説明

消費期限管理システム、消費期限管理装置、消費期限管理方法およびプログラム

【課題】会計時に商品のバーコードスキャンを行わない場合でも、商品の消費期限をチェックする。
【解決手段】キッチンプリンタは、POS端末が注文を受け付けた際に送信してきた商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷する。キッチンプリンタは、オーダー票に印刷された第1の識別情報と、商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読取り、保存可能期間と製造年月日とに基づいて該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別する。商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、キッチンプリンタは、オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費期限管理システム、消費期限管理装置、消費期限管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コンビニエンスストア(以下、単に「コンビニ」という)やスーパーマーケット(以下、単に「スーパー」という)のような販売店では、会計時に、商品に付与されたバーコードをスキャンして読み取ることで、会計処理を行っている。
【0003】
最近ではこのバーコードに製造年月日を示す情報が格納されたものも普及しており(例えば、特許文献1参照。)、この場合、会計時に会計処理と同時に当該商品の消費期限をチェックすることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−109960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、会計時に商品にバーコードが付与されていない場合(例えば、ファーストフード店など)、消費期限のチェックが行われないまま、商品が利用者に提供されてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決する消費期限管理システム、消費期限管理装置、消費期限管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の消費期限管理システムは、商品の保存可能期間が格納されたデータベースと、前記商品の注文を受け付けるPOS端末と、前記商品の消費期限を管理する消費期限管理装置とを有して成る消費期限管理システムであって、前記POS端末は、前記商品の注文を受け付けた場合、該商品の保存可能期間を前記データベースから取得し、該保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を生成して前記消費期限管理装置へ送信し、前記消費期限管理装置は、前記POS端末から送信されてきた前記第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷し、前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読取り、前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別し、前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の消費期限管理装置は、商品の注文を受け付けるPOS端末と接続され、前記商品の消費期限を管理する消費期限管理装置であって、前記POS端末から送信された前記商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷する印刷部と、前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読み取る読取部と、前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて、該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別する商品期限判別部と、前記商品期限判別部が、前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す排出部とを有する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の消費期限管理方法は、商品の消費期限を管理する消費期限管理装置における消費期限管理方法であって、商品の注文を受け付けるPOS端末から送信された前記商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷する印刷処理と、前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読み取る読取処理と、前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて、該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別する商品期限判別処理と、前記商品期限判別処理にて前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す排出処理とを有する。
