液晶表示装置およびそれに用いるプログラム
【課題】画質劣化を防止しつつディスクリネーションを低減すること
【解決手段】液晶表示装置100は、入力画像信号が表す画面について、注目画素Aの階調値と注目画素の周囲にある周辺画素B1〜B8の階調値と前記周辺画素の個数との関係を表す特徴量を生成する特徴量生成部20と、特徴量が閾値よりも大きければ入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくするオフセット値701、702を設定し、前記特徴量が閾値以下であれば前記補正値を設定しない処理を画面全体に対して行うCPU30と、前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて液晶表示素子66を駆動する液晶駆動部50と、を有することを特徴とする。
【解決手段】液晶表示装置100は、入力画像信号が表す画面について、注目画素Aの階調値と注目画素の周囲にある周辺画素B1〜B8の階調値と前記周辺画素の個数との関係を表す特徴量を生成する特徴量生成部20と、特徴量が閾値よりも大きければ入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくするオフセット値701、702を設定し、前記特徴量が閾値以下であれば前記補正値を設定しない処理を画面全体に対して行うCPU30と、前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて液晶表示素子66を駆動する液晶駆動部50と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ディスクリネーションと呼ばれる液晶配向不良現象を低減するために、隣接する画素の白黒間の階調レベル(階調値)差に相当する電位差を小さくする画像処理方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6727872号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法を使用してディスクリネーションを実際に許容レベルまで抑えるためには画像のエッジの数画素〜数十画素の電位差が段々と変化するように調整する必要があり、画像のエッジがなまる(画像のシャープネスが低減する)という問題が発生する。特に、投射型表示装置のようなマイクロディスプレイタイブの液晶表示装置においては画素サイズが小さく、この問題は顕著となる。また、画面内の輝度の段差や輝度ムラを防止する需要もある。
【0005】
本発明は、画質劣化を低減しつつディスクリネーションを低減することが可能な液晶表示装置を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液晶表示装置は、液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する液晶表示装置であって、前記入力画像信号が表す画面について、注目画素の階調値と前記注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応関係を満足する画素ペアの数に基づく特徴量を生成する特徴量生成部と、前記特徴量が第1の閾値よりも大きければ前記入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定し、前記特徴量が第1の閾値以下であれば前記補正値を設定しない処理を行う処理部と、前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて前記液晶表示素子を駆動する液晶駆動部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画質劣化を低減しつつディスクリネーションを低減することが可能な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用可能な液晶プロジェクタ(液晶表示装置)の外観斜視図である。
【図2】図1に示す液晶プロジェクタのブロック図である。
【図3】図2に示す特徴量生成部のブロック図である。
【図4】図3に示す特徴量生成回路の動作を説明するための図である。
【図5】図2に示すレベル補正部が行う階調値の補正特性を説明するためのグラフである。
【図6】図2に示すCPUの動作を説明するためのフローチャートである。(実施例1、2、3)
【図7】図6に示すS1103の補正値テーブルである。(実施例1、2、3)
【図8】本発明の画像処理を説明するための図である。(実施例3)
【図9】図2に示すCPUの別の動作を説明するためのフローチャートである。(実施例4)
【図10】特徴量生成回路が特徴量を生成する際の走査領域に関する説明図である。
【図11】特徴量生成のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する、本発明が適用可能な液晶プロジェクタ100(液晶表示装置)の外観斜視図である。ビデオプレーヤ2から出力された画像信号は、ビデオケーブル4を経て、液晶プロジェクタ100に入力される。液晶プロジェクタ100は、入力画像信号に応じて液晶パネル等の液晶表示素子により変調された光を投射画像8としてスクリーン6(被投射面)に投射する画像投射装置である。
【0010】
図2は、液晶プロジェクタ100のブロック図を示す。液晶プロジェクタ100は、映像処理部10、特徴量生成部20、CPU30、レベル補正部40、液晶駆動部50、光学系60を有する。
【0011】
映像処理部10は、入力画像信号にブライトネス補正やコントラスト補正、ガンマ変換、色変換等の画像処理を施して画像信号を生成する。
【0012】
特徴量生成部20は、映像処理部10に接続され、映像処理部10から出力された画像信号の画像の画面について、ディスクリネーションの発生状態を数値化した特徴量を生成する。
【0013】
図3は、特徴量生成部20のブロック図である。特徴量生成部20は、遅延回路22、ラインメモリ24、特徴量生成回路26、RAM(ランダムアクセスメモリ)28を有する。
【0014】
遅延回路22は、入力画像信号のデータをラインメモリ24に格納して遅延させた後で読み出す。ラインメモリ24は、最大3水平ライン分の入力画像信号のデータを格納する。遅延回路22は、過去2水平ラインの階調データをラインメモリ24から読み出して特徴量生成回路26に入力する。特徴量生成回路26は特徴量を生成してRAM28に格納する。RAM28に格納される特徴量は、注目画素の階調値とその注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応関係を満足する画素ペアの数に基づく情報であり、本実施例では、後述する図4(b)、(c)に示すテーブルで表現されている。
【0015】
図2に戻って、CPU30は、特徴量生成部20とレベル補正部40に接続され、後述する図7に示す補正値テーブルや図6などの制御方法などを格納している不図示のメモリ(記憶手段)を有している。CPU30は、特徴量生成部20のRAM28から特徴量を読み出し、特徴量に応じてレベル補正部40にレベル補正量(補正パラメータ)を設定したり、液晶プロジェクタ100の各部の電源や状態の制御を行ったりするマイクロコンピュータ(処理部)である。
【0016】
レベル補正部40は、特徴量生成部20とCPU30に接続されている。レベル補正部40は、ディスクリネーションを低減するための画像信号のレベル補正を行う。
【0017】
液晶駆動部50は、レベル補正部40に接続され、レベル補正部40により補正された画像信号を液晶駆動信号に変換し、光学系60の液晶表示素子66を駆動する。
【0018】
