説明

浄化装置および土壌の浄化方法

【課題】 汚染物質を含有する土壌の領域全体について、簡易、かつ、確実に浄化を行うことを可能とした浄化装置および土壌の浄化方法を提案する。
【解決手段】 汚染領域A内または汚染領域Aの近傍に複数形成されて、その一部が揚水井11として使用され、その他が注水井12として使用される井戸10,10,…と、揚水井11を介して揚水された地下水を搬送する揚水路21と、注水井12を介して汚染領域Aに注水される清浄水を搬送する注水路22と、井戸10,10,…の端部に設置されて、揚水路21および注水路22との井戸10の接続を切り替えるバルブ31とを備えた浄化装置1により、土壌の浄化を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染物質を含有する土壌を浄化する浄化装置および土壌の浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、不燃性で、油の溶解力が高い等、優れた性質を有するトリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)等の揮発性有機化合物(以下「VOC」という場合がある)は、塗料の溶剤、電子部品の洗浄、ドライクリーニング用の溶剤など、さまざまな分野で用いられてきた。しかしながら工場等から漏出したり、地中に廃棄されたりしたVOCは、土壌や地下水を汚染し、深刻な問題となっている。
【0003】
同様に工場や廃棄物処分場等から流出して土壌に浸透した油分や農業・畜産業で使用または排出される硝酸性窒素等も汚染物質として被害をもたらすことが知られている。
このように、多数の分野により引き起こされる土壌汚染が問題となっている。
【0004】
従来、このような汚染物質を含有する土壌の浄化方法として、例えば、特許文献1には、汚染領域の下流側に浄化材が充填された揚水井、上流側に注水井をそれぞれ設け、汚染物質を含有した汚染地下水を揚水井により揚水するとともに、浄化材により無害化処理を行い、注水井により地中に戻すことにより、外気に汚染物質が揮散されることなく、汚染地下水の浄化を行う浄化方法が開示されている。
【特許文献1】特開2003−170153号公報([0028]−[0043]、図1−図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記の浄化方法は、固定された位置から連続的に揚水と注水とを行うことから地層中に注水井から揚水井に至る一定の水みちが形成され、その結果、水みちから離れた箇所の汚染物質の回収が困難となり、浄化が不均質となるという問題点を有していた。そのため、汚染領域全体の浄化を行うためには時間がかかり、そのための費用も嵩むという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、汚染物質を含有する土壌の領域全体について、簡易、かつ、確実に浄化を行うことを可能とした浄化装置および土壌の浄化方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の浄化装置は、汚染領域内または該汚染領域の近傍に複数形成されて、揚水井または注水井として使用される井戸と、前記井戸を介して揚水された地下水を搬送する揚水路と、前記井戸を介して前記汚染領域に注水される清浄水を搬送する注水路と、前記井戸の端部に設置されて、前記揚水路と前記注水路の該井戸への接続を切り替える切替手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
かかる浄化装置によれば、揚水井と注水井とを固定することなく、汚染領域に形成された複数の井戸について、揚水井または注水井に適宜切り替えて汚染領域の土壌の浄化を行うため、揚水および注水により形成される水みちが固定されることがない。つまり、土粒子間を通過する地下水の流れ(水みち)が固定されないため、汚染領域全体について、土壌の浄化を簡易、かつ、確実に行うことが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の浄化装置であって、前記井戸に浄化材が充填されていることを特徴としている。
そして、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の浄化装置であって、前記井戸が二重管構造であることを特徴としている。
【0010】
かかる浄化装置は、井戸内部が浄化材により充填されているため、揚水された地下水は、この井戸を通過することにより、浄化処理が施される。つまり、汚染領域中の地下水に、汚染物質を含有しない状態、あるいは、汚染物質を微量のみ含有した状態で揚水されるため、地上に揚水されたときに、大気に拡散することがなく、周辺地域に悪影響を及ぼすことがない。
また、前記井戸が二重管により構成されていれば、浄化材の浄化能力が低下した際に、浄化材が充填された内側の管のみを交換することで、容易に浄化材の入れ替えを行うことができるため、長期間に及ぶ井戸の使用も可能である。
【0011】
