説明

液滴吐出装置

【課題】ジャム処理や保守点検の作業性を低下させることなく装置を小型化でき、液滴吸収部材における液体の拡散を助長できる液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置10は、プリンタ部11とスキャナ部12とを備えている。プリンタ筐体11Aは上部に開口15を有しており、この開口15は、回動可能なスキャナ部12により開閉される。スキャナ部12には、パージにより生じた廃インクほ保持するケース70が取り付けられている。このケース70には、インクを吸収するインク吸収部材が収容されている。また、ケース70には、インクが流入される流入口が設けられている。この流入口は、ケース70の回動先端部に設けられている。スキャナ部12が回動されて開口15が開放されると、ケース70は起立する姿勢になり、重力により、インク吸収部材内におけるインクの拡散が助長される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パージやフラッシングにより生じた廃液をケース内の液体吸収部材に吸収させて保持する液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被記録媒体を搬送し、搬送する被記録媒体に液滴を吐出する液滴吐出装置が提供されている。液滴吐出装置の一例として、インク滴を吐出して画像記録を行うインクジェット記録装置がある。このインクジェット記録装置には、記録ヘッドのノズルからインクを吸引し、インクと共にノズル内の異物等を除去するパージ機構と、パージ機構により吸引した廃インクが流し込まれるケースと、を備えたものがある。ケース内には、装置が動かされたときなどにインクがケースから出るのを防ぐため、インクを吸収するスポンジやフェルトなどのインク吸収部材が配置される。
【0003】
この種のインクジェット記録装置では、ケースは、ジャム処理や保守点検において邪魔にならないように、装置筐体の側壁や底に寄せて配置され、固定されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−35662号公報
【特許文献2】特開2010−155411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
装置を小型化すると、装置筐体の側壁や底の近傍にケースを配置する為の十分な空間が確保できなくなる場合がある。この場合、装置筐体内の上部などには空いた空間が形成されている為、ケースを装置筐体内の上部に配置することが考えられる。しかし、装置筐体内の上部にケースを配置すると、ジャム処理や保守点検においてケースが邪魔になる。
【0006】
また、インク吸収部材により廃インクを保持するインクジェット記録装置においては、インクの粘性によりインクがインク吸収部材全体に拡散しないおそれがあるという問題があった。インクがインク吸収部材全体に拡散しないと、パージ機構によるインクの吸引に支障が生じたり、インク吸収部材に目詰まりが生じてインク吸収部材の交換時期が早まったりする。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ジャム処理や保守点検の作業性を低下させることなく装置を小型化でき、液体吸収部材における液体の拡散を助長できる機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明の液滴吐出装置は、装置の外形を呈している装置筐体と、上記装置筐体内に配置され、液滴を被記録媒体へ吐出する記録ヘッドと、上記記録ヘッドから液体を排出させる排出手段と、底板及び側壁により箱形状をなしており、上記排出手段によって上記記録ヘッドから排出された液体が流入する流入口が上記側壁に設けられたケースと、上記ケースに充填された液体吸収部材と、を備えている。上記ケースは、上記底板が下側となる第1姿勢と、上記側壁の一部が下側となり、かつ上記流入口が当該側壁の一部より上側となる第2姿勢とに回動可能に上記装置筐体に支持されている。
【0009】
ケースが第1姿勢から第2姿勢に回動されることにより、第1姿勢においてケースが占有していた空間が開放され、ジャム処理や保守点検のための空間が確保される。また、廃液が流入する流入口は、第2姿勢において下側となる側壁の一部より上側に設けられているので、ケースが第1姿勢から第2姿勢に回動されると、ケースにおける重力の向きが変わる。ケースにおける重力の向きが変わることにより、液体吸収部材における液体の拡散が助長される。
【0010】
(2) 上記ケースは、扁平な箱形状であってもよい。第1姿勢では、液体は、その表面張力によりケースの底面に沿って拡散され、第2姿勢では、表面張力及び重力によりケースの底面に沿って拡散される。
【0011】
(3) 上記流入口は、上記第2姿勢において上側となる側壁の一部に設けられたものであってもよい。液体は、ケースの回動軸の径方向におけるケースの一端からケースに流入し、他端へ向かって拡散される。
【0012】
(4) 上記ケースは、上記液体吸収部材が配置されておらず、且つ上記流入口に連通する空間を内部に有するものであってもよい。当該空間に液体が有る場合においてケースが回動されると、液体吸収部材における液体が接触する面が代わり、その結果、液体吸収部材における液体の拡散が、より助長される。
