説明

消火具

【課題】ワンタッチで開いて使用することができ、持ち運びが自在で、火災の発生時には火元に手を近づけることなく初期消火作業を行うことができる消火具を提供する。
【解決手段】本発明の消火具10は、シート1と、展開状態においてシート1を支持する複数本の親骨2と、親骨2の各一端を回動自在に枢軸する上部枢支部材6と、その一端が対応する親骨2の所定位置に枢支される複数本の支骨3と、支骨3の各他端を回動自在に枢軸する下部枢支部材4と、展開状態を保持する保持部材7とを備え、上部枢支部材6に対し、下部枢支部材4を上下に移動させることにより、展開状態と折り畳み状態とを変形可能な蠅帳型構造を有する。下部枢支部材4の一端には、下部枢支部材4を上下方向に移動するための引張部材8が設けられ、引張部材8により、展開状態において消火具10全体を支持可能としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロ台等の台所火災における初期消火に利用する消火具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスコンロ台(コンロ台)等の台所火災における初期消火に利用する消火シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような消火シートは、特許文献1に記載の通り、(1)耐火性、不燃性を有すること、(2)覆った際にコンロ台等との間に隙間を発生させないこと、(3)空気が進入しないよう目が詰まっていること、(4)油のしみこみがないこと、等が要求される。このような観点から、特許文献1は、ガラス繊維織布をヒートクリーニングして有機物を飛ばし、その上にフッ素樹脂、シリコーン樹脂をコーティングした台所火災消火布を開示している。
また、消火布を用いた消火具としては、折り畳んだガラス繊維織布が使用時に直ぐに使用できるよう簡単な操作で風呂敷状となるように、ガラス繊維製布を絞りタオルのように小さく巻き込んで、火災時にその自重により拡げてコンロ台等に被せて消火するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
なお、特許文献1又は2のような消火布については、製品に対するテスト報告もなされている(非特許文献1参照)。
さらに、消火具(消火装置)として、耐火シートをコンロ台の長手方向の一方に予め巻き取って準備し、火災時にはこの耐火シートを拡げて、コンロ台の長手方向の他方に巻き戻しながらコンロ台を覆うものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開昭58−130061号公報
【特許文献2】実開平5−7252号公報
【特許文献3】実開平3−114142号公報
【非特許文献1】「新製品テスト「消火フラワー」「消火布」に関するテスト報告」、兵庫県立生活科学研究所、昭和57年10月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1又は2のような消火布(消火シート)では、火災が発生した鍋に風呂敷状の消火布を被せるためには、火元に消火布を持った手を近づける必要があり、実際に使用する際には火傷をする危険性があるという問題があった。
また、上記非特許文献1にも記載されているように、消火布を被せる場合には、しわを延ばして完全に空気を遮断しなければ炎を消すことができず、火勢が強いときには、消火布を被せても、その側面や上部の目を通った油蒸気が燃え、消火機能が十分とはいえないだけでなく、消火布を手で押さえて空気を遮断するには危険が伴ってしまうという問題があった。
また、特許文献3に開示の消火装置では、耐火シートの巻き取り部材がコンロ台に直付けされているため、日常のコンロの使用時には邪魔になってしまうばかりでなく、そのコンロ台で火災が発生した場合だけにその使用が限定され、それ以外のものが燃える火災には利用できないという問題があった。さらに、特許文献3に開示の消火装置では、消火装置の操作ボタンがコンロ台の一部に設けられているため、火勢が強くてコンロ台に触れられない場合等には、その操作のために火傷をする危険性があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、消火シートをワンタッチで開いて使用することができ、持ち運びが自在で、火災の発生時には火元に手を近づけることなく初期消火作業を行うことができる消火具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の消火具は、請求項1に記載の通り、シートと、展開状態において該シートを支持する複数本の親骨と、前記複数本の親骨の各一端を回動自在に枢軸する上部枢支部材と、その一端が対応する前記親骨の所定位置に枢支される複数本の支骨と、前記複数本の支骨の各他端を回動自在に枢軸する下部枢支部材と、前記展開状態を保持する保持部材とを備え、前記上部枢支部材に対し、前記下部枢支部材を上下に移動させることにより、前記展開状態と折り畳み状態とを変形可能な蠅帳型構造を有する消火具であって、
