説明

液体供給装置

【課題】オゾンガスを発生させてオゾンガスを満たした空間に外部の殺菌・塵埃除去が不十分な空気が混入し貯留タンク等に取り込まれることがないように、簡単な構成でオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができ、あるいは、高電圧の交流電源を用いてオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができる液体供給装置を提供する。
【解決手段】貯留タンクに注入する空気の浄化手段を備える液体供給装置であって、当該手段が空気取入口と空気注入口と空気フィルタとオゾンガス発生手段と、空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導く通気管とを有する装置を提供する。また、当該手段が、空気取入口と空気注入口と空気フィルタと、異常により空気注入口からあふれる液体によって濡れることを防止するために空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置されるオゾンガス発生手段とを有する装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾンガスを用いた空気浄化手段を有する液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体供給装置は、飲料などの液体を一時的に貯留タンクに貯めておき、バルブなどを備えた供給口から貯留タンク内の液体を注出できるようにした装置である。貯留タンク内の液体を貯留タンク外に注出する際には、注出される液体の量に見合う空気が貯留タンクに取り込まれる。このため、この空気が十分に殺菌されていなかったり塵埃が十分に除去されていなかったりすると、貯留タンク内にカビが生えたり、細菌が繁殖したりして、貯留タンク内の液体に細菌等が混入してしまうおそれがある。特に、10リットル、20リットルといった大量の液体を貯留する液体供給装置にあっては、貯留タンクを長期間にわたり使用し続ける場合が多く、上のようなおそれがより大きい。
【0003】
また、液体供給装置の中には、交換型の容器を装置にセットし(例えば、ボトル形状の容器を下向きにして貯留タンクの受入口に挿し込み)、当該交換型の容器から貯留タンクに移して一時的に貯めた液体を、利用時に貯留タンクから注出するようにしたものもある。このような装置では、当該交換型の容器が硬質で変形しないもののときは、液体が容器から貯留タンクに移動するのと入れ替わりに貯留タンク内の空気が容器内に流入するようになっている。そこで、貯留タンク内の空気が十分に殺菌されていなかったり塵埃が十分に除去されていなかったりすると、貯留タンク内の液体だけでなく、容器内の液体にまで細菌等が混入してしまうおそれがあるという問題があった。
【0004】
これを防止するため、貯留タンク内に取り込まれる空気を浄化してから貯留タンク内に取り込むようにする方法が存在する。浄化の方法として、空気を装置内の一定空間に取り込んだ後当該空間をオゾンガスで満たすことで空気中の細菌などを殺菌する方法が知られている。
【0005】
特許文献1には、オゾンガス発生手段を備える飲料ディスペンサが開示されている。同文献の飲料ディスペンサも交換型容器内の飲料を利用するタイプの装置である。このため、当該装置は飲料水が充填された交換型容器の抽出口を上部で下向きに接続する容器接続部を有する。容器接続部の下方には貯留タンクが設けられる。また、当該装置は、外部から空気を流入させる空気流入口を有するエアチャンバを備える。ユーザが貯留タンク内の飲料を注出して貯留タンク内の水位が低下するのに伴い、エアチャンバ内の空気は貯留タンクに取り込まれ、さらにこの空気と交換される形で容器内の飲料が貯留タンクに落下するようになっている。そこで、貯留タンクや交換型容器に取り込まれる空気を浄化するため、エアチャンバ内には、前記空気流入口から流入する空気中の酸素からオゾンガスを発生させるオゾンガス発生手段が設けられている(特許文献1参照)。
【0006】
また、このようなオゾンガス発生手段を有する液体供給装置において、オゾンガス発生手段の電源としては、一般に6〜12V程度の直流電源が用いられている。これは、オゾンガス発生手段で発生させたオゾンガスを液体供給装置内の一定空間内に満たすためにオゾンガス発生手段を当該空間内に配置することに伴い、電源やその他の電気系統も当該空間内に配置されることとなるが、異常により貯留タンクから水があふれた場合に手を触れて感電するおそれを防ぐためである。例えば、前出の特許文献1においても、オゾンガス発生手段は液体供給装置内の一定空間(エアチャンバ内)に配置されている。
【0007】
図7は、従来の液体供給装置の構成の一例を示す図であって、当該装置の受入口の略中心を通る垂直断面図で示したものである。本図において、液体供給装置0700(一部のみ示す。他図において同じ)は、液体0771を容れた交換型液体容器0770を保持するための受入口0710と、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンク0720(左上がり斜線で示す)とを有する。また、液体供給装置は、貯留タンク内に導かれるべき空気を一時的に滞留させるための空間0701(空間を形成している装置本体の筺体部分を右上がり斜線で示す)を有する(本図の例では装置本体の筺体のうち貯留タンク上方の空間として設けられている)。この空間はオゾンガスを満たすための空間でもあり、このため、本図の例では装置本体の筺体表面に前記空間内に空気を取り入れるための取込口0702が設けられるとともに、前記空間内にオゾンガス発生手段0734が備えられている。また、本図の例のように、一般に前記空間内の空気中の塵などを濾過するための手段として空気フィルタ0733が備えられている。なお、破線は空気の流れを示す(本図では、貯留タンク内の液体0721の水位0721aが下がる前の状態が示されているため、破線が水位より下に描かれているが、実際に空気が貯留タンク内を通過して交換型容器に中に取り込まれる際には、貯留タンク内の液体0721の水位は破線の下側に位置しているため、空気はこの水位より上の空間を通過することになる。他図においても同様である)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4253036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来の液体供給装置におけるオゾンガス発生手段については以下のような問題があった。
