説明

液晶表示装置およびこれを備えた携帯電話機

【課題】 薄型化および省電力化が可能な液晶表示装置、およびこれを備えた携帯電話機を提供すること。
【解決手段】 第1の表示面14Aを形成する第1の液晶表示パネル20Aと、第1の表示面14Aとは反対側を向く第2の表示面14Bを形成する第2の液晶表示パネル20Bと、第1および第2の液晶表示パネル20A,20Bに挟まれた光出射部31、およびこの光出射部31に接続されるとともに、外光Lを取り込むための光入射面32aを有する光入射部32を備える導光板30と、を具備し、第1の液晶表示パネル20Aは、第2の表示パネル20Bおよび導光板30の光出射部31を透過した外光Lにより照明され、第2の液晶表示パネル20Bは、導光板30の光入射面32aから入射し、光出射部31にて第2の液晶表示パネル20Bに向けられた外光Lによって照明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置およびこれを備えた携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機については、高機能化が年々進められており、その一形態として本体部に回動可能に連結された蓋部を備え、この蓋部の内側面と外側面とに2つの表示面を備えたものが普及している。このようないわゆる折り畳み式の携帯電話機に用いられる液晶表示装置としては、図6に示されたものがある。この液晶表示装置Xは、第1および第2の液晶表示パネル91A,91Bを備えており、いわゆる両面表示が可能とされている。第1および第2の液晶表示パネル91A,91Bの照明手段としては、2つの発光素子92A,92Bとこれらの発光素子92A,92Bからの光を第1および第2の液晶表示パネル91A,91Bへと出射する第1および第2の導光板93A,93Bとを備えている。
【0003】
しかしながら、携帯電話機の薄型化およびデザイン性の向上のために、液晶表示装置Xとしても、薄型化の要請が強い。また、携帯電話機の連続駆動時間を長時間化するためには、さらなる省電力化が必要とされる。液晶表示装置Xは、2枚の導光板93A,93Bを備えるために、その薄型化が困難である。また、2つの発光素子92A,92Bを備えるために、その分だけ電力を多く消費することとなる。このように、液晶表示装置Xは、その薄型化および省電力化について、さらなる改善の余地があった。
【0004】
【特許文献1】特開2002−244133号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、薄型化および省電力化が可能な液晶表示装置、およびこれを備えた携帯電話機を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される液晶表示装置は、第1の表示面を形成する第1の液晶表示パネルと、上記第1の表示面とは反対側を向く第2の表示面を形成する第2の液晶表示パネルと、上記第1および第2の液晶表示パネルに挟まれた光出射部、およびこの光出射部に接続されるとともに、外光を取り込むための光入射面を有する光入射部を備える導光部材と、を具備し、上記第1の液晶表示パネルは、上記第2の表示パネルおよび上記導光部材の光出射部を透過した外光により照明され、上記第2の液晶表示パネルは、上記導光部材の光入射面から入射し、上記光出射部にて上記第2の液晶表示パネルに向けられた外光によって照明されることを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、上記第1および第2の液晶表示パネルを外光により照明することが可能であり、これらの液晶表示パネルを照明するためのたとえば発光素子を備える必要が無い。このため、従来技術による液晶表示装置において発光素子を発光させるために消費されていた電力分だけ省電力化を図ることができる。また、導光部材としては、上記第2の液晶表示パネルを照明するためのものを1つだけ備える構成とすることが可能であり、この液晶表示装置の構造を簡素化することができる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記光出射部は、板状とされている。このような構成によれば、上記導光部材の厚さを薄くすることが可能であり、この液晶表示装置の薄型化を図ることができる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記導光部材には、上記光入射面から向かってきた外光を上記光出射部へと反射させる反射面が形成されている。