説明

涙管インプラント用の挿入および抜き取り工具

涙管インプラントととともに使用するための挿入および抜き取り工具、システム、および方法を提供する。外側インプラント表面上にインプラントを保持するように構成され、内部深さストップを備える内腔を有する遠位部分を有する工具本体、およびインプラントと係合し投与するため内腔内でスライド可能であり、内部深さストップと係合するように構成されたストップを有し、ストップと内部深さストップとの係合により涙点内へのインプラントの挿入の深さが制限されるプランジャを備える挿入工具が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本非仮出願の一部は、米国特許法第119条(e)項に従って2007年9月7日に出願された米国仮特許出願番号第60/970,840号の優先権の利益を主張する。
【0002】
関連出願の相互引用
本出願が関連するのは、2007年4月2日に出願された「Drug Delivery Methods,Structures,And Compositions For Nasolacrimal System」という表題の米国特許出願番号第11/695,537号、2007年4月2日に出願された「Nasolacrimal Drainage System Implants For Drug Therapy」という表題の米国特許出願番号第11/695,545号、2007年9月7日に出願された「Expandable Nasolacrimal Drainage System Implants」という表題の米国特許出願番号第60/970,696号、2007年9月7日に出願された「Manufacture Of Swellable Nasolacrimal Drainage System Implants」という表題の米国特許出願番号第60/970,720号、2007年9月7日に出願された「Manufacture Of Drug Cores For Sustained Release Of Therapeutic Agents」という表題の米国特許出願番号第60/970,699号、2007年9月7日に出願された「System And Methods For Detection Of Nasolacrimal Devices」という表題の米国特許出願番号第60/970,807号、および2007年9月7日に出願された「Multiple Drug Delivery Systems and Combination Drugs With Punctal Implants」という表題の米国特許出願番号第60/970,820号であり、これらはすべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、鼻涙ドレナージ系内で、または鼻涙ドレナージ系の近くで使用するための涙管インプラントに関係し、より具体的には、涙点プラグを含む涙点インプラントなどの、涙管インプラントとともに使用するための挿入および抜き取り工具に関係する。
【背景技術】
【0004】
眼ドラッグデリバリー(眼用薬物送達)の分野では、患者も医者も様々な難題に直面する。特に、治療の反復性(頻回注射、1日の複数回点眼薬滴下計画)、付随する費用、および患者の薬剤服用順守(患者コンプライアンス)の欠如は、利用可能な治療の有効性に著しい影響を及ぼすことがあり、ひいては視力低下および多くの場合失明をもたらしうる。
【0005】
薬剤を服用する、例えば、点眼薬を滴下する際の患者の薬剤服用順守はきちんとなされないことがあり、場合によっては、患者は指示された治療計画に従わないことがある。薬剤服用順守の欠如としては、点眼薬の滴下できないこと、無効な技術(滴下量が必要量に満たない)、点眼薬の過剰な使用(全身に副作用が生じる)、および処方していない点眼薬の使用もしくは複数の種類の点眼薬を必要とする治療計画に従うことができないことが挙げられる。多くの薬剤では、患者は日に最大4回まで滴下する必要がある場合がある。
【0006】
薬剤服用順守に加えて、少なくとも何回か分の点眼薬の費用は増大しつつあり、そのため、所得が限られている一部の患者は基本的必需品を購入するか、それとも処方薬を調合してもらうかという選択に直面する。多くの場合、保険では処方された点眼薬または場合によっては複数の異なる薬剤を含む点眼薬の費用全部をカバーできない。
【0007】
さらに、多くの場合において、局所的適用薬剤は、約2時間以内に眼球内効果がピークに達し、その後、治療的有用性を維持するためにさらに薬剤を適用していかなければならない。それに加えて、薬剤の自己投与または摂取計画と一致しないと、次善の治療結果となりうる。PCT国際公開第06/014434号(Lazar)は、点眼薬に付随するこれらの課題および/または他の課題に関連するものと思われる。
【0008】
眼球内薬物送達のための有望なアプローチの1つとして、眼球付近の組織内に薬物を放出するインプラントを留置する方法が挙げられる。このアプローチは点眼薬に比べてある程度改善が見られるけれども、このアプローチのいくつかの潜在的な問題点として、所望の組織位置へのインプラントの埋設、所望の組織位置でのインプラントの保持、および長期間にわたる所望の治療レベルの薬物の持続放出が挙げられる。
【0009】
涙点プラグなどの涙管インプラントの問題の1つは、それらを涙点に挿入することが難しいという点である。インプラントは、非常に小さく、涙点内に完全に挿入することができないため、容易に抜け落ちる。インプラントは、涙点から取り外すのも難しい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記に鑑みて、上述の短所のうちの少なくとも一部を克服する涙管インプラント用の改善された挿入および/または抜き取り工具を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、患者の涙点内のインプラントとともに使用するための改善された挿入および抜き取り工具を実現するものである。
1.患者または被検体の涙点内にインプラントを挿入するための挿入工具は、外側インプラント表面上にインプラントを保持するように構成され、内部深さストップを備える内腔を有する遠位部分を有する工具本体、およびインプラントと係合し投与するため内腔内でスライド可能であり、内部深さストップと係合するように構成されたストップを有し、ストップと内部深さストップとの係合により涙点内へのインプラントの挿入深さが制限されるプランジャを備える。
2.態様1による挿入工具であって、工具本体の遠位端部は涙点の近位にある組織と係合するように構成された組織ストップを適宜備える、挿入工具。
3.態様1および2による挿入工具であって、組織ストップは透明材料および拡大材料の一方または両方から適宜作製される、挿入工具。
4.態様1〜3による挿入工具であって、組織ストップは拡大幾何学的形状を適宜備える、挿入工具。
5.態様1〜4による挿入工具であって、インプラントの近くで本体に結合可能である、インプラントがスライドして貫通できるサイズの内腔を有する先端部を適宜備える、挿入工具。
6.態様1〜5による挿入工具であって、先端部はインプラントの1つまたは複数の突起部をスライド式に嵌合するように構成された1つまたは複数の溝を適宜備える、挿入工具。
7.態様1〜6による挿入工具であって、先端部は涙点内に少なくとも部分的に嵌合し、涙点を拡張するサイズを適宜有する、挿入工具。
8.態様1〜7による挿入工具であって、先端部は長手方向体軸に関してある角度を成すか、または湾曲し、このように角度を成すか、または湾曲することで上涙点内へのインプラントの留置が容易になる、挿入工具。
9.態様1〜8による挿入工具であって、インプラントの一部を囲むように構成されたリトラクタブル・シースを適宜備える、挿入工具。
10.涙管インプラントとともに使用するための涙管インプラント挿入工具は、近位ハンドル、遠位端部、およびそれらの間に軸を有する工具本体を含む。工具本体は、涙管インプラントがハンドルの操作によって涙小管内腔内に遠位で送り込み可能なように、少なくとも1つの外側インプラント表面上でハンドルに関して涙管インプラントを解放可能な形で支持するインプラント・レセプタクルと、遠位方向を向く、前方を向く組織表面と係合してターゲットの挿入深さを超える涙管インプラントの遠位挿入を阻止するように構成された組織係合ストップ表面とを備える。
11.態様10による涙管インプラント挿入工具であって、インプラント・レセプタクルはシースを適宜備える、涙管インプラント挿入工具。
12.態様10および11による涙管インプラント挿入工具であって、遠位端部は円錐形状部を有する涙点拡張器を適宜備える、涙管インプラント挿入工具。
