説明

液晶表示素子

【課題】 静電気等に起因する異常点灯を短時間で解消できる液晶表示素子を提供する。
【解決手段】液晶表示素子1は、キャラクター表示可能なように構成された、表示部における開口部が70%以下であるパッシブマトリクス型のVAモード液晶表示素子である。基板4,5には電極層2,3が設けられており、液晶層6がこれらの間に挟持されている。また、基板3,4の液晶層5との対向面とは反対側には、導電性の偏光板7,8が配置されている。液晶層6は、含フッ素液晶を含むものとすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子に関し、特に、キャラクター表示が可能なパッシブマトリクス型のVAモード液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、透過型の液晶表示素子は、所定の方向に配向した数μm程度の極薄い液晶層と、この液晶層を挟持する透明な一対の薄い基板と、さらに、この基板を挟持して偏光子および検光子を構成する一対の偏光板とを有する。液晶層が設けられる側の基板面には、所定の形状にパターニングされた電極が形成されている。そして、この電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶表示素子を透過する光の量または波長が変わる。これにより、所望の表示を行うことが可能となる。
【0003】
このように、液晶表示素子は、比較的単純な構造からなっている。また、構成部材の選択によって薄型化および軽量化が容易であり、また、低電圧での駆動も可能であることから、近年では、車両用の表示素子として盛んに利用されている。
【0004】
ところで、液晶表示素子は、液晶層の初期配向状態並びに電圧印加時の動作状態および配向状態などから、いくつかのモードに分類される。例えば、液晶テレビや、自動車などの車両のインストルメントパネルなどに利用される液晶表示素子には、VA(Vertical Alignment)モードが用いられる(例えば、特許文献1および2参照。)。VAモードは、正面から見たときのコントラスト比が高く、また、視野角が広いことから、運転者から見て視認性に優れたモードである。
【0005】
VAモードは、一対の基板間に、初期配向状態が基板と概ね垂直(垂直配向)な負の誘電率異方性(Δε)を有する液晶層を挟持し、さらに、この基板を、通常はクロスニコルを構成するように配置した一対の偏光板で挟持することによって構成される。そして、基板面に形成された電極を介して液晶層に電圧を印加すると、液晶の配向が変化して、液晶層が電界に対して垂直、すなわち、液晶の配向方向が基板と平行になる。これにより、電圧を印加した部分と印加していない部分とで、液晶の屈折率異方性(Δn)と液晶層厚(d)との積(Δn・d)によって定まる光の透過特性、特に、色味に違いが生じる。この違いを利用することによって、所望の表示を行うことができる。
【0006】
【特許文献1】特開平11−148078号公報
【特許文献2】特開2001−125144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、VAモードでは、液晶層が負の誘電率異方性を有する。そして、液晶層が負の誘電率異方性を示すには、負の誘電率異方性の液晶を含んで構成される必要がある。すなわち、VAモードでは、適当な負の誘電率異方性の液晶を選択し、これを使用して液晶層が構成される。
【0008】
負の誘電率異方性を有する液晶としては、分子構造にシアノ基を有するものが知られている。しかし、この液晶は、粘性が高いために、液晶表示素子駆動時における液晶の応答速度を著しく遅くするという問題がある。また、信頼性が低く、耐熱性にも乏しいことや、不純物の除去が困難であるために、液晶の性能および安定性の低下をもたらしやすいなどの問題もある。
【0009】
これに対して、分子構造にフッ素原子を有する、所謂含フッ素液晶も負の誘電率異方性を示す液晶として知られている。この液晶は、粘性が低いので、液晶表示素子駆動時における液晶の応答速度を速くすることができる。また、信頼性が高く、耐熱性にも優れていることや、精製が容易であるなどの利点を有している。このため、VAモードでは、含フッ素型の液晶を選択し、これを用いて液晶層を構成するのが一般的となっている。
【0010】
しかしながら、含フッ素液晶を用いて構成された液晶層では、液晶が高純度であるために高比抵抗となる。それ故、液晶表示素子の表面に設けられた保護用の樹脂フィルムを剥がす際や、使用者が液晶表示素子に触れた場合などに、生じた静電気を液晶層を通して逃がすことが困難となって、液晶表示素子の異常点灯を引き起こすという問題があった。
【0011】
すなわち、樹脂フィルムを剥がす際などに生じた静電気は、液晶表示素子の内部で局在化した状態で長時間保持される。このため、静電気によって引き起こされる異常点灯も長時間続くことになる。特に、非点灯部で発生した異常点灯は、外部からこれを抑制する有効な手段が無いので、液晶表示素子における大きな問題となっている。
【0012】
