説明

液体を活性化させる作用をもったドリッパー

【課題】本発明は、液体を活性化させる作用をもったドリッパーを提供する。
【解決手段】本発明による液体を活性化させる作用をもったドリッパーは、容器と、作用ユニットとからなる。容器の一側には取っ手が設けられ、容器の底部には少なくとも一つの通孔が設けられる。作用ユニットは、容器下方に設けられ、作用ユニットは、導入領域と、気圧領域と、排出領域とを備える。その内、導入領域は通孔と連通し、気圧領域は導入領域と連通するとともに導入領域より小さく、気圧領域には空気を進入させるための通気孔が設けられ、通気孔は傾斜状を呈し、排出領域は気圧領域と連通し、排出領域は、上側が小さく下に向かうにつれ大きくなる形状を呈し、容器、導入領域、気圧領域、排出領域の間は、内側方向に向けて設けられた少なくとも一つの階段状部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドリッパーに関し、特に通気孔によって混合液に所定の気圧を与え、混合液に圧力差を生じさせて、流れの速度を速くした後に流出させることにより、混合液の分子を活性化、細分化させることが可能な、液体を活性化させる作用をもったドリッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
都会の繁栄と進歩につれ、近年は、コーヒーのチェーン店が街にあふれており、サラリーマンや、友人同士などが、コーヒーやお茶を人と人の距離を近づけるツールとして利用している。コーヒーやお茶を淹れるために必要な器具や時間はそれほどおおくないため、経済的であり、時間も節約できるなどの利点があり、多くの人から歓迎されている。しかしながら、現在のところ、一般的に普及しているコーヒードリッパーは構造が複雑、操作が不便等の欠点がある。
【0003】
そこで、本発明者は、過去に、いくつかのドリッパーの特許を申請し特許権を取得しているが、それに満足せず、新しいものを創り出そうと研究を重ね、従来のコーヒードリッパーを改良した新しい発明を考案した。
【0004】
従来のコーヒードリッパーには、カップが設けられ、主に、カップの底部には複数の流出孔が設けられている。使用者が使用する時は、カップを容器上に置くとともに、カップ内にコーヒー粉を詰めたコーヒーフィルターを入れる。お湯を加えると、コーヒー粉とお湯で形成されるコーヒー液は、まず、コーヒーフィルターに濾過された後、さらに、流出孔から流出する。しかしながら、コーヒー液は直接流出し、留まって浸る作用がないため、コーヒー液が完全に抽出されることがなく、しかも、圧力差が全くなく、コーヒー液の分子が活性化、細分化されることがないため、従来のコーヒードリッパーは、せいぜいコーヒーフィルターの濾過作用を備えているだけであり、コーヒー液を活性化し、細分化してよりよい飲み心地にすることに関しては、何の効果もない。
【0005】
本発明者は、従来のコーヒードリッパーの欠点に鑑み、製品を改良して新しいものを創り出そうという理念のもと、長年の製品設計開発に従事した実務経験を生かし、何度も研究開発と実験重ねた結果、本発明を考案するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、液体を活性化させる作用をもったドリッパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明による液体を活性化させる作用をもったドリッパーは、容器と、作用ユニットとからなる。容器の一側には取っ手が設けられ、容器の底部には少なくとも一つの通孔が設けられる。作用ユニットは、容器下方に設けられ、作用ユニットは、導入領域と、気圧領域と、排出領域とを備える。その内、導入領域は通孔と連通し、気圧領域は導入領域と連通するとともに導入領域より小さく、気圧領域には空気を進入させるための通気孔が設けられ、通気孔は傾斜状を呈し、排出領域は気圧領域と連通し、排出領域は、上側が小さく下に向かうにつれ大きくなる形状を呈し、容器、導入領域、気圧領域、排出領域の間は、内側方向に向けて設けられた少なくとも一つの階段状部を備える。以上の構造により、容器内の混合液が気圧領域内に流入した際、通気孔によって混合液に所定の気圧が与えられ、容器と作用ユニットにはベンチュリ(Venturi)効果が生じ、混合液に圧力差が生じて流れの速度が速くなり、ひいては混合液の分子が活性化、細分化され、排出領域を通過して流出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】本発明の一部を切断した状態を示した斜視図である。
