説明

液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

【課題】残留電圧が低く、その長期信頼性の良好な種々の駆動方式に適用することができる液晶表示素子を提供する。
【解決手段】特定のジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応生成物であるポリアミック酸又はその誘導体と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを含有する液晶配向剤から液晶配向膜を形成し、この液晶配向膜を有する液晶表示素子を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミック酸又はその誘導体とエポキシ化合物とを含有する液晶配向剤、該液晶配向剤から形成される液晶配向膜、及びそれを具備した液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子は、ノートパソコンやデスクトップパソコンのモニターをはじめ、ビデオカメラのビューファインダー、投写型のディスプレイ等の様々な液晶表示装置に使われており、最近ではテレビとしても用いられるようになってきた。さらに液晶表示素子は、光プリンターヘッド、光フーリエ変換素子、ライトバルブ等のオプトエレクトロニクス関連素子としても利用されている。
【0003】
液晶表示素子は、通常は、1)対向配置されている一対の基板、2)前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極、3)前記一対の基板それぞれの対向している面に形成された液晶配向膜、及び4)前記一対の基板間に形成された液晶層、を有する。
【0004】
従来の液晶表示素子としては、ネマチック液晶を用いた表示素子が主流であり、1)90度ツイストしたTN(Twisted Nematic)型液晶表示素子、2)通常180度以上ツイストしたSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子、3)薄膜トランジスタを使用したいわゆるTFT(Thin Film Transistor)型液晶表示素子が実用化されている。これらの液晶表示素子は、画像が適正に視認できる視野角が狭く、斜め方向から見たときに、輝度やコントラストの低下及び中間調での輝度反転を生じるという欠点を有している。
【0005】
近年、この視野角の問題については、1)光学補償フィルムを用いたTN−TFT型液晶表示素子、2)垂直配向と光学補償フィルムを用いたVA(Vertical Alignment)型液晶表示素子、3)垂直配向と突起構造物の技術を併用したMVA(Multi Domain Vertical Alignment)型液晶表示素子、又は4)横電界方式のIPS(In−Plane Switching)型液晶表示素子、5)ECB(Electrically Controlled Birefringence)型液晶表示素子、6)光学補償ベンド(Optically Compensated Bend又はOptically self−Compensated Birefringence:OCB)型液晶表示素子等の技術により改良されており、改良された技術が実用化、又は検討されている。
【0006】
液晶表示素子の技術の発展は、単にこれらの駆動方式や素子構造の改良のみならず、液晶表示素子に使用される構成部材の改良によっても達成されている。液晶表示素子に使用される構成部材のなかでも、特に液晶配向膜は、液晶表示素子の表示品位に係わる重要な要素の一つであり、液晶表示素子の高品質化に伴って液晶配向膜の役割が年々重要になってきている。
【0007】
液晶配向膜は、液晶配向剤より調製される。現在、主として用いられている液晶配向剤とは、ポリアミック酸又は可溶性のポリイミドを有機溶媒に溶解させた溶液である。このような溶液を基板に塗布した後、加熱等の手段により成膜してポリイミド系配向膜を形成する。このような液晶配向剤としては、例えばポリアミック酸又はその誘導体の原料であるテトラカルボン酸二無水物及びジアミンと、発現されるプレチルト角とが規定されている液晶配向剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。ポリアミック酸以外の種々
の液晶配向剤も検討されているが、耐熱性、耐薬品性(耐液晶性)、塗布性、液晶配向性、電気特性、光学特性、表示特性等の点から、ほとんど実用化されていない。
【0008】
液晶表示素子の表示品位を向上させるために液晶配向膜に要求される重要な特性として、残留電圧が挙げられる。この残留電圧の特性はすべての液晶表示素子に共通する問題であり、同一画面を長時間表示した後、他の画面に移ると前の画像が残像として残る、焼き付きと呼ばれる現象に関係する。焼き付きは、配向膜表面の液晶中に含まれる不純物イオン等の電荷蓄積、すなわち残留電圧のために、液晶分子に所定の電圧がかからないために起こるものと考えられる。高品位の液晶表示素子を得るためには、この焼き付きを改善することが非常に重要である。
【0009】
前記した問題を解決する試みとして、例えば主鎖に硫黄を含む直鎖状のジアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応生成物であるポリアミック酸又はポリイミドを含有する液晶配向剤が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、液晶表示素子における表示品位のさらなる向上が求められており、またさらなる高性能の液晶表示素子を提供することができる液晶配向剤の開発が依然として求められている。
【特許文献1】特開2006−220676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記状況を考慮して、焼き付きの問題が改善された液晶表示素子用の液晶配向剤、それを用いて形成される液晶配向膜、及びそれを具備した液晶表示素子の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意研究を行った。
その結果、特定のポリアミック酸又はその誘導体と特定のエポキシ化合物とを含有する液晶配向剤が、これを使用して作製された液晶配向膜を具備する液晶表示素子の残留電圧を低減できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下の構成からなる。
【0012】
(1)ジアミン又はその誘導体とテトラカルボン酸又はその誘導体との反応生成物であるポリアミック酸又はその誘導体と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを含有する液晶配向剤であって、
前記ジアミン又はその誘導体は下記一般式(I)で表されるジアミンを含む液晶配向剤。
【化1】

(一般式(I)中、−X1−は、−S−、または−S−(CH2n−S−で表される2価の基であり、nは1〜16の整数である。)
【0013】
(2)前記一般式(I)で表されるジアミンの−X1−が、−S−、−S−CH2−S−、−S−(CH22−S−、−S−(CH23−S−、−S−(CH24−S−、−S−(CH25−S−又は−S−(CH26−S−である(1)に記載の液晶配向剤。
【0014】
(3)前記一般式(I)で表されるジアミンの−X1−が、−S−、−S−CH2−S−、−S−(CH22−S−、−S−(CH23−S−、−S−(CH24−S−又は−S−(CH25−S−である(1)に記載の液晶配向剤。
【0015】
(4)前記テトラカルボン酸又はその誘導体が、下記構造式(1)、(14)及び(i)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一種以上を含み、前記ジアミン又はその誘導体が、さらに下記一般式(A)〜(D)及び(XII−A)で表わされる一種以上のジアミンを含む(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶配向剤。
【0016】
【化2】

【0017】
【化3】

(一般式(A)中、nは、1から12の整数である。一般式(B1)、(B2)及び(B3)中、−Y1、−Y2、および−Y3はそれぞれ独立して、−Hまたは炭素数1から30のアルキルである。一般式(D)中、A1は独立して、−(CH2m−又は−N(CH3)−(CH2m−N(CH3)−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。一般式(XII−A)中、−Y4は炭素数1から30のアルキル、
【化4】

、または
【化5】

であり、−Y5および−Y6はそれぞれ独立して炭素数1から30のアルキルであり、X2は−CH2−又は−O−を表わす。)
【0018】
(5)前記一般式(A)〜(D)及び(XII−A)で表わされるジアミンが、下記構造式(A1)、(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)、(C1)、(C2)、(C3)、(D1)、(D2)、(D3)、(D4)、(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンである(4)に記載の液晶配向剤。
【化6】

【0019】
(6)前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(A1)、(C1)、(C2)、(C
3)、(D1)及び(D2)で表わされる一種以上のジアミンである(5)に記載の液晶配向剤。
【化7】

【0020】
(7)前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(A1)、(D1)及び(D2)で表わされる一種以上のジアミンである(6)に記載の液晶配向剤。
【化8】

【0021】
(8)前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(D2)、(D3)、(D4)、(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンである(5)に記載の液晶配向剤。
【化9】

【0022】
(9)前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンである(8)に記載の液晶配向剤。
【化10】

【0023】
(10)前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)及び(D1)で表わされる一種以上のジアミンである(5)に記載の液晶配向剤。
【化11】

