説明

液晶表示素子の製造方法

【課題】液晶層の層厚の均一化を達成することが可能な液晶表示素子の製造方法を提供する。
【解決手段】液晶表示装置の製造方法であって、第2の透明基板5に第2透明保護膜剤8´を設けて第2の均一化基板50を形成する工程と、第2の均一化基板50と第1透明保護膜4が形成された第1の均一化基板10とを、互いの対応する画素領域Dp同士を重ねて配置する工程と、第1の均一化基板10と第2の均一化基板50とを近づけて第1透明保護膜4の表面形状を第2透明保護膜剤8´に転写する工程と、第2透明保護膜剤8´を硬化する工程と、第1透明保護膜4と第2透明保護膜剤8´との間の押圧力を解放した状態で、第1の均一化基板10と前記第2の均一化基板50とを互いの対応する画素領域Dp同士が重なるように所定の間隙を確保して接合する工程と、を含むので液晶層の層厚の均一化が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタや画素電極等の素子がパターニング形成されたトランジスタアレイ基板と、カラーフィルタや対向電極等の素子が形成されたカラーフィルタ基板とを、各素子形成面が対向するように配置し、それら一対の基板により液晶層を挟持してなる液晶表示素子では、各基板の素子形成面の最表面に凹凸が生じる。この凹凸により液晶層を侠持する一対の基板の最表面同士の間隔が不均一になり、これに伴って前記液晶層の層厚が不均一になると、液晶の応答速度や液晶分子の配向状態等の表示特性に直接悪影響を及ぼす。そこで、従来、液晶表示素子における液晶層の層厚を均一化する方策として、特許文献1に示されるように、基板のうち前記液晶層が配置される側の面に凹凸を緩和するための平坦化膜を積層させて液晶層を侠持する方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−228485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の平坦化膜を積層する方法によっても、前記基板表面の凹凸を完全には緩和することはできず、平坦化膜表面に凹凸が引き継がれてしまい、或る程度の液晶層の層厚のばらつきは解消できない。従って、表示品位の低下を確実に防止することはできていない。
【0005】
本発明の目的は、液晶層の層厚の均一化を達成することが可能な液晶表示素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された本発明の液晶表示素子の製造方法は、第1透明保護膜が形成された第1の均一化基板と、該第1の均一化基板に液晶層を介して対向配置される第2の基板とを準備する第一工程と、前記第2の基板のうち前記液晶層が配置される側の面を覆うように第2透明保護膜剤を設けることで前記第2の基板と前記第2透明保護膜剤とから成る第2の均一化基板を形成する第二工程と、前記第2の均一化基板と前記第1の均一化基板とを、互いの対応する画素領域同士を重ねて対向配置する第三工程と、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧し、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを近づけて前記第1透明保護膜の表面形状を前記第2透明保護膜剤に転写する第四工程と、前記第2透明保護膜剤を硬化する第五工程と、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間の押圧力を解放した状態で、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを互いの対応する前記画素領域同士が重なるように所定の間隙を確保して接合する第六工程と、を含むこと、を特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第五工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧させたまま、前記第2透明保護膜剤を硬化すること、を特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第五工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間の押圧力を解放してから、前記第2透明保護膜剤を硬化すること、を特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第三工程において、前記第1の均一化基板が有する複数の画素電極のうち前記画素領域を形成する一つの画素電極と、前記第2の均一化基板が有する複数の色要素フィルタのうち前記画素領域を形成する一つの色要素フィルタとが重なるように、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを対向配置し、前記第六工程において、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを接合する際に、前記一つの画素電極と、前記一つの色要素フィルタとが重なるように、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを接合すること、を特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの請求項に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第四工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧する際に、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに接触させた状態で押圧すること、を特徴とするものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの請求項に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第四工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧する際に、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間にフィルム状部材を介在させた状態で押圧することを含むこと、を特徴とするものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第四工程において、前記第1透明保護膜よりも前記第2透明保護膜剤との間の粘着力が弱い前記フィルム状部材を、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間に介在させることを含むこと、を特徴とするものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかの請求項に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第二工程において、可塑性樹脂または硬化性樹脂からなる前記第2透明保護膜剤を前記第2の基板に設けること、を特徴とするものである。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかの請求項に記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記第一工程において、薄膜トランジスタと画素電極とが画素領域毎に形成されたトランジスタアレイ基板を前記第1の均一化基板として準備し、前記各画素領域に対応するように色要素フィルタが形成されたカラーフィルタ基板を前記第2の基板として準備すること、を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、液晶層の層厚の均一化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態としての製造方法における転写接合前の工程を示す模式的断面図である。
【図2】上記製造方法における転写接合工程を示す模式的断面図である。
【図3】上記製造方法における基板離隔工程を示す模式的断面図である。
【図4】上記製造方法により製造された液晶表示素子を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態としての製造方法における転写接合工程を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態の製造方法によって製造される液晶表示素子は一対の基板により液晶層を挟持してなるアクティブマトリックス型の液晶表示素子であり、図1(a)に示すように、転写接合する前の第1の透明基板1(第1の基板)は、複数の画素電極2と、この画素電極2に対する信号電圧の印加をオン・オフするスイッチング素子としての複数の薄膜トランジスタ3と、を備えており、1個の画素領域Dp毎に、前記画素電極2と、前記薄膜トランジスタ3と、がそれぞれ配設されている。
【0018】
薄膜トランジスタ3は、逆スタガー型で、ゲート電極301、ゲート絶縁膜302、半導体層303、オーミックコンタクト層304、ブロッキング層305、ソース電極306、ドレイン電極307等からなり、ドレイン電極307が対応画素電極2に導通接続されている。
【0019】
画素領域Dp毎に画素電極2と薄膜トランジスタ3が配設されてなる画素アレイ層を覆って第1の透明基板1の前記液晶層が配置される側の面の略全面にわたり、第1透明保護膜4が第1の透明基板1の最表面となるように被着され、第1の透明基板1と第1透明保護膜4とから成る第1の均一化基板10が形成される。この第1透明保護膜4は、下地層となる画素アレイ層上に非結晶フッ素樹脂剤からなる熱可塑性樹脂の第1透明保護膜剤をスピンコート法等により一様に塗布した後に硬化させて形成されている。したがって、第1透明保護膜4の表面には、画素アレイ層表面の凹凸の度合いが或る程度吸収緩和された凹凸が形成されている。
【0020】
本実施形態の第1透明保護膜4は、ペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン:BVE)を環化重合させて得られる非結晶フッ素樹脂からなり、紫外、可視、近赤外の幅広い波長範囲において、透明である。
【0021】
