説明

流量調整装器

本発明は、弾性材料から成る環状の絞り部材(6)を備えた流量調整装器(1)であって、絞り部材は使用位置で、絞り部材と内側及び/又は外側に位置する調整成形部(21)との間に制御間隙(8)を画定しており、制御間隙(8)はその流過断面を、液体の流過時に生じる圧力差に基づき変形する絞り部材(6)によって変化させられるようになっている形式のものに関する。本発明に基づく流量調整器において、絞り部材(6)と調整成形部(21)との間の相対位置は、変化させられるようになっていて、制御間隙(8)に比べて大きな流過断面を有する出発位置から、流入する液体に基づき、戻し力に抗して使用位置へ移されるようになっている。流量調整装器(1)は出発位置では、流入する液体に対して比較的わずかな抵抗しか生ぜしめないので、流量調整装器(1)は時間的及び/又は局所的に著しい圧力差及びわずかな圧力の生じる領域にも用いられるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性材料から成る環状の絞り部材を備えた流量調整装器であって、前記絞り部材は使用位置で該絞り部材と該絞り部材の内側及び/又は外側に位置する調整成形部との間に制御間隙を画定しており、該制御間隙はその流過断面を、液体の流過時に生じる圧力差に基づき変形する前記絞り部材によって変化させられるようになっている形式のものに関する。
【0002】
流量調整装器は、種々の構造のものが公知である。このような流量調整器(流量調整弁)は、液体の単位時間当たりの最大の流過量を、圧力変動に左右されることなく一様に保ち、かつ所定の値に規定しようとするものである。液体が吸水管内を流れる飲料水である場合には、衛生設備の蛇口若しくは水栓の吐水口において流量調整器の下流側には噴流調整器を接続してあり、該噴流調整器(噴流調整装置)は、飛散することのない泡沫状の柔らかな均質な水噴流を形成しようとするものである。しかしながら流量調整器による圧力損失と下流側の噴流調整器による圧力損失とは加算されてしまうので、噴流調整器には所定の水噴流を形成するための十分な水量が供給されないことになり、つまり、上流側の流量調整器は特に低水圧時に下流側の噴流調整器の機能にとって不都合に作用している。このような流量調整器は、低い水圧しか生じていない領域では、供給すべき水量を減少させてしまうので、実質的に使用され得ないものとなっている。このような欠点は、水圧の増大のためにブースターポンプを用いる場合にはさらに大きいものになっている。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005011947A号明細書に記載の流量調整器は、最大の流過量を変化させるようになっているものであり、調整器ケーシング内に1つの流過通路を有しており、流過通路内には、流過通路の軸線方向で相前後して配置された2つの調整装置を設けてあり、調整装置は、それぞれ環状(リング状)の絞り部材及び中央の調整部材(調整本体又は調整コア)から成っていて種々の流過量及び/又は種々の圧力領域に合わせて形成されている。この場合に、小さい流過量及び/又は低い圧力領域に合わせて形成されている調整装置は、少なくとも1つのバイパス通路若しくは類似の流過開口部を有しており、バイパス通路若しくは流過開口部は、開閉可能になっていて、高い流過量若しくは高い圧力領域では開かれ、かつ小さい流過量若しくは低い圧力領域では閉じられている。小さい流過量若しくは低い圧力領域にとって小さい流過量若しくは低い圧力領域のための調整装置の流過開口部を閉じると、流過液体、例えば水は、高い流過量若しくは高い圧力領域のための調整装置の調整部材と絞り部材との間の流路をも、小さい流過量若しくは低い圧力領域のための調整装置の調整部材と絞り部材との間の流路をも通過しなければならない。この場合に流量調整器の特性は、小さい流過量若しくは低い圧力領域に合わせて形成された調整装置によって規定されるようになっている。
【0004】
高い流過量若しくは高い圧力領域にとって、小さい流過量若しくは低い圧力領域のための調整装置の流過開口部は開かれており、これによって流過液体、例えば水は、高い流過量若しくは高い圧力領域のための調整装置の調整部材と絞り部材との間の流路のみを通過するようになっている。この場合に流量調整器の特性は、高い流過量若しくは高い圧力領域に合わせて形成された調整装置によってのみ規定されるようになっている。このようにして、最大の流過量若しくは所定の圧力領域は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005011947A号明細書に記載の流量調整器の流過開口部の開閉によって簡単かつ急速に変化させられるようになっている。明細書において、A及び/又はBの記載は、AとBの少なくともいずれか一方を意味している。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005011947A号明細書に記載の流量調整器によっては、特性を変化させるようになっているものの、該流量調整器は、時間的及び/又は局所的に著しい圧力差及び圧力変動の生じる領域には有利には用いられないものである。
【0006】