【0010】
また、コンピュータに実行させるプログラムであって、商品の注文を受け付けるPOS端末と接続され、前記商品の消費期限を管理する消費期限管理装置に、前記POS端末から送信された前記商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷する印刷手順と、前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読み取る読取手順と、前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて、該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別する商品期限判別手順と、前記商品期限判別手順にて前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す排出手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、オーダー票に印刷された商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報と、商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読取り、保存可能期間と製造年月日とに基づいて該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別し、商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、オーダー票を消費期限管理装置から切り離す。
【0012】
このような構成としたため、会計時に商品に消費期限を認識できる情報が付与されていない場合でも、利用者に引渡す商品の消費期限をチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に従った消費期限管理システムの構成を示す図である。
【図2】商品情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】消費期限情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】第1のコードラベルの一例を示す図である。
【図5】図1に示したキッチンプリンタの構成を示す図である。
【図6】バーコードハンディスキャナがオーダー票に記載された第1のコードラベルを読取る状態を示す図である。
【図7】バーコードハンディスキャナが商品に付与された第2のコードラベルを読取る状態を示す図である。
【図8】第2のコードラベルの第1の例を示す図である。
【図9】第2のコードラベルの第2の例を示す図である。
【図10】消費期限チェックが完了する前のオーダー票の一例を示すフローチャートである。
【図11】消費期限チェックが完了した後のオーダー票の一例を示す図である。
【図12】消費期限チェックが完了して、オーダー票が切り離された状態を示す図である。
【図13】キッチンプリンタが消費期限チェックを行う動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に従った消費期限管理システム(消費期限管理装置、消費期限管理方法およびプログラムを含む)を説明する。
【0015】
まず、本実施形態の消費期限管理システムの構成について、図1を参照して説明する。
【0016】
図1に示すように、この消費期限管理システムは、POS(Point Of Sales)端末PSと、キッチンプリンタKPとを有する。
【0017】
本実施形態では、POS端末PSは、販売店の従業者が行うメニューキーの操作に応じて食品(例えば、ハンバーガーやケーキなど)である商品の注文を受け付けると、注文された商品の種類および数量などを示すオーダー情報を生成する。そして、POS端末PSは、オーダー情報をキッチンプリンタKPへ送信する。
【0018】
また、POS端末PSは、注文された商品のうちに消費期限の定められた商品が含まれている場合、その消費期限を含む第1のコードラベルを生成する。そして、POS端末PSは、生成した第1のコードラベルを、オーダー情報とともにキッチンプリンタKPへ送信する。
【0019】
なお、POS端末PSが生成するコードラベルの形式は、キッチンプリンタKPにより読取可能な形式である。コードラベルの形式は、例えば、バーコード形式、QR(Quick Response)コード形式など任意である。
【0020】
また、POS端末PSは、図2に例示する商品情報J1および図3に例示する消費期限情報J2を記憶している「データベース」としての役割も果たす。なお、キッチンプリンタKPが、商品情報J1および消費期限情報J2を記憶して「データベース」を具備するように構成してもよい。
【0021】
