説明

液滴吐出装置

【課題】搬送部材の過剰な帯電を抑制する。
【解決手段】搬送ベルト28に当接する基体54の角部をクリーナ部62とし、搬送ベルト28上の付着物をクリーニングする。また、クリーナ部62より搬送ベルト28の回転方向下流側で搬送ベルト28に対向する基体54の平面部54Cに帯電部60を設ける。この帯電部60を液体を吸収可能な部材で形成して、帯電部60にシリコーンオイルを含浸させ、帯電部60には、搬送ベルト28の帯電と共に、搬送ベルト28へのシリコーンオイルの塗布を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、記録媒体を保持し液滴吐出ヘッドに対向させて搬送する搬送部材と、搬送部材を帯電して記録媒体を搬送部材に静電吸着させる帯電手段とを備える液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴吐出装置としてのインクジェットプリンタでは、帯電ロール等の帯電手段によって用紙Pを搬送ベルトや搬送ドラム等の搬送部材に押圧すると共に帯電することで、または、搬送部材に交番電界を形成することで、用紙と搬送部材との間に静電吸着力を発生させ、用紙を搬送部材に吸着させる。そして、この状態で用紙を記録ヘッドのインク滴の吐出領域で搬送し、用紙に画像を記録させる(例えば、特許文献1、2参照)。これによって、用紙と記録ヘッドのノズル面との距離(以下、TD:Throw Distanceという)の均一性が高くなり、用紙上におけるインク滴の着弾位置の精度が向上し、画質が向上する。
【0003】
また、近年は、更なる用紙上におけるインク滴の着弾位置の精度向上、即ち、更なる高画質化を目的として、TDを、1〜2mmと狭くすることが行われている。一方、TDの均一性を高めるためには、用紙と搬送部材との静電吸着力を強くすることが要求され、また、温湿度等の環境の変化や用紙の種類の違いによってTDの均一性が低下しないようにするためには、用紙と搬送部材との静電吸着力をさらに強くすることが要求される。
【0004】
このため、用紙の搬送部材からの剥離不良が発生したり、図7に示すように、記録ヘッド32と搬送ベルト28との間に発生する静電吸着力が強くなり、搬送ベルト28が浮上して記録ヘッド32に接触するトラブルが発生したりする場合があった。搬送ベルト28が記録ヘッド32に接触すると、搬送ベルト28がインクで汚れたり、搬送ベルト28を介して一の記録ヘッド32から他の記録ヘッド32へインクが移って混色が起こったり、搬送ベルト28に付着した異物がノズルから記録ヘッド32内へ混入したりする問題が発生する。特に、主に画質の向上が目的で、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインクと混ざり合って凝集反応を生じさせる透明インク(反応液)を用いるシステム(所謂2液システム)や、例えばKとY等、異なる色のインクを混ぜ合わせて反応させるシステム(所謂インク間反応システム)では、記録ヘッド32でインクの凝集や変色が起こってしまい、回復不可能となる。
【0005】
ここで、図8に示すように、通常状態では、帯電ロール36と搬送ベルト28との接触部分が高抵抗となるので、帯電ロール36と搬送ベルト28との間の電荷の移動は、帯電ロール36と搬送ベルト28との間の微小なギャップの領域における放電によるものとなる。しかし、帯電ロール36と搬送ベルト28との接触部分に水滴やインク滴等が付着している場合には低抵抗となり、この部分において電荷の移動が行われる。このため、図9のグラフに示すように、異常状態における搬送ベルト28上の表面電位は、通常状態と比較して上昇する。
【0006】
なお、搬送ベルトを記録ヘッド側の反対側へ吸引することで、搬送ベルトの振動を抑制する構成が考案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に記載の構成では、搬送ベルトに内蔵された櫛歯状電極に電圧を印加し、搬送ベルトの表裏両面に静電吸引力を発生させることで、搬送ベルトの表面に記録媒体を吸着させると共に、搬送ベルトの裏面を、ベルト吸引部材なる搬送ベルトの記録ヘッド側の反対側に配設された部材に吸引している。
【0007】
ここで、回動する搬送ベルトに内蔵された電極に対して連続して高電圧を印加するために、電極をベルト回動方向に沿って露出させ、この電極の露出部に導電性ブラシを摺擦させているが、導電性ブラシと電極との摺擦部で高電圧給電が行われることで放電が発生し易く、放電に伴って発生する電磁波が、ノイズ源となり、また、誤作動の要因となる。また、導電性ブラシと電極との摺擦部において火花が発生することによって、電極と導電性ブラシが損傷し、これらの寿命が著しく縮まる。
【特許文献1】特開平10−193585号公報
【特許文献2】特開2003−103857号公報
