流体取扱装置
【課題】枠体に組み込んだストリッププレートの脱落防止用の別部材を必要とせず、ワンタッチでストリッププレートを枠体に着脱できるようにし、運搬時等の手作業時にはストリッププレートが枠体から脱落せず、且つ、ストリッププレートを枠体に着脱するための外力が作用した際にはウェル内の検体等の漏出を生じることなくストリッププレートと枠体との円滑な着脱を可能にする。
【解決手段】流体取扱装置1は、複数のウェルを備えたストリッププレート3の凹み37に枠体2の第1側壁5の庇部27を凹凸係合させると共に、ストリッププレート3の凹み38に枠体2の第2側壁6の庇部28を凹凸係合させるようになっている。第2側壁6は、他の側壁が接続されるコーナー部に、上端部6cから下方側へ向かって延びるスリットを形成し、他の側壁と部分的に切断して、第1側壁5よりも撓み変形し易くしてある。
【解決手段】流体取扱装置1は、複数のウェルを備えたストリッププレート3の凹み37に枠体2の第1側壁5の庇部27を凹凸係合させると共に、ストリッププレート3の凹み38に枠体2の第2側壁6の庇部28を凹凸係合させるようになっている。第2側壁6は、他の側壁が接続されるコーナー部に、上端部6cから下方側へ向かって延びるスリットを形成し、他の側壁と部分的に切断して、第1側壁5よりも撓み変形し易くしてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体取扱装置に関し、特に、生体物質に代表される機能性物質などの試料を分析する試料分析装置として使用可能な流体取扱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体物質の抗原抗体反応による反応物を視覚的に認識できるようにしたり、蛍光や吸光を測定することによって、その生体物質を検出するような分析等に使用される流体取扱装置としてのマイクロプレートは、検体等を収容する微小な凹み(ウェル)がマトリックス状に複数(例えば、縦列8個で横列12個の合計96個)形成され、これら各ウェル内に検体と試薬を注入するようになっている。このようなマイクロプレートは、分析装置の構造や分析方法に応じ、形状や構造が工夫されている。
【0003】
(第1従来例)
図12乃至図13に示すマイクロプレート101は、一列に8個のウェル104が形成されたストリッププレート(単位マイクロプレート)103を横に12個並べて枠体102に組み込むことにより、96個のウェル104がマトリックス状に配置されるようになっている。そして、このマイクロプレート101は、運搬や試薬の分注などの手作業時に、ストリッププレート103が枠体102から脱落するのを防止するため、作業者が枠体102の上端部に額縁状のカバー105を嵌め込んで、その額縁状のカバー105によってストリッププレート103を枠体102の上端部に保持するようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
(第2従来例)
また、図14に示すマイクロプレート201は、ストリッププレート203の長手方向の両端部に形成された突起220及び221によって枠体202の側壁205及び206の庇部224及び225間を押し広げながら、ストリッププレート203を枠体202に挿入し、ストリッププレート203の鍔部211と突起220、及び鍔部212と突起221の間に枠体202の庇部224及び225を収容することによって、ストリッププレート203が枠体202に保持されるという保持機構を採用している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭62−257048号公報
【特許文献2】米国特許第5,084,246号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図12乃至図13に示した第1従来例のマイクロプレート101の部品点数を削減し、マイクロプレート101の小型化・軽量化を図るためには、第1従来例におけるマイクロプレート101の枠体102とストリッププレート103に、図14に示した第2従来例のマイクロプレート201におけるストリッププレート203と枠体202の保持機構を適用し、第1従来例のマイクロプレート101におけるカバー105(枠体102に組み込んだストリッププレート103が枠体102から脱落するのを防止する部材)を不要にすることが有効である。
【0006】
しかしながら、単に第1従来例のマイクロプレート101に第2従来例の保持機構を適用した場合には、枠体102に形成された庇部とストリッププレート103に形成された突起との嵌合状態によって(例えば、枠体102とストリッププレート103の製造誤差に起因して生じる庇部と突起との引っ掛かり量のバラツキによって)、ストリッププレート103と枠体102との脱着時に大きな力が必要になり、ストリッププレート103と枠体102との脱着作業を滑らかに行うことができないことがある。このような、ストリッププレート103と枠体102との脱着作業が滑らかに行えない状態において、ウェル104内に検体等が収容されたストリッププレート103を枠体102から分離しようとすると、ウェル104内の検体等がウェル104の外に漏出するといった不具合を生じる虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、枠体に組み込んだストリッププレートの脱落防止用の別部材を必要とせず、ワンタッチでストリッププレートを枠体に着脱できるようにし、運搬時等の手作業時にはストリッププレートが枠体から脱落せず、且つ、ストリッププレートを枠体に着脱するための外力が作用した際にはウェル内の検体等の漏出を生じることなくストリッププレートと枠体との円滑な着脱を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置に関するものである。本発明において、a.前記ストリッププレートは、(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、ことを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置に関するものである。この発明において、a.前記ストリッププレートは、(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記他の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置に関するものである。この発明において、a.前記ストリッププレートは、(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部側から下端部側へ向かう所定範囲に薄肉部が形成された、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ストリッププレートを枠体に着脱する際に、ストリッププレートの凹凸係合部が枠体の側壁を撓み変形させ、ストリッププレートの凹凸係合部が枠体の係止部にワンタッチ(ストリッププレートを枠体に押し込む一動作、又はストリッププレートを枠体から押し出す一動作)で係合・係合解除するため、枠体に組み込んだストリッププレートの脱落防止用の別部材を必要としない。
【0012】
また、本発明は、ストリッププレートに外力を作用させて枠体の側壁を撓み変形させない限り、ストリッププレートが枠体から離脱することがないので、運搬時等の手作業時に、ストリッププレートが枠体から簡単に脱落するようなことがない。
【0013】
また、請求項1乃至2の発明は、ストリッププレートと凹凸係合する一対の側壁のうちの少なくとも一方の側壁が、他の側壁とのコーナー部近傍に設けたスリットの影響で、スリットを設けない場合におけるコーナー部近傍の一方の側壁と比較して撓み変形し易くなっているため、ストリッププレートと枠体との着脱時に、ストリッププレートに作用させる外力を小さくすることができ、ストリッププレートと枠体の着脱作業を円滑に行うことができる。その結果、請求項1乃至2の発明によれば、ウェル内に検体等を収容したストリッププレートを枠体に着脱する際に、ウェル内の検体等がストリッププレートの枠体への着脱時の衝撃で漏出するのを防止できる。
【0014】
また、請求項3の発明は、ストリッププレートと凹凸係合する一対の側壁のうちの少なくとも一方の側壁が、他の側壁とのコーナー部近傍に設けた薄肉部の影響で、薄肉部を設けない場合におけるコーナー部近傍の一方の側壁と比較して撓み変形し易くなっているため、ストリッププレートと枠体との着脱時に、ストリッププレートに作用させる外力を小さくすることができ、ストリッププレートと枠体の着脱作業を円滑に行うことができる。その結果、請求項3の発明によれば、ウェル内に検体等を収容したストリッププレートを枠体に着脱する際に、ウェル内の検体等がストリッププレートの枠体への着脱時の衝撃で漏出するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0016】
