説明

流体増幅器

流体増幅器は、ハウジングと、該ハウジングへの流体入力と、該ハウジングからの流体出力と、を含んでおり、該流体増幅器は、ハウジング内に配置される少なくとも1つの局部的ポートを有する少なくとも1つの二次的流体導管を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流体増幅器に関する。一層詳細には、本発明は空気増幅器に関する。
特に、本発明は、ラベリング(ラベル貼り)産業において用いられ得る。
空気増幅器は、加圧空気を増幅するために用いられ得る。この空気は、次に、ラベリングされるべき品目にラベルを貼り付けるために用いられ得る。
しかしながら、当業者は、増幅器が、ラベリングのために用いられる機械だけではなく、或る範囲の機械で、並びに空気以外の流体もしくは気体の範囲で用いられ得ることを認識すべきであり、本明細書全体を通してのみの上述の産業への言及は、決して制限するものとして見られるべきではない。
【背景技術】
【0002】
多くの機械において、加圧空気は、種々の仕事もしくは作業を行うために用いられる。時には、この加圧空気は、高い容積の、高い速度の空気流を創成するために増幅される。これら空気出力流は、一層小さい加圧空気入力を増幅する、空気増幅器によって生成され得る。
【0003】
空気増幅器は、溶接の煙を排出すること、熱い部品を冷却すること、湿った部品を乾燥させること、機械部品を洗浄すること及び機械部品から埃を吹き払うこと、オーブン内の熱を分配すること、密閉区域を換気すること、タンクの煙気を排気すること、並びにラベルを貼り付ける及び/または製品を仕上げること、のような作業のための種々の機械において用いられ得る。
【0004】
標準の空気増幅モジュールは、一緒にねじ止めされる2つのねじ切りされた片に作られる。加圧空気は、ねじ切りされた領域に隣接する開口を通して入り、2つの部品間のギャップの回りで、空気増幅モジュールにおける内部リップを渡って圧入される。このギャップは、空気がモジュールの内部の輪郭をたどるように仕向ける。空気は、次に、空気増幅装置の一方の開口端を出る。
【0005】
増幅器の双方の端は、大気に開いており、従って、該装置に入る加圧空気は、空気を大気から増幅器を通して押し込む真空を創成する。それ故、このことは、空気流及び速度を増加し、元の加圧空気入力から増幅された空気流を提供する。
【0006】
しかしながら、これらの一般の空気増幅装置は技術者にとって高価であり、その理由は、それらが、通常、一緒にねじ止めするようかつ空気が素通りする完全な輪郭を創成するよう精密処理される2つのステンレス鋼の片から製造されるからである。これらの装置は、従って、生産するのに非常に高価であり得る。また、これらの装置は、一般に、鋼もしくは別の中実の金属から作られるので、それらは重く、かつ大きい機械においてもしくは所望の使用場所間で操作するのに困難であり得る。
【0007】
軽量で、機械内で用いられるときに操作するのが容易である空気増幅装置を有することが好ましいであろう。空気増幅モジュールから出て来る空気の角度の変更がシステム内で必要とされるかも知れず、もしくは、空気増幅モジュールが、容易な洗浄または保守のために持ち上げられることが必要であるかも知れない。従って、軽量の空気増幅器が、現在入手可能な重いステンレス鋼の増幅器よりも好ましいであろう。
【0008】
また、製造するのに費用効果がある増幅器を有することが好ましいであろう。現在の空気増幅器は、それらが精密設計されるので、数百ドルかかり得る。空気増幅器を生産するのに高価な労働を必要としなかった丈夫な材料を見つけることが好ましいであろう。このことは、必要とされる部品が高価ではないので、安価な機械を創成するであろう。増幅器に何かが起こったならば、迅速かつ容易に取替えられることもできる。
【0009】
上述の利点のすべてを含む空気増幅器を有することが好ましいであろう。
【0010】
用語「備える」は、種々の権限の下で、排除的な意味もしくは包括的の意味のいずれにも属され得るということが認められる。この明細書のためには、他に注意しない限りは、用語「備える」は、包括的な意味を有するべきであり、すなわち、それが直接言及するリストされた構成要素だけではなく、他の特定されない構成要素もしくは素子をも含めることを意味するよう取られるであろうということである。この原理的説明は、用語「備えられる」または「備えること」が方法またはプロセスにおける1つまたは複数のステップに対して用いられるときにも用いられるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、前述の課題を扱うこと、もしくは少なくとも有用な選択を公衆に提供することである。
