消化系におけるバイパス処置を行うための装置および方法
【課題】消化器系においてバイパス処置を行うための外科用器具および方法は、腹腔鏡技術を組込んで、患者に対する外科的外傷を最小化する。
【解決手段】この器具は、患者の食道を通して挿入および通過させるための大きさで、近位端および遠位端を有し、且つ外側ガイド部材の長さの少なくとも一部に沿ってその中で伸びる開口を構成する外側ガイド部材と、この外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置された細長いアンビル供給部材であって、ガイド部材内において、長手方向移動のために適合されたアンビル供給部材と、供給部材と動作的に係合可能なアンビルとを含む。このアンビルは、アンビルロッドおよびアンビルヘッドを含む。該アンビルヘッドは、前記供給部材の初期位置にあるときには外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、また前記供給部材が駆動位置へ移動するときには、外側ガイド部材の遠位端から完全に露出される。
【解決手段】この器具は、患者の食道を通して挿入および通過させるための大きさで、近位端および遠位端を有し、且つ外側ガイド部材の長さの少なくとも一部に沿ってその中で伸びる開口を構成する外側ガイド部材と、この外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置された細長いアンビル供給部材であって、ガイド部材内において、長手方向移動のために適合されたアンビル供給部材と、供給部材と動作的に係合可能なアンビルとを含む。このアンビルは、アンビルロッドおよびアンビルヘッドを含む。該アンビルヘッドは、前記供給部材の初期位置にあるときには外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、また前記供給部材が駆動位置へ移動するときには、外側ガイド部材の遠位端から完全に露出される。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1.開示の分野
本開示は、一般には肥満を治療するための装置および方法に関し、特に、消化系において腹腔鏡バイパス処置を行うための装置および方法に関する。
【0002】
2.関連技術の説明
病的な肥満は人口の3%〜5%に影響している。重篤な肥満は、早死、心疾患、発作、糖尿病、癌、肺疾患、整形外科的合併症および事故のリスクが非常に高い状態にある。また、肥満は、社会、職場等において差別を受ける。
【0003】
病的な肥満を治療するための幾つかの方法には、ダイエット、ピル、および他の減量計画が含まれる。また、胃の中に挿入するための機械的装置、例えば少なくとも部分的に胃を占有する胃内バルーンも利用されている。しかし、これらのアプローチは一般的に、限定された期間に限ってのみ有効である。加えて、このようなアプローチに参加した人々の95%は、彼等の元の体重を回復し、多くの場合には更なる体重増を生じる。
【0004】
長期に亘って有効であることが証明された肥満の治療方法には、より少量の消費された食物が身体に吸収されるように、一度に消費される食物の量を制限し且つ消化プロセスを変化させるための外科的手術が含まれる。これらの方法は、一纏めに肥満手術として知られており、胃形成術、胃バンディング、および胃バイパスが含まれる。
【0005】
胃形成術は、ステープルで留めることにより胃を二つのポーチ領域、例えば上部ポーチおよび下部ポーチに分離することを含んでいる。次いで、ステープル列を通して小さい開口部または小孔が形成される。従って、消費された食物は上部ポーチの中に集められ、前記小孔を通して低下した速度で下部ポーチの中に通過することによって、個人に満腹感を与え、食物摂取の量を制限する。この処置の欠点には、上部ポーチおよび小孔の拡張が含まれ、これによって該処置の長期の有効性が最小化される。
【0006】
垂直方向にバンドを施す胃形成術(VBG)においては、垂直列のステープルを適用することによって、胃の内部に上部胃ポーチが形成される。上部ポーチから胃の残りの部分に伸びる出口の拡張を防止するために、ステープル線に隣接した胃の回りにバンド(例えばMerleyメッシュ)が適用される。しかし、垂直方向にバンドを施す胃形成術(VBG)は、困難な術後治癒、並びに創傷感染、肺塞栓、胃穿孔、胆石等のような合併症を含む一定の欠点を有する。
【0007】
胃バイパスは、腸の再配置の要素を小さい胃のポーチと組み合わせる。より詳細には、この処置では、胃が上部ポーチと下部ポーチに分割される。消費された食物を受け入れる上部ポーチは容積が大きく減少され、小腸に直接接合される。しかし、従来の胃バイパス技術は侵襲的手術アプローチを含み、これは患者の回復および寝ていなければならない期間に有害な影響を有する。
【0008】
近年、患者に対する外傷を低下し、回復時間を最小限にする最小侵襲外科技術が開発されている。このような最小侵襲処置には、内視鏡検査、腹腔鏡検査、結腸内視鏡検査等が含まれ、典型的には、切開部から遠く離れた器官、組織および血管に対して手術を行うための細長く狭い器具を必要とする。腹腔鏡処置は小さい切開を通して、例えば、小さいな入口切開を通して腹腔の中に挿入された、管またはカニューレを通して腹部の内部で行われる。しかし、今日まで、消化系におけるバイパス処置のための満足な腹腔鏡的アプローチおよび器具は開発されていない。
【発明の概要】
【0009】
従って、本開示は、患者に対する外科的外傷を最小化するために、腹腔鏡を組み込んだ、消化系におけるバイパス処置を行うための外科用器具および方法に向けられている。一つの好ましい実施例において、胃形成処置の実行を容易にするための装置は、患者の食道を通して挿入および通過させるために採寸された外側ガイド部材であって、該外側ガイド部材の長さの少なくとも一部に沿って伸びる開口をその中に構成している外側ガイド部材と、少なくとも部分的に前記外側ガイド部材の開口内に配置され、且つ前記外側ガイド部材内において初期位置と駆動位置との間で長手方向に移動するために適合された細長いアンビル供給部材と、該供給部材に動作的に係合可能なアンビルとを含んでいる。アンビルは、長手軸を構成するアンビルロッドおよび該アンビルロッドに結合されたアンビルヘッドを含む。アンビルヘッドは、前記供給部材の初期位置にあるときには前記外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、また前記供給部材が前記駆動位置へ移動するときには、前記外側ガイド部材の遠位端から完全に露出される。
【0010】
前記アンビルヘッドは前記アンビルロッドに旋回自在に装着され、非動作位置と動作位置との間で移動可能である。前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置され且つ前記アンビルヘッドに動作可能に結合された旋回部材が、その第一および第二の位置の間で移動して、それぞれ非動作位置と動作位置との間での前記アンビルヘッドの対応する移動を生じさせる。この旋回部材は、通常はその前記第二の位置へと付勢される。旋回部材を前記第一の位置に解除可能にロックするための手段が旋回されてもよい。好ましくは、旋回部材を前記第一の動作位置に解除可能にロックするために、旋回部材は、前記供給装置および外側ガイド部材の一方の対応するロック表面と係合可能なロック表面を含んでいる。好ましくは、前記旋回部材は手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回素子のロック表面を構成する。旋回部材は、外科医によって把持されるように、挿入部材を超えて近位方向に伸びるような寸法である。
【0011】
或いは、前記アンビルは前記供給部材に旋回可能に装着されてもよい。前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置された細長い旋回部材は、前記アンビルに動作可能に結合され、また旋回運動範囲に亘って前記アンビルの対応する旋回運動を生じさせるように移動可能である。
【0012】
また、消化器系においてバイパス処置を行うための方法も開示される。この方法は、患者の食道を通して第一の消化系組織部分の中にアンビルを導入する工程と、吻合器具を、前記第一の消化系組織部分から変位して配置された第二の消化系組織部分の中に挿入する工程と、近位位置からアンビルを操作して、前記アンビルを前記吻合器具に対して望ましい向きに配置する工程と、前記アンビルを前記吻合器具に連結する工程と;前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化系組織部分を接合する工程とを含む。
【0013】
別の態様において、消化系においてバイパス処置を行うための方法は、患者の胃の上部胃部分を分離する工程と、腸を切断して、胃から分離された腸部分を構成する工程と、前記腸部分および前記胃の上方部分を接合する工程とを含む。前記接合する工程は、好ましくは末端/末端吻合器具を用いて行われる。この方法は更に、前記吻合器具と共に使用するために適合されたアンビルを、食道を通して前記胃の上方部分の中に導入し、また末端/末端吻合器具を前記腸部分の中に挿入する工程を含んでいてもよい。前記アンビルおよび末端/末端吻合器具が連結され、前記末端/末端吻合器具が発射されて、前記腸部分および前記胃の上方部分が接合される。
【0014】
前記分離する工程は、線型ステープル留め器具を前記胃の回りに配置し、該線型ステープル留め器具を発射して、前記胃の上方部分を前記胃の残部に関して分離することを含んでもよい。同様に、前記切断する工程は、前記小腸の回りに線型ステープル留め器具を配置し、該線型ステープル留め器具を発射することを含む。前記線型ステープル留め器具はこれに付随するナイフ刃を有してもよく、また発射するときには前記ナイフ刃を駆動し、前記腸を切断して前記腸部分を構成する。
【0015】
別の態様において、消化系においてバイパス処置を行うための方法は、消化系の消化組織部分にアクセスする工程と、食道を通して第一の消化組織部分の中にアンビルを前進させる工程と、吻合器具を第二の消化組織部分の中に挿入する工程と、前記アンビルを前記吻合器具に結合し、前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化組織部分を接合する工程と、前記アンビルを前記吻合器具から分離する工程と、前記アンビルを前記食道を通して引抜く工程とを含む。
当該方法は、更に、前記アンビルの前記吻合器具への結合を容易にするために、身体の外側の近位位置から前記アンビルを操作する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示の原理に従った、胃バイパス処置の実施を容易にするための装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の装置の部品を分離して示す斜視図であり、当該装置の挿入部材およびアンビル供給部材を図示している。
【図3】図3は、部品を分離して示すアンビル供給部材の斜視図である。
【図4】図4は、当該装置の側断面図である。
【図5】図5は、胃バイパス処置を行うために利用される末端/末端吻合の斜視図である。
【図6】図6は、胃バイパス処置を行うために利用される内視鏡ステープ留め器具の斜視図である。
【図7】図7は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図8】図8は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図9】図9は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図10】図10は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図11】図11は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図12】図12は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図13】図13は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図14】図14は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図15】図15は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図16】図16は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図17】図17は、本開示に従って行われるべき別のバイパス処置に関連するステープル線および切除線と共に、消化系の一部を示す図である。
【図18】図18は、図1の装置の別の実施例を示す斜視図である。
【図19】図19は、駆動位置にある図18の装置の斜視図である。
【図20】図20は、図1のもう一つの別の実施例を示す斜視図である。
【図21】図21は、図20の装置における先端部の斜視図であり、非動作位置にあるアンビルを図示している。
【図22】図22は、図20の装置における先端部の斜視図であり、動作位置にあるアンビルを図示している。
【図23】図23は、図1の装置の別の実施例の側面図である。
【図24】図24は、図23の装置の軸方向の端面図である。
【図25】図25は、当該装置の側断面図である。
【図26】図26は、当該装置の先端部の側面図であり、非動作位置にあるアンビルを図示している。
【図27】図27は、図26に類似した図であり、動作位置にあるアンビルを図示している。
【図28】図28は、当該装置の先端部の側断面図である。
【図29】図29は、本開示の装置の別の実施例の斜視図であり、カテーテルガイド、供給装置、および装着されたアンビルアセンブリーを示している。
【図30】図30は、カテーテルガイドおよび供給装置に装着されたアンビルアセンブリーの拡大斜視図である。
【図31】図31は、アンビルアセンブリーの縫合糸ユニットのカテーテルガイドへの結合を示す斜視図である。
【図32A】図32Aは、アンビルアセンブリーのアンビルロッドの断面図である。
【図32B】図32Bは、アンビルアセンブリーのアンビルロッドの側面図である。
【図33A】図33Aは、アンビルアダプターの側面図である。
【図33B】図33Bは、アンビルアダプターの断面図である。
【図34】図34は、アンビルアダプターへのアンビルロッドの装着を示す斜視図である。
【図35】図35は、アンビルアセンブリーおよび装着されたアンビルアダプターの断面図である。
【図36】図36は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図37】図37は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図38】図38は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図39】図39は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図40】図40は、本開示のもう一つの別の実施例を示す斜視図であり、供給装置および装着されたアンビルアセンブリーを示している。
【図41】図41は、図40の部品を分解して示す斜視図である。
【図42】図42は、初期位置にある当該装置の側断面図である。
【図43】図43は、図42の図と同様の図であり、アンビルヘッドの旋回位置に対応して駆動された旋回機構を示している。
【図44】図44は、図42の図と同様の図であり、吻合器具からアンビルを解除するように駆動された解除機構を示している。
【図45】図45は、アンビルアセンブリーに取付け可能な光ガイドの斜視図である。
【図46】図46は、アンビルアセンブリーに取付け可能な光ガイドの斜視図である。
【図47】図47は、光ガイドの部品を分解して示す斜視図である。
【図48】図48は、光ガイドの側断面図である。
【図49】図49は、アンビルアセンブリーに装着した状態で示すアンビルアダプターの斜視図である。
【図50】図50は、図49の50−50線に沿った、アンビルアダプターの断面図である。
【図51】図51は、アンビルアダプターのプランジャーと顎機構との関係を示す拡大隔離図である。
【図52】図52は、アンビルアセンブリーからアンビルアダプターを解除するための解除機構の駆動を示す、アンビルアダプターの断面図である。
【図53】図53は、アンビルアセンブリーからアンビルアダプターを解除するための解除機構の駆動を示す、アンビルアダプターの断面図である。
【図54】図54は、アンビルロッドを把持するのに適した把持器具の顎アセンブリーを示す拡大斜視図である。
【図55】図55は、アンビルロッドを把持するのに適した把持器具の顎アセンブリーを示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の好ましい実施例を、図面を参照して説明する。
ここに開示される方法および器具の好ましい実施例を、消化系のバイパス処置および該処置を実施するために利用される器具に関して述べる。特に腹腔鏡アプローチに関連して説明するが、本開示は従来の開放アプローチにも同様に適用され得ることが想定される。
【0018】
以下の論考には、消化系バイパス処置の実施に利用される各器具の説明と、これに続き、本開示に従ってこの器具を利用する好ましいバイパス方法の説明が含まれる。
以下の議論においては、伝統的な用法と同様、「近位」の語はオペレータに近い構造部分を意味する一方、「遠位」の語はオペレータから遠くにある部分を意味する。
【0019】
次に、図1〜図4を参照すると、本開示の原理に従って、腹腔境消化器バイパス処置を実行する装置の一つの好ましい実施例が示されている。装置10は、一般に二つの部品、即ち、外側ガイド部材12と、該外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置されるアンビル供給部材14とを含んでいる。ガイド部材12は可撓性材料でできており、アンビル供給部材14の展開の際に、必要に応じて屈曲または撓むことができるようになっている。好ましい実施例において、ガイド部材12はエラストマー材料からなっている。図4に最も良く描かれているように、ガイド部材12は、アンビル供給部材14の少なくとも一部を収容するための内部開口または内部キャビティー16を含んでいる。ガイド部材12は長手方向軸線「a」を構成しており、近位端部18、遠位端部20、並びに近位端部および遠位端部18,20の間に配置された中間部分22を有している。中間部分22は、近位端部18および遠位端部20の夫々の内部寸法18a,20aの何れよりも大きい内部寸法22aを構成している。また、中間部分22は、その中に構成された内部溝24を含んでいる(図4)。好ましくは、ガイド部材12の近位端部および遠位端部18,20は、図示のように、中間部分22に対して直線的な関係で徐々にテーパしている。ガイド部材12の遠位端部20は更に、軸開口部26を構成している。スリット28はガイド部材12を外側に拡開して、開口部26の有効サイズを大きくすることを可能にする。
【0020】
特に図2〜図4を参照すると、アンビル供給部材14は細長い支持部材30と、該支持部材30の遠位端に支持されるアンビル32を含んでいる。支持部材30は、細長部材34、ピン38によって細長部材34に装着される旋回ブロック支持体36、ピン42によって旋回ブロック支持体36に結合される旋回ブロック40を含んでいる。ここでは幾つかの部品として示されているが、支持部材30は一体のユニットとして製造してもよいことが理解される。細長部材34は、患者の胃から食道を通って伸び、口腔から出て外科医に把持されるように、好ましくは充分な長さで且つ比較的可撓性である。
【0021】
アンビル32は、以下で述べるように、円形吻合器具または末端/末端吻合器具と共に使用されるものである。アンビル32は、アンビルヘッド44と、該アンビルヘッド44から伸びるアンビルロッド46とを含んでいる。一般に、アンビルヘッド44は複数の凹部を含んでおり、これらは円形吻合器具から射出されたステープルを整形および閉じるように適合される。アンビルロッド46は、円形吻合器具の対応する装着構造に係合して、アンビル32を当該器具に装着する。アンビル32は更に旋回ヘッド48を含んでおり、該ヘッドは、ピン50を介して旋回ブロック40に旋回自在に結合され、アンビル32が、少なくとも予め定められた範囲の旋回運動を通して旋回するのを可能にする。好ましい実施例において、アンビル32は、長手軸に対して90°の範囲で一方向に旋回可能であり、その移動範囲は、旋回ヘッド48の棚52および旋回ブロック40の係合によって制限される(図4参照)。本開示の目的に適した一つのアンビルは、本願と共に共通人に譲渡されたGreen等の米国特許第5,718,360号に開示されており、その内容は本明細書の一部として本願に援用される。
【0022】
図3〜図4に最も良く描かれているように、アンビル供給部材14は更に旋回ロッド54を含んでおり、該ロッドはガイド部材12を通って伸び、図示のようにアンビルのアンビルヘッド44に係合する。好ましい構成において、旋回ロッド54はフック位置56を含んでおり、これはアンビルヘッド44内に配置された対応する大きさの収容溝58に係合する。アンビルヘッド44および旋回ロッド54を結合するための他の手段もまた、同様に想定される。旋回ロッド54は、外科医が操作するために、胃から食道を通って延出するのに充分な長さである。旋回ロッド54は、アンビル32を所望の向きで選択的に旋回させるように、取り付けられた位置と延長位置との間で長手方向に移動可能である。
【0023】
ガイド部材12内でのアンビル供給部材14の組立て状態において、アンビルヘッド44の外側マージンは、ガイド部材12の内側溝24内に収容されて、アンビル32を所望の位置に保持する。溝24は省略されてもよい。その場合、アンビル32は、アンビルヘッド44とガイド部材12の内壁面との摩擦係合によって、ガイド部材12内に固定すればよい。
【0024】
次に図5〜図6を参照すると、本発明の原理に従う方法を実施するために利用される追加の機器類が示されている。図5は、円形吻合器具または末端/末端吻合器具を図示している。この器具100は、コネチカット州ノーウォークのU.S.サージカル・コーポレーションが製造するPREMIUM CEEATMの名称で販売されており、本願と共に共通人に譲渡された米国特許第5,119,983号の主題である。この特許の内容は、本明細書の一部として本願に援用される。器具100は細長いシャフト102を含んでおり、該シャフトは、その近位端に、該器具を駆動するためのハンドル部分104を有しており、また遠位端にはステープル保持部品106が配置されている。上記で述べたアンビル32のようなアンビル部品は、遠位端に装着することができる。ステープル留めすべき器官の反対端部分は、アンビルヘッド44とステープル保持部品106の間にクランプされる。クランプされた組織は、ステープル保持部品106から一以上のステープルを駆動することによってステープル留めされ、ステープルの両端が組織を貫通して、アンビルヘッド44によりクリンチされるようになっている。円形吻合処置の幾つかの適用においては、吻合すべき組織の中に当該器具を挿入する前に、アンビルヘッド44を取付けたアンビルロッドが、シャフト102の遠位端に装着される。しかし、本開示の好ましい方法に従う他の適用においては、取外し可能なアンビル32を利用するのが好ましく、これは当該器具およびアンビル部品を夫々の組織区画内に配置した後に、当該器具に取付けることができる。このような例では、ステープル留め器具およびアンビル32は、別々に手術部位に適用される。次いで、夫々の組織区画が、巾着糸によって、アンビル32またはステープル保持部品106にそれぞれ固定される。アンビル32は、該アンビル32のアンビルロッド46を当該器具の遠位端内に挿入することによって手術器具に装着され、当該器具内の装着機構がロッド46にしっかりと係合するようになっている。
