前記流体処理エレメントの前記第1セットから前記流体処理エレメントの前記第2セットを半径方向にずらすことを含む、流体処理装置を製造するための方法。
【請求項20】
前記流体処理エレメントの前記第1のセットを取り付けるステップは、ディスク形の本体を形成するように複数の巻回数で透過性流体処理メディアを有するリボンを螺旋状に巻くことにより前記第1セットにおける各流体処理エレメントを形成するステップを含み、前記ディスク形の本体は第1の端面、第2の対向する端面、及び外側リムを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リボンを螺旋状に巻くステップは、前記リボンを前記コアアセンブリの前記外部の周りに巻くステップを含み、
当該方法はさらに前記コアアセンブリの前記外部に対し前記リボンを封止するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記流体処理エレメントの前記第1セットを取り付けるステップは、前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って軸線方向にスライドさせるステップを含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
前記流体処理エレメントの前記第1セットを前記コアアセンブリに沿って取り付けるステップは、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントのうちの少なくともいくつかの間に空間を置く形で前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って軸線方向に配置するステップを含む、請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記流体処理エレメントの前記第2セットを取り付けるステップは、ディスク形の本体を形成するように複数の巻回数で透過性流体処理メディアを有するリボンを螺旋状に巻くことにより前記第2セットにおける各流体処理エレメントを形成するステップを含み、前記ディスク形の本体は第1の端面、第2の対向する端面、及び外側リムを有する、請求項19〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記リボンを螺旋状に巻くステップは、前記リボンを前記第1のセットの前記流体処理エレメントの周りに巻くステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記流体処理エレメントの前記第2セットを取り付けるステップは、前記流体処理エレメントを軸線方向にスライドさせるステップを含み、
さらに前記第2セットにおける前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの上を越える形で軸線方向にスライドさせるステップを含む、請求項19〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記流体処理エレメントの前記第2セットを前記コアアセンブリに沿って取り付けるステップは、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間に空間を置いて前記第2セットにおける前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの上を越える形で軸線方向に配置するステップを含む、請求項19〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1セットにおける流体処理エレメント間の透過液空間の前記外側端部を流体的にブロックすることを含む前記流体処理エレメントの前記第1セットの周りに周辺部材を取り付けるステップを含む、請求項19〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記流体処理エレメントにおける前記第2セットを取り付けるステップは、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントを前記周辺部材の上に配置するステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記周辺部材を取り付けるステップは、内側周辺部材を前記流体処理エレメントの前記第1セットの周りに取り付けるステップを含み、
当該方法はさらに、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの間の透過液空間の前記外側端部を流体的にブロックすることを含む外側の周辺部材を前記流体処理エレメントの前記第2セットの周りに取り付けるステップを含む、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1セット及び前記第2セットのうちの一方の中の少なくとも1つの空間と前記第1セット及び前記第2セットのうちの他方の中の複数の空間との間に軸線方向の流路を形成することを含む、流れ分配器を前記流体処理エレメントの前記第1セットと前記第2セットとの間に配置するステップをさらに含む、請求項19〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記流れ分配器を配置するステップは、粗い孔を持つ材料のシートを前記第1セット及び前記第2セットの周りに巻くステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記流体を概ね縁に沿って第1の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すことと、流体を概ね縁に沿って前記第1の流体処理エレメントから半径方向に変位されている第2の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すこととを含む、流体処理装置の外部と中空コアアセンブリの内部との間に流体を導くステップを含む、流体を処理するための方法。
【請求項34】
前記流体を導くステップは、前記流体を前記流体処理装置の前記外部から前記コアアセンブリの前記内部に導くステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記流体を導くステップは、前記流体を前記コアアセンブリの前記内部から前記流体処理装置の前記外部に導くステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
流体を前記第1の流体処理エレメントに通す前記ステップは、流体を前記中空コアアセンブリに沿って取り付けられている流体処理エレメントの第1セットに通すステップを含み、
流体を前記第2の流体処理エレメントに通すステップは、流体を流体処理エレメントの第1セットから半径方向に変位されている流体処理エレメントの第2セットに通すステップを含む、請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記流体を略軸線方向に、前記第1の流体処理エレメントと前記第2流体処理エレメントとの間に配置された流れ分配器に沿って通すステップをさらに含む、請求項33〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記流体を略軸線方向に前記流れ分配器に沿って通すステップは、前記流体を流体処理エレメントの第1セット内の空間と第2の流体処理エレメントの第2セット内の複数の空間との間に通すステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項1】
中空のコアアセンブリと、流体処理エレメントの少なくとも第1セット及び第2セットと、流体流路とを備える流体処理装置であって、
前記コアアセンブリは、内部と軸線とを有し、
前記流体処理エレメントの前記第1セット及び前記第2セットは、前記コアアセンブリに沿って取り付けられており、前記第1セット及び前記第2セットの各々は複数の流体処理エレメントを備え、前記流体処理エレメントの各々は、透過性流体処理メディアを有するリボンを備え、前記リボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて略ディスク形の本体を画定し、前記略ディスク形の本体は半径方向の寸法、前記本体の一方の側の第1の端面、前記本体の他方の側の第2の端面、及び外側リムを有し、前記流体処理エレメントの前記第2セットは、前記流体処理エレメントの前記第1セットから半径方向にずらされており、
