説明

流体投与装置用の投与ヘッド

流体投与装置用の投与ヘッドであって、当該投与ヘッドは、中空の本体(30,130,230)を有し、当該本体(30,130,230)は、前記投与部材(20)に連通する入口開口部(32,132,232)と噴霧開口部(31,131,231)との間に流体通路を形成しており、振動発生手段(40,140,240)が前記噴霧開口部(31,131,231)の上流の前記流体通路に配置されており、流体の通過中に前記振動発生手段(40,140,240)が駆動されることで、前記噴霧開口部(31,131,231)から前記流体が細かく噴霧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投与ヘッドを含む流体投与装置に関する。
より具体的に言えば、本発明は、複数回分の生物学的な有効成分(例:タンパク質、ペプチド、ホルモン、酵素、または、これらに類似のもの)を放出または噴霧するための流体投与装置に関する。具体的には、こうした投与は鼻用スプレーを用いて実行することができる。
【背景技術】
【0002】
現在に至るまで、公知の形として、医薬産業で使用される流体投与装置は一般的に、ポンプまたは弁が取り付けられた貯蔵器を有し、当該ポンプまたは弁は、噴霧開口部を備えた押下部材または投与ヘッドによって駆動される。こうした装置は、医薬産業では専ら通常の液体の投与に適するようになっており、生物学的な有効成分(例:タンパク質、ペプチド、ホルモン、酵素、または、これらに類似のもの)を投与する場合には、使用が難しくなることが分かっている。特に、ポンプまたは弁が有する機械的特性および流動特性(具体的には、ヘッドロス、乱流レベル(levels of turbulence)、剪断応力)は、前記生物学的な有効成分の三次元分子構造には不適であることが一般的に知られている。その結果、従来の投与装置では、通常、こうした生物学的な有効成分は投与される間(特にスプレー輪郭部(spray profile)を通って投与される間)に劣化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−332425号公報
【特許文献2】特開平08−332426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点のない投与ヘッドを有する流体投与装置を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明は、生物学的な有効成分を劣化させることなく投与する投与装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、生物学的な有効成分(例:タンパク質、ペプチド、ホルモン、酵素、または、これらに類似のもの)の性質に適した噴霧性能を実現できる流体投与装置を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、製造および組立が簡単かつ安価である流体投与装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、流体を格納する貯蔵器と、前記貯蔵器に取り付けられた、ポンプまたは弁である投与部材と、前記投与部材に取り付けられた投与ヘッドと、を有し、前記投与ヘッドは、中空の本体を有し、当該本体は、前記投与部材に連通する入口開口部と噴霧開口部との間に流体通路を形成しており、振動発生手段が前記噴霧開口部の上流の前記流体通路に配置されており、流体の通過中に前記振動発生手段が駆動されることで、前記噴霧開口部から前記流体が細かく噴霧されること、を特徴とする流体投与装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
また、前記振動発生手段は圧電材料を含むこと、とするのが効果的である。
効果的な第1の実施の形態では、前記振動発生手段は、閉位置において前記噴霧開口部を塞ぐように作られた先端部を備えた振動ピンを有すること、とする。
また、前記入口開口部と前記噴霧開口部とは、前記投与ヘッドの縦軸に沿って軸方向に方向づけられており、前記振動ピンは前記縦軸に沿って、移動可能でありかつ振動すること、とするのが効果的である。
【0008】
また、閉位置では、前記先端部は、前記噴霧開口部の上流側直近に配置された密封隔膜に対して、漏れを生じない状態に嵌ること、とするのが効果的である。
また、前記振動ピンは圧電プレートに固定されていること、とするのが効果的である。
