説明

消色装置及び記録媒体の搬送制御方法

【課題】本発明の実施形態が解決しようとする課題は、操作性を向上する消色装置を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明の実施形態における消色装置は、消色可能な画像の記録済みの記録媒体を搬送路に給紙する給紙部と、前記記録媒体を前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、前記記録媒体の画像の色を消色する消色部と、前記搬送部により前記消色部を通して搬送される記録媒体を検知するセンサと、前記センサにより記録媒体のジャムの発生を検知したとき、前記搬送路内に存在する記録媒体を排出するよう制御する制御部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置により画像形成された用紙の画像を消色する消色装置及び記録媒体の搬送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置により画像形成された用紙に、高温の熱により消色処理を施し、画像の色を消す消色装置が知られる。しかしながら、消色装置内で用紙のジャムが発生してしまうと、消色装置は動作を停止し、ジャムを発生させていない用紙も搬送路に残留してしまう。このとき、カバーを開けて、ジャムを発生させていない用紙を搬送路内から取り出すという作業が必要となるといった問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−352890公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、操作性を向上する消色装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の実施形態における消色装置は、消色可能な画像の記録済みの記録媒体を搬送路に給紙する給紙部と、前記記録媒体を前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、前記記録媒体の画像の色を消色する消色部と、前記搬送部により前記消色部を通して搬送される記録媒体を検知するセンサと、前記センサにより記録媒体のジャムの発生を検知したとき、前記搬送路内に存在する記録媒体を排出するよう制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第一の実施形態におけるシステム構成図である。
【図2】第一の実施形態における消色装置の構成図である。
【図3】第一の実施形態における消色装置、及びクライアントPC、及びサーバのブロック図である。
【図4】第一の実施形態における第1の搬送路での第1の用紙の搬送を示す図である。
【図5】第一の実施形態における第2の搬送路での第1の用紙の搬送、第1の搬送路での第2の用紙の搬送を示す図である。
【図6】第一の実施形態における第2の搬送路から第1の搬送路への第1の用紙の搬送、第2の搬送路での第2の用紙の搬送を示す図である。
【図7】第一の実施形態における第2の搬送路での第2の用紙の搬送、第1の搬送路での第3の用紙の搬送を示す図である。
【図8】第一の実施形態における第2の搬送路から第1の搬送路への第2の用紙の搬送、第2の搬送路での第3の用紙の搬送を示す図である。
【図9】第一の実施形態におけるジャム時の用紙の搬送制御のフローチャートである。
【図10】第一の実施形態における給紙部でジャムが発生した状態を示す図である。
【図11】第二の実施形態におけるジャム時の用紙の搬送制御のフローチャートである。
【図12】第二の実施形態における図11の続きのフローチャートである。
【図13】第二の実施形態における給紙部でジャムが発生し、先行する用紙が搬送される状態を示す図である。
【図14】第二の実施形態における消色部でジャムが発生し、後続の用紙が搬送される状態を示す図である。
【図15】第二の実施形態における消色部でジャムが発生し、先行する用紙が搬送される状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、消色装置の実施の形態を説明する。
【0008】
(第一の実施形態)
第一の実施形態の消色装置は、ジャムの発生時、ジャムが発生していない用紙が搬送路内に存在する場合、ジャムが発生していない用紙を排出部に排出する。例えば、給紙部でジャムが発生し、第1の搬送路と第2の搬送路の合流点の上流にジャム紙の先端が存在する状態の場合、先行紙の処理を継続させる。
【0009】