【0024】
(11)前記構造式(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)及び(D1)で表わされる一種以上のジアミンが、前記構造式(B1−1)で表わされるジアミンであり、前記構造式(1)、(14)及び(i)で表わされる一種以上のテトラカルボン酸二無水物が、前記構造式(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物である(10)に記載の液晶配向剤。
【0025】
(12)前記エポキシ化合物が、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ基含有アクリル系樹脂、グリシジルアミド、グリシジルイソシアヌレート、鎖状脂肪族型エポキシ化合物、及び環状脂肪族型エポキシ化合物からなる群から選ば
れる一以上である、(1)〜(11)のいずれかに記載の液晶配向剤。
【0026】
(13)前記エポキシ化合物が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、及びN,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノールから選ばれる一以上であることを特徴とする(12)に記載の液晶配向剤。
【0027】
(14)(1)〜(13)のいずれかに記載の液晶配向剤の膜を焼成して形成される液晶配向膜。
【0028】
(15)対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成されている液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成されている液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜は(14)に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。
【0029】
なお、本明細書において、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」というときは、線状でもよいし、枝分かれでもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、残留電圧が低く、焼き付きの問題が生じにくい種々の駆動方式の液晶表示素子を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸又はその誘導体と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを含有する。ポリアミック酸又はその誘導体は一種でも二種以上でもよい。前記エポキシ化合物は一種でも二種以上でもよい。前記ポリアミック酸又はその誘導体の含有量は、液晶配向剤中、0.1〜50重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることがより好ましい。また前記エポキシ化合物の含有量は、前記ポリアミック酸又はその誘導体100重量部に対して0.1〜100重量部であることが好ましく、0.5〜80重量部であることがより好ましい。
【0032】
前記ポリアミック酸及びその誘導体は、ジアミン又はその誘導体とテトラカルボン酸又はその誘導体との反応生成物である。前記ポリアミック酸の誘導体とは、後述する液晶配向剤としたときに溶媒に溶解した形態であり、その液晶配向剤を後述する液晶配向膜としたときに、ポリイミドを主成分とする液晶配向膜を形成することができる成分である。このようなポリアミック酸の誘導体としては、例えば可溶性ポリイミド、ポリアミック酸エステル、及びポリアミック酸アミド等が挙げられ、より具体的には1)ポリアミック酸の全てのアミノとカルボキシルとが脱水閉環反応したポリイミド、2)部分的に脱水閉環反応した部分ポリイミド、3)ポリアミック酸のカルボキシルがエステルに変換されたポリアミック酸エステル、4)テトラカルボン酸二無水物化合物に含まれる酸二無水物の一部を有機ジカルボン酸に置き換えて反応させて得られたポリアミック酸−ポリアミド共重合体、さらに5)該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体の一部又は全部を脱水閉環反応させたポリアミドイミドを含む。
【0033】
前記ポリアミック酸又はその誘導体において、前記テトラカルボン酸又はその誘導体とジアミン又はその誘導体とは、モル比で0.8:1.2〜1.2:0.8であることが好ましく、0.9:1.1〜1.1:0.9であることがより好ましい。
【0034】
前記ジアミン又はその誘導体は、一種でも二種以上でもよいが、下記一般式(I)で表される含スルフィドジアミンを含む。この一般式(I)で表されるジアミンも一種でも二種以上でもよい。前記ジアミン中、一般式(I)で表されるジアミンは0.5〜100モル%であることが好ましく、1〜100モル%であることがより好ましい。
【0035】
【化12】

【0036】
一般式(I)中、−X1−は、−S−、または−S−(CH2n−S−で表される2価の基であり、nは1〜16の整数である。
【0037】
前記一般式(I)で表されるジアミンは、例えば下記構造式(I−1)〜(I−6)で表わされるように、−X1−が、−S−、−S−CH2−S−、−S−(CH22−S−、−S−(CH23−S−、−S−(CH24−S−、−S−(CH25−S−又は−S−(CH26−S−であることが好ましい。
【化13】

【0038】
前記一般式(I)で表わされるジアミンは、前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされるジアミンが特に好ましく用いられる。
【0039】
前記ジアミン又はその誘導体は、前記一般式(I)で表されるジアミン以外の他のジアミンをさらに含んでいてもよい。このような他のジアミンとしては、例えば下記一般式(A)〜(D)及び下記一般式(II)〜(XIII)及び(XV)で表わされるジアミンが挙げられる。
【0040】
【化14】

(一般式(A)中、nは、1から12の整数である。一般式(B1)、(B2)及び(B3)中、−Y1、−Y2、および−Y3はそれぞれ独立して、−Hまたは炭素数1から30のアルキルである。一般式(D)中、A1は独立して、−(CH2m−又は−N(CH3)−(CH2m−N(CH3)−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。)
【0041】
前記一般式(A)で表わされるジアミンとして、例えば下記構造式(A1)で表わされるジアミンが好ましく用いられる。
【化15】

【0042】
前記一般式(B1)〜(B3)で表わされるジアミンとして、例えば下記構造式(B1−1)〜(B3−1)で表わされるジアミンが好ましく用いられる。
【化16】

【0043】
前記一般式(C)で表わされるジアミンとして、例えば下記構造式(C1)〜(C3)で表わされるジアミンが好ましく用いられる。
【化17】

【0044】
前記一般式(D)で表わされるジアミンとして、例えば下記構造式(D1)〜(D4)で表わされるジアミンが好ましく用いられる。
【化18】

【0045】
前記一般式(I)で表されるジアミン以外の他のジアミンとして、下記一般式(II)〜(VIII)で表される直鎖型ジアミンも挙げられる。直鎖型ジアミンは一種でも二種以上でもよい。
【0046】
【化19】

【0047】
一般式(II)中、A1は、−(CH2m−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。また一般式(IV)中のA1は、独立して、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−(CH2m−、−O−(CH2m−O−、−N(CH3)−(CH2m−N(CH3)−、−S−(CH2m−S−を表す。一般式(VI)中のA1'は、独立して、単結合、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−O−(CH2m−O−、−S−(CH2m−S−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。
【0048】
また一般式(VII)中、A2は、独立して−S−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−又は炭素数1〜3のアルキレンを表す。
【0049】
また一般式(VIII)中、A1は独立して、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CF32−、−O−(CH2m−O−、−S−(CH2m−S−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。また一般式(VIII)中、A2は単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−、又は炭素数1〜3のアルキレンを表す。
【0050】
さらに一般式(III)〜(VIII)中のシクロヘキサン環又はベンゼン環に結合している水素は、独立して−F、−Cl、−CH3、−OH、−COOH、−SO3H、−PO32、又は4−ヒドロキシベンジルと置き換えられていてもよい。
【0051】
一般式(II)で表される直鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(II−1)〜(II−3)で表されるジアミンが挙げられる。
【0052】
【化20】

【0053】
一般式(III)で表される直鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(III−1)及び(III−2)で表されるジアミンが挙げられる。
【0054】
【化21】

【0055】
一般式(VI)で表される直鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(IV−1)〜(IV−3)で表されるジアミンが挙げられる。
【0056】
【化22】

【0057】
一般式(V)で表される直鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(V−1)〜(V−14)で表されるジアミンが挙げられる。
【0058】
【化23】

【0059】
一般式(VI)で表される直鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(VI−1)〜(VI−27)で表されるジアミンが挙げられる。
【0060】
【化24】

【0061】
【化25】

【0062】
一般式(VII)で表される直鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(VII−1)〜(VII−6)で表されるジアミンが挙げられる。
【0063】
【化26】

【0064】
一般式(VIII)で表される直鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(VIII−1)〜(VIII−6)で表されるジアミンが挙げられる。
【0065】
【化27】

【0066】
これらのうち、より好ましい直鎖型ジアミンとしては、前記構造式(V−1)〜(V−5)、(VI−1)〜(VI−10)、(VI−21)、(VI−22)、(VI−26)、(VII−1)、(VII−2)、(VII−6)、及び(VIII−1)で表されるジアミンが挙げられ、さらに好ましい直鎖型ジアミンとしては、前記構造式(V−1)、(V−2)、(VI−1)〜(VI−10)及び(VI−26)で表されるジアミンが挙げられる。
【0067】
前記ジアミン中における前記直鎖型ジアミンのモル比は、液晶表示素子としたときの適切な配向性を得る観点から、TN及びIPSにおいては1〜90%であることが好ましく、5〜80%であることがより好ましい。
【0068】
VA型液晶表示素子、OCB型液晶表示素子、TN型液晶表示素子、STN型液晶表示素子等の大きなプレチルト角が要求される用途では、前記ジアミンに側鎖構造を有するジアミンを含むことが好ましいことから、前記一般式(I)で表されるジアミン以外の他のジアミンに、このような側鎖構造を有するジアミンを用いることができる。このような側鎖構造を有するジアミンとしては、例えば下記一般式(IX)〜(XIII)で表される側鎖型ジアミンが挙げられる。側鎖型ジアミンは一種でも二種以上でもよい。
【0069】
【化28】

【0070】
一般式(IX)中、A3は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−又は−(CH2m−を表す。ここでmは1〜6の整数を表す。R7は、ステロイド骨格を有する基、下記一般式(XIV)で表される基、又は炭素数1〜30のアルキルを表す。該アルキルにおいては、独立して、任意の−CH2−が−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられていてもよく、−CH3が−CH2F、−CHF2又は−CF3で置き換えられていてもよい。ただし該アルキルにおいて−O−は隣り合わない。
【0071】
【化29】

【0072】
一般式(XIV)中、A4及びA5はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−CH=CH−又は炭素数1〜20のアルキレンを表す。R8及びR9はそれぞれ独立して、−F又は−CH3を表す。環Sは1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル又はアントラセン−9,10−ジイルを表す。R10は−F、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のフッ素置換アルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCH2F、−OCHF2又は−OCF3を表す。またa及びbはそれぞれ独立して0〜4の整数を表し、a又はbが2〜4であるとき隣り合うA4又はA5は異なる基であり、c、d及びeはそれぞれ独立して0〜3の整数を表し、eが2又は3であるとき複数の環Sは同一の基であっても異なる基であってもよい。f及びgはそれぞれ独立して0〜2の整数を表し、かつc+d+e≧1である。
【0073】
【化30】

【0074】
一般式(X)中、ステロイド骨格を形成する炭素に結合している水素は、独立して−CH3と置き換えられていてもよい。一般式(X)及び(XI)中、R11はそれぞれ独立して、−H又は−CH3を表し、R12は、−H又は炭素数1〜20のアルキル若しくはアルケニルを表す。A6はそれぞれ独立して、単結合、−C(=O)−又は−CH2−を表す。一般式(XI)中、R13及びR14はそれぞれ独立して、−H、炭素数1〜20のアルキル又はフェニルを表す。
【0075】
【化31】

