説明

液体容器の取付構造

【課題】 液体容器の洗浄が不要で、構造が簡単になる液体容器の取付構造を提供すること。
【解決手段】 液体容器の取付構造20の液体容器30を、筒状開口部34を備えた容器本体31と、筒状開口部34に着脱可能に取り付けられ上面に挿通孔32bが形成された蓋部32と、蓋部32の挿通孔32bを通る吐出管33aと押圧部33bと吐出口33cを含むポンプ33とからなるポンプディスペンサー式の容器で構成した。また、壁面部11aに取付孔25を備えた手前が下方になるように傾斜した支持部材22と前面カバー23を備えた収納ボックス21取り付けた。そして、取付孔25に筒状開口部34を通し、その状態の筒状開口部34に蓋部32を取り付けて液体容器30を支持部材22に固定した。また、取付孔25の周縁部に収縮可能な弾性部材26を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボディソープやシャンプー等の液状入浴用品が収容された液体容器を浴室内における所定の取付場所に取り付けるための液体容器の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴室内で使用されるボディソープやシャンプー等の液状入浴用品は、カウンター上や棚等に置かれる場合が多い。また、このような液状入浴用品の中には、押しボタンと吐出用ノズルを備えた収納ボックス内に収容されて使用されるものがある(例えば、特許文献1参照)。この収納ボックスは、押しボタンを押すことにより内部に収容された液状入浴用品を吐出用ノズルから所定量ずつ外部に吐出するように構成されている。
【特許文献1】特開2000−102491号公報
【発明の開示】
【0003】
しかしながら、カウンター上にボディソープ等を置いた場合には、置いた場所が汚れてしまうといった問題がある。また、前述した従来の収納ボックスにおいては、カウンター上等が汚れることはないものの、収納ボックスに押しボタンや吐出用ノズルを設けなければならないため、構造が複雑になるという問題があり、更に、収納ボックスの収容部に入れる液状入浴用品の種類を変える場合には、収容部内の洗浄が必要になり手間が係るという問題もある。さらに、商品の表示がされた容器から液状入浴用品を収容部に移し替えるため収容部に収容された液状入浴用品の種類が分からなくなるという問題もある。
【0004】
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、カウンター上等が汚れることがなく、液体容器の洗浄が不要で、構造が簡単になる液体容器の取付構造を提供することである。
【0005】
前述した目的を達成するため、本発明に係る液体容器の取付構造の構成上の特徴は、液上部に筒状開口部が設けられた容器本体と、筒状開口部の外周部に着脱可能に取り付けられ上面に挿通孔が形成された蓋部と、蓋部の挿通孔に液密的に挿通する管状部と管状部の上端に設けられた押圧部と、押圧部に設けられた吐出口を含むポンプとからなると共に液状入浴用品が収容されたポンプディスペンサー式の液体容器を浴室内における所定の取付場所に取り付けるための液体容器の取付構造であって、取付場所に取付孔を備えた支持部材を取り付け、取付孔の下方から上方に向けて筒状開口部を通し、その状態の筒状開口部に蓋部を取り付けて容器本体の底部を空中に浮かせた状態で液体容器を支持部材に固定することにより取付場所に取り付けたことにある。
【0006】
このように構成した本発明に係る液体容器の取付構造では、市販のポンプディスペンサー式の容器をそのまま液状入浴用品を収容する液体容器として使用でき、支持部材は、液状入浴用品を収容するのではなく液体容器を支持するだけで済むため、簡単な構造にでき製造が容易になるとともに安価につく。さらに、液体容器内の液状入浴用品が無くなった場合には、詰め替え用の液状入浴用品を詰め替えたり、液体容器ごと新たな液体容器と取り替えることができるため、空になった液体容器の洗浄作業は不要になる。また、容器本体の底部を浮かせた状態で容器本体が支持部材に固定されるため、カウンター上等が汚れることもない。
【0007】
更に、市販の液体容器には、内容物の表示があるため、液状入浴用品の種類を間違えることがなくなる。なお、この場合の取付場所としては、浴室の壁面部、浴槽の側面部等、浴室内の種々の場所とすることができるが、入浴者が身体や頭を洗うときに位置するカウンターの前部の近傍とすることが好ましい。また、取付孔は、筒状開口部を通すことができ、蓋部を通すことができない大きさにすることが好ましいが、取付孔の周縁部に所定の固定用部材を設けて、取付孔に液体容器を固定することもできる。