図1は、第一の実施形態のシステム構成図である。画像記憶システムは、システム構成として例えば、複数の消色装置100、複数のクライアントPC(Personal Computer)101、サーバ102を有する。システムの各コンポーネントは例えばLAN(Local Area Network)等のネットワーク103を介して接続されている。
【0010】
図2は、消色装置の構成図である。消色装置100は、画像形成装置で画像形成された用紙(記録媒体)の画像を消色し、用紙の再利用を可能とする。消色装置100は、給紙部10、第1の搬送路11、第2の搬送路12、第1の読取部13、第2の読取部14、消色部15、搬送ローラ16、経路変更部17、第1の排紙部19、第2の排紙部20を有する。
【0011】
給紙部10は、再利用しようとする用紙Pを収容しており、用紙Pに消色可能な色材により形成された画像を消色するために消色装置100の内部へ給紙する。給紙部10は、給紙トレイ22及びピックアップローラ18、分離ローラ112、重送検知センサ113、レジストローラ114を有する。給紙トレイ22は、用紙Pを積載する。ピックアップローラ18は、給紙トレイ22 から用紙Pを1枚ずつ取り出し、第1の搬送路11へ送り出す。
【0012】
第1の搬送路11、第2の搬送路12は、複数の搬送ローラ16を有する。搬送ローラ16は複数の搬送ローラ16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16kを有し、駆動ローラと従動ローラの対で構成される。第1の搬送路11に沿って、第1の読取部13、及び第2の読取部14が配置されている。第1の読取部13及び第2の読取部14は二次元CCDスキャナを有する。第1の読取部13は、給紙部10から搬送されてくる用紙の片面をスキャンする。第2の読取部14は第1の読取部13の読み取る面の反対側の面をスキャンする。第1の読取部13及び第2の読取部14でのスキャンにより読み取った画像は、図3に示す記憶部であるRAM(Random Access Memory)203に保存される。第1の読取部13及び第2の読取部14で読み取った画像の保存先は、RAM203に限らず、ROM(Read Only Memory)202やHDD(Hard Disk Drive)、光学的磁気メモリ等であっても良い。また、RAM203に一時保存された画像は、例えば、消色処理が終了した時点で、HDDに送り、HDDに保存しても良い。
【0013】
第1の読取部13及び第2の読取部14で読み取った画像は、消色装置100のRAM203への保存に限らず、図3に示すクライアントPC101のRAM302やサーバ102のRAM402に保存するようにしても良い。また、使用者を個人認証するため、ログイン、ログアウト機能を備える消色装置100であるとき、消色装置100のログアウト時に、消色装置100のRAM203に保存された画像のデータをクライアントPC101のRAM302あるいはサーバ102のRAM402に送信し、保存するようにしても良い。
【0014】
また、第1の読取部13及び第2の読取部14は、消色処理後、用紙Pが使用可能か否か、用紙の印字(画像)が消色されたか否かを判断するために、表面を読み取る。
【0015】
第1の読取部13及び第2の読取部14による読み取りは2回行う。第1の読取部13及び第2の読取部14は、1回目の読み取りで、読み取った画像を電子化して、記憶部に保存する。第1の読取部13及び第2の読取部14は、消色後の2回目の読み取りで、用紙Pが再利用可能か否かを判定する。
【0016】
1回目の読み取りで、画像を保存し、しわやステイプル、消色不可能なメモ書き等により使用不可能であるか否かを判定するようにしても良い。この場合、1回目の読み取りで、再利用可能な状態であると判断されれば、消色処理を施し、2回目の読み取りで、用紙Pの画像が消色されているか否かを判断し、例えば、第1の排紙部19に排紙する。1回目の読み取りで、再利用不可能な状態であると判断されれば、消色処理を施し、2回目の読み取りを行わずに、例えば、第1の排紙部19に排紙する。また、1回目の読み取りで、再利用不可能な状態であると判断されれば、消色処理、及び2回目の読み取りを行わずに、例えば、第1の排紙部19に排紙しても良い。これらの設定は事前に選択し、設定できる。第1の読取部13及び第2の読取部14は、対の二次元CCDスキャナに限定されず、CMOSセンサであっても良い。
【0017】
図2に示すように、第1の搬送路11は、給紙部10から、第1の排紙部19または第2の排紙部20へ接続される。第2の搬送路12は、第1の搬送路11の第1の読取部13及び第2の読取部14の下流の分岐点から分岐し、第1の搬送路11の第1の読取部13及び第2の読取部14の上流の合流点で合流する。分岐点には第1の経路変更部17が配置される。