ドイツ連邦共和国実用新案登録第202004088281U1号明細書には、冒頭に述べた形式の別の流量調整器を記載してある。流水加熱装置の流入入口に接続された流量調整器において温度差を考慮するために、つまり例えば夏季には管路内を流れる流水は冬季に比べてすでに熱くなっており、流出する水を同一の温度にすることを目的として最大の流過量を簡単に変化させるために、ドイツ連邦共和国実用新案登録第202004088281U1号明細書に記載の流量調整器は、内部のケーシング部分を有しており、内部(内側)のケーシング部分は絞り部材に対して相対的に移動可能に調整器ケーシング内に案内されている。内部のケーシング部分は制御部材を介して操作されるようになっており、制御部材は内部のケーシング部分の外周から外側へ突出している。内部のケーシング部分は、制御部材の両側で外側のケーシング部分によって密に取り囲まれており、外側のケーシング部分は互いに相対移動不能に配置されている。内部のケーシング部分は円錐形の調整部材を支持(保持)しており、円錐形の調整部材は絞り部材に対して相対的に移動させられ、これによって、絞り部材と調整部材との間に画定される制御間隙、ひいては該制御間隙内を流過する容積流は、調整部材の円錐に基づき変化させられるようになっている。移動可能な内部のケーシング部分を外側のケーシング部分によって密に取り囲んであり、制御部材を内部のケーシング部分から外側へ突出させてあるので、流量調整器の容積流は、流量調整器の分解を必要とすることなしに簡単に変えられるようになっている。ドイツ連邦共和国実用新案登録第202004088281U1号明細書に記載の流量調整器において、内部のケーシング部分を密に取り囲む外側のケーシング部分を互いに相対移動不能に、つまり定位置に配置してあるので、内部のケーシング部分及び該ケーシング部分に支持若しくは保持された調整部材の移動、ひいては容積流の調整(変化)に伴って、流量調整器の長さを変化させる必要はなくなっている。しかしながらドイツ連邦共和国実用新案登録第202004088281U1号明細書に記載の流量調整器においても、極めて大きな圧力差は下流側の噴流調整器若しくは類似の機能ユニットに不都合な影響を与えている。
【0007】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の流量調整器を改善して、該流量調整器が、流過する液体の低い圧力に際しても、若しくは流過する液体の時間的及び/又は局所的に著しい圧力差の生じる場合にも常に高い機能を保証できるようにすることである。
【0008】
前記課題を解決するために本発明に基づく構成では、冒頭に述べた形式の流量調整器において、絞り部材と調整成形部との間の相対位置は、変化させられるようになっていて、制御間隙に比べて大きな流過断面を有する出発位置から、流入若しくは流過する液体に基づき、戻し力に抗して使用位置へ移されるようになっている。
【0009】
本発明に基づく流量調整器においては、絞り部材と調整成形部との間の相対位置は、軸線方向で変化させられるようになっていて、出発位置から戻し力に抗して使用位置、つまり通水位置へ移されるようになっている。使用位置では環状の絞り部材と調整成形部との間に1つの制御間隙を画定しており、該制御間隙の流過断面は、液体の流過により生じる圧力差に基づき変形する絞り部材により次のように変化させられ、つまり単位時間当たりの最大の流過量は所定の値に規定されて、一様に保たれるようになっている。これに対して、出発位置における絞り部材と調整成形部との間の相対位置は、制御間隙に比べて大きな流過断面を生ぜしめるように変化させられている。この場合に絞り部材と調整成形部との間の相対位置は、出発位置から、流入若しくは流過する液体に基づき、戻し力に抗して使用位置へ移される。戻し力は、絞り部材及び調整成形部が流過する液体の低圧時に出発位置に保たれるように規定されていてよく、それというのは出発位置では絞り部材と調整成形部との間に制御間隙に比べて大きな流過断面を生ぜしめるからであり、液体は本発明に基づく流量調整器を低圧時に実質的に妨げられることなく、つまり絞られずに通過できるからである。本発明に基づく流量調整器は、液体内に含まれる汚れ粒子が制御間隙領域を容易に通過できるようになっていて、あらゆる圧力領域にわたって機能を損なうことなしに用いられるものである。
【0010】
絞り部材と調整成形部との間の相対機能を変化させるために、有利な実施態様では絞り部材及び/又は調整成形部は流量調整装器内で軸線方向摺動可能(軸線方向移動可能)に配置されている。絞り部材は、流過する液体内で浮遊するようになっていてよく、これによって調整成形部に向けて運動させられる。しかしながら本発明の有利な実施態様では、調整成形部は、使用位置(液体流過状態又は通水状態)で絞り部材によって取り囲まれる調整部材に設けられ、つまり一体成形されており、該調整部材は流量調整装器内に摺動可能(移動可能)に案内されていて、流入する液体の圧力に基づき使用位置へ移動させられるようになっている。
【0011】
本発明に基づく流量調整器の確実な作動を保証するために、流量調整装器内には軸線方向の案内ピンを設けてあり、該案内ピンは、該案内ピンに沿って移動可能に案内されている調整部材によって取り囲まれている。本発明の有利な実施態様では調整部材はリング状及び/又は円板状に形成されていて、かつ又は案内開口部を有している。別の実施態様では調整部材に、流過方向若しくは軸線方向に向けられた案内ピンを設けてあり、該案内ピンは流入側及び/又は流出側に配置された案内開口部内に摺動可能に案内されている。
【0012】
本発明の有利な実施態様では、戻し力の形成のために少なくとも1つのコイルばねを設けてある。コイルばねは、例えば圧縮ばねとして形成されていてよく、流過する液体の圧力の消滅に際して調整部材を再び出発位置へ戻すようになっている。この場合に少なくとも1つのコイルばねは、有利には案内ピンを取り囲んでいて、該コイルばねの一方の端部でもって絞り部材を有利には流出側から負荷(付勢)している。