[第1実施形態]
(流体取扱装置の概略構成)
図1乃至図2は、本発明の第1実施形態に係る流体取扱装置1を示す図である。このうち、図1は、流体取扱装置1の平面図である。また、図2は、図1の流体取扱装置1をA1−A1線に沿って切断して示す断面図である。これらの図1乃至図2に示す流体取扱装置1は、枠体2と、この枠体2に着脱可能に組み付けられる複数のストリッププレート3と、から構成されている。ストリッププレート3は、図1の縦方向の一列に8個のウェル(検体等を収容する微小な凹み)4が形成されており、図1の横方向に12列並べて配置されている。これにより、流体取扱装置1は、図1に示すように、合計96個のウェル4がマトリックス状に配置されている。ここで、枠体2及びストリッププレート3は、ポリスチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂材料で形成されている。なお、図2に示す流体取扱装置1において、ウェル4の開口端側を上部とし、この上部の反対側を下部とする。
【0017】
(枠体の構成)
図1乃至図5に詳細を示すように、枠体2は、四側壁5〜8によって取り囲まれる空間10を有している。枠体2の四側壁5〜8は、連続して一体に形成されており、平面形状が矩形形状(図4(a)の平面形状が、縦方向よりも横方向に長い四角形状)の空間10を取り囲むように形成されている。この枠体2の四側壁5〜8は、平面形状が矩形形状の空間10の長辺側に対向して位置する一対の側壁5,6と、これら一対の側壁5,6の対向する端部同士を接続する一対の他の側壁7,8とからなっている。そして、枠体2の各側壁5〜8は、上下方向に延びる立ち上がり側壁部5a〜8aと、この立ち上がり側壁部5a〜8aの下端側から外側(空間10側とは反対の側)に鍔状に張り出す土台側壁部5b〜8bとからなっている。ここで、説明の都合上、図4(a)において、枠体2の四側壁5〜8のうち、空間10の長辺側に位置する一対の側壁5,6の一方(図4(a)の上側)を第1側壁5といい、一対の側壁5,6の他方(図4(a)の下側)を第2側壁6という。また、説明の都合上、図4(a)において、枠体2の四側壁5〜8のうち、空間10の短辺側に対向するように位置する一対の他の側壁7,8の一方(図4(a)の左側)を第3側壁7といい、一対の他の側壁7,8の他方(図4(a)の右側)を第4側壁8という。
【0018】
図1乃至図4に示すように、枠体2の一対の側壁(第1側壁5及び第2側壁6)の上端部5c,6cは、ストリッププレート3の鍔部11,12が載置されるようになっており、ストリッププレート3の鍔部11,12が載置されたときに、そのストリッププレート3の上面3aが他方の側壁(第3側壁7及び第4側壁8)の上面7c,8cと同一平面(同一高さ)に位置するように、第3及び第4側壁7,8の上面7c,8cよりも低く(ストリッププレート3の鍔部11,12の厚さ寸法分だけ低く)なっている。
【0019】
また、図1乃至図4に示すように、第1側壁5の上端部5cには、各ストリッププレート3を所定位置に位置決めするための位置決め用突起13が突出形成されている。そして、この第1側壁5の位置決め用突起13,13間には、第2列目から第11列目のストリッププレート3の長手方向一端側(図1の上端側)に位置する鍔部11が係合され、第2列目から第11列目のストリッププレート3が枠体2に対して位置決めされる。そして、第3側壁7とこの第3側壁7に隣り合う位置決め用突起13との間には、第1列目のストリッププレート3の長手方向一端側の鍔部11が係合され、第1列目のストリッププレート3が枠体2に対して位置決めされる。また、第4側壁8とこの第4側壁8に隣り合う位置決め用突起13との間には、第12列目のストリッププレート3の長手方向一端側の鍔部11が係合され、第12列目のストリッププレート3が枠体2に対して位置決めされる。また、これら第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3は、長手方向一端側の鍔部11が第1側壁5の上端部5cに載置され、第1側壁5の高さ方向に対して位置決めされる。
【0020】
また、図1乃至図4に示すように、第2側壁6の上端部6cには、各ストリッププレート3を所定位置に位置決めするための位置決め用凹部14が第2側壁6を部分的に溝状に切り欠くように形成されている。この第2側壁6の位置決め用凹部14は、第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3に対応して形成されており、第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3の位置決め用突起15を位置決め用凹部14に係合することにより(図6参照)、第1列目から第12列目までのストリッププレート3の長手方向他端側の鍔部12が枠体2に対して位置決めされる。また、これら第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3は、長手方向他端側の鍔部12が第2側壁6の上端部6cに載置され、第2側壁6の高さ方向に対して位置決めされる。
【0021】
また、図2、図4(a)及び図5に示すように、第1側壁5の空間10側の側面である内壁22の上端部5c側には、第1側壁5の上端部5cを空間10側にせり出させた庇部24(係止部)が第3側壁7から第4側壁8にかけて形成されている。また、第2側壁6の空間10側の側面である内壁23の上端部6c側には、枠体2に組み付けられる各ストリッププレート3に対応する位置の第2側壁6の上端部6cを空間10側にせり出させることにより庇部25(係止部)が形成されている。また、第2側壁6の庇部25であって、且つ、第1列目のストリッププレート3に対応する庇部25を除く他の庇部25は、ストリッププレート3の本体部分16の曲面状に形成された側面18に係合するように、空間10側に大きく円弧状にせり出した円弧状部分26を有している(図6参照)。この円弧状部分26は、ストリッププレート3が枠体2に斜めに組み付けられる(例えば、第2列目のストリッププレート3の一端側の鍔部11が第2列目の所定位置に組み付けられ、第2列目のストリッププレート3の他端側の鍔部12が第1列目又は第3列目の位置に組み付けられる)ことを防止する機能を有している(図1参照)。
【0022】
また、図3乃至図4に示すように、第2側壁6と第3側壁7とのコーナー部27及び第2側壁6と第4側壁8とのコーナー部28には、第2側壁6の上端部6c側の所定範囲が第3側壁7及び第4側壁8から切り離されるように、第2側壁6の上端部6cから下端部6d側へ向かって延びるスリット30,31がそれぞれ形成され、第2側壁6が第1,第3及び第4側壁5,7,8よりも撓み変形し易くなっている。さらに、第2側壁6は、第1列目のストリッププレート3の位置決め用凹部14及び第11列目のストリッププレート3の位置決め用凹部14がスリット30,31の長さと同様の長さだけ上端部6cから下端6d側へ向かって切り下げられ、サブスリット32,33が形成されている。その結果、本実施形態に係る枠体2の第2側壁6は、単に一対のスリット30,31を形成する場合に比較し、第1列目のストリッププレート3の組み付け位置に対応する部分及び第12列目のストリッププレート3の組み付け位置に対応する部分が撓み易くなり、第1列目のストリッププレート3の組み付け位置に対応する部分から第12列目のストリッププレートの組み付け位置に対応する部分まで撓み変形が円滑且つ均等化し、ストリッププレート3の着脱時におけるストリッププレート3との接触圧力が均等化する(図1及び図7参照)。なお、第2側壁6と第4側壁8のコーナー部28に位置するスリット31は、第12列目のストリッププレート3の位置決め用凹部14をも兼ねている。また、スリット30,31及びサブスリット32,33の長さ(上端部6cからの下端部6d側の延びる長さ)及び幅は、第2側壁6の肉厚等を考慮し、最適な数値に決定される。
【0023】
(ストリッププレートの構成)
図6に示すように、ストリッププレート3は、平面形状が細長いほぼ長方形であり(図6(b)参照)、ウェル4が一列に等間隔で複数(本実施形態においては8個)形成された本体部分16と、この本体部分16の上面34側(ウェル4が開口する側であって、図6(a)の上側)における長手方向両端部にそれぞれ鍔部11,12が形成されている。このストリッププレート3に形成されたウェル4は、検体等を収容するためのほぼ円柱状の空間を形作る凹みであり、開口部の形状が円形になっている。ストリッププレート3の本体部分16は、ウェル4が形成された有底筒状の容器を一列に8個接続したような形状になっており、一方の鍔部11を第1側壁5の上端部5cに載置し且つ他方の鍔部12を第2側壁6の上端部6cに載置した状態(枠体2に組み込んだ状態)において、四側壁(第1〜第4側壁)5〜8で囲まれた空間10内に収まる寸法に形成されている(図2参照)。
【0024】