13.患者の涙点の近くの1つまたは複数の組織を治療するための涙管インプラント挿入システムは、自己拡張涙管インプラントと近位ハンドル、遠位インプラント・レセプタクル、およびそれらの間の軸を有する挿入工具とを備え、インプラント・レセプタクルは涙管インプラントがハンドルの操作によって涙小管内腔内に遠位で送り込み可能なように涙管インプラントを解放可能な形で支持し、挿入工具は組織係合ストップ表面を備え、ストップ表面は遠位方向を向き、前方を向く組織表面と係合してターゲットの挿入深さを超える涙管インプラントの遠位挿入を阻止するように構成される。
14.態様13による涙管インプラント挿入システムであって、インプラント・レセプタクルはシースを適宜備える、涙管インプラント挿入システム。
15.態様13および14による涙管インプラント挿入システムであって、シースは涙点を拡張するように構成された傾斜面を適宜備える、涙管インプラント挿入システム。
16.挿入工具を使用して患者または被検体の涙点内にインプラントを挿入する方法は、涙点内にインプラントを遠位で送り込むことと、挿入工具の遠位移動を阻止するように涙点の組織表面に挿入工具の組織ストップを当てて係合することと、組織ストップが組織表面と係合している間、またインプラントが涙小管内腔内のターゲットの深さのところで埋設されるように組織ストップに関して軸方向に揃えられている間に挿入工具からインプラントを取外しすることとを含む。
17.態様16による方法であって、挿入工具からインプラントを取外しすることは、プランジャを押下してワイヤを係合しインプラントを挿入工具から解放することを適宜含む、方法。
18.態様16および17による方法であって、挿入工具を使って少なくとも1つの外側インプラント表面上で涙管インプラントを支持することを適宜含む、方法。
19.挿入工具を使用して患者の涙点内にインプラントを挿入する方法は、挿入工具の組織ストップを涙点の近くに留置することと、挿入工具内のプランジャを前方に移動して、インプラントを涙点内に挿入することと、プランジャ上のストップが挿入工具の内部深さストップと係合したときにプランジャ移動を停止し、ストップと内部深さストップとの係合によって涙点内にインプラントが挿入される深さが制限されるようにすることとを含む。
20.態様19による方法は、シースを使って少なくとも1つの外側インプラント表面上で涙管インプラントを支持することを適宜含む。
21.態様19および20による方法であって、シースを使って涙点を拡張することを適宜含む、方法。
22.患者または被検体の涙点からインプラントを抜き取るための抜き取り工具は、インプラントの相補的抜き取り機能と係合する抜き取り機能を含む遠位部分を備える。
23.態様22による抜き取り工具であって、遠位部分はインプラントから伸びている1つまたは複数の突起部と係合するように構成された1つまたは複数のある角度で曲がっている先端部を適宜備える、抜き取り工具。
24.態様22および23による抜き取り工具であって、インプラントの1つまたは複数の溝と係合するように遠位端部から半径方向に伸びている1つまたは複数の先端部を備える、抜き取り工具。
25.態様22〜24による抜き取り工具であって、遠位部分はインプラントのループまたはハンドルの1つと係合するように構成されたフック機能を適宜備える、抜き取り工具。
26.患者または被検体の涙点からインプラントを抜き取るための抜き取り工具は、遠位部分を有する抜き取り工具本体、および抜き取り工具本体に吸引力を付与するように構成された吸引デバイスを備え、抜き取り工具の遠位部分は、伸びて遠位部分の先端部に達する内腔を備え、先端部は、涙点と係合し、インプラントを抜き取る吸引力を印加するように構成されている。
27.態様26による抜き取り工具であって、遠位部分の先端部は、涙点内に挿入して涙点内に吸引力を印加するように適宜構成されている、抜き取り工具。
28.態様26および27による抜き取り工具であって、遠位部分の先端部は、涙点内に挿入するように適宜構成され、遠位部分の先端部は、インプラントに吸引力を印加するようにインプラントの直径以下の直径を備える、抜き取り工具。
29.涙管インプラントとともに使用するためのインプラント挿入工具は、近位端部、遠位端部、およびそれらの間の工具本体を備える。遠位端部は、涙管インプラントが事前装填されているカートリッジを収容するための機械的結合部および事前装填されたカートリッジから涙管インプラントを投与するように構成されたプランジャを備える。
30.態様29による挿入工具であって、カートリッジは涙管インプラントの外面と適宜係合し、内腔を備える、挿入工具。プランジャは、涙管インプラントのプランジャ収容表面の直径以上の直径を有し、プランジャは、内腔内でスライドし、涙管インプラントと係合し、カートリッジから涙管インプラントを投与する。
31.態様29および30による挿入工具であって、挿入工具の近位端部は挿入促進部分を適宜備える、挿入工具。
32.態様29〜31による挿入工具であって、挿入促進部分は涙管インプラントの少なくとも一部分の湾曲に実質的に類似している湾曲を適宜有する、挿入工具。
33.態様29〜32による挿入工具であって、プランジャに結合されたリビング・ヒンジを適宜備える、挿入工具。リビング・ヒンジは、プランジャに涙管インプラントの投与を行わせる。
34.目の治療用のシステムは、涙管インプラント、涙管インプラントを保持するように構成されたカートリッジ、および涙管インプラントともに使用するための涙管インプラント挿入工具を備える。挿入工具は、近位端部、遠位端部、およびそれらの間の工具本体を備える。遠位端部は、涙管インプラントが事前装填されているカートリッジを収容するための機械的結合部および事前装填されたカートリッジから涙管インプラントを投与するように構成されたプランジャを備える。
35.態様34によるシステムであって、挿入工具のプランジャは涙管インプラントのプランジャ収容表面の直径以上の直径を適宜有する、システム。
36.態様34および35によるシステムであって、涙管インプラントは薬物溶出部分および薬物溶出部分の少なくとも一部分を囲むプラグ部分を適宜備える、システム。プランジャの直径は、プラグ部分の直径以上であり、プランジャは、涙管インプラントを投与するようにプラグ部分と係合する。
37.態様34〜36によるシステムであって、カートリッジは挿入工具の遠位端部に関して適宜回転可能である、システム。
38.態様34〜37によるシステムであって、挿入工具の近位端部は挿入促進部分を適宜備える、システム。挿入促進部分は、薬物溶出部分および涙管インプラントのプラグ部分のうちの少なくとも一方の湾曲に実質的に類似している湾曲を有する。
39.涙管インプラントとともに使用するためのインプラント挿入工具は、近位端部、遠位端部、およびそれらの間の工具本体を備える。遠位端部は、インプラントの外面上の涙管インプラントと係合するようなサイズを有する鉗子を備える。挿入工具は、涙管インプラントがそのように係合されたときに鉗子の位置をロックするように構成される。
40.態様39による挿入工具であって、鉗子を開閉させるように鉗子とスライド式に係合するカラーを適宜備える、挿入工具。
41.態様39〜40による挿入工具であって、工具本体上に配置されるレバーを適宜備える、挿入工具。レバーを操作することで、カラーはスライド式に鉗子と係合する。
42.態様39〜41による挿入工具であって、鉗子のそれぞれのアームの端部は鉗子アームに実質的に垂直な溝を適宜備える、挿入工具。これらの溝は、鉗子が閉じられたときに涙管インプラントの少なくとも一部分を収容するようなサイズを有する。
43.態様39〜42による挿入工具であって、挿入工具の鉗子アームの少なくとも1つは涙管インプラントの端部と係合し、鉗子に関して涙管インプラントの移動を阻止するためのストップを適宜備える、挿入工具。
44.態様39〜43による挿入工具であって、挿入工具の近位端部は挿入促進部分を適宜備える、挿入工具。
45.態様39〜44による挿入工具であって、挿入工具の近位端部は涙点から涙管インプラントを抜き取るように構成された第2の鉗子を適宜備える、挿入工具。
46.態様39〜45による挿入工具であって、実施形態39〜45の鉗子は工具本体から適宜取外し可能である、挿入工具。
47.挿入工具を使用してインプラントを挿入する方法は、涙管インプラントをカートリッジ内に事前装填することと、カートリッジから涙管インプラントを投与して涙管インプラントを涙点内に挿入することとを含む。
48.態様47による方法は、涙管インプラントを解放可能な形で支持するように涙管インプラントの外面を係合することを適宜含む、方法。
49.態様47および48による方法であって、涙管インプラントを投与することはプランジャを使ってカートリッジから涙管インプラントを投与することを適宜含む、方法。
50.態様47〜49による方法は、涙管インプラントをプランジャと係合するために挿入工具上のリビング・ヒンジを操作することを適宜含む。
51.挿入工具を使用してインプラントを挿入する方法は、涙管インプラントの外面を鉗子に係合することと、涙管インプラントの外面が係合されたときに鉗子位置をロックすることと、涙管インプラントを涙点内に進めることとを含む。