【0013】
本発明の有利な実施態様では、絞り部材には流出側(下流側)に受容スリーブを設けてあり、該受容スリーブは、コイルばねの、絞り部材を負荷(付勢)する側の端部領域を収容している。
【0014】
本発明の別の有利な実施態様では絞り部材は、流過方向に拡大する、つまり下流側に向かって拡大する拡大ピン(拡張ピン)に配置されていて、流入する液体の圧力に基づき弾性作用に抗して伸び広がりながら、拡大ピンに沿って出発位置から使用位置へ移動するようになっている。この場合に拡大ピンは、下流側の部分に調整成形部を支持していてよい。追加的に、若しくは別の実施態様として絞り部材は使用位置で、調整成形部を支持する周壁によって取り囲まれている。
【0015】
本発明の有利な実施態様では、流量調整装器は衛生用の組込ユニットの構成部分である。特に有利には、衛生用の組込ユニットは、空気を取り込む通気式の噴流調整器若しくは空気を取り込まない非通気式の噴流調整器を有しており、該噴流調整器は流量調整装器の下流側に接続されていて、飛散することのない均一な水噴流若しくは泡沫状の柔らかな均質な水噴流を形成するようになっている。さらに有利には衛生用の組込ユニットは、逆流防止装置を有しており、該逆流防止装置は流量調整装器の下流側に接続されている。流量調整装器の構成部分と衛生用の組込ユニットとは、有利には互いに分離可能に結合されている。
【0016】
本発明の有利な実施態様では、噴流調整器は、流入する1つの液体流を複数の個別の噴流(個別噴流)に分ける噴流分割部材を有しており、該噴流分割部材(噴流細分化部材若しくは噴流)は、有利にはディフューザとして若しくは多孔板として形成されている。有利な実施態様では、流出側に接続された噴流調整装置のディフューザ若しくは多孔板に、案内ピン若しくは案内開口部を設けてある。
【0017】
本発明の有利な実施態様では、流量調整装器は、液体管路内に取り付け可能な組込部品として形成されていて、必要に応じて後から所定の液体管路(液体導管)内に取り付けられるようになっている。
【0018】
本発明の特に有利な実施態様では、流量調整装器は、該流量調整装器の外周に少なくとも1つの環状のシールリップを有しており、該シールリップは前記流量調整装器と液体管路内の流量調整装器受容部との間を密閉していて、不都合な漏れ流を防止するようになっている。シール作用若しくは液体管路内での保持力をさらに改善するために、本発明の有利な実施態様では、シールリップは該シールリップの自由なリップ端部でもって外側へ斜めに突出していて、半径方向内側へばね弾性的にたわめられるようになっている。
【0019】
本発明に基づく流量調整器の可動(移動可能若しくは運動可能)の構成部分の故障のない容易な案内を保証するために、本発明の有利な実施態様では、絞り部材及び/又は調整成形部は案内ケース内に軸線方向移動可能に配置されている。案内ケースは絞り部材及び/又は調整成形部の軸線方向の作動移動運動を画定している。
【0020】
次に本発明の実施例を図面に示して詳細に説明する。本発明に基づく構成事項は、図示の実施例に限定されることなく単独にも、種々に組み合わせても用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】フリップフロップ形調整器若しくは双安定形調整器として形成された流量調整器をその出発位置で示す縦断面図であり、出発位置では中央の調整部材は、該調整部材を取り囲んでいる弾性材料製の環状の絞り部材から押し離されている。
【図2】フリップフロップ形調整器若しくは双安定形調整器として形成された流量調整器をその出発位置で示す平面図である。
【図3】図1及び図2の流量調整器をその使用位置で示す縦断面図である。
【図4】図1及び図2の流量調整器をその使用位置で示す平面図である。
【図5】別の流量調整器をその出発位置若しくは静止位置で示す図であり、この場合に該流量調整器は下流側に接続された噴流調整器と一緒に衛生用の組込ユニットを形成しており、噴流調整器に軸線方向の案内ピンを一体成形してあり、該案内ピンに、流量調整器の調整部材を摺動可能に案内してある。
【図6】別の流量調整器をその出発位置若しくは静止位置で示す断面図である。
【図7】図4及び図6から成る流量調整器をその使用位置で示す図である。
【図8】図4及び図6から成る流量調整器をその使用位置で示す断面図である。
【図9】噴流調整器及び流量調整器から成る衛生用の組込ユニットを示す図であり、この場合に噴流調整器と出発位置で示された流量調整器とは機能的に分離されていて、互いに解離可能に相互に結合されている。
【図10】噴流調整器及び流量調整器から成る衛生用の組込ユニットを示す断面図である。
【図11】図9及び図10の流量調整器をその使用位置で示す図である。
【図12】図9及び図10の流量調整器をその使用位置で示す断面図である。
【図13】流量調整器をその出発位置で示す図であり、この場合に調整部材は一体成形された案内ピンを用いて摺動可能に案内されており、案内ピンは下流側に接続された噴流調整器の案内開口部内を貫通している。
【図14】流量調整器をその出発位置で示す断面図である。
【図15】図13及び14の流量調整器と比較可能な流量調整器をその使用位置で示す図である。
【図16】図13及び14の流量調整器と比較可能な流量調整器をその使用位置で示す断面図である。
【図17】図13乃至図16の流量調整器と比較可能な流量調整器をその出発位置で示す図であり、この場合に調整部材に受容スリーブを案内ピンと同軸に一体成形してある。