【図3】本発明の断面図である。
【図4】本発明を使用した状態の断面図である。
【図5】本発明と台座の分解斜視図である。
【図6】本発明にコーヒーフィルターを取り付け台座に設置した使用実施例を示した説明図である。
【図7】本発明にストレーナーを取り付け台座に設置した使用実施例を示した説明図である。
【図8】本発明の通気孔に弁体を設けた状態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
貴審査官に、本発明の各機能、特徴を更に理解してもらうために、以下に、具体的な実施例と図を用いて本発明の詳細な説明を行う。
【0010】
図1に示すように、本発明の好ましい実施例は、コーヒー液を入れるための容器10と、容器10下方に設けられた作用ユニット20とからなる。作用ユニット20は、容器10より小さく、コーヒー液に所定の気圧を与えることができ、それにより、コーヒー液にまず圧力差が生じ、流れが速くなった後、更に流れでて、コーヒー液の分子が活性化され、細分化され、飲んだ時の喉越しがよくなる。
【0011】
図2と図3に示すように、容器10の一側には、手で握るのに便利な取っ手11が設けられ、容器10の底部には、コーヒー液を通過させるための複数の通孔12が設けられ、容器10内には、上部が大きく下部が小さい形状の円弧表面13と、相互に対応し且つ底部が上に延伸してなる二つの斜面14が設けられる。容器10内には、長い棒形状の複数の突体15が設けられ、容器10の内側壁と底部の間は円弧状の角部16を備え、それにより、液体導流作用が生じるとともに洗うのに便利である。
【0012】
作用ユニット20は、容器10の下方に設けられるとともに、導入領域21と、気圧領域22と、排出領域23とからなる。その内、導入領域21は容器10より小さく、且つ、通孔12を介して容器10と連通する。気圧領域22は導入領域21に連通し、気圧領域22の直径は、導入領域21より小さいか、或いは等しい。また、気圧領域22には、空気を進入させるための通気孔221が設けられ、通気孔221は、本実施例では、傾斜状である。なお、通気孔221は、水平状にすることもできる。また、本実施例における気圧領域22は導入領域21より小さく、気圧領域22と導入領域21の間は、階段状部211が形成される。また、排出領域23と気圧領域22は連通し、排出領域23は、上側が小さく下に向かって徐々に大きくなる形状(ラッパに似た形状)を形成し、それにより、コーヒー液が流れ出る時に噴出效果が生じる。さらに、排出領域23の直径は、気圧領域22より小さいか、或いは等しい。また、本実施例において、排出領域23は気圧領域22より小さく、排出領域23と気圧領域22の間には階段状部222が形成される。
【0013】
図4に示すように、本発明を使用する時は、使用者が手で取っ手11を握って容器10を持ち、容器10に混合液(例えば、お湯でコーヒー粉を溶かして形成させたコーヒー液)を入れると、容器10の混合液は通孔12を通過して導入領域21に入り、混合液は導入領域21を通過した後、気圧領域22内に進入する。この時、本発明の外部の空気は通気孔221から気圧領域22内に進入して、混合液に所定の気圧を与え、導入領域21と気圧領域22の直径は容器10より小さいため、容器10と作用ユニット20にはベンチュリ(Venturi)効果が生じ、混合液が導入領域21と気圧領域22を通過する時に圧力差が生じて流れの速度が速くなり、さらに、混合液は、排出領域23を通過することで泡状を形成して噴出され、ひいては、混合液の分子が活性化、細分化され、飲んだ時の喉越しがよくなる。
【0014】
図4から分かるように、混合液が作用ユニット20の階段状部211、222を通過する時、混合液は垂直に流れ落ちて衝撃が生じ、ばらばらになり、混合液は階段状部211、222に沿って曲がり、さらに垂直に流れ落ちて乱流、激流効果が生じ、それに加えて、混合液が気圧領域22を通過する時に生じる激流は、外部の空気を、通気孔221を介して気圧領域22内に進入させ、混合液に所定の気圧を与えるため、混合液が導入領域21、気圧領域22を通過する時に、流体力学の原理に基づいて更に大きな圧力差が生じて流れる速度が更に速くなり、混合液が排出領域23を通過する時、排出領域23は上が小さく下に向かうにつれ徐々に大きくなるラッパ状を呈しているため、混合液は、狭い箇所から広い箇所に急速に流れ出て泡状(ソーダー水に似た形状)になって噴出する。流れ出た混合液分子は活性化され、細分化され、ナノ化される。
