説明

海棲生物の腐敗臭防止剤及び海棲生物の腐敗臭防止方法

【課題】 短期間で腐敗し著しい悪臭を発生する海棲生物の腐敗臭防止剤や腐敗臭防止方法を提供すること。
【解決手段】 2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの3〜15%の水溶液、好ましくは5〜10%の水溶液を、海棲生物に対して2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとして10〜1000ppmの濃度となるように添加する。また、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールは単独で添加しても有効であるが、pHが4〜5.5のリン酸ナトリウムを共存させた状態で使用すると、処理装置の金属類の腐食を抑制せるとともに、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとリン酸ナトリウムの相乗効果で腐敗臭の発生をより効果的に抑制しうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤を含有する海棲生物の腐敗臭防止剤、及び該腐敗臭防止剤を用いた海棲生物の腐敗臭防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所等のプラントでは海水を多量に冷却水として使用するが海水の採水路にはクラゲ、海藻等の浮遊生物が多量に押し寄せるため取水口にスクリーンを設けて、定期的に掻き揚げて処理をしている。また採水路にはムラサキイ貝、フジツボ等の付着生物が付着し障害を起こすため、定期的に除去を行う必要がある。
海棲生物は短期間で腐敗し著しい悪臭を発生するため、各種のマスキング剤や消臭剤が使用されているが、効果は充分ではなく多量にこれらの海棲生物が発生する夏季においては気温の上昇もあいまって悪臭を発生し、周辺の環境を悪化させている。
【0003】
クラゲ等の海棲生物の腐敗臭の発生防止に関して、海棲生物の腐敗臭の原因であるH2 S,MM及びNH3 を効果的に発生防止することができ、しかも取り扱いが容易で周辺環境汚染の問題のない海棲生物の、硝酸塩を含む腐敗臭防止剤(例えば、特許文献1参照)や硫酸アルミニウムを含む腐敗臭防止剤(例えば、特許文献2参照)が提案されている。また、クラゲ等の海棲生物の引き揚げ量に応じて腐敗臭防止剤の適正量を自動的に薬注し、これにより薬注作業を軽減すると共に薬剤の過不足を防止して海棲生物の腐敗臭を確実に防止するための装置であって、海棲生物を集積する貯留槽と、海棲生物を海水から分離して貯留槽に移送する移送手段と、移送手段の稼動装置と連動して貯留槽に移送された海棲生物に硝酸塩、硫酸アルミニウム等の腐敗臭防止剤を添加する薬注装置とを備えてなる海棲生物の腐敗臭発生防止装置(例えば、特許文献3参照)や、火力発電所等の冷却水取水口のスクリーンで採取されたクラゲ等が、貯槽から破砕ポンプで破砕されつつ循環槽に投入され、槽内の破砕液は破砕ポンプを介して薬注槽へ投入され、ORP計により計測された計測値に基づいて硝酸塩、或いは、硫酸アルミニウム又はその複合塩等の腐敗臭防止剤が薬注ポンプにより添加され、薬注された破砕液は槽に戻される海棲生物の腐敗臭発生防止装置(例えば、特許文献4参照)が知られている。
【0004】
また、海棲生物を効率良く減容化し、且つ廃液や臭気を排出することなく処理することができる海棲生物の処理装置であって、クラゲ等の海棲生物よりなる被処理物がクラッシャに導入されて破砕された後、固液分離装置に送られ固液分離処理され、固液分離された固形分は、発酵装置に送られて発酵処理され、液分は濃縮装置に送られて濃縮処理され、濃縮された液分は、発酵装置に送られ発酵処理され、発酵装置及び濃縮装置から生じる臭気ガスは、二硫化水素、メチルメルカプタン等の臭気成分を除去するのに好適なオゾン脱臭装置や、アンモニアの臭気を脱臭するためのスクラバー式脱臭装置などを用いた脱臭装置へ送られて脱臭処理された後、大気放出される、海棲生物の腐敗臭発生防止装置(例えば、特許文献5参照)や、固形廃棄物処分量を低減し、処理が容易でコストを低減した海水取水ラインに流入する混入クラゲ類の処理に関して、海水を工業用冷却水として取水する際に流入する混入クラゲ類の処理方法であって、海水取水ラインからクラゲや魚介類を水切りネットコンベヤ等で水揚げ分離し、分離したクラゲや魚介類をタンクに移し空気遮断の密閉状態で数日の間貯留しておき、クラゲが嫌気性分解により自然溶解し液状化したことを確認してから液状化物を分離し、該液状化物を酸化作用のある次亜塩素酸ナトリウムや硝酸塩、二酸化塩素等の消臭薬剤で脱臭処理することを特徴とする海水取水ラインへの混入クラゲ類の処理方法(例えば、特許文献6参照)などが知られている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−330206号公報
【特許文献2】特開2001−122713号公報
【特許文献3】特開2002−172381号公報
【特許文献4】特開2003−170194号公報
【特許文献5】特開2002−177931号公報
【特許文献6】特開2003−225639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、短期間で腐敗し著しい悪臭を発生する海棲生物の腐敗臭防止剤や腐敗臭防止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの3〜15%の水溶液、好ましくは5〜10%の水溶液を、海棲生物に対して2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとして10〜1000ppmの濃度となるように添加することにより海棲生物の腐敗は抑制され、腐敗臭の発生で周囲の環境を悪化させることも無くなることを見い出した。また、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールは単独で添加しても有効であるが、pHが4〜5.5のリン酸ナトリウムを共存させた状態で使用すると、処理装置の金属類の腐食を抑制するとともに、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとリン酸ナトリウムの相乗効果で腐敗臭の発生をより効果的に抑制しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、(1)活性ハロゲン原子を有する抗菌剤を含有することを特徴とする海棲生物の腐敗臭防止剤や、(2)活性ハロゲン原子を有する抗菌剤が式(I)
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、塩素原子又は臭素原子を表す。]で表される化合物であることを特徴とする上記(1)記載の海棲生物の腐敗臭防止剤や、(3)式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記(2)記載の海棲生物の腐敗臭防止剤や、(4)式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであることを特徴とする上記(2)記載の海棲生物の腐敗臭防止剤に関する。
【0011】
