説明

消火栓装置

【課題】ホースを引き出す際のノズル保持部からのノズル取出しと消火栓弁開閉レバーの操作を連携させて誤操作を防止する消火栓を提供する。
【解決手段】消火栓扉18の内側に、筐体内に収納したホースに装着したノズルを着脱自在に保持するノズル保持部70と、消火栓弁を遠隔的に開閉操作する消火栓弁開閉レバー64を設けた操作ボックス76を配置する。ノズル保持部は、バネ付きの蝶番122を閉じたホルダ部材120の起立状態でノズルを着脱自在に保持し、ノズルを外した場合にバネにより蝶番を開くことでホルダ部材を倒して低くする。ホルダ部材にはロックロッド部材134の端部が連結されて先端を消火栓弁開閉レバー側のロック穴140,144,146に挿入して消火栓弁開閉レバーの動きをロックしており、ノズルを外してホルダ部材を倒すとロックロッド部材の先端がロック穴から抜け出し、消火栓弁開閉レバーの開閉操作を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火栓扉を開いてノズル付きホースを引き出して放水する消火栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車専用道路などのトンネル内には、火災発生時に備えて消火栓装置が設置されている。
【0003】
図19は従来の消火栓装置200の正面図であり、図20は消火栓装置200の消火栓扉204を開いた状態の内部構造の平面図であり、図21はその側面図である。消火栓装置200の筐体202の前面の扉開口には消火栓扉204と消火器扉206が設けられている。
【0004】
消火栓扉204にはハンドルが設けられ、ハンドルを手前に引くことでロックを解除し、消火栓扉204の下側を回転軸に前方に開放することができる。また消火栓扉204と筐体202との間には緩衝用ダンパ208を設けて接続され、消火栓扉204を滑らかに開放できるようにしている。
【0005】
筐体202のホース収納部にはホースバケット構造として、U字形に形成したフレームパイプ215が開口側に配置されている。フレームパイプ215の両側にはホースバケット216が取り付けられ、内部にホース収納空間を形成し、先端にノズル210を装着したホース212を筐体内のホースバケット216に内巻きして収納している。
【0006】
ホース212はホースバケット216の側面板に開口した孔を通してホースバケット216内に収納される。その孔には、ホース212を引き出したときに、ホース212が擦れてホース表面が傷付くことを防ぐために、ホース212は保護管212aの中を通ってホースバケット216内に入る。
【0007】
このような消火栓装置200は火災を伴う車両事故の発生時に、消火栓扉204を開いてノズル210付きのホース212を引き出し、扉内に設けている消火栓弁開閉レバー214を操作することで消火栓弁220を開き、同時に図示しないポンプ起動スイッチがレバー開位置でオンし、消火ポンプ設備を起動して放水を行うことができる。
【0008】
また消火栓扉204の内側に逆U字型のパイプフレームなどを用いたホースガイド222を設け、ホース212が消火栓弁開閉レバー214や操作案内板などの部材に引っかかることを防ぐためホースガイド222を通してホース212を引き出すようにしている。
【0009】
更に消火栓開閉レバー214の横にはレバーガード218が配置され、手前の開位置に操作した消火栓弁開閉レバー214に引き出したホース212が当たって閉位置に戻ってしまうことを防止している。
【0010】
消火栓扉204の内側には図20及び図21に示すように凹部224が形成され、凹部224にノズル保持部225を取付け、凹部224から上方に突出したノズル保持部の先端にノズル210を着脱自在に保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−006376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような従来の消火栓装置にあっては、消火栓扉の内側に形成した凹部224にノズル保持部225を配置していたため、ノズル保持部225からノズル210を取り出してホース212を引き出す際、あるいは放水位置を変えるためにホースを左右に移動する際に、凹部224から上方に飛び出しているノズル保持部225にホースが当たった場合、ホース212を傷付けたり、ホース212が引っかかってしまう可能性がある。
【0013】
このようなことを防ぐために、図20に示したように、消火栓扉の内側にホースガイド222を設け、更に、消火栓弁開閉レバー214の横にレバーガード218を配置し、ホース212を右横方向に引き出すときにホース212が当たってレバーが戻ってしまうことを防止したり、ノズル保持部225にホースが当たらないようにしているが、そのためにホースガイド222など部品点数が増える。
【0014】
またホース収納空間の中央部に、消火栓扉を閉めた際のホースガイド222を収容できる空間を設ける必要がありホース収容部が大きくなる。さらにホース収容部にホースを収納するときに、ホースガイド用の収容部を確保するように気を遣ってホースを収容する必要があった。
【0015】
