説明

液晶表示装置用バックライト

【課題】
LED光源からの出射光が、導光板に効率良く入光され、高輝度に発光する液晶表示用
バックライトを提供することを目的としている。
【解決手段】
平面基板上に実装された複数個のLED光源を用いた液晶表示用バックライトにおいて、前記LED光源が紫外もしくは紫色発光のLEDと前記LEDの発光に励起されて可視光を発する蛍光体の組合せからなると共に、前記LED光源が少なくとも1列以上からなる直線状に配列され、チップが実装された平面基板上にチップを取り囲むように透明樹脂封止層が設けられており、前記透明樹脂層の外側に蛍光体を含む樹脂封止層が存在するものであって、LED光源の列の両側面に沿ってリフレクタもしくは反射層などの反射手段が配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置用バックライト関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは電気エネルギーを紫外光や可視光等の光に変換して放射する半導体素子であり、このようなLEDチップを例えば透明樹脂で封止したLED光源が各種分野で使用されている。LEDチップは半導体素子であるため、長寿命でかつ信頼性が高く、光源として用いた場合に交換作業等が軽減されることから、携帯通信機器、PC周辺機器、OA機器、家庭用電気機器、信号装置、各種スイッチ類、バックライト型表示板等の各種表示装置の構成部品として広く利用されるようになってきている。
【0003】
LED光源から放射される光の色調はLEDチップの発光波長に限られるものではなく、例えばLEDチップの表面に蛍光体を塗布したり、あるいはLEDチップを封止する透明樹脂中に蛍光体を含有させることによって、青色から赤色まで使用用途に応じた可視光領域の光を得ることができる。特に、白色発光型のLEDランプは携帯通信機器の表示部のバックライトや車載用ランプ、更に最近では家庭用の照明光源などに、従来の白熱電球の代替品として、急速に普及し始めている。
【0004】
現在、普及もしくは試行されている白色発光型のLED光源としては、青色発光LEDと黄色発光蛍光体や赤色蛍光体とを組合せたLED光源と、紫外発光LEDと青色、緑色、赤色発光の各蛍光体の混合物とを組合せたLED光源とが知られている。現時点では、前者の青色発光LEDを用いた白色LEDランプの方が後者より輝度特性等に優れることから普及している。しかし、後者の紫外発光LEDを用いた白色LED光源は、輝度が前者より劣るものの、発光並びに投影光のムラが少なく、将来的には白色光源の主流になることが期待され、その開発が急速に進められている。
【0005】
紫外発光LEDを用いた光源を液晶バックライト用の白色光源として用いる場合も、輝度向上が最優先の課題となるが、LEDや蛍光体材料の発光効率を単に向上させるだけでなく、蛍光膜の構造や、LEDチップの配列等を工夫することにより、特性向上を図る工夫がなされている。
【0006】
例えば特許文献1では、LEDチップを直線状に配列すると共に、基板上でLEDの載置されない部分に反射膜を形成して輝度を向上させる工夫や、特許文献2では、LEDと蛍光膜の中間に光強度差低減層を形成し、輝度の向上や発光ムラを低減する工夫が為されている。またLED光源の輝度を向上させるには、LEDから出射された紫外光を光源の外部に漏出させることなく、蛍光膜に高効率で吸収させることが必要となるが、紫外線の漏出量を出来るだけ低減する方法が特許文献3に開示されている。特に特許文献3においては、紫外線の外部への漏出が、光源の輝度を低下させるばかりでなく、周辺部品の紫外線劣化や、人体の健康への被害を及ぼすことを考慮し、周辺条件にも配慮した最適な紫外線漏出量上限値が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開WO2007/1037120号パンフレット
【特許文献2】国際公開WO2008/038691号パンフレット
【特許文献3】国際公開WO2009/107535号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、バックライト用のLED光源において、LED光源から出射される光が高強度であり、かつ、出射光が外部に漏れることなく導光板に入光される様、出射光の配光幅が十分に絞られた液晶表示装置用バックライトを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態による液晶表示装置用バックライトは、少なくとも導光板、拡散シートを含む光学シート、および平面基板上に実装された複数個のLED光源からなり、前記LED光源が紫外もしくは紫色発光のLEDと前記LEDの発光に励起されて可視光を発する蛍光体の組合せからなると共に、前記LED光源が少なくとも1列以上からなる直線状に配列されてなる液晶バックライトにおいて、LEDチップが実装された平面基板上にLEDチップを取り囲むように透明樹脂封止層が設けられており、前記透明樹脂層の外側に蛍光体を含む樹脂封止層が存在するものであって、LED光源の列の両側面に沿ってリフレクタもしくは反射層などの反射手段が配置されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態のバックライトを示す図である。
