流動性測定装置及び流動性測定方法
【課題】比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能な流動性測定装置及び流動性測定方法を提供する。
【解決手段】粉粒体を収容する収容部材と、収容部材に設けられる排出口と、収容部材に振動を付与する振動器2、収容部材の振動の振幅を測定する振動測定器3、収容部材の排出口から排出される粉粒体の重量を測定する天秤装置4、振動器に対して所定の周波数及び振幅の振動を発生させる指令を行うと共に、振動測定器3と天秤装置4からのデータを取得し、単位時間あたりの粉粒体の流量データを演算するコンピューター5とからなり、コンピューター5は、一定周波数でかつ一定加速度の振動を振動器2で発生させて収容部材に振動を付与するように指令すると共に、振動測定器3と天秤装置4からのデータを取得し、単位時間あたりの粉粒体の流量データを演算し、演算された単位時間あたりの粉粒体の流量データから、粉粒体の流動性を評価。
【解決手段】粉粒体を収容する収容部材と、収容部材に設けられる排出口と、収容部材に振動を付与する振動器2、収容部材の振動の振幅を測定する振動測定器3、収容部材の排出口から排出される粉粒体の重量を測定する天秤装置4、振動器に対して所定の周波数及び振幅の振動を発生させる指令を行うと共に、振動測定器3と天秤装置4からのデータを取得し、単位時間あたりの粉粒体の流量データを演算するコンピューター5とからなり、コンピューター5は、一定周波数でかつ一定加速度の振動を振動器2で発生させて収容部材に振動を付与するように指令すると共に、振動測定器3と天秤装置4からのデータを取得し、単位時間あたりの粉粒体の流量データを演算し、演算された単位時間あたりの粉粒体の流量データから、粉粒体の流動性を評価。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレット成型する前段階におけるMOX原料などの粉粒体の流動性を測定・評価するための流動性測定装置及び流動性測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉サイクルの実用化研究開発を実施しており、高速増殖炉用MOX燃料製造技術として、簡素化ペレット法の研究開発を行っている。このような高速増殖炉用MOX燃料の製造においては、まず、使用済燃料再処理工程より受け入れた硝酸プルトニウム及び硝酸ウラニルの混合溶液をマイクロ波加熱脱硝によって、粉末状で平均粒子径がおよそサブミクロン〜ミクロンオーダー程度のPuO2及びUO3等の混合粉末を得る。次に、これを焙焼・還元によってPuO2及びUO2の混合粉末とし、さらに造粒することで平均粒子径およそ数100ミクロン程度のMOX原料粉末とする。
【0003】
上記のようにして得られたMOX原料粉末は、成型用金型に充填された上で、ペレットに成型されるが、成型用金型に充填する際のMOX原料粉末の流動性は、成型体の製造効率および品質に影響することが知られている。そこで、MOX原料粉末などの粉粒体の流動性を簡便かつ適格に評価する技術に対するニーズがあるが、このようなニーズに応える技術としては、例えば、特許文献1に記載された振動細管式の粉粒体流動性評価装置が知られている。
【特許文献1】WO2006/115145 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の流動性評価装置では、ホッパーに装填するサンプルの総量としては、およそ70g程度の粉末が必要となる。ところで、PuO2及びUO2などのMOX粉末は取り扱いが特に難しいので、流動性の評価を行う際においては、可能な限りMOX粉末のサンプル量を少量化し、少量サンプルによって測定を行いたい、というニーズがあった。しかしながら、従来技術の流動性評価装置では、サンプル量として70g程度の粉末を要するので、このようなニーズを満たすことが困難である、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定方法において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の粉粒体流動性測定方法において、前記粉粒体の流動性として、質量流量ならびに単位時間当たりの質量流量の変動分であることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の粉粒体流動性測定方法において、前記測定対象の粉粒体の所定量が5g以上であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定装置において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法によれば、比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る流動性測定装置の模式的な構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る流動性測定装置におけるコンピューター5による処理のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る流動性測定装置によって作成される単位時間あたりの流量(質量流量)の推移のグラフの例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る流動性測定装置を実証テストする上で利用したサンプルのリストである。
【図5】サンプル粉粒体の質量流量の加速度プロファイルを示す図である。
【図6】本実施形態に係る流動性測定装置における流量特性値の演算例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る流動性測定装置における流量平均値の演算例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る流動性測定装置における流量最大値の演算例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る流動性測定装置における排出完了時間の演算例を示す図である。
【図10】一定の振動加速度で振動させたときの、質量流量を測定したものである。
【図11】振動加速度を一定として、試料粒子を10gおよび20g装荷したときの質量流量の時間プロファイルを示す図である。
【図12】振動加速度を200m/s2一定としサンプルの装荷量を変化させたときの質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。
【図13】振動加速度を200m/s2一定としサンプルの装荷量を変化させたときの質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。
【図14】サンプル量の違い(5g、10g)による質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。
【図15】サンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)排出完了時間の変化を示す図である。
【図16】サンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)質量流量の変化を示す図である。