【0008】
本発明に係る液体容器の取付構造の他の構成上の特徴は、取付孔の周縁部に収縮可能な弾性部材を設けたことにある。これによると、筒状開口部の大きさが異なる液体容器であっても、弾性部材がその大きさに応じて収縮するため、種々の大きさの液体容器を安定した状態で取り付けることができる。
【0009】
本発明に係る液体容器の取付構造のさらに他の構成上の特徴は、支持部材の下部側に、容器本体を被覆するカバー部材を着脱可能に取り付けたことにある。
【0010】
これによると、カバー部材で液体容器を被覆できるため美観が増すようになる。また、液体容器を取り替える際には、カバー部材を外すことができるためカバー部材が取り替え作業の邪魔になることはない。さらに、カバー部材が汚れて洗浄する際にも、カバー部材を外すことができるため洗浄作業がしやすくなる。また、一般に、市販のポンプディスペンサー式の液体容器では、シャンプー、リンス、ボディソープ等の内容物の区別がつくように、ポンプ取付部の蓋部が色分けされているため、容器本体がカバー部材で隠れても内部の液状入浴用品の種類を知ることができる。また、この場合、カバー部材は容器本体の前面や側面を被覆し底面側は開口した状態にすることが好ましい。これによると、カバー部材の内部に湯水や液状入浴用品が溜まることを防止できる。
【0011】
また、本発明に係る液体容器の取付構造のさらに他の構成上の特徴は、支持部材の取付場所への取付側部分の高さよりも、支持部材の先端側部分の高さが低くなるようにして、液体容器の上部側が液体容器の底部側よりも取付場所から離れるように液体容器を傾斜させて設置したことにある。
【0012】
これによると、ポンプの押圧部や吐出口が、液体容器内の液状入浴用品を使用する入浴者に近づくと共に傾いた状態となるため、押圧部の操作がし易くなるとともに、吐出口から吐出される液状入浴用品が、支持部材や液体容器の表面等にかかってしまうようなことがなくなる。また、支持部材が、手前側が低くなるように傾斜しているため、支持部材を板状のもので構成してもその上面に水勾配が形成される。したがって支持部材の上面に湯水が溜まることがなく、汚れ防止も可能になる。
【0013】
また、本発明に係る液体容器の取付構造のさらに他の構成上の特徴は、取付場所を壁面部に設けられた凹部で構成するとともに、凹部に凹部の奥部から凹部の開口側に向って延びるガイド部を設け、支持部材をガイド部に沿って移動可能に取り付けたことにある。
【0014】
これによると、液状入浴用品を使用しないときには、液体容器を凹部内に後退させておき、液状入浴用品を使用するときに、液体容器を凹部から引き出すことができる。このため、液状入浴用品を使用しないときに、液体容器が壁面部から突出して邪魔になることがなくなる。この場合、ガイド部を円弧状に形成して、液体容器を凹部から引き出したときに、液体容器の底部が凹部内に残り液体容器の上部が手前側に傾斜して凹部から突出するようにすることが好ましい。また、液体容器が垂直な姿勢を維持したたまま凹部の内部から手前側に移動するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明に係る液体容器の取付構造のさらに他の構成上の特徴は、支持部材を、周縁部が曲面状に形成された支持穴を備えた支持部と、液体容器が取り付けられ支持穴の周縁部に対して摺動可能な摺動部とで構成し、摺動部を支持穴の周縁部に対して摺動させることによって液体容器の傾斜角度を調整可能としたことにある。これによると、液体容器の傾斜角度を任意の角度に調節することができるため、液体容器をその都度使い易い角度に傾斜させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて詳しく説明する。図1は本発明に係る液体容器の取付構造20を備えた浴室10を示している。この浴室10では、浴室10内と屋外とを仕切る壁面部11に窓12が設けられており、床面13における窓12側部分に浴槽14が壁面部11に沿って設けられている。また、この浴槽14は、図1における前後の側面を、それぞれ壁面部11a等(手前側の壁面部は図示せず)に沿わせて設置されている。そして、壁面部11の対向面には、出入り用のドア(図示せず)が設けられた壁面部15が設置され、各壁面部11等の上端部には、天井部16が設置されている。
