説明

浴槽のエプロン取付構造

【課題】エプロンを浴槽に取付ける際、エプロンが支持されることにより容易にエプロンを取付けることができる、浴槽のエプロン取付け構造を提供する。
【解決手段】浴槽1のフランジ部11の前端から垂下片14が垂下され、垂下片14から後方の位置にフランジ部11から垂下しているエプロン受け部12が設けられ、エプロン2は垂下片14と共に浴槽1の壁となる前壁部21と、前壁部21の上端から後方へ延設され垂下片14からエプロン受け部12までの隙間15に挿入される挿入部22とから構成されており、前壁部21の上端から後方へ挿入部22が延設されており、エプロン受け部12の先端から前方へ向けて、エプロン2を支持するエプロン支持部13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽のフランジ部と床パンとの間に取付けられるエプロンの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、浴槽のフランジ部と床パンとの間にエプロンを取付けるものが知られている(例えば特許文献1参照)。浴槽のフランジ部の前端から垂下片が垂下され、垂下片から後方の位置にフランジ部から垂下しているエプロン受け部が設けられている。また、エプロンの下端部には、後方に突出するエプロン係止部が設けられており、そして床パンの構成部分である堰部には前方に開口するC字状をしたエプロン被係止部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−067443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された従来のエプロンの取付構造は、エプロンの取付にあたり、垂下片からエプロン受け部までの隙間にエプロンの上端部を挿入し、エプロンを持ち後方へエプロン係止部がエプロン被係止部に係止されるまで回動させる。しかし、それではエプロンを持ち回動させている際、エプロンの全重量を手で支えなければならず、取付が困難になっていた。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、エプロンを浴槽に取付ける際、エプロンが支持されることにより容易にエプロンを取付ける、取付け構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成とする。
【0007】
浴槽のフランジ部の前端から垂下片が垂下され、前記垂下片から後方の位置に前記フランジ部から垂下しているエプロン受け部が設けられ、エプロンは前記垂下片と共に浴槽の壁となる前壁部と、前記前壁部の上端から後方へ延設され前記垂下片から前記エプロン受け部までの隙間に挿入される挿入部とから構成されており、前記エプロン受け部の先端から前方へ向けて、前記エプロンを支持するエプロン支持部が設けられること、を特徴とする。
【0008】
前記挿入部には下向きにエプロン落下防止凸部が設けられ、前記エプロン支持部には上向きに開口し、前記エプロン落下防止凸部が挿入される、エプロン落下防止凹部をもつことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明にあっては、エプロンを浴槽に取付ける際、エプロンが支持されることにより容易にエプロンを取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の概略側断面図である。
【図2】エプロンを取付けた後の概略側断面図である。
【図3】エプロンを取付ける前の概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0012】
本実施形態の浴槽1のエプロン取付構造は、エプロン2の先端と当接するエプロン受け部12とエプロン2を支持するエプロン支持部13が備えることに特徴を有する。なお、本実施形態ではエプロン受け部12とエプロン支持部13は浴槽1と一体成形により形成されたり、またエプロン受け部12とエプロン支持部13が別体で形成され、接着剤等で浴槽1に取付けられる形態でもよい。
【0013】
ここで、本実施形態では便宜上、浴槽1から洗い場の方向を前方F、洗い場から浴槽1の方向を後方Bとする。
【0014】
浴槽1のフランジ部11の前端から垂下片14が垂下され、垂下片14から後方Bの位置にフランジ部11から垂下しているエプロン受け部12が設けられている。
【0015】
エプロン2は、垂下片14と略面一の関係で浴槽1の壁となる前壁部21と、垂下片14から後方Bの位置にあるエプロン受け部12の間の隙間15に挿入される挿入部22から構成されている。なお、浴槽1と前壁部21の関係は略面一の関係でなくともよい。また、エプロン2の下端部には後方に突出するエプロン係止部22bが設けられている。
【0016】
