説明

消火機能を有するタバコの吸い殻入れ

【課題】 焼却処分のみで処理できる材質からなり、タバコの吸い殻を入れたまま可燃ごみとして廃棄することができるタバコの吸い殻入れであって、さらに消火・収納をスムーズに行うことができ、その際に他人与える不快感が少ない携帯用のタバコの吸い殻入れを提供する。
【解決手段】 不燃処理を施した紙材により形成されたタバコの吸い殻入れ1であって、
吸い殻を投入するための開口部3を有するケース2と、該開口部3を塞いで前記ケース2を密閉状態に保つことができる部材4とを備えており、前記部材4をスライドさせることによって、前記開口部3の開閉を行うことができ、且つ前記ケース2内に粉末状消火剤を有することを特徴とする、タバコの吸い殻入れ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯できるタバコの吸い殻入れに関する。より詳しくは、タバコを消火する機能を有し、環境に配慮した材質からなるタバコの吸い殻入れに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消火機能を有する携帯用のタバコの吸い殻入れとして、特許文献1のたばこ火消具、特許文献2の携帯用煙草消火具、特許文献3の携帯用灰皿等が知られている。
【0003】
特許文献1のたばこ火消具は、火の着いた状態の円柱形のたばこを挿入してその火を消すためのたばこ火消具において、該たばこの径より大きい径の開口から奥に向けて進むに従って次第に内径の小さくなる筒状部が少なくとも一つ設けられ、該開口から該奥の方向に一定距離の位置では該内径が該たばこの径より小さくなっており、該一定距離は火を着けられる前の前記たばこの長さより小さく、該筒状部をなす部材のうちの少なくとも内壁は金属でなることを特徴とするものである。
該たばこ火消具を用いれば、たばこをその筒状部の奥に向けて押し込むことにより、たばこの先端の火の着いている部分の熱が筒状部内壁の金属に奪われ、その火の温度が急速に下がり、たばこの火を数秒で消すことができる。
【0004】
特許文献2の携帯用煙草消火具は、面状体の一方の面に設けた熱溶融性樹脂製の小袋内に消火剤を収容してなる消火具本体と、この消火具本体を収容するとともに、消火具本体の小袋を覗かせるよう、上面を開口した消火具収容部と、内部を中空に形成した箱状灰皿部と、を備えるものである。
該携帯用煙草消火具を用いれば、小袋で簡単にたばこを消火でき、その吸い殻を箱状灰皿部に収容して携帯でき、携帯用煙草消火具として使い勝手がよく、そのまま捨てることもできる。
【0005】
特許文献3の携帯用灰皿は、本体に、やや硬質の耐熱・耐火性素材を用いた薄型長方体容器の上面に、開口部を設け、その開口部の一端を係止し開口部を塞ぐ中蓋を設け、また中蓋の表面を覆い左右上下に粘着できる塗布部と、その上端に切り込みで形成した突片のある突起を擁する覆蓋を設ける。以上のように構成した、容器内に消火剤を設けることでなる携帯用灰皿である。
該携帯用灰皿によれば、平常時はポケットティッシュの様に平坦で、ポケットやバッグ等に手軽に収納でき、使用時には、立体化し灰皿として吸い殻を収納するに充分なスペースを確保し、灰落とし部も確保できる。さらに、手に持ったままでも床においても使用できる便利さがあり、また、内蔵する含水性の消火剤シートは、水の他ゼリー状にしたり、消火剤も含ませることで、より消火を確実にでき、同時に防臭効果も持たせると煙草のいやな臭いも軽減することができる。
【0006】
【特許文献1】登録実用新案第3050620号公報
【特許文献2】特開平11−290056号公報
【特許文献3】特開2001−258536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1のたばこ火消具は、該筒状部をなす部材のうちの少なくとも内壁は金属である。そのため、焼却のみでは処分できず、使用後にたばこの吸い殻を入れたまま廃棄すれば、環境を害することになる。従って、使い捨てには向かない。しかし、継続して使用するように構成すれば、洗浄を行う必要があり、今度はたばこに含まれる有害物質が排水に溶け込むという環境上の問題が生じる。また、継続して使用すれば、たばこの臭いが染みつき、汚れが付着していくという問題がある。
【0008】
