説明

液晶表示装置

【課題】サイドライト方式のバックライトユニットにて、導光板にそのずれを防止するための係合用の切り欠き部を設けると、その界面で光源からの光が反射し輝度むらを生じる。
【解決手段】導光板60は、ライトバー64を配置される左側の辺と隣り合う下辺に、下フレーム金具に立設された導光板支持ピン80を挿入される切り欠き部82を有する。さらに、当該下辺に切り欠き部82より窪みが浅く、ライトバー64から見て切り欠き部82より手前に位置する切り欠き部84を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドライト方式の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶パネル、バックライトユニットを含む液晶モジュールを備える。図4は、従来のサイドライト方式のバックライトユニットを備えた液晶モジュール2の概略の分解斜視図である。液晶モジュール2の表面には表示パネルである液晶パネル4が配置され、その背後にバックライトユニット6が配置される。バックライトユニット6は、その背面側から下フレーム金具8、反射シート(図示せず)、導光板12及び光学シート14などが順番に積層された積層構造を有し、導光板12の側面に光源16が配置される。下フレーム金具8以外の積層体は合成樹脂等からなる薄板であり比較的可撓性を有し、下フレーム金具8はその背面を支持する支持体として機能する。また、下フレーム金具8には導光板12を支持するための突起である導光板支持ピン18が立設される。当該ピン18は導光板12の縁に対応する位置に設けられ、一方、導光板12の当該位置には当該ピン18が嵌る切り欠き部(係合凹部)20が設けられる。バックライトユニット6が組み立てられた状態では支持ピン18は切り欠き部20に挿入され、導光板12がずれることを防止する。
【0003】
図5は導光板12、切り欠き部20及び光源16を模式的に示す平面図である。光源16は有効表示領域22に光を入射させるように配置される。切り欠き部20は有効表示領域22外に設けられる。
【0004】
なお、かつては導光板の縁に突出部を設け、これを導光板の周囲を囲むモールドフレーム等に設けた凹部に引っかけて導光板を固定したり、また切り欠き部20を当該突出部に配置したりすることが行われていた。しかし、狹額縁化を図る上で導光板の縁に突出部を設ける構成は不利である。これに対して図5に示すように、導光板12の略矩形の辺24より内側に食い込むように切り欠き部20を設ける構成は狭額縁化に有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−213948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その一方で、切り欠き部20が有効表示領域22に近づくことにより、有効表示領域22の輝度に影響を与え、切り欠き部20の近傍にて輝度むらが生じやすいという問題があった。具体的には、光源16は上述のようにもっぱら有効表示領域22に光を入射させるように配置されるものの、多少は有効表示領域外にも広がる。この有効表示領域外に漏れ出た光30が切り欠き部20に形成される導光板12の界面にて反射されて有効表示領域22内に入射し、切り欠き部20の近傍の有効表示領域22の輝度が増すという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、切り欠き部20が有効表示領域22内の輝度に与える影響が軽減される液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る液晶表示装置は、略矩形の平面形状を有する導光板と、前記導光板の側面から当該導光板内に照明光を入射する光源と、前記導光板の前面に配置され、当該導光板により導かれた前記照明光を照射される液晶パネルと、前記導光板の背面に配置され、当該導光板を支持する支持体と、を有し、前記支持体が、前記導光板の前記略矩形の辺のうちの前記光源を配置される辺に隣接する隣接辺の位置にて当該導光板に向かう突起を有し、前記導光板は、前記隣接辺における前記側面に形成され当該隣接辺より内側に窪んだ凹部として、前記突起を挿入され当該導光板のずれを防止する係合凹部と、前記係合凹部より窪みが浅く、前記光源から見て前記係合凹部より手前に位置する前置凹部と、を有する。
【0009】
他の本発明に係る液晶表示装置においては、前記前置凹部は、前記光源から見て前記係合凹部より手前に複数配置され、手前のものほど窪みが浅く形成される。
【0010】
さらに他の本発明に係る液晶表示装置においては、前記前置凹部をなす前記導光板の側面のうち前記照明光が入射する部分が、その入射方向に対して傾斜している。
【0011】
別の本発明に係る液晶表示装置においては、前記前置凹部は前記係合凹部より幅を広く形成する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、前置凹部を設けたことにより光源からの照射光が係合凹部に当たりにくくなり、係合凹部近傍が集中して明るくなることが防止され、液晶表示装置の明るさの均一性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の液晶表示装置における液晶モジュールの概略の分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る導光板の一例の模式的な部分平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る導光板の他の例の模式的な部分平面図である。
