説明

液体の平均密度測定装置

【課題】 上下両側位置に液体の流れが発生していても、当該流れによる動圧の影響を軽減し、上下両側位置の液体の圧力差の計測のみで液体の平均密度を正確に測定すること。
【解決手段】 本発明の平均密度測定装置10は、封入水が内部に封入されるとともに、上側位置で開放する低圧開放部36が複数設けられた低圧側検出管28と、封入水が内部に封入されるとともに、下側位置で開放する高圧開放部41が複数設けられた高圧側検出管29と、低圧側検出管28及び高圧側検出管29の各封入水の圧力差を検出する差圧伝送器31とを備えている。低圧側検出管28及び高圧側検出管29は、各低圧開放部36,36、各高圧開放部41,41付近の水流の影響を相殺しながら封入水を差圧伝送器31に導くように、各低圧開放部36,36、各高圧開放部41,41から延びる管路33,38が差圧伝送器31の手前で合流する管路構成に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の平均密度測定装置に係り、更に詳しくは、液体中における鉛直方向の上下両側位置の圧力差を計測することで、前記液体の平均密度を求める液体の平均密度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダム、貯水池、河川等の中に存在する砂、石、ごみ等の浮遊物質の濃度を測定する浮遊物質混入濃度測定装置が既に提案されている(特許文献1参照)。当該浮遊物質混入濃度測定装置は、液体における鉛直方向の上下両側位置の圧力差を計測することで、物理的演算により、浮遊物質が混入した液体の平均密度を求め、当該平均密度から浮遊物質の濃度を求めるようになっている。この浮遊物質混入濃度測定装置は、液体中における上側位置に設置される低圧検知管と、上側位置から鉛直下方に一定距離を隔てた下側位置に設置される高圧検知管と、低圧検知管及び高圧検知管の内部にそれぞれ封入された封入液の圧力差を計測する差圧伝送器とを備えている。前記低圧検知管及び前記高圧検知管には、それぞれ複数の導圧孔が形成されており、上側位置及び下側位置の液圧により、各導圧孔を通して低圧検知管及び高圧検知管の封入液がそれぞれ押圧される。ここで、上側位置と下側位置とでは、液体の密度に応じた圧力差が生じることになるため、低圧検知管及び高圧検知管の各封入液が差圧伝送器に導かれ、当該差圧伝送器で上側位置及び下側位置の液体の圧力差を計測することにより、浮遊物質が混入した液体の平均密度が算出でき、当該平均密度に基づいて浮遊物質の濃度が求められる。ここで、前記浮遊物質混入濃度測定装置にあっては、前記導圧孔の近傍に整流板や整流筒が設けられており、これら整流板や整流筒により、脈流の発生した液体が整流化されて導圧孔の周囲を通過するようになっている。
【特許文献1】特開2002−236084号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記浮遊物質混入濃度測定装置にあっては、浮遊物質の測定対象となる液体に発生した脈流を整流化し、上下両側位置の液体の圧力差を測定するに過ぎず、液体の流れによる動圧の影響が考慮されていないため、当該動圧の影響によって混入濃度の測定値に誤差が生じてしまうという問題がある。つまり、上下両側位置で流れが生じた状態の液体が差圧伝送器に入力されると、当該差圧伝送器で測定された液体の圧力差は、液体の平均密度のみならず、液体の流速にも起因することから、当該流速を考慮しないと、求めた平均密度に誤差が生じることになる。特に、流速は、2乗のオーダで効いてくるため、差圧伝送器に導入される流速が僅かであっても、無視できない測定誤差が生じることになる。この点、前記浮遊物質混入濃度測定装置にあっては、その構造上、各導圧孔付近の液体の流れによる動圧が、そのまま差圧伝送器に伝達されてしまい、且つ、ダム、貯水池、河川等、液体の流れのある状況で用いられるから、求めた浮遊物質の濃度に測定誤差が発生することになる。そこで、このような場合に、浮遊物質の濃度を正確に測定するには、上側位置及び下側位置における液体の流速を計測する流速計が更に必要となり、前記圧力差の他に流速も考慮して演算しなければならず、装置構成や機能が大掛かり且つ複雑になってしまうという問題を招来する。
【0004】
本発明は、このような問題に着目して案出されたものであり、その目的は、上側位置及び下側位置に液体の流れが発生していても、当該流れによる動圧の影響を軽減し、上側位置及び下側位置の液体の圧力差の計測のみで液体の平均密度を正確に測定することができる液体の平均密度測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)前記目的を達成するため、本発明は、液体中における鉛直方向の上下両側位置の圧力差を計測することで、前記液体の平均密度を求める液体の平均密度測定装置において、