【0013】
(5) 上記空間は、上記ケースが上記第2姿勢のときに液体を上記流入口から上記側壁の一部に向かうように案内する形状を有しているものであってもよい。これにより、液体吸収部材における液体の拡散が、より助長される。
【0014】
(6) 本発明の液滴吐出装置は、上記ケースに設けられており、上記液体吸収部材が吸収した液体を検知するセンサを更に備えたものであってもよい。センサにより、液体吸収部材の交換時期を知ることができる。
【0015】
(7) 上記記録ヘッドは、液体を吐出するノズルが開口する下面を有しており、上記排出手段は、上記ノズルの開口を覆って上記記録ヘッドの下面に密接可能なキャップと、上記キャップ内に吸引圧を付与するポンプと、を有するものであってもよい。
【0016】
ポンプにより液体をケースに流入させるので、上下方向におけるケースの配置位置を自由に選択することができる。
【0017】
(8) 上記ケースは、上記記録ヘッドの上側に配置されたものであってもよい。ケースを回動可能に設けない従来構成では、記録ヘッドの上側にケースを配置すると記録ヘッドの保守点検の際にケースが邪魔になるが、ケースを回動可能に設けたことにより、記録ヘッドの上側の空いた空間にケースを配置しても、記録ヘッドの保守点検の際にケースが邪魔になることがない。
【0018】
(9) 上記装置筐体は、上側に開口を有する本体筐体を含み、上記ケースは、上記本体筐体の開口に配置されたものであってもよい。ケースを回動させて本体筐体の開口を開放し、当該開口においてジャム処理や保守点検が行われる。
【0019】
(10) 上記装置筐体は、上記本体筐体に回動可能に設けられて上記本体筐体の開口を開閉する蓋を更に備えており、上記ケースは、上記蓋と共に回動可能に設けられたものであってもよい。蓋を回動させることによりケースも回動され、蓋とケースとを個別に回動させる必要がないので、ジャム処理や保守点検が容易である。
【0020】
(11) 上記蓋としてスキャナ部が挙げられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ケースを回動可能に設けることにより、ジャム処理や保守点検の作業性を低下させることなく装置を小型化でき、第2姿勢において下側となるケースの側壁の一部より上側に接続口を設けることにより、ケースの回動を利用して液体の拡散を助長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】インクジェット記録装置10の斜視図である。
【図2】インクジェット記録装置10の模式的な縦断面図である。
【図3】(A)は記録ヘッド51の下面図であり、(B)はパージ機構60の模式的な側面図である。
【図4】(A)はプリンタ部11の一部の平面図であり、(B)はプリンタ部11の一部の斜視図である。
【図5】ケース70を示す図で、(A)は平面図であり、(B)は正面図であり、(C)は(A)におけるC−C断面図であり、(D)は倒伏姿勢にある状態の斜視図であり、(E)は起立姿勢にある状態の斜視図である。
【図6】(A)はインク吸収部材80の斜視図であり、(B)は上層部81がない状態におけるインク吸収部材80の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明がされる。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲において実施形態が適宜変更されてもよい。以下の説明においては、インクジェット記録装置10を使用可能に設置した状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義されている。また、操作部13がインクジェット記録装置10の前面(正面)側に設けられているものとして前後方向8が定義されている。また、インクジェット記録装置10を前側から見て左右方向9が定義されている。
【0024】
[インクジェット記録装置10の概要]
図1に示されるインクジェット記録装置10は、被記録媒体であるシート6(図2)に画像を記録するプリンタ部11と、原稿(不図示)に記録された画像を取り込むスキャナ部12(スキャナ部に相当する)とを備えており、プリント、スキャン、コピー等を実行可能である。
【0025】
[スキャナ部12の概要]
スキャナ部12は、図2の実線に示される閉姿勢及び破線に示される開姿勢に回動可能にプリンタ部11に支持されている。閉姿勢にあるスキャナ部12は、プリンタ部11のプリンタ筐体11A(本体筐体に相当する)の上部の開口15(開口に相当する)を閉塞している。スキャナ部12が開姿勢に回動されると、プリンタ筐体11Aの開口15が開放される。スキャナ部12は、ジャム処理時や保守点検時に回動される。閉姿勢にあるスキャナ部12のスキャナ筐体12Aの下面側にケース70が取り付けられている。ケース70は、後述されるように、パージにより生じた廃インクが流し込まれるものである。スキャナ筐体12Aとプリンタ筐体11Aとが装置筐体に相当する。なお、スキャナ部12の代わりに単なる蓋が用いられてもよいので、スキャナ部12の詳細な説明は省略される。
【0026】
[プリンタ部11の概要]