また、本発明は、(5)有機酸及びその塩、並びにリン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物をさらに含有することを特徴とする上記(1)〜(4)いずれか記載の海棲生物の腐敗臭防止剤や、(6)リン酸誘導体が、リン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸、アミノメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ポリリン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記(5)記載の海棲生物の腐敗臭防止剤や、(7)塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、又はアンモニウム塩であることを特徴とする上記(5)又は(6)記載の海棲生物の腐敗臭防止剤や、(8)水溶液であることを特徴とする上記(1)〜(7)いずれか記載の海棲生物の腐敗臭防止剤や、(9)アルコール類及び/又はグリコール類をさらに含有することを特徴とする上記(8)記載の海棲生物の腐敗臭防止剤に関する。
【0012】
さらに本発明は、(10)活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と海棲生物とを接触させることを特徴とする海棲生物の腐敗臭防止方法や、(11)活性ハロゲン原子を有する抗菌剤が式(I)
【0013】
【化2】

【0014】
[式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、塩素原子又は臭素原子を表す。]で表される化合物であることを特徴とする上記(10)記載の海棲生物の腐敗臭防止方法や、(12)式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする上記(11)記載の海棲生物の腐敗臭防止方法や、(13)式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであることを特徴とする上記(11)記載の海棲生物の腐敗臭防止方法や、(14)2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを10〜1000ppmの濃度で使用することを特徴とする上記(13)記載の海棲生物の腐敗臭防止方法に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、短期間で腐敗し著しい悪臭を発生する海棲生物の腐敗臭を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤としては、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤を含有する製剤であれば特に制限されず、また、本発明の海棲生物の腐敗臭防止方法としては、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と海棲生物とを接触させる方法であれば特に制限されるものではなく、海棲生物としては、エチゼンクラゲ等のクラゲ、ムラサキイ貝等を好適に例示することができる。
【0017】
上記活性ハロゲン原子を有する抗菌剤としては、例えば、式(I)で表される化合物、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を併用することができ、これらの中でも、式(I)で表される化合物が好ましい。
【0018】
式(I)で表される化合物中、Rは、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基;フェニル基、ナフチル基等の置換基を有していてもよいアリール基を表す。また、C1〜C12アルキル基及びアリール基の置換基としては、ヒドロキシル基、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基等を挙げることができ、これらの置換基は、1つ又は複数個有していてもよい。複数個有する場合は、同一でも相違なっていてもよい。
【0019】
は、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、置換基を有していてもよいC1〜C18アルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基は、Rと同義である。
【0020】
式(I)で表される化合物のうち、具体的には、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノール等を例示することができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。これらのなかでも、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを使用すると、その殺菌作用及びその加水分解生成物であるホルムアルデヒド及び臭化水素酸の防臭作用が相乗的に作用することから、海棲生物の腐敗に対する防臭に極めて有効である。
【0021】
また、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤をホスト化合物で包接したものを使用することもできる。包接するホスト化合物としては、空孔部で包接する化合物や結晶格子の間に包接する化合物を挙げることができる。空孔部で包接する化合物の具体例としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、シクロファン類、シクロフォスファゼン類、カリックスアレーン類、スフェランド類、シクロトリベラトリレン、トリ−o−チモチド等を挙げることができる。また、結晶格子状に包接するホスト化合物の具体例としては、thiachroman誘導体、perhydrotriphenylene類、9,9′−ビアンスリル類、テトラフェニレン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等を挙げることができ、結晶格子状に包接するホスト化合物の場合、空孔部に包接するホスト化合物に比べ包接能が強いため、放出制御や微粉化に際し好適な化合物となる。
【0022】
本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤としては、有機酸及びその塩、並びにリン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物をさらに含有するものが好ましい。
【0023】
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸;安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、サリチル酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、3,5−ジメチル安息香酸、2,4−ジクロロ安息香酸等の芳香族カルボン酸;ベンゼンスルホン酸などを例示することができる。これらのなかでも、安息香酸であるのが好ましい。
【0024】
リン酸誘導体としては、リン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸、アミノメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ポリリン酸等を例示することができる。
【0025】
前記有機酸及びリン酸誘導体は、塩であってもよく、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等を例示することができ、これらの塩は1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でもナトリウム塩であるのが好ましい。
【0026】