光学系60は、ランプ62、照明光学系64、液晶表示素子66、投射光学系68を有する。ランプ62から出た光は、照明光学系64を通り、液晶表示素子66で変調された後で投射光学系(投射レンズ)68を通して投射画像8としてスクリーン6に投射される。液晶表示素子66は、液晶駆動部50に接続され、液晶駆動部50からの液晶駆動信号に基づいて入射光束を変調する。
【実施例1】
【0019】
実施例1では、CPU30は、画面の全体に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正部40に設定する。図4(a)は、画像信号が表す画面における任意の3×3の画素マトリックスを示している。また、図4(b)は白側特徴量を表すテーブル(Nwの「w」はwhite(白)を意味する)であり、図4(c)は黒側特徴量を表すテーブル(Nbkの「bk」はblack(黒)を意味する)である。
【0020】
本実施例では、8bitであるので白の階調レベル(階調値)は255であり、これは8Vに相当し、黒の階調値は0であり、これは0Vに相当する。白側特徴量を表わすテーブルとは、注目画素の階調値が255に近い場合に用いるテーブルであり、黒側特徴量とは注目画素の階調値が0に近い場合に用いるテーブルである。
【0021】
実施例1では、特徴量生成回路26は、図4(a)に示す注目画素Aの階調値と注目画素Aの周囲にある周辺画素B1〜B8との階調値を比較し、図4(b)、(c)に示すマトリックス状に分類される特徴量の個数をカウントする。
【0022】
周辺画素は、図4(a)に示すB1〜B8の8個であるが、液晶の初期配向状態や液晶駆動モードにより、画素B1〜B8のうちのいずれかの画素(1つでも複数でも構わない)を比較対象として選択してもよい。本実施例では、2つの周辺画素B2とB5を比較対象とし、これら2つの周辺画素B2とB5の階調値と注目画素の階調値との比較を行うことにより特徴量を得ている。
【0023】
図10は、特徴量生成部20が特徴量を生成する際の走査領域に関する説明図であり、液晶表示素子の表示領域と、注目画素Aの座標の関係を示した図である。図10は画素数が、水平方向H画素、垂直方向V画素の解像度の液晶表示素子を表わす。このとき、表示領域の左上隅画素を原点とした座標系を考える。注目画素Aは、座標(Ax,Ay)で定義され、座標(Ax,Ay)は、表示領域の一番外側の座標以外を取りうる。
【0024】
図11は、特徴量生成部20の動作フローを示すフローチャートである。
【0025】
S1501は、各入力画像のフレームに同期した信号をトリガーとして、開始される。表示画面の左上隅画素から、内側に1画素ずつ進んだ画素を(Ax,Ay)=(1,1)が、最初の注目画素となる。
【0026】
S1502にて、注目画素AとB2の階調を比較する。
【0027】
S1503にて、図4(b)、(c)に示す条件に該当する場合、条件に該当する特徴量Nw_ij、Nbk_ijを、1加算した値をRAM28に書き込む(ここで、i,jは、1〜5の自然数である)。
【0028】
S1504、S1505も、S1502、S1503と同様にして、注目画素AとB5の階調を比較した後、該当する特徴量に加算する。
【0029】
S1506、S1507において、特徴量を生成する対象としている領域全体に対してS1052からS1056までの処理が実行されたか否かを判定する。
【0030】
以下、具体的な特徴量の算出例を説明する。例えば、注目画素Aの階調値が215であれば、図4(b)の縦(列)の一番上となり、特徴量生成回路26は、周辺画素B2の階調値が185であればNw_11の値を1だけ加算する。また、特徴量生成回路26は、周辺画素B5の階調値が185であればNw_11の値を更に1加算する。又、特徴量生成回路26は、もし周辺画素B5の階調値が195であればNw_12の値を1加算する。図4(b)、(c)の他のカウントされない要素(Nw_13など)は何も加算がなされないので、0のままである。
【0031】
同様にして、特徴量生成回路26は、画面の全画素の各々に注目画素Aを順次設定することによって図4(b)、(c)に示すデータを重畳(加算)した状態で作成し、これを画像信号のディスクリネーションの特徴量として生成する。つまり、特徴量生成回路26はテーブルの対応を満足する画素ペアの数を生成しており、本実施例においては、特徴量は、注目画素Aの階調値と周辺画素の階調値と周辺画素の個数との関係を表している。
【0032】
本実施例は、白階調(255階調)付近と中間調の隣接画素レベルの組み合わせである図4(b)に示すテーブル(マトリックス)と、黒階調(0階調)付近と中間調の隣接画素レベルの組み合わせである図4(c)の条件マトリックスの2種類を採用している。しかし、条件分類としてはこれ以外の構成でもよい。例えば、条件マトリックスの行列の数を増やしても良いし、3種類以上の条件マトリックスを用いてもよい。
【0033】
レベル補正部40は、図5(a)に示す入出力特性を持つ回路であり、黒側のオフセット量701と白側のオフセット量702は外部から独立して設定可能な構成となっている。レベル補正部40は液晶表示素子66の駆動電圧のダイナミックレンジを縮小する。図5(a)の横軸は入力画像の階調値であり、縦軸は出力画像の階調値である。なお、オフセット量701、702は補正量と同義である。尚、ダイナミックレンジを縮小(小さく)するとは、液晶を駆動する駆動電圧の最大値を小さくする、あるいは、最小値を大きくする、あるいはその両者を含む。尚、駆動電圧のダイナミックレンジを小さくすることは、入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくすると言い換えてもよい。
【0034】
図5(b)は、一般的な液晶表示素子における入力階調値と表示輝度の関係を示すグラフであり、輝度=1の白付近と輝度=0の黒付近では、入力階調に対する輝度変化率が非常に小さい非線形の特性となっている。そのため、黒側のオフセット量701と白側のオフセット量702により駆動電圧のダイナミックレンジを縮小しても表示画像の輝度変動は小さいため、駆動電圧のダイナミックレンジの縮小による表示画像への影響は殆ど見られない。なお、図5(b)ではオフセット量701、702をそれぞれ130、50程度と示しているが、本実施例では、オフセット量701は5、オフセット量702は7程度に設定した。
【0035】
尚、駆動電圧のダイナミックレンジの縮小オフセット量701、702の設定値は、液晶表示素子の入力階調と輝度との関係を表わす特性に基づいて、黒側のオフセット量701を白側のオフセット量702よりも大きく設定してもよい。これにより、輝度変動を抑えつつディスクリネーションの低減効果をさらに得ることができる。
【0036】
図6は、実施例1のCPU30の動作を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。図6に示すフローチャートはコンピュータによって実行可能なプログラムとして具現化される。
【0037】
まず、初期状態ではオフセット量701、702とも0に設定されて不図示のメモリに格納されている。即ち、初期状態における補正値は0であり、この場合は、図5(a)に示す特性はOut=Inの対角方向の直線となる。
【0038】
まず、CPU30は、x=1、y=1に設定し(S1101)、RAM28から図4(b)、(c)に示す特徴量を読み出す(S1102)。次に、CPU30は、図4(b)に示す白側特徴量(Nw_11)の数が第1の閾値10000よりも大きいか第1の閾値以下であるかを判定する(S1103)。
【0039】
CPU30は、白側特徴量(Nw_11)が閾値10000よりも大きいと判定すると、図7に示す補正値テーブルを参照して参照値を取得する(S1104)。図7(a)は白側補正値のテーブルであり、図5のオフセット量702に対応し、図7(b)は黒側補正値のテーブルであり、図5のオフセット量701に対応する。Nw_11に対応する補正値(オフセット量)は1であるので、CPU30はこれを参照値として取得する。