このような構成によれば、上記光入射面に入射した外光を効率よく上記光出射部へと導くことが可能であり、上記外光を有効に活用して上記第2の液晶表示パネルの照明を行なうことができる。また、上記光入射面を上記光出射部の形状などに関係なく上記外光を取り込むのに都合の良い方向に向け、この光入射面から取り込まれた外光を上記光出射部へと適切に向かわせることができる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記光入射面は、上記第2の表示面と同じ方向を向いて露出している。このような構成によれば、上記第2の表示面および上記光入射面を面一状とすることが可能であり、この液晶表示装置から上記光入射面が不当に突出することを回避することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記光入射面は、帯状であり、かつ上記第2の表示面の一端縁に沿って配置されている。このような構成によれば、上記第2の表示面および上記光入射面の占有面積を小さくすることが可能であり、この液晶表示装置の小型化に適している。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記光入射面としては、複数のものが備えられており、これら複数の光入射面が、上記第2の表示面を挟むように配置されている。このような構成によれば、上記導光部材に外光をより広い面積で取り込むことが可能であり、上記第2の液晶表示パネルの視認性を高めるのに有利である。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2の液晶表示パネルのそれぞれには、互いの偏光方向が直交する一対の偏光板が設けられており、上記第1の液晶表示パネルの上記一対の偏光板のうち上記第2の液晶表示パネル側に設けられた偏光板と、上記第2の液晶表示パネルの上記一対の偏光板のうち上記第1の液晶表示パネル側に設けられた偏光板とは、互いの偏光方向が同じである。このような構成によれば、上記第2の液晶表示パネルを透過してきた光を、上記第1の液晶表示パネルへと入射させ透過させることができる。したがって、上記第1の液晶表示パネルが視認されるときに、上記第2の液晶表示パネルに向かってきた光を上記第1の液晶表示パネルの照明光として利用することが可能であり、上記第1の液晶表示パネルの視認性を向上させるのに適している。
【0015】
本発明の第2の側面によって提供される携帯電話機は、ヒンジ部を介して本体部に回動可能に連結された蓋部を備えた携帯電話機であって、上記蓋部には、本発明の第1の側面により提供される液晶表示装置が搭載されており、上記第1および第2の表示面が、それぞれ上記蓋部の内側および外側の表示面とされている。
【0016】
このような構成によれば、上記蓋部の薄型化と省電力化とを図ることが可能であり、デザイン性の向上や連続駆動時間の長時間化に有利である。上記携帯電話機が開状態で使用される際に、上記第1の表示面が視認される場合には、上記第2の表示面に入射してきた光を透過させて、上記第1の液晶表示パネルが照明され、この上記第1の表示面を高い視認性で視認することが可能であり、この携帯電話機の操作を適切に行なうことができる。一方、上記携帯電話機が閉状態で使用される際に、上記第2の表示面が視認される場合には、上記導光部材の上記光入射面から外光が取り込まれ、この光により上記第2の液晶表示パネルが照明される。したがって、薄型化および省電力化を図りつつ、上記第1および第2の表示面を適切な視認性を有するものとすることができる。
【0017】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
図1および図2は、本発明に係る携帯電話機の一例を示している。図1に良く表れているように、この携帯電話機A1は、本体部11と蓋部12とを備えており、いわゆる折り畳み式の携帯電話として構成されている。
【0020】
本体部11は、複数の操作ボタン11aを備えており、その背面には充電池(図示略)などが設けられている。
【0021】
蓋部12は、ヒンジ部13を介して本体部11に回動可能に連結されている。この蓋部12が開閉させられることにより、この携帯電話機A1は開状態および閉状態で使用される。蓋部12の内側には、第1の表示面14Aが設けられている。第1の表示面14Aは、通話やメールの送受信の操作をするために必要な情報が表示される。
【0022】