また従来の消火栓開閉レバー214はノズル保持部225にノズル210を保持した状態であっても開閉操作を行うことが可能であり、車両火災といった緊急時には操作手順を誤ってノズル210を取り出す前に消火栓弁開閉レバー214を開操作することも予想され、このような誤った手順の操作を行うとノズル保持部225に保持しているノズル210から消火用水が放水され、放水操作を混乱させる問題がある。
【0016】
本発明は、ホースを引き出す際のノズル保持部からのノズル取出しと消火栓弁開閉レバーの操作を連携させて誤操作を防止する消火栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、
筐体と、
筐体前面の開口部に下側を軸に開閉自在に装着された消火栓扉と、
筐体内部に収納したノズル付きホースと、
消火栓扉側に設けられ前記ノズルを着脱自在に保持するノズル保持部と
筐体に配置した消火栓弁を、ノズル保持部に隣接して消火栓扉の内側に配置した消火栓弁開閉レバーの操作により遠隔的に開閉する消火栓弁開閉機構と、
を備えた消火栓装置に於いて、
ノズル保持部は、
ノズルを着脱自在に保持すると共に、ノズルを取り付けた際に起立し取り外した際に傾倒するホルダ部材と、
ホルダ部材に連結し、ホルダ部材の起立位置で消火栓弁開閉レバーの動きを抑止し、ホルダ部材の傾倒位置で消火栓弁開閉レバーの抑止を解除するロック部材と、
を設けたことを特徴とする。
【0018】
ここで、ロック部材は、ホルダ部材に一端を連結し、他端をホルダ部材の起立位置で消火栓弁開閉レバーに設けたロック穴に挿入して消火栓弁開閉レバーの動きを抑止し、ホルダ部材の傾倒位置でロック穴から抜け出して消火栓弁開閉レバーの抑止を解除するロックロッド部材とする。
【0019】
また、消火栓弁開閉機構は、消火栓弁開閉レバーと、消火栓弁開閉レバーの回転動作を消火栓弁を開閉させるよう伝達するギア機構を備え、
ロック部材は、ホルダ部材に一端を連結し、他端をホルダ部材の起立位置でギア機構の回転部材をロックして消火栓弁開閉レバーの動きを抑止し、ホルダ部材の傾倒位置でギア機構の回転部材のロックを解除して消火栓弁開閉レバーの抑止を解除するロックロッド部材である。
【0020】
また、本発明の消火栓装置は、更に、ホルダ部材に保持されたノズルの後部を位置決めするノズル受け台を消火栓扉内面に設ける。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、消火栓扉内側に設けられたノズル保持部の回動可能なホルダ部材は起立した状態でノズルを保持しており、消火栓扉を開いてノズルを取り出した場合、起立していたホルダ部材は扉内面に回動して倒れ、ホルダ部材が倒れることで扉内面に対する高さが低くなり、筐体から引き出したホースは倒れて低くなったホルダ部材に当ることがなく、ホースの傷付きを確実に防止し、ホースの引き出し作業に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0022】
またホルダ部材はノズルを保持している起立位置で、消火栓弁開閉レバーの開閉操作を抑止しており、ホルダ部材からノズルを取り外して扉内面側に倒すと抑止解除したことで、ノズルの保持状態で消火栓弁開閉レバーを開操作しようとしても動かず、操作手順を間違えてノズルを消火栓扉に保持したまま放水を開始してしまい、誤操作による操作者の混乱や消火作業の遅れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による消火栓装置の実施形態を正面から示した説明図
【図2】図1について消火栓扉を外して内部構造を示した正面図
【図3】図1について消火栓扉側を開いた状態を示した正面図
【図4】図1について消火栓扉を開いた状態でホース収納空間の構造を示した右側面図
【図5】図3の消火栓扉内側に設けた消火栓弁操作部の内部構造を平面で示した説明図
【図6】図5の消火栓弁操作部の内部構造を側面断面で示した説明図
【図7】消火栓扉内面に設けたノズル保持部の実施形態を示した説明図
【図8】図7のノズル保持部からノズルを取り出した状態を示した説明図
【図9】図7のホルダ部材が起立状態にあるノズル保持部を取り出して示した説明図
【図10】図7のホルダ部材が倒れた状態にあるノズル保持部を取り出して示した説明図
【図11】本発明のノズル保持部に使用する蝶番を取り出して示した説明図
【図12】本発明のノズル保持部に隣接して配置されるノズル受け台を取り出して示した説明図
【図13】ホルダ部材を起立した場合の消火栓弁開閉レバーのロック状態を平面で示した説明図
【図14】ホルダ部材を倒した場合の消火栓弁開閉レバーのロック解除状態を平面で示した説明図
【図15】ホルダ部材を起立した場合の消火栓弁開閉レバーのロック状態を側面で示した説明図
【図16】ホルダ部材を倒した場合の消火栓弁開閉レバーのロック解除状態を側面で示した説明図
【図17】ホルダ部材を起立した場合にプーリーをロックする本発明の他の実施形態を平面で示した説明図
【図18】図17の実施形態についてホルダ部材を倒してプーリーのロックを解除した状態を平面で示した説明図
【図19】従来の消火栓装置の扉を外して内部構造を示した正面図
【図20】従来の消火栓装置の扉を開放して内部構造を示した平面図
