説明

浴槽用給湯口アダプター

【課題】吐出側の開口にゴミ詰まり等が発生しても、お湯が浴槽内に確実に供給できて、良好な撹拌効果も得ることができる浴槽用給湯口アダプターを提供する。
【解決手段】本発明は、槽内突出部4の周側壁42の両側に第1,第2開口42a,42bが設けられるとともに、内部に第1,第2流路43a、43bが設けられ、吸込側の開口から吸い込まれた浴槽内のお湯が、吸込側の流路に吸い込まれて浴槽外に流出されるとともに、浴槽外から吐出側の流路に供給されたお湯が吐出側の開口から浴槽内に吐出するようにした浴槽用給湯口アダプターを対象とする。槽内突出部4における前壁5の前面側に補助回路50aが設けられる。補助回路50aの一端口51aが吐出側の流路に連通し、かつ他端口が吐出側の開口の近傍において槽内突出部4の外側に開放される。補助回路50aの他端口52aが、吐出側の開口に対しほぼ同じ方向に向けて開口される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴槽の壁部に給湯用として取り付けられる浴槽用給湯口アダプターに関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽の側壁に取り付けられる給湯口アダプターは、内部にお湯の流路が設けられた流路仕切部材を備えている。この流路仕切部材の前部には、浴槽内壁面から突出する態様に配置される円盤状の槽内突出部が設けられており、この槽内突出部に、2つの開口が設けられている。そして特許文献1,2に示すような弁無しの無極性タイプと称される給湯口アダプターでは、追い焚き時に、2つの開口のうち一方の開口(吸込口)から浴槽内のお湯が吸引されて室外の給湯機に戻されるとともに、給湯機からのお湯が他方の開口(吐出口)から浴槽内に供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4774659号
【特許文献2】特開2003−90628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような給湯口アダプターに接続される給湯機や外管等からは、湯垢等の異物が発生することがあるが、その異物は、追い焚き時に、給湯口アダプターの吐出側の開口(吐出口)から吐出する。このため、給湯口アダプターを、フィルター部材(カバー部材)を取り付けた状態で使用する場合、湯はり時に吐出口から吐出する湯垢等の異物が、フィルター部材の内部に付着し、フィルター部材における吐出口に対応する部分にゴミ詰まりが発生する。このようなゴミ詰まり等によって吐出口が閉塞されると、吐出口からお湯が吐出し難く、浴槽内へのお湯の供給を十分に行うことができない、という課題が発生する。
【0005】
またゴミ詰まり等により吐出口が部分的に閉塞されると、お湯が吐出口から散乱して吐出されることがあり、そうすると、お湯が浴槽内をスムーズに循環せず、十分な撹拌効果が得られない、という課題もあった。
【0006】
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、吐出側の開口にゴミ詰まり等が発生しても、お湯が浴槽内に確実に供給できて、良好な撹拌効果も得ることができる浴槽用給湯口アダプターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
【0008】
[1]浴槽内壁面に浴槽内に突出するように配置される槽内突出部を備え、前記槽内突出部の周側壁の両側に第1,第2開口が設けられるとともに、その第1,第2開口に対応して、前記槽内突出部の内部に第1,第2流路が設けられ、前記第1,第2開口のうち一方の開口から吸い込まれた浴槽内のお湯が、前記第1,第2流路のうち一方の流路に吸い込まれて浴槽外に流出されるとともに、浴槽外から他方の流路に供給されたお湯が他方の開口から浴槽内に吐出するようにした浴槽用給湯口アダプターであって、
前記槽内突出部における前壁の前面側に、一端口および他端口を有する吐出側の補助回路が設けられ、
前記吐出側の補助回路の一端口が前記第1,第2流路のうち少なくとも吐出側の流路に連通し、かつ他端口が前記第1,第2開口のうち吐出側の開口の近傍において前記槽内突出部の外側に開放され、
前記吐出側の補助回路の他端口が、前記吐出側の開口に対しほぼ同じ方向に向けて開口され、前記吐出側の開口が閉塞された際に、お湯が前記吐出側の流路から前記吐出側の補助回路を通って、その回路の他端口から吐出するようにしたことを特徴とする浴槽用給湯口アダプター。
【0009】
[2]前記槽内突出部における前壁の前面側に、一端口および他端口を有する吸込側の補助回路が設けられ、
前記吸込側の補助回路の一端口が流出側の流路に連通し、かつ他端口が吐出側の開口の近傍において前記槽内突出部の外側に開放され、
前記吸込側の補助回路の他端口が、前記吸込側の開口に対しほぼ同じ方向に向けて開口され、前記吸込側の開口が閉塞された際に、お湯が前記吐出側の補助回路の他端口から流入されて前記吐出側の補助回路を通って、その回路の一端口から前記吸込側の流路に吸い込まれるようにした前項1に記載の浴槽用給湯口アダプター。
【0010】
[3]前記槽内突出部を覆うようにフィルター部材が設けられ、
前記補助回路は、前記槽内突出部の前壁と、その前壁の前面に設けられたリブと、前記フィルター部材に設けられ、かつお湯の通過を遮る目隠し部と、で囲まれて形成されている前項1または2に記載の浴槽用給湯口アダプター。
【0011】
[4]前記補助回路の一端口は、前記槽内突出部の前壁に形成された圧抜き孔によって構成され、
前記フィルター部材を取り外した状態では、前記圧抜き孔が前方に開放されている前項3記載の浴槽用給湯口アダプター。
【0012】
[5]前記槽内突出部の前壁裏面側における前記圧抜き孔よりも吐出方向に対し上流側に、お湯が圧抜き孔を流通するのを制限するための流動制限突起が設けられている前項4に記載の浴槽用給湯口アダプター。
【0013】
[6]前記槽内突出部の前壁前面に、前記フィルター部材の内側を、前記第1開口が配置される領域と、前記第2開口が配置される領域とに2分割する仕切壁が設けられている前項3〜5のいずれか1項に記載の浴槽用給湯口アダプター。
【0014】
なお本発明においては、以下の手段を採用することができる。
【0015】
[7]浴槽内壁面に浴槽内に突出するように配置される槽内突出部を備え、前記槽内突出部の外壁に第1,第2開口が設けられるとともに、その第1,第2開口に対応して、前記槽内突出部の内部に第1,第2流路が設けられ、前記第1,第2開口のうち一方の開口から吸い込まれた浴槽内のお湯が、前記第1,第2流路のうち一方の流路に吸い込まれて浴槽外に流出されるとともに、浴槽外から他方の流路に供給されたお湯が他方の開口から浴槽内に吐出するようにした浴槽用給湯口アダプターであって、
第1,第2流路のうち少なくとも吸込側の流路における吸込側の開口の近傍に、ストレーナが設けられ、
前記ストレーナは、流路内周面において対向し合う2つの対向面のうち、一方の対向面に、他方の対向面側に向けて突出し、かつ流路を横切る方向に沿って所定の間隔おきに設けられた複数の一方突起と、前記他方の対向面に、前記一方の対向面側に向けて突出し、かつ前記複数の一方突起の各間に対応してそれぞれ設けられた複数の他方突起と、を備え、
