説明

液体クロマトグラフィー用カラム及びその製造方法

【課題】有機ポリマーモノリスと樹脂チューブ内壁との間に隙間が発生することを防ぎ、使用時に有機ポリマーモノリスが樹脂チューブ内から抜け落ち難く、高理論段数が得られる液体クロマトグラフィー用カラムを提供すること。
【解決手段】樹脂チューブ、及び前記樹脂チューブ内に形成された有機ポリマーモノリスを有し、前記樹脂がポリエーテルエーテルケトンを含み、前記有機ポリマーモノリスが、前記樹脂チューブに、スルホニル基を介して結合している、液体クロマトグラフィー用カラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフィー用カラム、及び液体クロマトグラフィー用カラムの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な高速液体クロマトグラフィー用カラムは、空カラム(筒状のチューブ)に樹脂粒子を充填して作製される。樹脂粒子は懸濁重合などで合成後、粒子径が均一になるよう分級が必要であり、また、カラムに均一に充填できるよう、充填圧、充填時間などの調整が必要であり、カラム作製上の大きな隘路となっている。
【0003】
これを解決するために、空カラム(チューブ)内で原料を直接重合し、多孔質の樹脂(モノリス)を形成する方法が知られている(in Situ重合法)(例えば、非特許文献1参照)。モノリスは、材質によって、シリカ系モノリスと有機ポリマー系モノリスに大別され、シリカモノリスカラムは、タンパク質の分離などの用途で普及しつつある(例えば、非特許文献2参照)。
【0004】
一方、有機ポリマーモノリスは、シリカモノリスに比べ耐アルカリ性が高いなどの特徴があるものの、カラム内での重合時、体積収縮がおきやすく、有機ポリマーモノリスとカラム内壁との間に隙間が生じやすい。その結果、モノリスが抜け落ちる(例えば、特許文献1参照)、理論段数の低下を招くなどの問題を引き起こすため、汎用高速液体クロマトグラフィー用カラムとしての利用は少ない(例えば、非特許文献3参照)。
【0005】
有機ポリマーモノリスとカラム内壁との間の隙間を少なくするため、空カラム(チューブ)としてフューズドシリカチューブ(Polymicro Technologies Inc.製)を用い、二重結合を有するシランカップリング剤を反応させ、その後、有機ポリマーモノリスをin Situ重合で作製し、有機ポリマーモノリスをチューブの表面に固定する方法が知られている(例えば、非特許文献4参照)。
【0006】
しかし、本方法では、空カラムとしてフューズドシリカチューブを用いるため、耐アルカリ性が著しく低下し、本来有機モノリスが有する優れた耐pH性が十分に発揮できず、理論段数の低下を招くという欠点が残る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3168006号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Anal.Chem.68,3498(1996)
【非特許文献2】Chromolith Reversed−phase HPLC columns General Information and Guidelines,Merck
【非特許文献3】梅村知也、小島徳久、植木悠二、「有機ポリマーモノリスを用いる高速・高性能分離分析法の開発」、分析化学、日本分析化学会、2008年、Vol.57,No.7,P.517−529
【非特許文献4】Yi−Ming Li,et al.「Continuous Beds for Microchromatography:Cation−Exchange Chromatography」、Analytical Biochemistry、223,153−158(1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、有機ポリマーモノリスと樹脂チューブ内壁との間に隙間が発生することを防ぎ、使用時に有機ポリマーモノリスが樹脂チューブ内から抜け落ち難く、高理論段数が得られる液体クロマトグラフィー用カラムを提供することを目的とするものである。また、本発明は、有機ポリマーモノリスと樹脂チューブ内壁との間に隙間が発生することを防ぎ、使用時に有機ポリマーモノリスが樹脂チューブ内から抜け落ち難く、高理論段数が得られる液体クロマトグラフィー用カラムの製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、樹脂チューブとしてポリエーテルエーテルケトンを含むチューブを使用し、樹脂チューブと有機ポリマーモノリスとを、スルホニル基を介する化学結合により固定することで、重合時の体積収縮による樹脂チューブ内壁からの有機ポリマーモノリスの剥離(隙間の発生)を抑えられることを見出し、使用時に有機ポリマーモノリスが樹脂チューブ内から抜け落ちることのない、高理論段数の液体クロマトグラフィー用カラムを発明するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、樹脂チューブ、及び前記樹脂チューブ内に形成された有機ポリマーモノリスを有する液体クロマトグラフィー用カラムであって、前記樹脂がポリエーテルエーテルケトンを含み、前記有機ポリマーモノリスが、前記樹脂チューブに、スルホニル基を介して結合していることを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラムに関する。
