液晶駆動方法
【課題】電子ペーパー等に使用される液晶駆動装置の駆動方法に関し、特に黒表示が連続した後の白表示に尾引きを発生させることがなく、また白表示が連続した後の黒表示に黒浮きを発生させることがない液晶駆動方法を提供するものである。
【解決手段】液晶駆動方法であって、走査電極の一部を選択状態のリセットライン及び書込みラインと、非選択状態の休止ラインにそれぞれ設定し、上記リセットライン、休止ライン、及び書込みラインをそれぞれシフトさせながら、信号電極に画像データを供給し、上記各ラインの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割し、上記各ラインの書込み期間Wでの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rで上記液晶画素の状態を変化させるために充分な第1の電圧を印加する処理と、上記第1の電圧を印加した後、mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで上記液晶画素の状態を変化させない第2の電圧を印加する処理とを行うことを特徴とする。
【解決手段】液晶駆動方法であって、走査電極の一部を選択状態のリセットライン及び書込みラインと、非選択状態の休止ラインにそれぞれ設定し、上記リセットライン、休止ライン、及び書込みラインをそれぞれシフトさせながら、信号電極に画像データを供給し、上記各ラインの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割し、上記各ラインの書込み期間Wでの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rで上記液晶画素の状態を変化させるために充分な第1の電圧を印加する処理と、上記第1の電圧を印加した後、mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで上記液晶画素の状態を変化させない第2の電圧を印加する処理とを行うことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶駆動方法に関し、特に電子ペーパー等に使用される液晶パネルの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各企業や大学等において電子ペーパーの開発が盛んに進められている。この電子ペーパーの技術が期待される分野として、電子書籍を筆頭として、モバイル端末のサブディスプレイやICカード等の表示部があり、更に電子ペーパーを用いた多様な応用電子機器の提案も行われている。
【0003】
ここで、電子ペーパーの有力な表示方式の1つに、コレステリック液晶を使用する提案がある。コレステリック液晶は、半永久的な表示保持機能を有し、鮮やかなカラー表示や、高コントラスト、高解像性等の優れた特徴を有する。
【0004】
コレステリック液晶は、カイラルネマティック液晶とも称されることがあり、ネマティック液晶にキラル性の添加剤(カイラル材とも称される)を比較的多く(例えば、数10%)添加することにより、ネマティック液晶の分子がらせん状のコレステリック相を形成する液晶である。コレステリック液晶は、その液晶分子の配向状態によって表示制御を行う。例えば、図10(a)、(b)に示すように、コレステリック液晶には入射光を反射するプレーナ状態と、透過するフォーカルコニック状態があり、これらは無電界下でも安定して存在する。
【0005】
同図(a)に示すように、プレーナ状態の時、液晶分子のらせんピッチに応じた波長の光を反射する。尚、らせんピッチはプレーナ状態の液晶分子の1回転長であり、反射が最大となる波長λは、液晶の平均屈折率をn、らせんピッチをpとすると、以下の計算式で示される。
λ=n・p
【0006】
また、液晶層と別に光吸収層を設けることで、同図(b)に示すフォーカルコニック状態において、黒色を表示させることができる。
【0007】
上記コレステリック液晶の応答特性は以下のようである。例えば、液晶に強い電界を与えると、液晶分子のらせん構造は完全に解け、全ての分子が電界の向きに従うホメオトロピック状態となる。次に、ホメオトロピック状態から急激に電界をゼロにすると、液晶のらせん軸は電極に垂直になり、らせんピッチに応じた光を選択的に反射する上記プレーナ状態となる。
【0008】
一方、液晶分子のらせん構造が解けない程度の弱い電界の形成後の電界除去、或いは強い電界をかけ緩やかに電界を除去した場合、液晶のらせん軸は電極に平行になり、入射光を透過する上記フォーカルコニック状態となる。また、中間的な強さの電界を与え、急激に除去すると、プレーナ状態とフォーカルコニック状態が混在し、中間調の表示が可能となる。以上の応答特性を利用して情報の表示を行う。
【0009】
特許文献1はコレステリック液晶を用いた表示素子の駆動方法を提案する発明である。図11に示すように、この発明は書込み期間より先にリセット期間と休止期間を設け、例えばリセットラインとして数本〜数10本のラインを連続して選択し、選択されたライン内の各画素には、書込みラインと同じ電圧が印加される。また、休止ラインには、スキャンが行われない非選択画素と同じ電圧が印加される。尚、同図は書込みライン(書込先頭ライン)がほぼ画面の中央付近に達した状態を示し、画面の下半分は前回表示分の内容であり、上半分は新規表示分の内容である。
【0010】
尚、以下の説明では、セグメント側電極の電極数が240、コモン側電極の電極数が320であり、横240画素、縦320画素の表示パネルとして説明する。また、同図に示す書込みラインの位置を上から170ライン目とし、休止ライン数を1ラインとし、リセットライン数を6ラインとして説明する。したがって、リセットラインの位置は上から172ライン目〜177ライン目であり、駆動パルスの周期を10msとすると、320ラインの表示パネル全体の駆動に3.2sを要する。
【0011】
セグメント側電極には、選択ライン上の画素値に応じて、白画素であれば36V/0V、黒画素であれば24V/12Vの電圧が印加され、選択ラインのコモン側電極には0V/36Vが印加され、非選択ラインのコモン側電極には30V/6Vが印加される。したがって、選択ライン上の全ての白画素には±36Vが印加され、選択ライン上の全ての黒画素には±24Vが印加される。また、非選択ライン上の全ての画素には、±6Vが印加される。
【0012】
上記条件において、リセットライン及び書込みラインに対して、図12に示すタイミングで電圧を印加すると、170ライン目の書き込みラインの画素群については、以下のようになる。尚、同図において、R1〜R6は6回のリセット期間を示し、Pは休止期間であり、Wは書込み期間を示す。
【0013】
先ず、1ライン目〜162ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は非選択状態であり、±6Vが印加される。次に、163ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は選択状態となり、画素値に応じた電圧が印加される。さらに、164ライン目〜168ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は選択状態であり、164ライン目〜168ライン目の各ラインの画素値に応じた電圧が印加される。
【0014】
次に、169ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は非選択状態であり、±6Vが印加される。そして、170ライン目が書込ラインのとき、画素値に応じた電圧が印加される。
【0015】
したがって、170ライン目が書込みラインである時、先行して既に白画素又は黒画素に対応した6回の電圧印加が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2008−33338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上記表示素子の駆動方法では、以下の問題がある。すなわち、163ライン目〜168ライン目の画素が全て黒表示であれば、170ライン目の画素が黒表示であれば良好な表示が行われるが、白表示であれば明るさが足りない表示となる。一方、163ライン目〜168ライン目の画素が全て白表示であれば、170ライン目が白表示であれば良好な表示が行われるが、黒表示であれば暗さの足りない表示となる。
【0018】
したがって、上記従来の表示素子の駆動方法では、本来ならば白表示になる部分が白表示にならない、又は白表示が不充分な現象(以下、尾引きとして示す)や、本来ならば黒表示になる部分が黒表示にならない、又は黒表示が不充分な現象(以下、黒浮きとして示す)が生じる。
【0019】
そこで、本発明は尾引きや黒浮きが発生しない液晶駆動装置の駆動方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題は、走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部に液晶画素が形成され、上記走査電極の一部を選択状態のリセットライン及び書込みラインと、非選択状態の休止ラインにそれぞれ設定し、上記リセットライン、休止ライン、及び書込みラインをそれぞれシフトさせながら、上記信号電極に画像データを供給する液晶駆動装置の駆動方法であって、上記各ラインの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割し、上記各ラインの書込み期間Wでの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rで前記液晶画素の状態を変化させるために充分な第1の電圧を印加する処理と、この第1の電圧を印加した後、mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素の状態を変化させない第2の電圧を印加する処理とを行い、尾引きや黒浮きの発生を防止する。