【図2】第2の実施形態のバックライトを示す図である。
【図3】従来のバックライトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態の発光装置は、発光源としてのLED光源(発光ダイオード素子)と、蛍光体とを具備している。LED光源としては、たとえば、InGaN、GaNまたはAlGaN系発光ダイオードチップが挙げられる。また発光ピーク波長は、350〜420nmの範囲にあることが好ましい。すなわち、実施形態のLED光源は、紫外線〜紫色領域に発光ピークを有するLED光を、蛍光体によって可視光に変換する方式である。この様な方式の発光装置では、白色光を構成する発光成分を全て蛍光体の組合せにより得ることができるため、均一な白色光が得られるとの特長を有している。
【0012】
蛍光体としては、350〜420nmの発光源で励起させたとき、赤、青、緑の三原色に明るく発光する蛍光体を使用する。各色の蛍光体としては、以下に示す蛍光体が350〜420nmの発光源により効率的に励起できるために好ましい。
青色発光蛍光体としては、一般式
(Sr1−x−y−z,Ba,Ca,Eu10(PO・Cl
(式中x、y、zはx<0.2、y<0.1、0.005<z<0.1なる条件を満たす値である)
で表されるユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体、
緑色発光蛍光体としては一般式
(Ba1−x−y−z,Sr,Ca,Eu)(Mg1−u,Mn)Al1017
(式中x,y,z,uはx<0.2、y<0.1、0.005<z<0.3、0.1<u<0.3なる条件を満たす値である)
で表されるユーロピウム、マンガン付活アルミン酸塩蛍光体、
赤色発光蛍光体としては、一般式
(La1−x−y,Eu,M
(式中Mは元素Sm,Sb,Snの少なくともひとつで、x及びyは0.01<x<0.15,y<0.03を満たす値である)
で表わされるユーロピウム付活酸硫化ランタン蛍光体
あるいは一般式
(Zn1−x,Mn)Ga
(式中x及びyは0.01<x<0.15,y<0.03を満たす値である)
で表わされるマンガン付活硫化亜鉛、ガリウム蛍光体の少なくとも1種等が、使用可能である。
【0013】
本発明に使用する蛍光体は、前記蛍光体種に限定する必要はない。紫外から紫色光を励
起源とする蛍光体は、青色光を励起源とする蛍光体より種類が多く、多種類の蛍光体の中から選択することができる。従い、色再現性や明るさの面で、より適切な組合せを選択するための幅が拡がるのが、有利な点である。中でも、前記記載の蛍光体の組合せの場合は、紫外または紫色励起で高効率に発光し、かつ液晶表示装置に使用されるカラーフィルターと、蛍光体発光色のマッチングが良好であり、色再現性および明るさの両面で、最適な特性を示すものである。
【0014】
発光素子として紫外乃至紫色発光のLEDを用いた光源は色再現性に優れているものの、発光素子として青色発光LEDを用いた発光装置とは異なり、LEDチップからの出射光をほぼ完全に蛍光に変換させる必要がある。もし蛍光に変換されない紫外光が存在すると、蛍光膜の輝度が低下するばかりで無く、発光装置内外に漏出した紫外光が、発光装置の構成部材などを紫外線劣化させる問題が生じるためである。
【0015】
この様な問題を防ぐためLEDチップの周囲を蛍光膜で封止する際、蛍光膜中の蛍光体粒子の濃度を高くして、紫外線を蛍光膜の外側に漏出しない様にすると効果的である。しかしながら、この濃度の高い蛍光体層はLEDチップが発する紫外光や蛍光体が発する白色光の一部を反射し、LEDチップに戻してしまうとの、別の問題を発生させる。LEDチップは屈折率が高く、光を閉じ込める作用があるため、LEDチップに光が戻されると、LEDチップに戻された光がLEDチップから出ることができず、発光装置の輝度が低下してしまうことになる。
【0016】
この様な光損失を避けるために、LEDチップを取り囲むように透明樹脂封止層を設け、蛍光体層による反射光がLEDチップに戻る確率を低くし、光取り出し効率をあげることが、一つの解決策である。この場合、当然のことながら、前記透明樹脂層の材料には、紫外線劣化しない材料を選定することが重要である。具体的にはジメチルシリコーン等を樹脂材料として選定すると良い。
【0017】