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムの好ましい態様として、前記有機ポリマーモノリスが、前記樹脂チューブに、スルホニルオキシ基を介して結合している液体クロマトグラフィー用カラム、前記有機ポリマーモノリスが、分子内に重合性の炭素−炭素間二重結合を有する重合性単量体を重合させることにより得られるモノリスである液体クロマトグラフィー用カラム、前記有機ポリマーモノリスが、(メタ)アクリル系樹脂モノリスである液体クロマトグラフィー用カラムなどが挙げられる。
また、本発明は、前記樹脂チューブの内壁にスルホン酸基を導入し、導入されたスルホン酸基とグリシジル基を有するビニル単量体とを反応させることにより、前記樹脂チューブの内壁にビニル基を導入し、ビニル基が導入された前記樹脂チューブ内で、分子内に重合性の炭素−炭素間二重結合を有する重合性単量体を重合し、前記樹脂チューブ内に有機ポリマーモノリスを形成する液体クロマトグラフィー用カラムの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、有機ポリマーモノリスと樹脂チューブ内壁との間に隙間が発生することを防ぎ、使用時に有機ポリマーモノリスが樹脂チューブ内から抜け落ち難く、高理論段数が得られる液体クロマトグラフィー用カラムを提供することができる。また、本発明によれば、有機ポリマーモノリスと樹脂チューブ内壁との間に隙間が発生することを防ぎ、使用時に有機ポリマーモノリスが樹脂チューブ内から抜け落ち難く、高理論段数が得られる液体クロマトグラフィー用カラムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ポリエーテルエーテルケトン製カラムへのスルホニル基導入工程及びビニル基導入工程を示す概略図である。
【図2】試料サンプルを、実施例1で作製したカラムを用いて液体クロマトグラフィーで分析した結果である。
【図3】実施例1で得られた液体クロマトグラフィー用カラムの断面SEM写真である。
【図4】比較例1で得られた液体クロマトグラフィー用カラムの断面SEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の液体クロマトグラフィー(LC)用カラムは、樹脂チューブに有機ポリマーモノリスが、スルホニル基を解した結合により固定されていることを特徴する。
【0015】
本発明では、樹脂チューブとして、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含有する樹脂により形成されたチューブが用いられる。樹脂成分としてPEEKのみを含有する樹脂により形成されたチューブの他、PEEKと他の樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリカーボネート、高密度ポリプロピレン、高密度ポリエチレンなどを含有する混合樹脂により形成されたチューブを用いることも可能である。PEEK製チューブとしては市販品を用いることができ、例えば、NPK−026、NPK−003(仁礼工業(株)製)などがある。
【0016】
樹脂チューブを形成する樹脂としては、PEEKを含有せず、PTFE、PVDF、ポリカーボネート、高密度ポリプロピレン、又は、高密度ポリエチレンなどを含有する樹脂が用いられることがあるが、PEEKは、耐有機溶媒性、耐酸性、耐アルカリ性に優れ、かつ、耐圧性にも優れることから、液体クロマトグラフィー用空カラム(チューブ)として特に適している。また、PEEKは、スルホニル基の導入が容易であるという点でも好ましい。
【0017】
また、耐溶剤性のない塩化ビニル、耐酸性のないスチール、耐アルカリ性に乏しいシリカゲルコーティングなどは液体クロマトグラフィー用空カラム(チューブ)として適さない。
【0018】
樹脂チューブの直径は特に限定されるものではないが、大きすぎると、熱収縮により樹脂チューブとモノリスとの間に隙間ができやすくなる、樹脂チューブとモノリスとが剥離しやすいなどの傾向がある。また、小さすぎると、樹脂チューブの強度が不足し、折れ、曲がりなどを生じやすい、モノリスを形成しても液体クロマトグラフィー用としては樹脂成分が少なすぎ分離が不十分になりやすいという傾向がある。樹脂チューブの直径(内径)は、例えば、0.1φmm〜10φmmとすることができる。
【0019】
樹脂チューブの長さも特に限定されるものではなく、液体クロマトグラフィー用カラムとした場合、長い方が理論段数が出やすく有利となる。ただし、樹脂チューブが長すぎると折れ曲りやすくなるので、樹脂チューブが長い場合には、基盤などに固定して用いることが望ましい。樹脂チューブの長さは、例えば、5cm〜300cmとすることができる。
【0020】
