説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】封止部材と隔壁との間の剥離を抑制した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】
封止部材15が、液体供給路上に設けられる所定厚さの薄肉部29と、液体供給路22を区画する隔壁12a上に設けられ薄肉部29よりも肉厚の第1の厚肉部31と、島状突起部23上に設けられ薄肉部29よりも肉厚の第2の厚肉部32と、を有し、ヘッドケース20が第1の厚肉部31に接着されると共に第2の厚肉部32には未接着である構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を噴射する液体噴射ヘッド及びそれを用いた液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルから液滴を噴射する液体噴射ヘッドの代表例としては、例えば、圧電素子の伸縮
等によりノズルからインク滴を噴射させるインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。
【0003】
このインクジェット式記録ヘッドの構造としては、ノズルに連通する圧力発生室(圧力
室)等のインク流路が形成された流路形成基板(第1層)の一方面側に樹脂製薄膜(中間
層)と金属製薄膜(第2層)とで構成される封止部材(封止板)が接合されると共に、こ
の封止部材上にヘッドケースが接合されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−277524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような構造のインクジェット式記録ヘッドにおいては、流路形成基板と封止部材と
の間で剥離が生じやすいという問題がある。
【0006】
一般的に、インク流路が形成される流路形成基板はシリコン基板等で形成されるのに対
し、その一方面側に接合されるケースヘッドは、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等で形成さ
れ、両者の線膨張係数は大きく異なる。また樹脂等で形成されたケースヘッドは、吸水に
よる膨張が生じ易い。このような線膨張係数の差や吸水膨張の有無等に起因して、ヘッド
ケースと流路形成基板との間に歪みが生じる虞がある。
【0007】
流路形成基板とヘッドケースとは封止部材を介して接合されているため、この歪みは、
封止部材と流路形成基板との間に特に大きく作用し、この間が剥離し易くなっていた。ヘ
ッドケースと封止部材との間は比較的接着力が強いが、封止部材と流路形成基板との間は
、インクに浸されるため比較的接着力が弱いためである。
【0008】
このように封止部材と流路形成基板との間に剥離が生じると、隔壁で仕切っていた各イ
ンク供給路等の間のインク漏れを招き、インク滴が良好に噴射されなくなる虞がある。
【0009】
なおこのような問題は、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、
勿論、インク以外の液滴を噴射する他の液体噴射ヘッドにおいても、同様に存在する。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、封止部材と隔壁との間の剥離
を抑制した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する本発明は、液滴を噴射するノズルに連通する複数の圧力発生室と、
該圧力発生室に供給する液体が貯留されるマニホールドと各圧力発生室とを繋ぐ液体供給
路と、を含む液体流路が形成された流路形成基板と、該流路形成基板に接合されて前記液
体流路の一方面を封止する封止部材と、前記封止部材に固着され前記流路形成基板とは異
なる線膨張係数を有する材料からなるヘッドケースと、を有する液体噴射ヘッドであって
、前記液体供給路には、当該液体供給路を分割する島状突起部が設けられ、前記封止部材
が、前記液体供給路上に設けられる所定厚さの薄肉部と、前記液体供給路を区画する隔壁
上に設けられ前記薄肉部よりも肉厚の第1の厚肉部と、前記島状突起部上に設けられ前記
薄肉部よりも肉厚の第2の厚肉部と、を有し、前記ヘッドケースは前記第1の厚肉部に接
着されると共に前記第2の厚肉部には未接着であることを特徴とする液体噴射ヘッドにあ
る。
【0012】
例えば、前記第2の厚肉部は、前記第1の厚肉部よりも厚さが薄くなっている。すなわ
ち、第2の厚肉部とヘッドケースとの間には若干の間隙が設けられている。
【0013】
かかる本発明では、ヘッドケースが接合される第1の厚肉部においては、線膨張係数の
差に起因する歪みが生じるものの、薄膜部が設けられていることで、その歪みは大幅に緩
和される。さらに第2の厚肉部がヘッドケースとは未接着となっていることで、この第2
の厚肉部においても歪みが緩和される。したがって、この歪みによる流路形成基板と封止
部材との剥離を抑制することができる。
【0014】
ここで、前記第2の厚肉部は、前記島状突起部の幅よりも狭いことが好ましい。これに
より、封止部材の第2の厚肉部と流路形成基板とをより良好に接合することができ、封止
部材と流路形成基板との間の剥離をより効果的に抑制できる。
【0015】
また前記薄肉部は樹脂製薄膜で構成され、前記第1の厚肉部及び前記第2の厚肉部は、
前記樹脂製薄膜と該樹脂製薄膜上に形成された金属製薄膜とで構成されていることが好ま
しい。特に、前記第1の厚肉部と前記第2の厚肉部とを構成する前記金属製薄膜が、前記