【0040】
次に、CPU30は、参照値が現在の補正値よりも大きいかどうかを判定し(S1105)、現在の補正値よりも大きければ補正値を置き換える(S1106)。上述したように、初期状態では補正値は0であり、参照値である1の方が大きいので、CPU30は、参照値である1を現在の補正値として設定して不図示のメモリに格納する。
【0041】
S1103のNO、S1105のNO、または、S1106の後で、CPU30は、検討していないx、y(x=1〜5、y=1〜5)の組み合わせがあるかどうか判定する(S1107)。他のx、yがあればxまたはyをインクリメントして(S1108)S1102に戻る。
【0042】
例えば、CPU30は次に、白側特徴量(Nw_12)が第1の閾値10000よりも大きいと判定すると(S1103)、図7に示す補正値テーブルを参照してNw_12に対応する参照値2を取得する(S1104)。そして、CPU30は、参照値2が現在の補正値1よりも大きいかどうかを判定し(S1105)、現在の補正値よりも大きいため補正値2に置き換える(S1106)。
【0043】
一方、CPU30は、全てのx、yの組み合わせについて特徴量を取得していると判断すれば(S1107)。白側のオフセット量702を決定する(S1109)。ここで、全てのx、yについて最大の補正値が設定されているのでこれが白側のオフセット量702となる。
【0044】
CPU30は、黒側補正量を決定するための黒側特徴量(Nbk_xy)に対しても同様のフローを行い、黒側のオフセット量701を決定する(S1110〜S1118)。最後に、CPU30は、決定された補正量(オフセット量701、702)をレベル補正部40に設定する(S1119)。
【0045】
従来は、補正値を設定する処理は画面の全体ではなくディスクリネーションが発生している画像のエッジに対してのみ行っていたのでシャープネスが低減するなど画質劣化の問題が発生していた。
【0046】
一方、本実施例では、CPU30は、特徴量が第1の閾値よりも大きければ入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定し、特徴量が第1の閾値以下であれば補正値を設定しない処理を画面の全体に対して行う。このため、画質劣化を低減することができる。
【0047】
本実施例は、画面の全体の階調値のダイナミックレンジを小さくすることによって、画像のエッジの階調値に段差を設けずに(従って、シャープネスを損なわずに)ディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。もちろん画像処理を行う領域は後述する一辺100画素以上の矩形領域でもよい。
【0048】
なお、CPU30は、S1103、S1112の閾値は、特徴量のインデックスx,yに応じて異なる値にすることで画像による補正の優先度の重み付けをしてもよい。また、S1105、S1114で最大の補正量を採用しているが、特徴量のインデックスx,yに応じた重み付けをしてもよい。
【0049】
尚、特徴量生成回路26は、図4に記載のテーブルの組み合わせに当てはまる画素ペアの数をカウントし特徴量としているが、これに限られない。例えば、図4に示したテーブルの組み合わせ条件を満たす画素の有無を変数とした評価関数の値を特徴量としてもよい。
【実施例2】
【0050】
実施例2では、CPU30は、画面を複数の矩形の領域に分けて各領域に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正部40に設定する。このように、実施例2においては、表示画像は複数の領域に分割されるが、各領域の一辺はシャープネスを維持するために100画素以上であることが好ましい。
【0051】
実施例2に適用される装置構成は実施例1の図1〜図3に示すものと共通である。また、実施例2では、図4(b)、(c)に示す特徴量は各領域ごとに形成される。CPU30が行うフローも図6と同様であるが、実施例1ではS1109とS1118で設定されたオフセット量701、702が画面全体のオフセット量であったのに対して実施例2ではそれらは各領域について設定されるオフセット量である点で相違する。
【0052】
本実施例は、100画素以上の領域の単位で階調値のダイナミックレンジを変更することによって、シャープネスのある程度維持した状態でディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。
【実施例3】
【0053】
実施例3は画面を複数の矩形の領域(各領域は一辺が100画素以上)に分ける点では実施例2と同様である。しかし、実施例2ではディスクリネーションの補正を行った領域とディスクリネーションの補正を行っていない領域の境界において輝度の段差が発生するおそれがある。このため、実施例3は輝度の変化が滑らかに連続する画像処理を施している点で実施例2とは相違する。 実施例3では、図8(a)に示すように、表示画像は複数(16×10)の領域に分割されているが、CPU30は各領域に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正値40に設定していない。
【0054】
実施例3に適用される装置構成は実施例1の図1〜図3に示すものと共通である。また、実施例3では、図4(b)、(c)に示す特徴量は各領域ごとに形成される。CPU30が行うフローも図6と同様であるが、実施例1ではS1109とS1118で設定されたオフセット量701、702が画面全体のオフセット量であったのに対して実施例3ではそれらは各領域の中心座標に対して設定されるオフセット量である。
【0055】
即ち、実施例3では、図6のフローによって決定されるのは各領域の中心座標に対して設定されるオフセット量であり、それ以外の座標のオフセット量は図8(b)に示すように設定される。
【0056】
図8(b)において、801a〜804aは図8(a)に示す領域801〜804の中心座標を示している。offset_a00は図6に示すフローで領域801の中心座標801aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。同様に、offset_a01は図6に示すフローで領域802の中心座標802aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。offset_a10は図6に示すフローで領域803の中心座標803aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。offset_a11は図6に示すフローで領域804の中心座標804aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。
【0057】
この時、任意の座標(i、j)におけるオフセット量は次式から求められる。なお、CPU30は、本実施例においてオフセット量が正数にならないものは四捨五入などによって正数に変換する。次に、CPU30は、このように各座標について取得したオフセット量をレベル補正部40に設定する。
【0058】
【数1】
【0059】
【数2】
【0060】
【数3】
【0061】
ここで、i、jはある領域の中心座標から任意の位置の座標までの水平方向の距離と垂直方向の距離である。Dx、Dyは隣り合う領域間の水平方向の距離と垂直方向の距離である。offset_a**はある領域の中心座標の補正量である。offset_h*は水平方向の補間された計算値である。offset_ijは補間計算で決定された任意の座標の補正量である。
【0062】
本実施例も画面全体で補正値を設定する処理を行っているので画像のエッジのみを処理するよりもシャープネスをある程度維持した状態でディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。また、本実施例は、隣接する領域の間でのレベル補正量が滑らかに補間接続された自然な画像を得ることができる。
