液体ろ過用のフィルタ・カートリッジ
【課題】カートリッジの1つ以上のエンド・キャップに好ましい軸方向荷重状態を与えるシール構造を有する液体フィルタ・カートリッジの提供。
【解決手段】対向する第1および第2エンド・キャップ77、78を有し、第1エンド・キャップは中央開口を有し、両エンド・キャップ間にはプリーツ付きフィルタ媒体75aを有し、フィルタ媒体の伸長部分は中央開口部空間を有し、液体フィルタ・カートリッジ55は、中央開口の直径よりも大きいシール直径(DsA)を提供する第1エンド・キャップ上の位置に第1シール構造82を配置し、DsAは、0.85〜1.15DbA以下の範囲内である(DbAは、使用中に第1エンド・キャップ上において第2エンド・キャップに向かう方向、あるいは第2エンド・キャップから離れる方向の正味の軸方向への表面力が生じない直径)、液体フィルタ・カートリッジ。
【解決手段】対向する第1および第2エンド・キャップ77、78を有し、第1エンド・キャップは中央開口を有し、両エンド・キャップ間にはプリーツ付きフィルタ媒体75aを有し、フィルタ媒体の伸長部分は中央開口部空間を有し、液体フィルタ・カートリッジ55は、中央開口の直径よりも大きいシール直径(DsA)を提供する第1エンド・キャップ上の位置に第1シール構造82を配置し、DsAは、0.85〜1.15DbA以下の範囲内である(DbAは、使用中に第1エンド・キャップ上において第2エンド・キャップに向かう方向、あるいは第2エンド・キャップから離れる方向の正味の軸方向への表面力が生じない直径)、液体フィルタ・カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体フィルタに関する。本発明は、特に、好ましいシール構造を有する修理可能なフィルタ・カートリッジを利用する液体フィルタに関し、いくつかの場合には、軸方向の荷重を支持するライナを有さない液体フィルタに関する。液体フィルタは、さまざまな応用例に使用することができる。アセンブリと準備および使用の方法とを提供する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願に2004年4月13日出願の米国仮出願第60/562,045号の記載が含まれる。2004年4月13日出願の米国仮出願第60/562,045号の記載全体が、参照によって本明細書に合体される。また、2004年4月13日出願の米国仮出願第60/562,045号に対する優先権の主張が、適切な範囲まで行われる。
【0003】
液体フィルタは、さまざまな応用例に使用され、たとえば、潤滑油、燃料、または作動油のろ過に使用される。使用中において、ろ過される液体はろ過がなされるとフィルタ媒体を通過する。周知の構成は、中央の清浄な液体体積を囲む円筒としてフィルタ媒体を位置決めすることであり、ろ過の流れは、フィルタ媒体を通る外側から内側への流れ(out−to−in flow)を伴って発生する。他の構成では、ろ過の流れは、カートリッジの内側から外側への流れ(in−to−out flow)である。
【0004】
多くの例で、フィルタ媒体は、第1および第2の対向するエンド・キャップの間に広がる範囲内のフィルタ・カートリッジの形態で提供される。通常、この構成には、ライナも設けられる。外側から内側への流れの場合に、インナ・ライナは、(a)通常使用中の半径方向圧力に起因する圧壊または損傷に対するフィルタ媒体の半径方向支持と、(b)カートリッジの圧壊または損傷に対する軸方向支持との両方を提供する。そのような構成を利用するフィルタ・カートリッジの例が、たとえば、2002年9月12日に公開された国際公開第02/070869号に記載されており(図1および図2)、国際公開第02/070869号の記載全体が、参照によって本明細書に合体される。
【0005】
内側から外側への流れでは、アウタ・ライナを使用して、フィルタ媒体の半径方向の支持および軸方向の支持を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第02/070869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くのアセンブリで、フィルタ・カートリッジは、取外し可能かつ交換可能(すなわち修理可能(serviceable))構成要素として構成され、たとえば、国際公開第02/070869号の図1および図2を参照されたい。修理・カートリッジの構成で所望のオプションを可能にする液体フィルタ設計を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、液体フィルタ・カートリッジが提供される。液体フィルタ・カートリッジは、全体的に、第1および第2の対向するエンド・キャップを有し、フィルタ媒体がその間に延びる。フィルタ媒体は、開いた中央体積を定めるように構成され、この開いた中央体積は、使用中に、液体を受ける内部体積を定める。少なくとも1つのエンド・キャップは、開いたエンド・キャップである、すなわち、内部体積との流体流れの連絡をもたらす開口を有する。いくつかの応用例では、両方のエンド・キャップは、開いたエンド・キャップである。いくつかの実施形態では、液体フィルタ・カートリッジは、ろ過中の外側から内側への流れのために構成されるが、代替案(内側から外側への流れ)が可能である。
【0009】
好ましいシール構造が、1つ以上のエンド・キャップに関して提供される。好ましい応用例では、使用中においてエンド・キャップの1つ以上へ正味の表面軸方向の力が有利となるように選択された位置にシールが設けられる。いくつかの応用例で、好ましいレベルの表面軸方向の力のバランスをもたらすために、シール構造が各エンド・キャップに関して設けられる。
【0010】
例示例のアセンブリを提供する。さらに、設計、組立、および使用方法を説明する。また、フィルタ・カートリッジ全体でのエンド・キャップの1つまたはそれぞれに作用する正味の軸方向の表面力を推定する技術を提供する。また、いくつかの好ましいシール構造を説明し図示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】普通のフィルタ・カートリッジを示す概略側面断面図である。
【図2】図1に示されたフィルタ・カートリッジの一部を示す概略上面図である。
【図3】本開示によるフィルタ・アセンブリの第1実施形態を示す概略上部側面透視図である。
【図4】図3に示されたアセンブリを示す。概略側面断面図である。
【図5】図4の第1部分を示す概略の断片的な拡大図である。
【図6】フィルタ・カートリッジ・エンド・キャップの一部を示す概略図である。
【図7】図6に類似する概略図である。
【図8】図6に類似する概略図である。
【図9】代替実施形態を示す断面図である。
【図10】図11で使用される用語を定義するのに使用することのできる概略図である。
【図11】複数の異なるシステムに関する、プリーツ数と好ましいシール位置との間の関係を示すグラフである。
【図12】例のフィルタ・カートリッジを示す断面図である。
【図13】ハウジング内の図12のフィルタ・カートリッジを示す、アセンブリを示す断面図である。
【図14】定義されるシステムのDiとDoとの間の関係を示すグラフである。
【図15】図示のように、他の変数が固定された時の、パラメータの計算値を示す表である。
【図16】もう1つの代替実施形態を示す側面断面図である。
【図17】もう1つの代替実施形態を示す側面断面図である。
【図18】、
【図19】、
【図20】、
【図21】、
【図22】、
【図23】、
【図24】、
【図25】、
【図26】本明細書の説明と一致する、プリーツ・カートリッジ定義および計算された定義を示すプロットである。
【図27】図18〜26からの、選択されたデータのインナ・プリーツ直径(Di)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図28】図18〜26の表のデータの選択された点の外径(Do)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図29】図18〜26からの、選択されたデータのインナ・プリーツ直径(Di)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図30】図18〜26の表のデータの選択された点の外径(Do)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図31】図18〜26からの、選択されたデータのインナ・プリーツ直径(Di)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図32】図18〜26の表のデータの選択された点の外径(Do)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般に、本発明は、液体フィルタ・カートリッジおよびシステムの構成に関する。ある応用例において、フィルタ・カートリッジの構成要素は、動作中の有利なフィルタ・カートリッジの完全性を可能にする形で提供される。いくつかの例で、フィルタ・カートリッジを用いて修理可能な技術が、フィルタ・カートリッジ内で適用され、これは、フィルタ・カートリッジが、使用中にフィルタ・アセンブリから取り外され、フィルタ・アセンブリ内で交換されることを意味する。他の例では、フィルタ・カートリッジが、フィルタ・アセンブリ内で保守され、ハウジング構成要素と独立にではなく、ハウジング構成要素と共に取り替えられる。
【0013】
本明細書で開示するのは、そのような結果を達成するために有利に適用することができる全般的な構成および特徴である。さらに、類似する所望の結果を達成するためにさまざまな応用例に適用できる、示されるさまざまな機械的構成の好ましい適用から達成される利点の基礎になる理論的原理の提示を行う。
【0014】
一般に、修理可能フィルタ・カートリッジは、通常動作中にハウジングから取り外され、ハウジング内で交換されるフィルタ・カートリッジである。液体フィルタ・カートリッジは、一般に、液体をろ過するためのフィルタ・カートリッジである。通常の液体フィルタ・カートリッジには、対向するエンド・キャップの間に延びるフィルタ媒体の円筒形の伸長部分が含まれる。エンド・キャップのうちの少なくとも1つは、一般に、開いたエンド・キャップであり、ろ過される液体のそれを通る流れを可能にする。いくつかの例で、両方のエンド・キャップが、開いたエンド・キャップである。
【0015】
そのようなカートリッジ内のフィルタ媒体は、通常はプリーツ付きである。実際に、本明細書で説明する技術は、プリーツ付きフィルタ媒体を用いる構成に特に適するが、プリーツ付きフィルタ媒体は、すべての例で必要なわけではない。さらに、いくつかの例で、はフィルタ媒体パックは、プリーツ付きフィルタ媒体と、他のタイプのフィルタ媒体とを含むことができる。
【0016】
I.軸方向の力に対して構造的な完全性に対する液体フィルタ・カートリッジの全般的な特徴
図1および図2とともに、カートリッジ・フィルタの単純化されたモデルが、本発明に密接な関連がある正味の軸方向の力の原理の理解を容易にするために、示されている。特に、図1の符号1は、フィルタ・カートリッジを示す。一般に、フィルタ・カートリッジ1は、フィルタ媒体3、たとえば、中心軸4の周囲で円筒形パターンまたは星状パターンに構成されたプリーツ付きフィルタ媒体3a、を含む。フィルタ媒体3は、対向するエンド・キャップ5および6の間に延びる。エンド・キャップ5は、内部9から外への液体の流れのための中央開口8を定める開いたエンド・キャップ5aである。エンド・キャップ6は、閉じたエンド・キャップ6aであり、すなわち、それを通る中央開口を有しない。本明細書では、フィルタ媒体によって囲まれた内側体積に開いているエンド・キャップ開口は、一般に、内側体積との直接の流体流れの連絡を有する開口として特徴付けされる。用語「直接の流体流れの連結」は、内側体積内の液体が、フィルタ媒体を通過せずにその開口を通って直接に通過できることを意味する。
【0017】
液体フィルタ・カートリッジは、内側から外側への流れまたは外側から内側への流れのいずれかのために構成することができる。この文脈での用語「外側から内側への流れ」は、液体がフィルタ媒体を通過する時に、カートリッジの外側からカートリッジの内側へのフィルタ媒体を通る液体の流れのために構成された液体フィルタ・カートリッジを指すことを意味する。「内側から外側への」流れ液体フィルタは、使用中に反対方向の流れを有するはずである。
【0018】
図示の特定の液体フィルタ・カートリッジ1は、外側から内側への流れ液体カートリッジである。したがって、ろ過動作中に、ろ過される液体は、一般に、カートリッジ1の外側の領域から内部9へ、矢印10の向きでフィルタ媒体3を通過する。次に、ろ過された液体は、開口8を介してカートリッジ1から外に進む。図1に示されたカートリッジ1について、開口8は、ラジアル・シール構造11によってライニングされ、ラジアル・シール構造11は、出口チューブまたは類似する構造へのシールを形成することができる。図示の例では、ラジアル・シール構造11が、開口8の直径とほぼ同一であり、フィルタ媒体のID(内径)を超えないシール直径(Ds)を形成する。実際に、図示の例のシール直径(Ds)は、フィルタ媒体内径(i.d.またはDi)からライナ12の厚さを引いた値よりわずかに小さくなる。本明細書では、用語「シール直径」(Ds)が、吐出口チューブなどのハウジング構成要素とシール部材との間の係合内のシール表面の直径を指すことを意味する。したがって、「シール直径」は、動作シール直径を指すことを意味し、これは、未据付構成要素の直径とわずかに異なる場合がある。シール直径(Ds)は、システムに応じて、内向きシールまたは外向きシールの直径とすることができる。
【0019】
液体がフィルタ媒体3を介してろ過される時に、その液体によって運ばれる汚染物質が、フィルタ媒体3の上または中に沈着する。したがって、フィルタ媒体3は、液体の流れに対する障壁を提供する。もちろん、経時的に、フィルタ媒体3が閉塞すると、フィルタ・カートリッジ1が、問題の機器での交換すなわち修理を必要とする。
【0020】
本明細書で、用語「軸」、「軸方向」、およびこれらの変形は、一般に、識別されるカートリッジ1の中央の長手方向軸4と全体的に一致するかこれと平行に向けられた力を指すことを意味するが、用語「半径」、「半径方向の力」、または類似する用語は、中央の長手方向軸4に向かう力あるいはそれから離れる向きの力を指すことを意味する。
【0021】
フィルタ媒体3が障壁として働くことの結果として、一般に、フィルタ媒体の上流の領域での上流圧力(Pu)は、フィルタ媒体の下流側の領域での下流圧力(Pd)より高い。これは、外側から内側への流れでの使用中に、フィルタ媒体3が、半径方向に内部9に向かうすなわち矢印10の向きのバイアス圧力を受けることを意味する。これに対してフィルタ媒体を支持するために、半径方向の支持ライナ12が設けられる。該支持ライナ12は、通常、せん孔チューブまたは拡張メタル・チューブを含む。
【0022】
もちろん、シール構造11は、エレメント1が据え付けられる時に、Puを受ける領域をPdを受ける領域から分離もする。シール構造11の機能および目的は、2つのそのような領域の間の液体の漏れの抑制をもたらすことであり、特に、流体がフィルタ媒体3を通過せずに体積または内部9に入らないようにすることである。
【0023】
ライナ12は、追加の重要な支持機能を提供する。この機能は、エンド・キャップ5と6の間の軸方向でのフィルタ媒体3の圧壊または挫屈を抑制する、軸方向の支持機能である。この機能を評価するためには、エンド・キャップに作用する正味表面力(軸方向)を理解することが重要である。
【0024】
本明細書では、エンド・キャップに関して、用語「外側」または「外側表面」が、フィルタ媒体から離れ、対向するエンド・キャップから離れる方向のエンド・キャップの表面を指すのに使用される。図1を参照すると、エンド・キャップ5の外側表面が、5bに示されており、エンド・キャップ6の外側表面が、6bに示されている。エンド・キャップの内側表面は、一般に、フィルタ媒体に向かい、対向するエンド・キャップに向かう方向の表面である。したがって、エンド・キャップ5の内側表面は、5cに示されており、エンド・キャップ6の内側表面は、6cに示されている。
【0025】
図2のレビューは、カートリッジ1への軸方向の応力を引き起こす力のタイプの理解につながる。特に、図2は、エンド・キャップ5の上面図である。図2では、プリーツ付きのフィルタ媒体3が、エンド・キャップ5に埋め込まれて図示され、架空線が、フィルタ媒体の位置を示す。図2に示された特定の実施形態について、フィルタ媒体3は、便宜上6つだけのプリーツ21によって表される。通常の実施形態では、より多数のプリーツ(通常は、内側に沿って1インチあたり8個から12個)が存在する。
【0026】
やはり、シール11および/またはフィルタ媒体3は、使用中に、圧力Puを受ける上流領域を圧力Pdを受ける下流区域から分離する。
【0027】
図2では、領域25が、全般的に、エンド・キャップ5のうちで、エンド・キャップ5の外側表面5bと内側表面5cの両方がフィルタ媒体3の上流に置かれる部分を示す。その結果、領域25内のエンド・キャップ5の表面部分は、その両側で等しい対向する圧力(Pu)を受ける。その一方で、領域26は、エンド・キャップ5の外側表面5bが上流圧力(Pu)を受けるがエンド・キャップ5の内側表面または下表面がフィルタ媒体3の上流に置かれ、したがって内部圧力Pdを受ける領域である。領域26ではPu>Pdなので(および、力=圧力×面積なので)、一般に、動作中に、エンド・キャップ26に、正味の下向き圧力(図2では見る人から離れる向き、図1では矢印30の向き)をもたらす圧力がある。本明細書では、選択されたエンド・キャップに作用する、その両側の表面(内側および外側)に働く液体圧力に起因する正味の軸方向の力を、識別されたエンド・キャップの「正味表面軸方向力」と称する。図1および図2のエンド・キャップ5について、使用中の正味表面軸方向力は、エンド・キャップ6の向きである。
【0028】
類似するが反対(上)向きすなわち図1の矢印31の向きの正味の力が、使用中にエンド・キャップ6について存在する。しかし、エンド・キャップ6の、開口が存在しない中央領域である領域35では、この表面部分にまたがる圧力差があるので、矢印31の向きの追加の力がもたらされることに留意されたい。
【0029】
図1および図2の概略図および上の議論から明白になるのは、フィルタ媒体3にまたがる圧力差を伴う通常動作で、エンド・キャップ5が、エンド・キャップ6に向かう正味表面軸方向の圧力を受け、エンド・キャップ6が、全般的にエンド・キャップ5の向きの正味表面軸方向の圧力を受けることである。フィルタ媒体3がこれらの力に起因して軸方向に挫屈するか圧壊することを防ぐために、カートリッジ1などの通常のフィルタ・カートリッジに、エンド・キャップ5と6の間の軸方向の伸長部分に軸方向荷重コアまたはライナ12が含まれる。これは、フィルタ媒体3に加えて軸方向強度をもたらして、フィルタ媒体の圧壊を抑制する。
【0030】
通常の構成では、エンド・キャップ5および6は、成形可能なプラスチック材料または重合体材料から成形される、あるいは、エンド・キャップ5および6は金属を含み、たとえば、フィルタ媒体3がプラスチゾルなどのシーラントによってその金属に瓶詰めされるあるいは固定される。どちらの場合でも、インナ・ライナまたはコア12は、通常、この構成に軸方向強度を提供するのに適切な位置でエンド・キャップ内に固定される。したがって、通常の軸方向荷重ライナ12は、その取外しを可能にするためにフィルタ・カートリッジ1に損傷を与えずにカートリッジ1から取り外すことができない。そのような構成のライナまたはコア12を、本明細書では、フィルタ・カートリッジの残りと「一体である」またはフィルタ・カートリッジに「永久的に含まれる」と言う。
【0031】
上で述べた背景で示したように、フィルタ・アセンブリが、交換可能(または修理可能)フィルタ・カートリッジを使用する場合に、フィルタ・カートリッジ1は、周期的に、取り外され、交換されることを必要とする。フィルタ・カートリッジが、図1に示されたカートリッジ1などである場合に、カートリッジ1が交換される時に、コア12も交換される。しかし、一般に、インナ・ライナ12は、穴のあいた金属または固いプラスチックまたは拡張メタルなど、たやすくは使い尽くされない材料から構成される。したがって、ライナ12がその中に永久的に位置決めされたカートリッジ1の周期的な交換は、その使用の寿命において使い尽くされていない材料の浪費につながり得る。さらに、インナ・コア12は、廃棄処分に関して問題を有する可能性がある。たとえば、インナ・コア12が金属から製造される場合に、焼却が問題になる可能性がある。また、該インナ・コアまたはライナ・コア12は、可能であれば回避されるはずの、フィルタ・カートリッジのアセンブリにおける出費を促す。さらに、ライナ12の存在は、廃棄処分時のカートリッジ5の圧縮または締め固めをより困難にする。
【0032】
本明細書では、少なくとも部分的に使用中の軸方向荷重を制御するためにカートリッジ5内に永久的に位置決めされるライナまたはコア12を、場合によっては、「軸方向荷重ライナ」と称するあるいは類似用語で示す。用語「軸方向荷重ライナ」は、フィルタ媒体の横に置くことができるすべてのタイプのライナに言及することを意味しない。大きい軸方向荷重に大きく抵抗するのに適切な軸方向強度を提供しないワイヤ・ネットまたはプラスチック・ネットあるいは類似する構造は、用語軸方向荷重ライナに含まれない。一般に、ライナが、印加される少なくとも20ポンドの軸方向荷重に抵抗するのに十分に強くない場合に、該ライナは、本明細書では軸方向荷重ライナとは考えない。
【0033】
さらに図1を参照して、シールが、外側から内側への流れ構成で外側周囲領域位置37および38にまたはその付近に置かれる場合に、全体的な正味の力が、エンド・キャップ5および6が互いに離れるように偏るものになることに留意されたい。この原理は、たとえば、米国特許第6,626,299号に記載されている。
【0034】
II.液体フィルタの有利な構成につながる一般的な原理
上のセクションIで全般的に述べた原理は、次の考慮事項によって要約することができる。
【0035】
1.フィルタ・カートリッジの各シールおよびカートリッジのフィルタ媒体は、2つのエンド・キャップの表面部分を、構成要素が運転圧力Pdを受ける下流領域から、構成要素が運転圧力Puを受ける上流領域に分離する。一般に、Pu>Pdである。
【0036】
2.選択されたエンド・キャップに作用する正味軸方向の表面力は、一般に、力(F)が圧力(P)と面積(A)の積と等しいので、エンド・キャップの各側面でPuを受ける表面積の量と、エンド・キャップの各側面でPdを受ける面積の量とを評価することによって近似することができる。同一の圧力が、エンド・キャップの両側面の同一面積に作用している領域では、フィルタ媒体の軸方向の完全性に影響するあるいはそのエンド・キャップの正味軸方向力に寄与する正味の方向性圧力がない。
【0037】
3.ID(内径)またはフィルタ媒体の下流エッジと位置合せされるあるいはこれより小さい内部ラジアル・シールによってライニングされた1つの開放端と、同一の対向するエンド・キャップまたは閉じられた対向するエンド・キャップのいずれかとを有するフィルタ・カートリッジ(外側から内側への流れ)において、動作中に、各エンド・キャップが圧力下で互いに向かうように各エンド・キャップに正味の軸方向力が働く。従来のカートリッジの中に含まれ、2つのエンド・キャップの間に延びる軸方向荷重ライナは、このつぶす力または挫屈させる力に抵抗することによって構造的な完全性をもたらす。
【0038】
一般に、本発明の原理によれば、シール位置が、エンド・キャップへの所望の正味表面軸方向力をもたらすのに使用される、好ましい構成を提供することができる。
【0039】
任意選択で、これを、修理部品(すなわち、フィルタ・カートリッジ)の永久的部分として設けられる軸方向荷重ライナを有しない構成で実施することができる。
【0040】
これらの結果を達成するためのシール位置の選択に用いられる原理の詳細な議論を、下のセクションIVで提供する。そのセクションの提示の前に、この原理を利用し、実証する複数の実施形態を説明する。好ましい実施形態の特徴は、無または望ましく低いレベルの各エンド・キャップに関する正味の表面軸方向圧力差をもたらすシール位置の選択である。
【0041】
III.好ましい構成を達成するための軸方向力のつり合い、図3〜5、図9
A.図3〜5
図3の符号51は、全体的に本発明による液体フィルタ・アセンブリを指定する。液体フィルタ・アセンブリ51に、全体的に、フィルタ・ヘッド53とフィルタ・ハウジング54とが含まれる。この特定の液体フィルタ・アセンブリ51に、フィルタ・ハウジング54内に位置決めされた取外し可能で交換可能(すなわち、修理可能)なフィルタ・カートリッジ55(図4)が含まれる。
【0042】
液体フィルタ・アセンブリ51は、さまざまな液体フィルタ動作のために、たとえば、潤滑油フィルタ、作動油フィルタ、または燃料フィルタとして構成することができる。図示の特定の液体フィルタ・アセンブリ51は、外側から内側への流れを有するオイル・フィルタ・アセンブリ58としての使用のために構成されている。しかし、説明される基本原理および図示の構成要素は、内側から外側への流れ用に構成されたものを含む、他のタイプの液体フィルタまたは他の構成の液体フィルタの例に適用することができる。
【0043】
図4を参照すると、通常のろ過動作中に、ろ過される液体は、フィルタ・ヘッド53に(機器内の流れ回路から)入り、入口チャネル60を介してフィルタ・ヘッド53を通過する。通常の応用例について、チャネル60は、入口液体の環状の流れをもたらすように構成される。液体は、次に、ハウジング54、特にカートリッジ55とハウジング54の側壁54aとの間でカートリッジ55を囲む環状領域62に流れ込む。ろ過中に、液体は、カートリッジ55を通って、中央の清浄な液体空間66に流れる。液体は、次に、矢印68の向きで液体空間66からフィルタ・ヘッド53内の吐出口流れチャネル69に出る。次に、吐出口流れチャネル69は、フィルタ・ヘッド53が取り付けられている適切な機器との流体流れ連結をもたらす。そのような機器に、たとえば、車両、あるいはさまざまな建設機械または他の機器(静止または可動)を含めることができる。
【0044】
通常のアセンブリでは、ハウジング54は、開くことができる。図4を参照すると、液体フィルタ・アセンブリ51のこの例では、ハウジング54は、ねじ山70でフィルタ・ヘッド53からハウジング54を分離することによって開くことができる。漏れを防ぐシール71が、Oリングによって設けられる。
【0045】
周期的に、フィルタ・カートリッジ55内のフィルタ媒体75が、液体の流れからろ過された汚染物のフィルタ媒体75内(またはその上)への蓄積に起因して閉塞される。閉塞が、適切に定義されたレベルに達した時、たとえば、圧力差測定を介してまたは事前定義の修理間隔までの動作の結果として検出される時に、フィルタ媒体75が、一般に、交換によって修理される。通常、フィルタ媒体75の修理は、修理可能カートリッジ55の取外しおよび交換を介して達成される。
【0046】
通常の修理可能カートリッジ55は、一般に、第1および第2の対向するエンド・キャップ77および78の間に延びるように位置決めされたフィルタ媒体75を含む。エンド・キャップ77および78は、さまざまな材料から構成することができ、たとえば、これらを重合体から成形することができ、あるいは、これらを、たとえばフィルタ媒体を固定された金属から構成することができる。図示の特定の実施形態について、エンド・キャップ77および78は、適切な重合体材料から作られた成形されたエンド・キャップとして図示されている。
【0047】
図示の構成では、フィルタ媒体75が、インナ・プリーツ・チップまたはエッジ75bおよびアウタ・プリーツ・チップまたはエッジ75c(図5)を定める、プリーツ付きフィルタ媒体円筒75aである。プリーツは、エンド・キャップ77および78(図4)の間に軸方向に延びる。
【0048】
図示の特定の実施形態について、フィルタ・カートリッジ55は、「二重開放端」フィルタ・カートリッジ55aである。これは、エンド・キャップ77および78のそれぞれが、「開いた」エンド・キャップ77aおよび78aであり、それぞれが、中央領域66との流体流れ連結のために位置決めされた、それを通る中央開口(それぞれ77bおよび78b)を有することを意味する。
【0049】
フィルタ・カートリッジ55が、「二重開放端」フィルタ・カートリッジ55aである理由は、修理中に、これが支持チューブ79を介して滑らされるからである。支持チューブ79は、下で詳細に説明する。図示の例では、支持チューブ79が、フィルタ・カートリッジ55が取り外され、交換される修理動作中に、ボウルまたはハウジング54に固定されたままになる。もちろん、代替システムでは、支持チューブを、ハウジング内に永久的に位置決めされないように構成することができる。
【0050】
フィルタ・カートリッジ55は、周期的に取り外され、交換される修理可能な構成要素なので、液体空間66へのろ過されない流体の漏れがないことを保証するためにシール構造を設けることが必要である。図3に示された特定の実施形態について、シール構造に、第1シール82および第2シール83が含まれる。第1シール82は、カートリッジ55のエンド・キャップ77とフィルタ・ヘッド53の部分85との間のシーリングのために位置決めされ、第2シール83は、カートリッジ55のエンド・キャップ78とハウジング54の部分86aとの間のシールを提供するために位置決めされる。
【0051】
一般に、シール82に、エンド・キャップ77から軸方向に外に延びる軸方向に向けられたシール支持82bに取り付けられたOリング82a(図5)が含まれる。さらに、図4を参照すると、シール83に、フィルタ媒体75から離れてエンド・キャップ78から軸方向に外に延びる軸方向に向けられた伸長部分に取り付けられた類似するOリングが含まれる。
【0052】
一般に、フィルタ・ヘッド53の部分85は、中央液体流れ出口チューブ85a(図5)の外側表面部分であり、ハウジング54(図4)の部分86aは、ハウジング基部86の一部を含む。ハウジング54の外側側壁54aは、基部86からフィルタ・ヘッド53に向かって上に突き出す(図3〜5の実施形態で)。インナ・ライナ・チューブまたはインナ・ライナ・コア79は、ハウジング基部86に固定される。
【0053】
図4および5のフィルタ・カートリッジ55などのフィルタ・カートリッジは、本明細書で、「コアレス・カートリッジ」として特徴付けされる。というのは、このフィルタ・カートリッジに、(このフィルタ・カートリッジの一体の構成要素として)その中でエンド・キャップ77と78の間の伸長部分に永久的に固定された、軸方向荷重を支持するインナ・ライナ・チューブまたはインナ・ライナ・コアが含まれないからである。この文脈での用語「コアレス」が、その中の一体の部分として、軸方向荷重に関する内側の筒状支持体を有しない(すべてのタイプの支持体を有しないのではなく)構成を指すことを意味することに留意されたい。たとえば、フィルタ媒体は、その内側に沿った軽いワイヤ・メッシュまたはプラスチック・メッシュのプリーツ付き伸長部分を有することができ、これは、それでも、この定義に一致する「コアレス」になる。一般に、少なくとも20ポンド(9.1kg)の軸方向圧縮荷重を支持できる、フィルタ媒体の内側に沿ったフィルタ・カートリッジと一体の構造が、フィルタ・カートリッジ内に永久的には存在しない場合に、そのフィルタ・カートリッジは、この定義に一致する「コアレス」と考えられる。この文脈での用語「軸方向」は、図4の軸94の延長の向きすなわち、対向するエンド・キャップ77と78の間の向きの力を意味する。
【0054】
フィルタ・カートリッジは、そのカートリッジ自体に永久的には据え付けられないコアがアセンブリ51内のどこかに存在する場合であっても、上の定義の中で「コアレス」と考えられることに留意されたい。
【0055】
まだ図3〜5を参照すると、図示の好ましい実施形態について、フィルタ・カートリッジ55に、エンド・キャップ77と78の間に連続して延びる、軸方向荷重を支持する一体の外側の支持構造も含まれないことも明白である。そのような構成を、本明細書では、「アウタ軸方向荷重ライナ・フリー」フィルタ・カートリッジ、または軸方向荷重アウタ・ライナを有しないフィルタ・カートリッジと称する。
【0056】
本明細書では、フィルタ・カートリッジは、軽いワイヤ・メッシュまたはプラスチック・メッシュなどのプリーツ付きの軽いメッシュまたは圧縮軸方向荷重に大きく抵抗しない外側の周囲の他の構造を含む(フィルタ・カートリッジと一体)場合であっても、アウタ軸方向荷重ライナを有しないまたはアウタ軸方向荷重ライナ・フリーと考えられる。本明細書では、フィルタ・カートリッジは、存在するすべてのアウタ・ライナ(フィルタ・カートリッジと一体)が少なくとも20ポンド(9.1kg)の軸方向圧縮荷重を支持できない限り、アウタ軸方向荷重ライナ・フリーと考えられる。
【0057】
フィルタ・カートリッジが、アウタ軸方向荷重ライナ・フリーとコアレスの両方である場合に、そのフィルタは、本明細書では時々「軸方向荷重ライナ・フリー」と呼ばれる場合がある。
【0058】
図4および5の構成に関して、この例の、フィルタ・カートリッジ55のフィルタ媒体75に関する半径方向と軸方向の両方の支持は、インナ・コア79によってもたらされる。インナ・コア79は、多孔性筒状部材91(図5)であり、修理可能カートリッジ55を交換するための修理動作中に、多孔性筒状部材91が取り外されず、交換されないように液体フィルタ・アセンブリ51内に位置決めされる。すなわち、修理可能カートリッジ55は、インナ・コア79(すなわち、多孔性筒状部材91)がフィルタ・カートリッジ55の一部ではないので、コアレスである。
【0059】
図示の特定の実施形態について、インナ・コア79は、ハウジング54(図4)の残りに固定される。固定するのに特に便利な方法は、筒状部材91(図4)として、半径方向に連続的でなくその中にギャップまたは開いた継ぎ目93(図5)を有する部材を任意選択で使用することである。図示の特定の継ぎ目93は、軸方向ではなく、米国特許第6,206,205号に示された類似するライナ(ただし、フィルタ・カートリッジと一体である)と一致して、中心軸94(図5)に対してある角度(A)で延びる。米国特許第6,206,205号の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。継ぎ目93によって提示されるギャップは、穴のあいた筒状部材91をより小さい円周に半径方向に多少圧縮する(圧力の下で)ことを可能にし、したがって、筒状部材91をハウジング54の基部86内の受95に圧入によって固定できるようになる。通常のギャップは、15°を超えず、好ましくは少なくとも0.5°、通常は1°から15°までの角度Aを有するように選択される。
【0060】
図4および5に示された特定のアセンブリ51について、インナ・コア79の外径は、カートリッジ55が使用中にその上で滑ることができるように選択される。筒状部材91の外径は、プリーツ付きフィルタ媒体75aに対するインナ半径方向支持体として働く寸法を有する。通常の応用例で、これを達成するために、筒状支持体のOD(外径)は、好ましくは、プリーツ付きフィルタ媒体75aのインナ・プリーツ・チップ75bのID(内径)から0.09インチ(2.3mm)を超えないように選択されなければならない。
【0061】
望まれる場合に、多孔性筒状部材91に、その外側表面にバンプ、リブ、または他の構成を設けて、インナ・プリーツ・チップ75bへのより密な係合をもたらすことができる。筒状部材91に、金属または成形プラスチックを含めることができる。
【0062】
一般に、エンド・キャップ77を、本明細書では、正常な据付位置(図4)でエンド・キャップ77が上に向かって置かれるので、「上側」エンド・キャップと称する。対照的に、エンド・キャップ78を、本明細書では、一般に、図4の正常な据付設置位置でエンド・キャップ78が下に向けられるので、「下側」エンド・キャップまたは底エンド・キャップと称する。
【0063】
エンド・キャップ78は、図示されていない汚染物を封じ込めて収集する特徴を含むように構成することができる。汚染物を封じ込めて収集する特徴は、参照によって本明細書に合体される2002年10月17日に公開されたPCT国際公開第02/081052号に基づくものとすることができる。
【0064】
図4を参照すると、筒状部材91が通常使用中にエンド・キャップ77と78の間で軸方向支持を提供するために、エンド・キャップ77と78の間に(すなわち、使用中にフィルタ・カートリッジ55全体に)要素55に対する正味表面軸方向力がほとんどまたは全くなく、エンド・キャップ77および78のそれぞれに対する正味表面軸方向力もほとんどまたは全くなくなるように、フィルタ・カートリッジ55を構成することが好ましい。