【図18】図13乃至図16の流量調整器と比較可能な流量調整器をその出発位置で示す断面図である。
【図19】図17及び図18の流量調整器をその使用位置で示す図である。
【図20】図17及び図18の流量調整器をその使用位置で示す断面図である。
【図21】流量調整器をその使用位置で示す図であり、該流量調整器の弾性の絞り部材は、流過方向で円錐形に拡大する拡大ピンに配置されており、この場合に絞り部材は、周壁によって取り囲まれていて、流入する液体の圧力に基づき拡大ピンに沿って伸び広がりつつ出発位置から使用位置へ移動させられるようになっており、周壁は調整成形部を支持若しくは保持している。
【図22】図21と同じ流量調整器をその使用位置で示す断面図である。
【図23】図21及び図22の流量調整器をその出発位置で示す図である。
【図24】図21及び図22の流量調整器をその出発位置で示す断面図であり、該出発位置では、絞り部材は拡大ピンに沿って、調整成形部を支持する周壁から押し離されており、流過断面は制御間隙に比べて大きくなっている。
【図25】図1乃至図4の流量調整器と比較可能な流量調整器の縦断面図であり、該流量調整器は、下流側に接続された逆止弁と一緒に組込ユニットを形成しており、この場合に流量調整器と逆止弁とは無負荷状態の出発位置で示してある。
【図26】図25の組込ユニットの、液体が流過する使用位置での縦断面図である。
【図27】単位時間当たりの流過量の特性線図である。
【図28】図1乃至図4の流量調整器と比較可能な流量調整器の、中央の調整部材の出発位置での縦断面図であり、調整部材は弾性材料から成る環状の絞り部材から押し離されており、この場合に調整部材は案内ケース内に紛失しないように保持されかつ案内されている。
【図29】図1乃至図4の流量調整器と比較可能な流量調整器の、中央の調整部材の出発位置での平面図であり、この場合に調整部材は案内ケース内に紛失しないように保持されかつ案内されている。
【図30】図28及び図29の流量調整器を使用位置で示す縦断面図であり、該使用位置では中央の調整部材は該調整部材と該調整部材の周囲の絞り部材との間に制御間隙を画定している。
【図31】図28及び図29の流量調整器を使用位置で示す平面図であり、該使用位置では中央の調整部材は該調整部材と該調整部材の周囲の絞り部材との間に制御間隙を画定している。
【0022】
図1乃至図24、及び図28乃至図31には、流量調整器の実施例1,2,3,4,5,20,40を示してある。図示の各実施例1,2,3,4,5,20,40の流量調整器は、流体若しくは液体の、単位時間当たりに管路内を流れる最大の流量、有利には管路から流出する最大の流量を一様にしかつ所定の値に規定するために用いられるものである。ここに示してある流量調整器1,2,3,4,5,20,40は、図示省略の水栓若しくは蛇口に取り付けられる衛生用の組込ユニットの構成部品である。
【0023】
流量調整器1,2,3,4,5,20,40は、弾性材料から成るリング状の絞り部材6を備えており、該絞り部材は、図3及び図4、図7及び図8、図11及び図12、図15及び図16、図19及び図20、図21及び図22、並びに図30及び図31に示してある使用位置では、該絞り部材と内側及び/又は外側に位置する調整成形部21との間に制御間隙8を画定(画成)している。制御間隙8はその流過断面を、流体の流過時に生じる圧力差に基づき変形し若しくは圧力の増大に伴って調整成形部21内に弾性的に入り込む絞り部材6により変化させられるようになっている。図1乃至図20及び図28乃至図31と図21乃至図24との比較により明らかであるように、調整成形部21は絞り部材6に対して内側にも外側にも配置され得るものである。図1乃至図20及び図28乃至図31に示す流量調整器1,2,3,4,5,40においては、調整成形部21を、絞り部材6によって取り囲まれた調整部材7の外周に配置(成形)してあるのに対して、図21乃至図24の流量調整器20においては、調整成形部21は、絞り部材6を取り囲む壁22の内周に設けられている。
【0024】
図1乃至図20及び図28乃至図31から明らかなように、絞り部材6若しくは該絞り部材によって取り囲まれた調整部材7は、移動させられて、図1及び図2、図5及び図6、図9及び図10、図13及び図14、図17及び図18、並びに図28及び図29に示してある出発位置(基準位置若しくは初期位置)と、図3及び図4、図7及び図8、図11及び図12、図15及び図16、図19及び図20、並びに図30及び図31に示してある使用位置との間で、絞り部材6と調整部材7との間の相対位置(相互間隔)を変化させるようになっている。絞り部材6によって、使用位置で該絞り部材と調整部材との間に制御間隙8を画定するようになっており、つまり、出発位置における絞り部材6と調整部材7との間の相対位置は、流量調整器の、制御間隙8に比べて大きな流過断面を生ぜしめるように規定されている。この場合に、絞り部材6と調整部材7との間の相対位置は、流入する若しくは流過する流体に基づき、戻し力に抗して出発位置から使用位置へ移され、つまり第1の実施例では、調整部材7は、流過断面内を流過する液体の流れを受けて戻し力に抗して出発位置から使用位置へ移動させられ、出発位置と使用位置との間で絞り部材6と調整部材7との間の相互間隔(相対位置)を変化させるようになっている。戻し力は、絞り部材6及び調整部材7を流入する流体の低い圧力(流量)では出発位置に保持するように規定されており、これによって出発位置では、絞り部材6と調整部材7との間に制御間隙8よりも大きな流過断面を形成してあり、したがって液体は、低い圧力では流量調整器1,2,3,4,5,40を、実質的に妨げられることなく、つまり絞られることなく流過することになり、流量調整器1,2,3,4,5,40の調整機能(調量機能)は圧力の増大に伴ってようやく生じるようになっている。