また、請求項4に記載の浄化装置は、汚染領域内または該汚染領域の近傍に形成された複数の注水井と、前記汚染領域を挟んで前記注水井と対向する位置に形成された複数の揚水井と、前記注水井を介して前記汚染領域に注水される水を搬送する注水路と、前記揚水井を介して揚水された地下水を搬送する揚水路と、前記注水井と前記注水路との接続を制御する第一切替手段と、前記揚水井と前記揚水路との接続を制御する第二切替手段と、を備えることを特徴としている。
【0012】
かかる浄化装置は、複数の注水井の中から第一切替手段を介して選択された注水井から注水を行うとともに、複数の揚水井の中から第二切替手段を介して選択された揚水井を介して地下水の揚水を行い、汚染領域の状況や時間に応じて、注水を行う注水井と揚水を行う揚水井とを変化させるものである。この浄化装置によると、汚染領域内の地下水の水みちを固定させることなく、土壌の浄化を行うことが可能となるため、汚染領域全体の浄化を簡易、かつ、確実に行うことが可能となる。ここで、注水井および揚水井の方向は限定されるものではないことはいうまでもなく、例えば鉛直方向や水平方向に形成されていてもよい。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の浄化装置であって、前記切替手段の切り替えを制御する制御手段をさらに備え、この前記制御手段は、地下水の汚染濃度、流向、流速、流量等の計測を行う地下水計測手段を有し、前記地下水計測手段による計測結果により前記切替手段の切り替えを制御することを特徴としている。
【0014】
かかる浄化装置は、地下水の汚染濃度、流向、流速、流量等の計測を行う地下水計測手段を有した制御手段を備えるため、地下水計測手段による地下水の流速や、汚染濃度等を計測結果により、浄化装置による汚染土壌の浄化の効果を把握し、その結果に応じて揚水井と注水井との切り替えのタイミングや、配置などを適切に行うことが可能となる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、汚染領域に形成された複数の井戸を利用して、前記汚染領域からの地下水の揚水と、前記汚染領域への清浄水の注水と、を同時に行うことで、汚染領域の浄化を行う土壌の浄化方法であって、前記複数の井戸を、揚水井または注水井に切り替えることを特徴としている。
【0016】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の土壌の浄化方法であって、前記複数の井戸についての揚水井または注水井への切り替えが、所定時間毎に行われることを特徴としている。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の土壌の浄化方法であって、前記所定時間が、揚水された地下水の汚染濃度に応じて適宜設定されることを特徴とする。
【0018】
さらに、請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の土壌の浄化方法であって、前記複数の井戸についての揚水井または注水井への切り替えが、前記汚染領域の所定箇所に配置された地下水計測手段による計測結果に応じて行われることを特徴としている。
【0019】
かかる土壌の浄化方法によれば、揚水井の位置と注水井の位置を適宜変更させるため、地下水の揚水および地中への注水の際に水みちが固定されることがない。つまり、汚染領域全体について地下水を浸透させて回収するため、汚染領域の土壌の浄化を簡易、かつ、確実に行うことを可能としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の浄化装置および土壌の浄化方法によれば、汚染物質を含有する土壌の領域全体について、簡易、かつ、確実に浄化を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
【0022】
ここで、図1は、第1の実施の形態に係る浄化装置を示す概略断面図である。また、図2の(a)および(b)は、第1の実施の形態に係る切替手段(バルブ)の概略を示す断面図である。また、図3は、第1の実施の形態に係る井戸の概略を示す断面図であって、(a)は揚水状況を示し、(b)は浄化材の交換状況を示している。また、図4の(a)および(b)は、第1の実施の形態に係る土壌の浄化方法による浄化状況の一例を示す概略平面図である。さらに、図5は、第1の実施の形態に係る土壌の浄化方法の切り替え方法を示すフロー図である。
また、図6は、第2の実施の形態に係る浄化装置の概略を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は平断面図である。さらに、図7の(a)〜(c)は、第2の実施の形態に係る浄化装置による、土壌の浄化状況の概略を示す横断面図である。
【0023】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態では、図1に示すように、地表から表層F、砂質土層S、粘性土層C、砂質土層S、岩盤層RCの複数の地層により形成された互層地盤において、地表から浸透または、地下水により流下してきた汚染物質が透水層である砂質土層Sに堆積することにより形成された汚染領域A,Aについて、汚染領域A内または汚染領域Aの近傍から注水および揚水を行うことにより、土壌内の汚染物質を回収して、汚染領域A内の土壌の浄化を行う方法である。