ところで、液晶表示装置用バックライトに用いるLED光源は、LED光源からの出射光を導光板に漏れなく入光させるため、出射光の配光幅を絞る必要がある。この為、一般照明用として使用されているサイドビュー型など既存のアモデル製のパッケージを用いたのでは、十分な強度の光束を得ることができない。本発明では、平面基板上に複数個のLEDを実装し、LEDチップを取り囲む様に蛍光膜を形成した形の発光装置としているが、導光板に光を入光させるための特別な工夫をおこなっている。具体的には、蛍光膜からの発光が周囲に拡散しない様、蛍光膜の周囲に反射手段を設けたもので、蛍光膜の構造に応じ、2種類の反射手段を形成した。
(実施形態1)
【0018】
導光板、拡散シート等の光学シート、およびバックライトからなる液晶バックライ
トにおいて、バックライトは、平面基板と平面基板上に実装されたLEDチップ、更に蛍光膜等から成っている。平面基板上のLED光源は、バックライトの少なくとも1辺に複数個のLED光源が直線状に配列された構造とし、個々のLED光源は、LEDチップを取り囲む様に透明樹脂層を設けた後、その外側に蛍光膜を含む樹脂封止層を形成する。この様な構造のLED光源においては、蛍光体層の表面より光が出射し導光板への入射効率が低下するが、この問題を防ぐ為に本発明では、LED光源列の両側面に沿ってリフレクタを配置することで導光板への入射効率を改善している。
【0019】
リフレクタは一般の発光装置に使用されているものと同様であり、具体的には板状も
しくは膜状である。リフレクタの材料としては、白色フィラーもしくは高反射率を示す金属の膜が良く、この材料を用いて蒸着等による製膜(金属)もしくは成型・塗布(白色フィラー)することにより、例えば400nm光の反射率を50%以上とすることができる。400nmをはじめとする可視光の反射率を50%以上とすることで、導光板への入光効率の改善の効果が得られる。
【0020】
またリフレクタの反射面と平面基板との角度は任意であるが、リフレクタの上部の少なくとも一部が前記導光板の底面もしくは側面と接していることが重要である。これにより蛍光膜からの出射光を効率良く導光板に入射させることができる。入射効率の改善の度合いを評価する為に、得られたバックライトの発光効率を測定すると、リフレクタを形成しない場合は3800cd/m2程度で全く実用にならなかったが、片方が導光板に接するリフレクタを形成した場合に4500cd/m以上、両方が導光板に接するリフレクタを形成した場合には5300cd/m以上となって、顕著な改善効果が見られた。
(実施形態2)
【0021】
部材の基本構成が実施形態1と同じ液晶バックライトにおいて、蛍光体を含む透明樹脂層を略直方体形状に形成したものを実施形態2とする。この実施形態の場合は、直線状に配列された複数個のLEDチップを単一透明樹脂膜で被覆した構造となっており、前記透明樹脂層の外側を覆うように、略直方体形状の蛍光膜が形成されている。そして、蛍光膜の表面のうち、チップが実装された平面基板に接する辺を含む面の少なくとも一部には、反射層が形成されている。
【0022】
前記反射層は、反射フィラーを分散させたスラリーを、蛍光膜表面に塗布して形成したものである。また、反射フィラーを含む樹脂膜を予め形成しておき、蛍光膜表面に貼り付けても良い。反射層に加える反射フィラーには、チタン、アルミニウム、珪素、セリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素の酸化物が好適である。これらの金属酸化物は白色系の体色を有しており、400nm以上の可視光に対して高い反射率を有している。
【0023】
これらの金属酸化物は通常微粒子粉末からなり、本発明の用途に最適な微粒子粉末の粒径は0.1〜10μmの範囲である。また、反射フィラーの使用量は、樹脂中に充填する密度に換算して1〜50wt%の範囲が適当である。なお、反射フィラーを充填する樹脂材料としては、透明樹脂膜と同様に、ジメチルシリコーン等を使用する。
【0024】
この実施形態で使用されるLED光源は、光源自体が基板面に鉛直な軸を中心に配光角2θ1/2が180°以下となるLED光源であることが好ましい。反射機能を設けない場合180°方向の(すなわち実装面内に出射される)光度は0°(すなわち実装面に直行する方向に出射される光度)に等しい。しかし反射機構を設け配光角2θ1/2が180°以下であれば、光源からの出射光が前記のようには拡がらないことから、実施形態1のようなリフレクタを形成しなくとも、反射層を形成するだけで、LEDからの出射光を効率良く導光板に入射させることができる。なお、前記略直方体形状の蛍光膜は、少なくとも1辺の長さが、2mm以下とすることが望ましい。1辺の長さが2mm以下であるとすると、蛍光体層の幅≧(1辺の長さ−0.1mm)となる。
【実施例】
【0025】
以下、実施例について実施形態を参照して具体的に説明する。
【0026】
(実施例1、比較例1)