所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記上側位置で開放する低圧開放部が複数設けられた低圧側検出管と、所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記下側位置で開放する高圧開放部が複数設けられた高圧側検出管と、前記低圧側検出管及び前記高圧側検出管の各封入液の圧力差を検出する差圧検出手段とを備え、
前記低圧側検出管は、前記各低圧開放部付近の前記液体の流れの影響を相殺しながら前記封入液を前記差圧検出手段に導くように、前記各低圧開放部から延びる管路が前記差圧検出手段の手前で合流する管路構成に設けられ、
前記高圧側検出管は、前記各高圧開放部付近の前記液体の流れの影響を相殺しながら前記封入液を前記差圧検出手段に導くように、前記各高圧開放部から延びる管路が前記差圧検出手段の手前で合流する管路構成に設けられる、という構成を採っている。
【0006】
(2)また、本発明は、液体中における鉛直方向の上下両側位置の圧力差を計測することで、前記液体の平均密度を求める液体の平均密度測定装置において、
所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記上側位置で開放する低圧開放部が複数設けられた低圧側検出管と、所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記下側位置で開放する高圧開放部が複数設けられた高圧側検出管と、前記低圧側検出管及び前記高圧側検出管の各封入液の圧力差を検出する差圧検出手段とを備え、
前記低圧側検出管は、前記液体の流れ方向に対して横切る方向に延び、当該延出方向の両端側に前記低圧開放部が設けられた入力側管路と、当該入力側管路の延出方向ほぼ中央から前記差圧検出手段に向かって延びる出力側管路とを備え、
前記高圧側検出管は、前記液体の流れ方向に対して横切る方向に延び、当該延出方向の両端側に前記高圧開放部が設けられた入力側管路と、当該入力側管路の延出方向ほぼ中央から前記差圧検出手段に向かって延びる出力側管路とを備える、という構成を採っている。
【0007】
(3)以上において、前記低圧側検出管及び前記高圧側検出管は、途中部分の管径が他の部分よりも大きくなる、という構成を採ることが好ましい。
【0008】
(4)また、前記低圧開放部及び前記高圧開放部を、前記液体の流れ方向の下流側に開放するとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低圧側検出管では、各低圧開放部付近の液体の流れの影響が相殺されて差圧検出手段に導かれ、高圧側検出管では、各高圧開放部付近の液体の流れの影響が相殺されて差圧検出手段に導かれる。このため、上下両側位置における各開放部付近で流れが生じていても、差圧検出手段には、低圧側検出管及び高圧側検出管から流れの殆ど無い状態で伝達され、液体の平均密度の大きさのみに起因する上下両側位置の圧力差が得られることになる。従って、上下両側位置に液体の流れが発生していても、当該流れによる動圧の影響を軽減し、流速計の設置や流速を用いた演算が不要になり、装置構成を簡単にして、液体の平均密度を正確に測定することが可能になる。
【0010】
特に、前記(3)のように構成することで、ダンパー効果により、各開放部付近の液体の流れの影響を更に軽減しながら、上側位置及び下側位置の封入液を差圧検出手段に伝達することができるため、一層高い測定精度が得られる。
【0011】
また、前記(4)の構成によれば、各開放部が液体の流れに対向しないため、当該流れの影響をなお一層効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1には、本実施形態に係る液体の平均密度測定装置の概略斜視図が示され、図2には、図1のA−A線に沿う概略断面図が示されている。また、図3には、前記平均密度測定装置の要部の概略正面図が示されている。これらの図において、前記平均密度測定装置10は、ダム、貯水池、河川等の水の平均密度を求めた上で、当該水中に存在する砂、石、ごみ等の浮遊物質の濃度を測定する浮遊物質濃度測定装置として機能する。この平均密度測定装置10は、水中に設置されて液中の圧力データを取得する水中設置体11と、地上に設置されるとともに、水中設置体11からの圧力データに基づき浮遊物質の濃度を求める計測機器12とを備えて構成されている。なお、以下の説明において、水中設置体11の説明に用いる「上」、「下」、とは、特に明記しない限り、図1の姿勢における「上」、「下」を意味する。