図2に示す消費期限チェックフラグは、消費期限のチェックが必要な商品であるかどうかを示すフラグである。本実施形態では、ハンバーガーおよびポテトに対しては、消費期限のチェックが不要であることを示す「0」が設定されている。一方、ケーキ、デザート、サラダ、ミルクおよびソースに対しては、消費期限のチェックが必要であることを示す「1」が設定されている。
【0022】
POS端末PSは、商品の種類の入力を受付けると、その種類に対応する識別コードを商品情報J1から読み出すとともに、その識別コードと消費期限情報J2にて対応付けられた保存期間などを読み出し、読み出した情報に応じた第1のコードラベルを生成する。なお、第1のコードラベルは、「第1の識別情報」である。
【0023】
例えば、POS端末PSが、商品コードとして00002が与えられたデザートの入力を受け付けた場合、POS端末PSは、図4に示すような第1のコードラベルを生成する。
【0024】
POS端末PSは、商品コード(図4の例では00002)の入力を受付けた場合、その商品コードと商品情報J1にて対付けて記憶している消費期限チェックフラグが1を示しているかどうかを判別する。消費期限チェックフラグが1を示している場合、POS端末PSは、入力を受付けた商品コードと対応付けられている保存期間と保存方法と引上時間とを、消費期限情報J2から取得する。商品コードとして00002が与えられたデザートの例では、保存期間として"24"を取得し、保存方法として"0"を取得し、引上時間として"3"を取得する。
【0025】
識別コードは、商品を取り扱う業者(この例ではファーストフード店)などが、自己が用いているバーコードを固有に識別するためのコードである。識別コードの例としては、一般的なインストアコードが挙げられる。なお、図4の例において、識別コードは、本実施形態では、固定値として02に設定されている。
【0026】
商品コードは、商品をそれぞれ識別するためのコードであり、5桁で表す。
【0027】
保存期間は、消費期限の定められた商品が製造された時点を基準として表した、その商品を保存しておくことが可能な「保存可能期間」である。本実施形態では、保存期間は、その桁数は2桁であり、00〜99のいずれかの値であり、デザートに対しては24に設定されている。
【0028】
保存単位は、保存期間の時間的単位を示す。本実施形態では、保存単位は、その桁数は1桁であり、0である場合に時間を表し、1である場合に日を表し、2である場合に月を表し、3である場合に年を表す。デザートに対しては、保存単位は0に設定されている。
【0029】
引上時間は、消費期限が経過する前にその商品が引き上げられるべき(撤去されるべき)時間を示す。本実施形態では、引上時間の単位を時間で表し、その桁数は1桁である。引上時間が3であれば、消費期限が経過する「3時間」前までにその商品を引き上げられる必要があることを意味する。
【0030】
注文数は、POS端末PSが入力を受付けた利用者が注文した商品の個数である。注文数の入力方法は、任意でよい。図4の例では、注文数は4である。なお、本実施形態では、注文数は1桁であるため、注文数が10以上である場合、バーコードを2つ印字する。
【0031】
チェックデジットC/Dは、エラー検出用の符号や番号である。
【0032】
また、POS端末PSは、受付けた注文に関する会計が完了した場合、食品の会計情報を集計して会計管理などを行う。
【0033】
図1に示したキッチンプリンタKPは、POS端末PSが注文を受け付けた商品が消費期限の定められた商品である場合、その商品が製造されてから現在までに経過した「経過期間」が消費期限を過ぎているかどうかを識別する「消費期限管理装置」である。
【0034】
本実施形態では、キッチンプリンタKPは、利用者に引き渡す商品の準備(トレーに商品を並べる作業や、商品を引渡用の袋に詰める作業)が行われるキッチンに設置される。
【0035】
なお、キッチンプリンタKPは、オーダー票を印刷する機能を有する。キッチンプリンタKPは、経過期間が消費期限を過ぎていない商品の数が注文数と一致した場合、オーダー票をプリンタ(後述する印刷部12)から切り離す。
【0036】
つぎに、キッチンプリンタKPの構成について、図5を参照して詳細に説明する。
【0037】
図5に示すように、キッチンプリンタKPは、バーコードハンディスキャナ11(以下、単に「スキャナ11」という)と、印刷部12と、記憶部13と、期限管理部14と、通知部15とを有する。印刷部12は、排出部121を含む。また、期限管理部14は、商品判別部141と、商品期限判別部142と、OKカウンタ143と、NGカウンタ144と、商品数判別部145とを含む。
【0038】
スキャナ11は、コードラベルを読み取る「読取部」である。
【0039】
スキャナ11は、印刷部12が印刷したオーダー票に記載されたバーコードである「第1のコードラベル」をスキャンして読取る。なお、スキャナ11がオーダー票から第1のコードラベルを読取る場合、スキャナ11とオーダー票との相対位置は図6に示すような状態にある。この状態では、オーダー票はキッチンプリンタKPから切り離されていない状態にある。
【0040】