【0025】
絞り部材6と調整部材7との間の相対位置(相互間隔)を変化させるために、ここでは、調整部材7が流量調整器1,2,3,4,5,40内に摺動可能に案内されていて、流入する液体の圧力下で使用位置へ移動(運動)させられるようになっている。この場合に、調整部材7は流出側で、ここでは圧縮ばねとして形成されたコイルばね9によって負荷(付勢)されており、つまりコイルばね9は調整部材7の戻し力を形成している。
【0026】
流量調整器のここに示してある各実施例1,2,3,4,5,40は、互いに実質的に同じ機能及び構成を有しており、もっぱら、調整部材7を流量調整器内にどのように案内してあるかによってのみ異なっている。
【0027】
図1乃至図12及び図28乃至図31に示してある実施例1,2,3,40においては、流量調整器内に案内ピン10を設けてあり、該案内ピンは流量調整器の軸線方向に延びていて、該案内ピン上に摺動可能に案内された調整部材7によって取り囲まれている。調整部材7は、ここではリング状に形成され、若しくは円板状又はディスク状に形成されていて、案内ピン10によって貫通される中央の案内開口部11を有している。
【0028】
図13乃至図20に示してある実施例4,5においては、流体の流過方向若しくは流量調整器の軸線方向に向けられた案内ピン12を調整部材7に設けてあり、該案内ピンは流出側に配置された案内開口部13内に摺動可能に案内されている。
【0029】
図1乃至図12及び図28乃至図31に明確に示してあるように、戻し力を形成するためのコイルばね9は、案内ピン10,12を取り囲んでいて、一方の端部でもって流出側から調整部材7を負荷している。図17乃至図20に示してある流量調整器5の調整部材7は、流出側に受容スリーブ14を有しており、該受容スリーブはコイルばね9の、調整部材7に支持される側に端部領域を受容している。受容スリーブ14の軸線方向の長さ寸法は、該受容スリーブ14の流出側の端部が使用位置で調整部材7のためのストッパーとして役立つように、つまり調整部材7の移動運動を停止させるように規定されている。
【0030】
図21乃至図24に示してある流量調整器5においては、絞り部材6は、拡大ピン23に配置され、つまり被せ嵌められており、拡大ピン(拡開ピン)は液体の流過方向で円錐形に拡大していて、ディフューザ16の衝突面から流量調整器内に突出している。絞り部材6は、流入する液体の圧力により、図23及び図24の出発位置から、拡大ピン(円錐ピン)23に沿って該絞り部材の弾性材料の固有の弾性作用に抗して伸び広がりつつ図21及び図22の使用位置へ移動させられるようになっている。使用位置では、流量調整器20の絞り部材6は、外側に位置する調整成形部21と協働し、つまり調整成形部21と一緒に制御間隙を画定するようになっており、調整成形部21は、絞り部材6を取り囲む壁22の内周に設けられ、つまり成形されている。
【0031】
図21乃至図24に示してある流量調整器においては、環状の絞り部材6は、使用位置から出発位置へコイルばねによって移動させられるようになっているのではなく、該絞り部材自体に蓄えられた弾性エネルギーによって移動させられるようになっており、弾性エネルギーは、絞り部材が液体の増大する圧力により出発位置から使用位置へ移される際に、円錐形の拡大ピン23に沿って滑り広がることに基づき半径方向に伸びることにより該絞り部材に蓄えられるものである。絞り部材6は、使用位置では半径方向に伸ばされた状態にある。液体が流れなくなり、絞り部材6に圧力が作用しなくなると、絞り部材6は収縮しつつ、円錐形の拡大ピン23の外周の傾斜面に沿って上方に向かって出発位置へ滑り戻ることになる。出発位置では、伸ばされていない状態(つまり収縮した状態)にある絞り部材6は、使用位置の場合に比べて減少された外周を有しており、したがって、制御間隙8に比べて大きな流過断面が生じている。
【0032】
水若しくは液体内に含まれて一緒に運ばれる汚れ粒子によって、流量調整器の機能、並びに流量調整器の下流側に接続される衛生用の機能ユニットの機能を損なわないようにするために、図5乃至図24の流量調整器2,3,4,5,20の上流側には装着式のろ過器30を接続してあり、該ろ過器(メッシュ若しくはフィルター)は、調量器2,3,4,5,20の流入側若しくは上流側のろ過器受容部に係止され、若しくは有利にはろう付け可能に保持されるようになっている。特に低圧時に水に付加的な高い抵抗力を生ぜしめないために、ろ過器の各ろ過開口部はそれぞれ所定の大きさの直径若しくは寸法を有していて、所定の大きさの流過断面を形成するようになっている。流量調整器に装着されたろ過器30のろ過開口部を通過してしまう液体内の汚れ粒子は、出発位置における大きな流過断面では、絞り部材6と調整部材7との間の間隙領域をも難なく通過して、流量調整器の機能を損なうものではない。
【0033】
図示の流量調整器1,2,3,4,5,20,40は、出発位置において実質的に得られる自己洗浄作用に基づき、液体の低圧のおそれが通常はなく、液体内の汚れ粒子が排除されないような領域にも有利に用いられるものである。図5乃至図24に示してある実施例2,3,4,5,20に示してあるように、流量調整器の流出側若しくは下流側に、通気式若しくは非通気式の噴流調整器15を接続していてよく、この場合に流量調整器と噴流調整器15とは互いに有利には分離可能に結合されて1つの衛生用の組込ユニットを成している。