幅2mm、長さ17mmのアルミナ製平面基板に、400μm□LEDチップ6pを2mm間隔で1列に実装し、おのおののチップ同士を直列に接続した。これらのLEDチップ群全体を取り囲むようにジメチルシリコーン製の透明樹脂を幅1.2mm、長さ15mm、高さ0.8mmの略矩形状に塗布、その外側にジメチルシリコーン中に蛍光体を分散させたスラリーを高さ方向に0.4mm厚み、横方向に0.3mm厚みで塗布した。これを比較例1の光源とする。
【0027】
その後ジメチルシリコーン中に反射材を分散させたスラリーを横方向に厚み0.1mmで塗布した。これを実施例1の光源とする。なお、透明樹脂および蛍光体を分散させたスラリーを塗布する際にはアルミナ製平面基板に所定寸法の治具(テンプレート)を取り付け、テンプレートに透明樹脂もしくは蛍光体を分散させたスラリーを流しこみ硬化させた後テンプレートを外すという手順をとった。なお、蛍光体スラリー、反射材スラリーに用いた成分と配合比は、表1、表2の通りとした。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
(比較例2)
幅2mm、長さ17mmのアルミナ製平面基板に、400μm□LEDチップ6pを2mm間隔で1列に実装し、おのおののチップ同士を直列に接続した。幅2mm、長さ17mm、高さ0.8mmの中空のアモデル製枠体をアルミナ製平面基板に貼り付け、透明樹脂を流し込み硬化させた。この際透明樹脂は基板底面上を枠体部まで濡れ広がっていることが確認できた。さらに蛍光体を分散させたスラリーを流し込んで硬化させた。これを比較例2の光源とする。得られた、実施例1、比較例1、比較例2のそれぞれのLED光源を評価し、結果を表3にまとめた。
【0031】
【表3】

夫々のLED光源に、30mAの電流を流し駆動した。積分球で全光束を測定し入力あたりの発光効率lm/Wを求めた。なお、測定にあたり、積分球はLABSPERE社製10インチ積分球の装置を使用した。基板面中央から垂直に31.6cm離れた位置での光度および基板法線からの角度を変えながら光度を測定し、配光角2θ1/2を測定した。実施例1は比較例1に比べて発光効率が20%減少するものの光度が40%向上し導光板へ効率よく光を送ることが可能である。比較例2は実施例1と同じ外形であるが透明樹脂層が枠体まで濡れ広がっているため、チップからの紫外光が蛍光体層に達することなく枠体内壁面で吸収されたため低い発光効率および光度を示したものと推測できる。
【0032】
このことより既存のアモデル製のパッケージを用いたのでは、十分な光束を得ることができないことがわかる。つぎに、画面サイズ170mm×127mmのバックライトにおいて長辺側の1辺にLED光源9pを直線状に配列するサイドエミッション方式のバックライトを試作した。PMMA製の導光板、さらには拡散フィルムD121J、プリズムフィルムBEF-3、偏光フィルムDBEF-D400を用いた。チップあたり30mAの電流を流した際のバックライト中央部の輝度を測定した。なおLED光源には実施例1、比較例1、比較例2の光源を用い、得られたバックライトを、夫々実施例1、比較例1、比較例2のバックライトとした。
【0033】
【表4】

【0034】
実施形態1のLED光源を用いたバックライトは良好な輝度特性を有していることが分かる。実施例1では実施形態1のLED光源を使用したが、同様の装置で従来の実施形態のLED光源を用いたバックライト(比較例1)はLED光源自身の発光効率は高いものの導光板への入光効率が低いためバックライトの輝度特性は低下する傾向にある。
続いて、実施形態2のバックライトを作成する。
【0035】
(実施例2)
比較例1のバックライトにおいてLED光源列の左右にリフレクタをさしはさんだ。リフレクタは鏡面処理したアルミ板で、400nmでの反射率が90%であった。また導光板のLED光源列との対向面とアルミ板とが接するようにアルミ板サイズを調整した。これを実施例2とする。
【0036】
(実施例3)
鏡面処理を施さないアルミ板で、400nmでの反射率が60%のリフレクタを用いて、実施例2同様のバックライトを作製した。これを実施例3とする。
【0037】
(比較例3)
鏡面処理を施した銅板で、400nmでの反射率が48%のリフレクタを用いて、実施例2同様のバックライトを作製した。これを比較例3とする。
実施例2、実施例3、比較例3で得られた夫々のバックライトの輝度を測定し、結果を表5に纏めた。なお、バックライトの駆動条件は実施例1の場合と同様である。
【0038】
【表5】

