説明

浴室用防水床部の支持架台

【課題】 基礎が大きく形成された場合でも、これを削ることなく簡単に浴室用防水床部を据え付けることができる浴室用防水床部の支持架台を提供する。
【解決手段】 支持架台3を、防水床部1の裏面側に、防水床部1の一辺に平行に取り付けられるとともに、この防水床部1の一辺より短い、この防水床部支持用の少なくとも2本の支持部材30,31と、支持部材30,31の両端側に上下に移動可能に取り付けられ、防水床部1の水平レベルの調整が可能な支持脚33とを有するように構成する。そして、防水床部1の水平レベルの調整に際して、支持部材30,31が防水床部1に対して、互いに独立してこの支持部材30,31の長手方向にスライド移動可能とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、床パンや洗い場付浴槽といった、外周部に壁載せ部が形成されている浴室用防水床部の支持架台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は浴室用床パンの支持架台の一例を示す図である。支持架台100は、壁Wで囲まれた浴室設置空間S一杯に設置される床パン101を支持するためのものであり、床パン101の裏面側に取り付けられる支持部材100aと、この支持部材100aの両端に上下動可能に取り付けられる、支持ボルト100bとから構成されている。
【0003】床パン101は、支持架台100を介して、これを浴室設置空間S内に設置後、水平レベルの調整をする必要があるため、外周部の壁載せ部101aに設けられた開口101bを介して、支持ボルト100bの上下動が行なえるようになっている。このため、支持ボルト100bが取り付けられる支持部材100aの両端部側は、床パン101の壁載せ部101a直下に配置され、両端はほぼ壁Wを支持する基礎Bに接した状態となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、基礎Bはコンクリート等によって現場において形成されるものであるため、そのサイズが正確でなく、大きめに形成されてしまう場合も多い。したがって、このような場合に、浴室設置空間S内に床パン101用の支持架台100を設置するには、基礎Bの削り作業が必要になるという問題があった。
【0005】この発明は、以上の点に鑑み、基礎が大きく形成された場合でも、これを削ることなく簡単に浴室用床部を据え付けることができる浴室用防水床部の支持架台を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載の発明は、外周部に壁載せ部が形成されている浴室用防水床部の支持架台において、防水床部の裏面側に、この防水床部の一辺に平行に取り付けられるとともに、この防水床部の上記一辺より短い、この防水床部支持用の少なくとも2本の支持部材と、防水床部の水平レベルの調整が可能なように、支持部材の両端側に上下に移動可能に取り付けられた支持脚とを有し、かつ、支持部材が、防水床部に対して、互いに独立してこの支持部材の長手方向にスライド移動可能となっていることである。
【0007】この発明では、例えば、支持部材の一方の端部に取り付けられる支持脚が、基礎の突出部に当たる場合には、この支持部材を、防水床部に対して、他方の端部側へ向かってスライド移動させ、上記支持脚と基礎との干渉を避けることができる。この場合、支持部材は防水床部より短いため、この支持部材の他方の端部側の支持脚が基礎に当たってしまうことはない。
【0008】また、この発明では、支持部材がその長手方向にスライド移動できるため、この支持部材の一端側の支持脚を、防水床部の壁載せ部に設けた開口から上下動して、防水床部の水平レベルの調整をした後、この支持部材をスライド移動し、この支持部材の他端側の支持脚を、防水床部の反対側の壁載せ部に設けた開口から上下動して、防水床部の水平レベルの調整を行なうことも可能である。
【0009】この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、防水床部が、浴槽と洗い場とが一体的に形成されている洗い場付浴槽であることである。
【0010】この発明の請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、支持部材が、防水床部が設置される浴室設置空間の開放面に直交するように配置されていることである。