樹脂製薄膜上に櫛歯状に連続して設けられていることが好ましい。これにより、線膨張係
数差に起因する歪みがより効果的に緩和され、且つ流路形成基板とヘッドケースとを封止
部材を介してより良好に接合することができる。
【0016】
また本発明は、このような構成の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装
置にある。かかる本発明では、ヘッドの耐久性、信頼性等を向上した液体噴射装置を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す概略斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る振動板の形状を示す平面図及び断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る記録装置を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図示するように、インクジェット式記録ヘッド10は、複数の圧力発生室11が形成さ
れた流路形成基板12と、各圧力発生室11に連通する複数のノズル13が穿設されたノ
ズルプレート14と、流路形成基板12のノズルプレート14とは反対側の面に設けられ
た封止部材である振動板15とを具備する。また振動板15上の各圧力発生室11に対応
して設けられる複数の圧電素子16を有する圧電素子ユニット17と、振動板15上に接
合されて圧電素子ユニット17が収容される収容部18を有するヘッドケース20とを具
備する。
【0019】
流路形成基板12には、圧力発生室11が隔壁によって区画されてその幅方向で複数並
設されている。各圧力発生室11の列の外側には、複数の圧力発生室11にインクを供給
するためのマニホールド21が設けられている。マニホールド21と各圧力発生室11と
は、インク供給路22を介して連通されている。またインク供給路22には島状突起部2
3が設けられている(図3参照)。すなわちインク供給路22はこの島状突起部23によ
って二つの流路に分割されている。圧力発生室11は、インク供給路22と連通している
ため、圧力発生室11内に生じた圧力がインク供給路22へ逃げてしまう。しかしながら
、インク供給路22に島状突起部23が設けられていることで、圧力発生室11における
圧力の減少を抑制することができる。
【0020】
また流路形成基板12には、圧力発生室11のマニホールド21とは反対の端部側に、
流路形成基板12を貫通するノズル連通孔25が形成されている。このように流路形成基
板12には、圧力発生室11、マニホールド21、インク供給路22及びノズル連通孔2
5を含むインク流路が設けられている。このような流路形成基板12は、例えば、シリコ
ン単結晶基板からなり、この流路形成基板12をエッチングすることによって圧力発生室
11等のインク流路が形成されている。
【0021】
ノズル13が穿設されたノズルプレート14は、流路形成基板12の一方面側に接着剤
等によって接合され、各ノズル13は、流路形成基板12に設けられたノズル連通孔25
を介して各圧力発生室11と連通している。
【0022】
封止部材である振動板15は、流路形成基板12の他方面側、すなわち、圧力発生室1
1のノズルプレート14とは反対側の面に接着剤によって接合されている。各圧力発生室
11等のインク流路はこの振動板15によって封止されている。
【0023】
振動板15は、図2に示すように、例えば、樹脂フィルム等からなる樹脂製薄膜である
弾性膜26と、この弾性膜26を支持する、例えば、金属材料等からなる金属製薄膜であ
る支持板27との複合板で形成されており、弾性膜26側が流路形成基板12に接合され
ている。例えば、本実施形態では、弾性膜26は、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェ
ニレンサルファイド)フィルムからなり、支持板27は、厚さが数十μm程度のステンレ
ス鋼板(SUS)からなる。
【0024】
ここで振動板15には、各圧力発生室11に対向して、圧電素子ユニット17を構成す
る各圧電素子16の先端部が当接する島部28が設けられている。すなわち振動板15は
、各圧力発生室11の周縁部に対向して他の部分よりも厚さの薄い薄肉部29が形成され
、この薄肉部29の内側にそれぞれ島部28が設けられている。圧電素子ユニット17は
、各圧電素子16の先端面がこの島部28に当接された状態で、振動板15上に接合され
たヘッドケース20の収容部18内に収容されている。なお圧電素子ユニット17として
は既存のものを採用すればよいため、詳細な説明は省略する。
【0025】
また振動板15には、コンプライアンス部30がマニホールド21に対向して設けられ
ている。このコンプライアンス部30は、薄肉部29と同様に支持板27がエッチングに
より除去されて実質的に弾性膜26のみで構成されており、マニホールド21内の圧力変
化が生じた時に、コンプライアンス部30(弾性膜26)が変形することによって圧力変
化を吸収し、マニホールド21内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
【0026】
さらに振動板15には、図3に示すように、インク供給路22に対向する部分にも薄肉
部29が形成されている。すなわち薄肉部29は、島状突起部23で分割された各インク
供給路22のそれぞれに対向して設けられている。その結果、振動板15のインク供給路
22を区画する隔壁12aに対向する部分は、薄肉部29よりも厚さが厚い第1の厚肉部