【0063】
本実施例は補間演算手段を用いているが、領域間の不連続な輝度段差が見られないような画像生成手段であればその他の手段でもよい。視認性に関する検討の結果、画像補正に伴い発生する不連続な輝度変化が表示最大輝度の5%以内、より好ましくは2%以内、更により好ましくは1%以内に収まるような補正画像であれば本実施例と同様の効果を期待することができる。
【実施例4】
【0064】
実施例4も画面を複数の矩形の領域(各領域は一辺が100画素以上)に分ける点では実施例2、3と同様である。しかし、実施例3の画像処理を行ってもディスクリネーションの補正を行った領域とディスクリネーションの補正を行っていない領域の境界において輝度ムラが発生するおそれがある。このため、実施例4は、本来はディスクリネーションの補正を行う必要がない領域に対しても補正を行ってディスクリネーションの補正を行った領域との補正差を少なくして補正差を視認されないようにする画像処理を施している。
【0065】
実施例4に適用される装置構成は実施例1の図1〜図3に示すものと共通である。また、実施例4では、図4(b)、(c)に示す特徴量は各領域ごとに形成される。CPU30が行うフローも図6と同様であるが、実施例3と同様にS1109とS1118で設定されたオフセット量701、702は各領域の中心座標に対して設定されるオフセット量である。
【0066】
また、実施例4も実施例3と同様に、表示画像は複数の領域に分割されているが、CPU30は各領域に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正値40に設定していない。
【0067】
図9は、実施例4のCPU30の動作を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。図9に示すフローチャートはコンピュータによって実行可能なプログラムとして具現化される。
【0068】
まず、実施例3と同様に、CPU30は、図6のフローによって実施例3で説明したように各領域の中心座標に対するオフセット量を取得する(S1201)。実施例3と異なるのは、ここで取得したオフセット量は仮のオフセット量である点である。また、CPU30は図6のS1119をまだ行わない。
【0069】
次に、CPU30は、画面における全領域の中心座標の白側のオフセット量702において最大値と最小値を探索し(S1202)、最大値に相当する輝度と最小値に相当する輝度の差が第2の閾値0.1(10%)よりも大きいかどうかを判定する(S1203)。
【0070】
S1203の第2の閾値は限定されず、任意に設定可能である。領域間の輝度差が10%以内、好ましくは7%以内、更により好ましくは5%以内であれば、輝度ムラが目立ちにくいため、S1203の閾値はこのような輝度差を越えないように設定すればよい。
【0071】
CPU30は、最大値−最小値>10%であると判定すると、領域間の補正量差が大き過ぎることにより、補正画像に輝度ムラが発生する懸念があるため、最大値と最小値の少なくとも一方を修正する(S1204)。
【0072】
S1203のNOの場合、あるいは、S1204の後でCPU30はオフセット量をレベル補正部40に設定する(S1205)。S1205はS1119に相当するものである。その後、各領域の中心座標以外の座標のオフセット量はS1204で修正されたオフセット量と数式1〜3を使用して設定される。
【0073】
本実施例も画面全体で補正値を設定する処理を行っているので画像のエッジのみを処理するよりもシャープネスをある程度維持した状態でディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。また、本実施例は、実施例3と同様に、隣接する領域の間でのレベル補正量が滑らかに補間接続された自然な画像を得ることができる。更に、本実施例は、輝度ムラの少ない高品位な画像を提供することができる。
【0074】
なお、本実施例は、補正ムラが比較的視認されやすい白側のオフセット量702を補正しているが、黒側のオフセット量701を同様に補正してもよい。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
液晶表示装置は液晶表示素子を使用する液晶プロジェクタや液晶ディスプレイなどの用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
20 特徴量生成部
30 CPU(処理部)
50 液晶駆動部
66 液晶表示素子
100 液晶プロジェクタ(液晶表示装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ディスクリネーションと呼ばれる液晶配向不良現象を低減するために、隣接する画素の白黒間の階調レベル(階調値)差に相当する電位差を小さくする画像処理方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6727872号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法を使用してディスクリネーションを実際に許容レベルまで抑えるためには画像のエッジの数画素〜数十画素の電位差が段々と変化するように調整する必要があり、画像のエッジがなまる(画像のシャープネスが低減する)という問題が発生する。特に、投射型表示装置のようなマイクロディスプレイタイブの液晶表示装置においては画素サイズが小さく、この問題は顕著となる。また、画面内の輝度の段差や輝度ムラを防止する需要もある。
【0005】
本発明は、画質劣化を低減しつつディスクリネーションを低減することが可能な液晶表示装置を提供することを例示的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液晶表示装置は、液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する液晶表示装置であって、前記入力画像信号が表す画面について、注目画素の階調値と前記注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応関係を満足する画素ペアの数に基づく特徴量を生成する特徴量生成部と、前記特徴量が第1の閾値よりも大きければ前記入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定し、前記特徴量が第1の閾値以下であれば前記補正値を設定しない処理を行う処理部と、前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて前記液晶表示素子を駆動する液晶駆動部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画質劣化を低減しつつディスクリネーションを低減することが可能な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用可能な液晶プロジェクタ(液晶表示装置)の外観斜視図である。
【図2】図1に示す液晶プロジェクタのブロック図である。
【図3】図2に示す特徴量生成部のブロック図である。
【図4】図3に示す特徴量生成回路の動作を説明するための図である。
【図5】図2に示すレベル補正部が行う階調値の補正特性を説明するためのグラフである。
【図6】図2に示すCPUの動作を説明するためのフローチャートである。(実施例1、2、3)
【図7】図6に示すS1103の補正値テーブルである。(実施例1、2、3)
【図8】本発明の画像処理を説明するための図である。(実施例3)
【図9】図2に示すCPUの別の動作を説明するためのフローチャートである。(実施例4)
