流体要素を有する毛細管システム
エーロゾル発生システムは、液体製剤が毛細通路内で少なくとも部分的に気化し、毛細通路から排出されてエーロゾルを形成するエーロゾル発生器を有する。エーロゾル発生システムは、エーロゾル発生器(90)に液体製剤を供給するようになったポンプユニット(50)と、ポンプユニットとエーロゾル発生器の毛細通路との間に位置し、液体製剤がエーロゾル発生器の毛細通路に入る時に液体製剤の圧力を増加させる流体要素(100)とを含む。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
毛細管エーロゾル技術及び毛細管エーロゾル発生器は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれているUS5、743、251に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】US5、743、251
【特許文献2】米国特許出願第20050235991号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、エーロゾル発生システムは、液体製剤が毛細通路内で少なくとも部分的に気化し、毛細通路からから排出されてエーロゾルを形成するエーロゾル発生器と、エーロゾル発生器の毛細通路に液体製剤を供給するようになったポンプユニットと、ポンプユニットとエーロゾル発生器の毛細通路との間に位置し、液体製剤が毛細通路に入る時に液体製剤の圧力を増加させる流体要素とを含む。
更に別の実施形態によれば、エーロゾルを生成する方法は、毛細通路への入口での液体の圧力が少なくとも7MPa(1000psi(毎平方インチポンド))になるように、加熱された毛細通路に20μl/s(毎秒マイクロリットル)の流量で液体材料を供給する段階と、加熱された毛細管を用いてエーロゾルを発生させる段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】開放位置の加熱器ブロックを有する一実施形態によるエーロゾル発生システムの斜視図である。
【図2】閉鎖位置の加熱器ブロックを有する図1のエーロゾル発生システムの斜視図である。
【図3】図1のエーロゾル発生システムの使い捨てアセンブリの斜視図である。
【図4】図3の使い捨てアセンブリの側面図である。
【図5】実施形態によるバルブアセンブリ及び流体要素の概略図である。
【図6A】実施形態による図1のエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の斜視図である。
【図6B】実施形態による流体要素の断面図である。
【図7A】実施形態による時間に対するシステム内の背圧を示す線形流体要素の図表である。
【図7B】流体要素がない場合の時間に対するシステム内の背圧を示す図表である。
【図8】流体要素がある場合とない場合における製剤の粒子サイズを比較する表である。
【図9】一実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の斜視図である。
【図10】別の実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の分解組立図である。
【図11】更に別の実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の分解組立図である。
【図12】別の実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の分解組立図である。
【図13】一実施形態によるエーロゾル発生システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
エーロゾルは、広い範囲の用途で有用である。例えば、多くの場合、液体及び/又は固体の細かく分割した粒子のエーロゾルスプレー、例えば、患者の肺内に吸入される粉末、薬剤などを用いて呼吸器疾患を治療するか、又はその手段による医薬品を投薬することが望ましい。エーロゾルは、加熱された毛細管から排出された時に溶液(又は懸濁液)がエーロゾルの形態になるように、溶液(又は懸濁液の担体部分)が揮発するように毛細管を十分に加熱しながら液状の溶液又は懸濁液(すなわち、液体製剤又は液体材料)を毛細管に給送することにより、加熱した毛細管エーロゾル発生器から発生させることができる。毛細管の長さは、他のファクタの中でも特に、発生されるエーロゾルの組成によって決まる加熱要件に依存する可能性がある。直接加熱毛細管エーロゾル発生器に関連する潜在的な問題は、過熱及び標準以下のエーロゾル形成をもたらして毛細管の詰まり及び/又は毛細管エーロゾル発生器の故障をもたらす場合がある毛細管内の大きな温度変動である。
【0006】
容器封入システムから液体材料又は製剤を吸い込み、連続エーロゾル化のためのエーロゾル発生器又は毛細管サブアセンブリを通してそれを投薬するためにエーロゾル発生システムを使用することは理解することができる。エーロゾル化の閾値背圧(すなわち、流れを一定かつ毛細管湿潤を保つのに必要な最低圧力)を高くすることによってエーロゾル発生ユニットの毛細通路内で定格作動圧力を安定させることができるシステム及び方法を有することにより毛細管エーロゾル発生システムの信頼性及び頑強度を改善し、かつ液体材料又は製剤の蒸気への変換及び液体材料又は製剤内の大きな粒子の結果としてのシステム内の圧力振動を低下させることは望ましいであろう。
【0007】
一実施形態によれば、流体要素は、エーロゾル発生器のポンプユニットと毛細管の間に位置し、流体要素は、熱伝導性加熱器ブロックが熱伝導性加熱器ブロックから毛細管への熱伝達を実質的に均等かつ均一に最大にするように液体製剤の背圧を上げる。
作動中に、電気リードが電源から熱伝導性加熱器ブロック内に挿入された加熱器カートリッジまで電力を伝達し、それによって熱伝導性加熱器ブロックを加熱する。加熱されると、熱伝導性加熱器ブロックがエーロゾル発生ユニット又は毛細管に熱を伝達し、従って、加熱された毛細管に導入された液体材料又は液体製剤を少なくとも部分的に揮発させるのに十分な温度まで毛細管を実質的に均等かつ均一に加熱する。例えば、少なくとも部分的に揮発した液体材料又は液体製剤は、液体材料又は液体製剤を霧化するためにリストリクターを通して押し込むことができる。揮発した材料は、加熱器ブロックの遠位端にあるエーロゾル閉じ込め部材内で加熱シース空気源によって供給された空気と混合してエーロゾルを形成する。
【0008】
図1を参照すると、一実施形態によるエーロゾル発生システム10の斜視図が示されている。液体製剤又は液体材料は、好ましくは液体材料の供給源に接続した毛細管の入口を通して毛細管内に導入される。揮発した材料は、毛細管の出口を通して毛細管の外に押し出され、すなわち、液体材料の供給源からの液体の圧力が液体を出口から放出させる。
一実施形態によれば、図1に示すように、エーロゾル発生システム(又は薬剤送出システム)10は、エーロゾル発生器及び加熱器ブロックを有し、加熱器ブロック及び熱伝導性材料の温度が、約250℃から400℃の範囲とすることができる作動温度(すなわち、毛細管内の液体材料が揮発する温度)まで加熱されて維持される。しかし、このエーロゾル発生システム10でエーロゾルが発生すると、システム10は、液体製剤の気化及びエーロゾル発生器の出口における小径オリフィスを通る気体/液体のポンピングのために、4MPaから6MPa(600psiから900psi)程度の有意な背圧(すなわち、エーロゾル発生ユニットの毛細又は毛細管の出口での出口又は小径オリフィスから注射器ポンプまでのシステム内の圧力)を発生させることがある。更に、システム10は、システム10内で15Mpaから20MPa(2000psiから3000psi)程度の突然の圧力スパイクを引き起こす可能性がある毛細管内での一貫性のない流れ、製剤内での大きな粒子、及び最適以下の気化を受けることがある。
【0009】