一方、図1(b)に示されているように、転写接合する前の第2の透明基板5(第2の基板)は、ブラックマトリクス6により区画されマトリクス配列された色要素フィルタを複数備えており、1個の画素領域Dp毎に赤、緑、青の各色要素フィルタ7r、7g、7bが順に一つずつ配設されている。
【0022】
上述のように加工が施され形成された第1の均一化基板10と第2の透明基板5が準備されたら、まず、第2の透明基板5のカラーフィルタ層7を覆って第2の透明基板5の前記液晶層が配置される側の面の略全面にわたり、前記第1透明保護膜4と同じ材料の非結晶フッ素樹脂剤からなる第2透明保護膜剤8´をスピンコート法により塗布する。これにより、第2の透明基板5と第2透明保護膜剤8´とからなる第2の均一化基板50が形成される。この塗布プロセスでは、第1の均一化基板10における薄膜トランジスタ3による段差Gを吸収できる程度に厚肉化する必要があるため、下塗りした第2透明保護膜剤8´を完全に乾燥させない状態(30〜120℃で1〜10分間)で複数回重ね塗りする。
【0023】
次に、第2の均一化基板50の第2透明保護膜剤8´をガラス転移温度(108℃)近傍に加熱した状態で、図2に示すように、第1の均一化基板10と第2の均一化基板50とを、互いの対応する画素領域Dp同士を重ねて対向配置させ、そして準備してある第1の均一化基板10の第1透明保護膜4を、軟化している前記第2透明保護膜剤8´に押圧させる。具体的には、第1の均一化基板10が有する複数の画素電極2のうち画素領域Dpを形成する一つの画素電極と、第2の均一化基板50が有する複数の色要素フィルタ7r、7g、7bのうち画素領域Dpを形成する一つの色要素フィルタとが重なるように、前記第1の均一化基板10と前記第2の均一化基板50とを対向配置させ、第1の均一化基板10の第1透明保護膜4を、軟化している前記第2透明保護膜剤8´に押圧させる。
【0024】
この押圧プロセスでは、ワークが載置される台に加熱手段が装備された熱圧着装置を用い、まず、第2の均一化基板50を、塗布された第2透明保護膜剤8´を表にして台の所定位置に載置する。そして、前記ガラス転移温度近傍に加熱した状態の第2透明保護膜剤8´を備える第2の均一化基板50と、押圧ヘッドに裏面が例えば真空吸着された第1の均一化基板10とを共に位置合わせしつつ、押圧ヘッドを降下させて押圧ヘッドに真空吸着された前記第1透明保護膜4を第2透明保護膜剤8´に接触させ押圧する。この際の押圧ストロークは、図示されるように、第1透明保護膜4と第2透明保護膜剤8´間に隙間が無く、且つ、第2透明保護膜剤8´を硬化させて第2透明保護膜としたときに最低限必要な膜厚が確保されるストロークに設定する。
【0025】
上述の押圧状態を維持しつつ加熱を停止する。そして前記第2の均一化基板50の全面に渡り形成された第2透明保護膜剤8´を冷却して硬化させ、第2透明保護膜8を形成する。次いで、図3に示すように、押圧ヘッドと共に第1の均一化基板10を上昇させて、前記第1透明保護膜4と前記第2透明保護膜8との間の押圧力を開放し、第1の均一化基板10を第2の均一化基板50から離隔させる。このとき、第2の均一化基板50の第2透明保護膜8は、第1透明保護膜4の表面形状が転写されて硬化している。
【0026】
この離型プロセスでは、押圧させた第1透明保護膜4と第2透明保護膜剤8´は、相互に離型性の良いフッ素樹脂同士であるから、間に離型剤を介在させなくても容易に両者を離脱させることができる。
【0027】
次に、図4に示すように、第1の均一化基板10における第1透明保護膜4に第1配向膜9を、第2の均一化基板50における第2透明保護膜8に共通電極11と第2配向膜12を、それぞれ積層する。これら共通電極11や第1、第2配向膜9、12は、膜厚が10〜100nm程度と極めて薄いから、それら第1、第2配向膜9、12の表面形状は第1、第2透明保護膜4、8表面の凹凸形状と略同一である。この後、第1、第2配向膜9、12に、それぞれ、配向処理を施す。
【0028】
次に、第1、第2の各均一化基板10、50のうちの例えば第1の均一化基板10の第1配向膜9が積層された面の周縁に沿って、エポキシ樹脂からなる枠状シール材(不図示)を配置した後、枠状シール材内に均一にスペーサ粒子13を散布する。
【0029】
次に、上述の第1の均一化基板10に第2の均一化基板50を貼り合せる。この貼り合わせ工程では、まず、第1の均一化基板10と第2の均一化基板50との間の押圧力を開放した状態で、第1の均一化基板10と第2の均一化基板50とを、互いの対応する画素領域Dp同士が重なるように位置を合わせする。
【0030】
そして第1透明保護膜と第2透明保護膜との間の距離を一定に確保した状態で、第1の均一化基板10と第2の均一化基板50とを接合させる。そのとき、第1透明保護膜と第2透明保護膜との間の距離を一定に確保した状態のまま、シール材を硬化させるために加熱する。
【0031】
これにより、液晶が封入される基板間隙の大きさ、つまり液晶層の層厚が、画素領域Dpだけでなく画素領域以外の領域も含んだ全域にわたり、スペーサ粒子13により規制される所定の設定寸法Cに正確に保持され、液晶層の層厚が均一化される液晶表示セルが得られる。このようにして得られた液晶表示セルに周知の方法により液晶を注入し注入口を封止すれば、本実施形態の液晶表示素子が完成する。
【0032】