【図10】特徴量生成回路が特徴量を生成する際の走査領域に関する説明図である。
【図11】特徴量生成のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する、本発明が適用可能な液晶プロジェクタ100(液晶表示装置)の外観斜視図である。ビデオプレーヤ2から出力された画像信号は、ビデオケーブル4を経て、液晶プロジェクタ100に入力される。液晶プロジェクタ100は、入力画像信号に応じて液晶パネル等の液晶表示素子により変調された光を投射画像8としてスクリーン6(被投射面)に投射する画像投射装置である。
【0010】
図2は、液晶プロジェクタ100のブロック図を示す。液晶プロジェクタ100は、映像処理部10、特徴量生成部20、CPU30、レベル補正部40、液晶駆動部50、光学系60を有する。
【0011】
映像処理部10は、入力画像信号にブライトネス補正やコントラスト補正、ガンマ変換、色変換等の画像処理を施して画像信号を生成する。
【0012】
特徴量生成部20は、映像処理部10に接続され、映像処理部10から出力された画像信号の画像の画面について、ディスクリネーションの発生状態を数値化した特徴量を生成する。
【0013】
図3は、特徴量生成部20のブロック図である。特徴量生成部20は、遅延回路22、ラインメモリ24、特徴量生成回路26、RAM(ランダムアクセスメモリ)28を有する。
【0014】
遅延回路22は、入力画像信号のデータをラインメモリ24に格納して遅延させた後で読み出す。ラインメモリ24は、最大3水平ライン分の入力画像信号のデータを格納する。遅延回路22は、過去2水平ラインの階調データをラインメモリ24から読み出して特徴量生成回路26に入力する。特徴量生成回路26は特徴量を生成してRAM28に格納する。RAM28に格納される特徴量は、注目画素の階調値とその注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応関係を満足する画素ペアの数に基づく情報であり、本実施例では、後述する図4(b)、(c)に示すテーブルで表現されている。
【0015】
図2に戻って、CPU30は、特徴量生成部20とレベル補正部40に接続され、後述する図7に示す補正値テーブルや図6などの制御方法などを格納している不図示のメモリ(記憶手段)を有している。CPU30は、特徴量生成部20のRAM28から特徴量を読み出し、特徴量に応じてレベル補正部40にレベル補正量(補正パラメータ)を設定したり、液晶プロジェクタ100の各部の電源や状態の制御を行ったりするマイクロコンピュータ(処理部)である。
【0016】
レベル補正部40は、特徴量生成部20とCPU30に接続されている。レベル補正部40は、ディスクリネーションを低減するための画像信号のレベル補正を行う。
【0017】
液晶駆動部50は、レベル補正部40に接続され、レベル補正部40により補正された画像信号を液晶駆動信号に変換し、光学系60の液晶表示素子66を駆動する。
【0018】
光学系60は、ランプ62、照明光学系64、液晶表示素子66、投射光学系68を有する。ランプ62から出た光は、照明光学系64を通り、液晶表示素子66で変調された後で投射光学系(投射レンズ)68を通して投射画像8としてスクリーン6に投射される。液晶表示素子66は、液晶駆動部50に接続され、液晶駆動部50からの液晶駆動信号に基づいて入射光束を変調する。
【実施例1】
【0019】
実施例1では、CPU30は、画面の全体に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正部40に設定する。図4(a)は、画像信号が表す画面における任意の3×3の画素マトリックスを示している。また、図4(b)は白側特徴量を表すテーブル(Nwの「w」はwhite(白)を意味する)であり、図4(c)は黒側特徴量を表すテーブル(Nbkの「bk」はblack(黒)を意味する)である。
【0020】
本実施例では、8bitであるので白の階調レベル(階調値)は255であり、これは8Vに相当し、黒の階調値は0であり、これは0Vに相当する。白側特徴量を表わすテーブルとは、注目画素の階調値が255に近い場合に用いるテーブルであり、黒側特徴量とは注目画素の階調値が0に近い場合に用いるテーブルである。
【0021】
実施例1では、特徴量生成回路26は、図4(a)に示す注目画素Aの階調値と注目画素Aの周囲にある周辺画素B1〜B8との階調値を比較し、図4(b)、(c)に示すマトリックス状に分類される特徴量の個数をカウントする。
【0022】
周辺画素は、図4(a)に示すB1〜B8の8個であるが、液晶の初期配向状態や液晶駆動モードにより、画素B1〜B8のうちのいずれかの画素(1つでも複数でも構わない)を比較対象として選択してもよい。本実施例では、2つの周辺画素B2とB5を比較対象とし、これら2つの周辺画素B2とB5の階調値と注目画素の階調値との比較を行うことにより特徴量を得ている。
【0023】
図10は、特徴量生成部20が特徴量を生成する際の走査領域に関する説明図であり、液晶表示素子の表示領域と、注目画素Aの座標の関係を示した図である。図10は画素数が、水平方向H画素、垂直方向V画素の解像度の液晶表示素子を表わす。このとき、表示領域の左上隅画素を原点とした座標系を考える。注目画素Aは、座標(Ax,Ay)で定義され、座標(Ax,Ay)は、表示領域の一番外側の座標以外を取りうる。
【0024】
図11は、特徴量生成部20の動作フローを示すフローチャートである。
【0025】
S1501は、各入力画像のフレームに同期した信号をトリガーとして、開始される。表示画面の左上隅画素から、内側に1画素ずつ進んだ画素を(Ax,Ay)=(1,1)が、最初の注目画素となる。
【0026】
S1502にて、注目画素AとB2の階調を比較する。
【0027】
S1503にて、図4(b)、(c)に示す条件に該当する場合、条件に該当する特徴量Nw_ij、Nbk_ijを、1加算した値をRAM28に書き込む(ここで、i,jは、1〜5の自然数である)。
【0028】
S1504、S1505も、S1502、S1503と同様にして、注目画素AとB5の階調を比較した後、該当する特徴量に加算する。
【0029】
S1506、S1507において、特徴量を生成する対象としている領域全体に対してS1052からS1056までの処理が実行されたか否かを判定する。
【0030】
以下、具体的な特徴量の算出例を説明する。例えば、注目画素Aの階調値が215であれば、図4(b)の縦(列)の一番上となり、特徴量生成回路26は、周辺画素B2の階調値が185であればNw_11の値を1だけ加算する。また、特徴量生成回路26は、周辺画素B5の階調値が185であればNw_11の値を更に1加算する。又、特徴量生成回路26は、もし周辺画素B5の階調値が195であればNw_12の値を1加算する。図4(b)、(c)の他のカウントされない要素(Nw_13など)は何も加算がなされないので、0のままである。
【0031】
同様にして、特徴量生成回路26は、画面の全画素の各々に注目画素Aを順次設定することによって図4(b)、(c)に示すデータを重畳(加算)した状態で作成し、これを画像信号のディスクリネーションの特徴量として生成する。つまり、特徴量生成回路26はテーブルの対応を満足する画素ペアの数を生成しており、本実施例においては、特徴量は、注目画素Aの階調値と周辺画素の階調値と周辺画素の個数との関係を表している。
【0032】
本実施例は、白階調(255階調)付近と中間調の隣接画素レベルの組み合わせである図4(b)に示すテーブル(マトリックス)と、黒階調(0階調)付近と中間調の隣接画素レベルの組み合わせである図4(c)の条件マトリックスの2種類を採用している。しかし、条件分類としてはこれ以外の構成でもよい。例えば、条件マトリックスの行列の数を増やしても良いし、3種類以上の条件マトリックスを用いてもよい。