前記複数の一方突起および前記複数の他方突起間に、前記ストレーナの通水部として機能する隙間が形成されていることを特徴とする浴槽用給湯口アダプター。
【0016】
[8]浴槽内壁面に浴槽内に突出するように配置される槽内突出部を備え、前記槽内突出部の周側壁の両側に第1,第2開口が設けられるとともに、その第1,第2開口に対応して、前記槽内突出部の内部に第1,第2流路が設けられ、前記第1,第2開口のうち一方の開口から吸い込まれた浴槽内のお湯が、前記第1,第2流路のうち一方の流路に吸い込まれて浴槽外に流出されるとともに、浴槽外から他方の流路に供給されたお湯が他方の開口から浴槽内に吐出するようにした浴槽用給湯口アダプターであって、
前記槽内突出部の前壁における前記第1,第2開口のうち少なくとも吐出側の開口の縁部に、前記第1流路,第2流路のうち吐出側の流路内を前方に開放する吐出側の前方開放部が設けられていることを特徴とする浴槽用給湯口アダプター。
【発明の効果】
【0017】
発明[1]の浴槽用給湯口アダプターによれば、吐出側となる開口(吐出口)がフィルター部材のゴミ詰まり等によって閉塞されて、お湯が吐出し難くなった場合には、お湯は補助回路を通ってその他端口から吐出するため、お湯を浴槽内に確実に供給することができる。その上さらに、補助回路の他端口から吐出したお湯は、吐出口から吐出するお湯と同じ方向、つまり側方に吐出するため、そのお湯は浴槽内を内周側面に沿って大きく回り込むように対流し、十分な撹拌効果を得ることができる。
【0018】
発明[2]の浴槽用給湯口アダプターによれば、吸込側となる開口(吸込口)が閉塞された場合であっても、浴槽内のお湯が補助回路を通って吸込側の流路に吸い込まれるため、お湯の吸込を支障なく行うことができる。
【0019】
発明[3]の浴槽用給湯口アダプターによれば、槽内突出部と、フィルター部材との協同で補助回路を形成するものであるため、例えば槽内突出部の前面に、フィルター部材とは別に補助回路を形成する場合等と比較して、補助回路を簡単に形成することができる。
【0020】
発明[4]の浴槽用給湯口アダプターによれば、補助回路の一端口を、槽内突出部の前壁に形成した圧抜き孔によって構成しているため、フィルター部材を外した状態で、吸込側となる開口(吸込口)から髪の毛が吸い込まれた際には、圧抜き孔から浴槽内のお湯が吸い込まれることにより、吸引力が軽減されて、髪の毛を簡単に抜き取ることができる。
【0021】
発明[5]の浴槽用給湯口アダプターによれば、流動制限突起によって、お湯が圧抜き孔を流通するのを制限するものであるため、ゴミ詰まり等のない通常状態では、正常通り、第1,第2開口を通じてお湯の吐出/吸込を適切に行うことができ、通常動作をスムーズに安定した状態で行うことができる。
【0022】
発明[6]の浴槽用給湯口アダプターによれば、フィルター部材の内部が仕切壁によって吐出側と吸込側とに2分割されているため、吐出口や補助回路他端口から吐出したお湯の一部がフィルター部材の内部で対流したとしても、そのお湯が吸込口等から吸い込まれるという不具合を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1はこの発明の実施形態である浴槽用給湯口アダプターを示す側面断面図である。
【図2】図2は実施形態の給湯口アダプターを分解して示す斜視図である。
【図3】図3は実施形態の給湯口アダプターにおける雄ねじ部材の一部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図4は実施形態における給湯口アダプターの流路仕切部材をフィルター取付状態で示す側面断面図である。
【図5A】図5Aは実施形態の流路仕切部材を前蓋取外状態で示す正面図である。
【図5B】図5Bは実施形態の流路仕切部材を前蓋取外状態で示す側面図である。
【図5C】図5Cは実施形態の流路仕切部材を前蓋取外状態で示す側面断面図である。
【図5D】図5Dは実施形態の流路仕切部材を前蓋取外状態で示す下面図である。
【図6】図6は実施形態の流路仕切部材を示す背面図である。
【図7A】図7Aは実施形態における流路仕切部材の前蓋を示す正面図である。
【図7B】図7Bは実施形態における流路仕切部材の前蓋を示す裏面図である。
【図8A】図8Aは実施形態の給湯口アダプターの開口周辺を拡大して示す側面断面図である。
【図8B】図8Bは実施形態の給湯口アダプターにおけるお湯の流れを説明するための側面断面図である。
【図9】図9は実施形態の給湯口アダプターにおけるストレーナを説明するための正面図である。
【図10A】図10Aは実施形態の給湯口アダプターにおけるストレーナを吐出方向から見た図である。
【図10B】図10Bは実施形態の給湯口アダプターにおけるストレーナを分解した状態で吐出方向から見た図である。
【図11】図11は実施形態の給湯口アダプターにおけるストレーナの一方突起を示す図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は下面図、同図(c)は側面図である。
【図12】図11は実施形態の給湯口アダプターにおけるストレーナの他方突起を示す図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は下面図、同図(c)は側面図である。
【図13A】図13Aは実施形態の給湯口アダプターにおけるフィルター部材を示す正面図である。
【図13B】図13Bは実施形態の給湯口アダプターにおけるフィルター部材を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1,2はこの発明の実施形態である浴槽用給湯口アダプターを示す図である。両図に示すように、この実施形態の給湯口アダプターは、浴槽の側壁Wに設けられた取付孔Hに組み付けられる。この給湯口アダプターは、室外の給湯機から供給されたお湯を浴槽内に供給する湯はり処理の他に、浴槽内のお湯(水)を吸い込んで室外の給湯機に送り、そこで再加熱して、高温のお湯を浴槽内に戻すようにした追い焚き処理を行えるものである。
【0025】
なおこの給湯口アダプターは、以下に詳述するように、このアダプターが備える2つの外管接続部1a,1bに対して、給湯機につながる往き管および戻り管のどちらを接続しても使用可能な、いわゆる無極性タイプのものである。さらにこの給湯口アダプターは、内部に、逆流防止弁等のお湯の流動を制御するための流動制御弁が設けられない弁無しタイプのものである。
【0026】
本実施形態の給湯口アダプターは、槽外取付部材1と、雄ねじ部材2と、流路仕切部材3と、カバー部材としてのフィルター部材9とを基本的な構成要素として備えている。なお、本明細書の説明においては、給湯口アダプターの軸心方向に沿って浴槽に対して内側(図1の左側)を「前側」または「正面側」とし、浴槽に対して外側(図1の右側)を「後側」または「裏面側」として説明する。
【0027】
図1,2に示すように槽外取付部材1は、前面側が開放され、かつ後面側が閉塞された円筒形状の外筒部12と、その外筒部12の内部に同軸心上に配置される円筒形状の内筒部11と、外筒部12の前端外周に設けられた平板リング状のフランジ部15と、外筒部12の後端閉塞壁に設けられる管状の第1,第2外管接続部1a,1bとを一体に有している。
