液体試験ストリップ及び方法
【課題】液体試験ストリップ及びこれを使用する検出方法を提供する。
【解決手段】本液体試験ストリップはチャネルを上面に有する基板を備える。該チャネルは順次つながった第1領域、第2領域、及び第3領域を有する。第1抗体は該第1領域に入れられ、糖類とペルオキシダーゼは該第1領域又は該第2領域に入れられている。同じ抗原の第1抗体とは異なるエピトープを認識するための第2抗体は該第2領域に固定されている。光学基質と糖類オキシダーゼからなる基質試薬とは該第3領域に入れられている。
【解決手段】本液体試験ストリップはチャネルを上面に有する基板を備える。該チャネルは順次つながった第1領域、第2領域、及び第3領域を有する。第1抗体は該第1領域に入れられ、糖類とペルオキシダーゼは該第1領域又は該第2領域に入れられている。同じ抗原の第1抗体とは異なるエピトープを認識するための第2抗体は該第2領域に固定されている。光学基質と糖類オキシダーゼからなる基質試薬とは該第3領域に入れられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体試験ストリップ、特に、生体液の定量分析のための液体試験ストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の定量分析検査は、生体分子を特異的に認識しこれと結合する免疫分子が有する特有の能力を利用する。例えば、従来の酵素免疫吸着法(ELISA)は、通常96ウェルプレートで行われ、検体(例えば、抗原)の濃度を、該検体と対応する免疫分子と酵素と対応する試薬との間の反応に由来する検出された信号の強度により決定することを特徴とする。しかし、ユーザは通常、分析の段階毎に退屈な洗浄ステップを実行して非結合分子と非特異結合分子を洗い去り、分析の失敗または偽陽性結果の発生を防ぐ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
技術の進歩とともに、今日、免疫分析検査は、マイクロ体液チャネルを有し分析の反応段階後毎に必要であった複雑で繰り返される洗浄作業を簡略化するか又は省略さえする液体試験ストリップを用いて実行される。しかし、このような液体試験ストリップは、反応に必要な試薬又は基質を液体試験ストリップに手動で加える必要があり、ユーザにとって不便である。従来のストリップに必要な試薬又は基質は長期保存時、室温で、又は光で劣化し易く、分析エラーを生じさせる。従って、このような試薬は特定の条件、例えば冷却又は遮光状態で保存される必要がある。その結果、従来の液体試験ストリップは使用及び保存になお不便である。
【0004】
また、従来のチャネル又はマイクロ体液チャネルを有する液体試験ストリップは他の問題を有している。チャネル又はマイクロ体液チャネルは非吸収性材料で通常作られ、分析対象の体液サンプルはタンパク質又は炭水化物から主に成りその粘度は通常高いので、体液サンプルの一部は該チャネルの表面に付着し易く、反応をしない。このようなシナリオは、起こった場合、分析対象の体液サンプルを不利益にも無駄にするだけでなく、定量分析の精度に悪影響を及ぼす。
【0005】
また、従来の液体試験ストリップはマイクロ体液チャネルにより体液サンプルの流れを可能にすることで、該チャネルの構造が及ぼす毛管力により体液サンプルが反応領域に送達されうる。体液サンプルを送達する別の手法は、体液サンプルが該チャネルに導入された時、該チャネルを通って反応領域へ推進されるように、例えば加圧手段による駆動力を適用することを含む。しかし、上記手法のどちらも、体液サンプルがチャネルに導入された後、気泡を発生させ易い。これらの気泡は、大きくても小さくても、該チャネルを塞ぎ、分析結果が不正確になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の欠点を直すために、本発明は体液サンプルの定量分析のための液体試験ストリップを開示する。本液体試験ストリップは1つ以上のチャネルを上面に有する基板を備える。該チャネルは体液サンプルを受け取るための第1領域と、第2領域と、第3領域とを有する。これらの3つの領域は連続して配置されている。また、該チャネルは第1抗体と糖類と第2抗体と光学基質と基質試薬とを含む。第1抗体は該体液サンプル中の検体を認識するために該第1領域に入れられている。糖類とペルオキシダーゼは該第1領域又は該第2領域に入れられてよい。第2抗体は第1抗体と同じ検体を認識するために該第2領域内に固定されている。該第1抗体と該第2抗体とは該検体の異なるエピトープを認識するよう構成されている。光学基質と糖類オキシダーゼからなる基質試薬とは該第3領域に入れられている。該体液サンプルを該チャネルに導入すると直ちに、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼは該体液サンプルと一緒に流れる。該ペルオキシダーゼの一部、該第1抗体、及び該検体は一緒に該第2抗体と結合して該第2領域内に保持される。結合していないペルオキシダーゼは該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類は該糖類オキシダーゼにより酸化され過酸化水素(H2O2)を生成する。次に該光学基質と該過酸化水素は該第3領域において該ペルオキシダーゼの触媒作用により光学信号を生成する。
【0007】
従って、本発明の主な目的は、複雑なステップがなく反応に必要な試薬と物質を主に含む液体試験ストリップを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、含まれている反応に必要な試薬と物質は乾燥しているので、使用まで比較的長期間保存でき、試薬の劣化による分析エラーを防ぐ液体試験ストリップを提供することである。
【0009】
本発明は定量分析方法も開示する。この方法は次のステップを含む。(1)検体を含む体液サンプルを準備するステップ、(2)連続して配置された、該サンプルを受け取るための第1領域と、該サンプルを送達するための第2領域と、該サンプルが反応をする第3領域とを有する1つ以上のチャネルを有する基板を準備するステップと、ここで、該基板は、該体液サンプル中の該検体を認識するために該第1領域に入れられた第1抗体と、該第1領域又は該第2領域に入れられた糖類及びペルオキシダーゼと、該体液サンプル中の該検体を認識するために該第2領域内に固定された第2抗体と、該第3領域に入れられた光学基質及び基質試薬とを更に備え、該第1抗体と該第2抗体とは該体液サンプル中の同じ検体の異なるエピトープを認識するよう構成され、該基質試薬は糖類オキシダーゼからなり、(3)該体液サンプルを該チャネルの該第1領域に導入して、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼが該体液サンプルと一緒に流れるのを可能にするステップ、(4)該検体を該第1抗体、該第2抗体、及び該ペルオキシダーゼの一部に結合させ該第2領域内に保持されるようにし、該糖類、結合していない第1抗体、及び結合していないペルオキシダーゼは、該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類が該糖類オキシダーゼにより酸化され過酸化水素(H2O2)を生成し、次に該光学基質が該第3領域に到達した該ペルオキシダーゼの触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成するようにさせるステップ、及び(5)該生成された光学信号を検出するステップ。
【0010】
従って、本発明の別の目的は、反応に必要な試薬と物質を主に含む液体試験ストリップを使用するので複雑な作業ステップがなく反応信号を直接検出することで分析結果が得られる定量分析方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、含まれている反応に必要な試薬と物質は乾燥しているので、使用まで比較的長期間保存でき、試薬の劣化による分析エラーを防ぐ液体試験ストリップを使用する定量分析方法を提供することである。
本発明とその好適な使用態様、他の目的、及び利点とは、添付の図面と実施形態の下記の詳細な説明を参照することで最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る液体試験ストリップの斜視図である。
【図1B】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置を示す概略図である。
【図1C】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置の変化を示す概略図である。
【図1D】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置の変化を示す概略図である。
【図1E】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置の変化を示す概略図である。
【図1F】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の別の配置の変化を示す概略図である。
【図1G】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の別の配置の変化を示す概略図である。
【図1H】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の別の配置の変化を示す概略図である。
【図1I】図1Aの液体試験ストリップの斜視断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は液体試験ストリップとこれを使用する検出方法を提案するが、生物学的検定の物理的及び化学的原理は当業者に既知であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。一方、下記の説明で参照する添付の図面は例示のために提供され、一定の倍率/縮尺で描かれる必要はない。
【0014】
本発明の第1実施形態に係る液体試験ストリップの斜視図である図1Aを参照されたい。液体試験ストリップ1は、チャネル11が上面に設けられた基板10を備える。チャネル11は第1領域111、第2領域112、及び第3領域113を有する。これら3つの領域は連続して配置されている。第1領域111は体液サンプルを導入するための領域である。
【0015】