また、図2及び図6に示すように、ストリッププレート3の本体部分16の長手方向端部であって且つ第1側壁5の内側面に対向する側面17には、突起20が形成されている。また、ストリッププレート3の本体部分16の長手方向端部であって且つ第2側壁6の内側面に対向する側面18には、突起21が形成されている。両突起20,21は、図6(a),(f)に示すように、同一の形状(ただし、図6(a)において、左右対称の略三角形状)に形成されており、下方から上方に向かうにしたがって突起高さが徐々に漸増する第1の傾斜面35と、この第1の傾斜面35の上端から更に上方に向かうにしたがって突起高さが徐々に漸減する第2の傾斜面36と、を有している。なお、突起20,21の形状は、円板の一部を切り取ったような、突起高さが徐々に変化する円弧形状であってもよい。
【0025】
そして、図2及び図6(a),(f)に示すように、ストリッププレート3の一方の鍔部11と突起20との間には、第1側壁5の庇部24を収容できる程度の凹み37(凹凸係合部)が形成されている。また、ストリッププレート3の他方の鍔部12と突起21との間には、第2側壁6の庇部25を収容できる程度の凹み38(凹凸係合部)が形成されている。ここで、凹み37,38の底面(本体部分16の側面)は、庇部24,25と突起20,21との引っ掛かり量(係合量)の最大値を決定する機能を有している。すなわち、凹み37,38の底面は、図7(a),(b)に示すように、ストリッププレート3を枠体2に組み込んだ状態において、庇部24,25の空間10側の先端に対向する面であり、庇部24,25の空間10側の先端を突き当てることができるようになっている。その結果、凹み37,38の底面に対する突起20,21の先端の突出量(ストリッププレート3の長手方向に沿った方向の寸法)δは、ストリッププレート3を枠体2の所定位置に組み込んだ状態における、庇部24,25と突起20,21の最大オーバーラップ量(引っ掛かり量)となる。このように、各庇部24,25とストリッププレート3の突起20,21との最大オーバーラップ量を規制することにより、ストリッププレート3を枠体2に脱着する際に、ストリッププレート3に作用させる外力が大きくなりすぎるのを防止することができる。また、図6(a),(f)において、凹み37,38の底面は、突起20,21の第2の傾斜面36に段差なく滑らかに接続されている。その結果、本実施形態のストリッププレート3は、枠体2から取り外す際に、突起20と第1側壁5の庇部24、及び突起21と第2側壁6の庇部25とが円滑に滑りを生じ、庇部24,25が凹み37,38から円滑に抜け出せるようになっている。
【0026】
また、図2及び図6に示すように、ストリッププレート3の一方の鍔部11には、第1側壁5の上端部5cに形成された位置決め用突起13に係合する切り欠き部40が形成されている。このストリッププレート3の一方の鍔部11は、その幅寸法(図6(b)において、ストリッププレート3の長手方向と直交する方向に沿った方向の寸法)が隣り合う位置決め用突起13,13間の寸法よりも僅かに小さく形成されるようになっている。
【0027】
また、ストリッププレート3の他方の鍔部12の下面側には、第2側壁6の上端部6ccに形成された位置決め用凹部14に嵌り合う位置決め用突起15が下方に向けて突出形成されている。
【0028】
(流体取扱装置の組立)
ストリッププレート3を枠体2の所定位置に組み付ける場合、枠体2の構造を考慮して組立作業が行われる。すなわち、枠体2の第1側壁5は第3側壁7及び第4側壁8に連続して形成されているのに対し、枠体2の第2側壁6は第3側壁7及び第4側壁8とのコーナー部27,28にスリット30,31が入れられている(図3及び図4参照)。そのため、枠体2の第2側壁6は、その上端部6cから下端部6d側に向かう所定範囲が第3側壁7及び第4側壁8から切り離され、その上端部6c側の所定範囲が第1側壁5に比較して撓み変形し易くなっている。したがって、ストリッププレート3を枠体2に取り付ける場合は、第2側壁6側を撓み変形させるようにして組立作業を行う。
【0029】
そこで、先ず、図7(c),(d)に示すように、ストリッププレート3の一方の鍔部11を第1側壁5の上端部5cの所定の配列位置に載せ、位置決め用突起13によってストリッププレート3の一方の鍔部11がずれ動かないように位置決めし、ストリッププレート3の一方の鍔部11と突起20との間の凹み37に第1側壁5側の庇部24を係合させ、第1側壁5とストリッププレート3との当接部分を支点としてストリッププレート3を回動させ、ストリッププレート3の位置決め用突起15を第2側壁6の位置決め用凹部14に係合させるようにして、ストリッププレート3の他方の鍔部12側を第2側壁6の上端部6cに向けて押し下げる。この際、ストリッププレート3の他方の鍔部12側に位置する突起21の第1の傾斜面35が第2側壁6の庇部25に当接し、突起21が第1の傾斜面35の傾斜角度に応じて第2側壁6を徐々に外側(図7(d)における右側)に撓み変形させる。突起21の先端(頂部)が庇部25を乗り越えた後、更にストリッププレート3の他方の鍔部12が押し下げられると、第2側壁6がその弾性力で庇部25を突起21の第2の傾斜面36に押し付け、第2側壁6の庇部25が突起21の第2の傾斜面36に沿って鍔部12と突起21との間の凹み38に案内され、第2側壁6の庇部25が鍔部12と突起21との間の凹み38に係合する(図7(a),(b)参照)。これにより、ストリッププレート3は、枠体2に位置決めされた状態で保持される。このようにして、第1列目から第12列目のストリッププレート3が枠体2に取り付けられることにより、流体取扱装置1の組立作業が完了する。
【0030】
(枠体からのストリッププレートの分離)
枠体2の所定位置に取り付けられたストリッププレート3は、その鍔部12が枠体2から離れる方向に外力が加わると、第1側壁5側の突起20と第1側壁5の庇部24との当接部を支点として回動し、第2側壁6側の突起21の第2の傾斜面36が第2側壁6の庇部25に当接し、突起21が第2の傾斜面36の傾斜角度に応じて第2側壁6を徐々に外側に撓み変形させる(図7(a)〜(d)参照)。突起21の先端が庇部25を乗り越えた後、更にストリッププレート3の他方の鍔部12が押し上げられると、第2側壁6がその弾性力で庇部25を突起21の第1の傾斜面35に押し付け、第2側壁6の庇部25が突起21の第1の傾斜面35に沿って徐々に元の(撓み変形前の)姿勢に復帰し、ストリッププレート3の鍔部12と突起21との間の凹み38と第2側壁6の庇部25との係合が解除される。更に、ストリッププレート3が外力で押し上げられると(枠体2から分離する方向に押されると)、ストリッププレート3の鍔部11と突起20との間の凹み37と第1側壁5の庇部24との係合も解除される。これにより、ストリッププレート3は、枠体2から分離される。
【0031】
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、ストリッププレート3を枠体2に組み付ける際に、ストリッププレート3の突起21が枠体2の第2側壁6を撓み変形させ、ストリッププレート3を枠体2に押し込む一動作、又はストリッププレート3を枠体2から押し出す一動作で係合・係合解除できるようになっているため、枠体2に組み込んだストリッププレート3の脱落防止用の別部材を必要としない。
【0032】
また、本実施形態によれば、ストリッププレート3に外力を作用させて枠体2の第2側壁6を撓み変形させない限り、ストリッププレート3が枠体2から係合解除されることがないので、運搬時等の手作業時に、ストリッププレート3が枠体2から簡単に脱落するようなことがない。
【0033】
また、本実施形態によれば、ストリッププレート3と凹凸係合する一対の側壁(第1側壁5及び第2側壁6)のうちの一方の側壁である第2側壁6であって、特に係止部としての庇部26の形成位置近傍が、第3側壁7及び第4側壁8との両コーナー部27,28に設けたスリット30,31の影響で、スリットを設けない場合におけるコーナー部近傍の第2側壁6と比較して撓み変形し易くなっているため、ストリッププレート3の枠体2への着脱時に、ストリッププレート3に作用させる外力を小さくすることができ、ストリッププレート3と枠体2の着脱作業を円滑に行うことができる。その結果、本実施形態によれば、ウェル4内に検体等を収容したストリッププレート3を枠体2に着脱する際に、ウェル4内の検体等がストリッププレート3の枠体2への着脱時の衝撃で漏出するのを効果的に防止できる。
【0034】
なお、本実施形態は、ストリッププレート3を枠体2に対して位置決めした状態で保持できるようになっているため、ストリッププレート3を枠体2の任意の列にのみ組み付けて使用する場合にも適用することができる。
【0035】
[第2実施形態]
図8乃至図10は、本発明の第2実施形態を示すものである。このうち、図8は、本実施形態に係る流体取扱装置1の平面図である。また、図9は、本実施形態に係る枠体2を示す図であり、第1実施形態の図4に対応する図である。また、図10は、本実施形態に係る枠体の裏面図であり、第1実施形態の図5に対応する図である。