リン酸誘導体の塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸2水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム、アミノメチレンホスホン酸ナトリウム、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等を例示することができる。
【0027】
アゾール化合物としては、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピクゾール、トリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、1,2−ベンゾイソチアゾロン−3−オン等を例示することができる。
【0028】
本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤に用いられる活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と、有機酸やリン酸誘導体との配合割合は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤100重量部に対して、有機酸やリン酸誘導体が、通常、10重量部〜1000重量部、好ましくは、50重量部〜500重量部、より好ましくは、60重量部〜400重量部、特に好ましくは、70重量部〜300重量部の範囲である。
【0029】
本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤は、その剤形は特に制限なく、錠剤、粉剤、粒剤等の固体状や、ゲル状、溶媒に溶解・分散した液状等であってよい。液状とする場合、使用する溶媒としては活性ハロゲン原子を有する抗菌剤、及び有機酸やリン酸誘導体を分散・溶解できる溶媒であればいずれのものも使用することができ、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エチレングリコールジアセート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソプロピルエーテル、塩化メチレン等を使用することができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でも安全面から水を使用するのが好ましい。
【0030】
本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤を液状とする場合は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤の濃度は、通常0.1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。また、有機酸やリン酸誘導体の濃度は、通常0.1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%の範囲である。また、本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤を液状とする場合の好ましいpH値は、1.0〜9.0であり、より好ましくは2.0〜8.5であり、特に好ましくは3.0〜8.2の範囲である。さらに、本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤を水溶液とする場合は、寒冷時の有効成分の凍結防止剤として、アルコール類及び/又はグリコール類をさらに併用するのが好ましい。アルコール類及び/又はグリコール類を併用すると、硫化水素、メチルメルカプタン等の含硫黄化合物の悪臭の防止にも効果的に作用する。アルコール類及びグリコール類としては、前記と同じものを例示することができ、安全面から特に、エタノール又はジエチレングリコールを用いるのが好ましい。また、これらは1種又は2種以上を併用して用いることもできる。アルコール類又はグリコール類を併用する場合の濃度は、通常0.5〜25重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%の範囲である。そしてまた、凝固点降下を目的として、硫酸ナトリウム等の硫酸塩、塩化ナトリウム等の塩化物を併用することもできる。
【0031】
また、本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤を固形状にする場合は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤、及び有機酸やリン酸誘導体以外に、不活性な賦形剤を添加するのが一般的である。かかる不活性な賦形剤としては、天然物、合成品のいずれでも使用可能であり、例えばクレー、タルク、珪藻土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、食塩、重曹、ブドウ糖、乳糖、でん粉、セルロース等を挙げることができる。
【0032】
本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤には、必要に応じて界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤の添加により、薬剤の分散及び海棲生物への浸透が容易となる。かかる界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤又は両性系界面活性剤を問わずいずれのものも使用することができ、具体的には、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸エステル塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸エステル塩等を挙げることができ、これらを1種又は2種以上を組み合わせたものであってもよいが、好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン系界面活性剤を挙げることができる。かかる界面活性剤の使用量は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部であるのが好ましく、0.5重量部〜20重量部であるのがより好ましい。
【0033】
また、本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤には、必要に応じて香料を含有させることができ、防臭と同時に芳香を奏するものとすることもできる。かかる香料としては、ミント系香料として、1−カルボン、1−メントン、1−メントールや、ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアミントオイル等の天然精油を挙げることができ、柑橘系香料として、リモネン、シトラール、ジハイドロミセノールや、レモンオイル、オレンジオイル、ライムオイル、グレープフルーツオイル、ベルガモットオイル、レモングラスオイル等の天然精油を挙げることができる。またハーブ系香料として、メチルサリシレート、チモール、1,8−シネオール、リナロール、シトネロール、ゲラニオール、テルピネオール、カンファーや、ユーカリプタスオイル、ゼラニウムオイル、シトロネラオイル等の天然精油を挙げることができ、ウッディー系香料として、a,b−ピネンや、ヒノキオイル、セダーオイル、パインオイル、ヒバオイル等の天然精油を挙げることができる。
【0034】