図1Bは液体試験ストリップ1のチャネル11内の反応物質の配置を示す概略図である。第1領域111は第1抗体1111、糖類1112、及びペルオキシダーゼ1113が入れられている。第2領域112は中に第2抗体1121が固定されている。第1抗体1111と第2抗体1121とは体液サンプル中の同一の検体1101の異なるエピトープを認識するよう構成されている。従って、第1抗体1111と第2抗体1121が同じ抗原を求めて互いに競合して抗原の認識を妨げない限り、第1抗体1111と第2抗体1121の両方が単クローン抗体(mAbs)か多クローン抗体(pAbs)のいずれかであってよい。また、第1抗体1111と第2抗体1121は全抗体、抗原結合断片(Fab断片)、又は単鎖可変断片(scFv)の形態であってもよい。光学基質1131と糖類オキシダーゼ1133からなる基質試薬1132とが第3領域113に入れられている。ペルオキシダーゼ1113はHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、又は水素ペルオキシダーゼであってよい。光学基質1131は好ましくは5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンであり、糖類1112は好ましくはグルコースであり、糖類オキシダーゼ1133はグルコースオキシダーゼである。
【0016】
図1C〜図1Eを参照されたい。これらは液体試験ストリップ1のチャネル11内の反応物質の異なる反応段階における配置を示す概略図である。図1Cでは、検体1101を含む体液サンプルがチャネル11内に導入された後、第1抗体1111が検体1101を認識し結合する。第1抗体1111、糖類1112、及びペルオキシダーゼ1113は第1領域111内に固定されていないので、第1抗体1111と、第1抗体1111と結合した検体1101と、ペルオキシダーゼ1113と、糖類1112とが体液サンプルと一緒に第2領域112に向って流れる。
【0017】
図1Dを参照すると、体液サンプルが第2領域112に到達した後、第2抗体1121は検体1101と結合する。従って、第1抗体1111と検体1101と第2抗体1121とからなる結合複合体が形成される。第2抗体1121は第2領域112内に固定されている。従って、検体1101と結合した第1抗体1111と、第2抗体1121と結合した検体1101と、第1抗体1111と共役するペルオキシダーゼ1113とが第2領域112内に保持される。しかし、体液サンプルと一緒に第2領域112に流れた糖類1112は体液サンプルと一緒に流れ続け、結合していない第1抗体1111及びこれと共役するペルオキシダーゼ1113も一緒に第3領域113に向って流れる。
【0018】
図1Eを参照すると、糖類1112と、結合していない第1抗体1111及びこれと共役するペルオキシダーゼ1113とは第3領域113へ流れる。次に、糖類1112は第3領域113に固定された糖類オキシダーゼ1133と反応して、過酸化水素(H2O2)を生成する。得られた過酸化水素と光学基質1131とは第3領域113に到達したペルオキシダーゼ1113の触媒作用により光学信号を生成する。その結果、生成された光学信号の強度を検出することで、反応に関与した酵素の濃度を決定する。言い換えると、生成された光学信号の強度を検出することで、第3領域113に到達し該反応に関与したペルオキシダーゼ1113の量を決定できる。また、製造時、一定量のペルオキシダーゼ1113を液体試験ストリップ1に入れるので、簡単な引き算(第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量=ペルオキシダーゼ1113の全量−第3領域113へ流れるペルオキシダーゼ1113の量)により第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を決定することは容易である。最後に、第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を使うことで、体液サンプル中の検体1101の濃度を計算することが可能であり、これにより定量分析を完了する。
【0019】
反応の前に、図1Bに示すように、第1抗体1111とペルオキシダーゼ1113とが直接互いに共役しているのが好ましい。或いは、第1抗体1111はビオチンと共役し、ペルオキシダーゼ1113はアビジンと共役できる。ビオチンとアビジンは反応時、強力に結合してAB複合体を形成し、第1抗体1111が第2領域112に保持されている時、第1抗体1111はペルオキシダーゼ1113の一部を一緒に第2領域112に留まるよう引き寄せる。該アビジンはアビジン、ストレプトアビジン、又はニュートラアビジンであってよい。
【0020】
次に、反応前の液体試験ストリップ1のチャネル11内の反応物質の他の態様の配置を示す概略図である図1F〜図1Hを参照されたい。本発明の着想によれば、液体試験ストリップ1において、糖類1112とペルオキシダーゼ1113の両方を第1領域111に配置する代わりに、糖類1112とペルオキシダーゼ1113の両方を図1Fに示すように第2領域112に配置してもよい。
【0021】
図1Fにおいて、第1抗体1111とペルオキシダーゼ1113が第1領域111に入れられている。糖類1112は第2領域112に入れられている。この態様では、第1抗体1111とペルオキシダーゼ1113は上述のように直接互いに共役するか、又はそれぞれビオチンとアビジンと結合してAB複合体を形成することが出来る。他の反応物質、例えば第2抗体1121、光学基質1131、基質試薬1132、及び糖類オキシダーゼ1133の配置は図1Bに示したのと同様である。このような構成により、体液サンプルが第2領域112を通って流れた後、糖類1112も第3領域113に運ばれ該反応が可能になる。反応の異なる段階における反応物質の配置は図1C〜図1Eに示したのと同様であり、繰り返しの説明を省略する。
【0022】
反応物質の別の態様の配置を図1Gに示す。第1抗体1111は第1領域111に入れられ、ペルオキシダーゼ1113と糖類1112は両方第2領域112に入れられている。反応物質の更に別の態様の配置を図1Hに示す。第1抗体1111と糖類1112は第1領域111に入れられ、ペルオキシダーゼ1113は第2領域112に入れられている。上記両態様の他の反応物質の配置は、図1Bに示したのと同様であり、反応の異なる段階における反応物質の配置は図1C〜図1Eに示したのと同様であり、繰り返しの説明を省略する。
【0023】
図1Iを参照すると、図1AのA−A線に沿った液体試験ストリップ1の断面図が示されている。図1Iによれば、繊維層1110が第1領域111の底部に設けられており、第1抗体(図1Bの符号1111)は繊維層1110に入れられ、体液サンプルが第1領域111内に導入された後、第1抗体(図1Bの符号1111)は体液サンプルにより第2領域112へ運ばれる。第2ニトロセルロース層1120と第3ニトロセルロース層1130がそれぞれ第2領域112の底部と第3領域113の底部に設けられている。第2抗体(図1Bの符号1121)は第2ニトロセルロース層1120に固定され、基質試薬1132は第3ニトロセルロース層1130に固定されている。
【0024】
第2ニトロセルロース層1120と第3ニトロセルロース層1130は、それぞれ第2領域112の底部と第3領域113の底部に設けられた積層ニトロセルロース膜であってもよい。
【0025】
第2領域112の底部と第3領域113の底部にニトロセルロース層を配置する別の好適な手法では、第2領域112の底部と第3領域113の底部の両方にニトロセルロース溶液を注ぎ、乾燥(空気乾燥又は凍結乾燥)処理を実行する。従って、このような処理により形成された第2ニトロセルロース層1120と第3ニトロセルロース層1130の両方が空洞マトリックス構造を有する。本発明に係る注ぎ込み処理で作られたニトロセルロース層を有するチャネル11は、従来のマイクロ体液チャネルと異なる。また、毛管力を低減するために、第2領域112と第3領域113は各々0.3mm以上の幅を持つのが好ましい。基板10は生体適合材料でできているのが好ましい。注ぎ込み処理の結果を最適化するために、チャネル11は3μm〜50μmの範囲の表面粗さ(Ra)を有するのが好ましい。ニトロセルロース層1120はニトロセルロース層1130と同じ平均厚みを有するのが好ましい。また、チャネル11は、底部に形成され余分な体液サンプルを収容するための空洞マトリックス構造を有するニトロセルロース層を有する第4領域(不図示)を更に備えてもよい。
【0026】
ニトロセルロース溶液を調製するために、ニトロセルロース粉末がエステル及びケトンを含む溶剤と混合される。ニトロセルロース粉末とエステル及びケトンを含む溶剤との体積比は好ましくは1:9である。また、ニトロセルロース層1120が上記のような注ぎ込み処理で形成される場合、第2抗体1121を含む反応溶液をニトロセルロース層1120に注入し次に乾燥処理することで、第2抗体1121はニトロセルロース層1120の空洞マトリックス構造内に装入される。従って、第2抗体1121は第2ニトロセルロース層1120内に粉末の形態で残される。
【0027】
ニトロセルロース層を乾燥させて第2抗体1121が形成される上記手法のほかに、別の手法では、先ず第2抗体1121を含む溶液をニトロセルロース溶液と混合し、この混合液を第2領域112の底部に注ぎ、次に乾燥処理を行う。従って、第2ニトロセルロース層1120は第2領域112の底部に形成され、第2抗体1121は空洞マトリックス構造内に残され、乾燥されて粉末の形態になる。
【0028】
第2ニトロセルロース層1120に第2抗体1121を供給するのと同様の手法を、第3ニトロセルロース層1130に基質試薬1132を供給するために実行してもよい。第3ニトロセルロース層1130を予成形しこれに基質試薬1132を加えるか、又は基質試薬1132をニトロセルロース溶液と混合しこの混合液を第3領域113の底部に注ぐことが出来、これにより第3ニトロセルロース層1130と基質試薬1132が形成される。同様の詳細な説明は省略する。
【0029】
上記の第1実施形態のほかに、更に本発明は体液サンプルの検出方法を第2実施形態として提供する。第2実施形態における液体試験ストリップは第1実施形態の液体試験ストリップとほぼ同じであり、同様の詳細な説明は省略する。液体試験ストリップの構成要素を示す全ての符号は図1B〜図1Hに示されている。
【0030】
図2は本発明の第2実施形態に係る検出方法のフローチャートである。本発明の検出方法の各ステップを下記に説明する。
ステップ21:検体1101を含む体液サンプルを準備する(図1Bに示すように)。
ステップ22:連続して配置された第1領域111、第2領域112、及び第3領域113を有する1つ以上のチャネル11を有する基板10を準備する。第1領域111は体液サンプルを導入するための領域であり、第1抗体1111を有する。第2領域112は中に第2抗体1121が固定されている。第1抗体1111と第2抗体1121とは体液サンプル中の検体1101の異なるエピトープを認識するよう構成されている。従って、第1抗体1111と第2抗体1121が同じ抗原を求めて互いに競合して抗原の認識を妨げない限り、第1抗体1111と第2抗体1121の両方が単クローン抗体(mAbs)か多クローン抗体(pAbs)のいずれかであってよい。光学基質1131と糖類オキシダーゼ1133からなる基質試薬1132とが第3領域113に入れられている。ペルオキシダーゼ1113はHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、又は水素ペルオキシダーゼであってよい。光学基質1131は好ましくは5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンであり、糖類1112は好ましくはグルコースであり、糖類オキシダーゼ1133はグルコースオキシダーゼである。また、糖類1112とペルオキシダーゼ1113は、第1実施形態で説明したのと同様にチャネル11に亘って配置される(図1B、図1F、図1G、及び図1Hを参照)。
【0031】
ステップ23:チャネル11の第1領域111に体液サンプルを導入する。この体液サンプルはチャネル11に沿って第1領域111、第2領域112、及び第3領域113を連続して通って流れ、チャネル11内の第1抗体1111、糖類1112、及びペルオキシダーゼ1113を運んで一緒に流れる。
【0032】
ステップ24:体液サンプル導入後、検体1101は体液サンプルと一緒に第2領域112へ流れる。第2抗体1121は検体1101と結合して、第1抗体1111と検体1101と第2抗体1121とからなる結合複合体が形成される。第2抗体1121は第2領域112内に固定されている。従って、検体1101と結合した第1抗体1111と、第2抗体1121と結合した検体1101と、第1抗体1111と共役するペルオキシダーゼ1113とが第2領域112内に保持される。しかし、体液サンプルは、糖類1112と、結合していない第1抗体1111と、結合していないペルオキシダーゼ1113とを第3領域113へ連続して運ぶ。第3領域113では、糖類1112が糖類オキシダーゼ1133の触媒作用により過酸化水素を生成する。光学基質1131は第3領域113に到達したペルオキシダーゼ1113の触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成する。
【0033】
ステップ25:ステップ24で生成された光学信号を検出する。生成された光学信号の強度を検出することで、反応に関与した酵素の濃度を決定する。言い換えると、生成された光学信号の強度を検出することで、第3領域113に到達し反応に関与したペルオキシダーゼ1113の量を決定できる。また、製造時、一定量のペルオキシダーゼ1113を液体試験ストリップ1に入れるので、簡単な引き算(第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量=ペルオキシダーゼ1113の全量−第3領域113へ流れるペルオキシダーゼ1113の量)により第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を決定することは容易である。最後に、第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を使うことで、体液サンプル中の検体1101の濃度を計算することが可能であり、これにより定量分析を完了する。
【0034】
本発明の検出方法によれば、第1抗体1111、第2抗体1121、及びペルオキシダーゼ1113の好ましい構成と、第1抗体1111、第2抗体1121、及びペルオキシダーゼ1113の好ましい種類と、チャネル11の各領域の好ましい構造と、ニトロセルロース層の形態及び製造方法と、ニトロセルロース溶液の組成及び好適な比率と、反応物質の組成と製造方法とは第1実施形態で説明したのと同様であり、それらの詳細な説明を省略する。
【0035】
本発明を好適な実施形態を参照しながら説明した。これらの実施形態は本発明の範囲を限定する意図ではないことは理解されるであろう。また、当業者は本明細書に開示した内容を容易に理解し実施できるはずであり、本発明の着想から逸脱していない全ての等価な変更と変形は、添付の請求項に含まれるはずである。
【符号の説明】
【0036】
1 液体試験ストリップ
10 基板
11 チャネル
111 第1領域
112 第2領域
113 第3領域
1101 検体
1111 第1抗体
1112 糖類
1113 ペルオキシダーゼ
1121 第2抗体
1131 光学基質
1132 基質試薬
1133 糖類オキシダーゼ
【技術分野】
【0001】
本発明は液体試験ストリップ、特に、生体液の定量分析のための液体試験ストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の定量分析検査は、生体分子を特異的に認識しこれと結合する免疫分子が有する特有の能力を利用する。例えば、従来の酵素免疫吸着法(ELISA)は、通常96ウェルプレートで行われ、検体(例えば、抗原)の濃度を、該検体と対応する免疫分子と酵素と対応する試薬との間の反応に由来する検出された信号の強度により決定することを特徴とする。しかし、ユーザは通常、分析の段階毎に退屈な洗浄ステップを実行して非結合分子と非特異結合分子を洗い去り、分析の失敗または偽陽性結果の発生を防ぐ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
技術の進歩とともに、今日、免疫分析検査は、マイクロ体液チャネルを有し分析の反応段階後毎に必要であった複雑で繰り返される洗浄作業を簡略化するか又は省略さえする液体試験ストリップを用いて実行される。しかし、このような液体試験ストリップは、反応に必要な試薬又は基質を液体試験ストリップに手動で加える必要があり、ユーザにとって不便である。従来のストリップに必要な試薬又は基質は長期保存時、室温で、又は光で劣化し易く、分析エラーを生じさせる。従って、このような試薬は特定の条件、例えば冷却又は遮光状態で保存される必要がある。その結果、従来の液体試験ストリップは使用及び保存になお不便である。
【0004】
また、従来のチャネル又はマイクロ体液チャネルを有する液体試験ストリップは他の問題を有している。チャネル又はマイクロ体液チャネルは非吸収性材料で通常作られ、分析対象の体液サンプルはタンパク質又は炭水化物から主に成りその粘度は通常高いので、体液サンプルの一部は該チャネルの表面に付着し易く、反応をしない。このようなシナリオは、起こった場合、分析対象の体液サンプルを不利益にも無駄にするだけでなく、定量分析の精度に悪影響を及ぼす。
【0005】
また、従来の液体試験ストリップはマイクロ体液チャネルにより体液サンプルの流れを可能にすることで、該チャネルの構造が及ぼす毛管力により体液サンプルが反応領域に送達されうる。体液サンプルを送達する別の手法は、体液サンプルが該チャネルに導入された時、該チャネルを通って反応領域へ推進されるように、例えば加圧手段による駆動力を適用することを含む。しかし、上記手法のどちらも、体液サンプルがチャネルに導入された後、気泡を発生させ易い。これらの気泡は、大きくても小さくても、該チャネルを塞ぎ、分析結果が不正確になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の欠点を直すために、本発明は体液サンプルの定量分析のための液体試験ストリップを開示する。本液体試験ストリップは1つ以上のチャネルを上面に有する基板を備える。該チャネルは体液サンプルを受け取るための第1領域と、第2領域と、第3領域とを有する。これらの3つの領域は連続して配置されている。また、該チャネルは第1抗体と糖類と第2抗体と光学基質と基質試薬とを含む。第1抗体は該体液サンプル中の検体を認識するために該第1領域に入れられている。糖類とペルオキシダーゼは該第1領域又は該第2領域に入れられてよい。第2抗体は第1抗体と同じ検体を認識するために該第2領域内に固定されている。該第1抗体と該第2抗体とは該検体の異なるエピトープを認識するよう構成されている。光学基質と糖類オキシダーゼからなる基質試薬とは該第3領域に入れられている。該体液サンプルを該チャネルに導入すると直ちに、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼは該体液サンプルと一緒に流れる。該ペルオキシダーゼの一部、該第1抗体、及び該検体は一緒に該第2抗体と結合して該第2領域内に保持される。結合していないペルオキシダーゼは該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類は該糖類オキシダーゼにより酸化され過酸化水素(H2O2)を生成する。次に該光学基質と該過酸化水素は該第3領域において該ペルオキシダーゼの触媒作用により光学信号を生成する。
【0007】
従って、本発明の主な目的は、複雑なステップがなく反応に必要な試薬と物質を主に含む液体試験ストリップを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、含まれている反応に必要な試薬と物質は乾燥しているので、使用まで比較的長期間保存でき、試薬の劣化による分析エラーを防ぐ液体試験ストリップを提供することである。
【0009】