一方、図2に良く表れているように、蓋部12の外側には、第2の表示面14Bが設けられている。この第2の表示面14Bは、主に携帯電話機A1が閉状態のときに視認されるものであり、着信やメール受信などの情報、もしくは受信したメールの内容などが表示される。
【0023】
図3に示すように、蓋部12には、本発明にかかる液晶表示装置の一例である液晶表示装置B1が搭載されている。本図は、携帯電話機A1が開状態とされたときの要部断面図であり、第1の表示面14Aが下向きとなる姿勢で示されている。液晶表示装置B1は、第1および第2の液晶表示パネル20A,20Bと導光板30とを備えており、第1および第2の表示面14A,14Bを形成するものである。
【0024】
第1の液晶表示パネル20Aは、液晶表示装置B1において蓋部12の内側寄りに配置されている。蓋部12の化粧板12Aには、第1の表示面14Aを露出させるための窓部12Aaが形成されている。この第1の液晶表示パネル20Aは、一対の透明基板21a,21b、液晶層22、および一対の偏光板25Aa,25Abを備えている。
【0025】
一対の透明基板21a,21bは、ガラス製であり、それぞれの対向面には複数の電極23が形成されている。電極23は、透明電極であり、ICチップ(図示略)などに導通している。液晶層22は、一対の透明基板21a,21b間において周縁を囲うように設けられたシール部24によって密閉された領域に液晶材料が封入されて構成されている。
【0026】
一対の偏光板25Aa,25Abは、一対の透明基板21a,21bを挟むように設けられており、互いの偏光方向が直交するように配置されている。
【0027】
プリズムシート26Aは、第1の液晶表示パネル20Aにおいて最も導光板30寄りに設けられている。このプリズムシート26Aは、導光板30を透過してきた光を、微細な凹凸状とされた表面(図3および図4には示さず)において屈折させて指向性を高め、第1の液晶表示パネル20Aの照明光度を高めるためのものである。プリズムシート26Aとしては、たとえば住友3M製BEFシート(登録商標)が用いられる。
【0028】
第2の液晶表示パネル20Bは、液晶表示装置B1において蓋部12の外側寄りに配置されている。この第2の液晶表示パネル20Bは、第1の液晶表示パネル20Aと同様に、一対の透明基板21a,21b、液晶層22、および一対の偏光板25Ba,25Bbを備えている。
【0029】
一対の偏光板25Ba,25Bbは、互いの偏光方向が直交するように配置されている。また、導光板30側に配置された偏光板25Baは、その偏光方向が第1の液晶表示パネル20Aの導光板30側に配置された偏光板25Aaと同じとなるように配置されている。
【0030】
プリズムシート26Bは、第2の液晶表示パネル20Bの照明光度を高めるためのものであり、プリズムシート26Aと同様のものが用いられる。
【0031】
導光板30は、板状の光出射部31、2つの光入射部32、および2つの反射面33を備えており、第2の液晶表示パネル20Bを照明するためのものである。導光板30は、たとえばアクリル樹脂などの透明な材料により形成されている。
【0032】
光出射部31は、矩形板状とされており、第1および第2の液晶表示パネル20A,20Bに挟まれている。光出射部31の内側面31aには、断面山形状とされた複数の溝部31bが形成されている。また、内側面31aのうち複数の溝部31b間の領域は、第1および第2の表示面14A,14Bが広がる方向と略平行な平滑面とされている。
【0033】
2つの光入射部32は、光出射部31の両端に設けられており、光出射部31と直交する方向に起立するように形成されている。2つの光入射部32の外側面は、第2の表示面14Bに沿って延びるように形成された2つの帯状の光入射面32aとされている。これらの光入射面32aは、蓋部12の外側に露出しており、図2に良く表れているように第2の表示面14Bを挟むように配置されている。なお、蓋部12の化粧板12Bには、第2の表示面14Bおよび2つの光入射面32aを露出させるための窓部12Ba,12Bbが形成されている。
【0034】
2つの反射面33は、図3に良く表れているように光入射面32aに入射してきた光を光出射部31に向けて反射可能な傾斜面とされている。各反射面33には、反射光の指向性を高めるための反射膜33aが形成されている。反射膜33aとしては、たとえばヘアライン加工が施されたアルミ膜が用いられる。
【0035】
次に、携帯電話機A1の作用について説明する。
【0036】
