流通システム
【課題】商品の販売状況を生産者に正確、かつ効率的に提供する。
【解決手段】顧客に購入された商品の代金を計算するPOS装置において、出荷商品を識別する商品識別情報と、当該顧客に関する顧客情報とに基づいて販売履歴情報771を生成し、出荷サーバからの閲覧が可能な商品データベース270を記憶する管理装置に向けて送信する。管理装置の登録部201が、受信した販売履歴情報771に含まれる商品識別情報に基づいて、商品データベース270を検索し、当該商品識別情報によって識別される出荷商品のレコードに、受信した販売履歴情報771に含まれる顧客情報を格納する。
【解決手段】顧客に購入された商品の代金を計算するPOS装置において、出荷商品を識別する商品識別情報と、当該顧客に関する顧客情報とに基づいて販売履歴情報771を生成し、出荷サーバからの閲覧が可能な商品データベース270を記憶する管理装置に向けて送信する。管理装置の登録部201が、受信した販売履歴情報771に含まれる商品識別情報に基づいて、商品データベース270を検索し、当該商品識別情報によって識別される出荷商品のレコードに、受信した販売履歴情報771に含まれる顧客情報を格納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通過程における情報を管理することによって商品を管理する技術に関する。より詳しくは、商品の販売状況に関する情報を生産者が効率的に利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な流通市場では、商品(例えば青果物等)における生産と販売とは分業されている。すなわち、多くの場合、生産者と販売者とは互いに独立した事業としてその役割を担っており、このような商品の流通過程において、従来より、商品を正確かつ効率的に管理する流通システムが知られている。
【0003】
一方、昨今、個々の商品に関する生産情報を顧客に提供することが要望されており、流通システムを使ってこのような情報を提供する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、流通システムに生産履歴(生産情報)を容易に入力し、利用する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−030032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載されている技術では、個々の商品に関する生産情報を顧客に提供することは可能であるが、逆に、個々の商品に関する販売情報を生産者に提供することができないという問題があった。より詳しく言えば、生産者にとっての顧客は販売者であるため、販売者に対する売れ行きは把握できるが、現実の顧客(商品の購買者)の状況を把握するための情報が生産者に提供されないという問題があった。
【0006】
具体例で説明すると、前年、販売者によく売れた商品があった場合、生産者は、当該商品が顧客にもよく売れたのか、実は顧客には売れず、売れ残ったのかが把握できない。生産者は今年も当該商品が売れると見越して商品を生産するが、実際には前年売れ残っていたのであれば、販売者は当該商品の購入を控えることになる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、商品の販売状況を生産者に正確、かつ効率的に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、商品の流通を管理する流通システムであって、生産者によって閲覧可能な出荷商品に関するデータベースを記憶する管理装置と、販売商品に添付される販売ラベルに、出荷商品を識別する商品識別情報を印刷するラベル印刷装置と、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルを読み取って、前記購入される商品の購入代金を計算するとともに、前記販売ラベルに印刷されている商品識別情報に基づいて、前記購入される商品の販売履歴情報を生成し前記管理装置に送信するPOS装置とを備え、前記管理装置は、前記POS装置から受信した販売履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る流通システムであって、前記POS装置は、顧客に関する情報を示す顧客情報を取得して、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、当該顧客情報を含めることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係る流通システムであって、前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品に添付する販売ラベルに前記数量情報を印刷し、前記POS装置は、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルから数量情報を取得し、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、前記数量情報を含めることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係る流通システムであって、前記販売ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る流通システムであって、出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記出荷商品に関する生産情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されている生産情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る流通システムであって、出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記データベースにアクセスするためのアドレス情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されているアドレス情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項5または6の発明に係る流通システムであって、前記出荷ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかの発明に係る流通システムであって、前記ラベル印刷装置は、販売商品に添付する販売ラベルを印刷するたびに、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報に基づいて、印刷履歴情報を生成し、前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8の発明に係る流通システムであって、前記データベースには、登録されている出荷商品ごとに、当該出荷商品の商品数量情報が格納されており、前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報とともに、前記印刷履歴情報に含めて前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる数量情報と、前記印刷履歴情報に含まれる商品識別情報とに基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の販売数量情報を生成する演算部と、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる商品識別情報に基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の商品数量を前記データベースから取得し、前記演算部により演算された販売数量情報と比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成する監視部と、前記監視部により警告情報が生成された場合に、前記警告情報を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明では、販売商品に添付される販売ラベルに、出荷商品を識別する商品識別情報を印刷するラベル印刷装置と、販売ラベルに印刷されている商品識別情報に基づいて、購入される商品の販売履歴情報を生成し管理装置に送信するPOS装置とを備え、管理装置は、POS装置から受信した販売履歴情報に基づいて、データベースを更新することにより、出荷商品の販売履歴情報が、管理装置のデータベースに自動的に収集される。したがって、例えば、生産者は、当該データベースを閲覧することにより、商品の生産(出荷)調整を効率よく行える。
【0018】
請求項2に記載の発明では、顧客に関する情報を示す顧客情報を取得して、顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、当該顧客情報を含めることにより、生産者は、出荷商品がどのような顧客に購入されたかを閲覧できるので、より効率的に生産調整を行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、販売商品の数量情報を取得して、販売商品に添付する販売ラベルに前記数量情報を印刷し、POS装置は、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルから数量情報を取得し、顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、数量情報を含めることにより、生産者は、出荷商品が顧客に確実に売れたことを確認できる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、販売ラベルは、QRコードで表現されることにより、すでに一般化されている表現形式を用いることとなるので、情報の利便性が向上する。
【0021】
請求項5に記載の発明では、出荷ラベルを読み取って、出荷ラベルに印刷されている生産情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することにより、出荷商品に関する生産情報を販売商品に確実に引き継ぐことができる。提供される情報の正確性が向上する。
【0022】
請求項6に記載の発明では、出荷ラベルを読み取って、出荷ラベルに印刷されているアドレス情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することにより、顧客がデータベースにアクセスすることを認めることができるので、商品に直接添付できないような多種多様の生産情報を顧客に提供できる。
【0023】
請求項7に記載の発明では、出荷ラベルは、QRコードで表現されることにより、すでに一般化されている表現形式を用いることになるので、情報の利便性が向上する。
【0024】
請求項8に記載の発明では、販売商品に添付する販売ラベルを印刷するたびに、販売商品となった出荷商品の商品識別情報に基づいて、印刷履歴情報を生成し、管理装置に送信し、管理装置は、ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に基づいて、データベースを更新することにより、生産者は、出荷商品が実際に販売されたことを確認できる。
【0025】
請求項9に記載の発明では、出荷商品の商品数量と、演算部により演算された販売数量情報とを比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成し、当該警告情報を出力することにより、店舗に入荷した商品(出荷商品)と、店舗で販売した商品(販売商品)との齟齬を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0027】
<1. 実施の形態>
<1−1. システム構成>
図1は、本発明に係る流通システム1を示す図である。流通システム1は、管理センタに配置される管理装置2、出荷センタに配置される出荷サーバ3および店舗に配置される店舗サーバ4を備えており、これらは公衆回線網90を介して互いにデータ通信が可能となっている。
【0028】
なお、本実施の形態では公衆回線網90によって管理装置2、出荷サーバ3および店舗サーバ4を接続するが、これらを接続するネットワークは公衆回線網90に限定されるものではない。例えば、LANやインターネット等であってもよいし、一部または全部が無線通信であってもよい。すなわち、管理装置2、出荷サーバ3および店舗サーバ4の間でデータ通信が可能な接続形態であればよい。
【0029】
また、出荷サーバ3は出荷センタにおけるLAN91に接続されており、店舗サーバ4は店舗におけるLAN92に接続されている。言い換えれば、出荷サーバ3および店舗サーバ4は、公衆回線網90とLAN91,92とを接続する機能を有している。
【0030】
詳細は後述するが、以上のような構成により流通システム1は、出荷センタ、管理センタおよび店舗において、商品に関する様々な情報を収集し、管理装置2の商品データベース270(図3)に集中的に記憶させることによって、商品の流通を管理する。
【0031】
一般に、出荷センタから出荷された商品は、店舗に配送された後、店頭に並べられて顧客に販売される。しかし、商品の流通過程において、出荷されるときの商品単位と、販売されるときの商品単位とは異なる場合がある。
【0032】
具体例を示すと、固まりで出荷された肉を切り分けて、複数のパック詰めにして販売する場合や、別々に到着した複数種類の商品を1つのパックに詰め合わせて販売する場合等である。このような商品の流通形態は、特に青果物について一般的となっている。
【0033】
以下の説明では、便宜上、出荷されるときの商品単位の商品を「出荷商品」と称し、販売されるときの商品単位の商品を「販売商品」と称する。すなわち、出荷商品は店舗に到着する商品の最小単位であり、販売商品は顧客が購入することができる商品の最小単位である。
【0034】
<1−2.出荷センタにおける構成>
生産者が生産した商品は、様々な流通過程を経て店舗へと到着する。すなわち、生産者から直接店舗に到着する場合もあれば、途中に単なる中継センタを介して到着する場合もある。また、商品配送の途中で梱包等が解かれ、新たに梱包しなおしてそれぞれ異なる店舗に配送される場合もある。
【0035】
本実施の形態では、ある商品について、店舗に到着する状態にする場所までを「出荷センタ」と呼ぶ。すなわち、商品が、生産者から直接店舗に到着する場合や、単なる中継センタを介して到着する場合は、生産者の作業場までが「出荷センタ」である。一方、生産者から入荷した商品を、別途箱詰め等してから店舗に配送する場合は、箱詰めする配送センタまでが「出荷センタ」である。すなわち、出荷センタの形態は、商品の流通形態によって様々であり、具体例としては、生産農家、生産工場、農協あるいは卸売り市場等が含まれる。
【0036】
さらに、出荷センタにおいて、商品を出荷商品にすることを、「出荷生産」と称する。したがって、「出荷生産」とは、「出荷センタ」の役割に応じて様々であり、いわゆる「収穫作業」の場合もあれば、「製造作業」の場合もある。また、「加工作業」や、単なる「詰め替え作業」の場合もある。
【0037】
図1に示すように、出荷センタには、出荷サーバ3の他にラベル印刷装置5が設置されており、これらは互いにLAN91を介して接続されている。なお、ラベル印刷装置5が出荷サーバ3としての機能を有している場合には、ラベル印刷装置5が直接公衆回線網9に接続される形態でもよい。また、ラベル印刷装置5の台数は、図1に示す数(1台)に限定されるものではない。
【0038】
図2は、出荷サーバ3およびラベル印刷装置5の構成を示す図である。
【0039】
出荷サーバ3は、各種データの演算を行うCPU30、各種データを記憶する記憶部31、入力部32、表示部33、および通信部34を備えており、一般的なパーソナルコンピュータとしての機能を有している。
【0040】
詳細は図示しないが、記憶部31は、出荷サーバ3の機能を実現するためのプログラム等が格納される読み取り専用のROM、CPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMおよび比較的大容量のデータを記憶可能なハードディスクから構成されている。
【0041】
図2に示すように、記憶部31には、入力情報310、印刷情報314、登録情報315および閲覧情報316が、適宜、記憶される。
【0042】
ここで、入力情報310とは、オペレータによって、主に入力部32から入力される情報であって、出荷生産によって生産される出荷商品に関する生産情報311およびアドレス情報312とを含む。ただし、入力情報310は、入力される情報に限定されるものではなく、出荷サーバ3が自動的に付与する情報(例えばタイムスタンプ)や、通信部34を介して外部装置から取得する情報等を含んでもよい。
【0043】
生産情報311は、出荷商品の識別子(以下「商品識別情報313」と称する)と、当該出荷商品の数量を示す情報(以下、「商品数量情報」と称する)と、当該出荷商品の経歴を示す情報とを含む情報である。商品識別情報313とは、流通システム1において出荷商品を個々に識別する情報であって、例えばロット番号や製造番号等である。また、商品数量情報とは、1の出荷商品に含まれる商品の量を示す情報であって、例えば商品重量あるいは個数等である。さらに、出荷商品の経歴を示す情報の具体例を挙げれば、生産商品名、生産者名、生産地(収穫地や加工地)、生産日時(収穫日時や加工日時)、出荷商品を紹介するための音声情報や画像情報(動画像情報を含む)、出荷センタ名、出荷日時、出荷先(店舗名)等である。
【0044】
アドレス情報312は、公衆回線網90を利用して管理装置2にアクセスするために必要なネットワークアドレスを示す情報である。詳細は後述するが、アドレス情報312は、商品データベース270を閲覧する際に使用される。
【0045】
印刷情報314とは、LAN91を介してラベル印刷装置5に送信される情報であって、出荷ラベル80として印刷される情報である。印刷情報314は、生産情報311から選択される情報(以下、「選択情報」と称する)と、アドレス情報312とが含まれる。上記のように、印刷情報314は印刷に用いられる情報であるから、印刷情報314に含まれる情報は画像として出力(印刷)可能な情報に限られる。したがって、例えば、生産情報311に音声情報や動画情報等が含まれていても、これらを印刷情報314に含めることはできない。ただし、本実施の形態では、選択情報(印刷情報314)には、商品識別情報313および商品数量情報が必ず含まれる。
【0046】
登録情報315とは、生産情報311を含む情報であって、公衆回線網90を介して管理装置2に送信される。なお、登録情報315は、管理装置2において、出荷商品を登録するために使用される情報であるから、登録情報315にアドレス情報312は含まれないが、商品識別情報313は含まれる。
【0047】
生産情報311に含まれる情報は、それぞれ公開情報と非公開情報とに分類され、各情報(項目)ごとに公開・非公開を示す識別子が付与される(すなわち、この識別子も登録情報315に含まれる)。登録情報315に含まれる生産情報311のうち公開情報は、管理装置2に記憶(登録)された後、一般に公開され閲覧される。一方、非公開情報は、管理装置2に記憶された後、何らかのアクセス制限が行われ、許可された者にのみ閲覧が許可される。
【0048】
閲覧情報316とは、オペレータの要求に応じて、管理装置2から送信される情報であって、出荷商品に関する情報である。閲覧情報316の詳細は後述する。
【0049】
入力部32は、キーボードやマウス、各種ボタン類等から構成されるが、さらに注文伝票や入荷伝票等を直接読み取るOCR装置やスキャナ、カメラ、音声入力装置、専用のリーダ等を備えていてもよい。すなわち、入力部32は、出荷サーバ3に何らかの情報を入力する機能を備えていれば、どのようなものであってもよい。入力部32は、主に出荷サーバ3において入力情報310を作成するときや、オペレータが出荷サーバ3に指示を与える場合に使用される。
【0050】
表示部33は、液晶ディスプレイであり、各種データを画面に表示する。特に、表示部33は、CPU30からの指示に従って、閲覧情報316を表示する。これにより、オペレータは、閲覧情報316の内容を確認することができる。
【0051】
通信部34は、出荷サーバ3を公衆回線網90およびLAN91に接続する。このように、通信部34を備えることにより、出荷サーバ3は、管理装置2およびラベル印刷装置5との間でデータ通信が可能となる。
【0052】
例えば、通信部34は、CPU30からの指示に従って、登録情報315を管理装置2に送信する。また、同様に、印刷情報314をラベル印刷装置5に送信する。さらに、管理装置2から閲覧情報316を受信した場合は、受信した閲覧情報316を記憶部31に転送する。
【0053】
ラベル印刷装置5は、各種データの演算を行うCPU50、各種データを記憶する記憶部51、操作部52、表示部53、通信部54および印刷部55を備えており、一般的なマイクロコンピュータとしての機能を有している。ラベル印刷装置5は、主に出荷生産を行う際に出荷センタの作業者によって使用され、印刷情報314に基づいて出荷ラベル80を作成する機能を有している。
【0054】
CPU50は、印刷情報314の受信の有無を監視し、印刷情報314が通信部54により受信されると、受信した印刷情報314(記憶部51に記憶されている)を印刷部55に転送する。
