説明

液晶表示装置

【課題】表示不良の発生を抑制できる放熱構造を有する、サイドライト型方式のバックライトを備える液晶表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】液晶パネル120を背面から照明する導光板121の下側に光源124と、光源124の熱を放熱するヒートシンク101とを配置する。ヒートシンク101は、第1のフレーム137の下方に形成される台座部137bの内部に配置されることで、液晶パネル120の下方に配置されるとともに、液晶パネル120から距離を離して配置され、光源124からヒートシンク101に伝導される熱が、液晶パネル120に伝わることが抑えられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却機構を有する液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、CRT(Cathode Ray Tube)やプラズマディスプレイパネルなどの発光型の表示装置と、液晶表示装置などの非発光型の表示装置に大別できる。
非発光型の表示装置としては、画像信号に応じて光の反射光量を調節する反射型の光変調素子を用いるものと、画像信号に応じて光の透過光量を調整する透過型の光変調素子を用いるものがある。
【0003】
特に、透過型の光変調素子として液晶を用いて、その背面に照明装置(バックライトとも称する)を備える液晶表示装置は薄型、軽量であることからコンピュータのモニタやテレビ受像機などの表示装置に幅広く採用されている。
【0004】
そして、液晶表示装置のバックライトには、主に直下型方式とサイドライト型方式の2つの方式がある。直下型方式は、多数の光源を基板上にマトリクス配置し、光源からある程度空間を設けた位置に拡散板を配置して輝度を均一化している。サイドライト型方式は多数の光源を基板上に線状に配置し、導光板側面に光線を入射して輝度が均一化して、導光板の前面から出射する。サイドライト型方式は、光源の光線を均一化するための空間が必要ないため、液晶表示装置を薄く構成できるのが特徴である。
【0005】
また、液晶表示装置のバックライト用の光源としては、冷陰極管が採用されるのが一般的であったが、近年は、小型化や色再現の範囲に対する要求の高さ、または鉛フリーなどの面から、LED(Light Emitting Diode)の採用が多くなっている。しかしながら、LEDを光源とした場合、多数のLEDが必要になることからバックライトの発熱量が増える。LEDは、高温になると発光効率が低下するばかりでなく、熱による損傷やLEDを覆う透明樹脂材料の熱劣化などの問題が発生することから、放熱対策は重要な課題である。
【0006】
そこで、例えば特許文献1には、サイドライト型方式のバックライトにおいて、導光板を覆うように配置されるハウジングの側面や底面部にバックライトを密着して放熱する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−156324号公報(段落0033、図18参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、開示された技術では、導光板の側面の全域(すなわち、下端から上端まで)にわたって、ハウジングに光源からの熱が伝導される。そして、ハウジングは液晶パネルの背面側に存在することから、ハウジングに伝導された熱が液晶パネルに伝わり、液晶パネルの温度が上昇することがわかった。液晶パネルは、温度が上昇すると液晶層の特性が変化してコントラストが低下する。極端には、液晶層が複屈折性を示さなくなり、液晶パネルが光透過率の制御機能を失うことで表示不良が発生する。すなわち、バックライトの光源が発する熱で、液晶パネルの表示不良が発生するという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、表示不良の発生を抑制できる放熱構造を有する、サイドライト型方式のバックライトを備える液晶表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、光源の発熱が液晶パネルに伝導されにくい放熱構造を有する、サイドライト型方式のバックライトを備える液晶表示装置とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、表示不良の発生を抑制できる放熱構造を有する、サイドライト型方式のバックライトを備える液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図を用いて詳細に説明する。
【0012】
《第1の実施形態》
図1は、本発明にかかる第1の実施形態における液晶表示装置の構成斜視図、図2は図1におけるX−X断面図、図3の(a)は、液晶パネルの配線と駆動回路の配置を示す図、(b)は、TFT(Thin Film Transistor)と画素電極の配置を示す図、図4の(a)は、光源と導光板の配置を示す図、(b)は光源の構造を示す図、図5は液晶表示装置の給排気を示す図である。第1の実施形態では、図1に示すように、液晶パネル120の表示画面を基準として上下左右および前背面を定義した。
【0013】
図1に示すように、第1の実施形態にかかる液晶表示装置1は、液晶パネル120、導光板121、背面カバー122、光源124、光源搭載用の基板123、ヒートシンク(放熱部材)101を含んで構成される。さらに、液晶表示装置1は、第1のフレーム137、第1のゴムクッション131、第2のゴムクッション132、第2のフレーム138、光学シート134、第1の反射シート135、第2の反射シート136を備える。
【0014】
導光板121は、詳細は後記するが、液晶パネル120の背面に配置され、導光板121の下側面には光源124を有する基板123が配置される。なお、導光板121の光源124が配置される側面を、入射面121aと称する。また、液晶パネル120側の表面を、出射面121bと称する。
【0015】
液晶パネル120は2枚のガラス基板間に液晶を挟持した構成を有し、液晶を構成する液晶分子の配向状態が制御されることより導光板121から出射した光の透過/遮断を制御する光シャッタとしての機能を有する。
【0016】
図3の(a)に示すように、液晶パネル120は、信号配線120cと走査配線120dとが格子状に配線され、信号配線120cを駆動するための信号配線駆動回路120aと走査配線120dを駆動するための走査配線駆動回路120bとが備わる。
【0017】
