説明

清掃ロボット

【課題】 液体の付着等による漏電を防止し得る清掃ロボットを提供する。
【解決手段】 床上を自走する清掃ロボットに関する。清掃ロボットは、第1モータの駆動で回転する駆動輪を有する走行アセンブリ1と、第2モータの駆動でブロワを回転させてノズル20が吸引したゴミを集塵する集塵アセンブリ50とを備えている。走行アセンブリ1には、第1モータに電力を供給する電源部が搭載され、集塵アセンブリ50が走行アセンブリ1上に着脱自在に設けられ、走行アセンブリ1および集塵アセンブリ50は、電源部の電力を第2モータに給電するために互いに接続されるコネクタを41,52有し、第1コネクタ41は底面4aよりも上方の位置に設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床面に対して清掃を行う清掃ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の自走式清掃ロボットは、車輪を有する走行アセンブリと、該走行アセンブリに対して着脱自在な作業アセンブリを備えている。走行アセンブリと作業アセンブリとは、コネクタを介して電気的に接続されている。
特許文献2の無人搬送車は、該無人搬送車に設けられた基台と、移載装置とをコネクタを介して電気的に接続している。
【特許文献1】WO2004/043215 A1(要約)
【特許文献2】特開平5−221516号(図2,図3)
【発明の開示】
【0003】
清掃ロボットでは、吸引により集塵を行う集塵アセンブリと、ロボットの走行を行う走行アセンブリを別々に設けた場合、該集塵アセンブリと走行アセンブリとを電気的に接続するコネクタが設けられる。清掃ロボットは、雨や種々の液体を被るおそれがあるため、前記コネクタは、漏電防止の為に防水構造とする必要がある。特に、集塵アセンブリを走行アセンブリに対して着脱自在とし、集塵アセンブリに代えてワックス缶などの液剤を扱う物を搭載する場合も考えられるため、走行アセンブリの上面搭載部から走行アセンブリ内に液剤が流れ込まないような防水構造にする必要がある。また、コネクタ部分が液体により漏電しない構造にする必要がある。
したがって、本第1発明では、走行アセンブリ上面の搭載用凹部の底面よりも高い位置に、走行アセンブリと集塵アセンブリの接続部を配設している。
【0004】
ここで、集塵アセンブリのケースは、上方に取り外せる脱着可能な構造にするのが好ましい。集塵アセンブリを上方に取り外して、集塵ケース内に溜まった塵埃を捨てることができるからである。又、排気風を清浄化するためのフィルタは、取り外した集塵アセンブリの下面から交換可能な脱着構造にするのが好ましい。
したがって、このような構造にするためには、排気風を集塵アセンブリの下方から排気させる必要がある。
【0005】
しかし、前述のように、走行アセンブリ上面の搭載用凹部に集塵アセンブリを嵌合させる構造の場合には、集塵アセンブリの排気風の取り回しが困難である。
そこで、本第2発明では、複数の溝部を形成し、集塵アセンブリの下面から排気された排気風が、排気通路を通って外部に排気できるようにしている。
また、排気通路を複数の溝で構成すれば、風圧を低くして排気することができる。
【0006】
ところで、走行アセンブリの車輪は、床面をグリップするように車輪表面に溝や凹凸を形成している。そのため、汚れた床面を走行した際には、ゴミ等が車輪表面の溝や凹凸部に嵌り込み、床面とのグリップ力が低下するという問題がある。又、フローリング等の床面で、硬い固形物が車輪に付着した場合には、床面を傷つけながら走行することになってしまう。そのため、車輪表面を常にブラシなどで清掃しながら走行させることが好ましい。
【0007】
また、毛足の長い絨毯を走行した際には、清掃ロボットの荷重が車輪を介して床面にかかるため、車輪の走行跡が絨毯に残ってしまい、清掃後の見栄えを悪くしてしまう。
そこで、走行車輪の直ぐ後方に回転ブラシを配設して、押しつぶされた絨毯の毛を起こしながら走行することが好ましい。清掃ロボットは、床面に張り付いたような塵埃を浮き上がらせるための第1回転ブラシをノズルに備えているが、そのような回転ブラシのパワーでは絨毯に付いた車輪跡を消すことはできない。