【0028】
内筒部11の内部空間は、後述の内側流路Aの一部として構成されるとともに、内筒部11および外筒部12間の環状空間は、後述の外側流路Bの一部として構成されている。上記第1外管接続部1aが内側流路Aに連通されるとともに、第2外管接続部1bが外側流路Bに連通されている。
【0029】
外筒部12の前部内周面には、雄ねじ部材2をねじ込んで固定するための雌ねじが刻設されている。
【0030】
槽外取付部材1のフランジ部15の外周縁部には、そのフランジ部15と浴槽外壁面との間の水密を図るための合成樹脂製のパッキン82が取り付けられている。
【0031】
図1,2に示すように雄ねじ部材2は、前後両端が開放された円筒形状の胴部21と、その胴部21の前端外周に設けられた平板リング状のフランジ部25とを一体に有する鍔付き円筒形状に形成されている。
【0032】
胴部21の外周側面には、上記槽外取付部材1における外筒部12の雌ねじに対応して、雄ねじが刻設されており、胴部21を槽外取付部材1の外筒部12内にねじ込んで固定できるようになっている。
【0033】
図2,3に示すようにフランジ部25の前面側には、周方向に沿って所定の間隔おきに複数のロック凹部26が形成されている。
【0034】
さらにフランジ部25の外周縁部には、周方向に間隔をおいて複数の係止溝27が形成されている。各係止溝27は、前面側(入口側)において周方向の一端のみが開放されるとともに、後面側(奥側)において周方向の全域が開放されており、側方(外径方向)から見た状態においてL字形に形成されている。
【0035】
雄ねじ部材2におけるフランジ部25の後面側(裏面側)には、浴槽内壁面との間に介在されるように、合成ゴム製のリング状パッキン83が設けられている(図1参照)。
【0036】
そして、槽外取付部材1のフランジ部15が、浴槽の外壁面における取付孔Hの周縁部に沿うように配置された状態で、雄ねじ部材2のフランジ部25が、パッキン83を介して浴槽内壁面における取付孔Hの周縁部に圧接されるようにして、雄ねじ部材2の胴部21が取付孔Hを通じて、槽外取付部材1の外筒部12にねじ込まれて固定される。これにより両部材1,2のフランジ部15,25によって、浴槽側壁Wにおける取付孔周縁部が挟持されて、両部材1,2が浴槽側壁Wに貫通状態に組み付けられる。
【0037】
図4〜6に示すように、流路仕切部材3は、軸心方向(前後方向)に延びる細長い円筒形状の円筒部31と、その円筒部31の前端部に設けられた略円盤状の槽内突出部4とを有している。
【0038】
槽内突出部4は、内部に複数の流路が設けられる中空構造を有しており、正面視で円形の後壁41と、後壁41の前面側外周を囲うようにして一体に形成された周側壁42と、前面の所要部分を閉塞する前壁としての前蓋5とを備えている。
【0039】
円筒部31は、後述するように槽外取付部材1の内筒部11に接続されるものであり、円筒部31の内部と、それに連通する槽外取付部材1における内筒部11の内部とによって、内側流路Aが形成される。さらに円筒部31は、後述するように雄ねじ部材2の胴部21の内部に配置されるものであり、円筒部31および胴部21間の環状空間と、それに連通する槽外取付部材1における内筒部11および外筒部12間の環状空間とによって、外側流路Bが形成される。
【0040】
槽内突出部4の後壁41には、円筒部31に対応して、第1連通孔41aが形成されるとともに、円筒部31の側方に対応して、円弧状の第2連通孔41bが形成されている。さらに周側壁42の下部両側には、第1,第2開口42a,42bが形成されている。
【0041】
図5A等に示すように後壁41の前面側には、複数の仕切壁43が形成されており、この仕切壁43によって、槽内突出部4内に、互いに独立する第1,第2流路43a,43bが形成されている。
【0042】
第1流路43aは、第1連通孔41aから第1開口42aにかけて形成されており、第1連通孔41aを介して、槽内突出部4の後方における円筒部31の内側(内側流路A)に連通されるとともに、第1開口42aを介して、外部(浴槽内)に開放されている。
【0043】
第2流路43bは、第2連通孔41bから第2開口42bにかけて形成されており、第2連通孔41bを介して、槽内突出部4の後方における円筒部31の外側(外側流路B)に連通されるとともに、第2開口42bを介して、外部(浴槽内)に開放されている。
【0044】
また後壁41の前面側における中央上部には、ロックピン取付部44が形成されている(図5A等参照)。
【0045】
さらに後壁41の前面側における第1,第2流路43a,43bの上下には、上記ロックピン取付部44の部分を除いて、上下方向に延びる仕切壁部分45,45が形成されている。
【0046】
この仕切壁部分45,45は、前蓋5に設けられた後述の仕切壁部分55と協同で、槽内突出部4の前面に上下方向に連続する仕切壁が形成されるようになっている。
【0047】
一方、図5C,6に示すように、槽内突出部4の周側壁42における後端部には、全周にわたって後方へ突出する後方突縁部46が設けられており、その後方突縁部46の内周側の数箇所に係止突起47が周方向に間隔をおいて突設されている。
【0048】
槽内突出部4における周側壁42の外周側面には、周方向に沿って間隔をおいて複数の係止溝48が形成されている。各係止溝48は、前面側(入口側)において周方向の一端のみが開放されるとともに、後面側(奥側)において周方向に沿って延びるように形成されており、側方(外径方向)から見た状態において略L字形に形成されている。
【0049】
図7A,7Bに示すように、上記前蓋5は、正面視において略山型に形成されており、第1,2流路43a,43bの前面側を閉塞するようにして取り付けられている。
【0050】
図8Aに示すように、前蓋5の両側縁部は、切り欠かれるように形成されて、後壁41の周縁部よりも内側(軸心側)に配置されている。これにより、前壁5の両側縁部の外側に、第1,第2流路43a,43bに連通し、かつ前方に向けて開放する第1,第2前方開放部49a,49bが形成されている。各前方開放部49a,49bは、対応する開口42a,42bに連通連続しており、前方開放部49a,49bと、開口42a,42bとによって、前方から側方(径方向外側)にかけての広い範囲に開放する開口部が形成される。
【0051】
また図2,5A,7Aに示すように、前蓋5の前面における左右方向の中間位置には、上下方向に連続する仕切壁部分55が前方へ突出状に形成されており、この仕切壁部分55と、上記仕切壁部分45とで既述したように仕切壁が形成されるようになっている。
【0052】
図5A,9に示すように、第1,2流路43a,43bの開口近傍における内周面の後面には、換言すると、第1,2流路43a,43bの開口近傍における後壁41の前面には、流路43a,43bを周方向に沿って所定の間隔おきに複数の一方突起71が形成されている。各一方突起71は、互いに並行で、前方に向けて突出するように形成されており、図10Bに示すように吐出方向の下流側から見た状態では、全体として、歯先が前方(図10Bでは上方)に向いた櫛状に形成されている。
【0053】
