説明

液体を充填した菓子の組成物

【課題】単純なプロセスにより液体を充填したガムを提供する。
【解決手段】液体を含むコア11,12と、菓子コーティングの外層14,15と、コア11,12と外層14,15の間の中間保護層13とから成る、液体を充填した菓子の組成物10。液体を含むコアは、水溶性または生物分解性基質12内に含まれる液体11から成る。食用水が不浸透性中間層13にはアルコールが塗布され、コア11、12と外層14、15との間の水の移動を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、液体を充填した菓子の組成物と、それを製造する方法とに関する。さらに排他的ではないが、詳細に説明すると、本発明は一実施例において、液体を充填したチューインガムの組成物と、それを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
液体を充填したチューインガムおよびその他の菓子の組成物は、当業で既知であり、ガムまたはその他の菓子の固体のコーティング内に封入される液体コア材料から典型的に成る。
【0003】
かかる組成物の一般的な問題の一つは、液体の中心および/または大気中に存在する水分が、経時的に固体のガムまたはその他の菓子コーティング内に進入する傾向の結果生じる。この水分の進入は、幾つかの理由により、組成物の完全性に有害である可能性がある。第1に、水分が周囲のコーティング内に徐々に移動するにつれて、液体の中心の含水率は経時的に減少し、次に、これによって、組成物内に存在する液体充填物が経時的に次第に中和状態が緩和され、より濃縮される。第2に、含水率が上がるにつれて、コーティング自体が軟化し、コーティングの外見と特性(味、口当たりなど)に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0004】
封入される液体の組成物と特性を修正することで、従来の液体を充填したガム組成物の液体コアから固体コーティング内への水分の移動を制限するためのさまざまな試みは、特許文献1〜4に記述される。ただし、封入される液体の組成物を修正することで、液体コアとコーティングの間に生じる水分の移動量は減少できるが、水分の移動がさらに最小限に抑えられる、あるいはまったく排除される液体を充填したチューインガム/菓子組成物は、やはり望ましい。
【0005】
さらに、液体コアから固体コーティング内への水分移動は、低粘度液体充填物から成るチューインガムまたはその他の菓子組成物において特に問題となり得る。消費中の低粘度液体の放出は、独特の味覚を与えるため、低粘度液体充填物は、特定の菓子には望ましい場合がある。ただし、前述の先行技術の組成物はすべて、水分移動を遅くするために、液体充填物の粘度を上げようとしている。低粘度液体を含む、いかなる液体充填物も収容できる別のガム/菓子組成物が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,894,154号(Graff et al.)
【特許文献2】米国特許第4,156,740号(Glass et al.)
【特許文献3】米国特許第4,157,402号(Ogawa et al.)
【特許文献4】米国特許第4,466,983号(Cifrese et al.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
中心を充填されたガムおよびその他の菓子を形成する、当業で既知の従来のプロセスは比較的複雑で、ガムまたはその他の菓子コーティングを形成する工程と、その次に、適切な手段によってガムまたはその他の菓子の中心内に液体充填物を導入する工程とを典型的に含む。かかるプロセスの1例は、国際特許公開第WO02/15708号に記載され、連続した押出成形機からの液体を充填したチューインガムのいわゆる「ロープ」の押し出
しから成る。液体を充填したこのロープは、ロープから個々のガムを効果的に型押しする金型により個々のペレットに成形される。これと、その他の同様のプロセスは、液体を充填したガムの個々の粒を連続して形成するには効果的であるが、複雑な手順となる傾向があり、特製の装置を必要とする。さらに、形成されるガムの粒の寸法が典型的に大きく(一般的に長さ1〜2cm)、特定の用途に望ましい、液体を充填したガムまたはその他の菓子の組成物の、より小さな粒(たとえば重量が1.5g以下)を製造するためにこれらのプロセスを適合させる際には問題が生じる。
【0008】
前述の問題は本発明により対応される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の実施形態によると:
