説明

液体供給機構

【課題】 設置時に液体が、液体を貯蔵する貯蔵器から漏れ出さず、家庭内の様々な場面で応用可能な液体供給機構の提供。
【解決手段】 液体を貯蔵する貯蔵器と、該貯蔵器と連通するとともに、該貯蔵器から流入する一定量の液体を一時的に収容可能な収容部と、前記収容部から液体を排出する排出機構からなり、前記収容部上部には、空気穴が形成され、前記貯蔵器と前記収容部が一体に連結されて形成されることを特徴とする液体供給機構である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、簡便に液体を供給することが可能な液体供給機構に関する。特に、該液体供給機構は、植物への灌水、身体或いは風呂場等の屋内を洗浄するための洗浄液及び醤油やソースといった液体調味料の供給を簡便に行うことを可能とする液体供給機構に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を長期間貯蔵するとともに、長期間液体を供給することを要する場合がある。例えば、長期間の留守中に植物に灌水するような場合である。
特許文献1には、自動的に植物に水分を供給するための液体供給機構が提案されている。該液体供給機構は、本明細書中、図18に示されている。
図18に示す液体供給機構(A)は、ペットボトルを利用した貯蔵器(B)と毛細管現象により水を少量ずつ灌水する導水管(C)が複数配設された配水管部(D)とからなるものである。
【0003】
【特許文献1】実開昭49−89225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図18に示すような液体供給機構(A)は、簡易な構造の装置で上記要求を満たすものであるが、以下の問題点を有するものである。
まず、設置時において、ペットボトル内の水分を配水管部(D)に供給するためにペットボトル口部を下方に向けねばならず、このときペットボトル内部の水分が流下し、使用者並びに使用者周辺を汚すものとなる。図18に示す液体供給機構(A)は水分供給以外にも使用可能であり、植物用の液状薬剤や液体肥料も供給可能であるが、このような液状物を供給しようとする際には、この設置時の汚染の問題は深刻である。例えば、液体肥料が使用者の身体に付着した場合には、その付着した皮膚に炎症を生じたりするものとなる。
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであって、設置時に液体が、液体を貯蔵する貯蔵器から漏れ出さず、家庭内の様々な場面で応用可能な液体供給機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、液体を貯蔵する貯蔵器と、該貯蔵器と連通するとともに、該貯蔵器から流入する一定量の液体を一時的に収容可能な収容部と、前記収容部から液体を排出する排出機構からなり、前記収容部上部には、空気穴が形成され、前記貯蔵器と前記収容部が一体に連結されて形成されることを特徴とする液体供給機構である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記収容部が、前記貯蔵器側面から延出する本管と、該本管に接続するとともに一定量の液体を収容可能な容積を備えるように形成された収容室からなることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構である。
請求項3記載の発明は、前記収容室から更に複数の支管が更に延出し、該支管の一端部には更に、一定量の液体を収容可能な容積を備えるように形成された収容室が形成されることを特徴とする請求項2記載の液体供給機構である。
請求項4記載の発明は、前記各収容室の下面から突出する突出部が設けられ、該突出部が地面に埋設可能であることを特徴とする請求項3記載の液体供給機構である。
【0007】
請求項5記載の発明は、前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、前記収容部の下面には、液体を供給するための供給口が形成され、前記貯蔵器の下面には、前記供給口に対して上方に形成される連通口が形成され、前記供給口には、該供給口を閉止するとともに土中に埋設される固定具が更に備えられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構である。
請求項6記載の発明は、前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、前記貯蔵器が、下方に突出するとともに該貯蔵器内に液体を供給可能とする供給口と、前記貯蔵器下面に形成されるとともに前記貯蔵器と前記収容部を連通させる連通口を備え、前記供給口には、該供給口を閉止する蓋体が取付けられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構である。
【0008】
請求項7記載の発明は、前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、前記貯蔵器上面に、該貯蔵器内に液体を供給するための供給口が設けられ、前記貯蔵器下面に、前記収容部と連通する連通口が形成され、前記連通口には、前記連通口の開閉を制御する連通制御機構が備えられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構である。
【0009】
請求項8記載の発明は、前記連通制御機構は、前記収容部に形成される隔室と、該隔室に回転可能に保持されるとともに、一端部が前記収容部側方外部に現れる連通制御棒からなり、前記隔室は前記連通口と同軸に形成された一対の開口部を備え、前記制御棒には、該制御棒の軸に直交する連通穴が設けられ、前記制御棒を回転させ、前記連通穴が前記連通口と連結するとき、前記貯蔵器内の液体が前記収容部内に流入可能とされることを特徴とする請求項7記載の液体供給機構である。
請求項9記載の発明は、前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、前記貯蔵器上面に、該貯蔵器内に液体を供給するための供給口が設けられ、前記貯蔵器下面に、前記収容部と連通する連通口が形成され、前記空気穴が、前記収容部上面から突出するとともに筒状に形成され、該空気穴の一端部が前記貯蔵器上面に現れることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構である。
【0010】
請求項10記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部内に一端部が配され、他端部が該収容部外に配される紐体からなり、該紐体が、毛細管現象により収容部内の液体を外部へ排出可能とすることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構である。
【0011】
請求項11記載の発明は、前記他端部には、円錐或いは角錐状に形成された底部を備えるキャップ部が取り付けられ、該キャップ部内部には、空洞部が形成され、該空洞部内に前記紐体の前記他端部が挿入され、前記底部には、前記紐体から滴下した液体を排出するための排出穴が形成されていることを特徴とする請求項10記載の液体供給機構である。
請求項12記載の発明は、前記紐体の端部を除いて、耐候性材料で被覆されることを特徴とする請求項10又は11記載の液体供給機構である。