また、図3の(b)に示すように、信号配線120cと走査配線120dとの格子点に液晶120fを駆動するTFT120eが接続される。TFT120eは、走査配線120dに正の電圧が印加されると、信号配線120cと画素電極120gの間を導通させる。このとき、信号配線120cから画像データに応じた電圧が画素電極120gに印加され、該画素電極120gと対向電極120hの間の電圧に応じて、液晶120fのシャッタが開閉する。液晶120fのシャッタが開くと、図1に示す導光板121の出射面121bから出射された発光を透過して明るい画素となる。液晶120fのシャッタが開いてない場合には暗い画素となる。
液晶120fのシャッタの開閉と液晶に印加される電圧(≒画素電極120gと対向電極120hの間の電圧)の関係は、所謂、液晶120fの表示モードに依存する。一般的なテレビ受像機向け液晶パネル120の表示モードの一例としては、液晶120fに印加される電圧の絶対値が大きいとき(5V程度)は明るい画素となり、小さいとき(0V程度)は暗い画素となる。この際、0Vと5Vの間の電圧は、非線形的ではあるが電圧の絶対値が大きくなるほど明るくなる。そして、0Vと5Vの間を適当に区切ることで階調表示を行なうことができる。言うまでもないが、本発明はこれら表示モードを限定しない。
また、TFT120eに接続されている走査配線120dに負の電圧が印加されている場合は、信号配線120cと画素電極120gの間は高抵抗の状態となり、液晶120fに印加される電圧は保持される。
このように、走査配線120dと信号配線120cへの電圧によって、液晶120fが制御される構成である。
【0018】
走査配線駆動回路120bは、一定の周期で、例えば順次上から下に向かって、走査配線120dの一つに所定の電圧を印加するように走査する機能を有する。また、信号配線駆動回路120aは、走査配線駆動回路120bが所定の電圧を印加している走査配線120dに接続される各画素に対応する電圧を、各信号配線120cに印加する。
このような構成とすれば、電圧が印加されている走査配線120dで、明るい画素と暗い画素とが設定できる。そして、走査配線駆動回路120bの走査に伴って、信号配線駆動回路120aが各信号配線120cに印加する電圧を制御することで、全ての走査配線120dに明るい画素と暗い画素を設定することができ、液晶パネル120に映像を構成することができる。
【0019】
なお、信号配線駆動回路120aと走査配線駆動回路120bは、例えば制御装置125a(図1参照)が制御する構成とすればよい。
例えば、制御装置125aは、液晶パネル120に表示する画像信号を、液晶120f(図3の(b)参照)ごとの明暗の情報として管理する機能を有する。そして、走査配線駆動回路120bを制御して順次上から下に向かって、走査配線120dの一つに所定の電圧を印加するように走査するとともに、所定の電圧を印加している走査配線120d上の信号配線120cの明暗の情報に対応して、各信号配線120cに所定の電圧が印加されるように信号配線駆動回路120aを制御する構成とすればよい。
【0020】
図1に戻って、導光板121はアクリルなどの透明な樹脂からなり、光源124から出射した光線(点光源)を面光源に変換する機能を有する。そして、図2に示すように、導光板121は、液晶パネル120の背面に、第2のフレーム138、第2のゴムクッション132、光学シート134を介して配置され、光源124が発光した光線(点光源)を面光源に変換する。そのため、導光板121の下側面には光源124を有する基板123が配置される。なお、前記のように、導光板121は、入射面121aと出射面121bとを有する。
【0021】
そして、図4の(a)に示すように、導光板121の下側に形成される入射面121aに沿うように光源124が備わり、光源124が発光する光線が、入射面121aを介して導光板121に入射される構造とする。なお、光源124は液晶パネル120(図1参照)が、映像を表示するための光を発する機能を有する。
【0022】
光源124は、図4の(b)に示すように基板123上に複数のLED124a(例えばR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色が交互に配置される)が固定され、ボンディング等によって基板123上に形成される配線パターン124bと電気的に接続される。さらに、発光を適度に散乱させるためのレンズ124cが、発光面の上部を覆う。LED124aには配線パターン124bを介して電流/電圧が供給されて、LED124aは発光することができる。基板123は、例えば低熱抵抗のセラミック基板を用いることができ、図4の(a)に示すようにヒートシンク101に接するように固定することで、光源124で発生した熱を効果的にヒートシンク101に伝導させることができる。
【0023】
入射面121aから導光板121に入射した光線は、導光板121内での反射を繰り返して伝播し、導光板121の背面側に印刷された図示しない反射ドットにより散乱され導光板121の前面側にある出射面121bから出射される。さらに、図2に示すように、導光板121の背面には、第2の反射シート136が配置され、全反射条件から外れて導光板121の背面に出た光線を再度導光板121に戻すことで、効率よく液晶パネル120(図1参照)を照射する。
【0024】
このように、第1の実施形態では、導光板121の出射面121bから出射された光線が液晶パネル120を背面から照射する構成とする。
【0025】
再び図1に戻る。背面カバー(筐体)122は例えば樹脂からなり、液晶表示装置1の背面の保護カバーの役目をしている。背面カバー122は側面視で略L字型であって、背面カバー122のL字型に折れた部分には排気のための排気口107bを設けた。
【0026】
第1のフレーム(筺体、フレーム本体)137は、例えば樹脂からなり、下側が広がっていて幅広の台座部137bと、台座部137bから上側に向かって形成されるフレーム部137aが一体成形された構成となっている。フレーム部137aの背面側は開口していて、液晶パネル120の前面に配置され、液晶表示装置1の前面カバーとしての機能を有する。また、フレーム部137aの前面側は、液晶表示装置1の表示エリア部が開口された形状となっている。
そして、台座部137bは、フレーム部137aより前面から背面の方向に充分に広く形成され、液晶表示装置1を床等に安定して据え置く機能を有する。
【0027】
台座部137bの背面側は、上側が開口するように周囲に壁部が形成され、背面側の壁部には、吸気のための吸気口107aを設けた。そして、第1のフレーム137と背面カバー122とを組み合わせて筺体を形成する。すなわち、側面視で略L字型の背面カバー122が、台座部137bの背面側及びフレーム部137aを塞ぐように組み合わされる。なお、台座部137bの前面側は、中空となっていて、図2に示すように空間部108が形成される。そして、空間部108は、第1のフレーム137の内部と連通している。また、台座部137bの背面側は、開口部の周囲に形成される壁部と背面カバー122とで、第1のフレーム137の内部と連通する空間部が形成される。
【0028】
なお、第1のフレーム137と背面カバー122の形状はこれに限定されるものではない。例えば、第1のフレーム137の台座部137bには背面側の壁部は形成されず、背面カバー122のL字に折れた部分をさらに折り曲げて、台座部137bの背面側の壁部に相当する部分を形成してもよい。この場合、背面カバー122のL字をさらに折り曲げた部分に吸気口107aが形成される。
【0029】
液晶パネル120の前面には第1のゴムクッション131が配置され、第1のフレーム137と液晶パネル120の支持部材としての機能を有する。第2のゴムクッション132は液晶パネル120の背面に配置され、液晶パネル120と第2のフレーム138の緩衝材としての機能を有する。また、第2のフレーム138は液晶パネル120の支持機能を有する。
【0030】
光学シート134は第2のフレーム138の背面に配置され、導光板121から出射した光のさらなる面内均一化または正面方向の輝度を向上させる指向性付与機能を有する。なお、光学シート134の枚数は限定されるものではなく、第1の実施形態においては、図1に示すように3枚の光学シート134を配置した。
【0031】
第1の反射シート135は光学シート134の背面に配置される。第1の反射シート135は光源124から出射した光線のうち、導光板121に入射しない光線を反射して導光板121に入射させる機能、および光源124近傍の導光板121の出射面121bから出た光線を再度、導光板121に戻すための機能を有する。光源124近傍ではRGBの出射光が不均一となっており、この部分を表示面にすることはできない。そこで、光源124近傍の光線を第1の反射シート135によって、導光板121に戻すことにより、光線のロスを減らすことができる。
【0032】
第2の反射シート136は、導光板121の背面に配置される。第2の反射シート136は、光源124から出射した光線のうち、直接導光板121に入射しない光線を反射して導光板121に入射させることにより光線の利用効率を高める機能とともに、全反射条件から外れて導光板121の背面に出た光線を、再度導光板121に戻す機能を有する。
【0033】
ヒートシンク101は、熱伝導性の優れた、例えば金、銀、アルミニウムなどの金属材料や、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトで形成され、光源124の発熱を効率よく放熱するための機能を有する。そして、ヒートシンク101は、前記したように基板123の光源124が搭載されない面に、例えば熱伝導接着部材を用いて接続され、光源124の発熱をヒートシンク101に伝導することで放熱する機能を有する。
【0034】
ここで、図2に示すように、ヒートシンク101は側面視で逆T型の構造を有し、逆T字の両側に広がる部分を熱拡散部101a、熱拡散部101aから上側に向かって形成される凸の部分を伝熱部101bとする。そして、このような断面形状の部材が導光板121の入射面121aの長さと略等しい長さに形成される。
ヒートシンク101は、図2に示すように、熱拡散部101aが、台座部137bの前面側においては空間部108に嵌まり込み、台座部137bの背面側においては、開口部に嵌まり込むように、図示しない支持部材で第1のフレーム137に固定される。そして、伝熱部101bに、光源124の基板123が接続される。
【0035】
このように、光源124は基板123を介して、ヒートシンク101の伝熱部101bに接続されることから、光源124で発生した熱は、伝熱部101bを介して熱拡散部101aに伝導される。熱拡散部101aの背面側は、台座部137bの背面側に配置されることから、熱拡散部101aによって台座部137bの内部の空気が熱せられて上昇し、排気口107bから排気される。
そして、排気された空気を補うように吸気口107aから外気が台座部137bの内部に流入する。このようにして、図5に矢印で示すように、吸気口107aから排気口107bに流れる自然対流が発生して、この自然対流による空気の流れで図2に示すヒートシンク101が冷却される。
【0036】
さらに、液晶表示装置1(図1参照)を駆動するための回路基板140が備わる。回路基板140は、液晶表示装置1を制御する制御装置125aや、光源124等に電源電圧を供給するDC/DC電源125b等からなる駆動部125、および液晶表示装置1を駆動するための図示しない電子部品等が搭載された部材である。
制御装置125aは、液晶パネル120や光源124などを制御したり、液晶表示装置1に表示される画像を画像処理したりする装置であって、例えば図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを備えるコンピュータおよびプログラム、周辺回路などを含んで構成され、ROMに記憶されるプログラムによって駆動される。
第1の実施形態において、回路基板140は、図2に示すように、第2の反射シート136と背面カバー122の間に、導光板121と略平行になるように、図示しない支持部材で固定される。
【0037】
以上のように、第1の実施形態においては、光源124(図2参照)を導光板121(図2参照)の下側に配置して、光源124の発熱を放熱するヒートシンク101(図2参照)を、第1のフレーム137(図2参照)と一体成形される台座部137b(図2参照)に配置することを特徴とする。すなわち、ヒートシンク101は液晶パネル120(図2参照)より下方に配置されることになる。
【0038】
光源を導光板の左右に配置した場合、光源の発熱を放熱する放熱部材は、例えば特許文献1の図18に示すように、導光板の背面に広がるように配置される。そして、導光板の前面には液晶パネルが配置されるため、液晶パネルは、放熱部材から広い面で熱を受けることになり、液晶パネルの温度が上昇しやすくなる。
前記したように、液晶パネルは温度が上昇すると表示不良が発生するため、液晶パネルに広い面で熱を与えるような放熱部材の構造は改良の余地がある。
【0039】
第1の実施形態においては、図2に示すように、光源124を導光板121の下側に配置するとともに、ヒートシンク101を導光板121の下側に配置することによって、液晶パネル120は、ヒートシンク101から広い面で熱を受けることがなく、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができるという、優れた効果を奏する。