その他、本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤に含有させ得る香料としては、例えば、アルコール系香料として、シス−3−ヘキセノール、テトラヒドロリナロール、β−フェニルエチルアルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、サビネンハイドレート、バクダノール、サンダロール等を挙げることができ、エーテル系香料として、ガラクソリド、ローズオキサイド、リナロールオキサイド、セドランバー、ジベンジルエーテル、アンブロキサン、ジフェニールオキサイド、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル等を挙げることができ、アルデヒド系香料として、シス−3−ヘキセナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ペリラアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘリオナール、リリアール、バニリン、トリプラール等を挙げることができ、ケトン系香料として、ヨノン、メチルヨノン、トナリド、ムスコン、シクロペンタデカノン、カシュメラン、ダマスコン、ダマセノン、シスジャスモン等を挙げることができ、エステル系香料として、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸ネリル、酢酸ベンジル、酢酸テルピニル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ボルニル、酢酸メンチル、酢酸−p−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸−o−tert−ブチルシクロヘキシル、酢酸フェニルエチル、酢酸スチラリル等を挙げることができ、炭化水素系香料として、ジフェニールメタン、ミルセン、サビネン等を挙げることができ、ラクトン系香料として、クマリン、γ−ウンデカラクトン、シクロペンタデカノリド、γ−ノナラクトン等を挙げることができる。
【0035】
また、本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤は、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤以外の他の抗菌剤を含有させることができる。かかる他の抗菌剤としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニルウレア、メチロールージメチルーヒダントイン、ジメチルジメチロールヒダントイン、ソルビン酸、フェノキシエタノール、ダイクロサン、トリクロサン、ポビドンヨード、2,2,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェノール、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾロン−3,3,4,4’−トリクロロカルバニリド、1,1’−(ヘキサメチレン−ビス−[5−(4−クロロフェニル)−ビグアニド])−ジグルコネート、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム、塩化ベンゼトニウム、ビス−(p−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサンジヒドロクロライド、ジイソブチルフェノキシエトキシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンズアンモニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾロン−3−オン、ビス−ジメチルチオカーバモイル−ジスルフィド、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ヒドロクロライド、ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム塩、ジンクビス−(2−ピリジルチオ−1−オキサイド)、イソチオシアン酸エステル等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を併用することができる。
【0036】
本発明の海棲生物の腐敗臭防止方法における活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と海棲生物とを接触させる方法は特に制限されず、海棲生物に活性ハロゲン原子を有する抗菌剤を散布する方法や、海棲生物に活性ハロゲン原子を有する抗菌剤を噴霧する方法や、海棲生物を活性ハロゲン原子を有する抗菌剤に浸漬する方法を挙げることができる。また、本発明の海棲生物の腐敗臭防止剤を海棲生物に使用する場合、前記腐敗臭防止剤として海棲生物に接触させてもよいが、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と有機酸やリン酸誘導体を別々に海棲生物に添加してもよい。また、活性ハロゲン原子を有する抗菌剤として2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを用いる場合、その3〜15%の水溶液、好ましくは5〜10%の水溶液を、海棲生物に対して2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとして10〜1000ppmの濃度となるように添加することが好ましく、かかる添加により海棲生物の腐敗は抑制され、腐敗臭の発生で周囲の環境を悪化させることも無くなる。
【0037】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0038】
海から採取したクラゲ約1kgを2Lの広口ポリビンに入れ、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの10%水溶液を1%添加(ブロノポール1000ppm)、混合した。直径7mmの穴を開け、ビニールテープで密封した内蓋と外蓋で密封した状態で30±2℃で保管し、1、3、7、14日後に内蓋のビニールテープを剥がし、ガス検知管で、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアの濃度を測定した。
【実施例2】
【0039】
10%の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール水溶液を0.3%添加した以外の条件は実施例1と同一の試験を行った。
【実施例3】
【0040】
10%の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール水溶液を0.1%添加した以外の条件は実施例1と同一の試験を行った。
【実施例4】
【0041】
10%の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、リン酸ナトリウム10%(pH4.5)の水溶液を0.1%添加した以外の条件は実施例1と同一の試験を行った。
【0042】
結果を表1に示す。なお、薬剤を添加しない以外の条件は実施例1と同一の試験を行った結果を[比較例1]とした。表1中、NDは検出できなかったことを表す。実施例1〜4においては、比較例1と比べて、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアの濃度が殆ど検出されなかった。また、実施例3と実施例4との比較から、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとリン酸ナトリウムの併用により相乗効果が認められた。