【図17】異なる加速度増加率におけるサンプルNo.1およびNo.3のプロファイルを示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係る流動性測定装置の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法について適宜図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る流動性測定装置の模式的な構成を示す図である。本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法は、粉粒体を収容する収容部材に振動を与え、この与えた振動の振幅と、与えた振動によって収容部材から排出された粉粒体の重量などに基づいて粉粒体の流動性を評価するための評価値を演算する装置・方法である。本実施形態に係る流動性測定装置は図1に示すように、主として、粉粒体流動部1と、振動器2と、レーザー振動測定器3と、電子天秤装置4と、演算装置であるコンピューター(演算装置)5とから構成されている。
【0012】
粉粒体流動部1は、管11と、この管11が略垂直(鉛直方向Gと略平行)となるように支持する水平ロッド12と、この水平ロッド12を支持するスタンド13とを備えて構成されている。
【0013】
管11は、粉流体を収容する収容部材であり、例えば、評価対象の粉流体を貯めるためのホッパー部111と、流動する粉粒体が通過する管部112とを備えてなる。ホッパー部111は、粉粒体を投入することができるように投入口1111が上端に開口しており、粉粒体を排出する排出口1112へ粉粒体がスムーズに流れるように投入口1111から排出口1112へ径が小さくなる漏斗形状となっている。管部112は、ホッパー部111の排出口1112に上方端の流入口1121が接続され、下方端に内径がより小さい細管部1122が形成されている。管11は、管部112の上方端で水平ロッド12に支持されている。
【0014】
振動器2は、コントローラー20からの制御信号に応じて所定の周波数及び(X−X方向の)振幅で、管11に振動を与える装置であり、振動を生成する振動器本体21と、この振動器本体21で生成した振動を伝達する振動伝達部材22とを備えている。振動器本体21は、例えば、電磁式バイブレーターや静電式バイブレーター、電歪式バイブレーター、振動モーターなどを適宜用いることができる。また、振動器本体21は、圧電素子を備えて構成される圧電発音式バイブレーターでもよい。圧電発音式バイブレーターでは、振動の振幅と周波数(振動数)とを独立に制御することができるので、周波数を予め設定された所定の周波数に固定しながら振幅を容易に連続的に変化させることができる利点がある。振動伝達部材22は、細管部1122が形成される側における管部112の下方端に接続され、振動器本体21で発生した振動が管11に伝搬される。
【0015】
レーザー振動測定器3は、管11の振幅を測定してその測定した振幅をコンピューター5に出力する装置であり、例えばレーザー振動測定器本体31と、プローブ32とからなる。レーザー振動測定器本体31は、プローブ32にレーザー光を排出口1123の近傍の細管部1122に集光して照射させると共にその反射光をレンズに通して光位置検出素子上にスポットを結ばせ、予め設定されたサンプリング間隔(例えば1秒毎)でその反射光のスポットの位置を検出し、三角測量の原理により対象物までの変位量を求めることにより振幅を演算し、その演算結果をコンピューター5に出力する。本実施形態では、粉粒体が排出される管11の排出口1123の近傍は、振動の開放端となることから、このようにレーザー振動測定器3は、管11の排出口1123の近傍における細管部1122の振幅を測定してその測定結果をコンピューター5に出力するように配置される。
【0016】
電子天秤装置4は、ホッパー部111から管部112を通過して排出された粉粒体の重量を測定してその測定した重量をコンピューター5に出力する装置である。電子天秤装置4は、重量を測定すべき測定対象を載せる秤量台41が管11の排出口1123の下方に配置される。そして、電子天秤装置4は、管部11から排出された粉粒体を秤量台41で受けて、予め設定された所定のサンプリング間隔(例えば1秒毎)でその重量を測定して、この測定した重量をデジタルでコンピューター5に出力する。
【0017】
コンピューター5は、振動器2が所望の振動の周波数及び振幅を与えるべく、コントローラー20に制御指令信号を発すると共に、レーザー振動測定器3で測定した振幅及び電子天秤装置4によって測定された重量に基づいて粉粒体の流動性を評価する評価値を演算する装置である。このようなコンピューター5としては、汎用のパーソナルコンピュータを用いることができる。先の評価値などの演算結果については、コンピューター5から信号に基づいて表示装置51が表示を行うようになっている。
【0018】
次に、以上のように構成される本発明の実施形態に係る流動性測定装置による粉粒体の
流動性に関する評価値を測定する方法について説明する。流動性測定装置で評価値を測定する場合は、ユーザーはまず、コンピューター5、レーザー振動測定器3及び電子天秤装置4を起動してコンピューター5に振動器2の振動の周波数をセットすると共に管11のホッパー部111に測定対象の粉粒体を投入口より投入することによって測定の準備を行う。そして、ユーザーはコンピューター5に測定開始を指示する。
【0019】
測定開始の指示を受けると、コンピューター5は、振動器2に所定の周波数及び振幅で所定時間だけ振動器2を振動させるようにコントローラー20に指令し、振動器2によって管11に振動を与える。また、振動器2の振動開始とほぼ同時に排出口1123に設けられたシャッター(不図示)が開き、粉粒体の排出が開始される。レーザー振動測定器3は所定のサンプリング間隔で管11の振動の振幅を測定し、この測定した管11の振幅をコンピューター5に出力する。また、電子天秤装置4は、所定のサンプリング間隔で排出された粉粒体の重量を測定し、この測定した粉粒体の重量をコンピューター5に出力する。レーザー振動測定器3及び電子天秤装置4から出力されたデータは、不図示のコンピューター5の記憶部などに記憶される。
【0020】
粉粒体の排出が終了すると、コンピューター5は上記記憶部に記憶したレーザー振動測定器3からの出力及び電子天秤装置4からの出力に基づいて、単位時間あたりの流量のグラフを作成し、この作成したグラフを表示装置51に出力する。
【0021】
次に、本発明の流動性測定装置が粉粒体の流動性を測定するときにおけるコンピューター5の処理動作について説明する。図2は本発明の実施形態に係る流動性測定装置におけるコンピューター5による処理のフローチャートを示す図である。
【0022】
上記のようにユーザーが、評価対象である粉粒体をホッパー部111にセットし、コンピューター5に測定開始を指示すると、コンピューター5はステップS100から測定を開始する。
【0023】
ステップS100で、コンピューター5によって測定処理が開始されると、続いて、ステップS101においては、振動器2により一定の周波数で一定の振幅加速度の振動が管11に付与されるように、コントローラー20に対して指令を行う。本実施形態における流動性測定装置では、一定の周波数としては280kHzを、また一定振幅加速度として200m/s2を採用した。
【0024】
続く、ステップS102では、レーザー振動測定器3によってサンプリングされた振幅データ、及び、電子天秤装置4によってサンプリングされた重量データを取得して、記憶部に記憶する。
【0025】
ステップS103では、測定が終了したか否かが判定される。測定の終了は、例えばユーザーによる測定終了指示や、あるいは電子天秤装置4でサンプリングされる重量データが0となったことで判定される。ステップS103における判定の結果がYESであるときには、ステップS104に進み、NOであるときには再びステップS101に戻りループする。
【0026】
ステップS104では、コンピューター5は、取得された電子天秤装置4の重量データに基づいて、単位時間あたりの流量の推移のグラフを作成し、ステップS105では、粉粒体の流動性を評価する評価値を演算して、ステップS106で測定処理を終了する。
【0027】