【0055】
また、CPU50は、印刷部55において、出荷ラベル80の印刷が終了すると、通信部54を制御して、当該印刷が終了したことを示す信号(以下、「出荷済み信号」と称する)を、出荷サーバ3に向けて送信させる。この出荷済み信号を受信すると、出荷サーバ3は登録情報315を作成して管理装置2に送信する。
【0056】
詳細は図示しないが、記憶部51は、専用のプログラム等が格納される読み取り専用のROMと、CPU50の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMとを備えている。なお、ラベル印刷装置5は、記憶部51として、比較的大容量のデータを記憶することが可能なハードディスクを備えていてもよい。
【0057】
操作部52は、主に各種ボタン類から構成される。例えば、操作部52は、作業者がラベル印刷装置5に指示を与える場合に使用される。なお、操作部52としては、キーボードやマウス等を備えていてもよい。
【0058】
以下、本実施の形態における流通システム1では、出荷サーバ3から送信された印刷情報314を、ラベル印刷装置5が受信したときに、ラベル印刷装置5が出荷ラベル80の印刷を実行するとして説明する。しかし、例えば、印刷情報314を一旦記憶部51に蓄積しておき、印刷を指示する情報を操作部52が受け付けたときに印刷するようにしてもよい。
【0059】
表示部53は、例えば液晶パネルであり、各種データを画面に表示する。これにより、作業者は、ラベル印刷装置5の状態や、出荷ラベル80を印刷する際に、出荷商品に関する情報等を確認することができる。なお、表示部53は、タッチパネル装置のように、操作部52の機能の一部を有するものであってもよい。
【0060】
通信部54は、ラベル印刷装置5をLAN91に接続する。このように、通信部54を備えることにより、ラベル印刷装置5は、出荷サーバ3との間でデータ通信が可能である。例えば、通信部54は、出荷サーバ3から送信される印刷情報314を受信して、受信した印刷情報314を記憶部51に転送する。また、通信部54は、出荷済み信号を出荷サーバ3に送信する。
【0061】
印刷部55は、印刷情報314に基づいて描画データを生成し、シール状の専用用紙に画像(出荷ラベル80)を印刷する。詳細は後述するが、本実施の形態における印刷部55は、印刷情報314を二次元コードであるQRコードとして印刷する。すなわち、ラベル印刷装置5によって印刷される出荷ラベル80はQRコードである。
【0062】
<1−3. 管理センタにおける構成>
本実施の形態における管理センタは、流通システム1が管理する商品に関する情報を一元的に集中管理する部門である。
【0063】
本実施の形態における流通システム1では、管理センタ、出荷センタおよび店舗を、一般の公衆回線網90によって接続する。そのため、大容量の商用データベースを独自に備える一般のデータベース業者や、ネットワークプロバイダ、あるいはホームページ提供業者等が管理センタを担うことが可能となる。したがって、図1において、管理センタは、出荷センタや店舗とは離れた場所として図示している。
【0064】
しかし、例えばセキュリティ問題等、情報の管理上、出荷センタや店舗内に管理センタを設ける方が適している場合には、そのように構成することももちろん可能である。また、その場合には、出荷サーバ3や店舗サーバ4が管理装置2としての機能を備えていてもよい。
【0065】
また、管理装置2は、出荷サーバ3や店舗サーバ4以外の外部装置(図示せず)とも公衆回線網90を介して接続される。このような外部装置としては、例えば顧客が使用するパソコンや携帯電話等も含まれる。すなわち、出荷サーバ3や店舗サーバ4に限らず、公衆回線網90に接続する機能を有する装置は、管理装置2のネットワークアドレスを取得することにより、管理装置2との間でデータ通信が可能である。
【0066】
さらに、図1では、流通システム1の管理装置2を1台の装置として図示しているが、もちろん複数の装置によって管理装置2の機能が提供されてもよい。また、複数の装置によって管理装置2の実行する処理が並列的に処理されてもよい。
【0067】
図3は、管理装置2の構成を示す図である。
【0068】
管理装置2は、各種データの演算を行うCPU20、各種データを記憶する記憶部21、オペレータの操作を受け付ける操作部22、各種データを画面に表示する表示部23、および通信部24を備えており、一般的なパーソナルコンピュータとしての機能を有している。
【0069】
CPU20は、プログラム250に従って動作することにより、管理装置2の様々な機能を実現する。
【0070】
記憶部21は、主にプログラム250を格納するROM25、CPU20の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM26、および商品データベース270を記憶するハードディスク27から構成されている。
【0071】
本実施の形態における商品データベース270は、出荷商品ごとに商品の登録が可能とされており、少なくとも商品識別情報313を用いて検索が可能とされている。すなわち、1つのレコードが出荷商品ごとに作成される構造を有している。ただし、商品識別情報313を用いて検索が可能であれば、出荷商品をさらに小分けした商品ごとに登録するように構成してもよい。
【0072】
図4は、管理装置2の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図4に示すデータ処理部200、登録部201、検索部202、演算部203および監視部204が、主にCPU20がプログラム250に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0073】
データ処理部200は、通信部24を介して受信した登録情報315、印刷履歴情報674および販売履歴情報771をRAM26に転送する。
【0074】
また、公衆回線網90を介して、外部装置から商品データベース270の閲覧要求があった場合には、当該閲覧要求を検索部202に伝達する。なお、外部装置としては、出荷サーバ3や、一般の端末装置(パソコンや携帯電話等)が該当する。また、閲覧要求には、閲覧を望む出荷商品の商品識別情報313等が含まれる。
【0075】
さらに、データ処理部200は、商品データベース270を検索した結果を示す商品情報261を通信部24に伝達し、閲覧要求を行った外部装置に向けて送信させる。なお、先述の閲覧情報316は、出荷サーバ3からの閲覧要求に対して、当該出荷サーバ3に向けて送信される商品情報261である。
【0076】
登録部201は、登録情報315(生産情報311)に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品のレコードを新たに生成して、商品データベース270に当該出荷商品を登録する。このとき、当該新たに生成したレコードの項目に、当該登録情報315の生産情報311に含まれる他の情報(商品数量情報や当該出荷商品の経歴に関する情報)をそれぞれ格納する。このように、登録部201によって出荷商品が登録されることにより、商品データベース270は、商品識別情報313によって、当該出荷商品に関する情報を検索することが可能となる。
【0077】
また、登録部201は、商品データベース270を更新する機能も備えている。例えば、登録部201は、店舗サーバ4から送信される販売履歴情報771に基づいて、商品データベース270に登録されている出荷商品に関する情報を更新する。
【0078】
なお、登録部201は、販売履歴情報771以外の情報によって商品データベース270を更新してもよい。例えば、操作部22から入力される情報や、出荷サーバ3から受信する登録情報315以外の情報、あるいは印刷履歴情報674等に基づいて商品データベース270を更新してもよい。
【0079】
検索部202は、データ処理部200から閲覧要求が伝達されると、当該閲覧要求に応じて、商品データベース270を検索し、商品データベース270に格納されている情報の中から、閲覧を要求された情報を抽出して商品情報261を生成する。
【0080】
例えば、出荷サーバ3からの閲覧要求に対しても、管理装置2から商品情報261が送信される。すなわち、閲覧情報316とは、商品情報261のうち出荷サーバ3によって受信される情報であって、商品データベース270において出荷商品に関連付けられている情報である。
【0081】
なお、商品情報261に含まれる情報は、通常、外部装置によって閲覧が要求された情報である。ただし、閲覧が要求された情報であっても、アクセス制限等が設けられている情報(非公開情報等)の場合には、商品情報261に含めない。
【0082】
演算部203は、印刷履歴情報674に基づいて、販売数量情報260を生成、更新する。詳細は後述するが、印刷履歴情報674には、商品識別情報313と、数量情報672(図6)とが含まれる。演算部203は、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313に示される出荷商品について、数量情報672に示される数量を積算することにより、出荷商品ごとに販売数量情報260を生成する。
【0083】
これにより、販売数量情報260は、出荷商品のうち販売商品となった商品の数量(以下、「販売数量」と称する)を示す情報となる。なお、販売数量は、出荷商品ごとに求められるので、販売数量情報260には、生成の際に、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313が含められる。
【0084】
監視部204は、販売数量情報260が生成、あるいは更新されるたびに、商品データベース270を検索して、当該出荷商品の商品数量情報と、販売数量情報260とを比較する。そして、販売数量情報260に示される販売数量が、商品数量情報に示される商品数量より多い場合は、警告情報(警告メッセージ)を表示部23に表示させる。
【0085】
なお、詳細は図示しないが、生成(更新)される販売数量情報260は、監視部204によるチェックの後、登録部201によって商品データベース270の当該出荷商品のレコードに格納される。これにより、出荷センタ(出荷サーバ3)において、商品データベース270を閲覧することにより、実際の販売数量を確認することができる。
【0086】
図3に戻って、操作部22は、一般的なキーボードやマウス等から構成されている。操作部22は、管理装置2に情報(指示)を入力する際に、オペレータによって使用される。
【0087】
表示部23は、一般的なディスプレイであって、各種データを画像として画面に表示する機能を有している。特に、管理装置2の表示部23は、監視部204からの指示に従って、警告メッセージを表示する。
【0088】
通信部24は、管理装置2を公衆回線網90に接続する機能を有している。管理装置2は、通信部24を備えることにより、公衆回線網90に接続されている出荷サーバ3や店舗サーバ4および外部装置と接続される。
【0089】
<1−4. 店舗における構成>
図1に示すように、商品を顧客に販売する店舗には、店舗サーバ4の他にラベル印刷装置6およびPOS装置7が設置されており、いずれもLAN92に接続されている。
【0090】
なお、ラベル印刷装置6やPOS装置7が後述する店舗サーバ4としての機能を有している場合には、ラベル印刷装置6やPOS装置7が直接公衆回線網90に接続される形態を採用することももちろん可能である。また、ラベル印刷装置6およびPOS装置7の台数は、図1に示す数(1台)に限定されるものではない。
【0091】
商品を店舗に向けて出荷する際に、予め出荷先の店舗における販売時の商品単位が決定されていれば、出荷センタにおいて販売時の商品単位を考慮したラベル(例えば出荷ラベル80)を添付しておけば、店舗において改めてラベルを作成し添付する必要はない。
【0092】
しかし、先述のように、店舗では、到着した出荷商品の商品単位を自由に変更して販売する。したがって、出荷商品に対して添付される出荷ラベル80に予め表現しておく情報には限度がある。また、販売商品の価格を店舗において決定する場合も多く、少なくともこの場合には店舗で独自に決定した価格を、当該販売商品に表示する必要がある。
【0093】
このため、本実施の形態における流通システム1は、販売商品ごとに添付するラベルを店舗において作成する。なお、以下の説明において、到着した出荷商品から販売商品を作成する作業を、「店舗内生産」と称する。
【0094】
図5は、店舗サーバ4およびラベル印刷装置6の構成を示す図である。
【0095】
店舗サーバ4は、各種データの演算を行うCPU40、各種データを記憶する記憶部41、オペレータの操作を受け付ける操作部42、表示部43および通信部44を備える。
【0096】
CPU40は、プログラム410に従って動作することにより、店舗サーバ4の機能を実現する。特に、印刷履歴情報674や、販売履歴情報771等を受信した場合は、これらの情報を管理装置2に送信する。また、操作部42から入力される情報に基づいて商品単価データベース411を作成・更新したり、記憶部41に記憶されている商品単価データベース411の検索エンジンとしての機能を有する。
【0097】
詳細は省略するが、記憶部41は、主にプログラム410を記憶するROM、CPU40の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM、および主に商品単価データベース411を記憶するハードディスクを備える。
【0098】
商品単価データベース411は、出荷商品を示す識別子と、当該出荷商品の単価を示す情報とが関連付けられて1つのレコードを構成する構造のデータベースである。すなわち、店舗サーバ4では、商品識別情報(出荷商品の識別子)313を検索キーとして、当該出荷商品の単価を示す情報を検索することが可能とされている。
【0099】
具体例を挙げると、出荷商品が「牛肉」であれば、当該牛肉を示す識別子と、当該牛肉100g当たりの価格とが登録されている。また、出荷商品が「キュウリ」であれば、当該キュウリを示す識別子と、当該キュウリ1本当たりの価格とが登録されている。
【0100】
なお、単価を示す情報は、通常、店舗におけるオペレータが決定して入力する情報である。また、商品単価データベース411の各レコードは、後述する単価情報671(図6)を構成している。
【0101】
操作部42は、キーボードやマウス等で構成され、店舗サーバ4にオペレータが指示(あるいは情報)を入力する際に、当該オペレータによって操作される。例えば、商品単価データベース411を作成(あるいは更新)する際などに使用される。
【0102】
表示部43は、一般的なディスプレイであって、各種データを画像として画面に表示する。例えば、表示部43は、商品単価データベース411を一覧表示することが可能である。
【0103】
通信部44は、店舗サーバ4を公衆回線網90およびLAN92に接続する機能を有する。このように、通信部44を備えているので、店舗サーバ4は、管理装置2、ラベル印刷装置6およびPOS装置7との間でデータ通信を行うことが可能である。
【0104】
例えば、通信部44は、印刷履歴情報674や販売履歴情報771をLAN92を介して受信し、CPU40の指示に基づいて、これらの情報を管理装置2に送信する。また、通信部44は、CPU40が商品単価データベース411を検索することにより抽出した単価情報671を、ラベル印刷装置6に送信する。
【0105】
ラベル印刷装置6は、各種データの演算を行うCPU60、各種データを記憶する記憶部61、オペレータの操作を受け付ける操作部62、表示部63および通信部64を備え、一般的なマイクロコンピュータとしての機能を有している。特に、ラベル印刷装置6は、販売商品に値付けを行って、当該販売商品の販売価格を表示する販売ラベル81を作成する機能を有する。
【0106】
CPU60は、プログラム660に従って動作することにより、ラベル印刷装置6の各構成を制御する。
【0107】
記憶部61は、主にプログラム660を記憶するROM66と、CPU60の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM67とを備えている。なお、記憶部61は、比較的大容量のデータを記憶するためのハードディスク等を備えていてもよい。
【0108】
図6は、ラベル印刷装置6の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図6に示す値付け部600および印刷制御部601が、主にCPU60がプログラム660に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0109】
なお、生産情報670は、印刷情報314と同じ内容の情報であり、生産情報311の一部(選択情報)と、アドレス情報312とが含まれる。なお、生産情報670は、印刷情報314に含まれる情報のうちの一部の情報であってもよい。すなわち、印刷情報314に含まれる情報から、店舗において必要とされる情報のみが適宜選択されて生産情報670とされてもよい。ただし、生産情報670には、商品識別情報313が含まれる。
【0110】
また、単価情報671は、商品識別情報313と当該商品識別情報313によって示される出荷商品の店舗における単価を示す情報とを含む情報であって、通信部64を介して店舗サーバ4から得られる情報である。
【0111】
さらに、数量情報672は、店舗内生産によって生産される1つの販売商品に含まれる商品の数量を示す情報である。なお、図6において、数量情報672は計量部69からのみ取得されるように図示しているが、後述するように、数量情報672は操作部62から入力される場合もある。
【0112】
値付け部600は、単価情報671と数量情報672とに基づいて、販売商品の店舗における販売価格を演算し、当該販売価格を示す販売価格情報673を生成する。このとき、値付け部600は、販売商品を示す識別子を生成して、単価情報671および数量情報672とともに、当該販売価格情報673に含める。
【0113】
印刷制御部601は、生産情報670と販売価格情報673とに基づいて、販売ラベル81を印刷するよう印刷部65を制御する。
【0114】
また、印刷制御部601は、印刷部65によって販売ラベル81が印刷されるたびに、生産情報670に含まれる商品識別情報313と、販売価格情報673に含まれる数量情報672とに基づいて、印刷履歴情報674を生成する。なお、本実施の形態における印刷制御部601は、販売価格情報673に含まれる販売商品を示す識別子も印刷履歴情報674に含める。
【0115】
図5に戻って、操作部62は、テンキーやボタン類等から構成される。操作部62は、主に、販売ラベル81を作成する際に、店舗内生産を行う作業者によって操作される。
【0116】
例えば、販売商品が、商品の個数を単位として値付けされ販売される場合、作業者は当該販売商品に含まれる商品の個数を、操作部62を操作することにより入力する。このとき、操作部62は、入力された商品の個数に基づいて、当該販売商品に関する数量情報672を生成する。
【0117】
表示部63は、一般的な液晶パネルであって、CPU60からの指示に基づいて、各種データを画面に表示する。表示部63には、店舗内生産中の商品に関する情報等が、適宜表示される。
【0118】
通信部64は、ラベル印刷装置6をLAN92に接続する機能を有する。これにより、ラベル印刷装置6は、店舗サーバ4との間でデータ通信が可能となる。したがって、ラベル印刷装置6は、店舗サーバ4に記憶されている商品単価データベース411を検索して、単価情報671を取得することが可能となる。
【0119】
通信部64を備えることにより、ラベル印刷装置6は、さらに、店舗サーバ4を介して、管理装置2との間でもデータ通信が可能とされている。すなわち、通信部64は、印刷履歴情報674が生成されるたびに、当該印刷履歴情報674を管理装置2に向けて送信することが可能である。
【0120】
図5に示すように、ラベル印刷装置6は、さらに、印刷部65、読取部68および計量部69を備えている。
【0121】
印刷部65は、販売商品に添付する販売ラベル81を、印刷制御部601の指示に基づいて、印刷する。
【0122】
読取部68は、一般的なデジタルカメラとしての機能および構成を備えており、出荷ラベル80を光学的に読み取る(撮像する)。さらに、読取部68は、出荷ラベル80を撮像することにより得た画像データを解析して、当該画像データを印刷情報314に変換(復号)し、これに基づいて生産情報670を生成する。すなわち、読取部68は、QRコードを解析する機能を備えている。
【0123】
計量部69は、販売商品の重量を測定して、当該販売商品の数量情報672を生成する機能を有している。したがって、販売商品が重量を単位として値付けされ販売される場合には、計量部69によって当該販売商品に関する数量情報672が生成される。
【0124】
図7は、POS装置7の構成を示す図である。
【0125】
POS装置7は、CPU70、記憶部71、操作部72、表示部73、通信部74、印刷部75および読取部78を備え、一般的なマイクロコンピュータとしての機能を有している。POS装置7は、主に、顧客に請求する購入代金を計算するためにレジ担当者によって使用される。
【0126】
CPU70は、プログラム760に従って動作することにより、POS装置7の各構成を制御するとともに、各機能を実現する。すなわち、CPU70は、各種データの演算を行い、各構成に対する制御信号等を生成する機能を有している。