本発明は定量分析方法も開示する。この方法は次のステップを含む。(1)検体を含む体液サンプルを準備するステップ、(2)連続して配置された、該サンプルを受け取るための第1領域と、該サンプルを送達するための第2領域と、該サンプルが反応をする第3領域とを有する1つ以上のチャネルを有する基板を準備するステップと、ここで、該基板は、該体液サンプル中の該検体を認識するために該第1領域に入れられた第1抗体と、該第1領域又は該第2領域に入れられた糖類及びペルオキシダーゼと、該体液サンプル中の該検体を認識するために該第2領域内に固定された第2抗体と、該第3領域に入れられた光学基質及び基質試薬とを更に備え、該第1抗体と該第2抗体とは該体液サンプル中の同じ検体の異なるエピトープを認識するよう構成され、該基質試薬は糖類オキシダーゼからなり、(3)該体液サンプルを該チャネルの該第1領域に導入して、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼが該体液サンプルと一緒に流れるのを可能にするステップ、(4)該検体を該第1抗体、該第2抗体、及び該ペルオキシダーゼの一部に結合させ該第2領域内に保持されるようにし、該糖類、結合していない第1抗体、及び結合していないペルオキシダーゼは、該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類が該糖類オキシダーゼにより酸化され過酸化水素(H2O2)を生成し、次に該光学基質が該第3領域に到達した該ペルオキシダーゼの触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成するようにさせるステップ、及び(5)該生成された光学信号を検出するステップ。
【0010】
従って、本発明の別の目的は、反応に必要な試薬と物質を主に含む液体試験ストリップを使用するので複雑な作業ステップがなく反応信号を直接検出することで分析結果が得られる定量分析方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、含まれている反応に必要な試薬と物質は乾燥しているので、使用まで比較的長期間保存でき、試薬の劣化による分析エラーを防ぐ液体試験ストリップを使用する定量分析方法を提供することである。
本発明とその好適な使用態様、他の目的、及び利点とは、添付の図面と実施形態の下記の詳細な説明を参照することで最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の第1実施形態に係る液体試験ストリップの斜視図である。
【図1B】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置を示す概略図である。
【図1C】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置の変化を示す概略図である。
【図1D】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置の変化を示す概略図である。
【図1E】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の配置の変化を示す概略図である。
【図1F】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の別の配置の変化を示す概略図である。
【図1G】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の別の配置の変化を示す概略図である。
【図1H】図1Aの液体試験ストリップのチャネル内の反応物質の別の配置の変化を示す概略図である。
【図1I】図1Aの液体試験ストリップの斜視断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は液体試験ストリップとこれを使用する検出方法を提案するが、生物学的検定の物理的及び化学的原理は当業者に既知であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。一方、下記の説明で参照する添付の図面は例示のために提供され、一定の倍率/縮尺で描かれる必要はない。
【0014】
本発明の第1実施形態に係る液体試験ストリップの斜視図である図1Aを参照されたい。液体試験ストリップ1は、チャネル11が上面に設けられた基板10を備える。チャネル11は第1領域111、第2領域112、及び第3領域113を有する。これら3つの領域は連続して配置されている。第1領域111は体液サンプルを導入するための領域である。
【0015】
図1Bは液体試験ストリップ1のチャネル11内の反応物質の配置を示す概略図である。第1領域111は第1抗体1111、糖類1112、及びペルオキシダーゼ1113が入れられている。第2領域112は中に第2抗体1121が固定されている。第1抗体1111と第2抗体1121とは体液サンプル中の同一の検体1101の異なるエピトープを認識するよう構成されている。従って、第1抗体1111と第2抗体1121が同じ抗原を求めて互いに競合して抗原の認識を妨げない限り、第1抗体1111と第2抗体1121の両方が単クローン抗体(mAbs)か多クローン抗体(pAbs)のいずれかであってよい。また、第1抗体1111と第2抗体1121は全抗体、抗原結合断片(Fab断片)、又は単鎖可変断片(scFv)の形態であってもよい。光学基質1131と糖類オキシダーゼ1133からなる基質試薬1132とが第3領域113に入れられている。ペルオキシダーゼ1113はHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、又は水素ペルオキシダーゼであってよい。光学基質1131は好ましくは5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンであり、糖類1112は好ましくはグルコースであり、糖類オキシダーゼ1133はグルコースオキシダーゼである。
【0016】
図1C〜図1Eを参照されたい。これらは液体試験ストリップ1のチャネル11内の反応物質の異なる反応段階における配置を示す概略図である。図1Cでは、検体1101を含む体液サンプルがチャネル11内に導入された後、第1抗体1111が検体1101を認識し結合する。第1抗体1111、糖類1112、及びペルオキシダーゼ1113は第1領域111内に固定されていないので、第1抗体1111と、第1抗体1111と結合した検体1101と、ペルオキシダーゼ1113と、糖類1112とが体液サンプルと一緒に第2領域112に向って流れる。
【0017】
図1Dを参照すると、体液サンプルが第2領域112に到達した後、第2抗体1121は検体1101と結合する。従って、第1抗体1111と検体1101と第2抗体1121とからなる結合複合体が形成される。第2抗体1121は第2領域112内に固定されている。従って、検体1101と結合した第1抗体1111と、第2抗体1121と結合した検体1101と、第1抗体1111と共役するペルオキシダーゼ1113とが第2領域112内に保持される。しかし、体液サンプルと一緒に第2領域112に流れた糖類1112は体液サンプルと一緒に流れ続け、結合していない第1抗体1111及びこれと共役するペルオキシダーゼ1113も一緒に第3領域113に向って流れる。
【0018】
図1Eを参照すると、糖類1112と、結合していない第1抗体1111及びこれと共役するペルオキシダーゼ1113とは第3領域113へ流れる。次に、糖類1112は第3領域113に固定された糖類オキシダーゼ1133と反応して、過酸化水素(H2O2)を生成する。得られた過酸化水素と光学基質1131とは第3領域113に到達したペルオキシダーゼ1113の触媒作用により光学信号を生成する。その結果、生成された光学信号の強度を検出することで、反応に関与した酵素の濃度を決定する。言い換えると、生成された光学信号の強度を検出することで、第3領域113に到達し該反応に関与したペルオキシダーゼ1113の量を決定できる。また、製造時、一定量のペルオキシダーゼ1113を液体試験ストリップ1に入れるので、簡単な引き算(第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量=ペルオキシダーゼ1113の全量−第3領域113へ流れるペルオキシダーゼ1113の量)により第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を決定することは容易である。最後に、第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を使うことで、体液サンプル中の検体1101の濃度を計算することが可能であり、これにより定量分析を完了する。
【0019】
反応の前に、図1Bに示すように、第1抗体1111とペルオキシダーゼ1113とが直接互いに共役しているのが好ましい。或いは、第1抗体1111はビオチンと共役し、ペルオキシダーゼ1113はアビジンと共役できる。ビオチンとアビジンは反応時、強力に結合してAB複合体を形成し、第1抗体1111が第2領域112に保持されている時、第1抗体1111はペルオキシダーゼ1113の一部を一緒に第2領域112に留まるよう引き寄せる。該アビジンはアビジン、ストレプトアビジン、又はニュートラアビジンであってよい。
【0020】
次に、反応前の液体試験ストリップ1のチャネル11内の反応物質の他の態様の配置を示す概略図である図1F〜図1Hを参照されたい。本発明の着想によれば、液体試験ストリップ1において、糖類1112とペルオキシダーゼ1113の両方を第1領域111に配置する代わりに、糖類1112とペルオキシダーゼ1113の両方を図1Fに示すように第2領域112に配置してもよい。
【0021】
図1Fにおいて、第1抗体1111とペルオキシダーゼ1113が第1領域111に入れられている。糖類1112は第2領域112に入れられている。この態様では、第1抗体1111とペルオキシダーゼ1113は上述のように直接互いに共役するか、又はそれぞれビオチンとアビジンと結合してAB複合体を形成することが出来る。他の反応物質、例えば第2抗体1121、光学基質1131、基質試薬1132、及び糖類オキシダーゼ1133の配置は図1Bに示したのと同様である。このような構成により、体液サンプルが第2領域112を通って流れた後、糖類1112も第3領域113に運ばれ該反応が可能になる。反応の異なる段階における反応物質の配置は図1C〜図1Eに示したのと同様であり、繰り返しの説明を省略する。
【0022】
反応物質の別の態様の配置を図1Gに示す。第1抗体1111は第1領域111に入れられ、ペルオキシダーゼ1113と糖類1112は両方第2領域112に入れられている。反応物質の更に別の態様の配置を図1Hに示す。第1抗体1111と糖類1112は第1領域111に入れられ、ペルオキシダーゼ1113は第2領域112に入れられている。上記両態様の他の反応物質の配置は、図1Bに示したのと同様であり、反応の異なる段階における反応物質の配置は図1C〜図1Eに示したのと同様であり、繰り返しの説明を省略する。
【0023】