a)コアと、前記コアが液体を含有していることと、
b)前記コアを封入する外側コーティングまたはシェルと、
c)前記コアと前記外側コーティングの間に配される中間層と、
前記コアが、水溶性または生物分解性基質層内に封入される液体から成り、前記中間層が、前記コアからの液体の移動を最小限に抑えるために適合されることと
から成る液体を充填した菓子組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の模範的な組成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
かかる菓子の組成物は、前述の先行技術の組成物に伴う問題に対応する。より詳細には、液体が水溶性基質内に封入される、液体を含有するコアの提供で、低粘度液体を含むいかなる適切な液体充填物も、菓子組成物内に組み込まれ、含有され得る便利な手段を提供する。さらに、外側コーティングと液体含有コアとの間に配される中間層の提供で、コアからの水分の移動を最小限に抑える保護バリアを提供する。中間層によって提供されるバリアは、コアからの水分の移動を防止できる。かくして、最終製品において、バリアは、液体含有コアから外側コーティングへの水分の移動を最小限に抑える、あるいは防止する。それゆえ、中間層は水分移動を最小限に抑え、組成物の安定性を高める。
【0012】
さらに、このバリアは、液体含有コア内への水分の移動を最小限に抑える、あるいは防止さえすることにより、外側コーティング層の塗布の間に存在する水分から、液体含有コアの完全性を保護することが可能であることが好都合である。
【0013】
さらに、適切な液体含有コアは市販されている。かくして、中間層と外側層は、従来のコーティング技術を用いて、これらの市販のコア上に直接都合よくコーティングされ得る。それゆえ、従来の液体を充填したガムまたはその他の菓子組成物を形成する技術に伴う欠点が回避され得る。
【0014】
曖昧さを避けるため、本願では「コア」という用語は、組成物の一番内部の部分を表すために用いられる。コアはいかなる適切な形状でもよい。組成物から形成される最終製品もいかなる形状であってもよい。
【0015】
液体含有コア内に存在する液体は、菓子組成物の使用に適したいかなる適切な液体組成物でもよい。特に、液体組成物は、天然または合成のフレーバー剤である1ないしそれ以上のフレーバー剤から成ることが可能である。適切なフレーバー剤の実例は、ペパーミントおよびスペアミントオイルとエッセンス、レモン、オレンジ、ライムおよびグレープフルーツを含むシトラスオイル、りんご、桃、洋梨、杏、ブドウ、さくらんぼ、スモモ、パ
イナップルおよびイチゴを含むフルーツエッセンス、およびこれらの混合物を含む。
【0016】
甘味料、軟化剤および緩衝剤などの他の成分も液体内に存在してもよい。適切な緩衝剤は当業者には周知のもので、適切な甘味料および軟化剤も同様である。適切な甘味料と、かかる構成要素が存在できる典型的な範囲の実例が国際特許公開第WO96/11582号(参照により本願に組み込まれる)の4ページの8行目から6ページの11行目までに記載される。本発明の組成物内に存在し得る適切な軟化剤の実例も、国際特許公開第WO96/11582号(参照により本願に組み込まれる)の6ページの14行目から24行目までに記載される。
【0017】
特定の実施例において、液体は1ないしそれ以上のエッセンシャルフレーバーオイルから成る。
組成物の液体含有コアを形成するため、液体を封入する水溶性または生物分解性基質は、いかなる適切な水溶性または生物分解性基質形成材料からも形成され得る。基質は、1ないしそれ以上の水溶性親水コロイドから形成され得る。適切な親水コロイドの実例は、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、およびその混合物を含む。
【0018】
適切な液体含有コアは、たとえばMANE Fils SA(620 route de Grasse, 06620 Le bar Sur Loup, France)またはSYMRISE などの主要なフレーバー会社から市販されている。これらの市販の液体含有コアは、ゼラチン(または別の適切な親水コロイド)内に封入される、典型的にエッセンシャルオイルである1ないしそれ以上のフレーバー剤を含む、典型的に球形のカプセルである。かかる市販の液体含有コアは、一般的に当業で「フレーバーのカプセル」として知られ、さまざまなサイズとフレーバーで入手可能である。本発明の組成物で使用するために選択されるフレーバーの粒のサイズは、対象となる用途と、必要な菓子の組成物の最終寸法に依存する。本発明の特定の実施例において、フレーバーの粒は、直径が3〜10mmの直径で、それにより小粒の菓子が製造されることが可能となる(すなわち重量が1.5グラム以下の菓子の粒)。