システム10はまた、稼働毎に(ユニット内で)毛細管又は毛細通路内での定格圧力の変化、圧力プロフィールの振動、7MPa(1000psi)よりも低い定格圧力での出口オリフィスの詰まり、及び毛細管システム10内の出口オリフィスの直径よりも大きなサイズの粉体を受ける可能性がある。例えば、公称圧力が7MPa(1000psi)よりも低い時に、システム10は、毛細管作動圧力のスパイクをもたらすパルス駆動エーロゾルを受けることがある。更に、これらの圧力のスパイクが起こる時に、エーロゾル発生システム10は、そのような高圧に耐えることができず毛細管の詰まりをもたらすことがある。使い捨て送出パケット構成要素及び送出パケット内の取付具は、故障が発生すると機能しなくなり、ユニットの不作動をもたらす。従って、液体製剤が部分的に気化して吸入のためのエーロゾルを形成する毛細管エーロゾル発生器の信頼性及び頑強度を改善するためのシステム及び方法を提供することが望ましいであろう。
【0010】
図1に示すように、エーロゾル発生(又は薬剤送出)システム10は、無菌使い捨て流体システムの形態をした使い捨てアセンブリ40を受け取るようになった基部ユニット20を含む。基部ユニット20は、ハウジング22、使い捨てアセンブリ40を受け取るようになった使い捨てアセンブリハウジング30、及びコンパクトな再構成可能入力/出力(I/0)コントローラアセンブリ(図示せず)、及びユーザインタフェース24から成る。ユーザインタフェース24は、図1に示すようなタッチスクリーンパネル、又は情報を入力するためのかつシステム10から作動データを受け取るための他の適切なインタフェースシステムとすることができる。使い捨てアセンブリハウジング30は、好ましくは、エーロゾル発生ユニット(又はエーロゾル発生器)90及び流体要素100を有する使い捨てアセンブリ40を受け取るようになったクラムシェル状ハウジングから成る。図1に示すように、基部ユニット20内の使い捨てアセンブリハウジング30は、ハウジング30の開閉を容易にするためのハンドルを含むクラムシェル構成の使い捨てアセンブリ40を取り囲むようになった上部又は第1の半分と下部又は第2の半分とから成る。使い捨てアセンブリ40は、ハウジング30の下部又は第2の半分に嵌合し、使い捨てアセンブリ40の構成要素が基部ユニット20内でそれらの各接続部に適合することを保証する。
【0011】
使用中は、エーロゾル発生ユニット90は、加熱された毛細管を包み込み、かつポンプユニット50によって一定速度で連続的にエーロゾル発生ユニットを通して送り出される液体材料又は液体製剤26を加熱する間接加熱ブロックアセンブリ(図示せず)を含むことができる。ポンプユニット50は、好ましくは、1つの注射器ポンプ52、54の入口に液体製剤を供給し、その間に別の注射器ポンプ52、54によってエーロゾル発生ユニットに液体製剤を送出するように作動可能な2つの注射器ポンプ52、54と、バルブ構成又はアセンブリ60(図3)とを含む。一実施形態によれば、ポンプユニット50及びバルブ構成60は、約15μl/sから25μl/sで、より好ましくは約18μl/sから22μl/sで、最も好ましくは約20μl/sで毛細管に液体材料26を連続して送出する。
【0012】
図2は、閉じた位置の使い捨てアセンブリハウジング30を有する図1のエーロゾル発生システム10の斜視図である。使い捨てアセンブリ40は、部分的に気化してエーロゾルを形成する液体材料又は液体製剤26の供給源に取り付け可能である。毛細管エーロゾルシステム10は、液体材料又は液体製剤26の一部を部分的に気化するために液体材料又は液体製剤26がエーロゾル発生ユニット90内で加熱され、液体材料又は液体製剤をエーロゾルとして連続送出するようになっている。エーロゾル発生システム10は、基部ユニット20と無菌使い捨て流体システム又は使い捨てアセンブリ40を含む湿潤構成要素とで構成することができる。
【0013】
図3及び5を参照すると、使い捨てアセンブリ40は、好ましくは、バルブアセンブリ(又はバルブ構成)60、入力流体管アセンブリ80、エーロゾル発生ユニット90、及び流体要素100を含む。バルブアセンブリ60は、好ましくは、複数のバルブ62、64、66、68を含む。流体要素100は、バルブ64、68とエーロゾル発生ユニット90の加熱された毛細通路70との間に位置している。加熱された毛細通路70と加熱器又は加熱ユニット72とは、好ましくは、エーロゾル発生ユニット90内に設けられる。第1及び第2の注射器ポンプ52及び54は、各送出行程中に毛細通路70及び流体要素100と交互に連通し、各吸引(吸い込み)行程中に流体(製剤)供給源と交互に連通し、それらの全ての作動が、バルブ62、64、66、68と協働して実施される。例えば、図5に示すように、第1の注射器ポンプ52が排出中に、その排出は、第1の注射器ポンプ52から流路「X1」に沿って毛細通路70に向けられる。流路X1は、バルブ62とバルブ64の開口部との閉鎖によって設定される。同時に、第2の注射器ポンプ54は、その吸い込み行程を実施して供給源から「X2」で示した経路に沿った流れ110を通じて流体を吸引する。この流路X2を設定するために、バルブ66が開いてバルブ68が閉じる。
【0014】
図4は、図3に示す使い捨てアセンブリ40の側面図である。図4に示すように、使い捨てアセンブリ40は、4つのバルブのアセンブリ60、入力流体管アセンブリ80、エーロゾル発生ユニット90、及び流体要素100を含む。注射器ポンプ52、54は、好ましくは、液体材料又は液体製剤を連続して分配するために、駆動系と二重注射器ポンプ52、54の同時作動を可能にする制御電子器械とを含む。注射器ポンプ52、54はまた、好ましくは、バルブ62、64、66、68を開閉するための信号を発生してプログラマブル自動コントローラに通信する。
【0015】
一実施形態によれば、ポンプユニット50は、少なくとも2、000psiまで、より好ましくは、20MPaから30MPa(3000psiから4000psi)までの背圧をサポートできなければならない。更に、注射器ポンプ52、54は、好ましくは、耐流体筐体内に設けられ、各注射器装着ブラケット上に力センサを含んで流体送出中にプランジャ力をモニタすることができる。注射器ポンプ52、54のポンピング機能は、肺表面活性剤のような高粘性製剤の処理を容易にする。
【0016】
エーロゾル発生ユニット90は、上方又は上部アセンブリ及び下方又は底部アセンブリ、熱電対、及び毛細通路又は毛細管70の形態をしたエーロゾル発生器で構成された加熱器ブロックアセンブリの形態をした加熱器又は加熱ユニット72を含むことができる。エーロゾル発生ユニット90は、毛細通路70を含み、通路の中で液体製剤26(図3)が少なくとも部分的に気化し、加熱器本体又はブロックが毛細通路又は毛細管70内の液体製剤を少なくとも部分的に揮発させるのに有効な範囲の温度まで毛細通路70を加熱するように作動可能である。毛細通路70は、給送管端部又は近位端、及びドーム形状の毛細管端部又は遠位端を含むことができる。毛細管70は、好ましくは、約0.05mmから0.53mmの範囲の内径を有し、より好ましくは、約0.1mmから0.2mmの範囲の内径を有する。毛細管70の特に好ましい内径は、約0.1905mm(すなわち、0.0075インチ)である。一実施形態によれば、毛細管70は、約90mmから120mmの長さを有し、より好ましくは、約100mmから110mmの長さを有する。しかし、毛細管70の長さが毛細管70内の液体製剤又は液体材料の流量に基づくことは認めることができる。一実施形態によれば、毛細管70は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている米国特許出願第20050235991号に説明されたような先端付き毛細管である。
【0017】
一実施形態によれば、背圧誘起流体要素100は、ポンプユニット50のバルブアセンブリ60とエーロゾル発生ユニット90の毛細管システムとの間に導入することができる。流体要素100は、望ましい閾値圧力(例えば、8MPa(1200psi))を超えて定格圧力又は背圧が増加するようにシステム10に付加的な背圧を導入する。システムの背圧を望ましい閾値圧力よりも高くすることにより、流体要素100が、システム10にシステム10内での圧力変動を減衰させる方法を提供することは認めることができる。更に、システム10内で増加した圧力は、加熱された毛細管70に入る前に液体製剤26(又は液体材料)を剪断するための手段を提供し、それによって出口オリフィスが、先端付き毛細管端部よりも大きな直径を有する液体製剤26の粒子で詰まることが回避される。