【0018】
第2の搬送路12は、搬送路中に消色部15を有する。消色部15は、ローラ対21、及び図3に示すヒータ205、用紙検知センサ212、及び温度検出部213を有する。温度検出部213は、消色部15の温度を検出する。ローラ対21はヒータ205により加熱される。ヒータ205により加熱されたローラ対21を介して、用紙Pに一定以上の温度や熱を加えることにより、消色可能な画像形成材料を用いて形成された用紙Pの画像を加熱し、色材を無色化する。色材は例えばメタモインクである。消色部15はローラ対21で画像消色をすることにより、用紙Pの両面の画像消色を可能とする。
【0019】
排紙部23は第1の排紙部19及び第2の排紙部20を有する。読取処理、消色処理、分別処理等の各種処理を施した用紙Pは、第1の排紙部19または第2の排紙部20へ排紙される。ユーザは、第1の排紙部19または第2の排紙部20のいずれかに用紙Pを排紙できるよう選択可能としても良い。
【0020】
図3は、消色装置100、及びクライアントPC101、及びサーバ102のブロック図である。消色装置100の制御部であるCPU(Central Processing Unit)200は、システムバス201を介してROM202、RAM203、第1の読取部13、第2の読取部14のCCDスキャナ204、消色部15のヒータ205、外部からのデータの入力、外部へのデータの出力をする通信インターフェース(I/F)206が接続される。CPU200は、システムバス201を介して接続された通信I/F206によってクライアントPC101やサーバ102と通信する。
【0021】
また、CPU200は、経路変更部17を制御する経路変更制御駆動部207、用紙搬送モータ209を制御する用紙搬送モータ制御駆動部208、及び操作部210、及び表示部211、用紙検知センサ212、及び温度検出部213が接続される。用紙搬送モータ209は、図2に示す複数の搬送ローラ16を駆動する。
【0022】
ROM202には、CPU200を動作させるためのプログラム、再利用可否の指針とするため用紙の印字率、画像が消色されたか否かを判断するための濃度閾値が格納される。また、1回目の画像読取でしわの深さなどを判定する場合は、しわの深さなどを判定するために利用する濃度閾値が格納される。RAM203には、用紙Pの画像読取時に得られる画像を格納する。CCDスキャナ204は、一列のラインセンサとして配置されており、用紙Pの濃淡を検出する。ヒータ205は、IHヒータなどを用い、消色部15を用紙Pが通過する間にローラ対21を介して、用紙Pに熱を加えて色材を無色化する。
【0023】
操作部210は各種キーを有し、表示部211は、消色装置100の各種の処理モードを表示する。操作部210は、処理モードを選択可能である。処理モードは、画像を読み取る読取モード、画像を消色する消色モード、画像を読み取り、用紙の再利用の可否を判断する分別モード、及びこれらのモードを組み合わせたモードを有する。表示部211はタッチパネル式でもよく、操作部をかねても良い。
【0024】
CPU200は、経路変更制御駆動部207を制御することにより、経路変更部17を駆動して、第1の搬送路11から第2の搬送路12へ用紙Pを搬送するよう振り分けたり、第1の搬送路11から第1の排紙部19、第2の排紙部20へ用紙Pを搬送するよう振り分けたりする。さらに、CPU200は、画像消色後に消色が正常に施されたか否か、すなわち用紙Pが再利用可能であるか否かを判別する。
【0025】
用紙検知センサ212は、用紙を検知する。用紙検知センサ212は複数の用紙検知センサ22、23、24、25、26、27を有し、搬送路内に複数配置される。第1の用紙検知センサ22で用紙Pを検知後、所定のパルス数、あるいは所定の時間内に第2の用紙検知センサ23で用紙Pを検知しなければ、ジャムが発生したと判断する。パルス数で用紙のジャムの発生を判断する場合、例えば第1の用紙検知センサ22が用紙Pを検知してから、115パルス数を経過しても第2の用紙検知センサ23が用紙Pを検知しない場合に、用紙のジャムが発生したと判断する。用紙のジャムの発生は、用紙検知センサ212の検知結果をCPU200に送信し、CPU200が検知結果に基づき、用紙のジャムが発生したか否かを判断する。
【0026】