【発明の効果】
【0021】
上記課題は本発明によれば、リセットライン形成時、細い帯状の電圧を多数回印加することによって、尾引きや黒浮きを無くし、品質のよい表示を行なう液晶駆動方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の液晶駆動方法を説明する駆動回路の回路図である。
【図2】液晶パネルの断面構成を示す図である。
【図3】(a)は60msの駆動パルスを印加した場合のコレステリック液晶の駆動例を示す図であり、(b)は2msの駆動パルスを印加した場合のコレステリック液晶の駆動例を示す図であり、(c)は1msの駆動パルスを印加した場合のコレステリック液晶の駆動例を示す図である。
【図4】初期状態がプレーナ状態である場合、印加するパルス電圧の周期が1ms、2ms、10ms、20ms、100msの時の応答特性を印加電圧に対する反射率の関係として示す図である。
【図5】ドライバICに駆動電圧を印加した時の液晶セルの電圧波形であり、(a)は周期60msの±36Vの電圧が印加された場合の波形図であり、(b)は周期2msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図であり、(c)は周期1msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図である。
【図6】(a)は従来の駆動波形を示し、(b)は本実施形態1の駆動波形を示す。
【図7】(a)は実施形態2の駆動例を示すタイムチャートであり、(b)は実施形態3の駆動例を示すタイムチャートであり、(c)は実施形態4の駆動例を示すタイムチャートであり、(d)は実施形態5の駆動例を示すタイムチャートである。
【図8】(a)は実施形態7の駆動例を示すタイムチャートであり、(b)は実施形態8の駆動例を示すタイムチャートであり、(c)は実施形態9の駆動例を示すタイムチャートであり、(d)は実施形態10の駆動例を示すタイムチャートである。
【図9】従来の駆動波形に対応させて、本実施形態の駆動波形を使用する場合の白飽和度、黒飽和度、及び書込電力の比較を示す図である。
【図10】(a)はコレステリック液晶のプレーナ状態を示す概念図であり、(b)はコレステリック液晶のフォーカルコニック状態を示す概念図である。
【図11】書込み時の表示素子の画面例を示す図である。
【図12】従来のコレステリック液晶の駆動波形を示す図である。
【図13】尾引き及び黒浮きの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の液晶駆動方法を説明する液晶駆動回路の回路図である。
【0024】
同図において、本例の液晶駆動回路1は液晶パネル2、液晶パネル2に形成された液晶画素をダイナミック駆動するドライバIC3、ドライバIC3に各種制御信号を供給するタイミング制御部4、ドライバIC3に電源供給を行う電源部5、及び切替回路6等で構成されている。
ドライバIC3はコモンドライバ3aとセグメントドライバ3bで構成され、コモンドライバ3aから表示パネル2に対して多数の走査電極25が配設され、セグメントドライバ3bから表示パネル2に対して多数の信号電極26が配設されている。また、上記走査電極25と信号電極26はマトリクス状に配設され、走査電極25と信号電極26の交差部には、それぞれに画素が形成されている。走査電極25と信号電極26は、表示パネル2をダイナミック駆動する。
【0025】
尚、電源部5は昇圧部7、電圧形成部8、及びレギュレータ部9で構成され、昇圧部7は例えば3Vの入力電圧を40Vに昇圧する。電圧形成部8は昇圧部7によって昇圧された電圧に基づいて、後述する処理に必要な40V/28V/12V/34V/6Vの基準電圧を生成し、レギュレータ部9を介してドライバIC3に供給する。
また、タイミング制御部4には不図示のクロック生成部から基準クロックを分周した分周信号が供給され、この分周信号に基づいて書込み期間Wやリセット期間Rの設定が行われる。
【0026】
タイミング制御部4は、ドライバIC3に供給する各種信号を生成する。例えば、同図に示す転送クロック、極性反転信号、選択ライン指定信号、駆動開始指示信号を生成し、ドライバIC3に出力する。また、駆動データ選択信号を生成し、切替回路6に出力する。
【0027】
切替回路6は白データ用端子6a、黒データ用端子6b、画像データ用端子6c、及び出力端子6dを含み、上記駆動データ選択信号に従って出力端子6dを何れかの端子に接続し、白データ、又は黒データ、又は画像データをドライバIC3のセグメントドライバに供給する。
【0028】
また、画像データは原画像メモリ10に記憶されており、タイミング制御部4からの画像読出信号によって画像データが読み出され、2値化回路11を介して切替回路6に出力される。そして、上記駆動データ選択信号によって画像データ用端子6cが選択される時、ドライバIC3のセグメントドライバに供給される。
【0029】
駆動開始指示信号はドライバIC3に出力され、240×320画素で構成される表示パネル2の各ライン毎の駆動開始を指示する。また、極性反転信号はドライバIC3から液晶パネル2に供給される駆動電圧の極性切替えを行う。また、転送クロックは、ドライバIC3のセグメントドライバに上記画像データや、白データ、黒データを転送する際の同期信号であり、転送クロックに同期して画像データ等をセグメントドライバに供給する。
【0030】
上記画像データ等はセグメントドライバにシリアルに入力し、1ライン分のデータが入力すると、選択ライン指定信号の出力に同期して不図示のラッチ回路にラッチされ、以後液晶パネル2の表示に使用される。
【0031】
図2は、上記液晶パネル2の断面構成を示す。液晶パネル2は、透光性のフィルム基板14、15、ITO(Indium Tin Oxide)電極16、17、液晶混合物18、液晶混合物18を封止するシール材19、20、及び吸収層21で構成されている。また、ITO電極16、17には駆動回路22が接続され、駆動回路22からパルス状の駆動信号(駆動電圧)がITO電極16、17に供給される。
【0032】
ITO電極16、17は、フィルム基板14、15に垂直な方向から見て互いに交差するように向かい合わせに配設されている。また、上記吸収層21は、光を入射させる側とは反対側のフィルム基板15の裏面に配設されている。
【0033】
フィルム基板14、15としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)等のフィルム基板を使用することができる。また、フィルム基板以外にガラス基板を使用することもできる。
【0034】
また、本実施形態で使用する液晶混合物18は、室温でコレステリック相を示すコレステリック液晶組成物であり、例えばネマティック液晶混合物にカイラル材を10〜40wt%添加したコレステリック液晶である。尚、カイラル材の添加量はネマティック液晶成分とカイラル材の合計量を100wt%としたときの値である。
【0035】
図3は、上記コレステリック液晶の応答特性を印加電圧に対する反射率の関係として示す図である。同図(a)に示すように、初期状態がプレーナ状態である場合、例えば60msのパルス電圧をある範囲に上げるとフォーカルコニック状態の駆動帯域となり、更にパルス電圧を上げると再度プレーナ状態の駆動帯域となる。また、初期状態がフォーカルコニック状態である場合、パルス電圧を上げるにつれて次第にプレーナ状態の駆動帯域となる。尚、初期状態がプレーナ状態、フォーカルコニック状態の何れにもよらず、必ずプレーナ状態になる電圧を、同図では±36Vに設定している。
【0036】
また、同図(b)、(c)に示すように、上記電圧が低い、或いは周期が短いパルス電圧を印加すると、その応答性は高電圧側にシフトする。例えば、オン、オフ電圧が±24Vと±12Vで、周期2msと1msの駆動電圧を印加し、初期状態がプレーナ状態である場合、周期2ms(同図(b))と1ms(同図(c))では、何れも±12Vでは応答性を示さず、プレーナ状態を維持する。一方、±24Vでは、周期2msと1msの双方で応答性を示し、反射率が少し低下した中間調となる。この反射率の低下は周期1msより、周期2msの方が大きい。すなわち、2msの方が低い階調となる。
【0037】
さらに、図4は初期状態がプレーナ状態である場合、印加するパルス電圧の周期が1ms、2ms、10ms、20ms、100msの時の応答特性を印加電圧に対する反射率の関係として示す。同図に示すように、同じ電圧を印加した場合、電圧印加の周期が短いほど高電圧側にシフトすることが分かる。例えば、100msの周期である場合、プレーナ状態からフォーカルコニック状態、更にプレーナ状態に移行する特性は低電圧側であるが、電圧印加の周期が20ms、10ms、2ms、1msと短くなるに従って上記コレステリック液晶の状態変化は高電圧側にシフトする。
【0038】
尚、図5はドライバIC3(コモンドライバ及びセグメントドライバ)に駆動電圧を印加した時の液晶セル(液晶画素)の電圧波形であり、同図(a)は周期60msの±36Vの電圧が印加された場合の波形図であり、同図(b)は周期2msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図であり、同図(c)は周期1msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図である。
【0039】