【0076】
一般式(XII)中、R15は−H又は炭素数1〜30のアルキルを表す。該アルキルのうち炭素数2〜30のアルキルの任意の−CH2−は、独立して−O−、−CH=CH−又は−C≡C−で置き換えられてもよい。ただし該アルキルにおいて−O−は隣り合わない。一般式(XII)及び(XIII)中、A7は独立して−O−又は炭素数1〜6のアルキレンを表す。一般式(XII)中、A8は単結合又は炭素数1〜3のアルキレンを表す。環Tは1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンを表す。hは0又は1を表す。一般式(XIII)中、R16は炭素数6〜22のアルキルを表し、R17は−H又は炭素数1〜22のアルキルを表す。
【0077】
前記一般式(IX)で表される側鎖型ジアミンは、二つのアミノ基はフェニル環の炭素に結合している二つのアミノ基の結合位置関係がメタ又はパラであることが好ましい。さらに二つのアミノ基の結合位置関係が、「R7−A3−」の結合位置を1位としたときに3位と5位、又は2位と5位であることが好ましい。
【0078】
前記一般式(IX)で表されるジアミンとしては、例えば下記一般式(IX−1)〜(IX−9)で表されるジアミンが挙げられる。
【0079】
【化32】

【0080】
前記一般式(IX−1)、(IX−2)、(IX−5)及び(IX−6)中、R18は炭素数1〜30のアルキル又は炭素数1〜30のアルコキシが好ましく、炭素数3〜30のアルキル又は炭素数3〜30のアルコキシがより好ましく、炭素数5〜25のアルキル又は炭素数5〜25のアルコキシがさらに好ましい。また前記一般式(IX−3)、(IX−4)及び(IX−7)〜(IX−9)中、R19は炭素数1〜30のアルキル又は炭素数1〜30のアルコキシが好ましく、炭素数3〜25のアルキル又は炭素数3〜25のアルコキシがさらに好ましい。前記一般式(IX)で表わされるジアミンの中でも、特に前記一般式(B1)〜(B3)で表わされるジアミンがより好ましく、前記構造式(B1−1)〜(B3−1)で表わされるジアミンが特に好ましい。
【0081】
また前記一般式(IX)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば下記一般式(IX−10)〜(IX−15)で表されるジアミンが挙げられる。
【0082】
【化33】

【0083】
前記一般式(IX−10)〜(IX−13)中、R20は炭素数4〜30のアルキルが好ましく、炭素数6〜25のアルキルがさらに好ましい。前記一般式(IX−14)及び(IX−15)中、R21は炭素数6〜30のアルキルが好ましく、炭素数8〜25のアルキルがさらに好ましい。
【0084】
また前記一般式(IX)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば下記一般式(IX−16)〜(IX−36)で表されるジアミンが挙げられる。
【0085】
【化34】

【0086】
【化35】

【0087】
前記一般式(IX−16)、(IX−17)、(IX−20)、(IX−22)、(IX−23)、(IX−26)、(IX−28)、(IX−29)、(IX−34)及び(IX−35)中、R22は炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシが好ましく、炭素数3〜25のアルキル又は炭素数3〜25のアルコキシがさらに好ましい。
前記一般式(IX−18)、(IX−19)、(IX−21)、(IX−24)、(IX−25)、(IX−27)、(IX−30)〜(IX−33)及び(IX−36)中、R23は−H、−F、炭素数1〜30のアルキル、炭素数1〜30のアルコキシ、−CN、−OCH2F、−OCHF2又は−OCF3が好ましく、炭素数3〜25のアルキル又は炭素数3〜25のアルコキシがさらに好ましい。前記一般式(IX−31)及び(IX−32)中、A9は炭素数1〜20のアルキレンを表す。
【0088】
また前記一般式(IX)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(IX−37)〜(IX−46)で表されるジアミンが挙げられる。
【0089】
【化36】

【0090】
【化37】

【0091】
前記一般式(IX)で表される側鎖型ジアミンは、一般式(IX−1)〜(IX−9)
で表されるジアミンが好ましく、一般式(IX−2)又は(IX−4)で表されるジアミンがより好ましい。
【0092】
前記一般式(X)で表される側鎖型ジアミンは、二つの「NH2−Ph−A6−O−」の一方はステロイド核の3位に結合し、もう一方は6位に結合していることが好ましい。また、二つのフェニルにそれぞれ結合している二つのアミノ基は、A6の結合位置に対してメタ位又はパラ位に結合していることが好ましい。
【0093】
前記一般式(X)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(X−1)〜(X−4)で表されるジアミンが挙げられる。
【0094】
【化38】

【0095】
前記一般式(XI)で表される側鎖型ジアミンは、二つの「NH2−(R14−)Ph−A6−O−」は、それぞれフェニルの炭素に結合しているが、ステロイド核が結合しているフェニル中の炭素に対してメタ位又はパラ位に結合していることが好ましい。また、二つのフェニルにそれぞれ結合している二つのアミノ基は、A6の結合位置に対してメタ位又はパラ位に結合していることが好ましい。
【0096】
前記一般式(XI)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば下記構造式(XI−1)〜(XI−8)で表されるジアミンが挙げられる。
【0097】
【化39】

【0098】
前記一般式(XII)で表される側鎖型ジアミンは、二つのフェニルにそれぞれ結合している二つのアミノ基がA7に対してメタ位又はパラ位に結合していることが好ましい。
【0099】
前記一般式(XII)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば、下記一般式(XII−A)で表わされるジアミンが挙げられる。
【化40】

(−Y4は炭素数1から30のアルキル、
【化41】

、または
【化42】

であり、−Y5および−Y6はそれぞれ独立して炭素数1から30のアルキルであり、X2は−CH2−又は−O−を表わす。)
【0100】
また、前記一般式(XII)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば、下記一般式(XII−1)〜(XII−9)で表されるジアミンが挙げられる。
【0101】
【化43】

【0102】
前記一般式(XII−1)及び(XII−2)中、R24は−H又は炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましく、前記一般式(XII−4)及び(XII−5)中、R25は−H又は炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましい。また前記一般式(XII−3)中、R24は−H又は炭素数1〜30のアルキル基であることが好ましく、前記一般式(XII−6)〜(XII−9)中、R25は−H又は炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。
【0103】
前記一般式(XII)で表わされるジアミンとして、例えば下記構造式(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされるジアミンが好ましく用いられる。
【0104】
【化44】

【0105】
前記一般式(XIII)で表される側鎖型ジアミンは、二つのフェニルにそれぞれ結合している二つのアミノ基がA7に対してメタ位又はパラ位に結合していることが好ましい。
【0106】
前記一般式(XIII)で表される側鎖型ジアミンとしては、例えば下記一般式(XIII−1)〜(XIII−3)で表されるジアミンが挙げられる。
【0107】
【化45】

【0108】
前記一般式中、R26は炭素数6〜20のアルキル基であることが好ましく、R27は−H又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
【0109】
前記ジアミン中における前記側鎖型ジアミンのモル比は、液晶表示素子としたときの適切なプレチルト角を得る観点から、TN及びVAにおいては1〜90%であることが好ましく、5〜80%であることがより好ましい。
【0110】
前記ジアミン又はその誘導体は、前記一般式(I)で表されるジアミン以外の他のジアミンとして、ナフタレン構造を有するナフタレン系ジアミン、フルオレン構造を有するフルオレン系ジアミン、又はシロキサン結合を有するシロキサン系ジアミン、又は前記一般式(IX)〜(XIII)で表された側鎖構造以外の側鎖構造を有するジアミンをさらに含んでいてもよい。
【0111】
例えば前記シロキサン系ジアミンとしては、例えば下記一般式(XV)で表されるジアミンが挙げられる。
【0112】
【化46】

【0113】
前記一般式(XV)中、R28及びR29は独立して炭素数1〜3のアルキル又はフェニルを表し、A10は独立してメチレン、フェニレン又はアルキル置換されたフェニレンを表す。iは1〜6の整数を表し、jは1〜10の整数を表す。
【0114】
前記一般式(XV)で表されるジアミンとしては、例えば下記構造式(XV−1)〜(XV−7)で表されるジアミンが挙げられる。
【0115】
【化47】