さらに、第1のフレーム137(図2参照)においては、フレーム部137a(図2参照)に、ヒートシンク101用のスペースを設ける必要がなくなり、フレーム部137aの前面側から背面側に向かう厚さを薄くできるという、優れた効果を奏する。
【0040】
ここで、第1の実施形態においては、図2に示すように、ヒートシンク101の熱拡散部101aは、液晶パネル120の下方に伸びているため、熱拡散部101aからの放熱によって液晶パネル120の温度が上昇することになる。しかしながら、液晶パネル120の下方に伸びる熱拡散部101aは、熱拡散部101aの一部であることから、ヒートシンク101(放熱部材)の全体が液晶パネル120の背面に広がる形状よりは、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができ、液晶パネル120の温度上昇を抑えられるという効果を奏する。
また、液晶パネル120の温度上昇をさらに抑えるため、前面側の熱拡散部101aを設けない形状としてもよい。
【0041】
なお、ヒートシンク101の形状は限定されるものではない。図6はヒートシンクの別の形状を示す図である。図6に示すように、熱拡散部101aの側面形状に凹凸を設ける形状であってもよい。このように凹凸を設けることで、熱拡散部101aの表面積が増え、放熱効果を向上させることができる。また、吸気口107aの配置も限定されるものではない。図7は、吸気口の別の配置を示す図である。図7に示すように吸気口107aを、台座部137bの左右の側面に設ける構成であってもよい。
【0042】
また、図示しない冷却ファンを備えて、台座部137b(図2参照)の内部に強制対流を発生させ、強制対流による空気の流れでヒートシンク101(図2参照)を冷却する構成であってもよい。
【0043】
さらに、第1の実施形態においては、第1のフレーム137(図2参照)におけるフレーム部137a(図2参照)と台座部137b(図2参照)とを一体成形としたが、これも限定されるものではなく、フレーム部137aと台座部137bを別々の部材で形成し、フレーム部137aと台座部137bとを組み立てることで第1のフレーム137を形成してもよい。
【0044】
《第2の実施形態》
次に、本発明にかかる第2の実施形態について説明する。図8は、第2の実施形態にかかる液晶表示装置の断面図、図9は、第2の実施形態にかかる放熱部材を示す図である。なお、第1の実施形態と同一の部材については同じ符号を付し、説明は適宜省略する。
【0045】
図8に示すように、第2の実施形態において、放熱部材は伝熱部材104と伝熱部材104に接続される複数の熱拡散部材102及び、熱拡散部材102に備わる複数のフィン103とを含んで構成される。伝熱部材104は、熱伝導性の優れた、例えば金、銀、アルミニウムなどの金属材料や、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトで形成される直方体状の部材であって、導光板121の入射面121aの長さと略同等の長さを有する。そして、伝熱部材104には光源124の基板123が、例えば熱伝導接着部材を用いて接続され、光源124の発熱が伝熱部材104に伝導される構成を有する。
【0046】
熱拡散部材102は、例えば断面形状が円形や楕円形のヒートパイプもしくは、熱伝導性の優れた、例えば金、銀、アルミニウムなどの金属材料や、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトからなる中実棒などの棒状部材から形成される。熱拡散部材102は、伝熱部材104の長手方向に直角になるように伝熱部材104に固定され、伝熱部材104の熱が伝導される構成とする。1つの伝熱部材104には複数の熱拡散部材102が固定されることが好ましく、それぞれの熱拡散部材102は平行に配置される。
【0047】
また、図9に示すように、1つの熱拡散部材102にはフィン103が備わる。フィン103は、熱伝導性の優れた、例えば金、銀、アルミニウムなどの金属材料や、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトからなる、平面形状が例えば矩形の板状の部材であって、板面が熱拡散部材102の長手方向に対して直角となるように固定され、熱拡散部材102の熱が伝導される構成とする。1つの熱拡散部材102には、複数のフィン103が固定されることが好ましく、それぞれのフィン103は平行に配置される。なお、図9において、2つの熱拡散部材102が図示されているが、この数は限定されるものではない。また、フィン103の数も、図9に示す6枚に限定されるものではない。さらに、フィン103の平面形状も矩形に限定されるものではなく、例えば熱拡散部材102の断面形状と相似形であってもよい。
【0048】
そして、第1の実施形態と同様に、伝熱部材104、熱拡散部材102、フィン103からなる放熱部材は、図示しない支持部材で台座部137b(図8参照)に固定される。このとき、図8に示すように、台座部137bの前面側においては、熱拡散部材102が空間部108に嵌まり込み、台座部137bの背面側においては熱拡散部材102が開口部に嵌まり込むように固定される。
【0049】
このような構成によって、光源124(図9参照)で発生した熱は、伝熱部材104(図9参照)を介して熱拡散部材102(図9参照)からフィン103(図9参照)に伝導される。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、台座部137b(図8参照)には吸気口107aが開口し、背面カバー122(図8参照)には排気口107bが開口していることから、図5に示すような自然対流が発生する。そして、熱拡散部材102及びフィン103は、自然対流の空気の流れで冷却される。
【0050】
このように第2の実施形態においても、伝熱部材104(図9参照)、熱拡散部材102(図9参照)、フィン103(図9参照)からなる放熱部材を導光板121(図8参照)の下側に配置することによって、液晶パネル120(図8参照)は、放熱部材から広い面で熱を受けることがなく、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができるという、第1の実施形態と同様の優れた効果を奏する。
さらに、第1のフレーム137(図8参照)においては、フレーム部137a(図8参照)に、放熱部材用のスペースを設ける必要がなくなり、フレーム部137aの前面側から背面側に向かう厚さを薄くできるという、第1の実施形態と同様の優れた効果を奏する。
【0051】