プリンタ部11は、パーソナルコンピュータなどの外部機器や操作部13により印刷指示を受けてシート6への画像記録を行う。シート6は、記録用紙や、光沢紙や、葉書等であり、給紙カセット40に保持されている。
【0027】
シート6への画像記録は、給紙カセット40に載置されたシート6を給送部20により搬送路30へ送り出し、搬送路30においてローラ対34,37によりシート6を搬送し、搬送するシート6に記録部50からインク滴を吐出することにより行われる。給送部20、ローラ対34,37及び記録部50は、不図示の駆動モータにより駆動される。この駆動モータの駆動制御は、制御基板18に実装された不図示のマイクロコンピュータにより行われる。以下、プリンタ部11の各構成について説明がされる。
【0028】
[プリンタ筐体11A]
図2に示されるように、プリンタ筐体11Aは、ジャム処理及び保守点検用の開口15を上端部に有しており、給紙カセット40の挿抜用の挿抜口16を前後方向8における前端部に有している。また、図1に示されるように、プリンタ筐体11Aは、開閉蓋17を前面側に有している。この開閉蓋17の奥側に、不図示のカートリッジ装着部が配置されている。このカートリッジ装着部には、後述の記録部50へインクを供給するインクカートリッジが装着される。
【0029】
[給紙カセット40]
図1に示されるように、給紙カセット40は、プリンタ筐体11Aの下部に収容されている。給紙カセット40は、プリンタ筐体11Aの挿抜口16を通じてプリンタ筐体11Aに脱着される。給紙カセット40は、図2に示されるように、画像記録前のシート6を保持するメイントレイ41と、画像記録後のシート6を保持する排紙トレイ48と、を備えている。
【0030】
メイントレイ41は、底板42と、底板42の左右方向9における両端部から上向きへ突出された左右一対の側板43と、底板42の前後方向8における前端部から上向きへ突出された前板45と、前後方向8における底板42の後端部に設けられた後板46と、を備えている。
【0031】
底板42は、上面に載置されたシート6を支持している。一対の側板43及び前板45は、上端面に載置された排紙トレイ48を支持している。後板46は、シート6を搬送路30へ案内する傾斜面47を有している。傾斜面47は、底板42の前後方向8における後端から後方斜め上へ向かって延びている。後述されるように、底板42から給送部20によって送り出されるシート6は、傾斜面47により搬送路30へ案内される。
【0032】
[フレーム90]
プリンタ筐体11A内には、図4に示されるフレーム90が設けられている。フレーム90は、後述される給送部20や、プラテン33や、記録部50や、パージ機構60を保持するものであり、給紙カセット40の上側に配置されている。
【0033】
フレーム90は、メインフレーム91と、一対のガイドレール92,93と、を備えており、矩形枠状の外形を呈している。メインフレーム91は、鋼板の左右方向9における両端部を折り曲げることにより形成されており、底板94と、左右方向9において互いに対向する左側板95及び右側板96と、を備えている。一対のガイドレール92,93は、左側板95の上端と右側板96の上端とにそれぞれ連結されており、前後方向8において互いに対向している。
【0034】
フレーム90は、一対のガイドレール92,93において、後述の記録部50を左右方向8へ往復動可能に支持している。ガイドレール92,93は、メインフレーム91の右側板96を越えて右側板96の右方まで延ばされている。ガイドレール92,93が右側板96を越えて延ばされているのは、記録部50をパージ機構60の上側まで移動可能とするためである。詳しくは後述される。
【0035】
[給送部20]
図2に示されるように、給送部20は、フレーム90の底板94(図4(B))に回転可能に支持された支軸21と、支軸21に一端部が回動可能に支持されたアーム22と、アーム22の他端部に回動可能に支持された給送ローラ23と、を備えている。
【0036】
アーム22は、支軸21から後方斜め下へ向かって延びるように設けられている。アーム22は、支軸21周りに回動されることにより、メイントレイ41の底板42に載置されたシート6に給送ローラ23を当接させる。
【0037】
アーム22には、支軸21の回転を給送ローラ23へ伝達する複数個のギア24が設けられている。支軸21が不図示の駆動モータにより回転されると、複数個のギア24を介して給送ローラ23が回転される。回転された給送ローラ23は、当接するシート6を前後方向8における後向きへ送り出す。後ろ向きへ送り出されたシート6は、メイントレイ41の後板46により搬送路30へ案内される。
【0038】
[搬送路30]
搬送路30は、図2において1点鎖線により示された湾曲路31と、2点鎖線により示された直線路32と、を備えている。湾曲路31は、メイントレイ41の後板46の上端を基端として上方へ向かって湾曲して延びている。直線路32は、湾曲路31の終端から前方へ向かって直線状に延びている。搬送路30は、複数個のガイド部材(不図示)及びプラテン33により区画された空間である。プラテン33は、フレーム90(図4(B))の左側板95と右側板96との間に配置されて給紙カセット40の上側に位置しており、直線路32の下面の一部を区画している。
【0039】
[ローラ対34,37]