図1Iを参照すると、図1AのA−A線に沿った液体試験ストリップ1の断面図が示されている。図1Iによれば、繊維層1110が第1領域111の底部に設けられており、第1抗体(図1Bの符号1111)は繊維層1110に入れられ、体液サンプルが第1領域111内に導入された後、第1抗体(図1Bの符号1111)は体液サンプルにより第2領域112へ運ばれる。第2ニトロセルロース層1120と第3ニトロセルロース層1130がそれぞれ第2領域112の底部と第3領域113の底部に設けられている。第2抗体(図1Bの符号1121)は第2ニトロセルロース層1120に固定され、基質試薬1132は第3ニトロセルロース層1130に固定されている。
【0024】
第2ニトロセルロース層1120と第3ニトロセルロース層1130は、それぞれ第2領域112の底部と第3領域113の底部に設けられた積層ニトロセルロース膜であってもよい。
【0025】
第2領域112の底部と第3領域113の底部にニトロセルロース層を配置する別の好適な手法では、第2領域112の底部と第3領域113の底部の両方にニトロセルロース溶液を注ぎ、乾燥(空気乾燥又は凍結乾燥)処理を実行する。従って、このような処理により形成された第2ニトロセルロース層1120と第3ニトロセルロース層1130の両方が空洞マトリックス構造を有する。本発明に係る注ぎ込み処理で作られたニトロセルロース層を有するチャネル11は、従来のマイクロ体液チャネルと異なる。また、毛管力を低減するために、第2領域112と第3領域113は各々0.3mm以上の幅を持つのが好ましい。基板10は生体適合材料でできているのが好ましい。注ぎ込み処理の結果を最適化するために、チャネル11は3μm〜50μmの範囲の表面粗さ(Ra)を有するのが好ましい。ニトロセルロース層1120はニトロセルロース層1130と同じ平均厚みを有するのが好ましい。また、チャネル11は、底部に形成され余分な体液サンプルを収容するための空洞マトリックス構造を有するニトロセルロース層を有する第4領域(不図示)を更に備えてもよい。
【0026】
ニトロセルロース溶液を調製するために、ニトロセルロース粉末がエステル及びケトンを含む溶剤と混合される。ニトロセルロース粉末とエステル及びケトンを含む溶剤との体積比は好ましくは1:9である。また、ニトロセルロース層1120が上記のような注ぎ込み処理で形成される場合、第2抗体1121を含む反応溶液をニトロセルロース層1120に注入し次に乾燥処理することで、第2抗体1121はニトロセルロース層1120の空洞マトリックス構造内に装入される。従って、第2抗体1121は第2ニトロセルロース層1120内に粉末の形態で残される。
【0027】
ニトロセルロース層を乾燥させて第2抗体1121が形成される上記手法のほかに、別の手法では、先ず第2抗体1121を含む溶液をニトロセルロース溶液と混合し、この混合液を第2領域112の底部に注ぎ、次に乾燥処理を行う。従って、第2ニトロセルロース層1120は第2領域112の底部に形成され、第2抗体1121は空洞マトリックス構造内に残され、乾燥されて粉末の形態になる。
【0028】
第2ニトロセルロース層1120に第2抗体1121を供給するのと同様の手法を、第3ニトロセルロース層1130に基質試薬1132を供給するために実行してもよい。第3ニトロセルロース層1130を予成形しこれに基質試薬1132を加えるか、又は基質試薬1132をニトロセルロース溶液と混合しこの混合液を第3領域113の底部に注ぐことが出来、これにより第3ニトロセルロース層1130と基質試薬1132が形成される。同様の詳細な説明は省略する。
【0029】
上記の第1実施形態のほかに、更に本発明は体液サンプルの検出方法を第2実施形態として提供する。第2実施形態における液体試験ストリップは第1実施形態の液体試験ストリップとほぼ同じであり、同様の詳細な説明は省略する。液体試験ストリップの構成要素を示す全ての符号は図1B〜図1Hに示されている。
【0030】
図2は本発明の第2実施形態に係る検出方法のフローチャートである。本発明の検出方法の各ステップを下記に説明する。
ステップ21:検体1101を含む体液サンプルを準備する(図1Bに示すように)。
ステップ22:連続して配置された第1領域111、第2領域112、及び第3領域113を有する1つ以上のチャネル11を有する基板10を準備する。第1領域111は体液サンプルを導入するための領域であり、第1抗体1111を有する。第2領域112は中に第2抗体1121が固定されている。第1抗体1111と第2抗体1121とは体液サンプル中の検体1101の異なるエピトープを認識するよう構成されている。従って、第1抗体1111と第2抗体1121が同じ抗原を求めて互いに競合して抗原の認識を妨げない限り、第1抗体1111と第2抗体1121の両方が単クローン抗体(mAbs)か多クローン抗体(pAbs)のいずれかであってよい。光学基質1131と糖類オキシダーゼ1133からなる基質試薬1132とが第3領域113に入れられている。ペルオキシダーゼ1113はHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、又は水素ペルオキシダーゼであってよい。光学基質1131は好ましくは5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンであり、糖類1112は好ましくはグルコースであり、糖類オキシダーゼ1133はグルコースオキシダーゼである。また、糖類1112とペルオキシダーゼ1113は、第1実施形態で説明したのと同様にチャネル11に亘って配置される(図1B、図1F、図1G、及び図1Hを参照)。
【0031】
ステップ23:チャネル11の第1領域111に体液サンプルを導入する。この体液サンプルはチャネル11に沿って第1領域111、第2領域112、及び第3領域113を連続して通って流れ、チャネル11内の第1抗体1111、糖類1112、及びペルオキシダーゼ1113を運んで一緒に流れる。
【0032】
ステップ24:体液サンプル導入後、検体1101は体液サンプルと一緒に第2領域112へ流れる。第2抗体1121は検体1101と結合して、第1抗体1111と検体1101と第2抗体1121とからなる結合複合体が形成される。第2抗体1121は第2領域112内に固定されている。従って、検体1101と結合した第1抗体1111と、第2抗体1121と結合した検体1101と、第1抗体1111と共役するペルオキシダーゼ1113とが第2領域112内に保持される。しかし、体液サンプルは、糖類1112と、結合していない第1抗体1111と、結合していないペルオキシダーゼ1113とを第3領域113へ連続して運ぶ。第3領域113では、糖類1112が糖類オキシダーゼ1133の触媒作用により過酸化水素を生成する。光学基質1131は第3領域113に到達したペルオキシダーゼ1113の触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成する。
【0033】
ステップ25:ステップ24で生成された光学信号を検出する。生成された光学信号の強度を検出することで、反応に関与した酵素の濃度を決定する。言い換えると、生成された光学信号の強度を検出することで、第3領域113に到達し反応に関与したペルオキシダーゼ1113の量を決定できる。また、製造時、一定量のペルオキシダーゼ1113を液体試験ストリップ1に入れるので、簡単な引き算(第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量=ペルオキシダーゼ1113の全量−第3領域113へ流れるペルオキシダーゼ1113の量)により第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を決定することは容易である。最後に、第2領域112に保持されたペルオキシダーゼ1113の量を使うことで、体液サンプル中の検体1101の濃度を計算することが可能であり、これにより定量分析を完了する。
【0034】
本発明の検出方法によれば、第1抗体1111、第2抗体1121、及びペルオキシダーゼ1113の好ましい構成と、第1抗体1111、第2抗体1121、及びペルオキシダーゼ1113の好ましい種類と、チャネル11の各領域の好ましい構造と、ニトロセルロース層の形態及び製造方法と、ニトロセルロース溶液の組成及び好適な比率と、反応物質の組成と製造方法とは第1実施形態で説明したのと同様であり、それらの詳細な説明を省略する。
【0035】
本発明を好適な実施形態を参照しながら説明した。これらの実施形態は本発明の範囲を限定する意図ではないことは理解されるであろう。また、当業者は本明細書に開示した内容を容易に理解し実施できるはずであり、本発明の着想から逸脱していない全ての等価な変更と変形は、添付の請求項に含まれるはずである。
【符号の説明】
【0036】
1 液体試験ストリップ
10 基板
11 チャネル
111 第1領域
112 第2領域
113 第3領域
1101 検体
1111 第1抗体
1112 糖類
1113 ペルオキシダーゼ
1121 第2抗体
1131 光学基質
1132 基質試薬
1133 糖類オキシダーゼ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して配置された、体液サンプルを導入するために使用される第1領域と、第2領域と、第3領域とを有する1つ以上のチャネルを有する基板を備える液体試験ストリップであって、
該体液サンプル中の検体を認識するために該第1領域に入れられた第1抗体と、
該第1領域又は該第2領域に入れられた糖類と、
該第1領域又は該第2領域に入れられたペルオキシダーゼと、
該体液サンプル中の検体を認識するために該第2領域内に固定された第2抗体と、
該第3領域に入れられた光学基質及び基質試薬と
を備え、
該第1抗体と該第2抗体とは該体液サンプル中の該検体の異なるエピトープを認識するよう構成され、該基質試薬は糖類オキシダーゼからなり、
該検体を含む該体液サンプルを該チャネルに導入すると直ちに、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼは該体液サンプルと一緒に流れ、該ペルオキシダーゼの一部は、該第1抗体、該検体、及び該第2抗体と結合して該第2領域内に保持され、該ペルオキシダーゼの残りは該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類は該第3領域に到達し該糖類オキシダーゼの触媒作用で過酸化水素を生成し、次に該光学基質は該第3領域に到達した該ペルオキシダーゼの触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成する、液体試験ストリップ。