【0008】
したがって、本第3発明では、走行車輪表面に付着したゴミを清掃するための回転ブラシと、絨毯等の車輪走行跡を消すための第2回転ブラシを兼用して配設している。この第2回転ブラシは、走行車輪に従動させて回転させても良いし、別途の駆動モータで回転させても良い。ただし、走行車輪に付着したゴミ等の汚れを効果的に除去するためには、走行車輪と回転ブラシの周速が異なるように設定することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施例1:
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本清掃ロボットは、床面上を自走するための駆動輪6a,6bを備えた走行アセンブリ1、床面のゴミを吸引するノズル20を備えたノズルアセンブリ2、およびノズル20が吸引したゴミを集塵する集塵アセンブリ(集塵部)50を有している。
【0010】
走行アセンブリ1:
図1A,Bに示すように、走行アセンブリ1は、該走行アセンブリ1の走行を行うための1対の駆動輪6a,6bと、走行アセンブリ1のバランスをとるための補助輪9a,9bとを備えている。前記駆動輪6a,6bは、それぞれ、第1モータ(走行用モータ)5a,5bによって駆動される。走行アセンブリ1には、第1モータ5a,5bや、後述する第2モータ62を始めとする各電気部品に電力を供給するための電源部が搭載されている。第1モータ5a,5bは正逆回転可能で、たとえば、マイコンからなる制御手段8によって制御される。
【0011】
直進走行時には、前記2つの第1モータ5a,5bが同方向に回転することで、走行アセンブリ1は前進または後退することができる。旋回動作を行う際には、前記2つの第1モータ5a,5bがそれぞれ逆方向に回転することにより旋回することができる。前記2つの第1モータ5a,5bの回転の比率を制御することで、走行アセンブリ1はカーブ走行を行うこともできる。
【0012】
図1Aに示すように、前記走行アセンブリ1の前部には、複数の超音波式センサ3と、複数の光学式センサ17とが設けられている。これら複数のセンサのうち、2つの超音波センサ3は、走行アセンブリ1の左右にある障害物までの距離信号を制御手段8に送信する。一方、残りの超音波式センサ3および光学式センサ17は、走行アセンブリ1の前方にある障害物までの距離信号を制御手段8に送信する。前記超音波式センサ3および光学式センサ17は、各々、前記走行アセンブリ1の幅方向Xに互いに離間して設けられている。
【0013】
走行アセンブリ1の前部外縁部には、障害物との接触を検知するためのバンパーセンサ10が設けられている。また、前記回転中心Oの近傍には、該回転中心Oのまわりの走行アセンブリ1の回転角度(方位)を測定するジャイロセンサ(方位センサ)7が設けられている。
【0014】
走行アセンブリ1の後部には、ノズルアセンブリ2を取り付けるための取付板11が設けられている。図1Aに示すように、前記取付板11は、スライドレール14に取り付けられ、かつ、タイミングベルトおよびプーリーを介してスライド駆動モータ15に接続されている。前記取付板11は、前記スライド駆動モータ15により前記スライドレール14に沿って左右方向にスライド移動される。
前記取付板11には、図2に示すノズルアセンブリ2の前部が取り付けられ、必要に応じて、ノズルアセンブリ2を走行アセンブリ1に対して左右の水平方向Xに相対移動することが可能である。
【0015】
ノズルアセンブリ2:
図2に示すように、走行アセンブリ1上には、集塵アセンブリ50が搭載されており、ノズルアセンブリ2と集塵アセンブリ50とは、吸引ホース51を介して接続されている。ノズルアセンブリ2の下面には、前記ノズル20が設けられており、本清掃ロボットが走行しながら清掃作業を行うと、床のゴミがノズル20から次々に吸い上げられて、床面の清掃が行われる。