請求項13記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、前記チューブ先端に挿入されるとともに、前記収容部から前記チューブ内に流入する液体を堰き止め且つ微量ずつ排出可能な紐体からなることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構である。
【0012】
請求項14記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、
前記チューブ先端部内壁に形成されためねじ部と螺合する有底筒状のキャップ部からなり、前記めねじ部は先端に向かって広くなるテーパ状に形成され、前記キャップ部は可撓性材料から形成され、前記キャップ部側面或いは先端面には、キャップ部を通過した液体が排出可能な排出穴が形成されることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構である。
請求項15記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、前記チューブ先端部外壁に形成されたおねじ部と螺合する有底筒状のキャップ部からなり、前記キャップ部の内壁のめねじ部は、チューブ挿入口から奥方に向かうにつれて狭くなるテーパ形状に形成され、前記キャップ部側面或いは先端面には、キャップ部内の液体が排出可能な排出穴が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構である。
請求項16記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、前記チューブ先端部外壁に形成されたおねじ部と螺合する有底筒状のキャップ部からなり、前記キャップ部内部底面からは、円錐或いは角錐形状の突起部が延出し、該突起部が前記チューブ先端に挿入可能とされることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構である。
請求項17記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、前記チューブと接続するとともに上底部と下底部を備える中空の胴体部と、前記胴体部内壁から突出する環状の絞り部と、絞り部に嵌入する円錐形状の貫入部と、前記上底部と接続するとともに、前記貫入部を上下に移動可能とする調整部と、前記下底部外面から突出し、土中へ埋設される突出部からなり、前記突出部には前記胴体部内部と連通する流路が形成され、前記突出部外周面には、前記流路と連通するとともに前記胴体部内の液体を排出可能とする排出穴が設けられることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構である。
請求項18記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、前記収容部内部上面から下方に向かって延出するばね体と、前記ばね体下端と接続するとともに前記排出口を塞ぐように形成されたストッパと、前記ストッパ下面から突出するとともに前記排出口を貫く棒体からなり、前記棒体を押し上げると、前記収容部内の液体が前記排出口から排出可能とされることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構である。
【0013】
請求項19記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、前記排出口と連結可能な開口部を備えるとともに前記収容部に回転可能に支持される回転筒からなり、前記回転筒を回転させて、前記回転筒の開口部が、前記収容部に形成された排出口に連結したときに前記収容部内の液体が前記収容部下面に形成される開口部から流出可能であることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構である。
【0014】
請求項20記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、前記排出口を閉止するストッパと、前記ストッパを横方向に移動させる棒体と、前記ストッパの移動を案内する隔室からなることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構である。
請求項21記載の発明は、前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、前記排出口に回転可能に支持される球体からなることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構である。
請求項22記載の発明は、前記貯蔵器内に撹拌羽根が設けられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構である。
請求項23記載の発明は、前記貯蔵器が更に、前記撹拌羽根を回転させるモータと、前記モータに電力を供給するバッテリ並びに太陽電池を備えることを特徴とする請求項22記載の液体供給機構である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、貯蔵器と収容部が一体に形成されているので、貯蔵器と収容部の連結作業を要せず、設置時に貯蔵器に貯蔵された液体が散乱することがなく衛生的な設置作業を行うことが可能となる。更に、貯蔵器と収容部が一体に形成されているので、液体供給機構の運搬作業が容易となり、液体供給機構の設置作業を容易にする。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、収容室を始点として、貯蔵器から離れた場所に容易に液体を供給可能となる。
請求項3記載の発明によれば、広範囲に長期間液体を供給することが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、液体供給機構が地面に確実に固定されることとなり、載置安定性を高めることが可能となる。
【0017】
請求項5及び6記載の発明によれば、収容部が貯蔵器の下方に位置するため、載置時に広い場所を必要としない。また、液体供給時に液体供給機構の上下を逆にし、液体供給停止時に供給口を閉止し、上下を戻すことで貯蔵器に供給された液体を散乱させることなしに液体供給機構内に収めることが可能となる。また、固定具が地面に埋設可能とされるので、載置安定性に優れた液体供給機構となる。
【0018】
請求項7及び8記載の発明によれば、収容部が貯蔵器の下方に位置するため、載置時に広い場所を必要としない。また、連通制御機構を閉状態とし、貯蔵器内に液体を供給させることで、液体供給機構から、収容部に液体が供給されず、液体供給機構設置時の液体の散乱を確実に防止可能となる。
請求項9記載の発明によれば、収容部が貯蔵器の下方に位置するため、載置時に広い場所を必要としない。また、液体を貯蔵器内に供給しているときに空気穴を閉じることで、収容部への液体の流入を防ぐことができ、液体供給機構設置時の液体の散乱を確実に防止可能となる。
【0019】
請求項10記載の発明によれば、紐体から微量ずつ長期間連続的に液体を所望の場所に供給可能となる。
請求項11記載の発明によれば、紐体先端がキャップ部に保護されるので、紐体を交換する手間が低減される。更に、キャップ部先端が土中に埋設可能であるので、紐体先端を確実に所望の液体供給場所に固定することが可能となる。
請求項12記載の発明によれば、耐候性材料で被覆されるので、屋外での液体供給の使用に供されたときに、紐体が損傷することが防がれる。したがって、長期間の屋外の使用に好適な液体供給機構となる。