【0034】
図5乃至図24に示してある噴流調整器15は、流入側の噴流調整器を有しており、該噴流調整器は、流入する水流を複数の個別の噴流(個別噴流)に分けるようになっていて、ここではディフューザ16として形成されており、該ディフューザは低い圧力状態でも個別噴流に空気を取り込むようになっている。ディフューザ16の代わりに図示省略の多孔板を噴流調整器として設けることも可能である。
【0035】
図5乃至図8に示す実施例2において、流出側に接続された噴流調整器のディフューザ16から案内ピン10を垂直に若しくは軸線方向に突出させてあり、該案内ピン10に沿って流入側の流量調整器2の調整部材7を摺動可能に案内してあるのに対して、図13乃至図16に示す実施例のディフューザ16には、案内開口部13を設けてあり、該案内開口部は、調整部材7から突出する案内ピン12によって貫通され、つまり該案内ピンを摺動可能に受容している。図13乃至図16に明確に示してあるように、案内開口部13には流入側に案内スリーブ17を接続してあり、該案内スリーブの流入側の端部は調整部材7に対して使用位置でのストッパーとして用いられている。
【0036】
図5乃至図8に示す流量調整器2においては案内ピン10をディフューザ16の液体流受けプレートに一体に成形してあるのに対して、図9乃至図12に示す流量調整器3において案内ピン10は、差し込み部品(挿入部品)若しくは装着部品又は交換部品として形成された流量調整器3の調整器ケーシングに一体結合されている。図面を互いに比較することによって明らかであるように、図9乃至図12に示されていて分離式(独立形)の機能ユニットとして形成された流量調整器3は市販の噴流調整器にも使用されるものであり、この場合に流量調整器3は、ディフューザ16の液体流受けプレートの上流側のスペース内に装着されて、必要に応じて上流側のろ過器30と結合されるようになっている。流量調整器3を市販の噴流調整器と一緒に用いることは、軸線方向に向けられた案内ピン10が、下流側の噴流調整器のディフューザ16と結合されているのではなく、流量調整器3の調整器ケーシングに結合されていることに基づき可能である。
【0037】
ここに示してある流量調整器1,2,3,4,5,20,40は、別の衛生用の機能ユニットにも装着され得るものである。図25及び図26には、図1乃至図4の流量調整器と比較可能な流量調整器1を示してあり、該流量調整器の流出側には、逆止弁として形成された逆流防止装置24を接続してある。図25は、流量調整器1及び逆流防止装置24から成る衛生用の機能ユニットを、液体の流れていない無負荷の出発位置で示しており、該出発位置では、流量調整器1は、制御間隙8に比べて大きな流過断面を有しており、逆流防止装置24は、該逆流防止装置の閉鎖位置を占めている。これに対して衛生用の機能ユニットは図26には該機能ユニットの使用位置で、つまり該機能ユニット内を液体の流れる使用位置で示してあり、該使用位置では、絞り部材6は、該絞り部材と調整成形部21との間に制御間隙8を画定しており、逆流防止装置24はその開放位置を占めている。例えばホース先端に取り付けられたシャワー水栓の場合に組込ユニットの流入側に落差が生じて、流出側の圧力が流入側の圧力よりも高くなると、流量調整器1の下流側に接続された逆流防止装置24は、通常の流過方向とは逆向きの液体の逆流を阻止するようになっている。
【0038】
図示の流量調整器1,2,3,4,5,20,40を用いて、単位時間当たりに流れる液体の最大の流量を、一様にして所定の値に規定できるようになっている。流量調整装器1,2,3,4,5,20,40は、出発位置若しくは静止位置では流入する水若しくは同等の液体に対して比較的低い抵抗しか有しておらず、一時的及び/又は局所的に極端な圧力差及び圧力変動の生じる領域にも用いられるものである。一定の高い水圧の生じる領域にも図示の流量調整装器は使用され、それというのは流量調整装器の出発位置では、液体内に含まれる汚れ粒子が間隙領域を通過して流量調整装器の機能を妨げないからである。
【0039】
図27には、図示の流量調整装器1,2,3,4,5,20の単位時間当たりの流過量を別の例と比較して示してある。特性線Aは、調整されない液体管路の流過量(流量)を示している。例えば標準に設定された許容最大の流過を所定の圧力で維持して、液体管路内の単位時間当たりの流過量を減少させるために、液体管路内には、例えば簡単な絞り円板として形成された流過制限器を挿入すると、この種の流量制限器によって絞られた液体管路の流過量は、特性線Bに示すようになっている。単位時間当たりの流過量を従来技術の市販の流量調整器によって、圧力に左右されない所定の最大値に調整すると、このような従来技術の流量調整器の流量特性(流過量)は特性線Cに示されるようになっており、この場合に液体の低い圧力(低圧)での流過量は、前記非調整式の液体管路の流過量と比較して著しく減少している。特性線Dは、図示の流量調整装器1,2,3,4,5,20の流過量を示している。特性線Aと特性線Dとを比較することにより明らかなように、本発明に基づく流量調整装器1,2,3,4,5,20は、低い圧力で損なわれることのない単位時間当たりの流過量を有しており、該流過量は、所定の液圧(水圧)の達成時に単位時間当たりの所定の最大値に調整され、かつ液体の引き続く圧力上昇に際しても増大することなく維持されるものである。
【0040】
図示の流量調整装器1,2,3,4,5,20,40は、例えば衛生用の供給導管にも取り付けられ、特にガス供給導管、有利には給水導管にも有利に取り付けられるものである。