また、前記振動ピンは、前記投与ヘッド内で、閉位置と開位置との間を軸方向に移動可能であり、閉位置における前記振動ピンは噴霧開口部および流体通路を塞いで噴霧室を形成し、一方、開位置における前記振動ピンは前記噴霧開口部および前記流体通路を開いて流体が前記入口開口部から前記噴霧開口部まで進むことを可能にすること、とするのが効果的である。
【0009】
また、前記流体通路は、前記投与ヘッドの内部で直径を部分的に大きくすることで形成されていること、とするのが効果的である。
効果的な第2の実施の形態では、前記振動発生手段は前記投与ヘッドの内壁に配置された振動プレートから成り、前記振動プレートに流体が衝突すること、とする。
また、前記噴霧開口部は入口開口部を通る流体の流れ方向に対してほぼ垂直となうように方向付けられており、前記振動プレートは約45度傾斜した内壁に配置されて、前記振動プレートに衝突する流体の噴流が噴霧形状に細分化されて噴霧開口部に送られること、とするのが効果的である。
【0010】
また、前記振動プレートは噴霧室の壁を形成しており、当該噴霧室は、前記入口開口部に連通する噴霧室入口を有すると共に、前記噴霧開口部を備えていること、とするのが効果的である。
効果的な第3の実施の形態では、前記振動発生手段は振動隔膜から成り、当該振動隔膜と噴霧開口部との間に共鳴室が形成されていること、とする。
【0011】
また、前記共鳴室は円筒の形状を有し、当該円筒の長さおよび直径は前記隔膜の共鳴波長よりも短くなっており、前記共鳴室はヘルムホルツ共鳴器を形成していること、とするのが効果的である。
また、前記隔膜の直径は前記共鳴室の直径と実質的に同一であり、前記投与ヘッドは流体用の通路を有し、当該通路は前記隔膜の外側を径方向に延びていること、とするのが効果的である。
【0012】
また、前記噴霧開口部から噴霧される流体スプレーは、平均粒子サイズが20μmから40μmの範囲にあること、噴霧速度が10m/s未満、効果的には5m/s未満、好ましくは約1m/sであること、そして、噴霧角度が50度未満、効果的には約30度であること、という特性の少なくとも1つを有すること、とするのが効果的である。
本発明の上記特徴および効果、そして、他の特徴および効果については、非限定的な例として示す本発明の3つの実施の形態に関する以下の詳細な説明を、添付図面を参照しながら読むことで、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明が適用される流体投与装置の概略断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における流体投与ヘッドの一部の詳細を、閉状態において示す概略断面図である。
【図3】図2と同様の図であり、開状態において示す図である。
【図4】図2、3と同様の図であり、本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図5】図2、3、4と同様の図であり、本発明の第3の実施の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は投与装置の概略図であり、当該投与装置は、投与対象の流体を格納した貯蔵器10を有し、当該貯蔵器10には投与部材(具体的にはポンプ20)が組み付けられている。投与部材は、噴霧開口部31を備えた押下部材または投与ヘッドによって駆動される。図1の実施の形態において、投与ヘッドは鼻用のタイプのものであり、その本体30は、端部に噴霧開口部31を有する軸方向伸長部を備え、前記軸方向伸長部はユーザの鼻孔に進入させるものである。当然のことながら、本発明は他のタイプの流体投与装置にも用いることができる。具体的には、投与部材20を、異なる種類のポンプとしてもよく、更には、弁としてもよい。更に、投与ヘッドの形状も異なるものとすることが可能で、特に、噴霧開口部31の向きを、図1に示す軸方向とは別の方向とすることができる。具体的には、図4に示すように、軸方向に対してほぼ垂直の方向とすることができる。
【0015】
従来型の流体投与装置では、噴霧開口部31の上流位置において、投与ヘッドはスプレー輪郭部を有する。こうしたスプレー輪郭部は、全体としては非径方向流路で形成されており、当該非径方向流路は、投与ヘッドの放出流路を、噴霧開口部の上流側直近に配置された中央渦室に接続する。こうしたスプレー輪郭部は、収縮と拡張との連続によって、特に非径方向流路および中央渦室において、流体に相当な剪断応力を生じる。
【0016】