【0014】
前記水中設置体11は、ほぼ円筒形状をなすカバー14と、カバー14の内部で上下方向に延びる支柱15と、支柱15に固定されるとともに、鉛直方向の上下位置の圧力差を取得するための検出ユニット17とを備えている。
【0015】
前記カバー14は、上端側に位置する平面視ほぼ円形の頂壁19と、頂壁19の周縁に沿って連なる周壁20と、周壁20の下端側に連なる底壁21とからなる。
【0016】
前記頂壁19及び底壁21には、カバー14の外側から内側に測定対象の水を導入するための導入穴23が形成されており、当該導入穴23は、特に限定されるものではないが、頂壁19及び底壁21それぞれについて、2個設けられ、各中央部分19A,21Aを挟んで対称配置されている。
【0017】
前記周壁20には、カバー14の内側から外側に測定対象の水を排出するための排出穴26が形成されており、この排出穴26は、周壁20の複数箇所に形成されている。
【0018】
前記支柱15は、特に限定されるものではないが、丸棒状に形成され、その一端側が頂壁19の中央部分19Aに固定される一方、その他端側が底壁21の中央部分21Aに固定されており、頂壁19と底壁21との間で上下方向に延びている。
【0019】
前記検出ユニット17は、図示省略したワイヤ等の固定手段で支柱15に移動不能に取り付けられている。この検出ユニット17は、図3に示されるように、上側に位置し、ほぼT字状をなす中空の低圧側検出管28と、低圧側検出管28と同様の形状をなし、当該低圧側検出管28と上下対称に配置された中空の高圧側検出管29と、これら低圧側検出管28と高圧側検出管29の間に配置された差圧検出手段としての差圧伝送器31とを備えている。
【0020】
前記低圧側検出管28及び前記高圧側検出管29の内部には、それぞれ水が予め封入されており、当該封入水(封入液)が、後述するように、差圧伝送器31に圧力伝達するようになる。なお、特に限定されるものではないが、これら検出管28,29内の封入水を外側から視認できるように、管壁を透明若しくは半透明にすることも可能である。
【0021】
前記低圧側検出管28は、図3中左右方向に延びる入力側管路としての水平管路33と、この水平管部33の同図中左右方向ほぼ中央から下方に延びて差圧伝送器31に繋がる出力側管路としての鉛直管路34とからなる。水平管路33の図3中左右両端側は、上側位置に開放する低圧開放部36となっている。
【0022】
前記高圧側検出管29は、図3中左右方向に延びる入力側管路としての水平管路38と、この水平管部38の同図中左右方向ほぼ中央から上方に延びて差圧伝送器31に繋がる出力側管路としての鉛直管路39とからなる。水平管路38の図3中左右両端側は、下側位置に開放する高圧開放部41となっている。
【0023】
前記差圧伝送器31は、低圧側検出管28の鉛直管路34から導かれた封入水の圧力と高圧側検出管29の鉛直管路39から導かれた封入水の圧力との差に対応して電気信号に変換可能な公知の機器が採用されており、その構造については、本発明の要旨ではないため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、差圧伝送器31からの電気信号は、電線によって地上の計測機器12に伝送されるが、本発明はこれに限定されず、無線等を使って計測機器12に伝送してもよい。
【0024】
次に、前記平均密度測定装置10の作用について説明する。
【0025】
低圧側検出管28及び高圧側検出管29のそれぞれの管内に水が封入された状態で、水中設置体11がダム、貯水池、河川等の水中に入れられ、所定の深さまで沈められる。すると、水中の流れによって、図2中に2点鎖線で模式的に示したように、水中設置体11の外側の水が、カバー14の上下両側の導入穴23からカバー14内に流入し、周壁20の排出穴26から水中設置体11の外側に流出する。ここで、低圧開放部36と高圧開放部41は、一定間隔Hで水中に配置されており、低圧開放部36が位置する部分は、水深の浅い方となる低圧側の上側位置であり、高圧開放部41が位置する部分は、水深の深い方となる高圧側の下側位置である。そして、低圧開放部36の付近の水圧により、当該低圧開放部36を通じて低圧側検出管28内の封入水が押圧され、当該封入水の圧力が差圧伝送器31に伝達される。ここで、水平管路33は、カバー14内の水流方向に対して横切る方向に延びるように配置されており、且つ、水平管路33の延出方向ほぼ中央で鉛直管路34が繋がっているため、水平管路33の延出方向両端側の低圧開放部36,36の付近から水流による動圧が作用しても、水平管路33の中央に向かって相互に反対方向に動圧が伝播し、当該動圧が鉛直管路34との接合部付近で相殺されることになる。