また、第2の実施形態においては、熱拡散部材102と熱拡散部材102の間には空間があることから、放熱部材が軽量化できるという、優れた効果を奏する。
【0052】
なお、第1の実施形態と同様に、吸気口107a(図8参照)の位置を変更してもよいし、図示しない冷却ファンを備えてもよい。
【0053】
さらに、フィン103の形状は限定されるものではない。図10は、フィンの別の形状を示す図である。図10に示すように、フィン103は、熱伝導性の優れた、例えば金、銀、アルミニウムなどの金属材料や、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトからなる、平面形状が例えば矩形の板状の部材であって、板面が熱拡散部材102の長手方向に平行になるように固定される。そして、フィン103の板面には、上方に向かって垂直に起立する垂直壁103aが備わる構成とする。垂直壁103aは、熱拡散部材102の長手方向に略平行に設けられる。なお、図10において垂直壁103aは、板面の両端部と、両端部の略中央部の3箇所に設けられているが、この数は限定されものではない。
【0054】
ここで、第2の実施形態においては、図8に示すように、熱拡散部材102が液晶パネル120の下方に伸びているため、熱拡散部材102およびフィン103からの放熱によって液晶パネル120の温度が上昇することになる。しかしながら、液晶パネル120の下方に伸びる熱拡散部材102は、熱拡散部材102の一部であることから、放熱部材の全体が液晶パネル120の背面に広がる形状よりは、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができ、液晶パネル120の温度上昇を抑えられるという効果を奏する。
【0055】
図8に示すように、台座部137bの背面側には吸気口107aが設けられていて、吸気口107aから空気が台座部137bの内部に吸気される。そして、吸気された空気は、フィン103(図10参照)の板面と垂直壁103a(図10参照)に沿って流れることができる。すなわち、フィン103がこのような形状を有することによって、吸気口107aから吸気された空気の流れを妨げることがないことから、滑らかな自然対流を得ることができ、熱拡散部材102(図10参照)及びフィン103からの放熱効果を向上できるという優れた効果を奏する。
【0056】
《第3の実施形態》
次に、本発明にかかる第3の実施形態について説明する。図11は、第3の実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。なお、第2の実施形態と同一の部材については同じ符号を付し、説明は適宜省略する。
【0057】
図11に示すように、第3の実施形態においては、第2の実施形態における熱拡散部材102(図9参照)の形状を変形して、液晶表示装置1の台座部137bの前面側に配置される熱拡散部材102を無くす。そして、台座部137bの前面側に形成されている空間部108に回路基板140を配置することを特徴とする。なお、回路基板140は、図示しない支持部材で台座部137bに固定される構造とすればよい。
回路基板140は、前記のように、液晶表示装置1を駆動するための電子部品等が組み込まれた回路で構成される部材であって、液晶表示装置1を駆動するときには、電子部品等が発生する熱によって発熱する。したがって、例えば図2に示すように、液晶パネル120の背面に配置すると、液晶パネル120に広い面で熱を与えることになり、液晶パネル120の温度が上昇しやすくなる。
【0058】
そこで、第3の実施形態においては、図11に示すように、台座部137bの空間部108に回路基板140の全てもしくはその一部を図示しない支持部材で固定するなどして配置することを特徴とする。このように、回路基板140を台座部137bの空間部108に配置することで、回路基板140を液晶パネル120と距離を離して配置できることから、回路基板140が液晶パネル120に与える熱を少なくすることができる。したがって、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができるという、優れた効果を奏する。
さらに、回路基板140の全てを台座部137bの空間部108に配置する場合には、フレーム部137aにおいて、液晶パネル120と回路基板140との間の空間を考慮する必要がないため、フレーム部137aの前面側から背面側に向かう厚さを薄くできるという、第2の実施形態と同様の優れた効果を奏する。
なお、回路基板140の一部を台座部137bの空間部108に配置する場合であっても、液晶パネル120の背面側に配置される回路基板140の面積を小さくできることから、回路基板140の全てを液晶パネル120の背面側に配置する場合より、液晶パネル120に与える熱を少なくすることができ、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。
【0059】
また、図11に示すように、液晶パネル120の下側には熱拡散部材102がないことから、光源124の発熱が液晶パネル120に伝わりにくく、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。
【0060】
さらに、液晶表示装置1が複数の回路基板140を有する場合には、全ての回路基板140を台座部137bに配置する構成であってもよい。図12は、複数の回路基板を台座部に配置する態様を示す図である。
図12に示すように、液晶表示装置1が複数の回路基板140を有する場合、例えば台座部137bを下側に伸ばして、熱拡散部材102を台座部137bの上方に配置し、熱拡散部材102の下側に回路基板140を配置する空間を確保する方法が考えられる。
このようにして、回路基板140を配置する空間を確保して回路基板140を配置する場合、発熱量の大きな、例えば電源用回路を構成する回路基板140は、台座部137bの背面側に配置し、発熱量の小さな、例えば画像処理回路を構成する回路基板140は、台座部137bの前面側に配置すればよい。このように、発熱量の大きな回路基板140を液晶パネル120から離すことで、液晶パネル120に与える熱を少なくすることができる。
【0061】
このような構成とすることで、液晶表示装置1が複数の回路基板140を有する場合であっても、全ての回路基板140を台座部137bに配置できる。したがって、全ての回路基板140を液晶パネル120と距離を離して配置でき、回路基板140が液晶パネル120に与る熱を少なくすることができることから、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができるという、優れた効果を奏する。