【0116】
さらに前記他のジアミンとしては、特に限定されないが、例えば下記一般式(1')〜(8')で表されるジアミンが挙げられる。
【0117】
【化48】

【0118】
前記一般式中、R30は独立して炭素数3〜30のアルキル基を表し、前記一般式(4’)、(6’)及び(8’)中、R31は炭素数3〜30のアルキル基を表す。
【0119】
前記ジアミンの誘導体としては、ジアミンをシリル化して得られるシリル化ジアミン化合物が挙げられる。
ジアミンのシリル化に用いられるシリル化剤としては、例えばトリメチルクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリメチルヨードシラン、トリエチルクロロシラン、トリエチルブロモシラン、トリプロピルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、ジメチルプロピルクロロシラン、ジメチルプロピルクロロシラン、ジメチルオクチルクロロシラン、ジメチルオクタデシルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシランなどのトリアルキルハロゲン化シラン;ジメチルビニルクロロシランなどのビニル基含有ハロゲン化シラン;ジメチルフェニルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシランなどのフェニル基含有ハロゲン化シラン;クロロメチルジメチルクロロシラン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、ジクロロメチルジメチルクロロシランなどのハロゲン化アルキル基含有ハロゲン化シラン;トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシランなどのアルコキシ基含有ハロゲン化シラン;ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジプロピルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシランなどのアルキル基含有ジハロゲン化シラン;ヘキサメチルジシラン、ヘキサエチルジシラン、ヘキサフェニルジシランなどのジシラン;ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリエチルシリル)アセトアミド、ビス(トリフェニルシリル)アセトアミドなどのシリル化アセトアミド;ヘキサメチルジシラザンなどのジシラザンなどが挙げられる。
ジアミンをシリル化してシリル化ジアミン化合物を得る方法は、特開平1−217420号公報に記載された方法が挙げられる。
【0120】
なお、前記他のジアミンは前述したジアミンに限定されることなく、前記他のジアミンには、他にも存在する種々の形態のジアミンを本発明の目的が達成される範囲内で用いる
ことができることはいうまでもない。
【0121】
前記ジアミンの一部はモノアミンに置き換えられてもよい。ジアミンの一部をモノアミンに置き換えることは、ポリアミック酸又はその誘導体を生成する重合反応のターミネーションを起こし、それ以上の反応の進行を抑えることから、得られるポリアミック酸又はその誘導体の分子量を容易に制御する観点から好ましい。ジアミンに対するモノアミンの比率は、本発明の効果を損なわない範囲であればよいが、目安として全アミンの10モル%以下であることが好ましい。
【0122】
前記テトラカルボン酸又はその誘導体として、テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく例示できる。前記テトラカルボン酸二無水物は一種でも二種以上でもよい。本発明におけるポリアミック酸又はその誘導体を溶剤に可溶な形態とする観点から、前記テトラカルボン酸二無水物を適宜に選択することが好ましい。前記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば芳香族テトラカルボン酸二無水物、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、及び脂環式テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。また、前記テトラカルボン酸二無水物はシルセスキオキサン二無水物誘導体を含んでもよい。
【0123】
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記構造式(1)〜(13)で表される化合物が挙げられる。
【0124】
【化49】

【0125】
前記芳香族テトラカルボン酸二無水物は、下記構造式(1)、(2)、(5)、(6)及び(7)で表される化合物であることが好ましく、構造式(1)で表されるピロメリット酸二無水物であることがより好ましい。
【0126】
前記脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記構造式(14)〜(62)で表される化合物が挙げられる。
【0127】
【化50】

【0128】
【化51】

【0129】
【化52】

【0130】
前記脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物は、前記構造式(14)〜(29)、及び(60)で表される化合物であることが好ましく、前記構造式(14)で表される1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物であることがより好ましい。
【0131】
また前記脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物は、本発明におけるポリアミック酸又はその誘導体を溶媒に可溶性なポリイミドとする観点から、前記構造式(19)、(20)、(27)〜(29)、及び(60)で表される化合物であることが好ましい。
【0132】
前記シルセスキオキサン二無水物誘導体としては、例えば下記構造式(i)で表される化合物が挙げられる。
【化53】

【0133】
さらに前記テトラカルボン酸二無水物は側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物を
含んでいてもよい。側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物は、液晶表示素子におけるプレチルト角を大きくすることができる。側鎖構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば下記構造式(63)及び(64)で表される、ステロイド骨格を有する化合物が挙げられる。
【0134】
【化54】

【0135】
テトラカルボン酸誘導体としては、下記一般式(10000)で示されるテトラカルボン酸二無水物をエステル化して得られるジカルボン酸ジエステル化合物が挙げられる。
【0136】
【化55】

【0137】
一般式10000中、Y100は炭素数1〜4のアルキルを表す。
【0138】
テトラカルボン酸二無水物をエステル化する1価のアルコールおよび1価のアルコール誘導体としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物をエステル化してジカルボン酸ジエステル化合物を得る方法は、特開昭61−72022号公報に記載された方法に準じて行われる。
ジカルボン酸ジエステル化合物とジアミンからポリイミド誘導体を得る方法は、縮合剤としてカルボジイミドを用いる方法(特開昭61−72022号公報)、炭酸ジエステルを用いる方法(特開昭62−72724号公報)、リン系化合物を用いる方法(特開2002−356554号公報)等が挙げられ、またフェノール系溶剤中で加熱する方法(特開昭53−124596号公報)が挙げられる。
【0139】
前記テトラカルボン酸二無水物が前記芳香族テトラカルボン酸二無水物と、脂肪族テト
ラカルボン酸二無水物及び脂環式テトラカルボン酸二無水物の一方又は両方とを含むことは、液晶表示素子における残留電圧を低減する観点から好ましい。
【0140】
前記テトラカルボン酸二無水物は、他にも種々の形態のテトラカルボン酸二無水物を含み、前述したテトラカルボン酸二無水物に限定されない。前記テトラカルボン酸二無水物には、本発明の目的が達成される範囲内で他の種々の形態のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
【0141】
前記テトラカルボン酸二無水物の一部がカルボン酸無水物に置き換えられてもよい。テトラカルボン酸二無水物の一部をカルボン酸無水物に置き換えることは、前記ポリアミック酸又はその誘導体を生成する重合反応のターミネーションを起こし、それ以上の反応の進行を抑えることから、ポリアミック酸又はその誘導体の分子量を容易に制御する観点から好ましい。前記テトラカルボン酸二無水物に対するカルボン酸無水物の比率は、本発明の効果を損なわない範囲であればよいが、目安として前記テトラカルボン酸二無水物の10モル%以下であることが好ましい。
【0142】
前述した前記ジアミン又はその誘導体及び前記テトラカルボン酸又はその誘導体の組み合わせについて、より具体的には、以下のような組み合わせが好ましく例示できる。
(1)前記ジアミン又はその誘導体が前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされる一種以上のジアミンと、前記構造式(A1)、(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)、(C1)、(C2)、(C3)、(D1)、(D2)、(D3)、(D4)、(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンとを含み、前記テトラカルボン酸又はその誘導体が前記構造式(1)及び(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一方又は両方を含む組み合わせ。
(2)前記ジアミン又はその誘導体が前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされる一種以上のジアミンと、前記構造式(A1)、(C1)、(C2)、(C3)、(D1)及び(D2)で表わされる一種以上のジアミンとを含み、前記テトラカルボン酸又はその誘導体が前記構造式(1)及び(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一方又は両方を含む組み合わせ。この組み合わせの好ましい用途として、IPS型液晶表示素子及びTN型液晶表示素子が挙げられる。
(3)前記(2)において、前記ジアミン又はその誘導体は前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされる一種以上のジアミンと、前記構造式(A1)、(D1)及び(D2)で表わされる一種以上のジアミンとを含み、前記テトラカルボン酸又はその誘導体が前記構造式(1)及び(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一方又は両方を含む組み合わせ。この組み合わせの好ましい用途として、IPS型液晶表示素子が挙げられる。
(4)前記ジアミン又はその誘導体が前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされる一種以上のジアミンと、前記構造式(D2)、(D3)、(D4)、(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンとを含み、前記テトラカルボン酸又はその誘導体が前記構造式(1)及び(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一方又は両方を含む組み合わせ。この組み合わせの好ましい用途として、TN型液晶表示素子が挙げられる。
(5)前記(4)において、前記ジアミン又はその誘導体が前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされる一種以上のジアミンと、前記構造式(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンとを含み、前記テトラカルボン酸又はその誘導体が前記構造式(1)及び(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一方又は両方を含む組み合わせ。この組み合わせの好ましい用途として、TN型液晶表示素子が挙げられる。
(6)前記ジアミン又はその誘導体が前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされる一種以上のジアミンと、前記構造式(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)及び(D1
)で表わされる一種以上のジアミンとを含み、前記テトラカルボン酸又はその誘導体が前記構造式(1)、(14)及び(i)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一種以上を含む組み合わせ。この組み合わせの好ましい用途として、VA型液晶表示素子が挙げられる。
(7)前記(6)において、前記ジアミン又はその誘導体が前記構造式(I−1)〜(I−5)で表わされる一種以上のジアミンと、前記構造式(B1−1)で表わされるジアミンとを含み、前記テトラカルボン酸又はその誘導体が前記構造式(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物を含む組み合わせ。この組み合わせの好ましい用途として、VA型液晶表示素子が挙げられる。
また、上記(1)〜(7)の組み合わせを採用することは、液晶表示素子の残留電圧の低減の観点から好ましい。
【0143】
前記ポリアミック酸又はその誘導体の重量平均分子量は特に限定されないが、液晶配向剤の成分として用いられる場合は、液晶配向膜を焼成するステップにおいて蒸発せず、また液晶配向剤の成分として好ましい物性を得る観点から、5×103以上であることが好ましく、1×104以上であることがより好ましい。また前記重量平均分子量は、1×106以下であることが、粘性等の液晶配向剤としての取り扱いを容易にする観点から好ましい。
【0144】
前記ポリアミック酸又はその誘導体の重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により測定される。例えば、得られたポリアミック酸又はその誘導体をジメチルホルムアミド(DMF)でポリアミック酸又はその誘導体の濃度が約1重量%になるように希釈し、クロマトパックC−R7A(島津製作所製)を用いて、DMFを展開溶媒としてゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)法により測定し、ポリスチレン換算することにより求められる。さらに、GPC測定の精度を高める観点から、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸やリチウムブロミド、リチウムクロリド等の無機塩をDMF溶媒に溶解させた展開溶媒を調製して用いてもよい。
【0145】
前記ポリアミック酸又はその誘導体は、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、原料投入口、窒素導入口、温度計、攪拌機及びコンデンサーを備えた反応容器に、前記ジアミンを仕込み、さらに必要に応じて所望量のモノアミンを仕込む。
【0146】
次に、溶媒(例えばアミド系極性溶媒であるN−メチル−2−ピロリドンやジメチルホルムアミド等)及び前記テトラカルボン酸二無水物を投入し、さらに必要に応じて所望量のカルボン酸無水物を投入する。このときテトラカルボン酸二無水物の総仕込み量は、ジアミンの総モル数とほぼ等モル(モル比0.9〜1.1程度)とすることが好ましい。
【0147】
攪拌下に温度0〜70℃で1〜48時間反応させることによりポリアミック酸の溶液を、好適に得ることができる。また、加熱して反応温度を上げる(例えば50〜80℃)ことにより、分子量の小さいポリアミック酸を得ることもできる。生成したポリアミック酸は、多量の貧溶媒で沈殿させ、固形分と溶媒とを濾過等により完全に分離することによって得られる。
【0148】
ポリアミック酸誘導体である可溶性ポリイミドは、通常、ポリアミック酸の溶液を、脱水剤である無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物、及び脱水閉環触媒であるトリエチルアミン、ピリジン、コリジン等の三級アミンと共に、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることができる。
【0149】
又は、ポリアミック酸の溶液から多量の貧溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒やグリコール系溶媒)を用いてポリアミック酸を析出させ、
析出させたポリアミック酸を、トルエン、キシレン等の溶媒中で、前記と同様の脱水剤及び脱水閉環触媒と共に、温度20〜150℃でイミド化反応させて得ることもできる。
【0150】
前記イミド化反応において、脱水剤と脱水閉環触媒の割合は0.1〜10(モル比)であることが好ましい。両者の合計使用量は、使用するテトラカルボン酸二無水物に含まれる酸二無水物の総モル量に対して1.5〜10倍モルであることが好ましい。この化学的イミド化の脱水剤、触媒量、反応温度及び反応時間を調整することによって、イミド化の程度を制御し、部分ポリイミドを得ることができる。
【0151】
また前記テトラカルボン酸二無水物の一部を有機ジカルボン酸に置き換えると、ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を得ることができる。ここで、テトラカルボン酸二無水物に対する有機ジカルボン酸の比率は、本発明の効果を損なわない範囲であればよいが、目安としては前記テトラカルボン酸二無水物の10モル%以下であることが好ましい。
【0152】
さらに、該ポリアミック酸−ポリアミド共重合体を化学的にイミド化することによってポリアミドイミドを製造することができる。
【0153】
前記ポリアミック酸又はその誘導体は、IR、NMRで分析することにより同定され得る。さらには、KOHやNaOH等の強アルカリの水溶液で固形のポリアミック酸又はその誘導体を分解後、有機溶媒で抽出し、GC、HPLC又はGC−MSで分析することにより、使用されているモノマーを同定することができる。
【0154】
得られたポリアミック酸又はその誘導体は、所望の粘度に調整するために溶媒で希釈して使用することができる。
【0155】
また得られたポリアミック酸又はその誘導体は、溶媒と分離して、後述するエポキシ化合物と共に後述する溶媒に再溶解させて液晶配向剤として使用することもできるし、又は溶媒と分離することなくエポキシ化合物を添加して液晶配向剤として使用することもできる。
【0156】
前記ポリアミック酸又はその誘導体は、前記側鎖型ジアミンのような側鎖構造を有するジアミン又はテトラカルボン酸二無水物を用いることによって、液晶表示素子におけるプレチルト角を適宜調整することができ、任意の種類の液晶表示素子に適用することができる。プレチルト角としては、VA型液晶表示素子の場合には80〜90°程度の大きなプレチルト角が、OCB型液晶表示素子の場合には7〜20°程度のプレチルト角が、TN型液晶表示素子やSTN型液晶表示素子の場合には3〜10°程度のプレチルト角が、及びIPS型液晶表示素子の場合には0〜3°程度の小さなプレチルト角が要求される場合が多い。
【0157】
前記のプレチルト角のように、ポリアミック酸又はその誘導体のモノマーによって発現される特性は、そのような特性をもたらすモノマーを用いてポリアミック酸又はその誘導体を製造することによって得られる。モノマーによる特性は、このような特性をもたらす複数種のモノマーを用いて得られる一種のポリアミック酸又はその誘導体から得ることができ、またこのような特性をもたらす複数種のモノマーを用いて得られる二種以上のポリアミック酸又はその誘導体から得ることができる。
【0158】
モノマーの一部又は全部が異なる二種以上のポリアミック酸又はその誘導体が液晶配向剤に含有されることは、本発明の液晶配向剤として好ましい特性を付与する観点から好ましい。二種以上のポリアミック酸又はその誘導体の混合比は、液晶配向剤の用途に応じた所望の特性が得られる程度であればよい。
【0159】
より具体的には、前記ジアミン又はその誘導体やテトラカルボン酸又はその誘導体の種類及びその組み合わせを適宜選択することにより、本発明の液晶配向剤に求められる、さらに良好な残留電圧の低減や好適なプレチルト角等の所望の特性を付与することができ、また向上させることができる。
【0160】
前記エポキシ化合物は、2個以上のエポキシ基を有する化合物である。エポキシ化合物は一種でも二種以上でもよい。エポキシ化合物は、液晶配向剤においてエポキシ化合物と前記ポリアミック酸又はその誘導体との溶液を形成する種類や含有量で用いられる。なお、エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂を意味する。
【0161】
前記エポキシ化合物としては、例えばグリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ基含有アクリル系樹脂、グリシジルアミド、グリシジルイソシアヌレート、鎖状脂肪族型エポキシ化合物、及び環状脂肪族型エポキシ化合物が挙げられる。
【0162】
前記グリシジルエーテルとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−F型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−S型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、臭素化フェノールノボラック型エポキシ化合物、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン骨格含有エポキシ化合物、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ化合物、脂環式ジグリシジルエーテル化合物、脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物、ポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物、及びビフェノール型エポキシ化合物が挙げられる。
【0163】
前記グリシジルエステルとしては、例えばジグリシジルエステル化合物及びグリシジルエステルエポキシ化合物が挙げられる。
【0164】
前記グリシジルアミンとしては、例えばポリグリシジルアミン化合物及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0165】
前記エポキシ基含有アクリル系化合物としては、例えばオキシラニルを有するモノマーの単独重合体及び共重合体が挙げられる。
【0166】
前記グリシジルアミドとしては、例えばグリシジルアミド型エポキシ化合物が挙げられる。
【0167】
前記鎖状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばアルケン化合物の炭素−炭素二重結合を酸化して得られる、エポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
【0168】
前記環状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばシクロアルケン化合物の炭素−炭素二重結合を酸化して得られる、エポキシ基を含有する化合物が挙げられる。
【0169】
前記ビスフェノールA型エポキシ化合物としては、例えば828、1001、1002、1003、1004、1007、1010(いずれもジャパンエポキシレジン製)、エポトートYD−128(東都化成社製)、DER−331、DER−332、DER−3
24(いずれもダウ・ケミカル社製)、エピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050(いずれも大日本インキ製)、エポミックR−140、エポミックR−301、及びエポミックR−304(いずれも三井化学製)が挙げられる。
【0170】
前記ビスフェノールF型エポキシ化合物としては、例えば806、807、4004P(いずれもジャパンエポキシレジン製)、エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S、エポトートYDF−2001(いずれも東都化成社製)、DER−354(ダウ・ケミカル社製)、エピクロン830、及びエピクロン835(いずれも大日本インキ製)が挙げられる。
【0171】
前記ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物が挙げられる。
【0172】
前記水素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物としては、例えばサントートST−3000(東都化成社製)、リカレジンHBE−100(新日本理化製)、及びデナコールEX−252(ナガセケムテックス社製)が挙げられる。
【0173】
前記水素化ビスフェノール型エポキシ化合物としては、例えば水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物が挙げられる。
【0174】
前記臭素化ビスフェノール−A型エポキシ化合物としては、例えば5050、5051(いずれもジャパンエポキシレジン製)、エポトートYDB−360、エポトートYDB−400(いずれも東都化成社製)、DER−530、DER−538(いずれもダウ・ケミカル社製)、エピクロン152、及びエピクロン153(いずれも大日本インキ製)が挙げられる。
【0175】
前記フェノールノボラック型エポキシ化合物としては、例えば152、154(いずれもジャパンエポキシレジン製)、YDPN−638(東都化成社製)、DEN431、DEN438(いずれもダウ・ケミカル社製)、エピクロンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、EPPN−201、及びEPPN−202(いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0176】
前記クレゾールノボラック型エポキシ化合物としては、例えば180S75(ジャパンエポキシレジン製)、YDCN−701、YDCN−702(いずれも東都化成社製)、エピクロンN−665、エピクロンN−695(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、及びEOCN−1027(いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0177】
前記ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物としては、例えば157S70(ジャパンエポキシレジン(株)製)、及びエピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
【0178】
前記ナフタレン骨格含有エポキシ化合物としては、例えばエピクロンHP−4032、エピクロンHP−4700、エピクロンHP−4770(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)、及びNC−7000(日本化薬社製)が挙げられる。
【0179】
前記芳香族ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばハイドロキノンジグリシジ
ルエーテル(下記構造式101)、カテコールジグリシジルエーテル(下記構造式102)レゾルシノールジグリシジルエーテル(下記構造式103)、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン(下記構造式104)、トリス(4−グリシジルオキシフェニル)メタン(下記構造式105)、1031S、1032H60(いずれもジャパンエポキシレジン製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、デナコールEX−201(ナガセケムテックス社製)、DPPN−503、DPPN−502H、DPPN−501H、NC6000(いずれも日本化薬(株)製)、テクモアVG3101L(三井化学社製)、下記構造式106で表される化合物、及び下記構造式107で表される化合物が挙げられる。
【0180】
【化56】