本発明は、スプレー輪郭部を、生物学的な有効成分(例:タンパク質、ペプチド、ホルモン、酵素、または、これらに類似のもの)により適した機構に置き換えると共に、前記生物学的な有効成分の適正な噴霧を保証しようとするものである。具体的には、本発明は、いくつかの噴霧性能特性を満たすことの可能な流体投与装置を提供することを目的とする。噴霧性能特性は、具体的には噴霧粒子サイズに関し、20μmから40μmの範囲であることが好ましい。全ての粒子は、10μm以上の粒子サイズを有することが効果的である。加えて、噴霧速度は10m/s未満が好ましく、理想的には約1m/sである。噴霧角度(すなわち、噴霧開口部31から放出された後の各種噴霧粒子の広がりの角度)は、50度未満が好ましく、30度未満が効果的である。こうした性能特性の組合せは、「サイズが大きくて比較的もろい三次元分子を有し、そのため従来のスプレー輪郭部では壊れやすい」という生物学的な有効成分の投与に特に適していることが分かっている。これらの特性は、1回分の流体量が50〜100マイクロリットル(μl)である場合に適用するのが効果的である。また、鼻用ヘッドは約1センチメートル(cm)の深さにわたって鼻孔内に挿入されること、とするのが好ましい。言うまでもなく、これらの数値は非限定的なものであり、一例に過ぎない。
【0017】
このような噴霧特性または性能を確実に実現するために、本発明では、投与ヘッドの中空の本体30、130、230に振動発生手段40、140、240を設けている。前記振動発生手段が駆動されるのは、投与部材20(この場合は機械式ポンプが好ましい)から来る流体が通過する間であり、前記振動発生手段が駆動されることで、前記流体を前記噴霧開口部31、131、231から細かく噴霧することができる。よって、高周波数の応力を受けるのは、流体の噴霧を可能にする振動発生手段であるために、もはや、従来のスプレー輪郭部のように、前記流体に応力(特に剪断応力)が加わることはない。
【0018】
図2、3は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。この第1の実施の形態における振動発生手段40はピン41を有する。好ましい構成として、ピン41は、電源49に接続された圧電プレート48につながれており、圧電プレート48の励起(excitation)が前記ピン41を振動させる。ピン41は、下流側端部に先端部45を有し、当該先端部45は、閉位置にある時には漏れの生じない状態で投与ヘッドの噴霧開口部31を塞ぐように作られている。好ましい構成として、このように閉位置で塞がれた状態は、前記噴霧開口部31の上流側直近に配置された仕切り板39(図2、3を参照)に先端部45が嵌ることで実現される。好ましい構成として、ピン41は、投与ヘッドの本体30内部に形成された、ほぼ円筒形の流路内をスライド移動する。当該流路は入口開口部32と噴霧開口部31との間に延びている。好ましい構成として、入口開口部と噴霧開口部とは、縦軸Aに沿って軸方向に位置しており、前記ピンは同じ縦軸Aに沿って移動および振動する。効果的な構成として、ピン41は、上流側部分として、前記圧電プレート48に固定されたディスク46を有し、前記ディスクの外径は、内部をピンが移動する前記円筒の内径にほぼ等しい。こうした構成により、閉位置では、前記ピン41は噴霧室35を隔離し、ピンの前記先端部45は漏れの生じない形で噴霧開口部31を塞ぐ。また、前記ピンの前記後部プレート46は、前記投与ヘッドの本体30に形成された流体通路37を閉じる。図2、3に見られるように、前記流体通路37は、効果的な構成として、前記投与ヘッドの側壁の一部で直径を大きくすることで形成されている。それによって、図3に示す開位置では、流体は前記ピン41の側面、特に前記圧電プレート48および前記ディスク46の周囲を流れることになる。この流れを図3では矢印Fで示している。開位置では、前記噴霧室35に達した流体が、ピン41の振動によって細かい液滴の形で投与されることになるが、流体に対して負応力が加わることはない。従って、本装置は生物学的な有効成分の投与に適したものとなる。
【0019】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態では、振動発生手段140は、前記投与ヘッドの本体130の内壁に配置された振動プレート148から成る。ポンプ20から送られてくる流体(ゲル状のものが好ましい)が、振動プレート148に衝突すると、振動プレート148の振動によって前記流体は細かい液滴の噴霧形状となり、前記噴霧開口部131から投与される。図4の実施の形態では、噴霧開口部の向きは、投与ヘッドの中心軸に対してほぼ垂直であり、当該中心軸は、特に入口開口部132を通る際の流体の向き(矢印Fで表されるもの)に一致する。