【0018】
図6A及び6Bに示すように、流体要素100は、好ましくは、約0.05mmから0.25mm(0.002インチから0.010インチ)の間、より好ましくは、0.13mm(0.005インチ)の内径(ID)120、及び約4インチから12インチの間、より好ましくは、約6インチの長さ122を有する管状部材102である。一実施形態によれば、流体要素100は、好ましくは、約100mmから300mm(4インチから12インチ)の長さ122、及び0.05mmから0.25mm(0.002から0.010インチ)の内径を有する。流体要素100は、好ましくは、エーロゾル発生システム10に約1MPaから7MPa(150psiから1000psi)、より好ましくは、約2MPaから2.4MPa(300psiから350psi)の付加的な背圧を導入し、それが、図7Aに示すように約7.9MPaから10MPa(約1150psiから1450psi)まで加熱中のシステム10内の全体の作動圧又は背圧を増加させる。
【0019】
例えば、一実施形態によれば、ポンプユニット50とエーロゾル発生ユニット90の間に、0.13mm及び0.25mm(0.005インチ及び0.010インチ)の内径120を有する管状部材102で構成された流体要素100が実施された。図7Aに示すように、流体要素100の付加に伴って7.9MPa(1150psi)のシステム10内の背圧増加が得られた。図7Aに示すように、90分又はそれよりも長いエーロゾル化の稼働時間では、システム内の定格圧力の増加及び圧力変動の最小化の結果として、システム10内の背圧増加は、システム10の全体的な成功度を改善したことをデータが示唆した。
その反対に、図7Bに示すように、システム10に付加された付加的な背圧がない状態では、システム10に障害が増え、定格作動圧力(すなわち、先端付き毛細管のサイズ又は直径を含む特定毛細管サイズに基づくシステムの作動圧力)では変動が有意に大きく、又はシステム内の背圧がより低くかつより変化しやすいことを示している。
【0020】
別の実施形態では、図8に示すように、流体要素100はまた、液体製剤26内の粒子を剪断することによって液体製剤又は液体材料26の粒子サイズを制御することができる。例えば、肺表面活性剤製剤のような粒子を有する液体製剤26は、毛細管出口又は毛細管の先端付き端部のサイズを超える医薬品の粒子を含む可能性がある。従って、流体要素100を導入することにより、液体製剤又は液体材料26内の粒子は、液体製剤26が毛細通路に入る前に、好ましくは、出口の直径よりも小さな粒子サイズに剪断することができる。
【0021】
流体要素100は、図6Aに示すように線形管状部材102であり、又は代替的な実施形態では、流体要素100は、内蔵型ハウジング130内に嵌合するようになったコイル状管状部材102であることは認めることができる。図9に示すように、流体要素100は、送出パケット完成品内に嵌合するように設計されたコイル状管状部材102とすることができる。管状部材102のコイルはまた、作動流量における背圧を増加させ、そのためにコイル巻き形式の管状部材102の長さ120は、線形管状部材102と比較して異なる背圧を生成することができる。別の実施形態によれば、コイル状管状部材102の長さ110は、線形管状部材102と比較してシステム10内で望ましい又は最適な背圧を得るために変えることになる。
【0022】
図10は、ハウジング130内に収容されたコイル状管状部材102で構成された流体要素100の組立分解斜視図である。図10に示すように、流体要素100は、管状部材102を受け取るようになった空洞133を有する基部ユニット132で構成されたハウジング130と、取外し可能キャップ134と、取外し可能キャップ134を基部ユニット132に取り付けるための留め具136とを含む。管状部材102は、好ましくは、入口部分104、コイル状部分106、及び出口部分108を含む。入口部分104及び出口部分108は、好ましくは、線形であるが、入口及び出口部分104、108は、傾けられるか、又はそこに僅かな湾曲を有することができることは認めることができる。
【0023】
図10に示すように、一実施形態によれば、流体要素100のコイル状部分106は、入口及び出口部分104、108とほぼ同じ面内にある。入口部分104、コイル状部分106、及び出口部分108の長さは、システム10内の望ましい最適な背圧に応じて変わることになる。管状部材102の入口部分104は、好ましくは、ポンプユニット50及びバルブアセンブリ60から液体製剤26を受け取る入口取付具アセンブリ140に取り付けられる。出口取付具アセンブリ142は、流体要素100をエーロゾル発生ユニット90に接続する。
【0024】
別の実施形態によれば、図11に示すように、管状部材102のコイル状部分106は、螺旋形状を有する。管状部材102はまた、ほぼ線形の入口部分104とほぼ線形の出口部分108とを含む。流体要素100はまた、ハウジング146内に嵌合するようになった入口取付具アセンブリ142の形態をした流体要素100のためのハウジング146を有する。ハウジング146は、一端においてポンプユニット50及びバルブアセンブリ60に、他端においてエーロゾル発生ユニット90に接続される。入口取付具アセンブリ140は、外側リング又はフランジを含んで、ハウジング146内の入口取付具アセンブリ142の取り付けを助けることができる。出口取付具アセンブリ142は、流体要素100受け取って流体要素100をエーロゾル発生ユニット90に接続する。ハウジング146はまた、好ましくは、ネジ式留め具又は出口取付具アセンブリ142に取り付けられた他の適切なリング要素144を含む。
【0025】
更に別の実施形態によれば、図12に示すように、流体要素100は、チャンネル164を有する円形ディスク又はプレート状要素160を含むことができる。チャンネル164は、好ましくは、ポンプユニット50及びバルブアセンブリ60から液体製剤を受け取るようになった入口162を有する螺旋形態のものである。チャンネル164は、好ましくは、円形ディスク又はプレート状要素160の外側部分から出口166を有する内側部分まで延びている。出口166は、好ましくは、円形ディスク又はプレート状要素160を通ってエーロゾル発生ユニット90の毛細管への入口まで延びている。
【0026】
流体要素100はまた、好ましくは、外側ケーシング部材172と、円形ディスク又はプレート状要素160を受け取るようになった外側遠位面176を有する基部ユニット174とで構成された流体要素ハウジング170を含む。Oリング又はシーラントリング180は、円形ディスク又はプレート状要素160外側端部の周りに嵌合する。Oリング180は、好ましくは、外側ケーシング部材172と流体要素ハウジング170の基部ユニット174とに嵌合する流体要素100の機械的シールを形成する円形(O字形状)断面をしたエラストマー材料である。
【0027】
図13は、エーロゾル発生システム10の図である。図13に示すように、エーロゾル発生システム10は、調製又は投与パケット350、ホットプレート/攪拌器300、ポンプユニット50、バルブアセンブリ60、毛細管を有するエーロゾル発生ユニット90、流体要素100、遷移アダプタ190、及び凝縮液トラップ200を含む。システム10はまた、患者にエーロゾルを送出するためのCPAPアダプタ310、エアフィルタ330(HEPAフィルタのような)、空気の供給源(CPAP)320、及び制御ユニット340を含むことができる。空気の供給源320は、好ましくは、望ましい空気流を達成するために適切なバルブ構成を備えた圧縮空気のタンクのような病院圧縮空気系統又は加圧空気供給源からのものである。
【0028】