実施形態2のLED光源であってもリフレクタを用いることで良好な輝度特性を持つバックライトを提供することができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・導光板、 2・・・蛍光体層、 3・・・リフレクタ、 4・・・LEDチップ、 5・・・平面基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示装置用バックライトにおいて、前記バックライトは、少なくとも導光板、拡散シートからなる光学シートと、バックライトの少なくとも1辺に実装された複数個のLED光源からなり、前記LED光源は発光ピーク波長が350nm以上420nm以下である一次光を出射するLEDチップと、LED光源は少なくとも1列以上からなる直線状に配列されており、各LED光源列の左右両側面に沿って反射手段が形成されていて、LED光源からの出射光が前記反射手段によって配光幅の十分に絞られた状態で導光板に入光することを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項2】
請求項1記載の液晶表示装置用バックライトにおいて、前記混合蛍光体が、
青色発光蛍光体として一般式
(Sr1−x−y,Ba,Ca,Eu10(PO・Cl
(式中x、y、zはx<0.2、y<0.1、0.005<z<0.1なる条件を満たす値である)
で表されるユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体、
緑色発光蛍光体として一般式
(Ba1−x−y−z,Sr,Ca,Eu)(Mg1−u,Mn)Al1017
(式中x,y,z,uはx<0.2、y<0.1、0.005<z<0.3、0.1<u<0.3なる条件を満たす値である)
で表されるユーロピウム、マンガン付活アルミン酸塩蛍光体、
赤色発光蛍光体として一般式
(La1−x−y,Eu,M
(式中Mは元素Sm,Sb,Snの少なくともひとつで、x及びyは0.01<x<0.15,y<0.03を満たす値である)
で表わされるユーロピウム付活酸硫化ランタン蛍光体
あるいは一般式
(Zn1−x,Mn)Ga
(式中x及びyは0.01<x<0.15,y<0.03を満たす値である)
で表わされるマンガン付活硫化亜鉛、ガリウム蛍光体の少なくとも1種から構成されることを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項3】
請求項1乃至2に記載の液晶表示装置用バックライトにおいて、前記LED光源列は、LEDチップが実装された平面基板上に、LEDチップ列を取り囲むように設けられた透明樹脂層と、前記透明樹脂層の外側に設けられた前記混合蛍光体を含有する透明樹脂層からなることを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項4】
請求項1乃至3記載の液晶表示装置用バックライトにおいて、前記反射手段がリフレクタであることを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項5】
請求項4記載の液晶表示装置用バックライトにおいて、LED光源の両側面に形成されたリフレクタのうち、少なくとも一方が前記導光板に接していることを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項6】
請求項4乃至5記載の液晶バックライトにおいて、リフレクタの反射率が400nm光に対して50%以上であることを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項7】
請求項3記載の液晶表示装置用バックライトにおいて、前記混合蛍光体を含有する透明樹脂層が略直方体形状であり、前記反射手段が、前記略直方体形状の透明樹脂層の表面のうちチップが実装された平面基板に接する辺を含む面の少なくとも一部に形成された反射層であって、前記LED光源が、基板面に鉛直な軸を中心に配光角2θ1/2が180°以下である光を出射することを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項8】
請求項7記載の液晶表示装置用バックライトにおいて、前記反射層は、蛍光体を含む樹脂層表面に反射フィラーを分散させたスラリーを塗布したもの、あるいは蛍光体を含む樹脂層表面に白色反射フィラーを含む層を貼り付けてなることを特徴とする液晶表示装置用バックライト。
【請求項9】
請求項8に記載の液晶表示装置用バックライトにおいて、前記反射フィラーはチタン、アルミ、珪素、亜鉛、セリウムから選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素の酸化物であることを特徴とする液晶表示装置用バックライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−72905(P2013−72905A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209997(P2011−209997)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(303058328)東芝マテリアル株式会社 (252)
【Fターム(参考)】