図2に示されるように、第1のローラ対34は、プラテン33の前後方向8における後側に配置されている。第1のローラ対34は、フレーム90に回転可能に支持された搬送ローラ35と、搬送ローラ35の下側に配置されてプラテン33に回転可能に支持された従動ローラ36と、を備えている。第1のローラ対34は、搬送ローラ35が不図示の駆動モータにより回転されることにより、搬送路30にあるシート6を挟み、図2の矢印に示される搬送向きへシート6を搬送する。
【0040】
第2のローラ対37は、前後方向8におけるプラテン33の前側に設けられている。第2のローラ対37は、プラテン33に回転可能に支持された排紙ローラ38と、排紙ローラ38の上側に配置されてフレーム90に回転可能に支持された拍車ローラ39と、を備えている。第2のローラ対37は、排紙ローラ38が不図示の駆動モータにより回転されることにより、搬送路30にあるシート6を挟み、図2の矢印に示される搬送向きへシート6を搬送する。シート6は、ローラ対34、37により、プラテン33上において間欠搬送され、記録部50により画像が記録される。画像が記録されたシート6は、第2のローラ対37により、給紙カセット40の排紙トレイ48に排出される。
【0041】
[記録部50]
図2に示されるように、記録部50は、キャリッジ57と、キャリッジ57に搭載された記録ヘッド51(記録ヘッドに相当する)と、を備えている。
【0042】
図4に示されるように、キャリッジ57は、左右方向9へ往復動可能にガイドレール92,93に支持されている。キャリッジ57は、無端環状のベルト98に固着されている。ベルト98は、駆動モータ97の軸に設けられた駆動プーリ99A、及び従動プーリ99Bに巻き付けられており、駆動プーリ99Aの歯及び従動プーリ99Bの歯に噛み合う歯を内周面側に備えている。ベルト98は、駆動モータ97が駆動されることにより周運動される。ここにおいて、駆動プーリ99Aは、ガイドレール93の左右方向9における右端部に配置されており、従動プーリ99Bは、ガイドレール93の左右方向9における左端部に配置されている。よって、キャリッジ57は、ガイドレール93の左右方向9における左端部と右端部との間において移動可能である。
【0043】
記録ヘッド51は、キャリッジ57がガイドレール93の左端部の上側にあるとき、後述される廃インクトレイ28の上側に位置しており、この位置(以下、フラッシング位置と称される)において、フラッシングを行う。記録ヘッド51は、キャリッジ57がガイドレール93の右端部の上側にあるとき、後述されるパージ機構60の上側に位置しており、この位置(以下、パージ位置と称される)において、パージ処理を受ける。記録ヘッド51は、フラッシング位置とパージ位置との間にあるとき、プラテン33の上側に位置しており、この位置において、シート6への画像記録を行う。
【0044】
図4(A)に示されるように、記録ヘッド51は、4本のインクチューブ25により、上述のカートリッジ装着部に装着された4つのインクカートリッジ(不図示)と接続されている。4つのインクカートリッジに貯留されたブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクが、インクチューブ25を通って記録ヘッド51へ供給される。インクチューブ25がキャリッジ57の移動を阻害しないように、可撓性を有する樹脂チューブがチューブ25に用いられている。
【0045】
記録ヘッド51は、インクが流入される複数のノズルを備えている。図3(A)に示されるように、各ノズルは、記録ヘッド51の下面側に吐出口52(ノズルの開口に相当する)をそれぞれ有している。複数のノズルの吐出口52は、4つの吐出口列53〜56を構成している。吐出口列53〜56は、それぞれ前後方向8に沿って1列に並んでいる 。吐出口列53を構成する各ノズルには、ブラックのインクが流入される。吐出口列54〜56を構成する各ノズルには、それぞれシアン、マゼンタ、イエローのうちのいずれかのインクが流入される。
【0046】
記録ヘッド51には、各ノズルを変形させて吐出口52からインク滴を吐出させる不図示の圧電素子と、この圧電素子の駆動を制御する不図示のヘッド基板と、が設けられている。このヘッド基板は、図4(A)に示されるフレキシブルフラットケーブル27により制御基板18(図2)と電気的に接続されている。なお、圧電素子によりインク滴を吐出させる記録ヘッド51に代えて、ヒータによりノズル内のインクを局所的に突沸させてインク滴を吐出口52(図3(A))から吐出させる記録ヘッドが用いられてもよい。
【0047】
[廃インクトレイ28]
図4に示されるように、廃インクトレイ28は、左右方向9におけるフレーム90の左側板95とプラテン33との間に配置されており、フラッシング位置にある記録ヘッド51の下側に位置している。廃インクトレイ28は、記録ヘッド51のノズルから空吐出されたインク滴を受ける。廃インクトレイ28には、フェルトやスポンジ等からなる不図示のインク吸収部材が載置されている。空吐出されたインクは、このインク吸収部材に吸収されて保持される。
【0048】
[パージ機構60]