以上のように、本実施形態の液晶表示素子の製造方法によれば、液晶層を挟持する一対の透明基板1、5の各透明保護膜4、8うちの一方の表面形状を他方の表面に直接転写させるから、液晶が封入される基板間隙の寸法Cが液晶封入領域の全域にわたり一定となる。そして、その液晶封入間隙寸法Cがスペーサ粒子13を介在させることにより、長期にわたり安定して正確に保持される。その結果、色ムラ等の画質不良の無い高品位の表示品質が安定して維持される信頼性に優れた液晶表示素子が得られる。
【0033】
なお、第1、第2透明保護膜4、8の互いに離型性に優れた材料の組み合わせとしては、上述のフッ素樹脂同士以外に、フッ素樹脂とポリアミド樹脂、ポリケトンとポリプロピレン等の他の樹脂材料同士の組み合わせも可能である。
【0034】
次に、本発明の他の実施形態について、図5に基づき説明する。なお、上記実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0035】
本実施形態の製造方法では、透明保護膜の表面形状を転写する際に、図5に示すように、第1の均一化基板10の第1透明保護膜4と第2の透明基板5の第2透明保護膜剤14´との間に、離型フィルム15(フィルム状部材)を介在させる。ここで、離型フィルム15は、第1透明保護膜4よりも第2透明保護膜剤14’との間の粘着力が弱い。
【0036】
離型フィルム15は、ポリエチレンテレフタレート(PET:Poly-Eethylene Trephthalate)からなる厚さが40μm程度の基材151に、シリコーンオイルにメタクリル基を有する付加重合性化合物を混合した剥離性材料を加熱または放射線の輻射等により付加重合させて0.1μm程度の厚さに形成される剥離層152を前記基材151に固着してなる。
【0037】
上記離型フィルム15を、熱圧着装置の載置台上にセットされた第2の均一化基板50に塗布されている第2透明保護膜剤14´上に被せる。このとき、第2透明保護膜剤14´は、アクリル樹脂剤をスピンコート法によりカラーフィルタ層7上に塗布して形成され、図1(b)に示されるような凹凸が生じた表面形状をなしている。この第2透明保護膜剤14´上に、離型フィルム15を剥離層152を対面させて載置する。
【0038】
次に、離型フィルム15が被装された第2の均一化基板50を加熱しつつ第1の均一化基板10を吸着保持した押圧ヘッドを降下させ、上記実施形態と同様に、第1の均一化基板10と第2の均一化基板50との互いに対応する画素領域Dp同士を重ねて第1の均一化基板10と第2の均一化基板50とを対向配置させながら、且つ第1の均一化基板10と第2の均一化基板50との間に離型フィルム15を介在したまま第1透明保護膜4を第2透明保護膜剤14´に所定のストロークで押圧させる。
【0039】
これにより、図示されるように、第1透明保護膜4表面が薄い離型フィルム15を介して第2透明保護膜剤14´に隙間なく押圧され、その表面形状が第2透明保護膜剤14´に正確に転写される。
【0040】
所定時間にわたり押圧状態を維持しつつ加熱を継続した後、加熱を停止して所定時間放置して第2透明保護膜剤14´を硬化させることで、第2透明保護膜14が形成される。この後、押圧ヘッドと共に第1の均一化基板10を上昇させて、記第1透明保護膜4と前記第2透明保護膜14との間の押圧力を開放し第1透明保護膜4を離型フィルム15から離隔させ、次いで、離型フィルム15を第2透明保護膜14から剥離する。このとき、剥離層152の離型性効果により離型フィルム15は第2透明保護膜14から容易に剥離される。この後は、上記実施形態と同様のプロセスを経て、本実施形態の液晶表示素子が得られる。
【0041】
以上のように、本実施形態の製造方法では、転写接合プロセスにおいて、離型フィルム15を介して第1透明保護膜4を第2透明保護膜剤14´に押圧させるから、第1透明保護膜4と第2透明保護膜剤14´との離型性が悪くても、容易に両者を離隔させることができる。従って、上記実施形態の方法に比べて、離型フィルム15という新たな部材が必要となるものの、第1透明保護膜4と第2透明保護膜剤14´の各材料の選定範囲が広がるという本方法に特有の利点がもたらされる。
【0042】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、透明保護膜1及び透明保護膜2を熱可塑性樹脂により形成しているが、例えば光可塑性樹脂といった他の可塑性樹脂で形成してもよく、または例えば熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂といった硬化性樹脂で形成してもよい。また、アクティブマトリックス型の液晶表示素子の製造方法に本発明方法が適用されているが、これに限らず、本発明方法は単純マトリクス型液晶表示素子等の他の種々の液晶表示素子の製造方法に広く適用可能である。
【0043】
また、本実施例では第1透明保護膜4と第2透明保護膜剤14とを互いに押圧させたまま、第2透明保護膜剤14を硬化させているが、第1透明保護膜4の表面形状が第2透明保護膜剤14に転写された後に、第1透明保護膜1と第2透明保護膜剤14との間の押圧力を解放してから、第2透明保護膜剤14を硬化させてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 第1の透明基板