【特許文献3】特開2002−145474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、搬送部材の過剰な帯電を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の液滴吐出装置は、液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、記録媒体を保持して回転し記録媒体を前記液滴吐出ヘッドに対向させて搬送する搬送部材と、前記搬送部材に当接する角部と、前記角部より前記搬送部材の回転方向下流側で前記搬送部材に対向する面部と、を備える基体と、一部が前記搬送部材に当接するように前記面部に設けられ前記搬送部材を帯電すると共に、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体よりも体積抵抗率が高い高抵抗液体を前記搬送部材に塗布する帯電・塗布部と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の液滴吐出装置では、記録媒体が、回転する搬送部材に保持され液滴吐出ヘッドに対向されて搬送され、液滴吐出ヘッドが液滴を吐出する。これによって、記録媒体に画像等が記録される。この際、搬送部材が帯電・塗布部によって帯電されて記録媒体が搬送部材に静電吸着されているので、液滴吐出ヘッドと記録媒体との距離の均一性が高くなり、記録媒体上における液滴の着弾位置の精度が高くなる。
【0011】
また、帯電・塗布部の一部が搬送部材に当接しており、搬送部材と帯電・塗布部との当接部において、帯電・塗布部から搬送部材に高抵抗液体が塗布されて、搬送部材上に高抵抗液体の膜が形成される。この高抵抗液体は、液滴吐出ヘッドから吐出される液体より体積抵抗率が高いので、液滴吐出ヘッドから吐出される液体や水滴等が帯電・塗布部と搬送部材との間に介在する際に、帯電・塗布部と搬送部材との間の電気抵抗の低下が抑制される。従って、帯電・塗布部による搬送部材の過剰な帯電を抑制できる。
【0012】
また、帯電・塗布部が設けられた基体の角部が搬送部材に当接しており、搬送部材に付着した液体等が掻き落される。ここで、帯電・塗布部は、角部より搬送部材の回転方向下流側で搬送部材に対向する基体の面部に設けられているので、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した液体が帯電・塗布部に付着することを抑制できる。
【0013】
また、搬送部材を清掃する部材、搬送部材を帯電する部材、搬送部材に高抵抗液体を塗布する部材を一体で構成し、1箇所に集約したので、スペース効率が良い。
【0014】
請求項2に記載の液滴吐出装置は、請求項1に記載の液滴吐出装置であって、前記帯電・塗布部が、液体を吸収可能な部材で形成され、前記高抵抗液体を含浸していることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の液滴吐出装置では、帯電・塗布部が、液体を吸収可能な部材で形成され、高抵抗液体を含浸しており、帯電・塗布部と搬送部材との当接部において、高抵抗液体が、帯電・塗布部から滲み出して搬送部材に塗布される。
【0016】
請求項3に記載の液滴吐出装置は、請求項1又は2に記載の液滴吐出装置であって、前記帯電・塗布部が、前記面部から前記搬送部材側へ突出していることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の液滴吐出装置では、帯電・塗布部が基体の面部から搬送部材側へ突出しているので、帯電・塗布部と角部とを確実に搬送部材に当接させることができる。また、帯電・塗布部の搬送部材への圧接状態が安定するので、帯電・塗布部と搬送部材との微小なギャップの間隔が安定し、帯電が安定する。また、高抵抗液体の塗布量が安定する。
【0018】
請求項4に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の液滴吐出装置であって、前記高抵抗液体の体積抵抗率が、前記搬送部材の体積抵抗率と同等以上であることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の液滴吐出装置では、高抵抗液体の体積抵抗率が搬送部材の体積抵抗率と同等以上になっている。これによって、常に、帯電・塗布部と搬送部材との接触部における電気抵抗が、水や水性インク等の水性液体が介在しない時と同等以上になるので、より一層、帯電・塗布部による搬送部材の過剰な帯電を抑制できる。
【0020】
請求項5に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の液滴吐出装置であって、前記高抵抗液体が、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体に対して不溶であることを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の液滴吐出装置では、高抵抗液体が、液滴吐出ヘッドから吐出される液体に対して不溶なので、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した液体を高抵抗液体で覆うことができ、帯電・塗布部と搬送部材との当接部における電気抵抗の低下を抑制できる。
【0022】
請求項6に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の液滴吐出装置であって、前記高抵抗液体が、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体をはじく性質を有することを特徴とする。
【0023】
請求項6に記載の液滴吐出装置では、高抵抗液体が、液滴吐出ヘッドから吐出される液体をはじく性質を有している。このため、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した液体が凝集し、その上で、高抵抗液体が濡れ広がるので、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した液体を高抵抗液体で覆うことができ、帯電・塗布部と搬送部材との当接部における電気抵抗の低下を抑制できる。
【0024】
請求項7に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の液滴吐出装置であって、前記高抵抗液体の表面張力γ、前記搬送部材の臨界表面張力γ、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体の表面張力γが下記(1)、(2)式を満足することを特徴とする。
【0025】
γ<γ…(1)
γ<γ…(2)
請求項7に記載の液滴吐出装置では、高抵抗液体の表面張力γが搬送部材の臨界表面張力γより小さくなっているので、高抵抗液体が、搬送部材上で濡れ広がる。また、高抵抗液体の表面張力γが液滴吐出ヘッドから吐出される液体の表面張力γよりも小さくなっているので、高抵抗液体が、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した液体上から搬送部材へ濡れ広がる。
【0026】
これによって、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した液体を高抵抗液体で覆うことができ、帯電・塗布部と搬送部材との当接部における電気抵抗の低下を抑制できる。
【0027】
請求項8に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体が水性インク、前記高抵抗液体が撥水性を有する液体であることを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載の液滴吐出装置では、撥水性を有する高抵抗液体が、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した水性インク上で濡れ広がる。これによって、液滴吐出ヘッドから吐出され搬送部材に付着した水性インクを高抵抗液体で覆うことができ、帯電・塗布部と搬送部材との当接部における電気抵抗の低下を抑制できる。
【0029】
請求項9に記載の液滴吐出装置は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の液滴吐出装置であって、前記搬送部材が、無端状のベルトであることを特徴とする。
【0030】
請求項9に記載の液滴吐出装置では、無端状のベルトに記録媒体が静電吸着されて搬送される。ここで、液滴吐出ヘッドから吐出されベルトに付着した液体が高抵抗液体で覆われ、帯電・塗布部とベルトとの当接部における電気抵抗の低下が抑制されている。これによって、ベルトの過剰な帯電を抑制できるので、ベルトと液滴吐出ヘッドとの接触を防止しつつ、ベルトの帯電量をより大きく、TDをより狭くすることができる。従って、記録媒体への液滴の着弾精度をより向上させることができ、以って、画質をより向上させることができる。
【0031】
また、ベルトを液滴吐出ヘッド側の反対側へ付勢する力が不要となり、上述した特許文献3に記載の構成が不要となるので、ベルトの周囲での放電の発生を抑制でき、電磁波障害を抑制できる。また、ベルトの周囲での火花の発生を防止できるので、ベルトの損傷を抑制でき、ベルトの短命化を抑制できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は上記構成にしたので、搬送部材の過剰な帯電を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0034】
図1には、本実施形態のインクジェット記録装置12が示されている。インクジェット記録装置12の筐体14内の下部には給紙トレイ16が備えられており、給紙トレイ16内に積層された用紙Pをピックアップロール18で1枚ずつ取り出すことができる。取り出された用紙Pは、所定の搬送経路22を構成する複数の搬送ローラ対20で搬送される。
【0035】