請求項13記載の発明によれば、液体供給機構設置時から短時間で所望の場所に液体を供給可能となる。また液体供給量は微量かつ長時間連続的に行われるものとなる。
【0020】
請求項14乃至16記載の発明によれば、チューブとキャップ部との螺合を大きくすることで、キャップ部からの液体排出量を低減させ、チューブとキャップ部との螺合を小さくすることで、キャップ部からの液体排出量を増加させることが可能となる。
請求項17記載の発明によれば、貫入部の絞り部への貫入深さにより突出部からの液体排出量を調整可能となる。
【0021】
請求項18乃至20記載の発明によれば、液体の流出並びにその停止を容易に制御可能となる。
請求項21記載の発明によれば、高粘度の液体を一定流量で供給可能となる。
【0022】
請求項22記載の発明によれば、貯蔵器内に貯蔵された液体の成分分離を防止することが可能となる。
請求項23記載の発明によれば、省電力で、貯蔵器内に貯蔵された液体の成分分離を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る液体供給機構の実施形態について、図を参照しつつ説明する。図1は第1の実施形態を示す。第1の実施形態は、本発明に係る液体供給機構を植物への水分補給のための自動潅水装置として用いられる形態を例示して説明するが、本実施形態はこの使用形態に限られるものではなく、液体肥料の供給或いは植物用の液体薬剤投与のために用いられてもよい。
本発明に係る液体供給機構(1)は、貯蔵器(2)と収容部(3)を備える。収容部(3)は貯蔵器(2)側面から横方向に延設し、貯蔵器(2)と一体的に形成されている。収容部(3)が貯蔵器(2)と一体的に形成されているので、貯蔵器(2)と収容部(3)との連結作業を要せず、液体供給機構(1)設置時において、貯蔵器(2)内部の液体が外部に散乱することが防止される。
【0024】
貯蔵器(2)上面には、貯蔵器(2)内部に液体を供給可能とするための供給口(21)が設けられている。
また、貯蔵器(2)側面には、固定具(4)が着脱自在に取り付けられている。貯蔵器(2)内に液体を供給し、貯蔵器(2)を所望の場所に載置した後、固定具(4)は貯蔵器(2)側面下縁付近に形成された環状の取付部(22)に挿入される。固定具(4)は下方に向けて細くなるテーパ形状に形成され、取付部(22)に挿入された後、固定具(4)の頭部をハンマ等で打ち付けることにより、固定具(4)下端を土中に埋設可能とされる。これにより、貯蔵器(2)は所望の場所に安定的に固定される。ハンマで固定具(4)を打ち付ける代わりに、固定具(4)下端が挿入可能な穴を地面に形成し、取付部(22)に取り付けられた固定具(4)を、該穴に挿入し、該穴の周囲を踏み固めて、貯蔵器(2)を地面に固定する方法も採用可能である。
【0025】
収容部(3)は、貯蔵器(2)内で貯蔵された液体を一時的に収容する部分である。
図1に示す例において、収容部(3)は、貯蔵器(2)側面から延出する本管(31)と、本管(31)先端部に形成される収容室(32)からなる。収容室(32)上面には、空気穴(33)が形成されている。空気穴(33)には虫等の侵入を防止するための網体が取付けられることが好ましい。尚、図1に示す例においては、描かれていないが、本管(31)途中部に、本管(31)を開閉するためのバルブが設けられていてもよい。
収容室(32)からは、液体排出機構(5)が延出している。尚、液体排出機構(5)の様々な形態については、後に詳述されるが、図1に示される液体排出機構(5)は、収容室(32)内部と連通するチューブと該チューブ先端に挿入された紐体からなる。尚、図1中には1つの液体排出機構(5)が示されているが、複数の液体排出機構(5)を延出させてもよい。
【0026】
次に、図1に示す液体供給機構(1)の使用形態について説明する。
まず、供給口(21)から水を供給する。所定量の水を貯蔵器(2)内に供給した後、液体供給機構(1)を所望の場所に運搬する。そして、必要ならば、固定具(4)を用いて、液体供給機構(1)を地面に固定する。この間、液体排出機構(5)の先端は、液体排出機構(5)基端部より上方に配されている。これにより、貯蔵器(2)から収容部(3)に流入した水が外部に排出されることがない。或いは、水を貯蔵器(2)内に供給した後、供給口(21)を、蓋体を用いて閉止してもよい。これにより、外部への水の排出を防ぐことが可能となる。或いは本管(31)の基端部に本管(31)を開閉するバルブを配し、バルブ操作によって水の散乱を防止してもよい。
液体排出機構(5)の先端を所望の場所に固定すると、収容部(3)に収容された水が液体排出機構(5)を通じて、外部に排出される。供給口(21)を蓋体で閉止する場合には、蓋体を除去することで、液体排出機構(5)からの水の排出が開始される。液体排出機構(5)から排出された液体の量が、貯蔵器(2)から収容部(3)に送り込まれる。
【0027】
図2及び図3は、図1に示す実施形態の応用例を示す図である。図2は、該応用例を側方から見た図であり、図3は上方から見た図である。
図2及び図3に示す例において、貯蔵器(2)は台座(S)上に載置され、地面から所定の高さに配されている。貯蔵器(2)の構成は、固定具(4)を備えていない以外は、図1に示すものと同様である。
図1に示す例と同様に、収容部(3)の構成は、本管(31)が貯蔵器(2)側面から延出し、本管(31)先端に球形状の収容室(32)が形成されている。図2及び図3に示す例においては、更に、本管(31)先端に形成された収容室(32)から複数の支管(34)が延出している。本管(31)先端の収容室(32)と支管(34)の接続は着脱自在である。また、本管(31)先端の収容室(32)の支管(34)との接続部分は、支管(34)が接続されていないときには閉止可能とされる。閉止する手段として、接続部分に蓋体を設けることや収容室(32)下流側に所定量の長さの管路を延出させ、該管路と支管(34)とをゴムチューブで接続させ連結させるとともに、該管路を開閉するバルブを設けることが挙げられる。
【0028】
支管(34)途中部並びに末端部には球状の収容室(32)が形成されている。支管(34)の軸は収容室(32)の中心を通過するようにされ、収容室(32)の底部には液溜まりが形成される。これにより、液体が常に収容室(32)に存在することとなる。
各収容室(32)の下面からは、下方に向かって突出部(35)が延出している。突出部(35)の下端は土中に埋設され、本管(31)先端の収容室(32)から延出する支管(34)群を安定的に支持している。突出部(35)の長さは、支管(34)下流に向かうにつれて短くされ、支管(34)は下流に向かうにつれて低くなるように傾斜している。これにより、貯蔵器(2)から本管(31)、本管(31)に接続する収容室(32)、支管(4)への液体流動が円滑に行われることとなる。
【0029】
各収容室(32)からは、液体排出機構(5)がそれぞれ延出している。尚、液体排出機構(5)は、支管(34)途中部に適宜配設されてもよい。
上記構造によって、広範囲に配された支管(34)群に液体が供給される。これにより、広範囲に長期間連続的に微量の水を供給し続けることができる。例えば、図3に示すように、各支管(34)を平行に整列させ、畑の畝に沿って配設し、液体排出機構(5)の先端を育成作物の根元に固定することで、貯蔵器(2)に水を供給することのみで、畑全体への水やり作業を完了させることが可能である。
収容室(32)や支管(34)途中部から多数の液体排出機構(5)を延出させる場合には、図4に示すような構造を採用することが好ましい。