各一方突起71は、各先端が後壁41と前蓋5との間の中間位置よりもやや前蓋5側に位置するように突出寸法が設定されている。
【0054】
ここで、本実施形態においては、流路43a,43bの内周面における前面および後面が、対向し合う2つの対向面であり、前面が他方の対向面を構成し、後面が一方の対向面を構成している。さらに周方向は、流路43a,43bを横切る方向に相当する。
【0055】
図11に示すように、一方突起71における吐出方向(外向き方向)D1に対し上流側の端部には、ガイド部72が形成されている。このガイド部72は、周方向(図11(a)の上下方向)の寸法を幅寸法としたとき、吐出方向D1に対し上流側に向かうに従って幅寸法が次第に細くなるようにテーパー形状に形成される。さらにこのガイド部72は、吐出方向D1に対し上流側に向かうに従って突出寸法(図11(b)の上下方向)が次第に小さくなるように形成されている。
【0056】
また、一方突起71における吸込方向(内向き方向)D2に対し上流側の端部は、吸込方向D2に対し垂直な平坦面73に形成されている。
【0057】
図7B,9に示すように、上記一方突起71の各間に対応して、第1,第2流路43a,43bの開口近傍における内周面の前面には、換言すると、第1,第2流路43a,43bの開口近傍における前蓋5の後面には、周方向に沿って所定の間隔おきに複数の他方突起75が形成されている。各他方突起75は、互いに並行で、後方に向けて突出するように形成されており、図10Bに示すように吐出方向D1の下流側から見た状態では、全体として、歯先が後方(図10Bでは下方)に向いた櫛状に形成されている。
【0058】
各他方突起75は、各先端が後壁41と前蓋5との間の中間位置よりもやや後壁41側に位置するように突出寸法が設定されている。そして、各他方突起75が、上記複数の一方突起71の各間に配置されて、他方突起75と一方突起71とが交互に配置されている。これにより、複数の一方突起71および複数の他方突起75間に、吐出方向D1の下流側から見た状態(図10A参照)において、ストレーナ7の通水部70として機能する略矩形波(方形波)状の隙間が形成される。
【0059】
さらに図12に示すように、他方突起75における吐出方向(外向き方向)D1に対し上流側の端部には、ガイド部76が形成されている。このガイド部76は、周方向(図12(a)の上下方向)の寸法を幅寸法としたとき、吐出方向D1に対し上流側に向かうに従って幅寸法が次第に細くなるようにテーパー形状に形成される。さらにこのガイド部76は、吐出方向D1に対し上流側に向かうに従って突出寸法(図12(b)の上下方向)が次第に小さくなるように形成されている。
【0060】
また、他方突起75における吸込方向(内向き方向)D2に対し上流側の端部は、吸込方向D2に対し垂直な平坦面77に形成されている。
【0061】
ここで、本実施形態においては、複数の一方突起71および複数の他方突起75によってストレーナ7が構成されている。
【0062】
図7A,7B,8Aに示すように前蓋5には、他方突起75における吐出方向D1に対し上流側に対応して、複数の第1,第2圧抜き孔51a,51bが周方向に並んで形成されている。各圧抜き孔51a,51bは、前蓋5を前後に貫通するように形成されており、この圧抜き孔51a,51bによって、流路仕切部材3における第1,第2流路43a,43bと、流路仕切部材3の前方外側との間が連通されている。
【0063】
前蓋5の前面における第1,第2圧抜き孔51a,51bの周辺には、リブ53,53が前方に突出するように形成される。各リブ53,53は、前蓋5の両側縁部における第1,第2開口42a,42bに対応する部分を除いて、各圧抜き孔51a,51bを取り囲むように形成されている。そして後述するように、各リブ53,53で囲まれた部分が、第1,第2補助回路50a,50bとして機能するとともに、第1,第2圧抜き孔51a,51bが補助回路50a,50bの一端口として機能する。さらに補助回路50a,50bは、上記リブ53,53が形成されていない部分、つまり前蓋5の両側縁部において、側方(径方向外側)に開放されており、この開放部が、圧抜き回路50a,50bの他端口52a,52bとして構成される。
【0064】
また前蓋5の裏面における圧抜き孔51a,51bの吐出方向D1に対し上流側(内側)には、圧抜き孔51a,51bが形成されている領域の範囲内において、周方向に連続するリブ状の流動制限突起54が後方に突出するように形成されている。
【0065】
以上の構成の流路仕切部材3を、浴槽側壁Wに組み付けられた上記槽外取付部材1および雄ねじ部材2に組み付けるには、図1,2に示すように、流路仕切部材3における槽内突出部4の後方突縁部46を、雄ねじ部材2のフランジ部25に前面側から外嵌しつつ、流路仕切部材3の係止突起47を、雄ねじ部材2側の係止溝27に前面側から挿入する。続けて、流路仕切部材3を周方向に少量捻回操作することにより、流路仕切部材3の係止突起47を、係止溝27の入口側から周方向に位置ずれした奥端位置に侵入させて、流路仕切部材3を雄ねじ部材2に対して前方へ抜け出し不能とする。
【0066】
その後、流路仕切部材3のロックピン取付部44に取り付けたロックピン(図示省略)を押し込み、そのロックピンの先端を、雄ねじ部材2において対応するいずれかのロック凹部26に嵌め込む。これにより、流路仕切部材3は、雄ねじ部材2に対し捻回不能となるため、流路仕切部材3の雄ねじ部材2との組付が意に反して解除されるのを防止することができる。
【0067】
この組付状態では、流路仕切部材3における円筒部31の外周面に設けられたOリング81(図1参照)によって、その円筒部31と、槽外取付部材1の内筒部11との間の水密が図られるとともに、流路仕切部材3の槽内突出部4の後面に設けられたパッキン84によって、流路仕切部材3の槽内突出部4と、雄ねじ部材2のフランジ部25との間の水密が図られるようになっている。
【0068】
なお図2,3等に示すように、雄ねじ部材2のロック凹部26および係止溝27は、周方向に沿って複数設けられており、各ロック凹部26および各係止溝27のいずれにも、流路仕切部材3の上記ロックピン5よび係止突起47を係合できるようになっている。従って流路仕切部材3は、所望の回転位置で取り付けることができるようになっている。本実施形態においては、流路仕切部材3を、その2つの開口42a,42bが下部両側に配置されるような回転位置で取り付けている。
【0069】
このように流路仕切部材3を組み付けた状態においては、内側流路Aが、流路仕切部材3の第1連通孔41aを通じて、流路仕切部材3の第1流路43aに連通されるとともに、外側流路Bが、流路仕切部材3の第2連通孔41bを通じて、流路仕切部材3の第2流路43bに連通されている。従って、室外給湯機から槽外取付部材1の第1外管接続部1aに供給されたお湯(水)は、内側流路Aおよび第1流路43aを通って、第1開口42aから浴槽内に吐出するようになっている。さらに室外給湯機から槽外取付部材1の第2外管接続部1bに供給されたお湯(水)は、外側流路Bおよび第2流路43bを通って、第2開口42bから浴槽内に吐出するようになっている。
【0070】
なお本実施形態の給湯口アダプターにおいて、槽外取付部材1、雄ねじ部材2および流路仕切部材3によって構成されるもの、換言すればフィルター部材9が取り付けられない状態のものをアダプター本体と称する。
【0071】
図13A,13B等に示すようにフィルター部材9は、金属製薄板のプレス成形品によって構成されたフィルター本体90を備えている。このフィルター本体90は、円筒状の周側壁92と、その周側壁92の前面側に設けられた前壁91とを有している。
【0072】
本実施形態のフィルター本体90においては、周側壁92と、前壁91との間のコーナー部分は、曲率半径が大きい比較的緩やかな円弧状に形成されている。もっとも本発明においては、フィルター本体90の周側壁92と、前壁91との間のコーナー部分を、曲率半径の小さいものに形成するようにしても良い。さらにフィルター本体90の周側壁92と、前壁91とのコーナー部分を、面取り状の傾斜部に形成するようにしても良い。さらにフィルター本体90を、断面が半楕円形状や半長円形状等のドーム形状に形成するようにしても良い。
【0073】
またフィルター本体90には、その前壁91における後述の目隠し部93,93を除くほぼ全域と、周側壁92における前壁91近傍の領域とに対応して、多数の小さい円形孔からなる通水孔94が形成される。
【0074】
図8Aに示すように、本実施形態において、目隠し部93,93は、上記流路仕切部材3の圧抜き孔51a,51bに対応しており、フィルター本体90の前壁91における両側部下側に周方向に沿って配置されている。なお言うまでもなく、目隠し部93,93においては、お湯が通過できないようになっている。
【0075】
図13Bに示すようにフィルター本体90における周側壁92の内側には、硬質合成樹脂製の環状支持枠97が適合状態に嵌め込まれた状態で固定されて、フィルター部材9が構成されている。
【0076】
フィルター部材9における環状支持枠97の内周縁部には、流路仕切部材4の係止溝48に対応して、周方向に所定の間隔おきに係止突起98が内側に突出するように形成されている。
【0077】
図1,2に示すように、この構成のフィルター部材9を、アダプター本体に組み付けるには、フィルター部材9の周側壁92を、流路仕切部材3の槽内突出部4にその前面側から外嵌しつつ、フィルター部材9の係止突起98を、槽内突出部4側の係止溝48に前面側から挿入する。その後、フィルター部材9を周方向に少量捻回操作することにより、フィルター部材9の係止突起98を、係止溝48の入口側から周方向に位置ずれした奥端位置に侵入させる。これにより、フィルター部材9を槽内突出部4に対し前方へ抜け止め不能とした状態に組み付ける。
【0078】
なお必要に応じて、フィルター部材9を上記と反対方向に捻回操作して、フィルター部材9の係止突起98を、係止溝48の奥端位置から入口側に移動させれば、フィルター部材9を槽内突出部4から取り外すことができるようになっている。
【0079】
ここで、本実施形態においては、フィルター部材9をアダプター本体に組み付けた状態においては、流路仕切部材3の槽内突出部4に設けられた仕切壁部分45,55によって、槽内突出部4の前面とフィルター9との間(フィルター部材内部)が左右に分離されている。このため後述するように、第1,第2開口42a,42bのうち、一方の開口から吐出したお湯が、フィルター部材9の内部を通って直接、他方の開口に吸い込まれるような不具合、いわゆるショートサーキットを確実に防止することができる。
【0080】
さらに図8Aに示すように、流路仕切部材3の第1,第2開口42a,42bは、フィルター部材9の周側壁92に対向して配置されるとともに、第1,第2開口42a,42bの前方側に位置する第1,第2前方開放部49a,49bは、フィルター部材9の前壁91における目隠し部93から前壁91および周側壁92間のコーナー部にかけての領域に対向して配置されている。これにより、第1,第2前方開放部49a,49bおよび第1,第2開口42a,42bからなる開口部は、前壁91の目隠し部93から周側壁92にかけての領域に対向して配置される。
【0081】
またフィルター部材9の目隠し部93,93は、流路仕切部材3の圧抜き孔51a,51bに対応して配置されており、流路仕切部材3の前蓋5に設けられた上記リブ53,53によって、目隠し部93,93と、流路仕切部材3の前蓋5との間に隙間が形成される。そして、その隙間におけるリブ53,53に囲まれた部分が、既述したように第1,第2補助回路50a,50bとして機能する。この第1,第2補助回路50a,50bは、その内側が圧抜き孔(圧抜き回路一端口51a,51b)を介して、流路仕切部材3の第1,第2流路43a,43bに連通されるとともに、外側が前蓋5の外周縁部において、リブ53,53の形成されていない部分(圧抜き回路他端口)52a,52bを介して外部に開放されている。従って流路仕切部材3の第1,第2流路43a,43bが第1,第2補助回路50a,50bを介してそれぞれアダプター外部に開放されている。
【0082】
さらに本実施形態において、第1,第2補助回路他端口52a,52bは、両側方に向けて開口しており、対応する第1,第2開口42a,42bに対し、ほぼ同じ方向に向けて開口している。つまり第1,第2補助回路他端口52a,52bの開口軸と、第1,第2開口42a,42bの開口軸とがほぼ平行に配置されている。
【0083】
以上のように構成された本実施形態の給湯口アダプターは、既述したように室外給湯機と配管接続する際に、槽外取付部材1における2つの外管接続部1a,1bに対して、室外給湯機につながる往き管および戻り管のどちらを接続しても使用可能な無極性タイプのものである。例えば第1外管接続部1aに往き管、第2外管接続部1bに戻り管を接続した状態において、追い焚き処理を行った場合には、給湯機から供給されるお湯が往き管および第1外管接続部1aを通って内側流路Aに導入され、さらにそのお湯が内側流路Aおよび流路仕切部材3の第1流路43aを通って、図8Bの矢符F1に示すように、流路仕切部材3の第1開口42aおよびフィルター部材9の通水孔94を通って浴槽内に供給される。
【0084】
なお図8Bにおいては、発明の理解を容易にするため、お湯(水)の流れのみを矢符F1〜F5で示し、給湯口アダプターを構成する各部位の参照符号は図8Aに示す通りである。
【0085】
吸込側では、給湯機の吸引力によって、戻り管および外側流路Bが負圧に設定されるため、流路仕切部材3の第2流路43bも負圧となる。従って、図8Bの矢符F2に示すように、浴槽内のお湯(水)は、フィルター部材9の通水孔94および流路仕切部材3の第2開口42bを通って、流路仕切部材3の第2流路43bに吸い込まれて、さらにその湯が外側流路Bおよび戻り管を通って給湯機に戻される。
【0086】
従ってこように配管接続された場合には、第1開口42aおよび第1流路43aが、吐出側の開口(吐出口)および吐出側の流路(吐出流路)として機能し、第2開口42bおよび第2流路43bが、吸込側(吸引側)の開口(吸込口、吸引口)および吸込側の流路(吸込流路、吸引流路)として機能する。
【0087】
また、第2外管接続部1bに往き管、第1外管接続部1aに戻り管を接続した状態で、追い焚き処理を行った場合には、上記とは逆方向に循環する。すなわち給湯機からのお湯が、往き管、第2外管接続部1b、外側流路B、第2流路43b、第2開口42bおよびフィルター部材9を通って浴槽内に供給されるとともに、浴槽内のお湯は、フィルター部材9、第1流路43a、内側流路A、第1外管接続部1aおよび戻り管を通って給湯機に戻される。
【0088】
従ってこのように配管接続された場合には、第2開口42bおよび第2流路43bが、吐出側の開口(吐出口)および吐出側の流路(吐出流路)として機能し、第1開口42aおよび第2流路43aが、吸込側の開口(吸込口、吸引口)および吸引側の流路(吸込流路、吸引流路)として機能する。
【0089】
また本実施形態において、湯はり処理時には、給湯機から往き管および戻り管の双方にお湯が供給されて、そのお湯が第1,第2外管接続部1a,1b、流路A,B、第1,第2流路43a,43b、第1,第2開口42a,42bおよびフィルター部材9を通って浴槽内に供給される。
【0090】
以上のように構成された本実施形態の給湯口アダプターによれば、流路仕切部材3の開口42a,42bに、交互に配置された複数の一方突起71および複数の他方突起75によって、矩形波状の隙間(通水部70)を有するストレーナ7を形成しているため、フィルター部材9を取り外した状態で使用した際、流路仕切部材3の開口42a,42bのうち吸込側の開口、例えば第2開口(吸込口)42bから、入浴者の髪の毛等が吸い込まれようとしても、髪の毛がアダプター内部に吸い込まれてしまうのを防止することができる。
【0091】
また一方突起71および他方突起75間の通水部70は、連続する波形状に形成されているため、その通水部70をお湯がスムーズに通過することにより、優れた通水性能(吸引性能)を得ることができる。
【0092】
なお言うまでもなく、第1開口42a側にも、一方突起71および他方突起75からなるストレーナ7を形成しているため、第1開口42aが吸込側の開口となった場合でも、上記と同様に、異物がアダプター内に侵入するのを防止することができるとともに、優れた通水性能を得ることができる。
【0093】
また仮に、フィルター部材9を取り外した状態で、多量の髪の毛が吸込口42bから吸い込まれたとしても、その髪の毛を簡単に抜き取ることできる。すなわち、髪の毛が吸い込まれて吸込口42bが閉塞されると、一時的に、流路仕切部材3の第2流路(吸込流路)43b内の負圧が高くなり、吸引力が強くなるものの、流路仕切部材3の前蓋5に、吸込流路43bに連通する第2圧抜き孔51bを形成しているため、図8Bの矢符F3に示すように、負圧の上昇に伴って、槽内のお湯が圧抜き孔50bから吸込流路43b内に吸い込まれる。これにより、吸込流路43b内の負圧が軽減されて、吸引力が低下するため、吸込口42bに吸い込まれた髪の毛を、弱い力で無理なく簡単に抜き取ることができる。
【0094】
さらに圧抜き孔50bの周辺にリブ53を形成しているため、吸込口42bから髪の毛が吸い込まれたとしても、リブ53によって、圧抜き孔51bに髪の毛がまとわり付くのを防止することができ、圧抜き孔51bからのお湯の吸込を確実に行うことができ、吸込口42bに吸い込まれた髪の毛を、より一層簡単に簡単に抜き取ることができる。
【0095】
なお言うまでもなく、流路仕切部材3の第1開口42a側が吸込口となる場合であっても、その吸込口42aから髪の毛が吸い込まれた際には、第1圧抜き孔51aから槽内のお湯が吸い込まれることにより、負圧が軽減されるため、髪の毛を簡単に抜き取ることができる。
【0096】
また本実施形態においては、アダプター本体にフィルター部材9が装着された際には、フィルター部材9の目隠し部93によって、圧抜き孔51a,51bが覆われるため、圧抜き孔51a,51bからお湯が吸引され難くなるが、フィルター部材9が存在することによって、吸込口(開口42aまたは42b)に髪の毛等が吸い込まれることはないので、何ら不具合が生じることはない。
【0097】
一方、本実施形態において、開口42a,42bに設けられるストレーナ7は、交互に配置された一方突起71および他方突起75を備え、両突起71,75間に波状の通水部70を形成するものである。この波状の通水部70は、連続するものであるため、既述したように髪の毛のような細長くて柔軟な繊維状の異物は通過できないものの、外管や給湯機内で発生する湯垢のような粒状の異物は、比較的容易に通過することができる。
【0098】
従って、本実施形態においては、追い焚き時に吐出側となる開口、例えば第1開口(吐出口)42a側に設けられたストレーナ7の内側に、湯垢等の異物が詰まって目詰まりが生じるのを防止することができる。すなわち、湯垢等の異物はお湯と共に、ストレーナ7の波状通水部70を通過して吐出口42aから吐出するため、ストレーナ7の内側に、湯垢等のゴミが絡み付いて目詰まりが生じるのを有効に防止することができる。
【0099】
特に本実施形態においては、ストレーナ7を構成する一方突起71および他方突起75における吐出方向D1の上流側の端部に、上流側に向かうに従って次第に細くなるテーパー状のガイド部72,76を形成しているため、そのガイド部72,76のテーパー面で案内されることによって、湯垢等のゴミは突起71,75間の通水部70にスムーズに導かれて、その通水部70を通り抜ける。従って、ストレーナ7の内側にゴミが絡み付いて目詰まりが発生するのをより確実に防止することができる。
【0100】
その上さらに本実施形態においては、ガイド部72,75の突出寸法を、吐出方向D1に対し上流側に向かうに従って次第に小さくなるようにしているため、湯垢等を通水部70により確実に導くことができ、湯垢等によるストレーナ内側のゴミ詰まりをより一層確実に防止することができる。
【0101】
ここで、フィルター部材9をアダプター本体に組み付けている場合には、湯はり時に、吐出口42aのストレーナ7を通って吐出した湯垢等のゴミが、フィルター部材9の内側に絡み付いて、フィルター部材9にゴミ詰まり(目詰まり)が発生するおそれがある。
【0102】
そこで、本実施形態においては、流路仕切部材3における前蓋5に、吐出口42aに対応して前方開放部49aを形成しているため、図8Bに示すように、フィルター部材9の周側壁92の内側における吐出口42aに対応する部分にゴミGが詰まったとしても、吐出口42aに向かうお湯は、図8Bの矢符F4に示すように、ゴミGを避けて前方開放部49aを通り、さらにフィルター部材9の前壁91と周側壁92とのコーナー部およびその周辺を通って、正面から側方寄りの方向(斜め側方)に向けて放出される。従って、フィルター部材9の周壁92の内側にゴミ詰まりが発生したとしても、お湯を確実に浴槽内に吐出することができ、ゴミ詰まりがあっても追い焚きや湯はりを確実に行うことができる。
【0103】
さらに前方開放部49aから吐出するお湯は、斜め側方に向けて吐出するため、そのお湯は浴槽内を大きく回り込むように対流し、十分な撹拌効果を得ることができ、温度ムラが発生するのを防止することができる。換言すれば、吐出口42aから吐出したお湯が、ほとんど対流せずに、吸込側の第2吐出口(吸込口)42bから吸い込まれるようなショートサーキットを確実に防止することができる。
【0104】
その上さらに、前方開放部49aの前方には、フィルター部材9の目隠し部93が配置されているため、前方開放部49aから吐出するお湯は、目隠し部93に遮られて、正面(前方)ではなく、より確実に斜め側方に向けて吐出する。このため、上記の撹拌効果をより一層向上させることができ、温度ムラ等の発生を確実に防止することができる。
【0105】
ここで、ゴミ詰まり時に、前方開放部49aから吐出するお湯のお湯の一部が、フィルター部材9の内部を対流することがある。本実施形態においては、このお湯が、フィルター部材9の内部を通って、吸込口42b側に移動して吸込口42bから吸い込まれるような不具合(ショートサーキット)を確実に防止することができる。すなわち本実施形態においては、流路仕切部材3の前面側に、フィルター部材9の内部を、吐出側と吸込側とに左右に分離する仕切壁45,55を形成しているため、吐出口42a側からフィルター部材9の内部に吐出したお湯が、吸込口42bのある吸込側に流動することはなく、上記ショートサーキットを有効に防止することができる。
【0106】
その上さらに本実施形態においては、フィルター部材9の内側における吐出口42aおよび前方開放部49aに対応する部分に多量のゴミGが詰まって、前方開放部49aおよび吐出口42a共にお湯が吐出し難くなったとしても、お湯の吐出を継続して行うことができる。すなわち本実施形態においては、吐出側となる第1流路(吐出流路)43aに対応させて、アダプター外部と連通する第1補助回路50aを形成しているため、フィルター部材9内のゴミ詰まりにより、吐出口42aおよび前方開放部49aからお湯がほとんど吐出しなくなったような場合には、吐出流路43aの水圧が上昇する。この水圧の上昇によって、図8の矢符F5に示すように、吐出流路43a内のお湯が第1圧抜き孔(第1補助回路一端口)51aを通って第1補助回路50aに導入され、圧抜き回路他端口52aから流出されて、フィルター部材9を通って浴槽内に吐出する。このように吐出口42aおよび前方突出部49aの双方が詰まっても、吐出流路43a内のお湯は、補助回路50aを通って浴槽内に吐出するため、不具合なく湯はりを継続することができる。
【0107】
しかも、本実施形態においては、補助回路50aの他端口52aを、吐出口42aと同方向、つまり側方に開放しているため、お湯は、補助回路他端口52aを介してフィルター部材9の側方から吐出する。こうして吐出したお湯は、浴槽の側壁内面に沿って流動するため、浴槽内を大きく対流するようになり、ショートサーキットをより確実に防止でき、この点においても、良好な撹拌効果をより確実に得ることができる。
【0108】
その上さらに、補助回路50aは、リブ53によって仕切られて、容量の小さい狭い空間部となっているため、補助回路50a内で水圧を十分に確保でき、お湯の流速を十分に確保することができる。このため、お湯が補助回路他端口52aから勢い良く吐出され、撹拌効果を一層向上させることができる。
【0109】
さらに本実施形態においては、追い焚き時に吸込側となる開口、例えば第2開口(吸込口)42bの前方にも前方開放部49bを形成しているため、その前方開放部49bからも槽内のお湯が吸引される。つまり、その前方開放部49bを介して、アダプターの前面側からお湯を吸引することができるため、お湯を前方から吸い込んで側方から吐出するという理想的なお湯の循環を行うことができ、撹拌効果をより一層向上させることができ、温度ムラの発生等をより一層確実に防止することができる。
【0110】
なお、フィルター部材9の内側に詰まったゴミGは、既述したように、フィルター部材9をアダプター本体から取り外して、清掃すれば、簡単に取り除くことができる。
【0111】
また本実施形態においては、第1,第2流路43a,43b側の双方に補助回路50a,50bを形成しているため、第2流路43b側が吐出側となったとしても、上記と同様、ゴミ詰まりに対しても、支障なくお湯を吐出させることができる。
【0112】
ここで、本実施形態においては、圧抜き孔51a,51bの孔径は、フィルター部材9の通水孔94の孔径に対し同等もしくは大きく形成するのが良い。すなわち、圧抜き孔51a,51bの孔径が小さ過ぎる場合には、フィルター部材9の通水孔94を通過した異物が、圧抜き孔51a,51bに詰まってしまうおそれがあるためである。具体的には、圧抜き孔51a,51bの孔径(内直径)は1.0mm程度に設定するのが良い。
【0113】
さらに、ストレーナ7における一方突起71および他方突起75間の隙間寸法(通水部70の幅寸法)は、フィルター部材9の通水孔94の孔径に対し同等もしくは大きく形成するのが良い。すなわち、通水部70の幅寸法が小さ過ぎる場合には、フィルター部材9の通水孔94を通過した異物が、通水部70に詰まって、ストレーナ7に目詰まりが発生してしまうおそれがあるためである。具体的には通水部70の幅寸法は1.0mm程度に設定するのが良い。
【0114】
また本実施形態において、吸込側となる開口、例えば第2開口(吸込口)42bの周辺でゴミ詰まりが発生して、吸込口42bからのお湯の吸込が不十分となった場合には、第2流路(吸込流路)43b内の負圧が上昇するため、第2補助回路50b内も負圧となる。従って第2補助回路50bにその他端口52bから浴槽内のお湯が吸い込まれ、そのお湯が第2補助回路50b、一端口51b、および第2流路(吸込流路)43bを通って室外の給湯機へと供給される。このようにゴミ詰まり等により吸込口42bからのお湯の吸込が不十分となっても、お湯を確実に吸い込んで循環させることができる。
【0115】
また本実施形態では、第1,第2流路43a,43bの内部において、前蓋5の裏面側における圧抜き孔50a,50bの吐出方向D1に対し上流側に、流動制限突起54を形成しているため、その突起54によって、流路43a,43bと補助回路50a,50bとの間のお湯の出入りが制限される。このため、ゴミ詰まり等のない通常状態では、お湯が補助回路50a,50bを通過するのを有効に防止でき、正常通り、開口42a,42bを介してお湯の吐出や吸込を確実に行うことができ、通常動作をスムーズに安定した状態で行うことができる。
【0116】
また本実施形態においては、流路仕切部材3の前蓋5の前面に形成したリブ53によって、前蓋5とフィルター部材9との間に隙間を形成して補助回路50a,50bを形成するものである。このようにリブ53をスペーサとして機能させることによって、補助回路50a,50bの隙間寸法を十分に確保できるため、補助回路50a,50bを介してお湯を吸い込んだり、吐出したりする場合、補助回路50a,50b内の水圧が過度に大きくなったり小さくなったりするのを防止することができる。このため、目詰まり時等の緊急時に、補助回路50a,50bからの吐出や吸込を確実に行うことができ、上記の効果をより一層確実に得ることができる。
【0117】
なお、上記実施形態の給湯口アダプターにおいては、湯はり時に、往き管および戻り管の双方で浴槽内にお湯を供給するダブル搬送式のものを用いているが、それだけに限られず、本発明は、湯はり時に、往き管のみからお湯を浴槽内に供給するようにしたシングル搬送式の給湯口アダプターにも適用することができる。
【0118】