まず、図1および図3に示すように、第1の表示面14Aが視認される場合には、蓋部12が開の状態で使用される。図3に良く表れているように、第1の液晶表示パネル20Aにおいては、第1の表示面14Aに表示される画像に応じて任意の電極23に所定の電圧が印加され、液晶層22の各部の偏光方向が設定される。一方、第2の液晶表示パネル20Bにおいては、液晶層22が白表示の状態、すなわち液晶層22を白色光が透過可能な状態とされる。
【0037】
使用者が蓋部12を外光Lが向かってくる方向にかざすと、外光Lは第2の表示面14Bから入射し、白表示とされた第2の液晶表示パネル20Bを透過する。第2の液晶表示パネル20Bを透過してきた光は、導光板30を透過する。上述したように第2の液晶表示パネル20Bの偏光板25Baと第1の液晶表示パネル20Aの偏光板25Aaとは、互いの偏光方向が同じとされているため、第2の液晶表示パネル20Bを透過してきた光は、偏光板25Aaにより遮蔽されることなく第1の液晶表示パネル20Aへと入射する。そして、第1の液晶表示パネル20Aの液晶層22を透過した光は、第1の表示面14Aから出射する。これにより、携帯電話機A1の使用者は、第1の表示面14Aに表示された画像または文字などを視認し、携帯電話機A1の操作や受信メールの閲覧などを行なうことができる。
【0038】
次に、第2の表示面14Bが視認される場合には、図2および図4に示すように、蓋部12が閉の状態で使用される。図4に良く表れているように、第2の液晶表示パネル20Bにおいては、第2の表示面14Bに表示される画像に応じて任意の電極23に所定の電圧が印加され、液晶層22の各部の偏光方向が設定される。一方、第1の液晶表示パネル20Aにおいては、液晶層22が黒表示の状態、すなわち液晶層22を白色光が透過不可能な状態とされる。蓋部12へと向かってきた外光Lの一部は、2つの光入射面32aへと入射する。各光入射面32aへと入射した光は、反射面33において反射され、光出射部31へと向かう。光出射部31の内側面31aに向かってきた光は、溝部31bにより上方へと反射され、光出射部31から出射する。光出射部31から出射した光は、第2の液晶表示パネル20Bへと入射し、液晶層22を透過して、第2の表示面14Bから出射する。これにより、携帯電話機A1の使用者は、第2の表示面14Bに表示された画像または文字などを視認し、着信やメール受信などの情報を得ることができる。
【0039】
このように、本実施形態によれば、蓋部12の内外両面に第1および第2の表示面14A,14Bを備えつつ、これらを照明するためのたとえばLEDを備えることなく画像を適切に表示させることができる。したがって、従来技術による携帯電話機と比べてこの携帯電話機A1の消費電力を小さくすることが可能であり、連続駆動時間の長時間化を図ることができる。
【0040】
また、蓋部12の両面に第1および第2の表示面14A,14Bを備えつつ、これらの照明のための導光板30を1つだけ備える構成とされている。このため、本実施形態と異なり、従来例のように第1および第2の表示面をそれぞれ照明するために2つの導光板を備える構成と比較して、液晶表示装置B1は薄型化に適しており、蓋部12さらには携帯電話機A1の薄型化に有利である。
【0041】
第1の表示面14Aが視認される際には、第2の液晶表示パネル20Bが白表示の状態とされるために、第2の表示面14Bに入射した外光Lが第2の液晶表示パネル20Bを透過する際に減衰されることを抑制することができる。したがって、第1の表示面14Aの視認性を高めるのに適している。一方、第2の表示面14Bが視認される際には、第1の液晶表示パネル20Aが黒表示の状態とされるために、導光板30内に導かれた光が、第1の液晶表示パネル20A側に出射しても、この光が第1の液晶表示パネル20Aを透過して本体部11側へと漏れることを防止することができる。したがって、第2の表示面14Bの視認性を高めるのに適している。
【0042】
図5は、本発明に係る携帯電話機および液晶表示装置の他の例を示している。図示された携帯電話機A2は、上述した携帯電話機A1と同様に本体部11と蓋部12とを備え、蓋部12の両面に第1および第2の表示面14A,14Bを有している。蓋部12には、第1および第2の表示面14A,14Bを形成する液晶表示装置B2が搭載されている。なお、本図においては、携帯電話機A2は、閉状態で示されている。
【0043】
画像表示装置B2は、1つの光入射面32aを有する導光板30と、補助光源としてのLED41とを備えている点が、上述した画像表示装置B1と異なっている。
