説明

海洋緑化用缶詰、海洋緑化用缶詰の使用方法、及び海洋緑化用缶詰の製造方法

【課題】水中に二価の鉄イオンを安定して良好に供給でき、海洋植物の生育の育成を促進し、海洋緑化を実現することができる海洋緑化用缶詰を提供する。
【解決手段】海洋緑化用缶詰は、金属鉄、酸化鉄及び不可避的不純物からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物を収容している本体部と、本体部を密封し、開封可能に設けられた蓋体部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋緑化用缶詰、海洋緑化用缶詰の使用方法、及び海洋緑化用缶詰の製造方法に関する。
【0002】
より詳細には、海、河川、干潟などの水域に生息する植物にとって栄養源となる鉄粉を収容した海洋緑化用缶詰を開封し、缶とともに鉄粉を沈設させることにより、鉄イオンを水中に供給して藻場を再生し、海洋を緑化する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、藻場が大規模に消滅する「磯焼け」と呼ばれる現象が発生し問題となっている。磯焼けに関する最近の研究では、河川から流入する鉄イオンの欠乏が主要因と考えられている。鉄イオンは、藻などの植物の生育に欠かせないものであり、二価の鉄イオンとして吸収されることが有効であることが知られている。また、場所によっては鉄イオンだけでなく、窒素、リン、カリ等の植物にとって必要な栄養素の不足した海域も存在し、海岸の「磯焼け」は深刻化している。
【0004】
そこで、鉄イオンを河川や海などの水域に供給することで藻場の消滅を防ぐ技術として、例えば、特許文献1記載のものがある。特許文献1には、鉄と炭を水溶性バインダーと共に混合した塊を、非水溶性バインダーで固めた鉄イオン溶出体が記載されている。
【0005】
また、硬質容器に二価鉄含有肥料を入れて海洋に埋める技術として、特許文献2記載のものがある。特許文献2には、H形鋼や厚板鋼板からなる鋼やコンクリートから構成された硬質容器に、二価鉄含有肥料を収容した水域環境保全容器が記載されている。この技術は、施肥効果が薄れてきた場合に、内部に詰められている施肥材料のみを容易に追加・交換できるように、海底に沈設されていた硬質容器を引き上げることが可能な構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−268511号公報
【特許文献2】特開2007−330254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1記載の技術では、鉄の酸化を促進させるための炭が存在する為に保存中に鉄が酸化され酸化鉄になる傾向があり、長期に保存することは不可能であった。
【0008】
また、特許文献1記載の鉄イオン溶出体を置いた場所から少し離れた場所では、藻場再生の十分な効果が得られず、しかも長期に渡って効果が維持されないことがあった。この理由の一つとして、溶存酸素の存在する水中では溶出した鉄イオンは酸素によって酸化され三価となり二価の状態で維持できないことが挙げられる。また他の理由として、水中あるいは塩素イオンが存在する海中において、溶出した鉄イオンは炭素表面で酸素が還元されることによって生成するOHイオンによって水酸化鉄を形成することが挙げられる。そのため、鉄が継続して鉄イオンに溶出する反応が抑制され、二価の鉄イオンが安定して溶出されないと考えられる。
【0009】
上記特許文献2記載の技術では、硬質容器はH形鋼や厚板鋼板からなる鋼やコンクリートから構成されているため、容器としては大型で重量がある。したがって、取扱いの際に重機を必要とするため簡易に取扱いが出来ず、また設置コストもかかり経済的でない。
【0010】
また、特許文献2記載の技術では、施肥材料の鉄イオンの供給源は鉄鋼スラグであり、特に実施例で使用されているものは製鋼スラグである。製鋼スラグの主成分は2CaO・SiOであるため、Caイオンの溶解によってpHが上昇し、鉄イオンの溶解性がさらに低下する傾向にある。鉄イオンは酸素が存在しているとより安定な三価の鉄イオンになりやすいため、Fe(OH)が沈殿しやすくなる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、金属鉄、酸化鉄及び不可避的不純物からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物を収容している本体部と、前記本体部を密封し、開封可能に設けられた蓋体部と、を備えることを特徴とする海洋緑化用缶詰が提供される。
【0012】