上記ステップS104及びステップS105についてより詳細に説明する。ステップS104によって作成される単位時間あたりの流量(質量流量)の推移のグラフの例を図3
に示す。コンピューター5は、取得された電子天秤装置4の重量データに基づいて、流量データとして(時間、質量流量)形式のデータセットである(D0,D1,D3,・・・D14,D15)を演算する。このようなデータセットに基づいてコンピューター5は図3に示
すようなグラフを作成して表示装置51に表示する。
【0028】
ここで、図3のデータを取得する上で利用したサンプルのプロファイルについて説明す
る。図4は本発明の実施形態に係る流動性測定装置を実証テストする上で利用したサンプル粉粒体のリストである。また、図5はサンプル粉粒体の質量流量の加速度プロファイルを示す図である。このような粉粒体の質量流量の加速度プロファイルは従来の技術によって取得されたものであり、その取得のための方法などの詳細については特許文献1に開示されている。
【0029】
次に、ステップS105についてより詳細に説明する。ステップS105では、粉粒体の流動性を評価する評価値が演算されるが、このような評価値は流量データとして演算されたデータセット(D0,D1,D3,・・・D14,D15)から演算される。
【0030】
本実施形態に係る流動性測定装置では、粉粒体の流動性を評価するための評価値として(1)流量特性値、(2)流量平均値、(3)流量最大値、(4)排出完了時間の4つのパラーメーターを演算するものであり、以下それぞれの評価値の演算方法について説明する。
【0031】
図6は本実施形態に係る流動性測定装置における流量特性値の演算例を示す図である。流動性測定装置による測定開始の直後の流量データ及び測定終了直前の流量データは、サンプル粉粒体の流量特性を適正に反映しないしていないことが推定される。そこで、例えば、最初の2つの流量データと、最後の2つのデータを除外し、(D3,D4,D5,・・
・D12,D13)のデータセットを得て、これらの(D3,D4,D5,・・・D12,D13)
のデータセットから1次回帰線Lを求める。流動性測定装置で演算される評価値の(1)流量特性値は、この1次回帰線LとY軸との交点(図示矢印の点)の質量流量値として求めるものである。なお、この例では、最初の2つの流量データと、最後の2つの流量データとを除外して選択したデータセットに基づいて1次回帰線Lを求めるようにしたが、どのような基準に基づいて流量データを選択するかはこのような例に限定されるものではない。
【0032】
図7は本実施形態に係る流動性測定装置における流量平均値の演算例を示す図である。流動性測定装置による測定開始の直後の流量データ及び測定終了直前の流量データは、サンプル粉粒体の流量特性を適正に反映しないしていないことが推定される。そこで、例えば、最初の2つの流量データと、最後の2つのデータを除外し、(D3,D4,D5,・・
・D12,D13)のデータセットを得て、これらの(D3,D4,D5,・・・D12,D13)
のデータセットから平均値を求める。流動性測定装置で演算される評価値の(2)流量平均値は、上記のように選択された流量データ(D3,D4,D5,・・・D12,D13)から
求められた平均値である。なお、この例でも、最初の2つの流量データと、最後の2つの流量データとを除外して選択したデータセットに基づいて平均値を求めるようにしたが、どのような基準に基づいて流量データを選択するかはこのような例に限定されるものではない。
【0033】
図8は本実施形態に係る流動性測定装置における流量最大値の演算例を示す図である。流動性測定装置で演算される評価値の(3)流量最大値は、流量データのデータセット(D0,D1,D3,・・・D14,D15)から求められた最大値(この例では、D12のときの
質量流量値)である。
【0034】
図9は本実施形態に係る流動性測定装置における排出完了時間の演算例を示す図である。流動性測定装置で演算される評価値の(4)排出完了時間は、流量データのデータセット(D0,D1,D3,・・・D14,D15)のうち、流量データが0となる最後の流量デー
タの時間(この例では、D15のときの時間)である。
【0035】
以上のような本実施形態に係る流動性測定装置では、管11に収容する評価対象の粉流体の総量としては5g以上あれば測定可能であり、上記の(1)流量特性値、(2)流量平均値、(3)流量最大値、(4)排出完了時間の各値を求めることが可能であること実験により確認することができた。
【0036】
従来技術の流動性評価装置では、ホッパーに装填するサンプルの総量としては、およそ70g程度の粉粒体が必要であったが、上記のような本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法によれば、5g程度の比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能となる。
【0037】
次に、以上のような本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法においては、5g程度の比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能であることを実証したので以下説明する。
【0038】
図10は管11に十分な量のサンプルを入れ、一定の振動加速度で振動させたときの、質量流量の時間安定性を測定したものである。図10によれば、一定の振動加速度で振動させたときの質量流量データは安定して取得することが可能であることがわかる。
【0039】
振動加速度を200m/s2に固定し、管11に試料粒子を10gおよび20g装荷し
たときのサンプルNo.3の質量流量の時間プロファイルを図11に示す。なお,サンプルNo.3を通常の手法で測定するために、約70gの試料が必要である。質量流量の時間プロファイルは測定開始とともに急激に増加し、2秒経過した後は緩やかに増加し,やがて急激に減少する傾向がある。プロファイルが急激に減少するのは,細管に装荷した試料が無くなったためである。同一条件において5回の測定を行っているが、プロファイルは,ほぼ重なっており、測定結果の再現性は高いことがわかる。
【0040】
振動加速度を200m/s2に固定し、管11へのサンプルの装荷量を20g、10g
、5g、3gと減少させたときの、サンプルNo.3の質量流量の時間プロファイルの変化を図12に示す。サンプルの装荷量が5g以上においては、測定開始から2秒までのプロファイルは重なっているが、その後は、一定あるいは微増した後、細管内のサンプルが無くなると、プロファイルは急激に減少する傾向がある。サンプルの装荷量を3gに減少させると、測定開始後2秒以下でも、他の装荷量のプロファイルと重ならなくなる。したがって、装荷量が5g以上であれば、測定開始直後のプロファイルに着目することにより、流動性を測定できる可能性があることがわかった。
【0041】
振動加速度を200m/s2に固定し、管11へのサンプルの装荷量を20g、10g
、5g、3gと減少させたときの、サンプルNo.1、No.2、No.4、No.5の質量流量の時間プロファイルの変化を図13に示す。図13(A)はサンプルNo.1のものを示し、図13(B)はサンプルNo.2のものを示し、図13(C)はサンプルNo.4のものを示し、図13(D)はサンプルNo.5のものを示している。図13を見ると、No.4(C)やNo.5(D)のような微粒子の割合が多いサンプルでは、プロファイルに脈動が現れることがわかる。また、微粒子の混合割合が増加すると、流動性が低下するため、質量流量の最大値が減少するとともに、同じサンプルを排出するのに要する時間が長くなる傾向がある。
【0042】