本実施形態では、オーダー票には、消費期限のチェックが必要な食品に関しては、消費期限のチェックに用いるための情報を含むバーコードが記載される。なお、スキャナ11は、第1のコードラベルを読取った場合、その旨を通知部15へ通知する。
【0041】
また、スキャナ11は、消費期限が定められた商品にその製造元にて付与されたバーコードである「第2のコードラベル」をスキャンして読み取る。第2のコードラベルは、「第2の識別情報」である。
【0042】
なお、第2のコードラベルが付与される商品は、ファーストフード店が外部から仕入れて販売する外販用の商品や、利用者からの注文を想定してキッチンにてあらかじめ調理された作り置きの商品などでもよい。
【0043】
なお、スキャナ11が商品から第2のコードラベルを読取る場合、スキャナ11と商品との相対位置は図7に示すような状態にある。
【0044】
図8に示すように、本実施形態では、第2のコードラベルは、2桁の識別コードと、5桁の商品コードと、3桁の製造月日と、2桁の製造時間と、1桁のチェックデジットC/Dとから構成される。なお、この例では、商品コードが00002であるデザートの製造年が閏年である2008年であり、製造月日の365が12月30日を示すものとする。
【0045】
なお、図9に示すように、第2のコードラベルは、複数のコードラベルから構成されていてもよい。この場合、図8に例示した製造月日に代えて、製造年月日を直接記載することが可能となる。
【0046】
印刷部12は、POS端末PSから送信されてきた商品の種類および注文数などを示すオーダー情報を含むオーダー票を印刷する。なお、本実施形態では、印刷部12は、テープ状に巻き取られた印刷用紙に、オーダー票を印刷する。
【0047】
図10に示すように、オーダー票には、会計を行った日付および時刻や、利用者が購入した商品の種類や注文数などが記載される。
【0048】
また、印刷部12は、オーダー情報とともに第1のコードラベルがPOS端末PSから送信されてきた場合、図10に例示するような、消費期限チェックが必要な商品名のすぐ下に第1のコードラベルが記載されたオーダー票を印刷する。
【0049】
なお、排出部121は、OKカウンタ143のカウント値と記憶部13に記憶されている注文数とが一致しない旨が商品数判別部144から通知された場合、第1のコードラベルが記載されたオーダー票の切り離しを行わない。
【0050】
また、印刷部12は、OKカウンタ143のカウント値と記憶部13内の注文数とが一致する旨が商品数判別部145から通知された場合、利用者に引き渡される商品の経過期間が消費期限を過ぎていない旨(つまり、消費期限のチェックが行われた旨)を示すメッセージをオーダー票に印刷する。本実施形態では、印刷部12は、消費期限のチェックが行われた旨)のメッセージとして、図11に示すような「消費期限チェックOK」の文字をオーダー票に印刷する。
【0051】
また、図12に示すように、排出部121は、OKカウンタ143のカウント値と記憶部13内の注文数とが一致する旨が商品数判別部145から通知された場合、消費期限のチェックが行われた旨のメッセージが記載されたオーダー票を切り離す。
【0052】
記憶部13は、任意のデータを記憶する。
【0053】
記憶部13は、図2に示した商品情報J1および図3に示した消費期限情報J2を記憶している。つまり、記憶部13は、保存可能期間を格納する「データベース」としての役割を果たす。
【0054】
記憶部13は、スキャナ11がオーダー票から読み取った第1のコードラベルが示す商品コードおよび注文数を記憶する。スキャナ11が図10に示したオーダー表から第1のコードラベルを読み取った場合、記憶部13は、デザートの商品コードとして00002を記憶し、デザートの注文数として4を記憶する。
【0055】
また、記憶部13は、スキャナ11がオーダー票から読み取った第1のコードラベルが示す保存期間および保存単位を記憶する。スキャナ11が図10に示したオーダー票から第1のコードラベルを読み取った場合、保存期間として24を記憶し、保存単位として0を記憶する。本実施形態では、保存期間および保存単位が「消費期限」に相当する。保存期間=24かつ保存単位=0である場合、消費期限は24時間である。
【0056】
期限管理部14は、POS端末PSが入力を受付けた注文数と同数の消費期限を過ぎていない商品が、利用者に引き渡すために準備されたかどうかを管理する役割を果たす。
【0057】
商品判別部141は、記憶部13に記憶されている第1のコードラベルが示す商品コードと、スキャナ11が商品から読み取った第2のコードラベルが示す商品コードとが一致するかどうかを判別する。
【0058】
商品期限判別部142は、記憶部13内の第1のコードラベルが示す商品コードと第2のコードラベルが示す商品コードとが一致すると商品判別部141が判別した場合、第2のコードラベルが示す製造時刻に基づいて、商品が製造されてからの経過時間が第1のコードラベルが示す消費期限を過ぎているかどうかを判別する。
【0059】