用紙のジャムが発生した時に、用紙検知センサ22あるいは用紙検知センサ23が用紙の検知をしていれば、用紙が読取部13、14にあると判断できる。用紙のジャムが発生した時に、用紙検知センサ25あるいは用紙検知センサ26が用紙Pの検知をしていれば、用紙が消色部15にあると判断できる。用紙のジャムが発生した時に、用紙検知センサ24が用紙の検知をしていれば、用紙が第2の搬送路12の消色部15の上流側にあると判断できる。用紙のジャムが発生した時に、用紙検知センサ27が用紙の検知をしていれば、用紙が第2の搬送路12の消色部15の下流側にあると判断できる。
【0027】
クライアントPC101は、CPU300、ROM301、RAM302、操作部303、表示部304、及び通信I/F305を有する。クライアントPC101の制御部であるCPU300はシステムバス306を介して、ROM301、RAM302、操作部303、表示部304、及び通信I/F305と接続する。
【0028】
サーバ102は、CPU400、ROM401、RAM402、通信I/F403を有する。サーバ102の制御部であるCPU400は、システムバス4040を介して、ROM401、RAM402、通信I/F403と接続する。
【0029】
次に、図4乃至図8を用いて、複数枚連続で読取処理、消色処理、分別処理を行い、用紙毎に処理をずらして行う並行処理について説明する。
【0030】
1枚目の用紙Pの消色処理には読取部である第1の読取部13、及び第2の読取部14によって読取処理、次に消色部15により消色処理、再度第1の読取部13、及び第2の読取部14によって読取処理を行い、再利用可能であるか否かを判断する分別処理の順で処理を実施する。
【0031】
以下、用紙3枚連続での読取、消色、分別を施す処理について、説明する。先行する用紙Pを第1の用紙P1とし、第1の用紙P1に次いで搬送される用紙を順番に第2の用紙P2、第3の用紙P3とする。まず、図4に示すように、第1の用紙P1を給紙して第1の搬送路11を搬送し、第1の読取部13、及び第2の読取部14によって読取処理を行う。
【0032】
続いて、図5に示すように、第1の用紙P1を第2の搬送路12に搬送し、消色部15にて消色処理を実施する。この用紙P1への消色処理と並行して、第2の用紙P2を給紙して第1の搬送路11に搬送し、第1の読取部13、及び第2の読取部14によって読取処理を行う。
【0033】
その後、図6に示すように、第1の用紙P1は第1の搬送路11を搬送し、第1の読取部13、及び第2の読取部14によって画像を読み取り、分別処理を行い、第1の排紙部19または第2の排紙部20へ排紙する。この用紙P1への分別処理と並行して、第2の用紙P2を第2の搬送路12に搬送し、消色部15にて消色処理を実施する。
【0034】
さらに、図7に示すように、第2の用紙P2への消色処理の実施と並行して、第3の用紙P3を給紙して第1の搬送路11を搬送し、第1の読取部13、及び第2の読取部14によって読取処理を行う。
【0035】
そして、図8に示すように、第2の用紙P2は再び第1の搬送路11を搬送し、第1の読取部13、及び第2の読取部14によって画像を読み取り、分別処理を行い、第1の排紙部19または第2の排紙部20へ排紙する。この用紙P2への分別処理と並行して、第3の用紙P3を第2の搬送路12に搬送し、消色部15にて消色処理を実施する。その後は上述と同様に処理を繰り返し行う。
【0036】
上記の処理を繰り返す際、以下の順序で読取処理する。1枚目の読取処理、2枚目の読取処理、1枚目の分別処理、3枚目の読取処理、2枚目の分別処理を行い、最終的に(N−2)枚目の分別処理、N枚目の読取処理、(N−1)枚目の分別処理、N枚目の分別処理を行う。Nは整数である。
【0037】
次に、用紙ジャム発生時の用紙の搬送制御について説明する。図9は、用紙ジャム時の用紙の搬送制御のフローチャートである。以下の図9のフローチャートの制御は、制御部であるCPU200が行う。
【0038】
700において、CPU200は、ジョブを開始し、701において、給紙部10から用紙Pを搬送する。702において、CPU200は、用紙ジャムが発生したか否かを判断する。用紙ジャムが発生していなければ(702のNo)、終了する。
【0039】
CPU200が用紙ジャムを検知したら(702のYes)、703において、ジャムを発生させた用紙Pの先端が第1の搬送路11及び第2の搬送路12の合流点の下流に存在するか否かを判断する。ジャムを発生させた用紙Pの先端が第1の搬送路11及び第2の搬送路12の合流点の下流に存在する場合(703のYes)、CPU200は、704において、動作を停止させる。その後、CPU200は、705において、表示部211に例えば、エラーコードを表示し、終了する。
【0040】