本実施形態では挿入部22が前壁部21の上端から後方Bに延設されており、その先端がエプロン受け部12の前方Fの面との当接部23となると共に、延設されている挿入部22の上面の前方Fに付勢されるバネ材からなる弾性材24が設けられている。挿入部22は隙間15に挿入されて先端がエプロン受け部12の前方Fの面に当接すると共に、弾性材24が垂下片14の後方Bの面に弾接して、垂下片14とエプロン受け部12とで扶持固定される。なお、本実施形態では挿入部22と前壁部21が一体成形されているが、別体となり接着剤等で係止される形態でもよい。
【0017】
床パン3は洗い場となる洗い場部31と浴槽1が設置される浴槽設置部32とに分かれており、洗い場部31と浴槽設置部32との境界部には堰部33が上方に向けて突設してある。また、堰部33には前方Fに開口する略C字状をしたエプロン被係止部33aが設けられている。なお、本実施形態において床パン3は、洗い場部31と浴槽設置部32と堰部33とが一体に形成されているが、洗い場部31と浴槽設置部32とが別体で、堰部33が洗い場部31と浴槽設置部32のいずれかに一体に形成されてもよく、堰部33で別体の洗い場部31と浴槽設置部32とを水密的に接続して床パン3が構成されてもよい。
【0018】
エプロン係止部22bとエプロン被係止部33aは、エプロン2を浴槽1に固定させるために用いられる。エプロン係止部22bは、先端と基端との間に膨大部が形成されており、エプロン被係止部33aは、無負荷状態では略C字状の入口が膨大部よりも小さく内部が膨大部よりも大きく、エプロン被係止部33aの弾性により入口は拡大可能となっている。エプロン係止部22bの膨大部がエプロン被係止部33aの入口を押し広げながら内部に進入し、膨大部が入口から内部に入り込むと入口が復元力により縮小しようとしてエプロン係止部22bを締め付ける。これにより、エプロン係止部22bの膨大部は簡単にエプロン被係止部33aから抜けず、エプロン2の抜止めがなされる。
【0019】
エプロン2を浴槽1に装着する手順について記述する。エプロン2の浴槽1への取付けは、作業者がエプロン2を持ち、挿入部22を隙間15に挿入して、エプロン支持部13に挿入部22を戴置させ、そしてエプロン2をエプロン係止部22bがエプロン被係止部33aに係止されるまで後方Bに回動させる。この時、従来形態ではエプロン2を持ち後方Bに回動させる際、全重量を支えながら取付を行わなければならなかった。しかし本実施形態では、エプロン支持部13が設けられたため、エプロン支持部13に挿入部22を置いて取付作業を行うことができるので、全重量を支える必要が無く、従来よりも作業が行い易くなっている。
【0020】
また、エプロン2を持ち後方Bに回動している際、エプロン2の先端がエプロン受け部12から外れて、そのままエプロン2が脱落してしまう虞があった。そこで本実施形態では挿入部22に、下向きにエプロン落下防止凸部22aが設けられ、そしてエプロン支持部13には上向きにエプロン落下防止凸部22aが挿入される、エプロン落下防止凹部13aが設けられている。エプロン2に前方に向かう力が発生した際、エプロン落下凸部がエプロン落下防止凹部13aに挿入されることにより、エプロン2が止められるので、安全にエプロン2の取付を行うことができる。
【符号の説明】
【0021】
1 浴槽
11 フランジ部
12 エプロン受け部
13 エプロン支持部
13a エプロン落下防止部凹部
14 垂下片
15 隙間
2 エプロン
21 前壁部
22 挿入部
22a エプロン落下防止部凸部
22b エプロン係止部
23 当接部
24 弾性材
3 床パン
31 洗い場部
32 浴槽設置部
33 堰部
33a エプロン被係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽のフランジ部の前端から垂下片が垂下され、前記垂下片から後方の位置に前記フランジ部から垂下しているエプロン受け部が設けられ、エプロンは前記垂下片と共に前記浴槽の壁となる前壁部と、前記前壁部の上端から後方へ延設され前記垂下片から前記エプロン受け部までの隙間に挿入される挿入部とから構成されており、前記前壁部の上端から後方へ挿入部が延設されており、前記エプロン受け部の先端から前方へ向けて、前記エプロンを支持するエプロン支持部が設けられることを特徴とする浴槽のエプロン取付構造。
【請求項2】
前記挿入部には下向きにエプロン落下防止凸部が設けられ、前記エプロン支持部には上向きに開口し、前記エプロン落下防止凸部が挿入される、エプロン落下防止凹部をもつことを特徴とする請求項1記載の浴槽のエプロン取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−106815(P2013−106815A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254538(P2011−254538)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】