【0065】
フィルタ・カートリッジ55が、両方のエンド・キャップが開かれていることを除いて全般的にカートリッジ1(図1)と一致して構成されている場合に、そのような低い正味力は作られないはずである。これは、エンド・キャップ5(図1)の正味表面軸方向力が、エンド・キャップ6に向かい、エンド・キャップ6(図1)の正味表面軸方向力が、エンド・キャップ5に向かうからである。
【0066】
これから変更するために、エンド・キャップ77および78の好ましいシール位置を選択する。エンド・キャップ78での好ましい力プロファイルを生成し、したがってフィルタ・カートリッジ55へのほとんどまたは全くない正味力または各エンド・キャップ77および78へのほとんどまたは全くない正味表面力を可能にするのは、これらのシールの位置である。
【0067】
上で示したように、図4および5を参照すると、エンド・キャップ77のシール位置は、82である。図4に関して上で示したように、エンド・キャップ78のシール位置は、83である。本明細書では、シールの直径をDsと称する。プリーツによって画定される内径を、Diと称する。プリーツによって画定される外径を、Doと称する。
【0068】
本明細書では、エンド・キャップについて、そのエンド・キャップへの力のつり合いまたは正味軸表面力をもたらすシールの直径DsをDbと称する。
【0069】
セクションIIの議論から、エンド・キャップAについて、通常使用中にエンド・キャップAの外側表面に向かう正味軸方向力とエンド・キャップAの内側表面に向かう正味軸方向力とがつり合うようになる直径DbAを識別することができることは明白である。すなわち、直径DbAを有するシールは、使用中に、関連するエンド・キャップAに作用する正味表面軸方向力をなくすシールである。
【0070】
エンド・キャップAおよびエンド・キャップBと指定される2つのエンド・キャップを有する構成について、エンド・キャップA内のシールがDbAに置かれ、エンド・キャップBのシールがDbBに置かれる場合に、各エンド・キャップは、正味表面軸方向力に関してつり合ってており、関連するカートリッジに作用する正味表面軸方向力はなくなる。これは、エンド・キャップの一方が閉じられ、したがって、このシールが、未ろ過液体がフィルタ・カートリッジの内部空間に入ることから保護することを必要としない場合にもあてはまる。すなわち、閉じられたエンド・キャップを用いる場合であっても、そのエンド・キャップをハウジングの一部に係合させるシールを設けることができる。このシールは、Puを受ける領域をPdを受ける領域から分離するはずである。したがって、その位置は、平衡点Dbに設けることができる。しかし、この独自の後者のシールは、未ろ過流れがフィルタ媒体を迂回することに対する保護には使用されない。
【0071】
やはり、本明細書では、関連するエンド・キャップの各表面に対する力のつり合いをもたらすシールの直径Dsを、一般にDbと称する。エンド・キャップAは、シール直径Dsが、DbAの±15%以内すなわち0.85DbA以上で1.15DbA以下の範囲内の直径であるならば、通常の液体フィルタ・カートリッジについて正味軸方向表面力に関してつり合いの好ましいレベル内にあると考えられる。通常、シール直径Dsは、0.9DbA以上で1.1DbA以下の範囲内であり、しばしば、0.92DbA以上で1.08DbA以下の範囲内である。より通常、シール直径Dsは、0.95DbA以上で1.05DbA以下の範囲内になるように選択される。しかし、下で述べるように、本明細書で説明する原理は、これらの範囲の外で適用することができる。
【0072】
上で述べた範囲は、いくつかの例で、期待される通常の使用条件の下で、0ではないが、フィルタ・カートリッジについて許容できる軸方向荷重の結果として有利な構造に対処するのに十分に小さい軸方向荷重を受け入れることができることを示すことを意味する。代替案が可能ではあるが、通常、シール位置は、プリーツ付きフィルタ媒体の内径(Di)から外側に少なくとも2mm、しばしば少なくとも5mm、時々少なくとも10mmに位置決めされ、また、プリーツ付きフィルタ媒体の外径(Do)から少なくとも2mm、しばしば少なくとも5mm、時々少なくとも10mmだけくぼんだ位置にある。好ましい位置は、下で述べるように、任意の所与のシステムについて計算することができる。
【0073】
一般に、要素に出入りする流体流れのために構成された少なくとも第1の開いたエンド・キャップは、上で定義されたシール直径Dsを有する。これは、エンド・キャップ77(図4)に対応する。最も好ましくは、両方のエンド・キャップ(77および78)が、上で定義されたシール直径を有する。
【0074】
つり合いをとられた構成(Dbにあるシール)という原理は、トップ・ロード構成またはボトム・ロード構成のいずれかに適用することができる。これらの原理を利用するボトム・ロード構成の例を、図3〜5に示した。
【0075】
ここで、図9に注目されたい。図9には、フィルタ基部201および取外し可能カバー202を含む液体フィルタ構成200が示されている。カバー202および基部201によって形成されるハウジング203内に、フィルタ・カートリッジ205が固定されている。フィルタ・カートリッジ205は、対向するエンド・キャップ207と208の間の伸長部分にプリーツ付きフィルタ媒体206を含む。エンド・キャップ207は、開いたエンド・キャップであり、210に示されたラジアル・シールは、エンド・キャップ207の外向き(フィルタ媒体に関して)の軸方向伸長部分212に取り付けられたOリング211によって形成される。
【0076】
エンド・キャップ208では、シール215が、エンド・キャップ208の外向きの軸方向伸長部分217に取り付けられたOリング216によって形成されるものとして図示されている。
【0077】
シール210が、エンド・キャップ207上のOリング211と支持ライナ221の一部220との間に設けられることに留意されたい。シール215が、エンド・キャップ208の一部の上のOリング216と基部203の一部225との間に形成されることに留意されたい。
【0078】
使用中に、修理は、エンド・カバー202を取り外し、その後、要素205をそのシールから取り除くことによって行われる。
【0079】
アセンブリ200は、トップ・ロード構成であり、カバー202が取り外されている時に、静止液体を内部231から排出することを可能にする水抜き構成230を含む。そのような構成の全般的な原理は、参照によって本明細書に組み込まれている2004年1月27日に出願されたPCT出願US04/02074号に記載されている。
【0080】
シール210および216は、それぞれ、上の定義に一致して、つり合いをとられたシール直径Dbの位置に位置決めされる(すなわち、それぞれが0.85Db〜1.15Db内にある)ことが好ましい。
【0081】
IV.フィルタ・カートリッジのエンド・キャップ構成に作用する正味軸方向力を評価する方法、設計への手法
A.背景の原理
任意の所与のエンド・キャップまたはカートリッジの正味軸方向力を推定する数学的方法を提供する。一般に、この技術は、プリーツ付きフィルタ媒体を使用するさまざまな寸法の液体フィルタ・カートリッジに適用可能である。この計算を援助するのに使用可能なさまざまな仮定を、適切な場所で指摘する。
【0082】
液体フィルタ・カートリッジは、重力に関して任意の姿勢で置くことができるが、説明を単純にするために、この概念を、地球の平面に垂直なフィルタ・カートリッジの軸を仮定して述べる。したがって、本開示のこのセクションでは、地球に向かって(下向きに)作用する力を負(−)と定義し、反対の力を正(+)と定義する。
【0083】
この議論の最初では、フィルタ・カートリッジが、円筒形であり、プリーツ付きフィルタ媒体を使用し、円形のエンド・キャップを有すると仮定する。
【0084】
図6に、フィルタ・カートリッジの一部を示す。エンド・キャップが400に示されており、プリーツ付きフィルタ媒体が401に示されている。プリーツ付きフィルタ媒体401の幾何形状は、「V」字形に構成されている。円弧A−Bは、1つの完全なプリーツを示す。Puは、上流圧力であり、Pdは、下流圧力である。フィルタ媒体401の厚さがフィルタ媒体の総面積と比較して小さいので、フィルタ媒体にまたがる圧力低下が、フィルタ媒体中心線402で発生し、ステップ関数であると仮定する。この仮定は、フィルタ媒体の上流側401aでの圧力が、フィルタ媒体厚さの最初の半分を通じて一定になると考えられ、フィルタ媒体厚さの中心線で、圧力が下流圧力の圧力に低下し、下流側401bまでのフィルタ媒体の残りの半分を通じて一定になることを意味する。
【0085】
この理想化は、実際の圧力状況と大きくは異ならない。しかし、フィルタ媒体にまたがる圧力低下のこの理想化は、フィルタ媒体にまたがる圧力低下の影響を受けるエンド・キャップのさまざまな表面積の定義に関する数学を単純化する。また、エンド・キャップ表面に作用する圧力PuおよびPdが、これらの表面にわたって均一であると仮定する。
【0086】
図6および7で評価される現在のモデルについて、検討されるエンド・キャップ400が、開いたエンド・キャップであり、それぞれアウタ(Do)プリーツ・チップおよびインナ(Di)プリーツ・チップに対応する外側エッジ404および内側エッジ405を有すると仮定する。
【0087】
図7では、図6の図が、圧力低下によって影響される面積を計算するために変更されている。フィルタ媒体の厚さ全体ではなく、フィルタ媒体401の中心線402が使用される(上で説明したように)。Auは、上側エンド・キャップ400のうちで、このエンド・キャップ400の両側への上流圧力を受ける面積である。このゆえに、両側の圧力は、互いに打ち消しあい、フィルタ・カートリッジの対応するエンド・キャップに印加される正味表面軸方向圧縮力に寄与しない。Ad1+Ad2は、エンド・キャップの外側表面で上流圧力(Pu)を受け、エンド・キャップの内側表面で下流圧力を受ける、上側エンド・キャップ上の組み合わされた面積である。この組み合わされた面積は、1つの完全なプリーツに関する。上側エンド・キャップに対する総合的効果を知るためには、フィルタ・カートリッジ内のプリーツの個数を使用しなければならない。したがって、フィルタ・カートリッジにまたがる圧力低下は、(Ad1+Ad2)×(圧力低下)×(プリーツの個数)と等しい下向きの力を作る。
【0088】
Ad1およびAd2の計算に使用される数学は、さまざまな応用三角方程式に由来する。1つの手法は、まず角度aを見つけることであり、次に、これを、組み合わされた面積(Ad1+Ad3)を与える式で使用することができる。その次は、組み合わされた面積(Ad3+Ad4)を見つけることである。図7を調べることによって、対称性から、
Ad3=Ad4 (式1)
であることもわかる。
【0089】
∠a°の算出
図7から、
Au+Ad1+Ad2+Ad3+Ad4=At
であることを示すことができる。
【0090】
∠a°は、面積Atを示す角度全体の半分と等しい。この面積は、プリーツの1サイクルを表すので、この角度全体は、単純に360°をプリーツの個数で割ることによって見つけることができる。∠a°はその半分である。
ここで、PCは、プリーツ・カウント(フィルタ・カートリッジ全体のプリーツの個数)である。
【0091】
Ad1+Ad3によって画定される面積は、2辺が既知であり、挟まれる角度が既知である斜角三角形である。Machinery's Handbook、24th Edition、83ページ、第2パネルによるこの三角形の面積の式は、
である。
式2を式3に代入することによって、
が得られる。
【0092】
面積Ad3+Ad4は、Machinery's Handbook、24th Edition、58ページから、円形セクタの面積の式によって定義することができる。
この式を次のように変形する。
また、対称性から、Ad3=Ad4であることがわかる。
したがって、式5は
になる。
式6を式4に代入し、Ad1について解く。
【0093】
各プリーツについて、それにまたがる圧力低下を有する下流側の面積は、Ad1およびAd2である。また、対称性から、Ad1=Ad2である。
したがって、圧力低下による影響を受ける上側エンド・キャップの総面積Atuは、プリーツの個数×2×Ad1と等しい。
Atu=2(PC)(Ad1)
または、
【0094】
[例]
例1−普通のID(内径)シールを有するフィルタ・カートリッジ
この例で検討するフィルタ・カートリッジ構成は、図1に類似するものであるが、エンド・キャップ5に似た2つの対向する開いたエンド・キャップを有し、4インチの外側プリーツ直径(Do)、2インチの内側プリーツ直径(Di)、40のプリーツ・カウント(PC)、および使用中の100psidのフィルタ媒体にまたがる圧力低下(ΔPまたはPD)を有することが異なる。シールは、各エンド・キャップのID(内径)に沿って設けられる。
【0095】
Do=4、Di=2、プリーツの個数=40。これらの値を上の式にあてはめると、上側エンド・キャップの総面積Atu=3.135インチ2が得られる。
【0096】
負の軸方向(重力の向き)で上エンド・キャップに作用する総力(Ftu)は、Ftu=−100psid×Atuである。
【0097】
Ftu=(−100)(3.135)=−313.5poundf(ポンド力)
定義された普通のフィルタ・カートリッジでは、313.5ポンド力が、上下のエンド・キャップの両方に反対方向で作用する。上エンド・キャップの力(−)は、下向きに作用している。下エンド・キャップの力(+)は、上向きに作用している。正味の結果は、このフィルタ・カートリッジが、その垂直軸に沿って313.5ポンドの圧縮力を経験していることである。設計(普通のカートリッジの)によって、この力の大部分が、エンド・キャップを介してインナ・ライナに伝えられる。フィルタ媒体パックは、この力が各プリーツの面積Ad1およびAd2に分布するので、この力の一部を経験する。力のこの分布は、総荷重の小さい部分をフィルタ媒体パックに移す、エンド・キャップへの曲げモーメントを作る。
【0098】
例2−下側シールの外径への移動
シールを内径から外径に移動することによって、下側エンド・キャップに作用する力の大きさおよび向きが変化する。議論する普通の設計では、下側エンド・キャップに対する力が、上向きまたは正(+)の向きであるが、シールを外径に再配置することによって、下側エンド・キャップに作用する力が下向きまたは負(−)の向きになる。さらに、面積がより大きく、したがって力はより大きい。
【0099】
フィルタ媒体の上流の圧力(Pu)が、フィルタ媒体の下流の圧力(Pd)より大きいことに留意されたい。図7を調べることによって、Puが、Auによって画定されるエンド・キャップの上側表面に作用し、Pdが、Auによって画定されるエンド・キャップの下側表面に作用すると結論することができる。Pu>Pdであると知ることによって、各プリーツのAuへの正味力が、下向きまたは負(−)の向きに作用していることが示される。
【0100】
面積Ad1およびAd2は、フィルタ媒体の下流側にある。シールを下側エンド・キャップの外径に置くことによって、下流圧力Pdが、現在、面積Ad1およびAd2の両側面に作用し、これによって、お互いを打ち消しあい、これらの面積に作用する0の正味軸方向力がもたらされる。
【0101】
三角方程式および前に導出した式の一部を使用することによって、既知のパラメータDo、Di、およびプリーツの個数の関数として面積Auを見つけることができる。
【0102】
やはり、円形セクタの面積の式を使用することによって、
であることがわかる。
また、対称性によって、
Ad1=Ad2 (式10)
であることがわかる。
また、Ad1の式(式7)は以前に導出した下式である。
また、円形セクタの式から、
であることがわかる。
【0103】
式5、7、および10を式9に代入し、Auについて解くことによって、
が得られる。
【0104】
今回は下側エンド・キャップが内径ではなく外径にあるシールを使用することを除いて、前の例の寸法を使用する。
Do=4、Di=2、プリーツの個数=40、圧力差または圧力低下(PD)=100psid。
【0105】
前の例から、負の軸方向(重力の向き)で上エンド・キャップに作用する総力Ftu=−313.5ポンドであることがわかる。
【0106】
図6を調べることによって、1つのプリーツについてフィルタ媒体の上流で下側エンド・キャップに作用する圧力が組み合わされて、下向きまたは負(−)の向きの圧力低下×Auの正味力が作られると結論することができる。1つのプリーツについてフィルタ媒体の下流で下側エンド・キャップ表面に作用する圧力が組み合わされて、0の正味軸方向力が作られる。
【0107】
すべてのプリーツに関する下側エンド・キャップ表面に作用する総力は、
Ftl=(−PD)(Au)(PC)
である。
【0108】
式12を使用すると、
が得られる。数値をあてはめる。
【0109】
上側エンド・キャップからの力を考慮しない、シールが外径にある状態の下側エンド・キャップへの正味表面力は、普通の設計の下側エンド・キャップに作用している力と反対の向きで作用している。また、この力の大きさは、普通の設計の場合より大きい。
【0110】
正味の結果は、外径にあるシールを使用するエンド・キャップを有するフィルタ・カートリッジが、止められるまでハウジング内で下に移動することである。
【0111】
例3−中間位置でのシールの配置
前に説明したこの下向きの力Ftlを達成するために、下側エンド・キャップのシールをこのエンド・キャップの外径に置くことが必要でないことに留意されたい。下向きの力Ftlを得るのに必要なのは、フィルタ・カートリッジがボウルの底に達し、これによって、フィルタ・カートリッジが力Ftuの大部分をインナ・ライナを介して上側エンド・キャップに移すことができるように上側エンド・キャップを位置決めすることを保証するのに十分な下向きの力である。
【0112】
1つの手法は、下側エンド・キャップへの正味軸方向力が0になるように、下側エンド・キャップ上のシールの直径を減らすことであろう。下向きに作用する上側エンド・キャップへの力Ftuは、フィルタ・カートリッジがハウジングの底に達することを保証するはずである。シール直径をさらに減らすと、上向きの正味力が増加し始める。シール直径を減らし続けると、最終的に、この直径が上側エンド・キャップ上のシールと同一の直径になる点に達し、これは、普通のフィルタ・カートリッジと同一の軸方向力を有するはずである。電子スプレッドシートを使用して、特定の結果を達成するためにさまざまな直径および力を調査することができる。
【0113】
図8を参照すると、この図が、追加の直径Dsが追加されていることを除いて図7に類似することがわかる。直径Dsは、外径および内径以外の直径で図示された下側エンド・キャップのシール直径である。その結果、表面積Ad1およびAd2(図7から)が、それぞれAd1についてA2、A6、およびA8、Ad2についてA3、A5、およびA7という3つのセクションに分割されている。
【0114】
重要な面積が、A2、A3、およびA4である。観察によって、A1に印加される上流圧力が、シールの直径Dsの外側であることがわかる。これは、A1の両側への圧力が、同一であり、したがって互いに打ち消しあうことを意味する。下流側で、これと同一の条件を、面積A5、A6、A7、およびA8について見つけることができる。
【0115】
やはり、観察によって、面積A4への圧力が、圧力低下×A4の大きさで下(−)向きに作用することがわかる。また、観察によって、対称性に起因してA2=A3であることがわかる。また、A2およびA3への圧力は、それぞれ圧力低下×A2の大きさで上(+)向きに作用する。
【0116】
三角方程式を介して、シール直径Ds、フィルタ媒体パックの外径Do、フィルタ媒体パックの内径Di、およびプリーツの個数の関数として面積A4、A2、およびA3を見つけることができる。
【0117】
面積A4を見つけるためには、まず、図8に示された角度∠a、∠d、∠c、および∠bを見つけなければならない。∠aは、前に見つかっている。
斜角三角形の解から、
であることがわかり、
∠c°=180°−(∠a°+∠d°)
であり、斜角三角形の解を使用すると、
である。
【0118】
やはり、円形セクタの面積の式から、
であることがわかる。
また、対称性から、
A7=A8、かつA11=A12
であることがわかる。
【0119】
これらを組み合わせ、A4について解くと、
が得られる。
【0120】
斜角三角形の解から、
であることがわかる。
式16を式15に代入することによって、
が得られる。これを変形すると、
が得られる。
【0121】
基本的な三角法から、外径(Do)、内径(Di)、およびセクションの円弧を記述する角度θ°によって記述される平らなリングのセクションの面積は、
であり、A2=A3であることを知ることによって、式18が、
になる。
【0122】
A2について解くと、
になる。
やはり対称性から、
A2+A6+A8+A10+A12=A3+A5+A7+A9+A11(式20)
である。
【0123】
また、円弧の式から
である。
【0124】
式20を式21に適用すると、
が得られる。
斜角三角形の解から、
であることがわかる。
【0125】
式23を式22に適用し、A1について解くと、
になる。これを単純化することによって、
が得られる。
【0126】
式24を式19に代入し、単純化すると、
が得られる。
【0127】
ここで、面積A2とA4の両方が、既知のパラメータ(Do、Di、プリーツの個数)に関して既知になった。観察(図8)によって、A2=A3であることと、上流圧力Puが、面積A4に作用し、下流圧力Pdが面積A2およびA3に作用することと、残りの面積(A1、A5、A6、A7、およびA8)に対して、エンド・キャップの両側への圧力が同一であり、したがって、軸方向で互いに打ち消しあうことがわかる。
【0128】
次の軸方向力が0と等しくなるようにエンド・キャップでの力のつり合いを達成するためには、
A2+A3=A4 (式26)
になる幾何形状を見つけなければならない。A2=A3なので、式26を
2(A2)=A4 (式27)
と書き直すことができる。
【0129】
式25を式27に代入すると、
が得られる。
この式を並べ変えると、
が得られる。
この式を変形すると、
になる。
【0130】
式2を想起されたい。
∠a°=180°/PCは、次の式を与える。
【0131】
そこで、式28をDsについて解くと
になる。この式をさらに単純化すると、
になる。0.3183はπの逆数であることを認識すると、
である。
【0132】
式28をDiについて解くと、
である。式28をDoについて解くと、
たとえば、Do=4インチ、Di=2インチ、プリーツの個数=40という前の寸法を使用し、式29を適用すると、
である。
【0133】
4インチのプリーツ・パック外径(Do)、2インチの内径(Di)、および40のプリーツ総数で、エンド・キャップへの正味軸方向力が0と等しくなるようにエンド・キャップでの力のつり合いを達成するためには、2.83インチのシール直径(Ds)が必要になるはずである。したがって、2.83インチで、定義されたシステムについて、Ds=Dbである。これは、シールとシーリング表面が接触する直径になるはずである。
【0134】
全体的な要素に関して、ラボ試験を使用して、要素に対する正味軸方向荷重を評価することができる。具体的に言うと、1手法として、ロード・セルをフィルタ・カートリッジの内径に置くことができる。ロード・セルの一端は、上側エンド・キャップに取り付けられ、他端は、下側エンド・キャップに取り付けられる。フィルタ・カートリッジは、フィルタ・ハウジング内に置かれる。標準試験流れの油が、フィルタ・カートリッジを通過する。試験用ダストまたは他の汚染物を、フィルタ・カートリッジの上流に注入する。フィルタが、試験ダスタ汚染物(test duster contaminant)を収集する時に、フィルタにまたがる圧力低下が増え、これによって、フィルタ・カートリッジ内の軸方向荷重が増える。標準シーリング構成を使用するフィルタ・カートリッジは、ロード・セルへの軸方向荷重を生成する。この力は、フィルタにまたがる圧力低下に比例して増える。特徴付けされた好ましいシール構造を使用するフィルタ・カートリッジは、フィルタ・カートリッジへの軸方向力のすべてまたはほとんどを解決しているはずである。これは、圧力低下がフィルタ媒体にまたがって増える時に、ロード・セルの軸方向力の増加が、あるとしても比較的小さいことを観察することによって査定される。
【0135】
上の定式化が、定式化での変数としてプリーツ数を示すことに留意されたい。実用上の問題として、通常の液体カートリッジでは、プリーツ数が十分に多くなったならば、その増加は、Dbに関する好ましい位置を実質的に変化させない。これは、図11にプロットされた数学モデルによって例証される。図11では、プリーツ数がX軸にプロットされ、Y軸は、単位軸方向荷重を表す。寸法については、図10を参照されたい。約20を超えるプリーツ数、たとえば20〜30で、プリーツ数が変化する時に比較的わずかな軸方向荷重の変化があることがわかる。図10を参照すると、矢印Xは、外側から内側への流れまたは標準(std)の流れの向きを示す。矢印Yは、内側から外側への流れまたは逆(rev)の流れの向きを示す。寸法Zは、プリーツの深さを示す。
【0136】
これらの変数は、図11のグラフで識別される。
【0137】
B.本原理を使用する設計手法
上の原理は、フィルタ・ローディング中にフィルタ媒体パックへの過度な軸方向荷重を受けないコアレス(インナ・ライナが全くないか、約20ポンドの軸方向荷重に耐える能力を有するインナ・ライナがない)フィルタ・カートリッジを作成することを可能にする。次の設計ガイドラインでは、カートリッジが両端で開かれていることと、プリーツ支持(半径方向)用のインナ・ライナがフィルタ・ハウジングの一部であることを仮定する。
【0138】
プリーツ・パックの外径(Do)および内径(Di)とプリーツ・カウント(PC)とから開始することができる。
【0139】
上の計算から導出された次の式を使用することによって、ゼロの軸方向荷重を与えるシール直径(DsB)を計算することができる。
たとえば、Do=3.27インチ、Di=1.59インチ、PC=50では、
である。
【0140】
DsBは、OリングのI.D.(内径)でシールするチューブ外径を表す。標準サイズOリング(Parker Seals GL−10/91など)のカタログでこの直径を調べると、最も近いチューブO.D.が2.25インチになることが示される(ページA5−5、Oリング・サイズ2−035)。
【0141】
特定の要件に応じて、2.25インチのチューブO.D.(外径)を有する標準2−035 Oリングを使用し、フィルタ媒体パックへの多少の軸方向荷重を受け入れることを選択することができる。第2のオプションは、次の式を使用して、2.28ではなくDsB=2.25を有するカートリッジの正しい寸法を計算することである。
【0142】
ゼロの軸方向荷重を維持し、標準Oリング2−035を使用し、PC=50およびDi=1.59を保つために、次の式で、新しいDoを計算する。
値をあてはめることによって、
が与えられる。
代替案で、PC=50およびDo=3.27を保ちたい場合には、次の式で、新しいDiを計算する。
である。
【0143】
フィルタ媒体パック寸法を、標準チューブ直径(Do=3.27、Di=1.59、Ds0=2.25)と一緒に保ちたい場合には、次の式で、フィルタ媒体パックに印加される軸方向荷重の量(Fa)を計算する。これを行うためには、もう1つの情報すなわち、フィルタ媒体パックにまたがる圧力低下(PD)が必要である。この例では、200psidを使用する(多数の油圧フィルタ・カートリッジが、200psidまでに耐えるように設計されている)。
やはり、数値をあてはめると、
になる。マイナス(−)は、フィルタ媒体パックが圧縮を受けることを示す。
【0144】
約20個以上のプリーツ(PC≧20)がある限り、PCの変更は、上の式のどれにおいてもほとんど影響を有しない。
【0145】
すべてのタイプのフィルタ・カートリッジ設計について、プリーツ・パックの外径およびフィルタ・ハウジングの内径によって形成される、フィルタ媒体パックを囲む環状区域(ギャップ1)があることも認められる。所与のフィルタ・カートリッジに使用される複数のタイプのハウジングがありえるので、使用可能なある範囲のギャップがある。このギャップは、プリーツ・パックO.D.(外径)を選択する際のある設計柔軟性を可能にする。
【0146】
したがって、説明した設計手法を使用してフィルタ・カートリッジを設計する時には、このギャップ(ギャップ1)が提供する柔軟性を考慮に入れる必要がある。
【0147】
また、フィルタ・カートリッジの構造的完全性にクリティカルなもう1つの環状ギャップ(ギャップ2)がある。この環状ギャップは、フィルタ媒体パックの内径およびライナの外径によって形成される。標準流れ条件(流体がフィルタ媒体パックを通って半径方向の内側に流れる)の下で、ライナの主な仕事は、フィルタ媒体に半径方向支持を提供することである。流体がフィルタ媒体を通って流れる時に、フィルタ媒体にまたがる圧力低下が、半径方向で内側に向けられた、フィルタ媒体に対する力を作る。ライナは、この力に対してフィルタ媒体を支持する。フィルタ媒体パックのI.D.(内径)とライナのO.D.(外径)との間にギャップがある場合に、フィルタ媒体パックは、ライナが支持を提供できるようになる前に、そのギャップの距離を移動しなければならない。フィルタ媒体は多少柔軟なので、ある量のギャップを許容することができる。ギャップが大きくなり過ぎる場合に、フィルタ媒体がたわみ過ぎ、永久的に故障する。
【0148】
フィルタ媒体とライナの間のギャップ2のゆえに、すべてのコアレス・カートリッジ設計について、最小ギャップを維持することが賢明である。これは、正しい寸法を与えられたライナに関する適切な(Di)を定義することを意味する。前に述べたように、PCは、20以上の任意の数とすることができる。次に、ギャップ1に必要な要件に基づいて最初のDoを選択する。次に、その後、DsBの上の式を使用して、シールのチューブ直径を計算することができる。
【0149】
次に、フィルタ媒体に印加できる最大軸方向荷重(Fmax)を判定し、次の式を使用して、固定されたDiおよびDsBを有するフィルタ・カートリッジの最大Doを計算する。
【0150】
1例として、前に計算した情報を使用する。Di=1.59インチ、PC=50であり、Do=3.27を与えるギャップ1を仮定する。DsBの式を使用すると、DsB=2.28が与えられる。
【0151】
ここで、200psidの圧力低下(PD)で−100lbfの最大軸方向荷重(Fmax)を仮定する。
数値をあてはめると、
になる。
【0152】
したがって、この設計について、(Do)は、−100lbfのフィルタ媒体パックへの最大許容軸方向荷重を超えずに3.27から3.67までの範囲にわたることができる。
【0153】
ここで、図14に注目されたい。図14には、所与の圧力(PD)最大値(200psig)、フィルタ・カートリッジへの定義された許容できる力最大値(40ポンド力)、定義されたDs、定義されたプリーツ・カウント、および圧力差が作用することのできる定義された最大有効面積Aeに関する、Di対Doのプロットを示すグラフが提示されている。この数(Ae)は、もちろん、シールが具体的にDbにある場合に、0になるはずである。したがって、Aeは、所望の制限された力の範囲内に留まるために圧力差が作用することのできる面積の量である。
【0154】
図14のプロットから、この図で指定された条件の下でDiとDoの間に逆の関係があることがわかる。したがって、Doを増やすつもりであれば、Diが減らされ、逆も同様である。
【0155】
ここで、図15に注目されたい。この図には、固定された変数に関する、計算のいくつかの例が示されている。パラメータは、図面に示されている。
【0156】
評価される特定の例について、圧力差最大値は、200psidとして識別され、フィルタ・カートリッジへの許容される力最大値は、40ポンド力である。
【0157】
プリーツ・カウントは、50に固定され、当初はDoが3.27インチであり、Diが1.59インチであった。
【0158】
そうである場合に、Dbについて、Dsは2.28インチであるものとして計算された。
【0159】
次の複数の行に、Doをどのように変更できるかと、それによる力に対する最終的な影響とが示されている。Doは、DiおよびDsを固定したままに維持して3.43インチまで増やすことができ、力最大値は40ポンドまで増える。Doは、DiおよびDsを固定したままで3.11インチまで減らすことができ、力最大値は反対方向で40ポンドまで変化する。
【0160】
この表の次の2行は、DoおよびDsを固定したままに維持し、Diを移動することの影響を示す。Diは、40ポンドを超えないように力を維持しながら、1.67の最大値まで上に移動することができる。Diは、1.51インチまで減らすことができ、力は反対方向で40ポンドまでになる。
【0161】
次の2行は、DoおよびDiの数を固定して、シールDsをどのように移動できるかを示す。シールは、力が40ポンド範囲を超えずに2.22インチまで下に移動することができ、シールは、シールが40ポンドを超えずに2.33インチまで上に移動することができる。
【0162】
この表のいくつかの他の数字は、計算の一部からの相対パーセントを示す。
【0163】
この表の下側に、異なる寸法を仮定した要素の計算が示されている。
【0164】
V.特定の例、図12および13
図12には、本開示による原理を使用する例のフィルタ・カートリッジが示されている。カートリッジ500に、第1および第2の対向するエンド・キャップ502と503の間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体501が含まれる。この特定の構成は、コアレスであり、インナ・コアおよびアウタ・コアを有しない。エンド・キャップ502は、開かれており、その中に開口505を有する。エンド・キャップ503も、開かれている。キャップ502から軸方向に外に突き出しているのが、その上にシール507を有するシール支持体506である。シール507は、内向きのラジアル・シーリング用に構成されている。
【0165】
エンド・キャップ503から軸方向に外に突き出しているのが、その上にシール511を有するシール支持体510である。シール511も、半径方向に内向きのシーリング用に構成されている。
【0166】
外側プリーツ直径(M)が83.0mmであり、プリーツの内径(N)が40.5mmであり、プリーツの深さ(O)が21.3mmであるシーリングでのつり合いを作成するために、シール507および511のそれぞれについて、シール直径Ds(Qに示されている)は57.9mmである。この例では、Qに対応するDsが、Dbになるはずである。
【0167】
図示の例について、プリーツ長さは279mmである。
【0168】
まだ図12を参照すると、カートリッジ500に、さらに、汚染物封じ込め収集機能530が含まれる。この機能に、その中にフィルタ媒体532を有する伸長部分531が含まれる。カートリッジ500が据え付けられる時に、これが取り外される際に、フィルタ媒体532を通る液体の流れが、カートリッジ内の静止している液体をろ過する。汚染物封じ込め構成に関する原理は、たとえば、参照によって本明細書に組み込まれている2002年10月17日のPCT国際公開第02/081052号に記載されている。
【0169】
図13では、カートリッジ500が、フィルタ・ヘッド542に固定されたハウジング541を含む全体的なフィルタ構成540内に据え付けられたものとして図示されている。シール507は、構造545、この例では、インナ・パイプまたはコア構成546の一部へのシーリングとして図示されている。シール511は、ハウジング基部550の一部に固定されて図示されている。この例では、部分550が、ボルト542'によってハウジング541の残りに固定される。したがって、部分550は、シール511を収容するためにハウジング541内でその底部に位置決めされたアダプタである。部分550は、据付中にハウジング541内でカートリッジ500をセンタリングするのも助ける。
【0170】
VI.機械的構造、アセンブリ、および方法に関する選択された一般的観察
A.機械的なフィルタ・カートリッジの構造
本開示は、従来のフィルタ・カートリッジの構成から、フィルタ・カートリッジのさまざまな代替構成を提供する。好ましい構成は、前に説明済みであり、ここで、1つ以上のシール位置が、対応するエンド・キャップ内で、Dbに関して定義され、あるいは、一般に、使用中にある表面軸方向力を生じる位置に関して定義される。
【0171】
このセクションでは、いくつかのさまざまな追加のまたは代替の機械的構成および特徴について特徴付けされる。これらは、所望のフィルタ・カートリッジを提供するのに有利に使用することができる。しかし、いくつかの利益を得るために、すべてを一緒に使用する必要はない。
【0172】
1.好ましくはその上にシール部材を有する、それでもそこから軸方向に外に突き出す軸方向シール支持体を有する閉じたエンド・キャップの提供。
【0173】
2.(a)フィルタ媒体の外側エッジの外側位置と(b)フィルタ媒体の最大の半径方向に内側への突き出しと半径方向に等しい内側位置との中間の位置に、その上のラジアル・シール支持体を有する、その上の少なくとも1つのエンド・キャップを有するフィルタ・カートリッジの提供。通常、好ましくは、軸方向に外に突き出す支持体が、両方のプリーツ・チップ・エッジからエンド・キャップにまたがる距離(外側プリーツ・チップから内側プリーツ・チップへ)の少なくとも10%、通常はその距離の少なくとも15%の位置にシールを支持するために置かれる。
【0174】
3.上の2で説明したエンド・キャップを2つ有するフィルタ・カートリッジ。
【0175】
4.インナ軸方向荷重支持コアを有しない、上の3つの全般的特性のいずれかと一致するフィルタ・カートリッジ。
【0176】
5.アウタ軸方向荷重支持ライナを有しない、上の4つの全般的特性のいずれかと一致するフィルタ・カートリッジ。
【0177】
上の原理に基づいて、液体システム用のフィルタ・カートリッジを設計する手法を、次のようなものとすることができる。
【0178】
1.プリーツ・チップ支持チューブの直径(Diを確立する)ならびに最大ハウジング直径(Doを確立する)を有する所与のハウジング・システムについて軸方向荷重(Fmax)を受け入れるためのフィルタ・カートリッジの能力と、フィルタ媒体にまたがるΔP(最大値)とを決定する。シール位置Dsは、通常の動作条件の下でFmaxを超えないように、ある範囲内である位置のDsB(つり合いをとられた位置)をもたらすように配置することができる。
【0179】
2.同様に、識別されたパラメータのそれぞれを、他のパラメータを固定してまたはある範囲で固定して変数として扱うことができ、その特定の計算および好ましいフィルタ・カートリッジ構成が可能になる。
【0180】
本明細書では、多くの油圧フィルタで通常であるように、200psidの仮定されたΔPmaxがあった油圧フィルタに関する例を提供した。Fmaxすなわちフィルタ・カートリッジが受け入れることのできる荷重の最大量は、すべての例において固定されず、選択される材料の関数である。たとえば、−40lbf(軸方向のポンド力)の最大力が、計算において使用されたが、システムに応じて、これより大きい数字または小さい数字を使用することができる。
【0181】
潤滑油システムについて、異なる限度を期待することができる。多くの潤滑油システムのΔPmaxは、油圧系について200psidより小さく、たとえば、100psid〜150psidの範囲内である。Fmaxは、やはり、選択される材料の関数になるはずである。Fmaxは、−40lbfとすることができるが、他の値とすることもできる。
【0182】
やはり、シール直径が本明細書で論じられる時に、シール直径が、カートリッジが定位置にある時のシール・リングと対応するハウジング構成要素との間の界面の直径を指すことを意味することに留意されたい。
【0183】
B.アセンブリ
もちろん、本開示は、その中に、本明細書で特徴付けされるカートリッジを有する、フィルタ・アセンブリ全体に関する。全体的なフィルタ・アセンブリを、トップ・ロードまたはボトム・ロードのために構成することができる。これらのアセンブリの特徴は、この説明および/または上の例で特徴付けされる全般的な特徴と一致するものとすることができる。
【0184】
液体フィルタ・アセンブリは、やはり、たとえば油(潤滑油)フィルタ、燃料フィルタ、または油圧フィルタとして構成することができる。
【0185】
C.組立、使用、および修理の方法
一般に、組立および使用の方法が提供される。組立の方法に、一般に、本明細書の説明と一致するように構成要素を構成することが含まれる。使用の方法に、一般に、本明細書で説明される原理と一致するように構成された修理可能フィルタを通るように液体の流れを向けることが含まれ、特徴付けされた正味の結果が生じる。いくつかの例で、カートリッジとハウジング基部との間のシールは、修理中にセンタリングももたらす。
【0186】
VII.追加の例、図16および17
A.スピンオン・アセンブリ、図16
符号600(図16)は、全般的に、本開示のさらなる実施形態による液体フィルタ構成を示す。構成600に、フィルタ・ヘッド601と、取外し可能な液体フィルタ・アセンブリ602とが含まれる。フィルタ・アセンブリ602に、外壁603および内部カートリッジ604が含まれる。
【0187】
図示の特定の液体フィルタ・アセンブリ602は、「スピンオン」アセンブリであり、これは、構成要素602が、一般に修理動作中に取り外され、交換されることを意味する。すなわち、カートリッジ604は、全般的に、使用中にハウジング603がフィルタ・ヘッド601から分離された時に、修理することが、液体フィルタ・アセンブリ602を、前に一緒に組み立てられた新しいハウジング603および新しいカートリッジ604と交換することを含むように、ハウジング603に受けられる。すなわち、カートリッジ604は、修理中にハウジング603から取り外されない。
【0188】
まだ図16を参照すると、カートリッジ604に、フィルタ媒体605、この例ではそれぞれ第1および第2の対向するエンド・キャップ607と608の間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体606が含まれる。エンド・キャップ608は、閉じたエンド・キャップであり、ハウジング603の底611内の支持構造610上で支持されて図示されている。カートリッジ604に、604aのインナ・ライナが含まれる。
【0189】
エンド・キャップ607は、それを通る流れ開口615を有する、開いたエンド・キャップである。エンド・キャップ607に、据付中にポスト620の上を滑り、使用中にポスト620の周囲をシールするためのOリング・シール618を支持するシール支持構成617が含まれる。
【0190】
エンド・キャップ607に、さらに、外に突き出すフランジ625が含まれ、このフランジ625は、最初の据付の後に、ハウジング603からのカートリッジ604の取外しを禁じるために、ハウジング603上の構造と係合する位置に置くことができる。
【0191】
図示の特定のカートリッジ604が、アウタ・ライナ・フリーであることに留意されたい。
【0192】
この例でOリング618によって画定されるシール630は、たとえば、前に述べた平衡点Dbまたはその付近に置かれる、シールド直径Dsを有する。
【0193】
エンド・キャップ608は、支持体610によって、矢印635の向きの下向きの動きに対して支持される。
【0194】
アセンブリ600は、外側から内側への流れ用に構成され、これからろ過される未ろ過液体のヘッド601への流れは、644で発生し、その後、入口643を介してフィルタ・カートリッジ604の周囲の環状部641に入る。液体は、その後、フィルタ媒体606を介して内側領域606aに通ることによって、ろ過される。ろ過された液体は、その後、ヘッド601内のチャネル620aに流れ、吐出流れ出口640を介して外に流れる。
【0195】
外側から内側への流れパターンを有することは、一般に、エンド・キャップ608での、より高い上流圧力領域Pu対より低い下流圧力Pdを生成し、これは、一般に、エンド・キャップ608を上にすなわち、矢印635と反対の向きに押しやる。
【0196】
ポスト620に、その上の止め645が含まれ、止め645は、示された偏らせる力の下でカートリッジが矢印635と反対の向きに滑り始めた場合に、シール支持構成617によって係合される。
【0197】
エンド・キャップ607上では、シール630の位置を、やはり、本質的に平衡点Dbに位置決めすることができ、したがって、望まれる場合に、エンド・キャップ607への液体圧力差からの上向きまたは下向きの力をなくすことができる。代替案では、シール630を、本明細書で説明するように、Dbの周囲の位置の範囲内で代わりの位置に置くことができる。
【0198】
まだ図16を参照すると、アセンブリ602とフィルタ・ヘッド601との間の係合の特定の方法は、650に示されたねじ山による係合を介するものである。
【0199】
もちろん、アセンブリ602に類似するスピンオン・アセンブリを、望まれる場合に、フィルタ媒体パック604にまたがる「アウトツーイン」流れ用に構成することができる。
【0200】
B.代替の液体フィルタ・カートリッジ構成、図17
図17には、フィルタ・ヘッド701、取外し可能ハウジング702、およびフィルタ・カートリッジ703を含む液体フィルタ構成700が示されている。この例では、カートリッジ703は、ねじ山710でヘッド701からハウジング702を分離し、ボウル702内のカートリッジ703を交換し、その後、ボウル702をヘッド701に再取付けすることによって取り外し、交換することのできる、修理可能カートリッジである。
【0201】
シール711および712は、ボウル702から外への漏れを防ぐために図示されている。
【0202】
カートリッジ703は、内側から外側への流れ用に構成されて図示されているが、代替構成が可能である。カートリッジ703に、この例では上側エンド・キャップ715と下側エンド・キャップ716との間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体714aを含む、フィルタ媒体パック714が含まれる。図示の例では、下側エンド・キャップ716が閉じられている。フィルタ媒体パック714の周囲に、外側支持体718が設けられ、外側支持体718に、望みに応じて、コイル状に巻かれたロービングまたはライナを含めることができる。
【0203】
エンド・キャップ715は、中央開口715aを有し、開かれている。エンド・キャップ715に、さらに、その上のシール支持体720が含まれ、シール支持体720は、この例ではOリング721aを含む、シール部材721を支持する。
【0204】
カートリッジ703は、ポスト730に対してシールされたシール部材721と共に位置決めされ、ポスト730内に、カートリッジ703の開いた内部703aと通じた流れ開口730aが設けられる。
【0205】
通常動作中に、液体の流れは、入口730およびヘッド701を介して入り、導管370aを介して開いた領域703aに運ばれる。液体は、次に、フィルタ媒体パック714を介して外側環状部735に進む際にろ過される。ろ過された液体は、導管736およびヘッド701に入り、液体流れ吐出口738を介して出る。アセンブリ700に、その中のバイパス弁構成740が含まれ、バイパス弁構成740は、カートリッジ703が十分に閉塞された場合に、液体の流れがカートリッジ703をバイパスすることを可能にする。バイパス弁740に、この例ではコイル状に巻かれたばね744を含む偏らせる構成743によって開口742を閉じるように維持される弁ヘッド741が含まれる。
【0206】
シール支持体720は、本明細書で説明するようにDbに対応するまたはDbから変更されるのいずれかの位置でシール構造721を支持し、ポスト730に対してシールするのに適切な位置でエンド・キャップ715上に位置決めされて示されている。
【0207】
VIII.液体フィルタ設計の手法にさらに関して
上の原理に基づいて、本開示による原理を利用するフィルタ設計に関するさらなる定義を展開した。これらを、本明細書で図18〜32に関して示す。図18〜32では、すべての直線寸法の数字が、インチ単位であり、すべての面積の数字が、平方インチ単位である。
【0208】
A.データ提示、図18〜26
図18〜26では、本開示による変形形態および原理を利用する液体フィルタ構成の選択されたデータおよび計算されたデータのプロットを提供する。図18〜26の表のレビューにおいて、次の定義を考慮しなければならない。
【0209】
1.列1
Doという名前を付けられた第1列に、プリーツ・パックの選択された外径を提供する。プリーツ付きフィルタ媒体を有するプリーツ・パックの外径は、プリーツ・チップによって画定される直径である。図18〜20の表(グループ1)について、Doは、0.1インチ(2.54mm)増分で2.5インチ(63.5mm)から5.5インチ(139.7mm)までの範囲であり、本明細書では、これらを「グループ1」と呼ぶ。図21〜23では、Doは、0.1インチ(2.54mm)増分で5.6インチ(142.2mm)から10インチ(254mm)までの範囲であり、本明細書では、これらを時々「グループ2」と呼ぶ。図24〜26では、Doは、0.1インチ(2.54mm)増分で1.5インチ(38.1mm)から2.4インチ(61mm)までの範囲であり、本明細書では、これらを時々「グループ3」と呼ぶ。
【0210】
図18から26の表に関するグループ1、グループ2、およびグループ3のグループ化は、検討のための、選択された外径または寸法に基づくグループ化である。グループは、それ以外に重要に別個であることを意味しない。グループ間の遷移(0.1インチ(2.54mm)のステップにまたがる)は、度外視されることを意図されていない。図26〜32のグラフに関して下で述べるように、グラフは、識別されるすべての領域にまたがって連続と考えることができる。
【0211】
これらのグループ化は、一般に小寸法、中寸法、および大寸法のフィルタ・カートリッジに関するので、液体フィルタ応用例への本明細書で説明する技術の適用を考慮する際になんらかの助けになり得る。
【0212】
2.列2
図18〜26の表では、用語Diが、識別されるプリーツ・パックの内径を表す。プリーツ付きフィルタ媒体について、これは、通常、プリーツ・チップによって画定される内径である。多くのフィルタ・カートリッジでは、最適プリーツ深さが、外径(odまたはDo)を4で割ったものであると考えられる。そのような状況の下では、Di=Do−(Do÷4)である。あるいは、言い換えると、Di=.5×Doである。図18〜26の表について、この式が、Doの所与の定義についてDiを定義するのに使用された。
【0213】
3.列3
図18〜26では、列3の「プリーツ深さ」が、プリーツ深さを表す。もちろん、プリーツ深さは、前に定義したようにDoに関連する。したがって、「プリーツ深さ」という名前の列では、(Do−Di)/2の計算が使用される。
【0214】
4.列4
この表の「プリーツ・カウント」という名前の第4列は、たとえば、プリーツの個数すなわちプリーツ・カウントを指す。本明細書で前に述べたように、プリーツ・カウントが20に達したならば、一般に、さらなるプリーツの追加は、Dbの計算を大きくは変化させない。したがって、図18〜26の表で分析される例について、すべての例のプリーツ・カウントが、20にセットされた。
【0215】
5.列5
図18〜26の表の次の列は、「ギャップ」と称する。「ギャップ」は、図18〜26で報告される計算において、下で述べる比較のためにDoおよびDiが列6の固定されたシール位置に対して変更される量として選択される変数である。
【0216】
これらの表でのデータ提示に関して、データ範囲を示すために、3つの寸法のギャップが使用された。この寸法は、「7%」、「12%」、および「22%」である。比較用の計算データを展開するためのこれらの数字の使用は、さらなる列の定義から明白になる。
【0217】
6.列6
図18〜26の表の次の列は、「Ds=Db(計算値)」または「Ds/計算値」のいずれかの名前が付けられている。これは、エンド・キャップの両側での計算された力が互いに等しくなる、本明細書の説明と一致するDo(列1)、Di(列2)、およびプリーツ・カウント20(列4)に関する、計算された平衡点Dbにある場合にシール位置がどこになるかの表示である。計算手法は、識別されたDo、Di、およびプリーツ・カウントを使用する、本明細書で前に提供した説明と一致するものである。もちろん、やはり、プリーツ・カウントが20以上であるならば、プリーツ・カウントは、変更された時に式に実質的に影響しないと考えられる。
【0218】
第6列のDbの識別された位置のそれぞれについて、Dbにある時のシール位置は、エンド・キャップ上で各プリーツ・チップ・エッジから離隔された位置にある。
【0219】
列6のDbの位置は、本明細書で述べるように、カートリッジが内側から外側への流れまたは外側から内側への流れのどちらのために設計されているかにかかわりなく、定義されたDo(列1)およびDi(列2)を有するカートリッジについて同一になるはずである。
【0220】
7.列7
図18〜26の表の第7列は、「Domin」という名前が付けられている。用語Domin」は、Diおよびシール位置(Ds)が固定されたままである場合であっても、Doが列6の選択された「ギャップ」だけ減らされている、識別された行のカートリッジの変動を示すことを意味する。一般に、Domin=(1−ギャップ)×Doである。したがって、図18の表の第1行について、Domin=(1−.07)(2.5)すなわち、0.93(Do)または2.33インチである。
【0221】
8.列8
第8列では、Domin(列7)が、Db(列6)のパーセントとして示されている。すなわち、この表の値は、Domin/Dbと等しい。
【0222】
9.列9
「Domax」という名前を付けられた第9列は、この例ではDoに「ギャップ」の値を加算することによる、カートリッジ直径のもう1つの変動を示すことを意味する。したがって、Domax=(1+ギャップ)×Doである。図18の表の第1行について、Domax=(1+.07)×2.5すなわち、1.07(2.5)インチまたは2.68インチである。
【0223】
10.列10
第10列は、Db(列6)の%としてのDomax(列9)を反映する。したがって、与えられる値は、Domax/Dbと等しい。
【0224】
11.列11
第11列は、「Dimin」という名前を付けられている。この列は、ギャップに選択された値を使用することによるDiの変動を反映する。したがって、Dimin=(1−ギャップ)×Diである。図18の表の第1行について、Dimin=(1−.07)×1.25すなわち、0.93(1.25)インチまたは1.16インチである。
【0225】
12.列12
列12は、Db(列6)の%としてのDimin(列11)のレポートである。したがって、所与の行の列12の値は、Dimin/Dbを含む。
【0226】
13.列13
列13は、「Dimax」という名前を付けられている。この列は、ギャップの加算によって変更されたDiの値と等しい。一般に、Dimaxは、(1+ギャップ)かけるDiと等しい。図18の表の第1行について、Dimax=(1+.07)×1.25すなわち、1.07(1.25)インチまたは1.34インチである。
【0227】
14.列14
列14は、Db(列6)の%としてのDimax(列13)を反映する。これは、Dimax/Dbの計算値である。
【0228】
15.列15
列15は、「Astd(Ds=Di,Do,Di)」という名前を付けられている。この列は、シールがプリーツ・パックの内径(Ds=Di)上に置かれているカートリッジの軸方向荷重によって影響される、定義されたエンド・キャップ(Do(列1)、Di(列2)、プリーツ・カウント(列4))の面積である。したがって、これは、プリーツ・パックの内側にシールを有する標準カートリッジ設計について計算された影響を受ける面積(Ae)または(Astd)である。この文脈での用語「影響を受ける面積」は、Pu対Pdの圧力の差を受ける量(カートリッジの片面の表面積に関する)を指すことを意味する。これは、エンド・キャップの片側の総面積から、PuであれPdであれ、両側で同一の圧力受ける面積の量を引くことからもたらされる数字である(この計算では、20のプリーツ・カウントが使用される)。
【0229】
列15の値は、本明細書で前に説明した関数を使用することによる計算値である。
【0230】
シールがプリーツ・パックの内径に置かれ、アウトツーイン・フローのカートリッジについて、結果のエンド・キャップは、フィルタ媒体パックに向かう力を受ける。図18〜26の表について、このそのような力は、正の数によって表される。
【0231】
もちろん、流れが反対方向の「インツーアウト」の場合には、影響を受ける面積の絶対値は同一であるが、力の方向は反対である。
【0232】
16.列16
「Ae(Ds calc,Domin,Dimin)」という名前を付けられた列16は、Ds=列6の値であり、エンド・キャップ・パラメータがDomin(列7)の外側プリーツ・パック直径およびDimin(列11)の内側プリーツ直径であり、シールがDoおよびDiに関するDbの計算された位置に置かれている時のエンド・キャップの計算された影響を受ける面積である。列16のこの値は、シールが列6と同一位置に維持されるが、DoおよびDiがDominおよびDiminに変更された場合に、平衡位置(Ae=0)からの影響を受ける面積(Ae)のどれほどの変動があったかを示す。この絶対値を列15の値と比較して、標準フィルタ・カートリッジとの比較によって、影響を受ける総面積(Ae)の量がより小さく、したがってよりよいかどうかを調べることができる。報告される値が負の場合には、圧力は、プリーツ・パックから離れる向き(外側から内側への流れが仮定される時)である。この計算では、20のプリーツ・カウントが使用される。
【0233】
17.列17
「DominおよびDiminの関数としてのDsl=Ds」という名前を付けられた列17は、Dslと呼ばれる数であり、これは、この表で提示される計算について、カートリッジが外径Domin(列7)および内径Dimin(列11)を有し、20のプリーツ・カウントの場合に、つり合い(Ae×0)が発生するシールの位置(新たに計算されたDb)に対応する。
【0234】
18.列18
「Dbの%としてのDsl」という名前を付けられた列18は、Db(列6)のパーセントとしてのDsl(列17)の計算の陳述である。
【0235】
19.列19
「Ae(Ds calc,Domin,Dimax」という名前を付けられた列19は、シールが位置Db(列6の)にあるが、プリーツ・パック外径がDomin(列7)であり、内径がDimax(列13)であり、プリーツ・カウントが20の時のエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)である。
【0236】
20.列20
列20は、「DominおよびDimaxの関数としてのDsl=Ds」という名前を付けられており、外径がDomin(列7)、内径がDimax(列13)、プリーツ・カウントが20であるカートリッジの計算されたシール直径平衡点(Ae=0)である。
【0237】
21.列21
「Dbの%としてのDsl」という名前を付けられた列21は、Db(列6)のパーセンテージとしてのDsl(列20)の陳述である。
【0238】
22.列22
「Ae(Ds calc,Domax,Dimin」という名前を付けられた列22は、シールがDb(列6)に置かれているが、プリーツ・パック外径がDomax(列9)、内径がDimin(列17)、プリーツ・カウントが20である時のエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)である。
【0239】
23.列23
「DomaxおよびDiminの関数としてのDsl=Ds」という名前を付けられた列23は、Domax(列9)の外径、Dimin(列11)の内径、および20のプリーツ・カウントを有するフィルタ媒体パックの、シールがつり合う(Ae=0)ように置かれる場所の計算である。
【0240】
24.列24
列24は、列6のDb値のパーセントとしての、列23の計算されたシール位置の陳述である。
【0241】
25.列25
「Ae(Ds calc,Domax,Dimax」という名前を付けられた列25は、シールがDb(列6)に置かれ、カートリッジが、Domax(列9)のプリーツ・パック外径、Dimax(列13)のプリーツ・パック内径、および20のプリーツ・カウントを有する時のエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)である。
【0242】
kリーツ・カウント)の影響を受ける面積(Astd)に対して、定義されたようにDomin(列7)、Dimin(列11)およびプリーツ・カウント20を有するフィルタ媒体パックについてDb(列6)にあるシールを使用するエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)を比較する。
【0243】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=3.20インチ、Di=1.60インチ、および20のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準スタイル・カートリッジの3.27平方インチと比較して、2.57平方インチである。この面積Aeは、Astdの79%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準フィルタ・カートリッジの軸方向荷重の79%であることを意味する。
【0244】
29.列29
列29は、「Ae(Ds=Db,Domin,Dimax)%Astd」という名前を付けられ、列28に似た比較を提供するが、この例では、影響を受ける面積(Ae)が、シールが内側プリーツ直径に置かれた類似するカートリッジに対して、Db(列6)のシールとDominおよびDimaxのプリーツ寸法とについて計算される。
【0245】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=3.20インチ、Di=2.50インチ、および10のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準フィルタ・カートリッジの3.27平方インチと比較して、0.32平方インチである。この面積Aeは、Astdの10%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準フィルタ・カートリッジの軸方向荷重の10%であることを意味する。
【0246】
30.列30
列30は、「Ae(Ds=Db,Domax,Dimin)%Astd」という名前を付けられ、影響を受ける面積標準(Astd)に対する影響を受ける面積(Ae)の似た比較(列28および29に)を提供し、ここで、シールは、Db(列6)にあり、プリーツ寸法は、Domaxの外側寸法およびDiminの内側寸法である。Aeの比較は、同一カートリッジであるが、シールが内径に置かれたカートリッジ(Astd)に対するものである。
【0247】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=5.00インチ、Di=1.60インチ、および20のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準フィルタ・カートリッジの3.27平方インチと比較して、0.32平方インチである。この面積Aeは、Astdの10%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準フィルタ・カートリッジの軸方向荷重の10%であることを意味する。
【0248】
31.列31
列31は、「Ae(Ds=Db,Domax,Dimax)%Astd」という名前を付けられ、シールがDb(列6)に置かれるが、外側プリーツ直径がDomax、内側プリーツ直径がDimaxである状況の、影響を受ける面積の列28〜30に類似する比較である。この比較は、同一のエンド・キャップを有するがシールが内径にある影響を受ける面積(Astd)に対する、そのような状況の影響を受ける面積(Ae)の比較である。
【0249】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=5.00インチ、Di=2.50インチ、および20のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準スタイル・カートリッジの3.27平方インチと比較して、3.21平方インチである。この面積Aeは、Astdの98%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準スタイル・カートリッジの軸方向荷重の98%であることを意味する。
【0250】
図28から31の比較は、提供される定義と一致してシールがエンド・キャップ上でプリーツ・チップの内径とプリーツ・チップの外径との間に離隔されるのではなく、シールがプリーツ・チップの内径に設けられる標準スタイル・エンド・キャップとの比較によって、エンド・キャップがこの特定の例で識別される寸法およびシール位置を有するように調整された時に軸方向荷重(Ae)の何パーセントがエンド・キャップに残されるかの理解を可能にする。この4つの列の例について、カートリッジは、Ae=0を得るために最適化されてはいない。したがって、この重要な比較は、Aeの、したがって圧力のどれほどの実際の減少が発生したかを示す。
【0251】
B.選択されたデータ・プロット、図27〜32
ここで、図27〜32のグラフに注目されたい。図27〜32では、グループは、図18〜26のデータから生じるシール直径(Ds)のグループを指す。
【0252】
1.図27および28
(a)図27
まず図27のグラフを参照すると、このグラフには、図18〜20の表に含まれるある種の情報のプロットが含まれる。
【0253】
具体的に言うと、図18〜20の表に記載されたシステムについて、図27のプロットは、Diに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA、B、C、D、E、F、およびGとして識別される。
【0254】
線A=図20のデータについて、Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0255】
線B=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図19のデータ(x軸)のプロット。
【0256】
線C=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図18のデータ(x軸)のプロット。
【0257】
線D=Di(列2)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18〜20のすべてからのプロット。
【0258】
線E=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18からのプロット。
【0259】
線F=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図19からのプロット。
【0260】
線G=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図20からのプロット。
【0261】
(b)図28
図18〜20の表に記載されたシステムについて、図28のプロットは、Doに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA1、B1、C1、D1、E1、F1、およびG1として識別される。
【0262】
線A1=図20のデータについて、Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0263】
線B1=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図19のデータ(x軸)のプロット。
【0264】
線C1=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図18のデータ(x軸)のプロット。
【0265】
線D1=Do(列2)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18〜20のすべてからのプロット。
【0266】
線E1=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18からのプロット。
【0267】
線F1=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図19からのプロット。
【0268】
線G1=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図20からのプロット。
【0269】
2.図29および30
(a)図29
図21〜24の表に記載されたシステムについて、図29のプロットは、Diに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA2、B2、C2、D2、E2、F2、およびG2として識別される。
【0270】
線A2=図23のデータについて、Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0271】
線B2=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図22のデータ(x軸)のプロット。
【0272】
線C2=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図21のデータ(x軸)のプロット。
【0273】
線D2=Di(列2)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21〜23のすべてからのプロット。
【0274】
線E2=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21からのプロット。
【0275】
線F2=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図22からのプロット。
【0276】
線G2=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図23からのプロット。
【0277】
(b)図30
図21〜23の表に記載されたシステムについて、図30のプロットは、Doに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA3、B3、C3、D3、E3、F3、およびG3として識別される。
【0278】
線A3=図23のデータについて、Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0279】
線B3=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図22のデータ(x軸)のプロット。
【0280】
線C3=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図21のデータ(x軸)のプロット。
【0281】
線D3=Do(列2)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21〜23のすべてからのプロット。
【0282】
線E3=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21からのプロット。
【0283】
線F3=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図22からのプロット。
【0284】
線G3=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図23からのプロット。
【0285】
3.図31および32
(a)図31
図24〜26の表に記載されたシステムについて、図31のプロットは、Diに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA4、B4、C4、D4、E4、F4、およびG4として識別される。
【0286】
線A4=図26のデータについて、Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0287】
線B4=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図25のデータ(x軸)のプロット。
【0288】
線C4=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図24のデータ(x軸)のプロット。
【0289】
線D4=Di(列2)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24〜26のすべてからのプロット。
【0290】
線E4=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24からのプロット。
【0291】
線F4=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図25からのプロット。
【0292】
線G4=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図26からのプロット。
【0293】
(b)図32
図24〜26の表に記載されたシステムについて、図32のプロットは、Doに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA5、B5、C5、D5、E5、F5、およびG5として識別される。
【0294】
線A5=図26のデータについて、Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0295】
線B5=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図25のデータ(x軸)のプロット。
【0296】
線C5=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図24のデータ(x軸)のプロット。
【0297】
線D5=Do(列2)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24〜26のすべてからのプロット。
【0298】
線E5=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24からのプロット。
【0299】
線F5=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図25からのプロット。
【0300】
線G5=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図26からのプロット。
【0301】
図26〜32のグラフの利用は、次の例から明白になる。
【0302】
1.多くの例で、システムのシール直径は、機器によって固定される。たとえば、図16のヘッド601にはまる新しいフィルタ・カートリッジを設計する努力を検討されたい。ヘッド601は、既に機器の定位置にあるか、その機器の定位置に置かれるように設計済みであるはずである。シール直径は、ヘッド601のポスト620の設計によって固定される。
【0303】
交換部品602、特にカートリッジ604を設計する際に、シール直径のパラメータ(Ds)は、既に固定されているはずである。
【0304】
また、ハウジング603の全体的な外径および内径は、固定されているか、少なくとも制限される。これが、カートリッジのDoおよびDiを設計できる範囲を設定する。
【0305】
2.例において、図16のシールのDsの寸法範囲が1.7インチと3.9インチの間であると仮定する場合に、図27および図18のグループ1の表が、利用に適切である(他の寸法のDsには、グループ2またはグループ3を用いる)。
【0306】
3.図27で「D」、図28で「D1」として識別される線は、述べられた範囲内の任意の所与のシール直径(Ds)について、つり合いを達成するすなわちAe=0を得るための適切なDi値およびDo値を識別する。すなわち、たとえば、2.6インチのポスト620によって識別されるシール直径を仮定すると、図27では、これは、つり合い(Ae=0)を得るために、1.8インチよりわずかに大きいDiを選択しなければならないことを示し、図28から、約4インチのDoを選択しなければならない(実際の値は、対応するデータ・チャートにある)。
【0307】
4.もちろん、上のポイント3の議論に一致して、Ae=0をもたらすために、多くの例で設計を再適することが好ましいはずである。しかし、これは、すべての場合において実用的または必要とは限らない。
【0308】
図27の線分Aおよび図28の線分A1によって表される線は、一般に、それぞれ、Dsの所与の値に関する、DiおよびDoの使用可能な下限を示す。表の計算から、図20について、所与のDsについて選択されたDiおよびDoの値がそれぞれ線AおよびA1に乗っているかそれより上にある限り、Aeの、したがって対応する荷重の実質的な減少がもたらされることがわかる(DsがほぼDiと等しいと仮定される標準シール設計との比較によって)。
【0309】
5.一般に、図17および28の線分GおよびG1によって表される線は、図20のDomax、Dimax、列31の極端を反映する。これは、一般に、DsがほぼDiに置かれる場合の標準スタイル・カートリッジに対する実質的な利益をもたらすには大きすぎるはずの、所与の選択Dsに関する値DiおよびDoである。
【0310】
6.その一方で、線分FおよびF1によって表される線は、一般に、それぞれ、Aeの、したがって力の実質的な減少が発生する、所与の選択されたDsに関するDiおよびDoの値を反映する。したがって、DiおよびDoは、それぞれ、FおよびF1がそれぞれその線分である線に乗っているかそれより下にあることが必要である。
【0311】
7.結果として、所与の値Dsについて、DiおよびDoの値が、それぞれ、線分AおよびA1によって表される線について与えられる値より小さくなく、線分FおよびF1によって表される線によって与えられる値より大きくないように選択されるならば、一般的な利益が達成される。
【0312】
8.所与のDsについてDiおよびDoに選択される値が、それぞれ、(a)それぞれ線分BおよびB1によって表される線の値より小さくなく、かつ、(b)それぞれ線分FおよびF1によって表される線の値より大きくなく、かつ、(c)好ましくはそれぞれ線分EおよびE1によって表される線の値より大きくない時に、より大きい利益が生じる。
【0313】
9.本明細書の原理の通常の応用において、所与のDsについてDiおよびDoに選択される値が、それぞれ線分CおよびC1によって表される線の値より小さくないことが好ましい。また、これらが、それぞれ線分EおよびE1によって表される線の値より大きくないことが好ましい。
【0314】
10.図27のグラフは、前に示したように、Dsの下端側で図31、Dsの上端側で図29によって生成される連続するグラフの中央部分である。したがって、線A、A2、およびA4は、連続する線のセクションであり、線B、B2、およびB4は、連続する線のセクションであり、線C、C2、およびC4は、連続する線のセクションであり、線D、D2、およびD4は、連続する線のセクションであり、線E、E2、およびE4は、連続する線のセクションであり、線F、F2、およびF4は、連続する線のセクションであり、線G、G2、およびG4は、連続する線のセクションである。
【0315】
11.同様に、図28のグラフは、前に示したように、図28、30、および32を含む連続するグラフの中央セクションである。したがって、線A1、A3、およびA5は、連続する線のセクションであり、線B1、B3、およびB5は、連続する線のセクションであり、線C1、C3、およびC5は、連続する線のセクションであり、線D1、D3、およびD5は、連続する線のセクションであり、線E1、E3、およびE5は、連続する線のセクションであり、線F1、F3、およびF5は、連続する線のセクションであり、線G1、G3、およびG5は、連続する線のセクションである。
【0316】
12.次に、図27〜32のグラフを使用して、所与のDsについて、1.06インチ(26.9mm)から7.06インチ(179 mm)までのDs(シール直径)範囲にわたって、好ましいDs値範囲およびDo値範囲を選択することができる。異なる線は、表に記載された影響(Ae)に関する、使用可能な定義された範囲を示す。通常、所与のDsについてそれぞれDiおよびDoに選択される範囲は、線分A(またはA1)およびF(またはF1)がその一部である線に乗っているかそれらの線の間であり、通常は、線B(またはB1)およびF(またはF1)がその一部である線に乗っているかそれらの線の間であり、しばしば、線分C(またはC1)およびF(またはF1)がその一部である線に乗っているかそれらの線の間である。
【0317】
IX.本開示による選択された原理の全般的な要約
A.全般的な特徴
本開示による技術は、さまざまな液体フィルタ構成に適用することができる。液体フィルタ構成に、一般に、第1および第2の対向するエンド・キャップの間に延びるフィルタ媒体が含まれる。このフィルタ媒体は、通常、プリーツ付きであり、インナ・プリーツ直径(Di)およびアウタ・プリーツ直径(Do)を定める。エンド・キャップの一方または両方が、開いた中央開口を有することができる。
【0318】
一般に、エンド・キャップのうちの少なくとも1つは、そのエンド・キャップから軸方向に外に(フィルタ媒体から離れる向きに)延びる突起上に置かれたシール支持体を有する。通常の例で、このシール支持体によって支持されるシールは、Oリングであるが、代替物が可能である。シールを、内側にまたは外側に向けられるように支持することができる。Oリングまたは代替シールは、一般に、シール直径Dsを定める。
【0319】
このフィルタ・カートリッジは、使用中にハウジングから取り外され、交換される、修理可能フィルタ・カートリッジとして使用することができる。このフィルタ・カートリッジは、修理中にハウジング部分と共に交換されるように、ハウジング内に永久的に含めることもできる。
【0320】
本願の図面に示された通常のシール支持体は、使用中に液体フィルタ・アセンブル構成要素の上(またはその内部)の位置へ滑るタイプである。例では、シール支持体が、ポストまたは他の構造の上を滑るものとして図示され、このポストまたは他の構造を通って、開口または流れ導管が延びる。いくつかの構成で、シール支持体は、使用中に、流れ開口の内部を滑って、その流れ開口を定める壁に対してシールすることができる。
【0321】
本明細書の説明で示されたタイプのシール支持体は、一般に、シールを定位置に固定するための、ホース・クランプまたは類似する構造などの外部クランプなしで定位置に置かれる。そのような構成は、本明細書では、時々、「ノンクランプ」または「ノンクランピング」シール支持体またはシール構造として、または類似する用語によって記述される。
【0322】
本開示の原理は、望まれる場合に、インナ・ライナおよび/またはアウタ・ライナを有しない構成を提供するのに利用することができる。
【0323】
本開示による技術を、内側から外側への流れまたは外側から内側への流れのために構成された構成に利用することができる。両方の例が説明されている。
【0324】
本開示による技術を、プリーツ付きフィルタ媒体がその片面または両面にプリーツ付きワイヤ・メッシュ支持体またはプリーツ付きプラスチック・メッシュ支持体などのプリーツ付きフィルタ媒体支持体を含むシステムで適用することができる。
【0325】
本開示の原理は、さまざまな効果を達成するための好ましいシール位置に関する。
【0326】
B.平衡点Db(Ae=0)にあるかその位置の所望の範囲内にある、液体フィルタ・カートリッジの所与のエンド・キャップのシール直径の位置
本開示の1態様では、液体フィルタ構成の少なくとも第1エンド・キャップが、それを通る第1中央開口を有し、シール支持体が、シール直径Dsを定めるために第1エンド・キャップ上に位置決めされ、シール直径は、0.85DbA以上で1.15DbA以下の範囲内、通常は0.9DbA以上で1.1DbA以下の範囲内、好ましくは0.95DbA以上で1.05DbA以下の範囲内であり、ここで、DbAは、使用中に第2エンド・キャップ(B)に向かうかこれから離れる、第1エンド・キャップ(A)上の軸方向表面力が生じない直径である。DbAは、もちろん、上の計算と一致して、識別されたエンド・キャップの0の有効面積(Ae=0)を定義する位置である。
【0327】
もちろん、本開示のこの態様のいくつかの応用例で、両方のエンド・キャップに、その中の開口を設けることができ、両方のエンド・キャップに、類似する定義の中でその上にシールを設けることができる。したがって、第2エンド・キャップ(B)上に、0.85DbB以上で1.15DbB以下の範囲内、通常は0.9DbB以上で1.1DbB以下、しばしば0.95DbB以上で1.05DbB以下の範囲内のシール直径DsBを有するシール部材用のシール支持体が設けられる。
【0328】
C.シール位置が、エンド・キャップおよびアウタ・プリーツ・チップの外径から離隔され、エンド・キャップおよびインナ・プリーツ・チップの内径から離隔されて位置決めされる液体フィルタ構成の提供
本開示による液体フィルタ・カートリッジの定義のもう1つの態様は、少なくとも第1エンド・キャップ(中央開口を有する)上で、そのエンド・キャップにまたがって、プリーツ・チップ(および存在する場合にエンド・キャップ・開口)の内径から少なくとも0.1Xに対応する距離だけ離隔されたシール支持体が設けられるようになっているフィルタ・カートリッジと理解され、ここで、Xは、プリーツ・チップ(または、類似する場合に、エンド・キャップ外周)の外径と、プリーツ・チップ(または、類似し、存在する場合にエンド・キャップ・開口)の内径との間の距離に対応する寸法である。
【0329】
そのような状況について、通常、シール構造は、エンド・キャップ上で、アウタ・プリーツ・チップ直径(または、類似する場合にエンド・キャップ外周)から内側に、やはり少なくとも0.1Xに対応する距離だけ離隔された距離に位置決めされる。
【0330】
いくつかの構成で、開いたものであれ閉じられたものであれ、第2エンド・キャップについて類似する定義を提供することができる。すなわち、シール構造を、第2エンド・キャップに取り付け、内側プリーツ直径(または開口)と外側プリーツ直径(または開口)との間の差の少なくとも10%に対応する距離だけ、内側プリーツ直径(または開口)から外に、外側プリーツ直径(またはエンド・キャップ円周)から内側に離隔されたシール直径を定義することができる。
【0331】
一般に、いくつかの液体フィルタ・カートリッジで、開いたエンド・キャップのエンド・キャップ・開口直径は、インナ・プリーツ・チップ直径とほぼ同一である(または、これよりわずかに小さい)。また、いくつかの例で、外側エンド・キャップ直径は、外側プリーツ直径とほぼ同一である。しかし、変形形態が可能である。
【0332】
変形形態が使用される時に、間隔は、通常、プリーツ・チップのインナ直径およびアウタ直径がAeを制御するので、これらの要因に関して検討される。
【0333】
D.インナ・プリーツ・チップおよびアウタ・プリーツ・チップから指定された量だけ離隔されたシール位置を有する液体フィルタ・カートリッジ
本発明のもう1つの態様では、横プリーツ直径と外側プリーツ直径の両方から少なくとも5mm、一般的にはは少なくとも10mm、通常は少なくとも15mmの距離だけ離隔された位置でシールを支持させることによって、シールが内側プリーツ直径または外側プリーツ直径のいずれかに設けられる液体フィルタ・カートリッジに対する利益を有する液体フィルタ・カートリッジが提供される。
【0334】
E.影響を受ける区域に関して定義されるフィルタ
一般に、シール位置が、類似するエンド・キャップおよびプリーツ・チップの定義(DoおよびDi)を有するがシールがほぼ内側プリーツ直径の標準位置に置かれる(Ds=Di)Aeの値の80%を超えない、一般的には55%を超えない、通常は20%を超えない、Ae(影響を受ける面積)の値を提供するように、その上のシール位置に関して定義された、少なくとも1つのエンド・キャップ、いくつかの場合に2つのエンド・キャップを有するフィルタ・カートリッジを提供することが好ましい。
【0335】
F.図17〜32のプロットの利用を介する、DoおよびDiの定義されたDs選択に関して定義されたフィルタ・カートリッジ
本明細書で説明される技術のもう1つの態様では、インナ・プリーツ・チップ直径(Di)位置とアウタ・プリーツ・チップ直径(Do)位置との間に離隔して置かれた所与のDsについてDiおよびDoを定義する、第1および第2のエンド・キャップとそれらの間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体とを有する、通常は20以上のプリーツ・カウントを有するフィルタ・カートリッジを構成することができ、ここで、1.06インチ(26.9mm)から7.06インチ(179.3mm)までの範囲内の所与の値Dsについて、
(a)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doは、1.06インチ,1.32インチ(26.9mm,33.5mm)のDs,Doから、7.06インチ,8.8インチ(179mm,224mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doは、1.06インチ,1.68インチ(26.9mm,42.7mm)のDs,Doから、7.06インチ,11.20インチ(179mm,284mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(b)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diは、1.06インチ,0.66インチ(26.9mm,16.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.4インチ(179mm,112mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diは、1.06インチ,0.84インチ(26.9mm,21.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.6インチ(179mm,142mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない。
【0336】
通常、
(a)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doは、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,290mm)のDs,Doから、7.06インチ,9.3インチ(17.9mm,236mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doは、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,35.6mm)のDs,Doから、7.06インチ,10.7インチ(179mm,272mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(b)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diは、1.06インチ,0.7インチ(26.9mm,17.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.65インチ(179mm,118mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diは、1.06インチ,0.8インチ(26.9mm,20.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.35インチ(179mm,135.9mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない。
【0337】
もちろん、図17〜32のグラフに関して上で説明したように、そのようなプロットを使用して、さまざまな代替の好ましい範囲が定義される。
【0338】
G.液体フィルタ・アセンブリ
もちろん、本明細書で説明される技術を利用して、その中にフィルタ・カートリッジ(修理可能または他の形の)を有するハウジングを含む液体フィルタ・アセンブリを開発することができる。一般に、このハウジングは、フィルタ・カートリッジを支持するように構成され、フィルタ・カートリッジは、たとえば上のセクションIX A〜Fで示したように、本明細書で述べられた全般的な原理と一致して選択されるはずである。
【0339】
H.ろ過の方法
利益は、ろ過される液体が上のIX Gのアセンブリと一致するアセンブリに通される液体ろ過動作から生じる。これらの利益は、フィルタ・カートリッジの1つ以上のエンド・キャップでの利益から生じる。
【0340】
本明細書の多くの例で、シールがインナ・プリーツ直径に置かれるすなわちDS=Diである標準に言及していることに留意されたい。計算において、標準は、Ds−Diであると仮定された。いくつかの実際の以前の例では、これからの些細な変動がある場合がある。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体フィルタに関する。本発明は、特に、好ましいシール構造を有する修理可能なフィルタ・カートリッジを利用する液体フィルタに関し、いくつかの場合には、軸方向の荷重を支持するライナを有さない液体フィルタに関する。液体フィルタは、さまざまな応用例に使用することができる。アセンブリと準備および使用の方法とを提供する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願に2004年4月13日出願の米国仮出願第60/562,045号の記載が含まれる。2004年4月13日出願の米国仮出願第60/562,045号の記載全体が、参照によって本明細書に合体される。また、2004年4月13日出願の米国仮出願第60/562,045号に対する優先権の主張が、適切な範囲まで行われる。
【0003】
液体フィルタは、さまざまな応用例に使用され、たとえば、潤滑油、燃料、または作動油のろ過に使用される。使用中において、ろ過される液体はろ過がなされるとフィルタ媒体を通過する。周知の構成は、中央の清浄な液体体積を囲む円筒としてフィルタ媒体を位置決めすることであり、ろ過の流れは、フィルタ媒体を通る外側から内側への流れ(out−to−in flow)を伴って発生する。他の構成では、ろ過の流れは、カートリッジの内側から外側への流れ(in−to−out flow)である。
【0004】
多くの例で、フィルタ媒体は、第1および第2の対向するエンド・キャップの間に広がる範囲内のフィルタ・カートリッジの形態で提供される。通常、この構成には、ライナも設けられる。外側から内側への流れの場合に、インナ・ライナは、(a)通常使用中の半径方向圧力に起因する圧壊または損傷に対するフィルタ媒体の半径方向支持と、(b)カートリッジの圧壊または損傷に対する軸方向支持との両方を提供する。そのような構成を利用するフィルタ・カートリッジの例が、たとえば、2002年9月12日に公開された国際公開第02/070869号に記載されており(図1および図2)、国際公開第02/070869号の記載全体が、参照によって本明細書に合体される。
【0005】
内側から外側への流れでは、アウタ・ライナを使用して、フィルタ媒体の半径方向の支持および軸方向の支持を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第02/070869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くのアセンブリで、フィルタ・カートリッジは、取外し可能かつ交換可能(すなわち修理可能(serviceable))構成要素として構成され、たとえば、国際公開第02/070869号の図1および図2を参照されたい。修理・カートリッジの構成で所望のオプションを可能にする液体フィルタ設計を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、液体フィルタ・カートリッジが提供される。液体フィルタ・カートリッジは、全体的に、第1および第2の対向するエンド・キャップを有し、フィルタ媒体がその間に延びる。フィルタ媒体は、開いた中央体積を定めるように構成され、この開いた中央体積は、使用中に、液体を受ける内部体積を定める。少なくとも1つのエンド・キャップは、開いたエンド・キャップである、すなわち、内部体積との流体流れの連絡をもたらす開口を有する。いくつかの応用例では、両方のエンド・キャップは、開いたエンド・キャップである。いくつかの実施形態では、液体フィルタ・カートリッジは、ろ過中の外側から内側への流れのために構成されるが、代替案(内側から外側への流れ)が可能である。
【0009】
好ましいシール構造が、1つ以上のエンド・キャップに関して提供される。好ましい応用例では、使用中においてエンド・キャップの1つ以上へ正味の表面軸方向の力が有利となるように選択された位置にシールが設けられる。いくつかの応用例で、好ましいレベルの表面軸方向の力のバランスをもたらすために、シール構造が各エンド・キャップに関して設けられる。
【0010】
例示例のアセンブリを提供する。さらに、設計、組立、および使用方法を説明する。また、フィルタ・カートリッジ全体でのエンド・キャップの1つまたはそれぞれに作用する正味の軸方向の表面力を推定する技術を提供する。また、いくつかの好ましいシール構造を説明し図示する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】普通のフィルタ・カートリッジを示す概略側面断面図である。
【図2】図1に示されたフィルタ・カートリッジの一部を示す概略上面図である。
【図3】本開示によるフィルタ・アセンブリの第1実施形態を示す概略上部側面透視図である。
【図4】図3に示されたアセンブリを示す。概略側面断面図である。
【図5】図4の第1部分を示す概略の断片的な拡大図である。
【図6】フィルタ・カートリッジ・エンド・キャップの一部を示す概略図である。
【図7】図6に類似する概略図である。
【図8】図6に類似する概略図である。
【図9】代替実施形態を示す断面図である。
【図10】図11で使用される用語を定義するのに使用することのできる概略図である。
【図11】複数の異なるシステムに関する、プリーツ数と好ましいシール位置との間の関係を示すグラフである。
【図12】例のフィルタ・カートリッジを示す断面図である。
【図13】ハウジング内の図12のフィルタ・カートリッジを示す、アセンブリを示す断面図である。
【図14】定義されるシステムのDiとDoとの間の関係を示すグラフである。
【図15】図示のように、他の変数が固定された時の、パラメータの計算値を示す表である。
【図16】もう1つの代替実施形態を示す側面断面図である。
【図17】もう1つの代替実施形態を示す側面断面図である。
【図18】、
【図19】、
【図20】、
【図21】、
【図22】、
【図23】、
【図24】、
【図25】、
【図26】本明細書の説明と一致する、プリーツ・カートリッジ定義および計算された定義を示すプロットである。
【図27】図18〜26からの、選択されたデータのインナ・プリーツ直径(Di)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図28】図18〜26の表のデータの選択された点の外径(Do)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図29】図18〜26からの、選択されたデータのインナ・プリーツ直径(Di)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図30】図18〜26の表のデータの選択された点の外径(Do)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図31】図18〜26からの、選択されたデータのインナ・プリーツ直径(Di)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【図32】図18〜26の表のデータの選択された点の外径(Do)対シール直径(Ds)を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般に、本発明は、液体フィルタ・カートリッジおよびシステムの構成に関する。ある応用例において、フィルタ・カートリッジの構成要素は、動作中の有利なフィルタ・カートリッジの完全性を可能にする形で提供される。いくつかの例で、フィルタ・カートリッジを用いて修理可能な技術が、フィルタ・カートリッジ内で適用され、これは、フィルタ・カートリッジが、使用中にフィルタ・アセンブリから取り外され、フィルタ・アセンブリ内で交換されることを意味する。他の例では、フィルタ・カートリッジが、フィルタ・アセンブリ内で保守され、ハウジング構成要素と独立にではなく、ハウジング構成要素と共に取り替えられる。
【0013】
本明細書で開示するのは、そのような結果を達成するために有利に適用することができる全般的な構成および特徴である。さらに、類似する所望の結果を達成するためにさまざまな応用例に適用できる、示されるさまざまな機械的構成の好ましい適用から達成される利点の基礎になる理論的原理の提示を行う。
【0014】
一般に、修理可能フィルタ・カートリッジは、通常動作中にハウジングから取り外され、ハウジング内で交換されるフィルタ・カートリッジである。液体フィルタ・カートリッジは、一般に、液体をろ過するためのフィルタ・カートリッジである。通常の液体フィルタ・カートリッジには、対向するエンド・キャップの間に延びるフィルタ媒体の円筒形の伸長部分が含まれる。エンド・キャップのうちの少なくとも1つは、一般に、開いたエンド・キャップであり、ろ過される液体のそれを通る流れを可能にする。いくつかの例で、両方のエンド・キャップが、開いたエンド・キャップである。
【0015】
そのようなカートリッジ内のフィルタ媒体は、通常はプリーツ付きである。実際に、本明細書で説明する技術は、プリーツ付きフィルタ媒体を用いる構成に特に適するが、プリーツ付きフィルタ媒体は、すべての例で必要なわけではない。さらに、いくつかの例で、はフィルタ媒体パックは、プリーツ付きフィルタ媒体と、他のタイプのフィルタ媒体とを含むことができる。
【0016】
I.軸方向の力に対して構造的な完全性に対する液体フィルタ・カートリッジの全般的な特徴
図1および図2とともに、カートリッジ・フィルタの単純化されたモデルが、本発明に密接な関連がある正味の軸方向の力の原理の理解を容易にするために、示されている。特に、図1の符号1は、フィルタ・カートリッジを示す。一般に、フィルタ・カートリッジ1は、フィルタ媒体3、たとえば、中心軸4の周囲で円筒形パターンまたは星状パターンに構成されたプリーツ付きフィルタ媒体3a、を含む。フィルタ媒体3は、対向するエンド・キャップ5および6の間に延びる。エンド・キャップ5は、内部9から外への液体の流れのための中央開口8を定める開いたエンド・キャップ5aである。エンド・キャップ6は、閉じたエンド・キャップ6aであり、すなわち、それを通る中央開口を有しない。本明細書では、フィルタ媒体によって囲まれた内側体積に開いているエンド・キャップ開口は、一般に、内側体積との直接の流体流れの連絡を有する開口として特徴付けされる。用語「直接の流体流れの連結」は、内側体積内の液体が、フィルタ媒体を通過せずにその開口を通って直接に通過できることを意味する。
【0017】
液体フィルタ・カートリッジは、内側から外側への流れまたは外側から内側への流れのいずれかのために構成することができる。この文脈での用語「外側から内側への流れ」は、液体がフィルタ媒体を通過する時に、カートリッジの外側からカートリッジの内側へのフィルタ媒体を通る液体の流れのために構成された液体フィルタ・カートリッジを指すことを意味する。「内側から外側への」流れ液体フィルタは、使用中に反対方向の流れを有するはずである。
【0018】
図示の特定の液体フィルタ・カートリッジ1は、外側から内側への流れ液体カートリッジである。したがって、ろ過動作中に、ろ過される液体は、一般に、カートリッジ1の外側の領域から内部9へ、矢印10の向きでフィルタ媒体3を通過する。次に、ろ過された液体は、開口8を介してカートリッジ1から外に進む。図1に示されたカートリッジ1について、開口8は、ラジアル・シール構造11によってライニングされ、ラジアル・シール構造11は、出口チューブまたは類似する構造へのシールを形成することができる。図示の例では、ラジアル・シール構造11が、開口8の直径とほぼ同一であり、フィルタ媒体のID(内径)を超えないシール直径(Ds)を形成する。実際に、図示の例のシール直径(Ds)は、フィルタ媒体内径(i.d.またはDi)からライナ12の厚さを引いた値よりわずかに小さくなる。本明細書では、用語「シール直径」(Ds)が、吐出口チューブなどのハウジング構成要素とシール部材との間の係合内のシール表面の直径を指すことを意味する。したがって、「シール直径」は、動作シール直径を指すことを意味し、これは、未据付構成要素の直径とわずかに異なる場合がある。シール直径(Ds)は、システムに応じて、内向きシールまたは外向きシールの直径とすることができる。
【0019】
液体がフィルタ媒体3を介してろ過される時に、その液体によって運ばれる汚染物質が、フィルタ媒体3の上または中に沈着する。したがって、フィルタ媒体3は、液体の流れに対する障壁を提供する。もちろん、経時的に、フィルタ媒体3が閉塞すると、フィルタ・カートリッジ1が、問題の機器での交換すなわち修理を必要とする。
【0020】
本明細書で、用語「軸」、「軸方向」、およびこれらの変形は、一般に、識別されるカートリッジ1の中央の長手方向軸4と全体的に一致するかこれと平行に向けられた力を指すことを意味するが、用語「半径」、「半径方向の力」、または類似する用語は、中央の長手方向軸4に向かう力あるいはそれから離れる向きの力を指すことを意味する。
【0021】
フィルタ媒体3が障壁として働くことの結果として、一般に、フィルタ媒体の上流の領域での上流圧力(Pu)は、フィルタ媒体の下流側の領域での下流圧力(Pd)より高い。これは、外側から内側への流れでの使用中に、フィルタ媒体3が、半径方向に内部9に向かうすなわち矢印10の向きのバイアス圧力を受けることを意味する。これに対してフィルタ媒体を支持するために、半径方向の支持ライナ12が設けられる。該支持ライナ12は、通常、せん孔チューブまたは拡張メタル・チューブを含む。
【0022】
もちろん、シール構造11は、エレメント1が据え付けられる時に、Puを受ける領域をPdを受ける領域から分離もする。シール構造11の機能および目的は、2つのそのような領域の間の液体の漏れの抑制をもたらすことであり、特に、流体がフィルタ媒体3を通過せずに体積または内部9に入らないようにすることである。
【0023】
ライナ12は、追加の重要な支持機能を提供する。この機能は、エンド・キャップ5と6の間の軸方向でのフィルタ媒体3の圧壊または挫屈を抑制する、軸方向の支持機能である。この機能を評価するためには、エンド・キャップに作用する正味表面力(軸方向)を理解することが重要である。
【0024】
本明細書では、エンド・キャップに関して、用語「外側」または「外側表面」が、フィルタ媒体から離れ、対向するエンド・キャップから離れる方向のエンド・キャップの表面を指すのに使用される。図1を参照すると、エンド・キャップ5の外側表面が、5bに示されており、エンド・キャップ6の外側表面が、6bに示されている。エンド・キャップの内側表面は、一般に、フィルタ媒体に向かい、対向するエンド・キャップに向かう方向の表面である。したがって、エンド・キャップ5の内側表面は、5cに示されており、エンド・キャップ6の内側表面は、6cに示されている。
【0025】
図2のレビューは、カートリッジ1への軸方向の応力を引き起こす力のタイプの理解につながる。特に、図2は、エンド・キャップ5の上面図である。図2では、プリーツ付きのフィルタ媒体3が、エンド・キャップ5に埋め込まれて図示され、架空線が、フィルタ媒体の位置を示す。図2に示された特定の実施形態について、フィルタ媒体3は、便宜上6つだけのプリーツ21によって表される。通常の実施形態では、より多数のプリーツ(通常は、内側に沿って1インチあたり8個から12個)が存在する。
【0026】
やはり、シール11および/またはフィルタ媒体3は、使用中に、圧力Puを受ける上流領域を圧力Pdを受ける下流区域から分離する。
【0027】
図2では、領域25が、全般的に、エンド・キャップ5のうちで、エンド・キャップ5の外側表面5bと内側表面5cの両方がフィルタ媒体3の上流に置かれる部分を示す。その結果、領域25内のエンド・キャップ5の表面部分は、その両側で等しい対向する圧力(Pu)を受ける。その一方で、領域26は、エンド・キャップ5の外側表面5bが上流圧力(Pu)を受けるがエンド・キャップ5の内側表面または下表面がフィルタ媒体3の上流に置かれ、したがって内部圧力Pdを受ける領域である。領域26ではPu>Pdなので(および、力=圧力×面積なので)、一般に、動作中に、エンド・キャップ26に、正味の下向き圧力(図2では見る人から離れる向き、図1では矢印30の向き)をもたらす圧力がある。本明細書では、選択されたエンド・キャップに作用する、その両側の表面(内側および外側)に働く液体圧力に起因する正味の軸方向の力を、識別されたエンド・キャップの「正味表面軸方向力」と称する。図1および図2のエンド・キャップ5について、使用中の正味表面軸方向力は、エンド・キャップ6の向きである。
【0028】
類似するが反対(上)向きすなわち図1の矢印31の向きの正味の力が、使用中にエンド・キャップ6について存在する。しかし、エンド・キャップ6の、開口が存在しない中央領域である領域35では、この表面部分にまたがる圧力差があるので、矢印31の向きの追加の力がもたらされることに留意されたい。
【0029】
図1および図2の概略図および上の議論から明白になるのは、フィルタ媒体3にまたがる圧力差を伴う通常動作で、エンド・キャップ5が、エンド・キャップ6に向かう正味表面軸方向の圧力を受け、エンド・キャップ6が、全般的にエンド・キャップ5の向きの正味表面軸方向の圧力を受けることである。フィルタ媒体3がこれらの力に起因して軸方向に挫屈するか圧壊することを防ぐために、カートリッジ1などの通常のフィルタ・カートリッジに、エンド・キャップ5と6の間の軸方向の伸長部分に軸方向荷重コアまたはライナ12が含まれる。これは、フィルタ媒体3に加えて軸方向強度をもたらして、フィルタ媒体の圧壊を抑制する。
【0030】
通常の構成では、エンド・キャップ5および6は、成形可能なプラスチック材料または重合体材料から成形される、あるいは、エンド・キャップ5および6は金属を含み、たとえば、フィルタ媒体3がプラスチゾルなどのシーラントによってその金属に瓶詰めされるあるいは固定される。どちらの場合でも、インナ・ライナまたはコア12は、通常、この構成に軸方向強度を提供するのに適切な位置でエンド・キャップ内に固定される。したがって、通常の軸方向荷重ライナ12は、その取外しを可能にするためにフィルタ・カートリッジ1に損傷を与えずにカートリッジ1から取り外すことができない。そのような構成のライナまたはコア12を、本明細書では、フィルタ・カートリッジの残りと「一体である」またはフィルタ・カートリッジに「永久的に含まれる」と言う。
【0031】
上で述べた背景で示したように、フィルタ・アセンブリが、交換可能(または修理可能)フィルタ・カートリッジを使用する場合に、フィルタ・カートリッジ1は、周期的に、取り外され、交換されることを必要とする。フィルタ・カートリッジが、図1に示されたカートリッジ1などである場合に、カートリッジ1が交換される時に、コア12も交換される。しかし、一般に、インナ・ライナ12は、穴のあいた金属または固いプラスチックまたは拡張メタルなど、たやすくは使い尽くされない材料から構成される。したがって、ライナ12がその中に永久的に位置決めされたカートリッジ1の周期的な交換は、その使用の寿命において使い尽くされていない材料の浪費につながり得る。さらに、インナ・コア12は、廃棄処分に関して問題を有する可能性がある。たとえば、インナ・コア12が金属から製造される場合に、焼却が問題になる可能性がある。また、該インナ・コアまたはライナ・コア12は、可能であれば回避されるはずの、フィルタ・カートリッジのアセンブリにおける出費を促す。さらに、ライナ12の存在は、廃棄処分時のカートリッジ5の圧縮または締め固めをより困難にする。
【0032】
本明細書では、少なくとも部分的に使用中の軸方向荷重を制御するためにカートリッジ5内に永久的に位置決めされるライナまたはコア12を、場合によっては、「軸方向荷重ライナ」と称するあるいは類似用語で示す。用語「軸方向荷重ライナ」は、フィルタ媒体の横に置くことができるすべてのタイプのライナに言及することを意味しない。大きい軸方向荷重に大きく抵抗するのに適切な軸方向強度を提供しないワイヤ・ネットまたはプラスチック・ネットあるいは類似する構造は、用語軸方向荷重ライナに含まれない。一般に、ライナが、印加される少なくとも20ポンドの軸方向荷重に抵抗するのに十分に強くない場合に、該ライナは、本明細書では軸方向荷重ライナとは考えない。
【0033】
さらに図1を参照して、シールが、外側から内側への流れ構成で外側周囲領域位置37および38にまたはその付近に置かれる場合に、全体的な正味の力が、エンド・キャップ5および6が互いに離れるように偏るものになることに留意されたい。この原理は、たとえば、米国特許第6,626,299号に記載されている。
【0034】
II.液体フィルタの有利な構成につながる一般的な原理
上のセクションIで全般的に述べた原理は、次の考慮事項によって要約することができる。
【0035】
1.フィルタ・カートリッジの各シールおよびカートリッジのフィルタ媒体は、2つのエンド・キャップの表面部分を、構成要素が運転圧力Pdを受ける下流領域から、構成要素が運転圧力Puを受ける上流領域に分離する。一般に、Pu>Pdである。
【0036】
2.選択されたエンド・キャップに作用する正味軸方向の表面力は、一般に、力(F)が圧力(P)と面積(A)の積と等しいので、エンド・キャップの各側面でPuを受ける表面積の量と、エンド・キャップの各側面でPdを受ける面積の量とを評価することによって近似することができる。同一の圧力が、エンド・キャップの両側面の同一面積に作用している領域では、フィルタ媒体の軸方向の完全性に影響するあるいはそのエンド・キャップの正味軸方向力に寄与する正味の方向性圧力がない。
【0037】
3.ID(内径)またはフィルタ媒体の下流エッジと位置合せされるあるいはこれより小さい内部ラジアル・シールによってライニングされた1つの開放端と、同一の対向するエンド・キャップまたは閉じられた対向するエンド・キャップのいずれかとを有するフィルタ・カートリッジ(外側から内側への流れ)において、動作中に、各エンド・キャップが圧力下で互いに向かうように各エンド・キャップに正味の軸方向力が働く。従来のカートリッジの中に含まれ、2つのエンド・キャップの間に延びる軸方向荷重ライナは、このつぶす力または挫屈させる力に抵抗することによって構造的な完全性をもたらす。
【0038】
一般に、本発明の原理によれば、シール位置が、エンド・キャップへの所望の正味表面軸方向力をもたらすのに使用される、好ましい構成を提供することができる。
【0039】
任意選択で、これを、修理部品(すなわち、フィルタ・カートリッジ)の永久的部分として設けられる軸方向荷重ライナを有しない構成で実施することができる。
【0040】
これらの結果を達成するためのシール位置の選択に用いられる原理の詳細な議論を、下のセクションIVで提供する。そのセクションの提示の前に、この原理を利用し、実証する複数の実施形態を説明する。好ましい実施形態の特徴は、無または望ましく低いレベルの各エンド・キャップに関する正味の表面軸方向圧力差をもたらすシール位置の選択である。
【0041】
III.好ましい構成を達成するための軸方向力のつり合い、図3〜5、図9
A.図3〜5
図3の符号51は、全体的に本発明による液体フィルタ・アセンブリを指定する。液体フィルタ・アセンブリ51に、全体的に、フィルタ・ヘッド53とフィルタ・ハウジング54とが含まれる。この特定の液体フィルタ・アセンブリ51に、フィルタ・ハウジング54内に位置決めされた取外し可能で交換可能(すなわち、修理可能)なフィルタ・カートリッジ55(図4)が含まれる。
【0042】
液体フィルタ・アセンブリ51は、さまざまな液体フィルタ動作のために、たとえば、潤滑油フィルタ、作動油フィルタ、または燃料フィルタとして構成することができる。図示の特定の液体フィルタ・アセンブリ51は、外側から内側への流れを有するオイル・フィルタ・アセンブリ58としての使用のために構成されている。しかし、説明される基本原理および図示の構成要素は、内側から外側への流れ用に構成されたものを含む、他のタイプの液体フィルタまたは他の構成の液体フィルタの例に適用することができる。
【0043】
図4を参照すると、通常のろ過動作中に、ろ過される液体は、フィルタ・ヘッド53に(機器内の流れ回路から)入り、入口チャネル60を介してフィルタ・ヘッド53を通過する。通常の応用例について、チャネル60は、入口液体の環状の流れをもたらすように構成される。液体は、次に、ハウジング54、特にカートリッジ55とハウジング54の側壁54aとの間でカートリッジ55を囲む環状領域62に流れ込む。ろ過中に、液体は、カートリッジ55を通って、中央の清浄な液体空間66に流れる。液体は、次に、矢印68の向きで液体空間66からフィルタ・ヘッド53内の吐出口流れチャネル69に出る。次に、吐出口流れチャネル69は、フィルタ・ヘッド53が取り付けられている適切な機器との流体流れ連結をもたらす。そのような機器に、たとえば、車両、あるいはさまざまな建設機械または他の機器(静止または可動)を含めることができる。
【0044】
通常のアセンブリでは、ハウジング54は、開くことができる。図4を参照すると、液体フィルタ・アセンブリ51のこの例では、ハウジング54は、ねじ山70でフィルタ・ヘッド53からハウジング54を分離することによって開くことができる。漏れを防ぐシール71が、Oリングによって設けられる。
【0045】
周期的に、フィルタ・カートリッジ55内のフィルタ媒体75が、液体の流れからろ過された汚染物のフィルタ媒体75内(またはその上)への蓄積に起因して閉塞される。閉塞が、適切に定義されたレベルに達した時、たとえば、圧力差測定を介してまたは事前定義の修理間隔までの動作の結果として検出される時に、フィルタ媒体75が、一般に、交換によって修理される。通常、フィルタ媒体75の修理は、修理可能カートリッジ55の取外しおよび交換を介して達成される。
【0046】
通常の修理可能カートリッジ55は、一般に、第1および第2の対向するエンド・キャップ77および78の間に延びるように位置決めされたフィルタ媒体75を含む。エンド・キャップ77および78は、さまざまな材料から構成することができ、たとえば、これらを重合体から成形することができ、あるいは、これらを、たとえばフィルタ媒体を固定された金属から構成することができる。図示の特定の実施形態について、エンド・キャップ77および78は、適切な重合体材料から作られた成形されたエンド・キャップとして図示されている。
【0047】
図示の構成では、フィルタ媒体75が、インナ・プリーツ・チップまたはエッジ75bおよびアウタ・プリーツ・チップまたはエッジ75c(図5)を定める、プリーツ付きフィルタ媒体円筒75aである。プリーツは、エンド・キャップ77および78(図4)の間に軸方向に延びる。
【0048】
図示の特定の実施形態について、フィルタ・カートリッジ55は、「二重開放端」フィルタ・カートリッジ55aである。これは、エンド・キャップ77および78のそれぞれが、「開いた」エンド・キャップ77aおよび78aであり、それぞれが、中央領域66との流体流れ連結のために位置決めされた、それを通る中央開口(それぞれ77bおよび78b)を有することを意味する。
【0049】
フィルタ・カートリッジ55が、「二重開放端」フィルタ・カートリッジ55aである理由は、修理中に、これが支持チューブ79を介して滑らされるからである。支持チューブ79は、下で詳細に説明する。図示の例では、支持チューブ79が、フィルタ・カートリッジ55が取り外され、交換される修理動作中に、ボウルまたはハウジング54に固定されたままになる。もちろん、代替システムでは、支持チューブを、ハウジング内に永久的に位置決めされないように構成することができる。
【0050】
フィルタ・カートリッジ55は、周期的に取り外され、交換される修理可能な構成要素なので、液体空間66へのろ過されない流体の漏れがないことを保証するためにシール構造を設けることが必要である。図3に示された特定の実施形態について、シール構造に、第1シール82および第2シール83が含まれる。第1シール82は、カートリッジ55のエンド・キャップ77とフィルタ・ヘッド53の部分85との間のシーリングのために位置決めされ、第2シール83は、カートリッジ55のエンド・キャップ78とハウジング54の部分86aとの間のシールを提供するために位置決めされる。
【0051】
一般に、シール82に、エンド・キャップ77から軸方向に外に延びる軸方向に向けられたシール支持82bに取り付けられたOリング82a(図5)が含まれる。さらに、図4を参照すると、シール83に、フィルタ媒体75から離れてエンド・キャップ78から軸方向に外に延びる軸方向に向けられた伸長部分に取り付けられた類似するOリングが含まれる。
【0052】
一般に、フィルタ・ヘッド53の部分85は、中央液体流れ出口チューブ85a(図5)の外側表面部分であり、ハウジング54(図4)の部分86aは、ハウジング基部86の一部を含む。ハウジング54の外側側壁54aは、基部86からフィルタ・ヘッド53に向かって上に突き出す(図3〜5の実施形態で)。インナ・ライナ・チューブまたはインナ・ライナ・コア79は、ハウジング基部86に固定される。
【0053】
図4および5のフィルタ・カートリッジ55などのフィルタ・カートリッジは、本明細書で、「コアレス・カートリッジ」として特徴付けされる。というのは、このフィルタ・カートリッジに、(このフィルタ・カートリッジの一体の構成要素として)その中でエンド・キャップ77と78の間の伸長部分に永久的に固定された、軸方向荷重を支持するインナ・ライナ・チューブまたはインナ・ライナ・コアが含まれないからである。この文脈での用語「コアレス」が、その中の一体の部分として、軸方向荷重に関する内側の筒状支持体を有しない(すべてのタイプの支持体を有しないのではなく)構成を指すことを意味することに留意されたい。たとえば、フィルタ媒体は、その内側に沿った軽いワイヤ・メッシュまたはプラスチック・メッシュのプリーツ付き伸長部分を有することができ、これは、それでも、この定義に一致する「コアレス」になる。一般に、少なくとも20ポンド(9.1kg)の軸方向圧縮荷重を支持できる、フィルタ媒体の内側に沿ったフィルタ・カートリッジと一体の構造が、フィルタ・カートリッジ内に永久的には存在しない場合に、そのフィルタ・カートリッジは、この定義に一致する「コアレス」と考えられる。この文脈での用語「軸方向」は、図4の軸94の延長の向きすなわち、対向するエンド・キャップ77と78の間の向きの力を意味する。
【0054】
フィルタ・カートリッジは、そのカートリッジ自体に永久的には据え付けられないコアがアセンブリ51内のどこかに存在する場合であっても、上の定義の中で「コアレス」と考えられることに留意されたい。
【0055】
まだ図3〜5を参照すると、図示の好ましい実施形態について、フィルタ・カートリッジ55に、エンド・キャップ77と78の間に連続して延びる、軸方向荷重を支持する一体の外側の支持構造も含まれないことも明白である。そのような構成を、本明細書では、「アウタ軸方向荷重ライナ・フリー」フィルタ・カートリッジ、または軸方向荷重アウタ・ライナを有しないフィルタ・カートリッジと称する。
【0056】
本明細書では、フィルタ・カートリッジは、軽いワイヤ・メッシュまたはプラスチック・メッシュなどのプリーツ付きの軽いメッシュまたは圧縮軸方向荷重に大きく抵抗しない外側の周囲の他の構造を含む(フィルタ・カートリッジと一体)場合であっても、アウタ軸方向荷重ライナを有しないまたはアウタ軸方向荷重ライナ・フリーと考えられる。本明細書では、フィルタ・カートリッジは、存在するすべてのアウタ・ライナ(フィルタ・カートリッジと一体)が少なくとも20ポンド(9.1kg)の軸方向圧縮荷重を支持できない限り、アウタ軸方向荷重ライナ・フリーと考えられる。
【0057】
フィルタ・カートリッジが、アウタ軸方向荷重ライナ・フリーとコアレスの両方である場合に、そのフィルタは、本明細書では時々「軸方向荷重ライナ・フリー」と呼ばれる場合がある。
【0058】
図4および5の構成に関して、この例の、フィルタ・カートリッジ55のフィルタ媒体75に関する半径方向と軸方向の両方の支持は、インナ・コア79によってもたらされる。インナ・コア79は、多孔性筒状部材91(図5)であり、修理可能カートリッジ55を交換するための修理動作中に、多孔性筒状部材91が取り外されず、交換されないように液体フィルタ・アセンブリ51内に位置決めされる。すなわち、修理可能カートリッジ55は、インナ・コア79(すなわち、多孔性筒状部材91)がフィルタ・カートリッジ55の一部ではないので、コアレスである。
【0059】
図示の特定の実施形態について、インナ・コア79は、ハウジング54(図4)の残りに固定される。固定するのに特に便利な方法は、筒状部材91(図4)として、半径方向に連続的でなくその中にギャップまたは開いた継ぎ目93(図5)を有する部材を任意選択で使用することである。図示の特定の継ぎ目93は、軸方向ではなく、米国特許第6,206,205号に示された類似するライナ(ただし、フィルタ・カートリッジと一体である)と一致して、中心軸94(図5)に対してある角度(A)で延びる。米国特許第6,206,205号の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれている。継ぎ目93によって提示されるギャップは、穴のあいた筒状部材91をより小さい円周に半径方向に多少圧縮する(圧力の下で)ことを可能にし、したがって、筒状部材91をハウジング54の基部86内の受95に圧入によって固定できるようになる。通常のギャップは、15°を超えず、好ましくは少なくとも0.5°、通常は1°から15°までの角度Aを有するように選択される。
【0060】
図4および5に示された特定のアセンブリ51について、インナ・コア79の外径は、カートリッジ55が使用中にその上で滑ることができるように選択される。筒状部材91の外径は、プリーツ付きフィルタ媒体75aに対するインナ半径方向支持体として働く寸法を有する。通常の応用例で、これを達成するために、筒状支持体のOD(外径)は、好ましくは、プリーツ付きフィルタ媒体75aのインナ・プリーツ・チップ75bのID(内径)から0.09インチ(2.3mm)を超えないように選択されなければならない。
【0061】
望まれる場合に、多孔性筒状部材91に、その外側表面にバンプ、リブ、または他の構成を設けて、インナ・プリーツ・チップ75bへのより密な係合をもたらすことができる。筒状部材91に、金属または成形プラスチックを含めることができる。
【0062】
一般に、エンド・キャップ77を、本明細書では、正常な据付位置(図4)でエンド・キャップ77が上に向かって置かれるので、「上側」エンド・キャップと称する。対照的に、エンド・キャップ78を、本明細書では、一般に、図4の正常な据付設置位置でエンド・キャップ78が下に向けられるので、「下側」エンド・キャップまたは底エンド・キャップと称する。
【0063】
エンド・キャップ78は、図示されていない汚染物を封じ込めて収集する特徴を含むように構成することができる。汚染物を封じ込めて収集する特徴は、参照によって本明細書に合体される2002年10月17日に公開されたPCT国際公開第02/081052号に基づくものとすることができる。
【0064】
図4を参照すると、筒状部材91が通常使用中にエンド・キャップ77と78の間で軸方向支持を提供するために、エンド・キャップ77と78の間に(すなわち、使用中にフィルタ・カートリッジ55全体に)要素55に対する正味表面軸方向力がほとんどまたは全くなく、エンド・キャップ77および78のそれぞれに対する正味表面軸方向力もほとんどまたは全くなくなるように、フィルタ・カートリッジ55を構成することが好ましい。
【0065】
フィルタ・カートリッジ55が、両方のエンド・キャップが開かれていることを除いて全般的にカートリッジ1(図1)と一致して構成されている場合に、そのような低い正味力は作られないはずである。これは、エンド・キャップ5(図1)の正味表面軸方向力が、エンド・キャップ6に向かい、エンド・キャップ6(図1)の正味表面軸方向力が、エンド・キャップ5に向かうからである。
【0066】
これから変更するために、エンド・キャップ77および78の好ましいシール位置を選択する。エンド・キャップ78での好ましい力プロファイルを生成し、したがってフィルタ・カートリッジ55へのほとんどまたは全くない正味力または各エンド・キャップ77および78へのほとんどまたは全くない正味表面力を可能にするのは、これらのシールの位置である。
【0067】
上で示したように、図4および5を参照すると、エンド・キャップ77のシール位置は、82である。図4に関して上で示したように、エンド・キャップ78のシール位置は、83である。本明細書では、シールの直径をDsと称する。プリーツによって画定される内径を、Diと称する。プリーツによって画定される外径を、Doと称する。
【0068】
本明細書では、エンド・キャップについて、そのエンド・キャップへの力のつり合いまたは正味軸表面力をもたらすシールの直径DsをDbと称する。
【0069】
セクションIIの議論から、エンド・キャップAについて、通常使用中にエンド・キャップAの外側表面に向かう正味軸方向力とエンド・キャップAの内側表面に向かう正味軸方向力とがつり合うようになる直径DbAを識別することができることは明白である。すなわち、直径DbAを有するシールは、使用中に、関連するエンド・キャップAに作用する正味表面軸方向力をなくすシールである。
【0070】
エンド・キャップAおよびエンド・キャップBと指定される2つのエンド・キャップを有する構成について、エンド・キャップA内のシールがDbAに置かれ、エンド・キャップBのシールがDbBに置かれる場合に、各エンド・キャップは、正味表面軸方向力に関してつり合ってており、関連するカートリッジに作用する正味表面軸方向力はなくなる。これは、エンド・キャップの一方が閉じられ、したがって、このシールが、未ろ過液体がフィルタ・カートリッジの内部空間に入ることから保護することを必要としない場合にもあてはまる。すなわち、閉じられたエンド・キャップを用いる場合であっても、そのエンド・キャップをハウジングの一部に係合させるシールを設けることができる。このシールは、Puを受ける領域をPdを受ける領域から分離するはずである。したがって、その位置は、平衡点Dbに設けることができる。しかし、この独自の後者のシールは、未ろ過流れがフィルタ媒体を迂回することに対する保護には使用されない。
【0071】
やはり、本明細書では、関連するエンド・キャップの各表面に対する力のつり合いをもたらすシールの直径Dsを、一般にDbと称する。エンド・キャップAは、シール直径Dsが、DbAの±15%以内すなわち0.85DbA以上で1.15DbA以下の範囲内の直径であるならば、通常の液体フィルタ・カートリッジについて正味軸方向表面力に関してつり合いの好ましいレベル内にあると考えられる。通常、シール直径Dsは、0.9DbA以上で1.1DbA以下の範囲内であり、しばしば、0.92DbA以上で1.08DbA以下の範囲内である。より通常、シール直径Dsは、0.95DbA以上で1.05DbA以下の範囲内になるように選択される。しかし、下で述べるように、本明細書で説明する原理は、これらの範囲の外で適用することができる。
【0072】
上で述べた範囲は、いくつかの例で、期待される通常の使用条件の下で、0ではないが、フィルタ・カートリッジについて許容できる軸方向荷重の結果として有利な構造に対処するのに十分に小さい軸方向荷重を受け入れることができることを示すことを意味する。代替案が可能ではあるが、通常、シール位置は、プリーツ付きフィルタ媒体の内径(Di)から外側に少なくとも2mm、しばしば少なくとも5mm、時々少なくとも10mmに位置決めされ、また、プリーツ付きフィルタ媒体の外径(Do)から少なくとも2mm、しばしば少なくとも5mm、時々少なくとも10mmだけくぼんだ位置にある。好ましい位置は、下で述べるように、任意の所与のシステムについて計算することができる。
【0073】
一般に、要素に出入りする流体流れのために構成された少なくとも第1の開いたエンド・キャップは、上で定義されたシール直径Dsを有する。これは、エンド・キャップ77(図4)に対応する。最も好ましくは、両方のエンド・キャップ(77および78)が、上で定義されたシール直径を有する。
【0074】
つり合いをとられた構成(Dbにあるシール)という原理は、トップ・ロード構成またはボトム・ロード構成のいずれかに適用することができる。これらの原理を利用するボトム・ロード構成の例を、図3〜5に示した。
【0075】
ここで、図9に注目されたい。図9には、フィルタ基部201および取外し可能カバー202を含む液体フィルタ構成200が示されている。カバー202および基部201によって形成されるハウジング203内に、フィルタ・カートリッジ205が固定されている。フィルタ・カートリッジ205は、対向するエンド・キャップ207と208の間の伸長部分にプリーツ付きフィルタ媒体206を含む。エンド・キャップ207は、開いたエンド・キャップであり、210に示されたラジアル・シールは、エンド・キャップ207の外向き(フィルタ媒体に関して)の軸方向伸長部分212に取り付けられたOリング211によって形成される。
【0076】
エンド・キャップ208では、シール215が、エンド・キャップ208の外向きの軸方向伸長部分217に取り付けられたOリング216によって形成されるものとして図示されている。
【0077】
シール210が、エンド・キャップ207上のOリング211と支持ライナ221の一部220との間に設けられることに留意されたい。シール215が、エンド・キャップ208の一部の上のOリング216と基部203の一部225との間に形成されることに留意されたい。
【0078】
使用中に、修理は、エンド・カバー202を取り外し、その後、要素205をそのシールから取り除くことによって行われる。
【0079】
アセンブリ200は、トップ・ロード構成であり、カバー202が取り外されている時に、静止液体を内部231から排出することを可能にする水抜き構成230を含む。そのような構成の全般的な原理は、参照によって本明細書に組み込まれている2004年1月27日に出願されたPCT出願US04/02074号に記載されている。
【0080】
シール210および216は、それぞれ、上の定義に一致して、つり合いをとられたシール直径Dbの位置に位置決めされる(すなわち、それぞれが0.85Db〜1.15Db内にある)ことが好ましい。
【0081】
IV.フィルタ・カートリッジのエンド・キャップ構成に作用する正味軸方向力を評価する方法、設計への手法
A.背景の原理
任意の所与のエンド・キャップまたはカートリッジの正味軸方向力を推定する数学的方法を提供する。一般に、この技術は、プリーツ付きフィルタ媒体を使用するさまざまな寸法の液体フィルタ・カートリッジに適用可能である。この計算を援助するのに使用可能なさまざまな仮定を、適切な場所で指摘する。
【0082】
液体フィルタ・カートリッジは、重力に関して任意の姿勢で置くことができるが、説明を単純にするために、この概念を、地球の平面に垂直なフィルタ・カートリッジの軸を仮定して述べる。したがって、本開示のこのセクションでは、地球に向かって(下向きに)作用する力を負(−)と定義し、反対の力を正(+)と定義する。
【0083】
この議論の最初では、フィルタ・カートリッジが、円筒形であり、プリーツ付きフィルタ媒体を使用し、円形のエンド・キャップを有すると仮定する。
【0084】
図6に、フィルタ・カートリッジの一部を示す。エンド・キャップが400に示されており、プリーツ付きフィルタ媒体が401に示されている。プリーツ付きフィルタ媒体401の幾何形状は、「V」字形に構成されている。円弧A−Bは、1つの完全なプリーツを示す。Puは、上流圧力であり、Pdは、下流圧力である。フィルタ媒体401の厚さがフィルタ媒体の総面積と比較して小さいので、フィルタ媒体にまたがる圧力低下が、フィルタ媒体中心線402で発生し、ステップ関数であると仮定する。この仮定は、フィルタ媒体の上流側401aでの圧力が、フィルタ媒体厚さの最初の半分を通じて一定になると考えられ、フィルタ媒体厚さの中心線で、圧力が下流圧力の圧力に低下し、下流側401bまでのフィルタ媒体の残りの半分を通じて一定になることを意味する。
【0085】
この理想化は、実際の圧力状況と大きくは異ならない。しかし、フィルタ媒体にまたがる圧力低下のこの理想化は、フィルタ媒体にまたがる圧力低下の影響を受けるエンド・キャップのさまざまな表面積の定義に関する数学を単純化する。また、エンド・キャップ表面に作用する圧力PuおよびPdが、これらの表面にわたって均一であると仮定する。
【0086】
図6および7で評価される現在のモデルについて、検討されるエンド・キャップ400が、開いたエンド・キャップであり、それぞれアウタ(Do)プリーツ・チップおよびインナ(Di)プリーツ・チップに対応する外側エッジ404および内側エッジ405を有すると仮定する。
【0087】
図7では、図6の図が、圧力低下によって影響される面積を計算するために変更されている。フィルタ媒体の厚さ全体ではなく、フィルタ媒体401の中心線402が使用される(上で説明したように)。Auは、上側エンド・キャップ400のうちで、このエンド・キャップ400の両側への上流圧力を受ける面積である。このゆえに、両側の圧力は、互いに打ち消しあい、フィルタ・カートリッジの対応するエンド・キャップに印加される正味表面軸方向圧縮力に寄与しない。Ad1+Ad2は、エンド・キャップの外側表面で上流圧力(Pu)を受け、エンド・キャップの内側表面で下流圧力を受ける、上側エンド・キャップ上の組み合わされた面積である。この組み合わされた面積は、1つの完全なプリーツに関する。上側エンド・キャップに対する総合的効果を知るためには、フィルタ・カートリッジ内のプリーツの個数を使用しなければならない。したがって、フィルタ・カートリッジにまたがる圧力低下は、(Ad1+Ad2)×(圧力低下)×(プリーツの個数)と等しい下向きの力を作る。
【0088】
Ad1およびAd2の計算に使用される数学は、さまざまな応用三角方程式に由来する。1つの手法は、まず角度aを見つけることであり、次に、これを、組み合わされた面積(Ad1+Ad3)を与える式で使用することができる。その次は、組み合わされた面積(Ad3+Ad4)を見つけることである。図7を調べることによって、対称性から、
Ad3=Ad4 (式1)
であることもわかる。
【0089】
∠a°の算出
図7から、
Au+Ad1+Ad2+Ad3+Ad4=At
であることを示すことができる。
【0090】
∠a°は、面積Atを示す角度全体の半分と等しい。この面積は、プリーツの1サイクルを表すので、この角度全体は、単純に360°をプリーツの個数で割ることによって見つけることができる。∠a°はその半分である。
ここで、PCは、プリーツ・カウント(フィルタ・カートリッジ全体のプリーツの個数)である。
【0091】
Ad1+Ad3によって画定される面積は、2辺が既知であり、挟まれる角度が既知である斜角三角形である。Machinery's Handbook、24th Edition、83ページ、第2パネルによるこの三角形の面積の式は、
である。
式2を式3に代入することによって、
が得られる。
【0092】
面積Ad3+Ad4は、Machinery's Handbook、24th Edition、58ページから、円形セクタの面積の式によって定義することができる。
この式を次のように変形する。
また、対称性から、Ad3=Ad4であることがわかる。
したがって、式5は
になる。
式6を式4に代入し、Ad1について解く。
【0093】
各プリーツについて、それにまたがる圧力低下を有する下流側の面積は、Ad1およびAd2である。また、対称性から、Ad1=Ad2である。
したがって、圧力低下による影響を受ける上側エンド・キャップの総面積Atuは、プリーツの個数×2×Ad1と等しい。
Atu=2(PC)(Ad1)
または、
【0094】
[例]
例1−普通のID(内径)シールを有するフィルタ・カートリッジ
この例で検討するフィルタ・カートリッジ構成は、図1に類似するものであるが、エンド・キャップ5に似た2つの対向する開いたエンド・キャップを有し、4インチの外側プリーツ直径(Do)、2インチの内側プリーツ直径(Di)、40のプリーツ・カウント(PC)、および使用中の100psidのフィルタ媒体にまたがる圧力低下(ΔPまたはPD)を有することが異なる。シールは、各エンド・キャップのID(内径)に沿って設けられる。
【0095】
Do=4、Di=2、プリーツの個数=40。これらの値を上の式にあてはめると、上側エンド・キャップの総面積Atu=3.135インチ2が得られる。
【0096】
負の軸方向(重力の向き)で上エンド・キャップに作用する総力(Ftu)は、Ftu=−100psid×Atuである。
【0097】
Ftu=(−100)(3.135)=−313.5poundf(ポンド力)
定義された普通のフィルタ・カートリッジでは、313.5ポンド力が、上下のエンド・キャップの両方に反対方向で作用する。上エンド・キャップの力(−)は、下向きに作用している。下エンド・キャップの力(+)は、上向きに作用している。正味の結果は、このフィルタ・カートリッジが、その垂直軸に沿って313.5ポンドの圧縮力を経験していることである。設計(普通のカートリッジの)によって、この力の大部分が、エンド・キャップを介してインナ・ライナに伝えられる。フィルタ媒体パックは、この力が各プリーツの面積Ad1およびAd2に分布するので、この力の一部を経験する。力のこの分布は、総荷重の小さい部分をフィルタ媒体パックに移す、エンド・キャップへの曲げモーメントを作る。
【0098】
例2−下側シールの外径への移動
シールを内径から外径に移動することによって、下側エンド・キャップに作用する力の大きさおよび向きが変化する。議論する普通の設計では、下側エンド・キャップに対する力が、上向きまたは正(+)の向きであるが、シールを外径に再配置することによって、下側エンド・キャップに作用する力が下向きまたは負(−)の向きになる。さらに、面積がより大きく、したがって力はより大きい。
【0099】
フィルタ媒体の上流の圧力(Pu)が、フィルタ媒体の下流の圧力(Pd)より大きいことに留意されたい。図7を調べることによって、Puが、Auによって画定されるエンド・キャップの上側表面に作用し、Pdが、Auによって画定されるエンド・キャップの下側表面に作用すると結論することができる。Pu>Pdであると知ることによって、各プリーツのAuへの正味力が、下向きまたは負(−)の向きに作用していることが示される。
【0100】
面積Ad1およびAd2は、フィルタ媒体の下流側にある。シールを下側エンド・キャップの外径に置くことによって、下流圧力Pdが、現在、面積Ad1およびAd2の両側面に作用し、これによって、お互いを打ち消しあい、これらの面積に作用する0の正味軸方向力がもたらされる。
【0101】
三角方程式および前に導出した式の一部を使用することによって、既知のパラメータDo、Di、およびプリーツの個数の関数として面積Auを見つけることができる。
【0102】
やはり、円形セクタの面積の式を使用することによって、
であることがわかる。
また、対称性によって、
Ad1=Ad2 (式10)
であることがわかる。
また、Ad1の式(式7)は以前に導出した下式である。
また、円形セクタの式から、
であることがわかる。
【0103】
式5、7、および10を式9に代入し、Auについて解くことによって、
が得られる。
【0104】
今回は下側エンド・キャップが内径ではなく外径にあるシールを使用することを除いて、前の例の寸法を使用する。
Do=4、Di=2、プリーツの個数=40、圧力差または圧力低下(PD)=100psid。
【0105】
前の例から、負の軸方向(重力の向き)で上エンド・キャップに作用する総力Ftu=−313.5ポンドであることがわかる。
【0106】
図6を調べることによって、1つのプリーツについてフィルタ媒体の上流で下側エンド・キャップに作用する圧力が組み合わされて、下向きまたは負(−)の向きの圧力低下×Auの正味力が作られると結論することができる。1つのプリーツについてフィルタ媒体の下流で下側エンド・キャップ表面に作用する圧力が組み合わされて、0の正味軸方向力が作られる。
【0107】
すべてのプリーツに関する下側エンド・キャップ表面に作用する総力は、
Ftl=(−PD)(Au)(PC)
である。
【0108】
式12を使用すると、
が得られる。数値をあてはめる。
【0109】
上側エンド・キャップからの力を考慮しない、シールが外径にある状態の下側エンド・キャップへの正味表面力は、普通の設計の下側エンド・キャップに作用している力と反対の向きで作用している。また、この力の大きさは、普通の設計の場合より大きい。
【0110】
正味の結果は、外径にあるシールを使用するエンド・キャップを有するフィルタ・カートリッジが、止められるまでハウジング内で下に移動することである。
【0111】
例3−中間位置でのシールの配置
前に説明したこの下向きの力Ftlを達成するために、下側エンド・キャップのシールをこのエンド・キャップの外径に置くことが必要でないことに留意されたい。下向きの力Ftlを得るのに必要なのは、フィルタ・カートリッジがボウルの底に達し、これによって、フィルタ・カートリッジが力Ftuの大部分をインナ・ライナを介して上側エンド・キャップに移すことができるように上側エンド・キャップを位置決めすることを保証するのに十分な下向きの力である。
【0112】
1つの手法は、下側エンド・キャップへの正味軸方向力が0になるように、下側エンド・キャップ上のシールの直径を減らすことであろう。下向きに作用する上側エンド・キャップへの力Ftuは、フィルタ・カートリッジがハウジングの底に達することを保証するはずである。シール直径をさらに減らすと、上向きの正味力が増加し始める。シール直径を減らし続けると、最終的に、この直径が上側エンド・キャップ上のシールと同一の直径になる点に達し、これは、普通のフィルタ・カートリッジと同一の軸方向力を有するはずである。電子スプレッドシートを使用して、特定の結果を達成するためにさまざまな直径および力を調査することができる。
