説明

海藻のモル浸透圧培養方法

【課題】本発明は、海藻のモル浸透圧培養方法を提供する。
【解決手段】まず、海藻(例えば、野生アオサ)を採集し、人工方法により、異なるモル浸透圧(塩度)で刺激して、浮遊性の生殖細胞を釈放させ、そして、生殖細胞を付着させて、安定化でありながら量産化できる人工培養の目的が得られ、これにより、藻類の生産に有利し、バイオマスエネルギー材のソースとして大量に提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海藻のモル浸透圧培養方法に関し、特に、野生大型海藻が釈放した浮遊性生殖細胞を固定化して量産化する方法により、人工培養の目的を実現できる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーは、我々の日常生活において、不可欠のものであり、例えば、食物や衣服、住居、交通、教育及び娯楽は、エネルギーと深い関係を持つ。工業や商業の繁栄と物質文明の高度発展に伴って、人類は、巨大のエネルギーと環境のプレッシャーに面する。
【0003】
既存のエネルギーの大部分は、石炭や石油及び天然ガス等の化石燃料であるが、化石燃料の蓄蔵量が一定であり、インキュベーションが非常に長いから、燃料の生成速度が遅いが、使用速度が速くて、化石エネルギーの無くなることを更に加速する。大量に化石燃料を使用すると、容易に温暖化ガスを生成することにより、酸性雨が発生し、また、地球温暖化等の問題が派生し、そして、自然資源が枯渇になることも無視してはできない状態である。米エネルギー部エネルギー情報局によれば、各初級エネルギーにおいて、石油が40年で、天然ガスが60年で、石炭が200年で、原子エネルギーであるウラニウムが、70年で、枯渇になる。一般の百姓は、省エネルギーの意識が薄いため、使用慣習の修正や省エネルギーの啓蒙が重要視され、一方、積極的に代替エネルギーと再生エネルギーを発展するのも、至急の課題である。
【0004】
台湾において、化石エネルギーが欠如し、また、原子力電源の発展空間が制限される。膨大の民生や産業エネルギーを提供するために、再生エネルギーの開発や研究が重要視されている。例えば、太陽エネルギーや地熱、風力及び潮汐等の再生や代替性エネルギーの研究は、既に積極的に着手するが、客観の環境条件が不足で、開発コストが高い状態であるため、バイオマスエネルギーの研究や利用は、先見的の思考方向である。地球の生物資源が非常に豊富で、推定によれば、地球において、年に、光合成による生物質が、約1,725億トンである。再生できるエネルギー資源として、これらの生物質が有するエネルギーは、世界エネルギー総消費量の10〜20倍であるが、現在において、僅か、1%〜3%の極めに低い利用率である。そのため、当該生物質エネルギーについて、エネルギー変換技術を開発して、化石エネルギーを代替するものとするのが、最も良い方法である。また、海藻は、バイオマスエネルギー材の一つであり、化石エネルギーを代替するバイオマスエネルギーとする場合、海藻の生産量を維持することが必要であり、現在において、大型の藻類は、野生が多く、その生長地点が海岸で、磯などに固着し、その品質や生産量は、天候や地域によって制限され、そのため、安定化でありながら量産化できる、海澡を人工培養する方法が必要とし、これにより、大量に高品質の藻類を提供でき、そして、新規のエネルギーを開発することに有利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、海藻を人工培養することであり、異なるモル浸透圧(塩度)で刺激して、浮遊性の生殖細胞を釈放させ、そして、生殖細胞を付着させて、安定化でありながら量産化できる人工培養の目的が得られ、これにより、藻類の生産に有利し、バイオマスエネルギー材のソースとして大量に提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、少なくとも、a、海藻培養液を用意するステップと、b、海藻付着器を有する培養皿に、滅菌してから、海藻培養液を入れ込むステップと、c、海藻を採集して、海水を有する容器に入れ込むステップと、d、モル浸透圧(塩度)で、海藻が、刺激されて、生殖細胞を釈放し、当該生殖細胞を海藻付着器を有する培養皿内に入れ込み、また、当該培養皿を植物培養器に入れ込んで、生殖細胞を海藻付着器に付着させるステップと、e、生殖細胞が海藻幼生に萌芽すると、海藻幼生を、海藻培養液を有する三角フラスコに入れ込むステップと、が含有される、海藻のモル浸透圧培養方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の流れ概念図である。図のように、本発明は、海藻のモル浸透圧培養方法で、少なくとも、ステップa:滅菌済みの海水で、海水塩度が3.5%で、1リットルの海水に1mlの飽和酸化ゲルマニウム水溶液が添加される海藻培養液を用意するステップと、ステップb:ステンレスフレームと、当該ステンレスフレーム上に巻き取られる綿ロープとからなる海藻付着器を有する培養皿に、高圧蒸気殺菌法で滅菌してから、約180ml乃至220mlの海藻培養液を入れ込むステップと、ステップc:海藻を採集して、海水を有する容器に入れ込むステップと、ステップd:海藻が、モル浸透圧(塩度)により刺激されて生殖細胞を釈放し、当該生殖細胞を海藻付着器を有する培養皿内に入れ込んで、また、当該培養皿を植物培養器に入れ込み、生殖細胞が海藻付着器に付着し、その中、当該海藻が、異なるモル浸透圧を受けてから暗いところに1日放置され、最後に、1乃至2時間光照射されて生殖細胞を生成し、当該生殖細胞が、当該容器の海水表面を浮き、ドロッパで生殖細胞を吸い取って、当該海藻付着器を有する培養皿に入れ込み、また、培養皿全体を当該植物培養器に入れ込んで、当該植物培養器の温度が20乃至30度の間で、光度が145乃至155μEm-2s-1の間で、光周期が12/12時間(光/暗)である培養条件で、生殖細胞が海藻付着器に付着するステップと、ステップe:生殖細胞が海藻幼生に萌芽すると、海藻幼生を、40mlの海藻培養液を含有する遠心管に入れ込み、その中、当該生殖細胞が、海藻付着器の綿ロープ上に付着して、長さが1乃至1.5mmの海藻幼生に萌芽すると、長さが5乃至7センチメートルの海藻幼生が付着した綿ロープを取り出して40mlの海藻培養液が含有される三角フラスコに入れ込むステップと、が含有される。
【0008】
上記の方法によれば、異なるモル浸透圧により、海藻は、刺激されると、浮遊性の生殖細胞が釈放され、そして、生殖細胞が付着することにより、安定化且つ量産化の人工培養の目的が実現される。
【0009】
以下、実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0010】
海藻がアオサである実施例
本実施例の海藻は、アオサであり、少なくとも、ステップa:滅菌済みの海水で、海水塩度が3.5%で、1リットルの海水に1mlの飽和酸化ゲルマニウム水溶液が添加される海藻培養液を用意するステップと、ステップb:7x7センチメートルのステンレスフレームと、当該ステンレスフレーム上に巻き取られる直径1mmの綿ロープとからなる海藻付着器を有する培養皿に、高圧蒸気殺菌法で滅菌してから、約200mlの海藻培養液を入れ込むステップと、ステップc:アオサを採集して、、、其中、採集したアオサを、濾過した海水で洗浄し、また、他の海藻や付着物を除去し、淡水で洗い、そして、清潔な海水で複数回洗うことにより、潮間帯の「退潮」と「雨降り」の環境を模擬し(モル浸透圧刺激法)、そして、アオサを、海水を含有する濡れペーパータオルで包み、涼しい且つ暗いところに1時間放置した後、清潔な海水に一晩放置してから、海水を有する容器に入れ込むステップと、ステップd:アオサが、モル浸透圧により刺激されて生殖細胞を釈放し、当該生殖細胞を海藻付着器を有する培養皿内に入れ込んで、また、当該培養皿を植物培養器に入れ込み、生殖細胞が海藻付着器に付着し、その中、当該アオサが、1乃至2時間光照射されて生殖細胞を生成し、当該生殖細胞が、当該容器の海水表面を浮き、ドロッパで生殖細胞を吸い取って、当該海藻付着器を有する培養皿に入れ込み、また、培養皿全体を当該植物培養器に入れ込んで、当該植物培養器の温度が24度で、光度が150μEm-2s-1で、光周期が12/12時間(光/暗)である培養条件で、生殖細胞が海藻付着器に付着するステップと、ステップe:生殖細胞がアオサ幼生に萌芽すると、アオサ幼生を、40mlの海藻培養液を含有する三角フラスコに入れ込み、その中、当該生殖細胞が、海藻付着器の綿ロープ上に付着して、長さが1乃至1.5mmのアオサ幼生に萌芽すると、長さが約6センチメートルのアオサ幼生が付着した綿ロープを取り出して40mlの海藻培養液が含有される三角フラスコに入れ込むステップと、が含有される。
【0011】
上記のように、本発明に係わる海藻のモル浸透圧培養方法は、有効に、従来の様々の欠点を改善でき、異なるモル浸透圧で海藻を刺激して浮遊性の生殖細胞が釈放され、そして、生殖細胞が付着することにより、安定化且つ量産化の人工培養の目的が実現され、そのため、本発明がより進歩的且つ実用的であるから、法に従って、特許請求を出願する。
【0012】
以上は、ただ、本発明のよりよい実施例であり、本発明は、それによって制限されず、本発明に係わる特許請求や明細書に従って行う等価の変更や修正は、全てが、本発明に係わる特許請求の範圍内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の流れ図
【符号の説明】
【0014】
ステップ:a〜e

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
a、海藻培養液を用意するステップと、
b、海藻付着器を有する培養皿に、滅菌してから、海藻培養液を入れ込むステップと、
c、海藻を採集して、海水を有する容器に入れ込むステップと、
d、モル浸透圧(塩度)で、海藻が、刺激されて、生殖細胞を釈放し、当該生殖細胞を、海藻付着器を有する培養皿内に入れ込み、また、当該培養皿を植物培養器に入れ込んで、生殖細胞を海藻付着器に付着させるステップと、
e、生殖細胞が海藻幼生に萌芽すると、海藻幼生を、海藻培養液を有する三角フラスコに入れ込むステップと、
が含有される、
ことを特徴とする海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項2】
当該海藻は、アオサであることを特徴とする請求項1に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項3】
当該海藻培養液は、滅菌済みの海水で、海水塩度が3.5%で、1リットルの海水に1mlの飽和酸化ゲルマニウム水溶液が添加されることを特徴とする請求項1に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項4】
当該海藻付着器は、ステンレスフレームと、当該ステンレスフレーム上に巻き取られる綿ロープとからなることを特徴とする請求項1に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項5】
当該ステップbにおいて、滅菌方式は、高圧蒸気殺菌法であることを特徴とする請求項1に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項6】
当該ステップdにおいて、海藻は、光照射により生殖細胞を生成し、当該生殖細胞が当該容器の海水表面を浮くことを特徴とする請求項1に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項7】
当該ステップdにおいて、植物培養器の培養条件は、温度が20乃至30度の間で、光度が145乃至155μEm-2s-1の間で、光周期が12/12時間(光/暗)であることを特徴とする請求項1に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項8】
当該三角フラスコの容量は、50mlで、40mlの海藻培養液が収納されることを特徴とする請求項1に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。
【請求項9】
当該光照射時間は、1乃至2時間であることを特徴とする請求項7に記載の海藻のモル浸透圧培養方法。

【図1】
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