【0017】
また、浴槽14の側方における壁面部11aに沿った部分にカウンター17が設けられ、壁面部11aにおけるカウンター17の上方部分に鏡18a、棚部18b、シャワー19aが設けられている。そして、浴槽14の上面におけるカウンター17の近傍には水栓19bが設けられている。また、壁面部11aにおけるカウンター17と鏡18aとの間に、液体容器の取付構造20を構成する収納ボックス21が取り付けられている。この液体容器の取付構造20は、収納ボックス21内に3個の液体容器30a,30b,30cを収容して構成されている。液体容器30a,30b,30cは、市販のポンプディスペンサー式の容器で構成され、内部に、それぞれボディソープ、シャンプーまたはリンスからなる液状入浴用品が収容されている。
【0018】
収納ボックス21は、図2に示したように、支持部材22と、本発明のカバー部材としての前面カバー23とで構成されている。支持部材22は、壁面部11aに沿って設置された固定板部22aと、固定板部22aの上端部から前方斜め下方に向って傾斜して延びる取付板部22bと、収納ボックス21の両側面を構成する側面部22cとで構成されている。そして、この支持部材22は、固定板部22aが固定ねじ24によって壁面部11aに固定されることによって設置されている。また、取付板部22bには、長手方向(図1における左右方向)に沿って一定間隔で、3個の取付孔25が形成され、取付板部22bの前端部(下端部)には、下方後部側に向って突出した係合垂れ片22dが形成されている。
【0019】
各取付孔25には、それぞれゴムやエラストマ等の軟質材からなるリング状の弾性部材26が取り付けられており、この弾性部材26を介して各取付孔25に液体容器30a,30b,30cが取り付けられている。また、この弾性部材26の外周部には、円周に沿って溝部26aが形成されており、溝部26aに取付孔25の周縁部を係合させて、弾性部材26は取付孔25に取り付けられている。また、各側面部22cの下端前部における対向する部分には、それぞれ短軸状の支軸27が形成されている。
【0020】
前面カバー23は、表面における上下方向の中央側部分が突出するようにやや湾曲した板状に形成され、下端部に、支軸27に回転可能に係合できる回転係合部23aが形成され、上端部に支持部材22の係合垂れ片22dと係合可能な係合部23bが形成されている。回転係合部23aは、前面カバー23の裏面における下端部の両側にそれぞれ設けられており、軸方向が水平方向になり後部側が開口した円弧状に形成されている。この回転係合部23aは、後部開口を支軸27に押し付けて広げることにより、支軸27を内部側に入れて支軸27に係合することができ、その状態では、前面カバー23は支軸27を中心として上下方向に回転可能になる。
【0021】
また、係合部23bは、前面カバー23の表面部から後部側に屈曲した段部で構成されており、前面カバー23を撓ませた状態で支持部材22の内部側に押し込むことができ、その状態では、前面カバー23の自重により下方に移動しようとして係合垂れ片22dに係合する。また、前面カバー23の上部側部分における係合部23bの近傍には、表面側が引込み裏面側が突出した凹部28が形成されている。この凹部28に指を掛けて操作することにより前面カバー23の開閉操作が行えるように構成されている。また、収納ボックス21の下面は開口した状態になっている。
【0022】
液体容器30a,30b,30c(以下、図2、図3、図7および図8では、液体容器30として説明する。)は、容器本体31、蓋部32およびポンプ33で構成されている。容器本体31は、大径の収容部の上端部に、弾性部材26の内部を通ることのできる筒状開口部34を形成して構成されている。そして、図3に示したように、筒状開口部34の外周面には、ねじ34aが形成されている。蓋部32は、内周面にねじ34aと係合可能なねじ32aが形成されたキャップ状の蓋で構成され、上面部の中央に挿通孔32bが形成されている。また、蓋部32の太さ(直径)は、弾性部材26の内部を通ることのできない大きさに設定されている。
【0023】
ポンプ33は、蓋部32の挿通孔32bを通って、外部から容器本体31内の底部に延びる本発明の管状部としての吐出管33aと、吐出管33aの上端部に形成された押圧部33bと、押圧部33bの側部に形成された吐出口33cとで構成されている。このポンプ33は、一般的なポンプディスペンサー式の容器が備える公知のポンプからなっており、蓋部32と一体的に構成されている。このため、押圧部33bを押すことにより、容器本体31内に収容されている液状入浴用品、例えばボディソープ35を吐出管33aの下端部から吸い取り、押圧部33bの内部を通過させて吐出口33cから外部に吐出させることができる。