【0041】
図28乃至図31に示す流量調整器40は、流れ方向と逆向きに軸線に沿って突出する案内ケース41を有しており、該案内ケースは調整部材7を受容しており、つまり、調整成形部21を支持している調整部材7は、案内ケース41内に軸線方向摺動可能に案内されている。案内ケース41は、流過している液体の逆流の際に調整部材7の不都合な浮き上がり及び浮き外れを防止するようになっている。図28から見て取れるように、案内ケース41によって調整部材7の軸線方向の作動位置を画定してあるので、調整部材7は、案内ピン10上に軽く被せ嵌められて、流量調整器40内に保持されていて、流量調整器40の正確な機能を付加的に保証している。
【0042】
図示の流量調整器の個別の少なくとも1つの構成部分は、カラーコードを有していてよく、カラーコードはユーザーに、流量調整器の使用領域若しくは調整特性を示すようになっている。流量調整器40の案内ケース41が青色若しくは赤色を有しており、例えば青色の案内ケースを有する流量調整器は、冷水領域若しくは給水領域で用いられるものであり、赤色の案内ケースを有する流量調整器は、熱湯領域若しくは給湯領域で用いられるものである。個別の構成部分、例えば案内ケースの色は、組み込まれた戻しばね9のばね力、ひいては流量調整器40の調整特性を示すようになっていてもよいものである。
【0043】
図28乃至図31から明らかであるように、ここに示してある流量調整器40は、液体管路若しくは液体導管内に取り付け可能(装着可能)な組込部品として形成されている。この場合に流量調整器40は、外周に少なくとも1つの環状のシールリップ42を有しており、該シールリップは流量調整器40と液体管路の調整器受容部との間を密閉するようになっている。シールリップ42は、流量調整器ケーシングの外周から、流入側に向かって開く溝、ここではほぼ断面V字形に形成された1つの溝43によって分離され、かつシール端部44でもって外側に向かって斜めに突出していて、半径方向内側へばね弾性的に変位させられ、つまり、たわめられるようになっている。流量調整器40に設けられたシールリップ42によって、流量調整器と、該流量調整器と取り囲む流量調整器受容部との間の領域の良好な密閉を達成できるようになっているだけではなく、シールリップ42は、図示省略の流量調整器受容部内での流量調整器40の不動の保持にも役立っている。
【符号の説明】
【0044】
6 絞り部材、 7 調整部材、 8 制御間隙、 9 コイルばね、 10 案内ピン、 11 案内開口部、 12 案内ピン、 14 受容スリーブ、 15 噴流調整器、 16 ディフューザ、 17 案内スリーブ、 21 調整成形部、 22 壁、 23 拡大ピン、 24 逆流防止装置、 41 案内ケース、 42 シールリップ、 43 溝、 44 シールリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料から成る環状の絞り部材(6)を備えた流量調整装器(1,2,3,4,5,20)であって、前記絞り部材は使用位置で該絞り部材と内側及び/又は外側に位置する調整成形部(21)との間に制御間隙(8)を画定しており、該制御間隙(8)の流過断面は、液体の流過時に生じる圧力差に基づき変形する前記絞り部材(6)によって変化させられるようになっている形式のものにおいて、前記絞り部材(6)と前記調整成形部(21)との間の相対位置は、変化させられるようになっていて、制御間隙(8)に比べて大きな流過断面を有する出発位置から、流入する液体に基づき、戻し力に抗して使用位置へ移されるようになっていることを特徴とする、流量調整器。
【請求項2】
絞り部材(6)及び/又は調整成形部(21)は流量調整装器(1,2,3,4,5,20)内で軸線方向摺動可能に配置されている請求項1記載の流量調整器。
【請求項3】
調整成形部(21)は、使用位置で絞り部材(6)によって取り囲まれる調整部材(7)に設けられており、該調整部材(7)は流量調整装器(1,2,3,4,5)内に摺動可能に案内されていて、流入する液体の圧力に基づき使用位置へ移動させられるようになっている(図1乃至図20、図25及び図26、並びに図28乃至図31)請求項1又は2に記載の流量調整器。
【請求項4】
流量調整装器(1,2,3)内には軸線方向の案内ピン(10)を設けてあり、該案内ピンは、該案内ピンに沿って移動可能に案内されている調整部材(7)によって取り囲まれている(図1乃至図12、図25及び図26、並びに図28乃至図31)請求項1から3のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項5】
調整部材(7)はリング状及び/又は円板状に形成されていて、かつ又は案内開口部(11)を有している(図1乃至図12、図25及び図26、並びに図28乃至図31)請求項1から4のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項6】
調整部材(7)に、流過方向若しくは軸線方向の案内ピン(12)を設けてあり、該案内ピンは流入側及び/又は流出側に配置された案内開口部(13)内に摺動可能に案内されている(図13乃至図20)請求項1から5のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項7】
戻し力の形成のために少なくとも1つのコイルばね(9)を設けてある(図1乃至図20、図25及び図26、並びに図28乃至図31)請求項1から6のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項8】