特許文献2の携帯用煙草消火具は、小袋でたばこを消火し、その後吸い殻を灰皿部に収容する構成のため、二度手間がかかるという問題がある。さらに、小袋に煙草の火を押しつけると、小袋が溶融し、中の消火剤が出て煙草の火を消火するという構成のため、たばこの火を消す際に灰や消火剤が見苦しく、煙が発生するという問題がある。喫煙習慣がない人の中には、たばこに不快感を感じる人も多いため、たばこの消火・収納は、不快感を与えずに行うことが好ましい。
【0009】
特許文献3の携帯用灰皿は、粘着できる塗布部を有する構成のため、該塗布部に、タバコの灰等が付着し汚れるという問題がある。また、使用の際は、片手で薄型直方体容器を立体に保っておいて、もう片方の手で吸い殻を投入するので、両手が塞がり、手で開口部を露出状態に保つことができない。そのため、覆蓋をめくり、覆蓋を、その突起にある突片で容器の端に粘着させて、開口部を露出状態に保つ必要があるが、粘着性のある塗布部が使用の間ずっと露出することになるため、吸い殻を投入する手などに付着するおそれがあるという問題があり、また、これを取ろうとした際に、灰皿が揺れ、中の灰等がこぼれるおそれがあるという問題がある。
【0010】
本発明は以上のような従来の課題を解決するものであり、焼却処分のみで処理できる材質からなり、タバコの吸い殻を入れたまま可燃ごみとして廃棄することができるタバコの吸い殻入れであって、さらに消火・収納をスムーズに行うことができ、その際に周りを汚したり、タバコを消火する際の煙を発生させず、他人与える不快感が少ない携帯用のタバコの吸い殻入れを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前記課題は、不燃処理を施した紙材により形成されたタバコの吸い殻入れであって、吸い殻を投入するための開口部を有するケースと、該開口部を塞いで前記ケースを密閉状態に保つことができる部材とを備えており、前記部材をスライドさせることによって、前記開口部の開閉を行うことができ、且つ前記ケース内に粉末状消火剤を有することを特徴とする、タバコの吸い殻入れにより解決される。
【0012】
タバコを吸い終わった後、上記ケースの開口部を露出状態にして吸い殻をケース内に投入し、上記部材で、該ケースを密閉状態にすれば、ケース内への酸素の供給を絶つことができる。さらに、ケース内には粉末状消火剤が入っているため、ケースを振ることにより、消火剤がタバコの火のついた部分に効率よく接触し、窒息作用や抑制作用によりタバコの火を消すことができる。ケースは密閉されているため、タバコの灰や消火剤がケースの外に出ることはなく、かつ酸素の供給がないため、たとえ粉末状消火剤による完全な消火がなされなかったとしても、火はすぐに消える。また、不燃処理を施した紙材により形成されているため、吸い殻入れ自体が燃えるおそれもない。
【0013】
さらに、吸い殻の消火と収納を一度にスムーズに行うことができ、タバコの灰が飛び散ることもない。また、タバコの先端を消火剤に押しつけて火を揉み消す構成ではないため、消火の際に煙が立つこともない。従って、従来の道具と異なり、タバコ嫌いな人に与える不快感も小さい。また、前記部材をスライドさせることによって、吸い殻を投入するための開口部の開閉を行うことができるため、開口部の開閉が容易であり、消火・収納にかかる時間が非常に短縮される。
【0014】
本発明にかかるタバコの吸い殻入れは、紙材により形成されているため、使用後は吸い殻を入れたまま可燃ごみとして廃棄することができる。すなわち、本発明の吸い殻入れを構成する紙は、不燃処理がなされているため、タバコの火程度では燃えることがないが、ゴミ処理施設の焼却炉のように800℃以上で焼却される状況においては、完全に燃焼する。そのため、金属のように、分解されずに残り、環境問題を生じるということがない。
【0015】
さらに、前記ケース内に、前記消火剤の代わりに難燃性あるいは不燃性の粉末状物質を入れてもよい。この場合は、上記粉末状消火剤ほど消火作用が直接的ではないが、吸い殻入れを振ったときに、粉末状物質がタバコの火のついた部分に当たり、冷却し、又、粉末状物質の持つ重量で点火部分が破損を受けること、且つ前記ケースが密閉されて酸素の供給が絶たれることにより、吸い殻の火が消火される。
【0016】
前記難燃性あるいは不燃性の粉末状物質として、砂を用いることが可能である。砂を用いた場合は、安価であるとと同時に、より環境に影響を与えない吸い殻入れとすることができる。
【0017】
また、前記部材あるいは前記ケースが、前記部材をスライドさせる際に指で持つことができる摘み部を有していれば、部材のスライドをよりスムーズに行うことができ、消火・収納にかかる時間をさらに短縮することができる。
【0018】