【0033】
レベル補正部40は、図5(a)に示す入出力特性を持つ回路であり、黒側のオフセット量701と白側のオフセット量702は外部から独立して設定可能な構成となっている。レベル補正部40は液晶表示素子66の駆動電圧のダイナミックレンジを縮小する。図5(a)の横軸は入力画像の階調値であり、縦軸は出力画像の階調値である。なお、オフセット量701、702は補正量と同義である。尚、ダイナミックレンジを縮小(小さく)するとは、液晶を駆動する駆動電圧の最大値を小さくする、あるいは、最小値を大きくする、あるいはその両者を含む。尚、駆動電圧のダイナミックレンジを小さくすることは、入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくすると言い換えてもよい。
【0034】
図5(b)は、一般的な液晶表示素子における入力階調値と表示輝度の関係を示すグラフであり、輝度=1の白付近と輝度=0の黒付近では、入力階調に対する輝度変化率が非常に小さい非線形の特性となっている。そのため、黒側のオフセット量701と白側のオフセット量702により駆動電圧のダイナミックレンジを縮小しても表示画像の輝度変動は小さいため、駆動電圧のダイナミックレンジの縮小による表示画像への影響は殆ど見られない。なお、図5(b)ではオフセット量701、702をそれぞれ130、50程度と示しているが、本実施例では、オフセット量701は5、オフセット量702は7程度に設定した。
【0035】
尚、駆動電圧のダイナミックレンジの縮小オフセット量701、702の設定値は、液晶表示素子の入力階調と輝度との関係を表わす特性に基づいて、黒側のオフセット量701を白側のオフセット量702よりも大きく設定してもよい。これにより、輝度変動を抑えつつディスクリネーションの低減効果をさらに得ることができる。
【0036】
図6は、実施例1のCPU30の動作を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。図6に示すフローチャートはコンピュータによって実行可能なプログラムとして具現化される。
【0037】
まず、初期状態ではオフセット量701、702とも0に設定されて不図示のメモリに格納されている。即ち、初期状態における補正値は0であり、この場合は、図5(a)に示す特性はOut=Inの対角方向の直線となる。
【0038】
まず、CPU30は、x=1、y=1に設定し(S1101)、RAM28から図4(b)、(c)に示す特徴量を読み出す(S1102)。次に、CPU30は、図4(b)に示す白側特徴量(Nw_11)の数が第1の閾値10000よりも大きいか第1の閾値以下であるかを判定する(S1103)。
【0039】
CPU30は、白側特徴量(Nw_11)が閾値10000よりも大きいと判定すると、図7に示す補正値テーブルを参照して参照値を取得する(S1104)。図7(a)は白側補正値のテーブルであり、図5のオフセット量702に対応し、図7(b)は黒側補正値のテーブルであり、図5のオフセット量701に対応する。Nw_11に対応する補正値(オフセット量)は1であるので、CPU30はこれを参照値として取得する。
【0040】
次に、CPU30は、参照値が現在の補正値よりも大きいかどうかを判定し(S1105)、現在の補正値よりも大きければ補正値を置き換える(S1106)。上述したように、初期状態では補正値は0であり、参照値である1の方が大きいので、CPU30は、参照値である1を現在の補正値として設定して不図示のメモリに格納する。
【0041】
S1103のNO、S1105のNO、または、S1106の後で、CPU30は、検討していないx、y(x=1〜5、y=1〜5)の組み合わせがあるかどうか判定する(S1107)。他のx、yがあればxまたはyをインクリメントして(S1108)S1102に戻る。
【0042】
例えば、CPU30は次に、白側特徴量(Nw_12)が第1の閾値10000よりも大きいと判定すると(S1103)、図7に示す補正値テーブルを参照してNw_12に対応する参照値2を取得する(S1104)。そして、CPU30は、参照値2が現在の補正値1よりも大きいかどうかを判定し(S1105)、現在の補正値よりも大きいため補正値2に置き換える(S1106)。
【0043】
一方、CPU30は、全てのx、yの組み合わせについて特徴量を取得していると判断すれば(S1107)。白側のオフセット量702を決定する(S1109)。ここで、全てのx、yについて最大の補正値が設定されているのでこれが白側のオフセット量702となる。
【0044】
CPU30は、黒側補正量を決定するための黒側特徴量(Nbk_xy)に対しても同様のフローを行い、黒側のオフセット量701を決定する(S1110〜S1118)。最後に、CPU30は、決定された補正量(オフセット量701、702)をレベル補正部40に設定する(S1119)。
【0045】
従来は、補正値を設定する処理は画面の全体ではなくディスクリネーションが発生している画像のエッジに対してのみ行っていたのでシャープネスが低減するなど画質劣化の問題が発生していた。
【0046】
一方、本実施例では、CPU30は、特徴量が第1の閾値よりも大きければ入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定し、特徴量が第1の閾値以下であれば補正値を設定しない処理を画面の全体に対して行う。このため、画質劣化を低減することができる。
【0047】
本実施例は、画面の全体の階調値のダイナミックレンジを小さくすることによって、画像のエッジの階調値に段差を設けずに(従って、シャープネスを損なわずに)ディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。もちろん画像処理を行う領域は後述する一辺100画素以上の矩形領域でもよい。
【0048】
なお、CPU30は、S1103、S1112の閾値は、特徴量のインデックスx,yに応じて異なる値にすることで画像による補正の優先度の重み付けをしてもよい。また、S1105、S1114で最大の補正量を採用しているが、特徴量のインデックスx,yに応じた重み付けをしてもよい。
【0049】
尚、特徴量生成回路26は、図4に記載のテーブルの組み合わせに当てはまる画素ペアの数をカウントし特徴量としているが、これに限られない。例えば、図4に示したテーブルの組み合わせ条件を満たす画素の有無を変数とした評価関数の値を特徴量としてもよい。
【実施例2】
【0050】
実施例2では、CPU30は、画面を複数の矩形の領域に分けて各領域に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正部40に設定する。このように、実施例2においては、表示画像は複数の領域に分割されるが、各領域の一辺はシャープネスを維持するために100画素以上であることが好ましい。
【0051】
実施例2に適用される装置構成は実施例1の図1〜図3に示すものと共通である。また、実施例2では、図4(b)、(c)に示す特徴量は各領域ごとに形成される。CPU30が行うフローも図6と同様であるが、実施例1ではS1109とS1118で設定されたオフセット量701、702が画面全体のオフセット量であったのに対して実施例2ではそれらは各領域について設定されるオフセット量である点で相違する。
【0052】
本実施例は、100画素以上の領域の単位で階調値のダイナミックレンジを変更することによって、シャープネスのある程度維持した状態でディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。
【実施例3】
【0053】