前記流体流路は、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間、及び前記第2セットにおける流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間から前記コアアセンブリの前記内部に延び、又は、前記コアアセンブリの前記内部から前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間、及び前記第2セットにおける流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びている、流体処理装置。
【請求項2】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントは、前記コアアセンブリに接触し、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントは、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントを半径方向に越え前記コアアセンブリに沿って取り付けられている、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントは、実質的に等しい外径を有する、請求項1〜2のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記第2セットにおける前記流体処理エレメントは、実質的に等しい内径を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントは、外径を有し、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントは、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの前記外径に実質的に等しい内径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の空間と、前記空間を取り囲み、前記空間の外側端部を流体的にブロックする周辺部材とをさらに備え、
前記コアアセンブリは、前記空間と前記コアアセンブリの前記内部との間を流体的に連通する開口部を備え、前記周辺部材は、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントと前記第2セットにおける前記流体処理エレメントとの間に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の空間をさらに備え、
前記空間は、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの前記外部上に開き、前記周辺部材は、前記空間の内側端部を流体的にブロックする、請求項6に記載の流体処理装置。
【請求項8】
前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の、供給空間及び透過液空間を含む空間と、
前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間の、供給空間及び透過液空間を含む空間と、
前記第1セットにおける前記透過液空間を取り囲み、前記第1セットにおける前記透過液空間の外側端部及び前記第2セットにおける前記供給空間の内側端部を流体的にブロックする内側の周辺部材と、
前記第2セットにおける前記透過液空間を取り囲み、前記第2セットにおける前記透過液空間の外側端部を流体的にブロックする外側の周辺部材と
を備え、
前記第2セットにおける前記供給空間は、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの前記外部上に開いており、前記第2セットにおける前記透過液空間は、前記第1セットにおける前記供給空間内に開いている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項9】
前記第1セットにおける前記供給空間の内側端部は、前記コアアセンブリによって流体的にブロックされ、前記コアアセンブリは、前記第1セットにおける前記透過液空間と前記コアアセンブリの内部との間を流体的に連通する開口部を備える、請求項8に記載の流体処理装置。
【請求項10】
前記流体処理エレメントの前記第1セットと前記第2セットとの間に配置された流れ分配器をさらに備え、
前記流れ分配器は前記第1セット及び前記第2セットのうちの一方の中の少なくとも1つの空間と前記第1セット及び前記第2セットのうちの他方の中の複数の空間との間を流体的に連通する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項11】
前記流れ分配器は、前記第1セット及び前記第2セットのうちの一方の周りに巻かれた粗い孔を持つ材料のシートを備える、請求項10に記載の流体処理装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの空間は、透過液空間を備え、前記複数の空間は、供給空間を備える、請求項10又は11に記載の流体処理装置。
【請求項13】
前記流体処理エレメントの前記第2セットから半径方向に相隔てて並ぶ前記コアアセンブリに沿って取り付けられている流体処理エレメントの第3セットをさらに備え、
前記第3セットは、複数の流体処理エレメントを含み、前記流体処理エレメントの各々は、透過性流体処理メディアを有するリボンを備え、前記リボンは、複数の巻回数で螺旋状に巻かれて略ディスク形の本体を画定し、前記略ディスク形の本体は半径方向の寸法、前記本体の一方の側の第1の端面、前記本体の他方の側の第2の端面、及び外側リムを有し、前記流体流路は、さらに、前記第3セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間から前記コアアセンブリの前記内部に延び、又は前記コアアセンブリの前記内部から前記第3セットにおける前記流体処理エレメントの前記第1の端面と前記第2の端面との間に延びている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項14】
前記透過性流体処理メディアは、前記セットのうちの少なくとも1つのセットの少なくとも1つの流体処理エレメントの前記リボンの単独のコンポーネントである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項15】
前記セットのうちの少なくとも1つのセットの少なくとも1つの流体処理エレメントの前記リボンは、多層複合材を備え、前記透過性流体処理メディアは、前記複合材の1つの層である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項16】
少なくとも1つのセットの前記流体処理エレメントの前記流体処理メディアは、同じ流体処理特性を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項17】
前記セットのうちのすべての前記流体処理エレメントの前記流体処理メディアは、同じ流体処理特性を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項18】
ハウジングと、前記ハウジングの内側に配置される請求項1〜17のいずれか一項に記載の流体処理装置とを備える流体処理アセンブリであって、
前記ハウジングは、第1ポート及び第2ポートを有し、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に流体流路を画定し、前記流体処理装置は前記ハウジング内に、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の前記流体流路を横切って配置されており、前記流体処理装置の前記流体流路は、前記第1ポートと前記第2ポートとの間の前記流体流路の一部を含む、流体処理アセンブリ。
【請求項19】
中空のコアアセンブリに沿って螺旋状に巻かれたディスク形の流体処理エレメントの第1セット及び第2セットを取り付けるステップを含み、