従って、鉛直管路34から差圧伝送器31に伝達される封入水の圧力は、低圧開放部36の付近の動圧の影響がキャンセルされた状態となる。同様に、高圧開放部41では、その付近の水圧により高圧側検出管29内の封入水が押圧され、当該封入水の圧力が差圧伝送器31に伝達される。このときも、低圧側検出管28の場合と同様、高圧側検出管29は、高圧開放部41,41が対称配置されるとともに、各高圧開放部41,41付近の水流の影響を相殺しながら封入水を差圧伝送器31に導くように、前記各高圧開放部41,41から延びる水平管路38,38が差圧伝送器31の手前で合流する管路構成になっているため、鉛直管路39から差圧伝送器31に伝達される封入水の圧力は、高圧開放部41の付近の動圧の影響がキャンセルされた状態となる。
【0026】
次に、差圧伝送器31では、各鉛直管路34,39からの封入水の圧力差に基づいて電気信号が生成され、当該電気信号が計測機器12に送られる。計測機器12では、差圧伝送機31からの電気信号に基づき求めた低圧の上側位置と高圧の下側位置の圧力差ΔPから、以下の式(1)の関係により、砂、石、ごみ等の浮遊物質が混入した水の平均密度γが求められる。ここで、Hは、上側位置と下側位置の離間距離、つまり、低圧開放部36と高圧開放部41の直線距離であり、予め指定された一定値である。
【数1】

【0027】
ここで、水の平均密度γと浮遊物質の濃度αとは、次式(2)の関係があり、この関係を用いて、平均密度γから濃度αが求められる。
【数2】

【0028】
なお、上式(2)は、以下のように求められる。
【数3】

ここで、Vは、水の体積、Vは、浮遊物質の体積、ρは、水の密度、ρは、浮遊物質の密度である。
測定対象の液体が水であることから、水の密度ρを1とし、水の体積Vの方が浮遊物質の体積Vよりも圧倒的に大きく、当該体積VをVに対して無視するように近似すると、上式(3)、(4)は、以下のようになる。
【数4】

これら式(5)、(6)から上式(2)が得られる。
【0029】
従って、このような実施形態によれば、低圧側検出管28及び高圧側検出管29が、上下位置の付近の水の流れによる動圧の影響をキャンセルできる管路構成になっているため、低圧開放部36と高圧開放部41の付近の水の流速を計測しなくても、水の平均密度を正確に測定できるという効果を得る。
【0030】
なお、検出ユニット17の変形例として、前記実施形態に対し、図4に示されるように、水平管路33,38の形状を変えるとよい。つまり、ここでの水平管路33,38は、各開放部36,41が位置する端部領域よりも中央領域の管径を大きくした段付き管状となっている。この管路構成によれば、低圧開放部36及び高圧開放部41の付近の水流の影響で、各開放部36,41から封入水に動圧が作用したときに、中央領域のダンパー効果により、鉛直管路34,39への動圧や脈圧の影響を減衰させることができ、測定誤差要因をより排除することができる。
【0031】
ここで、図5に示されるように、低圧開放部36及び高圧開放部41を水流の下流方向に開放させるための屈曲部44を設けるとよい。これにより、各開放部36,41が水流に対向しない状態でセットされることになるため、各開放部36,41付近の流れの影響を更に低減することができる。
【0032】
また、前記実施形態の検出ユニット17に対し、図6に示されるように、各鉛直管路34,39の途中部分に接続されるバイパス管路46を設け、当該バイパス管路46の途中にバルブ47を設けた構成にしてもよい。この構成によれば、バルブ47を開放することにより、低圧側検出管28及び高圧側検出管29の封入水の圧力を同一(同レベル)にしてから上側位置と下側位置の圧力差を測定することができ、浮遊物質の濃度測定を簡単且つ正確に行うことができる。なお、この構造は、図4及び図5の検出ユニット17に対しても同様に適用することができる。
【0033】
更に、低圧側検出管28と高圧側検出管29は、水流の影響を相殺しながら封入水を差圧伝送器31に導くように、前記各開放部36,41から延びる管路33,38が差圧伝送器31の手前で合流する管路構成になっている限り、管の形状変更や各開放部36,41の数の増減等、種々の設計変更が可能である。また、差圧伝送器31を高圧側検出管29の下方に配置させてもよい。
【0034】
また、前述した各構造の水中設置体11は、浮遊物質の濃度測定用のみならず、他の液体の平均密度測定用としても採用可能である。
【0035】
更に、前記検出ユニット17は、支柱15に固定されてカバー14内に収容される前述の設置態様に限定されるものではなく、図示しないプレートやフレーム等の各種支持部材に取り付けられていれば何でも良く、また、ダム、貯水池、河川の壁部や橋桁等の固定物に直接取り付けても良い。