すなわち、本発明の海洋緑化用缶詰は、金属鉄と酸化鉄からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物を密封して保存し、海洋に沈設する際に蓋体部を開封してから、混合物を本体部とともに沈設するものである。この混合物は、金属鉄と酸化鉄とが接触することにより、電子の移動が生じ、金属鉄が局部アノード、酸化鉄が局部カソードとして作用できるため、金属鉄の酸化反応が進行し、局部アノード側からの鉄の溶出が促進できるものである。また、溶出した鉄イオンは、混合物中の有機酸とキレート反応するため、安定して二価の鉄イオンの状態が維持される。そして、鉄の溶出を抑制する水酸化鉄が形成されにくくなるため、混合物から二価の鉄イオンを安定して供給できる。このように、本発明の海洋緑化用缶詰は、金属鉄と酸化鉄からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物の状態で沈設できるため、海洋植物の生育に有効に作用する二価の鉄イオンを安定して良好に水中に供給して、海洋緑化を実現するものである。
【0013】
また本発明によれば、上記海洋緑化用缶詰を用いた海洋緑化用缶詰の使用方法であって、前記海洋緑化用缶詰の前記蓋体部を開封する工程と、開封された前記海洋緑化用缶詰を沈設する工程と、を含むことを特徴とする海洋緑化用缶詰の使用方法が提供される。
【0014】
また本発明によれば、金属鉄、酸化鉄及び不可避的不純物からなる鉄粉、及び有機酸を混合する工程と、混合された前記鉄粉、及び前記有機酸を海洋緑化用缶詰の本体部に収容する工程と、蓋体部を用いて前記本体部を密封する工程と、を含むことを特徴とする海洋緑化用缶詰の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水中に二価の鉄イオンを安定して良好に供給でき、海洋植物の生育の育成を促進し、海洋緑化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の海洋緑化用缶詰の第一の例を示す斜視図である。
【図2】本発明の海洋緑化用缶詰の第二の例を示す斜視図である。
【図3】本発明の海洋緑化用缶詰の第三の例を示す斜視図である。
【図4】本発明の海洋緑化用缶詰の使用方法の第一の例を示す模式図である
【図5】本発明の海洋緑化用缶詰の使用方法の第二の例を示す模式図である
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
[海洋緑化用缶詰]
本発明の海洋緑化用缶詰は、金属鉄、酸化鉄及び不可避的不純物からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物を収容している本体部と、本体部を密封し、開封可能に設けられた蓋体部と、を備える。
【0019】
本発明の海洋緑化用缶詰の本体部は、混合物を密封保存でき、開封可能な蓋体部を備えるものであれば、特に限定されずに用いることができる。これにより、混合物を長期に保存できる。
【0020】
本発明の海洋緑化用缶詰の本体部の材質は、特に限定されないが、鉄イオンを供給できる観点から鋼板が好ましく、この中でも特に低炭素アルミキルド鋼が好ましい。開封方法は、特に限定されず、手動式、機械式であってもよい。また蓋体部の材質は特に限定されず、本体部と同じであっても異なっていてもよい。また蓋を簡単に開封する観点から、主に食用の缶詰に使用されているアルミのフルオープン缶蓋、又はビール缶等の蓋に使用されているステイオンタブ缶蓋を使用してもよい。
【0021】
本発明の海洋緑化用缶詰の本体部を構成する鋼板の板厚は、特に限定されるものでないが、海中に沈設した場合の安定性の観点から、缶成型後の板厚で0.08〜0.32mmとなる鋼板が好ましい。ここで一般に、鋼板は海水中で1年に約0.01mm溶解すると言われている。本発明の海洋緑化用缶詰では、缶蓋を開封してから沈設するため、缶本体を構成する鋼板は、両面から鉄イオンが溶解し腐食されることになる。そのため、上記板厚0.08〜0.32mmの鋼板を用いることにより、約4年から16年で鋼板は鉄イオンとして溶解して消失することができると考えられる。
【0022】
通常、飲料用、食用またはお菓子用に使用される缶は、動物が食するものが保存されるので、缶を構成する鋼板の表面は錆を防ぐため、錫、クロム等の表面処理が施されている。これに対し、本発明の海洋緑化用缶詰では、動物が食するものを保存するものではなく、混合物中の鉄および有機酸を保存し、密封してこれらの酸化を防ぐためものであるため、通常行われる表面処理は必須でない。また、本発明の海洋緑化用缶詰の鋼板としては、外観特性の観点から、ごく微量の錫めっき又はリン酸塩処理等を表面に施したものを用いてもよい。また、本発明の海洋緑化用缶詰の成型性の観点から、ごく薄のめっき被膜を行ってもよい。