実施例3は画面を複数の矩形の領域(各領域は一辺が100画素以上)に分ける点では実施例2と同様である。しかし、実施例2ではディスクリネーションの補正を行った領域とディスクリネーションの補正を行っていない領域の境界において輝度の段差が発生するおそれがある。このため、実施例3は輝度の変化が滑らかに連続する画像処理を施している点で実施例2とは相違する。 実施例3では、図8(a)に示すように、表示画像は複数(16×10)の領域に分割されているが、CPU30は各領域に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正値40に設定していない。
【0054】
実施例3に適用される装置構成は実施例1の図1〜図3に示すものと共通である。また、実施例3では、図4(b)、(c)に示す特徴量は各領域ごとに形成される。CPU30が行うフローも図6と同様であるが、実施例1ではS1109とS1118で設定されたオフセット量701、702が画面全体のオフセット量であったのに対して実施例3ではそれらは各領域の中心座標に対して設定されるオフセット量である。
【0055】
即ち、実施例3では、図6のフローによって決定されるのは各領域の中心座標に対して設定されるオフセット量であり、それ以外の座標のオフセット量は図8(b)に示すように設定される。
【0056】
図8(b)において、801a〜804aは図8(a)に示す領域801〜804の中心座標を示している。offset_a00は図6に示すフローで領域801の中心座標801aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。同様に、offset_a01は図6に示すフローで領域802の中心座標802aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。offset_a10は図6に示すフローで領域803の中心座標803aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。offset_a11は図6に示すフローで領域804の中心座標804aに対して設定されたオフセット量701、702の情報を含んだ補正量である。
【0057】
この時、任意の座標(i、j)におけるオフセット量は次式から求められる。なお、CPU30は、本実施例においてオフセット量が正数にならないものは四捨五入などによって正数に変換する。次に、CPU30は、このように各座標について取得したオフセット量をレベル補正部40に設定する。
【0058】
【数1】
【0059】
【数2】
【0060】
【数3】
【0061】
ここで、i、jはある領域の中心座標から任意の位置の座標までの水平方向の距離と垂直方向の距離である。Dx、Dyは隣り合う領域間の水平方向の距離と垂直方向の距離である。offset_a**はある領域の中心座標の補正量である。offset_h*は水平方向の補間された計算値である。offset_ijは補間計算で決定された任意の座標の補正量である。
【0062】
本実施例も画面全体で補正値を設定する処理を行っているので画像のエッジのみを処理するよりもシャープネスをある程度維持した状態でディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。また、本実施例は、隣接する領域の間でのレベル補正量が滑らかに補間接続された自然な画像を得ることができる。
【0063】
本実施例は補間演算手段を用いているが、領域間の不連続な輝度段差が見られないような画像生成手段であればその他の手段でもよい。視認性に関する検討の結果、画像補正に伴い発生する不連続な輝度変化が表示最大輝度の5%以内、より好ましくは2%以内、更により好ましくは1%以内に収まるような補正画像であれば本実施例と同様の効果を期待することができる。
【実施例4】
【0064】
実施例4も画面を複数の矩形の領域(各領域は一辺が100画素以上)に分ける点では実施例2、3と同様である。しかし、実施例3の画像処理を行ってもディスクリネーションの補正を行った領域とディスクリネーションの補正を行っていない領域の境界において輝度ムラが発生するおそれがある。このため、実施例4は、本来はディスクリネーションの補正を行う必要がない領域に対しても補正を行ってディスクリネーションの補正を行った領域との補正差を少なくして補正差を視認されないようにする画像処理を施している。
【0065】
実施例4に適用される装置構成は実施例1の図1〜図3に示すものと共通である。また、実施例4では、図4(b)、(c)に示す特徴量は各領域ごとに形成される。CPU30が行うフローも図6と同様であるが、実施例3と同様にS1109とS1118で設定されたオフセット量701、702は各領域の中心座標に対して設定されるオフセット量である。
【0066】
また、実施例4も実施例3と同様に、表示画像は複数の領域に分割されているが、CPU30は各領域に対して共通したディスクリネーションの補正量をレベル補正値40に設定していない。
【0067】
図9は、実施例4のCPU30の動作を説明するためのフローチャートであり、「S」はステップの略である。図9に示すフローチャートはコンピュータによって実行可能なプログラムとして具現化される。
【0068】
まず、実施例3と同様に、CPU30は、図6のフローによって実施例3で説明したように各領域の中心座標に対するオフセット量を取得する(S1201)。実施例3と異なるのは、ここで取得したオフセット量は仮のオフセット量である点である。また、CPU30は図6のS1119をまだ行わない。
【0069】
次に、CPU30は、画面における全領域の中心座標の白側のオフセット量702において最大値と最小値を探索し(S1202)、最大値に相当する輝度と最小値に相当する輝度の差が第2の閾値0.1(10%)よりも大きいかどうかを判定する(S1203)。
【0070】
S1203の第2の閾値は限定されず、任意に設定可能である。領域間の輝度差が10%以内、好ましくは7%以内、更により好ましくは5%以内であれば、輝度ムラが目立ちにくいため、S1203の閾値はこのような輝度差を越えないように設定すればよい。
【0071】
CPU30は、最大値−最小値>10%であると判定すると、領域間の補正量差が大き過ぎることにより、補正画像に輝度ムラが発生する懸念があるため、最大値と最小値の少なくとも一方を修正する(S1204)。
【0072】
S1203のNOの場合、あるいは、S1204の後でCPU30はオフセット量をレベル補正部40に設定する(S1205)。S1205はS1119に相当するものである。その後、各領域の中心座標以外の座標のオフセット量はS1204で修正されたオフセット量と数式1〜3を使用して設定される。
【0073】
本実施例も画面全体で補正値を設定する処理を行っているので画像のエッジのみを処理するよりもシャープネスをある程度維持した状態でディスクリネーションを低減した画像を表示することができる。また、本実施例は、実施例3と同様に、隣接する領域の間でのレベル補正量が滑らかに補間接続された自然な画像を得ることができる。更に、本実施例は、輝度ムラの少ない高品位な画像を提供することができる。
【0074】
なお、本実施例は、補正ムラが比較的視認されやすい白側のオフセット量702を補正しているが、黒側のオフセット量701を同様に補正してもよい。
【0075】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
液晶表示装置は液晶表示素子を使用する液晶プロジェクタや液晶ディスプレイなどの用途に適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
20 特徴量生成部
30 CPU(処理部)
50 液晶駆動部
66 液晶表示素子
100 液晶プロジェクタ(液晶表示装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する液晶表示装置であって、
