説明

液体付着力測定装置、液体付着力測定方法

【課題】定量的且つ高精度に液体の付着力を測定できるようにする。
【解決手段】対象物80における面状の評価面90Aに対する液体の付着力を測定する液体付着力測定装置であって、基台20に対象物80を載置し、測定治具50を用いて、この対象物80の評価面80Aと略平行となり、且つ評価面80Aよりも濡れ性の大きい面状の親液面52Aのの間に液体を保持させ、この状態で基台20と測定治具50を相対移動させることで、力測定機構40によって、評価面80Aと親液面52Aの間に作用する引っ張り力を測定するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の評価面に対する液体の付着力を測定する液体付着力装置、および当該付着力を測定する液体付着力測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な材料の表面特性の評価項目の1つとして液体の付着力が挙げられる。この付着力の評価方法としては、評価対象物の表面に液体を滴下させ、その接触角を測定することで、間接的に評価することが一般的である。
【0003】
一方、特許文献1のように、液体を担持させた球状の担持体を、対象物の評価面に接近させて、この評価面と球状担持体の間に液体架橋を形成し、両者を引き離す際に必要となる外力を測定することで、直接的に付着力を測定する手法も提案されている。この測定手法は、液体の架橋内に生じる応力を、上記担持体を用いて疑似的に計測して付着力とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−144573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の評価手法では、液体架橋を分断する際に担持体に作用する外力が、液体架橋内の生じる応力と近似することを前提としているため、液体架橋が正しく形成されていない場合には、測定誤差が生じ得るという問題があった。例えば、評価対象物の表面に凹凸が存在する場合は、液体架橋が安定して形成されないため、測定誤差が生じやすいことになる。
【0006】
従って、この特許文献1の段落「0016」には、担持体の種類として立方体形状、円錐形状、角錐形状なども挙げているが、液体を担持させたり、液体架橋形状にばらつきが生じないようにするためにも、立方体形状、円錐形状、角錐形状などは、現実的には好ましくない旨が述べられている。従って、これらの形状の担持体では、具体的な計測方法についての提案がなされいない。
【0007】
結果として、担持体として球体を利用することで、球体の下端と対象物の間に小さな液体架橋を形成し、その液体架橋を優先的に破断させて応力を測定するので、外乱を受けやすく、測定結果自体に誤差が生じやすいという問題があった。
【0008】
また、従来の評価手法では、担持体と評価対象物との濡れ性の関係が不明確であることから、液体と担持体間の引っ張り力の影響も、測定結果に影響を与えてしまっていることが懸念された。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、測定誤差が生じにくく、信頼性の高い液体付着力測定装置、及び測定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明は、対象物における面状の評価面に対する液体の付着力を測定する液体付着力測定装置であって、対象物が載置される基台と、前記対象物の前記評価面と略平行且つ該評価面よりも濡れ性の大きい面状の親液面を有する測定治具と、前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させた状態で、前記基台と前記測定治具を相対移動させる移動機構と、前記移動機構による相対移動中に、前記評価面と前記親液面の間に作用する抵抗力を測定する力測定機構と、を備えることを特徴とする液体付着力測定装置である。
【0011】
上記目的を達成する液体付着力測定装置は、上記手段において、前記評価面及び前記親液面が平面であることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成する液体付着力測定装置は、上記手段において、前記評価面と比較して前記親液面の面積が小さく設定され、前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させる際、前記親液面の全域を前記液体で濡れさせることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成する液体付着力測定装置は、上記手段において、前記親液面を、白金を主として含む材料で構成することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成する液体付着力測定装置の前記移動機構は、上記手段において、前記評価面と前記親液