【0024】
この汚染土壌の浄化方法において使用する浄化装置1は、汚染領域Aの内部またはこの汚染領域Aの近傍に複数形成されて、選択された一部が揚水井11として使用され、その他が注水井12として使用される井戸10,10,…と、揚水井11を介して揚水された地下水(汚染地下水)を搬送する揚水路21と、注水井12を介して汚染領域Aに注水される清浄水を搬送する注水路22とを備えたプラント20と、井戸10,10,…の上端部に設置されて、揚水路21と注水路22の井戸10への接続(連通)を切り替える切替手段(バルブ31)と、を備えている。
なお、第1実施形態では、2箇所に形成された汚染領域A,Aについて、一つの浄化装置1により浄化を行う場合について説明するが、汚染領域の箇所数や規模などは限定されるものではないことはいうまでもない。
【0025】
井戸10は、汚染領域Aへの清浄水の注水および汚染領域A内を通過する汚染地下水の揚水が可能となるように、汚染領域A内を貫通あるいは汚染領域Aの周囲に複数本形成されている。各井戸10は、図3(a)に示すように、地表から略垂直に縦孔を形成し、外管10aと内管10bとからなる2重管を挿入することにより形成されている。なお、内管10bの内部には浄化材40が充填されている。そして、各井戸10の上端には、図1に示すように、井戸10と揚水路21とを連通させつつ井戸10と注水路22とを遮断する揚水状態と、井戸10と揚水路21とを遮断しつつ井戸10と注水路22とを連通する注水状態と、を切り替える切替手段(バルブ31)が接続されており、揚水路21または注水路22への連通と遮断が制御されている。なお、第1の実施の形態では、切替手段として、バルブ31を使用するものとするが、切替手段の構成は限定されるものではない。また、第1の実施の形態では、井戸10を略垂直に形成するものとしたが、井戸10は、汚染領域A内の汚染地下水の揚水および汚染領域A内への注水が可能であれば、その形成角度は限定されるものではない。同様に井戸10の本数も限定されるものではない。
【0026】
井戸10,10,…は、バルブ31により揚水路21に連通されているものが、揚水井11として汚染地下水Waの揚水を行い、バルブ31を介して注水路22に連通されているものが、注水井12として清浄水Wbの注水を行う(図2(a)および(b)参照)。
【0027】
また、井戸10は、図3(a)に示すように、縦孔の壁面に沿って配置される有孔鋼管である外管10aと、内部に浄化材40が充填されて外管10aの内部に挿入される有孔鋼管である内管10bとにより構成されている。なお、外管10aと内管10bとの間には、所定の隙間10cが形成されており、内管10bの挿入および引き抜きが容易に行えるように構成されている(図3(b)参照)。この外管10aと内管10bの隙間10cは、揚水時の吸引力や注水時の圧力がこの隙間から抜けることがないように、上端において密閉手段10dにより密閉されている。
【0028】
井戸10の外管10aと内管10bを構成する管材は、汚染地下水Waの揚水または清浄水Wbの地盤への注水が可能であれば、有孔鋼管に限定されるものではないことはいうまでもなく、例えば円筒状の籠や有孔塩化ビニル管等、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。また、井戸10を構成する管材の孔の位置は、全長に形成されている必要はなく、例えば、汚染領域に対応する透水層(砂質土層S)にのみ形成されていてもよい。
また、井戸10の断面形状は限定されるものではないが、第1の実施の形態では、円形断面に構築するものとする。さらに、井戸10,10,…の本数は限定されるものではないことはいうまでもない。
【0029】
ここで、浄化材40として使用される材料は、汚染領域Aに含有された汚染物質に応じて、適宜公知の浄化材から選定して使用すればよい。また、浄化材40は、内管10bの全長にわたって充填されている必要はなく、揚水された汚染地下水Waが通過する際に、含有する汚染物質の除去(吸着等)に必要な延長が確保されていればよい。
【0030】
図1に示すように、プラント20は、揚水井11により揚水された汚染地下水Waを搬送する揚水路21と、注水井12により注水する清浄水Wbを搬送する注水路22と、揚水路21を介して揚水井11に吸引力を付与する揚水ポンプ23と、注水路22を介して清浄水Wbを注水井12へと圧送する注水ポンプ24と、揚水井11により揚水された汚染地下水Waの無害化処理を行う処理装置25と、注水ポンプ24を介して注水される清浄水Wbを一端貯留する水槽26とから構成されている。
なお、処理装置25は、水槽26に接続されており、処理装置25により無害化処理が施された地下水は、水槽26へと排出される。
【0031】
揚水路21および注水路22は、複数の井戸10,10,…に接続されている。ここで、第1の実施形態では、1本の揚水路21または注水路22が、それぞれ複数の井戸10,10,…と接続されているが、各井戸10に対して、それぞれ個別に揚水路21および注水路22を構築してもよい。