【0019】
菓子の組成物の中間層は、いったん成形された後、液体含有コアからの水分移動を最小限に抑えることができる、いかなる食用層であってもよい。中間層は、液体含有コア内へと、液体含有コアからの水分移動を防止するよう機能する水分不透過性層であることが可能である。すでに指摘したように、中間保護層は、製造プロセスの残りの間(すなわちその後の菓子のコーティングの塗布の間)に、液体含有コアと接触する水分を最小限に抑え、それにより、コアの水溶性基質に悪影響を与えることで、重要な役割を果たし得る。また、保管中に、液体コアから菓子の外側コーティングへの水分の移動を最小限に抑える。中間層は、液体含有コアの水溶性または生物分解性基質の完全性を損なわないコーティング溶液で液体含有コアをコーティングすることで形成され得る。たとえば、基質が水溶性基質の場合、中間層としては、たとえばアルコールベースの溶液などの非水溶性溶液を塗布することができる。
【0020】
中間層はアラビアガムでもよい。中間層は、マルトデキストリンまたはその他の適切な結合剤から成ってもよい。また、たとえば糖アルコール(たとえばマルチトール)などの他の構成要素から成ってもよい。中間層内に存在するアラビアガムの量は層の100%であってもよい。
【0021】
中間層は、アルコール溶液として液体含有コアに塗布され、次に、中間層を得るために乾燥されてもよい。
中間層は、液体含有コアの表面上に直接コーティングされてもよい。
【0022】
通常、中間保護層は1層で十分であるが、複数の層を存在させてもよい。複数の層が存
在する場合、各層が同じ組成でも、異なる組成でもよい。
外側コーティングは、当業で既知の、いずれの適切な菓子用コーティングから成ってもよい。たとえば、菓子の外側コーティングは、硬質の菓子用シェルの形態であっても、あるいはチューインガムのコーティングや他の軟質のチュワブルキャンディ組成物などの、チュワブル組成物の形態であってもよい。適切な外側コーティングの選択は、所望の菓子製品のタイプによって異なり、当業者によって簡単に実施され得る。
【0023】
本発明の菓子の組成物は、菓子の外側コーティングがチューインガムコーティングである、チューインガム組成物でもよい。
チューインガムコーティングは、当業で既知のいずれのガムベースの構成要素であってもよい。ガムベースの構成要素として使用可能な適切なポリマの実例は、国際特許公開第WO96/11582号(参照により本願に組み込まれる)の7ページの10行目から24行目までに記載される。液体含有コアが市販されるフレーバーの粒である(前述)本発明の実施例において、ガムベースは以下のガムベース構成要素の少なくとも1つを典型的に含む。すなわち低および/または高分子量ポリ酢酸ビニル、グリセロールモノステアレート、植物性油脂(植物性硬化油など)、微晶性石油蝋、またはパラフィン蝋。組成物は、前述の構成要素の幾つかあるいはすべての混合物から成ってもよい。
【0024】
ガムベースで使用されるポリマの量は、所望のガムベースの特性によって異なる。ガムベースで見られる典型的なポリマの量は、国際特許公開第WO96/11582号(参照により本願に組み込まれる)の7ページの25行目から34行目までに記載される。
【0025】
ガムベースは、たとえば甘味料、エラストマ溶剤、乳化剤、流動化剤、軟化剤、充填剤、着色料、フレーバー剤、酸化防止剤、およびそれらの混合物などの1ないしそれ以上の添加剤からさらに成ることがある。かかる成分と、それらが使用され得る典型的な範囲の実例が国際特許公開第WO96/11582号(参照により本願に組み込まれる)の8ページの1行目から11ページの13行目までに記載される。
【0026】
液体含有コアが市販されるフレーバーのカプセルである本発明の実施例において、ガムベースは、長期間甘味効果を提供する1ないしそれ以上の強甘味料から成ってもよい。かかる甘味料の例は、アスパルテームとアセスルファムKを含む。
【0027】
組成物がフルーツフレーバー(液体コアおよび/または外側のチューインガムベース内)である実施例において、たとえばクエン酸などの調味料をガムベース内に組み込むこともできる。
【0028】
幾つかの実施例において、ガムベースは種種の親水コロイド、ポリオールおよび/またはその混合物から成ることができる。
ガムベースは、菓子/チューインガム組成全体の5〜90%の間のいずれに構成してもよく、たとえば10〜80%などである。存在するガムベースの実際の割合は、個々の関係する菓子組成によって異なる。