面を面直角方向に離反させることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成する液体付着力測定装置は、上記手段において、前記評価面と前記親液面の面方向が水平となるように配置されることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成する液体付着力測定装置の前記移動機構は、上記手段において、前記評価面と前記親液面を面方向に相対移動させることを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成する液体付着力測定装置は、上記手段において、前記評価面と前記親液面の面方向が非水平に配置されることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成する液体付着力測定装置は、上記手段において、前記評価面と前記親液面の面方向が略垂直に配置されることを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成する本発明は、対象物における面状の評価面に対する液体の付着力を測定する液体付着力測定方法であって、前記評価面よりも濡れ性の大きい親液面を有する測定治具を、前記対象物の前記評価面に対して略平行に配置し、前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させ、前記評価面と前記親液面を相対移動させることで、前記評価面と前記親液面の間に作用する抵抗力を測定することを特徴とする液体付着力測定方法である。
【0020】
上記目的を達成する液体付着力測定方法は、上記手段において、前記評価面と比較して前記親液面の面積を小さく設定し、前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させる際、前記親液面の全域を前記液体で濡れさせることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成する液体付着力測定方法は、上記手段において、前記評価面と前記親液面が水平となるように配置し、前記評価面と前記親液面を面直角方向に離反させながら、前記抵抗力を測定することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成する液体付着力測定方法は、上記手段において、前記評価面と前記親液面の面方向が略垂直となるように配置し、前記評価面と前記親液面を面方向に相対移動させながら、前記抵抗力を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、評価面に対する液体の付着力を定量的且つ高精度で測定できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体付着力測定装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】同液体付着力測定装置の測定治具を拡大して示す正面図である。
【図3】同液体付着力測定装置を用いた測定方法を示す拡大正面図である。
【図4】同液体付着力測定装置の他の構成例を拡大して示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る液体付着力測定装置の全体構成を示す斜視図である。
【図6】同液体付着力測定装置を用いた測定方法を示す拡大正面図である。
【図7】同液体付着力測定装置の他の構成例を拡大して示す正面図である。
【図8】同液体付着力測定装置の他の構成例を拡大して示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る液体付着力測定装置を詳細に説明する。
【0026】
図1には、第1実施形態に係る液体付着力測定装置1(以下、測定装置1という)の全体構成が示されている。この測定装置1は、筐体10、基台(ステージ)20、スライダ30、電子天秤40、測定治具50を備えて構成される。筐体10は、測定装置1の外枠及びメインフレームとなる部材であり、測定に必要な装置全体の強度・剛性を確保する。基台20は、円形テーブルで構成されている。この円形テーブルの上面に、プレート状の対象物80が固定される。この対象物80の上面が、液体に対する付着力を測定する評価面80Aとなっている。
【0027】
スライダ30は、筐体10側に固定されて基台20を鉛直方向に上下動させる部材である。このスライダ30は、筐体10内に収容されるため特に図示しない鉛直方向のリニアガイドによって前記基台20を案内する。また、この案内は、筐体10内に収容されるため特に図示しないボールねじ及び駆動モータによって行うようになっている。
【0028】
電子天秤40は、筐体10側の上方に固定されており、基台20の上方にフック42を垂れ下げる。電子天秤40は、このフック42に対して作用する下側の付勢力を検出して電子情報として外部に出力する。