【0036】
本実施形態は、第1実施形態のストリッププレート3を枠体2に位置決めするための手段を省略した流体取扱装置1を示すものである。すなわち、本実施形態は、第1実施形態におけるストリッププレート3の鍔部11の切り欠き部40及び位置決め用突起15を省略すると共に、第1実施形態における枠体2の位置決め用突起13及び位置決め用凹部14を省略してある。また、本実施形態において、第2側壁6の上端部6cの庇部25は、空間10側にせり出す量がストリッププレート3の配列方向に沿って均一となるように形成してある。
【0037】
しかしながら、本実施形態は、上記第1実施形態との相違点を除き、その基本的構成が第1実施形態と同様であり、第2側壁6に一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようになっている。
【0038】
本実施形態は、第1列目から第12列目までの全ての列に対応する12個のストリッププレート3を枠体2に順に組み付ける場合か、又は第1列目及び/又は12列目のストリッププレート3に限って枠体に組み付ける場合に適用でき、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、枠体2の任意の列にストリッププレート3を組み付ける場合には、第1実施形態のように、ストリッププレート3と枠体2の位置決め手段が必要となる。
【0040】
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態を示すものであり、第2側壁6と第3側壁7との接続部及び第2側壁6と第4側壁8とのコーナー部27,28近傍であって(図4(a)参照)、且つ第2側壁6の所定範囲を、第1乃至第2実施形態に係るスリット30,31に代えて、第2側壁6の他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部41を第2側壁6の上端部側(庇部25の下面)から下端部側に向かう所定範囲に形成し、ストリッププレート3を枠体2に脱着する際に、第2側壁6であって特に係止部としての庇部25の形成位置近傍を、薄肉部41を形成しない場合と比較して撓み変形し易くしたものである。このような構成の本実施形態によっても、第1乃至第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
[他の実施形態]
本発明は、枠体2の第2側壁6に一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようになっている第1及び第2実施形態に限られず、枠体2の第1側壁5にも第2側壁6に対応させて一対のスリット及び一対のサブスリットを形成するようにしてもよい。
【0042】
また、本発明は、枠体2の第2側壁6に一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようになっている第1及び第2実施形態に限られず、枠体2の第1側壁5にのみ一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようにしてもよい。
【0043】
また、本発明は、第1及び第2実施形態に限られず、枠体2の第2側壁6及び/又は第1側壁5に一対のスリット30,31のみを形成するようにしてもよい。
【0044】
また、本発明は、第2側壁6及び/又は第1側壁5に一対のスリット30,31を形成する場合に限られず、第3側壁7と第2側壁6及び/又は第1側壁5とのコーナー部であって、且つ、第3側壁7側の位置にスリットを形成し、第2側壁6及び/又は第1側壁5の上端部6c,5c側を第3側壁7から部分的に切り離すようにしてもよい。
【0045】
また、本発明は、第2側壁6及び/又は第1側壁5に一対のスリット30,31を形成する場合に限られず、第4側壁8と第2側壁6及び/又は第1側壁5とのコーナー部であって、且つ、第4側壁8側の位置にスリットを形成し、第2側壁6及び/又は第1側壁5の上端部6c,5c側を第4側壁8から部分的に切り離すようにしてもよい。
【0046】
また、本発明は、第1及び第2実施形態に限られず、サブスリット32,33を第2側壁6及び/又は第1側壁5の必要とされる箇所に適宜形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流体取扱装置の平面図である。
【図2】図1のA1−A1線に沿って切断して示す流体取扱装置の断面図である。
【図3】図1の流体取扱装置を構成する枠体の外観斜視図である。
【図4】(a)が図1の流体取扱装置を構成する枠体の平面図、(b)が同枠体の第2側壁側の側面図、(c)が同枠体の第1側壁側の側面図である。
【図5】図1の流体取扱装置を構成する枠体の裏面図である。
【図6】図1の流体取扱装置を構成するストリッププレートを示す図であり、(a)がストリッププレートの正面図、(b)がストリッププレートの平面図、(c)がストリッププレートの一方の側面図、(d)がストリッププレートの他方の側面図、(e)がストリッププレートの裏面図、(f)が(a)の一部を拡大して示す図である。
【図7】(a)が流体取扱装置組立完了後の状態を示す断面図であり、図2に対応する図である。(b)が(a)に示す断面図の一部を拡大して示す図である。(c)が流体取扱装置の組立過程又は分解過程を説明するための断面図であり、(d)が(c)の断面図の一部を拡大して示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る流体取扱装置の平面図である。
【図9】(a)が図8の流体取扱装置を構成する枠体の平面図、(b)が同枠体の第2側壁側の側面図、(c)が同枠体の第1側壁側の側面図である。
【図10】図8の流体取扱装置を構成する枠体の裏面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る流体取扱装置を説明するための図であり、その流体取扱装置を部分的に断面して示す一部拡大断面図である。
【図12】第1従来例に係るマイクロプレートの平面図である。
【図13】図12のA2−A2線に沿って切断して示す断面図である。
【図14】第2従来例に係るマイクロプレートの断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1……流体取扱装置、2……枠体、3……ストリッププレート、4……ウェル、5……側壁(第1側壁)、6……側壁(第2側壁)、7……側壁(第3側壁)、8……側壁(第4側壁)、10……空間、11,12……鍔部、24,25……庇部(係止部)、27,28……コーナー部、30,31……スリット、37,38……凹み(凹凸係合部)、41……薄肉部
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体取扱装置に関し、特に、生体物質に代表される機能性物質などの試料を分析する試料分析装置として使用可能な流体取扱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体物質の抗原抗体反応による反応物を視覚的に認識できるようにしたり、蛍光や吸光を測定することによって、その生体物質を検出するような分析等に使用される流体取扱装置としてのマイクロプレートは、検体等を収容する微小な凹み(ウェル)がマトリックス状に複数(例えば、縦列8個で横列12個の合計96個)形成され、これら各ウェル内に検体と試薬を注入するようになっている。このようなマイクロプレートは、分析装置の構造や分析方法に応じ、形状や構造が工夫されている。
【0003】
(第1従来例)
図12乃至図13に示すマイクロプレート101は、一列に8個のウェル104が形成されたストリッププレート(単位マイクロプレート)103を横に12個並べて枠体102に組み込むことにより、96個のウェル104がマトリックス状に配置されるようになっている。そして、このマイクロプレート101は、運搬や試薬の分注などの手作業時に、ストリッププレート103が枠体102から脱落するのを防止するため、作業者が枠体102の上端部に額縁状のカバー105を嵌め込んで、その額縁状のカバー105によってストリッププレート103を枠体102の上端部に保持するようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
(第2従来例)
また、図14に示すマイクロプレート201は、ストリッププレート203の長手方向の両端部に形成された突起220及び221によって枠体202の側壁205及び206の庇部224及び225間を押し広げながら、ストリッププレート203を枠体202に挿入し、ストリッププレート203の鍔部211と突起220、及び鍔部212と突起221の間に枠体202の庇部224及び225を収容することによって、ストリッププレート203が枠体202に保持されるという保持機構を採用している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭62−257048号公報