前記粉末状消火剤あるいは前記難燃性あるいは不燃性の粉末状物質は、前記ケースの容量の3〜20vol%量存在することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、タバコの火を消さずにケースに投入しても、該ケースを上記部材により密閉状態にすることができるため、外部からの酸素の供給を遮断することができる。さらに、該ケースの中に粉末状消火剤が入っているため、密閉状態にしたケースを振ることにより、吸い殻と消火剤とを接触させてタバコの火を消火することができる。また、本発明にかかるタバコの吸い殻入れは、紙材と粉末状消火剤からなるため、使用後は焼却処分のみで処理することができる。さらに、粉末状消火剤の代わりに、難燃性あるいは不燃性の粉末状物質を用いても、タバコの火をたたき消すことができる。また、粉末状物質として砂を用いれば、環境に与える影響をより小さくすることができる。
【0020】
また、前記部材をスライドさせることによって、吸い殻を投入するための開口部の開閉を行うことができるため、開口部の開閉を容易に行うことができる。
さらに、前記部材あるいは前記ケースが、前記部材をスライドさせる際に指で持つことができる摘み部を有していれば、開口部の開閉をよりスムーズに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
不燃処理を施した紙材とは、タバコの火程度の小さな火では、すぐに着火しないように加工された紙材をいう。表面を燃えにくく加工してある紙材や、紙自体が燃えにくい組成に製造されている紙材など、いわゆる、難燃紙や不燃紙と呼ばれるものを含む。310〜350gの紙材に、難燃処理及び防煙処理を施したものが好ましい。本発明にかかる不燃処理を施した紙材は、ゴミ処理施設の焼却設備等で、高温で加熱された場合には燃焼される。
【0022】
本発明にかかるタバコの吸い殻入れは、携帯に適する大きさであって、手に持って振りやすい大きさのものが好ましい。一例として、一般に市販されているタバコ20本入りの箱(約8.5cm×約5.5cm×約2cm)程度の大きさを挙げることができるが、吸い殻を入れるものでありタバコ一本分が丸ごと入る長さは必要ないため、これより小さめのサイズであってもよい。また、大きさは収納を予定する吸い殻の本数によって、任意に形成することができる。吸い殻を入れた後に振って、吸い殻と消火剤とを接触させるため、ある程度余裕を持って容量を決める必要がある。例えば、約8〜10本程度の吸い殻を収納したい場合は、上記タバコの箱より若干小さめ(約7cm×約5cm×約2cm)程度に形成すればよい。また、形状は直方体に限られず、任意の形状に形成することができる。
【0023】
本発明において密閉状態とは、実質的に内と外との気体が流通しないように閉じられている状態をいう。実質的にとは、完全に気体の流通が遮断されていることまでを要求しない意味である。すなわち、僅かな隙間もなく閉じられている必要はない。
【0024】
本発明にかかる粉末状消火剤として、例えば、リン酸アンモニウム、尿素、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、含水吸水性ポリマーなどを挙げることができる。なお、粉末状には、微細な粉状だけでなく、顆粒状など粒径の大きいものも含まれる。
【0025】
上記粉末状消火剤は、一種類を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。用いる量は、消火剤の種類によって適宜調節可能であるが、好ましくはケースの容量の1%〜30%であり、より好ましくは3%〜20%、特に好ましくは5〜10%である。
【0026】
粉末状消火剤は、より効率よくタバコに付着するため、粒径が小さい方が好ましい。ただし、上述したように本発明にかかるタバコの吸い殻入れは、僅かな隙間もなく閉じられている必要はないため、若干の隙間がある場合には、当該隙間から外に出ていかない程度の粒径の粉末を用いる必要がある。
【0027】
さらに、前記粉末状消火剤ではなく難燃性あるいは不燃性の粉末状物質(例えば砂)を用いて、本発明にかかるタバコの吸い殻入れを構成してもよい。粉末状には、微細な粉状だけでなく、より粒径の大きい粒状のも含まれる。難燃性あるいは不燃性の粉末状物質は、タバコの火を効率よくたたき消すことができるよう、粒径が大きく重量のある方が好ましい。
【0028】
上記難燃性あるいは不燃性の粉末状物質の使用量は、種類によって適宜調節可能であるが、好ましくはケースの容量の1%〜30%であり、より好ましくは3%〜20%、特に好ましくは5〜10%である。