【0029】
図2に、フック42に引っかけられた測定治具50を拡大して示す。この測定治具50は、水平方向に配置される長方形の白金プレート52と、この白金プレート52に対して、上方の面垂直方向に突出する被フック部54を備える。この被フック部54を、電子天秤40のフック42に引っかけることで測定治具50が空中に保持される。白金プレート52の下面は、対象物80の評価面80Aよりも濡れ性の大きい面状の親液面52Aとなる。
【0030】
この測定治具50は、フック42に引っかけられた状態で親液面52Aが水平となるように重心が設定される。従って、評価面80Aが水平となるように基台20に対象物80をセットすれば、評価面80Aと親液面52Aが互いに平行状態で対向する。
【0031】
白金プレート52は、長手方向が2cm、幅方向が1cm、厚みが0.5mmとなっており、従って、親液面52Aのサイズもこれに一致している。即ち、親液面52Aのサイズは長手方向が2cm、幅方向が1cmとなる。一方、評価面80Aのサイズは、親液面52Aのサイズよりも大きく設定される。
【0032】
次に、図3を参照して、この測定装置1を利用した液体付着力の測定方法について説明する。
【0033】
まず、基台20を下方に移動させた状態で、プレート状の対象物80をセットする。次いで、評価面80Aを水平にした状態で、この評価面80Aに評価対象とする液体を滴下する。例えば、水の付着力を測定する場合は水を滴下し、油分の付着力を測定する場合は油を滴下する。液体を滴下すると、図3(A)に示されるように、評価面80A上に液滴90が形成される。
【0034】
その後、スライダ30によって基台20を上昇させて、フック42に引っかけられている測定治具50の親液面52Aに対して、液滴90を接触させる。親液面52Aも水平に保持されていることから、基台20を更に上昇させると、評価面80Aと親液面52Aによって液滴90を押しつぶされる。親液面52Aは、その面積が小さく設定されているので、図3(B)に示されるように、親液面52Aの外周に液滴90が漏れ出す。この状態で基台20の上昇を停止させる。この結果、親液面52Aの全域が液体で濡れた状態となり、且つ親液面52Aと評価面80Aの間には隙間Pが確保される。なお、この隙間Pは、0mmより大きく且つ1mm以下となる範囲に制御することが好ましい。望ましくは0.5mm以下で停止させる。
【0035】
次いで、基台20を下方に移動させることで、評価面80Aと親液面52Aを面直角方向に離反させていくと、図3(C)に示されるように、液体の付着力によって測定治具50が下側に引っ張られる。既に述べたように、評価面80Aと比較して親液面52Aの方が評価対象の液体に対する濡れ性が強い(接触角が小さい)ことから、親液面52Aと液体の境界は相互に強く結合している。一方、評価面80Aと液体の境界は相互に弱く結合している。従って、隙間Pが広がっていくと、評価面80Aと液体の境界の結合状態が優先的に剥がれようとする。電子天秤40によって、測定治具50が下側に引っ張られる抵抗力を測定すれば、液体と評価面80A側の結合力のみが測定されることになる。しかも、親液面52Aと液体は全面的に濡れて付着していることから、液体と評価面80Aの結合力(抵抗力)が生じている領域(面積)は、親液面52の全体と殆ど一致する。従って、電子天秤40で測定された抵抗力を、親液面52の面積で割れば、評価面80A側における単位面積当たりの結合力、即ち定量的な付着力を測定することが可能となる。
【0036】
以上、本第1実施形態の測定装置1によれば、濡れ性の強い面状の親液面52Aと、濡れ性の弱い評価面80Aを平行に対向させることで、評価面80Aに広がる液体を面状態で引っ張ることで、評価面80Aと液体の結合力(離れる際の抵抗力)を測定することが可能になる。この結果、例えば、親液面52Aの面積に基づいて、その結合力を評価すれば、単位面積当たりの付着力を算出することが可能になり、客観性の高い評価指標が得られる。即ち、従来の液滴の架橋を利用して測定する手法では、その結合力が液滴の架橋状態に依存するため、付着力を単位面積の観点から評価することが困難であるが、本第1実施形態では、親液面52Aの濡れ性を強くすることで、引っ張り面積を親液面52A全体で定量化できる利点がある。なお、ここでは評価面80Aと比較して親液面52Aの面積が小さくすることで、親液面52Aの面積によって単位面積当たりの付着力を算出しているが、勿論これとは逆に、評価面80A側の面積を小さくすることで、評価面80Aの全域を濡らすようにし、評価面80Aの面積によって単位面積当たりの付着力を算出しても良い。
【0037】
特に本測定装置1によれば、親液面52Aを、白金を主として含む材料で構成しており、濡れ性が非常に強いことから、殆どの材料の対象物80についての測定を行うことが出来る。勿論、評価面80Aよりも濡れ性が強い材料であれば、他の材料を用いることもできる。
【0038】