前記入力画像信号が表す画面について、注目画素の階調値と前記注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応関係を満足する画素ペアの数に基づく特徴量を生成する特徴量生成部と、
前記特徴量が第1の閾値よりも大きければ前記入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定し、前記特徴量が第1の閾値以下であれば前記補正値を設定しない処理を行う処理部と、
前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて前記液晶表示素子を駆動する液晶駆動部と、
を有することを特徴とする液晶表示装置
【請求項2】
前記特徴量生成部は、前記画面を構成する全画素の各々に前記注目画素を順次設定することによって前記画面の全体の特徴量を生成し、
前記処理部は、前記画面の全体に対して前記補正値を設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記画面は、それぞれが一辺100画素以上の複数の矩形の領域から構成され、
前記特徴量生成部は、各領域を構成する全画素の各々に前記注目画素を順次設定することによって各領域の特徴量を生成し、
前記処理部は、各領域ごとに前記補正値を設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記画面は、それぞれが一辺100画素以上の複数の矩形の領域から構成され、
前記特徴量生成部は、各領域を構成する全画素の各々に前記注目画素を順次設定することによって各領域の特徴量を生成し、
前記処理部は、各領域の中心座標に対して各領域の前記特徴量に対応する前記補正値を設定し、各領域の中心座標以外の座標の補正量を各領域の前記中心座標の補正量から補間することによって設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記画面における前記中心座標の前記補正値の最大値と最小値の差が第2の閾値よりも小さくなるように前記中心座標の前記補正値の前記最大値と前記最小値の少なくとも一方を修正し、
前記処理部は、前記中心座標以外の座標の補正量を前記中心座標の修正された補正量から補間することによって設定することを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記特徴量生成部は、前記注目画素の複数の階調値の範囲と前記周辺画素の複数の階調値の範囲に従って複数の特徴量を生成し、
前記処理部は、前記第1の閾値を前記周辺画素の階調値の範囲に従って変更することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する表示装置に以下のステップを実行させるプログラムにおいて、
前記液晶表示素子の注目画素の階調値と前記注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応を示す情報を読み出し、前記対応を満足する画素の数を生成し、該生成された画素の数に基づく特徴量を生成する特徴量生成ステップと、
前記特徴量が第1の閾値よりも大きければ前記入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定する処理ステップと、
前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて前記液晶表示素子を駆動する液晶駆動ステップと、
を表示装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する液晶表示装置であって、
前記入力画像信号が表す画面について、注目画素の階調値と前記注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応関係を満足する画素ペアの数に基づく特徴量を生成する特徴量生成部と、
前記特徴量が第1の閾値よりも大きければ前記入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定し、前記特徴量が第1の閾値以下であれば前記補正値を設定しない処理を行う処理部と、
前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて前記液晶表示素子を駆動する液晶駆動部と、
を有することを特徴とする液晶表示装置
【請求項2】
前記特徴量生成部は、前記画面を構成する全画素の各々に前記注目画素を順次設定することによって前記画面の全体の特徴量を生成し、
前記処理部は、前記画面の全体に対して前記補正値を設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記画面は、それぞれが一辺100画素以上の複数の矩形の領域から構成され、
前記特徴量生成部は、各領域を構成する全画素の各々に前記注目画素を順次設定することによって各領域の特徴量を生成し、
前記処理部は、各領域ごとに前記補正値を設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記画面は、それぞれが一辺100画素以上の複数の矩形の領域から構成され、
前記特徴量生成部は、各領域を構成する全画素の各々に前記注目画素を順次設定することによって各領域の特徴量を生成し、
前記処理部は、各領域の中心座標に対して各領域の前記特徴量に対応する前記補正値を設定し、各領域の中心座標以外の座標の補正量を各領域の前記中心座標の補正量から補間することによって設定することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記画面における前記中心座標の前記補正値の最大値と最小値の差が第2の閾値よりも小さくなるように前記中心座標の前記補正値の前記最大値と前記最小値の少なくとも一方を修正し、
前記処理部は、前記中心座標以外の座標の補正量を前記中心座標の修正された補正量から補間することによって設定することを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記特徴量生成部は、前記注目画素の複数の階調値の範囲と前記周辺画素の複数の階調値の範囲に従って複数の特徴量を生成し、
前記処理部は、前記第1の閾値を前記周辺画素の階調値の範囲に従って変更することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
液晶表示素子を使用して入力画像信号を表示する表示装置に以下のステップを実行させるプログラムにおいて、
前記液晶表示素子の注目画素の階調値と前記注目画素の周囲にある周辺画素の階調値との対応を示す情報を読み出し、前記対応を満足する画素の数を生成し、該生成された画素の数に基づく特徴量を生成する特徴量生成ステップと、
前記特徴量が第1の閾値よりも大きければ前記入力画像信号の階調値のダイナミックレンジを小さくする補正値を設定する処理ステップと、
前記補正値によって補正された前記入力画像信号に基づいて前記液晶表示素子を駆動する液晶駆動ステップと、
を表示装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図9】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図9】
【図11】
【公開番号】特開2012−203052(P2012−203052A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65099(P2011−65099)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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