図4に示されるように、パージ機構60は、左右方向9におけるフレーム90の右側板96の右側に配置され、パージ位置にある記録ヘッド51の下側に位置している。図3(B)に示されるように、パージ機構60は、可動部61と、可動部61を上下方向7へ移動させるカム機構62と、インクが流れる2本のチューブ66,67と、インクを吸引するポンプ63(ポンプに相当する)とを備えている。カム機構62は、不図示の駆動モータにより駆動され、可動部61を上下方向7へ移動させる。
【0049】
可動部61は、ゴム材料からなるキャップ64,65(キャップに相当する)を備えている。一方のキャップ64は、パージ位置にある記録ヘッド51の黒色インク用の吐出口列53の下方となる位置に設けられている。キャップ64は、可動部61が上下方向7へ移動されることにより、記録ヘッド51の下面に密着されて吐出口列53の吐出口52を覆い、または記録ヘッド51の下面から離間されて吐出口列53の吐出口52を開放する。他方のキャップ65は、パージ位置にある記録ヘッド51の吐出口列54〜56の下方となる位置に設けられている。キャップ65は、上下方向7へ移動されることにより、記録ヘッド51の下面に密着されて吐出口列54〜56の吐出口52を覆い、または記録ヘッド51の下面から離間されて吐出口列54〜56の吐出口52を開放する。
【0050】
チューブ66,67は、キャップ64、キャップ65にそれぞれ一端が接続されいる。図2に示されるように、チューブ66,67は、スキャナ部12の回動基端部(閉姿勢における後端部)からスキャナ部12内に引き込まれており、後述のケース70に接続されている。チューブ66,67をプリンタ筐体11A内において引き回せるように、可撓性を有する樹脂チューブがチューブ66,67に用いられている。
【0051】
ポンプ63には、不図示の駆動モータにより駆動されるロータリ式のチューブポンプが用いられている。キャップ64,65が吐出口列53〜56を閉塞した状態においてポンプ63が駆動されると、キャップ64,65内が負圧となり、インクがノズルからキャップ64,65内を通じてチューブ66,67へ流出する。チューブ66,67に流出されたインクは、ケース70に流れ込む。
【0052】
[ケース70]
図2に示されるように、ケース70(ケースに相当する)は、閉姿勢にあるスキャナ部12の下面に取り付けられている。後述のインク吸収部材80を交換可能なように、ケース70は、ネジなどにより着脱自在にスキャナ部12に取り付けられている。また、ケース70とキャップ64,65とを繋ぐチューブ66,67の長さを短くするため、ケース70は、キャップ64,65に対応する位置に配置されている。詳細には、ケース70は、スキャナ部12の右部に取り付けられている。
【0053】
ケース70は、スキャナ部12と一体に回動され、スキャナ部12が閉姿勢にあるときに、図2の実線に示される倒伏姿勢(第1姿勢に相当する)にあり、スキャナ部12が開姿勢にあるときに図2の破線に示される起立姿勢(第2姿勢に相当する)にある。以下、ケース70が倒伏姿勢にあるものとして、図5を参照してケース70について詳細な説明がされる。なお、図5(A)〜(D)に示される上下方向7、前後方向8及び左右方向9は、ケース70が倒伏姿勢にあるときの方向である。図5(E)に示される上下方向7、前後方向8及び左右方向9は、ケース70が起立姿勢にあるときの方向である。
【0054】
インク吸収部材80(液体吸収部材に相当する)をケース70内に配置できるように、上端部に開口73(開口に相当する)を有する箱形状に成型された樹脂成型品がケース70に用いられている。詳細には、ケース70は、平面視において略L字となる底板71(底板に相当する)と、底板71の周縁部から上向きへ突出された側壁72(側壁に相当する)とにより箱形状とされている。ケース70が倒伏姿勢にあるとき、ケース70の底板71は、水平面に対して倒伏している。ケース70が起立姿勢にあるとき、ケース70の底板71は、水平面に対して起立している。
【0055】
ケース70は、上下方向7における長さ(高さ)が左右方向9における長さ(幅)及び前後方向8における長さ(奥行き)よりも短い扁平な箱形状とされている。ケース70がこのような形状とされているのは、インクジェット記録装置10の高さを低くするためである。
【0056】
ケース70は、2本のチューブ66,67(図3(B))が接続される2つの接続部74を有している。接続部74は、中空円筒状であり、流入口75(流入口に相当する)を有している。接続部74は、ケース70の回動基端部側の側壁72に設けられている。詳細には、接続部74は、ケース70の左右方向9における右側面77の前後方向8における前端部から右方へ向かって突出されている。2つの接続部74は、前後方向8において並んで設けられている。
【0057】
パージ機構60によりノズルから吸引されたインクは、チューブ66,67を通って接続部74の流入口75からケース70内に流れ込む。流入口75からケース70内に流れ込んだインクは、インク吸収部材80に吸収され、インク吸収部材80内を拡散される。ケース70には、インクの有無を検知する検知電極76(センサに相当する)が設けられている。検知電極76は、接続部74から離れた場所に設けられている。詳細には、検知電極76は、ケース70の左右方向9における左端部の前後方向8における後端部に設けられている。
【0058】