【0113】
図8を参照すると、この図が、追加の直径Dsが追加されていることを除いて図7に類似することがわかる。直径Dsは、外径および内径以外の直径で図示された下側エンド・キャップのシール直径である。その結果、表面積Ad1およびAd2(図7から)が、それぞれAd1についてA2、A6、およびA8、Ad2についてA3、A5、およびA7という3つのセクションに分割されている。
【0114】
重要な面積が、A2、A3、およびA4である。観察によって、A1に印加される上流圧力が、シールの直径Dsの外側であることがわかる。これは、A1の両側への圧力が、同一であり、したがって互いに打ち消しあうことを意味する。下流側で、これと同一の条件を、面積A5、A6、A7、およびA8について見つけることができる。
【0115】
やはり、観察によって、面積A4への圧力が、圧力低下×A4の大きさで下(−)向きに作用することがわかる。また、観察によって、対称性に起因してA2=A3であることがわかる。また、A2およびA3への圧力は、それぞれ圧力低下×A2の大きさで上(+)向きに作用する。
【0116】
三角方程式を介して、シール直径Ds、フィルタ媒体パックの外径Do、フィルタ媒体パックの内径Di、およびプリーツの個数の関数として面積A4、A2、およびA3を見つけることができる。
【0117】
面積A4を見つけるためには、まず、図8に示された角度∠a、∠d、∠c、および∠bを見つけなければならない。∠aは、前に見つかっている。
斜角三角形の解から、
であることがわかり、
∠c°=180°−(∠a°+∠d°)
であり、斜角三角形の解を使用すると、
である。
【0118】
やはり、円形セクタの面積の式から、
であることがわかる。
また、対称性から、
A7=A8、かつA11=A12
であることがわかる。
【0119】
これらを組み合わせ、A4について解くと、
が得られる。
【0120】
斜角三角形の解から、
であることがわかる。
式16を式15に代入することによって、
が得られる。これを変形すると、
が得られる。
【0121】
基本的な三角法から、外径(Do)、内径(Di)、およびセクションの円弧を記述する角度θ°によって記述される平らなリングのセクションの面積は、
であり、A2=A3であることを知ることによって、式18が、
になる。
【0122】
A2について解くと、
になる。
やはり対称性から、
A2+A6+A8+A10+A12=A3+A5+A7+A9+A11(式20)
である。
【0123】
また、円弧の式から
である。
【0124】
式20を式21に適用すると、
が得られる。
斜角三角形の解から、
であることがわかる。
【0125】
式23を式22に適用し、A1について解くと、
になる。これを単純化することによって、
が得られる。
【0126】
式24を式19に代入し、単純化すると、
が得られる。
【0127】
ここで、面積A2とA4の両方が、既知のパラメータ(Do、Di、プリーツの個数)に関して既知になった。観察(図8)によって、A2=A3であることと、上流圧力Puが、面積A4に作用し、下流圧力Pdが面積A2およびA3に作用することと、残りの面積(A1、A5、A6、A7、およびA8)に対して、エンド・キャップの両側への圧力が同一であり、したがって、軸方向で互いに打ち消しあうことがわかる。
【0128】
次の軸方向力が0と等しくなるようにエンド・キャップでの力のつり合いを達成するためには、
A2+A3=A4 (式26)
になる幾何形状を見つけなければならない。A2=A3なので、式26を
2(A2)=A4 (式27)
と書き直すことができる。
【0129】
式25を式27に代入すると、
が得られる。
この式を並べ変えると、
が得られる。
この式を変形すると、
になる。
【0130】
式2を想起されたい。
∠a°=180°/PCは、次の式を与える。
【0131】
そこで、式28をDsについて解くと
になる。この式をさらに単純化すると、
になる。0.3183はπの逆数であることを認識すると、
である。
【0132】
式28をDiについて解くと、
である。式28をDoについて解くと、
たとえば、Do=4インチ、Di=2インチ、プリーツの個数=40という前の寸法を使用し、式29を適用すると、
である。
【0133】
4インチのプリーツ・パック外径(Do)、2インチの内径(Di)、および40のプリーツ総数で、エンド・キャップへの正味軸方向力が0と等しくなるようにエンド・キャップでの力のつり合いを達成するためには、2.83インチのシール直径(Ds)が必要になるはずである。したがって、2.83インチで、定義されたシステムについて、Ds=Dbである。これは、シールとシーリング表面が接触する直径になるはずである。
【0134】
全体的な要素に関して、ラボ試験を使用して、要素に対する正味軸方向荷重を評価することができる。具体的に言うと、1手法として、ロード・セルをフィルタ・カートリッジの内径に置くことができる。ロード・セルの一端は、上側エンド・キャップに取り付けられ、他端は、下側エンド・キャップに取り付けられる。フィルタ・カートリッジは、フィルタ・ハウジング内に置かれる。標準試験流れの油が、フィルタ・カートリッジを通過する。試験用ダストまたは他の汚染物を、フィルタ・カートリッジの上流に注入する。フィルタが、試験ダスタ汚染物(test duster contaminant)を収集する時に、フィルタにまたがる圧力低下が増え、これによって、フィルタ・カートリッジ内の軸方向荷重が増える。標準シーリング構成を使用するフィルタ・カートリッジは、ロード・セルへの軸方向荷重を生成する。この力は、フィルタにまたがる圧力低下に比例して増える。特徴付けされた好ましいシール構造を使用するフィルタ・カートリッジは、フィルタ・カートリッジへの軸方向力のすべてまたはほとんどを解決しているはずである。これは、圧力低下がフィルタ媒体にまたがって増える時に、ロード・セルの軸方向力の増加が、あるとしても比較的小さいことを観察することによって査定される。
【0135】
上の定式化が、定式化での変数としてプリーツ数を示すことに留意されたい。実用上の問題として、通常の液体カートリッジでは、プリーツ数が十分に多くなったならば、その増加は、Dbに関する好ましい位置を実質的に変化させない。これは、図11にプロットされた数学モデルによって例証される。図11では、プリーツ数がX軸にプロットされ、Y軸は、単位軸方向荷重を表す。寸法については、図10を参照されたい。約20を超えるプリーツ数、たとえば20〜30で、プリーツ数が変化する時に比較的わずかな軸方向荷重の変化があることがわかる。図10を参照すると、矢印Xは、外側から内側への流れまたは標準(std)の流れの向きを示す。矢印Yは、内側から外側への流れまたは逆(rev)の流れの向きを示す。寸法Zは、プリーツの深さを示す。
【0136】
これらの変数は、図11のグラフで識別される。
【0137】
B.本原理を使用する設計手法
上の原理は、フィルタ・ローディング中にフィルタ媒体パックへの過度な軸方向荷重を受けないコアレス(インナ・ライナが全くないか、約20ポンドの軸方向荷重に耐える能力を有するインナ・ライナがない)フィルタ・カートリッジを作成することを可能にする。次の設計ガイドラインでは、カートリッジが両端で開かれていることと、プリーツ支持(半径方向)用のインナ・ライナがフィルタ・ハウジングの一部であることを仮定する。
【0138】
プリーツ・パックの外径(Do)および内径(Di)とプリーツ・カウント(PC)とから開始することができる。
【0139】
上の計算から導出された次の式を使用することによって、ゼロの軸方向荷重を与えるシール直径(DsB)を計算することができる。
たとえば、Do=3.27インチ、Di=1.59インチ、PC=50では、
である。
【0140】
DsBは、OリングのI.D.(内径)でシールするチューブ外径を表す。標準サイズOリング(Parker Seals GL−10/91など)のカタログでこの直径を調べると、最も近いチューブO.D.が2.25インチになることが示される(ページA5−5、Oリング・サイズ2−035)。
【0141】
特定の要件に応じて、2.25インチのチューブO.D.(外径)を有する標準2−035 Oリングを使用し、フィルタ媒体パックへの多少の軸方向荷重を受け入れることを選択することができる。第2のオプションは、次の式を使用して、2.28ではなくDsB=2.25を有するカートリッジの正しい寸法を計算することである。
【0142】
ゼロの軸方向荷重を維持し、標準Oリング2−035を使用し、PC=50およびDi=1.59を保つために、次の式で、新しいDoを計算する。
値をあてはめることによって、
が与えられる。
代替案で、PC=50およびDo=3.27を保ちたい場合には、次の式で、新しいDiを計算する。
である。
【0143】
フィルタ媒体パック寸法を、標準チューブ直径(Do=3.27、Di=1.59、Ds0=2.25)と一緒に保ちたい場合には、次の式で、フィルタ媒体パックに印加される軸方向荷重の量(Fa)を計算する。これを行うためには、もう1つの情報すなわち、フィルタ媒体パックにまたがる圧力低下(PD)が必要である。この例では、200psidを使用する(多数の油圧フィルタ・カートリッジが、200psidまでに耐えるように設計されている)。
やはり、数値をあてはめると、
になる。マイナス(−)は、フィルタ媒体パックが圧縮を受けることを示す。
【0144】
約20個以上のプリーツ(PC≧20)がある限り、PCの変更は、上の式のどれにおいてもほとんど影響を有しない。
【0145】
すべてのタイプのフィルタ・カートリッジ設計について、プリーツ・パックの外径およびフィルタ・ハウジングの内径によって形成される、フィルタ媒体パックを囲む環状区域(ギャップ1)があることも認められる。所与のフィルタ・カートリッジに使用される複数のタイプのハウジングがありえるので、使用可能なある範囲のギャップがある。このギャップは、プリーツ・パックO.D.(外径)を選択する際のある設計柔軟性を可能にする。
【0146】
したがって、説明した設計手法を使用してフィルタ・カートリッジを設計する時には、このギャップ(ギャップ1)が提供する柔軟性を考慮に入れる必要がある。
【0147】
また、フィルタ・カートリッジの構造的完全性にクリティカルなもう1つの環状ギャップ(ギャップ2)がある。この環状ギャップは、フィルタ媒体パックの内径およびライナの外径によって形成される。標準流れ条件(流体がフィルタ媒体パックを通って半径方向の内側に流れる)の下で、ライナの主な仕事は、フィルタ媒体に半径方向支持を提供することである。流体がフィルタ媒体を通って流れる時に、フィルタ媒体にまたがる圧力低下が、半径方向で内側に向けられた、フィルタ媒体に対する力を作る。ライナは、この力に対してフィルタ媒体を支持する。フィルタ媒体パックのI.D.(内径)とライナのO.D.(外径)との間にギャップがある場合に、フィルタ媒体パックは、ライナが支持を提供できるようになる前に、そのギャップの距離を移動しなければならない。フィルタ媒体は多少柔軟なので、ある量のギャップを許容することができる。ギャップが大きくなり過ぎる場合に、フィルタ媒体がたわみ過ぎ、永久的に故障する。
【0148】
フィルタ媒体とライナの間のギャップ2のゆえに、すべてのコアレス・カートリッジ設計について、最小ギャップを維持することが賢明である。これは、正しい寸法を与えられたライナに関する適切な(Di)を定義することを意味する。前に述べたように、PCは、20以上の任意の数とすることができる。次に、ギャップ1に必要な要件に基づいて最初のDoを選択する。次に、その後、DsBの上の式を使用して、シールのチューブ直径を計算することができる。
【0149】
次に、フィルタ媒体に印加できる最大軸方向荷重(Fmax)を判定し、次の式を使用して、固定されたDiおよびDsBを有するフィルタ・カートリッジの最大Doを計算する。
【0150】
1例として、前に計算した情報を使用する。Di=1.59インチ、PC=50であり、Do=3.27を与えるギャップ1を仮定する。DsBの式を使用すると、DsB=2.28が与えられる。
【0151】
ここで、200psidの圧力低下(PD)で−100lbfの最大軸方向荷重(Fmax)を仮定する。
数値をあてはめると、
になる。
【0152】
したがって、この設計について、(Do)は、−100lbfのフィルタ媒体パックへの最大許容軸方向荷重を超えずに3.27から3.67までの範囲にわたることができる。
【0153】
ここで、図14に注目されたい。図14には、所与の圧力(PD)最大値(200psig)、フィルタ・カートリッジへの定義された許容できる力最大値(40ポンド力)、定義されたDs、定義されたプリーツ・カウント、および圧力差が作用することのできる定義された最大有効面積Aeに関する、Di対Doのプロットを示すグラフが提示されている。この数(Ae)は、もちろん、シールが具体的にDbにある場合に、0になるはずである。したがって、Aeは、所望の制限された力の範囲内に留まるために圧力差が作用することのできる面積の量である。
【0154】
図14のプロットから、この図で指定された条件の下でDiとDoの間に逆の関係があることがわかる。したがって、Doを増やすつもりであれば、Diが減らされ、逆も同様である。
【0155】
ここで、図15に注目されたい。この図には、固定された変数に関する、計算のいくつかの例が示されている。パラメータは、図面に示されている。
【0156】
評価される特定の例について、圧力差最大値は、200psidとして識別され、フィルタ・カートリッジへの許容される力最大値は、40ポンド力である。
【0157】
プリーツ・カウントは、50に固定され、当初はDoが3.27インチであり、Diが1.59インチであった。
【0158】
そうである場合に、Dbについて、Dsは2.28インチであるものとして計算された。
【0159】
次の複数の行に、Doをどのように変更できるかと、それによる力に対する最終的な影響とが示されている。Doは、DiおよびDsを固定したままに維持して3.43インチまで増やすことができ、力最大値は40ポンドまで増える。Doは、DiおよびDsを固定したままで3.11インチまで減らすことができ、力最大値は反対方向で40ポンドまで変化する。
【0160】
この表の次の2行は、DoおよびDsを固定したままに維持し、Diを移動することの影響を示す。Diは、40ポンドを超えないように力を維持しながら、1.67の最大値まで上に移動することができる。Diは、1.51インチまで減らすことができ、力は反対方向で40ポンドまでになる。
【0161】
次の2行は、DoおよびDiの数を固定して、シールDsをどのように移動できるかを示す。シールは、力が40ポンド範囲を超えずに2.22インチまで下に移動することができ、シールは、シールが40ポンドを超えずに2.33インチまで上に移動することができる。
【0162】
この表のいくつかの他の数字は、計算の一部からの相対パーセントを示す。
【0163】
この表の下側に、異なる寸法を仮定した要素の計算が示されている。
【0164】
V.特定の例、図12および13
図12には、本開示による原理を使用する例のフィルタ・カートリッジが示されている。カートリッジ500に、第1および第2の対向するエンド・キャップ502と503の間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体501が含まれる。この特定の構成は、コアレスであり、インナ・コアおよびアウタ・コアを有しない。エンド・キャップ502は、開かれており、その中に開口505を有する。エンド・キャップ503も、開かれている。キャップ502から軸方向に外に突き出しているのが、その上にシール507を有するシール支持体506である。シール507は、内向きのラジアル・シーリング用に構成されている。
【0165】
エンド・キャップ503から軸方向に外に突き出しているのが、その上にシール511を有するシール支持体510である。シール511も、半径方向に内向きのシーリング用に構成されている。
【0166】
外側プリーツ直径(M)が83.0mmであり、プリーツの内径(N)が40.5mmであり、プリーツの深さ(O)が21.3mmであるシーリングでのつり合いを作成するために、シール507および511のそれぞれについて、シール直径Ds(Qに示されている)は57.9mmである。この例では、Qに対応するDsが、Dbになるはずである。
【0167】
図示の例について、プリーツ長さは279mmである。
【0168】
まだ図12を参照すると、カートリッジ500に、さらに、汚染物封じ込め収集機能530が含まれる。この機能に、その中にフィルタ媒体532を有する伸長部分531が含まれる。カートリッジ500が据え付けられる時に、これが取り外される際に、フィルタ媒体532を通る液体の流れが、カートリッジ内の静止している液体をろ過する。汚染物封じ込め構成に関する原理は、たとえば、参照によって本明細書に組み込まれている2002年10月17日のPCT国際公開第02/081052号に記載されている。
【0169】
図13では、カートリッジ500が、フィルタ・ヘッド542に固定されたハウジング541を含む全体的なフィルタ構成540内に据え付けられたものとして図示されている。シール507は、構造545、この例では、インナ・パイプまたはコア構成546の一部へのシーリングとして図示されている。シール511は、ハウジング基部550の一部に固定されて図示されている。この例では、部分550が、ボルト542'によってハウジング541の残りに固定される。したがって、部分550は、シール511を収容するためにハウジング541内でその底部に位置決めされたアダプタである。部分550は、据付中にハウジング541内でカートリッジ500をセンタリングするのも助ける。
【0170】
VI.機械的構造、アセンブリ、および方法に関する選択された一般的観察
A.機械的なフィルタ・カートリッジの構造
本開示は、従来のフィルタ・カートリッジの構成から、フィルタ・カートリッジのさまざまな代替構成を提供する。好ましい構成は、前に説明済みであり、ここで、1つ以上のシール位置が、対応するエンド・キャップ内で、Dbに関して定義され、あるいは、一般に、使用中にある表面軸方向力を生じる位置に関して定義される。
【0171】
このセクションでは、いくつかのさまざまな追加のまたは代替の機械的構成および特徴について特徴付けされる。これらは、所望のフィルタ・カートリッジを提供するのに有利に使用することができる。しかし、いくつかの利益を得るために、すべてを一緒に使用する必要はない。
【0172】
1.好ましくはその上にシール部材を有する、それでもそこから軸方向に外に突き出す軸方向シール支持体を有する閉じたエンド・キャップの提供。
【0173】
2.(a)フィルタ媒体の外側エッジの外側位置と(b)フィルタ媒体の最大の半径方向に内側への突き出しと半径方向に等しい内側位置との中間の位置に、その上のラジアル・シール支持体を有する、その上の少なくとも1つのエンド・キャップを有するフィルタ・カートリッジの提供。通常、好ましくは、軸方向に外に突き出す支持体が、両方のプリーツ・チップ・エッジからエンド・キャップにまたがる距離(外側プリーツ・チップから内側プリーツ・チップへ)の少なくとも10%、通常はその距離の少なくとも15%の位置にシールを支持するために置かれる。
【0174】
3.上の2で説明したエンド・キャップを2つ有するフィルタ・カートリッジ。
【0175】
4.インナ軸方向荷重支持コアを有しない、上の3つの全般的特性のいずれかと一致するフィルタ・カートリッジ。
【0176】
5.アウタ軸方向荷重支持ライナを有しない、上の4つの全般的特性のいずれかと一致するフィルタ・カートリッジ。
【0177】
上の原理に基づいて、液体システム用のフィルタ・カートリッジを設計する手法を、次のようなものとすることができる。
【0178】
1.プリーツ・チップ支持チューブの直径(Diを確立する)ならびに最大ハウジング直径(Doを確立する)を有する所与のハウジング・システムについて軸方向荷重(Fmax)を受け入れるためのフィルタ・カートリッジの能力と、フィルタ媒体にまたがるΔP(最大値)とを決定する。シール位置Dsは、通常の動作条件の下でFmaxを超えないように、ある範囲内である位置のDsB(つり合いをとられた位置)をもたらすように配置することができる。
【0179】
2.同様に、識別されたパラメータのそれぞれを、他のパラメータを固定してまたはある範囲で固定して変数として扱うことができ、その特定の計算および好ましいフィルタ・カートリッジ構成が可能になる。
【0180】
本明細書では、多くの油圧フィルタで通常であるように、200psidの仮定されたΔPmaxがあった油圧フィルタに関する例を提供した。Fmaxすなわちフィルタ・カートリッジが受け入れることのできる荷重の最大量は、すべての例において固定されず、選択される材料の関数である。たとえば、−40lbf(軸方向のポンド力)の最大力が、計算において使用されたが、システムに応じて、これより大きい数字または小さい数字を使用することができる。
【0181】
潤滑油システムについて、異なる限度を期待することができる。多くの潤滑油システムのΔPmaxは、油圧系について200psidより小さく、たとえば、100psid〜150psidの範囲内である。Fmaxは、やはり、選択される材料の関数になるはずである。Fmaxは、−40lbfとすることができるが、他の値とすることもできる。
【0182】
やはり、シール直径が本明細書で論じられる時に、シール直径が、カートリッジが定位置にある時のシール・リングと対応するハウジング構成要素との間の界面の直径を指すことを意味することに留意されたい。
【0183】
B.アセンブリ
もちろん、本開示は、その中に、本明細書で特徴付けされるカートリッジを有する、フィルタ・アセンブリ全体に関する。全体的なフィルタ・アセンブリを、トップ・ロードまたはボトム・ロードのために構成することができる。これらのアセンブリの特徴は、この説明および/または上の例で特徴付けされる全般的な特徴と一致するものとすることができる。
【0184】
液体フィルタ・アセンブリは、やはり、たとえば油(潤滑油)フィルタ、燃料フィルタ、または油圧フィルタとして構成することができる。
【0185】
C.組立、使用、および修理の方法
一般に、組立および使用の方法が提供される。組立の方法に、一般に、本明細書の説明と一致するように構成要素を構成することが含まれる。使用の方法に、一般に、本明細書で説明される原理と一致するように構成された修理可能フィルタを通るように液体の流れを向けることが含まれ、特徴付けされた正味の結果が生じる。いくつかの例で、カートリッジとハウジング基部との間のシールは、修理中にセンタリングももたらす。
【0186】
VII.追加の例、図16および17
A.スピンオン・アセンブリ、図16
符号600(図16)は、全般的に、本開示のさらなる実施形態による液体フィルタ構成を示す。構成600に、フィルタ・ヘッド601と、取外し可能な液体フィルタ・アセンブリ602とが含まれる。フィルタ・アセンブリ602に、外壁603および内部カートリッジ604が含まれる。
【0187】
図示の特定の液体フィルタ・アセンブリ602は、「スピンオン」アセンブリであり、これは、構成要素602が、一般に修理動作中に取り外され、交換されることを意味する。すなわち、カートリッジ604は、全般的に、使用中にハウジング603がフィルタ・ヘッド601から分離された時に、修理することが、液体フィルタ・アセンブリ602を、前に一緒に組み立てられた新しいハウジング603および新しいカートリッジ604と交換することを含むように、ハウジング603に受けられる。すなわち、カートリッジ604は、修理中にハウジング603から取り外されない。
【0188】
まだ図16を参照すると、カートリッジ604に、フィルタ媒体605、この例ではそれぞれ第1および第2の対向するエンド・キャップ607と608の間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体606が含まれる。エンド・キャップ608は、閉じたエンド・キャップであり、ハウジング603の底611内の支持構造610上で支持されて図示されている。カートリッジ604に、604aのインナ・ライナが含まれる。
【0189】
エンド・キャップ607は、それを通る流れ開口615を有する、開いたエンド・キャップである。エンド・キャップ607に、据付中にポスト620の上を滑り、使用中にポスト620の周囲をシールするためのOリング・シール618を支持するシール支持構成617が含まれる。
【0190】
エンド・キャップ607に、さらに、外に突き出すフランジ625が含まれ、このフランジ625は、最初の据付の後に、ハウジング603からのカートリッジ604の取外しを禁じるために、ハウジング603上の構造と係合する位置に置くことができる。
【0191】
図示の特定のカートリッジ604が、アウタ・ライナ・フリーであることに留意されたい。
【0192】
この例でOリング618によって画定されるシール630は、たとえば、前に述べた平衡点Dbまたはその付近に置かれる、シールド直径Dsを有する。
【0193】
エンド・キャップ608は、支持体610によって、矢印635の向きの下向きの動きに対して支持される。
【0194】
アセンブリ600は、外側から内側への流れ用に構成され、これからろ過される未ろ過液体のヘッド601への流れは、644で発生し、その後、入口643を介してフィルタ・カートリッジ604の周囲の環状部641に入る。液体は、その後、フィルタ媒体606を介して内側領域606aに通ることによって、ろ過される。ろ過された液体は、その後、ヘッド601内のチャネル620aに流れ、吐出流れ出口640を介して外に流れる。
【0195】
外側から内側への流れパターンを有することは、一般に、エンド・キャップ608での、より高い上流圧力領域Pu対より低い下流圧力Pdを生成し、これは、一般に、エンド・キャップ608を上にすなわち、矢印635と反対の向きに押しやる。
【0196】
ポスト620に、その上の止め645が含まれ、止め645は、示された偏らせる力の下でカートリッジが矢印635と反対の向きに滑り始めた場合に、シール支持構成617によって係合される。
【0197】
エンド・キャップ607上では、シール630の位置を、やはり、本質的に平衡点Dbに位置決めすることができ、したがって、望まれる場合に、エンド・キャップ607への液体圧力差からの上向きまたは下向きの力をなくすことができる。代替案では、シール630を、本明細書で説明するように、Dbの周囲の位置の範囲内で代わりの位置に置くことができる。
【0198】
まだ図16を参照すると、アセンブリ602とフィルタ・ヘッド601との間の係合の特定の方法は、650に示されたねじ山による係合を介するものである。
【0199】
もちろん、アセンブリ602に類似するスピンオン・アセンブリを、望まれる場合に、フィルタ媒体パック604にまたがる「アウトツーイン」流れ用に構成することができる。
【0200】
B.代替の液体フィルタ・カートリッジ構成、図17
図17には、フィルタ・ヘッド701、取外し可能ハウジング702、およびフィルタ・カートリッジ703を含む液体フィルタ構成700が示されている。この例では、カートリッジ703は、ねじ山710でヘッド701からハウジング702を分離し、ボウル702内のカートリッジ703を交換し、その後、ボウル702をヘッド701に再取付けすることによって取り外し、交換することのできる、修理可能カートリッジである。
【0201】
シール711および712は、ボウル702から外への漏れを防ぐために図示されている。
【0202】
カートリッジ703は、内側から外側への流れ用に構成されて図示されているが、代替構成が可能である。カートリッジ703に、この例では上側エンド・キャップ715と下側エンド・キャップ716との間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体714aを含む、フィルタ媒体パック714が含まれる。図示の例では、下側エンド・キャップ716が閉じられている。フィルタ媒体パック714の周囲に、外側支持体718が設けられ、外側支持体718に、望みに応じて、コイル状に巻かれたロービングまたはライナを含めることができる。
【0203】
エンド・キャップ715は、中央開口715aを有し、開かれている。エンド・キャップ715に、さらに、その上のシール支持体720が含まれ、シール支持体720は、この例ではOリング721aを含む、シール部材721を支持する。
【0204】
カートリッジ703は、ポスト730に対してシールされたシール部材721と共に位置決めされ、ポスト730内に、カートリッジ703の開いた内部703aと通じた流れ開口730aが設けられる。
【0205】
通常動作中に、液体の流れは、入口730およびヘッド701を介して入り、導管370aを介して開いた領域703aに運ばれる。液体は、次に、フィルタ媒体パック714を介して外側環状部735に進む際にろ過される。ろ過された液体は、導管736およびヘッド701に入り、液体流れ吐出口738を介して出る。アセンブリ700に、その中のバイパス弁構成740が含まれ、バイパス弁構成740は、カートリッジ703が十分に閉塞された場合に、液体の流れがカートリッジ703をバイパスすることを可能にする。バイパス弁740に、この例ではコイル状に巻かれたばね744を含む偏らせる構成743によって開口742を閉じるように維持される弁ヘッド741が含まれる。
【0206】
シール支持体720は、本明細書で説明するようにDbに対応するまたはDbから変更されるのいずれかの位置でシール構造721を支持し、ポスト730に対してシールするのに適切な位置でエンド・キャップ715上に位置決めされて示されている。
【0207】
VIII.液体フィルタ設計の手法にさらに関して
上の原理に基づいて、本開示による原理を利用するフィルタ設計に関するさらなる定義を展開した。これらを、本明細書で図18〜32に関して示す。図18〜32では、すべての直線寸法の数字が、インチ単位であり、すべての面積の数字が、平方インチ単位である。
【0208】
A.データ提示、図18〜26
図18〜26では、本開示による変形形態および原理を利用する液体フィルタ構成の選択されたデータおよび計算されたデータのプロットを提供する。図18〜26の表のレビューにおいて、次の定義を考慮しなければならない。
【0209】
1.列1
Doという名前を付けられた第1列に、プリーツ・パックの選択された外径を提供する。プリーツ付きフィルタ媒体を有するプリーツ・パックの外径は、プリーツ・チップによって画定される直径である。図18〜20の表(グループ1)について、Doは、0.1インチ(2.54mm)増分で2.5インチ(63.5mm)から5.5インチ(139.7mm)までの範囲であり、本明細書では、これらを「グループ1」と呼ぶ。図21〜23では、Doは、0.1インチ(2.54mm)増分で5.6インチ(142.2mm)から10インチ(254mm)までの範囲であり、本明細書では、これらを時々「グループ2」と呼ぶ。図24〜26では、Doは、0.1インチ(2.54mm)増分で1.5インチ(38.1mm)から2.4インチ(61mm)までの範囲であり、本明細書では、これらを時々「グループ3」と呼ぶ。
【0210】
図18から26の表に関するグループ1、グループ2、およびグループ3のグループ化は、検討のための、選択された外径または寸法に基づくグループ化である。グループは、それ以外に重要に別個であることを意味しない。グループ間の遷移(0.1インチ(2.54mm)のステップにまたがる)は、度外視されることを意図されていない。図26〜32のグラフに関して下で述べるように、グラフは、識別されるすべての領域にまたがって連続と考えることができる。
【0211】
これらのグループ化は、一般に小寸法、中寸法、および大寸法のフィルタ・カートリッジに関するので、液体フィルタ応用例への本明細書で説明する技術の適用を考慮する際になんらかの助けになり得る。
【0212】
2.列2
図18〜26の表では、用語Diが、識別されるプリーツ・パックの内径を表す。プリーツ付きフィルタ媒体について、これは、通常、プリーツ・チップによって画定される内径である。多くのフィルタ・カートリッジでは、最適プリーツ深さが、外径(odまたはDo)を4で割ったものであると考えられる。そのような状況の下では、Di=Do−(Do÷4)である。あるいは、言い換えると、Di=.5×Doである。図18〜26の表について、この式が、Doの所与の定義についてDiを定義するのに使用された。
【0213】
3.列3
図18〜26では、列3の「プリーツ深さ」が、プリーツ深さを表す。もちろん、プリーツ深さは、前に定義したようにDoに関連する。したがって、「プリーツ深さ」という名前の列では、(Do−Di)/2の計算が使用される。
【0214】
4.列4
この表の「プリーツ・カウント」という名前の第4列は、たとえば、プリーツの個数すなわちプリーツ・カウントを指す。本明細書で前に述べたように、プリーツ・カウントが20に達したならば、一般に、さらなるプリーツの追加は、Dbの計算を大きくは変化させない。したがって、図18〜26の表で分析される例について、すべての例のプリーツ・カウントが、20にセットされた。
【0215】
5.列5
図18〜26の表の次の列は、「ギャップ」と称する。「ギャップ」は、図18〜26で報告される計算において、下で述べる比較のためにDoおよびDiが列6の固定されたシール位置に対して変更される量として選択される変数である。
【0216】
これらの表でのデータ提示に関して、データ範囲を示すために、3つの寸法のギャップが使用された。この寸法は、「7%」、「12%」、および「22%」である。比較用の計算データを展開するためのこれらの数字の使用は、さらなる列の定義から明白になる。
【0217】
6.列6
図18〜26の表の次の列は、「Ds=Db(計算値)」または「Ds/計算値」のいずれかの名前が付けられている。これは、エンド・キャップの両側での計算された力が互いに等しくなる、本明細書の説明と一致するDo(列1)、Di(列2)、およびプリーツ・カウント20(列4)に関する、計算された平衡点Dbにある場合にシール位置がどこになるかの表示である。計算手法は、識別されたDo、Di、およびプリーツ・カウントを使用する、本明細書で前に提供した説明と一致するものである。もちろん、やはり、プリーツ・カウントが20以上であるならば、プリーツ・カウントは、変更された時に式に実質的に影響しないと考えられる。
【0218】
第6列のDbの識別された位置のそれぞれについて、Dbにある時のシール位置は、エンド・キャップ上で各プリーツ・チップ・エッジから離隔された位置にある。
【0219】
列6のDbの位置は、本明細書で述べるように、カートリッジが内側から外側への流れまたは外側から内側への流れのどちらのために設計されているかにかかわりなく、定義されたDo(列1)およびDi(列2)を有するカートリッジについて同一になるはずである。
【0220】
7.列7
図18〜26の表の第7列は、「Domin」という名前が付けられている。用語Domin」は、Diおよびシール位置(Ds)が固定されたままである場合であっても、Doが列6の選択された「ギャップ」だけ減らされている、識別された行のカートリッジの変動を示すことを意味する。一般に、Domin=(1−ギャップ)×Doである。したがって、図18の表の第1行について、Domin=(1−.07)(2.5)すなわち、0.93(Do)または2.33インチである。
【0221】
8.列8
第8列では、Domin(列7)が、Db(列6)のパーセントとして示されている。すなわち、この表の値は、Domin/Dbと等しい。
【0222】
9.列9
「Domax」という名前を付けられた第9列は、この例ではDoに「ギャップ」の値を加算することによる、カートリッジ直径のもう1つの変動を示すことを意味する。したがって、Domax=(1+ギャップ)×Doである。図18の表の第1行について、Domax=(1+.07)×2.5すなわち、1.07(2.5)インチまたは2.68インチである。
【0223】
10.列10
第10列は、Db(列6)の%としてのDomax(列9)を反映する。したがって、与えられる値は、Domax/Dbと等しい。
【0224】
11.列11
第11列は、「Dimin」という名前を付けられている。この列は、ギャップに選択された値を使用することによるDiの変動を反映する。したがって、Dimin=(1−ギャップ)×Diである。図18の表の第1行について、Dimin=(1−.07)×1.25すなわち、0.93(1.25)インチまたは1.16インチである。
【0225】
12.列12
列12は、Db(列6)の%としてのDimin(列11)のレポートである。したがって、所与の行の列12の値は、Dimin/Dbを含む。