【請求項2】
前記第1抗体と前記ペルオキシダーゼは前記第1領域に入れられ、互いに共役する請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項3】
前記第1抗体はビオチンと更に共役し、前記ペルオキシダーゼはアビジン、ストレプトアビジン、及びニュートラアビジンからなるグループから選択された分子と共役する請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項4】
前記第1抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体であり、前記第2抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体である請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項5】
前記ペルオキシダーゼはHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、及び水素ペルオキシダーゼからなるグループから選択される請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項6】
前記光学基質は5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンである請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項7】
前記糖類はグルコースであり、前記糖類オキシダーゼはグルコースオキシダーゼである請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項8】
繊維層が前記第1領域の底部に設けられ、前記第1抗体は該繊維層に固定されている請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項9】
ニトロセルロース層が前記第2領域と第3領域の各々の底部に設けられ、前記第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層に固定され、前記基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層に固定されている請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項10】
前記ニトロセルロース層はニトロセルロース膜である請求項9に記載の液体試験ストリップ。
【請求項11】
前記ニトロセルロース層は、空洞マトリックス構造を有し、ニトロセルロース溶液を前記第2領域の底部と前記第3領域の底部に注ぎ込み、次に乾燥処理することで作られる請求項9に記載の液体試験ストリップ。
【請求項12】
前記ニトロセルロース溶液はニトロセルロース粉末をエステル及びケトンを含む溶剤と混合することで調製される請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項13】
前記ニトロセルロース粉末はエステル及びケトンを含む溶剤と1:9の体積比で混合される請求項12に記載の液体試験ストリップ。
【請求項14】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記第2領域の前記ニトロセルロース層に注入し次に乾燥処理することで該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項13に記載の液体試験ストリップ。
【請求項15】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項14に記載の液体試験ストリップ。
【請求項16】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項14に記載の液体試験ストリップ。
【請求項17】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該第2抗体は前記第2領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項18】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項17に記載の液体試験ストリップ。
【請求項19】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項17に記載の液体試験ストリップ。
【請求項20】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記第3領域の前記ニトロセルロース層に注入し、次に乾燥処理することで該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項21】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項20に記載の液体試験ストリップ。
【請求項22】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項20に記載の液体試験ストリップ。
【請求項23】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該基質試薬は前記第3領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項24】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項23に記載の液体試験ストリップ。
【請求項25】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項23に記載の液体試験ストリップ。
【請求項26】
前記第2領域と第3領域は各々0.3mm以上の幅を有する請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項27】
前記基板は生体適合材料でできている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項28】
前記チャネルは3μm〜50μmの範囲の表面粗さを有する請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項29】
前記第2領域の前記ニトロセルロース層は前記第3領域のニトロセルロース層と同じ平均厚みを有する請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項30】
前記チャネルは、余分な体液サンプルを収容するための空洞マトリックス構造を有するニトロセルロース層が底部に形成された第4領域を更に有する請求項29に記載の液体試験ストリップ。
【請求項31】
検体を含む体液サンプルを準備するステップと;
連続して配置された、体液サンプルを導入するために使用される第1領域と、第2領域と、第3領域とを有する1つ以上のチャネルを有する基板を準備するステップと、
ここで、該基板は、
該体液サンプル中の該検体を認識するために該第1領域に入れられた第1抗体と、
該第1領域又は該第2領域に入れられた糖類と、
該第1領域又は該第2領域に入れられたペルオキシダーゼと、
該体液サンプル中の該検体を認識するために該第2領域内に固定された第2抗体と、
該第3領域に入れられた光学基質及び基質試薬と
を更に備え、
該第1抗体と該第2抗体とは該検体の異なるエピトープを認識するよう構成され、該基質試薬は糖類オキシダーゼからなり;
該体液サンプルを該チャネルの該第1領域に導入して、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼが該体液サンプルと一緒に流れるのを可能にするステップと;
該検体、該第1抗体、該第2抗体、及び該ペルオキシダーゼの一部は互いに結合して該第2領域内に保持され、
該糖類、結合していない第1抗体、及び該ペルオキシダーゼの結合していない残りは、該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類が該ペルオキシダーゼの触媒作用で過酸化水素を生成し、
次に該光学基質が該第3領域に到達した該ペルオキシダーゼの触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成するようにさせるステップと;
該生成された光学信号を検出するステップと
を含む検出方法。
【請求項32】
前記第1抗体と前記ペルオキシダーゼは前記第1領域に入れられ、互いに共役する請求項31に記載の検出方法。
【請求項33】
前記第1抗体はビオチンと更に共役し、前記ペルオキシダーゼはアビジン、ストレプトアビジン、及びニュートラアビジンからなるグループから選択されたアビジンと共役する請求項31に記載の検出方法。
【請求項34】
前記第1抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体であり、前記第2抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体である請求項31に記載の検出方法。
【請求項35】
前記ペルオキシダーゼはHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、及び水素ペルオキシダーゼからなるグループから選択される請求項31に記載の検出方法。
【請求項36】
前記光学基質は5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンである請求項31に記載の検出方法。
【請求項37】
前記糖類はグルコースであり、前記糖類オキシダーゼはグルコースオキシダーゼである請求項31に記載の検出方法。
【請求項38】
繊維層が前記第1領域の底部に設けられ、前記第1抗体は該繊維層に固定されている請求項31に記載の検出方法。
【請求項39】
ニトロセルロース層が前記第2領域と第3領域の各々の底部に設けられ、前記第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層に固定され、前記基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層に固定されている請求項31に記載の検出方法。