【0010】
まず、外部から取り込んだ空気をオゾンガスで満たすための空間を、液体供給装置本体の筺体(ケーシング)の一部を利用して形成する場合があるが、通例装置本体の筺体は複数の部材を組み合わせて構成されており、部材の継ぎ目からわずかな空気が出入りすることが避けられない。このため、せっかく空間内をオゾンガスで満たしても、そこに外部の未だ殺菌・塵埃除去が十分になされていない空気が流入して空間内の空気が再び殺菌・塵埃除去される前に近い状態に戻るおそれがあった。このような状態で貯留タンクに空気が取り込まれると、未だ殺菌・塵埃除去が十分になされていない空気も一緒に取り込まれてしまうおそれがあった。一方、特許文献1に記載の装置では、エアチャンバを装置本体内部に完全に包摂するようにして設けているが、同文献のエアチャンバも複数の部材を継ぎ合わせて構成されていることから、装置本体内に取り込まれた空気が、さらに部材の継ぎ目からエアチャンバ内に侵入するおそれは避けられないと考えられる。また、特許文献1に記載の装置は、オゾンを空気を効率よく接触させるためにエアチャンバ内に仕切り板や通気孔を設けているため、構造が複雑になっている。
【0011】
次に、オゾンガス発生手段の電源を貯留タンク近傍の空間内に配置した場合、異常により空気注入口からあふれる液体に手を触れて感電するおそれがあることから、上述のようにオゾンガス発生手段の電源として6〜12V程度の直流電源が用いられるが、より高電圧の交流電源を使用することができないため、オゾンガスによる空気の殺菌を効果的に行うことには限界があった。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、オゾンガスを発生させてオゾンガスを満たした空間に外部の未だ殺菌・塵埃除去が十分になされていない空気が混入し、このような空気が貯留タンクや交換型容器内に取り込まれることがないように、簡単な構成でオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができ、あるいは、高電圧の交流電源を用いてオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができる液体供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上の課題を解決するため、第一の発明は、交換型液体容器を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口と、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンクと、貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部とを備える液体供給装置であって、空気浄化部は、空気取入口と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、空気フィルタと、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導く通気管とを有することを特徴とする液体供給装置を提供する。
【0014】
また、第二の発明は、液体をユーザに供給するために一時的に貯留する密閉型のタンクである密閉型貯留タンクと、密閉型貯留タンクに注入するための空気を浄化する第二空気浄化部とを備える液体供給装置であって、第二空気浄化部は、空気取入口と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、空気フィルタと、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導く通気管と、を有することを特徴とする液体供給装置を提供する。
【0015】
また、第三の発明は、第一または第二の発明を基礎として、前記通気管は継ぎ目なし通気管である液体供給装置を提供する。
【0016】
また、第四の発明は、第一から第三のいずれか一の発明を基礎として、前記通気管の容積は、予定されている液体の供給量1回分の容積以下の容積である液体供給装置を提供する。
【0017】
また、第五の発明は、第一から第三のいずれか一の発明を基礎として、前記通気管の空気フィルタからオゾンガス発生手段に至る部分の容積は、予定されている液体の供給量1回分の容積以下の容積である液体供給装置を提供する。
【0018】
また、第六の発明は、第一から第五のいずれか一の発明を基礎として、前記空気フィルタは、前記オゾンガス発生手段よりも空気取入口寄りに備えられていることを特徴とする液体供給装置を提供する。
【0019】
また、第七の発明は、第六の発明を基礎として、前記オゾンガス発生手段は、前記空気フィルタよりも低位置に備えられている液体供給装置を提供する。
【0020】
また、第八の発明は、第六または第七の発明を基礎として、前記オゾンガス発生手段から下流側に過剰なオゾンをオゾンの自重で通気管外に排出するための排出口が設けられている液体供給装置を提供する。
【0021】
また、第九の発明は、第一から第八のいずれか一の発明に含まれる空気浄化部を提供する。なお、ここにいう「空気浄化部」は、第一の発明にいう「空気浄化部」と第二の発明にいう「第二空気浄化部」の両者を包摂する概念である。