給紙トレイ16の上方には、無端状の搬送ベルト28が、駆動ロール24及び従動ロール26、27に張架されている。駆動ロール24と従動ロール26とが、略水平に配設され、その下方に、従動ロール27が配設されている。
【0036】
また、搬送ベルト28の上方には記録ヘッドアレイ30が配置されており、駆動ロール24と従動ロール26との間の搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向している。この対向した領域が、記録ヘッドアレイ30からインク滴が吐出される吐出領域SEとなっている。搬送経路22を搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域SEに至り、記録ヘッドアレイ30に対向した状態で、記録ヘッドアレイ30から画像情報に応じたインク滴が付着される。
【0037】
記録ヘッドアレイ30は、本実施形態では、有効な記録領域が用紙Pの幅(搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺状とされ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つのインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)32が搬送方向に沿って配置されており、フルカラーの画像を記録可能になっている。
【0038】
各記録ヘッド32は、ヘッド駆動回路(図示省略)によって駆動される。ヘッド駆動回路は、たとえば、画像情報に応じてインク滴の吐出タイミングや使用するインク吐出口(ノズル)を決め、駆動信号を記録ヘッド32に送る構成である。
【0039】
また、記録ヘッドアレイ30は、搬送方向と直交する方向に不動とされていてもよいが、必要に応じて移動するように構成しておくと、マルチパスによる画像記録で、より解像度の高い画像を記録したり、記録ヘッド32の不具合を記録結果に反映させないようにしたりできる。
【0040】
記録ヘッドアレイ30の両側には、それぞれの記録ヘッド32に対応した4つのメンテナンスユニット34が配置されている。図2に示すように、記録ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、記録ヘッドアレイ30が上方へ移動され、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面に対向した状態で、所定のメンテナンス動作(吸引、ワイピング、キャッピング等)を行う。
【0041】
また、記録ヘッドアレイ30の上方には、各色のインクを貯留するインクタンク35が配置されている。各インクタンク35には、各記録ヘッド32が接続されている。
【0042】
図3に示すように、従動ロール26よりも用紙Pの搬送方向上流側且つ用紙Pの搬送経路の下側には、帯電ユニット50が配置されている。また、駆動ロール24よりも用紙Pの搬送方向下流側には、剥離プレート40が配置されており、用紙Pを搬送ベルト28から剥離させる。図1に示すように、剥離された用紙Pは、剥離プレート40より用紙Pの搬送方向下流側で排出経路44を構成する複数の排出ローラ対42で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙トレイ46に排出される。
【0043】
また、図3に示すように、剥離プレート40の下方には、ベルトクリーニングユニット48が配置されている。このベルトクリーニングユニット48は、搬送ベルト28の駆動ロール24に巻き掛けられた部分に当接し、搬送ベルト28に付着したインクや後述するシリコーンオイル等を掻き取るブレード49と、ブレード49によって搬送ベルト28から掻き取られたインク等を回収する回収ボックス51とを備えている。
【0044】
また、図4に示すように、帯電ユニット50は、ケース52と、ケース52に支持された基体54、吸上げ部材56と、基体54に設けられた導電部58、帯電部60、クリーナ部62とを備えている。
【0045】
ケース52は、搬送ベルト28の幅方向に沿って長手に配置された容器で、シリコーンオイルを収容している。また、基体54は、搬送ベルト28の幅方向に沿って長手に配置された長尺矩形状の板材で、短手方向の一端側がケース52に支持され、短手方向の他端側が搬送ベルト28の従動ロール26に巻き掛けられた部分に当接している。基体54の搬送ベルト28に当接する角部がクリーナ部62となっており、搬送ベルト28に付着したインク等が掻き取られる。また、基体54の短手方向一端側が他端側よりも上側に位置し、クリーナ部62より搬送ベルト28の回転方向下流側で、平面部54Cが搬送ベルト28に対向している。
【0046】