前記下部枢支部材の一端には、該下部枢支部材を前記上下方向に移動するための引張部材が設けられ、該引張部材により、前記展開状態において前記消火具全体を支持可能としたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の消火具は、請求項1に記載の消火具において、前記引張部材が棒状体であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の消火具は、請求項1又は2に記載の消火具において、前記シートは、アクリル樹脂あるいはシリコーン樹脂で目止め処理された高珪酸ガラス繊維織布であり、前記親骨及び支骨は、金属製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の消火具は、請求項1に記載の通り、展開状態においてその全体を引張部材で支持可能であるため、火元に手を近づけることなく火元に対して蠅帳型の消火具(消火シート)を被せることができる。したがって、従来の消火布を用いた場合のような火傷の危険性を低減する(ほとんどなくす)ことができる。
また、蝿帳型構造の特徴として、通常のコンロ台が長方形であるので、そのようなコンロ台のサイズ(規格)に合うように、開口面が長方形状を有する蝿帳構造の消火具であれば、コンロ台と蠅帳型の消火具の間に隙間を生じることがなく、本発明の消火具をコンロ台に被せることができ、消火効果(消火効率)が大きいものとなる。
また、折り畳み式蝿帳型の特徴であるワンタッチで展開状態とすることができ、持ち運び可能なため、このようなコンロ台における火災に限定されることなく、他の場所の火災にも使用することができる。
さらに、シートを用いた消火具の特徴として、消化剤を使用しないで消火できるため現状復帰が容易であり、上述のような従来の特徴も併せ持つ。
また、本発明の消火具は、請求項2に記載の通り、展開した蝿帳を棒状体で直立して支持することが可能なため、火元に対して消火具を楯として被せることができ、使用者が火傷する危険性を一段と少なくすることができる。
また、本発明の消火具は、請求項3に記載の通り、シートが高珪酸ガラス繊維織布であり、親骨及び支骨が金属製であることから、使用しても燃えて耐熱性が低下したり、開閉機構が破損したりすることがないため、消火具を複数回使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の消火具の好適な実施の形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の消火具の一実施例の展開状態を示す部分断面図であり、図2は、図1に示す消火具の底面斜視図であり、図3は、図1に示す消火具の要部断面図である。
図1〜図3を用いて、本発明の消火具10の構成を説明する。本発明の消火具10は、シート1と、展開状態においてシート1を支持する複数本の親骨2と、親骨2の各一端を回動自在に枢軸する上部枢支部材(上部ろくろ)6と、その一端が対応する親骨2の所定位置に枢支される複数本の支骨3と、支骨3の各他端を回動自在に枢軸する下部枢支部材(下部ろくろ)4と、展開状態を保持する保持部材7とを備え、上部枢支部材6に対し、下部枢支部材4を上下に移動させることにより、展開状態と折り畳み状態とを変形可能な蠅帳型構造を有している。
【0009】
各親骨2は、係合部材6aを介して上部ろくろ6にその一端を回動自在に枢軸され、消火具10の展開状態において、シート1に当接するように、シート1の略対角線上にそれぞれ設けられる(図2参照)。なお、各親骨2の他端は、図示を省略したが、例えば、糸等を用いて、対角線上のシート1の縁部に係合されている。
また、支骨3は、その一端が係合部材4aを介して下部ろくろ4に回動自在に枢軸され、その他端がヒンジ部2aを介して対応する親骨2の所定の位置に回動自在に枢支されている。