【0032】
揚水路21は、汚染物質を含有した地下水が外気に接触することがないように、密閉された管路により構成されている。なお、揚水路21を構成する管路の材質は限定されるものではなく、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。
【0033】
注水路22は、注水ポンプ24による注水井12への清浄水Wbの圧送が可能となるように、管路により構成されている。なお、注水路22を構成する管路の材質は限定されるものではなく、適宜公知の材料から選定して使用すればよい。
【0034】
揚水ポンプ23は、揚水井11による揚水が可能な吸引力を付与することが可能であれば、限定されるものではなく、適宜公知のバキュームポンプ等から選定して使用すればよい。
【0035】
注水ポンプ24は、注水井12を介して、地中への水の注入を可能な圧力を付与することが可能であれば、限定されるものではなく、適宜公知の圧送ポンプから選定して使用すればよい。
【0036】
ここで、第1の実施の形態では、1台の揚水ポンプ23により複数の揚水井11,11,…に吸引力を付与する構成としたが、各揚水井11にそれぞれ揚水ポンプ23を配置してもよいことはいうまでもなく、揚水井11の本数に対する揚水ポンプ23の設置台数は限定されるものではない。
同様に、注水井12の本数に対する注水ポンプ24の設置台数も限定されるものではない。
【0037】
第1の実施の形態では、無害化処理装置25として曝気式装置を使用するものとするが、無害化処理装置25は、汚染領域Aが含有する汚染物質に応じて、適宜適切な装置を配置すればよく、その機種等は限定されるものではない。
また、注水される清浄水Wbは、揚水された地下水を無害化処理したものに限定されるものではなく、水道水や、河川水、湖水、海水、雨水等の蒸留水等を使用してもよい。
【0038】
バルブ31は、図2(a)および(b)に示すように、一方の端部(第1の実施の形態では下端)が井戸10の上端に接続されて他方の端部側(第1の実施の形態では上端側)が二股に分かれた管材から構成されており、二股に分かれた他方の端部には、それぞれ揚水接続管21aを介して揚水路21、および、注水接続管22aを介して注水路22に接続されている。そして、揚水接続管21aと注水接続管22aとの接続部には、それぞれ揚水弁31aと注水弁31bとが配置されており、揚水路21と注水路22との連通と遮断が制御されている。つまり、当該井戸10が揚水井11として使用される時には、図2(a)に示すように、揚水弁31aにより揚水接続管21aとの連通が開放されるとともに注水弁31bにより注水接続管22aとの連通が遮断されて、汚染地下水Waの揚水が可能となる。一方、井戸10が注水井12として使用される時には、図2(b)に示すように、揚水弁31aにより揚水接続管21aとの連通が遮断されるとともに注水弁31bにより注水接続管22aとの連通が開放されて清浄水Wbの注水が可能となる。
なお、バルブ31の構成は、井戸10の揚水井11としての使用および注水井12としての使用を制御することが可能であれば、前記のものに限定されるものではない。
【0039】
第1の実施の形態では、バルブ31の切り替えの制御を、揚水された地下水の汚染濃度や水量などに応じて制御手段30により行うものとする。制御手段30は、揚水路21の所定の箇所に配設されて、揚水された地下水の汚染濃度や水量を計測する検知装置(地下水計測手段)34と、検知装置34の計測結果を解析し、揚水井11と注水井12の適切な配置を解析する解析装置33と、解析装置33による解析結果により各バルブ31への切り替え指示を送る制御盤32とから構成されている。
【0040】
次に、浄化装置1を利用した土壌の浄化方法について、説明する。
【0041】
第1の実施の形態に係る土壌の浄化方法は、汚染領域Aに形成された複数の井戸10,10,…のうち、選択された一部の井戸10,10,…を揚水井11,11,…、その他の井戸10,10,…を注水井12,12,…として、汚染領域Aからの汚染物質を含有する汚染地下水Waの揚水と、汚染領域Aへの清浄水Wbの注水とを同時に行う方法である。この時、汚染領域Aの浄化は、複数の井戸10,10,…について、それぞれ制御手段30により、揚水井11または注水井12に切り替えることにより行う。ここで、第1の実施の形態では、各井戸10のバルブ31の切り替えを、制御手段30により自動的に行うものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、解析装置33による解析結果に応じて、手動で切り替えてもよく、バルブ31の切り替え方法は限定されるものではない。
【0042】
各井戸10の揚水井11と注水井12との切り替えを行うことにより、図4(a)および(b)に示すように、汚染地下水Waと清浄水Wbの流向を変化させるため、汚染領域A全体についての土壌の洗浄を確実に行うことができる。
【0043】