【図4】従来のサイドライト方式のバックライトユニットを備えた液晶モジュールの概略の分解斜視図である。
【図5】支持ピンにより係止される切り欠き部を有した従来の導光板を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0015】
実施形態に係る液晶表示装置は、液晶パネル、バックライトユニットを含む液晶モジュールを備え、バックライトユニットはサイドライト方式である。図1は、実施形態の液晶表示装置におけるバックライトユニットを備えた液晶モジュール50の概略の分解斜視図である。液晶モジュール50の表面には表示パネルである液晶パネル52が配置され、その背後にバックライトユニット54が配置される。
【0016】
バックライトユニット54は、その背面側から下フレーム金具56、反射シート58、導光板60及び光学シート群62などが順番に積層された積層構造を有し、導光板60の上下左右の側面の少なくともいずれかに光源が配置される。本実施形態では光源として導光板60の左側と右側とにライトバー64を配置する。ライトバー64は発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が配列された電子基板(図示せず)を含んで構成される。ライトバー64は画面高さ方向の導光板60の寸法のうち有効表示領域に対応する部分にのみ配置される。
【0017】
導光板60は例えば、アクリルで形成され、上述のように左右両側の側面からLED光を入射される。入射した光は導光板60内で全反射を繰り返して面状に広がる。導光板60はその各所に伝達された光によって前面側の表面(光放出面)が一様に光るように構成される。
【0018】
反射シート58は導光板60の裏面から漏れ出る光を反射して導光板60へ戻し、バックライトユニット54の発光効率を向上させる。
【0019】
光学シート群62は拡散シート66及びプリズムシート68,70を含む。拡散シート66は光を拡散する樹脂がコーティングされたフィルムである。拡散シート66は導光板60の表面から出射される光を拡散し、有効表示領域に対応した発光面内での光強度の均一性を向上させる。
【0020】
プリズムシート68,70はそれぞれ表面に一方向伸びる筋状のプリズムやレンズを成形されたフィルムであり、拡散シート66から前面の様々な方向へ出射される光を面に垂直な方向を中心として集光させ、発光面正面における輝度を向上させる。プリズムシート68,70はそれぞれプリズム等の延在方向とは直交する方向に対する集光を行い、集光方向が異なる2枚のプリズムシート68,70を重ねることで二次元的な集光が実現される。
【0021】
下フレーム金具56は、反射シート58、導光板60及び光学シート62の積層体の背面に位置し当該積層体を支持する。例えば、下フレーム金具56はその周縁部が前面側へ折れ曲がった箱形の形状とされ、その内側に前記積層体やライトバー64を収納する構成とすることができる。また、液晶モジュール50は、積層体を収納した下フレーム金具56の前面側の周囲を、図示しないモールドフレームや上フレーム金具で押さえて一体に組み立てられる。またモールドフレームや上フレーム金具によって液晶パネル52が液晶モジュール50に組み付けられる。
【0022】
下フレーム金具56は上述のように積層体の背面を支持する支持体として機能すると共に、導光板60の位置を固定する機能を有する。導光板60の位置を固定するために、下フレーム金具56の積層体背面に対向する面に導光板支持ピン80(突起)が立設される。本実施形態では当該ピン80は、導光板60の略矩形の平面形状における4辺のうちライトバー64が配置されない上下の辺の一方、又は両方に対応する位置に設けられる。また、導光板60の当該位置には当該ピン80が嵌る切り欠き部82(係合凹部)が設けられる。例えば、図1では導光板60の下辺の中央付近に導光板支持ピン80及び切り欠き部82が配置されている。バックライトユニット54が組み立てられた状態では支持ピン80は切り欠き部82に挿入され、導光板60が左右方向にずれることを防止する。
【0023】
さらに、導光板60は導光板支持ピン80を挿入される切り欠き部82以外に、ライトバー64から見て切り欠き部82より手前に位置する切り欠き部84(前置凹部)を形成される。
【0024】
図2は切り欠き部84の一例を説明する導光板60の模式的な部分平面図であり、図1に示した構成に相当する。また、図3は切り欠き部84の他の例を説明する導光板60の模式的な部分平面図である。図2、図3では、導光板60の左側側面に配置されるライトバー64に対して設けられる前置凹部のみを示し、右側のライトバー64に対する前置凹部は図示を省略している。導光板60の4辺のうち上下の辺が、左側のライトバー64が配置される辺に対する隣接辺となり、このうち本実施形態では下辺に係合凹部である切り欠き部82が形成される。前置凹部である切り欠き部84は、切り欠き部82と同じ辺上にてライトバー64から見て当該切り欠き部82より手前に形成される。