【0012】
本発明のさらなる態様及び利点は、例示のみとして与えられる後続の説明から明瞭となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、
ハウジングと、
該ハウジングへの流体入力と、
該ハウジングからの流体出力と、
を含んだ流体増幅器であって、
前記ハウジング内に配置される少なくとも1つの局部的ポートを有する少なくとも1つの二次的流体導管を含むことを特徴とする流体増幅器が提供される。
【0014】
本発明のもう1つの態様によれば、
実質的に上述した流体増幅器を介して流体を方向付ける方法であって、
a)局部的ポートを通して加圧流体を導入して、ハウジングを通る流体の追加の流れを引き起こして流体出力を出力させるステップを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0015】
好適な実施形態において、流体は空気であり得、ここではそのようなものとして言及されるであろう。同様に、ここでは、流体増幅器よりもむしろ空気増幅器に対しての参照が為されるであろう。しかしながら、このことは、制限として見られるべきではなく、なぜならば、本発明は、また、空気以外のガス(例えば変質ガス体(modified atmosphere))もしくは液体のような種々の他の流体と共にも用いられ得るということを当業者が認識するであろうからである。
【0016】
本発明は、種々の応用のために用いられ得る空気増幅器を提供する。好ましくは、本発明は、提供される元の加圧空気よりも大きい面積及び大きい速度に与えられる加圧空気を増幅する方法として、ラベリング産業において用いられ得る。しかしながら、当業者は、本発明が、システムの範囲内で用いられ得ること、並びにラベリングだけにおけるその使用の参照は制限として見られるべきではないということ、を認識するべきである。
【0017】
好ましくは、ハウジングは、作用されることが必要とされる領域への流体のための導管として作用することができる何かである。
【0018】
好ましくは、ハウジングは、2つの実質的な開放端を含む。これらは、好ましくは、大気に露出される。このことは、大気からの空気がハウジングに自由に入ることを許容する。
【0019】
しかしながら、代替的実施形態においては、ハウジングは、液体に浸されたような、任意の他の流体内に置かれたり位置付けられたりしても良く、もしくはガス室内に位置しても良い。
【0020】
この明細書全体を通して、大気に露出されているハウジングに対しての参照を行う。しかしながら、当業者は、ハウジングが任意の他の流体に配置され得ること、並びにこの明細書全体を通してだけの上述の参照は、決して制限として見られるべきではないことを認識するべきである。
【0021】
ハウジングを大気に開放させることは大いに長所的であり、これにより、空気が装置を通して流れるとき、大気からのさらなる空気が装置に押し込まれ、このように、増幅効果を創成する。
【0022】
好ましくは、ハウジングの異なった開放端において、各々、流体入力及び流体出力がある。
【0023】
好ましくは、ハウジングは、パイプ形状であって良く、流体入力及び出力は、このパイプの開放端であり得る。代替的には、ハウジングは、開放終端された直方体(an open ended cuboid)、もしくは任意の他の型の開放終端された幾何学的な角柱(open ended geometric prism)のような別の形状であっても良い。
【0024】
本件出願人は、ハウジングの断面が相当に細長いならば、増幅効果が減少するということを発見した、例えば、矩形形状(例えば、2:1の比)は、ハウジングの長さに沿った一様でない空気流に起因して効率を減少した。
【0025】
好適な実施形態において、ハウジングは、実質的に20及び75mm間の直径を有し得る。これらは、標準のパイプ・サイズであり、このことは、規格品の構成要素が用いられるのを許容し、このように、製造コストを相当に減少する。しかしながら、当業者は、より大きいもしくはより小さいハウジングが、所望の使用に依存して本発明と共に用いられ得るということを認識するであろう。
【0026】
好適な実施形態において、ハウジングは、空気流が流体出口に達するときまでに均一であるのを許容するのに充分な長さを有し得る。このことは、幾つかの使用において、例えば増幅器がラベリングの応用において用いられるとき、大いに望ましい。出口における均一の空気流は、ラベルが、直線で方向付けられてラベリングされるべき品目上に正確に位置付けられることができるのを確実にする。
【0027】