基体54の素材としては、絶縁性材料であれば良く、例えば、ウレタン系ゴム、シリコーン系ゴム、フッ素系ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(N)等のゴム、オレフィン系、アクリル系等の樹脂が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良く、市販品を使用しても良い。なお、これらの中では、耐摩耗性、永久歪みの点でウレタン系ゴムが好ましい。また、基体54の体積抵抗率としては、1012Ω・cm以上が好ましい。
【0047】
また、ケース52は、仕切り壁52Aによって、シリコーンオイルを収容するオイル室52Bと、クリーナ部62の鉛直下方に位置する廃液室52Cとに仕切られている。この廃液室52Cには、クリーナ部62によって搬送ベルト28から掻き取られたインク等の液体が滴下して溜まる。
【0048】
また、図5に示すように、基体54の平面部54Cのクリーナ部62側には、長手方向の全域に亘って凹部54Aが形成されている。この凹部54Aには、導電部58、帯電部60が設けられている。導電部58は、基体54の平面部54Cの長手方向一端部に取り付けられ基体54の短手方向へ延びる長尺矩形状の導電性の板材で、長手方向一端側が凹部形状に倣って折り曲げられて凹部54Aと導電部60との間に嵌め込まれている。この導電部58は、交流電源38(図3参照)に接続されており、交流電源38からの電圧を帯電部60に導入する。なお、導電部58は、金属板の他、蒸着やめっきによって表面に金属薄膜を形成した板材、表面に導電性塗料を塗布した板材等が使用可能である。
【0049】
また、帯電部60は、半導電性の弾性部材で、素材としては、基体54と同様のゴムや樹脂に導電性粒子を分散したもの等が適用可能である。導電性粒子には、導電性粉末や導電性フィラーも含まれるが、素材の中での分散の均一性を考慮すると、平均粒径が数十〜数百μm程度の導電性粒子が好ましい。また、導電性粒子は、カーボンブラック、カーボンビーズ、導電性チタン酸カリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、黒鉛等の金属酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。なお、本実施形態では、カーボンブラック、金属酸化物等が好ましい。また、帯電部60の素材の形成時に、気体混入法、発泡剤分解法、溶剤気散法、化学反応法等の公知技術により弾性層をスポンジ状に多孔質化することで、帯電部60に適度な弾性と適度な液体吸収性を付与する。
【0050】
また、帯電部60の体積抵抗率としては、搬送ベルト28の表面の材質、プロセス速度によって適当な値が異なり、一概に規定できないが、一般的には10〜10Ω・cm程度が好ましく、105.5〜106.5Ω・cm程度がより好ましい。なお、帯電部60の体積抵抗率が10Ω・cm未満だと異常放電によるリーク電流が発生することがあり、体積抵抗率が10Ω・cmを超えると十分な帯電性能が得られないことがある。
【0051】
また、放電の安定性を考慮すると、帯電部60と搬送ベルト28との間に、数μmから数百μmまで連続的に広がるギャップが形成されることが好ましい。
【0052】
また、記録ヘッドアレイ30より用紙Pの搬送方向上流側には、押圧ロール64が配置されている。押圧ロール64は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Pを挟みつつ従動し、用紙Pを搬送ベルト28に押圧する。
【0053】
また、基体54の平面部54Cには、長手方向に延びる複数本の溝54Bが、長手方向へ所定間隔で並べて形成されている。この溝54Bは、短手方向の断面形状がV字状で、凹部54Aから短手方向の一端部まで延びている。
【0054】
また、吸上げ部材56は、搬送ベルト28の幅方向へ長手に配置されたフェルト材等の液体吸収性が高い長尺矩形状のシート材で、下側の端部がケース52内のシリコーンオイルに浸漬され、上側の端部は折り曲げられて基体54の平面部面54Cの短手方向の一端側に圧接されている。
【0055】
このため、ケース52内のシリコーンオイルが吸上げ部材56によって吸い上げられ溝54Bの毛管力で帯電部60まで移動する。そして、上述したように、帯電部60は、液体吸収性が高いので、帯電部60にシリコーンオイルが含浸され、帯電部60と搬送ベルト28との当接部において、シリコーンオイルが帯電部60から滲み出して搬送ベルト28に塗布される。
【0056】
ここで、シリコーンオイルは、水性の液体に対して不溶であり、また、表面張力が例えば20.8[mN/m]で、水性インクの表面張力(例えば35[mN/m])、水の表面張力(例えば50[mN/m])よりも低くなっている。
【0057】
このため、記録ヘッド32がインク滴を吐出する際に発生するミスト状のインクや結露による水等の水性液体が、搬送ベルト28上に付着している場合には、この水性液体の上でシリコーンオイルが濡れ広がる。即ち、搬送ベルト28上に水性液体を覆うシリコーンオイルの層が形成される。
【0058】