【0024】
このように構成された液体容器30を、収納ボックス21内に設置する場合には、まず、前面カバー23を開いて、収納ボックス21の前面を開口させた状態にしておく。ついで、蓋部32およびポンプ33を取り外した状態の新品の容器本体31を、収納ボックス21内に入れ、筒状開口部34を弾性部材26の穴部に位置決めした状態で容器本体31を持ち上げることにより、筒状開口部34を弾性部材26の穴部内に通す。つぎに、取付板部22bの上面に突出した筒状開口部34の上方から容器本体31の内部に向けて、ポンプ33の吐出管33aを差し込み、蓋部32のねじ32aを、筒状開口部34のねじ34aに係合させることにより、容器本体31の底部を浮かせた状態で液体容器30を支持部材22に固定する。
【0025】
この筒状開口部34に蓋部32を取り付ける際に、弾性部材26は、容器本体31と蓋部32とによって押し潰されて収縮する。これによって、液体容器30の支持部材22への固定がより確実なものになる。また、同様にして、他の取付孔25にもそれぞれシャンプーまたはリンスが収容された液体容器30を取り付ける。そして、前面カバー23を回転させて、係合部23bを支持部材22の係合垂れ片22dに係合させ収納ボックス21の前面を閉じる。これによって、異なる液状入浴用品がそれぞれ充填された3個の液体容器30a,30b,30cの収納ボックス21への取り付けが終了する。なお、3個の液体容器30a,30b,30cの蓋部32は、それぞれ異なる色が着色されており、その色により各液体容器30a,30b,30c内の内容物を区別できるようになっている。
【0026】
また、入浴者が、カウンター17の前で体や頭髪を洗ったりする場合には、カウンター17の前に椅子を置くとともに、カウンター17の上面に洗面器を置く。そして、入浴者は、椅子に座り、水栓19bや浴槽14内から洗面器内に湯水を取り込んで体や頭髪を洗う。その際、各液体容器30a,30b,30cの押圧部33bを押して、ボディソープ35やシャンプー等を液体容器30a,30b,30cからそれぞれ取り出して使用する。この場合、押圧部33bが入浴者の手前側に延びるように、液体容器30は傾斜して配置されているため、押圧部33bの操作がし易くなる。また、吐出口33cも入浴者の手前に位置するため、吐出口33cから吐出するボディソープ35等を掌で受け止め易くなる。
【0027】
そして、使用により液体容器30a,30b,30c内のボディソープ35等が無くなった場合には、前面カバー23を開けた状態で、容器本体31から蓋部32およびポンプ33を取り外す。ついで、容器本体31を下方に引っ張って支持部材22から外し、詰め替え用のボディソープ等を詰め替えるか、或いは蓋部32やポンプ33とともに廃棄し、前述した操作により、新たな液体容器30a,30b,30cを収納ボックス21内に取り付ける。
【0028】
このように、本実施形態に係る液体容器の取付構造20によれば、市販のポンプディスペンサー式の容器をそのまま液体容器30a,30b,30cとして使用できる。また、収納ボックス21は、液体容器30a,30b,30cを支持するだけの簡単な構造のものですむため、製造が容易で安価につく。さらに、液体容器30a,30b,30c内の液状入浴用品が無くなった場合には、詰め替え用の液状入浴用品を詰め替えるか、或いは液体容器30a,30b,30cごと取り替えるため、使用後の液体容器30a,30b,30cの洗浄作業は不要になる。また、液体容器30a,30b,30cの蓋部32は、それぞれ内容物に応じて異なる色に着色されているため、液状入浴用品の種類を間違えることがなくなる。
【0029】
また、収納ボックス21の取付孔25の周縁部には、収縮可能な弾性部材26が設けられているため、液体容器30a,30b,30cの筒状開口部34の大きさが異なっていても、各液体容器液体容器30a,30b,30cを安定した状態で取り付けることができる。さらに、収納ボックス21の前面を前面カバー23で構成したため、液体容器30a,30b,30cが外部から見えなくなり美観が増すようになる。また、液体容器30a,30b,30cを取り替える際には、前面カバー23を外すことができるため邪魔にならない。