好適な実施形態において、ハウジングの長さは、少なくとも120mmであり得る。出願人は、これは、均一な空気流出を提供するための最小の長さであるということを発見した。
【0028】
しかしながら、当業者は、出口における均一な空気流は、多くの応用に対して必要とされないかも知れないということを容易に認識するであろう。これらの場合において、ハウジングは、120mmより小さい長さを有し得、なお効率的な増幅を提供し得る。
【0029】
一つの好適な実施形態において、ハウジングは、実質的に矩形の直方体(rectangular cuboid)形状であり得る。このことは、複数の空気増幅器が最小の空間の無駄でもって互いに隣接して一列に整列されるのを許容するという点において長所的である。ラベリング産業においては、このことは、同時にすべてにラベリングされつつあるフルーツのトレイのような一度に多くの品目上に、複数の空気増幅器がラベルを吹きつけるのを許容し得る。このことは、同じ複数のラベリング動作を行うためにラベリング機械を通してトレイがコンベヤ上を移動しなければならないということを回避し、機械の効率を促進することができる。
【0030】
好ましくは、ハウジングは剛体のプラスチックから作られ得る。このことは、ハウジングの重量及び価格の双方を減少し、迅速かつ容易な製造を許容する。このことは、また、それが、使用時においてその形状を維持するということを意味する。しかしながら、代替的な実施形態においては、ハウジングは、加圧流体がそれに印加されそれを通して流れるときにその形状を保持する、鋼、セラミック、もしくは任意の他の頑強な材料から作られ得る。
【0031】
明細書全体を通して、ハウジングはプラスチックであるという言及が為される。しかしながら、当業者は、他の材料が利用可能であり、この明細書を通しての上述のみへの言及は決して制限として見られるべきではないということを認識すべきである。
【0032】
好ましくは、二次的流体導管は、ハウジング内への入力パイプの形態にあり得る。
【0033】
好ましくは、二次的流体導管は、実質的に90度の角度でハウジングに入り得る。しかしながら、このことは制限としてみられるべきではなく、なぜならば、当業者は、二次的流体導管が代替的な角度でハウジングに入ることもできるということを認識するであろうからである。
【0034】
好適な実施形態においては、二次的流体導管は、実質的にハウジングの中心まで延び得る。このことは、局部的ポートを実質的にハウジングの中心に位置付ける。
【0035】
好適な実施形態においては、ハウジングは、単に一つの二次的流体導管を含み得る。
【0036】
好適な実施形態においては、単一の二次的流体導管は、実質的にハウジングの一端に位置付けられ得る。この場合、二次的流体導管及び関連の局部的ポートが位置付けられるハウジングの端は、流体入口であり、対向する端は流体出口であるであろう。局部的ポートは、流体がハウジングの長さに沿って、流体出口に向かって外に方向付けられるように位置付けられるであろう。
【0037】
代替的な実施形態においては、ハウジングは、2つの二次的流体導管を含み得る。
【0038】
好適な実施形態においては、流体入力を流体出力にかつその逆に変更することができることが望まれるとき、ハウジングは2つの流体導管を含む。
【0039】
ハウジングが2つの二次的流体導管を含むときの好適な実施形態において、これらは実質的にハウジングの両端に位置付けられ、各関連する局部的ポートは、対向する端における流体出口に向かってハウジングの長さに沿って面している。
【0040】
好ましくは、流体入力は、また、流体出力としても作用し得、かつその逆としても作用し得る。この状況において、流体入力及び流体出力を限定するハウジングの開放端は、二次的流体導管から局部的ポートを介してハウジング内への流体の流れの方向によって決定される。
【0041】
好適な実施形態においては、増幅器は、また、どちらの二次的流体導管及び関連の局部的ポートが活性される(加圧空気をハウジング内に放出する)かを制御する手段をも含み得る。これを制御する手段は、当業者に既知である任意の方法を介するもので良い。
【0042】
好ましくは、二次的流体導管は、加圧空気源に接続され得、ここでは、そのようなものとして言及されるであろう。
【0043】
使用中、加圧空気源は、二次的流体導管を介して加圧空気を提供し、該加圧空気は、局部的ポートを出て主ハウジング内に流れ、空気増幅器装置のための増幅効果を創成する。しかしながら、代替的実施形態においては、二次的流体導管は、ハウジングに、増幅される任意の他の流体を提供しても良い。
【0044】