【0029】
また、上記粉末状消火剤と上記難燃性あるいは不燃性の粉末状物質の両方をケースに入れておいてもよい。難燃性あるいは不燃性の粉末状物質としては、灰を効率よく落とすことができる程度の重量を持つものであって、安価なもの(例えば砂)が好ましい。このような物質を粉末状消火剤とともに入れておけば、吸い殻を投入して振ったときに、該物質がタバコにあたって、灰を落とすため、粉末状消火剤が火のついている部分に接触しやすくなり、より効率よく消火を行うことができる。そのため、消火剤の量を減らすことが可能である。
【0030】
以下、実施例により本発明にかかるタバコの吸い殻入れをより詳細に説明する。
【実施例1】
【0031】
図1は、本発明にかかるタバコの吸い殻入れの一実施例を示す斜視図である。Aは開口部3が露出した状態の図であり、Bは開口部3が塞がれてケースが密閉された状態の図である。実施例1のタバコの吸い殻入れ1は、約7cm×約5cm×約2cm(摘み部を除く)の直方体状に形成されている。また、ケース2および部材4は不燃処理を施した紙材(330g)で形成され、ケースの内部には、粉末状消火剤であるABC消火薬剤(第一リン酸アンモニウム)が、ケースの容量の5vol%入っている。
【0032】
図1に示すように、部材4は、直方体を斜めに切断したような形状であり、直方体状のケース2に密接する外箱として構成されている。A・Bに示すように、部材4はケース2に対してスライド可能に形成されている。この際に、ケース2に設けられた摘み部5を指で摘むことにより、ケース2を固定し、部材4のスライドを容易に行うことができる。部材をスライドさせることにより、開口部を露出させた状態(A)から開口部を塞いだ状態(B)へ、容易に移行することができる。
【0033】
実施例1に示すタバコの吸い殻入れは、小型であるため、ポケットなどに入れて携帯することができる。携帯する際には、開口部を閉じた状態(B)にしておく。使用に際しては、摘み部5を指で挟んで固定しつつ、部材4をスライドさせて開口部3を露出させ(状態A)、該開口部3からケース2内へ吸い殻を投入する。その後、部材4をスライドさせて、開口部を塞いだ状態(状態B)に戻す。次に、吸い殻入れ1を軽く数回振る。
【0034】
部材4により、ケース2の開口部3は完全に覆われて塞がれるため、ケース2は密閉状態に保たれる。そのため、ケース内への酸素の供給が絶たれるとともに、吸い殻入れ1を振っても、灰がケース外に飛び散ることはない。タバコの吸い殻入れを構成する紙材には不燃処理がなされているため、吸い殻入れ自体が燃えることはない。また、吸い殻入れ1を振ることにより、ケース内の粉末状消火剤がタバコの火のついた部分に接触し、タバコの火が消える。実施例1の製品は、手の中に十分収まる大きさであり、また紙材からなるため非常に軽く、容易に振ることができる。また、振り方が不十分であり消火剤による消火が完全になされなかった場合でも、酸素の供給が絶たれているため、火はすぐに完全に消える。
【0035】
上述のように、本発明によれば、消火の際にタバコの火を揉み消す必要がないため、煙が立ったり灰が周りを汚すことがない。また、開口部が完全に塞がれるため、吸い殻を入れたまま携帯しても、灰が外部に出ることはなく、吸い殻が外部から見えることもない。さらに、吸い殻を入れて軽く振るだけで消火できるため、消火を非常にスムーズ行うことができる。そのため、吸い殻の処分に伴う煩雑感が小さくなり、周囲のタバコ嫌いな人に与える不快感も小さくなる。また、紙材で形成されているため加工が容易であり、形状や模様等のデザインにより、吸い殻入れであることが外観からは分からないように形成することができる。
【0036】
吸い殻の本数が多くなり、振った際に吸い殻や消火剤があまり動かなくなれば、吸い殻を入れたままの状態で、吸い殻入れ1を可燃ごみとして廃棄することができる。廃棄の際に分別を行う必要はなく、吸い殻を取り除いて清掃する等の手間もかからない。吸い殻入れは紙材で構成されており、中に入っているものは吸い殻と消火剤や砂等のみであるため、焼却のみで処理することが可能である。
【実施例2】
【0037】
図2は、本発明にかかるタバコの吸い殻入れの他の一実施例を示す図であって、Aは分解斜視図、Bは組み合わせた状態を側面から見た拡大断面図である。図3は、図2の吸い殻入れ(組み合わせた状態)を示す斜視図であって、Aは開口部が露出した状態の図であり、Bは開口部が塞がれてケースが密閉された状態の図である。