さらに、フレーム部137aにおいては、液晶パネル120と回路基板140との間の空間を考慮する必要がないため、フレーム部137aの前面側から背面側に向かう厚さを薄くできるという、第2の実施形態と同様の優れた効果を奏する。
【0062】
なお、図12に示すように、台座部137bを下方に伸ばした場合は、台座部137bの空間部108は、上下方向に伸びることから、回路基板140を垂直に立てて配置することもできる。したがって、回路基板140を垂直に立てて、液晶パネル120に対して平行の状態になるように配置してもよい。
【0063】
《第4の実施形態》
次に、本発明にかかる第4の実施形態について説明する。図13は、第4の実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。なお、第2の実施形態と同一の部材については同じ符号を付し、説明は適宜省略する。
【0064】
図13に示すように、第4の実施形態においては、背面カバー122が、フレーム部137aの開口部をカバーするフレームカバー(第1の背面カバー)122aと、台座部137bの開口部をカバーする台座カバー(第2の背面カバー)122bとから形成されることを特徴とする。
フレームカバー122aは、例えば樹脂からなる板状の部材であって、第2の反射シート136の背面に配置されて、第1のフレーム137のフレーム部137aの背面側の開口部をカバーするように固定される。
台座カバー122bは、熱伝導性の優れた、例えば金、銀、アルミニウムなどの金属材料や、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトで形成される板状の部材であって、台座部137bの背面側の開口部をカバーするように固定される。そして、第4の実施形態においては、台座部137bに固定された台座カバー122bと、フィン103とが接触することを特徴とする。
【0065】
図13に示すように、台座カバー122bとフィン103とを接触させることで、フィン103に伝導された光源124の熱を、台座カバー122bに伝導ことができる。台座カバー122bの上面は外気に接していることから、台座カバー122bに伝導された熱を外気に放熱することができる。このように、台座カバー122bを介して外気に放熱する構造によって、熱拡散部材102、フィン103及び伝熱部材104から構成される放熱部材による放熱効果を高めることができる。したがって、光源124の発熱による液晶パネル120の温度上昇を抑えることができるという、優れた効果を奏する。
【0066】
さらに、第1のフレーム137においては、フレーム部137aに、放熱部材用のスペースを設ける必要がなくなり、フレーム部137aの前面側から背面側に向かう厚さを薄くできるという、第1の実施形態と同様の優れた効果を奏する。
【0067】
《第5の実施形態》
次に、本発明にかかる液晶表示装置の第5の実施形態について説明する。図14は液晶表示装置の第5の実施形態を示す断面図、図15は、前面側に備わる排気口を示す概略外観図、図16は、台座部にスイッチを備えた態様を示す概略外観図、図17は、フレーム部にスピーカを備えた態様を示す液晶表示装置の断面図、図18は、台座部の背面側に、電源ケーブル接続端子と周辺機器接続端子を備えた態様を示す概略外観図である。なお、図14乃至図18において、第1の実施形態と同一の部材については同じ符号を付し、説明は適宜省略する。
【0068】
図14に示すように、第5の実施形態においては、第1のフレーム137のフレーム部137aにおいて、液晶パネル120の下側を下方に伸ばした構成とする。このような構成によって、液晶パネル120の下側に形成される空間部108を広くすることができ、液晶パネル120とヒートシンク101との距離を離すことができる。そして、液晶パネル120とヒートシンク101との距離が離れることで、ヒートシンク101からの放熱が液晶パネル120に伝熱するまでに、空間部108の空気に吸収されることから、ヒートシンク101から液晶パネル120に伝わる熱量も小さくすることができ、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。
【0069】
また、液晶表示装置1の前面側に排気口を備えてもよい。図15は、前面側に備わる排気口を示す図である。図15に示すように、フレーム部137aの前面側には、液晶パネル120の下方に、複数の排気口107bを開口する。さらに、台座部137bの前面側には、複数の排気口107bを開口する。このように排気口107bを設けることで、台座部137bの内部に配置されるヒートシンク101(図14参照)の熱拡散部101a(図14参照)によって暖められた、空間部108の空気が排気口107bから排気される。そして、前面側の排気口107bから排気された空気を補うように、吸気口107a(図14参照)から外気が台座部137bの内部に流入するため、台座部137bの内部における自然対流が促進される。したがって、ヒートシンク101の放熱効果が高まる。
【0070】
また、図16に示すように、台座部137bの前面側に液晶表示装置1を操作するスイッチ193を備えてもよい。スイッチ193は図示しない基板から電圧または電流を供給されて駆動することから、スイッチ193が備わる位置には、台座部137bの内部に図示しない基板が備わる。そして、液晶表示装置1が駆動する際には、図示しない基板も発熱することになるが、第5の実施形態においては、台座部137bと液晶パネル120とが離れているため、スイッチ193を駆動する図示しない基板の発熱が液晶パネル120に伝わらない。したがって、台座部137bにスイッチ193を備えても、液晶パネル120に熱を伝えることがなく、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。
【0071】
また、図17に示すように、フレーム部137aにスピーカ194を、フレーム部137aの前面側で、液晶パネル120の下方に備えてもよい。そして、台座部137bの前面側には、スピーカ194を駆動するためのスピーカ駆動基板194aを配置する構造とする。
フレーム部137aを下方に伸ばすことで広くなった空間部108に、発熱しない部材であるスピーカ194を配置することで、液晶パネル120に熱を伝えることなく、空間部108を有効に利用することができる。さらに、発熱を伴う部材であるスピーカ駆動基板194aは、液晶パネル120から距離の離れた台座部137bに配置することで、スピーカ駆動基板194aが発生する熱が液晶パネル120に伝わることがなく、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。
【0072】