なお、本第1実施形態では、親液面52Aと評価面80Aが平面である場合を示したが、例えば図4(A)に示されるように、評価面80Aが湾曲面である場合や、図4(B)に示されるように屈曲面である場合は、その形状に合わせて親液面52Aを湾曲、屈曲させて評価面80Aと平行となるようにすることが好ましい。
【0039】
また、本第1実施形態では、評価面80A側に液滴を滴下して予め濡らしておき、この評価面80Aに親液面52Aを接近させる場合を示したが、親液面52A側を液体で予め濡らしておき、この親液面52Aに評価面80Aを接近させることも好ましい。
【0040】
次に、第2実施形態に係る液体付着力測定装置101(以下、測定装置101という)について図5以降を参照して説明する。この測定装置101は、評価面と液体の面方向の付着力(滑り性)を測定するものである。なお、基台に対する対象物の固定方法と測定治具の形状を除けば、第1実施形態の測定装置1と同じ構成であるので、ここでは相違点を中心に説明する。また、測定装置101の図及び説明中における符号の下二桁を、第1実施形態の測定装置1と一致させることで、個々の部材の説明は第1実施形態の説明を援用する。
【0041】
この測定装置101は、基台20の上面に、評価面180Aの面方向が鉛直方向となるように対象物180を載置する。測定治具150は、鉛直方向に配置される長方形の白金プレート152と、この白金プレート152の上側端縁において面方向且つ上方に突出する被フック部154を備える。この被フック部154を、電子天秤140のフック142に引っかけることで、測定治具150が保持される。白金プレート152の一方の面は、対象物180の評価面180Aよりも濡れ性の大きい面状の親液面152Aとなっている。特にこの測定治具150は、フック142に引っかけた状態で、親液面152Aの面方向が鉛直となるように重心が設定されている。従って、評価面180Aと親液面152Aは共に面方向が鉛直となり、互いに平行状態で対向させることができる。なお、測定治具150の親液面152Aのサイズは、評価面180Aのサイズよりも小さく設定される。
【0042】
次に、図6を参照してこの測定装置101を利用した面方向の付着力の測定方法を説明する。
【0043】
この測定装置101では、まず、対象物180を基台120にセットしておき、基台120を予め上昇させておく。一方、測定治具150を評価対象となる液体に浸漬して、親液面152Aを液体で濡らした後、測定治具150をフック142に引っかけて、図6(A)に示されるように、親液面152Aと評価面180Aの間に液体190を挟持させる。この結果、親液面152Aの全体が液体190で濡れた状態となる。
【0044】
次いで、基台120を下方に移動させることで、評価面180Aと親液面152Aを面方向に相対移動させていくと、図6(B)に示されるように、液体190の付着力(抵抗力)によって測定治具150が下側に引っ張られる。既に述べたように、評価面180Aと比較して、親液面152Aの方が液体190に対する濡れ性が強い(接触角が小さい)。従って、親液面152Aと液体190の境界は相互に強く結合しており、評価面180Aと液体190の境界は相互に弱く結合している。従って、この両者の面方向の相対移動中は、評価面180Aと液体190の境界の面方向の結合が優先的にずれていく。電子天秤140によって、測定治具150が下側に引っ張られる力、即ち、ずれによる抵抗力を測定すれば、液体190と評価面180A側の面方向の結合力のみが測定される。しかも、親液面152Aと液体190は全面的に濡れて付着していることから、液体190と評価面180Aの間の結合力(抵抗力)が生じている領域(面積)は、親液面152の全面積と殆ど一致する。従って、電子天秤140で測定された抵抗力を、親液面152の面積で割れば、評価面180A側における単位面積当たりの面方向の結合力、即ち面方向の定量的な付着力を測定することが可能となる。
【0045】
この第2実施形態の測定装置101によれば、液体と評価面180Aの面方向の付着力を算出することが可能になる。例えば、ガラス表面に対して、液体がどの程度、面方向に滑って移動し易いか否かについて、定量的に評価することが可能となる。特に、評価面180Aと親液面152Aを鉛直方向に保持しているため、液体に対して面垂直方向の重力が作用しないことから、面方向の液体の付着力のみを正確に抽出できる。一方、図7(A)に示されるように、目的に応じて、評価面180Aと親液面152Aを水平にしたり、図7(B)に示されるように傾斜させたりして、液滴に対して、測定治具150の自重を含めた挟持力を印加しながら、両者を面方向に相対移動させても良い。また、本第2実施形態では、鉛直方向に相対移動させる場合を示したが、図8に示されるように、水平方向に相対移動させることも可能である。
【0046】