【0015】
図5、図6に示すように、本発明を使用する時は、コーヒー粉を詰めたコーヒーフィルター30を容器10内に置き、さらに、お湯を加えてコーヒー液を形成させると、コーヒー液はコーヒーフィルター30に濾過される以外に、円弧表面13、斜面14、突体15間の導流作用によって、コーヒー液はスムーズに作用ユニット20に導流し、コーヒー液は、作用ユニット20を介して活性化された後、噴出される。
【0016】
また、本発明には、更に、台座40を設ける。台座40には固定フレーム41が設けられ、固定フレーム41には作用ユニット20が差し込まれ、固定フレーム41の上側面は容器10の底部を支える。それによって、使用者が使用する時、手で本発明を持つ必要がなく、本発明を台座40に固定することで所定の高さを保つことができる。また、台座40における作用ユニット20に対応する箇所にはカップ50が置かれ、カップ50には、作用ユニット20内で活性化されて噴出するコーヒー液が注がれ、人が飲むことができる。
【0017】
図7に示すように、本発明は、コーヒー粉を詰めたストレーナー60を容器10内に設けることができ、お湯を入れてコーヒー液を形成させることができる。
【0018】
図8に示すように、本発明の通気孔221内には、単一方向進出作用を備える弁体24を設けることができ、それにより、外部の空気だけを進入させ、気圧領域22内の混合液が流出したり、滲み出たりするのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0019】
10 容器
11 取っ手
12 通孔
13 円弧表面
14 斜面
15 突体
20 作用ユニット
21 導入領域
211 階段状部
22 気圧領域
221 通気孔
222 階段状部
23 排出領域
24 弁体
30 コーヒーフィルター
40 台座
41 固定フレーム
50 カップ
60 ストレーナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、作用ユニットとからなる液体を活性化させる作用をもったドリッパーであって、
容器の一側には取っ手が設けられ、容器の底部には少なくとも一つの通孔が設けられ、
作用ユニットは、容器下方に設けられ、作用ユニットは、導入領域と、気圧領域と、排出領域とを備え、その内、導入領域は通孔と連通し、気圧領域は導入領域と連通するとともに導入領域より小さく、気圧領域には空気を進入させるための通気孔が設けられ、通気孔は傾斜状を呈し、排出領域は気圧領域と連通し、排出領域は、上側が小さく下に向かうにつれ大きくなる形状を呈し、容器、導入領域、気圧領域、排出領域の間は、内側方向に向けて設けられた少なくとも一つの階段状部を備え、
以上の構造により、容器内の混合液が気圧領域内に流入した際、通気孔によって混合液に所定の気圧が与えられ、容器と作用ユニットにはベンチュリ(Venturi)効果が生じ、混合液に圧力差が生じて流れの速度が速くなり、ひいては混合液の分子が活性化、細分化され、排出領域を通過して流出することを特徴とする、液体を活性化させる作用をもったドリッパー。
【請求項2】
容器内には、上部が大きく下部が小さい形状の円弧表面と、相互に対応し且つ底部が上に延伸してなる二つの斜面とが設けられ、容器内には複数の突体が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の液体を活性化させる作用をもったドリッパー。
【請求項3】
液体を活性化させる作用をもったドリッパーは、更に、台座を備え、台座には固定フレームが設けられ、固定フレームには作用ユニットが差し込まれ、固定フレームの上側面は、容器の底部を支えることを特徴とする、請求項1に記載の液体を活性化させる作用をもったドリッパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−223555(P2012−223555A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−284708(P2011−284708)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(512000019)
【Fターム(参考)】