図14はサンプル量の違い(5g、10g)による質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。図14を参照すると、サンプルの量が5g程度でも、サンプルごとのプロファイルの違いを明確に識別できることがわかる。
【0043】
図15はサンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)排出完了時間の変化を示す図である。図15に示す用に、微粒子の割合が多いほど、流動性が低くなり、同量のサンプルを排出完了するための時間が増加する。
【0044】
図16はサンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)質量流量の変化を示す図である。図16に示すように、微粒子の割合が多いほど、質量流量の定常部の平均値が減少する傾向がある。
【0045】
以上のデータが示すように、従来技術の流動性評価装置では、ホッパーに装填するサンプルの総量としては、およそ70g程度の粉粒体が必要であったが、本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法によれば、5g程度の比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能となる。
【0046】
なお、少量の試料で流動性を測定する方法としては、振動加速度の増加率を大きくして、できるだけ短時間で、質量流量の加速度プロファイルを測定する方法も考えられる。従来技術における測定条件(加速度増加率3.0m/s3)、および加速度の増加率を大き
くした条件(加速度増加率8.3m/s3)における、サンプルNo.1およびNo.3
のプロファイルを図17に示す。加速度増加率を大きくしても、それぞれのプロファイルの基本的な特徴に大きな変化は無いため、加速度増加率を大きくしても、流動性測定が可能であることがわかった。
【0047】
ここで測定サンプルが5gについて、さらに考察する。
図12で、サンプルNo.3の振動加速度200m/s2における質量流量の時間プロフ
ァイルを、単位時間当りの質量流量の変動として分析すると表1に示すようになる。
【0048】
【表1】
表1は、測定時間(s)と、測定時間(s)における質量流量(g/s)をAとし、単
位時間当たりの質量流量の変化分(g/s2)をBとし、さらに、単位時間当たりの質量
流量の変化分B/質量流量AをCとして表したものである。
【0049】
表1によると、測定総量が3gの場合、測定経過時間が1、2、3秒と経過するに伴って、質量流量Aは、0.72、1.25、1.31g/sと変化する。単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.72、0.53、0.06g/s2と変化し、その後に測定
総量が無くなる。
【0050】
測定総量が5gの場合は、測定経過時間3秒で、質量流量Aは、1.78g/s、単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.03g/s2となり、その後に測定総量が無く
なる。
【0051】
さらに、測定総量10gについては、測定経過時間6秒で、単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.03g/s2となり、その後に測定総量が無くなる。
【0052】
測定総量20gについては、測定経過時間4秒で、単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.03g/s2となるが、その後、測定総量が総て完了するまで、単位時間当た
りの質量流量の変化分Bは、ほぼ一定の状態で推移する。
【0053】
このことから、単位時間当たりの質量流量の変化分B/質量流量AによりCを逐次演算し、かつ、このCが質量流量の所定範囲内、例えば、5%以内等の基準値によって判断し、基準値の範囲内であると判断することで、測定を完了しても良いか否かの判断をすることができる。
【0054】
表1の結果では、3gの測定総量では、Cの値が所定範囲外であり、かつ、収束せず、測定総量不足の状態である。5gでは、測定時間が3秒経過によって測定が完了する。同様に、10gでは測定時間が6秒、20gでは、測定時間が4秒経過後に測定が完了することを表している。10gと20gが逆転しているのは、測定時のサンプルのバラツキと判断されるが、少なくとも、5g以上の測定総量であると正確な測定ができる。
【0055】
以上の結果を反映した別の実施例として、次のように実施することができる。
すなわち、図18に示すフローチャートの一例のように、図2において測定時間経過毎に取得する「レーザー振動測定器、電子天秤装置によるサンプリングデータ」を基に、データ入手の都度、前記の質量流量Aと、単位時間当たりの質量流量の変化分Bと、さらに、単位時間当たりの質量流量の変化分B/質量流量Aとから演算Cの値を演算して、この演算Cが、所定範囲内、例えば、基準値(C)の5%以内にあるかどうかの判定を行うことで、正確な流動性測定が実現できる。
【0056】
具体的には、測定開始前にコンピューター入力装置から質量流量の所定範囲を基準値(C)として百分率で指定し、測定を開始する(ステップS201、S202)。その後、測定対象物が終了したかの確認(ステップS203)を行い、測定対象物が終了(流動がない状態)の場合には、(2)の測定終了処理として、正常に測定終了ではない旨の表示と計測結果の表示とを行なう(ステップS210)。
【0057】
ステップS203で,測定対象物が終了ではない場合には、測定経過時間と、電子天秤装置S204から流動質量流量(A)を入手する(ステップS205)。その後、前に測定した質量流量(A’)と今回入手の質量流量(A)とから、単位時間当たりの流動質量流量の変化分(B)を演算する(ステップS206)。次に、この演算した質量流量(A)、単位時間当たりの流動質量流量の変化分(B)の値から演算(C)を演算する(S207)。
【0058】
この演算(C)が、予め設定した基準値(C)と比較することで、測定が安定したかの確認を行なう(S208)。基準値(C)<演算(C)の場合は、ステップS203に戻り、次の時間帯の測定データ取り込みのための処理を行なう。
【0059】
基準値(C)≧演算(C)の場合には、測定が安定したと看做し、(1)測定終了処理として、正常に測定が終了した旨の表示と計測結果の表示とを行なう(ステップS210)。
【0060】
ここで、図13の(C)(D)の例のように、予め測定データが不安定と予想される場合には、ステップS202において、前記基準値(C)の到達回数の基準値を入力しておき、ステップS209として、演算(C)が基準値(C)に到達するのが基準値回数に達したかの確認を行なうステップを加えることで不安定な測定にも対応することができる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・粉粒体流動部、11・・・管、111・・・ホッパー部、1111・・・投入口、1112・・・排出口、1121・・・流入口、1122・・・細管部、1123・・・排出口、112・・・管部、12・・・水平ロッド、13・・・スタンド、2・・・振動器、20・・・コントローラー、21・・・振動器本体、22・・・振動伝達部材、3・・・レーザー振動測定器、31・・・レーザー振動測定器本体、32・・・プローブ、4・・・電子天秤装置、41・・・秤量台、5・・・コンピューター、51・・・表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレット成型する前段階におけるMOX原料などの粉粒体の流動性を測定・評価するための流動性測定装置及び流動性測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉サイクルの実用化研究開発を実施しており、高速増殖炉用MOX燃料製造技術として、簡素化ペレット法の研究開発を行っている。このような高速増殖炉用MOX燃料の製造においては、まず、使用済燃料再処理工程より受け入れた硝酸プルトニウム及び硝酸ウラニルの混合溶液をマイクロ波加熱脱硝によって、粉末状で平均粒子径がおよそサブミクロン〜ミクロンオーダー程度のPuO2及びUO3等の混合粉末を得る。次に、これを焙焼・還元によってPuO2及びUO2の混合粉末とし、さらに造粒することで平均粒子径およそ数100ミクロン程度のMOX原料粉末とする。