【0036】
また、低圧側検出管28及び高圧側検出管29の内部に封入される液体としては、前述した水の他、低圧の上側位置及び高圧の下側位置の圧力差を測定できる限り、種々の液体を採用することができる。
【0037】
更に、前記差圧検出手段としては、差圧伝送器31の他に、前述の圧力差を検出できる限りにおいて、種々の機器を採用することができる。
【0038】
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、部材の形状等、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る液体の平均密度測定装置の概略斜視図。
【図2】図1のA−A線に沿う概略断面図。
【図3】前記平均密度測定装置の要部の概略正面図。
【図4】変形例に係る検出ユニットの概略正面図。
【図5】図4の変形例に係る検出ユニットの概略正面図。
【図6】他の変形例に係る検出ユニットの概略正面図。
【符号の説明】
【0040】
10 平均密度測定装置
28 低圧側検出管
29 高圧側検出管
31 差圧伝送器(差圧検出手段)
33 水平管路(入力側管路)
34 鉛直管路(出力側管路)
36 低圧開放部
38 水平管路(入力側管路)
39 鉛直管路(出力側管路)
41 高圧開放部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中における鉛直方向の上下両側位置の圧力差を計測することで、前記液体の平均密度を求める液体の平均密度測定装置において、
所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記上側位置で開放する低圧開放部が複数設けられた低圧側検出管と、所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記下側位置で開放する高圧開放部が複数設けられた高圧側検出管と、前記低圧側検出管及び前記高圧側検出管の各封入液の圧力差を検出する差圧検出手段とを備え、
前記低圧側検出管は、前記各低圧開放部付近の前記液体の流れの影響を相殺しながら前記封入液を前記差圧検出手段に導くように、前記各低圧開放部から延びる管路が前記差圧検出手段の手前で合流する管路構成に設けられ、
前記高圧側検出管は、前記各高圧開放部付近の前記液体の流れの影響を相殺しながら前記封入液を前記差圧検出手段に導くように、前記各高圧開放部から延びる管路が前記差圧検出手段の手前で合流する管路構成に設けられていることを特徴とする液体の平均密度測定装置。
【請求項2】
液体中における鉛直方向の上下両側位置の圧力差を計測することで、前記液体の平均密度を求める液体の平均密度測定装置において、
所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記上側位置で開放する低圧開放部が複数設けられた低圧側検出管と、所定の封入液が内部に封入されるとともに、前記下側位置で開放する高圧開放部が複数設けられた高圧側検出管と、前記低圧側検出管及び前記高圧側検出管の各封入液の圧力差を検出する差圧検出手段とを備え、
前記低圧側検出管は、前記液体の流れ方向に対して横切る方向に延び、当該延出方向の両端側に前記低圧開放部が設けられた入力側管路と、当該入力側管路の延出方向ほぼ中央から前記差圧検出手段に向かって延びる出力側管路とを備え、
前記高圧側検出管は、前記液体の流れ方向に対して横切る方向に延び、当該延出方向の両端側に前記高圧開放部が設けられた入力側管路と、当該入力側管路の延出方向ほぼ中央から前記差圧検出手段に向かって延びる出力側管路とを備えたことを特徴とする液体の平均密度測定装置。
【請求項3】
前記低圧側検出管及び前記高圧側検出管は、途中部分の管径が他の部分よりも大きくなっていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体の平均密度測定装置。
【請求項4】
前記低圧開放部及び前記高圧開放部は、前記液体の流れ方向の下流側に開放することを特徴とする請求項1、2又は3記載の液体の平均密度測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−288204(P2009−288204A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143998(P2008−143998)
【出願日】平成20年6月1日(2008.6.1)
【出願人】(508164002)株式会社エス・エム・ディ技術研究所 (1)