2 画素電極
3 薄膜トランジスタ
4 第1透明保護膜
5 第2の透明基板
61 ブラックマトリクス
7 カラーフィルタ層
8´ 第2透明保護膜剤
8 第2透明保護膜
9 第1配向膜
11 共通電極
12 第2配向膜
13 スペーサ粒子
14 第2透明保護膜
14´ 第2透明保護膜剤
15 離型フィルム
151 基材
152 剥離層
Dp 画素領域
10 第1の均一化基板
50 第2の均一化基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明保護膜が形成された第1の均一化基板と、該第1の均一化基板に液晶層を介して対向配置される第2の基板とを準備する第一工程と、
前記第2の基板のうち前記液晶層が配置される側の面を覆うように第2透明保護膜剤を設けることで前記第2の基板と前記第2透明保護膜剤とから成る第2の均一化基板を形成する第二工程と、
前記第2の均一化基板と前記第1の均一化基板とを、互いの対応する画素領域同士を重ねて対向配置する第三工程と、
前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧し、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを近づけて前記第1透明保護膜の表面形状を前記第2透明保護膜剤に転写する第四工程と、
前記第2透明保護膜剤を硬化する第五工程と、
前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間の押圧力を解放した状態で、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを互いの対応する前記画素領域同士が重なるように所定の間隙を確保して接合する第六工程と、を含むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第五工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧させたまま、前記第2透明保護膜剤を硬化することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第五工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間の押圧力を解放してから、前記第2透明保護膜剤を硬化することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第三工程において、前記第1の均一化基板が有する複数の画素電極のうち前記画素領域を形成する一つの画素電極と、前記第2の均一化基板が有する複数の色要素フィルタのうち前記画素領域を形成する一つの色要素フィルタとが重なるように、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを対向配置し、
前記第六工程において、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを接合する際に、前記一つの画素電極と、前記一つの色要素フィルタとが重なるように、前記第1の均一化基板と前記第2の均一化基板とを接合することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第四工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧する際に、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに接触させた状態で押圧すること含むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第四工程において、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤とを互いに押圧する際に、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間にフィルム状部材を介在させた状態で押圧することを含むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第四工程において、前記第1透明保護膜よりも前記第2透明保護膜剤との間の粘着力が弱い前記フィルム状部材を、前記第1透明保護膜と前記第2透明保護膜剤との間に介在させることを含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第二工程において、可塑性樹脂または硬化性樹脂からなる前記第2透明保護膜剤を前記第2の基板に設けることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の液晶表示素子の製造方法であって、
前記第一工程において、薄膜トランジスタと画素電極とが画素領域毎に形成されたトランジスタアレイ基板を前記第1の均一化基板として準備し、前記各画素領域に対応するように色要素フィルタが形成されたカラーフィルタ基板を前記第2の基板として準備することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate