説明

液体用混合装置

【課題】本発明は、構造が簡単で、洗淨作業が容易で難溶解性物質をも容易に溶解できる液体用混合装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ホッパーの底部の排出口に、該排出口との間に間隙を設けて受板を設けてなる液体用混合装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を溶媒とし、液体、固体等の溶質を混合するための液体用混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体に固体を溶解させたり、分散させる装置としては、古くは攪拌機を設けた受容槽に液体と固体とを投入し、攪拌機により液体を攪拌して溶解等を行っていた。
【0003】
さらに近年は、瞬間的に混合する混合装置として、被溶解物質の供給ホッパーの下端に取外し自在に装着され、且つその内部軸方向に被溶解物質を通過させるための中央通路を有する本体と、前記本体を部分的に収納する内部室およびこの内部室に連通して軸方向に伸び、前記被溶解物質を通過させるための落下通路を有するハウジングとからなり、前記被溶解物質を溶解するための溶媒を前記ハウジングの側壁を通して前記内部室の前記本体との間に形成される環状空間に導いて落下せしめ、前記中央通路を通過して落下する被溶解物質と合流混合して溶解する溶解装置において、前記本体の下部には前記中央通路を形成する環状内壁と、前記環状内壁の外側に同心的にエアーカーテン形成用環状空間を残して環状外壁とを形成し、前記エアーカーテン形成用環状空間は、本体の軸方向に伸びる複数個の管路を介して大気と連結していることを特徴とする溶解装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1 実公昭50−34288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の溶解装置は、性能面では優れていたが、溶解装置の構造が複雑で、部品点数が多く、そのため洗淨等を行う場合煩雑であると言う欠点があった。
そこで本発明者は、簡単な構造を有し、かつ混合能力に優れた液体用混合装置につき種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0006】
本発明の液体用混合装置は、構造が簡単で部品点数も少なく、洗淨時にも分解する必要がないので、極めて簡単に洗淨作業を行う事ができる。またその混合能力にも優れている特長を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に本発明の液体用混合装置を図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の説明のみに限定されるものではない。
図1は、本発明の液体用混合装置の一態様を示す断面図である。1は、ホッパーであり、2はホッパー1底部の排出口であり、3はホッパー底部の排出口2の下部に設けられた受板であり、4は受板をホッパー1に固定するためのステーであり、5はホッパー1底部の排出口2と受板4との間に設けられた間隔部である。
【0008】
図1に示す液体用混合装置は、ホッパー1の底部の排出口2近傍のホッパー1壁面にステー4を固定する。このステー4の数はホッパー1の大きさによって適宜の数設ければ良いが通常は、3個以上設けることが受板3を安定的に固定することができるので好ましい。そして受板3をステー4に固定する場合、ホッパー1の排出口2と受板3との間に間隔部5を有するように設けることが必要である。
【0009】
また本発明の液体用混合装置は、図2に示すように処理する単位時間当りの処理量によって排出口2と受板3との間の間隔部5の幅を調整するために、丸状ステー4にネジ溝を切り、受板3にステー4の位置と合致する挿入口(図示せず)を設け、この受板3の挿入口をネジ溝が切ってあるステー4に挿入し、所望の間隔幅に調整した後ネジ6等を用いて固定すればよい。
【0010】
さらに本発明の液体用混合装置の他の態様について説明する。
図5で示すように垂直管9の底部に、垂直管9と連通する一対の分岐管10、11を設けたものも液体用混合装置として好適に使用することができる。
【0011】
図5の液体用混合装置の他の態様として、図6に示すように、垂直管9の底部より上部部位に一対の分岐管10、11を設けることによって、垂直管9の上部から流入した溶媒と溶質が垂直管9の底部に設けられた攪拌凹部12により、混合攪拌が行われるようになる。攪拌凹部12の底板13は、垂直管9と一体的に設けてもよいが、着脱自在とすることによって、洗淨等を行う場合に便利である。
【0012】