【0127】
記憶部71は、プログラム760を記憶するROM76と、CPU70の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM77とを備える。なお、記憶部71は、比較的大容量のデータを記憶することが可能なハードディスクを備えていてもよい。
【0128】
図8は、POS装置7の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図8に示す演算部700および販売管理部701が、主にCPU70がプログラム760に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0129】
演算部700は、各販売商品ごとに取得され生成される販売価格情報673を積算して、購入代金(顧客によって購入される全販売商品の合計金額)を演算する。さらに、演算部700は、求めた購入代金を表示部73に表示させるとともに、印刷部75にレシートとして印刷させる。
【0130】
販売管理部701は、生産情報670を参照しつつ、当該生産情報670に含まれる商品識別情報313を取得し、顧客情報770と関連付けて販売履歴情報771を生成する。なお、本実施の形態における販売管理部701は、販売履歴情報771に販売価格情報673を含める。また、詳細は図示していないが、販売履歴情報771には、タイムスタンプが記録され、いつ販売されたかがわかるようになっている。
【0131】
図7に戻って、操作部72は、主に複数のボタン類から構成されている。レジ担当者は、操作部72を操作することにより、様々な情報や指示をPOS装置7に入力することが可能となっている。例えば、顧客情報770は後述するようにカードから取得されるだけでなく、オペレータの主観を入力するために使用される場合もある。あるいは、バーコード812が添付されていない販売商品については、販売価格情報673を直接入力するためにも使用される。
【0132】
表示部73は、一般的な液晶パネルであって、各種データを画面に表示する。特に、表示部73は、先述のように、演算部700によって演算された購入代金を表示する。これにより、レジ担当者は、顧客に対して請求すべき金額を容易に把握することができる。
【0133】
通信部74は、POS装置7をLAN92に接続する機能を有している。特に、通信部74は、販売管理部701によって生成される販売履歴情報771を、店舗サーバ4(管理装置2)に向けて送信する。
【0134】
印刷部75は、演算部700によって制御され、主にレシートを印刷して顧客に発行する機能を有している。
【0135】
読取部78は、詳細は図示しないが、被写体を撮像する一般的なデジタルカメラと、バーコードを読み取るバーコードリーダと、可搬性のカードから情報を読み取るカードリーダとを備えてる。
【0136】
読取部78が備えるデジタルカメラは、販売ラベル81に印刷されているQRコードを撮像し、画像データを生成する。読取部78は、この画像データを解析することにより、ラベル印刷装置6の読取部68と同様に生産情報670を生成する。
【0137】
また、読取部78が備えるバーコードリーダは、販売ラベル81に印刷されているバーコードを読み取ることにより、販売価格情報673を生成する。
【0138】
さらに、読取部78が備えるカードリーダは、顧客が持参するカード(例えば、磁気カードやICカード)に記憶されている情報を読み取って、顧客情報770を生成する。なお、顧客情報770は、販売商品の購買層を把握して、販売戦略に生かすために有益な情報であって、例えば、当該販売商品を購入した顧客の年齢や性別等の情報である。
【0139】
以上が、本実施の形態における流通システム1の構成および機能の説明である。
【0140】
<1−5.動作説明>
次に、流通システム1の動作について、説明する。以下では、主に商品の流通過程における各場面ごとに、流通システム1の動作を順次説明する。
【0141】
<1−5−1. 出荷センタにおける動作>
図9は、出荷生産における出荷サーバ3の動作を示す流れ図である。先述のように、出荷サーバ3は、出荷センタにおいて、出荷生産を行うときに使用される。
【0142】
出荷生産が開始されると、出荷サーバ3は入力部32によって入力情報310を受け付けつつ(ステップS1)、入力が終了するまで待機する(ステップS2)。なお、入力が終了したことを示す指示は、出荷生産を行うオペレータによって入力部32から入力される。
【0143】
入力情報310の入力が終了すると(ステップS2においてYes)、出荷サーバ3は、ラベル印刷装置5に出荷ラベル80を印刷させる(ステップS3)。具体的には、出荷サーバ3のCPU30が、ステップS1において入力された入力情報310に基づいて印刷情報314を生成し、生成した印刷情報314を通信部34およびLAN91を介してラベル印刷装置5に送信する。すなわち、本実施の形態における流通システム1では、出荷サーバ3がラベル印刷装置5に対して印刷情報314を送信することが、出荷ラベル80を印刷させる指示に相当する。
【0144】
なお、先述のように、入力情報310には生産情報311(商品識別情報313を含む)とアドレス情報312が含まれている。CPU30は、入力された生産情報311のうちから予め指定されている項目に該当する情報のみを選択して、この選択した情報(選択情報)とアドレス情報312とに基づいて印刷情報314を生成する。
【0145】
一方、印刷情報314を受信したラベル印刷装置5のCPU50は、受信した印刷情報314に基づいて出荷ラベル80を印刷するように印刷部55を制御する。これにより、印刷部55(ラベル印刷装置5)が出荷ラベル80を印刷する。
【0146】
図10は、ラベル印刷装置5によって印刷された出荷ラベル80の例を示す図である。図10に示すように、本実施の形態における流通システム1では、出荷ラベル80として印刷される画像はQRコードである。以下の説明では、出荷ラベル80と、当該QRコードとを特に区別せずに説明する場合がある。
【0147】
なお、出荷ラベル80には、アドレス情報312および商品識別情報313が含まれる。したがって、これを取得した一般端末は、アドレス情報312に基づいて管理装置2との間でデータ通信を行うことが可能となる。また、商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品に関する情報を要求できる(後述する閲覧要求に商品識別情報313を含めることができる。)。
【0148】
ラベル印刷装置5の印刷部55は、印刷情報314に基づいて生成する描画データは、QRコードを描画するための描画データである。したがって、出荷ラベル80を構成するQRコードには、生産情報311(より詳しくは選択情報)と、アドレス情報312(管理装置2のネットワークアドレス)とが表現される。
【0149】
従来から、商品(出荷商品)の包装には、様々な情報が印刷され表現される。このような情報には、商品名のみならず、例えば、商品イラストや、キャッチフレーズ等も含まれる。すなわち、さらに多くの情報を提供しようとしても、当該情報を印字するスペースを十分に確保できない場合が多々ある。
【0150】
しかし、本実施の形態における流通システム1は、出荷ラベル80としてQRコードを印刷することにより、小さい印字面に比較的多くの情報を印刷して添付することができる。したがって、商品の流通過程において、下流側(店舗や顧客)にさらに多くの情報を提供することができる。
【0151】
また、商品の流通過程において、いずれ必要とされる情報であっても、他の流通過程においては利用価値の低い情報もある。すなわち、必要とされる情報は流通過程の各場面ににおいて様々であり、常に、すべての情報を文字情報として提供しなければならないわけではない。
【0152】
例えば、出荷商品を店舗に搬送している作業者にとって、当該出荷商品がいつ生産されたか(生産日)等の情報は、あまり重要な情報ではなく、一見して認識可能な文字情報として提供される必要性は乏しい。しかし、店舗において当該出荷商品(販売商品)の購入を検討する顧客にとって、「生産日」は重要な情報であるから、直ちに認識可能な状態で提供されることが好ましい。
【0153】
本実施の形態における流通システム1は、個々の情報において、利用価値の低い間は直接人間によって認識できない状態(QRコード)で商品に添付しておき、利用価値が高まった時点で、当該情報を文字情報等に変換することにより、効率のよい情報提供を実現できる。
【0154】
また、情報を伝達するにあたって、一旦人間に直接認識できない表現形式を用いた場合、必要に応じてこれを文字情報等に変換(復号)しなければならない。しかし、QRコードは広く普及しているため、特殊な装置がなくても、比較的手軽にその内容を変換して確認することが可能である。例えば、一般利用者(オペレータや顧客を含む)は、デジタルカメラ等によって出荷ラベル80を撮影し、すでに一般に組み込まれている変換ソフトウェアを用いることにより、その内容を容易に表示し確認することができる。
【0155】
また、流通過程で必要とされる情報には、人間が理解する必要のない情報も存在する。例えば、アドレス情報312は、人間によって直接認識される必要はなく、その機能として、必要な装置に誤りなく入力されれば十分である。このような情報は、QRコードを用いて表現することにより、正確かつ容易に入力することができる。
【0156】
なお、出荷ラベル80は、図10に示すように、シール状の専用用紙に印刷されなくてもよい。例えば、梱包箱や梱包袋に直接出荷ラベル80が印刷される形態であってもよい。すなわち、印刷情報314を描画する媒体は、画像を表現することができる媒体であって、出荷商品とともに容易に搬送可能な媒体であれば何でもよい。
【0157】
また、例えば、出荷ラベル80を梱包箱に直接印刷する場合には、ラベル印刷装置5が出荷商品の名称や、商品識別情報313あるいは商品数量情報等を文字情報として、出荷ラベル80とは別に梱包箱に印刷してもよい。この場合、印刷情報314に文字情報として印刷すべき情報を含めるように構成してもよい。
【0158】
また、印刷部55は、出荷ラベル80として、印刷情報314に含まれない情報を独自に付加してもよい。
【0159】
出荷ラベル80が印刷されると、出荷サーバ3は、入力情報310に基づいて登録情報315を生成し、生成した登録情報315を公衆回線網90を介して管理装置2に送信する(ステップS4)。
【0160】
なお、登録情報315には、アドレス情報312は含まれないが、出荷生産により生産された出荷商品の商品数量情報が含まれる。出荷サーバ3において入力情報310(生産情報311)として入力される商品数量情報は、注文伝票や配送伝票等に記載される情報であり、これに基づいて代金請求等がされるため、実数(実際の出荷商品の数量)との一致、不一致が比較的厳格に確認される。
【0161】
したがって、実数との不一致が生じないように、出荷生産において商品数量情報の入力は慎重に行われるため、商品数量情報の正確性は一般に高いと言える。詳細は後述するが、本実施の形態における流通システム1では、このような信頼性の高い商品数量情報に基づいて販売数量の監視が行われるので、監視結果の信頼性も向上する。
【0162】
登録情報315を送信すると、出荷サーバ3は出荷生産を終了するか否かを判定し(ステップS5)、作業を継続する場合はステップS1に戻って、次の出荷商品のための処理を継続する。一方、出荷生産を終了する場合、出荷サーバ3は処理を終了する。
【0163】
なお、ステップS3において印刷された出荷ラベル80は、出荷生産された出荷商品に出荷作業を行う作業者によって添付される。また、出荷ラベル80が添付された出荷商品は、注文に応じて、注文主である店舗に向けて配送担当の作業者によって配送される。
【0164】
次に、図示は省略するが、出荷センタにおいて、出荷商品に関する情報を閲覧する際の流通システム1の動作を説明する。
【0165】
例えば、出荷された商品の動向を確認したい場合や、次の出荷生産の計画を立てる場合等において、出荷センタのオペレータ(生産者等を含む)は、過去の出荷商品に関する情報の閲覧を所望する。このような場合、出荷センタのオペレータは出荷サーバ3の入力部32を操作し、例えば商品データベース270を閲覧するためのブラウザを起動する。
【0166】
このオペレータの操作に応じて、出荷サーバ3は、商品データベース270に登録されている出荷商品(当該出荷センタから出荷された出荷商品のみでもよい)の一覧表を管理装置2に要求する。この要求に対して管理装置2は、要求された一覧表を出荷サーバ3に送信し、これを受信した出荷サーバ3は、表示部33に受信した一覧表を表示する。
【0167】
次に、オペレータは、当該一覧表から所望する出荷商品を選択する。この操作によって、出荷サーバ3から、管理装置2に向けて、選択された出荷商品の商品識別情報313と出荷センタを識別する識別子とが送信されるとともに、当該出荷商品の閲覧要求がされる。なお、本実施の形態における流通システム1では、出荷センタを識別する識別子として、出荷サーバ3のネットワークアドレスを使用するが、もちろん専用の識別コードやパスコード等を用いてもよい。
【0168】
出荷サーバ3からの閲覧要求に対して、管理装置2からは商品情報261(閲覧情報316)が送信される(図11:ステップS18)。管理装置2から閲覧情報316を受信した出荷サーバ3は、表示部33に当該閲覧情報316の内容を表示する。
【0169】
これにより、出荷センタのオペレータは、商品データベース270に登録されている出荷商品の中から、所望の出荷商品に関する情報(当該出荷商品に関する情報であって商品データベース270に格納されている情報)を閲覧することができる。
【0170】
特に、本実施の形態における商品データベース270には、出荷商品に関する販売履歴情報771(顧客情報770や販売数量情報260)が格納されている。したがって、出荷センタのオペレータが顧客情報770を閲覧することによって、出荷商品の購買層を正確に把握することができる。また、販売数量情報260を閲覧することによって、出荷商品が現実に顧客に販売されたことを容易に確認できるとともに、出荷数だけでなく、販売数も正確に把握することができる。
【0171】
このように、流通システム1では、出荷センタにおいて、正確に販売状況を把握することができるので、従来のシステムに比べて、より詳細な生産計画を立案することが可能となる。
【0172】
<1−5−2. 管理センタにおける動作>
図11は、管理装置2の動作を示す流れ図である。管理センタにおける流通システム1の動作は、主に管理装置2によって実現される。
【0173】
まず、管理装置2は、登録情報315または販売履歴情報771を受信したか(ステップS11)、印刷履歴情報674を受信したか(ステップS13)、または閲覧要求があったか(ステップS17)を監視しつつ、待機する。なお、説明の都合上、この状態の管理装置2を待機状態と称するが、もちろん他の処理を並行して行っていてもよい。
【0174】
管理装置2は、待機状態において登録情報315または販売履歴情報771を受信すると、ステップS11においてYesと判定し、登録・更新処理を行う(ステップS12)。
【0175】
ステップS12では、まず、通信部24によって受信された情報(登録情報315または販売履歴情報771)を、データ処理部200がRAM26に転送する。
【0176】
次に、受信した情報が登録情報315である場合、登録部201は当該登録情報315に基づいて、商品データベース270に、新たな出荷商品を登録する。すなわち、登録情報315に含まれる出荷商品を示す識別子(商品識別情報313)に基づいて、当該識別子によって示される出荷商品のレコードを商品データベース270に新たに生成する。
【0177】
一方、受信した情報が販売履歴情報771である場合、登録部201は、受信した販売履歴情報771に基づいて商品データベース270を更新する。先述のように、販売履歴情報771には、商品識別情報313、顧客情報770および販売価格情報673(単価情報671や数量情報672も含まれる)等が含まれている。登録部201は、販売履歴情報771に含まれる商品識別情報313によって商品データベース270を検索し、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品のレコードに販売履歴情報771を関連付ける。言い換えれば、該当する出荷商品のレコードに、販売履歴情報771に含まれる顧客情報770や販売価格情報673等に関する項目が追加され、これらの内容が格納されることにより、商品データベース270が更新される。
【0178】
管理装置2は、待機状態において印刷履歴情報674を受信すると、ステップS13においてYesと判定し、受信した印刷履歴情報674をデータ処理部200によってRAM26に転送する。なお、すでに説明したが、印刷履歴情報674は、ラベル印刷装置6において販売ラベル81が印刷される度に生成され、店舗サーバ4を介して管理装置2に送信される情報である。したがって、印刷履歴情報674を受信することによって、管理装置2は、店舗内生産が行われたことを検出できる。
【0179】
受信した印刷履歴情報674がRAM26に転送されると、演算部203が、当該印刷履歴情報674に基づいて、販売数量を演算する(ステップS14)。
【0180】
ステップS14の処理を以下に説明するが、先述のように、印刷履歴情報674には、当該販売ラベル81が添付される販売商品の元となった出荷商品を示す識別子(商品識別情報313)と、当該販売商品に含まれる商品の数量(数量情報672)とが含まれている。
【0181】
まず、演算部203は、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313に基づいて、すでに存在している販売数量情報260(通常複数存在する)の中に、当該商品識別情報313によって識別される販売数量情報260が存在するか否かを判定する。
【0182】
当該商品識別情報313によって識別される販売数量情報260が存在する場合、当該販売数量情報260(これまでの販売数量を示す)に、印刷履歴情報674に含まれる数量情報672(新たに販売される数量を示す)を加算して、新たに販売数量を演算する。そして、求めた新たな販売数量によって当該販売数量情報260を更新する。
【0183】
一方、当該商品識別情報313によって識別される販売数量情報260が存在しない場合、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313と数量情報672とに基づいて、新たな販売数量情報260を生成する。すなわち、数量情報672に示される1の販売商品に含まれる商品の数量が、販売数量となる。
【0184】
ステップS14が実行され、販売数量情報260が更新(生成)されると、監視部204が当該販売数量情報260に含まれる商品識別情報313に基づいて、商品データベース270を検索する。そして、当該商品識別情報313によって示される出荷商品のレコードから、当該出荷商品の商品数量情報(生産情報311に含まれていた情報であって、登録の際に商品データベース270に格納されている)を取得する。
【0185】
次に、監視部204は、取得した商品数量情報に示される商品数量と、当該販売数量情報260に示される販売数量とを比較し、販売数量が商品数量以下か否かを判定する(ステップS15)。
【0186】
販売数量が商品数量より多い場合(ステップS15においてNo)、監視部204は、警告情報を生成し、表示部23に警告メッセージを表示させる(ステップS16)。警告メッセージには、例えば、異常の発生を知らせる文字情報やイラスト画像等の他に、商品識別情報313、当該出荷商品名、当該印刷履歴情報674を送信した店舗名(当該出荷商品を販売した店舗名)等を含めることができる。
【0187】
従来のシステムでは、ロット番号等の商品識別情報313を販売商品に添付して提供することによって、顧客は、当該商品が現実に当該店舗に出荷されたものであることを確認することが可能である。しかし、店舗に現実にある商品が入荷されていれば、当該商品が店舗内生産によって当該店舗への入荷量以上に増量されて販売されたとしても、これを察知することはできなかった。
【0188】
しかし、本実施の形態における流通システム1では、店舗内生産によって販売商品の生産が行われた時点で(販売ラベル81が発行されたとき)、当該販売商品の数量が管理装置2に自動的に送信される。したがって、出荷センタから出荷された商品よりも多くの商品が店舗において生産され販売された場合には、管理装置2の表示部23に警告メッセージが表示される。
【0189】
これにより、管理センタのオペレータは、不正あるいは誤操作等によって、商品の流通量に齟齬が生じていないか容易に監視することができる。なお、ステップS16が実行された場合において、管理装置2の通信部24から、出荷サーバ3および店舗サーバ4に対して警告情報を送信するようにしてもよい。
【0190】
一方、販売数量が商品数量以下である場合(ステップS15においてYes)、管理装置2は、ステップS16を実行することなく、そのまま待機状態に戻る。
【0191】
管理装置2は、待機状態において閲覧要求を受信すると、ステップS17においてYesと判定し、商品情報261を生成し、送信する(ステップS18)。本実施の形態における管理装置2は、出荷サーバ3だけでなく、公衆回線網90に接続可能な一般需用者の端末装置からも閲覧要求を受け付ける。
【0192】
ステップS18を具体的に説明すると、まず、データ処理部200が受信した閲覧要求を検索部202に転送する。