【0181】
前記ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ化合物としては、例えばTACTIX
−556(ダウ・ケミカル社製)、及びエピクロンHP−7200(大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
【0182】
前記脂環式ジグリシジルエーテル化合物としては、例えばシクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物、及びリカレジンDME−100(新日本理化製)が挙げられる。
【0183】
前記脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル(下記構造式108)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(下記構造式109)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(下記構造式110)、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(下記構造式111)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(下記構造式112)、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(下記構造式113)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(下記構造式114)、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(下記構造式115)、デナコールEX−810、デナコールEX−851、デナコールEX−8301、デナコールEX−911、デナコールEX−920、デナコールEX−931、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−313(いずれもナガセケムテックス社製)、DD−503(旭電化製)、リカレジンW−100(新日本理化製)、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール(下記構造式116)、グリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、デナコールEX−313、デナコールEX−611、デナコールEX−321、及びデナコールEX−411(いずれもナガセケムテックス社製)が挙げられる。
【0184】
【化57】

【0185】
前記ポリサルファイド型ジグリシジルエーテル化合物としては、例えばFLDP−50、及びFLDP−60(いずれも東レチオコール製)が挙げられる。
【0186】
前記ビフェノール型エポキシ化合物としては、例えばYX−4000、YL−6121H(いずれもジャパンエポキシレジン製)、NC−3000P、及びNC−3000S(いずれも日本化薬(株)製)が挙げられる。
【0187】
前記ジグリシジルエステル化合物としては、例えばジグリシジルテレフタレート(下記構造式117)、ジグリシジルフタレート(下記構造式118)、ビス(2−メチルオキシラニルメチル)フタレート(下記構造式119)、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート(下記構造式120)、下記構造式121で表される化合物、下記構造式122で表される化合物、及び下記構造式123で表される化合物が挙げられる。
【0188】
【化58】

【0189】
前記グリシジルエステルエポキシ化合物としては、例えば871、872(いずれもジャパンエポキシレジン製)、エピクロン200、エピクロン400(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)、デナコールEX−711、及びデナコールEX−721(いずれもナガセケムテックス社製)が挙げられる。
【0190】
前記ポリグリシジルアミン化合物としては、例えばN,N−ジグリシジルアニリン(下記構造式124)、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン(下記構造式125)、N,N−ジグリシジル−m−トルイジン(下記構造式126)、N,N−ジグリシジル−2,4,6−トリブロモアニリン(下記構造式127)、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン(下記構造式128)、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール(下記構造式129)、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール(下記構造式130)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(下記構造式131)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン(TETRAD−X(三菱ガス化学)、下記構造式132)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(TETRAD−C(三菱ガス化学)、下記構造式133)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(下記構造式134)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン(下記構造式135)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン(下記構造式136)、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン(下記構造式137)、1,4−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼン
(下記構造式138)、2,6−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(下記構造式139)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(下記構造式140)、2,2’−ジメチル−(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)−4,4’−ジアミノビフェニル(下記構造式141)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(下記構造式142)、1,3,5−トリス(4−(N,N−ジグリシジル)アミノフェノキシ)ベンゼン(下記構造式143)、2,4,4’−トリス(N,N−ジグリシジルアミノ)ジフェニルエーテル(下記構造式144)、トリス(4−(N,N−ジグリシジル)アミノフェニル)メタン(下記構造式145)、3,4,3’,4’−テトラキス(N,N−ジグリシジルアミノ)ビフェニル(下記構造式146)、3,4,3’,4’−テトラキス(N,N−ジグリシジルアミノ)ジフェニルエーテル(下記構造式147)、下記構造式148で表される化合物、及び下記構造式149で表される化合物が挙げられる。
【0191】
【化59】

【0192】
【化60】

【0193】
【化61】

【0194】
前記オキシラニルを有するモノマーの単独重合体としては、例えばポリグリシジルメタクリレートが挙げられる。前記オキシラニルを有するモノマーの共重合体としては、例えばN−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N−シクロヘキシルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、及びスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体が挙げられる。
【0195】
前記オキシラニルを有するモノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びメチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0196】
前記オキシラニルを有するモノマーの共重合体における前記オキシラニルを有するモノマー以外の他のモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、及びN−フェニルマレイミドが挙げられる。
【0197】
前記グリシジルイソシアヌレートとしては、例えば1,3,5−トリグリシジル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(下記構造式150)、1,3−ジグリシジル−5−アリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(下記構造式151)、及びグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0198】
【化62】

【0199】
前記鎖状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えばエポキシ化ポリブタジエン、及びエポリードPB3600(ダイセル化学工業(株)製)が挙げられる。
【0200】
前記環状脂肪族型エポキシ化合物としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(セロキサイド2021(ダイセル化学工業(株)製)、下記構造式152)、2−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−2’−メチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(下記構造式153)、2,3−エポキシシクロペンタン−2’,3’−エポキシシクロペンタンエーテル(下記構造式154)、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキレート、1,2:8,9−ジエポキシリモネン(セロキサイド3000(ダイセル化学工業(株)製)、下記構造式155)、下記構造式156で表される化合物、CY−175、CY−177、CY−179(いずれもCIBA−GEIGY社製)、EHPD−3150(ダイセル化学工業(株)製)、及び環状脂肪族型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0201】
【化63】