【0044】
導光板30の光出射部31は、その内側面31aが第1および第2の表示面14A,14Bが広がる方向に対して傾いた傾斜面とされている。内側面31aには、複数の溝部31bが形成されている。導光板30の右側端部には、傾斜面34が形成されている。
【0045】
LED41は、第2の液晶表示パネル20Bを補助的に照明するためのものであり、傾斜面34の右側においてこれに対向するように設けられている。傾斜面34は、その上方に位置する光入射面32aに入射して向かってくる外光Lを光出射部31に向けて反射させるとともに、LED41からの光Lsを屈折させつつ光出射部31にむけて透過させることが可能な傾斜角度とされている。LED41は、たとえば、この携帯電話機A2が置かれた環境の明るさが所定以下となったことがセンサ(図示略)により検知された場合や、使用者により所定のボタン(図示略)が押下された場合などに点灯される。
【0046】
光出射部31の左側端部には、断面コの字状の反射部材35が設けられている。この反射部材35は、光出射部31内を反射しつつ進行してきた光を、再度光出射部31へと反射させるためのものであり、これにより溝部31bにおいて反射されて上方へと向かう光の量を大きくすることができる。
【0047】
この携帯電話機A2の使用においては、第2の表示面14Bが視認される際に、携帯電話機A1と同様に光入射面32aから外光Lを取り込み第2の液晶表示パネル20Bの照明を行なうことができる。携帯電話機A1について説明したとおり、携帯電話機の省電力化には、LEDなどの光源を設けない構成が好ましいが、第2の表示面14Bの視認性をさらに高めたい場合には、本実施形態のようにLED41を設けることにより、第2の液晶表示パネル20Bを照明する光の量を大きくし、第2の表示面14Bの輝度を高めることができる。このような実施形態においても、LED41は、外光Lを利用した第2の液晶表示パネル20Bの照明に加えて、これを補助するために用いられるものであるために、たとえば従来技術による携帯電話機のように、LEDのみにより液晶表示パネルを照明する構成と比べて、必要とされる光量が小さく、省電力タイプのLEDを用いることが可能である。
【0048】
また、光入射面32aを一つだけ備えることにより、たとえば携帯電話機A1と比べて蓋部12における光入射面32aの割合を小さくすることが可能であり、その分だけ第2の表示面14Bの割合を大きくすることや、蓋部12の小型化に有利である。
【0049】
本発明に係る画像表示装置および携帯電話機は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る画像表示装置および携帯電話機の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0050】
導光板の構成としては、上記実施形態のものに限定されず、光入射面に入射した光を光出射部から第2の液晶表示パネルへと適切に出射させつつ、第1の液晶表示パネルを照明するための光を適切に透過させる構成であれば良い。反射面および光出射部内側面の形状および表面の微細構造なども上記実施形態に限定されるものではない。また、光入射面としては、帯状に限定されず、たとえば光入射部を光出射部から分岐する構造とすることにより、複数の光入射面が列状に配置された構成としても良い。さらに、本発明は板状の導光部材を備える構成に限定されず、たとえば一定方向に延びた棒状の導光部材を備える構成としても良い。
【0051】
また上記実施形態と異なり、たとえば図3に示された構成に加えて、導光板30と第1の液晶表示パネル20Aとの間に、第2の液晶表示パネル20B側が反射面とされたハーフミラーを設けても良い。このような構成によれば、第2の表示面14Bが視認される際に、光出射部31から第1の液晶表示パネル20A側に出射した光を、上記ハーフミラーにより反射させて、再度光出射部31へと入射させることが可能であり、第2の表示面14Bの視認性を高めるのに有利である。また、第1の表示面14Aが視認される際には、第2の表示面14Bに入射して第2の液晶表示パネル20Bを透過してきた光を、上記ハーフミラーを透過させて第1の液晶表示パネル20Aの照明に利用することができる。
【0052】