一実施形態によれば、調製又は投与パケット350内に収容される肺表面活性剤のような液体材料又は液体製剤26は、最初にホットプレート/攪拌器300上でパケット350を加熱し、ポンプユニット50に送出するために製剤26を望ましい粘性(すなわち、高粘性の製剤)に液化することにより、患者に送出するために調製される。ポンプユニット50及びバルブアセンブリ60は、液体製剤がその中で少なくとも部分的に気化する毛細通路を備えたエーロゾル発生器(又はエーロゾル発生ユニット)90に製剤26を一定速度で連続的に供給する。加熱器ブロックは、毛細通路又は毛細管内の液体製剤を少なくとも部分的に揮発させてエーロゾル化するのに有効な温度範囲まで毛細通路を加熱する。エーロゾル発生器90はまた、好ましくは、空気の供給源が加熱器本体又はブロックによって加熱され、加熱又は加温された空気がエーロゾル発生器90によって生成されたエーロゾルと混ぜられるように配列された少なくとも1つの空気通路を含む。システム10が、毛細管の位置で又はその付近で発生した熱を使用する代わりに又はそれに追加して、毛細管から遠隔にある個別の空気加熱器の形態をした別の空気加熱器312を含むことは認めることができる。
【0029】
遷移アダプタ又はエーロゾル閉じ込め部材190は、エーロゾル発生器90及び毛細管によって生成されたエーロゾルを捕捉し、CPAPアダプタ310を通じて患者に送出するためにエーロゾルを流管内に誘導する。CPAPアダプタ310は、好ましくは、乳児の場合には、約35℃から38℃、より好ましくは、約37℃の温度で患者にエーロゾルを送出する。送出ホース又はチューブ104の長さを変えることにより、エーロゾルの送出温度は、適切な又は望ましい温度で送出されることは認めることができる。エーロゾル閉じ込め部材190は、好ましくは、エーロゾル発生ユニット90の毛細管に対して密封され、それによって外気が(遷移アダプタに送出された加熱空気と対照的に)エーロゾル発生器又は毛細管によって生成されたエーロゾルと混合することが防止される。遷移アダプタ又はエーロゾル閉じ込め部材190は、凝縮液収集デバイス又は排水管アセンブリに取り付けるようになった少なくとも1つのバッフル及び/又は下端部に排水ポートを有する凝縮液トラップ200を含むことができる。加熱された又は暖かい空気を製剤によって生成されたエーロゾルと混ぜることにより、システム10及びエーロゾル発生ユニット90から遠隔位置の患者にエーロゾルを送出することができる毛細管からの凝縮量が減少する。
【0030】
システム10は、好ましくは、薬剤送出用途では、肺深部に浸透することを促進するように2ミクロンよりも小さな平均質量メジアン粒径を有するエーロゾルを提供するようになっている。ある一定の薬剤送出用途では、例えば、毎秒約1ミリグラムを超える高い流量で薬剤を送出することも望ましい。液体製剤の供給源が、好ましくは、エーロゾルとして乳児の肺まで送出するようになった肺表面活性剤を収容することは認めることができる。
様々な実施形態を説明したが、当業者には明らかなように変形及び修正の手段に頼ることができることは理解されるものとする。そのような変形及び修正は、本明細書に添付の特許請求の視野及び範囲内と考えるものとする。
【符号の説明】
【0031】
50 ポンプユニット
90 エーロゾル発生器
100 流体要素
【背景技術】
【0001】
毛細管エーロゾル技術及び毛細管エーロゾル発生器は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれているUS5、743、251に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】US5、743、251
【特許文献2】米国特許出願第20050235991号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、エーロゾル発生システムは、液体製剤が毛細通路内で少なくとも部分的に気化し、毛細通路からから排出されてエーロゾルを形成するエーロゾル発生器と、エーロゾル発生器の毛細通路に液体製剤を供給するようになったポンプユニットと、ポンプユニットとエーロゾル発生器の毛細通路との間に位置し、液体製剤が毛細通路に入る時に液体製剤の圧力を増加させる流体要素とを含む。
更に別の実施形態によれば、エーロゾルを生成する方法は、毛細通路への入口での液体の圧力が少なくとも7MPa(1000psi(毎平方インチポンド))になるように、加熱された毛細通路に20μl/s(毎秒マイクロリットル)の流量で液体材料を供給する段階と、加熱された毛細管を用いてエーロゾルを発生させる段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】開放位置の加熱器ブロックを有する一実施形態によるエーロゾル発生システムの斜視図である。
【図2】閉鎖位置の加熱器ブロックを有する図1のエーロゾル発生システムの斜視図である。
【図3】図1のエーロゾル発生システムの使い捨てアセンブリの斜視図である。
【図4】図3の使い捨てアセンブリの側面図である。
【図5】実施形態によるバルブアセンブリ及び流体要素の概略図である。
【図6A】実施形態による図1のエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の斜視図である。
【図6B】実施形態による流体要素の断面図である。
【図7A】実施形態による時間に対するシステム内の背圧を示す線形流体要素の図表である。
【図7B】流体要素がない場合の時間に対するシステム内の背圧を示す図表である。
【図8】流体要素がある場合とない場合における製剤の粒子サイズを比較する表である。
【図9】一実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の斜視図である。
【図10】別の実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の分解組立図である。
【図11】更に別の実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の分解組立図である。
【図12】別の実施形態によるエーロゾル発生システムと共に使用するための流体要素の分解組立図である。
【図13】一実施形態によるエーロゾル発生システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
エーロゾルは、広い範囲の用途で有用である。例えば、多くの場合、液体及び/又は固体の細かく分割した粒子のエーロゾルスプレー、例えば、患者の肺内に吸入される粉末、薬剤などを用いて呼吸器疾患を治療するか、又はその手段による医薬品を投薬することが望ましい。エーロゾルは、加熱された毛細管から排出された時に溶液(又は懸濁液)がエーロゾルの形態になるように、溶液(又は懸濁液の担体部分)が揮発するように毛細管を十分に加熱しながら液状の溶液又は懸濁液(すなわち、液体製剤又は液体材料)を毛細管に給送することにより、加熱した毛細管エーロゾル発生器から発生させることができる。毛細管の長さは、他のファクタの中でも特に、発生されるエーロゾルの組成によって決まる加熱要件に依存する可能性がある。直接加熱毛細管エーロゾル発生器に関連する潜在的な問題は、過熱及び標準以下のエーロゾル形成をもたらして毛細管の詰まり及び/又は毛細管エーロゾル発生器の故障をもたらす場合がある毛細管内の大きな温度変動である。
【0006】
容器封入システムから液体材料又は製剤を吸い込み、連続エーロゾル化のためのエーロゾル発生器又は毛細管サブアセンブリを通してそれを投薬するためにエーロゾル発生システムを使用することは理解することができる。エーロゾル化の閾値背圧(すなわち、流れを一定かつ毛細管湿潤を保つのに必要な最低圧力)を高くすることによってエーロゾル発生ユニットの毛細通路内で定格作動圧力を安定させることができるシステム及び方法を有することにより毛細管エーロゾル発生システムの信頼性及び頑強度を改善し、かつ液体材料又は製剤の蒸気への変換及び液体材料又は製剤内の大きな粒子の結果としてのシステム内の圧力振動を低下させることは望ましいであろう。
【0007】
一実施形態によれば、流体要素は、エーロゾル発生器のポンプユニットと毛細管の間に位置し、流体要素は、熱伝導性加熱器ブロックが熱伝導性加熱器ブロックから毛細管への熱伝達を実質的に均等かつ均一に最大にするように液体製剤の背圧を上げる。