本実施形態では、商品期限判別部142は、現在の年月日をカウントするカレンダ機能と、現在時刻を計時する時計機能とを有する。そして、第1のコードラベルが示す商品コードと第2のコードラベルが示す商品コードとが一致すると商品判別部141が判別した場合、商品期限判別部142は、現在時刻から第2のコードラベルが示す製造時刻を減算して得られた時間を、商品が製造されてからの経過時間として算出する。そして、商品期限判別部142は、算出した経過時間が、記憶部13に記憶されている第1のコードラベルが示す消費期限(保存期間および保存単位)を過ぎているかどうかを判別する。本実施形態では、商品期限判別部142は、算出した経過時間が保存期間以下である場合、消費期限を過ぎていないと判別し、経過時間が保存期間よりも大きい場合、消費期限を過ぎていると判別する。
【0060】
なお、商品期限判別部142は、第2のコードラベルが示す商品コードと対応付けて消費期限情報J2に記憶されている保存期間および保存単位を用いて、経過時間が消費期限を過ぎているかどうかを判別してもよい。
【0061】
OKカウンタ143は、スキャナ11がオーダー票に記載された第1のコードラベルを読取った場合、カウント値を0に設定する。
【0062】
また、OKカウンタ143は、商品が製造されてからの経過時間が消費期限を過ぎていないと商品期限判別部142が判別するごとに、カウント値に1を加算する。
【0063】
NGカウンタ144は、スキャナ11がオーダー票に記載された第1のコードラベルを読取った場合、カウント値を0に設定する。
【0064】
また、NGカウンタ144は、商品が製造されてからの経過時間が消費期限を過ぎていると商品期限判別部142が判別するごとに、カウント値に1を加算する。
【0065】
商品数判別部145は、記憶部13に記憶されている注文数と、OKカウンタ143がカウントした値とを比較して、注文数とOKカウンタ143のカウント値とが一致するかどうかを判別する。
【0066】
また、商品数判別部145は、注文数とOKカウンタ143のカウント値との比較結果を印刷部12および排出部121へ通知する。
【0067】
通知部15は、図6に示したようにスキャナ11がオーダー票から第1のコードラベルを読み取った場合(つまり、注文された商品のうちに消費期限の定められた商品が含まれている場合)、ファーストフード店の従業者に消費期限チェックが必要である旨を通知する。本実施形態では、通知部15は、通知用のブザー音を出力する。なお、通知部15による通知方法は、任意であり、例えば、通知用のメッセージを表示してもよく、バイブレーション機能により通知を行ってもよい。
【0068】
つぎに、上述した構成を有するキッチンプリンタKPが、商品の消費期限を管理する動作について、図13を参照して説明する。以下では、説明の前提として、POS端末PSが、「ハンバーガーが1つ、ポテトが1つ、デザートが4つ」の注文の入力を受付けて、その旨を示すオーダー情報をキッチンプリンタKPへ送信した場合を例に挙げる。
【0069】
図13に示すように、POS端末PSからオーダー情報が送信されてきた場合、まず、ステップS1にて、印刷部12が、そのオーダー情報を含むオーダー票を印刷する。この説明例では、印刷部12は、図10に示したオーダー票を印刷する。なお、この状態においては、排出部121は、印刷したオーダー票の切り離しは行わない。
【0070】
その後、ステップS2にて、スキャナ11は、印刷部12が印刷したオーダー票に記載された第1のコードラベルをスキャンして読取る。
【0071】
第1のコードラベルが読取られた場合、ステップS3にて、通知部15は、ファーストフード店の従業者に消費期限チェックが必要である旨を通知する。この例では、通知部15は、通知用のブザー音を出力する。
【0072】
また、ステップS4にて、記憶部13は、スキャナ11が読み取った第1のコードラベルが示す商品の商品コードおよび注文数を記憶する。この例では、記憶部13は、デザートの商品コードである00002を記憶し、デザートの注文数である4を記憶する。さらに、記憶部13は、スキャナ11が読み取った第1のコードラベルが示す保存期間および保存単位を記憶する。図10に示したオーダー票の例では、保存期間は24であり、保存単位は0であるため、消費期限は24時間である。
【0073】
また、第1のコードラベルが読取られた場合、ステップS5にて、OKカウンタ143は、カウント値を0に設定する。
【0074】
また、ステップS6にて、NGカウンタ144も、カウント値を0に設定する。
【0075】
その後、ステップS7にて、スキャナ11は、消費期限が定められた商品にその製造元にて付与された第2のコードラベルをスキャンして読み取る。図8に示した第2のコードラベルをスキャナ11が読み取った場合、製造月日=365(12月30日に対応する)であり、製造時刻は14時である。
【0076】
すると、ステップS8にて、商品判別部141は、記憶部13に記憶されている第1のコードラベルが示す商品コードと、スキャナ11が商品から読み取った第2のコードラベルが示す商品コードとが一致するかどうかを判別する。商品判別部141が一致しないと判別した場合、ステップS7にて、スキャナ11が、第2のコードラベルを読み取る。
【0077】
一方、第1のコードラベルが示す商品コードと第2のコードラベルが示す商品コードとが一致すると商品判別部141が判別した場合、商品期限判別部142は、現在時刻から第2のコードラベルが示す製造時刻を減算して得られた時間を、商品が製造されてからの経過時間として算出する。