【図21】従来の消火栓装置の扉を開放して内部構造を示した側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は本発明によるトンネルに設置される消火栓装置の実施形態を示した正面図である。図1において、消火栓装置10は、消火栓側の筐体12−1と消火器側の筐体12−2に分割した構造であり、前面に化粧板14−1,14−2を装着しており、筐体12−1,12−2に対し必要な機器及び部材を組付けた後に側面同士を連結固定した状態とし、この状態でトンネル現場に搬入して架台11上に設置している。
【0025】
化粧板14−1,14−2には扉開口部16,17が設けられている。筐体12−1の扉開口部16には、消火栓扉18と保守扉22が設けられており、その内部がホース収納空間及びバルブ類収納空間となっている。
【0026】
消火栓扉18は、扉開口部16に対し下側の回動軸21を中心に下向きに開閉自在に設けられており、マグネットと受け板を用いたロック機構により閉止位置に閉じている。消火栓扉18は、ハンドル20を手前に引いてロック機構の磁気吸着ロックを外すことで前方に開閉することができる。
【0027】
扉開口部16は内部のホース収納空間に形成されたホース取出口に相対して筐体全部の略中央に形成され、扉下部の回動軸21による消火栓扉18の軸支による回動支持で下向きに開放した場合、消火栓扉18は斜め下向きの開放位置に開放される。
【0028】
消火栓扉18の上には上部に回動軸23を有し前向きに開閉する保守扉22が設けられており、マグネットと受け板を用いたロック機構により磁気吸着により閉止位置に保持されており、点検時に消火栓扉18を開放した後に保守扉22の下端を手前に引くことで上方に開くことができる。
【0029】
筐体12−2の扉開口部17の右側には通報装置扉24が設けられ、ここに赤色表示灯26、発信機28、及び応答ランプ30を設けている。なお、通報装置扉24の内側には図2に示すように電話ジャック31を設けている。
【0030】
赤色表示灯26は常時点灯し、消火栓装置10の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機28を押すと、発信信号が監視室の火災受信機に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が火災受信機から送られて、応答ランプ30を点灯するようにしている。
【0031】
扉開口部17の左側には消火器扉32が設けられ、消火器扉32に対応した筐体12−2の内部を消火器収納空間とし、例えば2本の消火器を収納している。消火器扉32にはハンドル34が設けられ、ハンドル34を手前に引くとマグネットによるロックが外れ、消火器扉32は左側を回動軸として前方に開くことができる。また、消火器扉32の下側には覗き窓35が設けられ、外部から消火器の収納状態の有無を確認できるようにしている。
【0032】
図2は図1の実施形態について筐体12−1側の消火栓扉を外し、保守扉22は上向きに開いてステー27で開状態に支持した状態で内部構造を示した正面図である。
【0033】
図2において、保守扉22は、消火栓装置の保守以外には通常閉じられており、消火作業時も閉められたままで消火栓扉18のみ開放される。消火栓扉18と保守扉22が閉じる筐体12−1の扉開口部16の両側には、扉側の受け板を吸着保持するロック機構のマグネット68a,69aが配置される。
【0034】
筐体12−1の左側にはホース収納空間36が形成され、右側にバルブ類収納空間38を形成している。ホース収納空間36には、その周囲を囲んでホース44を押えるホースバケット構造40が設けられている。
【0035】
ホースバケット構造40は、横2本、縦2本のフレームの組み合わせており、扉開口部16の左右方向における略中央となる位置にホース取出口42を仕切り形成している。ホース取出口42の下側には張出ホースガイド46が設けられ、ホース44を左方向に引き出す際の急激な折れ曲がりを緩和して滑らかな引き出しを可能とする。
【0036】
ホースバケット構造40及び筐体内壁で囲まれたホース収納空間36にはホース44が内巻きして収納されている。ここで、右側のバルブ類収納空間38の下部にはホース接続口48が配置されており、ホース接続口48にホース44の1次側を接続した後、ホース44をホース収納空間36に巻き込むことになるが、この場合のホース44の巻き込みは、扉開口部16から見て右巻きとなるように巻き込んでいる。
【0037】
即ち、ホース接続口48に接続したホース44は、まず筐体12−1の下側内壁に沿うようにホース収納空間36方向に向かい、ホース収納空間36の下側から巻き込まれ、その後に、右回りに収納空間内に巻き込まれ、最後にノズルを装着したホース先端を扉開口部16の中央付近に形成されたホース取出口42から取り出している。
【0038】
このようにホース巻き込み開始部分は右巻きによりホース収納空間36の下側に送りこまれるため、巻き込み開始部分のホース44がホースバケット構造40のフレームに当って摺動するようなことはなく、図12の従来のホース左巻きによりホースバケット構造に当って摺動することに対する保護の必要がなく、構造を簡単にしている。
【0039】
筐体12−1に設けたホース収納空間36の右側に配置したバルブ類収納空間38には、ポンプ設備からの配管が接続される消火栓接続口50からホース接続口48に至る配管系統に、給水弁52、消火栓弁54および自動排水弁(図示せず)などを設けている。このうち消火栓弁54の横には機器ボックス60が配置され、消火栓扉の内側に配置される消火栓弁開閉レバーにより遠隔的に消火栓弁54を開閉操作できるようにしている。