【0016】
なお、本ロボットのより詳しい機器構成については、たとえば、特開2003−10088の液体塗布走行装置を採用することができる。
【0017】
制御手段8:
図3に示すように、走行アセンブリ1に設けられた前記制御手段8は、CPU(演算手段)30およびメモリ40を備えている。制御手段8には、超音波センサ3、バンパーセンサ10および光学式センサ17が、図示しないインターフェイスを介して接続されている。超音波センサ3、バンパーセンサ10および光学式センサ17は、走行方向にある障害物の有無を検出する障害物検知手段を構成している。
【0018】
CPU30には、距離測定手段31、判別手段32、走行制御手段33およびセンサ制御手段34などが設けられている。
前記CPU30は、該CPU30に接続された各機器からの情報に対応して、メモリ40に格納されているプログラムや閾値等を随時読み出し、走行制御手段33を制御すると共に、ノズルアセンブリ2や集塵アセンブリ50に対して種々の作業を行わせる。
【0019】
ノズルアセンブリ2には、ブラシ制御手段20aおよび接触センサ制御手段20bが設けられている。ブラシ制御手段20aは、図8に示す第1回転ブラシ21の回転制御を行う。接触センサ制御手段20bは、図2に示す接触センサ22からの接触信号を処理する。
【0020】
集塵アセンブリ50には、ブロワモータ制御手段50aが設けられている。図7は集塵アセンブリ50の縦断面図である。図7に示すように、集塵アセンブリ50には、たとえば、ファンからなるブロワ60および該ブロワ60を回転させるための第2モータ(ブロアモータ)62が設けられている。ブロワモータ制御手段50aは、第2モータ62の駆動制御を行い、ブロワ60を回転させて吸引ホース51を介してノズル20(図2)からのゴミの集塵を行わせる。
【0021】
集塵アセンブリ50:
図4に示すように、集塵アセンブリ50のケース57の下部57dは、複数の溝56bが形成された略円柱状に形成されている。一方、走行アセンブリ1には、底面4aおよび内側面4bを有する搭載用凹部4が形成されている。集塵アセンブリ50を走行アセンブリ1に搭載するには、図8に示すように、搭載用凹部4の円周面に、集塵アセンブリ50のケース57の下部57dを嵌め込む。図4に示す集塵アセンブリ50の下部57dの外側面57sが、搭載用凹部4の円周面を形成する内側面4bに接し、集塵アセンブリ50が走行アセンブリ1に固定される。
【0022】
コネクタ41,52:
集塵アセンブリ50が走行アセンブリ1に搭載されると、走行アセンブリ1に設けた第1コネクタ41と、集塵アセンブリ50に設けた第2コネクタ52(図5)とを介して、走行アセンブリ1と集塵アセンブリ50とが互いに電気的に接続される。該両コネクタ41,52の接続により、走行アセンブリ1の電源部の電力が第2モータ62(図7)に給電される。
【0023】
ところで、本清掃ロボットは、集塵アセンブリ50を取り外して、他のアセンブリに交換することにより種々の清掃作業を行うことが可能である。たとえば、集塵アセンブリ50の代わりにワックス塗布装置を搭載することも可能である。かかる場合には、ワックスなどの液体がこぼれるおそれがある。また、雨がかかったり、通行者から液体をかけられる等、種々の液体を被るおそれがある。そこで、本清掃ロボットでは、以下に説明するようにコネクタ41,52を形成し、漏電の防止を図っている。
【0024】
第1コネクタ41は、前記搭載用凹部4の底面4aよりも上方の位置に設けられている。第1コネクタ41は、搭載用凹部4に形成された一対のコーナー部43に設けられている。第1コネクタ41には、それぞれ第1端子41aが配置されている。
一方、図5に示すように、集塵アセンブリ50のケース57には、前記コーナー部43に嵌る一対の突出部53が設けられており、当該突出部53には第2コネクタ52が形成されている。第2コネクタ52には、第2端子52aが配置されている。一対の第2端子52aは、集塵アセンブリ50の円柱状のケース57の下部57dにおいて、周方向に離れた2箇所に設けられている。