次に、本実施形態の処理動作を説明する。尚、以下の説明において、従来例との比較を明確にするため、前述の図11に示す画面例との対比において、本実施形態の処理を説明する。すなわち、液晶パネル2の画素数は前述と同様、横240画素、縦320画素であり、セグメント側電極の電極数は240、コモン側電極の電極数は320である。また、書込ライン位置は画面の上から170ライン目であり、非選択ラインとして設定される休止ラインのライン数(m)は本例では1ラインとし、リセット期間Rが設定されるリセットラインのライン数(n)は本例では60ラインとする。したがって、本例においては170ライン目の書込みラインに対するリセットラインの位置は、上から172ライン目〜231ライン目が対応する。
ここで、書込み期間Wはリセットライン及び書き込みラインにおける画像データの書き込み期間であり、リセット期間Rはリセットラインにおいて液晶画素の液晶状態を変化させる電圧印加期間である。
【0040】
また、セグメント側電極には、選択ライン上の画素値に応じて、白画素なら40V/0Vを印加し、黒画素なら28V/12Vを印加し、選択ラインのコモン側電極には0V/40Vを印加し、非選択ラインのコモン側電極には34V/6Vを印加する。したがって、選択ライン上の全ての白画素には±40V、選択ライン上の全ての黒画素には±28Vが印加され、非選択ライン上の全ての画素には±6Vの電圧が印加される。
【0041】
以下、図6(b)に示す駆動波形を参照して170ライン目の画素群について考察する。尚、同図(a)に示すタイムチャートは従来例で説明した図12のタイムチャートであり、本例との対比のため併記する。
【0042】
先ず、1ライン目〜108ライン目が書込ラインである時、170ライン目は非選択状態であり、±6Vの電圧が印加される。
次に、109ライン目が書込ラインのとき、170ライン目の最初の1msには、黒画素に応じた電圧が印加され、残りの9msには、±6Vが印加される。同様に、以後110ライン目〜168ライン目が書込ラインのとき、170ライン目の最初の1msには、黒画素に応じた電圧が印加され、残りの9msには、±6Vが印加される。
【0043】
次に、169ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は非選択状態であり、±6V(第2の電圧)が印加される。そして、170ライン目が書込ラインのとき、170ライン目の最初の1msは非選択状態であり、±6Vが印加され、残りの9msには170ライン目の画素値に応じた電圧が印加される。
【0044】
したがって、170ライン目の画素群には、170ライン目の書込みに先行して、109ライン目〜168ライン目の書込み時の最初の1msに黒画素に対応する電圧(第1の電圧)が60回印加される。したがって、対応する170ライン目の書込み時の画素の状態は、周期60msで12〜26Vが印加された状態に近く、画素値が黒の場合は良好な黒が表示される。また、画素値が白の場合でも、画素状態(周期60msで12〜26Vが印加された状態に近い)を考慮した駆動電圧(40V)とすることで、良好な白が表示される。尚、1msで28Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0045】
上記処理において、前述のタイミング制御部4は、駆動周期の最初の1msに選択ライン・非選択ラインを指定し、駆動データを0(黒)に切り替えてデータを転送し、駆動開始・極性反転処理を指令する。駆動周期の残りの9msにも、選択ライン・非選択ラインを指定し、駆動データを2値化された画像データに切り替えてデータを転送し、駆動開始・極性反転を指令する。
【0046】
上記駆動データの切り替えは、前述の駆動データ選択信号に従って行われ、例えば駆動周期の最初の1msの期間、切替回路6は黒データ用端子6bを入力端子6dに接続し、黒データをセグメントドライバに供給する。また、駆動周期の残りの9msには、画像データ用端子6cを入力端子6dに接続し、画像データをセグメントドライバに供給する。
【0047】
以上のように処理することによって、黒表示が連続した後の白表示であっても尾引きを発生させることがなく、良好な白表示を行うことができる。また、白表示が連続した後の黒表示であっても黒浮きを発生することなく、良好な黒表示を行うことができる。
【0048】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図7(a)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0049】
本例の駆動波形は前述の実施形態1の駆動波形と異なり、書込みラインの最初の1msを非選択ラインではなく、選択ラインとする構成である。すなわち、同図(a)に示す書込みラインの最初の1msを非選択ラインではなく、選択ラインとする構成である。
【0050】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上する。但し、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0051】
尚、前述のタイミング制御部4から転送クロックや、極性反転信号、選択ライン指定信号、駆動開始指示信号をドライバIC3に出力し、選択ラインの切替え等の処理を行い、タイミング制御部4から駆動データ選択信号を切替回路6に出力し、黒データ又は画像データを選択してドライバIC3に出力する制御は前述の実施形態1の処理と同様に行われる。
【0052】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
図7(b)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0053】
本例の駆動波形は上記実施形態の駆動波形と異なり、リセットラインにおける選択期間を最初の1msではなく、最初と最後の0.5msとし、書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく、選択ラインにする構成である。すなわち、109ライン〜168ライン目までのリセットラインにおいて、最初と最後の0.5msに黒画素に応じた電圧を印加し、残りの前後半の4.5msに±6Vの電圧を印加する構成である。また、書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく、選択ラインにする構成である。
【0054】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上するが、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0055】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
図7(c)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0056】
本例の駆動波形は前述の実施形態の駆動波形と異なり、リセットラインにおける選択期間を最初の1msではなく、前半及び後半の5msの開始時の0.5msとする点、及び書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく、選択ラインとすることである。
【0057】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上するが、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うことはないため、帯形成時のピーク電力はやや小さい。
【0058】
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について説明する。
図7(d)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0059】
本例の駆動波形は前述の実施形態の駆動波形と異なり、リセットラインにおける選択期間を最初の1msではなく、前半5msの最後の0.5ms、及び後半5msの最初の0.5msで行うことと、書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく,選択ラインにすることである。
【0060】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上するが、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うため,帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0061】
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0062】
本実施形態の駆動波形は、前述の図6(b)の駆動波形と同じであるが、帯形成電圧が黒画素書込み時の電圧ではなく、白画素書込み時の電圧である。したがって、109ライン〜168ライン目までのリセットラインにおいて、最初の1msに白画素に応じた電圧を印加する。図4から分かるように、周期1msでは、白画素の書込み電圧である40Vでも、黒画素の書込み電圧である28V以上に画素は黒くなる。
【0063】
また、本例の処理では、切替回路6はタイミング制御部4から出力される駆動データ選択信号に従って、白データ用端子6aを入力端子6dに接続し、白データをセグメントドライバに供給する。尚、画像データの選択は前述と同様、画像データ用端子6cを入力端子6dに接続して行う。
【0064】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態2乃至5よりも黒は向上するが、白は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0065】
