説明

液体の輸送用および貯蔵用容器

【課題】内部容器の静電気の蓄積を消散させる。
【解決手段】内部容器、外殻、および下部フレームを有する、液体の輸送用および貯蔵用容器であって、下部フレームは、底部と、支持足29とを有し、底部は、周辺端部を外殻と支持足との間に設けられ、支持足は、外殻内に囲まれて底部上に配置された成形シートメタル部材35を備え、内部容器に最も近い成形シートメタル部材35の端部の接触導電部39は、容器接触部40を有するとともに、固定表面に最も近い端部に、立設接触部42を有し、接触導電部39は、支持足内に形成された収容空洞38の内側に延び、立設接触部42は、接地接触表面、および積み重ね接触表面49を持つ接触表面部材を有し、積み重ね接触表面49は、立設接触部42内に形成された接触表面オフセット部材50を介して、接地接触表面に接続されるとともに、接地接触表面上に容器の垂直軸の方向に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製の内部容器、特に金属格子またはシートメタルから成る外殻、およびリフティングトラック、シェルフ作業装置、または類似した輸送手段を用いて操作されるように構成されたパレット様に形成された下部フレームを有する、液体の輸送用および貯蔵用容器に関し、上記下部フレームは、内部容器を支持する底部と、非導電材料からなる支持足とを有し、上記底部は、周辺端部を外殻の底端部と支持足との間に設けられ、少なくとも1つの支持足は、外殻内に囲まれて底部上に配置された内部容器から電荷を消散させるための成形シートメタル部材を備え、内部容器に最も近い成形シートメタル部材の端部の接触導電部は、底部または外殻との導電接続のための容器接触部を有するとともに、固定表面に最も近い端部に、固定表面との導電接続のための立設接触部を有する液体の輸送用および貯蔵用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
導入部で述べたようなタイプの輸送用および貯蔵用容器を取り扱う場合、またはそのような容器が満たされ、空にされる場合、内部容器内に収容される液体は、内部容器の殻(shell)との相対的な動きが生じる。もし、内部容器に静電気の蓄積を消散させるための適切な装置が備えられていなければ、これらの相対的な動きは、内部容器内に電位を生じ得、それは次に容器の内容物に着火し得る危険性を引き起こす。この危険性を回避するために、導入部で述べたようなタイプの輸送用および貯蔵用容器は、プラスチック製の内部容器に形成された静電気の蓄積を内部容器の殻からスタートして容器の外郭、および容器のパレット様のアンダーフレームを介して、容器が載置される固定表面に消散させることを可能にする装置を備えている。特に、もし、固定表面に直接接触するパレット様のアンダーフレーム、または少なくともパレット様のアンダーフレームの支持足が、電気的に非導電性の材料、例えばプラスチックまたは木から形成されている場合には、やはり、パレット様のアンダーフレームに内部容器の静電気の蓄積の好ましい消散、すなわち内部容器の「アース」を可能にする特別な部材を作る必要がある。
【0003】
支持足が木から成るパレット様のアンダーフレームを備えた、導入部で述べたようなタイプの輸送用および貯蔵用容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。輸送用および貯蔵用容器の外郭と固定表面との間の導電接続を形成するために、静電気の蓄積の好ましい消散を可能にする支持足の外側に沿った金属帯を設けることが提案される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1481918号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
支持足の外側への金属帯の装着は、それが外にさらされた位置にあることを意味し、金属帯が損傷し、または脱落もする危険性があり、特に、固定表面上に密接して配置された輸送用および貯蔵用容器の相対的な移動の場合に、金属帯による意図された静電気の消散は、もはや保証されない。さらに、支持足に金属帯を取り付けることは、追加の機械的固定手段の使用を必要とする。
【0006】
本発明の根底にある目的は、したがって、アンダーフレームの領域で、特に内部容器に対する液体の相対的な動きによって形成された内部容器の静電気の蓄積を消散させるための装置を備え、その装置は作動が確実で特に外部の機械的影響から守られる輸送用および貯蔵用容器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の輸送用および貯蔵用容器は、請求項1の特徴を有している。
【0008】