【特許文献2】米国特許第5,084,246号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図12乃至図13に示した第1従来例のマイクロプレート101の部品点数を削減し、マイクロプレート101の小型化・軽量化を図るためには、第1従来例におけるマイクロプレート101の枠体102とストリッププレート103に、図14に示した第2従来例のマイクロプレート201におけるストリッププレート203と枠体202の保持機構を適用し、第1従来例のマイクロプレート101におけるカバー105(枠体102に組み込んだストリッププレート103が枠体102から脱落するのを防止する部材)を不要にすることが有効である。
【0006】
しかしながら、単に第1従来例のマイクロプレート101に第2従来例の保持機構を適用した場合には、枠体102に形成された庇部とストリッププレート103に形成された突起との嵌合状態によって(例えば、枠体102とストリッププレート103の製造誤差に起因して生じる庇部と突起との引っ掛かり量のバラツキによって)、ストリッププレート103と枠体102との脱着時に大きな力が必要になり、ストリッププレート103と枠体102との脱着作業を滑らかに行うことができないことがある。このような、ストリッププレート103と枠体102との脱着作業が滑らかに行えない状態において、ウェル104内に検体等が収容されたストリッププレート103を枠体102から分離しようとすると、ウェル104内の検体等がウェル104の外に漏出するといった不具合を生じる虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、枠体に組み込んだストリッププレートの脱落防止用の別部材を必要とせず、ワンタッチでストリッププレートを枠体に着脱できるようにし、運搬時等の手作業時にはストリッププレートが枠体から脱落せず、且つ、ストリッププレートを枠体に着脱するための外力が作用した際にはウェル内の検体等の漏出を生じることなくストリッププレートと枠体との円滑な着脱を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置に関するものである。本発明において、a.前記ストリッププレートは、(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、ことを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置に関するものである。この発明において、a.前記ストリッププレートは、(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記他の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、ことを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置に関するものである。この発明において、a.前記ストリッププレートは、(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部側から下端部側へ向かう所定範囲に薄肉部が形成された、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ストリッププレートを枠体に着脱する際に、ストリッププレートの凹凸係合部が枠体の側壁を撓み変形させ、ストリッププレートの凹凸係合部が枠体の係止部にワンタッチ(ストリッププレートを枠体に押し込む一動作、又はストリッププレートを枠体から押し出す一動作)で係合・係合解除するため、枠体に組み込んだストリッププレートの脱落防止用の別部材を必要としない。
【0012】
また、本発明は、ストリッププレートに外力を作用させて枠体の側壁を撓み変形させない限り、ストリッププレートが枠体から離脱することがないので、運搬時等の手作業時に、ストリッププレートが枠体から簡単に脱落するようなことがない。
【0013】
また、請求項1乃至2の発明は、ストリッププレートと凹凸係合する一対の側壁のうちの少なくとも一方の側壁が、他の側壁とのコーナー部近傍に設けたスリットの影響で、スリットを設けない場合におけるコーナー部近傍の一方の側壁と比較して撓み変形し易くなっているため、ストリッププレートと枠体との着脱時に、ストリッププレートに作用させる外力を小さくすることができ、ストリッププレートと枠体の着脱作業を円滑に行うことができる。その結果、請求項1乃至2の発明によれば、ウェル内に検体等を収容したストリッププレートを枠体に着脱する際に、ウェル内の検体等がストリッププレートの枠体への着脱時の衝撃で漏出するのを防止できる。
【0014】
また、請求項3の発明は、ストリッププレートと凹凸係合する一対の側壁のうちの少なくとも一方の側壁が、他の側壁とのコーナー部近傍に設けた薄肉部の影響で、薄肉部を設けない場合におけるコーナー部近傍の一方の側壁と比較して撓み変形し易くなっているため、ストリッププレートと枠体との着脱時に、ストリッププレートに作用させる外力を小さくすることができ、ストリッププレートと枠体の着脱作業を円滑に行うことができる。その結果、請求項3の発明によれば、ウェル内に検体等を収容したストリッププレートを枠体に着脱する際に、ウェル内の検体等がストリッププレートの枠体への着脱時の衝撃で漏出するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0016】
[第1実施形態]
(流体取扱装置の概略構成)
図1乃至図2は、本発明の第1実施形態に係る流体取扱装置1を示す図である。このうち、図1は、流体取扱装置1の平面図である。また、図2は、図1の流体取扱装置1をA1−A1線に沿って切断して示す断面図である。これらの図1乃至図2に示す流体取扱装置1は、枠体2と、この枠体2に着脱可能に組み付けられる複数のストリッププレート3と、から構成されている。ストリッププレート3は、図1の縦方向の一列に8個のウェル(検体等を収容する微小な凹み)4が形成されており、図1の横方向に12列並べて配置されている。これにより、流体取扱装置1は、図1に示すように、合計96個のウェル4がマトリックス状に配置されている。ここで、枠体2及びストリッププレート3は、ポリスチレン、ポリカーボネート等の合成樹脂材料で形成されている。なお、図2に示す流体取扱装置1において、ウェル4の開口端側を上部とし、この上部の反対側を下部とする。
【0017】
(枠体の構成)
図1乃至図5に詳細を示すように、枠体2は、四側壁5〜8によって取り囲まれる空間10を有している。枠体2の四側壁5〜8は、連続して一体に形成されており、平面形状が矩形形状(図4(a)の平面形状が、縦方向よりも横方向に長い四角形状)の空間10を取り囲むように形成されている。この枠体2の四側壁5〜8は、平面形状が矩形形状の空間10の長辺側に対向して位置する一対の側壁5,6と、これら一対の側壁5,6の対向する端部同士を接続する一対の他の側壁7,8とからなっている。そして、枠体2の各側壁5〜8は、上下方向に延びる立ち上がり側壁部5a〜8aと、この立ち上がり側壁部5a〜8aの下端側から外側(空間10側とは反対の側)に鍔状に張り出す土台側壁部5b〜8bとからなっている。ここで、説明の都合上、図4(a)において、枠体2の四側壁5〜8のうち、空間10の長辺側に位置する一対の側壁5,6の一方(図4(a)の上側)を第1側壁5といい、一対の側壁5,6の他方(図4(a)の下側)を第2側壁6という。また、説明の都合上、図4(a)において、枠体2の四側壁5〜8のうち、空間10の短辺側に対向するように位置する一対の他の側壁7,8の一方(図4(a)の左側)を第3側壁7といい、一対の他の側壁7,8の他方(図4(a)の右側)を第4側壁8という。
【0018】
図1乃至図4に示すように、枠体2の一対の側壁(第1側壁5及び第2側壁6)の上端部5c,6cは、ストリッププレート3の鍔部11,12が載置されるようになっており、ストリッププレート3の鍔部11,12が載置されたときに、そのストリッププレート3の上面3aが他方の側壁(第3側壁7及び第4側壁8)の上面7c,8cと同一平面(同一高さ)に位置するように、第3及び第4側壁7,8の上面7c,8cよりも低く(ストリッププレート3の鍔部11,12の厚さ寸法分だけ低く)なっている。
【0019】