【0029】
チューインガムコーティングは、硬質の外側シェルを提供するため、追加の菓子層でさらにコーティングしてもよい。砂糖または糖アルコールベースのコーティング、あるいはこれらの混合物など、いかなる適切な硬質外側コーティング層も使用され得る。追加の菓子層を形成するために使用され得る適切な糖アルコールの例は、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、イソマルトおよびラクチトールを含む。前述の糖アルコールは単独で使用しても、たがいに混合してもよい。
【0030】
追加の菓子層は、たとえばゼラチンおよびアラビアガムなどの他の適切な構成要素から
任意で成ってもよい。
本発明の組成は、望まれるいかなる形状または形態であってもよい。
【0031】
本発明の第2の実施形態によると、本願に定義される菓子の組成を製造する方法が提供され、前記方法は
(1)コアを提供する工程と、前記コアが液体を含むことと、
(2)前記コアを前記中間層でコーティングする工程と、
(3)工程(2)の生成物を外層でコーティングする工程とから成る。
【0032】
本発明の組成は、中間保護層コーティングの液体含有コアへの塗布と、その後に続く外側コーティングの塗布によってうまく形成できる。各コーティング工程は、任意のコーティングの複数の個々の層を設けるため、必要であれば2回以上実施できる。
【0033】
コーティング工程は、バッチ工程または連続コーティング工程として実施され得る。
いかなる適切なコーティング技術も使用できる。たとえば、コーティング工程は、従来のパンコーティング技術を用いて実施できる。コーティング溶液が塗布されると、次に、次のコーティング工程が開始される前にコーティングされた層が得られるよう、コーティングされた組成が乾燥される。
【0034】
すでに指摘したように、前述の工程(2)で形成される中間保護コーティング層は、液体含有コアの水溶性または生物分解性基質の完全性を損なわないコーティング溶液として塗布され得る。したがって、液体コアの基質が水溶性基質である実施例において、水溶性コーティング溶液の使用は避けなければならない。
【0035】
外側コーティングがチューインガムコーティングである実施例において、本発明の組成を製造する方法は、前述のコーティング工程(3)において、チューインガムコーティングが塗布準備をされる追加工程からさらに成る。チューインガムコーティングは、顆粒化工程によって準備され得るチューインガムベースの顆粒から成ってもよい。前記顆粒化工程は以下の工程から成ってもよい。
(a)所要ガムベース組成を形成するため、ガムベース原料を混合する工程と、
(b)工程(a)で生成されたガムベース組成を冷却し、ガムベースを顆粒状に粉砕する工程。
【0036】
ガムベース原料の混合は、いかなる適切な温度でも実施され得るが、フレーバーがガムベース組成に追加される場合、温度は典型的に70℃未満である。
ガムベース組成は、混練機に構成要素を導入することで混合され得る。これは、連続工程としてあるいはバッチ工程として実施され得る。
【0037】
同様に、かんな刃研削盤の使用などの、いかなる適切な粉砕工程も、ガムベースを顆粒に粉砕するために用いることができる。
ガムベースの顆粒は、一旦形成されると、次に、コーティング工程で使用されるため、所望寸法範囲内の顆粒を選択する追加選別工程に送られる。選別は、通常は下流を網目に通過させることで実施される。500ミクロン未満の顆粒など、寸法が1000ミクロン未満の顆粒が使用できる。
【0038】
チューインガムコーティングは、工程(2)で形成される中間層によってコーティングされた液体含有コアに塗布される。チューインガムベース顆粒は適切なコーティング溶液内に拡散され得る。いかなる適切なコーティング溶液でもかまわない。コーティング溶液は、ガムベース顆粒に加え、アラビアガムなどの1ないしそれ以上の親水コロイドおよび/または1ないしそれ以上のポリオール、またはそれらの混合物から成る。所望のガムコ
ーティング量が堆積するまで、コーティング工程は数回繰り返してもよい。
【0039】
本発明の組成を製造する工程は、工程(3)で準備されるガムコーティング層を形成するガムベースの個々の下流の間の隙間が、前記隙間内に分散し、それによりガムコーティング層の均一性と連続性を増加する微細粉体の塗布によって充填される追加工程を任意で含んでもよい。いかなる適切な微細粉体もこの目的のために用いることが可能で、たとえば、粉末ポリオールまたは粉砂糖などである。
【0040】
