説明

液体容器

【課題】片手でも落としてしまうことなく手軽に持ち上げて飲料を飲むことができる液体容器の提供を目的とする。
【解決手段】胴部22に液体を貯留し、上部に注出口12を有した容器本体13に、ハンドル15を起伏可能に枢着し、上記ハンドル15は、その長さ方向の中間部分に、起立姿勢のときに把持する中間側把持部42を備えるとともに、その長さ方向の基部側部分に、倒伏姿勢のとき胴部22の側方で把持する基部側把持部43を備え、上記基部側把持部43の上記胴部22との対向部分に、胴部22に添当てた手の甲側部分を押当て可能な甲側押当て部44を形成し、手の掌側部分を胴部22に添当てるとともに、手の甲側部分を上記甲側押当て部44に押当てて手掛けを許容する手掛け許容空間Bを、上記胴部22と上記基部側把持部43との間に構成した液体容器11,21。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主に、携帯用魔法瓶や水筒などの携帯用の液体容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体容器は、携帯しながらでも手軽に蓋の開操作を行い飲料が飲むことができる携帯用ものが多く普及している。
【0003】
例えば、蓋や栓を螺着により、注出口と開閉自在に構成した螺着式のものや、反転方向へ付勢させた蓋を、ボタンの押動にり跳ね上げて注出口を開けるボタン押圧式のものが知られている。
【0004】
このボタン押圧式の中には、特許文献1に開示の「液体容器」のように、外出先で不測にボタンが押圧されないようロック機構を備えたものも知られ、飲料時には、ロック解除操作の後で開操作を行なうことになる。
【0005】
上述したいずれのタイプも、飲料時には、一方の手で容器本体を把持しておき、他方の手で蓋の開操作を行なうことができるため、外出時において手軽に飲料を飲むことができる。
【0006】
しかし、外出先では、容器本体の胴部を片手で把持し、例えば、歩きながらなど他の動作をしながら上述した蓋の開操作やロック解除操作を行なうことも多いため、そのような場合、把持している液体容器を滑り落としてしまうおそれがある。
【0007】
最近では、大容量化の要求が高まっていることもあり、容器本体に貯留できる飲料の最大容量が例えば、2リットルなど、大型に構成したものも存在し、このような大容量型液体容器の場合は、容器本体の胴部の外周径も大きくなるので、片手で把持することがより一層、困難となる。
【0008】
大容量型液体容器の場合は、一方の腕で液体容器を、抱え上げておき、他方の手で開操作を行ない飲料を飲む必要がある。或いは、液体容器を平坦な面に接地した状態で蓋開操作を行い、その後、両手で液体容器を持ち上げて飲料を飲む必要があり、いずれにしても手軽に飲料を飲むことができないといった課題を有する。
【0009】
【特許文献1】特開2006−141799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこでこの発明は、片手でも落としてしまうことなく手軽に持ち上げて飲料を飲むことができる液体容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の液体容器は、胴部に液体を貯留し、上部に注出口を有した容器本体と、上記注出口を閉塞する蓋と、上記容器本体に枢着して起伏可能に構成したハンドルを備えた液体容器であって、上記ハンドルは、その長さ方向の中間部分に、起立姿勢のときに把持する中間側把持部を備えるとともに、その長さ方向の基部側部分に、倒伏姿勢のときに胴部の側方で把持する基部側把持部を備え、上記基部側把持部の上記胴部との対向部分に、胴部に添当てた手の甲側部分を押当て可能な甲側押当て部を形成し、手の掌側部分を胴部に添当てるとともに、手の甲側部分を上記甲側押当て部に押当てて手掛けを許容する手掛け許容空間を、上記胴部と上記基部側把持部との間に構成したことを特徴とする。
【0012】
上記構成により、液体容器を持ち上げる際には、ハンドルを倒伏姿勢の状態で、手掛け許容空間に差し込んだ手の掌側部分を胴部に添当てるとともに、甲側部分(背側部分)を上記甲側押当て部に押当てる。
【0013】
さらに、上記甲側押当て部と胴部との側へ軽く突張っることにより、手掛け許容空間において手を掛けることができるとともに、この突張力を利用して液体容器を片手でも滑り落とすことなく容易に持ち上げることができる。
【0014】
その他にも、液体容器は、ハンドルを倒伏姿勢としたとき、上記基部側把持部を、直接、コップの側方に備えた取手のように片手で把持して持ち上げることもできる。
【0015】
よって、上述したいずれの持ち上げ方の場合も、液体容器を片手で持ち上げることができるため、持ち上げた後、もう片方の手で、蓋の開操作やロック解除操作などの飲料を飲むための操作を適宜、行うことができ、携帯しながらでも、容器本体を内部の液体を注出口から手軽に注ぎだすことができる。
【0016】
さらに、本発明の液体容器は、ハンドルを起立姿勢としたとき、中間側把持部を把持して容器本体を吊り下げた状態で持ち歩くことができる。
【0017】
ここで、上記起立姿勢とは、上記中間側把持部を容器本体、及び、蓋よりも上方にまで上昇させてハンドルを起立させたときの姿勢を示す。
上記倒伏姿勢とは、上記中間側把持部を容器本体の胴部に当接するまで降下させてハンドルを倒伏させたときの姿勢を示す。
【0018】
この発明の態様として、上記胴部の上記甲側押当部との対向部分に、指を係止可能な胴部側指係止部を形成することができる。
【0019】
上記態様により、手の掌側部分を胴部に添当てたとき、該掌側部分の特に指を胴部側指係止部に係止することができる。このため、手から容器本体が滑り落ちることなく、より一層、確実に持ち上げることができる。
【0020】
この発明の態様として、上記甲側押当部に、指を係止可能なハンドル側指係止部を形成することができる。
【0021】
上記態様により、手の甲側部分を上記甲側押当部に押し当てたとき、該甲側部分の特に指をハンドル側指係止部に係止することができる。このため、手から容器本体が滑り落ちることなく、より一層、確実に持ち上げることができる。さらに、直接、基部側把持部を取手のようにして把持して持ち上げる上述した持ち上げ方をした場合も、手の掌側部分の特に指がハンドル側指係止部に係止するため、確実に持ち上げることができる。
【0022】
上記胴部側指係止部、及び、ハンドル側指係止部は、人差し指、中指、薬指、小指、親指の少なくとも、いずれか一つの指を係止可能に凹状、凸(突)状、或いは、これらを組み合わせた形状で形成することができる。
【0023】
この発明の態様として、上記中間側把持部を、倒伏姿勢において上記胴部に嵌着保持可能に胴部外周形状に沿った形状で形成することができる。
【0024】
上記態様により、ハンドルを倒伏姿勢としたとき、上記中間側把持部が、容器本体の半径方向外側へ不用意に突き出した形状にならず、その分、接地スペース削減できるため、効率的な商品搬送を実現することができる。
【0025】
この発明の態様として、上記中間側把持部を、上記胴部に取外し可能に嵌合する嵌合形状で構成することができる。
【0026】
上記態様により、ハンドルを倒伏姿勢としたとき、胴部に嵌合することができるため、例えば、飲料を飲む際に、容器本体に対してハンドルが不用意に枢動することがなく、液体容器を安定して持ち上げたり傾けたりすることができる。
【0027】
この発明の態様として、上記基部側把持部を、倒伏姿勢において胴部の縦方向に沿った形状で形成することができる。
【0028】
上記態様により、手首を傾けることなく手掛け許容空間において手を掛けたり、取手のようにして上記基部側把持部を把持することができるため、液体容器を、片手でも容易に持ち上げることができる。
【0029】
この発明の態様として、上記胴部の中間側把持部との対向部分に、上記中間側把持部を取り出し可能に収容する収容凹部を形成することができる。
【0030】
上記構成により、ハンドルを倒伏姿勢としたとき、中間側把持部を収容凹部に収容することができるため、中間側把持部に衝撃が加わるなどしても不測に胴部から外れて回動自在な状態にならないよう、ハンドルをしっかりと収容しておくことができる。