【0022】
また、第十の発明は、交換型液体容器を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口と、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンクと、貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部とを備える液体供給装置であって、空気浄化部は、空気取入口と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、空気注入口から貯留タンク内に導かれる空気を浄化する空気フィルタと、異常により空気注入口からあふれる液体によって濡れることを防止するために、空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、を有することを特徴とする液体供給装置を提供する。
【0023】
また、第十一の発明は、液体をユーザに供給するために一時的に貯留する密閉型のタンクである密閉型貯留タンクと、密閉型貯留タンクに注入するための空気を浄化する第二空気浄化部とを備える液体供給装置であって、第二空気浄化部は、空気取入口と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、空気注入口から貯留タンク内に導かれる空気を浄化する空気フィルタと、異常により空気注入口からあふれる液体によって濡れることを防止するために、空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、を有することを特徴とする液体供給装置を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、オゾンガスを発生させてオゾンガスを満たした空間に外部の未だ殺菌・塵埃除去が十分になされていない空気が混入し、このような空気が貯留タンクや交換型容器内に取り込まれることがないように、簡単な構成でオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができ、あるいは、高電圧の交流電源を用いてオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができる液体供給装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例1の液体供給装置の概要を説明するための概念図
【図2】実施例1の液体供給装置の空気浄化部の構成の一例を示す図
【図3】実施例2の液体供給装置の概要を説明するための概念図
【図4】実施例3の液体供給装置の空気浄化部の構成の一例を示す図
【図5】実施例4の液体供給装置の概要を説明するための概念図
【図6】実施例5の液体供給装置の概要を説明するための概念図
【図7】従来の液体供給装置の構成の一例を示す図
【符号の説明】
【0026】
0100 液体供給装置
0110 受入口
0120 貯留タンク
0130 空気浄化部
0131 空気取入口
0132 空気注入口
0133 空気フィルタ
0134 オゾンガス発生手段
0135 通気管
0170 交換型液体容器
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、3、4、5、9などに関し、実施例2は主に請求項2などに関し、実施例3は主に請求項6,7,8などに関し、実施例4は、主に請求項10、11などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【実施例1】
【0028】
<概要>
【0029】
本実施例の液体供給装置は、交換型液体容器を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口と、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンクと、貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部とを備える液体供給装置であって、空気浄化部は、空気取入口と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、空気フィルタと、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導く通気管とを有することを特徴とする液体供給装置である。即ち、本実施例の液体供給装置は、空気浄化部が通気管を有し、空気フィルタとオゾンガス発生装置で浄化した通気管内の空気を通気管外の空気と遮断することで貯留タンク内に注入するための空気の浄化を効率的に行えるようにした点に特徴がある。
【0030】
<構成>
【0031】
(全般)
【0032】
図1は、本実施例の液体供給装置の概要を説明するための概念図である。本図に示す液体供給装置0100(交換型液体容器0170を除く部分を示す)は、液体0171を容れた交換型液体容器0170を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口0110と、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンク0120と、貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部0130とを備える。また、空気浄化部は、空気取入口0131と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口0132と、空気フィルタ0133と、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段0134と、空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導く通気管0135とを有する。