前記流体処理エレメントの前記第1セットから前記流体処理エレメントの前記第2セットを半径方向にずらすことを含む、流体処理装置を製造するための方法。
【請求項20】
前記流体処理エレメントの前記第1のセットを取り付けるステップは、ディスク形の本体を形成するように複数の巻回数で透過性流体処理メディアを有するリボンを螺旋状に巻くことにより前記第1セットにおける各流体処理エレメントを形成するステップを含み、前記ディスク形の本体は第1の端面、第2の対向する端面、及び外側リムを有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リボンを螺旋状に巻くステップは、前記リボンを前記コアアセンブリの前記外部の周りに巻くステップを含み、
当該方法はさらに前記コアアセンブリの前記外部に対し前記リボンを封止するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記流体処理エレメントの前記第1セットを取り付けるステップは、前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って軸線方向にスライドさせるステップを含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
前記流体処理エレメントの前記第1セットを前記コアアセンブリに沿って取り付けるステップは、前記第1セットにおける前記流体処理エレメントのうちの少なくともいくつかの間に空間を置く形で前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って軸線方向に配置するステップを含む、請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記流体処理エレメントの前記第2セットを取り付けるステップは、ディスク形の本体を形成するように複数の巻回数で透過性流体処理メディアを有するリボンを螺旋状に巻くことにより前記第2セットにおける各流体処理エレメントを形成するステップを含み、前記ディスク形の本体は第1の端面、第2の対向する端面、及び外側リムを有する、請求項19〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記リボンを螺旋状に巻くステップは、前記リボンを前記第1のセットの前記流体処理エレメントの周りに巻くステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記流体処理エレメントの前記第2セットを取り付けるステップは、前記流体処理エレメントを軸線方向にスライドさせるステップを含み、
さらに前記第2セットにおける前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの上を越える形で軸線方向にスライドさせるステップを含む、請求項19〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記流体処理エレメントの前記第2セットを前記コアアセンブリに沿って取り付けるステップは、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの少なくともいくつかの間に空間を置いて前記第2セットにおける前記流体処理エレメントを前記コアアセンブリに沿って前記第1セットにおける前記流体処理エレメントの上を越える形で軸線方向に配置するステップを含む、請求項19〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1セットにおける流体処理エレメント間の透過液空間の前記外側端部を流体的にブロックすることを含む前記流体処理エレメントの前記第1セットの周りに周辺部材を取り付けるステップを含む、請求項19〜27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記流体処理エレメントにおける前記第2セットを取り付けるステップは、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントを前記周辺部材の上に配置するステップを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記周辺部材を取り付けるステップは、内側周辺部材を前記流体処理エレメントの前記第1セットの周りに取り付けるステップを含み、
当該方法はさらに、前記第2セットにおける前記流体処理エレメントの間の透過液空間の前記外側端部を流体的にブロックすることを含む外側の周辺部材を前記流体処理エレメントの前記第2セットの周りに取り付けるステップを含む、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1セット及び前記第2セットのうちの一方の中の少なくとも1つの空間と前記第1セット及び前記第2セットのうちの他方の中の複数の空間との間に軸線方向の流路を形成することを含む、流れ分配器を前記流体処理エレメントの前記第1セットと前記第2セットとの間に配置するステップをさらに含む、請求項19〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記流れ分配器を配置するステップは、粗い孔を持つ材料のシートを前記第1セット及び前記第2セットの周りに巻くステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記流体を概ね縁に沿って第1の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すことと、流体を概ね縁に沿って前記第1の流体処理エレメントから半径方向に変位されている第2の流体処理エレメントの透過性流体処理メディアの巻回部に通すこととを含む、流体処理装置の外部と中空コアアセンブリの内部との間に流体を導くステップを含む、流体を処理するための方法。
【請求項34】
前記流体を導くステップは、前記流体を前記流体処理装置の前記外部から前記コアアセンブリの前記内部に導くステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記流体を導くステップは、前記流体を前記コアアセンブリの前記内部から前記流体処理装置の前記外部に導くステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
流体を前記第1の流体処理エレメントに通す前記ステップは、流体を前記中空コアアセンブリに沿って取り付けられている流体処理エレメントの第1セットに通すステップを含み、
流体を前記第2の流体処理エレメントに通すステップは、流体を流体処理エレメントの第1セットから半径方向に変位されている流体処理エレメントの第2セットに通すステップを含む、請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記流体を略軸線方向に、前記第1の流体処理エレメントと前記第2流体処理エレメントとの間に配置された流れ分配器に沿って通すステップをさらに含む、請求項33〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記流体を略軸線方向に前記流れ分配器に沿って通すステップは、前記流体を流体処理エレメントの第1セット内の空間と第2の流体処理エレメントの第2セット内の複数の空間との間に通すステップを含む、請求項37に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2010−522071(P2010−522071A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554662(P2009−554662)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/056996
【国際公開番号】WO2008/115789
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2008/056996
【国際公開番号】WO2008/115789
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】
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