本発明における有機ポリマーモノリスとして、例えば、(メタ)アクリル系樹脂モノリス、スチレン系樹脂モノリス、アリル系樹脂モノリスなどを挙げることができる。(メタ)アクリル系樹脂モノリスは、重合の容易さ、官能基の修飾のしやすさの点から好ましく用いられる。本発明において、有機ポリマーモノリスは、例えば、後述する分子内に重合性の炭素−炭素間二重結合(重合性基)を有する重合性単量体の重合反応によって形成することができる。
【0021】
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは、有機ポリマーモノリスが樹脂チューブにスルホニル基を介して結合している。スルホニル基により結合された有機ポリマーモノリスは、耐アルカリ性、耐酸性に優れ、本来有機ポリマーモノリスが有する優れた耐pH性を発揮することができる。
【0022】
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは、例えば、まず始めに、樹脂チューブ内壁にスルホン酸基を導入し、次いで、導入されたスルホン酸基と、グリシジル基を有するビニル単量体とを反応させることにより、前記樹脂チューブの内壁にビニル基を導入し、有機ポリマーモノリスを結合させる足場を形成する。その後、ビニル基が導入された前記樹脂チューブ内で、有機ポリマーモノリスの原料となる重合性単量体を重合するという方法により得ることができる。
以下、この方法について詳細に説明するが、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムの製造方法はこの方法に限定されるものではない。
【0023】
まず、PEEK(ポリエーテル−エーテル−ケトン)製のチューブにスルホン酸基を導入し(スルホン酸基導入工程)、その後、グリシジル基を有するビニル単量体を反応させビニル基を導入する(ビニル基導入工程)工程を記す。
【0024】
(スルホン酸基導入工程)
まず、PEEKチューブ内に硫酸水溶液を注入し、両末端を密栓し、反応させることにより、PEEKチューブの内壁にスルホン酸基を導入(スルホン化)する。反応条件として、硫酸水溶液の濃度は50wt%以上であることが好ましく、反応温度は15℃〜80℃であることが好ましく、また、反応時間は5分〜7日であることが好ましい。但し、スルホン化条件が厳しくなるとPEEKチューブ内壁が凸凹に荒れやすくなり、理論段数が出にくくなる傾向があるので、50wt%〜90wt%の硫酸水溶液で5分〜2日、15℃〜60℃でのスルホン化条件が好ましい。スルホン化後は、イオン交換水で中性になるまでよく洗い、その後、PEEKチューブ内にアセトンまたはメタノールを流し、窒素気流、または真空乾燥器で十分に乾燥させる。
【0025】
(ビニル基導入工程)
次に、有機ポリマーモノリス形成時に、スルホン酸基と有機ポリマーモノリスとで橋架け(結合)ができるよう、スルホン酸基にグリシジル基を有するビニル単量体を反応させる。これにより、PEEKチューブ内壁にはスルホニル基を介して、特にこの場合はスルホニルオキシ基を介して、ビニル基が導入される。グリシジル基を有するビニル単量体としてはエポキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体、エポキシ基を有するスチレンの誘導体が挙げられ、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、グリシジルクロネート、グリシジルイタコネート、グリシジルフマレート、グリシジルマレート、ビニルベンジルグリシジルエステル等が挙げられる。導入の方法としては、例えば、グリシジル基を有するビニル単量体を有機溶剤で希釈し、スルホン酸基を導入した樹脂チューブ内に注入し、両末端を密栓し、反応させる。反応条件として、グリシジル基を有するビニル単量体の濃度は0.05mol/L〜10mol/Lであることが好ましく、反応温度は15℃〜100℃であることが好ましく、また、反応時間は3〜48時間であることが好ましい。希釈用の有機溶剤はジエチルエーテル、ジメチルスルホオキシド、テトラヒドロフラン、ベンジルアルコール、クロロホルム、トルエン、アセトン、塩化メチレン等が挙げられる。PEEKとの馴染み易さの点から塩化メチレン、ジエチルエーテル、アセトンが望ましい。反応後は放冷し、アセトンまたはメタノールで洗浄後、窒素気流、または真空乾燥器で十分に乾燥させる。
【0026】
図1に、PEEKへのスルホン酸基導入工程及びビニル基導入工程の概略図を示す。
【0027】
次に、有機ポリマーモノリスの作製工程の例を示す。本工程では、ビニル基が導入された前記樹脂チューブ内で、有機ポリマーモノリスの原料となる重合性単量体を重合する(有機ポリマーモノリス重合工程)。
【0028】
(有機ポリマーモノリス重合工程)
本発明において、有機ポリマーモノリスは、分子内に1つ以上の重合性の炭素−炭素間二重結合を有する重合性単量体の重合反応によって形成することができる。例えば、非架橋性重合性単量体と架橋性重合性単量体との重合性炭素−炭素間二重結合の共重合反応、又は、架橋性重合性単量体の重合性炭素−炭素間二重結合の重合反応などである。
【0029】