【0226】
13.列13
列13は、「Dimax」という名前を付けられている。この列は、ギャップの加算によって変更されたDiの値と等しい。一般に、Dimaxは、(1+ギャップ)かけるDiと等しい。図18の表の第1行について、Dimax=(1+.07)×1.25すなわち、1.07(1.25)インチまたは1.34インチである。
【0227】
14.列14
列14は、Db(列6)の%としてのDimax(列13)を反映する。これは、Dimax/Dbの計算値である。
【0228】
15.列15
列15は、「Astd(Ds=Di,Do,Di)」という名前を付けられている。この列は、シールがプリーツ・パックの内径(Ds=Di)上に置かれているカートリッジの軸方向荷重によって影響される、定義されたエンド・キャップ(Do(列1)、Di(列2)、プリーツ・カウント(列4))の面積である。したがって、これは、プリーツ・パックの内側にシールを有する標準カートリッジ設計について計算された影響を受ける面積(Ae)または(Astd)である。この文脈での用語「影響を受ける面積」は、Pu対Pdの圧力の差を受ける量(カートリッジの片面の表面積に関する)を指すことを意味する。これは、エンド・キャップの片側の総面積から、PuであれPdであれ、両側で同一の圧力受ける面積の量を引くことからもたらされる数字である(この計算では、20のプリーツ・カウントが使用される)。
【0229】
列15の値は、本明細書で前に説明した関数を使用することによる計算値である。
【0230】
シールがプリーツ・パックの内径に置かれ、アウトツーイン・フローのカートリッジについて、結果のエンド・キャップは、フィルタ媒体パックに向かう力を受ける。図18〜26の表について、このそのような力は、正の数によって表される。
【0231】
もちろん、流れが反対方向の「インツーアウト」の場合には、影響を受ける面積の絶対値は同一であるが、力の方向は反対である。
【0232】
16.列16
「Ae(Ds calc,Domin,Dimin)」という名前を付けられた列16は、Ds=列6の値であり、エンド・キャップ・パラメータがDomin(列7)の外側プリーツ・パック直径およびDimin(列11)の内側プリーツ直径であり、シールがDoおよびDiに関するDbの計算された位置に置かれている時のエンド・キャップの計算された影響を受ける面積である。列16のこの値は、シールが列6と同一位置に維持されるが、DoおよびDiがDominおよびDiminに変更された場合に、平衡位置(Ae=0)からの影響を受ける面積(Ae)のどれほどの変動があったかを示す。この絶対値を列15の値と比較して、標準フィルタ・カートリッジとの比較によって、影響を受ける総面積(Ae)の量がより小さく、したがってよりよいかどうかを調べることができる。報告される値が負の場合には、圧力は、プリーツ・パックから離れる向き(外側から内側への流れが仮定される時)である。この計算では、20のプリーツ・カウントが使用される。
【0233】
17.列17
「DominおよびDiminの関数としてのDsl=Ds」という名前を付けられた列17は、Dslと呼ばれる数であり、これは、この表で提示される計算について、カートリッジが外径Domin(列7)および内径Dimin(列11)を有し、20のプリーツ・カウントの場合に、つり合い(Ae×0)が発生するシールの位置(新たに計算されたDb)に対応する。
【0234】
18.列18
「Dbの%としてのDsl」という名前を付けられた列18は、Db(列6)のパーセントとしてのDsl(列17)の計算の陳述である。
【0235】
19.列19
「Ae(Ds calc,Domin,Dimax」という名前を付けられた列19は、シールが位置Db(列6の)にあるが、プリーツ・パック外径がDomin(列7)であり、内径がDimax(列13)であり、プリーツ・カウントが20の時のエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)である。
【0236】
20.列20
列20は、「DominおよびDimaxの関数としてのDsl=Ds」という名前を付けられており、外径がDomin(列7)、内径がDimax(列13)、プリーツ・カウントが20であるカートリッジの計算されたシール直径平衡点(Ae=0)である。
【0237】
21.列21
「Dbの%としてのDsl」という名前を付けられた列21は、Db(列6)のパーセンテージとしてのDsl(列20)の陳述である。
【0238】
22.列22
「Ae(Ds calc,Domax,Dimin」という名前を付けられた列22は、シールがDb(列6)に置かれているが、プリーツ・パック外径がDomax(列9)、内径がDimin(列17)、プリーツ・カウントが20である時のエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)である。
【0239】
23.列23
「DomaxおよびDiminの関数としてのDsl=Ds」という名前を付けられた列23は、Domax(列9)の外径、Dimin(列11)の内径、および20のプリーツ・カウントを有するフィルタ媒体パックの、シールがつり合う(Ae=0)ように置かれる場所の計算である。
【0240】
24.列24
列24は、列6のDb値のパーセントとしての、列23の計算されたシール位置の陳述である。
【0241】
25.列25
「Ae(Ds calc,Domax,Dimax」という名前を付けられた列25は、シールがDb(列6)に置かれ、カートリッジが、Domax(列9)のプリーツ・パック外径、Dimax(列13)のプリーツ・パック内径、および20のプリーツ・カウントを有する時のエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)である。
【0242】
kリーツ・カウント)の影響を受ける面積(Astd)に対して、定義されたようにDomin(列7)、Dimin(列11)およびプリーツ・カウント20を有するフィルタ媒体パックについてDb(列6)にあるシールを使用するエンド・キャップの影響を受ける面積(Ae)を比較する。
【0243】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=3.20インチ、Di=1.60インチ、および20のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準スタイル・カートリッジの3.27平方インチと比較して、2.57平方インチである。この面積Aeは、Astdの79%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準フィルタ・カートリッジの軸方向荷重の79%であることを意味する。
【0244】
29.列29
列29は、「Ae(Ds=Db,Domin,Dimax)%Astd」という名前を付けられ、列28に似た比較を提供するが、この例では、影響を受ける面積(Ae)が、シールが内側プリーツ直径に置かれた類似するカートリッジに対して、Db(列6)のシールとDominおよびDimaxのプリーツ寸法とについて計算される。
【0245】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=3.20インチ、Di=2.50インチ、および10のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準フィルタ・カートリッジの3.27平方インチと比較して、0.32平方インチである。この面積Aeは、Astdの10%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準フィルタ・カートリッジの軸方向荷重の10%であることを意味する。
【0246】
30.列30
列30は、「Ae(Ds=Db,Domax,Dimin)%Astd」という名前を付けられ、影響を受ける面積標準(Astd)に対する影響を受ける面積(Ae)の似た比較(列28および29に)を提供し、ここで、シールは、Db(列6)にあり、プリーツ寸法は、Domaxの外側寸法およびDiminの内側寸法である。Aeの比較は、同一カートリッジであるが、シールが内径に置かれたカートリッジ(Astd)に対するものである。
【0247】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=5.00インチ、Di=1.60インチ、および20のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準フィルタ・カートリッジの3.27平方インチと比較して、0.32平方インチである。この面積Aeは、Astdの10%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準フィルタ・カートリッジの軸方向荷重の10%であることを意味する。
【0248】
31.列31
列31は、「Ae(Ds=Db,Domax,Dimax)%Astd」という名前を付けられ、シールがDb(列6)に置かれるが、外側プリーツ直径がDomax、内側プリーツ直径がDimaxである状況の、影響を受ける面積の列28〜30に類似する比較である。この比較は、同一のエンド・キャップを有するがシールが内径にある影響を受ける面積(Astd)に対する、そのような状況の影響を受ける面積(Ae)の比較である。
【0249】
たとえば、Ds=2.89インチ、Do=5.00インチ、Di=2.50インチ、および20のプリーツ・カウントを有するカートリッジについて、影響を受ける面積(Ae)は、同一のDoおよびDiを有するがDs=Diである対応する標準スタイル・カートリッジの3.27平方インチと比較して、3.21平方インチである。この面積Aeは、Astdの98%である。これは、軸方向荷重も、対応する標準スタイル・カートリッジの軸方向荷重の98%であることを意味する。
【0250】
図28から31の比較は、提供される定義と一致してシールがエンド・キャップ上でプリーツ・チップの内径とプリーツ・チップの外径との間に離隔されるのではなく、シールがプリーツ・チップの内径に設けられる標準スタイル・エンド・キャップとの比較によって、エンド・キャップがこの特定の例で識別される寸法およびシール位置を有するように調整された時に軸方向荷重(Ae)の何パーセントがエンド・キャップに残されるかの理解を可能にする。この4つの列の例について、カートリッジは、Ae=0を得るために最適化されてはいない。したがって、この重要な比較は、Aeの、したがって圧力のどれほどの実際の減少が発生したかを示す。
【0251】
B.選択されたデータ・プロット、図27〜32
ここで、図27〜32のグラフに注目されたい。図27〜32では、グループは、図18〜26のデータから生じるシール直径(Ds)のグループを指す。
【0252】
1.図27および28
(a)図27
まず図27のグラフを参照すると、このグラフには、図18〜20の表に含まれるある種の情報のプロットが含まれる。
【0253】
具体的に言うと、図18〜20の表に記載されたシステムについて、図27のプロットは、Diに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA、B、C、D、E、F、およびGとして識別される。
【0254】
線A=図20のデータについて、Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0255】
線B=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図19のデータ(x軸)のプロット。
【0256】
線C=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図18のデータ(x軸)のプロット。
【0257】
線D=Di(列2)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18〜20のすべてからのプロット。
【0258】
線E=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18からのプロット。
【0259】
線F=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図19からのプロット。
【0260】
線G=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図20からのプロット。
【0261】
(b)図28
図18〜20の表に記載されたシステムについて、図28のプロットは、Doに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA1、B1、C1、D1、E1、F1、およびG1として識別される。
【0262】
線A1=図20のデータについて、Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0263】
線B1=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図19のデータ(x軸)のプロット。
【0264】
線C1=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図18のデータ(x軸)のプロット。
【0265】
線D1=Do(列2)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18〜20のすべてからのプロット。
【0266】
線E1=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図18からのプロット。
【0267】
線F1=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図19からのプロット。
【0268】
線G1=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図20からのプロット。
【0269】
2.図29および30
(a)図29
図21〜24の表に記載されたシステムについて、図29のプロットは、Diに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA2、B2、C2、D2、E2、F2、およびG2として識別される。
【0270】
線A2=図23のデータについて、Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0271】
線B2=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図22のデータ(x軸)のプロット。
【0272】
線C2=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図21のデータ(x軸)のプロット。
【0273】
線D2=Di(列2)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21〜23のすべてからのプロット。
【0274】
線E2=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21からのプロット。
【0275】
線F2=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図22からのプロット。
【0276】
線G2=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図23からのプロット。
【0277】
(b)図30
図21〜23の表に記載されたシステムについて、図30のプロットは、Doに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA3、B3、C3、D3、E3、F3、およびG3として識別される。
【0278】
線A3=図23のデータについて、Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0279】
線B3=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図22のデータ(x軸)のプロット。
【0280】
線C3=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図21のデータ(x軸)のプロット。
【0281】
線D3=Do(列2)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21〜23のすべてからのプロット。
【0282】
線E3=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図21からのプロット。
【0283】
線F3=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図22からのプロット。
【0284】
線G3=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図23からのプロット。
【0285】
3.図31および32
(a)図31
図24〜26の表に記載されたシステムについて、図31のプロットは、Diに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA4、B4、C4、D4、E4、F4、およびG4として識別される。
【0286】
線A4=図26のデータについて、Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0287】
線B4=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図25のデータ(x軸)のプロット。
【0288】
線C4=Dimin(列11)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値の図24のデータ(x軸)のプロット。
【0289】
線D4=Di(列2)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24〜26のすべてからのプロット。
【0290】
線E4=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24からのプロット。
【0291】
線F4=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図25からのプロット。
【0292】
線G4=Dimax(列13)に対応するDi値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図26からのプロット。
【0293】
(b)図32
図24〜26の表に記載されたシステムについて、図32のプロットは、Doに対するシール直径Dsのプロットである。7本の線がプロットされている。これらの線は、次のようにA5、B5、C5、D5、E5、F5、およびG5として識別される。
【0294】
線A5=図26のデータについて、Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)のプロット。
【0295】
線B5=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図25のデータ(x軸)のプロット。
【0296】
線C5=Domin(列7)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値の図24のデータ(x軸)のプロット。
【0297】
線D5=Do(列2)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24〜26のすべてからのプロット。
【0298】
線E5=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図24からのプロット。
【0299】
線F5=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図25からのプロット。
【0300】
線G5=Domax(列9)に対応するDo値(y軸)に対する列6のDs値(x軸)の図26からのプロット。
【0301】
図26〜32のグラフの利用は、次の例から明白になる。
【0302】
1.多くの例で、システムのシール直径は、機器によって固定される。たとえば、図16のヘッド601にはまる新しいフィルタ・カートリッジを設計する努力を検討されたい。ヘッド601は、既に機器の定位置にあるか、その機器の定位置に置かれるように設計済みであるはずである。シール直径は、ヘッド601のポスト620の設計によって固定される。
【0303】
交換部品602、特にカートリッジ604を設計する際に、シール直径のパラメータ(Ds)は、既に固定されているはずである。
【0304】
また、ハウジング603の全体的な外径および内径は、固定されているか、少なくとも制限される。これが、カートリッジのDoおよびDiを設計できる範囲を設定する。
【0305】
2.例において、図16のシールのDsの寸法範囲が1.7インチと3.9インチの間であると仮定する場合に、図27および図18のグループ1の表が、利用に適切である(他の寸法のDsには、グループ2またはグループ3を用いる)。
【0306】
3.図27で「D」、図28で「D1」として識別される線は、述べられた範囲内の任意の所与のシール直径(Ds)について、つり合いを達成するすなわちAe=0を得るための適切なDi値およびDo値を識別する。すなわち、たとえば、2.6インチのポスト620によって識別されるシール直径を仮定すると、図27では、これは、つり合い(Ae=0)を得るために、1.8インチよりわずかに大きいDiを選択しなければならないことを示し、図28から、約4インチのDoを選択しなければならない(実際の値は、対応するデータ・チャートにある)。
【0307】
4.もちろん、上のポイント3の議論に一致して、Ae=0をもたらすために、多くの例で設計を再適することが好ましいはずである。しかし、これは、すべての場合において実用的または必要とは限らない。
【0308】
図27の線分Aおよび図28の線分A1によって表される線は、一般に、それぞれ、Dsの所与の値に関する、DiおよびDoの使用可能な下限を示す。表の計算から、図20について、所与のDsについて選択されたDiおよびDoの値がそれぞれ線AおよびA1に乗っているかそれより上にある限り、Aeの、したがって対応する荷重の実質的な減少がもたらされることがわかる(DsがほぼDiと等しいと仮定される標準シール設計との比較によって)。
【0309】
5.一般に、図17および28の線分GおよびG1によって表される線は、図20のDomax、Dimax、列31の極端を反映する。これは、一般に、DsがほぼDiに置かれる場合の標準スタイル・カートリッジに対する実質的な利益をもたらすには大きすぎるはずの、所与の選択Dsに関する値DiおよびDoである。
【0310】
6.その一方で、線分FおよびF1によって表される線は、一般に、それぞれ、Aeの、したがって力の実質的な減少が発生する、所与の選択されたDsに関するDiおよびDoの値を反映する。したがって、DiおよびDoは、それぞれ、FおよびF1がそれぞれその線分である線に乗っているかそれより下にあることが必要である。
【0311】
7.結果として、所与の値Dsについて、DiおよびDoの値が、それぞれ、線分AおよびA1によって表される線について与えられる値より小さくなく、線分FおよびF1によって表される線によって与えられる値より大きくないように選択されるならば、一般的な利益が達成される。
【0312】
8.所与のDsについてDiおよびDoに選択される値が、それぞれ、(a)それぞれ線分BおよびB1によって表される線の値より小さくなく、かつ、(b)それぞれ線分FおよびF1によって表される線の値より大きくなく、かつ、(c)好ましくはそれぞれ線分EおよびE1によって表される線の値より大きくない時に、より大きい利益が生じる。
【0313】
9.本明細書の原理の通常の応用において、所与のDsについてDiおよびDoに選択される値が、それぞれ線分CおよびC1によって表される線の値より小さくないことが好ましい。また、これらが、それぞれ線分EおよびE1によって表される線の値より大きくないことが好ましい。
【0314】
10.図27のグラフは、前に示したように、Dsの下端側で図31、Dsの上端側で図29によって生成される連続するグラフの中央部分である。したがって、線A、A2、およびA4は、連続する線のセクションであり、線B、B2、およびB4は、連続する線のセクションであり、線C、C2、およびC4は、連続する線のセクションであり、線D、D2、およびD4は、連続する線のセクションであり、線E、E2、およびE4は、連続する線のセクションであり、線F、F2、およびF4は、連続する線のセクションであり、線G、G2、およびG4は、連続する線のセクションである。
【0315】
11.同様に、図28のグラフは、前に示したように、図28、30、および32を含む連続するグラフの中央セクションである。したがって、線A1、A3、およびA5は、連続する線のセクションであり、線B1、B3、およびB5は、連続する線のセクションであり、線C1、C3、およびC5は、連続する線のセクションであり、線D1、D3、およびD5は、連続する線のセクションであり、線E1、E3、およびE5は、連続する線のセクションであり、線F1、F3、およびF5は、連続する線のセクションであり、線G1、G3、およびG5は、連続する線のセクションである。
【0316】
12.次に、図27〜32のグラフを使用して、所与のDsについて、1.06インチ(26.9mm)から7.06インチ(179 mm)までのDs(シール直径)範囲にわたって、好ましいDs値範囲およびDo値範囲を選択することができる。異なる線は、表に記載された影響(Ae)に関する、使用可能な定義された範囲を示す。通常、所与のDsについてそれぞれDiおよびDoに選択される範囲は、線分A(またはA1)およびF(またはF1)がその一部である線に乗っているかそれらの線の間であり、通常は、線B(またはB1)およびF(またはF1)がその一部である線に乗っているかそれらの線の間であり、しばしば、線分C(またはC1)およびF(またはF1)がその一部である線に乗っているかそれらの線の間である。
【0317】
IX.本開示による選択された原理の全般的な要約
A.全般的な特徴
本開示による技術は、さまざまな液体フィルタ構成に適用することができる。液体フィルタ構成に、一般に、第1および第2の対向するエンド・キャップの間に延びるフィルタ媒体が含まれる。このフィルタ媒体は、通常、プリーツ付きであり、インナ・プリーツ直径(Di)およびアウタ・プリーツ直径(Do)を定める。エンド・キャップの一方または両方が、開いた中央開口を有することができる。
【0318】
一般に、エンド・キャップのうちの少なくとも1つは、そのエンド・キャップから軸方向に外に(フィルタ媒体から離れる向きに)延びる突起上に置かれたシール支持体を有する。通常の例で、このシール支持体によって支持されるシールは、Oリングであるが、代替物が可能である。シールを、内側にまたは外側に向けられるように支持することができる。Oリングまたは代替シールは、一般に、シール直径Dsを定める。
【0319】
このフィルタ・カートリッジは、使用中にハウジングから取り外され、交換される、修理可能フィルタ・カートリッジとして使用することができる。このフィルタ・カートリッジは、修理中にハウジング部分と共に交換されるように、ハウジング内に永久的に含めることもできる。
【0320】
本願の図面に示された通常のシール支持体は、使用中に液体フィルタ・アセンブル構成要素の上(またはその内部)の位置へ滑るタイプである。例では、シール支持体が、ポストまたは他の構造の上を滑るものとして図示され、このポストまたは他の構造を通って、開口または流れ導管が延びる。いくつかの構成で、シール支持体は、使用中に、流れ開口の内部を滑って、その流れ開口を定める壁に対してシールすることができる。
【0321】
本明細書の説明で示されたタイプのシール支持体は、一般に、シールを定位置に固定するための、ホース・クランプまたは類似する構造などの外部クランプなしで定位置に置かれる。そのような構成は、本明細書では、時々、「ノンクランプ」または「ノンクランピング」シール支持体またはシール構造として、または類似する用語によって記述される。
【0322】
本開示の原理は、望まれる場合に、インナ・ライナおよび/またはアウタ・ライナを有しない構成を提供するのに利用することができる。
【0323】
本開示による技術を、内側から外側への流れまたは外側から内側への流れのために構成された構成に利用することができる。両方の例が説明されている。
【0324】
本開示による技術を、プリーツ付きフィルタ媒体がその片面または両面にプリーツ付きワイヤ・メッシュ支持体またはプリーツ付きプラスチック・メッシュ支持体などのプリーツ付きフィルタ媒体支持体を含むシステムで適用することができる。
【0325】
本開示の原理は、さまざまな効果を達成するための好ましいシール位置に関する。
【0326】
B.平衡点Db(Ae=0)にあるかその位置の所望の範囲内にある、液体フィルタ・カートリッジの所与のエンド・キャップのシール直径の位置
本開示の1態様では、液体フィルタ構成の少なくとも第1エンド・キャップが、それを通る第1中央開口を有し、シール支持体が、シール直径Dsを定めるために第1エンド・キャップ上に位置決めされ、シール直径は、0.85DbA以上で1.15DbA以下の範囲内、通常は0.9DbA以上で1.1DbA以下の範囲内、好ましくは0.95DbA以上で1.05DbA以下の範囲内であり、ここで、DbAは、使用中に第2エンド・キャップ(B)に向かうかこれから離れる、第1エンド・キャップ(A)上の軸方向表面力が生じない直径である。DbAは、もちろん、上の計算と一致して、識別されたエンド・キャップの0の有効面積(Ae=0)を定義する位置である。
【0327】
もちろん、本開示のこの態様のいくつかの応用例で、両方のエンド・キャップに、その中の開口を設けることができ、両方のエンド・キャップに、類似する定義の中でその上にシールを設けることができる。したがって、第2エンド・キャップ(B)上に、0.85DbB以上で1.15DbB以下の範囲内、通常は0.9DbB以上で1.1DbB以下、しばしば0.95DbB以上で1.05DbB以下の範囲内のシール直径DsBを有するシール部材用のシール支持体が設けられる。
【0328】
C.シール位置が、エンド・キャップおよびアウタ・プリーツ・チップの外径から離隔され、エンド・キャップおよびインナ・プリーツ・チップの内径から離隔されて位置決めされる液体フィルタ構成の提供
本開示による液体フィルタ・カートリッジの定義のもう1つの態様は、少なくとも第1エンド・キャップ(中央開口を有する)上で、そのエンド・キャップにまたがって、プリーツ・チップ(および存在する場合にエンド・キャップ・開口)の内径から少なくとも0.1Xに対応する距離だけ離隔されたシール支持体が設けられるようになっているフィルタ・カートリッジと理解され、ここで、Xは、プリーツ・チップ(または、類似する場合に、エンド・キャップ外周)の外径と、プリーツ・チップ(または、類似し、存在する場合にエンド・キャップ・開口)の内径との間の距離に対応する寸法である。
【0329】
そのような状況について、通常、シール構造は、エンド・キャップ上で、アウタ・プリーツ・チップ直径(または、類似する場合にエンド・キャップ外周)から内側に、やはり少なくとも0.1Xに対応する距離だけ離隔された距離に位置決めされる。
【0330】
いくつかの構成で、開いたものであれ閉じられたものであれ、第2エンド・キャップについて類似する定義を提供することができる。すなわち、シール構造を、第2エンド・キャップに取り付け、内側プリーツ直径(または開口)と外側プリーツ直径(または開口)との間の差の少なくとも10%に対応する距離だけ、内側プリーツ直径(または開口)から外に、外側プリーツ直径(またはエンド・キャップ円周)から内側に離隔されたシール直径を定義することができる。
【0331】
一般に、いくつかの液体フィルタ・カートリッジで、開いたエンド・キャップのエンド・キャップ・開口直径は、インナ・プリーツ・チップ直径とほぼ同一である(または、これよりわずかに小さい)。また、いくつかの例で、外側エンド・キャップ直径は、外側プリーツ直径とほぼ同一である。しかし、変形形態が可能である。
【0332】
変形形態が使用される時に、間隔は、通常、プリーツ・チップのインナ直径およびアウタ直径がAeを制御するので、これらの要因に関して検討される。
【0333】
D.インナ・プリーツ・チップおよびアウタ・プリーツ・チップから指定された量だけ離隔されたシール位置を有する液体フィルタ・カートリッジ
本発明のもう1つの態様では、横プリーツ直径と外側プリーツ直径の両方から少なくとも5mm、一般的にはは少なくとも10mm、通常は少なくとも15mmの距離だけ離隔された位置でシールを支持させることによって、シールが内側プリーツ直径または外側プリーツ直径のいずれかに設けられる液体フィルタ・カートリッジに対する利益を有する液体フィルタ・カートリッジが提供される。
【0334】
E.影響を受ける区域に関して定義されるフィルタ
一般に、シール位置が、類似するエンド・キャップおよびプリーツ・チップの定義(DoおよびDi)を有するがシールがほぼ内側プリーツ直径の標準位置に置かれる(Ds=Di)Aeの値の80%を超えない、一般的には55%を超えない、通常は20%を超えない、Ae(影響を受ける面積)の値を提供するように、その上のシール位置に関して定義された、少なくとも1つのエンド・キャップ、いくつかの場合に2つのエンド・キャップを有するフィルタ・カートリッジを提供することが好ましい。
【0335】
F.図17〜32のプロットの利用を介する、DoおよびDiの定義されたDs選択に関して定義されたフィルタ・カートリッジ
本明細書で説明される技術のもう1つの態様では、インナ・プリーツ・チップ直径(Di)位置とアウタ・プリーツ・チップ直径(Do)位置との間に離隔して置かれた所与のDsについてDiおよびDoを定義する、第1および第2のエンド・キャップとそれらの間に延びるプリーツ付きフィルタ媒体とを有する、通常は20以上のプリーツ・カウントを有するフィルタ・カートリッジを構成することができ、ここで、1.06インチ(26.9mm)から7.06インチ(179.3mm)までの範囲内の所与の値Dsについて、
(a)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doは、1.06インチ,1.32インチ(26.9mm,33.5mm)のDs,Doから、7.06インチ,8.8インチ(179mm,224mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doは、1.06インチ,1.68インチ(26.9mm,42.7mm)のDs,Doから、7.06インチ,11.20インチ(179mm,284mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(b)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diは、1.06インチ,0.66インチ(26.9mm,16.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.4インチ(179mm,112mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diは、1.06インチ,0.84インチ(26.9mm,21.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.6インチ(179mm,142mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない。
【0336】
通常、
(a)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doは、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,290mm)のDs,Doから、7.06インチ,9.3インチ(17.9mm,236mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doは、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,35.6mm)のDs,Doから、7.06インチ,10.7インチ(179mm,272mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(b)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diは、1.06インチ,0.7インチ(26.9mm,17.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.65インチ(179mm,118mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diは、1.06インチ,0.8インチ(26.9mm,20.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.35インチ(179mm,135.9mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない。