【0011】この発明では、支持脚が基礎の突出部に当たるため、支持部材を充分にスライド移動できない場合でも、この支持部材に対して、防水床部を浴室設置空間の開放面側にスライド移動させることにより、この支持脚上方に防水床部の壁載せ部の開口を位置決めできるため、この開口を介して、上記支持脚の上下動ができ、この防水床部の水平レベルの調整が容易にできるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係る支持架台により洗い場付浴槽が支持されている状態を示す浴室の外観斜視図、図2は洗い場付浴槽の裏面側の外観斜視図である。
【0013】図1において、浴室は、洗い場付浴槽1と、補強材2(図2参照)と、支持架台3と、壁パネル4と、天井パネル5と、水栓金具6と、シャワーセット7と、照明器具8と、化粧鏡9と、浴室ドア(図示せず)等とから構成されている。
【0014】洗い場付浴槽1は、浴槽Yと洗い場Aとが、例えばFRP材により一体的に形成された、浴室用の防水床部となるものであり、図1で示されるように、湯溜め部10、カウンター部11、洗い場床12、洗い場小物台13、エプロン部14、壁載せ部15、排水トラップ16(図2参照)、湯溜め部排水管17(図2参照)等から構成されている。ここで、浴槽Yは、例えば、湯溜め部10とカウンター部11とから構成され、洗い場Aは、例えば、洗い場床12と洗い場小物台13とから構成される。
【0015】カウンター部11は、、図1で示されるように、凹状の湯溜め部10の上縁部周りに平らに形成されており、このカウンター部11より一段下がった位置に、平らな洗い場床12が、湯溜め部10に沿うように形成されている。洗い場小物台13は、洗い場床12の一端側に、カウンター部11とつながるように形成されており、このカウンター部11、および洗い場小物台13と洗い場床12とを連結するようにエプロン部14がL状に形成されている。壁載せ部15は、上方に壁パネル4やドア枠が取り付けられるものであり、カウンター部11、洗い場小物台13、および洗い場床12の外端部に形成されている。
【0016】排水トラップ16は、浴室内の排水を外部に排出するためのものであり、洗い場床12の排出部12aの直下に取り付けられているとともに、図2で示されるように、湯溜め部10の裏面に取り付けられた湯溜め部排水管17とも接続されている。
【0017】ここで、図1において、例えば、洗い場床12の洗い場小物台13に対向する手前側の壁載せ部15側に、ドア枠を介して浴室ドアが取り付けられる。このため、図6で示されるように、この浴室が形成される浴室設置空間Sの浴室ドア側は、この浴室の設置時には、建物の壁Wのない開放面S1となっている。但し、この開放面S1側にも、図7で示されるように、床部Kはすでに形成されている。
【0018】補強材2は、洗い場付浴槽1に剛性を持たせるためのものであり、図2で示されるように、湯溜め部10と洗い場床12とを強固につなぐように、これらの裏面側に取り付けられている。この場合、湯溜め部10の裏面側と洗い場床12のの裏面側とには段差があるため、この段差を吸収するように、補強材2の洗い場床12側には、上方への突出部2aが形成されている。
【0019】支持架台3は、浴室設置空間Sにおいて、洗い場付浴槽1を水平に支持するためのものである。この支持架台3は、図2で示されるように、洗い場付浴槽1の洗い場A側の洗い場床12と浴槽Y側の湯溜め部10とに、それぞれ取り付けられる一対の長尺な支持部材30,31と、支持部材30,31の両端を連結するように取り付けられる一対の補強部材32と、支持部材30,31の両端に上下動可能に取り付けられる支持脚としての支持ボルト33と、支持ボルト33固定用の固定ナット34と、支持ボルト33用のロックナット35と洗い場付浴槽1の裏面側に取り付けられるナット部材36(図3参照)と、ナット部材36にねじ込まれる支持部材30,31固定用の固定ねじ37(図3参照)と、補強部材32を支持部材30,31に取り付けるための取付ねじ38(図4参照)と、支持ボルト33の面圧を緩和する支持ナット39(図5参照)とから構成されている。
【0020】支持部材30,31は、図2で示されるように、洗い場付浴槽1の一辺側の壁載せ部15と平行、すなわち、湯溜め部10の長手方向Dに平行な状態で、洗い場床12と湯溜め部10との裏面側に、それぞれに取り付けられるが、その長さは、湯溜め部10の長手方向Dに沿った洗い場付浴槽1の幅サイズLより充分に、小サイズに形成されている。そして、支持部材31は、フランジ部31aを有する溝部材のみから構成されるが、支持部材30は、湯溜め部10と洗い場床12の裏面の段差を吸収するように、溝部材の両端に下向きの垂直支持部30aを有している。
【0021】この支持部材30,31には、図3で示されるように、洗い場付浴槽1との接触面側に、長孔P1が形成されていて、この長孔P1を介して、固定ねじ37が、湯溜め部10と洗い場床12との裏面側に取り付けられたナット部材36にねじ込まれることにより、この支持部材30,31は洗い場付浴槽1に取り付けられる。したがって、固定ねじ37をやや緩めておくことにより、この支持部材30,31は、洗い場付浴槽1に対して、長孔P1のサイズ分だけ(例えば、30〜50mm)、その長手方向にスライド移動できることになる。