【0003】
上記のようにして得られたMOX原料粉末は、成型用金型に充填された上で、ペレットに成型されるが、成型用金型に充填する際のMOX原料粉末の流動性は、成型体の製造効率および品質に影響することが知られている。そこで、MOX原料粉末などの粉粒体の流動性を簡便かつ適格に評価する技術に対するニーズがあるが、このようなニーズに応える技術としては、例えば、特許文献1に記載された振動細管式の粉粒体流動性評価装置が知られている。
【特許文献1】WO2006/115145 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の流動性評価装置では、ホッパーに装填するサンプルの総量としては、およそ70g程度の粉末が必要となる。ところで、PuO2及びUO2などのMOX粉末は取り扱いが特に難しいので、流動性の評価を行う際においては、可能な限りMOX粉末のサンプル量を少量化し、少量サンプルによって測定を行いたい、というニーズがあった。しかしながら、従来技術の流動性評価装置では、サンプル量として70g程度の粉末を要するので、このようなニーズを満たすことが困難である、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定方法において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の粉粒体流動性測定方法において、前記粉粒体の流動性として、質量流量ならびに単位時間当たりの質量流量の変動分であることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の粉粒体流動性測定方法において、前記測定対象の粉粒体の所定量が5g以上であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定装置において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法によれば、比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る流動性測定装置の模式的な構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る流動性測定装置におけるコンピューター5による処理のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る流動性測定装置によって作成される単位時間あたりの流量(質量流量)の推移のグラフの例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る流動性測定装置を実証テストする上で利用したサンプルのリストである。
【図5】サンプル粉粒体の質量流量の加速度プロファイルを示す図である。
【図6】本実施形態に係る流動性測定装置における流量特性値の演算例を示す図である。
【図7】本実施形態に係る流動性測定装置における流量平均値の演算例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る流動性測定装置における流量最大値の演算例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る流動性測定装置における排出完了時間の演算例を示す図である。
【図10】一定の振動加速度で振動させたときの、質量流量を測定したものである。
【図11】振動加速度を一定として、試料粒子を10gおよび20g装荷したときの質量流量の時間プロファイルを示す図である。
【図12】振動加速度を200m/s2一定としサンプルの装荷量を変化させたときの質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。
【図13】振動加速度を200m/s2一定としサンプルの装荷量を変化させたときの質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。
【図14】サンプル量の違い(5g、10g)による質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。
【図15】サンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)排出完了時間の変化を示す図である。
【図16】サンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)質量流量の変化を示す図である。
【図17】異なる加速度増加率におけるサンプルNo.1およびNo.3のプロファイルを示す図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係る流動性測定装置の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法について適宜図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る流動性測定装置の模式的な構成を示す図である。本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法は、粉粒体を収容する収容部材に振動を与え、この与えた振動の振幅と、与えた振動によって収容部材から排出された粉粒体の重量などに基づいて粉粒体の流動性を評価するための評価値を演算する装置・方法である。本実施形態に係る流動性測定装置は図1に示すように、主として、粉粒体流動部1と、振動器2と、レーザー振動測定器3と、電子天秤装置4と、演算装置であるコンピューター(演算装置)5とから構成されている。
【0012】
粉粒体流動部1は、管11と、この管11が略垂直(鉛直方向Gと略平行)となるように支持する水平ロッド12と、この水平ロッド12を支持するスタンド13とを備えて構成されている。
【0013】
管11は、粉流体を収容する収容部材であり、例えば、評価対象の粉流体を貯めるためのホッパー部111と、流動する粉粒体が通過する管部112とを備えてなる。ホッパー部111は、粉粒体を投入することができるように投入口1111が上端に開口しており、粉粒体を排出する排出口1112へ粉粒体がスムーズに流れるように投入口1111から排出口1112へ径が小さくなる漏斗形状となっている。管部112は、ホッパー部111の排出口1112に上方端の流入口1121が接続され、下方端に内径がより小さい細管部1122が形成されている。管11は、管部112の上方端で水平ロッド12に支持されている。
【0014】
振動器2は、コントローラー20からの制御信号に応じて所定の周波数及び(X−X方向の)振幅で、管11に振動を与える装置であり、振動を生成する振動器本体21と、この振動器本体21で生成した振動を伝達する振動伝達部材22とを備えている。振動器本体21は、例えば、電磁式バイブレーターや静電式バイブレーター、電歪式バイブレーター、振動モーターなどを適宜用いることができる。また、振動器本体21は、圧電素子を備えて構成される圧電発音式バイブレーターでもよい。圧電発音式バイブレーターでは、振動の振幅と周波数(振動数)とを独立に制御することができるので、周波数を予め設定された所定の周波数に固定しながら振幅を容易に連続的に変化させることができる利点がある。振動伝達部材22は、細管部1122が形成される側における管部112の下方端に接続され、振動器本体21で発生した振動が管11に伝搬される。