本発明において、使用される非架橋性重合性単量体は、1分子中に1個の重合性の炭素−炭素間二重結合を有する単量体である。具体的には、アクリル系、メタクリル系、スチレン系、及びアリル系の非架橋性重合性単量体が挙げられ、アクリル系及びメタクリル系の非架橋性重合性単量体が好ましく用いられる。また、非架橋性重合性単量体としては、アルキル基の他、水酸基、エポキシ基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基等を有する非架橋性重合性単量体が挙げられる。
【0030】
アルキル基を有する非架橋性重合性単量体としては、アルキル基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体が挙げられ、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル等が挙げられる。
【0031】
水酸基を有する非架橋性重合性単量体としては、水酸基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体が挙げられ、例えば、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フエニルオキシプロピル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ネオぺンチルグリコールモノアクリレート等や、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フエニルオキシプロピル、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタアクリレート、ネオぺンチルグリコールモノメタアクリレート等が挙げられる。
【0032】
エポキシ基を有する非架橋性重合性単量体の誘導体としては、エポキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体、エポキシ基を有するスチレンの誘導体などが挙げられ、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、グリシジルクロネート、グリシジルイタコネート、グリシジルフマレート、グリシジルマレート、ビニルベンジルグリシジルエステル等が挙げられる。
【0033】
アルキルオキシ基を有する非架橋性重合性単量体としては、アルキルオキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体が挙げられ、例えば、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール等や、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール等が挙げられる。
【0034】
また、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基を有する非架橋性重合性単量体としては、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基を有するアクリル酸、メタクリル酸の誘導体が挙げられ、例えば、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール等や、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール等が挙げられる。
【0035】
さらに、使用できるその他の官能基を有する非架橋性重合性単量体としては、例えば、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
非架橋性重合性単量体としては、これら具体例に限定されるものではなく、さらに、これらを数種混合して使用することもできる。
【0036】
一方、本発明に使用される架橋性重合性単量体としては、1分子中に2個以上の重合性の炭素−炭素間二重結合を有する単量体であればいずれでもよい。1分子中に2個の重合性基を有する単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸のジエステル、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ−ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレ−ト、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、テトラメチロールメタンジメタクリレート、テトラメチロールメタンジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等があり、1分子中に3個以上の重合性基を有する単量体としては、例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等が挙げられる。
架橋性重合性単量体としては、これら具体例に限定されるものではなく、さらに、これらを数種混合して使用することもできる。
【0037】
本発明で用いるモノリスは、好ましくは、前記非架橋性重合性単量体を、上記架橋性重合性単量体と共重合させることにより得られる。または、本発明で用いるモノリスは、架橋性重合性単量体のみを重合させることにより得ることもできる。非架橋性重合性単量体と架橋性重合性単量体とを併用する場合、両者の配合割合は、重合性単量体総量に対し、上記の非架橋性重合性単量体を50〜90重量%、架橋性重合性単量体を10〜50重量%とすることが好ましい。