【0033】
なお、本発明の液体供給装置が供給対象とする液体の種類には限定がない。典型的には飲料水、お茶、ジュース、コーヒーなどの飲料であるが、このほか石油、灯油などの液体燃料、家庭用トイレなどの洗浄用水、さらには工業製品洗浄用水などの工業用水などであってもよい。
【0034】
(受入口)
【0035】
「受入口」は、交換型液体容器から液体を受け入れるための口である。なお、「交換型液体容器」は、液体を入れる容器であり、その形状に限定はないが、例えば本図の例のようにボトル形状をしたものである。「交換型」の容器とは、容器が空になる度に液体を満たした新たな容器と交換可能な容器という意味である。
【0036】
交換型液体容器は、容器内に液体を入れた状態で、抽出口を下向きにして液体供給装置の受入口に保持される。本図の例でも、ボトル形状の容器が抽出口を下向きにして受入口に保持されている。本図の状態では、貯留タンク内にも液体が受入口と同じ高さの水位まで満たされているため、容器内の液体は貯留タンクに落下することなく、全量が容器内に保持されたままの状態となっている。この状態からユーザが貯留タンクから液体を注出すると、貯留タンク内の水位が下がるが、このとき貯留タンク内に通気管から空気が取り込まれる。通気管から取り込まれる空気は、後述のように空気フィルタおよびオゾンガス発生手段で発生させられたオゾンガスによって浄化された空気である。この通気管から取り込まれる空気はさらに交換型液体容器内の液体と交換される形で当該容器に取り込まれる。即ち、交換型液体容器内の液体は、空気と交換される形で貯留タンクに落下し、受入口と同じ水位が回復されると落下が止まる。
【0037】
なお、交換型容器を受入口にセットする際に交換型容器内に殺菌・塵埃除去が不十分な空気が侵入してしまうと、貯留タンク内に殺菌・塵埃除去が不十分な空気が侵入しないようにするという本発明の目的自体が無意味なものとなってしまう。このため、交換型容器のセットの際には交換型容器内に殺菌・塵埃除去が不十分な空気が侵入しないようにする必要がある。このための仕組みとして、例えば、受入口を硬質樹脂などの硬質性の素材で先端が尖った筒状の形状に形成するとともに、交換型容器の口部分に当該筒状部分の先端を突き刺すことが可能な膜等で覆い、当該筒状部分を交換型容器の口部分に突き刺して固定する方法が考えられる。この場合、受入口の筒状部分が交換型容器の口部分を突き破って当該容器内に達する瞬間まで交換型容器内に外気が侵入することはなく、しかもこの瞬間に交換型容器と貯留タンクとがいわば一体となって外部から遮断された空間が形成されることになる。このため、交換型容器内に殺菌・塵埃除去が不十分な空気が侵入しないような形で当該容器を受入口にセットすることが可能となる。図1に示した受入口の形状もこのような硬質性の素材で先端が尖った筒状の形状に形成された例を示したものである。
【0038】
(貯留タンク)
【0039】
「貯留タンク」は、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留するためのものである。貯留タンクの材質、形状には特に限定はなく、従来の飲料ディスペンサなどで用いられている貯留タンクと同様でよい。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えばポリエチレンテレフタート)、生分解性プラスティックの樹脂や、ステンレスなどの金属が使用可能である。液体をユーザに供給するための手段についても従来のものと同様でよく、例えば、供給口に備えられたバルブの開閉を利用して供給する方法が考えられる。
【0040】
(空気浄化部)
【0041】
「空気浄化部」は、貯留タンクに注入するための空気を浄化するように構成されている。貯留タンクに注入する空気を浄化する目的は、貯留タンクに殺菌・塵埃除去が不十分な空気が混入することによって液体に細菌等が混入することを防止するためである。本発明において「浄化」の方法としては、空気フィルタによる濾過およびオゾンガス発生手段によって発生させられたオゾンガスによる殺菌が用いられる。このため、空気浄化部は、空気フィルタとオゾンガス発生手段を備えている。
【0042】
図2は本実施例の液体供給装置の空気浄化部の構成の一例を示す図である。本図は模式的に示したものであって、その形状の一例は図1に示したとおりである。本図に示すように、空気浄化部0230は、空気取入口0231と、空気注入口0232と、空気フィルタ0233と、オゾンガス発生手段0234と、通気管0235とを備えている。なお、破線は空気の流れを示し、空気は貯留タンク0220に注入される(図4においても同様である)。
【0043】
(空気取入口)
【0044】
「空気取入口」は、通期管内に外部から空気を取り入れるための口であり、通気管の一方の端部に設けられる。本図の例では、空気取入口は液体供給装置本体の筺体表面に設けられているが、本図の例と異なり、空気取入口は液体供給装置本体の筺体内部に設けられていてもよい。この場合には、空気取入口は、装置本体の筺体内の空気を通気管内に取り込むことになる。空気取入口の構造に特に限定はないが、例えば、通気管の端面にフィルタ(後述のように空気フィルタであっても、これとは別のフィルタであってもよい)や空気弁を設けたものなどが考えられる。あるいは、当該端面に空気フィルタを配置するようにしてもよい。
【0045】
(空気注入口)
【0046】
「空気注入口」は、空気を駐留貯留タンク内に注入するための口であり、通気管の空気取入口とは反対側の端部に設けられる。
【0047】
(空気フィルタ)
【0048】