【0193】
次に、検索部202は、受け取った閲覧要求に基づいて、当該閲覧要求を送信した送信先のアクセス権限を判定する。本実施の形態における検索部202は、出荷センタ(出荷サーバ3)であるか、それ以外(一般需用者の端末装置)であるかを判定する。
【0194】
閲覧要求には、閲覧しようとする出荷商品を示す識別子(商品識別情報313)とともに、当該閲覧要求を送信した送信先を示す識別子(例えば、ネットワークアドレス)が含まれている。したがって、検索部202は、この送信先を示す識別子を用いて、閲覧要求が、予め登録された出荷センタから送信されたか、それ以外の一般需用者から送信されたかを判定できる。
【0195】
検索部202は、閲覧要求が出荷サーバ3からのものであると判定した場合、出荷サーバ3に送信するための商品情報261(閲覧情報316となる)を生成する。一方、閲覧要求が一般の端末装置からのものであると判定した場合、一般に送信するための商品情報261を生成する。
【0196】
例えば、出荷サーバ3用の商品情報261には、一般需用者に対して閲覧が制限されている情報(例えば非公開情報(具体例としては販売履歴情報771))が含められる。逆に、生産情報311のように、出荷センタにおいて生成された情報は、出荷センタに送信する必要性は低いので、当該商品情報261に含めなくてもよい。
【0197】
検索部202は、閲覧要求に含まれる商品識別情報313に基づいて、商品データベース270を検索し、当該商品識別情報313によって示される出荷商品のレコードから必要な情報を取捨選択して商品情報261を生成する。
【0198】
閲覧要求に対する商品情報261が生成されると、データ処理部200が当該商品情報261を通信部24に伝達する。これにより、通信部24が、閲覧要求の送信先に対して商品情報261を送信する。
【0199】
このように、流通システム1は、出荷センタ(出荷サーバ3)のみならず、一般需用者(一般の端末装置)に対しても、商品データベース270の閲覧を許可する。したがって、商品データベース270に予め生産情報311を格納しておくことにより、顧客に対して、音声情報や動画像情報といった多種多様な情報を提供することができる。
【0200】
<1−5−3. 店舗における動作>
図12は、店舗サーバ4の動作を示す流れ図である。店舗サーバ4は、主に、商品単価データベース411を作成、更新する際に、店舗におけるオペレータによって操作される。
【0201】
店舗サーバ4は、電源が投入されると、所定の初期設定を実行した後、待機状態となる。待機状態における店舗サーバ4は、データベースの作成が指示されたか(ステップS21)、印刷履歴情報674を受信したか(ステップS23)、販売履歴情報771を受信したか(ステップS25)、販売商品の単価情報671の要求があったか(ステップS27)を監視する。
【0202】
待機状態において、データベースの作成が指示された場合、店舗サーバ4は、ステップS21においてYesと判定し、データベース作成処理(ステップS22)を実行する。詳細は省略するが、データベース作成処理とは、商品単価データベース411を作成、更新する処理であり、主にオペレータが操作部42を操作することにより行われる。
【0203】
待機状態において、ラベル印刷装置6から印刷履歴情報674を受信すると、店舗サーバ4は、ステップS23においてYesと判定し、受信した印刷履歴情報674を管理装置2に送信する(ステップS24)。
【0204】
同様に、待機状態において、POS装置7から販売履歴情報771を受信すると、店舗サーバ4は、ステップS25においてYesと判定し、受信した販売履歴情報771を管理装置2に送信する(ステップS26)。
【0205】
また、待機状態において、ラベル印刷装置6から単価情報671を送信するように要求があると、店舗サーバ4は、ステップS27においてYesと判定し、当該要求に含まれる商品識別情報313に基づいて商品単価データベース411を検索する。さらに、当該商品識別情報313によって識別される商品単価データベース411のレコードから単価情報671を生成し、ラベル印刷装置6に送信する(ステップS28)。
【0206】
図13は、ラベル印刷装置6の動作を示す流れ図である。ラベル印刷装置6は、主に、店舗内生産を行う作業者によって操作され、販売ラベル81を生成する。なお、店舗内生産によって、販売商品に値付けが行われる。
【0207】
出荷商品から販売商品を生産するとき、まず読取部68が当該出荷商品に添付されている出荷ラベル80を読み取り(ステップS31)、生産情報670を生成する(ステップS32)。なお、すでに説明しているが、生産情報670には、商品識別情報313が含まれている。
【0208】
次に、作業者は、出荷商品から販売商品に含める商品を取り出し、計量部69の計量台(図示せず)に載置する。計量部69は、当該計量台に載置された商品(販売商品となる商品)の数量を計量し、数量情報672を生成する。これにより、ラベル印刷装置6は、数量情報672を取得する(ステップS33)。ただし、先述のように、数量情報672は作業者によって操作部62から入力されることにより取得されてもよい。
【0209】
数量情報672が取得されると、通信部64が、生産情報670に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品の単価情報671を、店舗サーバ4に対して要求し(ステップS34)、単価情報671が受信されるまで待機する(ステップS35)。
【0210】
ステップS34の要求に対して単価情報671が送信され(図12:ステップS28)、ラベル印刷装置6がこれを受信すると、値付け部600が、受信した単価情報671と数量情報672とに基づいて販売価格を演算し(ステップS36)、販売価格情報673を生成する。
【0211】
なお、先述のように、本実施の形態における販売価格情報673には、演算により求められた販売商品の販売価格の他に、単価情報671および数量情報672が含まれる。また、値付け部600は、販売商品の識別子を生成して販売価格情報673に含めてもよい。この場合、販売商品の識別子を店舗サーバ4に送信し、店舗サーバ4において管理するよう構成してもよい。
【0212】
販売価格情報673が生成されると、印刷制御部601が印刷部65を制御し、印刷部65が販売ラベル81を印刷する(ステップS37)。
【0213】
図14は、ラベル印刷装置6によって印刷される販売ラベル81を例示する図である。流通システム1では、印刷部65が販売ラベル81を印刷することにより、販売ラベル81が発行される。なお、発行された販売ラベル81は、店舗内生産を行う作業者によって、個々の販売商品に添付される。
【0214】
図14に示すように、販売ラベル81には、生産情報670がQRコードとして印刷される。先述のように、生産情報670は、出荷ラベル80を読み取ることにより生成される情報であって、印刷情報314と同じ内容の情報である。簡単に言えば、本実施の形態におけるラベル印刷装置6は、印刷部65によって、販売ラベル81に、出荷ラベル80を印刷する。
【0215】
これにより、出荷ラベル80によって表現された情報(印刷情報314:生産情報311の一部(商品識別情報313を含む)およびアドレス情報312)が、販売ラベル81に確実に引き継がれる。したがって、出荷センタにおいて出荷商品について提供された情報は、当該出荷商品が販売商品に組み替えられた後にも顧客に対して正確に提供される。すなわち、一般端末を有する一般需用者も、アドレス情報312および商品識別情報313を取得できるので、商品データベース270の閲覧が可能となる。
【0216】
また、販売ラベル81には、生産情報670から抽出された一部の情報が、文字情報810として表現される。図14に示す例では、商品名(きゅうり)と、商品識別情報(ロットNo.)313と、生産地(宮崎)等が文字情報810として表現されている。
【0217】
このように、流通システム1は、生産情報670に含まれる情報のうち、特に顧客に提供したいと望む情報については、店舗内生産を行う際に、人間が直接認識できる方式(文字表現)に変換して提供する。すなわち、配送時の作業者にとって必要性の低い情報は、一旦、人間が直接認識できない方式にして効率的に伝達する。一方、当該情報が必要になったときには、人間が直接認識できる方式に変換することにより、目的の者(顧客)に対して適切に情報を提供することができる。
【0218】
また、販売ラベル81には、販売価格情報673に含まれる情報(販売価格、単価情報671および数量情報672)の中から必要な情報が文字情報811として表現される。図14に示す例では、販売価格(200円)および数量情報672(3本)が文字情報811として表現されている。なお、量り売りされる商品(例えば「牛肉」)の場合、当該販売商品の単価が重要な意味を持つので、単価情報671も文字情報811として表現される。
【0219】
これにより、販売商品に対して値付けが行われ、顧客は容易に当該販売商品の価格を確認することができる。言い換えれば、販売価格情報673に含まれる情報のうち、販売価格は必ず文字情報811として印刷される。
【0220】
値付け作業において、販売価格が文字情報811として表現されれば、表示される最低限度の文字情報としては十分である。しかし、本実施の形態におけるラベル印刷装置6は、数量情報672も文字情報811として印刷する。
【0221】
数量情報672を文字情報811として印刷すれば、当然顧客は一見して数量情報672を認識できる。そのため、実数(実際の販売商品の数量)と数量情報672との間に不一致が生じていれば、顧客は比較的容易に気づくことになる。このような不一致は店舗の信用問題となるので、結果として店舗内作業において数量情報672が慎重に入力(取得)されることとなる。すなわち、流通システム1では、数量情報672を文字情報811として印刷するように構成することにより、数量情報672の信頼性が向上する。
【0222】
先述のように、流通システム1では、数量情報672に基づいて販売数量情報260が生成され、これに基づいて監視部204による販売数量の監視が行われる。すなわち、顧客に文字情報811として提供される数量情報672に基づいて、販売数量を監視することにより、監視結果の精度が向上する。
【0223】
さらに、本実施の形態における流通システム1では、販売価格情報673に示される販売価格は、販売商品を示す識別子とともにバーコード812としても表現される。そして、当該バーコード812はPOS装置7によって読み取られる。このように、本実施の形態におけるラベル印刷装置6は、バーコード812を印刷することも可能なので、既存のシステムとの整合をとることができる。
【0224】
販売ラベル81の印刷が終了すると、印刷制御部601が印刷履歴情報674を生成し(ステップS38)、通信部64が生成された印刷履歴情報674を店舗サーバ4に送信する(ステップS39)。これにより、店舗サーバ4を介して、管理装置2に印刷履歴情報674が送信される。
【0225】
さらに、CPU60が操作部62からの指示入力に基づいて、店舗内生産を終了するか否かを判定する(ステップS40)。店舗内生産を継続する場合には、ステップS31に戻って処理を繰り返す。一方、店舗内生産を終了する場合には、ラベル印刷装置6は処理を終了する。
【0226】
以上のように、本実施の形態における流通システム1は、販売商品に添付される販売ラベル81に、出荷商品を識別する商品識別情報313を印刷する。そして、顧客によって販売商品が購入される際に、印刷されている商品識別情報313に基づいて、購入される商品の販売履歴情報771を生成し管理装置2に送信する。これにより、出荷商品の販売履歴情報771が、管理装置2の商品データベース270に自動的に収集される。したがって、例えば、生産者(出荷センタのオペレータ等を含む)は、当該商品データベース270を閲覧することにより、商品の生産(出荷)調整を効率よく行える。
【0227】
また、顧客に関する情報を示す顧客情報770を取得して、当該顧客によって購入される商品の販売履歴情報771に、当該顧客情報770を含めることにより、生産者は、出荷商品がどのような顧客に購入されたかを閲覧できるので、より効率的に生産調整を行うことができる。
【0228】
また、出荷商品に添付する出荷ラベル80に、出荷商品に関する生産情報311を印刷し、店舗において、出荷ラベル80を読み取って、出荷ラベル80に印刷されている生産情報311を、販売商品に添付する販売ラベル81に印刷することにより、出荷商品に関する生産情報311を販売商品に確実に引き継ぐことができる。したがって、提供される情報の正確性が向上する。
【0229】
ラベル印刷装置6から受信した印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313により識別される出荷商品の商品数量を商品データベース270から取得し、演算部203により演算された販売数量情報260と比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成することにより、店舗に入荷した商品(出荷商品)と、店舗で販売した商品(販売商品)との齟齬を検出できる。
【0230】
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0231】
例えば、上記実施の形態において、ソフトウェアにより実現されると説明した機能ブロックは、その一部あるいは全部が専用の回路によりハードウェアとして実現されてもよい。
【0232】
また、上記実施の形態に示した各工程(ステップ)は、例示であって、このような処理順序、処理内容に限定されるものではない。すなわち、同様の効果が得られるものであれば、処理順序や処理内容が適宜変更されてもよい。
【0233】
また、上記実施の形態に示した各情報は、例示であって、このような構造・内容に限定されるものではない。例えば、販売価格情報673には、販売価格のみならず、単価情報671および数量情報672も含まれると説明したが、これらは別個独立して扱われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】本発明に係る流通システムを示す図である。
【図2】出荷サーバおよびラベル印刷装置の構成を示す図である。
【図3】管理装置の構成を示す図である。
【図4】管理装置の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図5】店舗サーバおよびラベル印刷装置の構成を示す図である。
【図6】ラベル印刷装置の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図7】POS装置の構成を示す図である。
【図8】POS装置の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図9】出荷生産における出荷サーバの動作を示す流れ図である。
【図10】ラベル印刷装置によって印刷された出荷ラベルの例を示す図である。
【図11】管理装置の動作を示す流れ図である。
【図12】店舗サーバの動作を示す流れ図である。
【図13】ラベル印刷装置の動作を示す流れ図である。
【図14】ラベル印刷装置によって印刷される販売ラベルを例示する図である。
【符号の説明】
【0235】
1 流通システム
2 管理装置
21 記憶部
200 データ処理部
201 登録部
202 検索部
203 演算部
204 監視部
260 販売数量情報
261 商品情報
27 ハードディスク
270 商品データベース
3 出荷サーバ
31 記憶部
310 入力情報
311 生産情報
312 アドレス情報
313 商品識別情報
314 印刷情報
315 登録情報
316 閲覧情報
4 店舗サーバ
40 CPU
41 記憶部
5 ラベル印刷装置
50 CPU
51 記憶部
55 印刷部
6 ラベル印刷装置
60 CPU
600 値付け部
601 印刷制御部
61 記憶部
65 印刷部
670 生産情報
671 単価情報
672 数量情報
673 販売価格情報
674 印刷履歴情報
68 読取部
69 計量部
7 POS装置
700 演算部
701 販売管理部
71 記憶部
770 顧客情報
771 販売履歴情報
78 読取部
80 出荷ラベル
81 販売ラベル
810,811 文字情報
90 公衆回線網
91,92 LAN
【技術分野】
【0001】
本発明は、流通過程における情報を管理することによって商品を管理する技術に関する。より詳しくは、商品の販売状況に関する情報を生産者が効率的に利用するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な流通市場では、商品(例えば青果物等)における生産と販売とは分業されている。すなわち、多くの場合、生産者と販売者とは互いに独立した事業としてその役割を担っており、このような商品の流通過程において、従来より、商品を正確かつ効率的に管理する流通システムが知られている。
【0003】
一方、昨今、個々の商品に関する生産情報を顧客に提供することが要望されており、流通システムを使ってこのような情報を提供する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、流通システムに生産履歴(生産情報)を容易に入力し、利用する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−030032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載されている技術では、個々の商品に関する生産情報を顧客に提供することは可能であるが、逆に、個々の商品に関する販売情報を生産者に提供することができないという問題があった。より詳しく言えば、生産者にとっての顧客は販売者であるため、販売者に対する売れ行きは把握できるが、現実の顧客(商品の購買者)の状況を把握するための情報が生産者に提供されないという問題があった。
【0006】
具体例で説明すると、前年、販売者によく売れた商品があった場合、生産者は、当該商品が顧客にもよく売れたのか、実は顧客には売れず、売れ残ったのかが把握できない。生産者は今年も当該商品が売れると見越して商品を生産するが、実際には前年売れ残っていたのであれば、販売者は当該商品の購入を控えることになる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、商品の販売状況を生産者に正確、かつ効率的に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、商品の流通を管理する流通システムであって、生産者によって閲覧可能な出荷商品に関するデータベースを記憶する管理装置と、販売商品に添付される販売ラベルに、出荷商品を識別する商品識別情報を印刷するラベル印刷装置と、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルを読み取って、前記購入される商品の購入代金を計算するとともに、前記販売ラベルに印刷されている商品識別情報に基づいて、前記購入される商品の販売履歴情報を生成し前記管理装置に送信するPOS装置とを備え、前記管理装置は、前記POS装置から受信した販売履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る流通システムであって、前記POS装置は、顧客に関する情報を示す顧客情報を取得して、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、当該顧客情報を含めることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係る流通システムであって、前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品に添付する販売ラベルに前記数量情報を印刷し、前記POS装置は、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルから数量情報を取得し、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、前記数量情報を含めることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係る流通システムであって、前記販売ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る流通システムであって、出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記出荷商品に関する生産情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されている生産情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明に係る流通システムであって、出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記データベースにアクセスするためのアドレス情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されているアドレス情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項5または6の発明に係る流通システムであって、前記出荷ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかの発明に係る流通システムであって、前記ラベル印刷装置は、販売商品に添付する販売ラベルを印刷するたびに、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報に基づいて、印刷履歴情報を生成し、前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項8の発明に係る流通システムであって、前記データベースには、登録されている出荷商品ごとに、当該出荷商品の商品数量情報が格納されており、前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報とともに、前記印刷履歴情報に含めて前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる数量情報と、前記印刷履歴情報に含まれる商品識別情報とに基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の販売数量情報を生成する演算部と、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる商品識別情報に基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の商品数量を前記データベースから取得し、前記演算部により演算された販売数量情報と比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成する監視部と、前記監視部により警告情報が生成された場合に、前記警告情報を出力する出力部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明では、販売商品に添付される販売ラベルに、出荷商品を識別する商品識別情報を印刷するラベル印刷装置と、販売ラベルに印刷されている商品識別情報に基づいて、購入される商品の販売履歴情報を生成し管理装置に送信するPOS装置とを備え、管理装置は、POS装置から受信した販売履歴情報に基づいて、データベースを更新することにより、出荷商品の販売履歴情報が、管理装置のデータベースに自動的に収集される。したがって、例えば、生産者は、当該データベースを閲覧することにより、商品の生産(出荷)調整を効率よく行える。