また、図1乃至図4に示すように、第1側壁5の上端部5cには、各ストリッププレート3を所定位置に位置決めするための位置決め用突起13が突出形成されている。そして、この第1側壁5の位置決め用突起13,13間には、第2列目から第11列目のストリッププレート3の長手方向一端側(図1の上端側)に位置する鍔部11が係合され、第2列目から第11列目のストリッププレート3が枠体2に対して位置決めされる。そして、第3側壁7とこの第3側壁7に隣り合う位置決め用突起13との間には、第1列目のストリッププレート3の長手方向一端側の鍔部11が係合され、第1列目のストリッププレート3が枠体2に対して位置決めされる。また、第4側壁8とこの第4側壁8に隣り合う位置決め用突起13との間には、第12列目のストリッププレート3の長手方向一端側の鍔部11が係合され、第12列目のストリッププレート3が枠体2に対して位置決めされる。また、これら第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3は、長手方向一端側の鍔部11が第1側壁5の上端部5cに載置され、第1側壁5の高さ方向に対して位置決めされる。
【0020】
また、図1乃至図4に示すように、第2側壁6の上端部6cには、各ストリッププレート3を所定位置に位置決めするための位置決め用凹部14が第2側壁6を部分的に溝状に切り欠くように形成されている。この第2側壁6の位置決め用凹部14は、第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3に対応して形成されており、第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3の位置決め用突起15を位置決め用凹部14に係合することにより(図6参照)、第1列目から第12列目までのストリッププレート3の長手方向他端側の鍔部12が枠体2に対して位置決めされる。また、これら第1列目から第12列目までの各ストリッププレート3は、長手方向他端側の鍔部12が第2側壁6の上端部6cに載置され、第2側壁6の高さ方向に対して位置決めされる。
【0021】
また、図2、図4(a)及び図5に示すように、第1側壁5の空間10側の側面である内壁22の上端部5c側には、第1側壁5の上端部5cを空間10側にせり出させた庇部24(係止部)が第3側壁7から第4側壁8にかけて形成されている。また、第2側壁6の空間10側の側面である内壁23の上端部6c側には、枠体2に組み付けられる各ストリッププレート3に対応する位置の第2側壁6の上端部6cを空間10側にせり出させることにより庇部25(係止部)が形成されている。また、第2側壁6の庇部25であって、且つ、第1列目のストリッププレート3に対応する庇部25を除く他の庇部25は、ストリッププレート3の本体部分16の曲面状に形成された側面18に係合するように、空間10側に大きく円弧状にせり出した円弧状部分26を有している(図6参照)。この円弧状部分26は、ストリッププレート3が枠体2に斜めに組み付けられる(例えば、第2列目のストリッププレート3の一端側の鍔部11が第2列目の所定位置に組み付けられ、第2列目のストリッププレート3の他端側の鍔部12が第1列目又は第3列目の位置に組み付けられる)ことを防止する機能を有している(図1参照)。
【0022】
また、図3乃至図4に示すように、第2側壁6と第3側壁7とのコーナー部27及び第2側壁6と第4側壁8とのコーナー部28には、第2側壁6の上端部6c側の所定範囲が第3側壁7及び第4側壁8から切り離されるように、第2側壁6の上端部6cから下端部6d側へ向かって延びるスリット30,31がそれぞれ形成され、第2側壁6が第1,第3及び第4側壁5,7,8よりも撓み変形し易くなっている。さらに、第2側壁6は、第1列目のストリッププレート3の位置決め用凹部14及び第11列目のストリッププレート3の位置決め用凹部14がスリット30,31の長さと同様の長さだけ上端部6cから下端6d側へ向かって切り下げられ、サブスリット32,33が形成されている。その結果、本実施形態に係る枠体2の第2側壁6は、単に一対のスリット30,31を形成する場合に比較し、第1列目のストリッププレート3の組み付け位置に対応する部分及び第12列目のストリッププレート3の組み付け位置に対応する部分が撓み易くなり、第1列目のストリッププレート3の組み付け位置に対応する部分から第12列目のストリッププレートの組み付け位置に対応する部分まで撓み変形が円滑且つ均等化し、ストリッププレート3の着脱時におけるストリッププレート3との接触圧力が均等化する(図1及び図7参照)。なお、第2側壁6と第4側壁8のコーナー部28に位置するスリット31は、第12列目のストリッププレート3の位置決め用凹部14をも兼ねている。また、スリット30,31及びサブスリット32,33の長さ(上端部6cからの下端部6d側の延びる長さ)及び幅は、第2側壁6の肉厚等を考慮し、最適な数値に決定される。
【0023】
(ストリッププレートの構成)
図6に示すように、ストリッププレート3は、平面形状が細長いほぼ長方形であり(図6(b)参照)、ウェル4が一列に等間隔で複数(本実施形態においては8個)形成された本体部分16と、この本体部分16の上面34側(ウェル4が開口する側であって、図6(a)の上側)における長手方向両端部にそれぞれ鍔部11,12が形成されている。このストリッププレート3に形成されたウェル4は、検体等を収容するためのほぼ円柱状の空間を形作る凹みであり、開口部の形状が円形になっている。ストリッププレート3の本体部分16は、ウェル4が形成された有底筒状の容器を一列に8個接続したような形状になっており、一方の鍔部11を第1側壁5の上端部5cに載置し且つ他方の鍔部12を第2側壁6の上端部6cに載置した状態(枠体2に組み込んだ状態)において、四側壁(第1〜第4側壁)5〜8で囲まれた空間10内に収まる寸法に形成されている(図2参照)。
【0024】
また、図2及び図6に示すように、ストリッププレート3の本体部分16の長手方向端部であって且つ第1側壁5の内側面に対向する側面17には、突起20が形成されている。また、ストリッププレート3の本体部分16の長手方向端部であって且つ第2側壁6の内側面に対向する側面18には、突起21が形成されている。両突起20,21は、図6(a),(f)に示すように、同一の形状(ただし、図6(a)において、左右対称の略三角形状)に形成されており、下方から上方に向かうにしたがって突起高さが徐々に漸増する第1の傾斜面35と、この第1の傾斜面35の上端から更に上方に向かうにしたがって突起高さが徐々に漸減する第2の傾斜面36と、を有している。なお、突起20,21の形状は、円板の一部を切り取ったような、突起高さが徐々に変化する円弧形状であってもよい。
【0025】
そして、図2及び図6(a),(f)に示すように、ストリッププレート3の一方の鍔部11と突起20との間には、第1側壁5の庇部24を収容できる程度の凹み37(凹凸係合部)が形成されている。また、ストリッププレート3の他方の鍔部12と突起21との間には、第2側壁6の庇部25を収容できる程度の凹み38(凹凸係合部)が形成されている。ここで、凹み37,38の底面(本体部分16の側面)は、庇部24,25と突起20,21との引っ掛かり量(係合量)の最大値を決定する機能を有している。すなわち、凹み37,38の底面は、図7(a),(b)に示すように、ストリッププレート3を枠体2に組み込んだ状態において、庇部24,25の空間10側の先端に対向する面であり、庇部24,25の空間10側の先端を突き当てることができるようになっている。その結果、凹み37,38の底面に対する突起20,21の先端の突出量(ストリッププレート3の長手方向に沿った方向の寸法)δは、ストリッププレート3を枠体2の所定位置に組み込んだ状態における、庇部24,25と突起20,21の最大オーバーラップ量(引っ掛かり量)となる。このように、各庇部24,25とストリッププレート3の突起20,21との最大オーバーラップ量を規制することにより、ストリッププレート3を枠体2に脱着する際に、ストリッププレート3に作用させる外力が大きくなりすぎるのを防止することができる。また、図6(a),(f)において、凹み37,38の底面は、突起20,21の第2の傾斜面36に段差なく滑らかに接続されている。その結果、本実施形態のストリッププレート3は、枠体2から取り外す際に、突起20と第1側壁5の庇部24、及び突起21と第2側壁6の庇部25とが円滑に滑りを生じ、庇部24,25が凹み37,38から円滑に抜け出せるようになっている。
【0026】
また、図2及び図6に示すように、ストリッププレート3の一方の鍔部11には、第1側壁5の上端部5cに形成された位置決め用突起13に係合する切り欠き部40が形成されている。このストリッププレート3の一方の鍔部11は、その幅寸法(図6(b)において、ストリッププレート3の長手方向と直交する方向に沿った方向の寸法)が隣り合う位置決め用突起13,13間の寸法よりも僅かに小さく形成されるようになっている。
【0027】
また、ストリッププレート3の他方の鍔部12の下面側には、第2側壁6の上端部6ccに形成された位置決め用凹部14に嵌り合う位置決め用突起15が下方に向けて突出形成されている。
【0028】
(流体取扱装置の組立)