【0025】
図6は、コネチカット州ノーウォークのU.S.サージカル・コーポレーションが製造するPREMIUM CEEATMの名称で販売され、また本願と共に共通人に譲渡された米国特許第5,119,983号の主題である、内視鏡的線型外科ステープル留め装置を図示している。この特許の内容は本明細書の一部として本願に援用される。器具200は、複数の長手方向または線型ステープル列を配置するために適合されており、またステープル列の間の身体組織に切開を形成するためのナイフを含んでいる。該器具200は、フレーム202および該フレームに装着された細長い管状部材204を含んでいる。管状部材の遠位端部分には、複数列のステープルを収容するカートリッジアセンブリー206が装着される。アンビル208はカートリッジアセンブリー206に対して旋回移動され、両者の間に組織を配置する。駆動されると、ステープルが発射されてアンビル208によりクリンチされる一方、ナイフは隣接したステープル列の間で組織を切断する。
【0026】
図7〜図16において、本開示は、消化系におけるバイパス処置を行うための方法を記載しており、好ましくは腹腔鏡的なアクセス、並びに第一および第二の消化系組織部分の接合を示している。ここで構成される消化系または消化管には、口腔、咽頭、食道、胃、十二指腸および大腸が含まれる。
【0027】
次に、例として図7〜図16を参照すると、本開示の原理に従う上述の器具を利用した、腹腔鏡的バイパス処置を行うための好ましい方法が図示されている。最初に、腹腔に吹込みガスを導入するが、これは吹込み装置の腹膜針を通して導入され、腹膜ライニングを膨張させてその中へのアクセスを向上させる。図7を参照すると、図6の内視鏡線型ステープル留め器具200が、腹腔にアクセスする外套針「t」を通して導入される。この器具200を操作して、胃の上方部分を、アンビル208とカートリッジアセンブリー206の間に配置する。器具200を一回目に発射することにより、第一の複数の線型ステープル列が胃の部分に一つの角度配向で適用され、次いで二回目に第二の角度配向で発射されて、第二のステープル列が適用される。図7〜図8に描かれているように、ステープル留め器具200は、好ましくは胃の右側から左側(図では左から右へ)と徐々に上方に伸びるステープル線S1を形成するように、食道に対して配置される。器具200内に組込まれたナイフ刃は、ステープル線S1の隣接する列の間の組織を除去または切断する。こうして、上記の方法で適用された器具200は、胃の残りの下部切片「l」から分離され隔離された胃上部切片「u」を形成し、上部および下部の胃切片「u,l」は、夫々のステープル留め列S1aおよびS1bによって閉じられる(図8)。或いは、胃上部切片「u」は、ナイフ刃をもたないステープル留め器具200を使用することによって、胃の残部に付着したままであってもよいことが想定される。
【0028】
図7を参照すると、線型ステープル留め器具は、次いで下腹部の外套針「t」を通して、小腸に隣接して配置される。好ましくは、器具200は十二指腸「d」から略5〜15インチの、小腸の中間部分に隣接して配置される。該器具200が発射されてステープル線S2を形成するようにステープルが適用され、好ましくは腸部分を切除することにより、胃に接続された第一の腸部分「b1」と、腸管の残部に結合された第二の腸部分「b2」を形成する。第一の腸部分および第二の腸部分の末端「b1」「b2」は、夫々の線型ステープル列S2aおよびS2bで閉じられる(図8)。
【0029】
特に図8を参照すると、装置10が患者の食道「e」内に挿入され、形成された胃上部「u」内を「A」の方向に前進される。小腸部分「b2」は、胃上部区画「u」に向けて操作される。好ましくは、胃にアクセスする外套針スリーブ「t」を通して導入された従来の把持器具を利用して、腸部分「b2」を所望の位置へと操作する。円形吻合器具100(図5)が、胃上部「u」に隣接して配置された外套針「t」を通して挿入され、好ましくは、先に外套針内に挿入された従来の腹腔鏡切除器具を用いて腸部分「b2」に形成された、開口部「o」内に配置される。その後、円形吻合器具100の遠位端は、ステープル保持部品106が腸部分「b2」のルーメン内に配置されるように、開口部「o」内を進められる。
【0030】
次に図9〜図10を参照すると、アンビル32を操作し、次いで旋回ロッド54を図9に示す位置から図10に示す位置へと前進させることにより旋回させて、図示のように、アンビルロッド46を器具100への結合のための望ましい配向で配置する。上記で述べたように、アンビル32は略90°の移動範囲に亘って旋回される一方、ガイド部材12はこのような旋回運動を可能にするために十分に可撓性である。理解されるように、ガイド部材12は、支持部材30に対するアンビル32の旋回運動の際、胃の内部をアンビルから保護する。
【0031】
図11〜図12を参照すると、器具10の支持部材30は長手方向に進められ、アンビル32をガイド部材12内で前進させて、アンビル32のアンビルロッド46の端部をガイド部材12から露出させる。このような運動の際に、案内部材12の外壁におけるスリット28(図2)は、この外壁を外側に偏位させて、アンビルロッド46が開口部26を通過するのを可能にする。その後、アンビルロッド46は、キャビティーにアクセスする外套針を通して挿入された従来の鉗子で把持することができ、従来の手段により胃上部「u」に形成された開口部「o2」を通して、図12に示す位置へと前進させることができる。鉗子は、腸部分「b1」に形成された開口部「o」(図8)を通して挿入すればよく、アンビルロッド46を把持し、また開口部を通してアンビルロッド46を引張るように誘導すればよい。この方法に従えば、器具100のステープル保持部品106は、アンビルロッド32のアンビルロッド46にアクセスした後、開口部「o」内に導入される。また、アンビルロッド46は、円形吻合器具100に連結するために、胃組織を貫通するように操作される尖った先端を含み得ることも想定される。或いは、尖ったアンビルロッド46はステープル線S1a,S2bを通過してもよい。
【0032】
図13〜図14を参照すると、アンビルロッド46は、外套針(図示せず)を通して挿入された従来の鉗子を用いて把持され、且つアンビルロッド46が円形吻合器具100に隣接するように配置される。その後、アンビルロッド46は円形吻合器具110内に挿入されて、これと機械的に結合される。その後、アンビルロッド46が従来と同様に近づけられ、当該器具が発射される。器具100が発射される結果として、ステープルの円形アレイが腸区画「b2」および胃上部組織を通って進められ、該上部「u」および小腸部分「b2」を接合する。加えて、吻合器具100の円形ナイフが当該組織区画の間に環状開口部を構成し、胃上部「u」の内部および腸部分「b2」を流体的に結合する。その後、アンビル34は円形吻合器具100から取外され、またアンビル32を取付けた供給器具が、食道「e」を通して、即ち、図8に示した挿入方向「A」とは反対の「B」方向に除去される。
【0033】
図15を参照すると、ここでは腸区画「b1」「b2」の再結合に注意が向けられる。一つの好ましい方法において、腸区画「b1」「b2」は並置隣接して配置され、図6の線型ステープル留め器具200を使用して接合される。即ち、器具200は、腹部領域にアクセスする外套針「t」内に導入される。その後、カートリッジアセンブリー206が、ステープル線S2aを通して腸区画「b1」の末端内に導入される。腸区画「b2」の壁に開口部「o」が形成され、続いて、アンビル208が該開口部内および腸区画「b2」のルーメンの中に挿入される。器具200を近付けて発射し、腸区画「b1」「b2」がステープル列で接合され、それによってナイフの刃が隣接するステープル列の間を切断し、腸区画「b1」「b2」のルーメンを接続する。器具200が除去され、腸区画「b2」の壁にある開口部が閉じられる。
【0034】
図16に描かれた別の方法では、図5の円形吻合器具100が、腹部キャビティーにアクセスする外套針「t」を通して配置される。腸区画「b1」のステープル留めされた閉鎖端が、腸区画「b2」の壁に当接して配置される。その後、腸区画の一方、例えば腸区画「b1」にアクセス開口「o」が形成され、該開口「o」内に、アンビル32を装着したステープル保持部品106が導入される。器具100を前進させて、腸区画「b2」に形成された開口にアンビルヘッドを通し、腸区画「b2」のルーメン内にアンビルヘッド44を配置する。その後、アンビルヘッド44を近付けて器具100を発射し、腸区画「b1」「b2」の縁部組織部分を接合する一方、器具100の円形ナイフが組織を切断して、区画「b1」「b2」の夫々のルーメンを接続する。
【0035】
こうして、本開示の装置および方法によれば、胃の寸法が顕著に減少される一方、腸管の正常な消化経路が維持され、それによって肥満の有効な治療が提供される。この好ましい外科的アプローチは侵襲が最小限であり、これは患者の外傷および回復時間を顕著に減少させる。図7〜図16に関連して説明したような、ステープル線S1に隣接した胃上部区画「u」を、ステープル線S2に隣接した小腸に接続する上記の胃バイパス処置に加えて、他の好ましいバイパス処置も想定される。例えば、食道および胃の一部を、それぞれステープル線S4およびS5に隣接して切断し、その後、バイパス処置でステープル線S4,S5に隣接して再接合してもよいことが想定される。より詳細に言えば、図7〜図15に関連して上述した方法で、ステープル線S5が胃の中間区画に形成される。もう一つのステープル線S4が、食道の下端に形成される。このステープル線S4は、上記で説明したのと同様の方法で、図6のステープル留め器具200を用いて、外套針を通して形成すればよい。切断された食道および胃の組織(即ち、ステープル線S4,S5の間)は除去される。装置10が食道の中に導入され、アンビル32が展開され、ステープル線S5に隣接した開口部(図示せず)を通して操作される。次いで、円形吻合器具100がステープル線S5の下の胃部分に導入され、続いて吻合器具100およびアンビル32が上述のようにして結合される。組織に接近させて器具を発射させることにより、ステープル線S4に隣接した食道区画を、ステープル線S5に隣接した胃区画に接合する。次いで、アンビル32を吻合器具100から取外して除去することにより、処置を完了する。
【0036】
当業者は、消化系における追加のバイパス処置を行う好ましい方法を容易に適合させることができる。この方法には、ステープル線S1またはS5で構成される胃区画を、ステープル線S2またはS6で構成される腸区画に接合させること;ステープル線S3またはS4で構成される食道区画を、ステープル線S1またはS5に沿って構成される胃区画に接合させること;ステープル線S3またはS4に沿った食道区画を、ステープル線S2またはS6に沿って構成される腸区画に接合させること;或いは、ステープル線S1,S5に沿って胃区画を接合することが含まれるが、これらに限定されない。ステープル線S1〜S6は正確な線として示されているが、図16におけるそれらの位置は、消化系におけるバイパス処置を図示する目的で描写したものであり、当業者は、個々の適用にについて当該方法の範囲内で変更することができる。同様に、吻合器具100、内視鏡線型ステープル留め器具200、およびアンビル32は代表的な器具であり、これらは同様の機能を実行する一以上の同様の装置で置換することができる。
【0037】
次に、図18〜図19を参照すると、本開示の腹腔鏡消化系バイパス処置に関連してアンビルを供給するための、図1〜図4に示した装置10の別の実施例が示されている。装置300は、外側シース302、該外側シース302内に配置されたアンビル供給部材304、および外側シース302内に装着されたアンビル部品306を含んでいる。供給部材304は、近位端部のディスク形ハンドル308を含んでおり、これを前進させることにより、アンビルは外側シース302内に配置された初期位置(図18)と、アンビル306が外側シース302から完全に排出される前進位置(図19)との間で移動される。装置300は更に、ブルノーズ形状のキャップ310を含んでおり、これは食道を通過する際にアンビルロッド312を覆うように、アンビルロッド312の近位端に装着される。該キャップ310は好ましくは生体吸収性ポリマーで製造され、アンビル部品306が外側シース302から展開された後に、キャップ310がアンビルロッド312から除去されて残り、身体に吸収され得るようになっている。
【0038】
次に、図20〜図22を参照すると、図1に示した装置10のもう一つの別の実施例が示されている。この実施例によれば、装置400はアンビル部品402を含んでおり、該部品は、旋回継手406を介して旋回自在に供給部材404に装着されることにより、略180°の旋回移動範囲を提供する。加えて、アンビル部品402のアンビルヘッド408は、旋回ピン412を介してアンビルロッド410に旋回自在に装着されており、アンビルロッド410に対して180°に亘る運動範囲で旋回する。これは、末端/末端吻合器具100に対するアンビル部品402の位置決めを容易にする。加えて、この構成はアンビル部品402の全体のプロファイルを著しく減少させることにより、外側シース(図示せず)からのアンビル部品の放出性、および食道管通過性を向上する。詳細には、外側シース(図示せず)の中に位置するとき、アンビルヘッド408は非動作位置、即ち、アンビルロッド410に対して90°に旋回した図21の配置にある。所望の消化器組織、例えば胃上部区画「u」の中で展開されると、アンビル部品402は、上記で説明したようにして図5の吻合器具100に装着される。その後、供給部材404を近位方向に引張ることによって、アンビルヘッド408は円形吻合器具100のステープル保持部品106に対して適正な動作向き(図22)に旋回される。
【0039】
次に、図23〜図28を参照すると、本開示の原理に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う装置のもう一つ別の実施例が図示されている。装置500は、外側シースまたはガイド部材(図示せず)を含むことができ、これは図1の装置10における外側ガイド12の構成、または図18の装置における外側シース302の構成と同様であればよい。或いは、好ましい実施例において、外側シースは装置500に組込まれない。装置500は更に、長手方向の開孔504を構成する供給部材502、少なくとも部分的に該長手方向開口504内に配置された旋回素子506、および供給部材502に連結されたアンビル部品508を含んでいる。供給部材502は、近位端のディスク形状のハンドル510を構成しており、これはユーザが関与するために有利な大きさになっている。供給部材502および旋回素子506は、好ましくは胃上部区画から食道を通り、口または口腔から延出するために充分な長さである。
【0040】
旋回素子506は、その近位端に、手動で係合可能な部分またはボタン512と、該ボタン512に連結されてそこから遠位方向に伸びる旋回リンク514とを含んでいる。旋回リンク514は、ピン518を介して、アンビル部品508のアンビルヘッド516に連結されている。好ましい実施例において、旋回素子506は、ピン520を介して相互に連結された近位リンク部分および遠位リンク部分506a,506bを含んでいるが、旋回素子506は単一部品であってもよいことが想定される。
【0041】
旋回素子506は、アンビル部品508におけるアンビルヘッド516の対応する旋回移動を生じるために、供給部材502内において、初期位置(図25)と駆動(または後退)位置との間での長手方向往復運動するようになっている。旋回素子506は、コイルバネ522によって通常は駆動位置に付勢されている。コイルバネ522は、ディスク形状のハンドル510の内部に装着されており、その一端はハンドル510の内壁表面524と係合し、他端はボタン512の当接表面526に係合している。旋回素子506は、その初期位置において、ロック機構により、コイルバネ522のバイアスに抗して解除可能にロックされる。好ましい実施例では、供給部材502のハンドル510の近位端において、ロックリング528が周面の凹部530内に装着される。ロックリング528は、内部ロック棚532を構成している。同様に、旋回素子506のボタン512は対応するロック棚534を含んでおり、これはロックリング528の棚532に係合して、旋回素子506を初期位置に解除可能にロックする。ボタン512を解除するためには、ボタン512をロック棚から半径方向に、即ち、図24に関して左側に向けて移動させる。なお、ボタン512とロックリング528の間には充分な隙間が存在しており、ボタン512のこのような半径方向の移動を可能にする。解除されると、旋回素子506はコイルバネ522の影響下で後方に動き、アンビル部品508の旋回アンビルヘッド516を、図27の動作位置に旋回させる。
【0042】
図28を参照し、図23〜図27との関連において、アンビル部品508の更なる詳細を説明する。アンビル部品508は、アンビルロッド538と、旋回ピン540を介して旋回可能にアンビルロッド538に装着されたアンビルヘッド516とを含んでいる。アンビルヘッド516は、旋回素子506の初期位置にあるときに、供給部材502の軸に対して斜めに配置される。このような配置は、アンビル部品508の全体のプロファイルを顕著に減少させることにより、外側シースの全体の直系を減少させる。これによって、当該装置が食道管の限定されたルーメンを通過するのが著しく容易になる。
【0043】
アンビル部品508は、アンビルヘッド516とは反対側のアンビルロッド538の端部に装着された、アダプターアセンブリー542を有している。アダプターアセンブリー542は、一端において、アンビル部品508のアンビルロッド538を収容する長手方向の開口546を構成するアダプターロッド544を含んでいる。好ましくは、アダプターアセンブリー542の長手方向開口546は、アセンブリー542がアンビルロッド538の入口端部の回りにスナップ嵌合を形成して、アンビルロッド538をアダプターアセンブリー542に装着するように、対応した寸法とされる。アダプターアセンブリー542は、好ましくは吻合器具100(図5)に連結され、続いて該器具が手術部位に導入された後に、アンビル部品508に連結される。即ち、当該器具500が食道の中に導入される前には、アダプターアセンブリー542はアンビル部品508に結合されない。なお、説明の目的のために、図21〜図28において、アダプター542はアンビルロッド538に装着して示されている。或いは、アンビルアダプター542は、手術部位に導入された後に先ずアンビルロッド538に取付けられ、次いで吻合器具100に連結されてもよい。アダプターアセンブリー542の使用は、アンビルロッド538の寸法および直径を顕著に減少することを可能にし、それによって、当該器具500およびアンビル部品508が食道を通過するのを容易にし、また手術部位の周囲における操作を容易にする。アダプターアセンブリーの更なる詳細を、図29の実施例との関連において説明する。
【0044】
図7〜図16に関連した使用において、アンビル部品508を装着した装置500は、食道管を通して導入されて、胃上部区画「u」(図8)内で前進される。アダプターアセンブリー542を装着した円形吻合器具100が、腸区画「b2」内に導入される(図8)。次いで、アンビルロッド538が、上記で述べた方法でアンビルアダプター542に連結される。或いは、先ずアンビルアダプター542をアンビルロッド538に結合し、続いて該アンビルアダプター542を円形吻合器具100に連結する。次いで、器具500のボタン512を解除して、旋回素子506がコイルバネ522の付勢下で近位方向に移動するのを可能にする。旋回素子506が近位方向に移動すると、アンビルヘッド516はその動作位置(図27)へと旋回し、それによりアンビル表面はアンビルロッド538に対して直交する。器具100のアンビル部品508とステープル保持部品106とが接近し、当該器具は、組織区画「b1」「b2」を結合するように発射される。完了すると、アンビルロッド538はアダプターアセンブリー542から外され、アンビル部品508を装着した装置100は食道管を通して除去される。除去する前に、好ましくはアンビルヘッド516が旋回され、ボタン512を押すことによって非動作位置にロックされる。
【0045】
次に図29を参照すると、本開示のもう一つの別の実施例が示されている。システム600は、供給器具602、アンビル部品604、およびアンビル部品604に取外し可能に結合されたカテーテルガイド606を含んでいる。供給装置602は、図23〜図28に関連して説明した装置500と実質的に同様であり、その動作機構の詳細についてはこれを参照する。アンビル部品604もまた、図23〜図28のアンビル部品508と同様である。しかし、この実施例に従えば、図30に最良に描かれているように、アンビル部品604は更に縫合ユニット608を含んでいる。縫合ユニット608は、供給器具102をカテーテルガイド606と結合する際に機能する。縫合糸612がアンビルロッド616の孔614を通され、アンビルヘッド610の垂下表面の開口部618に通されて、レーストラック構成のアンビルロッド616における孔614を通して戻される。図30〜図31に描かれているように、縫合糸610の自由端は、従来の手段によって外部にネジを切ったカラー622に結合され、これは次に述べるカテーテルガイド606に結合される。縫合糸610は、アンビルヘッド610を旋回された非動作位置に保持するのを容易にするように、アセンブリー上で充分に緊張している。
【0046】
図32Aおよび図32Bを参照すると、アンビルロッド616は、制限された食道通路を通しての非侵襲的輸送のために特に適合されている。より具体的には、アンビルロッド616は、円形吻合器具と共に使用される従来のアンビルロッドに比較して、その長さおよび断面寸法が実質的に減少されている。アンビルロッド616の長さ「l」は約1.5インチ〜約1.90インチであり、最大直径「d」は約0.17インチ〜約0.21インチである。好ましい実施例においては、長さ「l」は約1.79インチであり、最大直径「d」は約0.19インチである。これは、従来のアンビルロッドに比較して、長さおよび直径において約45%および約57%の減少に相当する。
【0047】
アンビル部品604は、アンビルアダプター618を介して円形吻合器具に結合される。図33〜図35を参照すると、アンビルアダプター618は、円形吻合器具への接続のために一端にテーパした装着部分622を有するアダプターロッド620と、円形吻合器具100の対応する内部スプライン/溝に係合するための外部スプライン624とを含んでいる。アンビルアダプター618の結合は、米国特許第5,119,983号または第5,718,360号に開示されたUSSC PREMIUM CEEATM器具へのアンビルの結合と同様である。図33〜図34に最良に描かれているように、アダプターロッド620の第二の末端に隣接した軸方向開口626は、ロッド620の中間部分まで伸びている。軸方向開口626は、該開口の拡大された内部キャビティー630の中に伸びる内側にテーパした壁628によって構成される。このテーパした壁628および内部キャビティー630の接合部は、当接表面632を構成する。複数の内部スプライン634がアンビルロッド616の第二末端に隣接して配置され、一般に長手方向に伸びている。アンビルロッド616およびアダプター620を組立てる際、アンビルロッドのテーパした部分617がアダプター618の軸開口626内に挿入される。ロッド616をアダプター618内で前進させて、内側のテーパした壁628で構成された狭い開口部を通過させるときに、テーパした壁628はバネ式に外側に付勢されて、テーパした装着部分617の通過を可能にすることにより、クリアランスの時に、アンビルロッド616は、アンビルロッドのテーパした装着部分617とアダプター618の当接表面632との係合によって、アダプター618内でロックされる。挿入の際、アンビルロッドの外部スプラインは、好ましくはアダプター618の内部スプライン634と整列して噛合い関係で収容され、それにより、アンビルロッドはアダプターに対して回転方向でも固定されるようになっている。以下で述べるように、アンビルアダプター618は寸法の小さいアンビルロッド616の使用を可能にする。