明細書全体を通して、加圧空気源に接続される二次的流体導管に対する言及が為される。しかしながら、当業者は、他の流体が用いられ得、この明細書を通しての上述だけへの言及は、決して制限として見られるべきではないということを認識するべきである。
【0045】
二次的流体導管が接続され得る加圧空気源は、任意の既知の装置もしくは空気圧縮ユニットであって良い。これらは当業者に良く知られている。当業者は、空気以外の流体が増幅されるべきであるならば、次に、その流体のための任意の既知の装置もしくは圧縮ユニットが本発明と共に用いられ得るということを認識するであろう。
【0046】
一つの好適な実施形態において、二次的流体導管を通り局部的ポートを出て流れる加圧空気は、0.1から4バールの範囲内にあり得る。しかしながら、当業者は、他の空気圧力の範囲が、所望の増幅効果、及び流体増幅器のサイズに依存して本発明と共に用いられ得ることを認識するであろう。
【0047】
出願人は、ハウジングのサイズが増加するにつれて二次的流体導管における局部的ポートを通って解放される流体の圧力を増加させる必要はないということを発見した。このことは、面積当たり同じ増幅効果が観察されることに起因している。
【0048】
好適な実施形態においては、各二次的流体導管は、1つの局部ポートを有し得、ここではそのようなものとして言及されるであろう。しかしながら、このことは、制限として見られるべきではなく、なぜならば、当業者は、複数の局部的ポートが単一の二次的流体導管上に位置付けられることができるということを認識するであろうからである。
【0049】
好ましくは、局部的ポートは、限定された形状を有する。好ましくは、この局部的ポートはスロットの形態である。
【0050】
好適な実施形態においては、スロットは、2つの平行な端壁よりも実質的に長い2つの平行な側壁を有した矩形形状であり得る。この形状は、加圧流体導管を通して通過する流体が扇形に展開してハウジングの内壁に急速に衝突するのを許容する。
【0051】
しかしながら、当業者は、スロットは、広範な数の他の形状であり得ることを認識するであろう。これは、ハウジングへのそしてハウジングを通しての加圧流体の所望の流れに依存する。
【0052】
代替的実施形態において、局部的ポートは、任意の形状のポートまたは穴であって良い。スロット形状は、局部的ポートが完全に円形の穴であった場合よりも一層大きい角度で空気が押しやられるときに、一層大きい増幅効果を提供するので、好ましいが、幾つかの目的で、別の形状の穴が好ましいかも知れない。
【0053】
明細書全体を通して、スロットである局部的ポートに対する参照が為される。しかしながら、当業者は、ポートの他の形状が利用可能であり、この明細書を通しての上述だけへの言及は決して制限として見られるべきでないということを認識するべきである。
【0054】
好ましくは、局部的ポートは、ポートを流れ出る空気がハウジングの内壁に同時に衝突して、堅実かつ効率的な増幅効果を提供するのを許容する形状であって良い。
【0055】
局部的ポートはハウジング内に位置付けられる。
【0056】
好ましくは、局部的ポートは、ハウジングの側内壁から実質的に等距離に設けられる。このことは、局部的ポートを通して押しやられる空気がハウジングの対向する内壁から等しく離れており、従って、該壁に同時に衝突し、最も効率的な増幅器を創成するので、好ましいものである。しかしながら、代替的な実施形態においては、局部的ポートは、任意の他の壁よりも一つのハウジングの内側壁に一層接近していても良い。
【0057】
加圧空気は本発明の局部的ポートを通して押しやられるので、該加圧空気は、ハウジングの中心におけるポートから扇形に広がり、ハウジングの内側壁上に向けられる。空気は、高速で流体出口の外に押しやられ、ハウジング内側の大気中の空気も、移動されて流れるように仕向けられることとなる。空気が流体出口を通してハウジングを出るので、一層多くの空気が大気から流体入力を通してハウジング内へ引き込まれ、このように、流体出力を出る高速の流出そして増幅効果を創成する。
【0058】
本件出願人は、局部的ポート/スロットの形状が矩形形状であるときに、観察される増幅効果に影響に及ぼすということを発見した。二次的流体導管がパイプの形状にあるときに、二次的流体導管の周囲の回りでスロットの長さを増加させることで、増幅効果が増加することが観察された。増幅効果は、スロットの長さがパイプの周囲の120度の開口を有するまで、すなわち、120度の半径を通して加圧空気を解放するまで、スロットの長さと共に増加することが観察された。この後は、増幅効果は減少することが観察された。このことは、1mm幅のスロットを有する直径において6mmの二次的流体導管パイプを用いて発見された。
【0059】