【0023】
本発明の海洋緑化用缶詰を成型する手法としては、例えば、ドロー&アイアニング手法、ドロー&リドロー手法、または溶接手法が挙げられる。
【0024】
(混合物)
本発明において、混合物は、金属鉄、酸化鉄及び不可避的不純物からなる鉄粉と、有機酸と、を含有する。水中での鉄イオンの溶解を促進する為にさらに炭素を含んでもよい。なお、不可避不純物とは、鉄粉などの金属製品において、原料中に存在したり、製造工程において不可避的に混入するもので、本来は不要なものであるが、微量であり、金属製品の特性に影響を及ぼさないため、許容されている不純物であって、例えば酸素、炭素などである。
【0025】
本発明において、海洋緑化用とは、缶詰中の混合物に含まれる金属鉄および酸化鉄から鉄イオンを水中に供給するために用いられることを意味する。したがって、混合物の成分を限定するものではない。
【0026】
本発明の金属鉄は、特に限定されるものではないが、粉末状または粒子が好ましい。
本発明の金属鉄の含有量は、鉄粉の含有量の合計を100重量%とした場合、10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、90重量%以下が好ましい。下限値以上とすることにより、安定して長期に鉄イオンを供給でき、また上限値以下とすることにより、藻の再生と水質改善のバランスが良好となる。また、金属鉄と酸化鉄の平均粒径100μm以下を、50重量%以上含有することが好ましい。
【0027】
本発明の酸化鉄は、特に限定されるものではないが、粉末状または粒子が好ましい。本発明の酸化鉄は、完全に酸化されたものに限られず、一部に未酸化の部分を有していてもよい。また、酸化鉄としては、金属鉄の表面が酸化されたもの、または金属鉄の表面近傍に酸化物が生成したものを用いることができる。これにより、金属鉄と酸化鉄が近接し、金属鉄側の局部アノード、酸化鉄側の局部カソードでの反応が促進される。また、鉄の粉体または粒子の表面が酸化され、酸化鉄で覆われたものであってもよい。なお、覆われるとは、連続的なものに限られず、非連続的であってもよい。
【0028】
本発明の酸化鉄としては、FeO(酸化鉄(II))、Fe(酸化鉄(II),(III))、Fe(酸化鉄(III))、またはFeOOH(オキシ水酸化鉄)のうちの1種または2種以上であることが好ましい。これにより、酸化鉄がカソードとなり金属鉄の溶出を促進できる。また、酸化鉄に接した有機酸が酸化鉄と反応又は還元し、二価の鉄イオンに還元することも可能で、これらの反応で生成された二価の鉄イオンが硫化水素を分解する。
【0029】
また、金属鉄と酸化鉄からなる鉄粉の平均粒径は、400μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。これにより比表面積が増大し、各々の反応が促進される。比表面積(S)と粒子径(d)との関係は、一般に次の式(1)で示される。
【0030】
S=6/(ρ・d) 式(1)
式(1)中、ρは密度で鉄の場合は約7.8g/cmであり、粒子径dは直径を示す。
【0031】
また、鉄粉としては、特に限定されず、例えば、電解鉄を粉砕したものあるいは電解鉄を溶出後、水アトマイズ法で生成した鉄粉、またはミルスケールを鉄源としコークスを還元剤として用いた還元鉄等、鉄粉メーカーで製造したあらゆる鉄粉が使用できる。また、使い捨てカイロの未使用のもの、又は有効期限が切れて販売不可能なカイロを磁選して使用することも可能である。
【0032】
本発明の有機酸としては、二価の鉄イオンとキレート(錯体)を作成するものが好ましい。鉄が溶出すると周辺がカソード反応によりpHが上昇するが、本発明の有機酸によれば、このpH上昇を抑制して、安定して鉄の溶出を促進できる。例えば、フルボ酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸などのカルボキシル基をもつ酸、またはL−アスコルビン酸、イソ−アスコルビン酸(エリソルビン酸)、没食子酸、タンニン、などのカルボニル基及びヒドロキシル基をもち還元作用を有する酸が挙げられる。このような有機酸の還元作用により、金属鉄の酸化が抑制でき、長期にわたって2価の鉄イオンを水中に供給できるようになる。
【0033】
また本発明の有機酸は、還元作用によって自らが酸化され有機酸となる還元性物質であってもよい。たとえば、グルコース、フルクトースが鎖状構造となっているカルボニル基を有する還元性物質が挙げられる。このグルコース等のカルボニル基の還元作用により、金属鉄の酸化が抑制でき、しかも、酸化されたカルボニル基が有機酸になり、二価の鉄イオンとキレートを作成し、長期に渡って水中に鉄イオンを供給できる。