【0337】
もちろん、図17〜32のグラフに関して上で説明したように、そのようなプロットを使用して、さまざまな代替の好ましい範囲が定義される。
【0338】
G.液体フィルタ・アセンブリ
もちろん、本明細書で説明される技術を利用して、その中にフィルタ・カートリッジ(修理可能または他の形の)を有するハウジングを含む液体フィルタ・アセンブリを開発することができる。一般に、このハウジングは、フィルタ・カートリッジを支持するように構成され、フィルタ・カートリッジは、たとえば上のセクションIX A〜Fで示したように、本明細書で述べられた全般的な原理と一致して選択されるはずである。
【0339】
H.ろ過の方法
利益は、ろ過される液体が上のIX Gのアセンブリと一致するアセンブリに通される液体ろ過動作から生じる。これらの利益は、フィルタ・カートリッジの1つ以上のエンド・キャップでの利益から生じる。
【0340】
本明細書の多くの例で、シールがインナ・プリーツ直径に置かれるすなわちDS=Diである標準に言及していることに留意されたい。計算において、標準は、Ds−Diであると仮定された。いくつかの実際の以前の例では、これからの些細な変動がある場合がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)少なくとも前記第1エンド・キャップが、前記第1エンド・キャップを通る第1の中央開口を有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2エンド・キャップに固定され、前記第1および第2エンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記中央開口と流体が流れるように連絡した中央開口部の体積を定める、伸長部分を有するフィルタ媒体と、
(c)前記第1中央開口の直径より大きいシール直径(DsA)を提供する位置に配置された前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記DsAは、0.85DbA以上で1.15DbA以下の範囲内であり、
(A)前記DbAは、使用中に前記第1エンド・キャップA上に前記第2エンド・キャップBに向かう、あるいは前記第2エンド・キャップBから離れる、正味の軸方向の表面力が生じない直径である、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項2】
(a)前記DsAは、0.9DbA以上で1.1DbA以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項3】
(a)前記DsAは、0.95DbA以上で1.05DbA以下の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項4】
(a)前記第1エンド・キャップが、開いたエンド・キャップであり、
(b)前記第2エンド・キャップが、前記第2エンド・キャップを通る第2の中央開口を有する開いたエンド・キャップであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項5】
(a)前記液体フィルタ・カートリッジが、前記第2の中央開口の直径以上のシール直径(DsB)を提供するように配置された、前記第2エンド・キャップ上の第2シール構造を含み、
(i)前記DsBが、0.85DbB以上で1.15DbB以下の範囲内であり、
(A)前記DbBが、使用中に前記第2エンド・キャップ上に前記第1エンド・キャップに向かう、あるいは前記第1エンド・キャップから離れる、正味の軸方向の表面力が生じない直径であることを特徴とする請求項4に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項6】
(a)前記DsBが、0.9DbB以上で1.1DbB以下の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項7】
(a)前記DsBが、0.95DbB以上で1.05DbB以下の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項8】
(a)前記第2シール構造が、前記第2シール構造上にシール部材を有する軸方向に外に向けられた第2ラジアル・シール支持体を含むことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項9】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)前記第1エンド・キャップが、第1の中央開口および第1外周エッジを有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2エンド・キャップに固定され、前記第1および第2エンド・キャップの間に延びる、伸長部分を有するプリーツ付きフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記第1および第2の開口と流体が流れるように連絡した中央開口部の体積を定める、プリーツ付きフィルタ媒体と、
(c)使用中に液体フィルタ・アセンブリの一部とシールを形成するために配置された、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記第1エンド・キャップが、プリーツ・チップの外側の径(DoA)から前記プリーツ・チップの内側の径(DiA)を引いたものに対応する寸法Xを有し、
(ii)前記第1シール構造が、前記第1エンド・キャップ上で少なくとも0.1Xの距離だけ前記内側のプリーツ・チップと前記外側のプリーツ・チップとの両方から半径方向に離隔された位置に置かれた直径に対応するシール直径を有するシールを支持する位置で前記第1エンド・キャップから軸方向に外に突き出すノンクランプ・シール支持体を含んでいる、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項10】
(a)前記第1エンド・キャップが、開いたエンド・キャップであり、
(b)前記第2エンド・キャップが、閉じたエンド・キャップであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項11】
(a)前記第1シール構造が、前記第1シール構造の上にシール部材を有する軸方向に外に向けられた第1ラジアル・シール支持体を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項12】
(a)前記第2エンド・キャップが、第1の開口および第1の外周エッジを有し、
(b)使用中に前記液体フィルタ・アセンブリの一部とシールを形成するように、前記第2エンド・キャップ上に第2シール構造が配置されており、
(i)前記第2エンド・キャップが、中央開口と、プリーツ・チップの外側の径(DoB)からプリーツ・チップの内側の径(DiB)を引いたものに対応する寸法Yとを有し、
(ii)前記第1シール構造が、前記第2エンド・キャップ上で少なくとも0.1Yの距離だけ内側プリーツ・チップと外側プリーツ・チップとの両方から半径方向に離隔された位置に置かれた直径に対応するシール直径を有するシールを支持する位置で前記第1エンド・キャップから軸方向に外側に突き出すノンクランプ・シール支持体を含んでいる、
ことを特徴とする請求項9に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項13】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)前記第1エンド・キャップが、前記第1エンド・キャップを通る第1の中央開口を有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2エンド・キャップに固定され、前記第1および第2エンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するプリーツ付きフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記中央開口と流体な流れるように連絡した中央開口部の体積を定め、
(ii)前記フィルタ媒体が、内径Diおよび外径Doを定める、プリーツ付きフィルタ媒体と、
(c)ラジアル・シール支持体上にシール部材を有し、軸方向に外側に向けられた前記支持体を含む前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記シール部材が、DiからDoに向かって少なくとも5mm、DoからDiに向かって少なくとも5mm離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されている、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項14】
(a)前記シール部材が、DiからDoに向かって少なくとも10mm、DoからDiに向かって少なくとも10mm離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されていることを特徴とする請求項13に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項15】
(a)前記シール部材が、DiからDoに向かって少なくとも15mm、DoからDiに向かって少なくとも15mm離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されていることを特徴とする請求項13および14のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項16】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2のエンド・キャップに固定され、前記第1および第2のエンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するフィルタ媒体であって、
(i)前記フィルタ媒体の伸長部分が、前記中央開口と連結する流体流れの開いた中央体積を定め、
(ii)前記フィルタ媒体が、内径Diおよび外径Doを定める、伸長部分を有するフィルタ媒体と、
(c)ラジアル・シール支持体上にシール部材を有し、軸方向に外側に向けられた前記ラジアル・シール支持体を含む前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記シール部材は、DoおよびDiから離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されており、前記位置は、前記エンド・キャップ上の影響を受ける面積(Ae)の絶対値が、DoおよびDiを有するカートリッジであってシールがDiに置かれる前記カートリッジの影響を受ける面積(Astd)の絶対値の80%を超えない位置である、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項17】
(a)前記シール部材は、DoおよびDiから離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されており、前記位置は、前記エンド・キャップ上の影響を受ける面積(Ae)の絶対値が、DoおよびDiを有するカートリッジであってシールがDiに置かれる前記カートリッジの影響を受ける面積(Astd)の絶対値の55%を超えない位置である、ことを特徴とする請求項16に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項18】
(a)前記シール部材は、DoおよびDiから離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されており、前記位置は、前記エンド・キャップ上の影響を受ける面積(Ae)の絶対値が、DoおよびDiを有するカートリッジであってシールがDiに置かれる前記カートリッジの影響を受ける面積(Astd)の絶対値の20%を超えない位置である、ことを特徴とする請求項16に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項19】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)前記第1エンド・キャップが、前記第1エンド・キャップを通る第1の中央開口を有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2のエンド・キャップに固定され、前記第1および第2のエンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するプリーツ付きフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記中央開口と流体が流れるように連絡した中央開口部の体積を定め、
(ii)前記フィルタ媒体が、少なくとも20のプリーツ・カウントを有し、内径Diおよび外径Doを定める、プリーツ付きフィルタ媒体と、
(c)ノンクランプ・ラジアル・シール支持体の上にシール部材を有し、軸方向に外側に向けられた前記支持体を含む前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記シール部材が、シール直径Dsを定め、
(ii)前記シール直径Dsが、1.06インチ(26.9mm)から7.06インチ(179.3mm)までの範囲内の値を有し、
(iii)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doが、1.06インチ,1.32インチ(26.9mm,33.5mm)のDs,Doから、7.06インチ,8.8インチ(179mm,224mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doが、1.06インチ,1.68インチ(26.9mm,42.7mm)のDs,Doから、7.06インチ,11.20インチ(179mm,284mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(iv)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diが、1.06インチ,0.66インチ(26.9mm,16.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.4インチ(179mm,112mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diが、1.06インチ,0.84インチ(26.9mm,21.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.6インチ(179mm,142mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項20】
(a)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doが、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,290mm)のDs,Doから、7.06インチ,9.3インチ(17.9mm,236mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doが、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,35.6mm)のDs,Doから、7.06インチ,10.7インチ(179mm,272mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(b)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diが、1.06インチ,0.7インチ(26.9mm,17.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.65インチ(179mm,118mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diが、1.06インチ,0.8インチ(26.9mm,20.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.35インチ(179mm,135.9mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない、
ことを特徴とする請求項19に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項21】
(a)Dsが、1.76インチ(44.7mm)から3.88インチ(98.6mm)までの範囲内であることを特徴とする請求項19および20のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項22】
(a)軸方向荷重に対するコアレス構成を有することを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項23】
(a)アウタ軸方向荷重・ライナ・フリー構成を有することを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項24】
(a)前記フィルタ・カートリッジが、修理可能なフィルタ・カートリッジとして構成されることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項25】
(a)ハウジングと、
(b)前記ハウジング内に機能的に配置された請求項1乃至請求項24のいずれか一項に記載のフィルタ・カートリッジと、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・アセンブリ。
【請求項27】
(a)請求項1乃至請求項24のいずれか一項に記載の円筒形のフィルタ・カートリッジを通してろ過されるために液体を通す工程を含むことを特徴とする液体フィルタ・アセンブリを動作させる方法。
【請求項1】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)少なくとも前記第1エンド・キャップが、前記第1エンド・キャップを通る第1の中央開口を有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2エンド・キャップに固定され、前記第1および第2エンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記中央開口と流体が流れるように連絡した中央開口部の体積を定める、伸長部分を有するフィルタ媒体と、
(c)前記第1中央開口の直径より大きいシール直径(DsA)を提供する位置に配置された前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記DsAは、0.85DbA以上で1.15DbA以下の範囲内であり、
(A)前記DbAは、使用中に前記第1エンド・キャップA上に前記第2エンド・キャップBに向かう、あるいは前記第2エンド・キャップBから離れる、正味の軸方向の表面力が生じない直径である、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項2】
(a)前記DsAは、0.9DbA以上で1.1DbA以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項3】
(a)前記DsAは、0.95DbA以上で1.05DbA以下の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項4】
(a)前記第1エンド・キャップが、開いたエンド・キャップであり、
(b)前記第2エンド・キャップが、前記第2エンド・キャップを通る第2の中央開口を有する開いたエンド・キャップであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項5】
(a)前記液体フィルタ・カートリッジが、前記第2の中央開口の直径以上のシール直径(DsB)を提供するように配置された、前記第2エンド・キャップ上の第2シール構造を含み、
(i)前記DsBが、0.85DbB以上で1.15DbB以下の範囲内であり、
(A)前記DbBが、使用中に前記第2エンド・キャップ上に前記第1エンド・キャップに向かう、あるいは前記第1エンド・キャップから離れる、正味の軸方向の表面力が生じない直径であることを特徴とする請求項4に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項6】
(a)前記DsBが、0.9DbB以上で1.1DbB以下の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項7】
(a)前記DsBが、0.95DbB以上で1.05DbB以下の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項8】
(a)前記第2シール構造が、前記第2シール構造上にシール部材を有する軸方向に外に向けられた第2ラジアル・シール支持体を含むことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項9】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)前記第1エンド・キャップが、第1の中央開口および第1外周エッジを有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2エンド・キャップに固定され、前記第1および第2エンド・キャップの間に延びる、伸長部分を有するプリーツ付きフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記第1および第2の開口と流体が流れるように連絡した中央開口部の体積を定める、プリーツ付きフィルタ媒体と、
(c)使用中に液体フィルタ・アセンブリの一部とシールを形成するために配置された、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記第1エンド・キャップが、プリーツ・チップの外側の径(DoA)から前記プリーツ・チップの内側の径(DiA)を引いたものに対応する寸法Xを有し、
(ii)前記第1シール構造が、前記第1エンド・キャップ上で少なくとも0.1Xの距離だけ前記内側のプリーツ・チップと前記外側のプリーツ・チップとの両方から半径方向に離隔された位置に置かれた直径に対応するシール直径を有するシールを支持する位置で前記第1エンド・キャップから軸方向に外に突き出すノンクランプ・シール支持体を含んでいる、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項10】
(a)前記第1エンド・キャップが、開いたエンド・キャップであり、
(b)前記第2エンド・キャップが、閉じたエンド・キャップであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項11】
(a)前記第1シール構造が、前記第1シール構造の上にシール部材を有する軸方向に外に向けられた第1ラジアル・シール支持体を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項12】
(a)前記第2エンド・キャップが、第1の開口および第1の外周エッジを有し、
(b)使用中に前記液体フィルタ・アセンブリの一部とシールを形成するように、前記第2エンド・キャップ上に第2シール構造が配置されており、
(i)前記第2エンド・キャップが、中央開口と、プリーツ・チップの外側の径(DoB)からプリーツ・チップの内側の径(DiB)を引いたものに対応する寸法Yとを有し、
(ii)前記第1シール構造が、前記第2エンド・キャップ上で少なくとも0.1Yの距離だけ内側プリーツ・チップと外側プリーツ・チップとの両方から半径方向に離隔された位置に置かれた直径に対応するシール直径を有するシールを支持する位置で前記第1エンド・キャップから軸方向に外側に突き出すノンクランプ・シール支持体を含んでいる、
ことを特徴とする請求項9に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項13】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)前記第1エンド・キャップが、前記第1エンド・キャップを通る第1の中央開口を有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2エンド・キャップに固定され、前記第1および第2エンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するプリーツ付きフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記中央開口と流体な流れるように連絡した中央開口部の体積を定め、
(ii)前記フィルタ媒体が、内径Diおよび外径Doを定める、プリーツ付きフィルタ媒体と、
(c)ラジアル・シール支持体上にシール部材を有し、軸方向に外側に向けられた前記支持体を含む前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記シール部材が、DiからDoに向かって少なくとも5mm、DoからDiに向かって少なくとも5mm離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されている、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項14】
(a)前記シール部材が、DiからDoに向かって少なくとも10mm、DoからDiに向かって少なくとも10mm離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されていることを特徴とする請求項13に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項15】
(a)前記シール部材が、DiからDoに向かって少なくとも15mm、DoからDiに向かって少なくとも15mm離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されていることを特徴とする請求項13および14のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項16】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2のエンド・キャップに固定され、前記第1および第2のエンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するフィルタ媒体であって、
(i)前記フィルタ媒体の伸長部分が、前記中央開口と連結する流体流れの開いた中央体積を定め、
(ii)前記フィルタ媒体が、内径Diおよび外径Doを定める、伸長部分を有するフィルタ媒体と、
(c)ラジアル・シール支持体上にシール部材を有し、軸方向に外側に向けられた前記ラジアル・シール支持体を含む前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記シール部材は、DoおよびDiから離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されており、前記位置は、前記エンド・キャップ上の影響を受ける面積(Ae)の絶対値が、DoおよびDiを有するカートリッジであってシールがDiに置かれる前記カートリッジの影響を受ける面積(Astd)の絶対値の80%を超えない位置である、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項17】
(a)前記シール部材は、DoおよびDiから離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されており、前記位置は、前記エンド・キャップ上の影響を受ける面積(Ae)の絶対値が、DoおよびDiを有するカートリッジであってシールがDiに置かれる前記カートリッジの影響を受ける面積(Astd)の絶対値の55%を超えない位置である、ことを特徴とする請求項16に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項18】
(a)前記シール部材は、DoおよびDiから離隔された位置でシール直径Dsを提供するために配置されており、前記位置は、前記エンド・キャップ上の影響を受ける面積(Ae)の絶対値が、DoおよびDiを有するカートリッジであってシールがDiに置かれる前記カートリッジの影響を受ける面積(Astd)の絶対値の20%を超えない位置である、ことを特徴とする請求項16に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項19】
液体フィルタ・アセンブリのハウジング内部で効果的に使用される液体フィルタ・カートリッジであって、
(a)対向する、第1および第2エンド・キャップであって、
(i)前記第1エンド・キャップが、前記第1エンド・キャップを通る第1の中央開口を有する、第1および第2エンド・キャップと、
(b)前記第1および第2のエンド・キャップに固定され、前記第1および第2のエンド・キャップの間に延びる伸長部分を有するプリーツ付きフィルタ媒体であって、
(i)前記伸長部分が前記中央開口と流体が流れるように連絡した中央開口部の体積を定め、
(ii)前記フィルタ媒体が、少なくとも20のプリーツ・カウントを有し、内径Diおよび外径Doを定める、プリーツ付きフィルタ媒体と、
(c)ノンクランプ・ラジアル・シール支持体の上にシール部材を有し、軸方向に外側に向けられた前記支持体を含む前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造であって、
(i)前記シール部材が、シール直径Dsを定め、
(ii)前記シール直径Dsが、1.06インチ(26.9mm)から7.06インチ(179.3mm)までの範囲内の値を有し、
(iii)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doが、1.06インチ,1.32インチ(26.9mm,33.5mm)のDs,Doから、7.06インチ,8.8インチ(179mm,224mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doが、1.06インチ,1.68インチ(26.9mm,42.7mm)のDs,Doから、7.06インチ,11.20インチ(179mm,284mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(iv)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diが、1.06インチ,0.66インチ(26.9mm,16.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.4インチ(179mm,112mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diが、1.06インチ,0.84インチ(26.9mm,21.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.6インチ(179mm,142mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない、前記第1エンド・キャップ上の第1シール構造と、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項20】
(a)Ds(x軸)対Do(y軸)のプロットから、Doが、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,290mm)のDs,Doから、7.06インチ,9.3インチ(17.9mm,236mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Doが、1.06インチ,1.4インチ(26.9mm,35.6mm)のDs,Doから、7.06インチ,10.7インチ(179mm,272mm)のDs,Doまで延びる線によって定義される値より大きくなく、
(b)Ds(x軸)対Di(y軸)のプロットから、Diが、1.06インチ,0.7インチ(26.9mm,17.8mm)のDs,Diから、7.06インチ,4.65インチ(179mm,118mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より小さくなく、Diが、1.06インチ,0.8インチ(26.9mm,20.3mm)のDs,Diから、7.06インチ,5.35インチ(179mm,135.9mm)Ds,Diまで延びる線によって定義される値より大きくない、
ことを特徴とする請求項19に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項21】
(a)Dsが、1.76インチ(44.7mm)から3.88インチ(98.6mm)までの範囲内であることを特徴とする請求項19および20のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項22】
(a)軸方向荷重に対するコアレス構成を有することを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項23】
(a)アウタ軸方向荷重・ライナ・フリー構成を有することを特徴とする請求項1乃至請求項22のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項24】
(a)前記フィルタ・カートリッジが、修理可能なフィルタ・カートリッジとして構成されることを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の液体フィルタ・カートリッジ。
【請求項25】
(a)ハウジングと、
(b)前記ハウジング内に機能的に配置された請求項1乃至請求項24のいずれか一項に記載のフィルタ・カートリッジと、
を含むことを特徴とする液体フィルタ・アセンブリ。
【請求項27】
(a)請求項1乃至請求項24のいずれか一項に記載の円筒形のフィルタ・カートリッジを通してろ過されるために液体を通す工程を含むことを特徴とする液体フィルタ・アセンブリを動作させる方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2011−143405(P2011−143405A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−37497(P2011−37497)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2007−508381(P2007−508381)の分割
【原出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37497(P2011−37497)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2007−508381(P2007−508381)の分割
【原出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【出願人】(591163214)ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド (96)
【Fターム(参考)】
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