シリコーンオイルは、体積抵抗率が例えば1014Ω・cm以上と高抵抗で絶縁性が高い液体なので、シリコーンオイルの層は絶縁層として機能する。このため、水性液体が帯電部60と搬送ベルト28との間に介在しても、常に、帯電部60と搬送ベルト28との接触部分が高抵抗となるので、帯電部60と搬送ベルト28との間の電荷の移動は、帯電部60と搬送ベルト28との間の微小なギャップの領域における放電によるものとなる。
【0059】
これによって、搬送ベルト28上の表面電位が、異常に上昇することを防止でき、以って、搬送ベルト28と記録ヘッド32との接触を防止しつつ、搬送ベルト28の帯電量をより大きく、TDをより狭くすることができる。従って、用紙Pへのインク滴の着弾精度をより向上させることができ、以って、画質をより向上させることができる。
【0060】
また、帯電部60とクリーナ部62とシリコーンオイルを塗布する塗布部を一体で構成し、1箇所に集約したことで、スペース効率が良い。また、クリーナ部62とシリコーンオイルを塗布する塗布部との間隔が極めて狭いことで、クリーニング後からシリコーンオイルを塗布するまでの間に搬送ベルト28にインクミストや紙粉等の付着することを防止できるので、帯電部60の汚染を防止できる。
【0061】
また、帯電部60をベルトクリーニングユニット48より搬送ベルト28の回転方向下流側に配設したので、搬送ベルト28が1周する間に、搬送ベルト28上のシリコーンオイルの層がベルトクリーニングユニット48によって除去され、帯電部60によって新たに搬送ベルト28上にシリコーンオイルの層が形成されるので、シリコーンオイルの厚みの管理が容易である。
【0062】
なお、搬送ベルト28は、PET、PI、PA、PC等の樹脂、又はCR、NBR、HNBR、ウレタンゴム等のゴム材料で形成され、表面抵抗値が10〜1013Ω・cm、体積抵抗率が10〜1014Ω・cmのものを使用する。
【0063】
また、搬送ベルト28に塗布される液体(以下、高抵抗液体という)としては、上述したようにシリコーンオイルを使用し、インクは水性インクを使用する。ここで、高抵抗液体は、体積抵抗率が1012Ω・cm以上の液体が好ましく、体積抵抗率が1014Ω・cm以上の液体がより好ましいが、最低でもインクより体積抵抗率が高い液体である必要があり、さらには、体積抵抗率が搬送ベルト28と同等以上である液体が望ましい。
【0064】
高抵抗液体の体積抵抗率をインクよりも高くすることで、帯電部60と搬送ベルト28との間に水やインク等の水性の液体が介在する場合に、帯電部60と搬送ベルト28との接触部における電気抵抗の低下を抑制できる。これによって、帯電部60と搬送ベルト28との接触部における電荷の移動を抑制できるので、搬送ベルト28の帯電電位の異常な上昇を抑制できる。
【0065】
また、高抵抗液体の体積抵抗率を搬送ベルト28の体積抵抗率と同等以上にすることで、帯電部60と搬送ベルト28との接触部における電気抵抗が、常に、水やインク等の水性液体が介在しない時と同等以上になるので、より一層、搬送ベルト28や用紙Pの帯電電位の異常な上昇を抑制できる。
【0066】
また、高抵抗液体は、インクをはじく液体が適しており、水性インクに対しては、シリコーンオイルの他に、オレイン酸、リノール酸等の高級脂肪酸、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソデシル、マレイン酸ジブチル等の可塑剤、n−デカノール、ジメチルブタノール等の非水溶性のアルコール類、フッ素オイル、鉱物オイル、植物オイル等の撥水性を有する液体が使用可能である。これらは単独で使用しても良いし、均一に混合し得るものであれば、複数種を混合して使用しても良い。また、油性インクに対しては、水等の撥油性が高い液体が使用可能である。
【0067】
また、高抵抗液体の搬送ベルト28への塗布を安定させるためには、高抵抗液体の動粘度を10〜10mm/sの範囲にすることが望ましく、50〜10mm/sの範囲にすることがより望ましい。
【0068】
また、高抵抗液体の塗布厚が厚すぎると、用紙Pにオイルが浸透して用紙Pがインクをはじいたり、裏面に印字する際に画質劣化を引起したりする等、画質に悪影響を及ぼす可能性があり、逆に、高抵抗液体の塗布厚が薄すぎると、安定して塗布層Oを形成できなくなるので、高抵抗液体の塗布厚を適当な範囲に設定することが必要である。高抵抗液体の塗布厚の適当な範囲は、1nm〜20μmであるが、塗布層を安定して形成するためには10nm以上が望ましく、また、用紙Pへの高抵抗液体の付着をより少なくするためには2μm以下が望ましい。
【0069】
また、高抵抗液体の色は、用紙Pに付着した際の画質への影響を少なくするためには無色透明が望ましい。
【0070】
また、高抵抗液体は常温にて不揮発性である必要がある。具体的には蒸気圧が25℃で13.33Pa以下である。また、高抵抗液体は、インク等の水性液体と相溶しない性質である必要がある。具体的には、インク等の水性液体に対する溶解度が常温(25℃)で0.1wt%以下である。
【0071】