【0030】
さらに、収納ボックス21が汚れて洗浄する際には、前面カバー23を収納ボックス21から外すことができるため洗浄しやすくなる。また、液体容器30a,30b,30cの押圧部33bや吐出口33cが入浴者側に近づくように液体容器30a,30b,30cを傾斜させて設置したため、押圧部33bの操作がし易くなるとともに、吐出口33cから吐出される液状入浴用品を、収納ボックス21の表面等にかけてしまうことなく手で受け止めることができる。
【0031】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る液体容器の取付構造20aを備えた浴室10aを示している。この液体容器の取付構造20aは、壁面部15aにおけるカウンター17aの近傍部分に設けられている。また、液体容器の取付構造20aは、入浴者が使い易い適宜な位置に設置されるが、本実施形態においてはカウンター17aの上面と略等しい高さに位置するように設置されている。この液体容器の取付構造20aのそれ以外の構成については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0032】
このように構成したため、カウンター17aの上方の空間部が広くなり、カウンター17aの上面を効果的に使用できるようになる。また、各液体容器30a,30b,30c内の液状入浴用品が勢いよく吐出口33cから吐出されても床面13上に落下するため、こぼれた液状入浴用品は湯水によって簡単に排水口(図示せず)に流すことができる。この液体容器の取付構造20aのそれ以外の作用効果については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同様である。
【0033】
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態に係る液体容器の取付構造20bを備えた浴室10bを示している。この液体容器の取付構造20bは、浴槽14bの露出した側面におけるカウンター17bの近傍部分に設けられている。この液体容器の取付構造20bのそれ以外の構成については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。このように構成したため、各液体容器30a,30b,30cと水栓19bとの位置が近くなり、湯水や各液状入浴用品の取出しを一方向からだけでできるようになる。この液体容器の取付構造20bのそれ以外の作用効果については、前述した第2実施形態に係る液体容器の取付構造20aと同様である。
【0034】
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係る液体容器の取付構造20cを備えた浴室10cを示している。この液体容器の取付構造20cは、カウンター17cの前面に設けられている。この液体容器の取付構造20cのそれ以外の構成については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。また、この液体容器の取付構造20cの作用効果については、前述した第3実施形態に係る液体容器の取付構造20bと同様である。
【0035】
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係る液体容器の取付構造40を示している。この液体容器の取付構造40は、壁面部41に形成された凹部41a内に設けられており、液体容器30の上部は、収納ボックス42とともに前後方向(図7では左右方向)に移動可能な状態で設置されている。すなわち、凹部41aの内部における両側部には、凹部41aの奥側の壁面41bから凹部41aの開口側に向ってレールからなる一対のガイド部43(一方のガイド部43しか図示せず)が湾曲して延びている。このガイド部43は、壁面41bから水平方向に延びた後にやや前方下方に湾曲しながら延びており、ガイド部43の湾曲した長手方向に沿って左右に貫通するガイド穴43aが形成されている。
【0036】
また、凹部41aの内部における壁面41bの下端近傍の両側部には、短軸からなる一対の支軸44(一方の支軸44しか図示せず)が設けられている。そして、収納ボックス42の上端後部の両側には、それぞれガイド部43のガイド穴43aにスライド移動可能な状態で係合する係合突起45が形成され、収納ボックス42の下端部の両側には、それぞれ支軸44に回転可能な状態で係合する係合穴部46が形成されている。したがって、収納ボックス42は、支軸44を中心として回転し、図7に実線で示した位置と二点鎖線で示した位置との間で移動可能になっている。この液体容器の取付構造40のそれ以外の部分の構成については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0037】