ここで、汚染地下水Waの揚水に伴い、井戸10に充填された浄化材40の浄化機能が低下した場合は、図3(b)に示すように、井戸10から、使用済みの浄化材40’を内管10bごと取り出して、新たに浄化材40が充填された内管10bを挿入するものとする。
【0044】
各井戸10の揚水井11と注水井12の切り替えは、所定時間毎に行うものとし、この所定時間は、揚水された汚染地下水Waの汚染濃度および流量に応じて適宜設定される。
揚水井11と注水井12の切り替え方法の一例を、図5を参照しつつ以下に示す。
【0045】
揚水井11と注水井12の組み合わせ(パターン)は、井戸10の数をMとすると、2M通りある。第1の実施の形態では、この2M通りの組み合わせうち、N通りのパターンを基本的にランダムで設定することにより、汚染領域Aの浄化を行う。
【0046】
図5に示すように、まず、揚水井11と注水井12の配置のパターン1で地下水の汚染濃度の測定(モニタリング)した後、その他のパターンをローテーションさせ、再度パターン1に戻る。この時、パターン1として作動する時間をT1時間とし、パターン2はT2時間とする。また、それ以降同様にパターンNの作動時間をTN時間とする。
【0047】
次に、パターン1による地下水の汚染濃度を再度測定し、基準値(設定値)Yoとの大小評価(以下、「絶対評価」という場合がある)、前回の計測値(濃度)との差による濃度変化の評価(以下、「相対評価」という場合がある)を行い、次回のローテーションでのパターン1の作動時間を新たに設定する。ここで、評価手法として関数を導入し、評価の結果、次回作動時間を短縮する場合や延長する場合がある。
【0048】
なお、各パターンにおける作動時間の設定方法は限定されるものではないが、例えば、後記のように、相対評価による濃度変化(減少)値Xと、絶対評価による濃度差値Yとにより次回のローテーションにおけるパターン1の作動時間T1’を設定してもよい。
(1)作動時間T1によるパターン1の相対評価による濃度変化(減少)値Xが閾値Xoよりも小さく、絶対評価による基準値Yoとの濃度差値Yが大きいままである場合には、パターン1による効果が得られていないと判断できるため次回のローテーションにおけるパターン1の作動時間T’をゼロとする。
(2)相対評価による濃度変化値Xが閾値Xoよりも小さく、絶対評価による基準値Yoとの濃度差値Yが小さい場合には、浄化の対象となる汚染物質の濃度の減少により、所定の浄化効果を得ることができていないと評価できるため、次回ローテーションにおけるパターン1の作動時間T’を長くする。
(3)相対評価による濃度変化値Xが閾値Xoよりも大きく、絶対評価による基準値Yoとの濃度差値Yが小さい場合には、効果的な浄化効果を得ており、浄化の対象となる汚染物質の濃度が減少していると判断できるため、次回ローテーションにおけるパターン1の作動時間T’を同じとするか短くする。
(4)相対評価による濃度変化値Xが閾値Xoよりも大きく、絶対評価による基準値Yoとの濃度差値Yが大きい場合には、パターン1による浄化の効果が得られていて、かつ、浄化の必要性が高いと判断できるため、次回ローテーションにおけるパターン1の作動時間T’を同じとするか長くする。
【0049】
なお、評価の目安として、絶対評価の基準値Yoとしては法定基準値の10倍程度を目安とし、相対評価の閾値Xoとしては、一週間後の再測定であれば、前回計測した濃度の50%程度を目安として、次パターンの作動時間を設定してもよい。ここで、評価の目安は、現地の状況や汚染濃度等に応じて適宜設定すればよく、前記のもの限定さえるものではない。
【0050】
絶対評価による濃度差値Yが0以下となった場合は、パターン1による浄化の効果が略完了したものとみなし、次回のローテーションにおいてパターン1として作動する時間T1をゼロとする。
【0051】
パターン2についても、パターン1と同様に、同時並行的に汚染濃度の測定、絶対評価、相対評価を行い、作動時間T2を決定する。
【0052】
パターン3〜パターンNについても同様に作動時間T3〜TNを設定する。
そして、すべてのパターン(パターン1〜パターンN)について、作動時間T1〜TNがゼロ(ΣTN=0)になったら浄化作業を終了する。
【0053】
なお、揚水井11と注水井12の切り替えは、前記の方法に限定されるものではなく、例えば、図4(a)および(b)に示すように、汚染領域Aの所定箇所に、流向流速計(地下水計測手段)35を設置し、揚水井11による揚水および注水井12による注水時の地下水の流向と流速を測定し、この測定結果に応じて、揚水井11と注水井12の配置(井戸10,10,…の揚水井11と注水井12の切り替え)を設定してもよい。この場合において、流向流速計35の設置箇所や設置数は限定されるものではない。
【0054】
以上、第1の実施の形態に係る浄化装置および土壌の浄化方法によれば、揚水井11と注水井12の配置を適切に変化させることにより、汚染領域A内の地下水の流向や流速を変化させるため、汚染領域Aの全体から地下水の回収を行うことが可能となり、この地下水の回収に伴い、汚染物質を回収するため、効果的に土壌の浄化を行うことを可能としている。
【0055】