以上、本第1、第2実施形態では、液体の付着力を検出する為に電子天秤を用いたが、本発明における力測定機構はこれに限定されず、バネばかり、その他の各種手段を用いることが出来る。また、移動機構となるスライダは、ボールねじで駆動するタイプを示したが、本発明はこれに限定されず、ラック・ピニオンやリニアモータ等の他の手段を用いることもできる。また、本実施形態では、移動機構が基台20側を移動させる場合に限って例示したが、本発明はこれに限定されず、測定治具側を移動させても良い。
【0047】
尚、本発明の液体付着力測定装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、様々な対象物に対する、様々な液体の付着力を簡便、且つ高精度に測定することが可能になる。
【符号の説明】
【0049】
1、101 液体付着力測定装置
10、110 筐体
20、120 基台
30、130 スライダ
40、140 電子天秤
50、150 測定治具
52A、152A 親液面
80、180 対象物
80A、180A 評価面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物における面状の評価面に対する液体の付着力を測定する液体付着力測定装置であって、
対象物が載置される基台と、
前記対象物の前記評価面と略平行且つ該評価面よりも濡れ性の大きい面状の親液面を有する測定治具と、
前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させた状態で、前記基台と前記測定治具を相対移動させる移動機構と、
前記移動機構による相対移動中に、前記評価面と前記親液面の間に作用する抵抗力を測定する力測定機構と、
を備えることを特徴とする液体付着力測定装置。
【請求項2】
前記評価面及び前記親液面が平面であることを特徴とする請求項1に記載の液体付着力測定装置。
【請求項3】
前記評価面と比較して前記親液面の面積が小さく設定され、前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させる際、前記親液面の全域を前記液体で濡れさせることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体付着力測定装置。
【請求項4】
前記親液面を、白金を主として含む材料で構成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液体付着力測定装置。
【請求項5】
前記移動機構は、前記評価面と前記親液面を面直角方向に離反させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液体付着力測定装置。
【請求項6】
前記評価面と前記親液面の面方向が水平となるように配置されることを特徴とする請求項5に記載の液体付着力測定装置。
【請求項7】
前記移動機構は、前記評価面と前記親液面を面方向に相対移動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体付着力測定装置。
【請求項8】
前記評価面と前記親液面の面方向が非水平に配置されることを特徴とする請求項7に記載の液体付着力測定装置。
【請求項9】
前記評価面と前記親液面の面方向が略垂直に配置されることを特徴とする請求項8に記載の液体付着力測定装置。
【請求項10】
対象物における面状の評価面に対する液体の付着力を測定する液体付着力測定方法であって、
前記評価面よりも濡れ性の大きい親液面を有する測定治具を、前記対象物の前記評価面に対して略平行に配置し、
前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させ、
前記評価面と前記親液面を相対移動させることで、前記評価面と前記親液面の間に作用する抵抗力を測定する
ことを特徴とする液体付着力測定方法。
【請求項11】
前記評価面と比較して前記親液面の面積を小さく設定し、前記評価面と前記親液面の間に前記液体を保持させる際、前記親液面の全域を前記液体で濡れさせることを特徴とする請求項10に記載の液体付着力測定方法。
【請求項12】
前記評価面と前記親液面が水平となるように配置し、前記評価面と前記親液面を面直角方向に離反させながら、前記抵抗力を測定することを特徴とする請求項10又は11に記載の液体付着力測定方法。
【請求項13】
前記評価面と前記親液面の面方向が略垂直となるように配置し、前記評価面と前記親液面を面方向に相対移動させながら、前記抵抗力を測定することを特徴とする請求項10又は11に記載の液体付着力測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−191277(P2011−191277A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60083(P2010−60083)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000162504)協和界面科学株式会社 (10)