52.態様51による方法であって、鉗子を開閉するように鉗子のアームをカラーにスライド式に係合することを適宜含む、方法。
53.態様51〜52による方法であって、鉗子のアームをカラーにスライド式に係合することはレバーを操作してカラーを鉗子のアームにスライド式に係合させることを適宜含む、方法。
54.態様51〜53による方法であって、鉗子が閉じられたときに鉗子アーム上の溝内に涙管インプラントを収容することを適宜含む、方法。この溝は、鉗子アームに対し実質的に垂直であり、涙管インプラントを収容できるサイズを有する。
55.態様51〜54による方法であって、涙管インプラントを涙点内に送り込むことは涙管インプラントの端部を鉗子アーム上のストップに係合させて鉗子アームに関する涙管インプラントの移動を阻止することを適宜含む、方法。
56.態様51〜55による方法であって、涙管インプラントの幾何学的形状に適合するように挿入工具の鉗子を変更することを適宜含む。
【0012】
この節は、本特許出願の主題の概要を述べることを意図している。本発明の排他的または網羅的な説明を行うことは意図されていない。「発明を実施するための形態」は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】本発明のいくつかの実施形態による、様々なインプラントとともに使用するのに適している目の解剖学的組織構造を示す図である。
【図1B】本発明のいくつかの実施形態による、様々なインプラントとともに使用するのに適している目の解剖学的組織構造を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による、押下されうるプランジャとともにインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、スライドしうるプランジャとともにインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、近位に引っ込むシースとともにインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具を示す図である。
【図5A】本発明の一実施形態による、組織ストップおよび内部深さストップを有するインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具500を示す図である。
【図5B】本発明の一実施形態による、組織ストップおよび内部深さストップを有するインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具500を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、突起部を有するインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具を示す図である。
【図7A】本発明の一実施形態による、インプラント・ウィング折り畳みデバイス700を示す図である。
【図7B】使用中のインプラント・ウィング折り畳みデバイス700を示す図である。
【図7C】使用中のインプラント・ウィング折り畳みデバイス700を示す図である。
【図7D】使用中のインプラント・ウィング折り畳みデバイス700を示す図である。
【図8A】本発明のいくつかの実施形態による、挿入工具実施形態のうちの多くの実施形態とともに使用されうる異なるリードイン設計および拡張器を示す図である。
【図8B】本発明のいくつかの実施形態による、挿入工具実施形態のうちの多くの実施形態とともに使用されうる異なるリードイン設計および拡張器を示す図である。
【図8C】本発明のいくつかの実施形態による、挿入工具実施形態のうちの多くの実施形態とともに使用されうる異なるリードイン設計および拡張器を示す図である。
【図9A】本発明の一実施形態による、リードインを備える挿入工具の遠位端部を示す図である。
【図9B】本発明の一実施形態による、湾曲リードインを備える挿入工具の遠位端部を示す図である。
【図10A】本発明の一実施形態による、挿入工具内にインプラントを装填することを示す図である。
【図10B】本発明の一実施形態による、挿入工具内にインプラントを装填することを示す図である。
【図11A】本発明の一実施形態による、抜き取り工具によって把持できる1つまたは複数の突起部またはウィングを備えるインプラントを示す上面図である。
【図11B】インプラントおよび抜き取り工具を示す図11Aの側面図である。
【図12A】本発明の一実施形態による、インプラントの取外しのために抜き取り工具が挿入される1つまたは複数の溝を備えるインプラントを示す上面図である。
【図12B】本発明の一実施形態による、インプラントおよび抜き取り工具を示す図12Aの側面図である。
【図13】本発明の一実施形態による、取外しのため抜き取り工具によって把持できるループまたはハンドルを上部に有するインプラントを示す図である。
【図14A】本発明のいくつかの実施形態による、吸引抜き取り工具を示す図である。
【図14B】本発明のいくつかの実施形態による、吸引抜き取り工具を示す図である。
【図14C】本発明のいくつかの実施形態による、吸引抜き取り工具を示す図である。
【図15】本発明のいくつかの実施形態による、インプラント取外し用のらせん状フィラメントを備える抜き取り工具を示す図である。
【図16】本発明のいくつかの実施形態による、「フラッシャー」デバイスである抜き取り工具を示す図である。
【図17】本発明のいくつかの実施形態による、「プッシャー」デバイスである抜き取り工具の一実施形態を示す図である。
【図18】インプラントとともに使用するための挿入工具の他の実施形態を示す図である。
【図19】図18の挿入工具の遠位端部の一実施形態を示す図である。
【図20】図18の挿入工具の近位端部の一実施形態を示す図である。
【図21】インプラントとともに使用するための挿入工具の他の実施形態を示す図である。
【図22】挿入工具の遠位端部の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Aおよび1Bは、本発明の一実施形態による、インプラントで治療するのに適している目2の解剖学的組織構造を示す。目2は、角膜4および虹彩6を備える。強膜8は、角膜4および虹彩6を囲み、白く見える。結膜層9は、実質的に透明であり、強膜8上に配置される。水晶体5は、この目の中に配置されている。網膜7は、目2の後ろの近くに配置され、一般的には、光を感じる。網膜7は、高い視力および色覚をもたらす中心窩7Fを備える。角膜4および水晶体5は、光を屈折させて中心窩7Fおよび網膜7上に像を結ぶ。角膜4および水晶体5の屈折力は、中心窩7Fおよび網膜7上に像を結ぶことに寄与する。角膜4、水晶体5、および中心窩7Fの相対的配置も、像のクオリティにとって重要である。例えば、角膜4から網膜7Fまでの目2の軸長が大きければ、目2は近視であるものとしてよい。また、調節時に水晶体5は角膜4の方へ移動して、目の近くにある物体の近見視力をよくする。
【0015】
図1Aに示されている解剖学的組織構造は、上部涙小管10および下部涙小管12、まとめて涙小管と、鼻涙管または嚢14とを含む涙器系も備える。上部および下部涙小管は、涙点開口部とも称される上部涙点11と下部涙点13とで終端する。涙点開口部は、内眼角17の近くのまつげ部分と涙器部分との接合点15における眼瞼縁の内側端に小隆起して位置する。涙点開口部は、組織の結合リングによって囲まれている円形の、またはわずかに卵形の開口部である。涙点開口部11、13はそれぞれ、各涙小管の垂直部分10a、12a内に至り、その後、水平方向に回転して涙嚢14の入口部で他方の涙小管と接合する。涙小管は、チューブ状であり、涙小管を拡張させることができる弾性組織で囲まれた層状扁平上皮で裏打ちされている。
【0016】
挿入