ジャムを発生させた用紙Pの先端が第1の搬送路11及び第2の搬送路12の合流点の上流に存在する場合(703のNo)、CPU200は、706において、搬送路にジャムを発生させた用紙P以外の用紙Pが存在するか否かを判断する。搬送路にジャムを発生させた用紙P以外の用紙Pが存在しない場合(706のYes)、CPU200は、704において、動作を停止させる。その後、CPU200は、705において、表示部211に例えば、エラーコードを表示し、終了する。
【0041】
搬送路にジャムを発生させた用紙P以外の用紙Pが存在する場合(706のNo)、CPU200は、707において、ジャムを発生させた用紙P以外の用紙Pの処理を継続させる。CPU200は、708において、全ての用紙Pの排出を完了したか否かを判断する。全ての用紙Pが排出を完了していなければ(708のNo)、CPU200は、708の処理を繰り返すよう制御する。全ての用紙が排出されたら(708のYes)、CPU200は、705において、表示部211に例えば、エラーコードを表示し、終了する。
【0042】
図10は、先行する第1の用紙P1が第1の搬送路11から第2の搬送路に搬送され、給紙部10にて第2の用紙P2がジャムを発生させた状態を示す図である。すなわち、図9の706でNoと判断された状態である。
【0043】
このとき、後続の第2の用紙P2の先端が第1の搬送路11及び第2の搬送路12の合流点の上流に存在するので、第1の用紙P1の搬送及び、処理は可能となる。よって、CPU200は、第1の用紙P1の搬送及び処理を継続するよう制御する。処理を終了した第1の用紙P1は、排紙部23に排紙される。CPU200は、第1の用紙P1を、例えば、第1の読取部13、及び第2の読取部14での画像の読取を行う読取処理、消色部15での消色処理、再び第1の読取部13、及び第2の読取部14で画像を読み取り、用紙が再利用可能か否かを判断する分別処理を行うよう制御する。
【0044】
第2の用紙P2は、先端が給紙部10で用紙ジャムを起こしていて、後端は給紙トレイ22上に存在するため、消色装置100のカバーを開けずに、ジャム処理が可能である。
【0045】
通常、消色装置内で用紙のジャムが発生してしまうと、消色装置は動作を停止し、ジャムを発生させていない用紙も搬送路に残留してしまい、カバーを開けて、ジャムを発生させていない用紙を搬送路内から取り出すという作業が必要となる。しかしながら、上述のような消色装置100は、ジャムを発生させていない用紙の処理を継続させるため、操作性を向上させることができる。
【0046】
(第二の実施形態)
図11乃至図15に示す第二の実施形態の消色装置は、用紙ジャムの発生時、ジャムが発生していない用紙が搬送路内に存在する場合、ジャムが発生していない用紙を排出部に排出する。また、用紙が消色部内にある状態で装置を停止しなければならない場合は、消色部内の用紙を消色部から移動させる。図中、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付す。
【0047】
消色部15に用紙が存在する状態で、ジャムが発生した場合、CPU200は、まず消色部15にある用紙を搬送方向へ搬送させる。一定のパルス数が経過しても、用紙検知センサ25あるいは用紙検知センサ26が用紙を検知していれば、CPU200は、搬送が不可能であると判断する。CPU200により、搬送が不可能であると判断された場合は、搬送方向と逆方向へ用紙を搬送させ、消色部15外へ搬送する。
【0048】
消色部15にある用紙を搬送方向へ搬送させ、一定のパルス数が経過したとき、用紙検知センサ25あるいは用紙検知センサ26が用紙を検知していなければ、CPU200は、用紙は消色部15外へ搬送されたと判断する。その後、CPU200は、さらに用紙を搬送方向に搬送し、排紙部23へ排出するよう制御する。また、用紙検センサ26で用紙を検知してから、一定のパルス数が経過しても、用紙検知センサ27で用紙Pを検知していれば、CPU200は、用紙が排紙部119付近にあると判断する。
【0049】
ジャムが発生した際、ピックアップローラ111、分離ローラ112、レジストローラ114、搬送ローラ115、123、排出ローラ118の回転を停止させる。
【0050】
図11、及び図12は、用紙ジャム時の用紙の搬送制御のフローチャートである。以下の図11及び図12のフローチャートの制御は、制御部であるCPU200が行う。CPU200は、600において、用紙Pを搬送し、601において、用紙ジャムが発生したか否かを判断する。用紙ジャムが発生しなければ(601のNo)、CPU200は、処理を終了する。用紙ジャムが発生すれば(601のYes)、CPU200は、602において、消色部116内に用紙Pがあるか否かを判断する。消色部116内に用紙Pが無ければ(602のNo)、CPU200は、603において、搬送ローラ16の駆動を停止させ、用紙Pの搬送を停止し、終了する。