【0048】
図29を参照すると、装置600のカテーテルガイド606は可撓性の外側部材636を含んでおり、該部材は好ましくは適切なポリマー材料で作製され、またその中に広がる長手方向の内腔638(想像線で示す)を構成する。外側部材636は約36インチ〜約60インチの長さであり、ユーザによる関与のために、少なくとも切断された胃上部区画から食道を通って口から延出する。外側部材636の遠位端は、アーチ状または湾曲状の区画640を構成するようにプリフォームされる。このような特徴的構造は、カテーテルガイド606の操作、並びに食道を通しての、その切断された胃の上方部分への通過を容易にする。外側部材636の遠位端には非外傷性チップ642が装着されており、またカプラー部材644が外側部材の近位端に取付けられている。図31に描かれているように、カプラー部材644はその近位端に内部ネジ溝646を含んでおり、該ネジ溝は縫合ユニット608の外部ネジを切ったカラーを収容して、供給装置およびカテーテルガイド606を動作可能に結合する。カプラーおよびカラー部材644,622の螺合を容易にするために、カプラー部材644は、好ましくは外側部材636の回りに回転可能に装着される。カテーテルガイド606は、更に、外側部材636の長手方向開口内に収容可能なガイドワイヤを含んでいてもよい。好ましくは、該ガイドワイヤは、ユーザによる関与のために、外側ガイドの遠位端部から近位端部へと伸びるのに十分な長さである。しかし、ガイドワイヤの使用は任意であることが理解されるべきである。
【0049】
次に、装置600の使用について述べる。胃上部区画「u」および腸「b2」が、図7および図8に関連して上記で述べた方法で切断される。今回は図36を参照すると、最初に、カテーテルガイド606および挿入されたガイドワイヤ「w」は、使用されるときに口腔内に導入され、食道通路「e」を通過して、胃上部「u」内に進められる。なお、外側部分636の湾曲した遠位部分640は、カテーテルガイド606の手動操作による通過、および外側部材636の回転を容易にする。外側部材636の遠位端が胃上部「u」にアクセスしたら、ガイドワイヤ「w」は、口腔を通してガイドワイヤを近位方向に後退させることによって除去される。次いで、供給器具602がカテーテルガイドの近位端に結合され、該ガイドは口から、アンビル部品640のカラーのネジ付き中間接続部および上記で述べた外側部材636のカプラー644を通って伸びる。
【0050】
図37を参照すると、外科医は次に、胃上部「u」にアクセスする切開部「o」または外套針を通して外側部材636にアクセスし、全体のシステム600を食道「e」を通して矢印「A」の方法に引張る。従って、アンビル部品604および取付けられた供給器具602は食道管「e」を通過する。なお、アンビルヘッド610は、食道管の通過を容易にするために、その旋回された非動作位置にある。外科医は、アンビル部品604が胃上部「u」の中にあって外科医に見えるようになるまで、当該部品を前進させ続ける。その後、アンビル部品604に取付けられた縫合ユニット608が切断されて、アンビル部品604から除去され、それによってカテーテルガイド606がアンビル部品604から分離される。カテーテルガイド606は廃棄する。
【0051】
図38を参照すると、腸区画「b2」が胃上部区画「u」に隣接して配置される。外套胃針「t」が腸区画「b2」の開口部「o」内に導入される。アダプター618を取付けた円形吻合器具100が外套針「t」の中に挿入され、胃上部「u」の開口部に通される。
【0052】
次いで、アンビルアダプタ618が、アンビル部品608のアンビルロッド616に装着される。供給器具602は、その近位端が口から露出するように食道を通して伸びており、次いで、該供給器具を図23〜図28の実施例に関連して説明した方法で駆動されて、アンビルヘッド610を動作位置に旋回させる。円形吻合器具100およびアンビルヘッド610を近付け、器具100を発射させて、先に述べた方法で組織部分を結合する。
【0053】
図39を参照すると、アンビル部品604がアンビルアダプター618から外される。供給器具602が駆動されて、アンビルヘッドが旋回された非動作位置に戻される。その後、アンビル部品604が取付けた供給器具602は、図39の方向Bに沿って戻され、除去される。
【0054】
次に、図40〜図42を参照すると、本開示のもう一つ別の実施例が示されている。システム700は、供給器具702と、該供給器具702に取外し可能に装着されたアンビルアセンブリー704を含んでいる。アンビルアセンブリー704は、図23〜図30の実施例に関連して説明したアンビルアセンブリー604と実質的に同様であり、アンビルアセンブリーの詳細についてはそれが参照される。供給器具702は、接着性ネジ等を介して相互に結合されたハンドルの半区画706a,706bを有するハンドル706と、ハンドル706に結合されて、そこから遠位方向に伸びる細長いスリーブ708とを含んでいる。好ましい実施例において、ハンドル706は、該ハンドル706内に装着される外側にネジを切ったカラーを含んでおり、これは細長いスリーブ708の対応する内側ネジ部分710に螺合してこれら二つの部品を結合する。バヨネットカップリング、接着剤等を含む、結合のための他の手段も想定される。ハンドル706は更に、アンビルアセンブリー704を旋回させる旋回機構を駆動するように機能するための、近位方向に配置されたボタン714と、アンビルアセンブリー704を吻合器具から取外す解除機構を駆動するための、手動で係合可能な解除ボタン716とを有している。旋回機構および解除機構については、以下で更に詳細に述べる。
【0055】
次に、図41〜図43を参照すると、旋回機構は、図29の実施例の旋回機構と実質的に同様であり、ボタン714から伸びる旋回素子718と、この旋回素子718に結合された旋回ロッド720とを含んでいる。ボタン714および旋回素子718は、図示のように、単一のユニットとして一体に形成することができる。旋回素子718は、その遠位端に、旋回ロッド720の近位端を収容するための半円形の開いた区画722を構成している。内部の円周方向リブ724は半円形区画722と一体に形成されており、旋回ロッド720の円周方向溝726の中にスナップ嵌合されて、二つの部品を結合する。
【0056】
旋回機構は更に、旋回ロッド720の遠位端に形成された溝730の中に収容される旋回リンク728を含んでいる。旋回リンク728は、ピン732を介して旋回ロッド720に旋回自在に結合され、更に、ピン734を介してアンビルアセンブリーのアンビルヘッド610に結合される。旋回機構は長手方向に移動して、動作位置(図42)と旋回位置(図43)との間での、アンビルヘッド610の対応する旋回運動を生じる。旋回機構は、コイルバネ736によって、アンビルアセンブリーの動作位置(図42)に対応した近位方向にバネ付勢される。コイルバネ736は、旋回素子718の回りに同軸に配置され、その近位端は旋回素子718の当接表面738に係合し、またその遠位端はカラー740に係合している。カラー740は、ハンドル706の内壁741に隣接して、ハンドル部分706a,bの内部に固定結合されている。この構成において、コイルバネ736は、通常は旋回素子718および旋回ボタン714を近位方向に付勢する。旋回ボタン714に半径方向の力「r」を加え、該ボタンを図43に示す位置に半径方向に変位させることにより、旋回機構を非動作位置に解除可能にロックしてもよい。この位置において、旋回ボタンのロック棚714aは、ハンドル706の対応するロック壁707に係合する。旋回ボタン714の取外しは、旋回ボタン714を、図42の正常に整列された位置へと半径方向に変位させることによって達成することができる。
【0057】
図40〜図43を継続して参照し、アンビルアセンブリー709をその装着状態から末端/末端吻合器具へと取外すための解除機構を説明する。この解除機構は、上記の解除ボタン716、ハンドル706内に配置された解除カラー742、および解除カラー742に結合されてアンビルアセンブリー704へと遠位方向に伸びる可撓性解除リンク744を含んでいる。解除カラー742は、旋回機構の旋回素子718を収容する大きさの長手方向内腔746を構成しており、その中で旋回素子の長手方向の往復摺動運動を可能にする。解除カラー742は、図42〜図43において参照番号748で一般的に示した二つの部品の対応する装着構造、例えば、舌部および溝の配置を介して、解除ボタン714に固定される。また、解除リンク744は、該解除リンクの近位端にしっかり係合するように配置された固定ネジ750を介して、解除カラー742に動作可能に連結される。固定ネジ750はまた、オペレータが製造公差等を考慮して、解除ボタン716に対する解除リンク744の位置を調節することを可能にする。
【0058】
図42〜図43に最良に描かれているように、解除リンク744の遠位端はアンビル解除カラー752に結合されており、該カラーは、アンビルアセンブリー704のアンビルロッド616の回りに同軸に配置されている。このような結合は、接着剤等を含む従来の手段を介して達成することができる。アンビル解除カラー752は、解除リンク744の対応する長手方向の移動の際にアンビルロッド616に対して移動し、以下で述べるように、それによって吻合器具に対するアンビルロッド616の解除を生じる。解除機構は、コイルバネ754によって近位方向に付勢される。コイルバネ754は、その遠位端がハンドル706の当接壁756に係合し、またその近位端が解除カラー742の当接表面758に係合していて、正常には、解除カラー742を図42に示す非駆動位置に付勢する。図44に示すように、解除機構は、バネ754の影響に抗して解除ボタン716を遠位方向に進めることによって駆動され、これにより解除カラー742、解除リンク744およびアンビル解除カラー752の遠位方向への対応した移動を生じる。アンビル解除カラー752およびアンビルアセンブリー704の関係については、以下で述べる。
【0059】
次に図45〜図48を参照すると、システム700は更に、光ガイド760を含んでいる。光ガイドまたはケーブル760は、手術部位を照明および/または肉眼で検査するために、食道を通して最初に導入される。光ガイド760は、ハンドル762と、ハンドル762から遠位方向に伸びるファイバーケーブル764とを含んでいる。ハンドル762は二つの異なる部材、即ち、近位キャップ766および遠位カラー768を含んでいる。遠位カラー768は、ファイバーケーブル764の近位端を収容するための長手方向の内腔770を構成しており、また接着剤、クリンプなどを含む従来の手段によりファイバーケーブル764に固定されている。遠位カラー768は更に、外側ネジ付部分722を含んでいる。近位キャップ766は、長手方向の開孔部774および内側ネジ付部分776を構成しており、これは遠位カラー768の外側ネジ付部分772に螺合して二つの部品を結合する。
【0060】
当業者が理解するように、ファイバーケーブル764は図示のように単一の光ファイバーであってもよく、または複数もしくは1束のファイバーであってもよい。光ファイバーは、光学的なガラスまたはポリマー材料で構成されてよい。ファイバーケーブル764は遠位の独立レンズ778にまで伸びており、該レンズはファイバーケーブル764から放出された光を集光するように働く。ファイバーケーブル764の遠位端に隣接して配置されたカラー779は、光ファイバーおよびレンズ778を機械的に結合する。ファイバーケーブル764は、図45に示した従来の光源「s」に結合可能である。好ましくは、遠位カラーまたはアダプター768は従来の方式で光源に結合される。近位キャップ766は、以下で述べるように、縫合糸「s」(図46)を介してアンビルアセンブリー704に取付け可能である。
【0061】
次に、図49〜図51を参照すると、本発明のシステム700と共に利用されるアンビルアダプター780の実施例が図示されている。アンビルアダプター780は、アンビルアセンブリー704を、好ましい外科処置に従って利用される円形吻合器具(図5)に結合する。アンビルアダプタ780は、図29の実施例に関連して述べたように、直径および長さを著しく小さくしたアンビルの使用を可能にし、アンビルアセンブリーの食道の通過を容易にする。アンビルアダプター780は、吻合器具への結合のためのテーパした装着部分784を有するアダプターロッド782を含んでいる。装着部分784とは反対側のアダプタロッド782の末端は顎機構786を含んでおり、これはアンビルアセンブリー704のアンビルロッド616とカップリングして、アンビルアダプタ780およびアンビルアセンブリー704を結合する。アダプタロッド782は中央の長手方向内腔788を構成しており、図49に示すように、該内腔はロッド782との対向壁部分にスロット790を形成するように伸びている。前記顎機構は、旋回ピン794を介してアダプターロッド782の長手方向内腔788内に旋回自在に装着され、且つアダプターロッド782のスロット790を通して伸びた、第一および第二の対向する顎792を含んでいる。顎792は、アンビルロッド616を係合するアンビルロッド616(図50)との係合位置と、以下で述べるアンビルロッド616を放出する解除位置との間で移動する。
【0062】
アンビルアダプター780は更に、長手方向内腔788内に装着されるプランジャー796を含んでいる。プランジャー796は、プランジャー796の一端部の回りに同軸的に装着されるコイルバネ798によって、通常は、対向する二つの顎792に向けて付勢される。プランジャー796の他端部は、拡大された円筒状ヘッド800を構成している。プランジャー796のヘッド800は、通常は、コイルバネ798の影響下で、顎792の傾斜したカム表面802に係合して、顎792を図50および図51に示した閉鎖位置に付勢する。
【0063】
アンビルアダプター780は更に、中央の長手方向内腔内に配置されたエゼクタープレート804を含んでいる。エゼクタープレート804は、プランジャーヘッド800の円筒形開口808内に収容される細長いヘッド806と、該ヘッド806に付随した細長い部分810とを有している。細長い部分810は長手方向の穿孔812を有しており、これは顎機構の旋回ピン794を収容する。エゼクタープレート804は、通常は、プランジャー796の長手方向開口816内に配置されたコイルバネ814によって、顎792に向けて付勢される。アンビル616がアンビルアダプター780内に固定されると、コイルバネ814は、アンビルロッド616の遠位チップ616tとエゼクタープレート804の細長い部分810との係合を介して圧縮される。エゼクタープレート804は、アンビルアダプター780をアンビルから解除するように、アダプターロッド782に対する制限された長手方向移動のために適合される。特に、解除ボタン716を図44の遠位位置へと前進させ、これによって解除カラー742、解除リンク744およびアンビル解除カラー752を前進させることにより、アンビルアダプター780は、アンビルアセンブリー704のアンビルロッド616から解除される。図52〜図53を参照すると、アンビル解除カラー752が前進するときに、解除カラー752のカム表面752aは顎792の内側傾斜表面792aに係合して、図53に示す位置へと半径方向に顎を変位させる。顎792が、傾斜した装着部分に隣接したアンビルロッド616の垂直表面616aをクリアすると、アンビルロッド616は係合解除され得る。係合解除は、コイルバネ814およびエゼクタープレート804の相互作用によって促進される。ここで、エゼクタープレートは圧縮されたコイルバネ814の影響下に近位方向に移動して、アンビルロッド616を近位方向に駆逐し、図53に詳細に示されているように、顎792から放出される。従って、理解されるように、解除機構は、アンビルロッド616をアンビルアダプター780から排出するための積極的な駆逐力を提供し、それによって外科医が二つの部品を強制的に分離する必要性をなくす。
【0064】
次に、システム700の使用について述べる。胃上部区画「u」および腸「b2」は、図7および図8に関連して上述した方法で切断される。次いで、図36のガイドワイヤ「w」の挿入に関連して説明したのと同様の方法で、光ガイド760が胃チューブ(図示せず)を通して食道の中を進み、胃上部区画「u」の中に進められる。次いで、光ガイド760にエネルギーが与えられ、それによって、ガイド760により放出された光が胃上部区画「u」の内壁に集光される。集光された光は、光ガイド760の位置としての視覚的指標を外科医に提供し、胃上部区画「u」の壁に切開部を形成する際に外科医をガイドする。この切開部は、切開部を形成した後に外科医が光ガイド760の遠位端を把持できるように、好ましくは胃壁の照明領域に隣接して形成される。光ガイドが光源から分離される。アンビルアセンブリー704が装着された供給器具702は、光ガイドの近位端に接続される。図47を参照すると、好ましい処置に従って、光ガイド760の近位キャップ766は、縫合糸「s」を用いてアンビルアセンブリー704に結合される。該縫合糸は、図29および図30に関連して示し且つ説明したのと同様の方法で、キャップ766の眼ループ766aを通して輪にされ、またアンビルロッド616の孔「a」に通される。なお、この実施例に従えば、アンビルヘッド610が旋回位置に解除可能にロックされる点において、縫合糸「s」は、図29に示すように、アンビルのアンビルヘッド610を通して輪にする必要はない。アンビルアセンブリー704を光ガイド760の近位端に結合した状態で、光ガイド760、アンビルアセンブリー704および装着された供給器具702が、図37に関連して説明したのと同様の方法で、食道を通して引き出される。
【0065】
外科医は、アンビル部品700が胃上部区画「u」内にあり且つ外科医に見えるようになるまで、当該部品を前進させ続ける。その後、アンビルアセンブリー704に取付けられた縫合糸を切断および除去することにより、光ガイド760が取外され、次いで除去される。
【0066】
図38に関連して詳述したのと同じ方法で、腸区画「b2」が胃上部区画「u」に対して配置され、アダプター780を取付けた円形吻合器具が外套針を通して挿入される。アンビルアセンブリー704のアンビルロッド616は、把持器具を用いて把持される。例えば、図54〜図55は新規な把持鉗子を示しており、これらはアンビルロッド616の把持係合を容易にすることができる。この鉗子は、速達証明EL 765221053 USの下で2001年3月5日付けで郵送され、本願と共に共通人に譲渡された「外科用顎」と題する暫定出願に開示されており、その内容を本明細書の一部として本願に援用する。鉗子顎900は、実質的に整列された直接的な略ゼロ度のアプローチから、ロッド616の把持を可能にする。
【0067】
次いで、アンビルアダプター780の顎792の間でアンビルロッド616を前進させ、それにより装着の際に顎792を外側に変位させることによって、アンビルロッド616はアンビルアダプター780内に装着される。アンビルロッドの装着部分が顎792をクリアすると、顎792はコイルバネ798およびプランジャー796の影響下でそれらの正常位置に戻り、それによって顎792はアンビルロッド616の垂直表面616aに係合して、アンビルアダプタ780へのアンビルロッド616の装着を行う(図50)。
【0068】
次いで、解除ボタン714によって供給器具702が活性化され、コイルバネ736の影響下でボタン714が図42の正常位置に戻され、それによって、アンビルヘッド610を動作位置へ旋回させる旋回ロッド720および旋回リンク728に、対応した近位方向への移動を生じさせる。その後、円形吻合器具およびアンビルアセンブリーを接近させ、当該器具を発射させて組織部分を接合する。
【0069】
その後に解除機構が駆動され、上記で述べた方法で、アンビルロッド616をアンビルアダプター780から解除する。供給器具が活性化されて、アンビルヘッド610を旋回した非動作位置へと戻す。供給器具702およびアンビルアセンブリー704は、食道「e」を通して除去される。
【0070】
上記の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらの詳細は本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、その好ましい実施例の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、特許請求の範囲の精神および範囲内において、他の変更を想定するであろう。
なお、好ましい態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. 胃形成処置の実施を容易にするための装置であって、
近位端および遠位端を有し、且つ長さの少なくとも一部に沿って伸びる開口を中に構成する、患者の食道を通して挿入および通過させるための大きさにした外側ガイド部材と、
前記外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、前記外側ガイド部材内において、初期位置と駆動位置との間の長手方向移動のために適合されたた細長いアンビル供給部材と、
長手方向軸線を構成するアンビルロッドおよび該アンビルロッドに結合されたアンビルヘッドを含む前記供給部材と動作的に係合可能なアンビルと、を有し、該アンビルヘッドは、前記供給部材の初期位置にあるときには前記外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、また前記供給部材が前記駆動位置へ移動するときには、前記外側ガイド部材の遠位端から完全に露出される装置。
2. 前記アンビルのアンビルヘッドは前記アンビルロッドに旋回自在に装着され、前記アンビルヘッドは非動作位置と動作位置との間で旋回自在に移動可能である上記1記載の装置。
3. 前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置され且つ前記アンビルヘッドに動作可能に結合された旋回部材を更に含み、該旋回部材はその第一および第二の位置の間で移動可能であり、それぞれの非動作位置および動作位置の間で前記アンビルヘッドの対応する移動を生じさせる上記2記載の装置。
4. 前記旋回部材は、通常はその前記第二の位置へと付勢される上記3記載の装置装置。
5. 前記旋回部材を前記第一の位置に解除可能にロックするための手段を含む上記4記載の装置。
6. 前記旋回部材は前記第一の位置に解除可能にロックされる上記4記載の装置。
7. 前記旋回部材は、前記供給装置および外側ガイド部材の一方の対応するロック表面と係合可能なロック表面を含み、該ロック表面は前記旋回部材を前記第一の動作位置に解除可能にロックするように協働する上記6記載の装置。
8. 前記旋回部材は手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回素子のロック表面を構成する上記7記載の装置。
9. 前記旋回部材は、外科医によって把持されるように、挿入部材を超えて近位方向に伸びるような寸法である上記3記載の装置。
10. 前記アンビルは前記供給部材に旋回可能に装着される上記2記載の装置。
11. 前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置された細長い旋回部材を更に含み、該旋回部材は前記アンビルに動作可能に結合され、また旋回運動範囲に亘って前記アンビルの対応する旋回運動を生じさせるように移動可能である上記10記載の装置。