菓子/チューインガムコーティングがさらに硬質の菓子用外側シェルでコーティングされる、本発明の実施例において、本発明の方法は、前述の工程(3)で形成されたチューインガムコーティングが、前記硬質の菓子用外側シェルをもうけるために、再びコーティングされる追加工程からさらに成る。当業で既知のいかなる適切な菓子用硬質シェル組成も、本発明の組成にて使用できる。外側シェルは、マルチトールなどの糖アルコールから形成でき、工程(3)で製造された組成の外側菓子/チューインガム層の外表面をコーティングするため、糖アルコールシロップを導入することで塗布され得る。次に、硬質の菓子用外側シェルをもうけるため、糖アルコールシロップは乾燥される。
【0041】
本発明の特定の実施例に存在する硬質菓子用外側シェルは、望ましい場合は、本発明の組成に上品な仕上がり感を与えるため、掃除、研磨できるなめらかな表面を与える。
本発明の一実施形態を実用化する方法を、本発明の模範的な組成10から取った断面図を示す添付の図1を参照しながら以下にさらに説明する。図1において、フレーバーのカプセルは、ゼラチンカプセル12内に封入されるフレーバー11から成る。アルコール内で、アラビアガム中間保護層13が、ゼラチンカプセル12の外側に塗布される。この中間層は、ガムベースコーティング14と硬質コーティング15で順次コーティングされる。
【0042】
図1に図示されるような組成10の一実施例の典型的な組成を以下に示す。
成分 重量% 図1の参照番号
フレーバー 13.1 11
ゼラチン 1.7 12
アラビアガム 0.8 13
ガムベース 35.7 14
アラビアガム溶液 14.0 14
マルチトールp200 30.0 14
マルチトール 4.7 15
以下のさらに限定されない例は、例証を目的としてのみ提供される。

1.ガムベースの生成
以下の組成を有するガムベースが連続混練機で混合された。
原料 ガムベースに対する重量%
ポリ酢酸ビニル低分子量−グレード1.5 80.90
アスパルテーム 1.43
アセスルファムK 0.51
植物性硬化油 12.25
グリセロールモノステアレート 0.91
液体フレーバー(ペパーミントオイル) 4.0
次に、ガム組成は顆粒に粉砕され、500ミクロン未満の顆粒を得るために、ふるいにかけられた。
2.中間保護層の生成
市販の液体含有コア、すなわちMANE Fils SA(620 route de Grasse, 06620 Le bar Su
r Loup, France)から得られるフレーバーのカプセルに対し、アラビアガムと混合したマルチトールP200のアルコールベースのコーティング溶液(40/60)がパンコーティング機内で添加され、球状のフレーバー上に連続コーティング層を形成するため、撹拌された。1層のみ(コーティング溶液の1回の塗布によって形成される)が実施された。3.ガムコーティング層の生成
前述の工程1で調製されたガムベース顆粒が、アラビアガムの溶液と混合され、前述の工程2の生成物に6回連続で塗布された。
【0043】
表面をなめらかにし、ガムベース顆粒間の隙間を充填するため、マルチトール粉末が用いられる。
4.菓子用硬質外側シェルの生成 外側シェルは、マルチトール溶液の15のコーティング層を35℃で塗布することで形成される。
【0044】
次に、最終製品は洗浄、研磨された。
その結果得られたチューインガム球体は、球体1個当たり28%のガムベースを含有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填された菓子組成物であって、
(a)水溶性又は生物分解性であるとともに一定の表面を有している基質の内部に封入される液体を有するコアと、
(b)前記水溶性又は生物分解性の基質の前記表面に、アルコールベースの溶液として直接に塗布される中間層と、
(c)前記中間層上に塗布され、チューインガムからなる、外側のコーティングである外側シェルとを備え、
前記中間層が前記コアからの液体の移動を最小限に抑える、液体が充填された菓子組成物。
【請求項2】
前記中間層が前記コアからの液体の移動を防止する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記中間層が前記コア内への液体の移動も最小限に抑える、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記中間層が前記コア内への液体の移動を防止する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
コア内に存在する液体が、1ないしそれ以上の天然または合成フレーバー剤から成る、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