「空気フィルタ」は、通気管から空気注入口を介して貯留タンクに取り込まれる空気に含まれる塵などを濾過することで空気を浄化するためのフィルタである。従って、空気注入口から貯留タンクに取り込まれる空気は必ず空気フィルタを介して浄化されたものである必要があり、このため、空気フィルタは空気注入口よりも上流側(空気の流れにおける上流側をいう)に通気管の断面全部を覆う形で設けられる。好適には、空気フィルタはオゾンガス発生手段よりも空気取入口寄り(上流側)に備えられる。かかる例については、別の実施例にて後述する。
空気フィルタはHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ、ULPA(Ultra Low Penetration Air)フィルタなどの高性能フィルタであることが望ましい。HEPAフィルタは定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持つフィルタであり、ULPAフィルタは定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率を持つフィルタである。また、通気管の空気注入口側にもこのような高性能フィルタを設置することが望ましい。このように構成するとともに、通気管を次に述べる継ぎ目なし通気管とすることで、通気管内のオゾンガスの濃度をさらに高濃度に保つことができ、オゾンガスによる空気の浄化をより好適に実現することができる。
【0049】
(オゾンガス発生手段)
【0050】
「オゾンガス発生手段」は、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するための手段である。本実施例のオゾンガス発生手段は、空気取入口から通気管内に取り込まれた空気に含まれる酸素から発生させられる。このため、オゾンガス発生手段も通気管内に備えられる。上述のように、空気フィルタがオゾンガス発生手段よりも空気取入口寄りに備えられていてもよいし、逆にオゾンガス発生手段が空気フィルタよりも空気取入口寄りに備えられていてもよい。
【0051】
(通気管)
【0052】
「通気管」は、空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導くための管である。管外の空気と管内の空気が出入りしない(ただし、空気取入口と空気注入口を介した空気の出入りを除く)程度に密閉された構造を有することが望ましい。「空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して」とは、空気取入口から取り入れられた空気が空気注入口から貯留タンクに注入されるまでの間に必ず空気フィルタにより濾過され、かつオゾンガス発生手段により発生させたオゾンガスによって満たされているという意味であり、必ずしも空気フィルタおよびオゾンガス発生手段が通気管内に配置されていなくてもよい。通気管は内部が空洞の管状の部材であるが、その材質や形状に特に限定はなく、金属製などの変形しない硬質のものであってもよいし、ビニール製などの軟質のものであってもよい。
【0053】
(継ぎ目なし通気管)
【0054】
さらに、通気管は「継ぎ目なし通気管」であることが望ましい。「継ぎ目なし通気管」とは、文字通り継ぎ目がない通気管であり、これは継ぎ目の僅かな隙間から管外の空気か管内に侵入しないようにすることを目的とする。典型的には、一体成型され、空気取入口と空気注入口以外には官外への空気の抜け道がない密閉された通気管をいう。もっとも、継ぎ目を設けないようにした上で、例えば管内に過剰に発生したオゾンガスを管外に逃がすための小孔を穿つなど、細菌等を含んだ空気が管内に侵入しない(空気取入口からの取り入れを除く)程度のものであれば、通気管が完全に密閉されていなくても、本実施例にいう「継ぎ目なし通気管」に含まれる。また、通気管に細菌等を含んだ空気が管内に侵入するおそれがある程度の大きさの孔を穿つ場合に、当該空気の侵入を防ぐために、当該孔部分に管内から管外への方向にのみ通気可能な逆止弁を設けてもよい。
【0055】
(通気管等の容積)
【0056】
また、通気管の容積は、予定されている液体の供給量1回分の容積以下の容積であることが望ましい。「予定されている液体の供給量1回分」とは、液体供給装置の供給対象である液体をユーザが利用するために貯留タンクから注出する際に、1回の利用分として予定されている量をいう。例えば、1回バルブを開くと100ミリリットルの液体が自動的に注出されて停止するといったように、1回の使用で100ミリリットル注出することが予定されていれば、当該100ミリリットルが「予定されている液体の供給量1回分」となる。従って、この場合、通気管の容積は、100ミリリットル以下ということになる。なお、空気フィルタおよびオゾンガス発生手段がどちらも通気管内に備えられていてもよく、このような場合には、当然ながら通気管の空気フィルタからオゾンガス発生手段に至る部分の容積も予定されている液体の供給量1回分の容積以下の容積となる。
【0057】
このように構成した目的は、通気管内の空気を淀みのない状態に保つことにある。即ち、液体の供給の都度、貯留タンク内に当該液体の供給量に見合う空気が通気管から空気注入口を介して取り込まれるところ、通気管の容積が液体の供給量以下であれば、通気管内に滞留していた空気はすべて貯留タンク内に注入される。従って、液体の供給の都度通気管内が浄化された空気で満たされることとなり、液体供給装置が長期間にわたって全く利用されないといった特段の事情がない限り、通気管内の空気が淀むことがない。
【0058】
さらに、通気管の空気フィルタからオゾンガス発生手段に至る部分の容積が予定されている液体の供給量1回分の容積以下の容積であるように構成されていてもよい。このように構成した目的も、上述の通気管の容積について同様の容積とする場合と同様である。
【0059】
<効果>
【0060】
本実施例の発明により、交換型液体容器を利用するタイプの液体供給装置において、オゾンガスを発生させてオゾンガスを満たした空間に外部の殺菌・塵埃除去が不十分な空気が混入し、このような空気が貯留タンクや交換型容器内に取り込まれることがないように、簡単な構成でオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことが可能となる。