また、図18に示すように、台座部137bの背面側に、電源ケーブル接続端子191や複数の周辺機器接続端子192を備えてもよい。
電源ケーブル接続端子191は、液晶表示装置1の駆動電力を供給する図示しないケーブルを接続するための端子で、一般的には図示しない電源回路基板に備わる。すなわち、電源ケーブル接続端子191の近傍には、図示しない電源回路基板が必要になるが、電源回路は発熱量が大きい回路であるため、図示しない電源回路基板を液晶パネル120(図14参照)の近傍に配置すると、液晶パネル120の温度上昇の要因になる。
また、周辺機器接続端子192は、例えば図示しない外部スピーカや図示しないAV(Audio/Video)機器を接続するための端子で、その近傍には周辺機器接続端子192を駆動するための入出力回路基板が必要になる。
【0073】
第5の実施形態においては、液晶パネル120(図14参照)から離れている台座部137bに電源ケーブル接続端子191及び周辺機器接続端子192を配置することから、図示しない電源回路基板や図示しない入出力回路基板を、液晶パネル120から離れた位置に配置できる。したがって、図示しない電源回路基板や図示しない入出力回路基板が発生する熱が液晶パネル120に伝わることがなく、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。
【0074】
このように、第5の実施形態は、第1のフレーム137(図14参照)のフレーム部137a(図14参照)において、液晶パネル120(図14参照)の下側を下方に伸ばした構成としたことで、液晶パネル120とヒートシンク101(図14参照)との距離を離すことができる。そして、液晶パネル120とヒートシンク101との距離が離れることで、ヒートシンク101から液晶パネル120に伝わる熱量も小さくすることができ、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができるという、優れた効果を奏する。
また、フレーム部107aを下方に伸ばしたことで液晶パネル120からの距離が離れた台座部137b(図14参照)に、発熱量の大きな基板等の部材を配置することで、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。さらに、フレーム部137aに配置する部材を減らすことができ、フレーム部137aの前面側から背面側に向かう厚さを薄くできるという、優れた効果を奏する。
【0075】
なお、第5の実施形態の説明における図14および図17においては、ヒートシンク101が備わった態様が示されているが、ヒートシンク101に代わって、図9または図10に示す、熱拡散部材102、フィン103および伝熱部材104からなる放熱部材が備わった態様であっても同等の効果を奏する。
【0076】
《変形例》
次に、第1乃至第5の実施形態にかかる液晶表示装置の変形例について説明する。図19は液晶表示装置の変形例を示す断面図である。なお、図19において、第1の実施形態と同一の部材については同じ符号を付し、説明は適宜省略する。また、以下の説明において、変形例は、第1の実施形態の変形例として説明するが、第2乃至第5の実施形態についても、同様な変形例が考えられる。
【0077】
変形例は、第1のフレーム137を、例えばアクリル樹脂などの透明な樹脂で形成する。そして、図19に示すように、液晶パネル120はフレーム部137aの背面側に配置される。フレーム部137aは、液晶パネル120の表示面に対応する開口部を有さず、液晶パネル120はフレーム部137aを介して、前面側から視認される構成とする。そして、液晶パネル120の表示面とフレーム部137aとの間には、フレーム部137aと同じ屈折率の充填材137cが充填されている構成とする。
【0078】
このような構成とすることで、液晶パネル120に伝えられる熱を、充填材137cを介してフレーム部137aに伝導することができ、液晶パネル120の温度上昇を抑えることができる。
【0079】
なお、本発明で使用する液晶パネル120(図1参照)は、同一基板上に形成した透明電極間に電圧を印加し、横方向の電界を用いて液晶を駆動するIPS(in-plane switching)方式とすることにより、液晶パネル120の開口率を高くすることが可能になり、光源124(図1参照)の消費電力を抑えることができる。その結果、放熱の負荷が低減され、本発明の構成がより効果的になる。
また、同等の理由から、液晶パネル120を対向する基板上に一対の透明電極を形成し、表示画素を複数の領域に分割し、同一画素内の複数の領域では互いに異なる配向方向あるいはプレチルト角を有するVA(vertical alignment)方式とし、かつ同一画素内の分割数を2〜3程度とした液晶パネル120を用いることも望ましい。
【0080】
また、本発明においては、光源124(図1参照)として、LEDを使用したが、これは限定するものではなく、例えば冷陰極管や熱陰極管を光源として用いた場合であっても、本発明の構成を適用することによって、同等の効果を得ることができる。
【0081】
さらに、本発明においては、ヒートシンク101(図1参照)、熱拡散部材102(図9参照)、フィン103(図9参照)、伝熱部材104(図9参照)および台座カバー122b(図13参照)を形成する素材として、金、銀、アルミニウムなどの金属材料や、金、銀、アルミニウムを主成分とする合金、またはカーボングラファイトを例示したが、熱伝導度が200W/m・K以上の素材であれば同等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】第1の実施形態にかかる液晶表示装置の構成斜視図である。
【図2】図1におけるX−X断面図である。
【図3】(a)は、液晶パネルの配線と駆動回路の配置を示す図、(b)は、TFTと画素電極の配置を示す図である。
【図4】(a)は、光源と導光板の配置を示す図、(b)は光源の構造を示す図である。
【図5】液晶表示装置の給排気を示す図である。
【図6】ヒートシンクの別の形状を示す図である。
【図7】吸気口の別の配置を示す図である。
【図8】第2の実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。
【図9】第2の実施形態にかかる放熱部材を示す図である。
【図10】フィンの別の形状を示す図である。
【図11】第3の実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。
【図12】複数の回路基板を台座部に配置する態様を示す図である。
【図13】第4の実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。