【0040】
また給水弁52の手前にはポンプ起動スイッチ62が配置される。給水弁52及びポンプ起動スイッチ62は消防隊が消火時に操作する機器であり、消火栓扉18を開いても保守扉22により隠されており、消火栓装置を操作しようとするユーザに見せないことで、不要な混乱を起させないようにしている。
【0041】
図3は図1の消火栓装置10における消火栓扉18を開いた状態を示した正面図である。図1の消火栓扉18に設けたハンドル20を手前に引いてロックを外すと、消火栓扉18は斜め下向きとなる位置に開放する。消火栓扉18の内側には消火栓弁開閉レバー64を備えた操作ボックス76が配置される。また消火栓扉18の内部左側のノズル保持部70にはホース先端に装着したノズル45が着脱自在に保持され、ノズル45の後部はノズル受け台72により位置決めされている。
【0042】
図4は図1について筐体の内部構造を示した右側面図であり、消火栓扉18及び保守扉22を開いた状態で示している。消火栓扉18は斜め下向きに開放し、扉内側には操作ボックス76が配置され、操作ボックス76の横に消火栓弁開閉レバー64を垂直回りに回動操作可能に設け、消火栓弁54を遠隔操作により開閉するようにしている。
【0043】
消火栓弁開閉レバー64は図示の後方に回動した位置を閉位置とし、前方の想像線で示す消火栓弁開閉レバー64aの位置が開位置となる。消火栓扉18を斜め下向きに開放することで、ホース44を引き出した際にホース44が消火栓開閉レバー64に接触しづらくなり、ホース44の移動で消火栓開閉レバー64が誤って開閉が切り替わることを防いでいる。
【0044】
操作ボックス76の後方からはワイヤーチューブ88,90が引き出され、その中にワイヤーケーブル82,84を移動自在に通している。ワイヤーケーブル82,84は消火栓弁54の弁軸に設けた機器ボックス60内のプーリー63に連結されると共に操作ボックス76内に設けた後の説明で明らかにするプーリーと連結されて遠隔操作を行う消火栓弁開閉機構を構成している。
【0045】
このような消火栓弁開閉機構により、消火栓弁開閉レバー64を図示の閉位置から想像線で示す消火栓弁開閉レバー64aで示す開位置に操作すると、操作ボックス76内のプーリーが一体に回転し、これに伴いワイヤーケーブル82,84を介してプーリー63が回転し、消火栓弁54を閉位置から開位置に操作することができる。
【0046】
図5は図3の消火栓扉内側に設けた消火栓弁操作部の内部構造を平面で示した説明図であり、図3の操作ボックスの上カバーを外した状態で示している。
【0047】
図5において、操作ボックス76は外カバー76aの中に内カバー76bを配置し、内カバー76bの軸受98に対し駆動軸96を回動自在に装着しており、駆動軸96の右端は外カバー76a内に位置するが、駆動軸96の左端は外カバー76aを貫通して外側に取り出され、そこにハンドル78を備えた消火栓弁開閉レバー64の基部を固定している。
【0048】
本実施形態において、消火栓弁開閉レバー64及び操作ボックス76に対してはノズル保持部70側に設けた後の説明で明らかにするロックロッド部材134の先端がノズル保持状態で挿入され、消火栓弁開閉レバー64を図示の閉位置にロックしている。
【0049】
また内カバー76bには垂直軸により扉面と平行な水平回りに回動自在にプーリー96を配置している。プーリー108はギア機構を介して駆動軸96に連結されており、消火栓弁開閉レバー64の垂直回りの操作による駆動軸96の垂直回りの回転を、ギア機構を介してプーリー108に伝達し、プーリー108を水平回りに回転可能としている。
【0050】
ギア機構は、第1ねじ歯車102、アイドルねじ歯車114及び第2ねじ歯車104で構成される。第1ねじ歯車102は駆動軸96に設けられ垂直周りに回動する。第2ねじ歯車104は上側にプーリー108を同軸に固定している。第1ねじ歯車102と第2ねじ歯車104の間にはアイドルねじ歯車114が配置され、第1ねじ歯車102からプーリー108を遠避けて干渉しない位置に配置している。
【0051】
ギア機構を構成する第1ねじ歯車102、アイドルねじ歯車114及び第2ねじ歯車104の歯数はそれぞれ同一であり、消火栓開閉レバー64の回転角に応じた回転がそのまま第2ねじ歯車104に伝達されてプーリー108を回転することになる。なお、第1ねじ歯車102と第2ねじ歯車104の歯数を同一とし、アイドルねじ歯車114の歯数を異ならせることで、増速または減速した回転をプーリー108に伝達することもできる。
【0052】
プーリー108には図4に示した消火栓弁54の操作軸に設けたプーリー63に連結したワイヤーケーブル82,84が内カバー76bの後端にコネクタ部材110,112で固定したワイヤーチューブ88,90を通して連結されており、消火栓弁54を開閉操作する遠隔開閉機構を構成している。
【0053】
図6は図5の消火栓弁操作部の内部構造を側面断面で示した説明図であり、水平方向に配置した駆動軸96の第1ねじ歯車102に対し、アイドルねじ歯車114はオフセットして直交配置した垂直軸116に装着されており、更にアイドルねじ歯車114に対し、第2ねじ歯車104がオフセットした垂直軸106に装着されており、第2ねじ歯車104の上部にプーリー108を固定している。なお、第2ねじ歯車104とプーリー108は一体に形成しても良い。