検知電極82の出力電圧は、インクが検知電極82に到達しているときと、検知電極82に到達していないときとにおいて相違する。制御基板18(図2)のマイクロコンピュータは、検知電極76の出力電圧の大きさにより、インクが検知電極76に到達したか否かを判断する。マイクロコンピュータは、インクが検知電極76到達したと判断すると、音声や表示パネル19(図1)により、インク吸収部材80の交換を促す旨の報知を行う。または、マイクロコンピュータは、インク吸収部材80の交換を促す旨をパーソナルコンピュータのモニタに表示させる。
【0059】
[インク吸収部材80]
図6に示されるように、インク吸収部材80は、スポンジやフェルトなどインクを吸収可能な材料により、ケース70内に充填可能な形状に形成されている。詳細には、インク吸収部材80は、平面視が略L字となる形状に形成されている。
【0060】
インク吸収部材80は、上層部81、下層部82及び中間層部83からなる。上層部81及び下層部82は、共にL字状の同形状に形成されている。中間層83は、インクを貯留する貯留空間84(空間に相当する)が形成されるように、平面視において上層部81よりも小さくなる形状に形成されている。中間層83は、貯留空間84が接続部74の流入口75と連通し、且つ前後方向8に沿って延びるような形状となるように形成されている。中間層83がこのように設けられるのは、接続部74から貯留空間84へ流れ込んだインクが図6の破線の矢印の向きへ流れ、インクがインク吸収部材80内を拡散し易くするためである。
【0061】
[本実施形態の動作]
以下、図2を参照してインクジェット記録装置10の動作について説明がされる。制御基板18のマイクロコンピュータは、パーソナルコンピュータなどの外部機器や操作部13から印刷指示が入力されると、不図示の駆動モータの駆動及び圧電素子の駆動を制御し、シート6への画像記録を行う。シート6への画像記録が終了すると、マイクロコンピュータは、駆動モータの駆動を制御し、記録ヘッド51をパージ位置へ移動させ、キャップ64,65を記録ヘッド51の下面に密着させるキャッピングを行い、インクの乾燥等を防止する。
【0062】
また、マイクロコンピュータは、外部機器や操作部13からフラッシングを行う旨の指示が入力されたり、一定の条件が満たされたと判断すると、フラッシングを行う。一定の条件が満たされた場合とは、例えば、予め設定された時間以上の時間が前回の画像記録から経過したと判断した場合などである。
【0063】
マイクロコンピュータは、フラッシングを行う旨の指示が入力されたり、上述の一定の条件が満たされていると判断すると、駆動モータ97(図4(B))の駆動を制御し、記録ヘッド51がフラッシング位置となるようにキャリッジ57を移動させる。その後、マイクロコンピュータは、不図示の圧電素子を駆動させ、記録ヘッド51にインク滴を空吐出させる。ノズルから吐出されたインク滴は、廃インクトレイ28(図4)に受けられ、不図示のインク吸収部材に吸われる。乾燥等により粘性の高くなったインクは、空吐出によってノズルから排出される。
【0064】
また、マイクロコンピュータは、外部機器や操作部13からパージを行う旨の指示が入力されたり、一定の条件が満たされたと判断すると、パージを行う。一定の条件が満たされた場合とは、例えば、記録ヘッド51から吐出されたインクの総量が予め設定された量を越えた場合などである。
【0065】
マイクロコンピュータは、印刷指示が入力されたとき、上述の一定の条件が満たされていると判断すると、不図示の駆動モータを駆動させてポンプ63(図3(B))を駆動させ、ノズルからインクと共に異物や気泡を吸引除去する。また、マイクロコンピュータは、パージを行う旨の指示が入力されると、駆動モータ97(図4(B))の駆動を制御し、記録ヘッド51がパージ位置となるようにキャリッジ57を移動させる。その後、マイクロコンピュータは、上述のキャッピングを行った後、ポンプ63を駆動させ、ノズルからインクと共に異物や気泡等を吸引除去する。ポンプ63により吸引されたインクは、チューブ66,67を通って接続部74(図5)からケース70内へ流れ込む。
【0066】
ケース70内に流れ込んだインクは、最初に貯留空間84に溜まる。貯留空間84に溜まったインクは、貯留空間84を区画する上層部81、下層部82及び中間層部83の壁面からインク吸収部材80内に浸透し、インク吸収部材80内を拡散される。パージが行われる際は、スキャナ部12は閉姿勢にあるので、スキャナ部12に取り付けられたケース70は、倒伏姿勢にある。また、チューブ66,67が接続された接続部74は、ケース70の回動先端部(倒伏姿勢における前端部)に設けられている。よって、ケース70内へ流れ込んだインクは、主に、インク吸収部材80の前後方向8における前端部(以下、吸収部位85とする)からインク吸収部材80に吸収される。吸収されたインクは、その粘性により、吸収部位85からケース70の底板71に沿って水平方向へ拡散される。
【0067】
次に、ジャム処理や保守点検においてスキャナ部12が回動される場合について説明がされる。閉姿勢にあるスキャナ部12(図2の実線)が回動されて開姿勢(図2の破線)にされると、プリンタ筐体11Aの開口15が開放される。ユーザや保守点検の作業者は、開放された開口15を通じてジャム処理や保守点検を行う。なお、上述されたように、スキャナ部12の回動基端部からスキャナ部12内へ引き込まれたチューブ66,67には可撓性を有する樹脂チューブが用いられているので、チューブ66,67は、スキャナ部12の回動に合わせて湾曲し、または伸ばされ、スキャナ部12の回動を阻害しない。