少なくとも1つのコイルばね(9)は、案内ピン(10,12)を取り囲んでいて、該コイルばねの一方の端部でもって絞り部材(7)を有利には流出側から負荷している(図1乃至図20、図25及び図26、並びに図28乃至図31)請求項1から7のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項9】
絞り部材(7)には流出側に受容スリーブ(14)を設けてあり、該受容スリーブは、コイルばね(9)の、絞り部材(7)を負荷する側の端部領域を収容している(図17乃至図20)請求項1から8のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項10】
絞り部材(6)は、流過方向に拡大する拡大ピン(23)に配置されていて、流入する液体の圧力に基づき弾性作用に抗して伸び広がりながら、前記拡大ピンに沿って出発位置から使用位置へ移動するようになっている請求項1から9のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項11】
絞り部材(6)は使用位置で、調整成形部(21)を支持する壁(22)によって取り囲まれている請求項10に記載の流量調整器。
【請求項12】
流量調整装器(1,2,3,4,5,20)は衛生用の組込ユニットの構成部分である(図1乃至図26並びに図28乃至図31)請求項1から11のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項13】
衛生用の組込ユニットは、通気式若しくは非通気式の噴流調整器(15)を有しており、該噴流調整器は流量調整装器(1,2,3,4,5,20)の下流側に接続されている(図5乃至図24)請求項1から12のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項14】
衛生用の組込ユニットは、逆流防止装置(24)を有しており、該逆流防止装置は流量調整装器(1)の下流側に接続されている(図25及び図26)請求項1から13のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項15】
流量調整装器の構成部分(1,2,3,4,5,20,24)と衛生用の組込ユニットとは、有利には互いに分離可能に結合されている(図5乃至図26)請求項1から14のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項16】
噴流調整器(15)は噴流分割部材を有しており、該噴流分割部材は、有利にはディフューザ(16)として形成されている(図5乃至図24)請求項1から15のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項17】
流出側に接続された噴流調整装置(15)のディフューザ(16)に、案内ピン(10)若しくは案内開口部(13)を設けてある(図5乃至図8並びに図13乃至図20)請求項1から16のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項18】
流量調整装器(1,2,3,4,5,20,40)は、液体管路内に取り付け可能な組込部品として形成されている請求項1から17のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項19】
流量調整装器(40)は、該流量調整装器の外周に少なくとも1つの環状のシールリップ(42)を有しており、該シールリップは前記流量調整装器(40)と液体管路内の流量調整装器受容部との間を密閉している請求項1から18のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項20】
シールリップ(42)は該シールリップの自由なリップ端部(44)でもって外側へ斜めに突出していて、半径方向内側へばね弾性的にたわめられるようになっている請求項1から19のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項21】
絞り部材(6)及び/又は調整成形部(21)は案内ケース(41)内に軸線方向移動可能に配置されている請求項1から20のいずれか1項に記載の流量調整器。
【請求項22】
案内ケース(41)は絞り部材(6)及び/又は調整成形部(21)の軸線方向の作動移動運動を画定している請求項1から21のいずれか1項に記載の流量調整器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2010−511814(P2010−511814A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539634(P2009−539634)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010105
【国際公開番号】WO2008/067912
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(505123871)ネオパール ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (12)
【氏名又は名称原語表記】Neoperl GmbH
【住所又は居所原語表記】Klosterrunsstr. 11, D−79379 Muellheim, Germany
【Fターム(参考)】