【0078】
続いて、ステップS9にて、商品期限判別部142は、算出した経過時間が、記憶部13に記憶されている第1のコードラベルが示す消費期限を過ぎているかどうかを判別する。
【0079】
経過時間が消費期限を過ぎていると商品期限判別部142が判別した場合、ステップS10にて、NGカウンタ144は、そのカウント値に1を加算する。なお、経過時間が消費期限を過ぎていると商品期限判別部142が判別した場合、従業者は、スキャナ11を操作して、別の商品に付与されている第2のコードラベルをスキャンする必要がある。また、通知部15が、消費期限切れに対応すること(例えば、期限切れの商品の廃棄品BOXへの投入)を促す旨の通知を従業者に行ってもよい。さらに、商品期限判別部142は、経過時間が消費期限を過ぎていると判別した場合、消費期限切れの商品に関する情報(現在時刻、商品コード、製造年月日及び製造時刻など)を記憶部13に書き込んでもよい。
【0080】
一方、製造してからの経過時間が消費期限を過ぎていないとステップS9にて商品期限判別部142が判別した場合、ステップS11にて、OKカウンタ143は、そのカウント値に1を加算する。
【0081】
続いて、ステップS12にて、商品数判別部145は、記憶部13に記憶されている注文数(この例では4)とOKカウンタ143のカウント値とが一致するかどうかを判別して、判別結果を印刷部12および排出部121へ通知する。
【0082】
OKカウンタ142のカウント値と記憶部13内の注文数とが一致する旨が商品数判別部145から通知された場合、ステップS13にて、印刷部12は、消費期限のチェックが完了した旨のメッセージをオーダー票に印刷する。すると、排出部121は、オーダー票を切り離して排紙する。この場合、切り離されたオーダー票の次のオーダー票も印字されるようになる。
【0083】
なお、上述した例では、注文されたうちで消費期限チェックの対象である商品は1種類であるが、消費期限チェックの対象が複数である場合、チェック対象の商品ごとに消費期限チェックを行い、すべての対象に関するチェックが完了するまで、上述した処理を繰り返す。
【0084】
以上説明したように、本発明の消費期限管理システムによれば、会計時にバーコードスキャンが行われない場合でも、商品の消費期限のチェックを行うことが可能となる。そのため、消費期限を過ぎていない商品を顧客に提供できる。
【0085】
なお、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変形が可能である。
【0086】
消費期限チェックにおけるOKカウンタ143によるカウントおよびNGカウンタ144によるカウントは、キッチンプリンタKPにて行うに限らず、POS端末PSにて行うようにしてもよい。この場合、キッチンプリンタKPは、スキャナ11で読み取った第1のコードラベルおよび第2のコードラベルを、POS端末PSへ送信する。そして、POS端末PSが、商品コードが一致しているかどうかの判別と、経過時間が消費期限を過ぎているかどうかの判別とを行って、これらの判別結果に応じて、OKカウンタ143またはNGカウンタ144のカウント処理を実行してもよい。
【0087】
なお、本発明においては、キッチンプリンタKP内の処理は上述の専用のハードウェアにより実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムをキッチンプリンタKPにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをキッチンプリンタKPに読み込ませ、実行するものであってもよい。キッチンプリンタKPにて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、灯油販売用精算機1に内蔵されたHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは、例えば、キッチンプリンタKPが有する期限管理部14にて読み込まれ、期限管理部14の制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。
【0088】
ここで、キッチンプリンタKPが有する期限管理部14は、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【0089】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が理解し得る各種の変形が可能である。
【符号の説明】
【0090】
PS POS端末
KP キッチンプリンタ
11 バーコードハンディスキャナ
12 印刷部
121 排出部
13 記憶部
14 期限管理部
141 商品判別部
142 商品期限判別部
143 OKカウンタ
144 NGカウンタ
145 商品数判別部
15 通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の保存可能期間が格納されたデータベースと、前記商品の注文を受け付けるPOS端末と、前記商品の消費期限を管理する消費期限管理装置とを有して成る消費期限管理システムであって、