【実施例2】
【0061】
<概要>
【0062】
本実施例の液体供給装置は、液体をユーザに供給するために一時的に貯留する密閉型のタンクである密閉型貯留タンクと、密閉型貯留タンクに注入するための空気を浄化する第二空気浄化部とを備える液体供給装置である。本実施例の液体供給装置が実施例1の装置と異なる点は、交換型容器を保持して当該容器からの液体を貯留タンクに貯留する構成に代えて、はじめから密閉型の貯留タンクに液体を貯留するようにした点にあり、実施例1空気浄化部と同一の構成をかかるタイプの装置に適用したものである。
【0063】
<構成>
【0064】
(全般)
【0065】
図3は、本実施例の液体供給装置の概要を説明するための概念図である。本図に示す液体供給装置0300は、密閉型貯留タンク0340と、第二空気浄化部0330とを備える。
【0066】
(密閉型貯留タンク)
【0067】
「密閉型貯留タンク」は、液体をユーザに供給するために一時的に貯留する密閉型のタンクであり、第二空気浄化部によって浄化された空気が空気注入口から注される場合を除き、外部の空気が貯留タンク内に侵入しないように密閉された空間を有するものである。貯留タンク内に殺菌・塵埃除去が不十分な空気が混入しないようにするためには、空気注入口以外には貯留タンク内に空気が侵入できる経路がないようにする必要がある。この点、実施例1の液体供給装置の場合は、貯留タンクの受入口が交換型容器に塞がれる形で密閉されてるのと同様の状態を作り出すことができるが、このように交換型容器、貯留タンクと段階的に液体を保持するのではなく、図3のようにはじめから貯留タンクに液体を溜める方法の場合は、実施例1のような受入口が開放された構造の貯留タンクとした場合には、この部分から殺菌・塵埃除去が不十分な空気が貯留タンク内に侵入するおそれがある。そこで、このようなタイプの液体供給装置にあっては、貯留タンクを密閉型のものとする必要があることから、本実施例の装置はかかる密閉型貯留タンクを備えるようにしたものである。
【0068】
(第二空気浄化部)
【0069】
「第二空気浄化部」は、「空気取入口」0331と、「空気注入口」0332と、「空気フィルタ」0333と、「オゾンガス発生手段」0334と、「通気管」0335とを有する。これら各手段の機能、構成自体は実施例1の液体供給装置の空気浄化部の対応する各手段と同様であるので、説明を省略する。
【0070】
<効果>
【0071】
本実施例の発明により、交換型液体容器を利用せず直接密閉型の貯留タンクに液体を貯留するタイプの液体供給装置においても、オゾンガスを発生させてオゾンガスを満たした空間に外部の殺菌・塵埃除去が不十分な空気が混入し、このような状態のままの空気が貯留タンクや交換型容器内に取り込まれることがないように、簡単な構成でオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことが可能となる。
【実施例3】
【0072】
<概要>
【0073】
本実施例の液体供給装置は、基本的に実施例1または2の液体供給装置と共通する。ただし、本実施例の液体供給装置は、空気フィルタがオゾンガス発生手段よりも空気取入口寄りに備えられている点に特徴がある。
【0074】
<構成>
【0075】
(空気浄化部:空気フィルタの配置位置)
【0076】
本実施例の液体供給装置は、空気フィルタがオゾンガス発生手段よりも空気取入口寄りに備えられるように構成されている。その余の構成は実施例1の液体供給装置と同様であるから説明を省略する。
【0077】
図4は、本実施例の液体供給装置の空気浄化部の構成の一例を示す図である。本図に示すように、空気浄化部0430は、空気取入口0431と、空気注入口0432と、空気フィルタ0433と、オゾンガス発生手段0434と、通気管0435とを備えているところ、空気フィルタはオゾンガス発生手段よりも空気取入口寄りに備えられている。
【0078】
このように構成することで、通気管内に取り込まれた空気はまず空気フィルタを通過することで塵などが濾過される。従って、オゾンガスを発生させるための酸素は、この濾過後の空気に含まれる酸素を利用することになる。このため、オゾンガスによる殺菌をより効率的に行うことができる。
【0079】
さらに、オゾンガス発生手段は、空気フィルタよりも低位置に備えられているように構成してもよい。このように構成した目的は、空気フィルタをオゾン酸化から守ることにある。即ち、オゾンは酸化力が強く、有機繊維などを材料とすることも多い空気フィルタがオゾンに触れるとその酸化作用により耐久力などが損なわれるおそれがある。そこで、オゾンガス発生手段を空気フィルタよりも低位置に備えるようにすることで、空気より比重の重いオゾンガスが空気フィルタに触れないようにしたものである。
【0080】
さらに、空気浄化部にオゾンガス発生手段から下流側に過剰なオゾンをオゾンの自重で通気管外に排出するための排出口が設けられているように構成されていてもよい。このようにすることで、液体供給のタイミング以外にも絶えずオゾンガス発生手段から発生られ、過剰となった通気管内のオゾンガスを管外に排出することが可能となる。
【0081】
<効果>
【0082】
本実施例の発明により、オゾンガスによる殺菌をより効率的に行うことができる。
【実施例4】
【0083】
<概要>
【0084】
本実施例の液体供給装置は、交換型液体容器を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口と、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンクと、貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部とを備える点で実施例1または3(交換型液体容器を利用するタイプに限る)(以下本実施例において「実施例1など」という)の液体供給装置と基本的に共通する。ただし、本実施例の液体供給装置は、オゾンガス発生手段が空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される点に特徴がある。これは、異常により空気注入口から貯留タンク内の液体があふれた場合に、これに触れて感電することを防止するためである。