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0066】
図8(a)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態2の駆動波形と同じであり、書込みラインの最初の1msを非選択ラインではなく、選択ラインとする構成であるが、選択期間に印加されるデータは黒データではなく、白データである。
【0067】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態2の表示結果より、白は向上するが、黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0068】
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0069】
図8(b)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態3の駆動波形に近いが、109ライン〜168ライン目までのリセットラインにおいて、最初と最後の0.5msに黒画素ではなく、白画素に対応した電圧を印加し、残りの前後半の4.5msに±6Vの電圧を印加する。
【0070】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態3の表示結果より、白は向上するが、黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0071】
(実施形態9)
次に、本発明の実施形態9について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0072】
図8(c)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態4の駆動波形に近いが、リセットラインにおける前半及び後半の5msの開始時の0.5msに黒画素ではなく、白画素に対応した電圧を印加する。
【0073】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態4の表示結果より、白は向上するが、黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うことはないため、帯形成時のピーク電力はやや小さい。
【0074】
(実施形態10)
次に、本発明の実施形態10について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0075】
図8(d)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態5の駆動波形に近いが、リセットラインにおける選択期間の前半5msの最後の0.5ms、及び後半5msの最初の0.5msに黒画素ではなく、白画素に対応した電圧を印加する。
【0076】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態5の表示結果より、白は向上するが黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0077】
図9は上記実施形態1〜10について、従来波形を用いた場合との比較を行う図である。尚、同図に示す白飽和度、黒飽和度、書込電力に関する◎、○、△の記号は、従来波形も含め、上記各実施形態1〜10の説明において記載した評価をまとめたものであり、◎は極めて良好な結果を示し、○は良好の結果を示し、△は問題であることを示す。
【0078】
また、セグメントデータ書込回数の項目は、セグメントドライバにデータを書き込む回数を記載するものであり、セグメントドライバへのデータ書き込みはリセットラインと書込みラインにおいて同じ回数である。例えば、実施形態1の基本波形の場合、黒データと画像データを書き込むため2回であり、実施形態2の場合も同様、黒データと画像データを書き込むため2回である。また、実施形態3の場合には、リセットラインにおいて、最初と最後の0.5msに黒データを出力するため、画像データと黒データ2回を書き込むため3回となる。以下、同図に示す通りである。
【0079】
また、コモンデータ書込回数については、リセットラインと書込みラインで異なり、同図に示す通りである。例えば、リセットラインについては黒データ(又は白データ)と画像データを書き込む際、対応するライン(細い帯)を選択する必要があり、セグメントドライバの書込回数と同じであるが、書込みラインについては実施形態1の場合を除いて1回である。実施形態1においては、最初の1msを非選択に設定するためである。
【0080】
以上の各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置の駆動方法であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する処理と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する処理と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する処理と、
を行うことを特徴とする液晶駆動方法。
(付記2)
前記nは、10を超える整数であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記3)
前記mは、2以下の整数であることを特徴とする付記1、又は2記載の液晶駆動方法。
(付記4)
前記リセット期間Rの時間の合計/前記書込み期間Wの時間の合計は、0.05〜0.2であることを特徴とする付記1乃至3記載の液晶駆動方法。
(付記5)
前記第1の電圧は、前記書込み期間Wにおける透過状態の書込み電圧であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記6)
前記第1の電圧は、前記書込み期間Wにおける反射状態の書込み電圧であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動装置。
(付記7)
前記nラインに渡って前記リセット期間Rで前記液晶画素の状態を変化させるために充分な第1の電圧は、前記nライン中のn1ラインにつては透過状態の書込み電圧であり、前記nライン中のn2ラインにつては反射状態の書込み電圧であり、前記n1ラインとn2ラインの合計はnラインであるあることを特徴とする付記1記載の液晶駆動装置。
(付記8)
前記各ラインの書込み時におけるリセット期間Rに前記第1の電圧、又は第2の電圧を印加することを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記9)
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W、リセット期間R/2の順番であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記10)
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W/2、リセット期間R/2、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記11)
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、書込み期間W/2、リセット期間R、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記12)
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する手段と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
を有することを特徴とする液晶駆動装置。
【符号の説明】
【0081】
1 液晶駆動装置
2 液晶パネル
3 ドライバIC
3a コモンドライバ
3b セグメントドライバ
4 タイミング制御部
5 電源部
6 切替回路
6a 白データ用端子
6b 黒データ用端子
6c 画像データ用端子
6d 入力端子
7 昇圧部
8 電圧形成部
9 レギュレータ部
14、15 透光性のフィルム基板
16、17 ITO電極
18 液晶混合物
19、20 シール材
21 吸収層
22 駆動回路
25 走査電極
26 信号電極
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶駆動方法に関し、特に電子ペーパー等に使用される液晶パネルの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各企業や大学等において電子ペーパーの開発が盛んに進められている。この電子ペーパーの技術が期待される分野として、電子書籍を筆頭として、モバイル端末のサブディスプレイやICカード等の表示部があり、更に電子ペーパーを用いた多様な応用電子機器の提案も行われている。
【0003】
ここで、電子ペーパーの有力な表示方式の1つに、コレステリック液晶を使用する提案がある。コレステリック液晶は、半永久的な表示保持機能を有し、鮮やかなカラー表示や、高コントラスト、高解像性等の優れた特徴を有する。
【0004】
コレステリック液晶は、カイラルネマティック液晶とも称されることがあり、ネマティック液晶にキラル性の添加剤(カイラル材とも称される)を比較的多く(例えば、数10%)添加することにより、ネマティック液晶の分子がらせん状のコレステリック相を形成する液晶である。コレステリック液晶は、その液晶分子の配向状態によって表示制御を行う。例えば、図10(a)、(b)に示すように、コレステリック液晶には入射光を反射するプレーナ状態と、透過するフォーカルコニック状態があり、これらは無電界下でも安定して存在する。