【0054】
ギア機構を構成する第1ねじ歯車102は駆動軸96に固定され、消火栓弁開閉レバー64の操作により駆動軸96を介して垂直周りに回転される。第1ねじ歯車102に対しアイドルねじ歯車114はオフセットした位置に設けた垂直軸116に水平回りに回転自在に装着されて噛み合っており、更に、アイドルねじ歯車114にはオフセットした位置に設けた垂直軸106に水平回りに回転自在に設けた第2ねじ歯車104が噛み合っている。第1ねじ歯車102の垂直回りの回転は、アイドルねじ歯車114により水平回りの回転に変換され、更に第2ねじ歯車104に水平回りの回転として伝達され、第2ねじ歯車104により同軸に固定したプーリー108を水平回りに回転する。
【0055】
このように駆動軸96の第1ねじ歯車102と、プーリー108を固定した第2ねじ歯車104との間にアイドルねじ歯車114を介在させることで、第2ねじ歯車104に固定したプーリー108を扉奥行き方向(図で右側)に離すことができ、第1ねじ歯車102とプーリー108が干渉しない配置とすることができる。
【0056】
このようなギア機構により、消火栓扉18の内側に配置した操作ボックス76の飛び出し量を更に低減してより薄型化し、消火栓扉18を閉鎖した場合の筐体側に確保しなければならないスペースを低減し、筐体内に対する機器設置スペースの制約を抑制でき、併せてホースを外部に引き出す際に操作ボックス76に当たって干渉することを防止できる。
【0057】
図7は消火栓扉内面に設けたノズル保持部の実施形態を示した説明図である。図7において、消火栓扉18の扉内面の右側には消火栓弁開閉レバー64を設けた操作ボックス76が配置され、その左側の扉内面にノズル保持部70とノズル受け台72を配置し、ホース44の先端に装着したノズル45を着脱自在に保持している。
【0058】
ノズル45は筒状のノズル本体45aの略中央にグリップ45bを設けており、グリップ45bの右側となる先端側をノズル保持部70に保持し、グリップ45bの左側となる後端側をノズル受け台72に載せて位置決めしている。
【0059】
ノズル保持部70側からは消火栓弁開閉レバー64及び操作ボックス76に対しロックロッド部材134の先端が挿入され、ノズル46の装着状態で消火栓弁開閉レバー64の動きをロックしている。
【0060】
図8は図7のノズル保持部70からノズル45を取り外した状態であり、ノズル保持部70は後の説明で詳細に説明するように、扉内面に固定する取付部材124に対しバネ部材付きの蝶番122を介して先端が二股に分かれたホルダ部材120を傾倒自在に設けており、図7のノズル45の保持状態ではホルダ部材120は起立しているが、図8のようにノズル45を取り外すと、ホルダ部材120はバネ部材により蝶番122が開くことで、扉内面に倒されて高さを低くするようにしている。
【0061】
またホルダ部材120にはロックロッド部材134が連結されており、ホルダ部材120がノズル後方側に倒れると、ロックロッド部材134の先端を消火栓弁開閉レバー64から引き抜いてロックを解除し、消火栓弁開閉レバー64を操作可能とする。
【0062】
図9は図7のホルダ部材が起立状態にあるノズル保持部を取り出して示した説明図であり、図9(A)は消火栓装置の側面側からみた図であり、図9(B)は図9(A)の側面図であり、開放した消火栓扉の前方縁部側から見た図である。
【0063】
図9において、ノズル保持部70は、消火栓扉の扉内面18aに固定する取付部材124に対し蝶番122を介してホルダ部材120を傾倒自在に配置している。ホルダ部材120は図7に示すようにノズル45を保持した状態にあっては、筐体内から引き出されたホース44によりノズル45が先端方向に押されており、このため図9に示すように、蝶番122が閉じることでホルダ部材120を起立状態に支持している。
【0064】
これに対し図10(A)(B)に示すように、ノズル保持部70からノズル45を取り外すと、蝶番122の軸ピンの部分に配置しているバネ部材により蝶番122がノズル受け台72側に開き、起立していたホルダ部材120を扉内面18aと略平行となるように倒し、その結果、ホルダ部材120の扉内面18aからの飛び出し量は、起立状態におけるホルダ部材120の横幅となる低い位置に抑えられる。
【0065】
このためノズル45を取り外してホースを外部に引き出す場合、図10のように倒れたホルダ部材120はその横に配置している操作ボックス76と同程度の低い位置となり、筐体から引き出したホースは倒れて低くなったホルダ部材に当ることがなく、ホースの傷付きを確実に防止し、ホースの引き出し作業に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0066】
またホルダ部材120の側面には軸受部136が設けられ、軸受部136に対しロックロッド部材134の端部を軸ピン138により回動自在に軸支しており、図9のホルダ部材120の起立状態ではロックロッド部材134の先端を消火栓弁開閉レバー側のロック穴に押し込んでロックしており、図10のようにホルダ部材120が倒れると、軸ピン138も蝶番122により回動することで、ロックロッド部材を消火栓弁開閉レバー側のロック穴から抜いてロックを解除する。
【0067】