【0068】
スキャナ部12が回動されて開姿勢とされると、スキャナ部12と一体にケース70も回動され、起立姿勢となる。ケース70が起立姿勢となると、図5(E)に示されるように吸収部位85が上端部となる。そうすると、インクの粘性に加え、重力によってもインクがケース70の底板71に沿って拡散されることになる。つまり、重力により、インクの拡散が助長される。よって、スキャナ部12が回動される度に、インクがより拡散され、インクがインク吸収部材80の吸収部位85の近傍に留まることを抑制できる。
【0069】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、ケース70が回動可能に設けられたことにより、ケース70をプリンタ筐体11Aの空いた空間である開口15に配置しても、ジャム処理や保守点検においてケース70が邪魔になることがない。その結果、ジャム処理や保守点検の作業性を低下させずにインクジェット記録装置10を小型化することができる。
【0070】
また、本実施形態では、ケース70が回動可能に設けられており、チューブ66,67が接続される接続部74がケース70の回動先端部に設けられたことにより、ケース70の回動及び重力を利用して、インク吸収部材80内におけるインクの拡散を助長することができる。インクの拡散が助長されることにより、パージ機構60によるノズルからのインクの吸引除去がスムースに行われる。また、インクがインク吸収部材80の吸収部位85の近傍に留まって目詰まりが生じることを抑制できる。
【0071】
また、本実施形態では、インク吸収部材80に貯留空間84が設けられている。貯留空間84にインクが溜まっている間にスキャナ部12が回動されると、貯留空間84に溜まったインクが接続部74から離れるように貯留空間84内を流れ、吸収部位85とは異なる他の部位からインクがインク吸収部材80に吸収される。このように、貯留空間84がインク吸収部材80に設けられたことにより、インク吸収部材80内におけるインクの拡散を、より助長することができる。また、吸収部位85において目詰まりが生じても、スキャナ部12の回動を利用して吸収部位85以外の部位へインクを流してインク吸収部材80にインクを吸収させることができ、その結果、目詰まりによってインク吸収部材80の交換時期が早くなることを防止できる。
【0072】
また、本実施形態では、検知電極76がケース70に設けられているので、インク吸収部材80の交換時期を知ることができ、当該交換時期をユーザに知らせることができる。
【0073】
[変形例]
上述の実施形態では、平面視がL字状となる形状にケース70が成型された例が説明された。しかしながら、ケース70の形状は、L字状に限られない。ケース70は、扁平な直方体状または三角柱状や、円盤状であってもよい。
【0074】
また、上述の実施形態では、ケース70がスキャナ部12の下面に取り付けられた例が説明された。しかしながら、ケース70は、スキャナ部12の内部に配置されていてもよい。
【0075】
また、上述の実施形態では、ケース70が着脱自在にスキャナ部12に取り付けられた例が説明された。しかしながら、ケース70は、インク吸収部材80を交換可能であれば、スライド可能や回動可能にスキャナ部12に設けられていてもよい。
【0076】
また、上述の実施形態では、ケース70がスキャナ部12に取り付けられた例が説明された。しかしながら、ケース70は、プリンタ筐体11Aに回動可能に取り付けられていてもよい。ケース70は、スキャナ部12とは別に回動される。または、ケース70に引っ掛かる引掛部がスキャナ部12に設けられ、スキャナ部12の回動に連動してケース70が回動されてもよい。
【0077】
また、上述の実施形態では、チューブ66,67がスキャナ部12内に引き込まれた例が説明された。しかしながら、ケース70の左右方向9における側面にチューブ66,67を係止する係止部を設け、チューブ66,67がケース70に係止される構成が採用されてもよい。
【0078】
また、上述の実施形態では、スキャナ部12によりプリンタ筐体11Aの開口15が開閉される例が説明された。しかしながら、スキャナ部12の代わりに単なる蓋が用いられ、この蓋にケース70が設けられた構成が採用されてもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、接続部74がケース70の回動先端部に設けられた例が説明された。しかしながら、接続部74は、起立姿勢においてケース70の最下端となる側壁72の一部(図5(E)に示される下壁78)より上側であれば、側壁72のいずれの場所に設けられていてもよい。起立姿勢においてケース70の最下端となる下壁78より上側であれば、重力によりインクの拡散が助長される効果を得ることができる。
【0080】
また、上述の実施形態では、インク吸収部材80に貯留空間84が設けられた例が説明された。しかしながら、貯留空間84が設けられていないインク吸収部材においても、ケース70の回動及び重力を利用してインク吸収部材80内におけるインクの拡散を助長する効果を得ることができる。
【0081】