また、液晶表示素子における異常点灯の問題は、液晶表示素子の表示パターン(すなわち、電極パターン)の影響も受ける。例えば、アクティブマトリクス型の液晶TVなどで使用される、比較的高開口率のドットマトリクス構造では、表示部における電極構造が密である。よって、不意に液晶表示素子の表示部に静電気が印加された場合であっても、具備する電極を利用してこれを分散させることが比較的容易である。したがって、この構造によれば、直流電荷を局在化させないので、異常点灯を防止しやすい。また、配設されたカラーフィルタのブラックマスクによって異常点灯した非点灯部を隠すことにより、異常点灯部を視認者に見え難くすることもできる。
【0013】
一方、キャラクター表示を行うことのできるパッシブマトリクス型の液晶表示素子では、静電気による異常点灯の問題が顕在化しやすい。これは、キャラクター表示では、電極構造が密なドットマトリクス構造ではなく、表示部の開口率が70%以下であり、表示部内で電極の形成されていない部分の面積が大きい構造となっているからである。
【0014】
したがって、パッシブマトリクス型の液晶表示素子では、表示部に印加された静電気を電極を利用して分散させることが困難となる。このため、直流電荷が局在化し、異常点灯から回復するのに時間を要する。したがって、製造工程において、異常点灯が解消するまで製品検査ができないこととなって、生産性を低下させるという問題があった。また、製品となった後は、点灯部と、異常点灯した非点灯部とを外観上区別できないために、表示機能の低下をもたらすという問題もあった。
【0015】
また、パッシブマトリクス型の液晶表示素子は、カラーフィルタを使用しない構造のものが多い。このため、非点灯部での異常点灯を隠すためには、新たにブラックマスクを設ける必要があり、製造コストを大幅に上昇させてしまうという問題もあった。
【0016】
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、静電気等に起因する異常点灯を短時間で解消できる液晶表示素子を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的および利点は以下の記載から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、対向するそれぞれの表面に電極層が形成された、少なくとも一方が透明である一対の基板と、この一対の基板の間に挟持された液晶層と、一対の基板における液晶層との対向面とは反対側に配置され、一対の基板を挟持する一対の偏光板とを備え、電極層を介して液晶層に電圧を印加することによって、液晶層の光学異方性を変化させて表示部で画像を表示する液晶表示素子において、一対の基板の少なくとも一方の基板について、他方の基板との対向面に垂直配向処理が施されており、表示部の開口率は70%以下であって、一対の偏光板の少なくとも一方が導電偏光板であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明において、導電偏光板の表面抵抗は10Ω/□以下であることが好ましい。
【0020】
また、本発明において、液晶層の比抵抗は1011Ω・cm以上であることが好ましい。
【0021】
さらに、本発明において、液晶表示素子は、パッシブマトリクス型の液晶表示素子とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、一対の偏光板の少なくとも一方を導電偏光板とすることによって、静電気等に起因する異常点灯を短時間で解消することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本実施の形態における液晶表示素子1の断面図である。尚、液晶表示素子1は、VAモード液晶表示素子であるとする。
【0024】
図1に示すように、液晶表示素子1は、対向するそれぞれの表面に電極層2,3が形成された一対の透明なガラス製の基板4,5と、この一対の基板4,5の間に挟持されて複数の液晶からなる液晶層6とを備えたVA液晶パネル20と、VA液晶パネル20の基板4,5における液晶層6との対向面とは反対側に配置され、この一対の基板4,5を挟持する一対の偏光板7,8とを有する。尚、本実施の形態においては、基板4,5の少なくとも一方が透明であればよい。
【0025】
基板4,5においては、それぞれ他方の基板との対向面に垂直配向処理が施されている。そして、液晶層6では、液晶が初期配向状態として垂直に配向する。また、液晶層6を構成する液晶は負の誘電率異方性を有しており、電極層2,3を介して液晶層6に電圧を印加し、液晶を基板4,5と平行になるように動作させると、液晶層6の光学異方性が変化して表示部9に画像が表示される。
【0026】
電極層2の構造は、キャラクター表示を含む画像の表示が可能なように設計されており、表示部の開口率は70%以下である。そして、本実施の形態においては、偏光板7,8として導電偏光板を用いることを特徴としている。これにより、液晶表示素子1の表面に設けられた保護用の樹脂フィルム(図示せず)を剥がす際や、使用者が液晶表示素子1に触れた場合などに生じた静電気を、偏光板7,8を通じて積極的に逃がすことができるので、液晶表示素子1に起こった異常点灯を解消するまでの時間を従来より短縮することが可能となる。
【0027】
本発明においては、導電偏光板の表面抵抗を10Ω/□以下とすることが好ましい。
導電性を有しない偏光板の表面抵抗は1012Ω/□程度であり、表面抵抗が10Ω/□より大きくなると、静電気を効果的に逃がすことが困難となるからである。尚、静電気を逃がすという観点からは表面抵抗が低い値となることが好ましいが、一方で、表面抵抗が低くなると光の透過率が低下するようになる。したがって、本発明においては、導電偏光板の表面抵抗を、10Ω/□以上10Ω/□以下とすることがより好ましい。これにより、透過率の低下に起因する表示品位の著しい低下を招かずに、発生した異常点灯を短時間で解消することが可能となる。