コアの基質層が1ないしそれ以上の水溶性親水コロイドから成る、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
コアが3〜10mmの直径を有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
中間層がアラビアガムから成る、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
1ないしそれ以上の前記水溶性親水コロイドの全体がアラビアガムからなる、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
組成物が1.5グラム以下の重量を有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
チューインガムがチューインガムベース顆粒から成る、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記外側層よりも高い硬度の外側シェルを提供するため、前記外側層が追加層でさらにコーティングされる、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
外側シェルが、砂糖または糖アルコールの少なくとも一方から成る、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
糖アルコールがマルチトールである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、
(a)液体を封入しているコアを設ける工程と、
(b)1ないしそれ以上の中間層を形成すべく、前記コアにアルコールベースの溶液を塗布する工程と、
(c)得られた生成物を1ないしそれ以上の外側層でコーティングする工程とから成る方法で製造される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
(a)コアを提供する工程と、前記コアが液体を含有することと、
(b)前記コアを1ないしそれ以上の中間層でコーティングする工程と、
(c)得られた生成物を1ないしそれ以上の外側層でコーティングする工程とから成る、請求項1に記載の、液体を充填した菓子組成物の製造方法。
【請求項17】
中間層が、コアの基質の完全性を損なわない溶液でコアをコーティングすることで形成される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
コアの基質が水溶性であり、中間層に非水溶性溶液が塗布される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
外側層が、顆粒化工程によって調製されたチューインガムベースの顆粒から成り、前記顆粒化工程が
(a)所要ガムベース組成物を形成するため、ガムベース原料を混合する工程と、
(b)ガムベース組成物を冷却し、ガムベースを顆粒に粉砕する工程と
から成る、請求項16乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
チューインガム顆粒が、直径1000μm未満になるよう選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
チューインガム顆粒が、直径500μm未満になるよう選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
外側層が、外側シェルを提供するためにさらに1層でコーティングされたチュアブル菓子組成物から成り、前記シェルが前記外側層よりも高い硬度を有し、前記さらなる層が、砂糖または糖アルコールシロップの少なくとも一方でチュワブル菓子組成物の外表面をコーティングし、その後に乾燥させることで生成される、請求項16乃至21のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−30575(P2011−30575A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255307(P2010−255307)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【分割の表示】特願2006−538956(P2006−538956)の分割
【原出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(505154277)キャドバリ ホールディングス リミテッド (9)
【Fターム(参考)】