また、高抵抗液体の表面張力は30mN/m以下が好ましく、25mN/m以下がより好ましいが、高抵抗液体は、搬送ベルト28上で濡れ広がる必要があるので、下記(1)式の関係が必要である。但し、高抵抗液体の表面張力をγ、搬送ベルト28の臨界表面張力γとする。なお、臨界表面張力とは、種々の液体の表面張力と固体表面の接触角θとの関係において、cosθを1に補正したとき(すなわち液体の固体表面に対する接触角が0°となったとき)の表面張力をいう。一般に固体表面は、その表面が有する臨界表面張力よりも小さい表面張力を持つ液体によく濡れる。
【0072】
γ<γ…(1)
また、高抵抗液体に撥水性を持たせるためには、下記(2)式の関係が必要となる。但し、インクIの表面張力をγとする。
【0073】
γ<γ…(2)
これによって、高抵抗液体はインク上から搬送ベルト28へ濡れ広がる。なお、本実施形態では、搬送ベルト28を臨界表面張力γが43[mN/m]、幅×周長×厚みが365mm×762mm×75μm、体積抵抗率が5×1013Ω・cm、カーボンを分散したポリイミド製のベルト、高抵抗液体を体積抵抗率が1013Ω・cm、表面張力γが20.8[mN/m]、動粘度が100mm/sのシリコーンオイル、塗布層Oの厚みを0.05μm、インクを体積抵抗率が10Ω・cm、表面張力γが30[mN/m]程度の水性顔料インク、帯電ロール36への印加電圧をDC+1500[V]、搬送ベルト28と記録ヘッド32のノズル面32Nとの間隔(TD)dを1.5[mm]、搬送ベルト28の記録ヘッド32のノズル面32Nと対向する面積Sを0.1[m]とした。また、連続印刷時の用紙間の距離を44mm、印字速度をA4サイズで90枚/分、プロセス速度を15インチ/秒とし、各色の記録ヘッド32の全ノズルが1分毎に200発のダミージェットを、用紙と用紙との間へ行うようにした。この状態で30分間、連続で印字を行ったところ、一度もジャムが発生しなかった。
【0074】
これに対して、シリコーンオイルの搬送ベルト28への塗布を行わず、他の条件を本実施形態と同様にして印字を行ったところ、搬送ベルト28の帯電電位が本実施形態の2倍となった。
【0075】
以上のことから、搬送ベルト28と記録ヘッド32のノズル面32Nとの接触を防止しつつ、搬送ベルト28の帯電量をより大きく、TDをより狭くすることができるので、用紙Pへのインク滴の着弾精度をより向上させることができ、以って、画質をより向上させることができる。
【0076】
また、搬送ベルト28を記録ヘッド32側の反対側へ付勢する力が不要となり、上述した特許文献3に記載の構成が不要となるので、搬送ベルト28の周囲での放電の発生を抑制でき、電磁波障害を抑制できる。また、搬送ベルト28の周囲での火花の発生を防止できるので、搬送ベルト28の損傷を抑制でき、搬送ベルト28の短命化を抑制できる。
【0077】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0078】
図6に示すように、従動ロール26よりも用紙Pの搬送方向上流側且つ用紙Pの搬送経路の下側には、帯電ユニット70が配置されている。この帯電ユニット70は、ケース52と、ケース52に支持された基体54、吸上げ部材56と、基体54に設けられた導電部58、帯電部72、クリーナ部62とを備えている。
【0079】
帯電部72は、第1実施形態の帯電部60と同様の素材、性質のものが適用可能で、第1実施形態と同様、シリコーンオイル等の高抵抗液体を含浸している。
【0080】
ここで、帯電部72は、長手方向の断面形状が三角形状で搬送ベルト28側に突出しており、突出部を搬送ベルト28に圧接させている。これによって、帯電部72とクリーナ部62とを確実に搬送ベルト28に当接させることができる。
【0081】
また、帯電部72の搬送ベルト28への圧接状態が安定するので、帯電部72と搬送ベルト28との微小なギャップの間隔が安定し、帯電が安定する。また、高抵抗液体の塗布量が安定する。
【0082】
なお、第1、第2実施形態では、インクジェット記録装置を例に取って本発明を説明したが、本発明は、インクジェット記録装置に限らず、高分子フィルム上に着色インクを吐出して行うディスプレイ用のカラーフィルターの作製、有機EL溶液を基板上に吐出させて行うELディスプレイパネルの形成など、様々な工業的用途を対象とした液滴吐出装置一般に対して、適用可能である。
【0083】
また、本発明の液滴吐出装置において画像記録の対象となる「記録媒体」には、液滴吐出ヘッドが液滴を吐出する対象物であれば広く含まれる。したがって、記録媒体には、記録用紙やOHPシートなどが含まれるのはもちろんであるが、これら以外にも、たとえば、高分子フィルムなどが含まれる。
【0084】