【0038】
架橋性重合性単量体が10重量%未満であると、得られるモノリスの機械強度が乏しく、繰り返し使用における耐久性が劣り、安定した検知、分析が難しくなる傾向がある。また、架橋性重合性単量体が50重量%を超えると、場合によっては細孔径の調整ができにくくなる傾向がある。
【0039】
モノリスを製造する際の重合には、重合開始剤を用いることができる。用いられる重合開始剤としては、過酸化物系ラジカル重合開始剤、アゾ系ラジカル重合開始剤が好ましく、例えば、過酸化ベンゾイル、過安息香酸2−エチルヘキシル、過酸化アセチル、過酸化イソブチリル、過酸化オクタノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジtert−ブチル、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、4,4,6−トリメチルシクロヘキサノンジtert−ブチルペルオキシケタール、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、シクロヘキサノンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、アセトンジ−tert−ブチルペルオキシケタール、ジイソプロピルヒドロペルオキシド等の過酸化物系ラジカル重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2’−アゾビス(4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカーボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾー2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ系ラジカル重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤としては、これら具体例に限定されるものではなく、さらに、これらを数種混合して使用することもできる。
【0040】
重合開始剤が使用される場合、重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して0.05〜10重量部使用されることが好ましい。使用量が0.05重量部未満では重合時間が長くなり、また未反応の単量体が有機ポリマーモノリス中に残存する傾向がある。一方、使用量が10重量部を超える場合は重合開始剤が無駄であるばかりでなく、重合中の発熱制御が困難で、分子鎖長が不十分等の問題が発生しやすくなる傾向がある。
【0041】
通常、モノリスの多孔性を維持するため、さらに細孔調節剤として、重合時に種々の溶媒が加えられる。この溶媒としては、重合性単量体は溶解するが、得られる重合体は溶解しないものが好ましく、具体的にはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ヘプタノール、イソアミルアルコール、プロパノール、1,4−ブタンジオール、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等の脂肪族又は芳香族エステル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサン、オクタン、デカン等、公知のものが使用できる。これらは得られる有機ポリマーモノリスの原料となる単量体の種類によって適宜使い分けられ、単独でもよいし、数種類併用しても良い。
【0042】
これらの溶媒の配合割合は、多孔性の観点から重合性単量体総量に対して、好ましくは5〜300重量%、より好ましくは20〜200重量%、さらに好ましくは50〜100重量%添加される。この配合割合が5重量%未満であったり、300重量%を超えると所望の多孔性が得られにくくなる傾向がある。
【0043】
本発明で使用するモノリスは上記の重合性単量体、並びに、必要に応じて重合開始剤及び細孔調節剤を含む組成物を、スルホン酸基を導入したPEEKチューブ内で重合することにより得ることができる。一般的な条件は、重合温度は50℃〜100℃、重合時間は3〜24時間である。
【0044】
以上に、説明した製造方法では、スルホン酸基導入工程、ビニル基導入工程、有機ポリマーモノリス重合工程をこの順に行ったが、他の方法として、スルホン酸基導入工程の後、有機ポリマーモノリス重合工程を行なう方法を用いることも可能である。
具体的には、まず始めに、樹脂チューブ内壁にスルホン酸基を導入する(スルホン酸基導入工程)。その後、スルホン酸基が導入された前記樹脂チューブ内で、有機ポリマーモノリスの原料となる重合性単量体を重合する(有機ポリマーモノリス重合工程)。この場合、重合性単量体としては、上述の分子内に重合性の炭素−炭素間二重結合を有する重合性単量体から選択して使用することが可能であるが、少なくとも、スルホン酸基と反応し得る重合性単量体を含有させる。スルホン酸基と反応し得る重合性単量体により、スルホン酸基と有機ポリマーモノリスとの間に橋架け(結合)を形成することが可能となる。スルホン酸基と反応し得る重合性単量体としては、例えば、上述のエポキシ基を有する非架橋性重合性単量体を用いることができる。