作動中に、電気リードが電源から熱伝導性加熱器ブロック内に挿入された加熱器カートリッジまで電力を伝達し、それによって熱伝導性加熱器ブロックを加熱する。加熱されると、熱伝導性加熱器ブロックがエーロゾル発生ユニット又は毛細管に熱を伝達し、従って、加熱された毛細管に導入された液体材料又は液体製剤を少なくとも部分的に揮発させるのに十分な温度まで毛細管を実質的に均等かつ均一に加熱する。例えば、少なくとも部分的に揮発した液体材料又は液体製剤は、液体材料又は液体製剤を霧化するためにリストリクターを通して押し込むことができる。揮発した材料は、加熱器ブロックの遠位端にあるエーロゾル閉じ込め部材内で加熱シース空気源によって供給された空気と混合してエーロゾルを形成する。
【0008】
図1を参照すると、一実施形態によるエーロゾル発生システム10の斜視図が示されている。液体製剤又は液体材料は、好ましくは液体材料の供給源に接続した毛細管の入口を通して毛細管内に導入される。揮発した材料は、毛細管の出口を通して毛細管の外に押し出され、すなわち、液体材料の供給源からの液体の圧力が液体を出口から放出させる。
一実施形態によれば、図1に示すように、エーロゾル発生システム(又は薬剤送出システム)10は、エーロゾル発生器及び加熱器ブロックを有し、加熱器ブロック及び熱伝導性材料の温度が、約250℃から400℃の範囲とすることができる作動温度(すなわち、毛細管内の液体材料が揮発する温度)まで加熱されて維持される。しかし、このエーロゾル発生システム10でエーロゾルが発生すると、システム10は、液体製剤の気化及びエーロゾル発生器の出口における小径オリフィスを通る気体/液体のポンピングのために、4MPaから6MPa(600psiから900psi)程度の有意な背圧(すなわち、エーロゾル発生ユニットの毛細又は毛細管の出口での出口又は小径オリフィスから注射器ポンプまでのシステム内の圧力)を発生させることがある。更に、システム10は、システム10内で15Mpaから20MPa(2000psiから3000psi)程度の突然の圧力スパイクを引き起こす可能性がある毛細管内での一貫性のない流れ、製剤内での大きな粒子、及び最適以下の気化を受けることがある。
【0009】
システム10はまた、稼働毎に(ユニット内で)毛細管又は毛細通路内での定格圧力の変化、圧力プロフィールの振動、7MPa(1000psi)よりも低い定格圧力での出口オリフィスの詰まり、及び毛細管システム10内の出口オリフィスの直径よりも大きなサイズの粉体を受ける可能性がある。例えば、公称圧力が7MPa(1000psi)よりも低い時に、システム10は、毛細管作動圧力のスパイクをもたらすパルス駆動エーロゾルを受けることがある。更に、これらの圧力のスパイクが起こる時に、エーロゾル発生システム10は、そのような高圧に耐えることができず毛細管の詰まりをもたらすことがある。使い捨て送出パケット構成要素及び送出パケット内の取付具は、故障が発生すると機能しなくなり、ユニットの不作動をもたらす。従って、液体製剤が部分的に気化して吸入のためのエーロゾルを形成する毛細管エーロゾル発生器の信頼性及び頑強度を改善するためのシステム及び方法を提供することが望ましいであろう。
【0010】
図1に示すように、エーロゾル発生(又は薬剤送出)システム10は、無菌使い捨て流体システムの形態をした使い捨てアセンブリ40を受け取るようになった基部ユニット20を含む。基部ユニット20は、ハウジング22、使い捨てアセンブリ40を受け取るようになった使い捨てアセンブリハウジング30、及びコンパクトな再構成可能入力/出力(I/0)コントローラアセンブリ(図示せず)、及びユーザインタフェース24から成る。ユーザインタフェース24は、図1に示すようなタッチスクリーンパネル、又は情報を入力するためのかつシステム10から作動データを受け取るための他の適切なインタフェースシステムとすることができる。使い捨てアセンブリハウジング30は、好ましくは、エーロゾル発生ユニット(又はエーロゾル発生器)90及び流体要素100を有する使い捨てアセンブリ40を受け取るようになったクラムシェル状ハウジングから成る。図1に示すように、基部ユニット20内の使い捨てアセンブリハウジング30は、ハウジング30の開閉を容易にするためのハンドルを含むクラムシェル構成の使い捨てアセンブリ40を取り囲むようになった上部又は第1の半分と下部又は第2の半分とから成る。使い捨てアセンブリ40は、ハウジング30の下部又は第2の半分に嵌合し、使い捨てアセンブリ40の構成要素が基部ユニット20内でそれらの各接続部に適合することを保証する。
【0011】
使用中は、エーロゾル発生ユニット90は、加熱された毛細管を包み込み、かつポンプユニット50によって一定速度で連続的にエーロゾル発生ユニットを通して送り出される液体材料又は液体製剤26を加熱する間接加熱ブロックアセンブリ(図示せず)を含むことができる。ポンプユニット50は、好ましくは、1つの注射器ポンプ52、54の入口に液体製剤を供給し、その間に別の注射器ポンプ52、54によってエーロゾル発生ユニットに液体製剤を送出するように作動可能な2つの注射器ポンプ52、54と、バルブ構成又はアセンブリ60(図3)とを含む。一実施形態によれば、ポンプユニット50及びバルブ構成60は、約15μl/sから25μl/sで、より好ましくは約18μl/sから22μl/sで、最も好ましくは約20μl/sで毛細管に液体材料26を連続して送出する。
【0012】
図2は、閉じた位置の使い捨てアセンブリハウジング30を有する図1のエーロゾル発生システム10の斜視図である。使い捨てアセンブリ40は、部分的に気化してエーロゾルを形成する液体材料又は液体製剤26の供給源に取り付け可能である。毛細管エーロゾルシステム10は、液体材料又は液体製剤26の一部を部分的に気化するために液体材料又は液体製剤26がエーロゾル発生ユニット90内で加熱され、液体材料又は液体製剤をエーロゾルとして連続送出するようになっている。エーロゾル発生システム10は、基部ユニット20と無菌使い捨て流体システム又は使い捨てアセンブリ40を含む湿潤構成要素とで構成することができる。
【0013】
図3及び5を参照すると、使い捨てアセンブリ40は、好ましくは、バルブアセンブリ(又はバルブ構成)60、入力流体管アセンブリ80、エーロゾル発生ユニット90、及び流体要素100を含む。バルブアセンブリ60は、好ましくは、複数のバルブ62、64、66、68を含む。流体要素100は、バルブ64、68とエーロゾル発生ユニット90の加熱された毛細通路70との間に位置している。加熱された毛細通路70と加熱器又は加熱ユニット72とは、好ましくは、エーロゾル発生ユニット90内に設けられる。第1及び第2の注射器ポンプ52及び54は、各送出行程中に毛細通路70及び流体要素100と交互に連通し、各吸引(吸い込み)行程中に流体(製剤)供給源と交互に連通し、それらの全ての作動が、バルブ62、64、66、68と協働して実施される。例えば、図5に示すように、第1の注射器ポンプ52が排出中に、その排出は、第1の注射器ポンプ52から流路「X1」に沿って毛細通路70に向けられる。流路X1は、バルブ62とバルブ64の開口部との閉鎖によって設定される。同時に、第2の注射器ポンプ54は、その吸い込み行程を実施して供給源から「X2」で示した経路に沿った流れ110を通じて流体を吸引する。この流路X2を設定するために、バルブ66が開いてバルブ68が閉じる。
【0014】
図4は、図3に示す使い捨てアセンブリ40の側面図である。図4に示すように、使い捨てアセンブリ40は、4つのバルブのアセンブリ60、入力流体管アセンブリ80、エーロゾル発生ユニット90、及び流体要素100を含む。注射器ポンプ52、54は、好ましくは、液体材料又は液体製剤を連続して分配するために、駆動系と二重注射器ポンプ52、54の同時作動を可能にする制御電子器械とを含む。注射器ポンプ52、54はまた、好ましくは、バルブ62、64、66、68を開閉するための信号を発生してプログラマブル自動コントローラに通信する。
【0015】