さらに、胴部から中間側把持部が突き出さないため、コンパクトな形態にすることができ、外観上の見栄えも良好とすることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、片手でも手軽に持ち上げて落としてしまうことなく飲料を飲むことができる液体容器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態における飲料容器11の構成を、図1から図6を用いて説明する。
上記飲料容器11は、内部に液体を貯留し、上部に注出口12を有した容器本体13と、上記注出口12を閉塞する蓋14と、上記容器本体13に枢着して起伏可能に構成したハンドル15を備えている。
【0033】
なお、図1、図2、図3、図4は、それぞれ飲料容器11の外観図、正面図、背面図、右側面図を示す。図5(a),(b)は、それぞれ飲料容器11の平面図、及び、飲料容器11の上部を、拡大するとともに蓋14の一部を破断して示した構成説明図を示す。図6は、図2におけるA−A端面図を示す。
【0034】
上記容器本体13は、例えば、1.8リットル程度の飲料を内部の貯留空間に貯留可能な貯留容器16を備えるとともに、該貯留容器16の上部に取り外し可能に装着される栓体19を備えている。
上記貯留容器16は、いずれも合成樹脂製であり有底円筒状に形成した2つの部材を一体嵌合した2層構造により構成し、外周部に胴部22を構成している。
【0035】
上記栓体19は、その上面外周側の一部分に上記注出口12を備え、該注出口12は、口をつけて直飲みも可能に栓体19の上面から円筒状に突出した形態で形成している。
【0036】
上記蓋14は、上記注出口12を閉塞可能に栓体19の上面部において前後方向D1に備え、その後方部分(基部側部分)を、枢着軸23によって栓体19に対して枢着している。上記枢着軸23の近傍には付勢力によって常時、反転して上記注出口12を開く方向へ付勢する付勢バネを備えている。
【0037】
栓体19の前方側部分(先端側部分)には、蓋14の開操作を行なうための蓋開操作部24を備えている。
上記蓋開操作部24は、蓋14を倒伏して注出口12を閉塞した姿勢(図11に示す蓋14の姿勢)で蓋14の前方部分に有する被係合部56bを係合可能とする係合爪56aを、上方へ突出した形態で備えている(図2参照)。
【0038】
さらに、上記蓋開操作部24の幅方向の両外側には、上記係合爪56aによる被係止部56bの係合を押圧により解除するスイッチ25を備えている。さらにまた、上記蓋開操作部24には、略コの字型をした係合ロック部材26を、蓋14の前方側部分を外周側からロック(係合)、或いは、ロック解除(係合解除)可能に枢着している。
【0039】
また、図5(b)に示すように、貯留容器16の上部には、該貯留容器16の外周径と略同じ口径で開口する開口部Aを備えている。栓体19の下部には、上記開口部Aの開口縁部27に外周側から嵌め込み可能に下方へ垂下した嵌込み部32を構成している。
【0040】
上記貯留容器16の開口縁部27の外周側には、上記栓体19に螺着可能な一方の螺子部33aを形成している。これに対して、上記栓体19の上記嵌込み部32の内周側には、上記一方の螺子部33aと螺着可能な他方の螺子部33bを形成している。
【0041】
さらに、上記貯留容器16の上記一方の螺子部33aの螺子形成方向の終端部分には、栓体19を貯留容器16に螺着したとき、螺着完了付近においてそれ以上の栓体19の回動を物理的に規制する位置決めストッパ34を形成している。
【0042】
位置決めストッパ34は、栓体19を貯留容器16に螺着したとき、図5(b)に示すように、その螺着完了時において栓体19の周方向における注出口12や、蓋開操作部24側が貯留容器16の前方側、すなわち、貯留容器16に対して栓体19が図1から図6に示す姿勢となるよう位置決めする。
これにより、図1から図5に示すように、ハンドル15と容器本体13との枢着部分(ハンドル枢着部35)は、容器本体13の上部であって、容器本体13の幅方向D2の両側に位置することになる。
【0043】
なお、ハンドル15は、ハンドル枢着部35において、貯留容器16に対して着脱可能に構成している。さらに、貯留容器16を平面視したとき上記ハンドル枢着部35の時計回り方向の近傍には、ベルト挿通孔を有したベルト取付部36を構成している。