また、各井戸10には、浄化材40が充填されているため、汚染物質を含有する汚染地下水Waを揚水するだけで汚染地下水Waの浄化を行うことができ、さらに、地上に揚水された汚染地下水Waの汚染濃度が薄くなるため、安全である。また、汚染濃度が低下されているため、無害化処理機25による無害化処理も、短時間で行うことが可能となる。
【0056】
また、浄化材40の浄化機能が低下した場合は、井戸10の内管10bごと交換すれば、簡易に浄化材40の交換を行うことが可能なため、施工性に優れている。
【0057】
各井戸10の揚水井11と注水井12の切り替えは、制御手段30により自動的に行うため、人的なミスが生じることがなく、確実に、適切な配置による土壌の浄化を行うことを可能としている。
【0058】
揚水した地下水は、無害化処理した後、再度地中へ注水されるため、地下水の流域の変化や地下水位の低下等による環境への悪影響を及ぼすことがなく、好適である。
【0059】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、図6(a)に示すように、地表から表層F、砂質土層S、粘性土層C等の複数の地層により形成された地盤において、地表から浸透または、地下水により流下してきた汚染物質が堆積することにより形成された砂質土層Sの汚染領域Aについて、汚染領域Aの上方からの注水と汚染領域Aの下方からの揚水を行うことにより、汚染物質を回収して、汚染領域A内の土壌の浄化を行う方法である。
【0060】
この汚染土壌の浄化方法において使用する浄化装置2は、図6(a)および(b)に示すように、汚染領域A内またはこの汚染領域Aの近傍に形成された複数の注水井12,12,…(井戸10)と、汚染領域Aを挟んで注水井Aと対向する位置に形成された複数の揚水井11,11,…(井戸10)と、注水井12,12,…を介して汚染領域Aに注水される清浄水Wbを搬送する注水路22と、揚水井11,11,…を介して揚水された汚染地下水Waを搬送する揚水路21と、注水井12,12,…と注水路22との接続を制御する第一切替手段36と、揚水井11,11,…と揚水路21との接続を制御する第二切替手段37とを備えている。
【0061】
第2の実施の形態に係る井戸10(揚水井11および注水井12)は、図6(a)に示すように、汚染領域Aを上下から挟むように、上下に複数本(第3の実施の形態では3本)ずつ略水平に形成されている。つまり、汚染領域Aの上方から当該汚染領域Aを通過するように注水を行う注水井12と、汚染領域Aを挟んで対向する位置に汚染領域Aと通過した地下水を揚水する揚水井11とが形成されている。
【0062】
各井戸10は、竪孔10’を介して形成されており、竪孔10’内において注水路22または揚水路21に接続されている。
【0063】
ここで、第2実施形態では、井戸10を水平に形成するものとしたが、井戸10の角度は限定されるものではなく、例えば垂直に形成するなど、状況に応じて適宜設定すればよい。また、揚水井11および注水井12の本数は、汚染領域Aの形状、地質状況や注水能力、揚水能力などに応じて適宜設定すればよく、前記の本数に限定されるものではない。
【0064】
この他の井戸10の構成は、第1の実施の形態で示した井戸10と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0065】
プラント20は、揚水井11により揚水された汚染地下水Waを搬送する揚水路21と、注水井12により注水する清浄水Wbを搬送する注水路22と、揚水路21を介して揚水井11に吸引力を付与する揚水ポンプ23と、注水路22を介して清浄水Wbを注水井12へと圧送する注水ポンプ24と、揚水井11により揚水された地下水の無害化処理を行う処理装置25と、揚水井のより揚水されて処理装置により無害化処理された地下水を一時貯留する水槽26とから構成されている。
【0066】
揚水路21および注水路22は、図6(b)に示すように、竪孔10’の内部において、それぞれ揚水井11,11,…または注水井12,12,…に接続されている。ここで、第2の実施形態では、1本の揚水路21または注水路22が、それぞれ複数の井戸10,10,…と接続されているが、各井戸10に対して、それぞれ個別に揚水路21および注水路22を構築してもよい。
【0067】
この他、第2の実施の形態に係る揚水路21および注水路22は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0068】
揚水ポンプ23は、揚水井11による揚水が可能な吸引力を付与することが可能であれば、限定されるものではなく、適宜公知のバキュームポンプ等を使用すればよい。
【0069】
注水ポンプ24は、注水井12を介して、地中への清浄水Wbの注入を可能な圧力を付与することが可能であれば、限定されるものではなく、適宜公知の圧送ポンプを使用すればよい。
【0070】
第2の実施の形態に係る無害化処理装置25は、第1の実施の形態で示したものと同様なものを使用するため、詳細な説明は省略する。なお、第2の実施の形態では、無害化処理装置25を竪孔10’内に配置するものとしたが、地上に配置してもよく、その設置箇所は限定されるものではない。