このように構成したため、ボディソープ35等の液状入浴用品を使用しないときには、収納ボックス42を凹部41a内に収容しておき、ボディソープ35等の液状入浴用品を使用するときには、収納ボックス42を前方に引き出して、液体容器30内のボディソープ35等の液状入浴用品を使用することができる。このため、液状入浴用品を使用しないときに、収納ボックス42が前方に突出して邪魔になることがなくなる。この液体容器の取付構造40のそれ以外の作用効果については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同様である。なお、この液体容器の取付構造40も前述した第2〜第4実施形態のように、浴室10内の種々の場所に設けることができる。
【0038】
(第6実施形態)
図8は、本発明の第6実施形態に係る液体容器の取付構造50を示している。この液体容器の取付構造50では、収納ボックス51の支持部材52の上面に周縁部53aが曲面状に形成された3個の支持穴53(1個しか図示せず)が一定間隔で形成され、その各支持穴53に回転部54が、回転部54の中心部を中心とした任意の垂直面および水平面で中心部を中心に回転可能に取り付けられている。回転部54は、周縁部の下部側部分に支持部材52の周縁部53aに対して摺動可能になった曲面状突起54aが形成され、中央に取付孔55が形成されている。そして、この取付孔55に弾性部材56を介して液体容器30が取り付けられている。この液体容器の取付構造50のそれ以外の部分の構成については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0039】
このように構成したため、液体容器30の傾斜角度を任意の角度に調節することができ、液体容器30を使い易い角度に傾斜させることができる。また、液体容器30を取り替える際には、液体容器30を回転部54とともに、収納ボックス51から取り外して作業を行うことができるため、取り換え作業がし易くなる。この液体容器の取付構造50のそれ以外の作用効果については、前述した第1実施形態に係る液体容器の取付構造20と同様である。なお、この液体容器の取付構造50も前述した第2〜第4実施形態のように、浴室10内の種々の場所に設けることができる。
【0040】
また、本発明に係る液体容器の取付構造は、前述した各実施形態に限定するものでなく、本発明の技術的範囲内で適宜変更実施が可能である。例えば、前述した実施形態では、収納ボックス21等を固定ねじ24を用いて壁面部11a等に固定しているが、この収納ボックス21等は、壁面部11aや浴槽の側面部等に一体成形により形成してもよい。また、第1実施形態に係る液体容器の取付構造20を壁面部等に形成した凹部内に設けることもできる。さらに、前述した実施形態では、前面カバー23を設けて、前方から容器本体31が見えないようにしているが、この前面カバー23を省略して、容器本体31を露出させることもできる。
【0041】
また、液体容器30を支持する支持部材としては、壁面部等の取付場所に液体容器30を取り付けることのできるものであればよく、ボックス状のものに限らず、板状や棒状のもので構成することもできる。また、前述した実施形態では、弾性部材26を介して取付孔25に液体容器30を取り付けているが、容器本体31に蓋部32を取り付けることにより、液体容器30を取付孔25に固定できる場合には、この弾性部材26は省略してもよい。
【0042】
また、弾性部材26に代えて、リング状のワッシャー等を用いることもできる。さらに、第5実施形態に係る液体容器の取付構造40では、ガイド部43を湾曲させて、液体容器30を傾斜させるようにして凹部41a内から前方に突出させるようにしているが、このガイド部を真直ぐなレールで構成するとともに、支軸44を省略して、液体容器30が垂直な姿勢を保ったまま凹部から進退するようにすることもできる。その他、本発明に係る液体容器の取付構造を構成する各部分の形状や材質等も適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体容器の取付構造を備えた浴室を示した斜視図である。