【0038】
実施例2のタバコの吸い殻入れは、約8cm×約5cm×約2cm(摘み部を除く)の直方体状に形成されている。また、ケース2、部材4および補助部材6は不燃処理を施した紙材(330g)で形成され、ケース2の内部には、砂がケースの容量の5vol%入っている。
【0039】
図2Aに示すように、部材4は、摘み部5を有する長方形状の板材であり、補助部材6は、直方体の一端を長手方向に対し垂直に切断した箱状の形状であり、直方体状のケース2より長手方向の長さがいくぶん短くなるように形成されている。ケース2の一面には、開口部3が形成されており、また補助部材6の一面にも、開口部3と同一の大きさ及び形状の孔7が形成されている。図2Aは分解図であり、組み合わせた状態(図2B)にするには、ケース2の開口部3がある面に部材4を重ねて、両者を補助部材6に挿入する。図2Bに示すように、ケースの開口部3と補助部材の孔7は、組み合わせたときに、完全に重なるように形成されている。そのため、部材4が開口部3と孔7の間に介在するときには、開口部3が塞がれ、部材4が介在しないときには、開口部3が露出する状態となる。また、図2Bに示すように、補助部材6は、組み合わせた状態において部材4とケース2とに密接するように形成されている。
【0040】
図3A・Bに示すように、部材4はケース2および補助部材6に対してスライド可能に形成されており、部材4をスライドさせることにより、開口部を露出させた状態(A)から開口部を塞いだ状態(B)へ、容易に移行することができる。この際に、部材4に設けられた摘み部5を指で持つことにより、部材4のスライドを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明にかかるタバコの吸い殻入れの一実施例を示す斜視図である。Aは開口部が露出した状態の図であり、Bは開口部が塞がれてケースが密閉された状態の図である。
【図2】図2は、本発明にかかるタバコの吸い殻入れの他の実施例を示す図であって、Aは分解斜視図、Bは組み合わせた状態を側面から見た拡大断面図である。
【図3】図3は、図2の吸い殻入れ(組み合わせた状態)を示す斜視図であって、Aは開口部が露出した状態の図であり、Bは開口部が塞がれてケースが密閉された状態の図である。
【符号の説明】
【0042】
1 タバコの吸い殻入れ
2 ケース
3 開口部
4 部材
5 摘み部
6 補助部材
7 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃処理を施した紙材により形成されたタバコの吸い殻入れであって、
吸い殻を投入するための開口部を有するケースと、該開口部を塞いで前記ケースを密閉状態に保つことができる部材とを備えており、前記部材をスライドさせることによって、前記開口部の開閉を行うことができ、且つ前記ケース内に粉末状消火剤を有することを特徴とする、タバコの吸い殻入れ。
【請求項2】
不燃処理を施した紙材により形成されたタバコの吸い殻入れであって、
吸い殻を投入するための開口部を有するケースと、該開口部を塞いで前記ケースを密閉状態に保つことができる部材とを備えており、前記部材をスライドさせることによって、前記開口部の開閉を行うことができ、且つ前記ケース内に難燃性あるいは不燃性の粉末状物質を有することを特徴とする、タバコの吸い殻入れ。
【請求項3】
前記難燃性あるいは不燃性の粉末状物質が砂である、請求項2に記載のタバコの吸い殻入れ。
【請求項4】
前記部材あるいは前記ケースが、前記部材をスライドさせる際に指で持つことができる摘み部を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタバコの吸い殻入れ。
【請求項5】
前記粉末状消火剤あるいは前記粉末状物質が、前記ケースの容量の3vol%〜20vol%量存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタバコの吸い殻入れ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−61015(P2006−61015A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243825(P2004−243825)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(393025622)株式会社三幸 (2)
【出願人】(301051840)株式会社大同 (2)