図4は、支管(34)途中部から液体排出機構(5)を延出させた構造を示す。支管(34)からの液体排出機構(5)の延出部分には、環状の取付部材(341)が支管(34)外周面上に形成されている。環状の取付部材(341)内には、環状の取付板(342)が挿入される。取付板(342)中央の開口部に液体供給機構(5)が挿入され、液体供給機構(5)の一端部が支管(34)に配され、他端部が支管(34)外に配される。
このような構造を採用することにより、液体供給機構(5)の交換を容易に行うことが可能となる。
【0030】
上記説明において、使用される液体を水として説明してきたが、その他の液体を使用することも可能である。
例えば、比重の異なる複数の液体を混合させた混合液は長期間の貯蔵の間、上下に分離しやすい。このような液体を取扱うために貯蔵器(2)内部底面にプロペラ形状の撹拌機を設けてもよい。そして、撹拌機を回転させるためのモータを貯蔵器(2)の外部下面に配設し、貯蔵器(2)の上面に太陽電池パネルを設ける。太陽電池パネルと蓄電器を接続し、蓄電器からモータへ電力供給を行う。このようにすれば、貯蔵中の液体が撹拌機により撹拌され、均一に混合された液体を排出可能となる。
【0031】
図5は、図1乃至図3に関連して説明した液体排出機構(5)を示す図である。図5(a)は、液体排出機構(5)端部の拡大図であり、図5(b)は、液体排出機構(5)端部を下面から見た図である。
液体排出機構(5)は、可撓性チューブ(51)を備える。可撓性チューブ(51)は、耐候性材料から形成されることが好ましい。可撓性チューブ(51)の一端部は収容室(32)下部と連通する。可撓性チューブ(52)の他端部には、紐体(52)が挿入されている。紐体(52)は可撓性チューブ(51)内を流れる液体を堰き止めるとともに、微量ずつ液体を内部に含浸させ、下方に向かって液体を滴下させる。紐体(52)の一部は、可撓性チューブ(52)の他端部から一部突出している。この突出部分にキャップ部(53)が外嵌する。
キャップ部(53)は、紐体(52)を外嵌する直筒部(531)と直筒部(531)と一体に形成されるとともに下方に向かって細くなるテーパ筒部(532)からなる。テーパ筒部(532)には複数の開口部(533)が形成されている。テーパ筒部(532)は、土中に埋設される。紐体(52)から滴下した液体は、テーパ筒部(532)に形成された開口部(533)から土中に浸透する。
【0032】
尚、図5に示す液体排出機構(5)以外の構造も採用可能である。例えば、可撓性チューブ(51)を収容室(32)と連通させる代わりに、紐体(52)の一端部を収容室(32)内に配し、紐体(52)の他端部を地面に固定する構造であってもよい。このとき紐体(52)は毛細管現象により、収容室(32)内の液体を収容室(32)外へ送り出し、土中に液体を供給する。
このような構造を採用する場合、紐体(52)の両端部を除いて、耐候性材料で被覆することが好ましい。これにより、紐体(52)の劣化を防ぐことができる。
【0033】
図6は、図5に示す液体排出機構(5)の様々な変更形態を示す。図6(a)乃至図6(e)は、液体排出機構(5)下流側端部のそれぞれ異なる構造を示している。
図6(a)に示す形態は、図5に示す液体排出機構(5)からキャップ部(53)を取り除いた形態である。このような構造においても、土中に微量ずつ液体を供給可能である。
図6(b)に示す液体排出機構(5)は、チューブ(51)の下流側端部にめねじ部(511)を備える。めねじ部(511)は奥方に向かうにつれて狭まるテーパ形状となっている。
一端有底筒状のキャップ部(53)は、めねじ部(511)と螺合して、チューブ(51)下流側端部に取付けられる。キャップ部(53)のおねじ部(531)は可撓性材料から形成され、めねじ部(511)と螺合し、チューブ(51)の奥方に進入されるにつれて、その内部管路が縮小される。この結果、めねじ部(511)とおねじ部(531)との螺合量に応じた液体流量で、おねじ部(531)に形成された開口部(533)から液体を排出する。
尚、キャップ部(53)先端部分は、角錐或いは円錐形状に形成され、土中に挿入しやすく形成されている。
【0034】
図6(c)に示す液体排出機構(5)は、可撓性チューブ(51)の下流側端部におねじ部(511)が形成されている。
一端有底筒状のキャップ部(53)は、おねじ部(511)と螺合して、可撓性チューブ(51)下流側端部に取付けられる。可撓性チューブ(53)内壁には、めねじ部(531)が形成され、奥方に向かうにつれ、径小になるようなテーパ状に形成されている。おねじ部(511)とめねじ部(531)の螺合量を多くすると、可撓性チューブ(51)は圧縮され、内部管路が狭まる。この結果、可撓性チューブ(51)からキャップ部(53)へ向かう液体の流量は低減する。一方、おねじ部(511)とめねじ部(531)の螺合量を少なくすると、可撓性チューブ(51)からキャップ部(53)へ向かう液体流量は多くなる。
このようにして、おねじ部(511)とめねじ部(531)との螺合量によって調整された流量の液体がキャップ部(53)に形成された開口部(533)から排出される。
尚、キャップ部(53)先端部分は、角錐或いは円錐形状に形成され、土中に挿入しやすく形成されている。
【0035】
図6(d)に示す液体排出機構(5)は、チューブ(51)の先端におねじ部(511)が形成されている。
チューブ(51)のおねじ部(511)には、一端有底筒状のキャップ部(53)が螺合し、取付けられる。キャップ部(53)の内部底部からは、円錐形状の突起部(534)が突出している。突起部(534)は、チューブ(51)内に挿入され、チューブ(51)のおねじ部とキャップ部(53)のめねじ部(531)との螺合量に応じて、チューブ(51)内への挿入量が増減される。突起部(534)のチューブ(51)内への挿入量が増加すると、突起部(534)がチューブ(51)の管路を塞ぐ面積が大きくなり、チューブ(51)からキャップ部(53)へ流入する液体流量が低減する。一方で、突起部(534)の挿入量が低減すると、チューブ(51)からキャップ部(53)へ流入する液体流量は増加する。
このようにして、突起部(534)のチューブ(51)内への挿入量によって調整された流量の液体がキャップ部(53)に形成された開口部(533)から排出される。
尚、キャップ部(53)先端部分は、角錐或いは円錐形状に形成され、土中に挿入しやすく形成されている。
【0036】
図6(e)に示す液体排出機構(5)は、チューブ(51)と流量調節機構(54)からなる。
流量調節機構(54)は、中空筒状の胴体部(541)を備える。胴体部(541)側壁部から、管路が延出し、チューブ(51)と接続する。チューブ(51)からの液体は、胴体部(541)内に流入する。
胴体部(541)内壁からは、環状の絞り部(542)が延出する。絞り部(542)中央の開口部には、円錐形状の貫入部(543)が貫入される。貫入部(543)は、胴体部(541)の上底部(544)と接続する。この上底部(544)と貫入部(543)の接続部分は調整部とされ、貫入部(543)を上下に移動させる機構が備えられる。例えば、上底部(544)にめねじ部を形成し、貫入部(543)から上方に延出する棒体部分におねじ部を形成することによって、貫入部(543)を上下に移動させることができる。図6(e)に示す例においては、この棒体部分上端に円板形状のつまみが設けられ、この上下操作を容易にしている。