31となっている。さらに振動板15の島状突起部23に対向する部分も、薄肉部29よ
りも厚さが厚い第2の厚肉部32となっている。本実施形態では、第2の厚肉部32は、
第1の厚肉部31よりも厚さが薄くなっている。すなわち第2の厚肉部32は、振動板1
5の厚さ方向において支持板27の一部が除去されて第1の厚肉部31よりも厚さが薄く
なっている。
【0027】
また、第1の厚肉部31及び第2の厚肉部32を構成する支持板27は、その一端側に
おいて連続する櫛歯状に形成されている。なお第1の厚肉部31及び第2の厚肉部32と
なる支持板27の形成方法は特に限定されないが、支持板27は、例えば、エッチングに
より比較的高精度に形成することができる。
【0028】
また第1の厚肉部31の幅(支持板27の幅)は、インク供給路22を区画する隔壁1
2aの幅よりも若干狭く形成されている。また第2の厚肉部32の幅(支持板27の幅)
は、島状突起部23の幅よりも若干狭く形成されている。このように第1の厚肉部31は
インク供給路22に対向して設けられることなく隔壁12a上にのみ設けられていること
が好ましい。第2の厚肉部32も、インク供給路22に対向して設けられることなく島状
突起部23上にのみ設けられていることが好ましい。
【0029】
そしてヘッドケース20は、このような振動板15を介して流路形成基板12に接着剤
によって接合されている。振動板15のインク供給路22に対応する部分にもヘッドケー
ス20が接合される。インク供給路22に対応する部分において、ヘッドケース20が実
際に接合されるのは、振動板15の第1の厚肉部31に対してであり、第2の厚肉部32
に対しては未接着となっている。第2の厚肉部32とヘッドケース20との間には上述の
ように若干の隙間が形成されている。また薄肉部29とヘッドケース20との間にも隙間
が形成されており両者は未接着となっている。これによりインク供給路22に対応する部
分において、振動板15と流路形成基板12との間で剥離が生じるのを抑制することがで
きる。
【0030】
詳細に説明すると、樹脂で形成されたヘッドケース20と、シリコン基板で形成された
流路形成基板12とは、膨張係数である例えば線膨張係数が大きく異なっている。例えば
、ヘッドケース20の線膨張係数が12×10−6程度であるのに対し、流路形成基板1
2の線膨張係数は2.5×10−6程度であり、両者は大きく異なる。また流路形成基板
12は吸水膨張がないのに対し、ヘッドケース20は吸水膨張が生じる虞がある。このよ
うな線膨張係数の差や吸水膨張の有無等に起因してヘッドケース20と流路形成基板12
との間に歪みが生じ、流路形成基板12と振動板15との間で剥離が生じる虞がある。
【0031】
すなわち、ヘッドケース20と流路形成基板12(隔壁12a)との膨張率が異なると
、その中間に配置されている振動板15に歪みの応力が生じる。このとき、インクに浸さ
れている振動板15の弾性膜と隔壁12aとの間の接着部が、両者の膨張率の相違に基づ
く歪みの影響を受けて剥離し易い。
【0032】
しかしながら本発明では、ヘッドケース20は第1の厚肉部31に接合されると共に、
第1の厚肉部31に隣接して、ヘッドケース20が接合されない薄肉部29が配されてい
る。さらに本発明では、第2の厚肉部32もヘッドケース20とは未接着となっている。
このため振動板15には第1の厚肉部31にのみに歪みが生じると共に、薄肉部29が変
形することによってその歪みは大幅に低減される。したがって振動板15の弾性膜26と
流路形成基板12(隔壁12a)との間の剥離を抑制することができる。またその結果、
隔壁12aから隣接するインク供給路22にインクが漏れることを未然に防止することが
できる。
【0033】
また振動板15の第2の厚肉部32は薄肉部29に比べて剛性が高くなっている。特に
本実施形態では、上述したように第1の厚肉部31と第2の厚肉部32とが櫛歯状に形成
されており、剛性がより高められている。このため振動板15の第2の厚肉部32と流路
形成基板12の島状突起部23とを接着剤によって良好に接合することができる。また本
実施形態では第2の厚肉部32が第1の厚肉部31よりも薄くなっているため、第2の厚
肉部32がヘッドケース20に直接押圧されることがない。したがって、第2の厚肉部3
2と島状突起部23との間の接着剤がインク供給路22内に流れ込むことも抑制すること
ができる。つまり隔壁12aと振動板15との剥離を抑制しつつ、第2の厚肉部32と島
状突起部23とを良好に接合することができる。
【0034】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるもの
ではない。例えば、上述の実施形態では、第2の厚肉部の厚さを第1の厚肉部よりも薄く
するようにしたが、第2の厚肉部は第1の厚肉部と同一厚さで形成されていてもよい。こ
のような構成としても第2の厚肉部がヘッドケースとは未接着であれば、上述の実施形態
と同様の効果が得られる。
【0035】
また、このような構成のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通
するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録
装置に搭載される。図4は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0036】
図4に示すインクジェット式記録装置Iにおいて、インクジェット式記録ヘッド10を
有する記録ヘッドユニット1は、インク供給手段を構成するカートリッジ2を着脱可能に