【0085】
<構成>
【0086】
(全般)
【0087】
図5は、本実施例の液体供給装置の概要を説明するための概念図である。本図に示す液体供給装置0500は、交換型液体容器0501を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口0510と、受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンク0520と、貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部0530とを備える。以下、空気浄化部の構成について説明する。その余の構成は、実施例1などの液体供給装置と同様であるから説明を省略する。
【0088】
(空気浄化部)
【0089】
空気浄化部は、空気取入口0531と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口0532と、空気フィルタ0533と、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段0534を有する。空気取入口および空気注入口の機能および構成は実施例1など同様である。また、空気フィルタおよびオゾンガス発生手段を備える点も実施例1などと同様であり、空気フィルタの機能および配置位置も同様である。
【0090】
(オゾンガス発生手段)
【0091】
本実施例のオゾンガス発生手段も空気を浄化するためのオゾンガスを発生するためのものである点で、その機能は実施例1または2と同様である。ただし、本実施例のオゾンガス発生手段は、その配置位置が異なっており、空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される。これは、異常により空気注入口からあふれる液体によって濡れることを防止し、もって液体に手などを触れて感電するのを防止するためである。
【0092】
図5の例では、かかる配置位置の一例として、オゾンガス発生手段は、液体供給装置本体の筺体の外面に取り付けられている。このようにオゾンガス発生手段が液体供給装置本体の筺体の外面に取り付けられていることで、オゾンガス発生手段の取付けや故障による交換などの場合に、その作業を容易に行うことができる。
【0093】
ただし、本実施例のオゾンガス発生手段の配置位置はこのような位置に限られず、要するに、異常によって空気注入口から液体があふれた場合でもこれに濡れない位置であればよい。例えば、装置本体の筺体内に空気注入口から液体があふれた場合でもこれに濡れない程度に仕切られた空間を設けて、この空間にオゾンガス発生手段を配置するようにしてもよい。
【0094】
また、上述のような仕切られた空間として実施例1などで述べた通気管を用いてもよい。この場合、オゾンガス発生手段を通気管内に設けても、例えば空気注入口に貯留タンクから通気管方向に液体が流入しないための逆止弁を設けることで、オゾンガス発生手段が液体に濡れることを防止することができる。
【0095】
このような構成にすることで、オゾンガス発生手段の電源が従来のような6〜12Vの直流電源(乾電池など)に限定されず、100V〜200Vの交流電源を用いることが可能となり、より高電圧の電源を用いてオゾンガスによる殺菌をより効果的に行うことが可能となる。
【0096】
<効果>
【0097】
本実施例の発明により、交換型液体容器を利用するタイプの液体供給装置において、高電圧の交流電源を用いてオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができる液体供給装置を提供することが可能となる。
【実施例5】
【0098】
<概要>
【0099】
本実施例の液体供給装置は、液体をユーザに供給するために一時的に貯留する密閉型のタンクである密閉型貯留タンクと、密閉型貯留タンクに注入するための空気を浄化する第二空気浄化部とを備える点で実施例2または3(密閉型貯留容器を備えるタイプに限る)(以下本実施例において「実施例2など」という)などの液体供給装置と基本的に共通する。ただし、本実施例の液体供給装置は、オゾンガス発生手段が空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される点に特徴がある。これは、実施例4と同様、異常により空気注入口から貯留タンク内の液体があふれた場合に、これに触れて感電することを防止するためである。
【0100】
<構成>
【0101】
(全般)
【0102】
図6は、本実施例の液体供給装置の概要を説明するための概念図である。本図に示す液体供給装置0600は、密閉型貯留タンク0640と、第二空気浄化部0630とを備える。密閉型貯留タンクの構成は、実施例2で説明したところと共通するので省略する。
【0103】
(第二空気浄化部)
【0104】
第二空気浄化部は、空気取入口0610と、空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口0620と、空気注入口から密閉型貯留タンク内に導かれる空気を浄化する空気フィルタ0633と、異常により空気注入口からあふれる液体によって濡れることを防止するために、空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段0634とを有する。
【0105】