本発明によれば、成形シートメタル部材の接触導電部は、支持足中に形成された収容空洞の内側に延び、立設接触部は、接地接触表面、および積み重ね接触表面を持つ接触表面部材を有し、積み重ね接触表面は、立設接触部内に形成された接触表面オフセット部材を介して、接地接触表面に接続されるとともに、接地接触表面上に容器の垂直軸の方向に配置されている。
【0009】
成形シートメタル部材の接触導電部の内部配置により、問題の支持足内の収容空洞中に、成形シートメタル部材または接触導電部が、外部の機械的影響から遮蔽される位置に配置され、よって、特に、もし、いくつかの輸送用および貯蔵用容器がすぐ近くに位置しても、成形シートメタル部材が近くの輸送用および貯蔵用容器のパレット様のアンダーフレーム上のスナッギング(snagging)によって損傷を受けるのを防止することが可能になる。
【0010】
しかも、本発明的設計によれば、立設接触部は、接触表面部材を備え、1つの容器が固定表面に確実に接地されるのを可能にするだけでなく、複数の輸送用および貯蔵用容器の上下に積み重ねられた配置についても、確実な接地接触を保証する。前者の場合には、接地接触は、接地接触表面と固定表面との間で確立される。後者の場合には、導電接触は、積み重ねられた構成の他の輸送用および貯蔵用容器の上に配置された輸送用および貯蔵用容器の成形シートメタル部材の間で、接地接触表面の近くに配置された積み重ね接触表面を介して確立される。なぜなら、積み重ね接触表面は、接地接触表面と比べて、その位置のために、その下方に配置された他の輸送用および貯蔵用容器の外郭の上端と直接接触するからである。このようにして、接地接触表面と積み重ね接触表面との間の接触表面オフセットは、輸送用および貯蔵用容器が確実に互いに相対的に適切な位置に保持されるのを確実にするのを助ける。
【0011】
もし、好ましい実施例において、固定表面に最も近い支持足の端部は、対応して形成された立設接触部を留めるための支持表面部材を有している。立設接触部は補強され得るので、立設接触部中に形成される接触表面オフセット部材の寸法の安定性を損なうことなく、成形シートメタル部材、または立設接触部のために、非常に薄いシートメタルの帯(strips)が選択され得る。
【0012】
もし、容器接触部が、成形シートメタル部材を支持足に固定する固定部材として構成され、成形シートメタル部材を支持足に固定する追加の機械的固定手段を省くことができれば、特に有利である。
【0013】
好ましい実施例では、容器接触部は、可撓性を有する舌部として構成され、支持ベースに形成された固定スロットを通され、可撓性を有する舌部が支持ベースと底部との間に保持されるように、支持ベースに向けて曲げられている。もし、容器接触部が可撓性を有する舌部として設計されれば、容器接触部は、同時に固定手段としての第2の機能を果たし得る。さらに、可撓性を有する舌部の配置は、特に有利に選択され、それは、底部と支持ベースとの間に位置され、可撓性を有する舌部の意図しない曲げや、関連した、成形シートメタル部材と支持足との間の接続を損なう危険性から可撓性を有する舌部を守る。
【0014】
もし、好ましい実施例によれば、成形シートメタル部材は本質的にL型を有し、立設接触部は、接触導電部に垂直に延び、容器接触部は、立設接触部と反対側の接触導電部の接合部端部の延長として構成され、特に簡潔なオプションは、成形シートメタル部材を支持足内に設けるために形成され、そこにおいて、成形シートメタル部材は、接触導電部の接合部端部が、サポートベースに至るまで、収容空洞に下方から挿入され、よって、成形シートメタル部材の正しい位置が規定される。
【0015】
成形シートメタル部材の立設接触部のための機械的に確実な支持のためには、もし、立設接触部が収容空洞の空洞壁の前端部上に指示されると、特に有利なことが証明された。
【0016】
特に、支持足内における成形シートメタル部材の相対的な動きを防ぐ正確な位置決めは、もし、立設接触部が、その接触導電部に接続される端部、およびその接続端部と反対側の自由外端部に、収容空洞内の立設接触部の位置を固定するために保持装置を備えることにより可能になる。
【0017】
特に簡潔で、また作動上確実な保持装置の構成は、もし、接続端部に配置される保持装置が、接触導電部の長手方向に沿った端部に結合し、収容空洞の壁とポジティブおよびノンポジティブな(positive and non-positive)固定接続を形成するディテント装置として構成されることにより達成される。
【0018】
自由外端部に配置される固定装置の対応した確実な位置決め、および簡潔な構成は、もし、それらが接触導電部の長手方向に沿った端部に平行に延びた自由外端上の材料の延長として構成されたクリートの形式を有すれば達成される。
【0019】