この貫入部(543)の上下位置に応じた流量が、絞り部(542)より上の胴体部(541)の内部空間から、絞り部(542)より下の胴体部(541)の内部空間へ流入する。
胴体部(541)の下底部(545)の外側下面からは円錐或いは角錐形状の突出部(546)が形成される。突出部(546)内部には、胴体部(541)内部と連通する管路が形成され、絞り部(542)より上の胴体部(541)の内部空間から、絞り部(542)より下の胴体部(541)の内部空間へ流入した液体が、突出部(546)内部の管路を介して、突出部(546)に形成された開口部(547)から排出される。
突出部(546)は、土中に差し込まれ、流量調節機構(54)を固定する。
【0037】
図7は、本発明の第2の実施形態を示す。図7に示す液体供給機構(1)は、土中に固定した状態である。図7(a)は、液体供給機構(1)を上方から見た図であり、図7(b)は、液体供給機構(1)を側方から見た図であり、液体供給機構(1)の概略構造を示す。
第2の実施形態に係る液体供給機構(1)は、貯蔵器(2)の下面に収容部(3)を連結させた形態である。図7に示す例においては、貯蔵器(2)と収容部(3)は円筒形状に形成されている。収容部(3)は貯蔵器(2)よりも径大に形成されている。
貯蔵器(2)下面から下方に向かって連通口(23)が延出している。この連通口(23)と収容部(3)が嵌合し、収容部(3)は貯蔵器(2)下面に固定される。貯蔵器(2)と収容部(3)の連結方法は、特に限定されるものではない。例えば、収容部(3)上面に連通口(23)に対応するとともに収容部(3)内方に突出する穴部を形成し、該穴部に連通口(23)を嵌入させてもよい。この場合には、連通口(23)外周面にゴム層を形成し、嵌入時の嵌め合いをきつくし、貯蔵器(2)と収容部(3)の間からの液体の漏れを防いでもよい。或いは、連通口(23)外周面と、収容部(3)上面に形成された穴部内壁面にねじ部を形成し、連通口(23)外周面のねじ部にオイルシールを巻回してもよい。これにより連通口(23)のねじ部と収容部(3)のねじ部との螺合により貯蔵器(2)は収容部(3)上に固定される。また、貯蔵器(2)と収容部(3)の間からの液体の漏出を防ぐことができる。
【0038】
収容部(3)の下面から下方に向かって供給口(21)が延出する。供給口(21)は連通口(23)の直下に形成される。
供給口(21)には、固定具(4)が取付けられる。固定具(4)の上部は、供給口(21)に外嵌され、供給口(21)を完全に塞ぎ、収容部(3)から液体の供給口(21)からの漏れを防ぐ。尚、固定具(4)による供給口(21)の閉塞方法は、固定具(4)をゴムで形成し、固定具(4)の上部をゴム製パッキンとして機能させてもよいし、或いは、供給口(2)と固定具(4)の上部にねじ部を形成し、ねじ部にオイルシールを巻回し、液体の漏れを防いでもよい。その他の方法として、固定具(4)を一端有底筒状に形成して、供給口(21)が固定具(4)により外嵌されるようにしてもよい。このとき供給口(21)外周面並びに固定具(4)の内壁面にそれぞれ対応するねじ部を形成し、ねじ部の螺合により固定具(4)を供給口(21)に取付ける方式を採用することも可能である。
固定具(4)の中間位置に配される部材は幅広の平板状に形成される。この中間位置の部材の下面は地面に当接し、液体供給機構(1)を地面に対して安定的に載置させる。中間位置の部材の下面からは略円錐形状の突出部が形成され、該突出部は土中に埋設されている。
【0039】
収容部(3)には、液体排出機構(5)が取り付けられている。図7に示す液体排出機構(5)は、紐体と、該紐体の端部を除いて紐体を被覆する耐候性材料からなる被覆部から構成されている。紐体の一端部は収容部(3)下部に固定され、他端部は、収容部(3)外に配される。紐体は、毛細管現象により、収容部(3)内の液体を収容部(3)の外部へ排出させる。
尚、用いられる液体排出機構(5)は、図7に示されるものに限られるものではなく、図5及び図6に示される液体排出機構(5)を適宜採用可能である。
【0040】
収容部(3)は、収容部(3)内部に基端部を備えるとともに収容部(3)上面から上方に突出する筒状の空気穴(33)を備える。空気穴(33)の収容部(3)上面から突出した部分は、貯蔵器(2)外に現れる。
筒状の空気穴(33)内には、膜状の弁体(331)が配設される。弁体(331)は、一端部が空気穴(33)の内壁に回動可能に接続している。弁体(331)は、空気穴(33)内壁との接続部を軸に、下方に回動可能とされ、弁体(331)の水平状態が回動動作の上限位置とされる。弁体(331)の上限位置において、弁体(331)は空気穴(33)を完全に塞ぐものとなる。弁体(331)の回動動作は、収容部(3)内の圧力に応じて生ずる。
【0041】
図7に示す液体供給機構(1)において、まず、供給口(21)を上方に向け、供給口(21)から液体を供給する。供給口(21)からの液体は、連通口(23)を通過し、貯蔵器(2)内に入る。貯蔵器(2)内に所定の量の液体が供給された後、液体供給を停止させる。液体供給が停止された後、固定具(4)を供給口(21)に取付ける。
固定具(4)で供給口(21)を閉塞した後、供給口(21)を下方に向ける。そして、固定具(4)の下部を土中に埋設し、液体供給機構(1)を地面に固定する。
このようにして、第2の実施形態に係る液体供給機構(1)も、液体を貯蔵器(2)に供給した後に、貯蔵器(2)と収容部(3)との連結作業を要せず、貯蔵器(2)と収容部(3)との連結作業に係る液体の漏出を生ずることがない。
【0042】
図8は、図7に示す液体供給機構(1)の変更形態を示す。ここでは図7の液体供給機構(1)から変更された部分のみを説明し、他の説明されていない部分については図7に示される液体供給機構(1)と同様の構成である。
図7の液体供給機構(1)は、収容部(3)の下面から突出する供給口(21)を備えていたが、図8に示す液体供給機構(1)の供給口(21)は貯蔵器(2)下面から下方に突出し、収容部(3)内部を貫き、供給口(21)端部が収容部(3)外部下面に現れる。供給口(21)側面には、開口部(211)が形成され、開口部(211)は収容部(3)内部空間と供給口(21)内部空間とを連通させる。供給口(21)下端部には、蓋体(212)が取り付け可能とされ、蓋体(212)は、貯蔵器(2)内の液体が供給口(21)から漏出することを防止する。
尚、開口部(211)が形成される場合には、開口部(211)から収容部(3)内に液体が流入するので、連通口(23)は形成されなくともよい。
【0043】
図8に示す液体供給機構(1)において、固定具(4)は供給口を閉塞する役割を担わない。したがって、固定具(4)を着脱自在に構成する必要がなく、収容部(3)外部下面に接着剤等で固定的に取り付けることが可能である。
また、図8に示す例において、図7の筒状の空気穴(33)の代わりに、収容部(3)上面に単なる穴が形成され、該穴が空気穴(33)として用いられている。
【0044】
図8に示す液体供給機構(1)において、まず供給口(21)を上向きにし、供給口(21)から液体を供給する。供給口(21)から供給された液体は、貯蔵器(2)に至る。貯蔵器(2)内に所望量の液体が供給された後、液体供給が停止される。液体供給を停止した後、供給口(21)を蓋体(212)で閉止する。供給口(21)を閉止した後、供給口(21)を下に向け、固定具(4)で液体供給機構(1)を地面に固定する。供給口(21)を下方に向けると、貯蔵器(2)内の液体は、連通口(23)及び供給口(21)側面に形成された開口部(211)を介して、収容部(3)に流入する。収容部(3)内に液体は、液体排出機構(5)を介して外部へ排出される。