図11はノズル保持部に設けた蝶番を取り出した説明図であり、図11(A)に平面を、図11(B)に側面を示す。図11において、蝶番122は一対の取付片126,128を軸ピン130により開閉自在に設けており、軸ピン130の中央部にはコイル状のバネ部材132が配置され、取付片126,128を開く方向に付勢している。蝶番122の取付片126は扉内面側、具体的には図9に示したように、扉内面18aに固定した取付部材124にビスなどにより固定され、反対側の取付片128はホルダ部材120の底部をビスなどにより固定している。
【0068】
蝶番122はフリー状態では図11(B)に示すように、軸ピン130の両側に取付片126,128が位置する開いた状態にあるが、図9に示したホルダ部材120の起立状態では取付片126aに示すように閉じた位置にあり、また図10に示したノズル45を取り出した状態では、取付片126bで示す位置に開いてホルダ部材120を扉内面18aに倒すようになる。なお、蝶番122のバネ部材132の強さは、ノズル45がノズル保持部材に取り付けられている時は起立を維持し、ノズル45が外れた時にのみノズル保持部材が倒れるように設定する。
【0069】
図12はノズル保持部に隣接して配置されるノズル受け台を取り出して示した説明図であり、図12(A)に平面を、図12(B)に正面を示している。図12において、ノズル受け台72は円弧状に窪んだ受け部72aの両側に取付部72bを一体に屈曲形成しており、図7に示したように、ノズル保持部70にノズル45を保持した状態でノズル45の後部のホース接続部45cを受け部72aの円弧状の窪みに位置させ、ホース44から応力を受けてもノズル45の後部が横に振れることなく、ノズル保持部70の軸中心線方向に位置決め保持できるようにしている。
【0070】
またノズル受け台72は図12(B)に示すように、ノズル45を扉内面18aより浮かした位置に保持した状態としており、扉内面18aとノズル45の間に隙間を形成し、ここに指を入れる空間を確保してハンドルなど握りやすくしている。更に、ノズル受け台72の高さは、図10(A)に示すように、ノズル保持部120が倒れた場合の高さよりも低くなるように設定している。
【0071】
再び図8を参照するに、ノズル45を取り外した場合、本実施形態にあっては、蝶番122のバネ部材132によりホルダ部材120を左側、即ちノズル後方側に倒すように付勢している。一方、図7に示すノズル45の保持状態では、ホース44によりノズル45は右方向に押す力を受けており、このためホルダ部材120は蝶番122を閉じる方向(起立する方向)に押されて起立状態を維持することができる。なお、ノズル受け台72の端部にノズル45の後部が当接する部材を追加して、ノズル45が取り付けられた状態でノズル保持70のバネ部材132のバネ力によりノズル45が後方側にずれるのを防ぐようにしても良い。
【0072】
また図7に示すように、ノズル保持部70は、ノズル45におけるグリップ45bの右側となるノズル本体45aの先端側をホルダ部材120に保持している。これに対しノズル45におけるグリップ45bの左側となるノズル本体45aの後端側をホルダ部材120に保持させようとすると、ノズル本体45aの先端が操作ボックス76に当り、保持させることができない。
【0073】
即ち、本実施形態にあっては、ホルダ部材120に対しノズル45のグリップ先端側は保持可能とするが、グリップ後端側は保持できないように、操作ボックス76に対するホルダ部材120の配置位置を決めおり、予定したノズル45の位置を確実に保持可能としている。
【0074】
また、図8に示したように、ノズル保持部70の傾倒方向を消火栓扉18の横方向(消火栓扉の回動軸線方向で、消火栓扉の開閉方向とは垂直の方向)に倒れるようにしている。これは、もしノズル保持部70を消火栓扉18の開閉方向に倒れるように設定すると、消火栓扉18の開け閉めの際にノズル45の重さでノズル保持部70が回動してしまい、ノズル45がずれたり、ノズル45がノズル保持部70から外れてしまう恐れがある。本実施形態はノズル保持部70の傾倒方向が消火栓扉18の開閉方向とは垂直方向の回動軸線方向としたことで、消火栓扉18の開閉操作に関係なくノズル保持部70の位置を維持することができ、またノズル45をノズル保持部70とノズル受け台72で確実に保持できる。
【0075】
図13はホルダ部材を起立した場合の消火栓弁開閉レバーのロック状態を平面で示した説明図であり、図14にホルダ部材を倒した場合の消火栓弁開閉レバーのロック解除状態を示している。
【0076】
図13において、ホルダ部材120の側面に回動自在に一端を軸支したロックロッド部材134の先端は、ノズルを保持しているホルダ部材120の起立状態で、操作ボックス67の消火栓弁開閉レバー64に設けたロック穴140及び操作ボックス76の外カバー及び内カバーに設けたロック穴144,146に挿入されており、消火栓弁開閉レバー64の動きをロックしている。ロックロッド部材134の先端側の扉内面にはロッド受け台142が設けられ、ロック穴140に対する位置決めと案内を行っている。
【0077】
なお、消火栓弁開閉レバー64に設けたロック穴140に相対する操作ボックス76側のロック穴としては、外カバーにロック穴144を設け、内カバーにロック穴146を設けているが、外カバーのロック穴144だけであっても良い。
【0078】