【0025】
図4の第1端子41aは、搭載用凹部4に向って固設された金属板で形成されている。図5の第2端子52aは、第1端子41aに向って押圧されたバネ性を有する金属板で形成されている。第2端子52aは、たとえば、その中央部が第1端子41aに向って湾曲した3枚の櫛状に形成されている。したがって、図4の集塵アセンブリ50を走行アセンブリ1に搭載すると、突出部53がコーナー部43に嵌まり込み、第2端子52aと第1端子41aとが接触する。第2端子52aのバネ力により、第1端子41aと第2端子52aとが圧接されると共に、走行アセンブリ1に対して集塵アセンブリ50が固定される。
【0026】
ここで、前述のように、第1コネクタ41が、前記底面4aよりも上方の位置に設けられているので、雨やワックスなどの液体が本ロボットに付着した場合、当該液体が搭載用凹部4内に流れるのを許容することで、漏電を防止することができる。
【0027】
一方、搭載用凹部4の内側面4bには、分離壁45が形成されている。分離壁45は、一対の第1コネクタ41を互いに分離するものであり、集塵アセンブリ50のケース57の円柱状の下部57dの外側面57sに沿って、湾曲した形状に形成されている。
このように、分離壁45によって第1コネクタ41が互いに分離されていることにより、より一層、漏電の防止を図り得る。
【0028】
図5に示すように、集塵アセンブリ50のケース57において、第2コネクタ52の上方には覆い部54が形成されている。覆い部54は、集塵アセンブリ50を搭載用凹部4に嵌め込むと、コーナー部43を上方から覆い、第1および第2コネクタ41,52を上方から密閉する。そのため、液体のコネクタ41,52への侵入が防止され、より一層、漏電の防止を図ることができる。
【0029】
排気通路56a,56b:
図6は、集塵アセンブリ50を下方から見た斜視図である。
図6の矢印で示すように、集塵アセンブリ50は下方にエアを排出する排気孔55を有している。集塵アセンブリ50の下面と走行アセンブリ1の底面との間には、排気孔55からのエアを排気する第1排気通路56aが形成されている。つまり、ケース57の底部には、図6の網点で示すケース57の底面突部57bで囲まれた第1の溝56aが形成されている。そのため、ケース57の底面突部57bと、図4に示す搭載用凹部4の底面4aとが接し、ケース57の底部と搭載用凹部4の底面4aとの隙間からなる複数の第1排気通路56aが形成される。
【0030】
一方、図6に示す集塵アセンブリ50のケース57の下部57dの外側面57sには、各第1の溝56aに連なる第2の溝56bが、それぞれ形成されている。そのため、図7に示すように、集塵アセンブリ50のケース57の外側面57sと、搭載用凹部4の内側面4bとの間には、第2排気通路56bが形成される。
したがって、図6の排気孔55からのエアは、矢印で示すように、第1排気通路56aを介し、第2排気通路56bから上方に向って排気される。
【0031】
このように、エアが上方に排気されるので、床面の埃が舞い上がるのを防止することができる。また、走行アセンブリ1内に排気を通す必要がないため、本ロボットをコンパクトに形成することができる。さらに、複数の第1および第2排気通路56a,56bを形成することにより、排気の風圧を低くすることができる。
【0032】
フィルタ63〜65:
図7に示すように、集塵アセンブリ50には、第1および第2吸気フィルタ63,64、集塵部66、前記ブロワ60、第2モータ62および排気側フィルタ65が設けられている。前記集塵部66の中央には、円筒66sが形成されている。集塵部66外周と円筒66sとの間には集塵空間67が形成されている。一方、円筒66s内には、吸気空間68が形成されている。円筒66sの上部は、前記両吸気フィルタ63,64により、密封されている。一方、円筒66sの下部には、ブロワ60および第2モータ62が固定されている。
【0033】