現実に頻繁に起こる輸送用および貯蔵用容器の地面に沿った、または積み重ねられた構成における下方の容器の外殻の上端部上のシフトに起因する立設接触部の好ましくない変形は、もし、立設接触部が、立設接触部の接続端部と、自由外端との間に延びる横エッジ上にフィンを備え、上記フィンは、固定表面、および積み重ね接触表面に面して位置し、容器接触部に向けて傾いていることにより防止し得る。
【0020】
もし、立設接触部の接続端部が、支持フランジを備え、そのそれぞれが接触導電部の長手方向に沿った端部に平行に延び、それらが、収容空洞の壁に固定されるように切り込みによって分離され、立設接触表面の横エッジを留めるために、支持ベースの下面と同じ高さに置かれ、支持足の収容空洞の断面を越えて延びる立設接触部の変形に抗する構成が可能になる。
【0021】
以下、好ましい実施例が図面を参照して詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】積み重ねられた状態の2つの液体の輸送用および貯蔵用容器である。
【図2】図1に示された積み重ねられた状態の輸送用および貯蔵用容器のII矢視の詳細であり、接地プレートとしての、スキッドパレットの外スキッドの中央支持足内に挿入された成形シートメタル部材の表示である。
【図3】図2に示された支持足内に挿入される成形シートメタル部材の斜視図である。
【図4】他の成形シートメタル部材の他の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は一方が他方の上に積み重ねられた2つの輸送用および貯蔵用容器10,11を示し、それぞれ、その内部容器12を機械的ストレスから保護するケーシング構造13の内側に配置されたプラスチック製の内部容器12を含む。ケーシング構造13は、本実施形態では、かご構造を形成するために互いに交差した複数の水平バー15および垂直バー16から成る外殻14を有している。
【0024】
外殻14の底端部17は、本実施形態では水平バー15の底バーとして構成され、底部18上に載置され、ここではスキッドパレット19として示される下部フレームを有している。
【0025】
本実施形態では、スキッドパレット19は、2本の外スキッド24,25および1本の中央スキッド26の、互いに平行に配置された3本のスキッドを有し、これらは、左外スキッド24と中央スキッド26、および中央スキッド26と右外スキッド25との間にスペースE,Eが形成されるように互いに距離を開けてセットされ、これらの中に、ここでは図示しないフォークリフトトラックのフォークが、輸送用および貯蔵用容器10,11を輸送するために導入され得る。
【0026】
スキッドパレット19は、それぞれの外スキッド24,25上に2本の角足27,28、および1本の中央足29を備え、中央スキッド26は、その後端部に1本の中央足29(図1には不図示)だけを有し、それは、外スキッド24,25の2つの後角足28のレベルに位置されている。中央スキッド26の前端部で、底部18は、その底部18にもたらされるべき支持を可能にする底凹部30を有している。底部18の中央部を支持するためには、外スキッド24,25の中央支持足29は、底部18を補強するボトムクロスメンバ80(図2)を介して互いに連結されている。
【0027】
スキッドパレット19上の外殻14の内部に配置されたプラスチック製の内部容器12は、それぞれ閉塞可能注入開口31、および内部容器12の底凹部30の領域に位置する排出継手32を備え、内部容器12は液体で満たされ得、その液体は、必要に応じて排出継手32のバルブ装置33を操作することによって内部容器12から再度排出され得る。
【0028】
特に、輸送用および貯蔵用容器10,11が、爆発性成分を含み、または液体容器内で容易に着火しやすいガスとなる液体の輸送または貯蔵に用いられる場合には、内部容器12が満たされ、または空にされる場合に、液体と内部容器12の殻との間の摩擦によって内部容器12に静電気が蓄積され得、次に、その液体または液体から生じたガスの着火を引き起こし得る危険性がある。そこで、内部容器12の殻への静電気の蓄積を防ぐために、内部容器12の殻の静電気を輸送用および貯蔵用容器10の固定表面34(standing surface)に消散させる手段が提供される。この目的のため、図1に示される輸送用および貯蔵用容器10,11には、内部容器12の殻と、それぞれの外殻14との間の導電接続を可能にする不図示の導電手段が設けられる。さらに、導電接続は、外殻14の底端部17と導電性の底部18との接触によって形成される。
【0029】
静電気を消散させる付加的な手段を提供するために、図1に示される実施例では、図2に示される成形シートメタル部材35が、少なくとも1本の外スキッド24,25の中央支持足29上に設けられている。下方の輸送用および貯蔵用容器10の成形シートメタル部材35は、底部18と固定表面34との間の導電接続を可能にし、積み重ねられた状態の上方の輸送用および貯蔵用容器11の成形シートメタル部材35は、上方の輸送用および貯蔵用容器11の底部18と下方の輸送用および貯蔵用容器10の外殻14との間の導電接続を可能にする。