【0018】
請求項2に記載の発明では、顧客に関する情報を示す顧客情報を取得して、顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、当該顧客情報を含めることにより、生産者は、出荷商品がどのような顧客に購入されたかを閲覧できるので、より効率的に生産調整を行うことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、販売商品の数量情報を取得して、販売商品に添付する販売ラベルに前記数量情報を印刷し、POS装置は、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルから数量情報を取得し、顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、数量情報を含めることにより、生産者は、出荷商品が顧客に確実に売れたことを確認できる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、販売ラベルは、QRコードで表現されることにより、すでに一般化されている表現形式を用いることとなるので、情報の利便性が向上する。
【0021】
請求項5に記載の発明では、出荷ラベルを読み取って、出荷ラベルに印刷されている生産情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することにより、出荷商品に関する生産情報を販売商品に確実に引き継ぐことができる。提供される情報の正確性が向上する。
【0022】
請求項6に記載の発明では、出荷ラベルを読み取って、出荷ラベルに印刷されているアドレス情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することにより、顧客がデータベースにアクセスすることを認めることができるので、商品に直接添付できないような多種多様の生産情報を顧客に提供できる。
【0023】
請求項7に記載の発明では、出荷ラベルは、QRコードで表現されることにより、すでに一般化されている表現形式を用いることになるので、情報の利便性が向上する。
【0024】
請求項8に記載の発明では、販売商品に添付する販売ラベルを印刷するたびに、販売商品となった出荷商品の商品識別情報に基づいて、印刷履歴情報を生成し、管理装置に送信し、管理装置は、ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に基づいて、データベースを更新することにより、生産者は、出荷商品が実際に販売されたことを確認できる。
【0025】
請求項9に記載の発明では、出荷商品の商品数量と、演算部により演算された販売数量情報とを比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成し、当該警告情報を出力することにより、店舗に入荷した商品(出荷商品)と、店舗で販売した商品(販売商品)との齟齬を検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0027】
<1. 実施の形態>
<1−1. システム構成>
図1は、本発明に係る流通システム1を示す図である。流通システム1は、管理センタに配置される管理装置2、出荷センタに配置される出荷サーバ3および店舗に配置される店舗サーバ4を備えており、これらは公衆回線網90を介して互いにデータ通信が可能となっている。
【0028】
なお、本実施の形態では公衆回線網90によって管理装置2、出荷サーバ3および店舗サーバ4を接続するが、これらを接続するネットワークは公衆回線網90に限定されるものではない。例えば、LANやインターネット等であってもよいし、一部または全部が無線通信であってもよい。すなわち、管理装置2、出荷サーバ3および店舗サーバ4の間でデータ通信が可能な接続形態であればよい。
【0029】
また、出荷サーバ3は出荷センタにおけるLAN91に接続されており、店舗サーバ4は店舗におけるLAN92に接続されている。言い換えれば、出荷サーバ3および店舗サーバ4は、公衆回線網90とLAN91,92とを接続する機能を有している。
【0030】
詳細は後述するが、以上のような構成により流通システム1は、出荷センタ、管理センタおよび店舗において、商品に関する様々な情報を収集し、管理装置2の商品データベース270(図3)に集中的に記憶させることによって、商品の流通を管理する。
【0031】
一般に、出荷センタから出荷された商品は、店舗に配送された後、店頭に並べられて顧客に販売される。しかし、商品の流通過程において、出荷されるときの商品単位と、販売されるときの商品単位とは異なる場合がある。
【0032】
具体例を示すと、固まりで出荷された肉を切り分けて、複数のパック詰めにして販売する場合や、別々に到着した複数種類の商品を1つのパックに詰め合わせて販売する場合等である。このような商品の流通形態は、特に青果物について一般的となっている。
【0033】
以下の説明では、便宜上、出荷されるときの商品単位の商品を「出荷商品」と称し、販売されるときの商品単位の商品を「販売商品」と称する。すなわち、出荷商品は店舗に到着する商品の最小単位であり、販売商品は顧客が購入することができる商品の最小単位である。
【0034】
<1−2.出荷センタにおける構成>
生産者が生産した商品は、様々な流通過程を経て店舗へと到着する。すなわち、生産者から直接店舗に到着する場合もあれば、途中に単なる中継センタを介して到着する場合もある。また、商品配送の途中で梱包等が解かれ、新たに梱包しなおしてそれぞれ異なる店舗に配送される場合もある。
【0035】
本実施の形態では、ある商品について、店舗に到着する状態にする場所までを「出荷センタ」と呼ぶ。すなわち、商品が、生産者から直接店舗に到着する場合や、単なる中継センタを介して到着する場合は、生産者の作業場までが「出荷センタ」である。一方、生産者から入荷した商品を、別途箱詰め等してから店舗に配送する場合は、箱詰めする配送センタまでが「出荷センタ」である。すなわち、出荷センタの形態は、商品の流通形態によって様々であり、具体例としては、生産農家、生産工場、農協あるいは卸売り市場等が含まれる。
【0036】
さらに、出荷センタにおいて、商品を出荷商品にすることを、「出荷生産」と称する。したがって、「出荷生産」とは、「出荷センタ」の役割に応じて様々であり、いわゆる「収穫作業」の場合もあれば、「製造作業」の場合もある。また、「加工作業」や、単なる「詰め替え作業」の場合もある。
【0037】
図1に示すように、出荷センタには、出荷サーバ3の他にラベル印刷装置5が設置されており、これらは互いにLAN91を介して接続されている。なお、ラベル印刷装置5が出荷サーバ3としての機能を有している場合には、ラベル印刷装置5が直接公衆回線網9に接続される形態でもよい。また、ラベル印刷装置5の台数は、図1に示す数(1台)に限定されるものではない。
【0038】
図2は、出荷サーバ3およびラベル印刷装置5の構成を示す図である。
【0039】
出荷サーバ3は、各種データの演算を行うCPU30、各種データを記憶する記憶部31、入力部32、表示部33、および通信部34を備えており、一般的なパーソナルコンピュータとしての機能を有している。
【0040】
詳細は図示しないが、記憶部31は、出荷サーバ3の機能を実現するためのプログラム等が格納される読み取り専用のROM、CPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMおよび比較的大容量のデータを記憶可能なハードディスクから構成されている。
【0041】
図2に示すように、記憶部31には、入力情報310、印刷情報314、登録情報315および閲覧情報316が、適宜、記憶される。
【0042】
ここで、入力情報310とは、オペレータによって、主に入力部32から入力される情報であって、出荷生産によって生産される出荷商品に関する生産情報311およびアドレス情報312とを含む。ただし、入力情報310は、入力される情報に限定されるものではなく、出荷サーバ3が自動的に付与する情報(例えばタイムスタンプ)や、通信部34を介して外部装置から取得する情報等を含んでもよい。
【0043】
生産情報311は、出荷商品の識別子(以下「商品識別情報313」と称する)と、当該出荷商品の数量を示す情報(以下、「商品数量情報」と称する)と、当該出荷商品の経歴を示す情報とを含む情報である。商品識別情報313とは、流通システム1において出荷商品を個々に識別する情報であって、例えばロット番号や製造番号等である。また、商品数量情報とは、1の出荷商品に含まれる商品の量を示す情報であって、例えば商品重量あるいは個数等である。さらに、出荷商品の経歴を示す情報の具体例を挙げれば、生産商品名、生産者名、生産地(収穫地や加工地)、生産日時(収穫日時や加工日時)、出荷商品を紹介するための音声情報や画像情報(動画像情報を含む)、出荷センタ名、出荷日時、出荷先(店舗名)等である。
【0044】
アドレス情報312は、公衆回線網90を利用して管理装置2にアクセスするために必要なネットワークアドレスを示す情報である。詳細は後述するが、アドレス情報312は、商品データベース270を閲覧する際に使用される。
【0045】
印刷情報314とは、LAN91を介してラベル印刷装置5に送信される情報であって、出荷ラベル80として印刷される情報である。印刷情報314は、生産情報311から選択される情報(以下、「選択情報」と称する)と、アドレス情報312とが含まれる。上記のように、印刷情報314は印刷に用いられる情報であるから、印刷情報314に含まれる情報は画像として出力(印刷)可能な情報に限られる。したがって、例えば、生産情報311に音声情報や動画情報等が含まれていても、これらを印刷情報314に含めることはできない。ただし、本実施の形態では、選択情報(印刷情報314)には、商品識別情報313および商品数量情報が必ず含まれる。
【0046】
登録情報315とは、生産情報311を含む情報であって、公衆回線網90を介して管理装置2に送信される。なお、登録情報315は、管理装置2において、出荷商品を登録するために使用される情報であるから、登録情報315にアドレス情報312は含まれないが、商品識別情報313は含まれる。
【0047】
生産情報311に含まれる情報は、それぞれ公開情報と非公開情報とに分類され、各情報(項目)ごとに公開・非公開を示す識別子が付与される(すなわち、この識別子も登録情報315に含まれる)。登録情報315に含まれる生産情報311のうち公開情報は、管理装置2に記憶(登録)された後、一般に公開され閲覧される。一方、非公開情報は、管理装置2に記憶された後、何らかのアクセス制限が行われ、許可された者にのみ閲覧が許可される。
【0048】
閲覧情報316とは、オペレータの要求に応じて、管理装置2から送信される情報であって、出荷商品に関する情報である。閲覧情報316の詳細は後述する。
【0049】
入力部32は、キーボードやマウス、各種ボタン類等から構成されるが、さらに注文伝票や入荷伝票等を直接読み取るOCR装置やスキャナ、カメラ、音声入力装置、専用のリーダ等を備えていてもよい。すなわち、入力部32は、出荷サーバ3に何らかの情報を入力する機能を備えていれば、どのようなものであってもよい。入力部32は、主に出荷サーバ3において入力情報310を作成するときや、オペレータが出荷サーバ3に指示を与える場合に使用される。
【0050】
表示部33は、液晶ディスプレイであり、各種データを画面に表示する。特に、表示部33は、CPU30からの指示に従って、閲覧情報316を表示する。これにより、オペレータは、閲覧情報316の内容を確認することができる。
【0051】
通信部34は、出荷サーバ3を公衆回線網90およびLAN91に接続する。このように、通信部34を備えることにより、出荷サーバ3は、管理装置2およびラベル印刷装置5との間でデータ通信が可能となる。
【0052】
例えば、通信部34は、CPU30からの指示に従って、登録情報315を管理装置2に送信する。また、同様に、印刷情報314をラベル印刷装置5に送信する。さらに、管理装置2から閲覧情報316を受信した場合は、受信した閲覧情報316を記憶部31に転送する。
【0053】
ラベル印刷装置5は、各種データの演算を行うCPU50、各種データを記憶する記憶部51、操作部52、表示部53、通信部54および印刷部55を備えており、一般的なマイクロコンピュータとしての機能を有している。ラベル印刷装置5は、主に出荷生産を行う際に出荷センタの作業者によって使用され、印刷情報314に基づいて出荷ラベル80を作成する機能を有している。
【0054】
CPU50は、印刷情報314の受信の有無を監視し、印刷情報314が通信部54により受信されると、受信した印刷情報314(記憶部51に記憶されている)を印刷部55に転送する。
【0055】
また、CPU50は、印刷部55において、出荷ラベル80の印刷が終了すると、通信部54を制御して、当該印刷が終了したことを示す信号(以下、「出荷済み信号」と称する)を、出荷サーバ3に向けて送信させる。この出荷済み信号を受信すると、出荷サーバ3は登録情報315を作成して管理装置2に送信する。
【0056】
詳細は図示しないが、記憶部51は、専用のプログラム等が格納される読み取り専用のROMと、CPU50の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMとを備えている。なお、ラベル印刷装置5は、記憶部51として、比較的大容量のデータを記憶することが可能なハードディスクを備えていてもよい。
【0057】
操作部52は、主に各種ボタン類から構成される。例えば、操作部52は、作業者がラベル印刷装置5に指示を与える場合に使用される。なお、操作部52としては、キーボードやマウス等を備えていてもよい。
【0058】
以下、本実施の形態における流通システム1では、出荷サーバ3から送信された印刷情報314を、ラベル印刷装置5が受信したときに、ラベル印刷装置5が出荷ラベル80の印刷を実行するとして説明する。しかし、例えば、印刷情報314を一旦記憶部51に蓄積しておき、印刷を指示する情報を操作部52が受け付けたときに印刷するようにしてもよい。
【0059】
表示部53は、例えば液晶パネルであり、各種データを画面に表示する。これにより、作業者は、ラベル印刷装置5の状態や、出荷ラベル80を印刷する際に、出荷商品に関する情報等を確認することができる。なお、表示部53は、タッチパネル装置のように、操作部52の機能の一部を有するものであってもよい。
【0060】
通信部54は、ラベル印刷装置5をLAN91に接続する。このように、通信部54を備えることにより、ラベル印刷装置5は、出荷サーバ3との間でデータ通信が可能である。例えば、通信部54は、出荷サーバ3から送信される印刷情報314を受信して、受信した印刷情報314を記憶部51に転送する。また、通信部54は、出荷済み信号を出荷サーバ3に送信する。
【0061】
印刷部55は、印刷情報314に基づいて描画データを生成し、シール状の専用用紙に画像(出荷ラベル80)を印刷する。詳細は後述するが、本実施の形態における印刷部55は、印刷情報314を二次元コードであるQRコードとして印刷する。すなわち、ラベル印刷装置5によって印刷される出荷ラベル80はQRコードである。
【0062】
<1−3. 管理センタにおける構成>
本実施の形態における管理センタは、流通システム1が管理する商品に関する情報を一元的に集中管理する部門である。
【0063】
本実施の形態における流通システム1では、管理センタ、出荷センタおよび店舗を、一般の公衆回線網90によって接続する。そのため、大容量の商用データベースを独自に備える一般のデータベース業者や、ネットワークプロバイダ、あるいはホームページ提供業者等が管理センタを担うことが可能となる。したがって、図1において、管理センタは、出荷センタや店舗とは離れた場所として図示している。
【0064】
しかし、例えばセキュリティ問題等、情報の管理上、出荷センタや店舗内に管理センタを設ける方が適している場合には、そのように構成することももちろん可能である。また、その場合には、出荷サーバ3や店舗サーバ4が管理装置2としての機能を備えていてもよい。
【0065】
また、管理装置2は、出荷サーバ3や店舗サーバ4以外の外部装置(図示せず)とも公衆回線網90を介して接続される。このような外部装置としては、例えば顧客が使用するパソコンや携帯電話等も含まれる。すなわち、出荷サーバ3や店舗サーバ4に限らず、公衆回線網90に接続する機能を有する装置は、管理装置2のネットワークアドレスを取得することにより、管理装置2との間でデータ通信が可能である。
【0066】
さらに、図1では、流通システム1の管理装置2を1台の装置として図示しているが、もちろん複数の装置によって管理装置2の機能が提供されてもよい。また、複数の装置によって管理装置2の実行する処理が並列的に処理されてもよい。
【0067】
図3は、管理装置2の構成を示す図である。
【0068】
管理装置2は、各種データの演算を行うCPU20、各種データを記憶する記憶部21、オペレータの操作を受け付ける操作部22、各種データを画面に表示する表示部23、および通信部24を備えており、一般的なパーソナルコンピュータとしての機能を有している。
【0069】
CPU20は、プログラム250に従って動作することにより、管理装置2の様々な機能を実現する。
【0070】
記憶部21は、主にプログラム250を格納するROM25、CPU20の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM26、および商品データベース270を記憶するハードディスク27から構成されている。
【0071】
本実施の形態における商品データベース270は、出荷商品ごとに商品の登録が可能とされており、少なくとも商品識別情報313を用いて検索が可能とされている。すなわち、1つのレコードが出荷商品ごとに作成される構造を有している。ただし、商品識別情報313を用いて検索が可能であれば、出荷商品をさらに小分けした商品ごとに登録するように構成してもよい。
【0072】
図4は、管理装置2の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図4に示すデータ処理部200、登録部201、検索部202、演算部203および監視部204が、主にCPU20がプログラム250に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0073】
データ処理部200は、通信部24を介して受信した登録情報315、印刷履歴情報674および販売履歴情報771をRAM26に転送する。
【0074】
また、公衆回線網90を介して、外部装置から商品データベース270の閲覧要求があった場合には、当該閲覧要求を検索部202に伝達する。なお、外部装置としては、出荷サーバ3や、一般の端末装置(パソコンや携帯電話等)が該当する。また、閲覧要求には、閲覧を望む出荷商品の商品識別情報313等が含まれる。
【0075】
さらに、データ処理部200は、商品データベース270を検索した結果を示す商品情報261を通信部24に伝達し、閲覧要求を行った外部装置に向けて送信させる。なお、先述の閲覧情報316は、出荷サーバ3からの閲覧要求に対して、当該出荷サーバ3に向けて送信される商品情報261である。
【0076】
登録部201は、登録情報315(生産情報311)に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品のレコードを新たに生成して、商品データベース270に当該出荷商品を登録する。このとき、当該新たに生成したレコードの項目に、当該登録情報315の生産情報311に含まれる他の情報(商品数量情報や当該出荷商品の経歴に関する情報)をそれぞれ格納する。このように、登録部201によって出荷商品が登録されることにより、商品データベース270は、商品識別情報313によって、当該出荷商品に関する情報を検索することが可能となる。
【0077】
また、登録部201は、商品データベース270を更新する機能も備えている。例えば、登録部201は、店舗サーバ4から送信される販売履歴情報771に基づいて、商品データベース270に登録されている出荷商品に関する情報を更新する。
【0078】
なお、登録部201は、販売履歴情報771以外の情報によって商品データベース270を更新してもよい。例えば、操作部22から入力される情報や、出荷サーバ3から受信する登録情報315以外の情報、あるいは印刷履歴情報674等に基づいて商品データベース270を更新してもよい。
【0079】
検索部202は、データ処理部200から閲覧要求が伝達されると、当該閲覧要求に応じて、商品データベース270を検索し、商品データベース270に格納されている情報の中から、閲覧を要求された情報を抽出して商品情報261を生成する。
【0080】
例えば、出荷サーバ3からの閲覧要求に対しても、管理装置2から商品情報261が送信される。すなわち、閲覧情報316とは、商品情報261のうち出荷サーバ3によって受信される情報であって、商品データベース270において出荷商品に関連付けられている情報である。
【0081】
なお、商品情報261に含まれる情報は、通常、外部装置によって閲覧が要求された情報である。ただし、閲覧が要求された情報であっても、アクセス制限等が設けられている情報(非公開情報等)の場合には、商品情報261に含めない。
【0082】
演算部203は、印刷履歴情報674に基づいて、販売数量情報260を生成、更新する。詳細は後述するが、印刷履歴情報674には、商品識別情報313と、数量情報672(図6)とが含まれる。演算部203は、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313に示される出荷商品について、数量情報672に示される数量を積算することにより、出荷商品ごとに販売数量情報260を生成する。
【0083】
これにより、販売数量情報260は、出荷商品のうち販売商品となった商品の数量(以下、「販売数量」と称する)を示す情報となる。なお、販売数量は、出荷商品ごとに求められるので、販売数量情報260には、生成の際に、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313が含められる。
【0084】
監視部204は、販売数量情報260が生成、あるいは更新されるたびに、商品データベース270を検索して、当該出荷商品の商品数量情報と、販売数量情報260とを比較する。そして、販売数量情報260に示される販売数量が、商品数量情報に示される商品数量より多い場合は、警告情報(警告メッセージ)を表示部23に表示させる。
【0085】
なお、詳細は図示しないが、生成(更新)される販売数量情報260は、監視部204によるチェックの後、登録部201によって商品データベース270の当該出荷商品のレコードに格納される。これにより、出荷センタ(出荷サーバ3)において、商品データベース270を閲覧することにより、実際の販売数量を確認することができる。
【0086】
図3に戻って、操作部22は、一般的なキーボードやマウス等から構成されている。操作部22は、管理装置2に情報(指示)を入力する際に、オペレータによって使用される。
【0087】
表示部23は、一般的なディスプレイであって、各種データを画像として画面に表示する機能を有している。特に、管理装置2の表示部23は、監視部204からの指示に従って、警告メッセージを表示する。
【0088】
通信部24は、管理装置2を公衆回線網90に接続する機能を有している。管理装置2は、通信部24を備えることにより、公衆回線網90に接続されている出荷サーバ3や店舗サーバ4および外部装置と接続される。
【0089】
<1−4. 店舗における構成>
図1に示すように、商品を顧客に販売する店舗には、店舗サーバ4の他にラベル印刷装置6およびPOS装置7が設置されており、いずれもLAN92に接続されている。
【0090】
なお、ラベル印刷装置6やPOS装置7が後述する店舗サーバ4としての機能を有している場合には、ラベル印刷装置6やPOS装置7が直接公衆回線網90に接続される形態を採用することももちろん可能である。また、ラベル印刷装置6およびPOS装置7の台数は、図1に示す数(1台)に限定されるものではない。
【0091】
商品を店舗に向けて出荷する際に、予め出荷先の店舗における販売時の商品単位が決定されていれば、出荷センタにおいて販売時の商品単位を考慮したラベル(例えば出荷ラベル80)を添付しておけば、店舗において改めてラベルを作成し添付する必要はない。
【0092】
しかし、先述のように、店舗では、到着した出荷商品の商品単位を自由に変更して販売する。したがって、出荷商品に対して添付される出荷ラベル80に予め表現しておく情報には限度がある。また、販売商品の価格を店舗において決定する場合も多く、少なくともこの場合には店舗で独自に決定した価格を、当該販売商品に表示する必要がある。
【0093】
このため、本実施の形態における流通システム1は、販売商品ごとに添付するラベルを店舗において作成する。なお、以下の説明において、到着した出荷商品から販売商品を作成する作業を、「店舗内生産」と称する。
【0094】
図5は、店舗サーバ4およびラベル印刷装置6の構成を示す図である。
【0095】
店舗サーバ4は、各種データの演算を行うCPU40、各種データを記憶する記憶部41、オペレータの操作を受け付ける操作部42、表示部43および通信部44を備える。
【0096】
CPU40は、プログラム410に従って動作することにより、店舗サーバ4の機能を実現する。特に、印刷履歴情報674や、販売履歴情報771等を受信した場合は、これらの情報を管理装置2に送信する。また、操作部42から入力される情報に基づいて商品単価データベース411を作成・更新したり、記憶部41に記憶されている商品単価データベース411の検索エンジンとしての機能を有する。
【0097】
詳細は省略するが、記憶部41は、主にプログラム410を記憶するROM、CPU40の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM、および主に商品単価データベース411を記憶するハードディスクを備える。
【0098】
商品単価データベース411は、出荷商品を示す識別子と、当該出荷商品の単価を示す情報とが関連付けられて1つのレコードを構成する構造のデータベースである。すなわち、店舗サーバ4では、商品識別情報(出荷商品の識別子)313を検索キーとして、当該出荷商品の単価を示す情報を検索することが可能とされている。
【0099】
具体例を挙げると、出荷商品が「牛肉」であれば、当該牛肉を示す識別子と、当該牛肉100g当たりの価格とが登録されている。また、出荷商品が「キュウリ」であれば、当該キュウリを示す識別子と、当該キュウリ1本当たりの価格とが登録されている。
【0100】
なお、単価を示す情報は、通常、店舗におけるオペレータが決定して入力する情報である。また、商品単価データベース411の各レコードは、後述する単価情報671(図6)を構成している。
【0101】
操作部42は、キーボードやマウス等で構成され、店舗サーバ4にオペレータが指示(あるいは情報)を入力する際に、当該オペレータによって操作される。例えば、商品単価データベース411を作成(あるいは更新)する際などに使用される。
【0102】
表示部43は、一般的なディスプレイであって、各種データを画像として画面に表示する。例えば、表示部43は、商品単価データベース411を一覧表示することが可能である。
【0103】
通信部44は、店舗サーバ4を公衆回線網90およびLAN92に接続する機能を有する。このように、通信部44を備えているので、店舗サーバ4は、管理装置2、ラベル印刷装置6およびPOS装置7との間でデータ通信を行うことが可能である。
【0104】
例えば、通信部44は、印刷履歴情報674や販売履歴情報771をLAN92を介して受信し、CPU40の指示に基づいて、これらの情報を管理装置2に送信する。また、通信部44は、CPU40が商品単価データベース411を検索することにより抽出した単価情報671を、ラベル印刷装置6に送信する。
【0105】
ラベル印刷装置6は、各種データの演算を行うCPU60、各種データを記憶する記憶部61、オペレータの操作を受け付ける操作部62、表示部63および通信部64を備え、一般的なマイクロコンピュータとしての機能を有している。特に、ラベル印刷装置6は、販売商品に値付けを行って、当該販売商品の販売価格を表示する販売ラベル81を作成する機能を有する。
【0106】
CPU60は、プログラム660に従って動作することにより、ラベル印刷装置6の各構成を制御する。
【0107】
記憶部61は、主にプログラム660を記憶するROM66と、CPU60の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM67とを備えている。なお、記憶部61は、比較的大容量のデータを記憶するためのハードディスク等を備えていてもよい。
【0108】
図6は、ラベル印刷装置6の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図6に示す値付け部600および印刷制御部601が、主にCPU60がプログラム660に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0109】
なお、生産情報670は、印刷情報314と同じ内容の情報であり、生産情報311の一部(選択情報)と、アドレス情報312とが含まれる。なお、生産情報670は、印刷情報314に含まれる情報のうちの一部の情報であってもよい。すなわち、印刷情報314に含まれる情報から、店舗において必要とされる情報のみが適宜選択されて生産情報670とされてもよい。ただし、生産情報670には、商品識別情報313が含まれる。
【0110】
また、単価情報671は、商品識別情報313と当該商品識別情報313によって示される出荷商品の店舗における単価を示す情報とを含む情報であって、通信部64を介して店舗サーバ4から得られる情報である。
【0111】
さらに、数量情報672は、店舗内生産によって生産される1つの販売商品に含まれる商品の数量を示す情報である。なお、図6において、数量情報672は計量部69からのみ取得されるように図示しているが、後述するように、数量情報672は操作部62から入力される場合もある。
【0112】
値付け部600は、単価情報671と数量情報672とに基づいて、販売商品の店舗における販売価格を演算し、当該販売価格を示す販売価格情報673を生成する。このとき、値付け部600は、販売商品を示す識別子を生成して、単価情報671および数量情報672とともに、当該販売価格情報673に含める。
【0113】
印刷制御部601は、生産情報670と販売価格情報673とに基づいて、販売ラベル81を印刷するよう印刷部65を制御する。
【0114】
また、印刷制御部601は、印刷部65によって販売ラベル81が印刷されるたびに、生産情報670に含まれる商品識別情報313と、販売価格情報673に含まれる数量情報672とに基づいて、印刷履歴情報674を生成する。なお、本実施の形態における印刷制御部601は、販売価格情報673に含まれる販売商品を示す識別子も印刷履歴情報674に含める。
【0115】
図5に戻って、操作部62は、テンキーやボタン類等から構成される。操作部62は、主に、販売ラベル81を作成する際に、店舗内生産を行う作業者によって操作される。
【0116】
例えば、販売商品が、商品の個数を単位として値付けされ販売される場合、作業者は当該販売商品に含まれる商品の個数を、操作部62を操作することにより入力する。このとき、操作部62は、入力された商品の個数に基づいて、当該販売商品に関する数量情報672を生成する。
【0117】
表示部63は、一般的な液晶パネルであって、CPU60からの指示に基づいて、各種データを画面に表示する。表示部63には、店舗内生産中の商品に関する情報等が、適宜表示される。
【0118】
通信部64は、ラベル印刷装置6をLAN92に接続する機能を有する。これにより、ラベル印刷装置6は、店舗サーバ4との間でデータ通信が可能となる。したがって、ラベル印刷装置6は、店舗サーバ4に記憶されている商品単価データベース411を検索して、単価情報671を取得することが可能となる。
【0119】
通信部64を備えることにより、ラベル印刷装置6は、さらに、店舗サーバ4を介して、管理装置2との間でもデータ通信が可能とされている。すなわち、通信部64は、印刷履歴情報674が生成されるたびに、当該印刷履歴情報674を管理装置2に向けて送信することが可能である。
【0120】
図5に示すように、ラベル印刷装置6は、さらに、印刷部65、読取部68および計量部69を備えている。
【0121】
印刷部65は、販売商品に添付する販売ラベル81を、印刷制御部601の指示に基づいて、印刷する。
【0122】
読取部68は、一般的なデジタルカメラとしての機能および構成を備えており、出荷ラベル80を光学的に読み取る(撮像する)。さらに、読取部68は、出荷ラベル80を撮像することにより得た画像データを解析して、当該画像データを印刷情報314に変換(復号)し、これに基づいて生産情報670を生成する。すなわち、読取部68は、QRコードを解析する機能を備えている。
【0123】
計量部69は、販売商品の重量を測定して、当該販売商品の数量情報672を生成する機能を有している。したがって、販売商品が重量を単位として値付けされ販売される場合には、計量部69によって当該販売商品に関する数量情報672が生成される。
【0124】
図7は、POS装置7の構成を示す図である。
【0125】
POS装置7は、CPU70、記憶部71、操作部72、表示部73、通信部74、印刷部75および読取部78を備え、一般的なマイクロコンピュータとしての機能を有している。POS装置7は、主に、顧客に請求する購入代金を計算するためにレジ担当者によって使用される。
【0126】
CPU70は、プログラム760に従って動作することにより、POS装置7の各構成を制御するとともに、各機能を実現する。すなわち、CPU70は、各種データの演算を行い、各構成に対する制御信号等を生成する機能を有している。
【0127】
記憶部71は、プログラム760を記憶するROM76と、CPU70の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM77とを備える。なお、記憶部71は、比較的大容量のデータを記憶することが可能なハードディスクを備えていてもよい。
【0128】
図8は、POS装置7の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図8に示す演算部700および販売管理部701が、主にCPU70がプログラム760に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0129】
演算部700は、各販売商品ごとに取得され生成される販売価格情報673を積算して、購入代金(顧客によって購入される全販売商品の合計金額)を演算する。さらに、演算部700は、求めた購入代金を表示部73に表示させるとともに、印刷部75にレシートとして印刷させる。
【0130】
販売管理部701は、生産情報670を参照しつつ、当該生産情報670に含まれる商品識別情報313を取得し、顧客情報770と関連付けて販売履歴情報771を生成する。なお、本実施の形態における販売管理部701は、販売履歴情報771に販売価格情報673を含める。また、詳細は図示していないが、販売履歴情報771には、タイムスタンプが記録され、いつ販売されたかがわかるようになっている。
【0131】
図7に戻って、操作部72は、主に複数のボタン類から構成されている。レジ担当者は、操作部72を操作することにより、様々な情報や指示をPOS装置7に入力することが可能となっている。例えば、顧客情報770は後述するようにカードから取得されるだけでなく、オペレータの主観を入力するために使用される場合もある。あるいは、バーコード812が添付されていない販売商品については、販売価格情報673を直接入力するためにも使用される。
【0132】
表示部73は、一般的な液晶パネルであって、各種データを画面に表示する。特に、表示部73は、先述のように、演算部700によって演算された購入代金を表示する。これにより、レジ担当者は、顧客に対して請求すべき金額を容易に把握することができる。
【0133】
通信部74は、POS装置7をLAN92に接続する機能を有している。特に、通信部74は、販売管理部701によって生成される販売履歴情報771を、店舗サーバ4(管理装置2)に向けて送信する。
【0134】
印刷部75は、演算部700によって制御され、主にレシートを印刷して顧客に発行する機能を有している。
【0135】
読取部78は、詳細は図示しないが、被写体を撮像する一般的なデジタルカメラと、バーコードを読み取るバーコードリーダと、可搬性のカードから情報を読み取るカードリーダとを備えてる。
【0136】
読取部78が備えるデジタルカメラは、販売ラベル81に印刷されているQRコードを撮像し、画像データを生成する。読取部78は、この画像データを解析することにより、ラベル印刷装置6の読取部68と同様に生産情報670を生成する。
【0137】
また、読取部78が備えるバーコードリーダは、販売ラベル81に印刷されているバーコードを読み取ることにより、販売価格情報673を生成する。
【0138】
さらに、読取部78が備えるカードリーダは、顧客が持参するカード(例えば、磁気カードやICカード)に記憶されている情報を読み取って、顧客情報770を生成する。なお、顧客情報770は、販売商品の購買層を把握して、販売戦略に生かすために有益な情報であって、例えば、当該販売商品を購入した顧客の年齢や性別等の情報である。
【0139】
以上が、本実施の形態における流通システム1の構成および機能の説明である。
【0140】
<1−5.動作説明>
次に、流通システム1の動作について、説明する。以下では、主に商品の流通過程における各場面ごとに、流通システム1の動作を順次説明する。
【0141】
<1−5−1. 出荷センタにおける動作>
図9は、出荷生産における出荷サーバ3の動作を示す流れ図である。先述のように、出荷サーバ3は、出荷センタにおいて、出荷生産を行うときに使用される。
【0142】
出荷生産が開始されると、出荷サーバ3は入力部32によって入力情報310を受け付けつつ(ステップS1)、入力が終了するまで待機する(ステップS2)。なお、入力が終了したことを示す指示は、出荷生産を行うオペレータによって入力部32から入力される。
【0143】
入力情報310の入力が終了すると(ステップS2においてYes)、出荷サーバ3は、ラベル印刷装置5に出荷ラベル80を印刷させる(ステップS3)。具体的には、出荷サーバ3のCPU30が、ステップS1において入力された入力情報310に基づいて印刷情報314を生成し、生成した印刷情報314を通信部34およびLAN91を介してラベル印刷装置5に送信する。すなわち、本実施の形態における流通システム1では、出荷サーバ3がラベル印刷装置5に対して印刷情報314を送信することが、出荷ラベル80を印刷させる指示に相当する。
【0144】
なお、先述のように、入力情報310には生産情報311(商品識別情報313を含む)とアドレス情報312が含まれている。CPU30は、入力された生産情報311のうちから予め指定されている項目に該当する情報のみを選択して、この選択した情報(選択情報)とアドレス情報312とに基づいて印刷情報314を生成する。
【0145】
一方、印刷情報314を受信したラベル印刷装置5のCPU50は、受信した印刷情報314に基づいて出荷ラベル80を印刷するように印刷部55を制御する。これにより、印刷部55(ラベル印刷装置5)が出荷ラベル80を印刷する。
【0146】
図10は、ラベル印刷装置5によって印刷された出荷ラベル80の例を示す図である。図10に示すように、本実施の形態における流通システム1では、出荷ラベル80として印刷される画像はQRコードである。以下の説明では、出荷ラベル80と、当該QRコードとを特に区別せずに説明する場合がある。
【0147】
なお、出荷ラベル80には、アドレス情報312および商品識別情報313が含まれる。したがって、これを取得した一般端末は、アドレス情報312に基づいて管理装置2との間でデータ通信を行うことが可能となる。また、商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品に関する情報を要求できる(後述する閲覧要求に商品識別情報313を含めることができる。)。