【0005】
同図(a)に示すように、プレーナ状態の時、液晶分子のらせんピッチに応じた波長の光を反射する。尚、らせんピッチはプレーナ状態の液晶分子の1回転長であり、反射が最大となる波長λは、液晶の平均屈折率をn、らせんピッチをpとすると、以下の計算式で示される。
λ=n・p
【0006】
また、液晶層と別に光吸収層を設けることで、同図(b)に示すフォーカルコニック状態において、黒色を表示させることができる。
【0007】
上記コレステリック液晶の応答特性は以下のようである。例えば、液晶に強い電界を与えると、液晶分子のらせん構造は完全に解け、全ての分子が電界の向きに従うホメオトロピック状態となる。次に、ホメオトロピック状態から急激に電界をゼロにすると、液晶のらせん軸は電極に垂直になり、らせんピッチに応じた光を選択的に反射する上記プレーナ状態となる。
【0008】
一方、液晶分子のらせん構造が解けない程度の弱い電界の形成後の電界除去、或いは強い電界をかけ緩やかに電界を除去した場合、液晶のらせん軸は電極に平行になり、入射光を透過する上記フォーカルコニック状態となる。また、中間的な強さの電界を与え、急激に除去すると、プレーナ状態とフォーカルコニック状態が混在し、中間調の表示が可能となる。以上の応答特性を利用して情報の表示を行う。
【0009】
特許文献1はコレステリック液晶を用いた表示素子の駆動方法を提案する発明である。図11に示すように、この発明は書込み期間より先にリセット期間と休止期間を設け、例えばリセットラインとして数本〜数10本のラインを連続して選択し、選択されたライン内の各画素には、書込みラインと同じ電圧が印加される。また、休止ラインには、スキャンが行われない非選択画素と同じ電圧が印加される。尚、同図は書込みライン(書込先頭ライン)がほぼ画面の中央付近に達した状態を示し、画面の下半分は前回表示分の内容であり、上半分は新規表示分の内容である。
【0010】
尚、以下の説明では、セグメント側電極の電極数が240、コモン側電極の電極数が320であり、横240画素、縦320画素の表示パネルとして説明する。また、同図に示す書込みラインの位置を上から170ライン目とし、休止ライン数を1ラインとし、リセットライン数を6ラインとして説明する。したがって、リセットラインの位置は上から172ライン目〜177ライン目であり、駆動パルスの周期を10msとすると、320ラインの表示パネル全体の駆動に3.2sを要する。
【0011】
セグメント側電極には、選択ライン上の画素値に応じて、白画素であれば36V/0V、黒画素であれば24V/12Vの電圧が印加され、選択ラインのコモン側電極には0V/36Vが印加され、非選択ラインのコモン側電極には30V/6Vが印加される。したがって、選択ライン上の全ての白画素には±36Vが印加され、選択ライン上の全ての黒画素には±24Vが印加される。また、非選択ライン上の全ての画素には、±6Vが印加される。
【0012】
上記条件において、リセットライン及び書込みラインに対して、図12に示すタイミングで電圧を印加すると、170ライン目の書き込みラインの画素群については、以下のようになる。尚、同図において、R1〜R6は6回のリセット期間を示し、Pは休止期間であり、Wは書込み期間を示す。
【0013】
先ず、1ライン目〜162ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は非選択状態であり、±6Vが印加される。次に、163ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は選択状態となり、画素値に応じた電圧が印加される。さらに、164ライン目〜168ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は選択状態であり、164ライン目〜168ライン目の各ラインの画素値に応じた電圧が印加される。
【0014】
次に、169ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は非選択状態であり、±6Vが印加される。そして、170ライン目が書込ラインのとき、画素値に応じた電圧が印加される。
【0015】
したがって、170ライン目が書込みラインである時、先行して既に白画素又は黒画素に対応した6回の電圧印加が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2008−33338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上記表示素子の駆動方法では、以下の問題がある。すなわち、163ライン目〜168ライン目の画素が全て黒表示であれば、170ライン目の画素が黒表示であれば良好な表示が行われるが、白表示であれば明るさが足りない表示となる。一方、163ライン目〜168ライン目の画素が全て白表示であれば、170ライン目が白表示であれば良好な表示が行われるが、黒表示であれば暗さの足りない表示となる。
【0018】
したがって、上記従来の表示素子の駆動方法では、本来ならば白表示になる部分が白表示にならない、又は白表示が不充分な現象(以下、尾引きとして示す)や、本来ならば黒表示になる部分が黒表示にならない、又は黒表示が不充分な現象(以下、黒浮きとして示す)が生じる。
【0019】
そこで、本発明は尾引きや黒浮きが発生しない液晶駆動装置の駆動方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題は、走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部に液晶画素が形成され、上記走査電極の一部を選択状態のリセットライン及び書込みラインと、非選択状態の休止ラインにそれぞれ設定し、上記リセットライン、休止ライン、及び書込みラインをそれぞれシフトさせながら、上記信号電極に画像データを供給する液晶駆動装置の駆動方法であって、上記各ラインの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割し、上記各ラインの書込み期間Wでの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rで前記液晶画素の状態を変化させるために充分な第1の電圧を印加する処理と、この第1の電圧を印加した後、mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素の状態を変化させない第2の電圧を印加する処理とを行い、尾引きや黒浮きの発生を防止する。
【発明の効果】
【0021】
上記課題は本発明によれば、リセットライン形成時、細い帯状の電圧を多数回印加することによって、尾引きや黒浮きを無くし、品質のよい表示を行なう液晶駆動方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の液晶駆動方法を説明する駆動回路の回路図である。
【図2】液晶パネルの断面構成を示す図である。
【図3】(a)は60msの駆動パルスを印加した場合のコレステリック液晶の駆動例を示す図であり、(b)は2msの駆動パルスを印加した場合のコレステリック液晶の駆動例を示す図であり、(c)は1msの駆動パルスを印加した場合のコレステリック液晶の駆動例を示す図である。
【図4】初期状態がプレーナ状態である場合、印加するパルス電圧の周期が1ms、2ms、10ms、20ms、100msの時の応答特性を印加電圧に対する反射率の関係として示す図である。
【図5】ドライバICに駆動電圧を印加した時の液晶セルの電圧波形であり、(a)は周期60msの±36Vの電圧が印加された場合の波形図であり、(b)は周期2msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図であり、(c)は周期1msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図である。
【図6】(a)は従来の駆動波形を示し、(b)は本実施形態1の駆動波形を示す。
【図7】(a)は実施形態2の駆動例を示すタイムチャートであり、(b)は実施形態3の駆動例を示すタイムチャートであり、(c)は実施形態4の駆動例を示すタイムチャートであり、(d)は実施形態5の駆動例を示すタイムチャートである。
【図8】(a)は実施形態7の駆動例を示すタイムチャートであり、(b)は実施形態8の駆動例を示すタイムチャートであり、(c)は実施形態9の駆動例を示すタイムチャートであり、(d)は実施形態10の駆動例を示すタイムチャートである。
【図9】従来の駆動波形に対応させて、本実施形態の駆動波形を使用する場合の白飽和度、黒飽和度、及び書込電力の比較を示す図である。
【図10】(a)はコレステリック液晶のプレーナ状態を示す概念図であり、(b)はコレステリック液晶のフォーカルコニック状態を示す概念図である。
【図11】書込み時の表示素子の画面例を示す図である。
【図12】従来のコレステリック液晶の駆動波形を示す図である。
【図13】尾引き及び黒浮きの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態の液晶駆動方法を説明する液晶駆動回路の回路図である。
【0024】
同図において、本例の液晶駆動回路1は液晶パネル2、液晶パネル2に形成された液晶画素をダイナミック駆動するドライバIC3、ドライバIC3に各種制御信号を供給するタイミング制御部4、ドライバIC3に電源供給を行う電源部5、及び切替回路6等で構成されている。
ドライバIC3はコモンドライバ3aとセグメントドライバ3bで構成され、コモンドライバ3aから表示パネル2に対して多数の走査電極25が配設され、セグメントドライバ3bから表示パネル2に対して多数の信号電極26が配設されている。また、上記走査電極25と信号電極26はマトリクス状に配設され、走査電極25と信号電極26の交差部には、それぞれに画素が形成されている。走査電極25と信号電極26は、表示パネル2をダイナミック駆動する。