図2、3、および4は、涙点プラグなどの涙点インプラントを含む、異なる涙管インプラントを挿入するために使用されうる挿入工具の実施形態を示している。他の実施形態では、インプラントは、薬物挿入器および薬物挿入器を収容できる市販の涙管インプラントを備える薬物送達インプラントである。薬物挿入器は、涙管インプラントの穴の中に留置されるように適合され、また薬物挿入器の外径とシリコーン・プラグ穴の内径との間への締まりばめによって適所に保持されうる。組み立てられたシステムは、パッケージングと滅菌とが行われてから、この構成で医者に納入することができる。本出願に適した涙管インプラントの多くの実施形態は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2007年4月2日に出願された「Nasolacrimal Drainage System Implants for Drug Therapy」という表題の米国特許出願番号第11/695,545号において開示されている。いくつかの実施形態では、涙管インプラントは、市販の涙点プラグであってもよい。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態による、押下されうるプランジャ230とともにインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具200を示す。挿入工具200は、インプラントを挿入する前に涙点を事前拡張するために涙点内に挿入できる拡張器210を備える。インプラント220は、涙点を拡張する前に工具200上に事前装填することができる。インプラント220に内部ワイヤ240を接続することで、インプラント220を保持または解放可能な形で支持することができる。拡張器210で涙点を事前拡張した後、工具200を使用し、ハンドルを操作しながらインプラント220を涙小管内腔内に遠位で送り込むことによってインプラント220を涙点内に挿入することができる。いくつかの実施例において、インプラント220は、自己拡張するような形状をとる。涙管インプラントの自己拡張の説明は、Rapackiらの「Lacrimal Implants and Related Methods」という表題の同一出願人による同時係属米国特許出願番号第61/066,233号にある。インプラント220は、涙点内に位置しているが、プランジャ230は、ワイヤ240を係合し、工具200からインプラント220を解放するために押下することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤ240は、インプラント220を貫通する尖った針先端を備えることができる。インプラント220は、弾性材料、例えばシリコーンから作られた任意の涙管インプラントとすることができる。いくつかの実施形態では、涙管インプラントは、薬物コアを備えることもでき、薬物コア材料は針が取り除かれる際に引っ込む。
【0018】
図3は、本発明の一実施形態による、スライドしうるプランジャとともにインプラント320を涙点内に挿入するための挿入工具300を示す図である。挿入工具300は、涙点を拡張するための円錐形状部を持つ拡張器310、およびインプラント320を遠位スライドさせて内腔内に送り込むことができるプランジャ330を備える。シャフト340は、プランジャ330が遠位で送り込まれるときにインプラント320を遠位で送り込むようにプランジャ330に接続される。涙点が、拡張器310で拡張されている間、プランジャ330は、涙点の近くの涙小管内腔内にインプラント320を留置するように遠位で送り込まれうる。多くの実施形態では、ボタンを押すと、インプラントが内腔内に遠位で送り込まれるようになっており、例えば、ボタンは中間メカニズムによってシャフト340に接続されている。
【0019】
図4は、本発明の一実施形態による、涙小管内腔内にインプラントを配置するように引っ込むシース410とともにインプラントを涙点内に挿入するための挿入工具400を示している。シース410は、少なくとも1つの外側インプラント表面上でインプラント420を解放可能な形で支持する。シース410の少なくとも一部は、涙点を拡張できる形状をとる。シース410は、インプラント420を小さなプロファイル形状となるように保持する形状を持つ。挿入工具400は、挿入工具400の本体405の一部分を含むことができる、円環構造415を備える。シース410および円環構造415は、涙点を拡張できる形状をとり、多くの場合、涙点を拡張するため近位傾斜表面を備える。インプラント420、シース410、および円環構造415は、涙小管内腔内にインプラントを留置するため涙点内に少なくとも部分的に挿入することができる。円環構造415は、シース410が引っ込められ、円環構造415の下でスライドできるようにシース410の上に配置される。ストップ425は、シース410が近位に引っ込められてインプラント420を露出している間に、涙小管内腔内の所望の深さのところにインプラント420を保持するように本体405に接続されうる。
【0020】
インプラント420が、涙点に関して所望の深さで涙小管内腔内に配置された後、シース410は引っ込められて、涙小管内腔内の所望の位置でインプラント420が露出される。シース410を引っ込めるために、プランジャ430が使用されうる。シャフト440は、シース410をプランジャ430に機械的に結合する。したがって、近位方向でプランジャ430を引っ込めると、シース410は近位方向で引っ込められ、これにより、涙小管内腔内の所望の位置でインプラント420が露出されうる。インプラント420は、本明細書で説明されているようなインプラントであればどのようなものでもよい。多くの場合、インプラント420は、シース410が引っ込められたときに大きなプロファイル形状になるまで膨張する弾性部材を備える。
【0021】
図5Aおよび5Bは、涙点520内にインプラント510を挿入するための挿入工具500の他の実施形態を示している。挿入工具500は、遠位端部の組織ストップ530および内部深さストップ540を有する内腔を持つ工具本体を含む。組織ストップ530は、インプラント510を涙点520内に挿入することができる組織表面525に関するデータを発生する。内部深さストップ540は、涙点520内のインプラント510についてまぶたに関する深さ留置を制限するプランジャ550上のストップ545と係合する。プランジャは、インプラントと係合しインプラントを投与するように設計されている。挿入工具500は、プラグの上側表面がまぶたと矛盾なく配置されるように涙点内の同じ場所にインプラントを留置するように設計されている。挿入工具500は、涙点内のインプラントの過剰な射出深さを防ぐようにも設計される。使用時には、組織ストップ530は、涙点520の近位に留置される。プランジャ550が前進すると(560)、インプラント510は、ストップ545が内部深さストップ540と係合するまで涙点520内に挿入されてゆく。その後、挿入工具500は取り外される。
【0022】
図6は、1つまたは複数の突起部630を有する、涙点プラグなどのインプラント620とともに使用するための挿入工具600の遠位端部の一実施形態を示す。挿入工具600の遠位端部は、インプラント620の向きを正しく決めるための溝650を側面に備える送達チューブ600を有する。この向き付けを補助するために、送達チューブの外側に、インプラント620の正しい向きを指示するマーキング660を付けることができる。例えば、これらのマーキングは、「目の方へ」、または「目から離れて」、または他の役立つ指示などの埋設用の指令を含めることができる。突起部630を、鉗子および/または他の手段などの抜き取り工具で掴んで、涙点からインプラント620を取り外すことができる。挿入工具600は、「Foldable IntraocuIar Lens Inserter」という表題の米国特許第4,747,404号で示されているような眼内レンズ(IOL)挿入器と同様にして製作することができる。
【0023】
図7Aは、インプラント・ウィング折り畳みデバイス700の一実施形態を示している。ウィング折り畳みデバイス700を使用することで、インプラント720のウィングまたは突起部710などの深さ位置合わせヘッドを折り畳むか、または圧縮することができ、これにより、図7B〜7Dに示されているように挿入工具のチューブ内にインプラント720を装填することができる。折り畳みデバイス700は、上側部分730およびヒンジ745と結合された下側部分740を備える。上側部分730および下側部分740は、インプラント720のウィングまたは突起部710用に様々な凹み760を備えている。上側部分730および下側部分740ならびに凹み760は、ウィングまたは突起部710およびインプラント720に加えられる折り畳みおよび/または圧縮力を制御するように設計されている。上側部分730および下側部分740ならびに凹み760の表面に、潤滑剤770を付けて、ウィングまたは突起部710の折り畳みまたは圧縮を助けることができる。潤滑剤は、折り畳まれた、または圧縮されたインプラント720を挿入工具のチューブ内に挿入する際にも役立ちうる。インプラントは、形状記憶のある材料で作るべきであり、したがって、インプラントは、いったんチューブを出ると、膨張して元の形状に戻る。使用中、インプラント720は、凹み760の近位にある上側部分730と下側部分740との間に位置する。次いで、上側部分730および下側部分740は一緒にされて(780)、ウィングまたは突起部710を折り畳むか、または圧縮し、次いで、インプラント720は挿入工具内に装填される。折り畳みデバイス700は、Bradyらの1997年12月9日に出願された「Folding Device And Method For An Intraocular Lens」という表題の米国特許第5,947,974号などに示されているような眼内レンズ(IOL)折り畳みデバイスと同様のものとしてよい。
【0024】