【0015】
レーザー振動測定器3は、管11の振幅を測定してその測定した振幅をコンピューター5に出力する装置であり、例えばレーザー振動測定器本体31と、プローブ32とからなる。レーザー振動測定器本体31は、プローブ32にレーザー光を排出口1123の近傍の細管部1122に集光して照射させると共にその反射光をレンズに通して光位置検出素子上にスポットを結ばせ、予め設定されたサンプリング間隔(例えば1秒毎)でその反射光のスポットの位置を検出し、三角測量の原理により対象物までの変位量を求めることにより振幅を演算し、その演算結果をコンピューター5に出力する。本実施形態では、粉粒体が排出される管11の排出口1123の近傍は、振動の開放端となることから、このようにレーザー振動測定器3は、管11の排出口1123の近傍における細管部1122の振幅を測定してその測定結果をコンピューター5に出力するように配置される。
【0016】
電子天秤装置4は、ホッパー部111から管部112を通過して排出された粉粒体の重量を測定してその測定した重量をコンピューター5に出力する装置である。電子天秤装置4は、重量を測定すべき測定対象を載せる秤量台41が管11の排出口1123の下方に配置される。そして、電子天秤装置4は、管部11から排出された粉粒体を秤量台41で受けて、予め設定された所定のサンプリング間隔(例えば1秒毎)でその重量を測定して、この測定した重量をデジタルでコンピューター5に出力する。
【0017】
コンピューター5は、振動器2が所望の振動の周波数及び振幅を与えるべく、コントローラー20に制御指令信号を発すると共に、レーザー振動測定器3で測定した振幅及び電子天秤装置4によって測定された重量に基づいて粉粒体の流動性を評価する評価値を演算する装置である。このようなコンピューター5としては、汎用のパーソナルコンピュータを用いることができる。先の評価値などの演算結果については、コンピューター5から信号に基づいて表示装置51が表示を行うようになっている。
【0018】
次に、以上のように構成される本発明の実施形態に係る流動性測定装置による粉粒体の
流動性に関する評価値を測定する方法について説明する。流動性測定装置で評価値を測定する場合は、ユーザーはまず、コンピューター5、レーザー振動測定器3及び電子天秤装置4を起動してコンピューター5に振動器2の振動の周波数をセットすると共に管11のホッパー部111に測定対象の粉粒体を投入口より投入することによって測定の準備を行う。そして、ユーザーはコンピューター5に測定開始を指示する。
【0019】
測定開始の指示を受けると、コンピューター5は、振動器2に所定の周波数及び振幅で所定時間だけ振動器2を振動させるようにコントローラー20に指令し、振動器2によって管11に振動を与える。また、振動器2の振動開始とほぼ同時に排出口1123に設けられたシャッター(不図示)が開き、粉粒体の排出が開始される。レーザー振動測定器3は所定のサンプリング間隔で管11の振動の振幅を測定し、この測定した管11の振幅をコンピューター5に出力する。また、電子天秤装置4は、所定のサンプリング間隔で排出された粉粒体の重量を測定し、この測定した粉粒体の重量をコンピューター5に出力する。レーザー振動測定器3及び電子天秤装置4から出力されたデータは、不図示のコンピューター5の記憶部などに記憶される。
【0020】
粉粒体の排出が終了すると、コンピューター5は上記記憶部に記憶したレーザー振動測定器3からの出力及び電子天秤装置4からの出力に基づいて、単位時間あたりの流量のグラフを作成し、この作成したグラフを表示装置51に出力する。
【0021】
次に、本発明の流動性測定装置が粉粒体の流動性を測定するときにおけるコンピューター5の処理動作について説明する。図2は本発明の実施形態に係る流動性測定装置におけるコンピューター5による処理のフローチャートを示す図である。
【0022】
上記のようにユーザーが、評価対象である粉粒体をホッパー部111にセットし、コンピューター5に測定開始を指示すると、コンピューター5はステップS100から測定を開始する。
【0023】
ステップS100で、コンピューター5によって測定処理が開始されると、続いて、ステップS101においては、振動器2により一定の周波数で一定の振幅加速度の振動が管11に付与されるように、コントローラー20に対して指令を行う。本実施形態における流動性測定装置では、一定の周波数としては280kHzを、また一定振幅加速度として200m/s2を採用した。
【0024】
続く、ステップS102では、レーザー振動測定器3によってサンプリングされた振幅データ、及び、電子天秤装置4によってサンプリングされた重量データを取得して、記憶部に記憶する。
【0025】
ステップS103では、測定が終了したか否かが判定される。測定の終了は、例えばユーザーによる測定終了指示や、あるいは電子天秤装置4でサンプリングされる重量データが0となったことで判定される。ステップS103における判定の結果がYESであるときには、ステップS104に進み、NOであるときには再びステップS101に戻りループする。
【0026】
ステップS104では、コンピューター5は、取得された電子天秤装置4の重量データに基づいて、単位時間あたりの流量の推移のグラフを作成し、ステップS105では、粉粒体の流動性を評価する評価値を演算して、ステップS106で測定処理を終了する。
【0027】
上記ステップS104及びステップS105についてより詳細に説明する。ステップS104によって作成される単位時間あたりの流量(質量流量)の推移のグラフの例を図3
に示す。コンピューター5は、取得された電子天秤装置4の重量データに基づいて、流量データとして(時間、質量流量)形式のデータセットである(D0,D1,D3,・・・D14,D15)を演算する。このようなデータセットに基づいてコンピューター5は図3に示
すようなグラフを作成して表示装置51に表示する。
【0028】
ここで、図3のデータを取得する上で利用したサンプルのプロファイルについて説明す
る。図4は本発明の実施形態に係る流動性測定装置を実証テストする上で利用したサンプル粉粒体のリストである。また、図5はサンプル粉粒体の質量流量の加速度プロファイルを示す図である。このような粉粒体の質量流量の加速度プロファイルは従来の技術によって取得されたものであり、その取得のための方法などの詳細については特許文献1に開示されている。
【0029】
次に、ステップS105についてより詳細に説明する。ステップS105では、粉粒体の流動性を評価する評価値が演算されるが、このような評価値は流量データとして演算されたデータセット(D0,D1,D3,・・・D14,D15)から演算される。
【0030】
本実施形態に係る流動性測定装置では、粉粒体の流動性を評価するための評価値として(1)流量特性値、(2)流量平均値、(3)流量最大値、(4)排出完了時間の4つのパラーメーターを演算するものであり、以下それぞれの評価値の演算方法について説明する。
【0031】
図6は本実施形態に係る流動性測定装置における流量特性値の演算例を示す図である。流動性測定装置による測定開始の直後の流量データ及び測定終了直前の流量データは、サンプル粉粒体の流量特性を適正に反映しないしていないことが推定される。そこで、例えば、最初の2つの流量データと、最後の2つのデータを除外し、(D3,D4,D5,・・
・D12,D13)のデータセットを得て、これらの(D3,D4,D5,・・・D12,D13)
のデータセットから1次回帰線Lを求める。流動性測定装置で演算される評価値の(1)流量特性値は、この1次回帰線LとY軸との交点(図示矢印の点)の質量流量値として求めるものである。なお、この例では、最初の2つの流量データと、最後の2つの流量データとを除外して選択したデータセットに基づいて1次回帰線Lを求めるようにしたが、どのような基準に基づいて流量データを選択するかはこのような例に限定されるものではない。