【0034】
本発明の有機酸の含有量は、鉄粉の含有量の合計を100重量%とした場合、1重量%以上、3重量%以上がより好ましく、55重量%以下、40重量%以下がより好ましい。下限値以上とすることで、金属鉄および酸化鉄の酸化を抑制でき安定して鉄イオンの供給ができ、上限値以下とすることで、藻の成長と水質改善のバランスが良好となる。
【0035】
本発明の混合物は、炭素をさらに含んでもよい。これにより、鉄と炭素が接触して、鉄が局部アノード、炭素が局部カソードとして作用できる。そのため、水中への鉄イオンの溶出を促進できる。
【0036】
本発明の炭素としては、実用性の観点から、グラファイト、活性炭、天然炭または天然黒鉛等が好適に用いられる。また、本発明の炭素は、混合物中に均一に分散させるため、粉体または粒子が好ましい。粉体または粒子の平均粒径は、400μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。これにより、比表面積が増大し金属鉄および酸化鉄との接触が得られ、鉄イオンの供給が促進できる。
【0037】
本発明の炭素の含有量は、鉄粉の含有量の合計を100重量%とした場合、10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、80重量%以下が好ましい。下限値以上とすることで、藻の成長を促進でき、また上限値以下とすることにより、安定して鉄イオンを供給できる。
【0038】
本発明の混合物は、肥料をさらに含んでもよい。これにより、植物に栄養分を供給し、植物の育成をさらに促進できる。
【0039】
肥料としては、植物の育成に効果的なものであればよく、例えば、窒素質肥料、リン酸質肥料、カリ質肥料などの無機質肥料、菜種油粕、大豆油粕、魚粕、骨粉などの有機質肥料、ピートモス、イネワラ、フミン酸を含む腐植質資材、腐葉土、堆肥などの有機質資材、ゼオライト、パーライト、バーミュキュライトなどの無機質資材が挙げられる。これを1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0040】
窒素質肥料としては、硫安、塩化アンモニウム、尿素、石灰窒素、硝酸塩、油粕、家畜糞尿、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。これらのうち、pHが比較的低く、カルシウムと難溶性の塩を生成し易く、又は溶解速度が比較的遅いという観点から、硫安、尿素、家畜糞尿等が特に好適である。
【0041】
リン酸質肥料としては、リン酸、リン酸塩、アパタイト、下水汚泥焼却灰、骨粉、油粕、家畜糞尿及びこれらの任意の組み合わせを例示することができる。これらのうち、pHが比較的低く、溶解速度が比較的遅いアパタイト、骨粉、油粕等が好適である。
【0042】
カリ質肥料としては、カリガラス、酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム及びこれらの任意の組み合わせを例示することができる。これらのうち、pHが比較的低く、カルシウムと難溶性の塩を生成し易い炭酸カリウム、硫酸カリウム等が好適である。
【0043】
その他の肥料としては、ピートモス、フミン酸を含む腐植質資材、腐葉土、堆肥、ゼオライト、及びバーミュキュライト、並びにこれらの任意の組み合わせを例示することができる。上記のうち、軽量で、陽イオン交換容量が比較的大きいバーミュキュライト、ピートモス、腐植質資材、腐葉土等が好適である。
【0044】
本発明の肥料の含有量は、特に限定されず、本発明の海洋緑化用缶詰を使用する水質によって変更することができる。窒素分が低い領域では窒素肥料成分のみ又は窒素肥料成分を多く含んだ肥料を缶詰に混入させる。また、リンが低い領域ではリン酸肥料成分のみ又はリン酸肥料成分を多く含んだ肥料を缶詰に混入させる。また、カリ質の低い領域では、カリ質肥料成分のみ又はカリ質成分を多く含んだ肥料を混入させ、鉄イオンと一緒に肥料成分の足らない肥料を同時に供給できる範囲のものを適宜選択できる。
【0045】
なお、特許文献1では、鉄以外の元素としては不活性な炭素しか存在せず、植物が必要な栄養素は含まれておらず、鉄だけが貧栄養化した海域には有効であるが、その他の栄養素も足らない海域では効果が無いのに対し、本発明の混合物は肥料を含むことによって、さらに植物の生育を促進して海洋緑化を推進できる。
【0046】
その他、本発明の効果を逸脱しない範囲において、バインダー材料やその他の物質を添加してもよい。