【0148】
ラベル印刷装置5の印刷部55は、印刷情報314に基づいて生成する描画データは、QRコードを描画するための描画データである。したがって、出荷ラベル80を構成するQRコードには、生産情報311(より詳しくは選択情報)と、アドレス情報312(管理装置2のネットワークアドレス)とが表現される。
【0149】
従来から、商品(出荷商品)の包装には、様々な情報が印刷され表現される。このような情報には、商品名のみならず、例えば、商品イラストや、キャッチフレーズ等も含まれる。すなわち、さらに多くの情報を提供しようとしても、当該情報を印字するスペースを十分に確保できない場合が多々ある。
【0150】
しかし、本実施の形態における流通システム1は、出荷ラベル80としてQRコードを印刷することにより、小さい印字面に比較的多くの情報を印刷して添付することができる。したがって、商品の流通過程において、下流側(店舗や顧客)にさらに多くの情報を提供することができる。
【0151】
また、商品の流通過程において、いずれ必要とされる情報であっても、他の流通過程においては利用価値の低い情報もある。すなわち、必要とされる情報は流通過程の各場面ににおいて様々であり、常に、すべての情報を文字情報として提供しなければならないわけではない。
【0152】
例えば、出荷商品を店舗に搬送している作業者にとって、当該出荷商品がいつ生産されたか(生産日)等の情報は、あまり重要な情報ではなく、一見して認識可能な文字情報として提供される必要性は乏しい。しかし、店舗において当該出荷商品(販売商品)の購入を検討する顧客にとって、「生産日」は重要な情報であるから、直ちに認識可能な状態で提供されることが好ましい。
【0153】
本実施の形態における流通システム1は、個々の情報において、利用価値の低い間は直接人間によって認識できない状態(QRコード)で商品に添付しておき、利用価値が高まった時点で、当該情報を文字情報等に変換することにより、効率のよい情報提供を実現できる。
【0154】
また、情報を伝達するにあたって、一旦人間に直接認識できない表現形式を用いた場合、必要に応じてこれを文字情報等に変換(復号)しなければならない。しかし、QRコードは広く普及しているため、特殊な装置がなくても、比較的手軽にその内容を変換して確認することが可能である。例えば、一般利用者(オペレータや顧客を含む)は、デジタルカメラ等によって出荷ラベル80を撮影し、すでに一般に組み込まれている変換ソフトウェアを用いることにより、その内容を容易に表示し確認することができる。
【0155】
また、流通過程で必要とされる情報には、人間が理解する必要のない情報も存在する。例えば、アドレス情報312は、人間によって直接認識される必要はなく、その機能として、必要な装置に誤りなく入力されれば十分である。このような情報は、QRコードを用いて表現することにより、正確かつ容易に入力することができる。
【0156】
なお、出荷ラベル80は、図10に示すように、シール状の専用用紙に印刷されなくてもよい。例えば、梱包箱や梱包袋に直接出荷ラベル80が印刷される形態であってもよい。すなわち、印刷情報314を描画する媒体は、画像を表現することができる媒体であって、出荷商品とともに容易に搬送可能な媒体であれば何でもよい。
【0157】
また、例えば、出荷ラベル80を梱包箱に直接印刷する場合には、ラベル印刷装置5が出荷商品の名称や、商品識別情報313あるいは商品数量情報等を文字情報として、出荷ラベル80とは別に梱包箱に印刷してもよい。この場合、印刷情報314に文字情報として印刷すべき情報を含めるように構成してもよい。
【0158】
また、印刷部55は、出荷ラベル80として、印刷情報314に含まれない情報を独自に付加してもよい。
【0159】
出荷ラベル80が印刷されると、出荷サーバ3は、入力情報310に基づいて登録情報315を生成し、生成した登録情報315を公衆回線網90を介して管理装置2に送信する(ステップS4)。
【0160】
なお、登録情報315には、アドレス情報312は含まれないが、出荷生産により生産された出荷商品の商品数量情報が含まれる。出荷サーバ3において入力情報310(生産情報311)として入力される商品数量情報は、注文伝票や配送伝票等に記載される情報であり、これに基づいて代金請求等がされるため、実数(実際の出荷商品の数量)との一致、不一致が比較的厳格に確認される。
【0161】
したがって、実数との不一致が生じないように、出荷生産において商品数量情報の入力は慎重に行われるため、商品数量情報の正確性は一般に高いと言える。詳細は後述するが、本実施の形態における流通システム1では、このような信頼性の高い商品数量情報に基づいて販売数量の監視が行われるので、監視結果の信頼性も向上する。
【0162】
登録情報315を送信すると、出荷サーバ3は出荷生産を終了するか否かを判定し(ステップS5)、作業を継続する場合はステップS1に戻って、次の出荷商品のための処理を継続する。一方、出荷生産を終了する場合、出荷サーバ3は処理を終了する。
【0163】
なお、ステップS3において印刷された出荷ラベル80は、出荷生産された出荷商品に出荷作業を行う作業者によって添付される。また、出荷ラベル80が添付された出荷商品は、注文に応じて、注文主である店舗に向けて配送担当の作業者によって配送される。
【0164】
次に、図示は省略するが、出荷センタにおいて、出荷商品に関する情報を閲覧する際の流通システム1の動作を説明する。
【0165】
例えば、出荷された商品の動向を確認したい場合や、次の出荷生産の計画を立てる場合等において、出荷センタのオペレータ(生産者等を含む)は、過去の出荷商品に関する情報の閲覧を所望する。このような場合、出荷センタのオペレータは出荷サーバ3の入力部32を操作し、例えば商品データベース270を閲覧するためのブラウザを起動する。
【0166】
このオペレータの操作に応じて、出荷サーバ3は、商品データベース270に登録されている出荷商品(当該出荷センタから出荷された出荷商品のみでもよい)の一覧表を管理装置2に要求する。この要求に対して管理装置2は、要求された一覧表を出荷サーバ3に送信し、これを受信した出荷サーバ3は、表示部33に受信した一覧表を表示する。
【0167】
次に、オペレータは、当該一覧表から所望する出荷商品を選択する。この操作によって、出荷サーバ3から、管理装置2に向けて、選択された出荷商品の商品識別情報313と出荷センタを識別する識別子とが送信されるとともに、当該出荷商品の閲覧要求がされる。なお、本実施の形態における流通システム1では、出荷センタを識別する識別子として、出荷サーバ3のネットワークアドレスを使用するが、もちろん専用の識別コードやパスコード等を用いてもよい。
【0168】
出荷サーバ3からの閲覧要求に対して、管理装置2からは商品情報261(閲覧情報316)が送信される(図11:ステップS18)。管理装置2から閲覧情報316を受信した出荷サーバ3は、表示部33に当該閲覧情報316の内容を表示する。
【0169】
これにより、出荷センタのオペレータは、商品データベース270に登録されている出荷商品の中から、所望の出荷商品に関する情報(当該出荷商品に関する情報であって商品データベース270に格納されている情報)を閲覧することができる。
【0170】
特に、本実施の形態における商品データベース270には、出荷商品に関する販売履歴情報771(顧客情報770や販売数量情報260)が格納されている。したがって、出荷センタのオペレータが顧客情報770を閲覧することによって、出荷商品の購買層を正確に把握することができる。また、販売数量情報260を閲覧することによって、出荷商品が現実に顧客に販売されたことを容易に確認できるとともに、出荷数だけでなく、販売数も正確に把握することができる。
【0171】
このように、流通システム1では、出荷センタにおいて、正確に販売状況を把握することができるので、従来のシステムに比べて、より詳細な生産計画を立案することが可能となる。
【0172】
<1−5−2. 管理センタにおける動作>
図11は、管理装置2の動作を示す流れ図である。管理センタにおける流通システム1の動作は、主に管理装置2によって実現される。
【0173】
まず、管理装置2は、登録情報315または販売履歴情報771を受信したか(ステップS11)、印刷履歴情報674を受信したか(ステップS13)、または閲覧要求があったか(ステップS17)を監視しつつ、待機する。なお、説明の都合上、この状態の管理装置2を待機状態と称するが、もちろん他の処理を並行して行っていてもよい。
【0174】
管理装置2は、待機状態において登録情報315または販売履歴情報771を受信すると、ステップS11においてYesと判定し、登録・更新処理を行う(ステップS12)。
【0175】
ステップS12では、まず、通信部24によって受信された情報(登録情報315または販売履歴情報771)を、データ処理部200がRAM26に転送する。
【0176】
次に、受信した情報が登録情報315である場合、登録部201は当該登録情報315に基づいて、商品データベース270に、新たな出荷商品を登録する。すなわち、登録情報315に含まれる出荷商品を示す識別子(商品識別情報313)に基づいて、当該識別子によって示される出荷商品のレコードを商品データベース270に新たに生成する。
【0177】
一方、受信した情報が販売履歴情報771である場合、登録部201は、受信した販売履歴情報771に基づいて商品データベース270を更新する。先述のように、販売履歴情報771には、商品識別情報313、顧客情報770および販売価格情報673(単価情報671や数量情報672も含まれる)等が含まれている。登録部201は、販売履歴情報771に含まれる商品識別情報313によって商品データベース270を検索し、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品のレコードに販売履歴情報771を関連付ける。言い換えれば、該当する出荷商品のレコードに、販売履歴情報771に含まれる顧客情報770や販売価格情報673等に関する項目が追加され、これらの内容が格納されることにより、商品データベース270が更新される。
【0178】
管理装置2は、待機状態において印刷履歴情報674を受信すると、ステップS13においてYesと判定し、受信した印刷履歴情報674をデータ処理部200によってRAM26に転送する。なお、すでに説明したが、印刷履歴情報674は、ラベル印刷装置6において販売ラベル81が印刷される度に生成され、店舗サーバ4を介して管理装置2に送信される情報である。したがって、印刷履歴情報674を受信することによって、管理装置2は、店舗内生産が行われたことを検出できる。
【0179】
受信した印刷履歴情報674がRAM26に転送されると、演算部203が、当該印刷履歴情報674に基づいて、販売数量を演算する(ステップS14)。
【0180】
ステップS14の処理を以下に説明するが、先述のように、印刷履歴情報674には、当該販売ラベル81が添付される販売商品の元となった出荷商品を示す識別子(商品識別情報313)と、当該販売商品に含まれる商品の数量(数量情報672)とが含まれている。
【0181】
まず、演算部203は、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313に基づいて、すでに存在している販売数量情報260(通常複数存在する)の中に、当該商品識別情報313によって識別される販売数量情報260が存在するか否かを判定する。
【0182】
当該商品識別情報313によって識別される販売数量情報260が存在する場合、当該販売数量情報260(これまでの販売数量を示す)に、印刷履歴情報674に含まれる数量情報672(新たに販売される数量を示す)を加算して、新たに販売数量を演算する。そして、求めた新たな販売数量によって当該販売数量情報260を更新する。
【0183】
一方、当該商品識別情報313によって識別される販売数量情報260が存在しない場合、印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313と数量情報672とに基づいて、新たな販売数量情報260を生成する。すなわち、数量情報672に示される1の販売商品に含まれる商品の数量が、販売数量となる。
【0184】
ステップS14が実行され、販売数量情報260が更新(生成)されると、監視部204が当該販売数量情報260に含まれる商品識別情報313に基づいて、商品データベース270を検索する。そして、当該商品識別情報313によって示される出荷商品のレコードから、当該出荷商品の商品数量情報(生産情報311に含まれていた情報であって、登録の際に商品データベース270に格納されている)を取得する。
【0185】
次に、監視部204は、取得した商品数量情報に示される商品数量と、当該販売数量情報260に示される販売数量とを比較し、販売数量が商品数量以下か否かを判定する(ステップS15)。
【0186】
販売数量が商品数量より多い場合(ステップS15においてNo)、監視部204は、警告情報を生成し、表示部23に警告メッセージを表示させる(ステップS16)。警告メッセージには、例えば、異常の発生を知らせる文字情報やイラスト画像等の他に、商品識別情報313、当該出荷商品名、当該印刷履歴情報674を送信した店舗名(当該出荷商品を販売した店舗名)等を含めることができる。
【0187】
従来のシステムでは、ロット番号等の商品識別情報313を販売商品に添付して提供することによって、顧客は、当該商品が現実に当該店舗に出荷されたものであることを確認することが可能である。しかし、店舗に現実にある商品が入荷されていれば、当該商品が店舗内生産によって当該店舗への入荷量以上に増量されて販売されたとしても、これを察知することはできなかった。
【0188】
しかし、本実施の形態における流通システム1では、店舗内生産によって販売商品の生産が行われた時点で(販売ラベル81が発行されたとき)、当該販売商品の数量が管理装置2に自動的に送信される。したがって、出荷センタから出荷された商品よりも多くの商品が店舗において生産され販売された場合には、管理装置2の表示部23に警告メッセージが表示される。
【0189】
これにより、管理センタのオペレータは、不正あるいは誤操作等によって、商品の流通量に齟齬が生じていないか容易に監視することができる。なお、ステップS16が実行された場合において、管理装置2の通信部24から、出荷サーバ3および店舗サーバ4に対して警告情報を送信するようにしてもよい。
【0190】
一方、販売数量が商品数量以下である場合(ステップS15においてYes)、管理装置2は、ステップS16を実行することなく、そのまま待機状態に戻る。
【0191】
管理装置2は、待機状態において閲覧要求を受信すると、ステップS17においてYesと判定し、商品情報261を生成し、送信する(ステップS18)。本実施の形態における管理装置2は、出荷サーバ3だけでなく、公衆回線網90に接続可能な一般需用者の端末装置からも閲覧要求を受け付ける。
【0192】
ステップS18を具体的に説明すると、まず、データ処理部200が受信した閲覧要求を検索部202に転送する。
【0193】
次に、検索部202は、受け取った閲覧要求に基づいて、当該閲覧要求を送信した送信先のアクセス権限を判定する。本実施の形態における検索部202は、出荷センタ(出荷サーバ3)であるか、それ以外(一般需用者の端末装置)であるかを判定する。
【0194】
閲覧要求には、閲覧しようとする出荷商品を示す識別子(商品識別情報313)とともに、当該閲覧要求を送信した送信先を示す識別子(例えば、ネットワークアドレス)が含まれている。したがって、検索部202は、この送信先を示す識別子を用いて、閲覧要求が、予め登録された出荷センタから送信されたか、それ以外の一般需用者から送信されたかを判定できる。
【0195】
検索部202は、閲覧要求が出荷サーバ3からのものであると判定した場合、出荷サーバ3に送信するための商品情報261(閲覧情報316となる)を生成する。一方、閲覧要求が一般の端末装置からのものであると判定した場合、一般に送信するための商品情報261を生成する。
【0196】
例えば、出荷サーバ3用の商品情報261には、一般需用者に対して閲覧が制限されている情報(例えば非公開情報(具体例としては販売履歴情報771))が含められる。逆に、生産情報311のように、出荷センタにおいて生成された情報は、出荷センタに送信する必要性は低いので、当該商品情報261に含めなくてもよい。
【0197】
検索部202は、閲覧要求に含まれる商品識別情報313に基づいて、商品データベース270を検索し、当該商品識別情報313によって示される出荷商品のレコードから必要な情報を取捨選択して商品情報261を生成する。
【0198】
閲覧要求に対する商品情報261が生成されると、データ処理部200が当該商品情報261を通信部24に伝達する。これにより、通信部24が、閲覧要求の送信先に対して商品情報261を送信する。
【0199】
このように、流通システム1は、出荷センタ(出荷サーバ3)のみならず、一般需用者(一般の端末装置)に対しても、商品データベース270の閲覧を許可する。したがって、商品データベース270に予め生産情報311を格納しておくことにより、顧客に対して、音声情報や動画像情報といった多種多様な情報を提供することができる。
【0200】
<1−5−3. 店舗における動作>
図12は、店舗サーバ4の動作を示す流れ図である。店舗サーバ4は、主に、商品単価データベース411を作成、更新する際に、店舗におけるオペレータによって操作される。
【0201】
店舗サーバ4は、電源が投入されると、所定の初期設定を実行した後、待機状態となる。待機状態における店舗サーバ4は、データベースの作成が指示されたか(ステップS21)、印刷履歴情報674を受信したか(ステップS23)、販売履歴情報771を受信したか(ステップS25)、販売商品の単価情報671の要求があったか(ステップS27)を監視する。
【0202】
待機状態において、データベースの作成が指示された場合、店舗サーバ4は、ステップS21においてYesと判定し、データベース作成処理(ステップS22)を実行する。詳細は省略するが、データベース作成処理とは、商品単価データベース411を作成、更新する処理であり、主にオペレータが操作部42を操作することにより行われる。
【0203】
待機状態において、ラベル印刷装置6から印刷履歴情報674を受信すると、店舗サーバ4は、ステップS23においてYesと判定し、受信した印刷履歴情報674を管理装置2に送信する(ステップS24)。
【0204】
同様に、待機状態において、POS装置7から販売履歴情報771を受信すると、店舗サーバ4は、ステップS25においてYesと判定し、受信した販売履歴情報771を管理装置2に送信する(ステップS26)。
【0205】
また、待機状態において、ラベル印刷装置6から単価情報671を送信するように要求があると、店舗サーバ4は、ステップS27においてYesと判定し、当該要求に含まれる商品識別情報313に基づいて商品単価データベース411を検索する。さらに、当該商品識別情報313によって識別される商品単価データベース411のレコードから単価情報671を生成し、ラベル印刷装置6に送信する(ステップS28)。
【0206】
図13は、ラベル印刷装置6の動作を示す流れ図である。ラベル印刷装置6は、主に、店舗内生産を行う作業者によって操作され、販売ラベル81を生成する。なお、店舗内生産によって、販売商品に値付けが行われる。
【0207】
出荷商品から販売商品を生産するとき、まず読取部68が当該出荷商品に添付されている出荷ラベル80を読み取り(ステップS31)、生産情報670を生成する(ステップS32)。なお、すでに説明しているが、生産情報670には、商品識別情報313が含まれている。
【0208】
次に、作業者は、出荷商品から販売商品に含める商品を取り出し、計量部69の計量台(図示せず)に載置する。計量部69は、当該計量台に載置された商品(販売商品となる商品)の数量を計量し、数量情報672を生成する。これにより、ラベル印刷装置6は、数量情報672を取得する(ステップS33)。ただし、先述のように、数量情報672は作業者によって操作部62から入力されることにより取得されてもよい。
【0209】
数量情報672が取得されると、通信部64が、生産情報670に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313によって識別される出荷商品の単価情報671を、店舗サーバ4に対して要求し(ステップS34)、単価情報671が受信されるまで待機する(ステップS35)。
【0210】
ステップS34の要求に対して単価情報671が送信され(図12:ステップS28)、ラベル印刷装置6がこれを受信すると、値付け部600が、受信した単価情報671と数量情報672とに基づいて販売価格を演算し(ステップS36)、販売価格情報673を生成する。
【0211】
なお、先述のように、本実施の形態における販売価格情報673には、演算により求められた販売商品の販売価格の他に、単価情報671および数量情報672が含まれる。また、値付け部600は、販売商品の識別子を生成して販売価格情報673に含めてもよい。この場合、販売商品の識別子を店舗サーバ4に送信し、店舗サーバ4において管理するよう構成してもよい。
【0212】
販売価格情報673が生成されると、印刷制御部601が印刷部65を制御し、印刷部65が販売ラベル81を印刷する(ステップS37)。
【0213】