また、注水される清浄水Wbの水源は限定されるものではなく、揚水された地下水を無害化処理したもの、水道水、または、河川水、湖水、海水、雨水等の蒸留水等を使用してもよい。
【0071】
第一切替手段36および第二切替手段37は、バルブであって、揚水された汚染地下水Waの汚染濃度や量または経過時間などに応じて揚水を行う揚水井11の選定、注水を行う注水井12の選定を行うものである。つまり、第一切替手段36は、注水井12と注水路22との連通と遮断の制御を行い、第二切替手段37は、揚水井11と揚水路21の連通と遮断の制御を行う。
【0072】
次に、第2の実施の形態に係る浄化装置2を利用した土壌の浄化方法について、説明する。
【0073】
浄化装置2による汚染領域Aの浄化方法は、汚染領域Aの上方に配置された注水井12,12,…から清浄水Wbを注水し、汚染領域Aを通過して汚染物質を含有した汚染地下水Waを汚染領域Aの下方に配置された揚水井11,11,…により揚水することで、汚染領域Aの土壌の洗浄を行うものである。この時、それぞれ第一切替手段36および第二切替手段37により、複数配設された注水井12,12,…と揚水井11,11,…について、使用するものと使用しないものとを適宜変更させることで、注水された清浄水Wbの地中での水みちを固定させることなく、汚染領域Aの全体を通過させるものとする。
【0074】
つまり、予め設定された時間、揚水により採取された地下水の汚染濃度、揚水された地下水の水量、あるいは、予め、地中の所定の箇所に設置された検知器による地下水の流向流速等の検知結果等に応じて、注水箇所と揚水箇所とを適宜変更させて、地下水Wの流れのルートを変更させる。これにより、汚染領域Aの全体に注水された清浄水Wbが行渡り、また、汚染領域Aの全体から、汚染物質を含有した汚染地下水Waを採取することが可能となる。
【0075】
例えば、図7(a)に示すように、汚染領域Aの上方に配置された注水井12a,12b,12aの全てについて、第一切替手段36を開放して注水を行うものとし、汚染領域Aの下方に配置された揚水井11a,11b,11aの全てについて、第二切替手段37を開放して揚水を行うものとすれば、注水井12a,12b,12aから注水された地下水Wは、揚水を行っている揚水井11a,11b,11aの方向に流れるため、専ら真下に流下することとなる。
【0076】
次に、揚水井11により採取された地下水の汚染濃度の低下が確認されたら、開放する注水井12と揚水井11を変更させて、地下水Wの流下ルートを変更させる。例えば、図7(b)に示すように、3本の注水井12のうち、両端の注水井12a,12aを開放し、中央の注水井12bを遮断するとともに、3本の揚水井11のうち、中央の揚水井11bを開放して、他の揚水井11a,11aを遮断する構成とすれば、注水井12a,12aから注水された地下水Wは、汚染領域A内において中央方向(開放した揚水井11aの方向)に向かってルートを変更させながら流下する。つまり、注水井12,12,…および揚水井11,11,…を全て開放した場合と、異なるルートにより流下するため、前記と異なる箇所における土壌の洗浄を行うことが可能となる。
【0077】
さらに、図7(c)に示すように、3本の注水井12,12,12のうち、両端の注水井12a,12aを遮断し、中央の注水井12bを開放するとともに、3本の揚水井11,11,11のうち、中央の揚水井11bを開放して、他の揚水井11a,11aを遮蔽する構成とすれば、注水井12aから注水された地下水Wは、汚染領域A内において、2方向に分岐されながら流下するため、前記と異なる箇所における土壌の洗浄を行うことが可能とある。
【0078】
このように、注水井12,12,…と揚水井11,11,…の開放パターンを適宜変更させることにより、汚染領域A全体について、土壌の洗浄を行うものとする。
【0079】
なお、注水井12,12,…と揚水井11,11,…の使用パターンは前記のものに限定されるものではなく、状況に応じて適宜設定すればよい。
また、注水井12,12,…と揚水井11,11,…の開放遮断の変更のタイミングは限定されるものではなく、適宜決定すればよいことはいうまでもない。
また、第一切替手段36および第二切替手段37の開閉の操作は、第1の実施の形態で示した制御手段と同様に、自動的に行ってもよいし、また、人的に行ってもよい。
【0080】
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施形態では、井戸内に充填された浄化材と、地上に配置された無害化処理装置とにより、2段階で揚水した地下水の無害化処理を行うものとしたが、適切な浄化効果が得られるのであれば、いずれか一方のみでもよいことはいうまでもない。
【0081】
また、各井戸は、必ずしも浄化材が充填されている必要はないことはいうまでもない。
また、汚染領域に供給される水分(清浄水)に汚染物質の除去に効果的な物質や薬剤等をあらかじめ混合しておくことにより、土壌の浄化を早める構成にしてもよい。
【0082】