【0047】
本発明における混合物は、成型されて本体部に収容されていてもよく、また流動性のある状態で本体部に収容されていてもよい。
【0048】
本発明の海洋緑化用缶詰による効果について説明する。
本発明の海洋緑化用缶詰は、金属鉄と酸化鉄からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物を密封して保存し、海洋に沈設する際に蓋体部を開封してから、混合物を本体部とともに沈設するものである。この混合物は、金属鉄と酸化鉄とが接触することにより、電子の移動が生じ、金属鉄が局部アノード、酸化鉄が局部カソードとして作用できるため、金属鉄の酸化反応が進行し、局部アノード側からの鉄の溶出が促進できるものである。また、溶出した鉄イオンは、混合物中の有機酸とキレート反応するため、安定して二価の鉄イオンの状態が維持される。そして、鉄の溶出を抑制する水酸化鉄が形成されにくくなるため、混合物から二価の鉄イオンを安定して供給できる。このように、本発明の海洋緑化用缶詰は、金属鉄と酸化鉄からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物の状態で沈設できるため、海洋植物の生育に有効に作用する二価の鉄イオンを安定して良好に水中に供給して、海洋緑化を実現するものである。
【0049】
[海洋緑化用缶詰の製造方法]
本発明の海洋緑化用缶詰の製造方法は、金属鉄と酸化鉄からなる鉄粉、及び有機酸を混合する工程と、混合された鉄粉、及び有機酸を海洋緑化用缶詰の本体部に収容する工程と、蓋体部を用いて本体部を密封する工程と、を含む。
【0050】
より詳細には、混合物は、上述した金属鉄と、酸化鉄と、有機酸と、水を混合して、加圧成型し、その後乾燥して余分な水分を除去することにより製造される。炭素と肥料をさらに添加してもよく、また同時に混合してもよい。混合方法は、特に限定されず、水の代わりに食塩水又は海水を使用してもよく、操作性、安全性、便宜性等を踏まえ、適宜調整できる。また、加圧圧力は、特に限定されず、混合物が所望の形状に定型できればよい。所望の形状に定型したのち、缶詰の本体部に収容し、蓋体部を用いて密封する。蓋体部の密封方法としては、例えば、蓋体部を本体部に巻き締める方法、開閉自在の蓋体部を閉める方法などが挙げられる。
【0051】
以下、本発明の海洋緑化用缶詰の一例について図1〜3を用いて説明する。
【0052】
図1を用いて、本発明の海洋緑化用缶詰の第一の例について説明する。
図1に示すように、缶詰1は、缶本体11と、缶本体11の上部に設けられた上部蓋12と、を備えている。缶本体11は、鋼板をドロー&アイアニング手法又はドロー&リドロー手法によって製造したつなぎ目無しで底部と一体となった円筒形容器であって、上部蓋12により缶詰1は完全に密封されている。
【0053】
缶詰1の上部蓋12は、上面に、スコア12a(切り溝)と、スコア12aに囲まれた切り離し部12cと、切り離し部12cと接続されたプルトップ12bが備えられている。
プルトップ12bを持ち上げて引っ張ることで、スコア12aに沿って切り離し部12cが切り離され、上部蓋12の略全面を開口できる。第一の例において、上部蓋12は、アルミニウム製のフルオープン蓋である。
【0054】
上部蓋12は、食用等の缶詰に使用されている蓋用の部材と同じものであり、それらを用いることで低コストとすることができる。
【0055】
缶詰1は、缶本体11に金属鉄、酸化鉄および有機酸を含む混合物を収容し、上部蓋12を巻き締めて密封することによって、得られる。
【0056】
缶詰1を使用する際は、上部蓋12を開封し、缶詰1ごと沈設して使用する。
【0057】
缶詰1の大きさは特に限定されるものでないが、運搬、保管等の観点から、飲料用の缶と略同一の大きさであることが望ましい。
【0058】
次に、図2を用いて、本発明の海洋緑化用缶詰の第二の例について説明する。
図2に示すように、缶詰2は、缶本体21と、缶本体21の上部に設けられた上部蓋22と、下部に設けられた底蓋23と、を備えている。
【0059】
缶本体21は、鋼板を溶接によって成型された溶接部24を側面に有する円筒形であって、上部に上部蓋22、下部に底蓋23を備えている。これにより、缶詰2は完全に密封されている。
【0060】
缶詰2の上部蓋22は、上面に、スコア22a(切り溝)と、スコア22aに囲まれた切り離し部22cと、切り離し部22cと接続されたプルトップ22bが備えられている。
プルトップ22bを持ち上げることで、スコア22aに沿って上部蓋22の一部を破断し、切り離し部22cを押し込むようにして上部蓋22の一部を開口できる。第二の例において、上部蓋12は、アルミニウム製のステイオンタブ缶蓋である。