【0045】
本発明において、上述のアルキル基を有する非架橋性重合性単量体を用いたモノリスカラムは、アルキル鎖が疎水性であるため疎水性高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムとして能力を示す。
【0046】
また、アクリル酸、メタクリル酸などフリーのカルボン酸基を有する非架橋性単量体を用いたモノリスカラムは、カルボン酸基が酸性であるためカチオン交換HPLCカラムとして能力を示す。
【0047】
また、水酸基、グリシジル基を有する非架橋性単量体を用いたモノリスカラムは、アミノ基、スルホン酸基等の導入が容易であり、これらの基を導入したモノリスカラムは、それぞれ、アニオン交換、カチオン交換HPLCカラムとして使用できる。
【実施例】
【0048】
以下、実施例により本発明の液体クロマトグラフィー用カラム及びその製造方法について具体的に説明するが、当該実施例によって本発明が制限されるものではない。
【0049】
(実施例1)
<PEEKチューブのスルホン化>
内径1mm、長さ10cmのPEEKチューブ(NPK−026 仁礼工業(株)製)に90%硫酸水溶液を満たし、両末端を密栓し、40℃で10分反応させ、その後、イオン交換水5ml、アセトン5mlをチューブ内に流し洗浄し、窒素をパージして乾燥させた。
【0050】
PEEKチューブ内壁の表面の元素組成率をエネルギー分散形X線分光器(EDX)(Inca Energy 350、オックスフォード・インストゥルメンツ(株)製)で測定した結果を表1に示す。S原子1.1%(原子数%)の含有が確認され、PEEKチューブの内壁にスルホン酸基が導入されたことがわかった。
【0051】
<ビニル基導入>
次に、1mol/Lのグリシジルメタクリレート/塩化メチレン溶液を上記のチューブに満たし、両末端を密栓し、25℃で24時間反応させ、その後、アセトン5mlをチューブ内に流し洗浄し、窒素をパージして乾燥させた。
【0052】
<モノリス重合>
ラウリルメタクリレート312.8mg、エチレングリコールジメタクリレート42mg、1−プロパノール305.8mg、1,4−ブタノール221.5mg、アゾビスイソブチロニトリル4mgをフラスコ中で混合し、アゾビスイソブチロニトリルを超音波洗浄器で溶解した。スルホン化した後ビニル基を導入したPEEKチューブに上記の混合モノマー溶液を注射器で注入し、両末端を漏れないように栓をし、ウォータバスで60℃、24時間加温した。
【0053】
<評価>
得られたカラムを輪切りにし、SEM(SU−70、(株)日立ハイテクノロジーズ製)観察を行った。
また、得られたカラムの片末端を高速液体クロマトグラフィーポンプに接続し、もう一方の末端を開放して、水/アセトニトリル50:50(体積比)を通液した。15Mpaまで圧力をかけてカラムからモノリスが抜け出ないか確認した。
さらに、下記の条件で高速液体クロマトグラフィー(L2000、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用い測定を行った。
溶離液:水/アセトニトリル50:50(体積比)
流速:0.25ml/min
測定波長:214nm(セミミクロ用セル)
サンプル:ウラシル(1mM)
メチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン(各10mM)
注入量:1μm
【0054】
SEM観察の結果、チューブと有機ポリマーモノリスとの間が密着していることが確認できた(図3)。
また、得られたカラムの片末端を開放した状態で通液しても、モノリスはチューブから抜け出ることはなく、15MPa以上耐圧性があることが確認できた。
HPLCによる評価では、6成分のトップピーク分離ができた(図2)。また、エチルベンゼンの理論段数が4000段となった。評価結果を表2に記す。
【0055】
(実施例2)
<PEEKチューブのスルホン化>
内径1mm、長さ10cmのPEEKチューブ(NPK−026 仁礼工業(株)製)に80%硫酸水溶液を満たし、両末端を密栓し、25℃で24時間反応させ、その後、イオン交換水5ml、アセトン5mlをチューブ内に流し洗浄し、窒素をパージして乾燥させた。
<ビニル基導入>
次に、1mol/Lのグリシジルメタクリレート/アセトン溶液を上記のチューブに満たし、両末端を密栓し、25℃で24時間反応させ、その後、アセトン5mlをチューブ内に流し洗浄し、窒素をパージして乾燥させた。
<モノリス重合>
ラウリルメタクリレート312.8mg、エチレングリコールジメタクリレート42mg、1−プロパノール305.8mg、1,4−ブタノール221.5mg、アゾビスイソブチロニトリル4mgをフラスコ中で混合し、アゾビスイソブチロニトリルを超音波洗浄器で溶解した。スルホン化した後ビニル基を導入したPEEKチューブに上記の混合モノマー溶液を注射器で注入し、両末端を漏れないように栓をし、ウォータバスで60℃、24時間加温した。
【0056】