第二空気浄化部の構成は、実施例4の液体供給装置における空気浄化部の構成と同様であり、空気注入口からの空気の注入先が密閉型貯留タンクである点のみが異なる。
【0106】
オゾンガス発生手段を空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置するようにした目的も実施例4と同様である。また、図6の例では、かかる配置位置の一例として、オゾンガス発生手段は、液体供給装置本体の筺体の外面に取り付けられているが、このような位置に配置することの効果も実施例4で述べたところと同様である。さらに、オゾンガス発生手段の配置位置が本図のような位置に限られず、要するに、異常によって空気注入口から液体があふれた場合でもこれに濡れない位置であればよい点も実施例4で述べたところと同様である。
【0107】
<効果>
【0108】
本実施例の発明により、交換型液体容器を利用せず直接密閉型の貯留タンクに液体を貯留するタイプの液体供給装置においても、高電圧の交流電源を用いてオゾンガスによる空気の浄化を効果的に行うことができる液体供給装置を提供することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換型液体容器を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口と、
受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンクと、
貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部と、
を備える液体供給装置であって、
空気浄化部は、
空気取入口と、
空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、
空気フィルタと、
空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、
空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導く通気管と、を有することを特徴とする液体供給装置。
【請求項2】
液体をユーザに供給するために一時的に貯留する密閉型のタンクである密閉型貯留タンクと、
密閉型貯留タンクに注入するための空気を浄化する第二空気浄化部と、
を備える液体供給装置であって、
第二空気浄化部は、
空気取入口と、
空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、
空気フィルタと、
空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、
空気フィルタとオゾンガス発生手段を介して空気取入口からの空気を空気注入口に導く通気管と、を有することを特徴とする液体供給装置。
【請求項3】
前記通気管は継ぎ目なし通気管である請求項1または2に記載の液体供給装置。
【請求項4】
前記通気管の容積は、予定されている液体の供給量1回分の容積以下の容積である請求項1から3のいずれか一に記載の液体供給装置。
【請求項5】
前記通気管の空気フィルタからオゾンガス発生手段に至る部分の容積は、予定されている液体の供給量1回分の容積以下の容積である請求項1から3のいずれか一に記載の液体供給装置。
【請求項6】
前記空気フィルタは、前記オゾンガス発生手段よりも空気取入口寄りに備えられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一に記載の液体供給装置。
【請求項7】
前記オゾンガス発生手段は、前記空気フィルタよりも低位置に備えられている請求項6に記載の液体供給装置。
【請求項8】
前記オゾンガス発生手段から下流側に過剰なオゾンをオゾンの自重で通気管外に排出するための排出口が設けられている請求項6または7に記載の液体供給装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の空気浄化部。
【請求項10】
交換型液体容器を保持し、交換型液体容器から液体を受け入れるための受入口と、
受入口から受け入れた液体をユーザに供給するために一時的に貯留する貯留タンクと、
貯留タンクに注入するための空気を浄化する空気浄化部と、
を備える液体供給装置であって、
空気浄化部は、
空気取入口と、
空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、
空気注入口から貯留タンク内に導かれる空気を浄化する空気フィルタと、
異常により空気注入口からあふれる液体によって濡れることを防止するために、空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、を有することを特徴とする液体供給装置。
【請求項11】
液体をユーザに供給するために一時的に貯留する密閉型のタンクである密閉型貯留タンクと、
密閉型貯留タンクに注入するための空気を浄化する第二空気浄化部と、
を備える液体供給装置であって、
第二空気浄化部は、
空気取入口と、
空気を貯留タンク内に注入するための空気注入口と、
空気注入口から貯留タンク内に導かれる空気を浄化する空気フィルタと、
異常により空気注入口からあふれる液体によって濡れることを防止するために、空気注入口と連通する空間から仕切られた位置に配置される、空気を浄化するためのオゾンガスを発生するオゾンガス発生手段と、を有することを特徴とする液体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−96797(P2012−96797A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243113(P2010−243113)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(504206643)スパーク株式会社 (3)
【Fターム(参考)】