図7B〜7Dは、挿入器を使用すると、ウィングまたは突起部710などの深さ位置合わせヘッドがインプラント720の後に続くことを示している(折り畳み器によりこれらの要素を送達時のプラグの本体の後に続かせることができる)。ウィングまたは突起部710は、本体の後に続くように一時的に変形する(ゆがむ)。自由位置にあるウィングまたは突起部710は、自然な(通常/静止)位置につき、これにより、涙点の表面でのプラグの留置をチェックすることができる。プラグのシリコーン材料は、チューブ内でずれた後に復元する十分な形状記憶を有する。図7Bは、ウィングまたは突起部710が凹み760内に位置している、折り畳みデバイス700とともに適所にあるインプラント720を示している。次いで、図7Cに示されているように、ピストンまたはプランジャ750が、インプラントを推し進め755、ウィングまたは突起部710を折り返す。ウィングまたは突起部710は、折り畳みデバイス700をクリアした後、図7Dに示されているように、膨張して開かれた、または扁平な形状に変わりうる。
【0025】
上述のように、多くの実施形態では、挿入工具は、インプラントの挿入前に涙点を拡張するための拡張器である先端部を備えることができる。拡張器は、挿入工具のいずれかの端部に配置することができ、例えば、図2に示されているように、インプラントを装填された端部に対向する挿入工具の端部に挿入工具を配置することができるか、または拡張器は、図3および4に示されているように、リードインの一部としてインプラントとともに端部に配置することができる。
【0026】
図8A〜8Cは、本明細書で説明されている挿入工具実施形態のうちの多くの実施形態とともに使用されうるリードイン設計の異なる実施形態を示している。図8Aは、インプラントを挿入する前に涙点内に挿入される穴ガイド(ホールガイド)として使用される先端部またはリードイン800を示している。インプラントは、リードイン800の内腔805を通して送られる。リードイン800の遠位端部は、直線切断された先端部810またはベベル切断もしくは角度切断された先端部810’を有するものとしてよい。テストしたところ、直線切断された先端部810に比べてベベル切断された先端部810’を使用した方が、リードイン800は容易に涙点内に入り込めることがわかった。挿入時にデバイスによる外傷が小さくて済むようにベベル切断された先端部810’の先端にわずかな丸み815を加えることができる。いくつかの実施形態において、リードインは、拡張器としても使用できる。図8Bは、遠位端部および丸みを帯びた側部840のところでベベル切断された先端部830を備えるリードイン820を示しており、これにより、丸みを帯びた側部840の直径rは、その長さに沿って徐々に増大して涙点を拡張し、さらには内腔825を通して挿入チューブ用のガイドを形成する。図8Cに示されている他の実施形態では、リードイン850は、遠位端部のところの面取り部分860、および涙点を拡張するだけでなく、内腔855を通る挿入チューブ用のガイドを形成するようにある角度αでテーパーが付けられた側部870を備える。
【0027】
図9Aは、インプラント910を挿入する前に涙点920内に挿入できるリードイン905または先端部を備える挿入工具900の遠位端部の一実施形態を示している。挿入工具900は、近位端部および先端部もしくはリードイン905のところに組織ストップ930も備える。それに加えて、挿入工具900は、プランジャ950のストップ945と嵌合する内部深さ940を有することもできる。上述のように、リードイン910は、拡張器形状を有するものとしてよい。いくつかの実施形態では、リードインは、挿入工具上に恒久的に配置される。他の実施形態では、リードインは、取外し可能であるものとしてよいが、選択されたリードインのサイズおよび形状は涙点サイズに依存する。図9Bは、ある角度に曲げられた、または湾曲しているリードイン970を備える挿入工具960の遠位端部の一実施形態を示している。上涙点内にインプラントを簡単に留置できるようにするためには、ある角度で曲がっているか、もしくは湾曲しているリードインが望ましい場合がある。
【0028】
一実施形態では、組織ストップの近位にある挿入工具の一部分は、アクリル材料などの透明材料で作られ、これにより、医者は、挿入工具を通して組織を視覚で確認し、涙点を見ることができる。また透明材料を使用することで、埋設されている最中のインプラントを見ることができ、またインプラントが正しく埋設されたことを確認することもできる。他の実施形態では、透明材料は、拡大材料とすることができ、および/または球面レンズまたはある角度で曲がったレンズなどの拡大幾何学的形状を有することができ、これにより、涙点をより容易に視覚化できる。
【0029】
図10Aおよび10Bは、挿入工具1000内にインプラントを装填する一実施形態を示している。挿入工具1000は、挿入工具1000内にインプラント1040を装填するためにチューブ1030に沿ってスライドするスライディング・カラー1020を有する装填クランプ1010の遠位部分を備える。チューブ1030は、遠位端部上に分割可能部分1030Aおよび1030Bを有する。インプラント1040は、分割可能部分1030Aおよび1030B内に配置され、スライディング・カラー1020は、遠位で送られ(1050)、分割可能部分1030Aおよび1030Bを一緒に閉じる。これでインプラント1040を涙点に埋設する準備が整った。適所に置かれた後、カラー1020は組織ストップとして働きうる。カラー1020は、上述のように透明材料または拡大材料で作ることもできる。
【0030】
図11は、涙管インプラントとともに使用するための挿入工具1100の他の実施形態を示している。挿入工具1100は、近位端部1105、遠位端部1110、およびそれらの間の工具本体1115を備える。図12は、遠位端部1210の一実施形態を示す図である。遠位端部1210は、カートリッジ1225を収容するための機械的結合部1220を備える。カートリッジ1225は、涙管インプラント1230を事前装填される。いくつかの実施形態では、カートリッジ1225は、挿入工具に関して回転可能である。カートリッジ1225は、涙管インプラント1230を解放可能な形で支持する。涙管インプラント1230は、極めて小さく、顕微鏡で観察しながらカートリッジ1225内に事前装填することができる。カートリッジ1225は、使い捨てであるか、または使用後に新しい人工眼を再装填することができる。
【0031】
図に示されている実施形態では、涙管インプラント1230は、L字型の自己拡張涙点プラグである。涙点プラグは、薬物溶出部分1245および薬物溶出部分1245の少なくとも一部分を囲むプラグ部分1250を備える。図の実施例において、薬物溶出部分1245は、プラグ部分1250へ横断する。自己拡張する涙管インプラントの説明は、前述のRapackiらの文献にある。当業者であれば、本明細書を読んだ後、他の種類の涙管インプラントを事前装填されたカートリッジは本発明の範囲内にあることを理解するであろう。異なる種類の涙管インプラントには、異なるカートリッジを使用できる。
【0032】
カートリッジ1225は、涙管インプラント1930の外面と係合し、内腔を含む。内腔は、涙管インプラント1230を支持できるように涙管インプラント1230の少なくとも一部分の湾曲と一致する湾曲を有する。遠位端部1210は、カートリッジ1225から涙管インプラント1230を投与するプランジャ1235も備える。いくつかの実施形態では、プランジャ1235は、涙管インプラント1230のプランジャ収容表面の直径以上の直径を有する。実施例では、プランジャ収容表面は、インプラントのプラグ部分1250に含まれる。プランジャ1235は、内腔内でスライドし、涙点インプラント1230と係合し、カートリッジ1225から涙点インプラント1230を涙点内に投与する。
【0033】
図11に戻ると、いくつかの実施形態では、近位端部1105、遠位端部1110、および工具本体1115のうちの少なくとも1つは、射出成形によって形成される。いくつかの実施形態では、挿入工具1100は、工具本体1115に結合されたリビング・ヒンジおよびプランジャ1135を備える。リビング・ヒンジを操作することで(例えば、リビング・ヒンジを工具本体1115に向けて圧す)、プランジャに涙点インプラントを投与させる。
【0034】
図13は、挿入工具の近位端部1305の一実施形態を示す図である。近位端部1305は、挿入促進部分1310を備える。挿入促進部分1310は、涙点内への涙点インプラントの確実な挿入を容易にするように構成される。いくつかの実施形態では、挿入促進部分1310は、涙管インプラントの少なくとも一部分の湾曲に実質的に類似している湾曲を備える。この類似の湾曲により、インプラントが涙点内に確実に挿入されるように涙点インプラントを操作することができる。例えば、この湾曲は、図12の涙点インプラント1230の薬物溶出部分1245に類似のものとしてよい。挿入促進部分1310は、涙点インプラント1230のコーナーを涙点内に入れて、涙点インプラント1230を適所にロックするのを補助する。