【0051】
消色部116内に用紙Pがある場合(602のYes)、CPU200は、図12の604において、消色処理中の用紙Pがジャムを起こしたか否かを判断する。消色処理中の用紙Pがジャムを起こしていれば(604のYes)、CPU200は、605において、用紙Pを搬送方向の逆方向へ搬送する。搬送ローラ115、123を逆回転させ、用紙Pの搬送方向の逆方向へ搬送する。その後、CPU200は、606において、消色部116外へ移送が完了したか否かを判断する。消色部116外へ移送を完了していなければ、CPU200は、606の判断を繰り返す。消色部116外へ移送を完了したら(606のYes)、図11に戻り、CPU200は、603において、搬送を停止し、終了する。
【0052】
消色処理中の用紙Pがジャムを起こしていない場合(図12の604のNo)、CPU200は、607において、搬送処理を継続し、608において、排出が完了したか否かを判断する。排出完了しなければ(608のNo)、CPU200は、608の判断を繰り返す。排出が完了したら(608のYes)、CPU200は、図11に戻り、603において、搬送を停止し、終了する。
【0053】
図13は、第2の用紙P2が給紙部10でジャムを起こし、先行紙である第1の用紙P1が消色部15内で搬送を停止している状態を示す図である。このとき、後続紙である第2の用紙P2の先端が第1の搬送路11及び第2の搬送路12の合流点の上流に存在するので、第1の用紙P1の搬送及び、処理は可能となる。よって、第1の用紙P1は搬送及び処理を継続する。処理を終了した第1の用紙P1は、排紙部23に排紙される。
【0054】
第2の用紙P2は、先端が給紙部10でジャムを起こしていて、後端は給紙トレイ22上に存在するため、消色装置100のカバーを開けずに、用紙ジャム処理が可能である。
【0055】
次に、先行紙である第1の用紙P1が消色部15でジャムが発生した場合について説明する。図14は、第1の用紙P1が消色部15でジャムを起こし、後続紙である第2の用紙P2が第1の搬送路11内で搬送を停止している状態を示す図である。このとき、第2の用紙P2の読取処理、あるいは分別処理のみを行う場合は、CPU200は、読取処理あるいは分別処理を継続させ、その後、後続紙である第2の用紙P2を排紙部23へ排出する。第2の用紙P2を読取処理、あるいは分別処理以外の処理を施す場合であれば、処理を施さずに後続紙である第2の用紙P2を排紙部23へ排出する。
【0056】
CPU200は、第2の用紙P2排紙後、ジャムを発生させた第1の用紙P1を搬送ローラ16d、16e、16fを逆転させることで、搬送方向と逆方向に搬送させ、第2の搬送路12から第1の搬送路11へ搬送し、一時停止させる。さらにCPU200は、第1の搬送路11へ搬送された第1の用紙P1を搬送ローラ16a、16b、16c、16jを正転させることで、正方向へ搬送させ、ジャムを発生させた第1の用紙P1を排紙部23へ排出させる。
【0057】
搬送させる順序はこれに限らず、第1の用紙P1を先に排紙部23へ排紙させた後、第2の用紙P2を排紙部23へ排紙させるようにしても良い。
【0058】
次に、後続の用紙である第2の用紙P2が消色部15でジャムが発生した場合について説明する。図15は、第2の用紙P2が消色部15でジャムを起こし、先行紙である第1の用紙P1が第1の搬送路11内で搬送を停止している状態を示す図である。このとき、用紙P1は、既に、消色部15により、消色処理がされているので、そのまま以降の処理である読取処理または分別処理が施され、排紙部23へ排紙される。
【0059】
CPU200は、第1の用紙P1排紙後、ジャムを発生させた第2の用紙P2を搬送ローラ16d、16e、16fを逆転させることで、搬送方向と逆方向に搬送させ、第2の搬送路12から第1の搬送路11へ搬送し、一時停止させる。さらにCPU200は、第1の搬送路11へ搬送された第2の用紙P2を搬送ローラ16a、16b、16c、16jを正転させることで、正方向へ搬送させ、ジャムを発生させた第2の用紙P2を排紙部23へ排出させる。
【0060】
搬送させる順序はこれに限らず、第2の用紙P2を先に排紙部23へ排紙させた後、第1の用紙P1を排紙部23へ排紙させるようにしても良い。
【0061】
消去処理を施している用紙P1が消色部116内でジャムを起こし、用紙P2が消色部116内で留まる場合、用紙P12焦げる虞があるが、上述のような搬送制御をすることによって、安全に消色装置100を停止することができる。