【0043】
【表1】

【実施例5】
【0044】
海から採取したムラサキイ貝500gを2Lの広口ポリビンに入れ2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールの10%水溶液を1%(2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール1000ppm)をスプレー添加しながら混合した。直径7mmの穴を開け、ビニールテープで密封した内蓋と外蓋で密封した状態で30±2℃で保管し、1、3、7、14日後に内蓋のビニールテープを剥がし、ガス検知管で、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアの濃度を測定した。
【実施例6】
【0045】
10%の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール水溶液を0.3%添加した以外の条件は実施例5と同一の試験を行った。
【実施例7】
【0046】
10%の2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、リン酸ナトリウム10%(pH4.5)の水溶液を0.3%添加した以外の条件は実施例5と同一の試験を行った。
【0047】
結果を表2に示す。なお、薬剤を添加しない以外の条件は実施例5と同一の試験を行った結果を[比較例2]とした。表2中、NDは検出できなかったことを表す。実施例5〜7においては、比較例2と比べて、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニアの濃度が殆ど検出されなかった。また、実施例6と実施例7との比較から、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールとリン酸ナトリウムの併用により相乗効果が認められた。
【0048】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性ハロゲン原子を有する抗菌剤を含有することを特徴とする海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項2】
活性ハロゲン原子を有する抗菌剤が式(I)
【化1】

[式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、塩素原子又は臭素原子を表す。]で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項3】
式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項2記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項4】
式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであることを特徴とする請求項2記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項5】
有機酸及びその塩、並びにリン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項6】
リン酸誘導体が、リン酸、ヘキサメタリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、1−ヒドロキシエチルデン−1,1−ジホスホン酸、アミノメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ポリリン酸からなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項5記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項7】
塩が、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、又はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項5又は6記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項8】
水溶液であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項9】
アルコール類及び/又はグリコール類をさらに含有することを特徴とする請求項8記載の海棲生物の腐敗臭防止剤。
【請求項10】
活性ハロゲン原子を有する抗菌剤と海棲生物とを接触させることを特徴とする海棲生物の腐敗臭防止方法。
【請求項11】
活性ハロゲン原子を有する抗菌剤が式(I)
【化2】

[式中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシル基、置換基を有していてもよいC1〜C12アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、塩素原子又は臭素原子を表す。]で表される化合物であることを特徴とする請求項10記載の海棲生物の腐敗臭防止方法。
【請求項12】
式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、ジブロモ−ニトロ−プロパノール、2−ブロモ−2−ニトロ−エタノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−2−ニトロ−エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−フェニルエタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2,4−ペンタンジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジクロロ−2−ニトロ−2−エタノール、2−クロロ−1−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1−ブタノール、3−ブロモ−3−ニトロ−2−ブタノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−ブタノール、1−クロロ−1−ニトロ−2−ペンタノール、1,1−ジクロロ−1−ニトロ−2−ヘキサノール、2−クロロ−2−ニトロ−1−プロパノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物であることを特徴とする請求項11記載の海棲生物の腐敗臭防止方法。
【請求項13】
式(I)で表される化合物が、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールであることを特徴とする請求項11記載の海棲生物の腐敗臭防止方法。
【請求項14】
2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオールを10〜1000ppmの濃度で使用することを特徴とする請求項13記載の海棲生物の腐敗臭防止方法。

【公開番号】特開2007−39379(P2007−39379A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225365(P2005−225365)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】