また上記実施形態においては、流路仕切部材3とフィルター部材9とで補助回路を形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、フィルター部材とは別に、流路仕切部材3側に補助回路を形成するようにしても良い。例えば流路仕切部材3の前面に、中空状の補助回路を一体に形成するようにしていも良い。この場合には言うまでもなく、フィルター部材に目隠し部を形成する必要はない。
【0119】
もっとも、流路仕切部材(槽内突出部)に補助回路を一体に形成する場合には、流路仕切部材の構成が複雑になり、製造が困難になるおそれがある。従って、上記実施形態のように、流路仕切部材とフィルター部材との協同で補助回路を形成することによって、それぞれの構成が簡素になり、製造を簡単に行うことができる。
【0120】
さらに上記実施形態においては、第1,第2流路43a,43bの双方に、ストレーナ7を設ける場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、第1,第2流路のうち少なくとも吸込側の開口にストレーナを設けるようにすれば良い。
【0121】
さらに上記実施形態においては、吸込側および吐出側の双方に、補助回路50a,50bを形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、吐出側のみに、補助回路を形成するようにしても良い。
【0122】
さらに上記実施形態においては、吸込側および吐出側の双方に、前方開放部49a,49bを形成する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、吐出側のみに、補助回路を形成するようにしても良い。
【0123】
また上記実施形態においては、槽内突出部4の前蓋両側縁部に設けられる第1,第2前方開放部49a,49bを第1,第2開口42a,42bに連通接続させるようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、第1,第2前方開放部を、第1,第2開口に対し連通しないように形成しても良い。例えば槽内突出部における前蓋の第1,第2開口の近傍に貫通孔を形成して、その貫通孔を、第1,第2前方開放部として構成するようにしても良い。
【0124】
また上記実施形態のストレーナ7においては、複数の一方突起71の各間に対応して、各他方突起75が配置され、一方突起71と他方突起75との先端同士が周方向に重なり合うようにして、一方突起71と他方突起75との間に周方向に連続する隙間が形成されないようにしているが、本発明は、それだけに限られるものではない。例えば本発明においては、一方突起と他方突起との先端同士が周方向に重なり合わずに、前後方向に離間して配置して、一方突起と他方突起との間に周方向に連続する隙間を形成するようにしても良い。要は本発明においては、複数の一方突起の各間に対応して、各他方突起がそれぞれ設けられていれば良い。
【0125】
また本発明においては、ストレーナ9を流路43a,43bに対し、着脱自在に取り付けるようにしても良い。例えば、ストレーナに流路に着脱自在な支持枠を設け、支持枠に一方突起および他方突起を設けておき、支持枠を流路に対し着脱することによって、ストレーナを流路に対し着脱できるようにすれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0126】
この発明の浴槽用給湯口アダプターは、例えば一般家庭の浴槽に給湯用金具として利用することができる。
【符号の説明】
【0127】
4:槽内突出部
42:周側壁(外壁)
50a,50b:第1,第2補助回路
51a,51b:第1,第2圧抜き孔(補助回路入口)
52a,52b:補助回路出口
53:リブ
54:流動制限突起
9:フィルター部材
91:前壁
92:周側壁
93:目隠し部
45:仕切壁部分(仕切壁)
55:仕切壁部分(仕切壁)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内壁面に浴槽内に突出するように配置される槽内突出部を備え、前記槽内突出部の周側壁の両側に第1,第2開口が設けられるとともに、その第1,第2開口に対応して、前記槽内突出部の内部に第1,第2流路が設けられ、前記第1,第2開口のうち一方の開口から吸い込まれた浴槽内のお湯が、前記第1,第2流路のうち一方の流路に吸い込まれて浴槽外に流出されるとともに、浴槽外から他方の流路に供給されたお湯が他方の開口から浴槽内に吐出するようにした浴槽用給湯口アダプターであって、
前記槽内突出部における前壁の前面側に、一端口および他端口を有する吐出側の補助回路が設けられ、
前記吐出側の補助回路の一端口が前記第1,第2流路のうち少なくとも吐出側の流路に連通し、かつ他端口が前記第1,第2開口のうち吐出側の開口の近傍において前記槽内突出部の外側に開放され、
前記吐出側の補助回路の他端口が、前記吐出側の開口に対しほぼ同じ方向に向けて開口され、前記吐出側の開口が閉塞された際に、お湯が前記吐出側の流路から前記吐出側の補助回路を通って、その回路の他端口から吐出するようにしたことを特徴とする浴槽用給湯口アダプター。
【請求項2】
前記槽内突出部における前壁の前面側に、一端口および他端口を有する吸込側の補助回路が設けられ、
前記吸込側の補助回路の一端口が流出側の流路に連通し、かつ他端口が吐出側の開口の近傍において前記槽内突出部の外側に開放され、
前記吸込側の補助回路の他端口が、前記吸込側の開口に対しほぼ同じ方向に向けて開口され、前記吸込側の開口が閉塞された際に、お湯が前記吐出側の補助回路の他端口から流入されて前記吐出側の補助回路を通って、その回路の一端口から前記吸込側の流路に吸い込まれるようにした請求項1に記載の浴槽用給湯口アダプター。
【請求項3】
前記槽内突出部を覆うようにフィルター部材が設けられ、
前記補助回路は、前記槽内突出部の前壁と、その前壁の前面に設けられたリブと、前記フィルター部材に設けられ、かつお湯の通過を遮る目隠し部と、で囲まれて形成されている請求項1または2に記載の浴槽用給湯口アダプター。
【請求項4】
前記補助回路の一端口は、前記槽内突出部の前壁に形成された圧抜き孔によって構成され、
前記フィルター部材を取り外した状態では、前記圧抜き孔が前方に開放されている請求項3記載の浴槽用給湯口アダプター。
【請求項5】
前記槽内突出部の前壁裏面側における前記圧抜き孔よりも吐出方向に対し上流側に、お湯が圧抜き孔を流通するのを制限するための流動制限突起が設けられている請求項4に記載の浴槽用給湯口アダプター。
【請求項6】
前記槽内突出部の前壁前面に、前記フィルター部材の内側を、前記第1開口が配置される領域と、前記第2開口が配置される領域とに2分割する仕切壁が設けられている請求項3〜5のいずれか1項に記載の浴槽用給湯口アダプター。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2013−104567(P2013−104567A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246180(P2011−246180)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(594107103)株式会社ハタノ製作所 (40)
【Fターム(参考)】