上部ろくろ6は、フランジ6b及び中空部6cを有する中空状のものである。ここで、上部ろくろ6は、例えば、螺合等により、上フランジ5a及び下フランジ5bを有する中空の固定部材5と係合(固定)される。また、シート1は、固定部材5の下フランジ5bと上部ろくろ6のフランジ6bとの間に、その端部1aを挟持されている。なお、上部ろくろ6のみによりシート1の概ね中心部分をしっかりと固定することができるのであれば、固定部材5を省略し、上部ろくろ6に上フランジを設けるような構成でもよい。
下部ろくろ4は、筒状体4bを備え、この筒状体4bの所定高さの側面には、上述の保持部材7が設けられている。この保持部材7は、固定部材5の上フランジ5a(及び上部ろくろ6の上面)と係合することによって、消火具10を展開状態に保持するように出没自在に設けられている。このように、保持部材7は、消火部10を展開状態に保持する際に上部ろくろ6と下部ろくろ4とを係止しているので、係止部材としても機能するものである。
また、下部ろくろ4の筒状体4bの一端には、下部ろくろ4を上方向に移動する際、すなわち、消火具10を展開状態に変形する際に、下部ろくろ4を上部ろくろ6側に引っ張るための引張部材8が設けられている。ここで、筒状体4bは、上部ろくろ6の中空部6c内を摺動可能となっている。なお、引張部材8の一端を直接下部ろくろ4の上フランジに連結してもよい。この場合、筒状体4bは不要となるが、保持部材7は、引張部材8の所定の位置に設けられればよい。
引張部材8の他端側には、図1に示すように、この消火具10を壁のフック等に引っ掛けるための引掛部9が設けられている。消火具10は、上述のような蠅帳型構造を有し、下部ろくろ4を上部ろくろ6から離間することにより、折り畳むことができるので、引掛部9を利用することによりコンパクトに収納することができる。
本発明の消火具10は、このような構成を有することにより、使用者が引張部材8を引っ張って保持部材7により展開状態を保持した後、この引張部材8を支持することによって、展開状態において消火具10全体をしっかりと支持することができるので、後述するように、その使用の際には、コンロ台等における火災の初期消火に対し、使用者が火傷等をすることなく、効果的に利用することができる。
【0010】
なお、各親骨2と上部ろくろ6とを係合する方法は、特に限定されないが、本実施形態では、係合部材6aは、例えば、上部ろくろ6に巻き回された針金等であり、この針金を各親骨2の一端に設けられた孔に通すことにより、各親骨2を上部ろくろ6に回動自在に係合することができる。
同様に、各支骨3と下部ろくろ4とを係合する方法は、特に限定されないが、本実施形態では、係合部材4aは、例えば、下部ろくろ4の下フランジ等に巻き回された針金等であり、この針金を各支骨3の一端に設けられた孔に通すことにより、各支骨3を下部ろくろ4に回動自在に係合することができる。
また、本発明の消火具10に用いられる引張部材8は、展開状態の消火具10全体を支持することができれば特に限定されない。引張部材8は、例えば、図1に示すように、消火具10全体を支持可能な程度の剛性を有する中実の金属線や金属棒、あるいは、中空の金属棒(傘のようなスライド折り畳み式のもの)等の棒状体を使用することができる。なお、このように消火具10全体を支持することができれば、筒状体4bと引張部材8との連結部分等が折れ曲がり、その状態で固定可能な構成であってもよい。
【0011】
また、本発明の消火具10に用いられるシート1は、消火シートとして耐熱性を有するものであれば特に限定されない。例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、金属繊維、アラミド繊維等のいずれか単独、あるいは2種以上を併用する織布等を使用することができる。特に、シート1は、目ずれによる酸素の遮断性能を落とさないように、アクリル樹脂あるいはシリコーン樹脂で目止め処理された高珪酸ガラス繊維織布であるのが好ましい。このような織布の場合、軽量、高強度で耐久性を有するとともに、熱変形、熱破損等を生じる可能性が低いため、消火具10を複数回使用することが可能となる。
なお、更に酸素遮断性能を上げるために、目止め処理を行った後、難燃処理されたウレタン樹脂、フッ素樹脂等を付着させる付着処理を行ってもよい。