【図14】第5の実施形態にかかる液晶表示装置の断面図である。
【図15】前面側に備わる排気口を示す概略外観図である。
【図16】台座部にスイッチを備えた態様を示す概略外観図である。
【図17】フレーム部にスピーカを備えた態様を示す液晶表示装置の断面図である。
【図18】台座部の背面側に、電源ケーブル接続端子と周辺機器接続端子を備えた態様を示す概略外観図である。
【図19】液晶表示装置の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 液晶表示装置
101 ヒートシンク(放熱部材)
101a 熱拡散部
101b 伝熱部
102 熱拡散部材(棒状部材、放熱部材)
103 フィン(放熱部材)
104 伝熱部材(放熱部材)
107a 吸気口
107b 排気口
108 空間部
120 液晶パネル
121 導光板
121a 入射面
121b 出射面
122 背面カバー(筺体)
122a フレームカバー(筺体、第1の背面カバー)
122b 台座カバー(筺体、第2の背面カバー)
124 光源
137 第1のフレーム(筺体、フレーム本体)
137a フレーム部
137b 台座部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、
前記液晶パネルの背面に設けた導光板と、
前記導光板に形成される入射面から前記導光板に光線を入射するように配置した少なくとも1つの光源と、
前記光源が実装される基板と、
前記基板の前記光源が実装されない面に接続される放熱部材と、が筺体に収納されて構成される液晶表示装置であって、
前記入射面は、前記導光板の下側に形成され、前記光源は前記導光板の下側に配置されて前記入射面に光線を入射し、
前記放熱部材は前記液晶パネルより下方に配置されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記筺体の下部には、前記液晶表示装置を安定して据え置くための台座部が備わり、
前記台座部の内部には、前記筺体の内部と連通する空間部が形成され、
前記放熱部材は、前記導光板の前記入射面に沿って伸びる伝熱部と、
前記伝熱部の長手方向に対して略垂直に伸びる熱拡散部と、を含んで形成され、
前記熱拡散部が、前記台座部の前記空間部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記台座部には、少なくとも1つの吸気口と少なくとも1つの排気口とが開口していることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記放熱部材の、前記熱拡散部と前記伝熱部とは一体に形成されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記放熱部材に使用する素材の熱伝導度が、200W/m・K以上であることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記放熱部材は、金、銀、アルミニウムもしくは、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトを素材とすることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記放熱部材の前記伝熱部は、前記導光板の前記入射面に沿って伸びる伝熱部材で形成され、
前記放熱部材の前記熱拡散部は、複数の棒状部材が、前記伝熱部材の長手方向に対して略垂直に固定される熱拡散部材で形成され、
前記熱拡散部材には、板状の部材が固定されて形成される複数のフィンが備わることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記伝熱部材に使用する素材の熱伝導度が、200W/m・K以上であることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記伝熱部材は、金、銀、アルミニウムもしくは、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトを素材とすることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記熱拡散部材に使用する素材の熱伝導度が、200W/m・K以上であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記熱拡散部材は、金、銀、アルミニウムもしくは、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトを素材とすることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記フィンに使用する素材の熱伝導度が、200W/m・K以上であることを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記フィンは、金、銀、アルミニウムもしくは、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトを素材とすることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記筺体は、フレーム本体と、前記フレーム本体に固定される背面カバーと、を含んで構成され、
前記背面カバーは第1の背面カバーと第2の背面カバーとからなり、
前記第2の背面カバーは、前記フィンと接するように前記フレーム本体に固定されることを特徴とする請求項7乃至請求項13のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記第2の背面カバーに使用する素材の熱伝導度が、200W/m・K以上であることを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記第2の背面カバーは、金、銀、アルミニウムもしくは、それらの金属を主成分とする合金、またはカーボングラファイトを素材とすることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記液晶表示装置を駆動する回路基板が、前記液晶パネルより下方に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−304630(P2008−304630A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150747(P2007−150747)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】