【0032】
図7は本実施形態に係る流動性測定装置における流量平均値の演算例を示す図である。流動性測定装置による測定開始の直後の流量データ及び測定終了直前の流量データは、サンプル粉粒体の流量特性を適正に反映しないしていないことが推定される。そこで、例えば、最初の2つの流量データと、最後の2つのデータを除外し、(D3,D4,D5,・・
・D12,D13)のデータセットを得て、これらの(D3,D4,D5,・・・D12,D13)
のデータセットから平均値を求める。流動性測定装置で演算される評価値の(2)流量平均値は、上記のように選択された流量データ(D3,D4,D5,・・・D12,D13)から
求められた平均値である。なお、この例でも、最初の2つの流量データと、最後の2つの流量データとを除外して選択したデータセットに基づいて平均値を求めるようにしたが、どのような基準に基づいて流量データを選択するかはこのような例に限定されるものではない。
【0033】
図8は本実施形態に係る流動性測定装置における流量最大値の演算例を示す図である。流動性測定装置で演算される評価値の(3)流量最大値は、流量データのデータセット(D0,D1,D3,・・・D14,D15)から求められた最大値(この例では、D12のときの
質量流量値)である。
【0034】
図9は本実施形態に係る流動性測定装置における排出完了時間の演算例を示す図である。流動性測定装置で演算される評価値の(4)排出完了時間は、流量データのデータセット(D0,D1,D3,・・・D14,D15)のうち、流量データが0となる最後の流量デー
タの時間(この例では、D15のときの時間)である。
【0035】
以上のような本実施形態に係る流動性測定装置では、管11に収容する評価対象の粉流体の総量としては5g以上あれば測定可能であり、上記の(1)流量特性値、(2)流量平均値、(3)流量最大値、(4)排出完了時間の各値を求めることが可能であること実験により確認することができた。
【0036】
従来技術の流動性評価装置では、ホッパーに装填するサンプルの総量としては、およそ70g程度の粉粒体が必要であったが、上記のような本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法によれば、5g程度の比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能となる。
【0037】
次に、以上のような本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法においては、5g程度の比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能であることを実証したので以下説明する。
【0038】
図10は管11に十分な量のサンプルを入れ、一定の振動加速度で振動させたときの、質量流量の時間安定性を測定したものである。図10によれば、一定の振動加速度で振動させたときの質量流量データは安定して取得することが可能であることがわかる。
【0039】
振動加速度を200m/s2に固定し、管11に試料粒子を10gおよび20g装荷し
たときのサンプルNo.3の質量流量の時間プロファイルを図11に示す。なお,サンプルNo.3を通常の手法で測定するために、約70gの試料が必要である。質量流量の時間プロファイルは測定開始とともに急激に増加し、2秒経過した後は緩やかに増加し,やがて急激に減少する傾向がある。プロファイルが急激に減少するのは,細管に装荷した試料が無くなったためである。同一条件において5回の測定を行っているが、プロファイルは,ほぼ重なっており、測定結果の再現性は高いことがわかる。
【0040】
振動加速度を200m/s2に固定し、管11へのサンプルの装荷量を20g、10g
、5g、3gと減少させたときの、サンプルNo.3の質量流量の時間プロファイルの変化を図12に示す。サンプルの装荷量が5g以上においては、測定開始から2秒までのプロファイルは重なっているが、その後は、一定あるいは微増した後、細管内のサンプルが無くなると、プロファイルは急激に減少する傾向がある。サンプルの装荷量を3gに減少させると、測定開始後2秒以下でも、他の装荷量のプロファイルと重ならなくなる。したがって、装荷量が5g以上であれば、測定開始直後のプロファイルに着目することにより、流動性を測定できる可能性があることがわかった。
【0041】
振動加速度を200m/s2に固定し、管11へのサンプルの装荷量を20g、10g
、5g、3gと減少させたときの、サンプルNo.1、No.2、No.4、No.5の質量流量の時間プロファイルの変化を図13に示す。図13(A)はサンプルNo.1のものを示し、図13(B)はサンプルNo.2のものを示し、図13(C)はサンプルNo.4のものを示し、図13(D)はサンプルNo.5のものを示している。図13を見ると、No.4(C)やNo.5(D)のような微粒子の割合が多いサンプルでは、プロファイルに脈動が現れることがわかる。また、微粒子の混合割合が増加すると、流動性が低下するため、質量流量の最大値が減少するとともに、同じサンプルを排出するのに要する時間が長くなる傾向がある。
【0042】
図14はサンプル量の違い(5g、10g)による質量流量の時間プロファイルの変化を示す図である。図14を参照すると、サンプルの量が5g程度でも、サンプルごとのプロファイルの違いを明確に識別できることがわかる。
【0043】
図15はサンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)排出完了時間の変化を示す図である。図15に示す用に、微粒子の割合が多いほど、流動性が低くなり、同量のサンプルを排出完了するための時間が増加する。
【0044】
図16はサンプルの違いによる(微粒子の混合割合の違いによる)質量流量の変化を示す図である。図16に示すように、微粒子の割合が多いほど、質量流量の定常部の平均値が減少する傾向がある。
【0045】
以上のデータが示すように、従来技術の流動性評価装置では、ホッパーに装填するサンプルの総量としては、およそ70g程度の粉粒体が必要であったが、本発明の流動性測定装置及び流動性測定方法によれば、5g程度の比較的少量のサンプルによって粉粒体の流動性の評価を行うことが可能となる。
【0046】
なお、少量の試料で流動性を測定する方法としては、振動加速度の増加率を大きくして、できるだけ短時間で、質量流量の加速度プロファイルを測定する方法も考えられる。従来技術における測定条件(加速度増加率3.0m/s3)、および加速度の増加率を大き
くした条件(加速度増加率8.3m/s3)における、サンプルNo.1およびNo.3
のプロファイルを図17に示す。加速度増加率を大きくしても、それぞれのプロファイルの基本的な特徴に大きな変化は無いため、加速度増加率を大きくしても、流動性測定が可能であることがわかった。
【0047】
ここで測定サンプルが5gについて、さらに考察する。
図12で、サンプルNo.3の振動加速度200m/s2における質量流量の時間プロフ
ァイルを、単位時間当りの質量流量の変動として分析すると表1に示すようになる。
【0048】
【表1】
表1は、測定時間(s)と、測定時間(s)における質量流量(g/s)をAとし、単
位時間当たりの質量流量の変化分(g/s2)をBとし、さらに、単位時間当たりの質量
流量の変化分B/質量流量AをCとして表したものである。
【0049】
表1によると、測定総量が3gの場合、測定経過時間が1、2、3秒と経過するに伴って、質量流量Aは、0.72、1.25、1.31g/sと変化する。単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.72、0.53、0.06g/s2と変化し、その後に測定