好ましくは、(流体入力または流体出力として作用する)ハウジングの少なくとも一方の開放端(開口端)は、グリルを含み得る。
【0060】
一実施形態においては、グリルは、流体入力だけに位置付けられ得る。しかしながら、流体の流入及び流出が両者間で切り換えられる場合には、ハウジングの双方の開放端(開口端)でのグリルが好適であり得るということが理解されるべきである。
【0061】
この明細書全体を通して、用語グリル(もしくは格子)は、1つ、2つ、またはそれ以上の方向のいずれかにハウジングの(一方または双方の)開放端(開口端)の直径を横切って延びる複数のバーを含むように取られるべきである。
【0062】
一つの好適な実施形態において、グリルは、1つの方向にハウジングの開放端の直径を横切って延びる複数のバーを含み得、ここではそのようなものとして言及される。
【0063】
当業者は、グリルを構成するバーの数及び配置が、デブリの付着量(the pick up of debris)を最小にすること及びグリルを通る空気流の制限を最小にすることの双方における、所望の効果に実質的に依存して異なり得るということを容易に認識するであろう。
【0064】
一つの好適な実施形態において、グリルは、ハウジングの(一方または双方の)開放端を横切って一方向に位置付けられた少なくとも4つのバーから成り得る。
【0065】
一実施形態において、グリルは、ハウジングの(一方または双方の)開放端を部分的に覆い得る。
【0066】
特に好適な実施形態において、グリルは、ハウジングの双方の実質的に全開放端を横切って延び得る。このことは、空気が流体入力または出力を通して吸い込まれたときに、デブリまたは他の物品は同様には吸い込まれないということを意味する。このことは、裏材料から粘着性のラベルを引き離すように本発明を用いるとき、ラベルがハウジング内に吸い込まれて恐らく局部的ポートを塞ぐのをグリルが素子するので、有用である。
【0067】
好適な実施形態において、グリルは、ハウジングの双方の開放端の実質的に0と40%との間を覆い得る。グリルの適用範囲が大きければ大きい程、ハウジングの開放端を通る空気流への制限も大きくなるということを理解すべきである。従って、流体流入におけるハウジングに入るデブリを最小にすることと、ハウジングを通る空気流を制限することとの間に妥協点がある。多くの状況においては、増幅器を通る最大の空気流を提供するようグリルは本発明と共に用いられ得ないということを理解すべきである。
【0068】
一つの好適な実施形態においては、グリルは、ハウジングの(一方または双方の)開放端の実質的に5%を覆い得る。しかしながら、当業者は、これが制限的なものではなく、広範囲の異なった適用範囲が本発明と共に用いられ得るということを認識するであろう。
【0069】
本発明は、簡単かつ軽量の空気増幅器を提供する。提供される空気増幅器は、任意の形状またはサイズであり、任意の材料から作られ得る。このことは、矩形の空気増幅器が剛体のプラスチック材料から作られ得るということを意味する。この形状及び材料は、多くの空気増幅器が一列に整列されて容易に操作され得るということを意味する。
【0070】
空気は、いずれの端にも流入またはいずれの端からも流出することができ、従来技術には見られないシステムに対する柔軟性を提供する。このことは、ハウジングが、ハウジングの実質的に双方の端に位置付けられた関連の局部的ポートを有する2つの二次的流体導管を組み込むことにより達成され、双方の局部的ポートは、ハウジングの長さに沿ってかつそれが位置する端とは対向している端に向かって対向している。
【0071】
増幅器からの変更可能な流入及び流出を有することは、例えば、ラベリングのために空気増幅を用いる機械内でもしくはそのような機械と共に増幅器が用いられるときのような多くの状況において有利である。空気増幅器を移動させることなく空気流の方向を変えることができるということは、ラベルが装置から落ちるのを吸込みが阻止しながらラベルがその裏粘着性を剥離され、次に製品上に吹き付けられることができるということを意味する。この特徴の二次的長所は、ハウジングの矩形形状と組み合せられて、多くのラベルが同時に貼り付けられるのをこのことが許容するということである。このことは、フルーツのトレイが全て同時にラベリングされ得るということを意味する。
【0072】
ラベリングの状況において用いられている本発明の増幅器の一例は、本件出願人のJIA工業アプリケータ(www.jetstick.co.nz)である。これは、二重作用増幅器(流体入力及び出力が選択され得る)を用いている。ラベルは、ラベルが吸込みによって保持される増幅器の面上にサーマル・プリンタ(または他のラベル提供機)によって分配される。増幅器(及びラベル)は、次に、ラベリング位置に移動され、そこで、吸込みが解放され、増幅器を通る空気流は反転され、すなわち、入力が出力になるかまたはその逆が行われる。このことは、目標の表面上にラベルを推進する増幅された空気流を提供する。