本実施の形態における振動プレート148は、好ましい構成として、方向Fに対して傾斜した平面に配置されており(傾斜は45度が効果的である)、それによって、流体の液滴は自動的かつ直接に噴霧開口部131に向けられることになる。振動プレート148は、圧電材料で形成されており、電源149に接続されていること、とするのが好ましい。電源149については、図4では非常に概略的にしか示していないが、適切なものであれば、いかなる形でもよい。こうした構成により、入口開口部132から投与ヘッドに進入する流体の噴流は、振動プレート148に衝突することとなり、振動プレート148は噴流を細分化して細かい液滴のスプレーとするが、それによって前記流体に過大な剪断応力および/または乱流が生じることはない。こうした剪断応力および/または乱流は、生物学的な有効成分を含んだ流体の投与には不適当である。効果的な構成として、図4に示すように、噴霧室135は、噴霧開口部131の上流側直近の位置に形成され、前記振動プレート148は前記噴霧室135の壁を形成している。前記噴霧室は更に流体入口通路137を有し、好ましい構成として、当該流体入口通路137は、投与ヘッドの本体130の一部で直径を小さくすることで形成されている。振動プレート148と噴霧開口部131との間に噴霧室が存在することで、噴霧形状の形成が促進される。
【0020】
図5は、本発明の第3の実施の形態を示す。この第3の実施の形態では、振動発生手段240は、前記投与ヘッドの本体230の内部に配置された振動隔膜241から成る。実際、この第3の実施の形態によれば、噴霧開口部231の上流側直近にヘルムホルツ共鳴器を形成して、ポンプから来る液体の噴流を確実にスプレーにすることができる。効果的な構成として、このヘルムホルツ共鳴器は、ほぼ円筒形で長さL、直径Dを有する共鳴室235によって形成されている。前記共鳴室235の下流側終端は噴霧開口部231に通じており、その反対側の終端に前記振動隔膜241が備えられている。好ましい構成として、振動隔膜の直径は共鳴室235の直径Dにほぼ等しくなっている。当然のことながら、長さLおよび直径Dは、関連する波長(具体的には振動隔膜241の共鳴波長)よりも短くなるように決められているが、これはヘルムホルツ共鳴器の場合には典型的なことである。こうした構成により、ヘルムホルツ共鳴器(具体的には、共鳴室235の空間)は流体バネの役割を有し、液体をくみ上げると共に、噴霧開口部231におけるスプレーの細分化にも貢献するが、流体に対して剪断応力その他の機械的、物理的な応力を過大に加えることがないため、本装置は生物学的な有効成分の投与に特に適したものとなる。図5に概略的に示す通り、投与ヘッドは直径の大きくなった部分237を有し、当該部分237には、流体用通路が、径方向に見て前記振動隔膜241の外側に形成されている。この箇所における流体の流れは矢印Fで示してある。
【0021】
以上、本発明について、3つの実施の形態を挙げて記述および図示したが、当然のことながら、本発明はそれら実施の形態に限定されることはなく、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を逸脱することなく、これら実施の形態に対して有用な変更を施すことが可能であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を格納する貯蔵器(10)と、
前記貯蔵器(10)に取り付けられた、ポンプまたは弁である投与部材(20)と、
前記投与部材(20)に取り付けられた投与ヘッドと、を有し、
前記投与ヘッドは、中空の本体(30,130,230)を有し、当該本体(30,130,230)は、前記投与部材(20)に連通する入口開口部(32,132,232)と噴霧開口部(31,131,231)との間に流体通路を形成しており、
振動発生手段(40,140,240)が前記噴霧開口部(31,131,231)の上流の前記流体通路に配置されており、流体の通過中に前記振動発生手段(40,140,240)が駆動されることで、前記噴霧開口部(31,131,231)から前記流体が細かく噴霧されること、
を特徴とする流体投与装置。
【請求項2】
前記振動発生手段(40,140,240)は圧電材料を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の流体投与装置。
【請求項3】
前記振動発生手段(40)は、閉位置において前記噴霧開口部(31)を塞ぐように作られた先端部(45)を備えた振動ピン(41)を有すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の流体投与装置。