12. 前記外側案内部材は内側環状溝を含み、該環状溝は前記アンビルヘッドの周縁部分を収容して、前記ガイド部材内における前記アンビルの保持を容易にするような大きさである上記1記載の装置。
13. 前記挿入部材は可撓性材料からなる上記1記載の装置。
14. 前記アンビルヘッドの断面寸法は前記外側ガイドの遠位端の内部寸法よりも大きく、前記外側ガイド部材は変形して前記アンビルヘッドの通過させ、前記アンビルを前記挿入部材から駆逐させることを可能にするように適合される上記13記載の装置。
15. 消化系においてバイパス処置を行うための方法であって、 患者の食道を通して第一の消化系組織部分の中にアンビルを導入する工程と、 吻合器具を、前記第一の消化系組織部分から変位して配置された第二の消化系組織部分の中に挿入する工程と、
近位位置からアンビルを操作して、前記アンビルを前記吻合器具に対して望ましい向きに配置する工程と、
前記アンビルを前記吻合器具に連結する工程と、
前記吻合器具を発射して、前記第一および第二の消化系組織部分を接合する工程と、を具備した方法。
16. 前記アンビルは少なくとも部分的に外側ガイド内に配置され、また前記導入する工程は、前記外側ガイドおよびアンビルを前記食道を通して前進させることを含む上記15記載の方法。
17. 前記アンビルを前記外側ガイドに対して移動させて、前記アンビルを前記外側ガイドから完全に露出させる工程を更に含む上記16記載の方法。
18. 少なくとも部分的に前記外側ガイド内に配置され且つ前記アンビルと動作可能に係合可能な供給部材を含み、また前記移動させる工程は、前記供給部材を前進させて前記アンビルを前記外側ガイドから駆逐することを含む上記17記載の方法。
19. 前記アンビルヘッドは前記アンビルロッドに旋回可能に装着され、更に、前記発射する工程に先立って、前記アンビルヘッドを非動作位置から動作位置へと旋回させる工程を含む上記15記載の方法。
20. 前記外側ガイドと共に配置され且つ前記アンビルヘッドと動作可能に係合可能な旋回部材を更に含み、また前記旋回させる工程は、前記旋回部材を移動させて前記アンビルヘッドを前記動作位置へと旋回させることを含む上記19記載の方法。
21. 前記アンビルは支持部材に旋回可能に装着され、また前記操作する工程は、前記アンビルを前記支持部材に対して旋回させて、前記アンビルを前記吻合器具に対して所望に位置へと旋回させることを含む上記15記載の方法。
22. 前記アンビルは移動可能な旋回部材に動作可能に連結されており、また前記操作する工程は、前記旋回部材を移動させることにより、前記支持部材に対する前記アンビルの旋回移動を生じさせることを含む上記21記載の方法。
23. 前記挿入する工程は外套針を通して行われる上記15記載の方法。
24. 線型ステープル留め器具を前記第一の消化系組織部分に隣接して配置する工程を更に含み、前記線型ステープル留め器具を発射させて、前記第一の消化系組織部分に隣接したステープル線を形成する工程を更に含む上記15記載の方法。
25. 線型ステープル留め器具を前記第二の消化系組織部分に隣接して配置する工程を更に含み、前記線型ステープル留め器具を発射させて、前記第二の消化系組織部分に隣接したステープル線を形成する工程を更に含む上記24記載の方法。
26. 前記線型ステープル留め器具は夫々それらに付随する切断部材を含み、また前記発射させる工程は、前記切断部材を駆動させて前記ステープル線に隣接した組織を切断し、それによって前記ステープル線の間で前記消化系組織区画を切断することを含む上記25記載の方法。
27. 前記第一および第二の消化系組織部分の夫々にアクセス開口部を形成する工程を更に含み、前記アンビルのアンビルロッドを前記第一の消化系組織部分のアクセス開孔を通過させ、且つ前記第二の消化系組織部分のアクセス開口部を通過させて前記吻合器具に連結させる工程を更に含む上記25記載の方法。
28. 前記配置する工程の夫々は、外套針を通して腹腔鏡的に行われる上記27記載の方法。
29. 前記アンビルを前記吻合器具から分離し、前記食道を通して前記アンビルを引抜く工程を更に含む上記15記載の方法。
30. 前記導入する工程は、前記アンビルを前記第一の組織部分である胃組織部分の中に少なくとも部分的に配置することを含み、
前記挿入する工程は、前記吻合基部を前記第二の組織部分である腸組織部分の中に少なくとも部分的に配置することを含み、
それによって、前記発射する工程は、前記胃組織部分および前記腸組織部分を接合する上記15記載の方法。
31. 胃の上方部分を分離する工程を含み、前記胃の上方部分が前記食道に接合される上記30記載の方法。
32. 腸を切断して、前記胃に接合された第一の腸部分および前記第一の腸部分から分離された第二の腸部分を構成する工程を更に含む上記31記載の方法。
33. 前記第二の腸部分および前記胃の上方部分を接近させて接合する工程を更に含む上記32記載の方法。
34. 前記導入する工程は、前記アンビルを少なくとも部分的に、前記第一の組織部分である食道組織部分の中に配置することを含み、
前記挿入する工程は、前記吻合器具を少なくとも部分的に、前記第二の組織部分である胃組織部分および腸組織部分の一方の中に配置することを含み、
それによって、前記発射する工程は、前記食道組織部分を前記胃組織部分および前記腸組織部分の一方に接合する上記15記載の方法。
35. 前記導入する工程は、前記アンビルを少なくとも部分的に、前記第一の組織部分である第一の胃組織部分の中に配置することを含み、
前記挿入する工程は、前記吻合器具を少なくとも部分的に、前記第二の組織部分である第二の胃組織部分の中に配置することを含み、
それによって、前記発射する工程は、前記第一の胃組織部分および前記第二の胃組織部分を接合する上記15記載の方法。
36. 患者の胃の上方部分を分離する工程と、
腸を切断して、胃から分離された腸部分を構成する工程と、
前記腸部分および前記胃の上方部分を接合する工程と、を具備する消化系においてバイパス処置を行うための方法。
37. 前記接合する工程は、末端/末端吻合器具を用いて行われる上記36記載の方法。
38. 前記吻合器具と共に使用するために適合されたアンビルを、食道を通して前記胃の上方部分の中に導入する工程を更に含む上記37記載の方法。
39. 末端/末端吻合器具を前記腸部分の中に挿入する工程を更に含む上記38記載の方法。
40. 前記アンビルおよび末端/末端吻合器具を連結し、前記末端/末端吻合器具を発射させて前記腸部分および前記胃の上方部分を接合する工程を更に含む上記39に記載の方法。
41. 前記単離する工程は、線型ステープル留め器具を前記胃の回りに配置し、前記線型ステープル留めを発射して、前記胃の上方部分を前記胃の残部に関して分離することを含む上記40記載の方法。
42. 前記切断する工程は、前記小腸の回りに線形ステープル留め器具を配置し、該線型ステープル留め器具を発射することを含む上記41記載の方法。
43. 前記線型ステープル留め器具はこれに付随するナイフ刃を有し、また前記発射する工程は前記ナイフ刃を駆動し、前記腸を切断して前記腸部分を構成する上記42記載の方法。
44. 前記分離する工程、切断する工程および接合する工程は腹腔鏡的に行われる上記35記載の方法。
45. 消化系の消化組織部分にアクセスする工程と、
食道を通して第一の消化組織部分の中にアンビルを前進させる工程と、
吻合器具を第二の消化組織部分の中に挿入する工程と、
前記アンビルを前記吻合器具に結合し、前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化組織部分を接合する工程と、
前記アンビルを前記吻合器具から分離する工程と、
前記アンビルを前記食道を通して引抜く工程と、を具備する消化系におけるバイパス処置を行うための方法。
46 前記アンビルの前記吻合器具への結合を容易にするために、身体の外側の近位位置から前記アンビルを操作する工程を更に含む上記45記載の方法。
47. 前記アンビルは支持部材に装着され、また前記前進させる行程は、前記食道を通して前記支持部材を前記第一の組織部分に向けて通過させることを含む上記46記載の方法。
48. 前記引抜く工程は、前記食堂を通して前記支持部材およびアンビルを除去することを含む上記47記載の方法。
49. 前記分離する工程は、前記アンビルを操作して、前記アンビルを、前記食道を通しての引抜きのために位置決めすることを含む上記48記載の方法。
50. 支持部材、該支持部材に装着されたアンビル、および前記支持部材に関して装着された外側ガイドを含む、アンビル供給機構を準備する工程と、
消化系の第一および第二の組織部分にアクセスする工程と、
前記食道を通して、前記アンビル供給機構を少なくとも部分的に前記第一の消化組織部分の中に導入し、その際に前記外側ガイドが前記アンビルを実質的に閉じ込めて、導入の際に食道を保護する工程と、
吻合器具を前記第二の消化組織部分の中に挿入する工程と、
前記アンビルを、少なくとも部分的に前記挿入部材の外側ガイドから露出させる工程と、
前記アンビルを前記吻合器具に結合する工程と、
前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化組織部分を接合する工程と、を具備する外科的バイパス処置を行うための方法。
51. 前記少なくとも部分的に露出させる工程は、前記アンビルに連結された遠隔装置を駆動する工程を含み、前記遠隔装置は前記身体の外部の近位位置まで延出する上記50記載の方法。
52. 前記少なくとも部分的に露出される工程は、前記遠隔装置を前進させて、前記アンビルを前記外側ガイド内で前進させることを含む上記51記載の方法。
53. 一般的な長手方向軸線を構成し、近位端および遠位端を備え、且つ長手方向内腔を構成する細長い外側部材と、
前記外側部材の前記長手方向内腔内に少なくとも部分的に配置され、前記外側部材内での長手方向移動のために適合された旋回部材と、
アンビルロッドおよび該アンビルロッドに旋回可能に装着されたアンビルヘッドを含み、前記外側部材に装着され且つ前記旋回部材に動作可能に結合されたアンビルと、を有し、該アンビルヘッドは前記旋回部材の長手方向移動の際に非動作位置から動作位置へと旋回移動可能であり、前記アンビルロッドは末端/末端吻合器具に対して装着可能であるアンビル供給器具。
54. 前記旋回部材は、通常は、前記アンビルヘッドの動作位置に対応する第一の位置へと付勢される上記53記載の器具。
55. 前記旋回部材は、前記アンビルヘッドの非動作位置に対応する第二の位置に解除可能にロックされる上記54記載の器具。
56. 前記旋回部材に結合された手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回部材を解除して、前記旋回部材の前記第一の位置への長手方向移動を可能にするように操作される上記55記載の器具。
57. 前記外側部材の遠位端に動作可能に結合可能な細長いカテーテルガイドを更に含み、該カテーテルガイドは限定された通路を通して通過するための大きさである上記53記載の器具。
58. 前記カテーテルガイドは前記アンビルに結合される上記57記載の器具。
59. 前記アンビルはこれに装着された縫合アセンブリーを含み、該縫合アセンブリーは、前記アンビルにおける開口部を通して輪にされる或る長さの縫合糸を含む上記58記載の器具。
60. 前記縫合アセンブリーは前記長さの縫合糸に結合されたカプラーを含み、また前記カテーテルガイドは対応するカプラーを含み、該カプラーは前記カテーテルガイドを前記アンビルに結合するように係合可能である上記59記載の器具。
61. 取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端はアンビルロッドを収容するための長手方向内腔を構成する内部表面部分を有し、該内部表面部分は、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して、前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する大きさであるアンビルアダプター。
62. 前記アンビルアダプター部材の第二の末端は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターに対して回転可能に固定するために、前記アンビルロッドの外側スプラインを収容する大きさの円周方向に配置された内部溝を含む上記61記載のアンビルアダプター。
63. 前記第二の末端の内部表面部分は予め定められた程度の弾性を有し、それによって、前記アンビルロッドにおける拡大された装着部分の前記長手方向内腔への挿入を可能にする上記61記載のアンビルアダプター。
64. 前記第二の末端の内部表面部分は、前記アンビルロッドの拡大された装着部分に係合する大きさの当接壁表面を構成している上記63記載のアンビルアダプター。
65. 取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端は、アンビルロッドを収容する開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での相対的な移動のために装着された、一対の顎部を有するアンビルアダプター。
66. 前記一対の顎部は旋回ピンの回りに旋回可能に装着される上記65記載のアンビルアダプター。
67. 前記一対の顎部は、通常は前記閉鎖位置に付勢される上記66記載のアンビルアダプター。
68. 前記一対の顎部材をその前記開放位置に移動させるときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材から少なくとも部分的に排出するためのエゼクター機構を含む上記67記載のアンビルアダプター。
69. 前記エゼクター機構は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材に装着するときに、前記アンビルロッドと動作可能に係合するバネ手段を含む上記67記載のアンビルアダプター。
70. 前記エゼクター機構は前記バネ手段および前記アンビルロッドと係合可能なエゼクタープレートを含む上記69記載のアダプター。
71. 長手方向軸線を構成し、且つ該長手方向軸線に沿って約1.60インチ〜約2.00インチの長さを有する細長いアンビルロッドと、
該アンビルロッドに装着されたアンビルヘッドとを具備する、減少したプロファイルを有するアンビルアセンブリー。
72. 前記アンビルロッドは、約0.17インチ〜約2.0インチの、前記長手方向軸線を横切る最大断面寸法を構成する上記71記載のアンビルアセンブリー。
73. アンビルロッドおよびアンビルヘッドを第一の組織部分内に導入する工程と、
円形吻合器具を第二の組織部分の中に導入する工程と、
アンビルアダプターを前記アンビルロッドに取付ける工程と、
前記アンビルアダプターを前記吻合器具に結合する工程と、
それによって、前記取付ける工程および前記結合する工程の完了時に、前記アンビルアセンブリーは前記吻合器具に動作可能に結合される、組織部分の吻合処置を容易にする方法。
74. 前記取付ける工程は前記結合する工程に先立って行われる上記73に記載の方法。
75. 前記取付ける工程は前記結合する工程の後に行われる上記73に記載の方法。
76. ハンドルと、
前記ハンドルに結合され且つそこから伸びる細長いシャフト部材であって、長手方向軸を構成し且つ近位端および遠位端を有するシャフト部材と、
前記シャフト部材に装着されたアンビルであって、アンビルロッドおよびアンビルヘッドを含むアンビルと、
円形吻合器具に取り付けるために構成された第一の末端および前記アンビルに取外し可能に装着される第二の末端を有するアンビルアダプターと、
前記シャフト部材を通して伸び、且つ前記アンビルを前記アンビルアダプターから取外すように移動可能である解除部材と、を有する外科用器具。
77. 前記アンビルアダプターの第二の末端は、前記アンビルアダプターが前記アンビルロッドを収容および放出できる開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での移動のために装着された、少なくとも一つの部材を含む上記76記載の器具。
78. 前記アンビルは前記アンビルロッドの回りに装着され、且つ前記解除部材に動作可能に結合された解除カラーを含み、該解除カラーは前記解除部材の移動時に前記アンビルアダプターの一つの部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置へと移動させる上記77記載の器具。
79. 前記アンビルアダプターの第二の末端は一対の顎部を含み、該顎部は開放位置と閉鎖位置との間で移動するために装着され、前記解除カラーは前記顎部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置に移動させるように適合される上記78記載の器具。
80. 前記ハンドルに装着され且つ前記解除部材を移動させるために前記解除部材に動作可能に結合された、手動で係合可能な解除アクチュエータを含む上記79記載の器具。
81. 前記アンビルアダプターは、前記顎部が前記開放位置へと移動するときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターから少なくとも部分的に排出するためのエゼクターを含む上記80記載の器具。
【背景技術】
【0001】
1.開示の分野
本開示は、一般には肥満を治療するための装置および方法に関し、特に、消化系において腹腔鏡バイパス処置を行うための装置および方法に関する。
【0002】
2.関連技術の説明
病的な肥満は人口の3%〜5%に影響している。重篤な肥満は、早死、心疾患、発作、糖尿病、癌、肺疾患、整形外科的合併症および事故のリスクが非常に高い状態にある。また、肥満は、社会、職場等において差別を受ける。
【0003】
病的な肥満を治療するための幾つかの方法には、ダイエット、ピル、および他の減量計画が含まれる。また、胃の中に挿入するための機械的装置、例えば少なくとも部分的に胃を占有する胃内バルーンも利用されている。しかし、これらのアプローチは一般的に、限定された期間に限ってのみ有効である。加えて、このようなアプローチに参加した人々の95%は、彼等の元の体重を回復し、多くの場合には更なる体重増を生じる。
【0004】
長期に亘って有効であることが証明された肥満の治療方法には、より少量の消費された食物が身体に吸収されるように、一度に消費される食物の量を制限し且つ消化プロセスを変化させるための外科的手術が含まれる。これらの方法は、一纏めに肥満手術として知られており、胃形成術、胃バンディング、および胃バイパスが含まれる。
【0005】
胃形成術は、ステープルで留めることにより胃を二つのポーチ領域、例えば上部ポーチおよび下部ポーチに分離することを含んでいる。次いで、ステープル列を通して小さい開口部または小孔が形成される。従って、消費された食物は上部ポーチの中に集められ、前記小孔を通して低下した速度で下部ポーチの中に通過することによって、個人に満腹感を与え、食物摂取の量を制限する。この処置の欠点には、上部ポーチおよび小孔の拡張が含まれ、これによって該処置の長期の有効性が最小化される。
【0006】
垂直方向にバンドを施す胃形成術(VBG)においては、垂直列のステープルを適用することによって、胃の内部に上部胃ポーチが形成される。上部ポーチから胃の残りの部分に伸びる出口の拡張を防止するために、ステープル線に隣接した胃の回りにバンド(例えばMerleyメッシュ)が適用される。しかし、垂直方向にバンドを施す胃形成術(VBG)は、困難な術後治癒、並びに創傷感染、肺塞栓、胃穿孔、胆石等のような合併症を含む一定の欠点を有する。
【0007】
胃バイパスは、腸の再配置の要素を小さい胃のポーチと組み合わせる。より詳細には、この処置では、胃が上部ポーチと下部ポーチに分割される。消費された食物を受け入れる上部ポーチは容積が大きく減少され、小腸に直接接合される。しかし、従来の胃バイパス技術は侵襲的手術アプローチを含み、これは患者の回復および寝ていなければならない期間に有害な影響を有する。
【0008】
近年、患者に対する外傷を低下し、回復時間を最小限にする最小侵襲外科技術が開発されている。このような最小侵襲処置には、内視鏡検査、腹腔鏡検査、結腸内視鏡検査等が含まれ、典型的には、切開部から遠く離れた器官、組織および血管に対して手術を行うための細長く狭い器具を必要とする。腹腔鏡処置は小さい切開を通して、例えば、小さいな入口切開を通して腹腔の中に挿入された、管またはカニューレを通して腹部の内部で行われる。しかし、今日まで、消化系におけるバイパス処置のための満足な腹腔鏡的アプローチおよび器具は開発されていない。
【発明の概要】
【0009】
従って、本開示は、患者に対する外科的外傷を最小化するために、腹腔鏡を組み込んだ、消化系におけるバイパス処置を行うための外科用器具および方法に向けられている。一つの好ましい実施例において、胃形成処置の実行を容易にするための装置は、患者の食道を通して挿入および通過させるために採寸された外側ガイド部材であって、該外側ガイド部材の長さの少なくとも一部に沿って伸びる開口をその中に構成している外側ガイド部材と、少なくとも部分的に前記外側ガイド部材の開口内に配置され、且つ前記外側ガイド部材内において初期位置と駆動位置との間で長手方向に移動するために適合された細長いアンビル供給部材と、該供給部材に動作的に係合可能なアンビルとを含んでいる。アンビルは、長手軸を構成するアンビルロッドおよび該アンビルロッドに結合されたアンビルヘッドを含む。アンビルヘッドは、前記供給部材の初期位置にあるときには前記外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、また前記供給部材が前記駆動位置へ移動するときには、前記外側ガイド部材の遠位端から完全に露出される。
【0010】
前記アンビルヘッドは前記アンビルロッドに旋回自在に装着され、非動作位置と動作位置との間で移動可能である。前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置され且つ前記アンビルヘッドに動作可能に結合された旋回部材が、その第一および第二の位置の間で移動して、それぞれ非動作位置と動作位置との間での前記アンビルヘッドの対応する移動を生じさせる。この旋回部材は、通常はその前記第二の位置へと付勢される。旋回部材を前記第一の位置に解除可能にロックするための手段が旋回されてもよい。好ましくは、旋回部材を前記第一の動作位置に解除可能にロックするために、旋回部材は、前記供給装置および外側ガイド部材の一方の対応するロック表面と係合可能なロック表面を含んでいる。好ましくは、前記旋回部材は手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回素子のロック表面を構成する。旋回部材は、外科医によって把持されるように、挿入部材を超えて近位方向に伸びるような寸法である。
【0011】
或いは、前記アンビルは前記供給部材に旋回可能に装着されてもよい。前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置された細長い旋回部材は、前記アンビルに動作可能に結合され、また旋回運動範囲に亘って前記アンビルの対応する旋回運動を生じさせるように移動可能である。
【0012】
また、消化器系においてバイパス処置を行うための方法も開示される。この方法は、患者の食道を通して第一の消化系組織部分の中にアンビルを導入する工程と、吻合器具を、前記第一の消化系組織部分から変位して配置された第二の消化系組織部分の中に挿入する工程と、近位位置からアンビルを操作して、前記アンビルを前記吻合器具に対して望ましい向きに配置する工程と、前記アンビルを前記吻合器具に連結する工程と;前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化系組織部分を接合する工程とを含む。
【0013】