前記POS端末は、前記商品の注文を受け付けた場合、該商品の保存可能期間を前記データベースから取得し、該保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を生成して前記消費期限管理装置へ送信し、
前記消費期限管理装置は、前記POS端末から送信されてきた前記第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷し、前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読取り、前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別し、前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す消費期限管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の消費期限管理システムにおいて、
前記消費期限管理装置は、前記読み取った第2の識別情報が示す前記製造年月日から現在時刻までに経過した経過期間が、前記保存可能期間よりも長い場合、前記商品の消費期限が過ぎていると判別することを特徴とする消費期限管理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の消費期限管理システムにおいて、
前記POS端末は、前記注文を受け付けた商品の注文数をさらに含んだ前記第1の識別情報を生成し、
前記消費期限管理装置は、前記消費期限を過ぎていないと判別した商品の数をカウントし、前記カウントした数と前記読み取った第1の識別情報に含まれている前記商品の注文数とが一致するかどうかを判別し、前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記オーダー票を切り離すことを特徴とする消費期限管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の消費期限管理システムにおいて、
前記消費期限管理装置は、前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記消費期限のチェックが完了した旨を前記オーダー票に印刷することを特徴とする消費期限管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の消費期限管理システムにおいて、
前記消費期限管理装置は、前記第1の識別情報を読み取った際、前記消費期限のチェックが必要である旨を従業者へ通知することを特徴とする消費期限管理システム。
【請求項6】
商品の注文を受け付けるPOS端末と接続され、前記商品の消費期限を管理する消費期限管理装置であって、
前記POS端末から送信された前記商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷する印刷部と、
前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読み取る読取部と、
前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて、該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別する商品期限判別部と、
前記商品期限判別部が、前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す排出部とを有する消費期限管理装置。
【請求項7】
請求項6記載の消費期限管理装置において、
前記商品期限判別部は、前記読取部が読み取った第2の識別情報が示す前記製造年月日から現在時刻までに経過した経過期間が、前記保存可能期間よりも長い場合、前記商品の消費期限が過ぎていると判別することを特徴とする消費期限管理装置。
【請求項8】
請求項6または7記載の消費期限管理装置において、
前記消費期限を過ぎていないと前記商品期限判別部が判別した商品の数をカウントするOKカウンタと、
前記OKカウンタがカウントした数と、前記読取部が読み取った第1の識別情報に含まれている前記商品の注文数とが一致するかどうかを判別する商品数判別部とを有し、
前記排出部は、前記商品数判別部が前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記オーダー票を切り離すことを特徴とする消費期限管理装置。
【請求項9】
請求項8記載の消費期限管理装置において、
前記印刷部は、前記商品数判別部が前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記消費期限のチェックが完了した旨を前記オーダー票に印刷することを特徴とする消費期限管理装置。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかに記載の消費期限管理装置において、