ブロワ60が回転すると、吸引ホース51から吸引されたエアは、矢印で示すように、吸気フィルタ63,64および円筒66sの回りを回りながら、吸気フィルタ63,64を通り吸気空間68内に導入される。ここで、重いゴミは、集塵空間67内に落下し、吸気フィルタ63,64を通ることなく集塵空間67に溜られる。
一方、吸気フィルタ63,64内に取り込まれたエアは、該エアに含まれた塵が吸気フィルタ63,64により濾過された後、吸気空間68内に導入される。
吸気空間68内のエアは、下方の排気側フィルタ65内に導入される。該エアは、排気側フィルタ65によって更に濾過され、浄化された後、前述の第1および第2排気通路56a,56bを通り排気される。
【0034】
ここで、図2に示す集塵アセンブリ50のケース57の上部には、取手70を掴んで開閉自在に設定された蓋部71が設けられている。図7に示すように、前記蓋部71は、回転軸72を中心に開閉することが可能である。前述のように、吸気フィルタ63,64は、第2モータ62およびブロワ60の上方に設けられているので、蓋部71を開けることにより、吸気フィルタ63,64を上方から取り外すことが可能である。そのため、吸気フィルタ63,64を容易に取り外して、清掃や交換を行うことができる。また、集塵部66を上方に取り外し、溜まったゴミを捨て去ることができる。
【0035】
一方、排気側フィルタ65は、第2モータ62およびブロワ60の下方に設けられている。そのため、図6に示すように、集塵アセンブリ50を走行アセンブリ1から取り外した後、排気側フィルタ65を集塵アセンブリ50の下方から取り外すことができる。
なお、排気側フィルタ65を取り外した後、ブロワ60や第2モータ62を下方から取り外すことにより、機器のメンテナンス等を容易に行うこともできる。
【0036】
回転ブラシ21,12:
図8に示すように、ノズルアセンブリ2のノズル20の後方には、回転しながら床面に接触する第1回転ブラシ21が設けられている。第1回転ブラシ21は、ノズルアセンブリ2内に設けられた図示しないモータにより回転駆動される。当該モータは、前記ブラシ制御手段20aによって回転制御される。第1回転ブラシ21は、ノズル20の後方に設けられており、本ロボットの進行方向に対して逆方向に回転される。第1回転ブラシ21の回転により、床面のゴミがノズル20に向って集塵される。
【0037】
図8に示すように、ノズル20の前方、かつ、駆動輪6a,6bの真後の位置には、第2回転ブラシ12が設けられている。第2回転ブラシ12は、走行アセンブリ1に配置されており、走行アセンブリ1に搭載された図示しないモータによって回転駆動される。第2回転ブラシ12は、第1回転ブラシ21よりも径大に形成されており、第2回転ブラシ12の回転により、駆動輪6a,6bの走行跡を消すことが可能である。
特に、本ロボットが絨毯等の上を走行する場合には、駆動輪6a,6bにより押しつぶされた絨毯を、第1回転ブラシ21により起こしながら走行することが可能である。
【0038】
第2回転ブラシ12は、床面と共に駆動輪6a,6bの外周面にも接している。第2回転ブラシ12は駆動輪6a,6bの清掃を行うことで、駆動輪6a,6bの溝に挟まった異物を掻き出すと共に、駆動輪6a,6bの表面を清掃し、床面のグリップ力の低下を防止する。
【0039】
なお、第1回転ブラシ21の回転方向は駆動輪6a,6bの回転方向と同方向に回転させるのが好ましい。一方、第1回転ブラシ21を駆動輪6a,6bと逆方向に回転させる場合には、第1回転ブラシ21の周速度と駆動輪6a,6bの周速度が同期して互いに噛み合わないよう、第1回転ブラシ21および駆動輪6a,6bの周速度を互いに異なる速度に設定するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、床面に対する清掃作業を行う清掃ロボットに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1Aは本発明の実施例1にかかる清掃ロボットの走行アセンブリを示す平面断面図、図1Bは同走行アセンブリの側面断面図である。
【図2】同清掃ロボットの概略斜視図である。