【請求項4】
前記入口開口部(32)と前記噴霧開口部(31)とは、前記投与ヘッドの縦軸(A)に沿って軸方向に方向づけられており、前記振動ピン(41)は前記縦軸(A)に沿って、移動可能でありかつ振動すること、
を特徴とする請求項3に記載の流体投与装置。
【請求項5】
閉位置では、前記先端部(45)は、前記噴霧開口部(31)の上流側直近に配置された密封隔膜(39)に対して、漏れを生じない状態に嵌ること、
を特徴とする請求項3または4に記載の流体投与装置。
【請求項6】
前記振動ピン(41)は圧電プレート(48)に固定されていること、
を特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の流体投与装置。
【請求項7】
前記振動ピン(41)は、前記投与ヘッド内で、閉位置と開位置との間を軸方向に移動可能であり、閉位置における前記振動ピン(41)は噴霧開口部(31)および流体通路(37)を塞いで噴霧室(35)を形成し、一方、開位置における前記振動ピン(41)は前記噴霧開口部(31)および前記流体通路(37)を開いて流体が前記入口開口部(32)から前記噴霧開口部(31)まで進むことを可能にすること、
を特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の流体投与装置。
【請求項8】
前記流体通路(37)は、前記投与ヘッドの内部で直径を部分的に大きくすることで形成されていること、
を特徴とする請求項7に記載の流体投与装置。
【請求項9】
前記振動発生手段(140)は前記投与ヘッドの内壁に配置された振動プレート(148)から成り、前記振動プレート(148)に流体が衝突すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の流体投与装置。
【請求項10】
前記噴霧開口部(131)は入口開口部(132)を通る流体(F)の流れ方向に対してほぼ垂直となうように方向付けられており、前記振動プレートは約45度傾斜した内壁(138)に配置されて、前記振動プレート(148)に衝突する流体の噴流が噴霧形状に細分化されて噴霧開口部(131)に送られること、
を特徴とする請求項9に記載の流体投与装置。
【請求項11】
前記振動プレート(148)は噴霧室(135)の壁を形成しており、当該噴霧室(135)は、前記入口開口部(132)に連通する噴霧室入口(137)を有すると共に、前記噴霧開口部(131)を備えていること、
を特徴とする請求項9または10に記載の流体投与装置。
【請求項12】
前記振動発生手段(240)は振動隔膜(241)から成り、当該振動隔膜(241)と噴霧開口部(231)との間に共鳴室(235)が形成されていること、
を特徴とする請求項1または2に記載の流体投与装置。
【請求項13】
前記共鳴室(235)は円筒の形状を有し、当該円筒の長さ(L)および直径(D)は前記隔膜(241)の共鳴波長よりも短くなっており、前記共鳴室(235)はヘルムホルツ共鳴器を形成していること、
を特徴とする請求項12に記載の流体投与装置。
【請求項14】
前記隔膜(241)の直径(D)は前記共鳴室(235)の直径と実質的に同一であり、前記投与ヘッドは流体用の通路(237)を有し、当該通路は前記隔膜(241)の外側を径方向に延びていること、
を特徴とする請求項13に記載の流体投与装置。
【請求項15】
前記噴霧開口部(31,131,231)から噴霧される流体スプレーは、平均粒子サイズが20μmから40μmの範囲にあること、噴霧速度が10m/s未満、効果的には5m/s未満、好ましくは約1m/sであること、そして、噴霧角度が50度未満、効果的には約30度であること、という特性の少なくとも1つを有すること、
を特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の流体投与装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−508051(P2013−508051A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534748(P2012−534748)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052235
【国際公開番号】WO2011/048330
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(502343252)アプター フランス エスアーエス (144)