本発明の図5および図6に示す液体用混合装置においては、分岐管10、11の口径は垂直管9の口径の1/2かあるいは若干大きい口径であることが好ましい。また分岐管10、11の垂直管9との接合部分はラッパ状として広い口径とすることが好ましい。
【0013】
このような一対の分岐管10、11を有する液用混合装置を用いると、垂直管9を落下してきた溶媒と溶質の混合液は一対の分岐管10、11に導入され、この分岐管10、11中を旋回流(渦巻流)の状態で流れ、この部分でさらに溶媒と溶質が均一に混合(溶解)される。
【0014】
さらに分岐管10、11中での旋回流をより一層生起させるために分岐管10、11の内壁面に螺旋状の溝あるいは突起物を設けることが好ましい。また他の態様としては、図7に示すように分岐管10、11の垂直管9近傍部の分岐管に、捻部を設けることによっても分岐管10、11内を流れる液体に旋回流(渦巻流)を付与することができる。
【0015】
図5の垂直管9の底部に、垂直管9と連通する一対の分岐間10.11を設けた液体用混合装置の他の態様として、三方の分岐管(図示せず)、四方の分岐管等の複数の分岐管を設けることが出来る。三方の分岐管は各分岐管との角度が120°に設けることが好ましい。
【0016】
次に本発明の液体用混合装置の使用方法について説明する。
混合するための溶媒と溶質は、ホッパー1に供給する前に予め混合した状態で用いてもよく、またホッパー1に供給する直前に図4に示すように供給管7から液体(溶媒)を加圧状態で供給し、供給管8から溶質を供給して、供給管7、8の排出口近傍で両物質が混ざり合うようにして供給することもできる。ホッパー1に供給する液体(溶媒)は加圧状態で供給することが好ましく、特に渦巻流とするとさらに好適であるが、もちろん自然落下流の状態でも供給することができる。
【0017】
溶媒と溶質とをホッパー1に供給する場合、ホッパー1の底部に設けられた受板3に直接当たる(落下)ように供給することが好ましい。受板3に当った溶媒と溶質は、受板3に当る前に全部または一部が混合状態にあり、その状態で一部は間隔部5から排出されるが、一部は図3に示すようにホッパー1の内壁面に沿って渦巻状の上昇流となり、この部分においては溶媒と溶質はさらに混合溶解される。
溶媒に溶質が完全に溶解していない場合には、さらに、液体用混合装置の下部に液体用混合装置を設ける等の多段に設置する等して反復することによって均一に溶解することができる。
【0018】
更に、本発明の液体用混合装置に加温装置を取り付けることも出来る。加温装置を取り付けることで好適に液体を混合することが出来る。加温する所は、図1のホッパー1・ホッパー底部3、図5の分岐管10・11、或いは、図4の供給管7・8(図示せず)等の1箇所又は複数箇所に設けると良い。
【0019】
また本発明の液体用混合装置は、溶媒に溶質を溶解するのみならず、溶媒に溶質を均一に分散させる場合にも好適に使用することができる。
さらに他の態様として特許文献1に記載された溶解装置で処理した後の補助溶解装置としても使用することができる。この溶解装置に加温装置を取り付けることで好適に液体を混合することも出来る。
【0020】
本発明の液体用混合装置によれば溶質としては、易溶解性物質の外、炭酸カルシウム、硫酸バンド、ポリ硫酸鉄、ポリ塩化アルミニウム、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロースナトリウ、高分子凝集剤等の難溶解性物質も好適に溶解させることができる。更に、活性炭、ベントナイト、カオリン、ドラバイト等の粉末物質を溶媒に均一に分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1は、液体用混合装置の断面図。
図2は、液体用混合装置の他の態様を示す断面図。
図3は、ホッパー1の内壁面を液体が渦巻状に旋回する状態を示した平面図。
図4は、液体と溶質との混合状態を示す概略図。
図5は、本発明の液体用混合装置の断面図
図6は、本発明の液体用混合装置の断面図
図7は、分岐管の捻部を示した側面図
【符号の説明】
【0022】
1‥‥ホッパー
2‥‥排出口
3‥‥受板
4‥‥ステー
5‥‥間隔部
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパーの底部の排出口に、該排出口との間に間隙を設けて受板を設けたことを特徴とする液体用混合装置。
【請求項2】
垂直管の底部近傍に、垂直管と連通する分岐管を設けたことを特徴とする液体用混合装置。

【公開番号】特開2006−239668(P2006−239668A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95980(P2005−95980)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000229162)日本ソリッド株式会社 (39)
【Fターム(参考)】