評価は実施例1に従って行なった。SEM観察の結果、チューブと有機ポリマーモノリスとの間が密着していることが確認できた。また、得られたカラムの片末端を開放した状態で通液しても、モノリスはチューブから抜け出ることはなく、15MPa以上耐圧性があることが確認できた。HPLCに評価では6成分のトップピーク分離ができた。また、エチルベンゼンの理論段数が4000段となった。評価結果を表2に記す。
【0057】
(実施例3)
PEEKチューブとして内径1mm、長さ100cmのPEEKチューブ(NPK−026 仁礼工業(株)製)を用いた。それ以外は実施例1の方法に従ってカラムを作製後、実施例1と同様に評価を行った。
SEM観察の結果、チューブと有機ポリマーモノリスとの間が密着していることが確認できた。また、得られたカラムの片末端を開放した状態で通液しても、モノリスはチューブから抜け出ることはなく、15MPa以上耐圧性があることが確認できた。HPLCに評価では6成分のトップピーク分離ができた。また、エチルベンゼンの理論段数が7000段となった。評価結果を表2に記す。
【0058】
(比較例1)
スルホン化及びビニル基導入の工程を行なわず、未処理の内径1mm、長さ10cmのPEEKチューブ(NPK−026 仁礼工業(株)製)を用いて実施例1の方法に従ってモノリス重合を行いカラムを作製し、評価した。
SEM観察の結果、チューブと有機ポリマーモノリスとの間に、樹脂収縮による隙間があることが確認できた(図4)。
また、EDXではS原子が検出されず、カラムに水/アセトニトリルを流速0.05ml/minで流すと2MPaでモノリスがチューブから抜け出た。評価結果を表1、表2に記す。
【0059】
(比較例2)
内径1mm、長さ10cmのPEEKチューブ(NPK−026 仁礼工業(株)製)に90%硫酸水溶液を満たし、両末端を密栓し、25℃で2時間反応させ、その後、イオン交換水5ml、アセトン5mlをチューブ内に流し洗浄し、窒素をパージして乾燥させた。
次にビニル基導入反応をおこなわず、実施例1に従ってモノリスカラムを作製し、評価を行った。
SEM観察の結果、チューブと有機ポリマーモノリスとの間に、樹脂収縮による隙間があることが確認できた。また、水/アセトニトリルを流速0.05ml/minで流すと2MPaでモノリスがチューブから抜け出た。評価結果を表2に記す。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは、カラム内で有機ポリマーモノリスを作製する際に有機ポリマーモノリスの体積収縮が生じ難く、そのため、使用時に有機ポリマーモノリスがカラムから容易に抜け出てしまうことがなかった。また、カラムにPEEKを含む樹脂により形成されたチューブを用い、カラムと有機ポリマーモノリスとをスルホニル基を介して結合させているため、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性に優れていた。本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に適したカラムであり、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを用いることにより、高い理論段数が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂チューブ、及び前記樹脂チューブ内に形成された有機ポリマーモノリスを有し、
前記樹脂がポリエーテルエーテルケトンを含み、
前記有機ポリマーモノリスが、前記樹脂チューブに、スルホニル基を介して結合している、液体クロマトグラフィー用カラム。
【請求項2】
前記有機ポリマーモノリスが、前記樹脂チューブに、スルホニルオキシ基を介して結合している、請求項1記載の液体クロマトグラフィー用カラム。
【請求項3】
前記有機ポリマーモノリスが、分子内に重合性の炭素−炭素間二重結合を有する重合性単量体を重合させることにより得られるモノリスである、請求項1又は2記載の液体クロマトグラフィー用カラム。
【請求項4】
前記有機ポリマーモノリスが、(メタ)アクリル系樹脂モノリスである、請求項1〜3いずれか記載の液体クロマトグラフィー用カラム。
【請求項5】
前記樹脂チューブの内壁にスルホン酸基を導入し、
導入されたスルホン酸基とグリシジル基を有するビニル単量体とを反応させることにより、前記樹脂チューブの内壁にビニル基を導入し、
ビニル基が導入された前記樹脂チューブ内で、分子内に重合性の炭素−炭素間二重結合を有する重合性単量体を重合し、前記樹脂チューブ内に有機ポリマーモノリスを形成する、請求項3又は4記載の液体クロマトグラフィー用カラムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−8041(P2012−8041A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145057(P2010−145057)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(504139662)国立大学法人名古屋大学 (996)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)