一実施形態によれば、ポンプユニット50は、少なくとも2、000psiまで、より好ましくは、20MPaから30MPa(3000psiから4000psi)までの背圧をサポートできなければならない。更に、注射器ポンプ52、54は、好ましくは、耐流体筐体内に設けられ、各注射器装着ブラケット上に力センサを含んで流体送出中にプランジャ力をモニタすることができる。注射器ポンプ52、54のポンピング機能は、肺表面活性剤のような高粘性製剤の処理を容易にする。
【0016】
エーロゾル発生ユニット90は、上方又は上部アセンブリ及び下方又は底部アセンブリ、熱電対、及び毛細通路又は毛細管70の形態をしたエーロゾル発生器で構成された加熱器ブロックアセンブリの形態をした加熱器又は加熱ユニット72を含むことができる。エーロゾル発生ユニット90は、毛細通路70を含み、通路の中で液体製剤26(図3)が少なくとも部分的に気化し、加熱器本体又はブロックが毛細通路又は毛細管70内の液体製剤を少なくとも部分的に揮発させるのに有効な範囲の温度まで毛細通路70を加熱するように作動可能である。毛細通路70は、給送管端部又は近位端、及びドーム形状の毛細管端部又は遠位端を含むことができる。毛細管70は、好ましくは、約0.05mmから0.53mmの範囲の内径を有し、より好ましくは、約0.1mmから0.2mmの範囲の内径を有する。毛細管70の特に好ましい内径は、約0.1905mm(すなわち、0.0075インチ)である。一実施形態によれば、毛細管70は、約90mmから120mmの長さを有し、より好ましくは、約100mmから110mmの長さを有する。しかし、毛細管70の長さが毛細管70内の液体製剤又は液体材料の流量に基づくことは認めることができる。一実施形態によれば、毛細管70は、本明細書においてその全開示内容が引用により組み込まれている米国特許出願第20050235991号に説明されたような先端付き毛細管である。
【0017】
一実施形態によれば、背圧誘起流体要素100は、ポンプユニット50のバルブアセンブリ60とエーロゾル発生ユニット90の毛細管システムとの間に導入することができる。流体要素100は、望ましい閾値圧力(例えば、8MPa(1200psi))を超えて定格圧力又は背圧が増加するようにシステム10に付加的な背圧を導入する。システムの背圧を望ましい閾値圧力よりも高くすることにより、流体要素100が、システム10にシステム10内での圧力変動を減衰させる方法を提供することは認めることができる。更に、システム10内で増加した圧力は、加熱された毛細管70に入る前に液体製剤26(又は液体材料)を剪断するための手段を提供し、それによって出口オリフィスが、先端付き毛細管端部よりも大きな直径を有する液体製剤26の粒子で詰まることが回避される。
【0018】
図6A及び6Bに示すように、流体要素100は、好ましくは、約0.05mmから0.25mm(0.002インチから0.010インチ)の間、より好ましくは、0.13mm(0.005インチ)の内径(ID)120、及び約4インチから12インチの間、より好ましくは、約6インチの長さ122を有する管状部材102である。一実施形態によれば、流体要素100は、好ましくは、約100mmから300mm(4インチから12インチ)の長さ122、及び0.05mmから0.25mm(0.002から0.010インチ)の内径を有する。流体要素100は、好ましくは、エーロゾル発生システム10に約1MPaから7MPa(150psiから1000psi)、より好ましくは、約2MPaから2.4MPa(300psiから350psi)の付加的な背圧を導入し、それが、図7Aに示すように約7.9MPaから10MPa(約1150psiから1450psi)まで加熱中のシステム10内の全体の作動圧又は背圧を増加させる。
【0019】
例えば、一実施形態によれば、ポンプユニット50とエーロゾル発生ユニット90の間に、0.13mm及び0.25mm(0.005インチ及び0.010インチ)の内径120を有する管状部材102で構成された流体要素100が実施された。図7Aに示すように、流体要素100の付加に伴って7.9MPa(1150psi)のシステム10内の背圧増加が得られた。図7Aに示すように、90分又はそれよりも長いエーロゾル化の稼働時間では、システム内の定格圧力の増加及び圧力変動の最小化の結果として、システム10内の背圧増加は、システム10の全体的な成功度を改善したことをデータが示唆した。
その反対に、図7Bに示すように、システム10に付加された付加的な背圧がない状態では、システム10に障害が増え、定格作動圧力(すなわち、先端付き毛細管のサイズ又は直径を含む特定毛細管サイズに基づくシステムの作動圧力)では変動が有意に大きく、又はシステム内の背圧がより低くかつより変化しやすいことを示している。
【0020】
別の実施形態では、図8に示すように、流体要素100はまた、液体製剤26内の粒子を剪断することによって液体製剤又は液体材料26の粒子サイズを制御することができる。例えば、肺表面活性剤製剤のような粒子を有する液体製剤26は、毛細管出口又は毛細管の先端付き端部のサイズを超える医薬品の粒子を含む可能性がある。従って、流体要素100を導入することにより、液体製剤又は液体材料26内の粒子は、液体製剤26が毛細通路に入る前に、好ましくは、出口の直径よりも小さな粒子サイズに剪断することができる。
【0021】
流体要素100は、図6Aに示すように線形管状部材102であり、又は代替的な実施形態では、流体要素100は、内蔵型ハウジング130内に嵌合するようになったコイル状管状部材102であることは認めることができる。図9に示すように、流体要素100は、送出パケット完成品内に嵌合するように設計されたコイル状管状部材102とすることができる。管状部材102のコイルはまた、作動流量における背圧を増加させ、そのためにコイル巻き形式の管状部材102の長さ120は、線形管状部材102と比較して異なる背圧を生成することができる。別の実施形態によれば、コイル状管状部材102の長さ110は、線形管状部材102と比較してシステム10内で望ましい又は最適な背圧を得るために変えることになる。
【0022】
図10は、ハウジング130内に収容されたコイル状管状部材102で構成された流体要素100の組立分解斜視図である。図10に示すように、流体要素100は、管状部材102を受け取るようになった空洞133を有する基部ユニット132で構成されたハウジング130と、取外し可能キャップ134と、取外し可能キャップ134を基部ユニット132に取り付けるための留め具136とを含む。管状部材102は、好ましくは、入口部分104、コイル状部分106、及び出口部分108を含む。入口部分104及び出口部分108は、好ましくは、線形であるが、入口及び出口部分104、108は、傾けられるか、又はそこに僅かな湾曲を有することができることは認めることができる。
【0023】
図10に示すように、一実施形態によれば、流体要素100のコイル状部分106は、入口及び出口部分104、108とほぼ同じ面内にある。入口部分104、コイル状部分106、及び出口部分108の長さは、システム10内の望ましい最適な背圧に応じて変わることになる。管状部材102の入口部分104は、好ましくは、ポンプユニット50及びバルブアセンブリ60から液体製剤26を受け取る入口取付具アセンブリ140に取り付けられる。出口取付具アセンブリ142は、流体要素100をエーロゾル発生ユニット90に接続する。
【0024】
別の実施形態によれば、図11に示すように、管状部材102のコイル状部分106は、螺旋形状を有する。管状部材102はまた、ほぼ線形の入口部分104とほぼ線形の出口部分108とを含む。流体要素100はまた、ハウジング146内に嵌合するようになった入口取付具アセンブリ142の形態をした流体要素100のためのハウジング146を有する。ハウジング146は、一端においてポンプユニット50及びバルブアセンブリ60に、他端においてエーロゾル発生ユニット90に接続される。入口取付具アセンブリ140は、外側リング又はフランジを含んで、ハウジング146内の入口取付具アセンブリ142の取り付けを助けることができる。出口取付具アセンブリ142は、流体要素100受け取って流体要素100をエーロゾル発生ユニット90に接続する。ハウジング146はまた、好ましくは、ネジ式留め具又は出口取付具アセンブリ142に取り付けられた他の適切なリング要素144を含む。
【0025】