【0025】
切り欠き部82は有効表示領域86外に形成される。切り欠き部84を設けない場合(つまり図5に示した場合に相当する)、ライトバー64の下辺寄りのLEDからの照射光30が切り欠き部82に当たりやすい。本発明では、切り欠き部82に向かう照射光30の一部を、その手前に設けた切り欠き部84で反射又は吸収する。このように反射が起こる位置を分散させたり、切り欠き部82に達する光量を少なくしたりすることで、当該反射による輝度むらを目立たなくすることができる。この観点から、前置凹部は係合凹部より窪みを浅く形成され、光源からの照射光の一部を係合凹部へ通過させ、反射を分担して行う。前置凹部を係合凹部よりどの程度浅くするかは、光源、係合凹部及び前置凹部の位置関係や光源から出射する光の拡がり方などを考慮して定められる。
【0026】
また反射を分散させる目的から、係合凹部及び前置凹部にて窪む導光板の側面のうち光源からの照明光が入射する部分は、その入射方向に対して傾斜させたり、入射光に対して凸曲面としたりすることが好適である。傾斜させることで反射位置を分散させることができ、また曲面とすることで反射方向を分散させることができる。
【0027】
図2は前置凹部である切り欠き部84が複数配置される例であり、例えば、3個の切り欠き部84a,84b,84cが下辺のうち切り欠き部82よりライトバー64寄りの位置に配置される。3つの切り欠き部84は上述のように切り欠き部82より浅く形成される。より好適には手前のものほど窪みを浅く形成する。
【0028】
図3は前置凹部である切り欠き部84が係合凹部である切り欠き部82より幅を広く形成される例である。幅を広げることで、切り欠き部84による反射位置を光の入射方向に沿って広げることができる。
【0029】
上述の実施形態では切り欠き部82を下辺に設ける例を説明したが、ライトバー64を左右側面に配置する上記構成において、切り欠き部82は上辺に設けることができる。また、ライトバー64を導光板60の上下辺の一方、又は両方に配置する構成では、切り欠き部82は導光板60の左右の辺に配置することができるが、この場合も光源から見て切り欠き部82より手前に切り欠き部84を形成して同様の効果を得ることができる。
【0030】
なお、前置凹部内を導光板60より屈折率が高い物質で埋めて、前置凹部から有効表示領域へ反射される光を少なくしてもよい。
【0031】
また、導光板60の切り欠き部82に挿入する下フレーム金具56の突起はピン形状である必要はなく、例えば、下フレーム金具56からの高さが直径より小さい円柱であってもよいし、平面形状が円以外のものであってもよい。また、下フレーム金具56の底面に立設されている必要もなく、例えば、箱形の下フレーム金具56にてその側面から横方向に突き出すものであってもよい。
【符号の説明】
【0032】
50 液晶モジュール、52 液晶パネル、54 バックライトユニット、56 下フレーム金具、58 反射シート、60 導光板、62 光学シート群、64 ライトバー、66 拡散シート、68,70 プリズムシート、80 導光板支持ピン、82 切り欠き部(係合凹部)、84 切り欠き部(前置凹部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形の平面形状を有する導光板と、
前記導光板の側面から当該導光板内に照明光を入射する光源と、
前記導光板の前面に配置され、当該導光板により導かれた前記照明光を照射される液晶パネルと、
前記導光板の背面に配置され、当該導光板を支持する支持体と、を有し、
前記支持体は、前記導光板の前記略矩形の辺のうちの前記光源を配置される辺に隣接する隣接辺の位置にて当該導光板に向かう突起を有し、
前記導光板は、前記隣接辺における前記側面に形成され当該隣接辺より内側に窪んだ凹部として、
前記突起を挿入され当該導光板のずれを防止する係合凹部と、
前記係合凹部より窪みが浅く、前記光源から見て前記係合凹部より手前に位置する前置凹部と、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記前置凹部は、前記光源から見て前記係合凹部より手前に複数配置され、手前のものほど窪みが浅いこと、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の液晶表示装置において、
前記前置凹部をなす前記導光板の側面のうち前記照明光が入射する部分は、その入射方向に対して傾斜していること、を特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の液晶表示装置において、
前記前置凹部は前記係合凹部より幅が広いこと、を特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−73876(P2013−73876A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214001(P2011−214001)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】