【0025】
尚、電源部5は昇圧部7、電圧形成部8、及びレギュレータ部9で構成され、昇圧部7は例えば3Vの入力電圧を40Vに昇圧する。電圧形成部8は昇圧部7によって昇圧された電圧に基づいて、後述する処理に必要な40V/28V/12V/34V/6Vの基準電圧を生成し、レギュレータ部9を介してドライバIC3に供給する。
また、タイミング制御部4には不図示のクロック生成部から基準クロックを分周した分周信号が供給され、この分周信号に基づいて書込み期間Wやリセット期間Rの設定が行われる。
【0026】
タイミング制御部4は、ドライバIC3に供給する各種信号を生成する。例えば、同図に示す転送クロック、極性反転信号、選択ライン指定信号、駆動開始指示信号を生成し、ドライバIC3に出力する。また、駆動データ選択信号を生成し、切替回路6に出力する。
【0027】
切替回路6は白データ用端子6a、黒データ用端子6b、画像データ用端子6c、及び出力端子6dを含み、上記駆動データ選択信号に従って出力端子6dを何れかの端子に接続し、白データ、又は黒データ、又は画像データをドライバIC3のセグメントドライバに供給する。
【0028】
また、画像データは原画像メモリ10に記憶されており、タイミング制御部4からの画像読出信号によって画像データが読み出され、2値化回路11を介して切替回路6に出力される。そして、上記駆動データ選択信号によって画像データ用端子6cが選択される時、ドライバIC3のセグメントドライバに供給される。
【0029】
駆動開始指示信号はドライバIC3に出力され、240×320画素で構成される表示パネル2の各ライン毎の駆動開始を指示する。また、極性反転信号はドライバIC3から液晶パネル2に供給される駆動電圧の極性切替えを行う。また、転送クロックは、ドライバIC3のセグメントドライバに上記画像データや、白データ、黒データを転送する際の同期信号であり、転送クロックに同期して画像データ等をセグメントドライバに供給する。
【0030】
上記画像データ等はセグメントドライバにシリアルに入力し、1ライン分のデータが入力すると、選択ライン指定信号の出力に同期して不図示のラッチ回路にラッチされ、以後液晶パネル2の表示に使用される。
【0031】
図2は、上記液晶パネル2の断面構成を示す。液晶パネル2は、透光性のフィルム基板14、15、ITO(Indium Tin Oxide)電極16、17、液晶混合物18、液晶混合物18を封止するシール材19、20、及び吸収層21で構成されている。また、ITO電極16、17には駆動回路22が接続され、駆動回路22からパルス状の駆動信号(駆動電圧)がITO電極16、17に供給される。
【0032】
ITO電極16、17は、フィルム基板14、15に垂直な方向から見て互いに交差するように向かい合わせに配設されている。また、上記吸収層21は、光を入射させる側とは反対側のフィルム基板15の裏面に配設されている。
【0033】
フィルム基板14、15としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)等のフィルム基板を使用することができる。また、フィルム基板以外にガラス基板を使用することもできる。
【0034】
また、本実施形態で使用する液晶混合物18は、室温でコレステリック相を示すコレステリック液晶組成物であり、例えばネマティック液晶混合物にカイラル材を10〜40wt%添加したコレステリック液晶である。尚、カイラル材の添加量はネマティック液晶成分とカイラル材の合計量を100wt%としたときの値である。
【0035】
図3は、上記コレステリック液晶の応答特性を印加電圧に対する反射率の関係として示す図である。同図(a)に示すように、初期状態がプレーナ状態である場合、例えば60msのパルス電圧をある範囲に上げるとフォーカルコニック状態の駆動帯域となり、更にパルス電圧を上げると再度プレーナ状態の駆動帯域となる。また、初期状態がフォーカルコニック状態である場合、パルス電圧を上げるにつれて次第にプレーナ状態の駆動帯域となる。尚、初期状態がプレーナ状態、フォーカルコニック状態の何れにもよらず、必ずプレーナ状態になる電圧を、同図では±36Vに設定している。
【0036】
また、同図(b)、(c)に示すように、上記電圧が低い、或いは周期が短いパルス電圧を印加すると、その応答性は高電圧側にシフトする。例えば、オン、オフ電圧が±24Vと±12Vで、周期2msと1msの駆動電圧を印加し、初期状態がプレーナ状態である場合、周期2ms(同図(b))と1ms(同図(c))では、何れも±12Vでは応答性を示さず、プレーナ状態を維持する。一方、±24Vでは、周期2msと1msの双方で応答性を示し、反射率が少し低下した中間調となる。この反射率の低下は周期1msより、周期2msの方が大きい。すなわち、2msの方が低い階調となる。
【0037】
さらに、図4は初期状態がプレーナ状態である場合、印加するパルス電圧の周期が1ms、2ms、10ms、20ms、100msの時の応答特性を印加電圧に対する反射率の関係として示す。同図に示すように、同じ電圧を印加した場合、電圧印加の周期が短いほど高電圧側にシフトすることが分かる。例えば、100msの周期である場合、プレーナ状態からフォーカルコニック状態、更にプレーナ状態に移行する特性は低電圧側であるが、電圧印加の周期が20ms、10ms、2ms、1msと短くなるに従って上記コレステリック液晶の状態変化は高電圧側にシフトする。
【0038】
尚、図5はドライバIC3(コモンドライバ及びセグメントドライバ)に駆動電圧を印加した時の液晶セル(液晶画素)の電圧波形であり、同図(a)は周期60msの±36Vの電圧が印加された場合の波形図であり、同図(b)は周期2msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図であり、同図(c)は周期1msの±24Vの電圧が印加された場合の波形図である。
【0039】
次に、本実施形態の処理動作を説明する。尚、以下の説明において、従来例との比較を明確にするため、前述の図11に示す画面例との対比において、本実施形態の処理を説明する。すなわち、液晶パネル2の画素数は前述と同様、横240画素、縦320画素であり、セグメント側電極の電極数は240、コモン側電極の電極数は320である。また、書込ライン位置は画面の上から170ライン目であり、非選択ラインとして設定される休止ラインのライン数(m)は本例では1ラインとし、リセット期間Rが設定されるリセットラインのライン数(n)は本例では60ラインとする。したがって、本例においては170ライン目の書込みラインに対するリセットラインの位置は、上から172ライン目〜231ライン目が対応する。
ここで、書込み期間Wはリセットライン及び書き込みラインにおける画像データの書き込み期間であり、リセット期間Rはリセットラインにおいて液晶画素の液晶状態を変化させる電圧印加期間である。
【0040】
また、セグメント側電極には、選択ライン上の画素値に応じて、白画素なら40V/0Vを印加し、黒画素なら28V/12Vを印加し、選択ラインのコモン側電極には0V/40Vを印加し、非選択ラインのコモン側電極には34V/6Vを印加する。したがって、選択ライン上の全ての白画素には±40V、選択ライン上の全ての黒画素には±28Vが印加され、非選択ライン上の全ての画素には±6Vの電圧が印加される。
【0041】
以下、図6(b)に示す駆動波形を参照して170ライン目の画素群について考察する。尚、同図(a)に示すタイムチャートは従来例で説明した図12のタイムチャートであり、本例との対比のため併記する。
【0042】
先ず、1ライン目〜108ライン目が書込ラインである時、170ライン目は非選択状態であり、±6Vの電圧が印加される。
次に、109ライン目が書込ラインのとき、170ライン目の最初の1msには、黒画素に応じた電圧が印加され、残りの9msには、±6Vが印加される。同様に、以後110ライン目〜168ライン目が書込ラインのとき、170ライン目の最初の1msには、黒画素に応じた電圧が印加され、残りの9msには、±6Vが印加される。
【0043】
次に、169ライン目が書込ラインのとき、170ライン目は非選択状態であり、±6V(第2の電圧)が印加される。そして、170ライン目が書込ラインのとき、170ライン目の最初の1msは非選択状態であり、±6Vが印加され、残りの9msには170ライン目の画素値に応じた電圧が印加される。
【0044】
したがって、170ライン目の画素群には、170ライン目の書込みに先行して、109ライン目〜168ライン目の書込み時の最初の1msに黒画素に対応する電圧(第1の電圧)が60回印加される。したがって、対応する170ライン目の書込み時の画素の状態は、周期60msで12〜26Vが印加された状態に近く、画素値が黒の場合は良好な黒が表示される。また、画素値が白の場合でも、画素状態(周期60msで12〜26Vが印加された状態に近い)を考慮した駆動電圧(40V)とすることで、良好な白が表示される。尚、1msで28Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0045】
上記処理において、前述のタイミング制御部4は、駆動周期の最初の1msに選択ライン・非選択ラインを指定し、駆動データを0(黒)に切り替えてデータを転送し、駆動開始・極性反転処理を指令する。駆動周期の残りの9msにも、選択ライン・非選択ラインを指定し、駆動データを2値化された画像データに切り替えてデータを転送し、駆動開始・極性反転を指令する。
【0046】