また、本発明の消火具10に用いられる親骨2及び支骨3は、耐熱性に優れたセラミック製、あるいは金属製のものを使用することができる。親骨2及び支骨3が金属製のものである場合には、熱変形、熱破損がないため、例えば、シート1が使い捨て消火シートであれば、親骨2及び支骨3を複数回使用することができる。
この場合、使い捨て消火シートとしては、例えば、高耐熱性の樹脂等が挙げられ、このような樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂等とそれらにガラス繊維を配合した繊維強化樹脂を使用することができる。
【0012】
本発明に用いられる折り畳み式蝿帳構造は、上述したように、シート1を張る部材(親骨2等)、シート1を展開(拡張)する部材(引張部材8等)、展開したシートを固定する部材(保持部材7等)、展開したシートを開放する部材(引張部材8等)を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、実公昭55−7170号公報の図2及び図3、実公平6−41492号公報の図1、登録実用新案第3038471号公報の図3等に開示される構造を使用することができる。
また、このような蠅帳型構造は、コンロ台(特に、3つのコンロを有するコンロ台)の平面形状が長方形であるため、展開状態において長方形の開口を有するのが好ましいが、これに限定されることなく、開口の形状は、円形、多角形等であってもよい。この場合、親骨2及び支骨3の数は、開口の形状に応じて適宜決定すればよい。
【0013】
次に、図4を用いて、本発明の消火具10の使用方法の一実施形態を説明する。
本発明の消火具10は、ガス台20の近傍、例えば、壁30に取り付けられたフック31に引掛部9を介してぶら下げられている(図4(a)参照)。なお、ガス台20の下の収納戸棚等に設置するのでは、火災が発生した際に火元に近すぎるので好ましくない。
コンロ台でてんぷら鍋等から火災が発生した際には、消火具10をフック31から外し、使用者の利き手で引張部材8あるいは引掛部9を持ち、逆の手で固定部材5を持って、シート1の開口部側を火元に向ける(図4(b)参照)。
そして、固定部材5を逆の手で固定しつつ引張部材8を利き手で引っ張って、消火具10を展開し、保持部材7と固定部材5の上フランジ5aとを係合させて、シート1が蠅帳型になるように消火具10の展開状態を保持する。その後、引張部材8により消火具10を支持した状態で、火元に対して縦となるように消火具10を斜めにして向け、コンロ台20の手前(一端部)に消火具10の下端(一端側)を当接させる(図4(c)参照)。
そして、消火具10の下部(すなわち、シート1の縁部)全体がコンロ台20に当接するように消火具10の他端側をコンロ台20に当接させ、コンロ台20のコンロ(特に、火災の発生しているコンロ)を消火具10により覆ったことを確認してから、引張部材8から手を離して消火具10をコンロ台20に被せる(図4(d)参照)。
なお、火災の炎が初期消火されたとしても、数十分間は空気(酸素)が供給されると再着火の可能性があるので、その間は消火具10をそのままにしておく必要がある。
以上のように、本発明の消火具10を使用することにより、使用者が火傷をする危険性を一段と低減させつつ、てんぷら鍋等の火災に対し適切に初期消火を行うことができる。
【0014】
以上、本発明の消火具について添付図面を参照して説明したが、本発明は、上述の各実施形態の構成に限定されるものではない。本発明の消火具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、本発明の消火具に任意の構成物が付加されていてもよい。
【実施例】
【0015】
75 1/0 0.7ZのEガラスヤーンを使用して、密度経53本/25mm、緯51本/25mmの4枚朱子織りの基材を酸処理して、360℃でヒートクリーニングして集束剤を除去し、SiO296%の高珪酸シリカ繊維織布を作製した。次いで、目止め剤としてシリコーン樹脂を高珪酸シリカ繊維織布100%に対して2%含浸処理して付着し、消火シートを作製した。
この消火シートを図1〜図3に示す蠅帳型構造となるように、上述のような各部材を準備し、消火具を作製した。
【0016】
次に、直径20cm、容量2.75リットルのアルミニウム製両手鍋にサラダ油1.0リットルを入れて、ガスコンロ台で加熱して、油の温度が350℃になった時点で引火させ、そのまま1分経過後、上述のように作製した消火具にて鍋を覆ったところ、約14秒(蝿帳開き:3秒、被せ:1秒、消火:10秒)で消火することができた。