【0035】
図14は、涙点インプラントとともに使用するための挿入工具1400の他の実施形態を示している。挿入工具1400は、近位端部1405、遠位端部1410、およびそれらの間の工具本体1415を備える。遠位端部1410は、鉗子1420を備える。鉗子1410は、涙管インプラント1430の外面上で涙管インプラント1430と係合するようなサイズを有する。挿入工具1400は、涙管インプラント1430がそのように係合されたときに鉗子の位置(例えば、鉗子の幅)をロックする。
【0036】
いくつかの実施形態では、挿入工具1400は、カラー1455を備える。カラー1455は、鉗子とスライド式に係合し、鉗子を開閉させる。いくつかの実施形態では、カラー1455を前方にスライドさせることで、鉗子は涙管インプラント1430との係合位置にロックされる。いくつかの実施形態では、挿入工具1400は、工具本体1415上に配置されたレバー1460を備える。レバー1460を操作することで、カラー1455はスライド式に鉗子1420と係合する。いくつかの実施形態では、レバー1460を下げるか閉じることで、鉗子1420は涙管インプラント1430上で閉じられる。いくつかの実施形態では、レバー1460を上げるか、または開くと鉗子が涙管インプラント1430上へ閉じ、レバー1460を下げると、鉗子1420が開き、涙管インプラント1430が解放される。
【0037】
図15は、挿入工具の遠位端部1510の一実施形態を示す図である。鉗子1520のそれぞれのアームの端部は、鉗子アームに実質的に垂直な溝(グローブ)1565を備える。これらの溝(鉗子アーム毎に1つ)は、鉗子1520のアームが閉じられたときに涙管インプラント1530の少なくとも一部分を収容するようなサイズを有する。図に示されている実施形態では、鉗子のそれぞれのアームは、涙管インプラント1530のプラグ部分を収容し、プラグ部分を鉗子1520に対し垂直になるように保持するための第1の溝1565、および涙管インプラント1530の薬物溶出部分を収容するための第2の溝1570を備える。図に示されている実施形態では、涙管インプラント1530は、L字型の自己拡張涙点プラグである。異なる涙管インプラントは、異なる種類のインプラントの幾何学的形状によりよく適合するように異なる鉗子1520を使用することができる。いくつかの実施形態では、鉗子1520は、工具本体から取外し可能であり、また交換可能である。
【0038】
いくつかの実施形態では、鉗子1520のアームの1つまたは複数は、涙管インプラント1530の端部と係合するストップ1575またはキャップを備える。図に示されている実施形態では、鉗子の一方のアームはストップ1575を備え、他方のアームはストップを収容するための溝を備える。ストップ1575は、鉗子1520に関する涙管インプラントの移動を阻止する。例えば、ストップは、涙管インプラント1530を押し下げることによって涙管インプラント1530に力が印加されるときに涙管インプラント1530が上方にスライドするのを防止することができる。ストップ1575は、鉗子がひっくり返されたときに涙管インプラント1530を涙点内に押し込むのに有用な場合もある。
【0039】
図14に戻ると、いくつかの実施形態では、挿入工具1400の近位端部1405は、図13に示されているように挿入促進部分を備える。涙管インプラントが、L字型涙点プラグである場合、鉗子を使用して、長い第1の部分を涙点内に挿入することができ、また挿入促進部分を使用して、涙点への第2の横断部分のコーナーを操作することができる。
【0040】
鉗子1420は、涙管インプラント1430を挿入するために涙点を拡張できる形状のものとしてよい。鉗子1420は、涙点から涙管インプラント1430を抜き取るためにも使用できる。いくつかの実施形態では、近位端部1405は、涙管インプラントを抜き取るための第2の鉗子を備えることができる。いくつかの実施例では、近位端部1405にある鉗子の第2のセットは、挿入工具本体1415から取外し可能である。
【0041】
抜き取り
いくつかの実施形態では、インプラントは、涙点からインプラントを取り外すのを補助するために抜き取り工具によって把持できる1つまたは複数の特徴を備えることができる。1つまたは複数の特徴を持つプラグの実施形態は、その全開示が参照により本明細書に組み込まれている、2007年9月7日に出願された「EXPANDABLE NASOLACRIMAL DRAINAGE SYSTEM IMPLANTS」という表題の米国特許出願番号第60/970,696号に示されている。
【0042】
図16Aおよび16Bは、1つまたは複数の突起部1610またはウィングを備えるインプラント1600および患者の涙点からインプラント1600を取り外すための抜き取り工具1620の上面および側面を示している。抜き取り工具1620は、標準の鉗子、または突起部1610を掴むように湾曲し構成されている遠位端部上である角度で曲がっている先端部1630を有する専用工具とすることができる。ある角度で曲がっている先端部1630は、インプラント1600(図16A)の側部からスライドして下がり、次いで突起部1610の下でねじれて(1640)インプラント1600を取り外せるように設計されている。
【0043】
図17Aおよび17Bは、抜き取り工具1720の遠位端部がインプラントの取外しのために挿入される1つまたは複数の溝(グローブ)1710を備えるインプラント1700の上面図および側面図である。溝1710は、抜き取り工具1720と結合する凹みまたは他の特徴を有するものとすることができる。抜き取り工具1720は、標準の鉗子であるか、または溝1710と係合するためのかみ合い歯または他の特徴を持つ設計の専用工具とすることができる。
【0044】
図18は、患者の涙点からインプラント1800を取り外すため抜き取り工具1820によって把持できるループまたはハンドル1810を上部に有するインプラント1800を示している。ループまたはハンドル1810は、インプラント上に差し渡されているリボンまたはフィラメントとすることができる。抜き取り工具1820は、標準の鉗子であるか、またはループまたはハンドルと係合するフック特徴1830を有する専用工具とすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、抜き取り工具は、インプラントの取外しに使用される吸引デバイスとすることができる。図19Aは、涙点1930を囲み、皮膚1940に先端部を当てて封止する特殊先端部分1920を有する吸引抜き取り工具1900の一実施形態を示している。適所に置かれた後、真空1925が形成され、インプラント1910は吸引デバイス1900内に吸い込まれる。一実施形態では、先端部は、真空を生じさせるために、バネ仕掛けの先端部であるか、またはバネ仕掛けのプランジャとすることができ、したがって、バネは吸引機能をオンにするために圧縮されなければならない。他の実施形態では、吸引抜き取り工具1900に付随するボタンまたはスイッチを作動させて真空を印加することができる。図19Bは、涙点1930内に挿入するように構成されている先端部1960を有する吸引抜き取り工具1950の他の実施形態を示している。適所に置かれた後、真空1965が形成され、インプラント1910は吸引抜き取り工具1950内に吸い込まれる。いくつかの実施形態では、先端部1960は上述のリードインまたは拡張器と類似のものであってもよい。他の実施形態では、先端部1960は、真空内腔部を有するガイドワイヤとしてよい。ガイドワイヤは、涙小管内の湾曲をすりあわせるため曲げやすいものとし、これにより、より深くインプラントを伸ばせる。図19Cは、インプラントを取り外しやすくするために吸引カップ先端部1980を有する吸引抜き取り工具1970の他の実施形態を示している。吸引カップ先端部1980は、インプラント上のプランジャのように動作し、インプラントに押し付けられると、これら2つの間に真空1985が生じ、吸引抜き取り工具1970が引っ込み、インプラント1910が取り外される。
【0046】
図20は、患者の涙点からインプラントを取り外すためのインプラント2020用のらせん状フィラメント2010を備える抜き取り工具1500の一実施形態を示している。らせん状フィラメント2010は、コルクスクリューに似た構造であり、インプラント2020と係合するように設計されており、これは、らせん状フィラメント2010が、涙点2030内のインプラント2020内に容易に挿入できるように、シリコーンなどの好適な材料で作られるべきである。インプラント2020は、らせん状フィラメント2010の係合を補助するための穴または陥凹部2040を備えることもできる。
【0047】