【0073】
好適な実施形態において、増幅器(アプリケータ)は、また、垂直の位置及び90度における位置から貼り付けられるラベル間で変更を許容するアダプタを含む。
【0074】
好適な実施形態において、増幅器は、サーマル・プリンタのベース・プレートに取り付ける方法によってサーマル・プリンタに取り付けられ得る。これは、24Vロジック及びIICである二次的インターフェースと共に、例えば、RS232を含む複数のインターフェースを含み得る。
【0075】
ラベリング・プロセスにおいて本発明の増幅器を用いる利点は、以下を含む:
・ ラベリングされる品目との接触がなく、従って製品の損傷を最小とする;
・ 増幅器は、略100mmに対しラベルを推進することができる;
・ それは、安価かつ正確である;
・ それは、不規則な表面にラベルを貼り付けることができる;
・ それは、変形し易いパッケージにラベルを貼り付けることができる;
・ それは、強固で、保守が少なくて良い;
・ それは、高速で、1秒につき略一つのラベルで動作することができる;
・ それは、順応性が良く、90度の角度または垂直のいずれでもラベルを推進することができる。
【0076】
本件出願人は、本発明の増幅器が、ラベル貼り付けにおいて効率的であるために、好ましくは、長さにおいて120mmを超えるべきであるということを発見した。この長さは、空気流が均質化するのを許容するのに充分である。これは、流体入力及び/または流体出力に対して平行な態様でハウジングを横切る内径(幅)とは無関係である。
【発明の効果】
【0077】
本発明は、従来技術に対して相当の改良を提供し、そして以下を含む幾つかの相当の長所を提供する:
・ 本発明の増幅器は、プラスチックのような安価で取り扱い容易な材料を用いることができるため、安価で製造し易い;
・ 増幅器を製造するために用いられる材料に起因して、これは、特に現在のねじ切りされた空気増幅モジュールと比較したときに軽量であり、その現在のねじ切りされた空気増幅モジュールは、多数の部品を精密設計する必要性に起因して重くかつ高価なものである;
・ ハウジング内に局部的ポートを有する二次的流体導管を用いるので、効率的な増幅を提供しつつ設計を単純化し、このことは、増幅器を製造し、セットアップしもしくは保守するために必要とされる複雑さ及び精度を相当に減少する;
・ 本発明の増幅器は、それが置かれる使用に依存して種々の形状及びサイズで製造され得る。再度、このことは、必要とされる設備を単純化する。
【0078】
本発明のさらなる態様は、添付図面を参照して例示のみとして与えられる以下の説明から明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】1つの二次的流体導管及び関連の局部的ポートを有する本発明の増幅器を示す側面図である。
【図2】2つの二次的流体導管及び関連の局部的ポートを有する本発明の増幅器を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、(総括的に1で示された)空気増幅器を示す。
【0081】
増幅器(1)は、流体入力(3)、及び流体出力(4)を含む、ハウジング(2)を含む。増幅器は、また、空気入力パイプとして形成された単一の二次的流体導管(5)をも含み、該二次的流体導管は、ハウジングの実質的に中央においてハウジング内に位置付けられたスロットとしての形状を有する局部的ポート(6)を含み、これにより、局部的ポートは、ハウジングの対向する側壁から実質的に同じ距離にある。
【0082】
加圧空気が、空気入力パイプ(5)を通してハウジング(2)に入り、矢印(7)に示された方向に、スロット(6)を出る。それは、次に、扇形に広がり、ハウジング(2)の内側の壁に当たる。空気は、流体出口に向かってハウジングの内側の壁を辿る。このことは、外部の大気よりも低い相対圧力を創成する。大気からの空気は、次に、流体入力(3)を通してハウジング内にかつそれを通して押し込まれ、そして流体出口を出る。
【0083】
流体出力(4)を流出した空気は、従って、二次的導管(5)から与えられた初期の空気よりも大きい速度及び表面積である。
【0084】
提供される空気増幅器ハウジングは、実質的にワンピースで形成されるのが好ましい。このハウジングは、図1に見られるような湾曲した形状で形成され得るが、矩形の直方体(a rectangular cuboid)として形成されても良い。矩形の直方体形状のハウジングを有することにより、最小の空間に複数の空気増幅器が一緒に整列される(be lined up)ことを許容する。