【0061】
上部蓋22は、飲料用等の缶に使用されている蓋用の部材と同じものであり、それらを用いることで低コストの缶詰2を製造することができる。
【0062】
缶詰2は、缶本体21に上部蓋22を巻き締めた後に、金属鉄、酸化鉄および有機酸を含む混合物を収容し、底蓋23を巻き締めて密封することによって、得られる。缶詰の製造工程によっては上部蓋22と底蓋23を逆の順序で巻き締めても良い。
【0063】
缶詰2を使用する際は、上部蓋22の一部を開封し、缶詰2ごと沈設して使用する。
【0064】
缶詰2の大きさは特に限定されるものでないが、運搬、保管等の観点から飲料用の缶と略同一の大きさであることが望ましい。
【0065】
次に、図3を用いて、本発明の海洋緑化用缶詰の第三の例について説明する。
図3に示すように、缶詰3は、缶本体31と、缶本体31の上部に設けられた上部蓋32と、を備えている。
【0066】
缶本体31は、鋼板を溶接によって成型した溶接部34を側面に有する角筒形であって、上部に上部蓋32、下部に底蓋33を備えている。これにより、缶詰3は完全に密封されている。
なお、溶接部34は鋼板の巻き締めによって成型した巻き締め部であってもよい。
【0067】
缶詰3の上部蓋32の上面には、上部蓋32の一部を開口する為のすり合わせ部32aが設けられており、上部蓋32はキャップ32bにより開閉自在な構造となっている。
【0068】
上部蓋32は、お菓子用等の缶に使用されている蓋用の部材と同じものであり、それらを用いることで低コストの缶詰3を製造することができる。第三の例において、上部蓋32は錫めっきを施した鋼板の蓋で、中央に取り外し可能な鋼板製のキャップ32bから構成されている。
【0069】
缶詰3は、缶本体31に上部蓋32及び底蓋33を巻き締めた後に、金属鉄、酸化鉄および有機酸を含む混合物を収容し、キャップ32bを閉めて密封することによって、得られる。
【0070】
缶詰3を使用する際は、キャップ32bを取り外して上部蓋32を開封し、缶詰3ごと沈設して使用する。
【0071】
缶詰3の大きさは特に限定されるものでないが、運搬、保管等の観点からお菓子用の缶と略同一の大きさであることが望ましい。
【0072】
[海洋緑化用缶詰の使用方法]
本発明の海洋緑化用方法は、上記の海洋緑化用缶詰を用い、海洋緑化用缶詰の蓋体部を開封する工程と、開封された海洋緑化用缶詰を沈設する工程と、を含む。本発明において、沈設とは、水中に海洋緑化用缶詰を沈めることを意味する。海流、潮流、河川の流れ等によって移動しないよう水底に固定してもよい。また、水とは、海水であるか淡水であるかを問わないが、例えば、海、沿岸、干潟、河川、湖沼などがより好ましい。
【0073】
以下、本発明の海洋緑化用缶詰の使用方法について、詳細に説明する。
図4は、本発明の海洋緑化用缶詰の使用方法の第一の例を示す模式図である。図4に示すように、 金属鉄、酸化鉄および有機酸を含む混合物を収容した缶詰1は、上部蓋12を開封された後、岩場41に沈設されている。缶本体11の内部では、開封部から海水が浸入し、缶内部の混合物中の鉄が局部アノード、炭素および酸化鉄が局部カソードとなり、それぞれ下記式(2)、(3)に示すような反応が起きていると考えられる。
【0074】
Fe → Fe2++2e 式(2)
+2HO+4e → 4OH 式(3)
【0075】
ここで、缶内部の混合物に還元性の有機酸が存在しない場合は、溶出したFe2+イオンは式(3)のOHイオンと反応しFe(OH)となるが、暫くすると海水中のOによって酸化され三価の鉄イオンであるFe(OH)に酸化され内容物の周りに沈殿する。しかし、缶詰1のように混合物中に有機酸が存在する場合、特に還元性のある有機酸が存在する場合はFe2+イオンの状態で有機酸の−COOHとキレート結合し、二価の鉄イオンの状態で海水中を漂い、海藻42の成長に効果的に働く。
【0076】
また、缶詰1は薄錫めっき鋼板を使用し、ドロー&アイアニング手法で製缶しているので海水中に浸漬すると鋼板の両面で式(2)の反応が起き鉄イオンの供給に寄与する。一般に鉄は海水中では一年に約0.01mm溶解すると言われているので、板厚が約0.1mmである場合、5年間で缶は消失する計算となる。
【0077】
また、缶詰1をヘドロ等が存在する場所に沈設すると、缶詰1内部の混合物中の金属鉄は式(2)に従って、鉄イオンがアノード反応によって溶出する。カソード反応は海水のpHによって式(3)の反応が起こる場合と、式(4)の反応が起こる場合がある。
【0078】
2H+2e → H 式(4)
【0079】