図14は、ラベル印刷装置6によって印刷される販売ラベル81を例示する図である。流通システム1では、印刷部65が販売ラベル81を印刷することにより、販売ラベル81が発行される。なお、発行された販売ラベル81は、店舗内生産を行う作業者によって、個々の販売商品に添付される。
【0214】
図14に示すように、販売ラベル81には、生産情報670がQRコードとして印刷される。先述のように、生産情報670は、出荷ラベル80を読み取ることにより生成される情報であって、印刷情報314と同じ内容の情報である。簡単に言えば、本実施の形態におけるラベル印刷装置6は、印刷部65によって、販売ラベル81に、出荷ラベル80を印刷する。
【0215】
これにより、出荷ラベル80によって表現された情報(印刷情報314:生産情報311の一部(商品識別情報313を含む)およびアドレス情報312)が、販売ラベル81に確実に引き継がれる。したがって、出荷センタにおいて出荷商品について提供された情報は、当該出荷商品が販売商品に組み替えられた後にも顧客に対して正確に提供される。すなわち、一般端末を有する一般需用者も、アドレス情報312および商品識別情報313を取得できるので、商品データベース270の閲覧が可能となる。
【0216】
また、販売ラベル81には、生産情報670から抽出された一部の情報が、文字情報810として表現される。図14に示す例では、商品名(きゅうり)と、商品識別情報(ロットNo.)313と、生産地(宮崎)等が文字情報810として表現されている。
【0217】
このように、流通システム1は、生産情報670に含まれる情報のうち、特に顧客に提供したいと望む情報については、店舗内生産を行う際に、人間が直接認識できる方式(文字表現)に変換して提供する。すなわち、配送時の作業者にとって必要性の低い情報は、一旦、人間が直接認識できない方式にして効率的に伝達する。一方、当該情報が必要になったときには、人間が直接認識できる方式に変換することにより、目的の者(顧客)に対して適切に情報を提供することができる。
【0218】
また、販売ラベル81には、販売価格情報673に含まれる情報(販売価格、単価情報671および数量情報672)の中から必要な情報が文字情報811として表現される。図14に示す例では、販売価格(200円)および数量情報672(3本)が文字情報811として表現されている。なお、量り売りされる商品(例えば「牛肉」)の場合、当該販売商品の単価が重要な意味を持つので、単価情報671も文字情報811として表現される。
【0219】
これにより、販売商品に対して値付けが行われ、顧客は容易に当該販売商品の価格を確認することができる。言い換えれば、販売価格情報673に含まれる情報のうち、販売価格は必ず文字情報811として印刷される。
【0220】
値付け作業において、販売価格が文字情報811として表現されれば、表示される最低限度の文字情報としては十分である。しかし、本実施の形態におけるラベル印刷装置6は、数量情報672も文字情報811として印刷する。
【0221】
数量情報672を文字情報811として印刷すれば、当然顧客は一見して数量情報672を認識できる。そのため、実数(実際の販売商品の数量)と数量情報672との間に不一致が生じていれば、顧客は比較的容易に気づくことになる。このような不一致は店舗の信用問題となるので、結果として店舗内作業において数量情報672が慎重に入力(取得)されることとなる。すなわち、流通システム1では、数量情報672を文字情報811として印刷するように構成することにより、数量情報672の信頼性が向上する。
【0222】
先述のように、流通システム1では、数量情報672に基づいて販売数量情報260が生成され、これに基づいて監視部204による販売数量の監視が行われる。すなわち、顧客に文字情報811として提供される数量情報672に基づいて、販売数量を監視することにより、監視結果の精度が向上する。
【0223】
さらに、本実施の形態における流通システム1では、販売価格情報673に示される販売価格は、販売商品を示す識別子とともにバーコード812としても表現される。そして、当該バーコード812はPOS装置7によって読み取られる。このように、本実施の形態におけるラベル印刷装置6は、バーコード812を印刷することも可能なので、既存のシステムとの整合をとることができる。
【0224】
販売ラベル81の印刷が終了すると、印刷制御部601が印刷履歴情報674を生成し(ステップS38)、通信部64が生成された印刷履歴情報674を店舗サーバ4に送信する(ステップS39)。これにより、店舗サーバ4を介して、管理装置2に印刷履歴情報674が送信される。
【0225】
さらに、CPU60が操作部62からの指示入力に基づいて、店舗内生産を終了するか否かを判定する(ステップS40)。店舗内生産を継続する場合には、ステップS31に戻って処理を繰り返す。一方、店舗内生産を終了する場合には、ラベル印刷装置6は処理を終了する。
【0226】
以上のように、本実施の形態における流通システム1は、販売商品に添付される販売ラベル81に、出荷商品を識別する商品識別情報313を印刷する。そして、顧客によって販売商品が購入される際に、印刷されている商品識別情報313に基づいて、購入される商品の販売履歴情報771を生成し管理装置2に送信する。これにより、出荷商品の販売履歴情報771が、管理装置2の商品データベース270に自動的に収集される。したがって、例えば、生産者(出荷センタのオペレータ等を含む)は、当該商品データベース270を閲覧することにより、商品の生産(出荷)調整を効率よく行える。
【0227】
また、顧客に関する情報を示す顧客情報770を取得して、当該顧客によって購入される商品の販売履歴情報771に、当該顧客情報770を含めることにより、生産者は、出荷商品がどのような顧客に購入されたかを閲覧できるので、より効率的に生産調整を行うことができる。
【0228】
また、出荷商品に添付する出荷ラベル80に、出荷商品に関する生産情報311を印刷し、店舗において、出荷ラベル80を読み取って、出荷ラベル80に印刷されている生産情報311を、販売商品に添付する販売ラベル81に印刷することにより、出荷商品に関する生産情報311を販売商品に確実に引き継ぐことができる。したがって、提供される情報の正確性が向上する。
【0229】
ラベル印刷装置6から受信した印刷履歴情報674に含まれる商品識別情報313に基づいて、当該商品識別情報313により識別される出荷商品の商品数量を商品データベース270から取得し、演算部203により演算された販売数量情報260と比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成することにより、店舗に入荷した商品(出荷商品)と、店舗で販売した商品(販売商品)との齟齬を検出できる。
【0230】
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0231】
例えば、上記実施の形態において、ソフトウェアにより実現されると説明した機能ブロックは、その一部あるいは全部が専用の回路によりハードウェアとして実現されてもよい。
【0232】
また、上記実施の形態に示した各工程(ステップ)は、例示であって、このような処理順序、処理内容に限定されるものではない。すなわち、同様の効果が得られるものであれば、処理順序や処理内容が適宜変更されてもよい。
【0233】
また、上記実施の形態に示した各情報は、例示であって、このような構造・内容に限定されるものではない。例えば、販売価格情報673には、販売価格のみならず、単価情報671および数量情報672も含まれると説明したが、これらは別個独立して扱われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】本発明に係る流通システムを示す図である。
【図2】出荷サーバおよびラベル印刷装置の構成を示す図である。
【図3】管理装置の構成を示す図である。
【図4】管理装置の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図5】店舗サーバおよびラベル印刷装置の構成を示す図である。
【図6】ラベル印刷装置の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図7】POS装置の構成を示す図である。
【図8】POS装置の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
【図9】出荷生産における出荷サーバの動作を示す流れ図である。
【図10】ラベル印刷装置によって印刷された出荷ラベルの例を示す図である。
【図11】管理装置の動作を示す流れ図である。
【図12】店舗サーバの動作を示す流れ図である。
【図13】ラベル印刷装置の動作を示す流れ図である。
【図14】ラベル印刷装置によって印刷される販売ラベルを例示する図である。
【符号の説明】
【0235】
1 流通システム
2 管理装置
21 記憶部
200 データ処理部
201 登録部
202 検索部
203 演算部
204 監視部
260 販売数量情報
261 商品情報
27 ハードディスク
270 商品データベース
3 出荷サーバ
31 記憶部
310 入力情報
311 生産情報
312 アドレス情報
313 商品識別情報
314 印刷情報
315 登録情報
316 閲覧情報
4 店舗サーバ
40 CPU
41 記憶部
5 ラベル印刷装置
50 CPU
51 記憶部
55 印刷部
6 ラベル印刷装置
60 CPU
600 値付け部
601 印刷制御部
61 記憶部
65 印刷部
670 生産情報
671 単価情報
672 数量情報
673 販売価格情報
674 印刷履歴情報
68 読取部
69 計量部
7 POS装置
700 演算部
701 販売管理部
71 記憶部
770 顧客情報
771 販売履歴情報
78 読取部
80 出荷ラベル
81 販売ラベル
810,811 文字情報
90 公衆回線網
91,92 LAN
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の流通を管理する流通システムであって、
生産者によって閲覧可能な出荷商品に関するデータベースを記憶する管理装置と、
販売商品に添付される販売ラベルに、出荷商品を識別する商品識別情報を印刷するラベル印刷装置と、
顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルを読み取って、前記購入される商品の購入代金を計算するとともに、前記販売ラベルに印刷されている商品識別情報に基づいて、前記購入される商品の販売履歴情報を生成し前記管理装置に送信するPOS装置と、
を備え、
前記管理装置は、前記POS装置から受信した販売履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする流通システム。
【請求項2】
請求項1に記載の流通システムであって、
前記POS装置は、顧客に関する情報を示す顧客情報を取得して、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、当該顧客情報を含めることを特徴とする流通システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流通システムであって、
前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品に添付する販売ラベルに前記数量情報を印刷し、
前記POS装置は、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルから数量情報を取得し、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、前記数量情報を含めることを特徴とする流通システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の流通システムであって、
前記販売ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする流通システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の流通システムであって、
出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記出荷商品に関する生産情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、
前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されている生産情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする流通システム。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の流通システムであって、
出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記データベースにアクセスするためのアドレス情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、
前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されているアドレス情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする流通システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の流通システムであって、
前記出荷ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする流通システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の流通システムであって、
前記ラベル印刷装置は、販売商品に添付する販売ラベルを印刷するたびに、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報に基づいて、印刷履歴情報を生成し、前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする流通システム。
【請求項9】
請求項8に記載の流通システムであって、
前記データベースには、登録されている出荷商品ごとに、当該出荷商品の商品数量情報が格納されており、
前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報とともに、前記印刷履歴情報に含めて前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる数量情報と、前記印刷履歴情報に含まれる商品識別情報とに基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の販売数量情報を生成する演算部と、
前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる商品識別情報に基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の商品数量を前記データベースから取得し、前記演算部により演算された販売数量情報と比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成する監視部と、
前記監視部により警告情報が生成された場合に、前記警告情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする流通システム。
【請求項1】
商品の流通を管理する流通システムであって、
生産者によって閲覧可能な出荷商品に関するデータベースを記憶する管理装置と、
販売商品に添付される販売ラベルに、出荷商品を識別する商品識別情報を印刷するラベル印刷装置と、
顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルを読み取って、前記購入される商品の購入代金を計算するとともに、前記販売ラベルに印刷されている商品識別情報に基づいて、前記購入される商品の販売履歴情報を生成し前記管理装置に送信するPOS装置と、
を備え、
前記管理装置は、前記POS装置から受信した販売履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする流通システム。
【請求項2】
請求項1に記載の流通システムであって、
前記POS装置は、顧客に関する情報を示す顧客情報を取得して、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、当該顧客情報を含めることを特徴とする流通システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流通システムであって、
前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品に添付する販売ラベルに前記数量情報を印刷し、
前記POS装置は、顧客によって購入される商品に添付されている販売ラベルから数量情報を取得し、前記顧客によって購入される商品の販売履歴情報に、前記数量情報を含めることを特徴とする流通システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の流通システムであって、
前記販売ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする流通システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の流通システムであって、
出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記出荷商品に関する生産情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、
前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されている生産情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする流通システム。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の流通システムであって、
出荷商品に添付する出荷ラベルに、前記データベースにアクセスするためのアドレス情報を印刷するとともに、前記管理装置に対して、前記出荷ラベルが添付された出荷商品を前記データベースに登録するよう要求する出荷装置をさらに備え、
前記ラベル印刷装置は、前記出荷ラベルを読み取って、前記出荷ラベルに印刷されているアドレス情報を、販売商品に添付する販売ラベルに印刷することを特徴とする流通システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の流通システムであって、
前記出荷ラベルは、QRコードで表現されることを特徴とする流通システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の流通システムであって、
前記ラベル印刷装置は、販売商品に添付する販売ラベルを印刷するたびに、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報に基づいて、印刷履歴情報を生成し、前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に基づいて、前記データベースを更新することを特徴とする流通システム。
【請求項9】
請求項8に記載の流通システムであって、
前記データベースには、登録されている出荷商品ごとに、当該出荷商品の商品数量情報が格納されており、
前記ラベル印刷装置は、販売商品の数量情報を取得して、前記販売商品となった出荷商品の商品識別情報とともに、前記印刷履歴情報に含めて前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる数量情報と、前記印刷履歴情報に含まれる商品識別情報とに基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の販売数量情報を生成する演算部と、
前記ラベル印刷装置から受信した印刷履歴情報に含まれる商品識別情報に基づいて、前記商品識別情報により識別される出荷商品の商品数量を前記データベースから取得し、前記演算部により演算された販売数量情報と比較して、その比較結果に基づいて警告情報を生成する監視部と、
前記監視部により警告情報が生成された場合に、前記警告情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする流通システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−334547(P2007−334547A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164431(P2006−164431)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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