【0085】
単一の二次的流体導管及び関連の局部的ポートを有する図1に示されたような増幅器は、流れ方向における変更、従って、流体入力及び出力における変更が望まれないときに用いられる。
【0086】
流体入力及び出力が変更されるまたは変化されることができるように、ハウジングを通る流体の流れを変更することができることが望まれるときは、ハウジングは、図2に示されるように、2つの二次的流体導管及び関連の局部的ポートを含む。
【0087】
図2は、2つの二次的流体導管(8、9)及び関連の局部的ポート(10、11)を示す。
【0088】
ハウジングの開放端(13)が流体出力であるべきとき、加圧空気は、二次的流体導管(9)及びポート(11)を通して、矢印(14)によって示される方向に、ハウジングに入る。ハウジングの開放端(14)が流体出力であるべきとき、加圧空気は、二次的流体導管(8)及びポート(10)を通して、矢印(15)によって示される方向に、ハウジングに入る。このことは、加圧空気が、どちらの二次的流体導管及び局部的ポートを通してハウジングに入るかを制御することによって、ハウジングを通る流れの方向が容易かつ迅速に変更されるのを許容する。
【0089】
図2に示される増幅器は、例えば、本明細書の[問題を解決するための手段]の部分に記載された本件出願人のJIA工業アプリケータ(www.jetstick.co.nz)に用いられ得る。
【0090】
当業者は、ハウジングのどちらの開放端が流入または流出として作用するかの制御は、一度に一方の二次的流体導管及び関連の局部的ポートだけを活動させる(加圧空気を放出させる)ことによって生じ得るということを認識するであろう。従って、増幅器は、また、どちらの二次的流体導管及び関連の局部的ポートが活動するかを制御する手段をも含み得る。
【0091】
提供された空気増幅器は、以前の空気増幅器に対して一層安価な代替物であり、精密設計を必要とせず、種々の形状、サイズ及び材料で形成され得る。
【0092】
本発明の増幅器を現存の増幅器と比較する検査が行われた。
【0093】
本発明の増幅器は、二次的流体導管として6mmのパイプを用い、局部的ポートは、該パイプに、1mm幅で円周の120度を覆う長さを有した矩形スロットとして形成された。
【0094】
現存の増幅器は、「背景技術」の部分に記載された一緒にねじ止めされた2つのねじ切り片を有する標準のExAir増幅器であった。これは、最大の流れに対して最適化された。
【0095】
各増幅器の2つのサイズが検査され、それぞれ高さにおいて30mm及び100mmであった。
【0096】
利用可能な設備が制限されていること、並びに低い流量メータだけが利用可能であったことに起因して、最小の検査だけが行われた。流体出力を通してハウジングを出る空気の流れによって生成される相対的な力の指示を与えるようスケールが用いられた。
【0097】
45リットル/分(局部的ポートを通して流入)の流量に対して、本発明の増幅器は13グラムを生成したが、これに対し現存の増幅器は単に4グラムであった。
【0098】
このことは、本発明の増幅器が、現存の増幅器に対して得ることが可能なものよりも相当に良好である結果を生成し得る、ということを示す。
【0099】
第2の検査において、増幅器は、4バールの空気圧の入力を用いて比較された(この検査に対する流量は未知であった)。本発明の増幅器は、90グラムを生成し、現存の増幅器は130グラムを生成した。
【0100】
本発明の増幅器を通る流れは、現存の増幅器の同心のオリフィスを通る加圧空気の流入に比較して、局部的ポート(6mmの二次的流体導管パイプの円周の140度によるサイズ1mm)を通る加圧空気の相当に小さい流入に起因してこの空気圧に制限された、ということを出願には信じる。
【0101】
本発明の増幅器のもう1つの重要な長所は、本発明及び現存の増幅器の重量が比較されたとき(100mmサイズに対して)、本発明の増幅器は現存の増幅器の単に10%重量の重さであったということである。
【0102】
本発明の態様を例示としてのみ説明してきており、特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、変更及び追加が為され得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0103】
1 空気増幅器
2 ハウジング
3 流体入力
4 流体出力
5 二次的流体導管
6 局部的ポート
8 二次的流体導管
