説明

浴槽装置

【課題】局部噴射により入浴者の皮膚に刺激を与えマッサージ効果を与える浴槽装置において、局部噴射孔が入浴者の体の表面で塞がれ入浴者が不快感を感じる恐れが少ない浴槽装置を提供し、而も、局部噴射孔の周縁の清掃が容易で水切れの良い浴槽装置を提供することをその課題とするものである。
【解決手段】浴槽1側壁8に浴槽1内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔6を開口せしめ入浴中に局部噴射孔6からの噴流により皮膚を刺激する浴槽装置において、浴槽1側壁8内面に凹部5を形成し、該凹部5は上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成された細長凹部5であると共に細長凹部5の下面を浴槽1内方向へ傾斜する傾斜下面7とし、該傾斜下面7基部に浴槽1内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔6を開口せしめてなる浴槽装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入浴中に湯或いは水の局所噴流により皮膚に刺激を与える浴槽装置に関するものである。さらに詳しくは、浴槽側壁内面に凹部を形成し、該凹部は上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成された細長凹部であると共に細長凹部の下面を浴槽内方向へ傾斜する傾斜下面とし、該傾斜下面基部に浴槽内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔を開口せしめてなる浴槽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から入浴中に湯或いは水の局所噴流により皮膚に刺激を与える浴槽装置は知られている。例えば、特許文献1に示される浴槽装置である。この従来の浴槽装置は湯或いは水を噴射する局部噴射孔が浴槽側壁内面に露出して形成されたものであるために、入浴者に不快感を与える場合があった。
【0003】
即ち、局部噴射孔が浴槽側壁内面に露出して形成されているために、入浴者が体の表面で局部噴射孔を塞いでしまうことが生じ、局部噴射孔からの湯或いは水を直接に継続して同じ箇所に受けることになり、局部噴射孔からの湯或いは水は浴湯温度より高く或いは低く設定されているために入浴者に不快感を与える場合があるのである。
【特許文献1】特開2000−126057号公報(要約、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、局部噴射孔が入浴者の体の表面で塞がれ入浴者が不快感を感じる恐れが少ない浴槽装置を提供し、而も、局部噴射孔の周縁の清掃が容易で水切れの良い浴槽装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る浴槽装置は、請求項1に記載した如く、浴槽側壁に浴槽内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔を開口せしめ入浴中に局部噴射孔からの噴流により皮膚を刺激する浴槽装置において、浴槽側壁内面に凹部を形成し、該凹部は上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成された細長凹部であると共に細長凹部の下面を浴槽内方向へ傾斜する傾斜下面とし、該傾斜下面基部に浴槽内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔を開口せしめてなるものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の浴槽装置は、浴槽側壁内面に凹部を形成し、該凹部は上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成された細長凹部であると共に細長凹部の下面を浴槽内方向へ傾斜する傾斜下面とし、該傾斜下面基部に浴槽内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔を開口せしめてなるために、人体の表面が直接に局部噴射孔を塞ぐ恐れがないものである。
【0007】
即ち、上下方向に下方へ至るに従って深く形成された細長凹部は上下方向に細長いために全体が人体表面で塞がれるおそれが少ないもので、このことは人体表面が浴湯に触れている状態で局部噴射孔からの噴流を受けることになり、不快感を感じさせないものである。
【0008】
更に局部噴射孔が細長凹部内の傾斜下面基部に開口せしめているために人体の表面で直接に局部噴射孔を塞ぐ恐れが少ないものである。又、浴槽は汚れ易いものであるが、細長凹部は上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成され下面を浴槽内方向へ傾斜する傾斜下面としてなるために、浴水が溜まらず清掃が容易に行えるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して、詳細に説明する。図1は本発明の実施例の正面図、図2は図1に示す実施例の要部断面図、図3は図1に示す実施例の断面側面図である。図1、図2、及び図3において、1は浴槽、2は給湯管、3は吸水管、4は噴射管である。
【0010】
吸水管3は浴槽1内の低温化した浴湯を給湯機(図示せず)で加熱し、給湯管2により浴槽1内に供給するものである。噴射管4は図2に示すように細長凹部5内に噴射孔6を設けている。細長凹部5は図2、図3に示す如く、浴槽1の側壁8内面に形成されるもので、上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成されたものであり、底面を浴槽1内方向へ傾斜する傾斜下面7としており、噴射孔6は細長凹部5内の傾斜下面7基部に開口している。
【0011】
この浴槽装置は浴槽1内に浴湯を張り、通常の浴場として使用できると共に入浴中に入浴者の皮膚に刺激を与えマッサージ効果を与えることができるものである。即ち、細長凹部5内の傾斜下面7基部に開口している噴射管4の噴射孔6より湯或いは水を噴射すれば入浴者の皮膚に湯あるいは水が当たり刺激を与えることになる。この場合、噴射する湯は浴湯より少し温度が高い45度程度であり、噴射する水は25度程度である。
【0012】
しかしながら、噴射孔6より噴射する湯温が45度程度であっても入浴者の皮膚に当たる状態によっては熱く、不快に感じる場合がある。例えば、噴射管4の噴射孔6に入浴者の皮膚が直接に接し噴射孔6を塞いだ状態の場合、噴射孔6から噴射される湯は直接に入浴者の皮膚に連続して当たることになって、熱く、不快に感じる。
【0013】
この浴槽装置では、噴射管4の噴射孔6が細長凹部5内の傾斜下面7基部に開口しているために、入浴者の皮膚は細長凹部5内に入る恐れが少なく、噴射孔6に入浴者の皮膚が直接に接し噴射孔6を塞ぐ恐れが少ないものである。又、この浴槽装置は浴槽1の側壁8内面に形成された細長凹部5が上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成され底面を浴槽1内方向へ傾斜する傾斜下面7としているために細長凹部5内に浴湯が残ったり、溜まったりする恐れがないものであり、清掃も容易なものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかる浴槽装置の実施例の正面図。
【図2】図1に示す実施例の要部断面図。
【図3】図1に示す実施例の断面側面図。
【符号の説明】
【0015】
1 浴槽
2 給湯管
3 吸水管
4 噴射管
5 細長凹部
6 噴射孔
7 傾斜下面
8 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽側壁に浴槽内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔を開口せしめ入浴中に局部噴射孔からの噴流により皮膚を刺激する浴槽装置において、浴槽側壁内面に凹部を形成し、該凹部は上下方向に下方へ至るに従って深く広く形成された細長凹部であると共に細長凹部の下面を浴槽内方向へ傾斜する傾斜下面とし、該傾斜下面基部に浴槽内に湯或いは水を噴射する局部噴射孔を開口せしめてなる浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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