【0044】
上記ハンドル15は、その長さ方向の中間部分に、起立姿勢のときに把持する中間側把持部42を備えるとともに、その長さ方向の基部側部分に、倒伏姿勢のとき胴部22の幅方向D2の側方で把持する基部側把持部43を備えている。
ここで、上記起立姿勢とは、ハンドル15を容器本体13に対して蓋14よりも上方に達するまで枢動させたときの姿勢であり、図2中、実線で示したハンドル15の姿勢を示す。上記倒伏姿勢とは、ハンドル15を容器本体13の前方側において胴部22に当接するまで降下させたときの姿勢であり、図2中、仮想線で示したハンドル15の姿勢を示す。
【0045】
続いて、ハンドル15の形態について詳述する。
ハンドル15は、該ハンドル15の長さ方向の両側(基部側)に上記基部側把持部43を備え、さらに、該基部側把持部43,43の間に中間側把持部42を配した形態で一体に成形している。さらに、ハンドル15は、中間側把持部42と基部側把持部43との連結部分を、略直角に屈曲させた形態で形成している(図4参照)。
【0046】
ハンドル15を倒伏姿勢において上記基部側把持部43は、胴部22の側方において上記ハンドル枢着部35から垂下した形状であるとともに、該基部側把持部43の中間部分が胴部22に対して外側へ緩やかに突き出した円弧形状で形成している(図2、及び、図3参照)。
【0047】
上記基部側把持部43の上記胴部22との対向部分には、胴部22に添当てた手の甲側部分を押当て可能な甲側押当て部44を形成している。
【0048】
さらに、上記胴部22と上記基部側把持部43との間には、この間に差し込んだ手の掌側部分を上記胴部22に添当てるとともに、手の甲側部分を上記基部側把持部43側へ押し当てて手掛け可能な手掛け許容空間Bを構成している。
【0049】
また、上記甲側押当て部44に、指を係止可能にハンドル側指係止部45を形成している。
詳しくは、上記ハンドル側指係止部45は、上記甲側押当て部44の長さ方向にかけて、所定間隔ごとに配設した3つの突状部分で形成している。ハンドル側指係止部45(3つの突状部分)の形成位置は、基部側把持部43自体を把持した手の掌側部分における、人指指、中指、薬指、小指の各指間に相当する位置であるとともに、手掛け許容空間Bに差し込んだ手の甲側部分における、人指指、中指、薬指、小指の各指間に相当する位置である。
【0050】
続いて、上記中間側把持部42は、ハンドル15を倒伏姿勢としたとき上記胴部22の前方側半分の外周部分に対して取り外し可能に嵌合する嵌合形状、すなわち、撓み変形可能に該外周部分に沿った略半円弧形状で形成している。
【0051】
詳しくは、図6に示すように、中間側把持部42は、胴部22に嵌め込んだとき、ほぼ円弧形状から胴部22によって押し広げられた形状で撓み変形し、この撓み変形力F(復元力)により、上記中間側把持部42の長さ方向の両端部分が胴部22を両側から挟み込んで(挟持して)胴部22に嵌合することができる。
ここで上記中間側把持部42の長さ方向の両端部分(連結部分)を、胴部挟持部46に設定する。
【0052】
胴部挟持部46は、中間側把持部42を胴部22に嵌合したとき、胴部22の幅方向D2の両側部分であるとともに、基部側把持部43の直下部分に備えることができる。
【0053】
また、上記中間側把持部42の長さ方向の中間部における胴部22との対向部分には、倒伏姿勢において胴部22に当接する突状の胴部当接部47を備えている(図2、及び、図6参照)。
【0054】
最後に、胴部22の形態について説明する。
上記胴部22は、上記容器本体13の外周部分に相当し、上記胴部当接部47との対向部分には、指を係止可能な胴部側指係止部52を形成している。
上記胴部側指係止部52は、胴部22の背面側を除く周方向全体に、縦方向D3(上下方向D3)にかけて、配設した4つの凹状部分であり、それぞれ胴部22における容器本体13の幅方向D2両側部分に手を添当たときの人指指、中指、薬指、小指の各指が対向する対向部分を緩やかな凹状に形成している。
【0055】
なお、上記胴部側指係止部52は、胴部22の背面側を除く周方向全体に形成し、上記胴部側指係止部52の長さ方向の両端部分は、背面側へ進むに従って徐々に凹状の溝幅が小さくなり、溝深さが浅くなる形状で形成している。