本発明に係る画像表示装置の用途としては、折り畳み式の携帯電話機に限定されず、たとえば蓋部の両面に表示面を備えたPDA(Personal Data Assistance)など、両面表示機能を備えた種々の電子機器に用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る携帯電話機の一例を示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係る携帯電話機の一例を示す全体斜視図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う要部断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う要部断面図である。
【図5】本発明に係る携帯電話機および液晶表示装置の他の例を示す要部断面図である。
【図6】従来の液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0054】
A1,A2 携帯電話機
B1,B2 画像表示装置
L 外光
11 本体部
12 蓋部
13 ヒンジ部
14A 第1の表示面
14B 第2の表示面
20A 第1の液晶表示パネル
20B 第2の液晶表示パネル
21a,21b 透明基板
22 液晶層
23 透明電極
24 シール部
25Aa,25Ab,25Ba,25Bb 偏光板
26A,26B プリズムシート
30 導光板(導光部材)
31 光出射部
32 光入射部
32a 光入射面
33 反射面
33a 反射膜
41 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示面を形成する第1の液晶表示パネルと、
上記第1の表示面とは反対側を向く第2の表示面を形成する第2の液晶表示パネルと、
上記第1および第2の液晶表示パネルに挟まれた光出射部、およびこの光出射部に接続されるとともに、外光を取り込むための光入射面を有する光入射部を備える導光部材と、を具備し、
上記第1の液晶表示パネルは、上記第2の表示パネルおよび上記導光部材の光出射部を透過した外光により照明され、
上記第2の液晶表示パネルは、上記導光部材の光入射面から入射し、上記光出射部にて上記第2の液晶表示パネルに向けられた外光によって照明されることを特徴とする、液晶表示装置。
【請求項2】
上記光出射部は、板状とされている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
上記導光部材には、上記光入射面から向かってきた外光を上記光出射部へと反射させる反射面が形成されている、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
上記光入射面は、上記第2の表示面と同じ方向を向いて露出している、請求項1ないし3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
上記光入射面は、帯状であり、かつ上記第2の表示面の一端縁に沿って配置されている、請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
上記光入射面としては、複数のものが備えられており、これら複数の光入射面が、上記第2の表示面を挟むように配置されている、請求項4または5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
上記第1および第2の液晶表示パネルのそれぞれには、互いの偏光方向が直交する一対の偏光板が設けられており、
上記第1の液晶表示パネルの上記一対の偏光板のうち上記第2の液晶表示パネル側に設けられた偏光板と、上記第2の液晶表示パネルの上記一対の偏光板のうち上記第1の液晶表示パネル側に設けられた偏光板とは、互いの偏光方向が同じである、請求項1ないし6のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項8】
ヒンジ部を介して本体部に回動可能に連結された蓋部を備えた携帯電話機であって、
上記蓋部には、請求項1ないし7に記載の液晶表示装置が搭載されており、上記第1および第2の表示面が、それぞれ上記蓋部の内側および外側の表示面とされていることを特徴とする、携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−10737(P2006−10737A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183485(P2004−183485)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】