図14に示すように、ホルダ部材120を扉内面に倒した場合には、ホルダ部材120の倒れに伴う動きによりロックロッド部材134が消火栓弁開閉レバー64に設けたロック穴140及び操作ボックス76の外カバー及び内カバーに設けたロック穴144,146から引き出され、消火栓開閉レバー64のロックを解除して開閉操作を可能とする。
【0079】
図15はホルダ部材を起立した場合の消火栓弁開閉レバーのロック状態を側面で示した説明図であり、図16にホルダ部材を倒した場合の消火栓弁開閉レバーのロック解除状態を示している。
【0080】
図15において、ホルダ部材120の側面に回動自在に一端を軸支したロックロッド部材134の先端は、ノズルを保持しているホルダ部材120の起立状態で、操作ボックス76の消火栓弁開閉レバー64に設けたロック穴140及び操作ボックス76の外カバー76a及び内カバー76bに設けたロック穴144,146に挿入されており、消火栓弁開閉レバー64の動きをロックしている。ロックロッド部材134の先端側の扉内面にはロッド受け台142が設けられ、ロック穴140に対する位置決めと案内を行っている。ロッド受け台142は図12に示したノズル用の受け台72と同様な構造であり、ロックロッド部材134に合わせたサイズ及び高さとしている。
【0081】
図16に示すように、ホルダ部材120を矢印Aのように回動して扉内面に倒した場合には、ホルダ部材120の倒れに伴いロックロッド部材134は、矢印Bのように引き出され、消火栓弁開閉レバー64に設けたロック穴140及び操作ボックス76の外カバー76a及び内カバー76bに設けたロック穴144,146から抜け出し、消火栓開閉レバー64のロックを解除して開閉操作を可能とする。
【0082】
このようにノズルを保持したホルダ部材120の起立状態ではロックロッド部材134の先端が消火栓弁開閉レバー64に設けたロック穴140及び操作ボックス76の外カバー76a及び内カバー76bに設けたロック穴144,146に挿入されて消火栓弁開閉レバー64の動きをロックしており、図3及び図4に示すように消火栓扉18を開いて消火作業を行おうとした場合、手順を誤ってノズル45を取り出さずに消火栓弁開閉レバー64をハンドル78を握って手前側となる開位置に操作しようとしてもロックロッド部材134によりロックされて動くことがなく、ノズル45を消火栓扉18側に保持した状態で放水を開始してしまう誤操作を防止することができる。
【0083】
なお、消火栓装置の操作者が、操作方法を間違えないように、扉裏面18aなど操作部材の付近に操作案内銘板を貼り付け、まずノズル45をノズル保持部70から取り外し、その後に消火栓弁開閉レバー64を回動するように案内する。
【0084】
図17はホルダ部材を起立した場合にプーリーをロックする本発明の他の実施形態を平面で示した説明図であり、図18にホルダ部材を倒してプーリーのロックを解除した状態を示している。
【0085】
図17において、ノズル保持部70は図9及び図10に示した構成と基本的に同じであり、扉内面に固定部材124により固定され、ホルダ部材120を蝶番122により傾倒自在に設けている。ホルダ部材120の上側に位置する側面底部にはロックロッド部材134の端部が軸受部136に対する軸ピン138の装着で回動自在に連結されている。
【0086】
ロックロッド部材134の先端は、本実施形態にあっては、操作ボックス76内に設けたプーリー108の上部に位置しており、プーリー108の上部に起立されたロック片146に当接している。またロックロッド部材134の先端側にはロッド受け台142が設けられ、プーリー108のロック片146に対する外カバー及び内カバーの通し穴にたいする位置決めと案内を行っている。
【0087】
操作ボックス76の内部構造は図5及び図6に示したと同じであり、ハンドル78を握って行う消火栓弁開閉レバー64の前後方向の動きを、駆動軸96、第1ねじ歯車102、アイドルねじ歯車114及び第2ねじ歯車104からなるギア機構を介してプーリー108に伝えて回動させている。
【0088】
ノズルを保持するホルダ部材120の起立状態にあっては、ロックロッド部材134の先端が操作ボックス76内のプーリー108に設けたロック片146に当接し、プーリー108の開方向となる左回転をロックしている。このため消火栓弁開閉レバー64を、ハンドル78を握って開方向(扉手前方向)に操作しようとしても、プーリー108の左回転がロックされていることで、ギア機構を介して連結されている消火栓弁開閉レバー64は動くことがなく、ノズル45を消火栓扉18側に保持した状態で放水させてしまう誤操作を防止することができる。
【0089】
図18に示すように、ノズルを取り出すことによりホルダ部材120が扉内面に倒れた場合には、ホルダ部材120の倒れに伴いロックロッド部材134はプーリー108のロック片146から引き離され、プーリー108のロックが解除されることで、消火栓弁開閉レバー64の開閉操作が可能となる。
【0090】
なお、上記の実施形態にあっては、操作ボックス76の側面に対し消火栓開閉レバー64を配置し、レバー先端にハンドル78を横向きに設けた構造を例にとっているが、操作ボックス76の側面に設けた消火栓開閉レバー64の先端延長上にハンドルを設けた開閉操作機構についても同様にノズル保持部70からのロックロッド部材134により、ノズル保持状態でロック、ノズル取り出し状態でロック解除としても良い。
【0091】