いくつかの実施形態では、涙器系を通して鼻および喉にインプラントをフラッシングまたはプッシングで押し込むことによってインプラントを取り外すことが望ましい、および/または必要な場合がある。図21は、涙点2130の近位に位置する先端部分2120を持つ「フラッシャー」デバイスであり、皮膚2140と係合する抜き取り工具2100の一実施形態を示す。デバイス2100は、流体または空気圧を使用して、インプラント2110を上部涙小管10または下部涙小管12に押し通し、鼻涙管14(図1Aを参照)内に入れる。いくつかの実施形態では、先端部2120は上述のリードインまたは拡張器先端部と類似のものであってもよい。図22は、上部涙小管10または下部涙小管12にインプラント2210を押し通し、鼻涙管14内に入れるように構成された先端部分2220を有するガイドワイヤと類似の「プッシャー」デバイスである抜き取り工具2200の一実施形態を示している。デバイス2200は、インプラントを取り外しやすくするために、潤滑剤、例えば、ポリエチレン・グリコール(PEG)またはポリビニル・アルコール(PVA)粘滑薬を加えることができる潅注内腔2240を備えることもできる。
【0048】
例示的な実施形態は、例を用いて、また理解しやすくするため、ある程度詳しく説明されているが、様々な修正、適合、および変更を使用できることは、当業者には明らかなことであろう。例えば、上述の実施例(あるいは1つまたは複数のその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。読者が技術的開示の性質を素早く確認できるように、37 C.F.R.§1.72(b)に適合する要約をまとめてある。これは特許請求の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを了解したうえで提出される。また、上記の「発明を実施するための形態」では、開示を合理化するため様々な特徴をグループにまとめることができる。これは、未請求の開示されている特徴が請求項にとって本質的であるとい意図であると解釈されるべきでない。むしろ、発明対象は、特定の開示されている実施形態のすべてに満たない数の特徴にあると言える。したがって、以下の特許請求の範囲は、これにより「発明を実施するための形態」に組み込まれ、それぞれの請求項は独立の実施形態として自立している。本発明の範囲は、付属の特許請求の範囲の対象である等価物の全範囲とともに、付属の特許請求の範囲を参照しつつ、決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の涙点内にインプラントを挿入するための挿入工具であって、
外側インプラント表面上で前記インプラントを保持するように構成された遠位部分を有し、前記遠位部分は内部深さストップを備える内腔を有する、工具本体と、
前記インプラントと係合し、前記インプラントを投与するために前記内腔内でスライド可能なプランジャであって、前記内部深さストップと係合するように構成されたストップを有し、前記ストップおよび前記内部深さストップの係合によって前記涙点内への前記インプラントの挿入深さが制限される、プランジャとを備える挿入工具。
【請求項2】
前記工具本体の遠位端部は、前記涙点の近位にある組織と係合するように構成された組織ストップを備える請求項1に記載の挿入工具。
【請求項3】
前記組織ストップは、透明材料および拡大材料の一方または両方から作製される請求項2に記載の挿入工具。
【請求項4】
前記組織ストップは、拡大幾何学的形状を備える請求項3に記載の挿入工具。
【請求項5】
前記インプラントの近くで前記本体に結合可能である、前記インプラントがスライドして貫通できるサイズの内腔を有する先端部をさらに備える請求項1に記載の挿入工具。
【請求項6】
前記先端部は、前記インプラントの1つまたは複数の突起部をスライド式に嵌合するように構成された1つまたは複数の溝を備える請求項5に記載の挿入工具。
【請求項7】
前記先端部は、前記涙点内に少なくとも部分的に嵌合し、前記涙点を拡張するサイズを有する請求項5に記載の挿入工具。
【請求項8】
前記先端部は、長手方向体軸に関してある角度を成すか、または湾曲し、このように角度を成すか、または湾曲することで上涙点内への前記インプラントの留置が容易になる請求項5に記載の挿入工具。
【請求項9】
前記遠位部分は、前記インプラントの一部を囲むように構成されたリトラクタブル・シースをさらに備える請求項1に記載の挿入工具。
【請求項10】
涙管インプラントとともに使用するための涙管インプラント挿入工具であって、
近位ハンドル、遠位端部、およびそれらの間に軸を有する工具本体を備え、前記工具本体は、
前記涙管インプラントが前記ハンドルの操作によって涙小管内腔内に遠位で送り込み可能なように、少なくとも1つの外側インプラント表面上でハンドルに関して前記涙管インプラントを解放可能な形で支持するインプラント・レセプタクルと、
遠位方向を向く、前方を向く組織表面と係合してターゲットの挿入深さを超える前記涙管インプラントの遠位挿入を阻止するように構成された組織係合ストップ表面とを備える涙管インプラント挿入工具。
【請求項11】
前記インプラント・レセプタクルは、シースを備える請求項10に記載の挿入工具。
【請求項12】
前記遠位端部は、円錐形状部を有する涙点拡張器を備える請求項10に記載の挿入工具。
【請求項13】
患者の涙点の近くの1つまたは複数の組織を治療するための涙管インプラント挿入システムであって、涙点は涙小管内腔と患者の前方を向く組織表面との間に配置されており、涙管インプラント・システムは、
自己拡張涙管インプラントと、
近位ハンドル、遠位インプラント・レセプタクル、およびそれらの間の軸を有する挿入工具とを備え、前記インプラント・レセプタクルは前記涙管インプラントが前記ハンドルの操作によって前記涙小管内腔内に遠位で送り込み可能なように前記涙管インプラントを解放可能な形で支持し、前記挿入工具は組織係合ストップ表面を備え、前記ストップ表面は遠位方向を向き、前記前方を向く組織表面と係合してターゲットの挿入深さを超える前記涙管インプラントの遠位挿入を阻止するように構成される涙管インプラント挿入システム。
【請求項14】
前記インプラント・レセプタクルは、シースを備える請求項13に記載の挿入工具。
【請求項15】
前記シースは、前記涙点を拡張するように構成された傾斜面を備える請求項14に記載の挿入工具。
【請求項16】
挿入工具を使用して患者の涙点内にインプラントを挿入する方法であって、
前記涙点内に前記インプラントを遠位で送り込むことと、
前記挿入工具の遠位移動を阻止するように前記涙点の組織表面に前記挿入工具の組織ストップを当てて係合することと、
前記組織ストップが前記組織表面と係合している間、また前記インプラントが前記涙小管内腔内のターゲットの深さのところで埋設されるように前記組織ストップに関して軸方向に揃えられている間に前記挿入工具から前記インプラントを取外しすることとを含む方法。
【請求項17】
前記挿入工具から前記インプラントを取外しすることは、プランジャを押下してワイヤを係合し前記インプラントを前記挿入工具から解放することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記挿入工具を使って少なくとも1つの外側インプラント表面上で前記涙管インプラントを支持することを含む請求項16に記載の方法。
【請求項19】
挿入工具を使用して患者の涙点内にインプラントを挿入する方法であって、
前記挿入工具の組織ストップを前記涙点の近くに留置することと、
前記挿入工具内のプランジャを前方に移動して、それにより前記インプラントを前記涙点内に挿入することと、
前記プランジャ上のストップが前記挿入工具の内部深さストップと係合したときに前記プランジャ移動を停止し、前記ストップと内部深さストップとの前記係合によって前記涙点内に前記インプラントが挿入される深さが制限されるようにすることとを含む方法。
【請求項20】
シースを使って少なくとも1つの外側インプラント表面上で前記涙管インプラントを支持することを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記シースを使って前記涙点を拡張することを含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
患者の涙点からインプラントを抜き取るための抜き取り工具であって、
前記インプラントの相補的抜き取り機能と係合する抜き取り機能を含む遠位部分を有する抜き取り工具本体を備える抜き取り工具。
【請求項23】
前記抜き取り工具の遠位部分は、前記インプラントから伸びている1つまたは複数の突起部と係合するように構成された1つまたは複数のある角度で曲がっている先端部を備える請求項22に記載の抜き取り工具。
【請求項24】
前記抜き取り工具の前記遠位部分は、前記インプラントの1つまたは複数の溝と係合するように前記遠位端部から半径方向に伸びている1つまたは複数の先端部を備える請求項22に記載の抜き取り工具。
【請求項25】