上記駆動データの切り替えは、前述の駆動データ選択信号に従って行われ、例えば駆動周期の最初の1msの期間、切替回路6は黒データ用端子6bを入力端子6dに接続し、黒データをセグメントドライバに供給する。また、駆動周期の残りの9msには、画像データ用端子6cを入力端子6dに接続し、画像データをセグメントドライバに供給する。
【0047】
以上のように処理することによって、黒表示が連続した後の白表示であっても尾引きを発生させることがなく、良好な白表示を行うことができる。また、白表示が連続した後の黒表示であっても黒浮きを発生することなく、良好な黒表示を行うことができる。
【0048】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図7(a)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0049】
本例の駆動波形は前述の実施形態1の駆動波形と異なり、書込みラインの最初の1msを非選択ラインではなく、選択ラインとする構成である。すなわち、同図(a)に示す書込みラインの最初の1msを非選択ラインではなく、選択ラインとする構成である。
【0050】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上する。但し、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0051】
尚、前述のタイミング制御部4から転送クロックや、極性反転信号、選択ライン指定信号、駆動開始指示信号をドライバIC3に出力し、選択ラインの切替え等の処理を行い、タイミング制御部4から駆動データ選択信号を切替回路6に出力し、黒データ又は画像データを選択してドライバIC3に出力する制御は前述の実施形態1の処理と同様に行われる。
【0052】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
図7(b)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0053】
本例の駆動波形は上記実施形態の駆動波形と異なり、リセットラインにおける選択期間を最初の1msではなく、最初と最後の0.5msとし、書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく、選択ラインにする構成である。すなわち、109ライン〜168ライン目までのリセットラインにおいて、最初と最後の0.5msに黒画素に応じた電圧を印加し、残りの前後半の4.5msに±6Vの電圧を印加する構成である。また、書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく、選択ラインにする構成である。
【0054】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上するが、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0055】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について説明する。
図7(c)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0056】
本例の駆動波形は前述の実施形態の駆動波形と異なり、リセットラインにおける選択期間を最初の1msではなく、前半及び後半の5msの開始時の0.5msとする点、及び書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく、選択ラインとすることである。
【0057】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上するが、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うことはないため、帯形成時のピーク電力はやや小さい。
【0058】
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5について説明する。
図7(d)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0059】
本例の駆動波形は前述の実施形態の駆動波形と異なり、リセットラインにおける選択期間を最初の1msではなく、前半5msの最後の0.5ms、及び後半5msの最初の0.5msで行うことと、書込みラインの帯形成時を非選択ラインではなく,選択ラインにすることである。
【0060】
このように構成することにより、黒画素の電圧での駆動時間が伸びるため、黒は基本波形より向上するが、白は劣化する。また、1msで28Vの充放電を2回行うため,帯形成時のピーク電力はやや大きい。
【0061】
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0062】
本実施形態の駆動波形は、前述の図6(b)の駆動波形と同じであるが、帯形成電圧が黒画素書込み時の電圧ではなく、白画素書込み時の電圧である。したがって、109ライン〜168ライン目までのリセットラインにおいて、最初の1msに白画素に応じた電圧を印加する。図4から分かるように、周期1msでは、白画素の書込み電圧である40Vでも、黒画素の書込み電圧である28V以上に画素は黒くなる。
【0063】
また、本例の処理では、切替回路6はタイミング制御部4から出力される駆動データ選択信号に従って、白データ用端子6aを入力端子6dに接続し、白データをセグメントドライバに供給する。尚、画像データの選択は前述と同様、画像データ用端子6cを入力端子6dに接続して行う。
【0064】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態2乃至5よりも黒は向上するが、白は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0065】
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0066】
図8(a)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態2の駆動波形と同じであり、書込みラインの最初の1msを非選択ラインではなく、選択ラインとする構成であるが、選択期間に印加されるデータは黒データではなく、白データである。
【0067】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態2の表示結果より、白は向上するが、黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0068】
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0069】
図8(b)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態3の駆動波形に近いが、109ライン〜168ライン目までのリセットラインにおいて、最初と最後の0.5msに黒画素ではなく、白画素に対応した電圧を印加し、残りの前後半の4.5msに±6Vの電圧を印加する。
【0070】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態3の表示結果より、白は向上するが、黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0071】
(実施形態9)
次に、本発明の実施形態9について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0072】
図8(c)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態4の駆動波形に近いが、リセットラインにおける前半及び後半の5msの開始時の0.5msに黒画素ではなく、白画素に対応した電圧を印加する。
【0073】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態4の表示結果より、白は向上するが、黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うことはないため、帯形成時のピーク電力はやや小さい。
【0074】
(実施形態10)
次に、本発明の実施形態10について説明する。尚、本例においても、液晶駆動装置は前述の図1で説明した回路構成を有し、また液晶パネル2も前述の図2で説明した構成である。
【0075】
図8(d)は本例の液晶駆動装置を使用した駆動波形を示す図であり、本例の駆動波形は前述の実施形態5の駆動波形に近いが、リセットラインにおける選択期間の前半5msの最後の0.5ms、及び後半5msの最初の0.5msに黒画素ではなく、白画素に対応した電圧を印加する。
【0076】
したがって、このように構成することにより、前述の実施形態5の表示結果より、白は向上するが黒は劣化する。また、1msで40Vの充放電を2回行うため、帯形成時のピーク電力は大きい。
【0077】
図9は上記実施形態1〜10について、従来波形を用いた場合との比較を行う図である。尚、同図に示す白飽和度、黒飽和度、書込電力に関する◎、○、△の記号は、従来波形も含め、上記各実施形態1〜10の説明において記載した評価をまとめたものであり、◎は極めて良好な結果を示し、○は良好の結果を示し、△は問題であることを示す。
【0078】
また、セグメントデータ書込回数の項目は、セグメントドライバにデータを書き込む回数を記載するものであり、セグメントドライバへのデータ書き込みはリセットラインと書込みラインにおいて同じ回数である。例えば、実施形態1の基本波形の場合、黒データと画像データを書き込むため2回であり、実施形態2の場合も同様、黒データと画像データを書き込むため2回である。また、実施形態3の場合には、リセットラインにおいて、最初と最後の0.5msに黒データを出力するため、画像データと黒データ2回を書き込むため3回となる。以下、同図に示す通りである。