ストリッププレート3を枠体2の所定位置に組み付ける場合、枠体2の構造を考慮して組立作業が行われる。すなわち、枠体2の第1側壁5は第3側壁7及び第4側壁8に連続して形成されているのに対し、枠体2の第2側壁6は第3側壁7及び第4側壁8とのコーナー部27,28にスリット30,31が入れられている(図3及び図4参照)。そのため、枠体2の第2側壁6は、その上端部6cから下端部6d側に向かう所定範囲が第3側壁7及び第4側壁8から切り離され、その上端部6c側の所定範囲が第1側壁5に比較して撓み変形し易くなっている。したがって、ストリッププレート3を枠体2に取り付ける場合は、第2側壁6側を撓み変形させるようにして組立作業を行う。
【0029】
そこで、先ず、図7(c),(d)に示すように、ストリッププレート3の一方の鍔部11を第1側壁5の上端部5cの所定の配列位置に載せ、位置決め用突起13によってストリッププレート3の一方の鍔部11がずれ動かないように位置決めし、ストリッププレート3の一方の鍔部11と突起20との間の凹み37に第1側壁5側の庇部24を係合させ、第1側壁5とストリッププレート3との当接部分を支点としてストリッププレート3を回動させ、ストリッププレート3の位置決め用突起15を第2側壁6の位置決め用凹部14に係合させるようにして、ストリッププレート3の他方の鍔部12側を第2側壁6の上端部6cに向けて押し下げる。この際、ストリッププレート3の他方の鍔部12側に位置する突起21の第1の傾斜面35が第2側壁6の庇部25に当接し、突起21が第1の傾斜面35の傾斜角度に応じて第2側壁6を徐々に外側(図7(d)における右側)に撓み変形させる。突起21の先端(頂部)が庇部25を乗り越えた後、更にストリッププレート3の他方の鍔部12が押し下げられると、第2側壁6がその弾性力で庇部25を突起21の第2の傾斜面36に押し付け、第2側壁6の庇部25が突起21の第2の傾斜面36に沿って鍔部12と突起21との間の凹み38に案内され、第2側壁6の庇部25が鍔部12と突起21との間の凹み38に係合する(図7(a),(b)参照)。これにより、ストリッププレート3は、枠体2に位置決めされた状態で保持される。このようにして、第1列目から第12列目のストリッププレート3が枠体2に取り付けられることにより、流体取扱装置1の組立作業が完了する。
【0030】
(枠体からのストリッププレートの分離)
枠体2の所定位置に取り付けられたストリッププレート3は、その鍔部12が枠体2から離れる方向に外力が加わると、第1側壁5側の突起20と第1側壁5の庇部24との当接部を支点として回動し、第2側壁6側の突起21の第2の傾斜面36が第2側壁6の庇部25に当接し、突起21が第2の傾斜面36の傾斜角度に応じて第2側壁6を徐々に外側に撓み変形させる(図7(a)〜(d)参照)。突起21の先端が庇部25を乗り越えた後、更にストリッププレート3の他方の鍔部12が押し上げられると、第2側壁6がその弾性力で庇部25を突起21の第1の傾斜面35に押し付け、第2側壁6の庇部25が突起21の第1の傾斜面35に沿って徐々に元の(撓み変形前の)姿勢に復帰し、ストリッププレート3の鍔部12と突起21との間の凹み38と第2側壁6の庇部25との係合が解除される。更に、ストリッププレート3が外力で押し上げられると(枠体2から分離する方向に押されると)、ストリッププレート3の鍔部11と突起20との間の凹み37と第1側壁5の庇部24との係合も解除される。これにより、ストリッププレート3は、枠体2から分離される。
【0031】
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、ストリッププレート3を枠体2に組み付ける際に、ストリッププレート3の突起21が枠体2の第2側壁6を撓み変形させ、ストリッププレート3を枠体2に押し込む一動作、又はストリッププレート3を枠体2から押し出す一動作で係合・係合解除できるようになっているため、枠体2に組み込んだストリッププレート3の脱落防止用の別部材を必要としない。
【0032】
また、本実施形態によれば、ストリッププレート3に外力を作用させて枠体2の第2側壁6を撓み変形させない限り、ストリッププレート3が枠体2から係合解除されることがないので、運搬時等の手作業時に、ストリッププレート3が枠体2から簡単に脱落するようなことがない。
【0033】
また、本実施形態によれば、ストリッププレート3と凹凸係合する一対の側壁(第1側壁5及び第2側壁6)のうちの一方の側壁である第2側壁6であって、特に係止部としての庇部26の形成位置近傍が、第3側壁7及び第4側壁8との両コーナー部27,28に設けたスリット30,31の影響で、スリットを設けない場合におけるコーナー部近傍の第2側壁6と比較して撓み変形し易くなっているため、ストリッププレート3の枠体2への着脱時に、ストリッププレート3に作用させる外力を小さくすることができ、ストリッププレート3と枠体2の着脱作業を円滑に行うことができる。その結果、本実施形態によれば、ウェル4内に検体等を収容したストリッププレート3を枠体2に着脱する際に、ウェル4内の検体等がストリッププレート3の枠体2への着脱時の衝撃で漏出するのを効果的に防止できる。
【0034】
なお、本実施形態は、ストリッププレート3を枠体2に対して位置決めした状態で保持できるようになっているため、ストリッププレート3を枠体2の任意の列にのみ組み付けて使用する場合にも適用することができる。
【0035】
[第2実施形態]
図8乃至図10は、本発明の第2実施形態を示すものである。このうち、図8は、本実施形態に係る流体取扱装置1の平面図である。また、図9は、本実施形態に係る枠体2を示す図であり、第1実施形態の図4に対応する図である。また、図10は、本実施形態に係る枠体の裏面図であり、第1実施形態の図5に対応する図である。
【0036】
本実施形態は、第1実施形態のストリッププレート3を枠体2に位置決めするための手段を省略した流体取扱装置1を示すものである。すなわち、本実施形態は、第1実施形態におけるストリッププレート3の鍔部11の切り欠き部40及び位置決め用突起15を省略すると共に、第1実施形態における枠体2の位置決め用突起13及び位置決め用凹部14を省略してある。また、本実施形態において、第2側壁6の上端部6cの庇部25は、空間10側にせり出す量がストリッププレート3の配列方向に沿って均一となるように形成してある。
【0037】
しかしながら、本実施形態は、上記第1実施形態との相違点を除き、その基本的構成が第1実施形態と同様であり、第2側壁6に一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようになっている。
【0038】
本実施形態は、第1列目から第12列目までの全ての列に対応する12個のストリッププレート3を枠体2に順に組み付ける場合か、又は第1列目及び/又は12列目のストリッププレート3に限って枠体に組み付ける場合に適用でき、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、枠体2の任意の列にストリッププレート3を組み付ける場合には、第1実施形態のように、ストリッププレート3と枠体2の位置決め手段が必要となる。
【0040】
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態を示すものであり、第2側壁6と第3側壁7との接続部及び第2側壁6と第4側壁8とのコーナー部27,28近傍であって(図4(a)参照)、且つ第2側壁6の所定範囲を、第1乃至第2実施形態に係るスリット30,31に代えて、第2側壁6の他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部41を第2側壁6の上端部側(庇部25の下面)から下端部側に向かう所定範囲に形成し、ストリッププレート3を枠体2に脱着する際に、第2側壁6であって特に係止部としての庇部25の形成位置近傍を、薄肉部41を形成しない場合と比較して撓み変形し易くしたものである。このような構成の本実施形態によっても、第1乃至第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
[他の実施形態]
本発明は、枠体2の第2側壁6に一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようになっている第1及び第2実施形態に限られず、枠体2の第1側壁5にも第2側壁6に対応させて一対のスリット及び一対のサブスリットを形成するようにしてもよい。
【0042】
また、本発明は、枠体2の第2側壁6に一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようになっている第1及び第2実施形態に限られず、枠体2の第1側壁5にのみ一対のスリット30,31及び一対のサブスリット32,33を形成するようにしてもよい。
【0043】
また、本発明は、第1及び第2実施形態に限られず、枠体2の第2側壁6及び/又は第1側壁5に一対のスリット30,31のみを形成するようにしてもよい。
【0044】