【0202】
前記エポキシ化合物は、ポリグリシジルアミン化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、及び環状脂肪族型エポキシ化
合物の一以上であることが好ましく、N,N,N',N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N',N'−テトラグリシジル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、商品名「テクモアVG3101L」、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、及びクレゾールノボラック型エポキシ化合物の一以上であることが好ましい。
【0203】
本発明の液晶配向剤は、前述したポリアミック酸又はその誘導体、及びエポキシ化合物以外の成分をさらに含有していてもよい。このようなさらなる成分としては、例えば溶媒、及び通常の液晶配向剤に含有される各種添加剤が挙げられる。
【0204】
前記溶媒は、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド、及びポリアミドイミド等の高分子成分の製造工程や用途で通常使用されている溶媒を広く含み、使用目的に応じて適宜選択され得る。例えば前記溶媒は、液晶配向剤の粘度等の物性の調整、取り扱いの容易さ、工程の簡略化等の観点から用いることができる。溶媒は一種でも二種以上でもよい。前記溶媒としては、例えばポリアミック酸又はその誘導体に対して易溶性である非プロトン性極性有機溶媒、及び表面張力を変えて塗布性改善等を目的とする塗布性改善溶媒が挙げられ、前記溶媒はこれらを含む混合溶媒であることが好ましい。
【0205】
前記非プロトン性極性有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトン、及びγ−バレロラクトンが挙げられる。前記非プロトン性極性有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、及びγ−バレロラクトンから選ばれる一以上であることが好ましい。
【0206】
前記塗布性改善溶媒としては、例えば乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキル又はフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチル等のマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、及びこれらアセテート類等のエステル化合物が挙げられる。前記塗布性改善溶媒は、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる一以上であることが好ましい。
【0207】
非プロトン性極性溶媒と塗布性改善溶媒の種類及び割合は、液晶配向剤の印刷性、塗布性、溶解性及び保存安定性等を考慮して、適宜に設定することができる。非プロトン性極性溶媒は、塗布性改善溶媒よりも相対的に溶解性及び保存安定性に優れ、塗布性改善溶媒は印刷性及び塗布性に優れる傾向がある。
【0208】
前記添加剤は、液晶配向剤の特定の性質を向上させる目的で用いられる成分であればよく、一種でも二種以上でもよい。前記添加剤としては、それぞれの目的に応じて用いられるポリアミック酸又はその誘導体以外の高分子化合物及び低分子化合物が挙げられる。
【0209】
前記高分子化合物は、有機溶媒に可溶性の高分子化合物であることが、形成される液晶配向膜の電気特性や配向性を制御する観点から好ましい。このような高分子化合物としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル、ポリエポキサイド、ポリエステルポリオール、シリコーン変性ポリウレタン、シリコーン変性ポリエステルが挙げられる。
【0210】
前記低分子化合物としては、例えば界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、チタン系のカップリング剤、及びイミド化触媒が挙げられる。界面活性剤は液晶配向剤の塗布性を向上させる観点から好ましい。帯電防止剤は液晶配向剤及び液晶配向膜の帯電防止性を向上させる観点から好ましい。シランカップリング剤及びチタン系のカップリング剤剤は、液晶配向膜の基板との密着性や耐ラビング性を向上させる観点から好ましい。イミド化触媒は、液晶配向膜の形成において低温でイミド化を進行させる観点から好ましい。
【0211】
前記シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロピルアミン、及びN,N'−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンが挙げられる。
【0212】
前記イミド化触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、メチル置換アニリン、ヒドロキシ置換アニリン等の芳香族アミン類;ピリジン、メチル置換ピリジン、ヒドロキシ置換ピリジン、キノリン、メチル置換キノリン、ヒドロキシ置換キノリン、イソキノリン、メチル置換イソキノリン、ヒドロキシ置換イソキノリン、イミダゾール、メチル置換イミダゾール、ヒドロキシ置換イミダゾール等の環式アミン類が挙げられる。前記イミド化触媒は、N,N−ジメチルアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシアニリン、o−,m−,p−ヒドロキシピリジン、及びイソキノリンから選ばれる一以上であることが好ましい。
【0213】
シランカップリング剤の添加量は、通常、ポリアミック酸又はその誘導体100重量部に対して0〜30重量部であり、0.05〜20重量部であることが好ましい。
【0214】
イミド化触媒の添加量は、通常、ポリアミック酸又はその誘導体のカルボニル基に対して0〜5当量であり、0.05〜3当量であることが好ましい。
【0215】
その他の添加剤の添加量は、その用途に応じて異なるが、通常、ポリアミック酸又はその誘導体100重量部に対して0〜30重量部であり、0.1〜20重量部であることが好ましい。
【0216】
本発明の液晶配向剤におけるポリアミック酸又はその誘導体の含有率は、液晶配向剤の基板への塗布方法によっても選択され得る。例えば、通常の液晶表示素子の製造工程で用
いられる印刷機(オフセット印刷機やインクジェット印刷機を含む。以下、「印刷機」と略すことがある。)で使用される液晶配向剤であれば、ポリアミック酸又はその誘導体の含有率は0.5〜30重量%であることが好ましく、1〜15重量%であることがより好ましいが、液晶配向剤の粘度(後述)との関係で適宜調整される。
【0217】
本発明の液晶配向剤の粘度は、塗布する方法、ポリアミック酸又はその誘導体の濃度、使用するポリアミック酸又はその誘導体の種類、溶媒の種類と割合によって多種多様である。例えば、印刷機による塗布の場合は、液晶配向剤の粘度は5〜100mPa・sであることが好ましく、10〜80mPa・sであることがより好ましい。液晶配向剤の粘度が5mPa・sより小さいと液晶配向膜の十分な膜厚を得ることが難しくなり、100mPa・sを超えると印刷ムラが大きくなることがある。スピンコートによる塗布の場合は、液晶配向剤の粘度は5〜200mPa・sであることが好ましく、10〜100mPa・sであることがより好ましい。
【0218】
液晶配向剤の粘度は回転粘度測定法により測定され、例えば回転粘度計(東機産業製TVE−20L型)を用いて測定(測定温度:25℃)される。
【0219】
本発明の液晶配向膜は、前述した本発明の液晶配向剤の膜を焼成して形成される。液晶配向剤の膜の形成及びその焼成は、フォトレジストにおける通常の方法によって行うことができる。
【0220】
前記液晶配向膜は、例えば液晶表示素子用の基板、又はフッ化カルシウムやシリコン等の測定用の基板に本発明の液晶配向剤を塗布し、この液晶配向剤の膜を例えば150〜400℃、好ましくは180〜280℃に加熱することによって形成することができる。ここで液晶配向膜の膜厚は、10〜300nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。また、液晶配向膜は、IPS型液晶表示素子のような横電界方式の液晶表示素子の用途である場合は、ラビング処理されていることが好ましい。
【0221】
前記液晶配向膜の膜厚は、液晶配向剤の粘度や液晶配向剤の塗布方法によって調整することができる。また液晶配向膜の膜厚は、段差計やエリプソメータ等の公知の膜厚測定装置によって測定することができる。さらに液晶配向膜中の成分は、必要に応じて加水分解等の処理を行い、IRやMS等の通常の分析手段を利用して分析することができる。例えば、ポリアミック酸をイミド化してなる膜中のオキサジン化合物をIRで分析する方法が「Performance improvement of polybenzoxazine by alloying with polyimide: effect of preparation method on the properties」(Tsutomu Takeichi et al., polymer, 2005, 46, p.4909-4916)には記載されている。
【0222】
本発明の液晶表示素子は、対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基盤それぞれの対向している面に形成されている本発明の液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成されている液晶層を有する。
【0223】
前記対向配置された一対の電極付き基板は、透明基板(例えばガラス基板)であることが好ましい。
【0224】
前記一対の基板の少なくとも一方又は両方の基板の表面には、液晶表示素子の形態に応じて電極が設けられる。前記電極は、基板の一面に形成される電極であれば特に限定されない。このような電極には、例えばITOや金属の蒸着膜等が挙げられる。電極は、基板の表面の全体に形成されていてもよいし、例えばパターン化されている所定の形状に形成されていてもよい。また電極は一対の基板の一方のみに設けられていてもよいし、両方に
設けられていてもよい。例えば電極が設けられていない基板には基板の表面上に本発明の液晶配向膜が形成され、電極が設けられている基板には電極の上に本発明の液晶配向膜が形成される。本発明の液晶配向膜の形成については前述したとおりである。
【0225】
前記一対の基板間に挟持された液晶層は液晶組成物を含む。ここで液晶組成物は特に制限はされず、駆動モードに応じて、誘電率異方性が正の液晶組成物及び誘電率異方性が負の液晶組成物のいずれの組成物も用いることができる。
【0226】
誘電率異方性が正である好ましい液晶組成物の例は、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157826号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1)、特開平9−302346号公報(EP806466A1)、特開平8−199168号公報(EP722998A1)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1)、特開平10−204016号公報(EP844229A1)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040公報、特開2001−48822公報等に開示されている。
【0227】
VA型液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、誘電率異方性が負の各種の液晶組成物とすることができる。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報等に開示されている。
【0228】
前記誘電率異方性が正又は負の液晶組成物に、一つ以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
【0229】
本発明の液晶表示素子は、もちろんその他の部材を有していてもよい。例えば、薄膜トランジスタを使用したカラー表示のTFT型液晶素子においては、第1の透明基板上に薄膜トランジスタ、絶縁膜、保護膜、信号電極及び画素電極等が形成されており、第2の透明基板上に画素領域以外の光を遮断するブラックマトリクス、カラーフィルター、平坦化膜及び画素電極等を有し得る。
【0230】
また、VA型液晶表示素子、特にMVA型液晶表示素子においては、第1の透明基板上にドメインと称される微小な突起物が形成されている。また、基板間のセルギャップの調整用にスペーサーが形成されていてもよい。
【0231】
本発明の液晶表示素子は任意の方法で製作され得るが、例えば、1)前記二枚の透明基板上に液晶配向剤を塗布する工程、2)塗布された液晶配向剤を乾燥する工程、3)乾燥された液晶配向剤を脱水・閉環反応させるために必要な加熱処理をする工程、4)得られた液晶配向膜を配向処理する工程、5)二枚の基板を張り合わせた後に、基板の間に液晶
組成物を封入する工程、又は一方の基板に液晶組成物を滴下させた後に、もう一方の基板と張り合わせる工程を含む方法で製作される。
【0232】
前記液晶配向剤を塗布する工程における塗布方法としては、スピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法等が一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。
【0233】
また、前記乾燥工程及び脱水反応に必要な加熱処理を施す工程の方法として、オーブン又は赤外炉の中で加熱処理する方法、ホットプレート上で加熱処理する方法等が一般に知られている。これらの方法が本発明においても適用可能である。乾燥工程は、溶媒の蒸発が可能な範囲内の比較的低温(50〜140℃)で実施することが好ましい。加熱処理の工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
【0234】
液晶配向膜への配向処理は、IPS型液晶表示素子、OCB型液晶表示素子、TN型液晶表示素子、STN型液晶表示素子では通常ラビング処理を行う。VA型液晶表示素子ではラビング処理を行わないことが多いが行ってもよい。
【0235】
次いで、一方の基板上に接着剤を塗布し貼りあわせ真空中で液晶を注入する。滴下注入法の場合には、貼りあわせる前に液晶組成物を基板上に滴下し、その後もう一方の基板で貼りあわせる。貼りあわせに使用した接着剤を熱又は紫外線で硬化させて本発明の液晶表示素子が作製される。
【0236】
本発明の液晶表示素子には、偏光板(偏光フィルム)、波長板、光散乱フィルム、駆動回路等が実装されてもよい。
【実施例】
【0237】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例において用いる化合物は次の通りである。
【0238】
<テトラカルボン酸二無水物>
化合物:ピロメリット酸二無水物:PMDA
化合物:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物:CBDA
【0239】
<ジアミン>
化合物:4,4’−ジアミノジフェニルサルファイド:ASD
化合物:1,2−ビス(4−アミノフェニル)チオエタン:DDSE
化合物:1,3−ビス(4−アミノフェニル)チオプロパン:DDSP
化合物:1,4−ビス(4−アミノフェニル)チオブタン:DDSB
化合物:1,5−ビス(4−アミノフェニル)チオペンタン:DDSN
化合物:4,4’−ジアミノジフェニルメタン:DDM
化合物:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル:DDE
化合物:4,4’−ジアミノジフェニルプロパン:DDPr
化合物:N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルエチレンジアミン:NN2DAMe
化合物:1,5−ビス(4−アミノフェニル)オキシペンタン:DDON
【0240】
<エポキシ化合物>
化合物:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン:TGDDM
【0241】
<溶剤>
N−メチル−2−ピロリドン:NMP
γ−ブチロラクトン:GBL
ブチルセロソルブ(エチレングリコールモノブチルエーテル):BC
【0242】
<1.ポリアミック酸の合成>
[合成例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口及び窒素ガス導入口を備えた100mLの四つ口フラスコにDDSEを3.430g(12.409mmol)、及び脱水NMPを54.0g入れ、乾燥窒素気流下攪拌溶解した。次いでPMDAを1.353g(6.204mmol)とCBDAを1.217g(6.204mmol)、及び脱水GBLを15.0g加えて、室温環境下で30時間反応させた。反応中に反応温度が上昇する場合は、反応温度を約70℃以下に抑えて反応させた。得られた溶液に、BCを25.0g加えて、濃度が6重量%のポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液をPA1とする。
【0243】
[合成例2〜10]
表1に示したようにテトラカルボン酸二無水物及びジアミンを変更した以外は、合成例1に準拠してポリアミック酸溶液PA2〜PA10を調製した。合成例1を含めて、結果を表1にまとめた。
【0244】
【表1】