【0030】
図2は、図1中のII矢視における、上方の輸送用および貯蔵用容器11のスキッドパレット19上の中央支持足29の部分の詳細な拡大を示す。中央支持足29は、複数の空洞に分割され、1つの収容空洞38が成形シートメタル部材35を収容するのに用いられる内部構造36を有している。
【0031】
成形シートメタル部材35の形状を説明するために、まず、単独で成形シートメタル部材35を示す図3を参照する。これによれば、成形シートメタル部材35は接触導電部39を有し、それは、本質的にまっすぐな帯状の形状で、その先端に接触導電部39の接合部端部41に舌状の延長部として構成された容器接触部40が備えられている。接触導電部39における接合部端部41と他端側には、接触導電部39に横に連続し、本例では相対的に90°の角度をなし、よって、成形シートメタル部材35は本質的にL型である立設接触部42(standing contact section)が設けられている。
【0032】
接触導電部39から立設接触部42への移行部に形成された接続端部43の領域において、接触導電部39の端部には、それぞれディテント装置46を有する接触導電フィン44,45が備えられている。
【0033】
立設接触表面42は、積み重ね接触表面49、および上記積み重ね接触表面49から接触表面オフセット部材50によって分離された接地接触表面51を持つ接触表面部材48を有している。接触表面オフセット部材50の反対側の外端52には、クリート53,54が形成され、それぞれ、本例では接触導電部39上のディテント装置46と同じ構成のディテント装置55が設けられている。クリート53,54は、接触導電部39から立設接触部42によって分離され、本質的に接触導電部39の接触導電フィン44,45と平行に延びている。
【0034】
接続端部43と立設接触部42の外端52の間に延びる横エッジ(transverse edge)57,58上には、フィン59が形成され、これらのフィン59は、積み重ね接触表面49または接地接触表面51とは反対側の容器接触部40に向けて傾いている。
【0035】
図2に示すように、中央支持足29内に取り付けられる成形シートメタル部材35は、その接触導電部39によって中央支持足29の収容空洞38内に固定され、その空洞の下端は挿入開口63を有し、その上端は支持足29の支持ベース64によって閉じられている。成形シートメタル部材35を収容空洞38に組み込むために、成形シートメタル部材35は、底部18が、その下面65を支持足29の支持ベース64に向けて組み付けられる前に、収容空洞38内に下方から挿入開口63を通して挿入される。そのようにして、容器接触部40は、接合部端部41(図3)が支持ベース64の下面と同じ高さになる(lies flush against)まで、支持ベース64内の固定スロット66内に挿入される。同時に、接触導電フィン44,45上の接続端部43(図3)の領域に形成されたディテント装置46、およびクリート53,54上に形成されたディテント装置55が、近接する空洞壁67,68の変形抵抗に抗して収容空洞38中に押し込まれ、ディテント装置46,55は空洞壁67,68との結合(engagement connection)を形成する。空洞壁67,68の前端部70近くの挿入開口63は、立設接触部42のZ型の断面にほぼ一致する輪郭を有しているので、収容空洞38は、空洞壁67,68と共に、立設接触部42を留めるための支持表面部材を形成する。
【0036】
図2が、また示すように、接触表面オフセット部材50は、接地接触表面51に対する積み重ね接触表面49の容器垂直軸71の方向の垂直オフセット、および接地接触表面51に対する積み重ね接触表面49の水平オフセットの双方を可能にし、その結果、水平バー15によって形成される、図1に示される下方の輸送用および貯蔵用容器10の上端部20は、容器が積み重ねられた状態のときに、垂直方向および水平方向の双方に規定されるようにして、立設接触部42に対して同一平面になる。
【0037】
この場合には、積み重ね接触表面49は、垂直方向の電気的接触が確実であることを保証し、接触表面オフセット部材50は、図1において積み重ねられた状態が示される上方の輸送用および貯蔵用容器11が、下方の輸送用および貯蔵用容器10の上部上に水平方向に固定されることを保証し、これによって、電気的接触の信頼性だけではく、積み重ね配置の安定性も保証される。
【0038】