更に別の実施形態によれば、図12に示すように、流体要素100は、チャンネル164を有する円形ディスク又はプレート状要素160を含むことができる。チャンネル164は、好ましくは、ポンプユニット50及びバルブアセンブリ60から液体製剤を受け取るようになった入口162を有する螺旋形態のものである。チャンネル164は、好ましくは、円形ディスク又はプレート状要素160の外側部分から出口166を有する内側部分まで延びている。出口166は、好ましくは、円形ディスク又はプレート状要素160を通ってエーロゾル発生ユニット90の毛細管への入口まで延びている。
【0026】
流体要素100はまた、好ましくは、外側ケーシング部材172と、円形ディスク又はプレート状要素160を受け取るようになった外側遠位面176を有する基部ユニット174とで構成された流体要素ハウジング170を含む。Oリング又はシーラントリング180は、円形ディスク又はプレート状要素160外側端部の周りに嵌合する。Oリング180は、好ましくは、外側ケーシング部材172と流体要素ハウジング170の基部ユニット174とに嵌合する流体要素100の機械的シールを形成する円形(O字形状)断面をしたエラストマー材料である。
【0027】
図13は、エーロゾル発生システム10の図である。図13に示すように、エーロゾル発生システム10は、調製又は投与パケット350、ホットプレート/攪拌器300、ポンプユニット50、バルブアセンブリ60、毛細管を有するエーロゾル発生ユニット90、流体要素100、遷移アダプタ190、及び凝縮液トラップ200を含む。システム10はまた、患者にエーロゾルを送出するためのCPAPアダプタ310、エアフィルタ330(HEPAフィルタのような)、空気の供給源(CPAP)320、及び制御ユニット340を含むことができる。空気の供給源320は、好ましくは、望ましい空気流を達成するために適切なバルブ構成を備えた圧縮空気のタンクのような病院圧縮空気系統又は加圧空気供給源からのものである。
【0028】
一実施形態によれば、調製又は投与パケット350内に収容される肺表面活性剤のような液体材料又は液体製剤26は、最初にホットプレート/攪拌器300上でパケット350を加熱し、ポンプユニット50に送出するために製剤26を望ましい粘性(すなわち、高粘性の製剤)に液化することにより、患者に送出するために調製される。ポンプユニット50及びバルブアセンブリ60は、液体製剤がその中で少なくとも部分的に気化する毛細通路を備えたエーロゾル発生器(又はエーロゾル発生ユニット)90に製剤26を一定速度で連続的に供給する。加熱器ブロックは、毛細通路又は毛細管内の液体製剤を少なくとも部分的に揮発させてエーロゾル化するのに有効な温度範囲まで毛細通路を加熱する。エーロゾル発生器90はまた、好ましくは、空気の供給源が加熱器本体又はブロックによって加熱され、加熱又は加温された空気がエーロゾル発生器90によって生成されたエーロゾルと混ぜられるように配列された少なくとも1つの空気通路を含む。システム10が、毛細管の位置で又はその付近で発生した熱を使用する代わりに又はそれに追加して、毛細管から遠隔にある個別の空気加熱器の形態をした別の空気加熱器312を含むことは認めることができる。
【0029】
遷移アダプタ又はエーロゾル閉じ込め部材190は、エーロゾル発生器90及び毛細管によって生成されたエーロゾルを捕捉し、CPAPアダプタ310を通じて患者に送出するためにエーロゾルを流管内に誘導する。CPAPアダプタ310は、好ましくは、乳児の場合には、約35℃から38℃、より好ましくは、約37℃の温度で患者にエーロゾルを送出する。送出ホース又はチューブ104の長さを変えることにより、エーロゾルの送出温度は、適切な又は望ましい温度で送出されることは認めることができる。エーロゾル閉じ込め部材190は、好ましくは、エーロゾル発生ユニット90の毛細管に対して密封され、それによって外気が(遷移アダプタに送出された加熱空気と対照的に)エーロゾル発生器又は毛細管によって生成されたエーロゾルと混合することが防止される。遷移アダプタ又はエーロゾル閉じ込め部材190は、凝縮液収集デバイス又は排水管アセンブリに取り付けるようになった少なくとも1つのバッフル及び/又は下端部に排水ポートを有する凝縮液トラップ200を含むことができる。加熱された又は暖かい空気を製剤によって生成されたエーロゾルと混ぜることにより、システム10及びエーロゾル発生ユニット90から遠隔位置の患者にエーロゾルを送出することができる毛細管からの凝縮量が減少する。
【0030】
システム10は、好ましくは、薬剤送出用途では、肺深部に浸透することを促進するように2ミクロンよりも小さな平均質量メジアン粒径を有するエーロゾルを提供するようになっている。ある一定の薬剤送出用途では、例えば、毎秒約1ミリグラムを超える高い流量で薬剤を送出することも望ましい。液体製剤の供給源が、好ましくは、エーロゾルとして乳児の肺まで送出するようになった肺表面活性剤を収容することは認めることができる。
様々な実施形態を説明したが、当業者には明らかなように変形及び修正の手段に頼ることができることは理解されるものとする。そのような変形及び修正は、本明細書に添付の特許請求の視野及び範囲内と考えるものとする。
【符号の説明】
【0031】
50 ポンプユニット
90 エーロゾル発生器
100 流体要素
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体製剤が、毛細通路において少なくとも部分的に気化し、該毛細通路から排出されてエーロゾルを形成するエーロゾル発生器と、
前記エーロゾル発生器に液体製剤を供給するようになったポンプユニットと、
前記ポンプユニットと前記毛細通路の間に位置し、前記液体製剤が該毛細通路に入る時に該液体製剤の圧力を増大させる流体要素と、
を含むことを特徴とするエーロゾル発生システム。
【請求項2】
前記流体要素は、前記液体製剤が前記毛細通路に入る前に該液体製剤の粒子サイズを低減することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体要素は、前記毛細通路の詰まり及び/又は該毛細通路内の圧力スパイクを低減することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体要素は、管状部材であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記管状部材は、約100mmから300mm(4インチから12インチ)の長さを有することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記毛細通路は、毛細管であり、
前記管状部材の内径が、前記毛細管の内径よりも小さい、
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記流体要素は、コイル状管状要素であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コイル状管状要素は、螺旋形状を有することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記流体要素は、非線形チャンネルを有するプレート状要素であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体要素は、前記ポンプユニットと前記毛細通路の出口との間の圧力を毎秒20マイクロリットル(μl/s)の液体流量において約1MPaから7MPa(150psiから1000psi)だけ増大させることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記毛細通路は、該毛細通路の内径よりも小さいサイズの出口を有する毛細管であり、
前記液体製剤は、加熱器ブロックによって少なくとも部分的に気化される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
乳児の肺にエーロゾルとして送出するようになった肺表面活性剤を収容する液体製剤の供給源を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