総量が無くなる。
【0050】
測定総量が5gの場合は、測定経過時間3秒で、質量流量Aは、1.78g/s、単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.03g/s2となり、その後に測定総量が無く
なる。
【0051】
さらに、測定総量10gについては、測定経過時間6秒で、単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.03g/s2となり、その後に測定総量が無くなる。
【0052】
測定総量20gについては、測定経過時間4秒で、単位時間当たりの質量流量の変化分Bは、0.03g/s2となるが、その後、測定総量が総て完了するまで、単位時間当た
りの質量流量の変化分Bは、ほぼ一定の状態で推移する。
【0053】
このことから、単位時間当たりの質量流量の変化分B/質量流量AによりCを逐次演算し、かつ、このCが質量流量の所定範囲内、例えば、5%以内等の基準値によって判断し、基準値の範囲内であると判断することで、測定を完了しても良いか否かの判断をすることができる。
【0054】
表1の結果では、3gの測定総量では、Cの値が所定範囲外であり、かつ、収束せず、測定総量不足の状態である。5gでは、測定時間が3秒経過によって測定が完了する。同様に、10gでは測定時間が6秒、20gでは、測定時間が4秒経過後に測定が完了することを表している。10gと20gが逆転しているのは、測定時のサンプルのバラツキと判断されるが、少なくとも、5g以上の測定総量であると正確な測定ができる。
【0055】
以上の結果を反映した別の実施例として、次のように実施することができる。
すなわち、図18に示すフローチャートの一例のように、図2において測定時間経過毎に取得する「レーザー振動測定器、電子天秤装置によるサンプリングデータ」を基に、データ入手の都度、前記の質量流量Aと、単位時間当たりの質量流量の変化分Bと、さらに、単位時間当たりの質量流量の変化分B/質量流量Aとから演算Cの値を演算して、この演算Cが、所定範囲内、例えば、基準値(C)の5%以内にあるかどうかの判定を行うことで、正確な流動性測定が実現できる。
【0056】
具体的には、測定開始前にコンピューター入力装置から質量流量の所定範囲を基準値(C)として百分率で指定し、測定を開始する(ステップS201、S202)。その後、測定対象物が終了したかの確認(ステップS203)を行い、測定対象物が終了(流動がない状態)の場合には、(2)の測定終了処理として、正常に測定終了ではない旨の表示と計測結果の表示とを行なう(ステップS210)。
【0057】
ステップS203で,測定対象物が終了ではない場合には、測定経過時間と、電子天秤装置S204から流動質量流量(A)を入手する(ステップS205)。その後、前に測定した質量流量(A’)と今回入手の質量流量(A)とから、単位時間当たりの流動質量流量の変化分(B)を演算する(ステップS206)。次に、この演算した質量流量(A)、単位時間当たりの流動質量流量の変化分(B)の値から演算(C)を演算する(S207)。
【0058】
この演算(C)が、予め設定した基準値(C)と比較することで、測定が安定したかの確認を行なう(S208)。基準値(C)<演算(C)の場合は、ステップS203に戻り、次の時間帯の測定データ取り込みのための処理を行なう。
【0059】
基準値(C)≧演算(C)の場合には、測定が安定したと看做し、(1)測定終了処理として、正常に測定が終了した旨の表示と計測結果の表示とを行なう(ステップS210)。
【0060】
ここで、図13の(C)(D)の例のように、予め測定データが不安定と予想される場合には、ステップS202において、前記基準値(C)の到達回数の基準値を入力しておき、ステップS209として、演算(C)が基準値(C)に到達するのが基準値回数に達したかの確認を行なうステップを加えることで不安定な測定にも対応することができる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・粉粒体流動部、11・・・管、111・・・ホッパー部、1111・・・投入口、1112・・・排出口、1121・・・流入口、1122・・・細管部、1123・・・排出口、112・・・管部、12・・・水平ロッド、13・・・スタンド、2・・・振動器、20・・・コントローラー、21・・・振動器本体、22・・・振動伝達部材、3・・・レーザー振動測定器、31・・・レーザー振動測定器本体、32・・・プローブ、4・・・電子天秤装置、41・・・秤量台、5・・・コンピューター、51・・・表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定方法において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする粉粒体流動性測定方法。
【請求項2】
前記粉粒体の流動性として、質量流量ならびに単位時間当たりの質量流量の変動分であることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体流動性測定方法。
【請求項3】
前記測定対象の粉粒体の所定量が5g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体流動性測定方法。
【請求項4】
測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定装置において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする粉粒体流動性測定装置。
【請求項1】
測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定方法において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする粉粒体流動性測定方法。
【請求項2】
前記粉粒体の流動性として、質量流量ならびに単位時間当たりの質量流量の変動分であることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体流動性測定方法。
【請求項3】
前記測定対象の粉粒体の所定量が5g以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体流動性測定方法。
【請求項4】
測定対象の粉粒体の所定量を収容した収容部材に振動を付与することで流出する粉粒体の質量流量を測定することによって粉粒体の流動性を測定する粉粒体流動性測定装置において、前記粉粒体の流動性として質量流量を測定することを特徴とする粉粒体流動性測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−276436(P2010−276436A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128499(P2009−128499)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年11月29日 第46回粉体に関する討論会発行の「第46回 粉体に関する討論会 講演論文集」に発表
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年11月29日 第46回粉体に関する討論会発行の「第46回 粉体に関する討論会 講演論文集」に発表
【出願人】(505374783)独立行政法人 日本原子力研究開発機構 (727)
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