また消火栓開閉レバー64のロック穴は連結する駆動軸96に対しハンドル78側に設けているが、駆動軸96に対するレバー下端側にロック穴を設けても良い。
【0092】
また、本発明の他の実施形態として、ホルダ部材120とプーリー108をリンクロッドで連結し、ホルダ部材120が起立したノズル保持状態では、保持しているノズル45がストッパとなることでホルダ部材120及びロックロッド部材134を介してプーリー18の回動をロックし、即ち消火栓弁開閉レバー64の動きをロックし、ノズル45を取り出した場合にロックを解除し、更に、消火栓弁開閉レバー64の開操作に伴うプーリー108の動きをリンクロッドを介してホルダ部材120に伝えて手前に引き倒すように構成し、これによって蝶番を開閉するバネ部材132を省略することができる。
【0093】
また、上記の実施形態は斜め下向きに開放する消火栓扉を例にとっているが、図19乃至図21に示した従来例と同様、消火栓扉を水平位置に開放する構造の消火栓装置についても、そのまま適用することができる。
【0094】
また、上記の実施形態にあっては、筐体を消火栓側と消火器側とに分割した場合を例にとっているが、一体型の筐体構造についても、同様に適用することができる。
【0095】
また、上記の実施形態はグリップ付きのノズルを例にとっているが、グリップなしのストレート型のノズルであっても良い。
【0096】
また、ホース収納空間36とバルブ収納空間38は逆に配置されても良い。ホース収納空間36へのホース44の収納方向は図2のような時計周りでもよいし、図19の従来例のような反対巻きであっても良い。
【0097】
また、ノズル45がホルダ部材120から外れた際に、ホルダ部材120は蝶番122に設けたバネ部材132で傾倒するようにしているが、これに限らず、ロックロッド部材134にバネ部材132を設けて、ロックロッド部材134を介してホルダ部材120を傾倒させるようにしてもよい。
【0098】
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0099】
10:消火栓装置
18:消火栓扉
44:ホース
45:ノズル
64:消火栓弁開閉レバー
70:ノズル保持部
72:ノズル受け台
76:操作ボックス
78:ハンドル
98:駆動軸
102:第1ねじ歯車
104:第2ねじ歯車
108:プーリー
114:アイドルねじ歯車
120:ホルダ部材
122:蝶番
124:取付部材
126,128:取付片
130:軸ピン
132:バネ部材
134:ロックロッド部材
136:軸受
138:軸ピン
140,144,146:ロック穴
142:ロッド受け台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
筐体前面の開口部に下側を軸に開閉自在に装着された消火栓扉と、
前記筐体内部に収納したノズル付きホースと、
前記消火栓扉側に設けられ前記ノズルを着脱自在に保持するノズル保持部と
前記筐体に配置した消火栓弁を、前記ノズル保持部に隣接して前記消火栓扉の内側に配置した消火栓弁開閉レバーの操作により遠隔的に開閉する消火栓弁開閉機構と、
を備えた消火栓装置に於いて、
前記ノズル保持部は、
前記ノズルを着脱自在に保持すると共に、前記ノズルを取り付けた際に起立し取り外した際に傾倒するホルダ部材と、
前記ホルダ部材に連結し、前記ホルダ部材の起立位置で前記消火栓弁開閉レバーの動きを抑止し、前記ホルダ部材の傾倒位置で前記消火栓弁開閉レバーの抑止を解除するロック部材と、
を設けたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項2】
請求項1記載の消火栓装置に於いて、
前記ロック部材は、前記ホルダ部材に一端を連結し、他端を前記ホルダ部材の起立位置で前記消火栓弁開閉レバーに設けたロック穴に挿入して前記消火栓弁開閉レバーの動きを抑止し、前記ホルダ部材の傾倒位置で前記ロック穴から抜け出して前記消火栓弁開閉レバーの抑止を解除するロックロッド部材であることを特徴とする消火栓装置。
【請求項3】
請求項1記載の消火栓装置に於いて、
前記消火栓弁開閉機構は、前記消火栓弁開閉レバーと、前記消火栓弁開閉レバーの回転動作を前記消火栓弁を開閉させるよう伝達するギア機構を備え、
前記ロック部材は、前記ホルダ部材に一端を連結し、他端を前記ホルダ部材の起立位置で前記ギア機構の回転部材をロックして前記消火栓弁開閉レバーの動きを抑止し、前記ホルダ部材の傾倒位置で前記ギア機構の回転部材のロックを解除して前記消火栓弁開閉レバーの抑止を解除するロックロッド部材であることを特徴とする消火栓装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の消火栓装置に於いて、更に、前記ホルダ部材に保持された前記ノズルの後部を位置決めするノズル受け台を前記消火栓扉内面に設けたことを特徴とする消火栓装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2012−179331(P2012−179331A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46098(P2011−46098)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】