【請求項40】
前記ニトロセルロース層はニトロセルロース膜である請求項39に記載の検出方法。
【請求項41】
前記ニトロセルロース層は、空洞マトリックス構造を有し、ニトロセルロース溶液を前記第2領域の底部と前記第3領域の底部に注ぎ込み、次に乾燥処理することで作られる請求項39に記載の検出方法。
【請求項42】
前記ニトロセルロース溶液はニトロセルロース粉末をエステル及びケトンを含む溶剤と混合することで調製される請求項41に記載の検出方法。
【請求項43】
前記ニトロセルロース粉末はエステル及びケトンを含む溶剤と1:9の体積比で混合される請求項42に記載の検出方法。
【請求項44】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記第2領域の前記ニトロセルロース層に注入し次に乾燥処理することで該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項43に記載の検出方法。
【請求項45】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項44に記載の検出方法。
【請求項46】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項44に記載の検出方法。
【請求項47】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該第2抗体は前記第2領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項41に記載の検出方法。
【請求項48】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項47に記載の検出方法。
【請求項49】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項47に記載の検出方法。
【請求項50】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記第3領域の前記ニトロセルロース層に注入し、次に乾燥処理することで該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項41に記載の検出方法。
【請求項51】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項50に記載の検出方法。
【請求項52】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項50に記載の検出方法。
【請求項53】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該基質試薬は前記第3領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項41に記載の検出方法。
【請求項54】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項53に記載の検出方法。
【請求項55】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項53に記載の検出方法。
【請求項56】
前記第2領域と第3領域は各々0.3mm以上の幅を有する請求項41に記載の検出方法。
【請求項57】
前記基板は生体適合材料でできている請求項39に記載の検出方法。
【請求項58】
前記チャネルは3μm〜50μmの範囲の表面粗さを有する請求項41に記載の検出方法。
【請求項59】
前記第2領域の前記ニトロセルロース層は前記第3領域のニトロセルロース層と同じ平均厚みを有する請求項41に記載の検出方法。
【請求項60】
前記チャネルは、余分な体液サンプルを収容するための空洞マトリックス構造を有するニトロセルロース層が底部に形成された第4領域を更に有する請求項59に記載の検出方法。
【請求項1】
連続して配置された、体液サンプルを導入するために使用される第1領域と、第2領域と、第3領域とを有する1つ以上のチャネルを有する基板を備える液体試験ストリップであって、
該体液サンプル中の検体を認識するために該第1領域に入れられた第1抗体と、
該第1領域又は該第2領域に入れられた糖類と、
該第1領域又は該第2領域に入れられたペルオキシダーゼと、
該体液サンプル中の検体を認識するために該第2領域内に固定された第2抗体と、
該第3領域に入れられた光学基質及び基質試薬と
を備え、
該第1抗体と該第2抗体とは該体液サンプル中の該検体の異なるエピトープを認識するよう構成され、該基質試薬は糖類オキシダーゼからなり、
該検体を含む該体液サンプルを該チャネルに導入すると直ちに、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼは該体液サンプルと一緒に流れ、該ペルオキシダーゼの一部は、該第1抗体、該検体、及び該第2抗体と結合して該第2領域内に保持され、該ペルオキシダーゼの残りは該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類は該第3領域に到達し該糖類オキシダーゼの触媒作用で過酸化水素を生成し、次に該光学基質は該第3領域に到達した該ペルオキシダーゼの触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成する、液体試験ストリップ。
【請求項2】
前記第1抗体と前記ペルオキシダーゼは前記第1領域に入れられ、互いに共役する請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項3】
前記第1抗体はビオチンと更に共役し、前記ペルオキシダーゼはアビジン、ストレプトアビジン、及びニュートラアビジンからなるグループから選択された分子と共役する請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項4】
前記第1抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体であり、前記第2抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体である請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項5】
前記ペルオキシダーゼはHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、及び水素ペルオキシダーゼからなるグループから選択される請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項6】
前記光学基質は5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンである請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項7】
前記糖類はグルコースであり、前記糖類オキシダーゼはグルコースオキシダーゼである請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項8】
繊維層が前記第1領域の底部に設けられ、前記第1抗体は該繊維層に固定されている請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項9】
ニトロセルロース層が前記第2領域と第3領域の各々の底部に設けられ、前記第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層に固定され、前記基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層に固定されている請求項1に記載の液体試験ストリップ。
【請求項10】
前記ニトロセルロース層はニトロセルロース膜である請求項9に記載の液体試験ストリップ。
【請求項11】
前記ニトロセルロース層は、空洞マトリックス構造を有し、ニトロセルロース溶液を前記第2領域の底部と前記第3領域の底部に注ぎ込み、次に乾燥処理することで作られる請求項9に記載の液体試験ストリップ。
【請求項12】
前記ニトロセルロース溶液はニトロセルロース粉末をエステル及びケトンを含む溶剤と混合することで調製される請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項13】
前記ニトロセルロース粉末はエステル及びケトンを含む溶剤と1:9の体積比で混合される請求項12に記載の液体試験ストリップ。
【請求項14】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記第2領域の前記ニトロセルロース層に注入し次に乾燥処理することで該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項13に記載の液体試験ストリップ。
【請求項15】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項14に記載の液体試験ストリップ。
【請求項16】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項14に記載の液体試験ストリップ。
【請求項17】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該第2抗体は前記第2領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項18】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項17に記載の液体試験ストリップ。
【請求項19】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項17に記載の液体試験ストリップ。
【請求項20】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記第3領域の前記ニトロセルロース層に注入し、次に乾燥処理することで該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項21】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項20に記載の液体試験ストリップ。