また、上述の実施形態では、貯留空間84が倒伏姿勢において前後方向8へ延びるように設けられた例が説明された。しかしながら、起立姿勢において貯留空間84内のインクを下方へ流すことができるのであれば、貯留空間84はどのような形状であってもよい。
【0082】
上述の実施形態では、パージ機構60により吸引されたインクを保持するケース70に本発明が用いられた例が説明された、しかしながら、フラッシングにより空吐出されたインクを保持する廃インクトレイ28に本発明が用いられてもよい。すなわち、廃インクトレイ28が配置された位置に廃インクトレイ28の代わりにケース70と同構成のケースが回動可能に設けられてもよい。例えば、廃インクトレイ28の下方に保守点検が必要な部材が配置されている場合に、廃インクトレイ28の代わりに、このケースが設けられる。この構成では、記録ヘッド51にフラッシングを行わせる制御基板18が排出手段に相当する。
【0083】
上述の実施形態では、上層部81と中間層部83と下層部82とを貼り合わせてインク吸収部材80が形成された例が説明されたが、これに限るものではなく、インク吸収部材80は成型により形成されていてもよい。
【0084】
上述の実施形態では、インクをシート6に吐出して画像を形成するインクジェット記録装置10について説明された。しかしながら、本発明は、インク以外の様々な液滴を吐出する液滴吐出装置にも用いることができる。例えば、導電性材料を基板に吐出して配線基板を形成する液滴吐出装置に本発明を用いてもよい。
【符号の説明】
【0085】
6・・・シート(被記録媒体)
10・・・インクジェット記録装置(液滴吐出装置)
11・・・プリンタ部
11A・・・プリンタ筐体(本体筐体)
12・・・スキャナ部
12A・・・スキャナ筐体
15・・・開口
28・・・廃インクトレイ
51・・・記録ヘッド
52・・・吐出口(ノズルの開口)
60・・・パージ機構(排出手段)
63・・・ポンプ
64,65・・・キャップ
70・・・ケース
71・・・底板
72・・・側壁
73・・・開口
74・・・接続部
75・・・流入口
76・・・検知電極(センサ)
80・・・インク吸収部材(液体吸収部材)
84・・・貯留空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の外形を呈している装置筐体と、
上記装置筐体内に配置され、液滴を被記録媒体へ吐出する記録ヘッドと、
上記記録ヘッドから液体を排出させる排出手段と、
底板及び側壁により箱形状をなしており、上記排出手段によって上記記録ヘッドから排出された液体が流入する流入口が上記側壁に設けられたケースと、
上記ケースに充填された液体吸収部材と、を備えており、
上記ケースは、上記底板が下側となる第1姿勢と、上記側壁の一部が下側となり、かつ上記流入口が当該側壁の一部より上側となる第2姿勢とに回動可能に上記装置筐体に支持されたものである液滴吐出装置。
【請求項2】
上記ケースは、扁平な箱形状である請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
上記流入口は、上記第2姿勢において上側となる側壁の一部に設けられたものである請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
上記ケースは、上記液体吸収部材が配置されておらず、且つ上記流入口に連通する空間を内部に有するものである請求項1から3のいずれかに記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
上記空間は、上記ケースが上記第2姿勢のときに液体を上記流入口から上記側壁の一部に向かうように案内する形状を有しているものである請求項4に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
上記ケースに設けられており、上記液体吸収部材が吸収した液体を検知するセンサを更に備えた請求項1から5のいずれかに記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
上記記録ヘッドは、液体を吐出するノズルが開口する下面を有しており、
上記排出手段は、
上記ノズルの開口を覆って上記記録ヘッドの下面に密接可能なキャップと、
上記キャップ内に吸引圧を付与するポンプと、を有するものである請求項1から6のいずれかに記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
上記ケースは、上記記録ヘッドの上側に配置されたものである請求項7に記載の液滴吐出装置。
【請求項9】
上記装置筐体は、上側に開口を有する本体筐体を含み、
上記ケースは、上記本体筐体の開口に配置されたものである請求項8に記載の液滴吐出装置。
【請求項10】
上記装置筐体は、上記本体筐体に回動可能に設けられて上記本体筐体の開口を開閉する蓋を更に備えており、
上記ケースは、上記蓋と共に回動可能に設けられたものである請求項9に記載の液滴吐出装置。
【請求項11】
上記蓋は、スキャナ部である請求項10に記載の液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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