【図2】液体容器の取付構造を示した断面図である。
【図3】液体容器の取付構造の要部を拡大して示した断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る液体容器の取付構造を備えた浴室を示した斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る液体容器の取付構造を備えた浴室を示した斜視図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る液体容器の取付構造を備えた浴室を示した斜視図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る液体容器の取付構造を示した断面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係る液体容器の取付構造を示した断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10,10a,10b,10c…浴室、11a,15a,41…壁面部、14b…浴槽、17c…カウンター、20,20a,20b,20c,40,50…液体容器の取付構造、21,42,51…収納ボックス、22,52…支持部材、22a…固定板部、22b…取付板部、23…前面カバー、25,55…取付孔、26,56…弾性部材、30,30a,30b,30c…液体容器、31…容器本体、32…蓋部、32b…挿通孔、33…ポンプ、33a…吐出管、33b…押圧部、33c…吐出口、34…筒状開口部、35…ボディソープ、41a…凹部、41b…壁面、43…ガイド部、43a…ガイド穴、45…係合突起、53…支持穴、53a…周縁部、54…回転部、54a…曲面状突起。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に筒状開口部が設けられた容器本体と、前記筒状開口部の外周部に着脱可能に取り付けられ上面に挿通孔が形成された蓋部と、前記蓋部の挿通孔に液密的に挿通する管状部と前記管状部の上端に設けられた押圧部と、前記押圧部に設けられた吐出口を含むポンプとからなると共に液状入浴用品が収容されたポンプディスペンサー式の液体容器を浴室内における所定の取付場所に取り付けるための液体容器の取付構造であって、前記取付場所に取付孔を備えた支持部材を取り付け、前記取付孔の下方から上方に向けて前記筒状開口部を通し、その状態の前記筒状開口部に前記蓋部を取り付けて前記容器本体の底部を空中に浮かせた状態で前記液体容器を前記支持部材に固定することにより前記取付場所に取り付けたことを特徴とする液体容器の取付構造。
【請求項2】
前記取付孔の周縁部に収縮可能な弾性部材を設けた請求項1に記載の液体容器の取付構造。
【請求項3】
前記支持部材の下部側に、前記容器本体を被覆するカバー部材を着脱可能に取り付けた請求項1または2に記載の液体容器の取付構造。
【請求項4】
前記支持部材の前記取付場所への取付側部分の高さよりも、前記支持部材の先端側部分の高さが低くなるようにして、前記液体容器の上部側が前記液体容器の底部側よりも前記取付場所から離れるように前記液体容器を傾斜させて設置した請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の液体容器の取付構造。
【請求項5】
前記取付場所を壁面部に設けられた凹部で構成するとともに、前記凹部に前記凹部の奥部から前記凹部の開口側に向って延びるガイド部を設け、前記支持部材を前記ガイド部に沿って移動可能に取り付けた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の液体容器の取付構造。
【請求項6】
前記支持部材を、周縁部が曲面状に形成された支持穴を備えた支持部と、前記液体容器が取り付けられ前記支持穴の周縁部に対して摺動可能な摺動部とで構成し、前記摺動部を前記支持穴の周縁部に対して摺動させることによって前記液体容器の傾斜角度を調整可能とした請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の液体容器の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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