ヘドロによって弱酸性の場合は、主に式(4)がカソード反応であり、金属鉄からは安定して二価の鉄イオンが供給されるため、二価の鉄イオンがヘドロに含まれる硫化物と反応して固定化でき、硫化物による悪臭の発生を抑制できる。本発明によるこのような反応は、以下の式(5)に示される。
【0080】
S+Fe2+ → FeS(固体)+2H 式(5)
【0081】
したがって、缶詰1の内容物である混合物は、金属鉄、酸化鉄、有機酸を一体に含むことにより、二価の鉄イオンを良好に供給して、海藻42の成長を促進し、硫化水素などの硫化物及び有機ハロゲン化合物などを無害化できる。またさらに、炭素を含むことにより、より鉄イオンの供給を促進できる。
【0082】
次に、本発明の海洋緑化用缶詰の使用方法において、ユニット方式で使用する場合について説明する。図5に示すように、海岸に消波ブロック51又は漁礁ブロックが設置されているが、この消波ブロック51又は漁礁ブロックの一部に缶詰1を埋め込みできる穴52を開け、その穴に本発明の缶詰1を埋め込んでもよい。この場合も、缶詰1より鉄イオンが流出し、消波ブロック51又は漁礁ブロックの表面に海藻42が成長しやすくなる。さらに、缶詰1の混合物中に肥料を含ませることにより、海藻42の成長を促進できる。
【0083】
なお、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
【実施例】
【0084】
以下、本発明について実施例を参照にして説明する。ただし、本発明はこれらの実施例の記載になんら限定されるものでない。
【0085】
(実施例1)
市販の金属鉄99%以上の還元鉄粉(平均粒径70〜80μm)65g、活性炭20gを混合し、その中に3.5%食塩水10gを添加し、10分間混ぜ合わせた。発熱したところでL−アスコルビン酸5gを添加し、さらに混ぜ合わせて混合物を得た後、ツナ3号DR缶(ドロー&リドロー缶)容器に移し、加圧し、211アルミのFOE(フルオープンエンド)蓋を巻き締め海洋緑化用缶詰を作成した。得られた海洋緑化用缶詰を用いて、下記の試験を行い、その結果を表1に示した。
【0086】
[藻の成長試験1]
トリムイオン製の浄水器で製造した浄水に市販の人工海水の素で製造した人工海水を、40リットルの水槽にはった。実施例1で得られた海洋緑化用缶詰を6ヶ月保管した後、海洋緑化用缶詰の蓋を開けてこの水槽に入れた。一日放置後、海洋緑化用缶詰を取り出し、テングサを20mmの長さに切って、3本づつ水槽の底に着床させ4週間後に成長の状態を観察し、評価した。下記の表記に従い、その評価結果を表1に示した。
◎:非常に良好な繁殖
○:良好な繁殖
△:僅かな繁殖
×:繁殖がほとんど認められない
【0087】
[藻の成長試験2]
藻の成長試験1の水槽から海洋緑化用缶詰を取り出した後、水槽の3リットルの液をビーカーにはり、アオサを5mm角の正方形に切って、ビーカーに入れ2週間後に成長測定を行い、評価した。下記の表記に従い、その評価結果を表1に示した。
◎:アオサの各片の成長が10倍以上
○:アオサの各片の成長が2倍から10倍未満
△:アオサの各辺の成長が2倍以下
×:アオサの成長がほとんど認められない
【0088】
[貯蔵後の鉄の酸化量試験]
海洋緑化用缶詰を6ヶ月保管した後、海洋緑化用缶詰より混合物を取り出した。この混合物を粉砕後、ガラスビード法により蛍光X線で全鉄分を分析した。また、金属鉄は臭化メタノールで溶解後、フレーム原子吸光法で分析した。全鉄分と金属鉄の差分を酸化した鉄分として求めた。これらの結果を表1に示す。
【0089】
(実施例2)
市販の金属鉄99%以上の還元鉄粉(平均粒径70〜80μm)65g、活性炭20gを混合し、その中に3.5%食塩水10gを添加し、10分間混ぜ合わせた。発熱したところでグルコース5gを添加し、さらに混ぜ合わせて混合物を得た後、ツナ3号DR缶(ドロー&リドロー缶)容器に移し、加圧し、211アルミのFOE(フルオープンエンド)蓋を巻き締め海洋緑化用缶詰を作成した。得られた海洋緑化用缶詰を用いて、実施例1と同じ試験を行い、その結果を表1に示した。
【0090】
(実施例3)
市販のホッカイロ150g(炭素成分約11%、添加材料を含む)に水10gを添加し、10分間混ぜ合わせた。発熱したところでL−アスコルビン酸10gを添加し、さらに混ぜ合わせて混合物を得た後、底蓋付きの平3号缶(溶接缶)容器に移し、加圧し、301アルミのFOE(フルオープンエンド)蓋を巻き締め海洋緑化用缶詰を作成した。得られた海洋緑化用缶詰を用いて、実施例1と同じ試験を行い、その結果を表1に示した。
【0091】
(実施例4)