【0028】
次に、本実施の形態における液晶表示素子1の製造方法について説明する。
【0029】
まず、ガラス基板4,5の上に、所望の画像表示ができるようにパターニングされた電極層2,3を設ける。電極層2,3は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)電極とすることができる。
【0030】
次いで、ガラス基板4,5の上に、電極層2,3を被覆するようにして絶縁膜10,11を設ける。絶縁膜10,11は、例えば、ゾル−ゲル法によって形成されたSiO−TiOからなる膜とすることができる。
【0031】
次に、液晶層6において、液晶が初期配向状態として垂直に配向するように配向膜12,13を形成する。例えば、JSR株式会社製の配向膜材料(商品名:JALS−2021)をフレキソ印刷法にて成膜し、基板を180℃で焼成することによって、厚さ600Å程度の配向膜を形成することができる。次いで、配向膜12,13の表面にラビング処理を施して、電界印加時の液晶の動作方向を定める。
【0032】
次に、配向膜12,13の形成工程までを終えた基板4,5によって、液晶層6を挟み込む。この際、例えば、樹脂スペーサ(図示せず)を用いることによって、基板4,5の間の距離(d)を一定に保つことができる。また、液晶層6としては、例えば、屈折率異方性(Δn)が0.875であるものを用いることができる。この場合、d=4μmとすると、液晶表示素子1のリタデーション(Δn・d)は350nmとなる。
【0033】
本実施の形態においては、液晶層6を、比抵抗が1011Ω・cm以上であって、含フッ素液晶を含むものとする。すなわち、液晶層6のNn成分として含フッ素液晶を用いる。例えば、式(1)に示す2,3−ジフルオロ−4−アルキルフェニル構造を分子内に有する含フッ素液晶、または、式(2)に示す2,3−ジフルオロ−4−アルコキシフェニル構造を分子内に有する含フッ素液晶などを用いることができる。尚、式(1)および(2)において、Xは液晶構造のうちの他の構造部分を形成している原子団を表し、Rは直鎖もしくは分枝のアルキルまたはアルキル置換されたシクロアルカンを表す。
【0034】

【0035】

【0036】
次に、偏光板7,8の設置を行う。具体的には、基板4,5における液晶層6との対向面とは反対側に、一対の導電性の偏光板7,8をクロスニコル配置となるように貼り付ける。その後、偏光板7,8の上にそれぞれ保護用の樹脂フィルム(図示せず)を設ける。
【0037】
図2は、本実施の形態に適用可能な偏光板の構成を示す、液晶表示素子の分解断面図である。
【0038】
図2に示すように、偏光板7は、VA液晶パネル20のフロント側(視認者側)に設けられている。ここで、偏光板7は、ポリビニルアルコールからなる偏光層21を、トリアセチルセルロースからなる一対の保護層22,23で挟持し、さらに、保護層22のフロント側の面(VA液晶パネル20と反対側の面)に、外光の正規反射を抑制し防眩作用を付与するためのアンチグレア層29が設けられた構成を有する。そして、保護層22の偏光層21側の面には、導電層24が設けられており、これによって偏光板7に導電性が付与されている。
【0039】
一方、偏光板8は、VA液晶パネル20のリア側(反視認者側)に設けられている。ここで、偏光板8は、ポリビニルアルコールからなる偏光層25を、トリアセチルセルロースからなる一対の保護層26,27で挟持した構成を有する。そして、保護層27の偏光層25側の面には、導電層28が設けられており、これによって偏光板8に導電性が付与されている。
【0040】
導電層24,28は、例えば、金属薄膜をコートする方法や、酸化インジウムと酸化スズとからなるITO、酸化スズまたは酸化亜鉛等の透明導電膜をコートする方法や、導電性ポリマーをコートする方法などによって形成することができる。ここで、導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールまたは四級アンモニウム塩などの基を導入したアクリル酸系エステルをモノマー成分とする導電性ポリマーなどが挙げられる。
【0041】
尚、導電層の形成部位は、図2に示すような保護層22の偏光層21側の面、および、保護層27の偏光層25側の面に限られるものではない。本実施の形態においては、偏光板7,8を構成する偏光層、保護層およびアンチグレア層のうちの少なくとも一層の上に設けられていればよい。但し、静電気印加による異常点灯を効率よく抑制するために、導電層の表面抵抗値は10Ω/□以下であることが好ましい。
【0042】
また、本実施の形態においては、導電層を設けずに偏光板に導電性を付与してもよい。例えば、アンチグレア層、偏光層および保護層の少なくとも1層に、導電性微粒子などの導電性物質を練り込むことによって、偏光板に導電性を持たせることも可能である。
【0043】
さらに、一対の偏光板のうちの一方のみに導電性を付与することも可能である。その場合、使用者が触れやすいことによって静電気が導入されやすい、フロント側(視認者側)の偏光板を導電偏光板とすることが望ましい。
【0044】