【0045】
図9は、液体供給機構(1)の第3の実施形態を示す。
第3の実施形態に係る液体供給機構(1)は、貯蔵器(2)と貯蔵器(2)下面と接続する収容部(3)を備える。
貯蔵器(2)は上面に供給口(21)を備える。供給口(21)から液体が貯蔵器(2)内に供給される。貯蔵器(2)の下面には、連通口(23)が形成されている。貯蔵器(2)の上面には、吊下げ型の固定具(40)が取付けられる。固定具(40)は、貯蔵器(2)上面に取り付けられた複数の環状部材(401)と環状部材(401)に接続するワイヤ部材(402)からなる。環状部材(401)と結ばれていないワイヤ部材(402)の端部は、一点で接続する。この接続部分を棒状部材に引掛けることで、液体供給機構(1)は、上方から吊下げられる。
また貯蔵器(2)の壁面に貯蔵器(2)内部の液体の液位を示す目盛(24)が形成されることが好ましい。
【0046】
収容部(3)は貯蔵器(2)の下面と接続する。
収容部(3)は、連通制御機構(30)が備えられる。連通制御機構(30)は、収容部(3)内部空間の上方に設けられる円筒状の隔室(301)と、隔室(301)に挿入され、回転可能に隔室(301)に取付けられるL字状の連通制御棒(302)からなる。連通制御棒(302)の左端は収容部(3)側方外部に現れ、連通制御棒(302)の回転操作を容易にしている。
隔室(301)は連通口(23)と同軸に形成された一対の開口部(303)を備える。また、連通制御棒(302)は、連通制御棒(302)の軸に直交するとともに、開口部(303)と同軸となる位置にある連通穴(304)を備える。連通制御棒(302)を回転させ、連通穴(304)の軸が水平となったとき、貯蔵器(2)から収容部(3)内への液体の流入は停止する。連通制御棒(302)を回転させ、連通穴(304)と開口部(303)とが合致したとき、貯蔵器(2)内の液体は、収容部(3)内へ流入する。
収容部(3)内に流入した液体は、収容部(3)に取り付けられた液体排出機構(5)によって、排出される。尚、液体排出機構(5)は、上記において説明された各種の液体排出機構(5)が好適に使用可能である。
【0047】
図9に示す液体供給機構(1)において、まず目盛(24)を用いて、所定水位まで液体を供給口(21)から貯蔵器(2)内へ供給する。このとき、連通制御機構(30)は、閉状態とされ、貯蔵器(2)内に供給された液体は、収容部(3)内に流入しない。
所定量の液体を貯蔵器(2)内に供給した後、連通制御機構(30)を開状態とし、貯蔵器(2)内の液体を収容部(3)内に流入させる。このとき、貯蔵器(2)の目盛(24)を読むことで、収容部(3)内に流入する液体量を計測できる。所望の液体量を収容部(3)内に流入させた後、連通制御機構(30)を閉状態とし、貯蔵器(2)から収容部(3)内への液体流入を停止させる。そして、所定量の液体は、液体排出機構(5)により、外部へ排出される。
このようにして、連通制御機構(30)を設けることで、収容部(3)内に流入する液体の量を制御することが可能となる。
【0048】
図10は、連通制御機構(30)の他の形態を備える液体供給機構(1)を示す図である。図10(a)は、液体供給機構(1)を上方から見た図であり、図10(b)は液体供給機構(1)の縦断面図である。
図10に示す液体供給機構(1)は、貯蔵器(2)と収容部(3)を備える。
貯蔵器(2)は、上面に供給口(21)を備え、下面には下方に突出する筒状の連通口(23)が形成されている。連通口(23)を、収容部(3)上面に形成された開口部が外嵌し、貯蔵器(2)と収容部(3)を連結させる。貯蔵器(2)の周面には、図9に示す形態と同様に目盛(24)が設けられている。
収容部(3)上面からは筒状の空気穴(33)が突出している。空気穴(33)は貯蔵器(2)内部を通り、貯蔵器(2)上面にその上端が現れる。空気穴(33)の上端には、空気穴(33)を閉塞する栓が着脱自在に取付けられる。
【0049】
供給口(21)から液体を供給する際に、空気穴(33)は栓により閉塞される。
供給口(21)から供給された液体は、連通口(23)を介して収容部(3)内に至る。収容部(3)の容積以上に液体が収容部(3)内に流入すると、液体は貯蔵器(2)内に入る。そして、目盛(24)により貯蔵器(2)内の液位を観察しながら、所望の液体量を液体供給機構(1)内に供給する。その後、供給口(21)は蓋をされる。
液体排出機構(5)は、収容部(3)内にある液体を外部に排出させる。空気穴(33)が閉塞状態にある間、収容部(3)からの液体排出にかかわらず、貯蔵器(2)から収容部(3)内への液体の流入は生じない。
空気穴(33)を開状態とすると、貯蔵器(2)から収容部(3)内への液体の流入が開始する。このようにして、空気穴(33)の開閉により、貯蔵器(2)から収容部(3)への液体の流入を制御可能となる。
【0050】
図7乃至図10で示した例のように、貯蔵器(1)と収容部(3)を上下に直列に連結させることによって、全体として一体的な外形輪郭を得られることとなる。したがって、図11に示すような所望のキャラクタをあしらった形状を形成容易となる。
図11に示す液体供給機構(1)は、サンタクロースの形状をあしらったものであり、庭の装飾に用いられる置物として利用可能であり、且つ庭で育成される植物への灌水が可能な液体供給機構(1)である。
図11に示す液体供給機構(1)の構造は、貯蔵器(2)並びに収容部(3)の外形輪郭を除いて、図7に示す液体供給機構(1)と同一の構成である。サンタクロースの腰より上の部分は貯蔵器(2)であり、腰より下の部分が収容部(3)である。
このように、貯蔵器(2)と収容部(3)に所望の形状を施して、一体的なデザインを構築可能となる。
【0051】
上記説明における液体排出機構(5)は紐状の形態であったが、本発明はこれに限られるものではない。
図12は、図9に示す液体供給機構(1)の液体排出機構(5)を蛇口(61)の形態に変更したものである。蛇口(61)のノブ(611)を回転させることにより、蛇口から収容部(3)内の液体を排出可能となる。
【0052】
図13は、図9に示す液体供給機構(1)の液体排出機構(5)を変更した形態である。
図13の液体排出機構(5)は、収容部(3)下面から下方に突出する筒状の排出口(62)と、排出口(62)上端を塞ぐ円板状のストッパ(621)と、ストッパ(621)下面から下方に延出し、排出口(62)を貫入する棒体(622)と、ストッパ(621)上面と収容部(3)内部上面と接続するとともに下方にストッパ(621)を付勢するばね体(623)からなる。
棒体(622)下端部は、排出口(62)下端から突出している。これにより、棒体(622)下端部を上方に押し上げることで、ストッパ(621)は排出口(62)から離れ、収容部(3)内部の液体が排出口(62)から排出される。棒体(622)下端を押し上げる力を取り除くと、ばね体(623)は、ストッパ(621)を下方に移動させ、ストッパ(621)は再び排出口(62)上端面を塞ぐ。
尚、ストッパ(621)を上下させるための機構は、図13に示されるものに限られるものではない。例えば、図14に示すように、ストッパ(621)から棒体(622)を横方向に延出させ、棒体(622)を収容部(3)の側壁で回転可能に支持してもよい。そして、収容部(3)外に現れた棒体(622)を上下に回転させることで、ストッパ(621)を上下に移動させることが可能である。
【0053】
図15は、他の形態の液体排出機構(5)を備える液体供給機構(1)を示す。
図15に示される液体排出機構(5)は、収容部(3)下面に形成された排出口(62)と、収容室(3)内部に形成されるとともに排出口(62)と連通する隔室(624)と、隔室(624)に挿入される回転筒(625)からなる。
隔室(624)は、収容室(3)横方向に延びている。隔室(624)は、円筒状に形成され、両端は開口している。隔室(624)内に一端有底円筒状の回転筒(625)が挿入される。回転筒(625)の底部は、収容部(3)の側壁面に沿い、収容部(3)奥方に配される回転筒(625)の端部は開口している。収容部(3)内部の液体は回転筒(625)端部の開口部から回転筒(625)内部へ流入する。回転筒(625)は、隔室(624)内で回転可能に支持される。回転筒(625)周面には、開口部(626)が形成されている。回転筒(625)の回転に伴い、開口部(626)が移動する。そして、収容部(3)に形成された排出口(62)と開口部(626)が重合一致すると、収容部(3)内部の液体は回転筒(625)を介して、排出口(62)から排出される。
尚、回転筒(625)の回転操作を容易にするために、回転筒(625)底部からノブを延出させることが好ましい。
【0054】
図16は、他の形態の液体排出機構(5)を備える液体供給機構(1)を示す。
図16に示される液体排出機構(5)は、収容部(3)下面に形成された排出口(62)と、収容室(3)内部に形成されるとともに排出口(62)と連通する隔室(624)と、隔室(624)に挿入されるとともに隔室(624)内を隔室(624)軸方向に移動可能なストッパ(621)と、ストッパ(621)と接続する一端部と収容部(3)外に配される他端部を備える棒体(622)からなる。
隔室(624)は筒状に形成され、収容部(3)側壁から横方向に延出する。隔室(624)の奥方端部には、ストッパ(621)を押し戻すためのばね体(623)を固定するための壁が形成されている。ばね体(623)は、隔室(624)の奥方端部の壁とストッパ(621)の間に配される。排出口(62)の上方に位置する隔室(624)には、開口部(627)が形成される。
ストッパ(621)は、隔室(624)内壁に案内され、摺動する。ばね体(623)によって、ストッパ(621)が収容部(3)の側壁に押付けられたとき、ストッパは排出口(62)と隔室(624)の開口部(627)を同時に塞ぐ。棒体(622)により、ストッパ(621)が隔室(624)奥方に押されると、ストッパ(621)は隔室(624)内部を横方向に摺動し、隔室(624)の開口部(627)と排出口(62)が開状態となる。収容部(3)内の液体は、開口部(627)を介して、隔室(624)内に入り、その後排出口(62)から排出される。
【0055】
図17は、他の形態の液体排出機構(5)を備える液体供給機構(1)を示す。
図17に示す液体排出機構(5)は、収容部(3)下面に設けられた排出口(62)と排出口(62)に回転可能に支持された球体部(628)からなる。
球体部(628)の下側の面は、供給口(62)より下方に隆起して現れる。このような形態において、球体部(628)の上側の面には、収容部(3)内の液体が付着する。球体部(628)を回転させると、液体が付着した球体部(628)の面は下側に移動し、球体部(628)に付着した液体が収容部(3)外に現れる。
球体部(628)下面に液体が塗布される面を当接させ、球体部(628)を回転されると、当接された面上に液体が塗布される。
このような液体排出機構(5)を備える液体供給機構(1)は、比較的粘度の高い液体に好適に使用可能である。
【0056】
図12乃至図17に示した液体排出機構(5)は、上記第1乃至第3の実施形態いずれにも適用可能である。
また、使用される液体は、植物への灌水用の水のみならず、液体肥料、薬剤、身体或いは風呂場等の屋内を洗浄するための洗浄液及び醤油やソースといった液体調味料といった各種液体を使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、特に植物への灌水を行うための液体供給機構に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る液体供給機構の第1の実施形態を示す図である。
【図2】図1に示す液体供給機構の変更例を示す図である。
【図3】図1に示す液体供給機構の変更例を示す図である。
【図4】液体排出機構の取付形態を示す図である。
【図5】液体排出機構の一例を示す図である。
【図6】液体排出機構の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る液体供給機構の第2の実施形態を示す図である。
【図8】本発明に係る液体供給機構の第2の実施形態の変更例を示す図である。
【図9】本発明に係る液体供給機構の第3の実施形態を示す図である。
【図10】本発明に係る液体供給機構の第3の実施形態の変更例を示す図である。
【図11】本発明に係る液体供給機構を庭の装飾用置物兼灌水装置として構成した例を示す図である。
【図12】液体排出機構の一例を示す図である。
【図13】液体排出機構の一例を示す図である。
【図14】液体排出機構の一例を示す図である。
【図15】液体排出機構の一例を示す図である。
【図16】液体排出機構の一例を示す図である。
【図17】液体排出機構の一例を示す図である。
【図18】従来の液体供給機構を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・・・液体供給機構
2・・・・・貯蔵器
3・・・・・収容部
4・・・・・固定具
5・・・・・液体排出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯蔵する貯蔵器と、
該貯蔵器と連通するとともに、該貯蔵器から流入する一定量の液体を一時的に収容可能な収容部と、
前記収容部から液体を排出する排出機構からなり、
前記収容部上部には、空気穴が形成され、
前記貯蔵器と前記収容部が一体に連結されて形成されることを特徴とする液体供給機構。
【請求項2】
前記収容部が、前記貯蔵器側面から延出する本管と、
該本管に接続するとともに一定量の液体を収容可能な容積を備えるように形成された収容室からなることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構。
【請求項3】
前記収容室から更に複数の支管が更に延出し、
該支管の一端部には更に、一定量の液体を収容可能な容積を備えるように形成された収容室が形成されることを特徴とする請求項2記載の液体供給機構。
【請求項4】
前記各収容室の下面から突出する突出部が設けられ、
該突出部が地面に埋設可能であることを特徴とする請求項3記載の液体供給機構。
【請求項5】
前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、
前記収容部の下面には、液体を供給するための供給口が形成され、
前記貯蔵器の下面には、前記供給口に対して上方に形成される連通口が形成され、
前記供給口には、該供給口を閉止するとともに土中に埋設される固定具が更に備えられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構。
【請求項6】
前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、
前記貯蔵器が、下方に突出するとともに該貯蔵器内に液体を供給可能とする供給口と、
前記貯蔵器下面に形成されるとともに前記貯蔵器と前記収容部を連通させる連通口を備え、
前記供給口には、該供給口を閉止する蓋体が取付けられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構。
【請求項7】
前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、
前記貯蔵器上面に、該貯蔵器内に液体を供給するための供給口が設けられ、
前記貯蔵器下面に、前記収容部と連通する連通口が形成され、
前記連通口には、前記連通口の開閉を制御する連通制御機構が備えられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構。
【請求項8】
前記連通制御機構は、前記収容部に形成される隔室と、
該隔室に回転可能に保持されるとともに、一端部が前記収容部側方外部に現れる連通制御棒からなり、
前記隔室は前記連通口と同軸に形成された一対の開口部を備え、
前記制御棒には、該制御棒の軸に直交する連通穴が設けられ、
前記制御棒を回転させ、前記連通穴が前記連通口と連結するとき、前記貯蔵器内の液体が前記収容部内に流入可能とされることを特徴とする請求項7記載の液体供給機構。
【請求項9】
前記収容部が、前記貯蔵器下方に配され、
前記貯蔵器上面に、該貯蔵器内に液体を供給するための供給口が設けられ、
前記貯蔵器下面に、前記収容部と連通する連通口が形成され、
前記空気穴が、前記収容部上面から突出するとともに筒状に形成され、
該空気穴の一端部が前記貯蔵器上面に現れることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構。
【請求項10】
前記排出機構が、前記収容部内に一端部が配され、他端部が該収容部外に配される紐体からなり、
該紐体が、毛細管現象により収容部内の液体を外部へ排出可能とすることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構。
【請求項11】
前記他端部には、円錐或いは角錐状に形成された底部を備えるキャップ部が取り付けられ、
該キャップ部内部には、空洞部が形成され、
該空洞部内に前記紐体の前記他端部が挿入され、
前記底部には、前記紐体から滴下した液体を排出するための排出穴が形成されていることを特徴とする請求項10記載の液体供給機構。
【請求項12】
前記紐体の端部を除いて、耐候性材料で被覆されることを特徴とする請求項10又は11記載の液体供給機構。
【請求項13】
前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、
前記チューブ先端に挿入されるとともに、前記収容部から前記チューブ内に流入する液体を堰き止め且つ微量ずつ排出可能な紐体からなることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構。
【請求項14】
前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、
前記チューブ先端部内壁に形成されためねじ部と螺合する有底筒状のキャップ部からなり、
前記めねじ部は先端に向かって広くなるテーパ状に形成され、
前記キャップ部は可撓性材料から形成され、
前記キャップ部側面或いは先端面には、キャップ部を通過した液体が排出可能な排出穴が形成されることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構。
【請求項15】
前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、
前記チューブ先端部外壁に形成されたおねじ部と螺合する有底筒状のキャップ部からなり、
前記キャップ部の内壁のめねじ部は、チューブ挿入口から奥方に向かうにつれて狭くなるテーパ形状に形成され、
前記キャップ部側面或いは先端面には、キャップ部内の液体が排出可能な排出穴が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構。
【請求項16】
前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、
前記チューブ先端部外壁に形成されたおねじ部と螺合する有底筒状のキャップ部からなり、
前記キャップ部内部底面からは、円錐或いは角錐形状の突起部が延出し、
該突起部が前記チューブ先端に挿入可能とされることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構。
【請求項17】
前記排出機構が、前記収容部下部から延出するチューブと、
前記チューブと接続するとともに上底部と下底部を備える中空の胴体部と、
前記胴体部内壁から突出する環状の絞り部と、
絞り部に嵌入する円錐形状の貫入部と、
前記上底部と接続するとともに、前記貫入部を上下に移動可能とする調整部と、
前記下底部外面から突出し、土中へ埋設される突出部からなり、
前記突出部には前記胴体部内部と連通する流路が形成され、
前記突出部外周面には、前記流路と連通するとともに前記胴体部内の液体を排出可能とする排出穴が設けられることを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載の液体供給機構。
【請求項18】
前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、
前記収容部内部上面から下方に向かって延出するばね体と、
前記ばね体下端と接続するとともに前記排出口を塞ぐように形成されたストッパと、
前記ストッパ下面から突出するとともに前記排出口を貫く棒体からなり、
前記棒体を押し上げると、前記収容部内の液体が前記排出口から排出可能とされることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構。
【請求項19】
前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、
前記排出口と連結可能な開口部を備えるとともに前記収容部に回転可能に支持される回転筒からなり、
前記回転筒を回転させて、前記回転筒の開口部が、前記収容部に形成された排出口に連結したときに前記収容部内の液体が前記収容部下面に形成される開口部から流出可能であることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構。
【請求項20】
前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、
前記排出口を閉止するストッパと、
前記ストッパを横方向に移動させる棒体と、
前記ストッパの移動を案内する隔室からなることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構。
【請求項21】
前記排出機構が、前記収容部下面に形成される排出口と、
前記排出口に回転可能に支持される球体からなることを特徴とする請求項5記載の液体供給機構。
【請求項22】
前記貯蔵器内に撹拌羽根が設けられることを特徴とする請求項1記載の液体供給機構。
【請求項23】
前記貯蔵器が更に、前記撹拌羽根を回転させるモータと、
前記モータに電力を供給するバッテリ並びに太陽電池を備えることを特徴とする請求項22記載の液体供給機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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