【請求項22】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項20に記載の液体試験ストリップ。
【請求項23】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該基質試薬は前記第3領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項24】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項23に記載の液体試験ストリップ。
【請求項25】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項23に記載の液体試験ストリップ。
【請求項26】
前記第2領域と第3領域は各々0.3mm以上の幅を有する請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項27】
前記基板は生体適合材料でできている請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項28】
前記チャネルは3μm〜50μmの範囲の表面粗さを有する請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項29】
前記第2領域の前記ニトロセルロース層は前記第3領域のニトロセルロース層と同じ平均厚みを有する請求項11に記載の液体試験ストリップ。
【請求項30】
前記チャネルは、余分な体液サンプルを収容するための空洞マトリックス構造を有するニトロセルロース層が底部に形成された第4領域を更に有する請求項29に記載の液体試験ストリップ。
【請求項31】
検体を含む体液サンプルを準備するステップと;
連続して配置された、体液サンプルを導入するために使用される第1領域と、第2領域と、第3領域とを有する1つ以上のチャネルを有する基板を準備するステップと、
ここで、該基板は、
該体液サンプル中の該検体を認識するために該第1領域に入れられた第1抗体と、
該第1領域又は該第2領域に入れられた糖類と、
該第1領域又は該第2領域に入れられたペルオキシダーゼと、
該体液サンプル中の該検体を認識するために該第2領域内に固定された第2抗体と、
該第3領域に入れられた光学基質及び基質試薬と
を更に備え、
該第1抗体と該第2抗体とは該検体の異なるエピトープを認識するよう構成され、該基質試薬は糖類オキシダーゼからなり;
該体液サンプルを該チャネルの該第1領域に導入して、該第1抗体、該糖類、及び該ペルオキシダーゼが該体液サンプルと一緒に流れるのを可能にするステップと;
該検体、該第1抗体、該第2抗体、及び該ペルオキシダーゼの一部は互いに結合して該第2領域内に保持され、
該糖類、結合していない第1抗体、及び該ペルオキシダーゼの結合していない残りは、該体液サンプルと一緒に該第3領域へ流れ、該糖類が該ペルオキシダーゼの触媒作用で過酸化水素を生成し、
次に該光学基質が該第3領域に到達した該ペルオキシダーゼの触媒作用により該過酸化水素と反応して光学信号を生成するようにさせるステップと;
該生成された光学信号を検出するステップと
を含む検出方法。
【請求項32】
前記第1抗体と前記ペルオキシダーゼは前記第1領域に入れられ、互いに共役する請求項31に記載の検出方法。
【請求項33】
前記第1抗体はビオチンと更に共役し、前記ペルオキシダーゼはアビジン、ストレプトアビジン、及びニュートラアビジンからなるグループから選択されたアビジンと共役する請求項31に記載の検出方法。
【請求項34】
前記第1抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体であり、前記第2抗体は単クローン抗体又は多クローン抗体である請求項31に記載の検出方法。
【請求項35】
前記ペルオキシダーゼはHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)、AP(アスコルビン酸ペルオキシダーゼ)、及び水素ペルオキシダーゼからなるグループから選択される請求項31に記載の検出方法。
【請求項36】
前記光学基質は5‐アミノ‐2,3‐ジヒドロ‐1,4‐フタラジンジオンである請求項31に記載の検出方法。
【請求項37】
前記糖類はグルコースであり、前記糖類オキシダーゼはグルコースオキシダーゼである請求項31に記載の検出方法。
【請求項38】
繊維層が前記第1領域の底部に設けられ、前記第1抗体は該繊維層に固定されている請求項31に記載の検出方法。
【請求項39】
ニトロセルロース層が前記第2領域と第3領域の各々の底部に設けられ、前記第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層に固定され、前記基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層に固定されている請求項31に記載の検出方法。
【請求項40】
前記ニトロセルロース層はニトロセルロース膜である請求項39に記載の検出方法。
【請求項41】
前記ニトロセルロース層は、空洞マトリックス構造を有し、ニトロセルロース溶液を前記第2領域の底部と前記第3領域の底部に注ぎ込み、次に乾燥処理することで作られる請求項39に記載の検出方法。
【請求項42】
前記ニトロセルロース溶液はニトロセルロース粉末をエステル及びケトンを含む溶剤と混合することで調製される請求項41に記載の検出方法。
【請求項43】
前記ニトロセルロース粉末はエステル及びケトンを含む溶剤と1:9の体積比で混合される請求項42に記載の検出方法。
【請求項44】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記第2領域の前記ニトロセルロース層に注入し次に乾燥処理することで該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項43に記載の検出方法。
【請求項45】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項44に記載の検出方法。
【請求項46】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項44に記載の検出方法。
【請求項47】
前記第2抗体は、粉末の形態であり、該第2抗体を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該第2抗体は前記第2領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該第2抗体は該第2領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項41に記載の検出方法。
【請求項48】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項47に記載の検出方法。
【請求項49】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項47に記載の検出方法。
【請求項50】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記第3領域の前記ニトロセルロース層に注入し、次に乾燥処理することで該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項41に記載の検出方法。
【請求項51】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項50に記載の検出方法。
【請求項52】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項50に記載の検出方法。
【請求項53】
前記基質試薬は、粉末の形態であり、該基質試薬を含む反応溶液を前記ニトロセルロース溶液と混合し次に乾燥処理することで、該ニトロセルロース溶液が前記ニトロセルロース層を形成し該基質試薬は前記第3領域の該ニトロセルロース層内に粉末の形態で残され、これにより該基質試薬は該第3領域の該ニトロセルロース層の空洞マトリックス構造内に入れられている請求項41に記載の検出方法。
【請求項54】
前記乾燥処理は凍結乾燥処理である請求項53に記載の検出方法。
【請求項55】
前記乾燥処理は空気乾燥処理である請求項53に記載の検出方法。
【請求項56】
前記第2領域と第3領域は各々0.3mm以上の幅を有する請求項41に記載の検出方法。
【請求項57】
前記基板は生体適合材料でできている請求項39に記載の検出方法。
【請求項58】
前記チャネルは3μm〜50μmの範囲の表面粗さを有する請求項41に記載の検出方法。
【請求項59】
前記第2領域の前記ニトロセルロース層は前記第3領域のニトロセルロース層と同じ平均厚みを有する請求項41に記載の検出方法。
【請求項60】
前記チャネルは、余分な体液サンプルを収容するための空洞マトリックス構造を有するニトロセルロース層が底部に形成された第4領域を更に有する請求項59に記載の検出方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図2】
【公表番号】特表2012−505418(P2012−505418A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531321(P2011−531321)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001750
【国際公開番号】WO2010/043075
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(508099254)紅電醫學科技股▲分▼有限公司 (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001750
【国際公開番号】WO2010/043075
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(508099254)紅電醫學科技股▲分▼有限公司 (13)
【Fターム(参考)】
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