また、本発明は、第2側壁6及び/又は第1側壁5に一対のスリット30,31を形成する場合に限られず、第3側壁7と第2側壁6及び/又は第1側壁5とのコーナー部であって、且つ、第3側壁7側の位置にスリットを形成し、第2側壁6及び/又は第1側壁5の上端部6c,5c側を第3側壁7から部分的に切り離すようにしてもよい。
【0045】
また、本発明は、第2側壁6及び/又は第1側壁5に一対のスリット30,31を形成する場合に限られず、第4側壁8と第2側壁6及び/又は第1側壁5とのコーナー部であって、且つ、第4側壁8側の位置にスリットを形成し、第2側壁6及び/又は第1側壁5の上端部6c,5c側を第4側壁8から部分的に切り離すようにしてもよい。
【0046】
また、本発明は、第1及び第2実施形態に限られず、サブスリット32,33を第2側壁6及び/又は第1側壁5の必要とされる箇所に適宜形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流体取扱装置の平面図である。
【図2】図1のA1−A1線に沿って切断して示す流体取扱装置の断面図である。
【図3】図1の流体取扱装置を構成する枠体の外観斜視図である。
【図4】(a)が図1の流体取扱装置を構成する枠体の平面図、(b)が同枠体の第2側壁側の側面図、(c)が同枠体の第1側壁側の側面図である。
【図5】図1の流体取扱装置を構成する枠体の裏面図である。
【図6】図1の流体取扱装置を構成するストリッププレートを示す図であり、(a)がストリッププレートの正面図、(b)がストリッププレートの平面図、(c)がストリッププレートの一方の側面図、(d)がストリッププレートの他方の側面図、(e)がストリッププレートの裏面図、(f)が(a)の一部を拡大して示す図である。
【図7】(a)が流体取扱装置組立完了後の状態を示す断面図であり、図2に対応する図である。(b)が(a)に示す断面図の一部を拡大して示す図である。(c)が流体取扱装置の組立過程又は分解過程を説明するための断面図であり、(d)が(c)の断面図の一部を拡大して示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る流体取扱装置の平面図である。
【図9】(a)が図8の流体取扱装置を構成する枠体の平面図、(b)が同枠体の第2側壁側の側面図、(c)が同枠体の第1側壁側の側面図である。
【図10】図8の流体取扱装置を構成する枠体の裏面図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る流体取扱装置を説明するための図であり、その流体取扱装置を部分的に断面して示す一部拡大断面図である。
【図12】第1従来例に係るマイクロプレートの平面図である。
【図13】図12のA2−A2線に沿って切断して示す断面図である。
【図14】第2従来例に係るマイクロプレートの断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1……流体取扱装置、2……枠体、3……ストリッププレート、4……ウェル、5……側壁(第1側壁)、6……側壁(第2側壁)、7……側壁(第3側壁)、8……側壁(第4側壁)、10……空間、11,12……鍔部、24,25……庇部(係止部)、27,28……コーナー部、30,31……スリット、37,38……凹み(凹凸係合部)、41……薄肉部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置において、
a.前記ストリッププレートは、
(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、
(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、
(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、
b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、
ことを特徴とする流体取扱装置。
【請求項2】
平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置において、
a.前記ストリッププレートは、
(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、
(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、
(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、
b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記他の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、
ことを特徴とする流体取扱装置。
【請求項3】
平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置において、
a.前記ストリッププレートは、
(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、
(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、
(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、
b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部側から下端部側へ向かう所定範囲に薄肉部が形成された、
ことを特徴とする流体取扱装置。
【請求項1】
平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置において、
a.前記ストリッププレートは、
(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、
(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、
(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、
b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、
ことを特徴とする流体取扱装置。
【請求項2】
平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置において、
a.前記ストリッププレートは、
(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、
(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、
(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、
b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記他の側壁の上端部から下端部側へ向かって延びるスリットが形成された、
ことを特徴とする流体取扱装置。
【請求項3】
平面形状が長方形であって且つウェルが一列以上の列を成して複数形成されたストリッププレートを、連続する四側壁で囲まれる空間であって且つ平面形状が四角形状の空間を有する枠体に、着脱可能に複数列組み込むことにより、前記ウェルをマトリックス状に複数配置してなる流体取扱装置において、
a.前記ストリッププレートは、
(1)長手方向の一端部側と他端部側に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の上端部に載せられる鍔部を有すると共に、前記四側壁のうちの対向する一対の側壁の前記空間側に位置する側面に形成された係止部に凹凸係合する凹凸係合部を有しており、
(2)前記枠体に組み付ける際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部が前記係止部に凹凸係合し、
(3)前記枠体から取り外す際に、前記凹凸係合部が前記一対の側壁の少なくとも一方を撓み変形させることにより、前記凹凸係合部と前記係止部の凹凸係合が解除するようになっており、
b.前記枠体は、前記一対の側壁の少なくとも一方の側壁とこの一方の側壁に接続される他の側壁とのコーナー部近傍に、前記一方の側壁の上端部側から下端部側へ向かう所定範囲に薄肉部が形成された、
ことを特徴とする流体取扱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−267950(P2008−267950A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−110276(P2007−110276)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]