前記読取部が前記第1の識別情報を読み取った際、前記消費期限のチェックが必要である旨を従業者へ通知する通知部を有することを特徴とする消費期限管理装置。
【請求項11】
商品の消費期限を管理する消費期限管理装置における消費期限管理方法であって、
商品の注文を受け付けるPOS端末から送信された前記商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷する印刷処理と、
前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読み取る読取処理と、
前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて、該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別する商品期限判別処理と、
前記商品期限判別処理にて前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す排出処理とを有する消費期限管理方法。
【請求項12】
請求項11記載の消費期限管理方法において、
前記商品期限判別処理では、前記読取処理にて前記読み取った第2の識別情報が示す前記製造年月日から現在時刻までに経過した経過期間が、前記保存可能期間よりも長い場合、前記商品の消費期限が過ぎていると判別することを特徴とする消費期限管理方法。
【請求項13】
請求項11または12記載の消費期限管理方法において、
前記消費期限を過ぎていないと前記商品期限判別部が判別した商品の数をカウントする処理と、
前記カウントした数と、前記読取処理にて前記読み取った第1の識別情報に含まれている前記商品の注文数とが一致するかどうかを判別する商品数判別処理とを有し、
前記排出処理では、前記商品数判別処理にて前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記オーダー票を切り離すことを特徴とする消費期限管理方法。
【請求項14】
請求項13記載の消費期限管理方法において、
前記印刷処理では、前記商品数判別処理にて前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記消費期限のチェックが完了した旨を前記オーダー票に印刷することを特徴とする消費期限管理方法。
【請求項15】
請求項11乃至14のいずれかに記載の消費期限管理方法において、
前記読取処理にて前記第1の識別情報を読み取った場合、前記消費期限のチェックが必要である旨を従業者へ通知する処理を有することを特徴とする消費期限管理方法。
【請求項16】
商品の注文を受け付けるPOS端末と接続され、前記商品の消費期限を管理する消費期限管理装置に、
前記POS端末から送信された前記商品の保存可能期間を示す情報が含まれた第1の識別情報を切断可能なオーダー票に印刷する印刷手順と、
前記オーダー票に印刷された第1の識別情報と、前記商品に付与された該商品の製造年月日を示す情報が含まれた第2の識別情報とを読み取る読取手順と、
前記保存可能期間と前記製造年月日とに基づいて、該商品の消費期限が過ぎているかどうかを判別する商品期限判別手順と、
前記商品期限判別手順にて前記商品の消費期限が過ぎていないと判別した場合、前記オーダー票を当該消費期限管理装置から切り離す排出手順とを実行させるプログラム。
【請求項17】
請求項16記載のプログラムにおいて、
前記商品期限判別手順では、前記読取手順にて読み取った第2の識別情報が示す前記製造年月日から現在時刻までに経過した経過期間が、前記保存可能期間よりも長い場合、前記商品の消費期限が過ぎていると判別することを特徴とするプログラム。
【請求項18】
請求項16または17記載のプログラムにおいて、
前記消費期限を過ぎていないと前記商品期限判別手順にて判別した商品の数をカウントする手順と、
前記カウントした数と、前記読取手順にて読み取った第1の識別情報に含まれている前記商品の注文数とが一致するかどうかを判別する商品数判別手順とを前記消費期限管理装置に実行させ、
前記排出手順では、前記商品数判別手順にて前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記オーダー票を切り離すことを特徴とするプログラム。
【請求項19】
請求項18記載のプログラムにおいて、
前記印刷手順では、前記商品数判別手順にて前記カウントした数と前記注文数とが一致すると判別した場合、前記消費期限のチェックが完了した旨を前記オーダー票に印刷することを特徴とするプログラム。
【請求項20】
請求項16乃至19のいずれかに記載のプログラムにおいて、
前記読取手順にて前記第1の識別情報を読み取った場合、前記消費期限のチェックが必要である旨を従業者へ通知する手順を前記消費期限管理装置に実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−170382(P2010−170382A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12915(P2009−12915)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】