【0022】補強部材32は、図4で示されるように、一端側が取付ねじ38を介して、支持部材31のフランジ部31aに取り付けられ、他端側が、取付ねじ38を介して、支持部材30の垂直支持部30aに取り付けられる。この場合、支持部材31のフランジ部31aには、長孔P1と同じ長さの取付ねじ38用の長孔P2が形成されているため、取付ねじ38をやや緩めておくことにより、支持部材31は、補強部材32に対してもスライド移動できるようになっている。すなわち、このことにより、支持部材30,31は互いに独立して、その長手方向にスライド移動できるようになっている。
【0023】支持ボルト33は、支持部材30,31の端部に、1本づつ、計4本取り付けられている。この支持ボルト33は、図5で示されるように、例えば、支持部材31の端部に形成される孔部(図示せず)を介して、この支持部材31の裏面側に取り付けられた固定ナット34にねじ込まれた後、支持部材31の表面側からロックナット35がねじ込まれて、この支持部材31に固定される。このため、ロックナット35を緩めることにより、この支持ボルト33は支持部材31に対して、上下に移動可能となる。もちろん、この支持ボルト33は、支持部材30の垂直支持部30aに対しても同様に取り付けられる。
【0024】なお、湯溜め部10の長手方向D両端側の洗い場付浴槽1の壁載せ部15には、図2で示されるように、支持部材30,31側の水平な載置部15aに、支持ボルト33調整用の開口15bが形成されている。
【0025】ここで、壁パネル4は洗い場付浴槽1の壁載せ部15上に取り付けられ、天井パネル5は、壁パネル4上に取り付けられる。また、水栓金具6は、洗い場付浴槽1のカウンター部11上に取り付けられ、吐水管6aが湯溜め部10側と洗い場床12側とに回動できるようになっている。シャワーセット7は、ホース7aを介して、水栓金具6側から、壁パネル4に掛けられているシャワーヘッド7b側に湯が供給できるようになっている。
【0026】つぎに、洗い場付浴槽1を図6で示されるような浴室設置空間S内に据え付ける場合の、据え付け手順について説明する。まず、前準備として、支持架台3の固定ねじ37と取付ねじ38とを緩め、支持部材30,31が、洗い場付浴槽1に対して、その長手方向に所定量だけ、互いに独立して、スライド移動できるようにしておくとともに、ロックナット35を緩めて、支持ボルト33を、回転させることにより上下動できるようにしておく。
【0027】つぎに、浴室設置空間Sにおける建物の基礎Bの状態を観察し、基礎Bが適正に形成されているか否かをチェックする。そして、図7で示されるように、基礎Bが適正に形成されている場合には、図7の(a)で示されるように、支持架台3を介して、洗い場付浴槽1を浴室設置空間S内の据付面S2上に載置後、洗い場付浴槽1の幅サイズLより充分に短い支持部材30,31を、例えば建物の壁W1側の基礎B一杯にスライド移動させる。つづいて、洗い場付浴槽1の壁W1側の壁載せ部15の開口15bから工具を差し込んで、支持ボルト33A,33Bの上下動を行なって、洗い場付浴槽1の壁W1側の水平レベルを出す。
【0028】つぎに、図7の(b)で示されるように、支持部材30,31を建物の開放面S1側の基礎B一杯にスライド移動させ、開放面S1側の壁載せ部15の開口15bから工具を差し込んで、支持ボルト33C,33Dの上下動を行ない、洗い場付浴槽1全体の水平レベルを出す。
【0029】その後、支持部材30,31を洗い場付浴槽1の中央部にわずかに移動させた後、固定ねじ37をナット部材36に強くねじ込んで、支持部材30,31を洗い場付浴槽1に固定するとともに、取付ねじ38を強くねじ込んで、支持部材31と補強部材32とを一体化する。また、ロックナット35を締め付けて、支持ボルト33を支持部材30,31に固定した後、支持ボルト33の下端まで支持ナット39を下ろして、この支持ナット39とともに支持ボルト33の下端側を接着剤等で据付面S2側に固定すれば、洗い場付浴槽1の据え付け作業は終了する。そして、この洗い場付浴槽1の壁載せ部15に壁パネル4やドア枠を設置し、これらの上に天井パネル5等を取り付ければ、浴室が完成する。
【0030】一方、図8で示されるように、例えば、壁W1側の基礎Bが浴室設置空間S内に突出している場合には、図8の(a)で示されるように、支持架台3を壁W1側の基礎B一杯に移動させた状態で、洗い場付浴槽1を浴室設置空間S内の据付面S2上に載置後、図8の(b)で示されるように、洗い場付浴槽1を開放面S1側に移動させ、壁W1側の壁載せ部15の開口15bを、支持ボルト33A,33B上方に位置決めする。つづいて、この開口15bから工具を差し込んで支持ボルト33A,33Bの上下動を行なって、洗い場付浴槽1の壁W1側の水平レベルを出す。