【0062】
上述のような消色装置100は、ジャムを発生させていない用紙の処理を継続させるため、操作性を向上させることができる。また、ジャム発生時、消色部15に用紙Pが存在する場合でも、ジャムを発生させた用紙を排紙部23に排紙させることにより、安全に消色装置100を停止することができる。
【0063】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
10 給紙部
11 第1の搬送路
12 第2の搬送路
13 第1の読取部
14 第2の読取部
15 消色部
16 搬送ローラ
17 経路変更部
19 第1の排紙部
20 第2の排紙部
22 給紙トレイ
23 排紙部
100 消色装置
101 クライアントPC
102 サーバ
200 CPU
202 ROM
203 RAM
205 ヒータ
210 操作部
211 表示部
212 用紙検知センサ
213 温度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消色可能な画像の記録済みの記録媒体を搬送路に給紙する給紙部と、
前記記録媒体を前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記記録媒体の画像の色を消色する消色部と、
前記搬送部により前記消色部を通して搬送される記録媒体を検知するセンサと、
前記センサにより記録媒体のジャムの発生を検知したとき、前記搬送路内に存在する記録媒体を排出するよう制御する制御部と、
を備えることを特徴とする消色装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記搬送可能な記録媒体の処理を継続することを特徴とする請求項1記載の消色装置。
【請求項3】
前記処理とは、前記消色部による消色処理であることを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項4】
前記記録媒体の画像を読み取る読取部を備え、前記処理とは、前記読取部による読取処理であることを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項5】
前記記録媒体の画像を読み取る読取部を備え、前記処理とは、前記読取部による分別処理であることを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項6】
前記給紙部が第1の記録媒体を前記搬送部に給紙した後、前記給紙部で第2の記録媒体がジャムした場合、前記制御部は、前記第1の記録媒体の処理を継続する、ことを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項7】
前記制御部は、さらにジャム発生時の前記搬送可能な記録媒体の状況に応じて、搬送する搬送方向を制御することを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項8】
前記制御部は、さらにジャム発生時の前記ジャムを発生させた記録媒体の状況に応じて、搬送する搬送方向を制御することを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項9】
前記記録媒体を排紙する排紙部を有し、前記搬送可能な記録媒体の処理を継続後、前記排紙部へ排出することを特徴とする請求項2記載の消色装置。
【請求項10】
前記記録媒体を収容する排紙部および前記記録媒体のジャムの発生を表示する表示部を更に有し、前記搬送可能な記録媒体の排紙部への搬送の後に前記表示部にジャム発生の表示を行うことを特徴とする請求項1記載の消色装置。
【請求項11】
記録媒体を搬送し、
前記記録媒体の画像の色を消色部により消色し、
前記記録媒体をセンサにより検知し、
前記記録媒体のジャムの発生時、搬送路内に存在する記録媒体を搬送するよう制御する
ことを特徴とする記録媒体の搬送制御方法。
【請求項12】
前記搬送可能な記録媒体の処理を継続することを特徴とする請求項11記載の記録媒体の搬送制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−73235(P2013−73235A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250210(P2011−250210)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】