図2が、また示すように、図1と共に考慮した場合に、成形シートメタル部材35の接地接触表面51は、輸送用および貯蔵用容器11が固定表面34の上に置かれたときに、成形シートメタル部材35と固定表面34との間の直接接触を可能にする。ここに示される実施例では、立設接触部42の横エッジ57,58は、接地接触表面51の領域でわずかに曲がるため、接地接触表面51は、わずかに丸みを帯び、そこで、輸送用および貯蔵用容器10または11を固定表面34または上端部20上で、それぞれシフトすることも、また、可能となる。ここに示される実施例では、立設接触部42の横エッジ57,58は、固定表面34または上端部20によって規定される補助表面(subsurface)上のこれ以上の実質的な不均一(unevennesses)を補償するために、リップ59,60を備えている。
【0039】
成形シートメタル部材35の立設接触部42は、横エッジ57,58に近接した追加の支持タブ74,75を備えている。これらのタブは、接触導電部39に並行に延び、それぞれ切り込み77,78によって分離されている。支持タブ74,75の自由端は、補強端部79を有し、それは支持ベース64の下面に対して同一平面の接触を形成する。
【0040】
導入部において説明されたように、成形シートメタル部材35は、底部18が、その下面65を支持足29の支持ベース64に対して組み付けられる前に、収容空洞38に挿入される。成形シートメタル部材35が収容空洞38に挿入され、接触導電部39の接合部端部41が支持ベース64の下面と同じ高さになった後、タブ形状の容器接触部40は、支持ベース64に向けて折り曲げられ、それによって、ディテント装置46,55に加えて、成形シートメタル部材35と支持足29との間の追加の機械的な接続が形成される。そこで、下面65を有する底部18と、その下面65の上に配置されるベースクロスピース80とは、支持ベース64にボルト締めされ、容器接触部40は、支持ベース64と、底部18との間に固定され、支持ベース64に向けて曲げられた状態でロックされる。
【0041】
成形シートメタル部材35が支持足29内に組み付けられたときに、切り込み77,78は、空洞壁67,68を収容するように作用し、切り込み77,78に近接する支持タブ74,75は、立設接触部42が空洞壁67,68の間の距離よりも大きな幅bを有する場合でも立設接触部42が確実に留められることを可能にする。
【0042】
図4は、成形シートメタル部材72の他の実施例を示す。これは、成形シートメタル部材35と異なり、その幅bが空洞壁67,68に適合する立ち上がり接触部73を有し、成形シートメタル部材35と異なり、信頼性のある留め(reliable bracing)を確実にするために追加の支持タブを必要としない。他の点では、成形シートメタル部材72の構成は、本質的に成形シートメタル部材35のそれと一致し、立ち上がり接触部73と反対側の端部に容器接触部40が備えられた接触導電部39を有している。
【符号の説明】
【0043】
10 輸送用および貯蔵用容器
11 輸送用および貯蔵用容器
12 内部容器
13 ケーシング構造
14 外殻
15 水平バー
16 垂直バー
17 底端部
18 底部
19 スキッドパレット
20 上端部
24 左外スキッド
25 右外スキッド
26 中央スキッド
27,28,29 支持足
30 底凹部
31 閉塞可能注入開口
32 排出継手
33 バルブ装置
34 固定表面
35 成形シートメタル部材
36 内部構造
38 収容空洞
39 接触導電部
40 容器接触部
41 接合部端部
42 立設接触部
43 接続端部
44,45 接触導電フィン
46 ディテント装置
48 接触表面部材
49 積み重ね接触表面
50 接触表面オフセット部材
51 接地接触表面
52 外端
53,54 クリート
55 ディテント装置
57,58 横エッジ
59 フィン
60 リップ
63 挿入開口
64 支持ベース
65 下面
66 固定スロット
67,68 空洞壁
70 前端部
71 容器垂直軸
72 成形シートメタル部材
73 立ち上がり接触部
74,75 支持タブ
77,78 切り込み
79 補強端部
80 ベースクロスピース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製の内部容器(12)、
特に金属格子またはシートメタルから成る外殻(14)、および
リフティングトラック、シェルフ作業装置、または類似した輸送手段を用いて操作されるように構成されたパレット様に形成された下部フレームを有する、液体の輸送用および貯蔵用容器(10,11)であって、
上記下部フレームは、内部容器(12)を支持する底部(18)と、非導電材料から成る支持足(27,28,29)とを有し、
上記底部(18)は、周辺端部を外殻(14)の底端部(17)と支持足との間に設けられ、
少なくとも1つの支持足は、外殻(14)内に囲まれて底部(18)上に配置された内部容器(12)から電荷を消散させるための成形シートメタル部材(35,72)を備え、