エーロゾルを生成する方法であって、
毛細通路の入口での液体材料の圧力が少なくとも1000psiであるように、加熱した毛細通路に液体材料を供給する段階と、
前記加熱した毛細通路を用いてエーロゾルを発生させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
流量の増加した加熱エーロゾルを生成するために加熱空気を前記発生したエーロゾルと混ぜる段階を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記加熱エーロゾルを遠隔位置まで通路に沿って連通させる段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記液体材料は、約7.9MPaから10MPa(1150psiから1450psi)の圧力で前記毛細通路の前記入口に入ることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記液体材料は、前記毛細通路の前記入口に入る前にサイズの縮小した流体要素を通して送り出されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記液体材料は、前記毛細通路において少なくとも部分的に揮発し、該揮発した液体は、通路の長さに沿って均一な断面を有する該毛細通路の出口を通って出て、該出口は、前記入口よりも小さいことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記液体材料は、肺表面活性剤を含み、前記エーロゾルは、CPAP空気送出ラインに供給されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記液体材料は、毎秒18から22マイクロリットル(μl/s)の流量で前記毛細通路の前記入口に連続的に送り出されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記液体材料は、前記毛細通路の前記入口の直径よりも小さい内径を有する線形又は非線形通路を通して送り出されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項1】
液体製剤が、毛細通路において少なくとも部分的に気化し、該毛細通路から排出されてエーロゾルを形成するエーロゾル発生器と、
前記エーロゾル発生器に液体製剤を供給するようになったポンプユニットと、
前記ポンプユニットと前記毛細通路の間に位置し、前記液体製剤が該毛細通路に入る時に該液体製剤の圧力を増大させる流体要素と、
を含むことを特徴とするエーロゾル発生システム。
【請求項2】
前記流体要素は、前記液体製剤が前記毛細通路に入る前に該液体製剤の粒子サイズを低減することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記流体要素は、前記毛細通路の詰まり及び/又は該毛細通路内の圧力スパイクを低減することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体要素は、管状部材であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記管状部材は、約100mmから300mm(4インチから12インチ)の長さを有することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記毛細通路は、毛細管であり、
前記管状部材の内径が、前記毛細管の内径よりも小さい、
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記流体要素は、コイル状管状要素であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コイル状管状要素は、螺旋形状を有することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記流体要素は、非線形チャンネルを有するプレート状要素であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記流体要素は、前記ポンプユニットと前記毛細通路の出口との間の圧力を毎秒20マイクロリットル(μl/s)の液体流量において約1MPaから7MPa(150psiから1000psi)だけ増大させることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記毛細通路は、該毛細通路の内径よりも小さいサイズの出口を有する毛細管であり、
前記液体製剤は、加熱器ブロックによって少なくとも部分的に気化される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
乳児の肺にエーロゾルとして送出するようになった肺表面活性剤を収容する液体製剤の供給源を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
エーロゾルを生成する方法であって、
毛細通路の入口での液体材料の圧力が少なくとも1000psiであるように、加熱した毛細通路に液体材料を供給する段階と、
前記加熱した毛細通路を用いてエーロゾルを発生させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
流量の増加した加熱エーロゾルを生成するために加熱空気を前記発生したエーロゾルと混ぜる段階を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記加熱エーロゾルを遠隔位置まで通路に沿って連通させる段階を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記液体材料は、約7.9MPaから10MPa(1150psiから1450psi)の圧力で前記毛細通路の前記入口に入ることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記液体材料は、前記毛細通路の前記入口に入る前にサイズの縮小した流体要素を通して送り出されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記液体材料は、前記毛細通路において少なくとも部分的に揮発し、該揮発した液体は、通路の長さに沿って均一な断面を有する該毛細通路の出口を通って出て、該出口は、前記入口よりも小さいことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記液体材料は、肺表面活性剤を含み、前記エーロゾルは、CPAP空気送出ラインに供給されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記液体材料は、毎秒18から22マイクロリットル(μl/s)の流量で前記毛細通路の前記入口に連続的に送り出されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記液体材料は、前記毛細通路の前記入口の直径よりも小さい内径を有する線形又は非線形通路を通して送り出されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−540150(P2010−540150A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527568(P2010−527568)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003258
【国際公開番号】WO2009/044281
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003258
【国際公開番号】WO2009/044281
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
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