本実施例では、消火具をワンタッチで蝿帳型に展開することができ、蠅帳型に展開したとしても視界を遮ることなくかつ火元に使用者の手を近づけることなく、消火具をコンロ台に被せることができた。このため、使用者が火傷をする危険性を低減することができた。また、展開した消火具の大きさとコンロ台の周囲の大きさが概ね同じであるため、空気を完全に遮断することができた。さらに、展開状態における消火具は親骨によりしっかりとシートを張っているので、コンロ台にスムーズに被せて消火することができた。しかも、消火具のシート部分は、直接炎に対して被せることがないので、周囲ほつれや油煙による汚れ等の変化がなかった。そのため、一度使用した消火具を再使用(再利用)することができた。
【比較例】
【0017】
上記実施例と同様に、酸処理する前の基材を準備して、それを消火シートとし、上述の特許文献2と同様にして、この消火シートをハンカチ状に折り畳み、箱(筒)に入れて折り畳み式消火シートを作製した。
次に、サラダ油を新しくして、上記実施例と同様にして、消火シートにて鍋を覆ったところ、約20秒(箱から取り出す:3秒、広げる:6秒、被せ:1秒、消火:10秒)で消火することができた。
消火シートを開くのに時間がかかり、消火の際に視界が遮られてしまうため、火災の消火に手間取り、また、使用者が火元に手を近づける必要があるため、火傷をしないように注意したことにより消火シートをスムーズに被せることが難しく、消火シートを被せるのにも時間を要した。また、消火シートを被せた後、しわを延ばして完全に空気を遮断しないと炎を消すことができなかった。さらに、消火シートは、直接炎に触れるため、使用後には油煙による汚れが付着して、落ちにくく、また、消火シートの周囲がほつれる等の問題があり、再使用(再利用)することができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、粉末状消火剤式消火器に代わる火災消火布(消火シート)として使用する分野で貢献できる点において、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の消火具の一実施例の展開状態を示す部分断面図
【図2】図1に示す消火具の底面斜視図
【図3】図1に示す消火具の要部断面図
【図4】図1に示す消火具の使用方法を説明するための図
【符号の説明】
【0020】
1 シート
1a 端部
2 親骨
2a ヒンジ部
3 支骨
4 下部ろくろ
4a 係合部材
4b 筒状体
5 上部ろくろ
5a 上フランジ
5b 下フランジ
6 シート固定部材
6a 係合部材
6b フランジ
6c 中空部
7 保持部材
8 引張部材
9 引掛部
10 消火具
20 ガスコンロ台
30 壁
31 フック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートと、展開状態において該シートを支持する複数本の親骨と、前記複数本の親骨の各一端を回動自在に枢軸する上部枢支部材と、その一端が対応する前記親骨の所定位置に枢支される複数本の支骨と、前記複数本の支骨の各他端を回動自在に枢軸する下部枢支部材と、前記展開状態を保持する保持部材とを備え、前記上部枢支部材に対し、前記下部枢支部材を上下に移動させることにより、前記展開状態と折り畳み状態とを変形可能な蠅帳型構造を有する消火具であって、
前記下部枢支部材の一端には、該下部枢支部材を前記上下方向に移動するための引張部材が設けられ、該引張部材により、前記展開状態において前記消火具全体を支持可能としたことを特徴とする消火具。
【請求項2】
前記引張部材が棒状体であることを特徴とする請求項1に記載の消火具。
【請求項3】
前記シートは、アクリル樹脂あるいはシリコーン樹脂で目止め処理された高珪酸ガラス繊維織布であり、前記親骨及び支骨は、金属製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の消火具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−307248(P2007−307248A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140804(P2006−140804)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000232760)日本無機株式会社 (104)