【0056】
また、胴部22の中間側把持部42の胴部当接部47が対向する対向部分の下部側には、嵌合解除用凹部53を形成している。上記嵌合解除用凹部53は、胴部22に対する中間側把持部42の嵌合を意図的に解除する際に手を差込可能な凹状形態で形成している。
【0057】
続いて、飲料容器11を用いて蓋14が閉姿勢であり、ハンドル15が倒伏姿勢の状態から飲料を飲む一実施例について図7を用いて説明する。
なお、図7(a),(b)は、いずれも飲料容器11の作用説明図であり、飲料容器11を用いて飲料を飲む本実施例の説明図である。さらに、図7(a)は、平面視右側のベルト取付部36を省略して示しているとともに、基部側把持部43の上部を破断して示している。
【0058】
飲料容器11の使用者は、図7(a)中の右手のように、左右いずれか一方の手を手掛け許容空間Bに差し込み、胴部22に手の掌側部分を添当てる。さらに、手掛け許容空間Bにおいて手を少し屈曲するなどして図7(a)中の一部拡大図に示すように、手の甲側部分を上記甲側押当て部44に押し当てる。このようにして、胴部22と基部側把持部43との間で手を突っ張り、その突張力を利用して、飲料容器11を片手でも滑り落とすことなく、持ち上げることができる。
【0059】
そして、もう片方の左手で、例えば、ロック係合部のロックを解除し、ボタンを押すことにより(図示せず)、蓋14の開操作を行い、図7(b)に示すように、注出口12に口をつけて飲料を飲むことができる。
【0060】
例えば、従来の大容量タイプの飲料容器の場合、片手で胴部22を把持して持ち上げることができないため、蓋14の開閉操作を行うためには、片腕に抱えて持ち上げる必要があった。若しくは、一旦、平坦状の面に接地して開操作を行ってから両手で持ち上げるといった必要があり、いずれの場合も、飲料を飲むためには、手間を要していた。
これに対して、第一実施形態の飲料容器11は、1.8リットルの容量を貯留可能な大容量タイプであるが、上述したように片手でも手軽に持ち上げて飲料を飲むことができる。
【0061】
また、ハンドル15が倒伏姿勢のとき、胴部挟持部46の挟持力Fにより、中間側把持部42を胴部22にしっかりと嵌合しておくことができる。このため、飲料容器11を持ち上げたり、甲側押当て部44に手の甲側部分を押し当てても、不測に中間側把持部42が胴部22から外れてしまうことがなく、安定して持ち上げることができる。
【0062】
さらに、胴部22に手を添当てたとき、掌側部分の例えば、人差し指、中指、薬指、小指の各指を、凹状の上記胴部側指係止部52に当接させて係止することができる。それとともに、甲側部分の例えば、上述した各指の間に、凹状のハンドル側指係止部45を配することにより係止することができる。
【0063】
このため、手掛け許容空間Bにおいて手を、上述したように軽く突っ張るだけで掛けることができ、滑り落ちることなく、飲料容器11を容易に持ち上げることができる。
【0064】
また、上述した実施例で示した飲料容器11の持ち上げ方で持ち上げれば、手の掌側部分を胴部22にぴたりと接触させた状態で飲料容器11を安定して持ち上げることができる。
【0065】
なお、万一にも、手掛け許容空間Bにおいて手が滑った場合であっても、ハンドル枢着部35に手が引っ掛かるため、確実に飲料容器11が落下することを阻止することができる。
【0066】
勿論、使用者は、予め、注出口12が開口している場合など適宜、両手で飲料容器11の胴部22を把持しながら持ち上げて飲料を飲むこともできる。その場合においても、胴部22に添えた手を上記胴部側指係止部52に係止することができる。このため、従来の大容量型の飲料容器の上記胴部側指係止部52を形成していない胴部を両手で持ち上げる場合と異なり、胴部22を軽く掴むだけで滑り落とすことなく確実に持ち上げることができる。
【0067】
続いて、上述した飲料容器11を用いて飲料を飲む際の他の実施例について図8を用いて説明する。
なお、図8は、飲料容器11の他の作用説明図であり、飲料容器11を用いて飲料を飲むための上述とは異なる実施例の説明図である。さらに、図8(a)は、図7(a)と同様に、平面視右側のベルト取付部36を省略して示しているとともに、基部側把持部43の上部を破断して示している。
【0068】
使用者は、倒伏姿勢におけるハンドル15の左右両側に有する上記基部側把持部43,43のうち、例えば、図8(a)に示すように、平面視右側の基部側把持部43を右手で直接、把持して飲料容器11を持ち上げることができる。
【0069】
このように、使用者は、ハンドル15が倒伏姿勢の状態で上記基部側把持部43を、通常のコップに備えた取手のように把持して飲料を飲むことができる。
【0070】
そして、上述した実施例と同様に、もう片方の左手でロック解除操作、蓋14開操作を行い(図示せず)、図8(b)に示すように、容易に飲料を飲むことができる。
【0071】
さらに、飲料容器11は、図8(a)の一部拡大図に示すように、上記基部側把持部43を把持したとき、手の掌側部分の例えば、人差し指、中指、薬指、小指の各指を、ハンドル側指係止部45に係止することができるため、使用者は、片手でも飲料容器11を、より一層、滑り落とすことなく持ち上げることができる。
【0072】
また、図5(a)、及び、図6に示すように、上記中間側把持部42は、ハンドル15が倒伏姿勢において、胴部22の前方側外周部分に沿った略半円弧状形状であるため、胴部22に嵌合したとき、飲料容器11の半径方向外側へ突き出した形態とならない。
このため、飲料容器11は、ハンドル15が倒伏姿勢において、上記基部側把持部43のみが半径方向(幅方向D2)の外側にへ突出した形態となる(図5(a)参照)。
【0073】
よって、図9に示すように、飲料容器11を、例えば、一辺がLの平面視正方形状をした箱70などの空間70B内に接地した場合、飲料容器11は、平面視正方形状の空間70Bの対角線上70cに、上記基部側把持部43が有して飲料容器11の幅方向D2が一致するため、空間70B内に収まるよう接地することができる。
【0074】
これに対して、図12に示すように、一般的なコの字型形状のハンドル101を備えた従来の飲料容器100を上述した空間70Bと同じ大きさをした正面視正方形状の空間70Bに接地した場合、図12(a),(b)に示すように接地方向を変えても、ハンドル100が空間70Bからはみ出してしてしまい空間70B内に収めることができない。
【0075】
従って、第一実施形態の飲料容器11は、空間内に効率的に納めることができるため、コンパクトに梱包することができるとともに、商品運搬時などにおいても、場所を要さず、運搬の効率化を図ることができる。
【0076】
さらにまた、飲料容器11は、ハンドル15を起立姿勢とすれば、図10に示すように、中間側把持部42を把持すこともできる。すなわち、ハンドル15を起立姿勢とすれば、通常のハンドルのように容器本体13を吊り下げた状態で中間側把持部42を把持することができ、この状態で持ち運ぶことができる。
なお、ハンドル15を倒伏姿勢から起立姿勢へ変更する際には、まず、中間側把持部42による胴部22への嵌合を意図的に解除する。すなわち、中間側把持部42の下側から嵌合解除用凹部53に指先を差し込んで中間側把持部42を手前側(前方側)へ引き寄せることにより行うことができる。これにより、ハンドル15は、回動自在となり、起立方向へ回動させて起立姿勢へと容易に変更することができる。
【0077】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態における飲料容器21について図11を用いて説明する。
但し、第二実施形態における飲料容器21の構成のうち、第一実施形態における飲料容器11と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0078】
第二実施形態の飲料容器21は、図11に示すように、ハンドル15を倒伏姿勢としたとき、胴部22の中間側把持部42との対向部分に、該中間側把持部42を収容可能とする収容凹部55を形成している。
【0079】
上記収容凹部55は、胴部22の周方向における略前方側半分の外周部分に沿って、略半円弧状に凹状に形成している。
【0080】