また、前記各実施形態において、揚水された汚染地下水は、必ずしも地盤に戻す必要はなく、例えば浄化プラントにより無害化処理を施した後、河川等に放流してもよい。
【0083】
また、注水井により注水される水に、予め磁場処理機により表面張力低下処理を施すことにより、浸透性を高めてもよい。
【0084】
また、第1の実施の形態では、全ての井戸について、揚水井または注水井として使用するものとしたが、浄化のパターンの一つとして、選択された一部の井戸を使用しない場合を含めてもよい。
また、前記各実施形態では、井戸に充填された浄化材の目的として、地下水の揚水時に、汚染物質を除去することとしたが、注水時に清浄水とともに浄化成分を土壌に浸透させる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1の実施の形態に係る浄化装置を示す概略断面図である。
【図2】(a)および(b)は、第1の実施の形態に係る切替手段(バルブ)の概略を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る井戸の概略を示す断面図であって、(a)は揚水状況を示し、(b)は浄化材の交換状況を示している。
【図4】(a)および(b)は、第1の実施の形態に係る土壌の浄化方法による浄化状況の一例を示す概略平面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る土壌の浄化方法の切り替え方法を示すフロー図である。
【図6】第2の実施の形態に係る浄化装置の概略を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は平断面図である。
【図7】(a)〜(b)は、第2の実施の形態に係る浄化装置による、土壌の浄化状況の概略を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0086】
1,2 浄化装置
10 井戸
10a 外管
10b 内管
11 揚水井
12 注水井
21 揚水路
22 注水路
30 制御手段
31 バルブ(切替手段)
31a 揚水弁
31b 注水弁
34 検知装置(地下水計測手段)
35 流向流速計(地下水計測手段)
36 第一切替手段
37 第二切替手段
40 浄化材
A 汚染領域
Wa 汚染地下水
Wb 清浄水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染領域内または該汚染領域の近傍に複数形成されて、揚水井または注水井として使用される井戸と、
前記井戸を介して揚水された地下水を搬送する揚水路と、
前記井戸を介して前記汚染領域に注水される清浄水を搬送する注水路と、
前記井戸の端部に設置されて、前記揚水路と前記注水路の該井戸への接続を切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする、浄化装置。
【請求項2】
前記井戸に、浄化材が充填されていることを特徴とする、請求項1に記載の浄化装置。
【請求項3】
前記井戸が、二重管構造であることを特徴とする、請求項2に記載の浄化装置。
【請求項4】
汚染領域内または該汚染領域の近傍に形成された複数の注水井と、
前記汚染領域を挟んで前記注水井と対向する位置に形成された複数の揚水井と、
前記注水井を介して前記汚染領域に注水される清浄水を搬送する注水路と、
前記揚水井を介して揚水された地下水を搬送する揚水路と、
前記注水井と前記注水路との接続を制御する第一切替手段と、
前記揚水井と前記揚水路との接続を制御する第二切替手段と、を備えることを特徴とする、浄化装置。
【請求項5】
前記切替手段の切り替えを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、地下水の汚染濃度、流向、流速、流量等の計測を行う地下水計測手段を有し、前記地下水計測手段による計測結果により前記切替手段の切り替えを制御することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項6】
汚染領域に形成された複数の井戸を利用して、前記汚染領域からの地下水の揚水と、前記汚染領域への清浄水の注水と、を同時に行うことで、汚染領域の浄化を行う土壌の浄化方法であって、
前記複数の井戸を、揚水井または注水井に切り替えることを特徴とする、土壌の浄化方法。
【請求項7】
前記複数の井戸についての揚水井または注水井への切り替えが、所定時間毎に行われることを特徴とする、請求項6に記載の土壌の浄化方法。
【請求項8】
前記所定時間が、揚水された地下水の汚染濃度に応じて適宜設定されることを特徴とする、請求項7に記載の土壌の浄化方法。
【請求項9】
前記複数の井戸についての揚水井または注水井への切り替えが、前記汚染領域の所定箇所に配置された地下水計測手段による計測結果に応じて行われることを特徴とする、請求項6に記載の土壌の浄化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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