9 二次的流体導管
10 局部的ポート
11 局部的ポート
13 開放端
14 開放端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジングへの流体入力と、
該ハウジングからの流体出力と、
を含んだ流体増幅器であって、
前記ハウジング内に配置される少なくとも1つの局部的ポートを有する少なくとも1つの二次的流体導管を含むことを特徴とする流体増幅器。
【請求項2】
前記ハウジングは、実質的に2つの端において開放している請求項1に記載の流体増幅器。
【請求項3】
流体入力及び流体出力は、各々、ハウジングの異なった開放端にある請求項2に記載の流体増幅器。
【請求項4】
流体は空気である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項5】
ハウジングは実質的にパイプの形状である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項6】
ハウジングは、実質的に直方体の形状である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項7】
ハウジングは、剛体のプラスチックから製造される請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項8】
ハウジングは、ワンピースで製造される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項9】
二次的流体導管は、ハウジングの内部に延びる入口パイプの形態にある請求項1乃至8のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項10】
二次的流体導管は、加圧流体源に接続される請求項9に記載の流体増幅器。
【請求項11】
局部的ポートは、スロットの形態にある請求項1乃至10のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項12】
局部的ポートは、ハウジングの対向する内部側壁から実質的に等距離にある請求項1乃至11のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項13】
ハウジングの少なくとも一方の開放端はグリルを含む請求項1乃至12のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項14】
ハウジングは、2つの二次的流体導管及び関連の局部的ポートを含む請求項1乃至13のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項15】
2つの二次的流体導管は、ハウジングの実質的に両端に位置付けられる請求項14に記載の流体増幅器。
【請求項16】
各二次的流体導管の局部的ポートは、ハウジングの反対の端に面するよう位置付けられる請求項15に記載の流体増幅器。
【請求項17】
増幅器は、いずれの二次的流体導管及び関連の局部的ポートが活性化されるかを制御する手段を含む請求項14乃至16のいずれか1項に記載の流体増幅器。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の流体増幅器を介して流体を方向付ける方法であって、
a)局部的ポートを通して加圧流体を導入して、ハウジングを通る流体の追加の流れを引き起こして流体出力を出力させるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
実質的に明細書及び添付図面を参照してここに記載された流体増幅器。
【請求項20】
実質的に明細書及び添付図面を参照してここに記載された流体増幅器を介して流体を方向付ける方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−501424(P2010−501424A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525516(P2009−525516)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【国際出願番号】PCT/NZ2007/000229
【国際公開番号】WO2008/024002
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(509052115)ジェット・スティック・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】