【0079】
また、コモンデータ書込回数については、リセットラインと書込みラインで異なり、同図に示す通りである。例えば、リセットラインについては黒データ(又は白データ)と画像データを書き込む際、対応するライン(細い帯)を選択する必要があり、セグメントドライバの書込回数と同じであるが、書込みラインについては実施形態1の場合を除いて1回である。実施形態1においては、最初の1msを非選択に設定するためである。
【0080】
以上の各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置の駆動方法であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する処理と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する処理と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する処理と、
を行うことを特徴とする液晶駆動方法。
(付記2)
前記nは、10を超える整数であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記3)
前記mは、2以下の整数であることを特徴とする付記1、又は2記載の液晶駆動方法。
(付記4)
前記リセット期間Rの時間の合計/前記書込み期間Wの時間の合計は、0.05〜0.2であることを特徴とする付記1乃至3記載の液晶駆動方法。
(付記5)
前記第1の電圧は、前記書込み期間Wにおける透過状態の書込み電圧であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記6)
前記第1の電圧は、前記書込み期間Wにおける反射状態の書込み電圧であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動装置。
(付記7)
前記nラインに渡って前記リセット期間Rで前記液晶画素の状態を変化させるために充分な第1の電圧は、前記nライン中のn1ラインにつては透過状態の書込み電圧であり、前記nライン中のn2ラインにつては反射状態の書込み電圧であり、前記n1ラインとn2ラインの合計はnラインであるあることを特徴とする付記1記載の液晶駆動装置。
(付記8)
前記各ラインの書込み時におけるリセット期間Rに前記第1の電圧、又は第2の電圧を印加することを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記9)
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W、リセット期間R/2の順番であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記10)
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W/2、リセット期間R/2、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記11)
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、書込み期間W/2、リセット期間R、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする付記1記載の液晶駆動方法。
(付記12)
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する手段と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
を有することを特徴とする液晶駆動装置。
【符号の説明】
【0081】
1 液晶駆動装置
2 液晶パネル
3 ドライバIC
3a コモンドライバ
3b セグメントドライバ
4 タイミング制御部
5 電源部
6 切替回路
6a 白データ用端子
6b 黒データ用端子
6c 画像データ用端子
6d 入力端子
7 昇圧部
8 電圧形成部
9 レギュレータ部
14、15 透光性のフィルム基板
16、17 ITO電極
18 液晶混合物
19、20 シール材
21 吸収層
22 駆動回路
25 走査電極
26 信号電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置の駆動方法であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する処理と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する処理と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する処理と、
を行うことを特徴とする液晶駆動方法。
【請求項2】
前記駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W、リセット期間R/2の順番であることを特徴とする請求項1記載の液晶駆動方法。
【請求項3】
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W/2、リセット期間R/2、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする請求項1記載の液晶駆動方法。
【請求項4】
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、書込み期間W/2、リセット期間R、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする請求項1記載の液晶駆動方法。
【請求項5】
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する手段と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
を有することを特徴とする液晶駆動装置。
【請求項1】
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置の駆動方法であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する処理と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する処理と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する処理と、
を行うことを特徴とする液晶駆動方法。
【請求項2】
前記駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W、リセット期間R/2の順番であることを特徴とする請求項1記載の液晶駆動方法。
【請求項3】
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、リセット期間R/2、書込み期間W/2、リセット期間R/2、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする請求項1記載の液晶駆動方法。
【請求項4】
前記各ラインの駆動周期において、前記リセット期間Rと書込み期間Wは、書込み期間W/2、リセット期間R、書込み期間W/2の順番であることを特徴とする請求項1記載の液晶駆動方法。
【請求項5】
走査電極と信号電極がマトリクス状に配設され、前記走査電極と信号電極の交差部それぞれに液晶画素が形成され、
前記走査電極と平行な方向に、前記液晶画素が連なったリセットラインと、書込みラインと、該リセットラインおよび該書き込みラインとは異なる休止ラインとを設定し、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとをそれぞれ該走査電極と交差する方向にシフトさせながら、該設定された書込みラインに対応する画像データを前記信号電極に供給する液晶駆動装置であって、
前記リセットラインと前記休止ラインと前記書込みラインとの駆動周期をリセット期間Rと書込み期間Wに分割する手段と、
前記書込み期間Wでの前記信号電極による前記書き込みラインへの書込みに先立って、nラインに渡って前記リセット期間Rに、前記液晶画素における液晶の状態が変化する第1の電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
mラインに渡って前記リセット期間R及び書込み期間Wで前記液晶画素における前記液晶の状態が変化しない第2の電圧を印加する第2の電圧印加手段と、
を有することを特徴とする液晶駆動装置。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図2】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図2】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−123116(P2011−123116A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278606(P2009−278606)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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