市販のホッカイロ600g(炭素成分約11%、添加材料を含む)に水40gを添加し、10分間混ぜ合わせた。発熱したところでクエン酸20gをさらに添加し、混ぜ合わせて混合物を得た後、底蓋付きの菓子缶(溶接缶)容器に移し、加圧固化し、さらに市販の腐葉土200gに発酵魚かす40gを混ぜ菓子缶に入れた後、スチール蓋を閉め、海洋緑化用缶詰を作成した。得られた海洋緑化用缶詰を用いて、実施例1と同じ試験を行い、その結果を表1に示した。
【0092】
(比較例1)
市販の金属鉄99%以上の還元鉄粉(平均粒径70〜80μm)65g、活性炭20gを混合し、その中に3.5%食塩水10gを添加し、10分間混ぜ合わせた。発熱したところで加圧固化し、混合物の成形物を得た。海洋緑化用缶詰の代わりに得られた混合物の成形物を用い、海洋緑化用缶詰の蓋を開ける手順がない以外は、実施例1と同じ試験を行い、その結果を表1に示した。なお、混合物の成形物は、そのままの状態で6ヵ月保管したものを用いて、試験を行った。
【0093】
(比較例2)
市販の金属鉄99%以上の還元鉄粉(平均粒径70〜80μm)65g、活性炭20gを混合し、その中に3.5%食塩水10gを添加し、10分間混ぜ合わせた。発熱したところでクエン酸2gを添加し混ぜ合わせ加圧固化し、混合物の成形物を得た。海洋緑化用缶詰の代わりに得られた混合物の成形物を用い、海洋緑化用缶詰の蓋を開ける手順がない以外は、実施例1と同じ試験を行い、その結果を表1に示した。なお、混合物の成形物は、そのままの状態で6ヵ月保管したものを用いて、試験を行った。
【0094】
【表1】

【符号の説明】
【0095】
1 缶詰
2 缶詰
3 缶詰
11 缶本体
12 上部蓋
12a スコア
12b プルトップ
12c 切り離し部
21 缶本体
22 上部蓋
22a スコア
22b プルトップ
22c 切り離し部
23 底蓋
24 溶接部
31 缶本体
32 上部蓋
32a すり合わせ部
32b キャップ
33 底蓋
34 溶接部
41 岩場
42 海藻
51 消波ブロック
52 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属鉄、酸化鉄及び不可避的不純物からなる鉄粉、及び有機酸を含む混合物を収容している本体部と、
前記本体部を密封し、開封可能に設けられた蓋体部と、を備えることを特徴とする海洋緑化用缶詰。
【請求項2】
前記混合物は、さらに炭素を含むことを特徴とする請求項1に記載の海洋緑化用缶詰。
【請求項3】
前記本体部は、鋼板を用いて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の海洋緑化用缶詰。
【請求項4】
前記本体部を構成する板厚は、0.08mm以上0.32mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の海洋緑化用缶詰。
【請求項5】
前記鉄粉の含有量を100重量%としたとき、前記有機酸の含有量は1重量%以上55重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の海洋緑化用缶詰。
【請求項6】
前記鉄粉の含有量を100重量%としたとき、前記炭素の含有量は10重量%以上80重量%以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の海洋緑化用缶詰。
【請求項7】
前記混合物は、さらに肥料を含むことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の海洋緑化用缶詰。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかに一項に記載の海洋緑化用缶詰を用いた海洋緑化用缶詰の使用方法であって、
前記海洋緑化用缶詰の前記蓋体部を開封する工程と、
開封された前記海洋緑化用缶詰を沈設する工程と、
を含むことを特徴とする海洋緑化用缶詰の使用方法。
【請求項9】
金属鉄、酸化鉄及び不可避的不純物からなる鉄粉、及び有機酸を混合する工程と、
混合された前記鉄粉、及び前記有機酸を海洋緑化用缶詰の本体部に収容する工程と、
蓋体部を用いて前記本体部を密封する工程と、
を含むことを特徴とする海洋緑化用缶詰の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−34661(P2012−34661A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180005(P2010−180005)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(391029392)中川特殊鋼株式会社 (9)
【Fターム(参考)】