さらに、第1、第2実施形態では、用紙Pの幅よりも短尺のインクジェット記録ヘッドを用紙Pの幅方向に複数配列してユニット化した構成を例に取って本発明を説明したが、これに限らず、例えば、用紙Pの幅よりも短尺のインクジェット記録ヘッドを用紙Pの幅方向に移動させる構成等にも本発明を適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置の概略を示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置の概略を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置の印字部の概略を示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置に備えられた帯電ユニットを示す側断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置に備えられた帯電ロールユニットの基体、導電部、帯電部を示す正面図、側面図、上面図である。
【図6】本発明の第2実施形態のインクジェット記録装置の帯電ユニットを示す側断面図である。
【図7】従来のインクジェット記録装置における記録ヘッドと搬送ベルトとを模式的に示す側面図である。
【図8】従来のインクジェット記録装置における帯電ロールと搬送ベルトとの間の放電の様子を模式的に示す側面図である。
【図9】従来のインクジェット記録装置における帯電ロールに印加する電圧と搬送ベルト上の表面電位との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0086】
12 インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
28 搬送ベルト(搬送部材)
32 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
54 基体
54C 平面部(面部)
60 帯電部(帯電・塗布部)
62 クリーナ部(角部)
72 帯電部(帯電・塗布部)
P 用紙(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
記録媒体を保持して回転し記録媒体を前記液滴吐出ヘッドに対向させて搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に当接する角部と、前記角部より前記搬送部材の回転方向下流側で前記搬送部材に対向する面部と、を備える基体と、
一部が前記搬送部材に当接するように前記面部に設けられ、前記搬送部材を帯電すると共に、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体よりも体積抵抗率が高い高抵抗液体を前記搬送部材に塗布する帯電・塗布部と、
を有することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
前記帯電・塗布部が、液体を吸収可能な部材で形成され、前記高抵抗液体を含浸していることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記帯電・塗布部が、前記面部から前記搬送部材側へ突出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記高抵抗液体の体積抵抗率が、前記搬送部材の体積抵抗率と同等以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記高抵抗液体が、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体に対して不溶であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記高抵抗液体が、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体をはじく性質を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記高抵抗液体の表面張力γ、前記搬送部材の臨界表面張力γ、前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体の表面張力γが下記(1)、(2)式を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
γ<γ…(1)
γ<γ…(2)
【請求項8】
前記液滴吐出ヘッドから吐出される液体が水性インク、前記高抵抗液体が撥水性を有する液体であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の液滴吐出装置。
【請求項9】
前記搬送部材が、無端状のベルトであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−210692(P2007−210692A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29474(P2006−29474)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】