ハンドル15を倒伏姿勢としたとき、中間側把持部42は、胴部22を嵌合した状態で上記収容凹部55に収容されるよう形成している。一方、基部側把持部43は、第一実施形態の飲料容器11と同様に、ハンドル枢着部35から垂下した形態となるよう形成している。
【0081】
上記構成により、中間側把持部42を収容凹部55へ収容できる分、接地スペースをさらに削減することができるとともに、外観上の見栄えも良好とすることができる。さらに、中間側把持部42に衝撃などが加わり難くなるため、不測に胴部22に対する嵌合状態が解除されるをより一層、阻止することができる。
【0082】
第二実施形態の飲料容器21の場合も、中間側把持部42の胴部22に対する嵌合を意図的に解除する際には、中間側把持部42の下側から嵌合解除用凹部53に指を差し込んで、収容凹部55に収容された中間側把持部42を手前側へ引き出すことによって行なうことができる。
【0083】
また、上述した実施形態と、この発明の構成との対応において、この実施形態の飲料容器11,21は、この発明の液体容器に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第一実施形態の飲料容器の外観図。
【図2】第一実施形態の飲料容器の正面図。
【図3】第一実施形態の飲料容器の背面図。
【図4】第一実施形態の飲料容器の右側面図。
【図5】第一実施形態の飲料容器の平面図(a)一部破断して示した構成説明図(b)。
【図6】図2におけるA−A端面図。
【図7】第一実施形態の飲料容器の作用説明図。
【図8】第一実施形態の飲料容器の作用説明図。
【図9】第一実施形態の飲料容器の作用説明図。
【図10】第一実施形態の飲料容器の作用説明図。
【図11】第二実施形態の飲料容器の構成説明図。
【図12】従来の飲料容器の説明図。
【符号の説明】
【0085】
11,21…飲料容器
12…注出口
13…容器本体
14…蓋
15…ハンドル
22…胴部
42…中間側把持部
43…基部側把持部
44…甲側押当て部
45…ハンドル側指係止部
52…胴部側指係止部
55…収容凹部
B…手掛け許容空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部に液体を貯留し、上部に注出口を有した容器本体と、上記注出口を閉塞する蓋と、上記容器本体に枢着して起伏可能に構成したハンドルを備えた液体容器であって、
上記ハンドルは、その長さ方向の中間部分に、起立姿勢のときに把持する中間側把持部を備えるとともに、その長さ方向の基部側部分に、倒伏姿勢のときに胴部の側方で把持する基部側把持部を備え、
上記基部側把持部の上記胴部との対向部分に、胴部に添当てた手の甲側部分を押当て可能な甲側押当て部を形成し、
手の掌側部分を胴部に添当てるとともに、手の甲側部分を上記甲側押当て部に押当てて手掛けを許容する手掛け許容空間を、上記胴部と上記基部側把持部との間に構成した
液体容器。
【請求項2】
上記胴部の上記甲側押当部との対向部分に、指を係止可能な胴部側指係止部を形成した
請求項1に記載の液体容器。
【請求項3】
上記甲側押当部に、指を係止可能なハンドル側指係止部を形成した
請求項1、又は、請求項2に記載の液体容器。
【請求項4】
上記中間側把持部を、倒伏姿勢において上記胴部に嵌着保持可能に胴部の外周に沿った形状で形成した
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の液体容器。
【請求項5】
上記中間側把持部を、上記胴部に取外し可能に嵌合する嵌合形状で構成した
請求項4に記載の液体容器。
【請求項6】
上記基部側把持部を、倒伏姿勢において胴部の縦方向に沿った形状で形成した
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の液体容器。
【請求項7】
上記胴部の中間側把持部との対向部分に、上記中間側把持部を取り出し可能に収容する収容凹部を形成した
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の液体容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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