【0245】
<2.液晶表示素子の作製>
[比較例1]
PA1にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈して液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、下記の通り液晶表示素子を作製した。
【0246】
<液晶表示素子の作製方法(実施例1〜5、比較例1〜10)>
液晶配向剤を、二枚のITO電極付きガラス基板にスピンナーにて塗布し、膜厚70nmの膜を形成した。塗膜後80℃にて約5分間加熱乾燥した後、210℃にて20分間加熱処理を行い、液晶配向膜を形成した。次いで、液晶配向膜が形成された基板の表面をラビング装置にてラビング処理して配向処理を行った。その後、液晶配向膜を超純水中で5分間超音波洗浄してからオーブン中120℃で30分間乾燥した。
【0247】
一方のガラス基板に7μmのギャップ材を散布し、液晶配向膜を形成した面を内側にしてラビング方向が逆平行になるように対向配置させた後、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ7μmのアンチパラレルセルを作製した。該セルに、下記に示す液晶組成物を注入し、注入口を光硬化剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、液晶表示素子を作製した。
【0248】
【化64】

【0249】
[実施例1]
比較例1で得られた4重量%の液晶配向剤に、TGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0250】
[比較例2]
PA2にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈して液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、
上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0251】
[実施例2]
比較例2で得られた4重量%の液晶配向剤に、TGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0252】
[比較例3]
PA3にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈して液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0253】
[実施例3]
比較例3で得られた4重量%の液晶配向剤に、TGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0254】
[比較例4]
PA4にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈して液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0255】
[実施例4]
比較例4で得られた4重量%の液晶配向剤に、TGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0256】
[比較例5]
PA5にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈して液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0257】
[実施例5]
比較例5で得られた4重量%の液晶配向剤に、TGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0258】
[比較例6]
PA6にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈し、さらにTGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0259】
[比較例7]
PA7にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈し、さらにTGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0260】
[比較例8]
PA8にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈し、さらにTGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0261】
[比較例9]
PA9にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈し、さらにTGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0262】
[比較例10]
PA10にNMP/BC=1/1(重量比)の混合溶媒を加えて全体をポリアミック酸の濃度が4重量%となるように希釈し、さらにTGDDMをポリアミック酸100重量部に対して20重量部溶解させて液晶配向剤を得た。得られた液晶配向剤を用いて、上記の通り液晶表示素子を作製した。
【0263】
<3.残留電圧の評価>
実施例1〜5、比較例1〜10で作製した液晶表示素子について、残留電圧の測定を行った。測定は、液晶表示素子に、直流3Vをバイアスした30Hz、1.62Vの矩形波を30分印加し、直流電圧を切った直後の液晶セル内に残留した電圧をフリッカー消去法により求めた。残留電圧の値が小さいほど焼き付き現象が発生しづらいと言える。結果を表2に示す。
【0264】
【表2】

【0265】
表2に示されたように、エポキシ化合物を添加した実施例1〜5の液晶配向剤を使用した液晶表示素子では、エポキシ化合物を添加しない比較例1〜5の液晶配向剤と比較して残留電圧を低減させることができる。また、実施例1〜4の液晶配向剤を使用した液晶表示素子では、比較例6〜8の液晶配向剤と比較して残留電圧を低減させることができる。さらに、実施例5の液晶配向剤を使用した液晶表示素子では、比較例9〜10の液晶配向剤と比較して残留電圧を低減させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジアミン又はその誘導体とテトラカルボン酸又はその誘導体との反応生成物であるポリアミック酸又はその誘導体と、2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物とを含有する液晶配向剤であって、
前記ジアミン又はその誘導体は下記一般式(I)で表されるジアミンを含む液晶配向剤。
【化1】

(一般式(I)中、−X1−は、−S−、または−S−(CH2n−S−で表される2価の基であり、nは1〜16の整数である。)
【請求項2】
前記一般式(I)で表されるジアミンの−X1−が、−S−、−S−CH2−S−、−S−(CH22−S−、−S−(CH23−S−、−S−(CH24−S−、−S−(CH25−S−又は−S−(CH26−S−である請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項3】
前記一般式(I)で表されるジアミンの−X1−が、−S−、−S−CH2−S−、−S−(CH22−S−、−S−(CH23−S−、−S−(CH24−S−又は−S−(CH25−S−である請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項4】
前記テトラカルボン酸又はその誘導体が、下記構造式(1)、(14)及び(i)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一種以上を含み、前記ジアミン又はその誘導体が、さらに下記一般式(A)〜(D)及び(XII−A)で表わされる一種以上のジアミンを含む請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
【化2】

【化3】

(一般式(A)中、nは、1から12の整数である。一般式(B1)、(B2)及び(B3)中、−Y1、−Y2、および−Y3はそれぞれ独立して、−Hまたは炭素数1から30のアルキルである。一般式(D)中、A1は独立して、−(CH2m−又は−N(CH3)−(CH2m−N(CH3)−を表す。ここでmは1〜12の整数を表す。一般式(XII−A)中、−Y4は炭素数1から30のアルキル、
【化4】

、または
【化5】

であり、−Y5および−Y6はそれぞれ独立して炭素数1から30のアルキルであり、X2は−CH2−又は−O−を表わす。)
【請求項5】
前記一般式(A)〜(D)及び(XII−A)で表わされるジアミンが、下記構造式(A1)、(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)、(C1)、(C2)、(C3)、(D1)、(D2)、(D3)、(D4)、(XII−2−1)、(XII−4−1)及
び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンである請求項4に記載の液晶配向剤。
【化6】

【請求項6】
前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(A1)、(C1)、(C2)、(C3)、(D1)及び(D2)で表わされる一種以上のジアミンである請求項5に記載の液晶配向剤。
【化7】

【請求項7】
前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(A1)、(D1)及び(D2)で表わされる一種以上のジアミンである請求項6に記載の液晶配向剤。
【化8】

【請求項8】
前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(D2)、(D3)、(D4)、(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンである請求項5に記載の液晶配向剤。
【化9】

【請求項9】
前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(XII−2−1)、(XII−4−1)及び(XII−7−1)で表わされる一種以上のジアミンである請求項8に記載の液晶配向剤。
【化10】

【請求項10】
前記ジアミン又はその誘導体が、下記構造式(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)及び(D1)で表わされる一種以上のジアミンである請求項5に記載の液晶配向剤。
【化11】

【請求項11】
前記構造式(B1−1)、(B2−1)、(B3−1)及び(D1)で表わされる一種以上のジアミンが、前記構造式(B1−1)で表わされるジアミンであり、前記構造式(1)、(14)及び(i)で表わされる一種以上のテトラカルボン酸二無水物が、前記構造式(14)で表わされるテトラカルボン酸二無水物である請求項10に記載の液晶配向剤。
【請求項12】
前記エポキシ化合物が、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、エポキシ基含有アクリル系樹脂、グリシジルアミド、グリシジルイソシアヌレート、鎖状脂肪族型エポキシ化合物、及び環状脂肪族型エポキシ化合物からなる群から選ばれる一以上である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
【請求項13】
前記エポキシ化合物が、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、N−フェニルマレイミド−グリシジルメタクリレート共重合体、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、及びN,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノールから選ばれる一以上であることを特徴とする請求項12に記載の液晶配向剤。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の液晶配向剤の膜を焼成して形成される液晶配向膜。
【請求項15】
対向配置されている一対の基板と、前記一対の基板それぞれの対向している面の一方又は両方に形成されている電極と、前記一対の基板それぞれの対向している面に形成されている液晶配向膜と、前記一対の基板間に形成されている液晶層とを有する液晶表示素子において、前記液晶配向膜は請求項14に記載の液晶配向膜であることを特徴とする液晶表示素子。

【公開番号】特開2010−102184(P2010−102184A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274374(P2008−274374)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【出願人】(596032100)チッソ石油化学株式会社 (309)
【Fターム(参考)】