【0031】つぎに、図8の(c)で示されるように、洗い場付浴槽1を壁W1側に移動させるとともに、支持部材30,31を開放面S1側の基礎一杯にスライド移動させ、開放面S1側の壁載せ部15の開口15bを支持ボルト33C,33Dの上方に位置決めする。つづいて、この開放面S1側の壁載せ部15の開口15bから、工具を差し込んで支持ボルト33C,33Dの上下動を行ない、洗い場付浴槽1の全体の水平レベルを出す。そして、その後は、前述の場合と同様な作業をすれば、この洗い場付浴槽1は浴室設置空間S内に据え付けられる。
【0032】さらに、図9で示されるように、浴室設置空間Sの開放面S1側の基礎Bが浴室設置空間S内に突出している場合には、支持架台3を介して、洗い場付浴槽1を浴室設置空間S内の据付面S2上に載置後、まず、図9の(a)で示されるように、支持部材30,31を建物の壁W1側の基礎一杯にスライド移動させ、壁W1側の壁載せ部15の開口15bから工具を差し込んで、支持ボルト33A,33Bの上下動を行ない、この洗い場付浴槽1の壁W1側の水平レベルを出す。
【0033】つぎに、例えば、支持部材30側の基礎Bのみ突出している場合には、図9の(b)で示されるように、支持部材31を開放面S1側の基礎一杯までスライド移動させた後、壁載せ部15の開口15bを介して、支持ボルト33Dの上下動を行なうとともに、開放面S1側の床部K側から、洗い場付浴槽1の一部を持ち上げて、支持ボルト33Cの上下動を行なって、この洗い場付浴槽1の水平レベルの調整を行なう。
【0034】また、例えば、支持部材31側の基礎Bのみ突出している場合には、支持部材30を開放面S1側の基礎B一杯までスライド移動させた後、壁載せ部15の開口15bを介して、支持ボルト33Cの上下動を行なうとともに、開放面S1側の床部K側から、洗い場付浴槽1の一部を持ち上げて、支持ボルト33Dの上下動を行なって、この洗い場付浴槽1の水平レベルの調整を行なえばよい。なお、この場合、開放面S1側の床部K側から、洗い場小物台13の下方空間内に工具を入れて、支持ボルト33Dの調整を行なってもよい。
【0035】以上のように、この支持架台3では、この洗い場付浴槽1の一辺に平行に取り付けられる、支持ボルト33取付用の支持部材30,31を、洗い場付浴槽1に対して、その長手方向にスライド移動可能としているため、建物の基礎Bが浴室設置空間S内に一部突出しても、この基礎Bの突出部を削ることなく簡単に、洗い場付浴槽1を浴室設置空間S内に水平に据え付けることができる。もちろん、この支持架台3では、基礎Bが突出しない場合でも、従来と変らず、この洗い場付浴槽1を、水平な状態で、浴室設置空間S内に簡単に据え付けることができる。
【0036】特にこの支持架台3では、支持部材30,31が浴室設置空間Sの開放面S1に対して、直交するように配置されているため、この支持部材30,31の両端側のいずれの側の基礎Bが浴室設置空間S内に突出した場合でも、基礎Bの突出部を削ることなく、洗い場付浴槽1を、水平な状態で、浴室設置空間S内に簡単に据え付けることができる。
【0037】ところで、図10の(a)で示されるように、浴室ドアが湯溜め部10の長手方向Dと平行な壁載せ部15側に取り付けられ、支持架台3の支持部材30,31が浴室設置空間Sの開放面S1に対して、平行に配置される場合でも、支持部材30,31の両端側の基礎Bが突出すれば、支持部材30,31をスライド移動させることにより、基礎Bを削ることなく、洗い場付浴槽1を浴室設置空間S内に設置することができる。
【0038】この場合、支持部材30側の基礎Bが突出しておれば、開放面S1側から洗い場付浴槽1の一部を上方に持ち上げて、支持ボルト33A,33Cの上下動ができるとともに、支持部材31を移動して、洗い場付浴槽1の開口15bから、支持ボルト33B,33Dの上下動ができる。なお、支持部材31側の基礎Bが突出している場合には、支持ボルト33B,33Dの上下動は容易でないが、この場合でも、例えば、エプロン部14に点検口等を設け、この点検口を介して、支持ボルト33B,33Dの上下動を行なうようにすればよい。
【0039】また、図10の(b)で示されるように、支持架台3の支持部材30,31が湯溜め部10の長手方向Dに直交するように、配置されている場合でも、図6R>6で示される場合と同様に、水平な状態で、洗い場付浴槽1を浴室設置空間S内に簡単に据え付けることができる。