尚、詳細は図示されないが、本実施の形態における液晶表示素子1は、パッシブマトリクス構造である。すなわち、画像表示を構成する各画素部分には、TFT等のスイッチング素子は設けられておらず、電極層2,3を用いたパッシブ駆動によって目的の画像が表示される。
【0045】
次に、本実施の形態の液晶表示素子1について、異常点灯を解消するまでの時間を評価した結果の一例を述べる。
【0046】
まず、液晶表示素子1のフロント側およびリア側に設けられた保護用の樹脂フィルムを一気に剥がす。これにより、液晶表示素子1に静電気を発生させて、強制的に異常点灯を起こすことができる。その後、異常点灯が解消するまでの時間を計測したところ、その時間は300秒であった。
【0047】
比較のために、導電偏光板を用いない従来のVAモード液晶表示素子についても同様の試験を行った。その結果、異常点灯が解消するまでに要する時間は1,260秒であった。したがって、本実施の形態の液晶表示素子1によれば、異常点灯解消時間を著しく短縮できることが分かった。
【0048】
また、フロント側のみ導電偏光板を用いた液晶表示素子について、同様の試験を行ったところ、異常点灯は1,160秒で解消することが分かった。すなわち、この場合にも、従来例と比較して異常点灯解消時間を短縮できることが判明した。
【0049】
次に、ESD試験機を用いて同様の評価を行った。具体的には、ESD試験機(Noiseken製型式ESS−200AS)を用いて、液晶表示素子1におけるフロント側の表面中央部分に、0.5秒間に渡って所定の電圧の接触放電を2回実施し、強制的に異常点灯を起こした。その後、この異常点灯が解消するまでの時間を計測したところ、放電電圧3kVでは1.7秒、放電電圧4kVでは14.2秒、放電電圧5kVでは18.3秒であった。
【0050】
比較のために、導電偏光板を用いない従来のVAモード液晶表示素子についても同様の試験を行った。その結果、放電電圧3kVでは25.0秒、放電電圧4kVでは68.3秒、放電電圧5kVでは300.0秒であった。したがって、この試験によっても、本実施の形態の液晶表示素子1が、異常点灯解消時間を著しく短縮できることが分かった。
【0051】
また、フロント側のみ導電偏光板を用いた液晶表示素子について、同様の試験を行ったところ、異常点灯が解消するまでの時間は、放電電圧3kVでは4.3秒、放電電圧4kVでは25.0秒、放電電圧5kVでは40.0秒であった。すなわち、この場合にも、従来例と比較して異常点灯解消時間を短縮できることが判明した。
【0052】
以上述べたように、本実施の形態における液晶表示素子では、導電偏光板を設けることによって、静電気等の印加に起因する異常点灯を従来より短時間で解消することが可能となる。したがって、製造工程における製品検査までの時間を短縮して生産性を向上させることができる。また、製品の表示機能の低下を抑制することもできる。さらに、ブラックマスクを設ける場合と比較すると、製造工程の簡略化を図ることができ、製造コストの上昇を抑えることも可能である。
【0053】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施の形態における液晶表示素子の断面図である。
【図2】本実施の形態における偏光板の構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0055】
1 液晶表示素子
2,3 電極層
4,5 基板
6 液晶層
7,8 偏光板
9 表示部
10,11絶縁膜層
12,13 配向膜
20 VA液晶パネル
21,25 偏光層
22,23,26,27 保護層
24,28 導電層
29 アンチグレア層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向するそれぞれの表面に電極層が形成された、少なくとも一方が透明である一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された液晶層と、前記一対の基板における前記液晶層との対向面とは反対側に配置され、前記一対の基板を挟持する一対の偏光板とを備え、前記電極層を介して前記液晶層に電圧を印加することによって、前記液晶層の光学異方性を変化させて表示部で画像を表示する液晶表示素子において、
前記一対の基板の少なくとも一方の基板について、他方の基板との対向面に垂直配向処理が施されており、
前記表示部の開口率は70%以下であって、
前記一対の偏光板の少なくとも一方が導電偏光板であることを特徴とする液晶表示素子。
【請求項2】
前記導電偏光板の表面抵抗が10Ω/□以下であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項3】
前記液晶層の比抵抗が1011Ω・cm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
【請求項4】
前記液晶表示素子はパッシブマトリクス型の液晶表示素子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−94295(P2007−94295A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286645(P2005−286645)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】