別の態様において、消化系においてバイパス処置を行うための方法は、患者の胃の上部胃部分を分離する工程と、腸を切断して、胃から分離された腸部分を構成する工程と、前記腸部分および前記胃の上方部分を接合する工程とを含む。前記接合する工程は、好ましくは末端/末端吻合器具を用いて行われる。この方法は更に、前記吻合器具と共に使用するために適合されたアンビルを、食道を通して前記胃の上方部分の中に導入し、また末端/末端吻合器具を前記腸部分の中に挿入する工程を含んでいてもよい。前記アンビルおよび末端/末端吻合器具が連結され、前記末端/末端吻合器具が発射されて、前記腸部分および前記胃の上方部分が接合される。
【0014】
前記分離する工程は、線型ステープル留め器具を前記胃の回りに配置し、該線型ステープル留め器具を発射して、前記胃の上方部分を前記胃の残部に関して分離することを含んでもよい。同様に、前記切断する工程は、前記小腸の回りに線型ステープル留め器具を配置し、該線型ステープル留め器具を発射することを含む。前記線型ステープル留め器具はこれに付随するナイフ刃を有してもよく、また発射するときには前記ナイフ刃を駆動し、前記腸を切断して前記腸部分を構成する。
【0015】
別の態様において、消化系においてバイパス処置を行うための方法は、消化系の消化組織部分にアクセスする工程と、食道を通して第一の消化組織部分の中にアンビルを前進させる工程と、吻合器具を第二の消化組織部分の中に挿入する工程と、前記アンビルを前記吻合器具に結合し、前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化組織部分を接合する工程と、前記アンビルを前記吻合器具から分離する工程と、前記アンビルを前記食道を通して引抜く工程とを含む。
当該方法は、更に、前記アンビルの前記吻合器具への結合を容易にするために、身体の外側の近位位置から前記アンビルを操作する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本開示の原理に従った、胃バイパス処置の実施を容易にするための装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1の装置の部品を分離して示す斜視図であり、当該装置の挿入部材およびアンビル供給部材を図示している。
【図3】図3は、部品を分離して示すアンビル供給部材の斜視図である。
【図4】図4は、当該装置の側断面図である。
【図5】図5は、胃バイパス処置を行うために利用される末端/末端吻合の斜視図である。
【図6】図6は、胃バイパス処置を行うために利用される内視鏡ステープ留め器具の斜視図である。
【図7】図7は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図8】図8は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図9】図9は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図10】図10は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図11】図11は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図12】図12は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図13】図13は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図14】図14は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図15】図15は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図16】図16は、本開示の一つの好ましい方法に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図17】図17は、本開示に従って行われるべき別のバイパス処置に関連するステープル線および切除線と共に、消化系の一部を示す図である。
【図18】図18は、図1の装置の別の実施例を示す斜視図である。
【図19】図19は、駆動位置にある図18の装置の斜視図である。
【図20】図20は、図1のもう一つの別の実施例を示す斜視図である。
【図21】図21は、図20の装置における先端部の斜視図であり、非動作位置にあるアンビルを図示している。
【図22】図22は、図20の装置における先端部の斜視図であり、動作位置にあるアンビルを図示している。
【図23】図23は、図1の装置の別の実施例の側面図である。
【図24】図24は、図23の装置の軸方向の端面図である。
【図25】図25は、当該装置の側断面図である。
【図26】図26は、当該装置の先端部の側面図であり、非動作位置にあるアンビルを図示している。
【図27】図27は、図26に類似した図であり、動作位置にあるアンビルを図示している。
【図28】図28は、当該装置の先端部の側断面図である。
【図29】図29は、本開示の装置の別の実施例の斜視図であり、カテーテルガイド、供給装置、および装着されたアンビルアセンブリーを示している。
【図30】図30は、カテーテルガイドおよび供給装置に装着されたアンビルアセンブリーの拡大斜視図である。
【図31】図31は、アンビルアセンブリーの縫合糸ユニットのカテーテルガイドへの結合を示す斜視図である。
【図32A】図32Aは、アンビルアセンブリーのアンビルロッドの断面図である。
【図32B】図32Bは、アンビルアセンブリーのアンビルロッドの側面図である。
【図33A】図33Aは、アンビルアダプターの側面図である。
【図33B】図33Bは、アンビルアダプターの断面図である。
【図34】図34は、アンビルアダプターへのアンビルロッドの装着を示す斜視図である。
【図35】図35は、アンビルアセンブリーおよび装着されたアンビルアダプターの断面図である。
【図36】図36は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図37】図37は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図38】図38は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図39】図39は、図29の器具を用いて腹腔鏡胃バイパス処置を行う際の、一連の工程の一つを示す図である。
【図40】図40は、本開示のもう一つの別の実施例を示す斜視図であり、供給装置および装着されたアンビルアセンブリーを示している。
【図41】図41は、図40の部品を分解して示す斜視図である。
【図42】図42は、初期位置にある当該装置の側断面図である。
【図43】図43は、図42の図と同様の図であり、アンビルヘッドの旋回位置に対応して駆動された旋回機構を示している。
【図44】図44は、図42の図と同様の図であり、吻合器具からアンビルを解除するように駆動された解除機構を示している。
【図45】図45は、アンビルアセンブリーに取付け可能な光ガイドの斜視図である。
【図46】図46は、アンビルアセンブリーに取付け可能な光ガイドの斜視図である。
【図47】図47は、光ガイドの部品を分解して示す斜視図である。
【図48】図48は、光ガイドの側断面図である。
【図49】図49は、アンビルアセンブリーに装着した状態で示すアンビルアダプターの斜視図である。
【図50】図50は、図49の50−50線に沿った、アンビルアダプターの断面図である。
【図51】図51は、アンビルアダプターのプランジャーと顎機構との関係を示す拡大隔離図である。
【図52】図52は、アンビルアセンブリーからアンビルアダプターを解除するための解除機構の駆動を示す、アンビルアダプターの断面図である。
【図53】図53は、アンビルアセンブリーからアンビルアダプターを解除するための解除機構の駆動を示す、アンビルアダプターの断面図である。
【図54】図54は、アンビルロッドを把持するのに適した把持器具の顎アセンブリーを示す拡大斜視図である。
【図55】図55は、アンビルロッドを把持するのに適した把持器具の顎アセンブリーを示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の好ましい実施例を、図面を参照して説明する。
ここに開示される方法および器具の好ましい実施例を、消化系のバイパス処置および該処置を実施するために利用される器具に関して述べる。特に腹腔鏡アプローチに関連して説明するが、本開示は従来の開放アプローチにも同様に適用され得ることが想定される。
【0018】
以下の論考には、消化系バイパス処置の実施に利用される各器具の説明と、これに続き、本開示に従ってこの器具を利用する好ましいバイパス方法の説明が含まれる。
以下の議論においては、伝統的な用法と同様、「近位」の語はオペレータに近い構造部分を意味する一方、「遠位」の語はオペレータから遠くにある部分を意味する。
【0019】
次に、図1〜図4を参照すると、本開示の原理に従って、腹腔境消化器バイパス処置を実行する装置の一つの好ましい実施例が示されている。装置10は、一般に二つの部品、即ち、外側ガイド部材12と、該外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置されるアンビル供給部材14とを含んでいる。ガイド部材12は可撓性材料でできており、アンビル供給部材14の展開の際に、必要に応じて屈曲または撓むことができるようになっている。好ましい実施例において、ガイド部材12はエラストマー材料からなっている。図4に最も良く描かれているように、ガイド部材12は、アンビル供給部材14の少なくとも一部を収容するための内部開口または内部キャビティー16を含んでいる。ガイド部材12は長手方向軸線「a」を構成しており、近位端部18、遠位端部20、並びに近位端部および遠位端部18,20の間に配置された中間部分22を有している。中間部分22は、近位端部18および遠位端部20の夫々の内部寸法18a,20aの何れよりも大きい内部寸法22aを構成している。また、中間部分22は、その中に構成された内部溝24を含んでいる(図4)。好ましくは、ガイド部材12の近位端部および遠位端部18,20は、図示のように、中間部分22に対して直線的な関係で徐々にテーパしている。ガイド部材12の遠位端部20は更に、軸開口部26を構成している。スリット28はガイド部材12を外側に拡開して、開口部26の有効サイズを大きくすることを可能にする。
【0020】
特に図2〜図4を参照すると、アンビル供給部材14は細長い支持部材30と、該支持部材30の遠位端に支持されるアンビル32を含んでいる。支持部材30は、細長部材34、ピン38によって細長部材34に装着される旋回ブロック支持体36、ピン42によって旋回ブロック支持体36に結合される旋回ブロック40を含んでいる。ここでは幾つかの部品として示されているが、支持部材30は一体のユニットとして製造してもよいことが理解される。細長部材34は、患者の胃から食道を通って伸び、口腔から出て外科医に把持されるように、好ましくは充分な長さで且つ比較的可撓性である。
【0021】
アンビル32は、以下で述べるように、円形吻合器具または末端/末端吻合器具と共に使用されるものである。アンビル32は、アンビルヘッド44と、該アンビルヘッド44から伸びるアンビルロッド46とを含んでいる。一般に、アンビルヘッド44は複数の凹部を含んでおり、これらは円形吻合器具から射出されたステープルを整形および閉じるように適合される。アンビルロッド46は、円形吻合器具の対応する装着構造に係合して、アンビル32を当該器具に装着する。アンビル32は更に旋回ヘッド48を含んでおり、該ヘッドは、ピン50を介して旋回ブロック40に旋回自在に結合され、アンビル32が、少なくとも予め定められた範囲の旋回運動を通して旋回するのを可能にする。好ましい実施例において、アンビル32は、長手軸に対して90°の範囲で一方向に旋回可能であり、その移動範囲は、旋回ヘッド48の棚52および旋回ブロック40の係合によって制限される(図4参照)。本開示の目的に適した一つのアンビルは、本願と共に共通人に譲渡されたGreen等の米国特許第5,718,360号に開示されており、その内容は本明細書の一部として本願に援用される。
【0022】
図3〜図4に最も良く描かれているように、アンビル供給部材14は更に旋回ロッド54を含んでおり、該ロッドはガイド部材12を通って伸び、図示のようにアンビルのアンビルヘッド44に係合する。好ましい構成において、旋回ロッド54はフック位置56を含んでおり、これはアンビルヘッド44内に配置された対応する大きさの収容溝58に係合する。アンビルヘッド44および旋回ロッド54を結合するための他の手段もまた、同様に想定される。旋回ロッド54は、外科医が操作するために、胃から食道を通って延出するのに充分な長さである。旋回ロッド54は、アンビル32を所望の向きで選択的に旋回させるように、取り付けられた位置と延長位置との間で長手方向に移動可能である。
【0023】
ガイド部材12内でのアンビル供給部材14の組立て状態において、アンビルヘッド44の外側マージンは、ガイド部材12の内側溝24内に収容されて、アンビル32を所望の位置に保持する。溝24は省略されてもよい。その場合、アンビル32は、アンビルヘッド44とガイド部材12の内壁面との摩擦係合によって、ガイド部材12内に固定すればよい。
【0024】
次に図5〜図6を参照すると、本発明の原理に従う方法を実施するために利用される追加の機器類が示されている。図5は、円形吻合器具または末端/末端吻合器具を図示している。この器具100は、コネチカット州ノーウォークのU.S.サージカル・コーポレーションが製造するPREMIUM CEEATMの名称で販売されており、本願と共に共通人に譲渡された米国特許第5,119,983号の主題である。この特許の内容は、本明細書の一部として本願に援用される。器具100は細長いシャフト102を含んでおり、該シャフトは、その近位端に、該器具を駆動するためのハンドル部分104を有しており、また遠位端にはステープル保持部品106が配置されている。上記で述べたアンビル32のようなアンビル部品は、遠位端に装着することができる。ステープル留めすべき器官の反対端部分は、アンビルヘッド44とステープル保持部品106の間にクランプされる。クランプされた組織は、ステープル保持部品106から一以上のステープルを駆動することによってステープル留めされ、ステープルの両端が組織を貫通して、アンビルヘッド44によりクリンチされるようになっている。円形吻合処置の幾つかの適用においては、吻合すべき組織の中に当該器具を挿入する前に、アンビルヘッド44を取付けたアンビルロッドが、シャフト102の遠位端に装着される。しかし、本開示の好ましい方法に従う他の適用においては、取外し可能なアンビル32を利用するのが好ましく、これは当該器具およびアンビル部品を夫々の組織区画内に配置した後に、当該器具に取付けることができる。このような例では、ステープル留め器具およびアンビル32は、別々に手術部位に適用される。次いで、夫々の組織区画が、巾着糸によって、アンビル32またはステープル保持部品106にそれぞれ固定される。アンビル32は、該アンビル32のアンビルロッド46を当該器具の遠位端内に挿入することによって手術器具に装着され、当該器具内の装着機構がロッド46にしっかりと係合するようになっている。
【0025】
図6は、コネチカット州ノーウォークのU.S.サージカル・コーポレーションが製造するPREMIUM CEEATMの名称で販売され、また本願と共に共通人に譲渡された米国特許第5,119,983号の主題である、内視鏡的線型外科ステープル留め装置を図示している。この特許の内容は本明細書の一部として本願に援用される。器具200は、複数の長手方向または線型ステープル列を配置するために適合されており、またステープル列の間の身体組織に切開を形成するためのナイフを含んでいる。該器具200は、フレーム202および該フレームに装着された細長い管状部材204を含んでいる。管状部材の遠位端部分には、複数列のステープルを収容するカートリッジアセンブリー206が装着される。アンビル208はカートリッジアセンブリー206に対して旋回移動され、両者の間に組織を配置する。駆動されると、ステープルが発射されてアンビル208によりクリンチされる一方、ナイフは隣接したステープル列の間で組織を切断する。
【0026】
図7〜図16において、本開示は、消化系におけるバイパス処置を行うための方法を記載しており、好ましくは腹腔鏡的なアクセス、並びに第一および第二の消化系組織部分の接合を示している。ここで構成される消化系または消化管には、口腔、咽頭、食道、胃、十二指腸および大腸が含まれる。
【0027】
次に、例として図7〜図16を参照すると、本開示の原理に従う上述の器具を利用した、腹腔鏡的バイパス処置を行うための好ましい方法が図示されている。最初に、腹腔に吹込みガスを導入するが、これは吹込み装置の腹膜針を通して導入され、腹膜ライニングを膨張させてその中へのアクセスを向上させる。図7を参照すると、図6の内視鏡線型ステープル留め器具200が、腹腔にアクセスする外套針「t」を通して導入される。この器具200を操作して、胃の上方部分を、アンビル208とカートリッジアセンブリー206の間に配置する。器具200を一回目に発射することにより、第一の複数の線型ステープル列が胃の部分に一つの角度配向で適用され、次いで二回目に第二の角度配向で発射されて、第二のステープル列が適用される。図7〜図8に描かれているように、ステープル留め器具200は、好ましくは胃の右側から左側(図では左から右へ)と徐々に上方に伸びるステープル線S1を形成するように、食道に対して配置される。器具200内に組込まれたナイフ刃は、ステープル線S1の隣接する列の間の組織を除去または切断する。こうして、上記の方法で適用された器具200は、胃の残りの下部切片「l」から分離され隔離された胃上部切片「u」を形成し、上部および下部の胃切片「u,l」は、夫々のステープル留め列S1aおよびS1bによって閉じられる(図8)。或いは、胃上部切片「u」は、ナイフ刃をもたないステープル留め器具200を使用することによって、胃の残部に付着したままであってもよいことが想定される。
【0028】
図7を参照すると、線型ステープル留め器具は、次いで下腹部の外套針「t」を通して、小腸に隣接して配置される。好ましくは、器具200は十二指腸「d」から略5〜15インチの、小腸の中間部分に隣接して配置される。該器具200が発射されてステープル線S2を形成するようにステープルが適用され、好ましくは腸部分を切除することにより、胃に接続された第一の腸部分「b1」と、腸管の残部に結合された第二の腸部分「b2」を形成する。第一の腸部分および第二の腸部分の末端「b1」「b2」は、夫々の線型ステープル列S2aおよびS2bで閉じられる(図8)。
【0029】
特に図8を参照すると、装置10が患者の食道「e」内に挿入され、形成された胃上部「u」内を「A」の方向に前進される。小腸部分「b2」は、胃上部区画「u」に向けて操作される。好ましくは、胃にアクセスする外套針スリーブ「t」を通して導入された従来の把持器具を利用して、腸部分「b2」を所望の位置へと操作する。円形吻合器具100(図5)が、胃上部「u」に隣接して配置された外套針「t」を通して挿入され、好ましくは、先に外套針内に挿入された従来の腹腔鏡切除器具を用いて腸部分「b2」に形成された、開口部「o」内に配置される。その後、円形吻合器具100の遠位端は、ステープル保持部品106が腸部分「b2」のルーメン内に配置されるように、開口部「o」内を進められる。
【0030】
次に図9〜図10を参照すると、アンビル32を操作し、次いで旋回ロッド54を図9に示す位置から図10に示す位置へと前進させることにより旋回させて、図示のように、アンビルロッド46を器具100への結合のための望ましい配向で配置する。上記で述べたように、アンビル32は略90°の移動範囲に亘って旋回される一方、ガイド部材12はこのような旋回運動を可能にするために十分に可撓性である。理解されるように、ガイド部材12は、支持部材30に対するアンビル32の旋回運動の際、胃の内部をアンビルから保護する。
【0031】
図11〜図12を参照すると、器具10の支持部材30は長手方向に進められ、アンビル32をガイド部材12内で前進させて、アンビル32のアンビルロッド46の端部をガイド部材12から露出させる。このような運動の際に、案内部材12の外壁におけるスリット28(図2)は、この外壁を外側に偏位させて、アンビルロッド46が開口部26を通過するのを可能にする。その後、アンビルロッド46は、キャビティーにアクセスする外套針を通して挿入された従来の鉗子で把持することができ、従来の手段により胃上部「u」に形成された開口部「o2」を通して、図12に示す位置へと前進させることができる。鉗子は、腸部分「b1」に形成された開口部「o」(図8)を通して挿入すればよく、アンビルロッド46を把持し、また開口部を通してアンビルロッド46を引張るように誘導すればよい。この方法に従えば、器具100のステープル保持部品106は、アンビルロッド32のアンビルロッド46にアクセスした後、開口部「o」内に導入される。また、アンビルロッド46は、円形吻合器具100に連結するために、胃組織を貫通するように操作される尖った先端を含み得ることも想定される。或いは、尖ったアンビルロッド46はステープル線S1a,S2bを通過してもよい。
【0032】
図13〜図14を参照すると、アンビルロッド46は、外套針(図示せず)を通して挿入された従来の鉗子を用いて把持され、且つアンビルロッド46が円形吻合器具100に隣接するように配置される。その後、アンビルロッド46は円形吻合器具110内に挿入されて、これと機械的に結合される。その後、アンビルロッド46が従来と同様に近づけられ、当該器具が発射される。器具100が発射される結果として、ステープルの円形アレイが腸区画「b2」および胃上部組織を通って進められ、該上部「u」および小腸部分「b2」を接合する。加えて、吻合器具100の円形ナイフが当該組織区画の間に環状開口部を構成し、胃上部「u」の内部および腸部分「b2」を流体的に結合する。その後、アンビル34は円形吻合器具100から取外され、またアンビル32を取付けた供給器具が、食道「e」を通して、即ち、図8に示した挿入方向「A」とは反対の「B」方向に除去される。
【0033】
図15を参照すると、ここでは腸区画「b1」「b2」の再結合に注意が向けられる。一つの好ましい方法において、腸区画「b1」「b2」は並置隣接して配置され、図6の線型ステープル留め器具200を使用して接合される。即ち、器具200は、腹部領域にアクセスする外套針「t」内に導入される。その後、カートリッジアセンブリー206が、ステープル線S2aを通して腸区画「b1」の末端内に導入される。腸区画「b2」の壁に開口部「o」が形成され、続いて、アンビル208が該開口部内および腸区画「b2」のルーメンの中に挿入される。器具200を近付けて発射し、腸区画「b1」「b2」がステープル列で接合され、それによってナイフの刃が隣接するステープル列の間を切断し、腸区画「b1」「b2」のルーメンを接続する。器具200が除去され、腸区画「b2」の壁にある開口部が閉じられる。
【0034】
図16に描かれた別の方法では、図5の円形吻合器具100が、腹部キャビティーにアクセスする外套針「t」を通して配置される。腸区画「b1」のステープル留めされた閉鎖端が、腸区画「b2」の壁に当接して配置される。その後、腸区画の一方、例えば腸区画「b1」にアクセス開口「o」が形成され、該開口「o」内に、アンビル32を装着したステープル保持部品106が導入される。器具100を前進させて、腸区画「b2」に形成された開口にアンビルヘッドを通し、腸区画「b2」のルーメン内にアンビルヘッド44を配置する。その後、アンビルヘッド44を近付けて器具100を発射し、腸区画「b1」「b2」の縁部組織部分を接合する一方、器具100の円形ナイフが組織を切断して、区画「b1」「b2」の夫々のルーメンを接続する。
【0035】
こうして、本開示の装置および方法によれば、胃の寸法が顕著に減少される一方、腸管の正常な消化経路が維持され、それによって肥満の有効な治療が提供される。この好ましい外科的アプローチは侵襲が最小限であり、これは患者の外傷および回復時間を顕著に減少させる。図7〜図16に関連して説明したような、ステープル線S1に隣接した胃上部区画「u」を、ステープル線S2に隣接した小腸に接続する上記の胃バイパス処置に加えて、他の好ましいバイパス処置も想定される。例えば、食道および胃の一部を、それぞれステープル線S4およびS5に隣接して切断し、その後、バイパス処置でステープル線S4,S5に隣接して再接合してもよいことが想定される。より詳細に言えば、図7〜図15に関連して上述した方法で、ステープル線S5が胃の中間区画に形成される。もう一つのステープル線S4が、食道の下端に形成される。このステープル線S4は、上記で説明したのと同様の方法で、図6のステープル留め器具200を用いて、外套針を通して形成すればよい。切断された食道および胃の組織(即ち、ステープル線S4,S5の間)は除去される。装置10が食道の中に導入され、アンビル32が展開され、ステープル線S5に隣接した開口部(図示せず)を通して操作される。次いで、円形吻合器具100がステープル線S5の下の胃部分に導入され、続いて吻合器具100およびアンビル32が上述のようにして結合される。組織に接近させて器具を発射させることにより、ステープル線S4に隣接した食道区画を、ステープル線S5に隣接した胃区画に接合する。次いで、アンビル32を吻合器具100から取外して除去することにより、処置を完了する。
【0036】
当業者は、消化系における追加のバイパス処置を行う好ましい方法を容易に適合させることができる。この方法には、ステープル線S1またはS5で構成される胃区画を、ステープル線S2またはS6で構成される腸区画に接合させること;ステープル線S3またはS4で構成される食道区画を、ステープル線S1またはS5に沿って構成される胃区画に接合させること;ステープル線S3またはS4に沿った食道区画を、ステープル線S2またはS6に沿って構成される腸区画に接合させること;或いは、ステープル線S1,S5に沿って胃区画を接合することが含まれるが、これらに限定されない。ステープル線S1〜S6は正確な線として示されているが、図16におけるそれらの位置は、消化系におけるバイパス処置を図示する目的で描写したものであり、当業者は、個々の適用にについて当該方法の範囲内で変更することができる。同様に、吻合器具100、内視鏡線型ステープル留め器具200、およびアンビル32は代表的な器具であり、これらは同様の機能を実行する一以上の同様の装置で置換することができる。
【0037】
次に、図18〜図19を参照すると、本開示の腹腔鏡消化系バイパス処置に関連してアンビルを供給するための、図1〜図4に示した装置10の別の実施例が示されている。装置300は、外側シース302、該外側シース302内に配置されたアンビル供給部材304、および外側シース302内に装着されたアンビル部品306を含んでいる。供給部材304は、近位端部のディスク形ハンドル308を含んでおり、これを前進させることにより、アンビルは外側シース302内に配置された初期位置(図18)と、アンビル306が外側シース302から完全に排出される前進位置(図19)との間で移動される。装置300は更に、ブルノーズ形状のキャップ310を含んでおり、これは食道を通過する際にアンビルロッド312を覆うように、アンビルロッド312の近位端に装着される。該キャップ310は好ましくは生体吸収性ポリマーで製造され、アンビル部品306が外側シース302から展開された後に、キャップ310がアンビルロッド312から除去されて残り、身体に吸収され得るようになっている。
【0038】
次に、図20〜図22を参照すると、図1に示した装置10のもう一つの別の実施例が示されている。この実施例によれば、装置400はアンビル部品402を含んでおり、該部品は、旋回継手406を介して旋回自在に供給部材404に装着されることにより、略180°の旋回移動範囲を提供する。加えて、アンビル部品402のアンビルヘッド408は、旋回ピン412を介してアンビルロッド410に旋回自在に装着されており、アンビルロッド410に対して180°に亘る運動範囲で旋回する。これは、末端/末端吻合器具100に対するアンビル部品402の位置決めを容易にする。加えて、この構成はアンビル部品402の全体のプロファイルを著しく減少させることにより、外側シース(図示せず)からのアンビル部品の放出性、および食道管通過性を向上する。詳細には、外側シース(図示せず)の中に位置するとき、アンビルヘッド408は非動作位置、即ち、アンビルロッド410に対して90°に旋回した図21の配置にある。所望の消化器組織、例えば胃上部区画「u」の中で展開されると、アンビル部品402は、上記で説明したようにして図5の吻合器具100に装着される。その後、供給部材404を近位方向に引張ることによって、アンビルヘッド408は円形吻合器具100のステープル保持部品106に対して適正な動作向き(図22)に旋回される。
【0039】
次に、図23〜図28を参照すると、本開示の原理に従って腹腔鏡胃バイパス処置を行う装置のもう一つ別の実施例が図示されている。装置500は、外側シースまたはガイド部材(図示せず)を含むことができ、これは図1の装置10における外側ガイド12の構成、または図18の装置における外側シース302の構成と同様であればよい。或いは、好ましい実施例において、外側シースは装置500に組込まれない。装置500は更に、長手方向の開孔504を構成する供給部材502、少なくとも部分的に該長手方向開口504内に配置された旋回素子506、および供給部材502に連結されたアンビル部品508を含んでいる。供給部材502は、近位端のディスク形状のハンドル510を構成しており、これはユーザが関与するために有利な大きさになっている。供給部材502および旋回素子506は、好ましくは胃上部区画から食道を通り、口または口腔から延出するために充分な長さである。
【0040】
旋回素子506は、その近位端に、手動で係合可能な部分またはボタン512と、該ボタン512に連結されてそこから遠位方向に伸びる旋回リンク514とを含んでいる。旋回リンク514は、ピン518を介して、アンビル部品508のアンビルヘッド516に連結されている。好ましい実施例において、旋回素子506は、ピン520を介して相互に連結された近位リンク部分および遠位リンク部分506a,506bを含んでいるが、旋回素子506は単一部品であってもよいことが想定される。
【0041】
旋回素子506は、アンビル部品508におけるアンビルヘッド516の対応する旋回移動を生じるために、供給部材502内において、初期位置(図25)と駆動(または後退)位置との間での長手方向往復運動するようになっている。旋回素子506は、コイルバネ522によって通常は駆動位置に付勢されている。コイルバネ522は、ディスク形状のハンドル510の内部に装着されており、その一端はハンドル510の内壁表面524と係合し、他端はボタン512の当接表面526に係合している。旋回素子506は、その初期位置において、ロック機構により、コイルバネ522のバイアスに抗して解除可能にロックされる。好ましい実施例では、供給部材502のハンドル510の近位端において、ロックリング528が周面の凹部530内に装着される。ロックリング528は、内部ロック棚532を構成している。同様に、旋回素子506のボタン512は対応するロック棚534を含んでおり、これはロックリング528の棚532に係合して、旋回素子506を初期位置に解除可能にロックする。ボタン512を解除するためには、ボタン512をロック棚から半径方向に、即ち、図24に関して左側に向けて移動させる。なお、ボタン512とロックリング528の間には充分な隙間が存在しており、ボタン512のこのような半径方向の移動を可能にする。解除されると、旋回素子506はコイルバネ522の影響下で後方に動き、アンビル部品508の旋回アンビルヘッド516を、図27の動作位置に旋回させる。
【0042】
図28を参照し、図23〜図27との関連において、アンビル部品508の更なる詳細を説明する。アンビル部品508は、アンビルロッド538と、旋回ピン540を介して旋回可能にアンビルロッド538に装着されたアンビルヘッド516とを含んでいる。アンビルヘッド516は、旋回素子506の初期位置にあるときに、供給部材502の軸に対して斜めに配置される。このような配置は、アンビル部品508の全体のプロファイルを顕著に減少させることにより、外側シースの全体の直系を減少させる。これによって、当該装置が食道管の限定されたルーメンを通過するのが著しく容易になる。
【0043】
アンビル部品508は、アンビルヘッド516とは反対側のアンビルロッド538の端部に装着された、アダプターアセンブリー542を有している。アダプターアセンブリー542は、一端において、アンビル部品508のアンビルロッド538を収容する長手方向の開口546を構成するアダプターロッド544を含んでいる。好ましくは、アダプターアセンブリー542の長手方向開口546は、アセンブリー542がアンビルロッド538の入口端部の回りにスナップ嵌合を形成して、アンビルロッド538をアダプターアセンブリー542に装着するように、対応した寸法とされる。アダプターアセンブリー542は、好ましくは吻合器具100(図5)に連結され、続いて該器具が手術部位に導入された後に、アンビル部品508に連結される。即ち、当該器具500が食道の中に導入される前には、アダプターアセンブリー542はアンビル部品508に結合されない。なお、説明の目的のために、図21〜図28において、アダプター542はアンビルロッド538に装着して示されている。或いは、アンビルアダプター542は、手術部位に導入された後に先ずアンビルロッド538に取付けられ、次いで吻合器具100に連結されてもよい。アダプターアセンブリー542の使用は、アンビルロッド538の寸法および直径を顕著に減少することを可能にし、それによって、当該器具500およびアンビル部品508が食道を通過するのを容易にし、また手術部位の周囲における操作を容易にする。アダプターアセンブリーの更なる詳細を、図29の実施例との関連において説明する。
【0044】
図7〜図16に関連した使用において、アンビル部品508を装着した装置500は、食道管を通して導入されて、胃上部区画「u」(図8)内で前進される。アダプターアセンブリー542を装着した円形吻合器具100が、腸区画「b2」内に導入される(図8)。次いで、アンビルロッド538が、上記で述べた方法でアンビルアダプター542に連結される。或いは、先ずアンビルアダプター542をアンビルロッド538に結合し、続いて該アンビルアダプター542を円形吻合器具100に連結する。次いで、器具500のボタン512を解除して、旋回素子506がコイルバネ522の付勢下で近位方向に移動するのを可能にする。旋回素子506が近位方向に移動すると、アンビルヘッド516はその動作位置(図27)へと旋回し、それによりアンビル表面はアンビルロッド538に対して直交する。器具100のアンビル部品508とステープル保持部品106とが接近し、当該器具は、組織区画「b1」「b2」を結合するように発射される。完了すると、アンビルロッド538はアダプターアセンブリー542から外され、アンビル部品508を装着した装置100は食道管を通して除去される。除去する前に、好ましくはアンビルヘッド516が旋回され、ボタン512を押すことによって非動作位置にロックされる。
【0045】
次に図29を参照すると、本開示のもう一つの別の実施例が示されている。システム600は、供給器具602、アンビル部品604、およびアンビル部品604に取外し可能に結合されたカテーテルガイド606を含んでいる。供給装置602は、図23〜図28に関連して説明した装置500と実質的に同様であり、その動作機構の詳細についてはこれを参照する。アンビル部品604もまた、図23〜図28のアンビル部品508と同様である。しかし、この実施例に従えば、図30に最良に描かれているように、アンビル部品604は更に縫合ユニット608を含んでいる。縫合ユニット608は、供給器具102をカテーテルガイド606と結合する際に機能する。縫合糸612がアンビルロッド616の孔614を通され、アンビルヘッド610の垂下表面の開口部618に通されて、レーストラック構成のアンビルロッド616における孔614を通して戻される。図30〜図31に描かれているように、縫合糸610の自由端は、従来の手段によって外部にネジを切ったカラー622に結合され、これは次に述べるカテーテルガイド606に結合される。縫合糸610は、アンビルヘッド610を旋回された非動作位置に保持するのを容易にするように、アセンブリー上で充分に緊張している。
【0046】
図32Aおよび図32Bを参照すると、アンビルロッド616は、制限された食道通路を通しての非侵襲的輸送のために特に適合されている。より具体的には、アンビルロッド616は、円形吻合器具と共に使用される従来のアンビルロッドに比較して、その長さおよび断面寸法が実質的に減少されている。アンビルロッド616の長さ「l」は約1.5インチ〜約1.90インチであり、最大直径「d」は約0.17インチ〜約0.21インチである。好ましい実施例においては、長さ「l」は約1.79インチであり、最大直径「d」は約0.19インチである。これは、従来のアンビルロッドに比較して、長さおよび直径において約45%および約57%の減少に相当する。
【0047】
アンビル部品604は、アンビルアダプター618を介して円形吻合器具に結合される。図33〜図35を参照すると、アンビルアダプター618は、円形吻合器具への接続のために一端にテーパした装着部分622を有するアダプターロッド620と、円形吻合器具100の対応する内部スプライン/溝に係合するための外部スプライン624とを含んでいる。アンビルアダプター618の結合は、米国特許第5,119,983号または第5,718,360号に開示されたUSSC PREMIUM CEEATM器具へのアンビルの結合と同様である。図33〜図34に最良に描かれているように、アダプターロッド620の第二の末端に隣接した軸方向開口626は、ロッド620の中間部分まで伸びている。軸方向開口626は、該開口の拡大された内部キャビティー630の中に伸びる内側にテーパした壁628によって構成される。このテーパした壁628および内部キャビティー630の接合部は、当接表面632を構成する。複数の内部スプライン634がアンビルロッド616の第二末端に隣接して配置され、一般に長手方向に伸びている。アンビルロッド616およびアダプター620を組立てる際、アンビルロッドのテーパした部分617がアダプター618の軸開口626内に挿入される。ロッド616をアダプター618内で前進させて、内側のテーパした壁628で構成された狭い開口部を通過させるときに、テーパした壁628はバネ式に外側に付勢されて、テーパした装着部分617の通過を可能にすることにより、クリアランスの時に、アンビルロッド616は、アンビルロッドのテーパした装着部分617とアダプター618の当接表面632との係合によって、アダプター618内でロックされる。挿入の際、アンビルロッドの外部スプラインは、好ましくはアダプター618の内部スプライン634と整列して噛合い関係で収容され、それにより、アンビルロッドはアダプターに対して回転方向でも固定されるようになっている。以下で述べるように、アンビルアダプター618は寸法の小さいアンビルロッド616の使用を可能にする。
【0048】
図29を参照すると、装置600のカテーテルガイド606は可撓性の外側部材636を含んでおり、該部材は好ましくは適切なポリマー材料で作製され、またその中に広がる長手方向の内腔638(想像線で示す)を構成する。外側部材636は約36インチ〜約60インチの長さであり、ユーザによる関与のために、少なくとも切断された胃上部区画から食道を通って口から延出する。外側部材636の遠位端は、アーチ状または湾曲状の区画640を構成するようにプリフォームされる。このような特徴的構造は、カテーテルガイド606の操作、並びに食道を通しての、その切断された胃の上方部分への通過を容易にする。外側部材636の遠位端には非外傷性チップ642が装着されており、またカプラー部材644が外側部材の近位端に取付けられている。図31に描かれているように、カプラー部材644はその近位端に内部ネジ溝646を含んでおり、該ネジ溝は縫合ユニット608の外部ネジを切ったカラーを収容して、供給装置およびカテーテルガイド606を動作可能に結合する。カプラーおよびカラー部材644,622の螺合を容易にするために、カプラー部材644は、好ましくは外側部材636の回りに回転可能に装着される。カテーテルガイド606は、更に、外側部材636の長手方向開口内に収容可能なガイドワイヤを含んでいてもよい。好ましくは、該ガイドワイヤは、ユーザによる関与のために、外側ガイドの遠位端部から近位端部へと伸びるのに十分な長さである。しかし、ガイドワイヤの使用は任意であることが理解されるべきである。
【0049】
次に、装置600の使用について述べる。胃上部区画「u」および腸「b2」が、図7および図8に関連して上記で述べた方法で切断される。今回は図36を参照すると、最初に、カテーテルガイド606および挿入されたガイドワイヤ「w」は、使用されるときに口腔内に導入され、食道通路「e」を通過して、胃上部「u」内に進められる。なお、外側部分636の湾曲した遠位部分640は、カテーテルガイド606の手動操作による通過、および外側部材636の回転を容易にする。外側部材636の遠位端が胃上部「u」にアクセスしたら、ガイドワイヤ「w」は、口腔を通してガイドワイヤを近位方向に後退させることによって除去される。次いで、供給器具602がカテーテルガイドの近位端に結合され、該ガイドは口から、アンビル部品640のカラーのネジ付き中間接続部および上記で述べた外側部材636のカプラー644を通って伸びる。
【0050】
図37を参照すると、外科医は次に、胃上部「u」にアクセスする切開部「o」または外套針を通して外側部材636にアクセスし、全体のシステム600を食道「e」を通して矢印「A」の方法に引張る。従って、アンビル部品604および取付けられた供給器具602は食道管「e」を通過する。なお、アンビルヘッド610は、食道管の通過を容易にするために、その旋回された非動作位置にある。外科医は、アンビル部品604が胃上部「u」の中にあって外科医に見えるようになるまで、当該部品を前進させ続ける。その後、アンビル部品604に取付けられた縫合ユニット608が切断されて、アンビル部品604から除去され、それによってカテーテルガイド606がアンビル部品604から分離される。カテーテルガイド606は廃棄する。
【0051】
図38を参照すると、腸区画「b2」が胃上部区画「u」に隣接して配置される。外套胃針「t」が腸区画「b2」の開口部「o」内に導入される。アダプター618を取付けた円形吻合器具100が外套針「t」の中に挿入され、胃上部「u」の開口部に通される。
【0052】
次いで、アンビルアダプタ618が、アンビル部品608のアンビルロッド616に装着される。供給器具602は、その近位端が口から露出するように食道を通して伸びており、次いで、該供給器具を図23〜図28の実施例に関連して説明した方法で駆動されて、アンビルヘッド610を動作位置に旋回させる。円形吻合器具100およびアンビルヘッド610を近付け、器具100を発射させて、先に述べた方法で組織部分を結合する。
【0053】
図39を参照すると、アンビル部品604がアンビルアダプター618から外される。供給器具602が駆動されて、アンビルヘッドが旋回された非動作位置に戻される。その後、アンビル部品604が取付けた供給器具602は、図39の方向Bに沿って戻され、除去される。
【0054】
次に、図40〜図42を参照すると、本開示のもう一つ別の実施例が示されている。システム700は、供給器具702と、該供給器具702に取外し可能に装着されたアンビルアセンブリー704を含んでいる。アンビルアセンブリー704は、図23〜図30の実施例に関連して説明したアンビルアセンブリー604と実質的に同様であり、アンビルアセンブリーの詳細についてはそれが参照される。供給器具702は、接着性ネジ等を介して相互に結合されたハンドルの半区画706a,706bを有するハンドル706と、ハンドル706に結合されて、そこから遠位方向に伸びる細長いスリーブ708とを含んでいる。好ましい実施例において、ハンドル706は、該ハンドル706内に装着される外側にネジを切ったカラーを含んでおり、これは細長いスリーブ708の対応する内側ネジ部分710に螺合してこれら二つの部品を結合する。バヨネットカップリング、接着剤等を含む、結合のための他の手段も想定される。ハンドル706は更に、アンビルアセンブリー704を旋回させる旋回機構を駆動するように機能するための、近位方向に配置されたボタン714と、アンビルアセンブリー704を吻合器具から取外す解除機構を駆動するための、手動で係合可能な解除ボタン716とを有している。旋回機構および解除機構については、以下で更に詳細に述べる。
【0055】
次に、図41〜図43を参照すると、旋回機構は、図29の実施例の旋回機構と実質的に同様であり、ボタン714から伸びる旋回素子718と、この旋回素子718に結合された旋回ロッド720とを含んでいる。ボタン714および旋回素子718は、図示のように、単一のユニットとして一体に形成することができる。旋回素子718は、その遠位端に、旋回ロッド720の近位端を収容するための半円形の開いた区画722を構成している。内部の円周方向リブ724は半円形区画722と一体に形成されており、旋回ロッド720の円周方向溝726の中にスナップ嵌合されて、二つの部品を結合する。
【0056】
旋回機構は更に、旋回ロッド720の遠位端に形成された溝730の中に収容される旋回リンク728を含んでいる。旋回リンク728は、ピン732を介して旋回ロッド720に旋回自在に結合され、更に、ピン734を介してアンビルアセンブリーのアンビルヘッド610に結合される。旋回機構は長手方向に移動して、動作位置(図42)と旋回位置(図43)との間での、アンビルヘッド610の対応する旋回運動を生じる。旋回機構は、コイルバネ736によって、アンビルアセンブリーの動作位置(図42)に対応した近位方向にバネ付勢される。コイルバネ736は、旋回素子718の回りに同軸に配置され、その近位端は旋回素子718の当接表面738に係合し、またその遠位端はカラー740に係合している。カラー740は、ハンドル706の内壁741に隣接して、ハンドル部分706a,bの内部に固定結合されている。この構成において、コイルバネ736は、通常は旋回素子718および旋回ボタン714を近位方向に付勢する。旋回ボタン714に半径方向の力「r」を加え、該ボタンを図43に示す位置に半径方向に変位させることにより、旋回機構を非動作位置に解除可能にロックしてもよい。この位置において、旋回ボタンのロック棚714aは、ハンドル706の対応するロック壁707に係合する。旋回ボタン714の取外しは、旋回ボタン714を、図42の正常に整列された位置へと半径方向に変位させることによって達成することができる。
【0057】
図40〜図43を継続して参照し、アンビルアセンブリー709をその装着状態から末端/末端吻合器具へと取外すための解除機構を説明する。この解除機構は、上記の解除ボタン716、ハンドル706内に配置された解除カラー742、および解除カラー742に結合されてアンビルアセンブリー704へと遠位方向に伸びる可撓性解除リンク744を含んでいる。解除カラー742は、旋回機構の旋回素子718を収容する大きさの長手方向内腔746を構成しており、その中で旋回素子の長手方向の往復摺動運動を可能にする。解除カラー742は、図42〜図43において参照番号748で一般的に示した二つの部品の対応する装着構造、例えば、舌部および溝の配置を介して、解除ボタン714に固定される。また、解除リンク744は、該解除リンクの近位端にしっかり係合するように配置された固定ネジ750を介して、解除カラー742に動作可能に連結される。固定ネジ750はまた、オペレータが製造公差等を考慮して、解除ボタン716に対する解除リンク744の位置を調節することを可能にする。
【0058】
図42〜図43に最良に描かれているように、解除リンク744の遠位端はアンビル解除カラー752に結合されており、該カラーは、アンビルアセンブリー704のアンビルロッド616の回りに同軸に配置されている。このような結合は、接着剤等を含む従来の手段を介して達成することができる。アンビル解除カラー752は、解除リンク744の対応する長手方向の移動の際にアンビルロッド616に対して移動し、以下で述べるように、それによって吻合器具に対するアンビルロッド616の解除を生じる。解除機構は、コイルバネ754によって近位方向に付勢される。コイルバネ754は、その遠位端がハンドル706の当接壁756に係合し、またその近位端が解除カラー742の当接表面758に係合していて、正常には、解除カラー742を図42に示す非駆動位置に付勢する。図44に示すように、解除機構は、バネ754の影響に抗して解除ボタン716を遠位方向に進めることによって駆動され、これにより解除カラー742、解除リンク744およびアンビル解除カラー752の遠位方向への対応した移動を生じる。アンビル解除カラー752およびアンビルアセンブリー704の関係については、以下で述べる。
【0059】
次に図45〜図48を参照すると、システム700は更に、光ガイド760を含んでいる。光ガイドまたはケーブル760は、手術部位を照明および/または肉眼で検査するために、食道を通して最初に導入される。光ガイド760は、ハンドル762と、ハンドル762から遠位方向に伸びるファイバーケーブル764とを含んでいる。ハンドル762は二つの異なる部材、即ち、近位キャップ766および遠位カラー768を含んでいる。遠位カラー768は、ファイバーケーブル764の近位端を収容するための長手方向の内腔770を構成しており、また接着剤、クリンプなどを含む従来の手段によりファイバーケーブル764に固定されている。遠位カラー768は更に、外側ネジ付部分722を含んでいる。近位キャップ766は、長手方向の開孔部774および内側ネジ付部分776を構成しており、これは遠位カラー768の外側ネジ付部分772に螺合して二つの部品を結合する。
【0060】
当業者が理解するように、ファイバーケーブル764は図示のように単一の光ファイバーであってもよく、または複数もしくは1束のファイバーであってもよい。光ファイバーは、光学的なガラスまたはポリマー材料で構成されてよい。ファイバーケーブル764は遠位の独立レンズ778にまで伸びており、該レンズはファイバーケーブル764から放出された光を集光するように働く。ファイバーケーブル764の遠位端に隣接して配置されたカラー779は、光ファイバーおよびレンズ778を機械的に結合する。ファイバーケーブル764は、図45に示した従来の光源「s」に結合可能である。好ましくは、遠位カラーまたはアダプター768は従来の方式で光源に結合される。近位キャップ766は、以下で述べるように、縫合糸「s」(図46)を介してアンビルアセンブリー704に取付け可能である。
【0061】
次に、図49〜図51を参照すると、本発明のシステム700と共に利用されるアンビルアダプター780の実施例が図示されている。アンビルアダプター780は、アンビルアセンブリー704を、好ましい外科処置に従って利用される円形吻合器具(図5)に結合する。アンビルアダプタ780は、図29の実施例に関連して述べたように、直径および長さを著しく小さくしたアンビルの使用を可能にし、アンビルアセンブリーの食道の通過を容易にする。アンビルアダプター780は、吻合器具への結合のためのテーパした装着部分784を有するアダプターロッド782を含んでいる。装着部分784とは反対側のアダプタロッド782の末端は顎機構786を含んでおり、これはアンビルアセンブリー704のアンビルロッド616とカップリングして、アンビルアダプタ780およびアンビルアセンブリー704を結合する。アダプタロッド782は中央の長手方向内腔788を構成しており、図49に示すように、該内腔はロッド782との対向壁部分にスロット790を形成するように伸びている。前記顎機構は、旋回ピン794を介してアダプターロッド782の長手方向内腔788内に旋回自在に装着され、且つアダプターロッド782のスロット790を通して伸びた、第一および第二の対向する顎792を含んでいる。顎792は、アンビルロッド616を係合するアンビルロッド616(図50)との係合位置と、以下で述べるアンビルロッド616を放出する解除位置との間で移動する。
【0062】
アンビルアダプター780は更に、長手方向内腔788内に装着されるプランジャー796を含んでいる。プランジャー796は、プランジャー796の一端部の回りに同軸的に装着されるコイルバネ798によって、通常は、対向する二つの顎792に向けて付勢される。プランジャー796の他端部は、拡大された円筒状ヘッド800を構成している。プランジャー796のヘッド800は、通常は、コイルバネ798の影響下で、顎792の傾斜したカム表面802に係合して、顎792を図50および図51に示した閉鎖位置に付勢する。
【0063】
アンビルアダプター780は更に、中央の長手方向内腔内に配置されたエゼクタープレート804を含んでいる。エゼクタープレート804は、プランジャーヘッド800の円筒形開口808内に収容される細長いヘッド806と、該ヘッド806に付随した細長い部分810とを有している。細長い部分810は長手方向の穿孔812を有しており、これは顎機構の旋回ピン794を収容する。エゼクタープレート804は、通常は、プランジャー796の長手方向開口816内に配置されたコイルバネ814によって、顎792に向けて付勢される。アンビル616がアンビルアダプター780内に固定されると、コイルバネ814は、アンビルロッド616の遠位チップ616tとエゼクタープレート804の細長い部分810との係合を介して圧縮される。エゼクタープレート804は、アンビルアダプター780をアンビルから解除するように、アダプターロッド782に対する制限された長手方向移動のために適合される。特に、解除ボタン716を図44の遠位位置へと前進させ、これによって解除カラー742、解除リンク744およびアンビル解除カラー752を前進させることにより、アンビルアダプター780は、アンビルアセンブリー704のアンビルロッド616から解除される。図52〜図53を参照すると、アンビル解除カラー752が前進するときに、解除カラー752のカム表面752aは顎792の内側傾斜表面792aに係合して、図53に示す位置へと半径方向に顎を変位させる。顎792が、傾斜した装着部分に隣接したアンビルロッド616の垂直表面616aをクリアすると、アンビルロッド616は係合解除され得る。係合解除は、コイルバネ814およびエゼクタープレート804の相互作用によって促進される。ここで、エゼクタープレートは圧縮されたコイルバネ814の影響下に近位方向に移動して、アンビルロッド616を近位方向に駆逐し、図53に詳細に示されているように、顎792から放出される。従って、理解されるように、解除機構は、アンビルロッド616をアンビルアダプター780から排出するための積極的な駆逐力を提供し、それによって外科医が二つの部品を強制的に分離する必要性をなくす。
【0064】
次に、システム700の使用について述べる。胃上部区画「u」および腸「b2」は、図7および図8に関連して上述した方法で切断される。次いで、図36のガイドワイヤ「w」の挿入に関連して説明したのと同様の方法で、光ガイド760が胃チューブ(図示せず)を通して食道の中を進み、胃上部区画「u」の中に進められる。次いで、光ガイド760にエネルギーが与えられ、それによって、ガイド760により放出された光が胃上部区画「u」の内壁に集光される。集光された光は、光ガイド760の位置としての視覚的指標を外科医に提供し、胃上部区画「u」の壁に切開部を形成する際に外科医をガイドする。この切開部は、切開部を形成した後に外科医が光ガイド760の遠位端を把持できるように、好ましくは胃壁の照明領域に隣接して形成される。光ガイドが光源から分離される。アンビルアセンブリー704が装着された供給器具702は、光ガイドの近位端に接続される。図47を参照すると、好ましい処置に従って、光ガイド760の近位キャップ766は、縫合糸「s」を用いてアンビルアセンブリー704に結合される。該縫合糸は、図29および図30に関連して示し且つ説明したのと同様の方法で、キャップ766の眼ループ766aを通して輪にされ、またアンビルロッド616の孔「a」に通される。なお、この実施例に従えば、アンビルヘッド610が旋回位置に解除可能にロックされる点において、縫合糸「s」は、図29に示すように、アンビルのアンビルヘッド610を通して輪にする必要はない。アンビルアセンブリー704を光ガイド760の近位端に結合した状態で、光ガイド760、アンビルアセンブリー704および装着された供給器具702が、図37に関連して説明したのと同様の方法で、食道を通して引き出される。
【0065】
外科医は、アンビル部品700が胃上部区画「u」内にあり且つ外科医に見えるようになるまで、当該部品を前進させ続ける。その後、アンビルアセンブリー704に取付けられた縫合糸を切断および除去することにより、光ガイド760が取外され、次いで除去される。
【0066】
図38に関連して詳述したのと同じ方法で、腸区画「b2」が胃上部区画「u」に対して配置され、アダプター780を取付けた円形吻合器具が外套針を通して挿入される。アンビルアセンブリー704のアンビルロッド616は、把持器具を用いて把持される。例えば、図54〜図55は新規な把持鉗子を示しており、これらはアンビルロッド616の把持係合を容易にすることができる。この鉗子は、速達証明EL 765221053 USの下で2001年3月5日付けで郵送され、本願と共に共通人に譲渡された「外科用顎」と題する暫定出願に開示されており、その内容を本明細書の一部として本願に援用する。鉗子顎900は、実質的に整列された直接的な略ゼロ度のアプローチから、ロッド616の把持を可能にする。
【0067】
次いで、アンビルアダプター780の顎792の間でアンビルロッド616を前進させ、それにより装着の際に顎792を外側に変位させることによって、アンビルロッド616はアンビルアダプター780内に装着される。アンビルロッドの装着部分が顎792をクリアすると、顎792はコイルバネ798およびプランジャー796の影響下でそれらの正常位置に戻り、それによって顎792はアンビルロッド616の垂直表面616aに係合して、アンビルアダプタ780へのアンビルロッド616の装着を行う(図50)。
【0068】
次いで、解除ボタン714によって供給器具702が活性化され、コイルバネ736の影響下でボタン714が図42の正常位置に戻され、それによって、アンビルヘッド610を動作位置へ旋回させる旋回ロッド720および旋回リンク728に、対応した近位方向への移動を生じさせる。その後、円形吻合器具およびアンビルアセンブリーを接近させ、当該器具を発射させて組織部分を接合する。
【0069】
その後に解除機構が駆動され、上記で述べた方法で、アンビルロッド616をアンビルアダプター780から解除する。供給器具が活性化されて、アンビルヘッド610を旋回した非動作位置へと戻す。供給器具702およびアンビルアセンブリー704は、食道「e」を通して除去される。
【0070】
上記の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらの詳細は本開示の範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、その好ましい実施例の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、特許請求の範囲の精神および範囲内において、他の変更を想定するであろう。
なお、好ましい態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. 胃形成処置の実施を容易にするための装置であって、
近位端および遠位端を有し、且つ長さの少なくとも一部に沿って伸びる開口を中に構成する、患者の食道を通して挿入および通過させるための大きさにした外側ガイド部材と、
前記外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、前記外側ガイド部材内において、初期位置と駆動位置との間の長手方向移動のために適合されたた細長いアンビル供給部材と、
長手方向軸線を構成するアンビルロッドおよび該アンビルロッドに結合されたアンビルヘッドを含む前記供給部材と動作的に係合可能なアンビルと、を有し、該アンビルヘッドは、前記供給部材の初期位置にあるときには前記外側ガイド部材の開口内に少なくとも部分的に配置され、また前記供給部材が前記駆動位置へ移動するときには、前記外側ガイド部材の遠位端から完全に露出される装置。
2. 前記アンビルのアンビルヘッドは前記アンビルロッドに旋回自在に装着され、前記アンビルヘッドは非動作位置と動作位置との間で旋回自在に移動可能である上記1記載の装置。
3. 前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置され且つ前記アンビルヘッドに動作可能に結合された旋回部材を更に含み、該旋回部材はその第一および第二の位置の間で移動可能であり、それぞれの非動作位置および動作位置の間で前記アンビルヘッドの対応する移動を生じさせる上記2記載の装置。
4. 前記旋回部材は、通常はその前記第二の位置へと付勢される上記3記載の装置装置。
5. 前記旋回部材を前記第一の位置に解除可能にロックするための手段を含む上記4記載の装置。
6. 前記旋回部材は前記第一の位置に解除可能にロックされる上記4記載の装置。
7. 前記旋回部材は、前記供給装置および外側ガイド部材の一方の対応するロック表面と係合可能なロック表面を含み、該ロック表面は前記旋回部材を前記第一の動作位置に解除可能にロックするように協働する上記6記載の装置。
8. 前記旋回部材は手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回素子のロック表面を構成する上記7記載の装置。
9. 前記旋回部材は、外科医によって把持されるように、挿入部材を超えて近位方向に伸びるような寸法である上記3記載の装置。
10. 前記アンビルは前記供給部材に旋回可能に装着される上記2記載の装置。
11. 前記外側ガイド部材内に少なくとも部分的に配置された細長い旋回部材を更に含み、該旋回部材は前記アンビルに動作可能に結合され、また旋回運動範囲に亘って前記アンビルの対応する旋回運動を生じさせるように移動可能である上記10記載の装置。
12. 前記外側案内部材は内側環状溝を含み、該環状溝は前記アンビルヘッドの周縁部分を収容して、前記ガイド部材内における前記アンビルの保持を容易にするような大きさである上記1記載の装置。
13. 前記挿入部材は可撓性材料からなる上記1記載の装置。
14. 前記アンビルヘッドの断面寸法は前記外側ガイドの遠位端の内部寸法よりも大きく、前記外側ガイド部材は変形して前記アンビルヘッドの通過させ、前記アンビルを前記挿入部材から駆逐させることを可能にするように適合される上記13記載の装置。
15. 消化系においてバイパス処置を行うための方法であって、 患者の食道を通して第一の消化系組織部分の中にアンビルを導入する工程と、 吻合器具を、前記第一の消化系組織部分から変位して配置された第二の消化系組織部分の中に挿入する工程と、
近位位置からアンビルを操作して、前記アンビルを前記吻合器具に対して望ましい向きに配置する工程と、
前記アンビルを前記吻合器具に連結する工程と、
前記吻合器具を発射して、前記第一および第二の消化系組織部分を接合する工程と、を具備した方法。
16. 前記アンビルは少なくとも部分的に外側ガイド内に配置され、また前記導入する工程は、前記外側ガイドおよびアンビルを前記食道を通して前進させることを含む上記15記載の方法。
17. 前記アンビルを前記外側ガイドに対して移動させて、前記アンビルを前記外側ガイドから完全に露出させる工程を更に含む上記16記載の方法。
18. 少なくとも部分的に前記外側ガイド内に配置され且つ前記アンビルと動作可能に係合可能な供給部材を含み、また前記移動させる工程は、前記供給部材を前進させて前記アンビルを前記外側ガイドから駆逐することを含む上記17記載の方法。
19. 前記アンビルヘッドは前記アンビルロッドに旋回可能に装着され、更に、前記発射する工程に先立って、前記アンビルヘッドを非動作位置から動作位置へと旋回させる工程を含む上記15記載の方法。
20. 前記外側ガイドと共に配置され且つ前記アンビルヘッドと動作可能に係合可能な旋回部材を更に含み、また前記旋回させる工程は、前記旋回部材を移動させて前記アンビルヘッドを前記動作位置へと旋回させることを含む上記19記載の方法。
21. 前記アンビルは支持部材に旋回可能に装着され、また前記操作する工程は、前記アンビルを前記支持部材に対して旋回させて、前記アンビルを前記吻合器具に対して所望に位置へと旋回させることを含む上記15記載の方法。
22. 前記アンビルは移動可能な旋回部材に動作可能に連結されており、また前記操作する工程は、前記旋回部材を移動させることにより、前記支持部材に対する前記アンビルの旋回移動を生じさせることを含む上記21記載の方法。
23. 前記挿入する工程は外套針を通して行われる上記15記載の方法。
24. 線型ステープル留め器具を前記第一の消化系組織部分に隣接して配置する工程を更に含み、前記線型ステープル留め器具を発射させて、前記第一の消化系組織部分に隣接したステープル線を形成する工程を更に含む上記15記載の方法。
25. 線型ステープル留め器具を前記第二の消化系組織部分に隣接して配置する工程を更に含み、前記線型ステープル留め器具を発射させて、前記第二の消化系組織部分に隣接したステープル線を形成する工程を更に含む上記24記載の方法。
26. 前記線型ステープル留め器具は夫々それらに付随する切断部材を含み、また前記発射させる工程は、前記切断部材を駆動させて前記ステープル線に隣接した組織を切断し、それによって前記ステープル線の間で前記消化系組織区画を切断することを含む上記25記載の方法。
27. 前記第一および第二の消化系組織部分の夫々にアクセス開口部を形成する工程を更に含み、前記アンビルのアンビルロッドを前記第一の消化系組織部分のアクセス開孔を通過させ、且つ前記第二の消化系組織部分のアクセス開口部を通過させて前記吻合器具に連結させる工程を更に含む上記25記載の方法。
28. 前記配置する工程の夫々は、外套針を通して腹腔鏡的に行われる上記27記載の方法。
29. 前記アンビルを前記吻合器具から分離し、前記食道を通して前記アンビルを引抜く工程を更に含む上記15記載の方法。
30. 前記導入する工程は、前記アンビルを前記第一の組織部分である胃組織部分の中に少なくとも部分的に配置することを含み、
前記挿入する工程は、前記吻合基部を前記第二の組織部分である腸組織部分の中に少なくとも部分的に配置することを含み、
それによって、前記発射する工程は、前記胃組織部分および前記腸組織部分を接合する上記15記載の方法。
31. 胃の上方部分を分離する工程を含み、前記胃の上方部分が前記食道に接合される上記30記載の方法。
32. 腸を切断して、前記胃に接合された第一の腸部分および前記第一の腸部分から分離された第二の腸部分を構成する工程を更に含む上記31記載の方法。
33. 前記第二の腸部分および前記胃の上方部分を接近させて接合する工程を更に含む上記32記載の方法。
34. 前記導入する工程は、前記アンビルを少なくとも部分的に、前記第一の組織部分である食道組織部分の中に配置することを含み、
前記挿入する工程は、前記吻合器具を少なくとも部分的に、前記第二の組織部分である胃組織部分および腸組織部分の一方の中に配置することを含み、
それによって、前記発射する工程は、前記食道組織部分を前記胃組織部分および前記腸組織部分の一方に接合する上記15記載の方法。
35. 前記導入する工程は、前記アンビルを少なくとも部分的に、前記第一の組織部分である第一の胃組織部分の中に配置することを含み、
前記挿入する工程は、前記吻合器具を少なくとも部分的に、前記第二の組織部分である第二の胃組織部分の中に配置することを含み、
それによって、前記発射する工程は、前記第一の胃組織部分および前記第二の胃組織部分を接合する上記15記載の方法。
36. 患者の胃の上方部分を分離する工程と、
腸を切断して、胃から分離された腸部分を構成する工程と、
前記腸部分および前記胃の上方部分を接合する工程と、を具備する消化系においてバイパス処置を行うための方法。
37. 前記接合する工程は、末端/末端吻合器具を用いて行われる上記36記載の方法。
38. 前記吻合器具と共に使用するために適合されたアンビルを、食道を通して前記胃の上方部分の中に導入する工程を更に含む上記37記載の方法。
39. 末端/末端吻合器具を前記腸部分の中に挿入する工程を更に含む上記38記載の方法。
40. 前記アンビルおよび末端/末端吻合器具を連結し、前記末端/末端吻合器具を発射させて前記腸部分および前記胃の上方部分を接合する工程を更に含む上記39に記載の方法。
41. 前記単離する工程は、線型ステープル留め器具を前記胃の回りに配置し、前記線型ステープル留めを発射して、前記胃の上方部分を前記胃の残部に関して分離することを含む上記40記載の方法。
42. 前記切断する工程は、前記小腸の回りに線形ステープル留め器具を配置し、該線型ステープル留め器具を発射することを含む上記41記載の方法。
43. 前記線型ステープル留め器具はこれに付随するナイフ刃を有し、また前記発射する工程は前記ナイフ刃を駆動し、前記腸を切断して前記腸部分を構成する上記42記載の方法。
44. 前記分離する工程、切断する工程および接合する工程は腹腔鏡的に行われる上記35記載の方法。
45. 消化系の消化組織部分にアクセスする工程と、
食道を通して第一の消化組織部分の中にアンビルを前進させる工程と、
吻合器具を第二の消化組織部分の中に挿入する工程と、
前記アンビルを前記吻合器具に結合し、前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化組織部分を接合する工程と、
前記アンビルを前記吻合器具から分離する工程と、
前記アンビルを前記食道を通して引抜く工程と、を具備する消化系におけるバイパス処置を行うための方法。
46 前記アンビルの前記吻合器具への結合を容易にするために、身体の外側の近位位置から前記アンビルを操作する工程を更に含む上記45記載の方法。
47. 前記アンビルは支持部材に装着され、また前記前進させる行程は、前記食道を通して前記支持部材を前記第一の組織部分に向けて通過させることを含む上記46記載の方法。
48. 前記引抜く工程は、前記食堂を通して前記支持部材およびアンビルを除去することを含む上記47記載の方法。
49. 前記分離する工程は、前記アンビルを操作して、前記アンビルを、前記食道を通しての引抜きのために位置決めすることを含む上記48記載の方法。
50. 支持部材、該支持部材に装着されたアンビル、および前記支持部材に関して装着された外側ガイドを含む、アンビル供給機構を準備する工程と、
消化系の第一および第二の組織部分にアクセスする工程と、
前記食道を通して、前記アンビル供給機構を少なくとも部分的に前記第一の消化組織部分の中に導入し、その際に前記外側ガイドが前記アンビルを実質的に閉じ込めて、導入の際に食道を保護する工程と、
吻合器具を前記第二の消化組織部分の中に挿入する工程と、
前記アンビルを、少なくとも部分的に前記挿入部材の外側ガイドから露出させる工程と、
前記アンビルを前記吻合器具に結合する工程と、
前記吻合器具を発射させて、前記第一および第二の消化組織部分を接合する工程と、を具備する外科的バイパス処置を行うための方法。
51. 前記少なくとも部分的に露出させる工程は、前記アンビルに連結された遠隔装置を駆動する工程を含み、前記遠隔装置は前記身体の外部の近位位置まで延出する上記50記載の方法。
52. 前記少なくとも部分的に露出される工程は、前記遠隔装置を前進させて、前記アンビルを前記外側ガイド内で前進させることを含む上記51記載の方法。
53. 一般的な長手方向軸線を構成し、近位端および遠位端を備え、且つ長手方向内腔を構成する細長い外側部材と、
前記外側部材の前記長手方向内腔内に少なくとも部分的に配置され、前記外側部材内での長手方向移動のために適合された旋回部材と、
アンビルロッドおよび該アンビルロッドに旋回可能に装着されたアンビルヘッドを含み、前記外側部材に装着され且つ前記旋回部材に動作可能に結合されたアンビルと、を有し、該アンビルヘッドは前記旋回部材の長手方向移動の際に非動作位置から動作位置へと旋回移動可能であり、前記アンビルロッドは末端/末端吻合器具に対して装着可能であるアンビル供給器具。
54. 前記旋回部材は、通常は、前記アンビルヘッドの動作位置に対応する第一の位置へと付勢される上記53記載の器具。
55. 前記旋回部材は、前記アンビルヘッドの非動作位置に対応する第二の位置に解除可能にロックされる上記54記載の器具。
56. 前記旋回部材に結合された手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回部材を解除して、前記旋回部材の前記第一の位置への長手方向移動を可能にするように操作される上記55記載の器具。
57. 前記外側部材の遠位端に動作可能に結合可能な細長いカテーテルガイドを更に含み、該カテーテルガイドは限定された通路を通して通過するための大きさである上記53記載の器具。
58. 前記カテーテルガイドは前記アンビルに結合される上記57記載の器具。
59. 前記アンビルはこれに装着された縫合アセンブリーを含み、該縫合アセンブリーは、前記アンビルにおける開口部を通して輪にされる或る長さの縫合糸を含む上記58記載の器具。
60. 前記縫合アセンブリーは前記長さの縫合糸に結合されたカプラーを含み、また前記カテーテルガイドは対応するカプラーを含み、該カプラーは前記カテーテルガイドを前記アンビルに結合するように係合可能である上記59記載の器具。
61. 取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端はアンビルロッドを収容するための長手方向内腔を構成する内部表面部分を有し、該内部表面部分は、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して、前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する大きさであるアンビルアダプター。
62. 前記アンビルアダプター部材の第二の末端は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターに対して回転可能に固定するために、前記アンビルロッドの外側スプラインを収容する大きさの円周方向に配置された内部溝を含む上記61記載のアンビルアダプター。
63. 前記第二の末端の内部表面部分は予め定められた程度の弾性を有し、それによって、前記アンビルロッドにおける拡大された装着部分の前記長手方向内腔への挿入を可能にする上記61記載のアンビルアダプター。
64. 前記第二の末端の内部表面部分は、前記アンビルロッドの拡大された装着部分に係合する大きさの当接壁表面を構成している上記63記載のアンビルアダプター。
65. 取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端は、アンビルロッドを収容する開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での相対的な移動のために装着された、一対の顎部を有するアンビルアダプター。
66. 前記一対の顎部は旋回ピンの回りに旋回可能に装着される上記65記載のアンビルアダプター。
67. 前記一対の顎部は、通常は前記閉鎖位置に付勢される上記66記載のアンビルアダプター。
68. 前記一対の顎部材をその前記開放位置に移動させるときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材から少なくとも部分的に排出するためのエゼクター機構を含む上記67記載のアンビルアダプター。
69. 前記エゼクター機構は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材に装着するときに、前記アンビルロッドと動作可能に係合するバネ手段を含む上記67記載のアンビルアダプター。
70. 前記エゼクター機構は前記バネ手段および前記アンビルロッドと係合可能なエゼクタープレートを含む上記69記載のアダプター。
71. 長手方向軸線を構成し、且つ該長手方向軸線に沿って約1.60インチ〜約2.00インチの長さを有する細長いアンビルロッドと、
該アンビルロッドに装着されたアンビルヘッドとを具備する、減少したプロファイルを有するアンビルアセンブリー。
72. 前記アンビルロッドは、約0.17インチ〜約2.0インチの、前記長手方向軸線を横切る最大断面寸法を構成する上記71記載のアンビルアセンブリー。
73. アンビルロッドおよびアンビルヘッドを第一の組織部分内に導入する工程と、
円形吻合器具を第二の組織部分の中に導入する工程と、
アンビルアダプターを前記アンビルロッドに取付ける工程と、
前記アンビルアダプターを前記吻合器具に結合する工程と、
それによって、前記取付ける工程および前記結合する工程の完了時に、前記アンビルアセンブリーは前記吻合器具に動作可能に結合される、組織部分の吻合処置を容易にする方法。
74. 前記取付ける工程は前記結合する工程に先立って行われる上記73に記載の方法。
75. 前記取付ける工程は前記結合する工程の後に行われる上記73に記載の方法。
76. ハンドルと、
前記ハンドルに結合され且つそこから伸びる細長いシャフト部材であって、長手方向軸を構成し且つ近位端および遠位端を有するシャフト部材と、
前記シャフト部材に装着されたアンビルであって、アンビルロッドおよびアンビルヘッドを含むアンビルと、
円形吻合器具に取り付けるために構成された第一の末端および前記アンビルに取外し可能に装着される第二の末端を有するアンビルアダプターと、
前記シャフト部材を通して伸び、且つ前記アンビルを前記アンビルアダプターから取外すように移動可能である解除部材と、を有する外科用器具。
77. 前記アンビルアダプターの第二の末端は、前記アンビルアダプターが前記アンビルロッドを収容および放出できる開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での移動のために装着された、少なくとも一つの部材を含む上記76記載の器具。
78. 前記アンビルは前記アンビルロッドの回りに装着され、且つ前記解除部材に動作可能に結合された解除カラーを含み、該解除カラーは前記解除部材の移動時に前記アンビルアダプターの一つの部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置へと移動させる上記77記載の器具。
79. 前記アンビルアダプターの第二の末端は一対の顎部を含み、該顎部は開放位置と閉鎖位置との間で移動するために装着され、前記解除カラーは前記顎部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置に移動させるように適合される上記78記載の器具。
80. 前記ハンドルに装着され且つ前記解除部材を移動させるために前記解除部材に動作可能に結合された、手動で係合可能な解除アクチュエータを含む上記79記載の器具。
81. 前記アンビルアダプターは、前記顎部が前記開放位置へと移動するときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターから少なくとも部分的に排出するためのエゼクターを含む上記80記載の器具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般的な長手方向軸線を構成し、近位端および遠位端を備え、且つ長手方向内腔を構成する細長い外側部材と、
前記外側部材の前記長手方向内腔内に少なくとも部分的に配置され、前記外側部材内での長手方向移動のために適合された旋回部材と、
アンビルロッドおよび該アンビルロッドに旋回可能に装着されたアンビルヘッドを含み、前記外側部材に装着され且つ前記旋回部材に動作可能に結合されたアンビルと、を有し、該アンビルヘッドは前記旋回部材の長手方向移動の際に非動作位置から動作位置へと旋回移動可能であり、前記アンビルロッドは末端/末端吻合器具に対して装着可能であるアンビル供給器具。
【請求項2】
前記旋回部材は、通常は、前記アンビルヘッドの動作位置に対応する第一の位置へと付勢される請求項1記載の器具。
【請求項3】
前記旋回部材は、前記アンビルヘッドの非動作位置に対応する第二の位置に解除可能にロックされる請求項2記載の器具。
【請求項4】
前記旋回部材に結合された手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回部材を解除して、長手方向移動を可能にするように操作される請求項3記載の器具。
【請求項5】
前記外側部材の遠位端に動作可能に結合可能な細長いカテーテルガイドを更に含み、該カテーテルガイドは限定された通路を通して通過するための大きさである請求項1記載の器具。
【請求項6】
前記カテーテルガイドは前記アンビルに結合される請求項5記載の器具。
【請求項7】
前記アンビルはこれに装着された縫合アセンブリーを含み、該縫合アセンブリーは、前記アンビルにおける開口部を通して輪にされる或る長さの縫合糸を含む請求項6記載の器具。
【請求項8】
前記縫合アセンブリーは前記長さの縫合糸に結合されたカプラーを含み、また前記カテーテルガイドは対応するカプラーを含み、該カプラーは前記カテーテルガイドを前記アンビルに結合するように係合可能である請求項7記載の器具。
【請求項9】
取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端はアンビルロッドを収容するための長手方向内腔を構成する内部表面部分を有し、該内部表面部分は、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して、前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する大きさであるアンビルアダプター。
【請求項10】
前記アンビルアダプター部材の第二の末端は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターに対して回転可能に固定するために、前記アンビルロッドの外側スプラインを収容する大きさの円周方向に配置された内部溝を含む請求項9記載のアンビルアダプター。
【請求項11】
前記第二の末端の内部表面部分は予め定められた程度の弾性を有し、それによって、前記アンビルロッドにおける拡大された装着部分の前記長手方向内腔への挿入を可能にする請求項9記載のアンビルアダプター。
【請求項12】
前記第二の末端の内部表面部分は、前記アンビルロッドの拡大された装着部分に係合する大きさの当接壁表面を構成している請求項11記載のアンビルアダプター。
【請求項13】
取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端は、アンビルロッドを収容する開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での相対的な移動のために装着された、一対の顎部を有するアンビルアダプター。
【請求項14】
前記一対の顎部は旋回ピンの回りに旋回可能に装着される請求項13記載のアンビルアダプター。
【請求項15】
前記一対の顎部は、通常は前記閉鎖位置に付勢される請求項14記載のアンビルアダプター。
【請求項16】
前記一対の顎部材をその前記開放位置に移動させるときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材から少なくとも部分的に排出するためのエゼクター機構を含む請求項15記載のアンビルアダプター。
【請求項17】
前記エゼクター機構は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材に装着するときに、前記アンビルロッドと動作可能に係合するバネ手段を含む請求項16記載のアンビルアダプター。
【請求項18】
前記エゼクター機構は前記バネ手段および前記アンビルロッドと係合可能なエゼクタープレートを含む請求項17記載のアダプター。
【請求項19】
長手方向軸線を構成し、且つ該長手方向軸線に沿って約1.60インチ〜約2.00インチの長さを有する細長いアンビルロッドと、
該アンビルロッドに装着されたアンビルヘッドとを具備する、減少したプロファイルを有するアンビルアセンブリー。
【請求項20】
前記アンビルロッドは、約0.17インチ〜約2.0インチの、前記長手方向軸線を横切る最大断面寸法を構成する請求項19記載のアンビルアセンブリー。
【請求項21】
ハンドルと、
前記ハンドルに結合され且つそこから伸びる細長いシャフト部材であって、長手方向軸を構成し且つ近位端および遠位端を有するシャフト部材と、
前記シャフト部材に装着されたアンビルであって、アンビルロッドおよびアンビルヘッドを含むアンビルと、
円形吻合器具に取り付けるために構成された第一の末端および前記アンビルに取外し可能に装着される第二の末端を有するアンビルアダプターと、
前記シャフト部材を通して伸び、且つ前記アンビルを前記アンビルアダプターから取外すように移動可能である解除部材と、を有する外科用器具。
【請求項22】
前記アンビルアダプターの第二の末端は、前記アンビルアダプターが前記アンビルロッドを収容および放出できる開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での移動のために装着された、少なくとも一つの部材を含む請求項21記載の器具。
【請求項23】
前記アンビルは前記アンビルロッドの回りに装着され、且つ前記解除部材に動作可能に結合された解除カラーを含み、該解除カラーは前記解除部材の移動時に前記アンビルアダプターの一つの部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置へと移動させる請求項22記載の器具。
【請求項24】
前記アンビルアダプターの第二の末端は一対の顎部を含み、該顎部は開放位置と閉鎖位置との間で移動するために装着され、前記解除カラーは前記顎部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置に移動させるように適合される請求項23記載の器具。
【請求項25】
前記ハンドルに装着され且つ前記解除部材を移動させるために前記解除部材に動作可能に結合された、手動で係合可能な解除アクチュエータを含む請求項24記載の器具。
【請求項26】
前記アンビルアダプターは、前記顎部が前記開放位置へと移動するときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターから少なくとも部分的に排出するためのエゼクターを含む請求項25記載の器具。
【請求項1】
一般的な長手方向軸線を構成し、近位端および遠位端を備え、且つ長手方向内腔を構成する細長い外側部材と、
前記外側部材の前記長手方向内腔内に少なくとも部分的に配置され、前記外側部材内での長手方向移動のために適合された旋回部材と、
アンビルロッドおよび該アンビルロッドに旋回可能に装着されたアンビルヘッドを含み、前記外側部材に装着され且つ前記旋回部材に動作可能に結合されたアンビルと、を有し、該アンビルヘッドは前記旋回部材の長手方向移動の際に非動作位置から動作位置へと旋回移動可能であり、前記アンビルロッドは末端/末端吻合器具に対して装着可能であるアンビル供給器具。
【請求項2】
前記旋回部材は、通常は、前記アンビルヘッドの動作位置に対応する第一の位置へと付勢される請求項1記載の器具。
【請求項3】
前記旋回部材は、前記アンビルヘッドの非動作位置に対応する第二の位置に解除可能にロックされる請求項2記載の器具。
【請求項4】
前記旋回部材に結合された手動で動作可能なハンドルを含み、該ハンドルは前記旋回部材を解除して、長手方向移動を可能にするように操作される請求項3記載の器具。
【請求項5】
前記外側部材の遠位端に動作可能に結合可能な細長いカテーテルガイドを更に含み、該カテーテルガイドは限定された通路を通して通過するための大きさである請求項1記載の器具。
【請求項6】
前記カテーテルガイドは前記アンビルに結合される請求項5記載の器具。
【請求項7】
前記アンビルはこれに装着された縫合アセンブリーを含み、該縫合アセンブリーは、前記アンビルにおける開口部を通して輪にされる或る長さの縫合糸を含む請求項6記載の器具。
【請求項8】
前記縫合アセンブリーは前記長さの縫合糸に結合されたカプラーを含み、また前記カテーテルガイドは対応するカプラーを含み、該カプラーは前記カテーテルガイドを前記アンビルに結合するように係合可能である請求項7記載の器具。
【請求項9】
取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端はアンビルロッドを収容するための長手方向内腔を構成する内部表面部分を有し、該内部表面部分は、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して、前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する大きさであるアンビルアダプター。
【請求項10】
前記アンビルアダプター部材の第二の末端は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターに対して回転可能に固定するために、前記アンビルロッドの外側スプラインを収容する大きさの円周方向に配置された内部溝を含む請求項9記載のアンビルアダプター。
【請求項11】
前記第二の末端の内部表面部分は予め定められた程度の弾性を有し、それによって、前記アンビルロッドにおける拡大された装着部分の前記長手方向内腔への挿入を可能にする請求項9記載のアンビルアダプター。
【請求項12】
前記第二の末端の内部表面部分は、前記アンビルロッドの拡大された装着部分に係合する大きさの当接壁表面を構成している請求項11記載のアンビルアダプター。
【請求項13】
取外し可能なアンビルロッドの円形吻合器具への結合を容易にするためのアンビルアダプターであって、長手方向軸線を構成し且つ第一および第二の末端を有するアンビルアダプター部材を具備し、前記第一の末端は円形吻合器具への取付けのために構成され、前記第二の末端は、アンビルロッドを収容する開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での相対的な移動のために装着された、一対の顎部を有するアンビルアダプター。
【請求項14】
前記一対の顎部は旋回ピンの回りに旋回可能に装着される請求項13記載のアンビルアダプター。
【請求項15】
前記一対の顎部は、通常は前記閉鎖位置に付勢される請求項14記載のアンビルアダプター。
【請求項16】
前記一対の顎部材をその前記開放位置に移動させるときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材から少なくとも部分的に排出するためのエゼクター機構を含む請求項15記載のアンビルアダプター。
【請求項17】
前記エゼクター機構は、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプター部材に装着するときに、前記アンビルロッドと動作可能に係合するバネ手段を含む請求項16記載のアンビルアダプター。
【請求項18】
前記エゼクター機構は前記バネ手段および前記アンビルロッドと係合可能なエゼクタープレートを含む請求項17記載のアダプター。
【請求項19】
長手方向軸線を構成し、且つ該長手方向軸線に沿って約1.60インチ〜約2.00インチの長さを有する細長いアンビルロッドと、
該アンビルロッドに装着されたアンビルヘッドとを具備する、減少したプロファイルを有するアンビルアセンブリー。
【請求項20】
前記アンビルロッドは、約0.17インチ〜約2.0インチの、前記長手方向軸線を横切る最大断面寸法を構成する請求項19記載のアンビルアセンブリー。
【請求項21】
ハンドルと、
前記ハンドルに結合され且つそこから伸びる細長いシャフト部材であって、長手方向軸を構成し且つ近位端および遠位端を有するシャフト部材と、
前記シャフト部材に装着されたアンビルであって、アンビルロッドおよびアンビルヘッドを含むアンビルと、
円形吻合器具に取り付けるために構成された第一の末端および前記アンビルに取外し可能に装着される第二の末端を有するアンビルアダプターと、
前記シャフト部材を通して伸び、且つ前記アンビルを前記アンビルアダプターから取外すように移動可能である解除部材と、を有する外科用器具。
【請求項22】
前記アンビルアダプターの第二の末端は、前記アンビルアダプターが前記アンビルロッドを収容および放出できる開放位置と、前記アンビルロッドをそれとのロック配置に係合して前記アンビルアダプターを前記アンビルロッドに結合する閉鎖位置との間での移動のために装着された、少なくとも一つの部材を含む請求項21記載の器具。
【請求項23】
前記アンビルは前記アンビルロッドの回りに装着され、且つ前記解除部材に動作可能に結合された解除カラーを含み、該解除カラーは前記解除部材の移動時に前記アンビルアダプターの一つの部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置へと移動させる請求項22記載の器具。
【請求項24】
前記アンビルアダプターの第二の末端は一対の顎部を含み、該顎部は開放位置と閉鎖位置との間で移動するために装着され、前記解除カラーは前記顎部材に係合して、前記アンビルアダプターを前記開放位置に移動させるように適合される請求項23記載の器具。
【請求項25】
前記ハンドルに装着され且つ前記解除部材を移動させるために前記解除部材に動作可能に結合された、手動で係合可能な解除アクチュエータを含む請求項24記載の器具。
【請求項26】
前記アンビルアダプターは、前記顎部が前記開放位置へと移動するときに、前記アンビルロッドを前記アンビルアダプターから少なくとも部分的に排出するためのエゼクターを含む請求項25記載の器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32A】
【図32B】
【図33A】
【図33B】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公開番号】特開2011−67662(P2011−67662A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269586(P2010−269586)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【分割の表示】特願2001−564676(P2001−564676)の分割
【原出願日】平成13年3月5日(2001.3.5)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【分割の表示】特願2001−564676(P2001−564676)の分割
【原出願日】平成13年3月5日(2001.3.5)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]