【0040】なお、上記実施形態では、支持架台3の支持部材が2本の場合について説明したが、支持部材は3本以上あっても同様な効果を得ることができる。
【0041】また、上記実施形態では、洗い場付浴槽1の場合について説明したが、防水床部が、浴槽と別置きとなる床パンの場合についても、洗い場付浴槽1の場合と全く同様な効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0043】この発明の請求項1記載の発明によれば、外周部に壁載せ部が形成されている浴室用防水床部の支持架台において、防水床部の裏面側に、この防水床部の一辺に平行に取り付けられるとともに、この防水床部の上記一辺より短い、この防水床部支持用の少なくとも2本の支持部材と、防水床部の水平レベルの調整が可能なように、支持部材の両端側に上下に移動可能に取り付けられた支持脚とを有し、かつ、支持部材が、防水床部に対して、互いに独立してこの支持部材の長手方向にスライド移動可能となっているので、基礎が大きく形成された場合でも、これを削ることなく簡単に防水床部を据え付けることができる。
【0044】この発明の請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の場合において、防水床部が、浴槽と洗い場とが一体的に形成されている洗い場付浴槽であるので、床パン等と比べて大型な洗い場付浴槽の据え付けの容易化をも図ることができる。
【0045】この発明の請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の場合において、支持部材が、防水床部が設置される浴室設置空間の開放面に直交するように配置されているので、支持部材に対して防水床部のスライド移動も可能となり、請求項1記載の発明の場合よりも、更に簡単に、防水床部を据え付けることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る支持架台を介して洗い場付浴槽が支持されている状態を示す浴室の外観斜視図である。
【図2】洗い場付浴槽の裏面側の状態を示す図である。
【図3】支持架台の洗い場付浴槽への取付状態を示す図である。
【図4】支持部材と補強部材との取付状態を示す図である。
【図5】支持ボルトの支持部材への取付状態を示す図である。
【図6】浴室設置空間内に設置された洗い場付浴槽の平面図である。
【図7】基礎に突出部がない場合の洗い場付浴槽の据え付け状態を示す図である。
【図8】壁側に基礎の突出部がある場合の洗い場付浴槽の据え付け状態を示す図である。
【図9】床部側に基礎の突出部がある場合の洗い場付浴槽の据え付け状態を示す図である。
【図10】洗い場付浴槽の他の据え付け状態と支持部材との関係を示す図であり、(a)は支持部材と開放面とが平行に配置されている場合を示し、(b)は支持部材と開放面とが直交するように配置されている場合を示す。
【図11】従来の支持架台により床パンを支持している状態を示す図である。
【符号の説明】
1 洗い場付浴槽
3 支持架台
10 湯溜め部(浴槽)
11 カウンター部(浴槽)
12 洗い場床(洗い場)
13 洗い場小物台(洗い場)
15 壁載せ部
30,31 支持部材
33 支持ボルト(支持脚)
S 浴室設置空間
S1 開放面

【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周部に壁載せ部が形成されている浴室用防水床部の支持架台において、防水床部の裏面側に、この防水床部の一辺に平行に取り付けられるとともに、この防水床部の上記一辺より短い、この防水床部支持用の少なくとも2本の支持部材と、上記防水床部の水平レベルの調整が可能なように、上記支持部材の両端側に上下に移動可能に取り付けられた支持脚とを有し、かつ、上記支持部材が、上記防水床部に対して、互いに独立して、この支持部材の長手方向にスライド移動可能となっていることを特徴とする浴室用防水床部の支持架台。
【請求項2】 前記防水床部が、浴槽と洗い場とが一体的に形成されている洗い場付浴槽であることを特徴とする請求項1記載の浴室用防水床部の支持架台。
【請求項3】 前記支持部材が、前記防水床部が設置される浴室設置空間の開放面に直交するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の浴室用防水床部の支持架台。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図11】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【図10】
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