前記抜き取り工具の前記遠位部分は、前記インプラントのループまたはハンドルの1つと係合するように構成されたフック機能を備える請求項22に記載の抜き取り工具。
【請求項26】
患者の涙点からインプラントを抜き取るための抜き取り工具であって、
遠位部分を有する抜き取り工具本体と、
前記抜き取り工具本体に吸引力を付与するように構成された吸引デバイスであって、前記抜き取り工具の前記遠位部分は、伸びて前記遠位部分の先端部に達する内腔を備え、前記先端部は、前記涙点と係合し、前記インプラントを抜き取る吸引力を印加するように構成されている、吸引デバイスとを備える抜き取り工具。
【請求項27】
前記遠位部分の前記先端部は、前記涙点内に挿入して前記涙点内に前記吸引力を印加するように構成されている請求項26に記載の抜き取り工具。
【請求項28】
前記遠位部分の前記先端部は、前記涙点内に挿入するように構成され、前記遠位部分の前記先端部は、前記インプラントに前記吸引力を印加するように前記インプラントの直径以下の直径を備える請求項26に記載の抜き取り工具。
【請求項29】
涙管インプラントとともに使用するための涙管インプラント挿入工具であって、
近位端部、遠位端部、およびそれらの間の工具本体を備え、前記遠位端部は、
涙管インプラントが事前装填されているカートリッジを収容するための機械的結合部と、
事前装填されたカートリッジから前記涙管インプラントを投与するように構成されたプランジャとを備える涙管インプラント挿入工具。
【請求項30】
前記カートリッジは、前記涙管インプラントの外面と係合し、内腔を備え、前記プランジャは、前記涙管インプラントのプランジャ収容表面の直径以上の直径を有し、前記プランジャは、前記内腔内でスライドし、前記涙管インプラントと係合し、前記カートリッジから前記涙管インプラントを投与するように構成されている請求項29に記載の挿入工具。
【請求項31】
前記近位端部は、挿入促進部分を備える請求項29に記載の挿入工具。
【請求項32】
前記挿入促進部分は、前記涙管インプラントの少なくとも一部分の湾曲に実質的に類似している湾曲を有する請求項31に記載の挿入工具。
【請求項33】
前記挿入工具は、プランジャに結合されたリビング・ヒンジを備え、前記リビング・ヒンジを操作することでプランジャに涙管インプラントを投与させる請求項29に記載の挿入工具。
【請求項34】
目を治療するためのシステムであって、
涙管インプラントと、
前記涙管インプラントを保持するように構成されたカートリッジと、
前記涙管インプラントとともに使用するための涙管インプラント挿入工具とを備え、前記挿入工具は、
近位端部、遠位端部、およびそれらの間の工具本体を備え、前記遠位端部は、
前記カートリッジを収容するための機械的結合部と、
前記カートリッジから前記涙管インプラントを投与するように構成されたプランジャとを備えるシステム。
【請求項35】
前記プランジャは、前記涙管インプラントのプランジャ収容表面の直径以上の直径を有する請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記涙管インプラントは、薬物溶出部分および前記物溶出部分の少なくとも一部分を囲むプラグ部分を備え、前記プランジャの直径は、前記プラグ部分の直径以上であり、前記プランジャは、前記涙管インプラントを投与するように前記プラグ部分と係合する請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記カートリッジは、前記挿入工具の前記遠位端部に関して回転可能である請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
前記挿入工具の前記近位端部は、挿入促進部分を備え、前記挿入促進部分は、前記薬物溶出部分および前記涙管インプラントの前記プラグ部分のうちの少なくとも一方の湾曲に実質的に類似している湾曲を有する請求項34に記載の挿入工具。
【請求項39】
涙管インプラントとともに使用するための涙管インプラント挿入工具であって、
近位端部、遠位端部、およびそれらの間の工具本体と、
前記遠位端部に配置されている鉗子とを備え、前記鉗子は、前記インプラントの外面上で前記涙管インプラントと係合するようなサイズを有し、前記挿入工具は、前記涙管インプラントがそのように係合されたときに前記鉗子の位置をロックするように構成されている涙管インプラント挿入工具。
【請求項40】
前記鉗子を開閉させるように前記鉗子とスライド式に係合するカラーを備える請求項39に記載の挿入工具。
【請求項41】
前記工具本体上に配置されているレバーを備え、前記レバーの操作により前記カラーはスライド式に鉗子と係合する請求項40に記載の挿入工具。
【請求項42】
前記鉗子のそれぞれのアームの端部は、前記鉗子アームに実質的に垂直な溝を備え、前記溝は、前記鉗子が閉じられたときに前記涙管インプラントの少なくとも一部分を収容するようなサイズを有する請求項39に記載の挿入工具。
【請求項43】
前記鉗子アームの少なくとも1つは、前記涙管インプラントの端部と係合し、前記鉗子に関して前記涙管インプラントの移動を阻止するためのストップを備える請求項42に記載の挿入工具。
【請求項44】
前記近位端部は、挿入促進部分を備える請求項39に記載の挿入工具。
【請求項45】
前記挿入工具の前記近位端部は、前記涙点から前記涙管インプラントを抜き取るように構成された第2の鉗子を備える請求項39に記載の挿入工具。
【請求項46】
前記鉗子は、前記工具本体から取外し可能である請求項39に記載の挿入工具。
【請求項47】
挿入工具を使用してインプラントを挿入する方法であって、
涙管インプラントをカートリッジ内に事前装填することと、
前記カートリッジから前記涙管インプラントを投与して、前記涙管インプラントを涙点内に挿入することとを含む方法。
【請求項48】
涙管インプラントをカートリッジ内に事前装填することは、前記涙管インプラントを解放可能な形で支持するように前記涙管インプラントの外面を係合することを含む請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記涙管インプラントを投与することは、前記プランジャを使って前記カートリッジから前記涙管インプラントを投与することを含む請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記涙管インプラントを前記プランジャと係合するために前記挿入工具上のリビング・ヒンジを操作することを含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
挿入工具を使用してインプラントを挿入する方法であって、
前記涙管インプラントの外面を鉗子と係合することと、
前記涙管インプラントの前記外面が係合されたときに鉗子位置をロックすることと、
涙点内に前記インプラントを送り込むこととを含む方法。
【請求項52】
前記鉗子を開閉するように前記鉗子のアームをカラーにスライド式に係合することを含む請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記鉗子のアームをカラーにスライド式に係合することは、レバーを操作して前記カラーを前記鉗子の前記アームにスライド式に係合させることを含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記鉗子が閉じられたときに鉗子アーム上の溝内に前記涙管インプラントを収容することを含み、前記溝は、前記鉗子アームに対し実質的に垂直であり、前記涙管インプラントを収容できるサイズである請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記涙管インプラントを前記涙点内に送り込むことは、前記涙管インプラントの端部を鉗子アーム上のストップに係合させて前記鉗子アームに関する前記涙管インプラントの移動を阻止することを含む請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記涙管インプラントの幾何学的形状に適合するように前記挿入工具の前記鉗子を変更することを含む請求項51に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2010−537776(P2010−537776A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524052(P2010−524052)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/010497
【国際公開番号】WO2009/035567
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(508291478)キューエルティー プラグ デリバリー,インク. (11)
【氏名又は名称原語表記】QLT PLUG DELIVERY,INC.