備える。記録ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられた
キャリッジ軸5に軸方向移動可能に設けられている。この記録ヘッドユニット1は、例え
ば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0037】
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を
介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1を搭載したキャリッジ3
はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプ
ラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒
体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
【0038】
なおインクジェット式記録装置Iとして、記録ヘッドユニット1がキャリッジ3に搭載
されて主走査方向に移動するものを例示したが、インクジェット式記録装置Iの構成はこ
れに限定されるものではない。インクジェット式記録装置Iは、例えば、インクジェット
式記録ヘッドが固定されて、紙等の記録シートを副走査方向に移動させることで印刷を行
う、いわゆるライン式のものであってもよい。
【0039】
また上述した例では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げ
て説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の
液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。液体噴射ヘッドとしては
、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッドの他、液晶ディス
プレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ
、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイ
オchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【符号の説明】
【0040】
10 インクジェット式記録ヘッド、 11 圧力発生室、 12 流路形成基板、
12a 隔壁、 13 ノズル、 14 ノズルプレート、 15 振動板(封止部材)
、 16 圧電素子、 17 圧電素子ユニット、 18 収容部、 20 ヘッドケー
ス、 21 マニホールド、 22 インク供給路、 23 島状突起部、 25 ノズ
ル連通孔、 26 弾性膜、 27 支持板、 28 島部、 29 薄肉部、 30
コンプライアンス部、 31 第1の厚肉部、 32 第2の厚肉部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を噴射するノズルに連通する複数の圧力発生室と、該圧力発生室に供給する液体が
貯留されるマニホールドと各圧力発生室とを繋ぐ液体供給路と、を含む液体流路が形成さ
れた流路形成基板と、該流路形成基板に接合されて前記液体流路の一方面を封止する封止
部材と、前記封止部材に固着され前記流路形成基板とは異なる線膨張係数を有する材料か
らなるヘッドケースと、を有する液体噴射ヘッドであって、
前記液体供給路には、当該液体供給路を分割する島状突起部が設けられ、
前記封止部材が、
前記液体供給路上に設けられる所定厚さの薄肉部と、
前記液体供給路を区画する隔壁上に設けられ前記薄肉部よりも肉厚の第1の厚肉部と、
前記島状突起部上に設けられ前記薄肉部よりも肉厚の第2の厚肉部と、
を有し、
前記ヘッドケースは前記第1の厚肉部に接着されると共に前記第2の厚肉部には未接着
であることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記第2の厚肉部は、前記第1の厚肉部よりも厚さが薄いことを特徴とする請求項1に
記載の液体噴射ヘッド。
【請求項3】
前記第2の厚肉部は、前記島状突起部の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1又は2
に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
前記薄肉部は樹脂製薄膜で構成され、前記第1の厚肉部及び前記第2の厚肉部は、前記
樹脂製薄膜と該樹脂製薄膜上に形成された金属製薄膜とで構成されていることを特徴とす
る請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項5】
前記第1の厚肉部と前記第2の厚肉部とを構成する前記金属製薄膜が、前記樹脂製薄膜
上に櫛歯状に連続して設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド

【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射
装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−213973(P2012−213973A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81701(P2011−81701)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】