内部容器(12)に最も近い成形シートメタル部材(35,72)の端部の接触導電部(39)は、底部(18)または外殻(14)との導電接続のための容器接触部(40)を有するとともに、固定表面(34)に最も近い端部に、固定表面(34)との導電接続のための立設接触部(42,73)を有し、
成形シートメタル部材(35,72)の接触導電部(39)は、支持足内に形成された収容空洞(38)の内側に延び、
立設接触部(42,73)は、接地接触表面(51)、および積み重ね接触表面(49)を持つ接触表面部材(48)を有し、
積み重ね接触表面(49)は、立設接触部(42,73)内に形成された接触表面オフセット部材(50)を介して、接地接触表面(51)に接続されるとともに、接地接触表面(51)上に容器の垂直軸の方向に配置されていることを特徴とする液体の輸送用および貯蔵用容器(10,11)。
【請求項2】
請求項1の容器であって、
固定表面(34)に最も近い支持足(29)の端部は、立設接触部(42,73)を留めるために接触表面オフセット部材(50)に対応するように形成された支持表面部材を有することを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1および請求項2のうち何れか1項の容器であって、
容器接触部(40)は、成形シートメタル部材(35,72)を支持足(29)に固定するための固定手段として構成されていることを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項3の容器であって、
容器接触部(40)は、支持足(29)の支持ベース(64)に形成された固定スロット(66)を通され、容器接触部(40)が支持ベース(64)と底部(18)との間に確実に保持されるように支持ベース(64)に向けて曲げられた、可撓性を有する舌部として構成されていることを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうち何れか1項の容器であって、
成形シートメタル部材(35,72)は、本質的にL型を有し、立設接触部(42,73)は、成形シートメタル部材(35,72)の接触導電部(39)に対してある角度をなして延び、容器接触部(40)は、立設接触部(42,73)と反対側の接触導電部(39)の接合部端部(41)の延長として構成されていることを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項5の容器であって、
立設接触部(42,73)は、収容空洞(38)の空洞壁(67,68)の前端部(70)に留められていることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項6の容器であって、
接触導電部(39)を伴う立設接触部(42,73)の接続端部(43)、および、その、接続端部(43)と反対側の自由な外端(52)は、収容空洞(38)の中で立設接触部(42,73)の位置を固定するための固定装置を有していることを特徴とする容器。
【請求項8】
請求項7の容器であって、
接続端部(43)に配置された固定装置は、接触導電部(39)の長手方向に沿った端部に配置されたディテント装置として構成され、収容空洞(38)の空洞壁(67,68)とのポジティブおよびノンポジティブな固定接続を形成していることを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項7の容器であって、
外端(52)に配置された固定装置は、外端(52)における材料の延長として構成され、接触導電部(39)の長手方向の端部に平行に延びるクリート(53,54)として構成されていることを特徴とする容器。
【請求項10】
請求項1から請求項4のうち何れか1項の容器であって、
立設接触部(42,73)は、接続端部(43)と外端(52)との間で延びる横エッジ(57,58)上にフィン(59,69)を有し、
上記フィン(59,69)は、接地接触表面(51)、および積み重ね接触表面(49)の接触平面とは反対側の容器接触部(40)に向けて傾いていることを特徴とする容器。
【請求項11】
請求項10の容器であって、
立設接触表面(42)の接続端部(43)は、支持フランジ(74,75)を有し、
それぞれは、接触導電部(39)の長手方向の端部に平行に延び、
収容空洞(38)の空洞壁(67,68)を固定するための切り込み(77,78)によって分離され、
補強端部(79)が、立設接触表面(42)の横エッジ(57,58)を留めるために、支持ベース(64)の下面と同じ高さに置かれていることを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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