【図3】同清掃ロボットの概略構成図である。
【図4】集塵アセンブリを分離した状態の清掃ロボットを示す斜視図である。
【図5】集塵アセンブリを分離した状態の清掃ロボットを示す斜視図である。
【図6】集塵アセンブリの下方からの斜視図である。
【図7】集塵アセンブリ50の概略縦断面図である。
【図8】本清掃ロボットの概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1:走行アセンブリ
2:ノズルアセンブリ
3:超音波センサ(障害物検知手段)
4:搭載用凹部
4a:搭載用凹部の底面
4b:搭載用凹部の内側面
5a,5b:第1モータ
6a,6b:駆動輪 10:バンパーセンサ(障害物検知手段)
17:光学式センサ(障害物検知手段)
20:ノズル
41:第1コネクタ
41a:第1端子
43:コーナー部
45:分離壁
50:集塵アセンブリ(集塵部)
52:第2コネクタ
52a:第2端子
54:覆い部
55:排気孔
56a:第1排気通路
56b:第2排気通路
57:ケース
57s:ケースの外側面
60:ブロワ
62:第2モータ
63,64:吸気フィルタ
65:排気側フィルタ
67:集塵空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上を自走する清掃ロボットであって、
第1モータの駆動で回転する駆動輪を有する走行アセンブリと、
床面のゴミを吸引するノズルと、
第2モータの駆動でブロワを回転させて前記ノズルが吸引したゴミを集塵する集塵アセンブリとを備え、
前記走行アセンブリには、走行方向にある障害物の有無を検出する障害物検知手段と、前記走行方向を検知する方位センサと、前記第1モータに電力を供給する電源部とが搭載され、
前記集塵アセンブリが前記走行アセンブリ上に着脱自在に設けられ、
前記走行アセンブリには、底面および内側面を有する搭載用凹部が形成され、この搭載用凹部の円側面に前記集塵アセンブリのケースの外側面が嵌まり込み、
前記走行アセンブリおよび前記集塵アセンブリは、前記電源部の電力を前記第2モータに給電するために互いに接続される第1および第2コネクタを有し、
前記第1コネクタは前記底面よりも上方の位置に設けられていることを特徴とする清掃ロボット。
【請求項2】
請求項1において、前記第1コネクタは一対の第1端子を有し、
前記第2コネクタは一対の第2端子を有し
前記一対の第1端子が前記搭載用凹部の周方向に離れた2箇所に設けられ、
前記一対の第2端子が前記搭載用凹部の周方向に離れた2箇所に設けられている清掃ロボット。
【請求項3】
請求項2において、前記一対の第1端子が配置された一対のコーナー部が形成され、
前記コーナー部は前記走行アセンブリにおける前記搭載用凹部の上方に形成されていると共に、液体が前記搭載用凹部に向って流れるのを許容し、
前記一対のコーナー部を互いに分離する分離壁が前記走行アセンブリに形成されている清掃ロボット。
【請求項4】
請求項3において、前記コーナー部を上方から覆う覆い部が前記集塵アセンブリに形成されている清掃ロボット。
【請求項5】
請求項2において、前記第1コネクタと前記第2コネクタとが互いに対面しており、一方のコネクタが他方のコネクタに対して押圧接触するように少なくとも一方のコネクタがバネ性を有する金属板で形成されている清掃ロボット。
【請求項6】
請求項4において、前記集塵アセンブリは下方にエアを排気する排気孔を有し、
前記集塵アセンブリの下面と前記走行アセンブリの底面との間には、前記排気孔からのエアを排気する第1排気通路が形成され、
前記集塵アセンブリのケースの外側面と前記搭載用凹部の内側面との間には第2排気通路が形成され、
これにより、前記排気孔からのエアを前記第1排気通路を介して前記第2排気通路から上方に向って排気可能とした清掃ロボット。
【請求項7】
請求項4において、前記集塵アセンブリは前記ノズルから前記ブロワによって吸引されたエアに含まれる塵を濾過する吸気側フィルタと、前記吸気側フィルタによって濾過された塵を溜める集塵空間と、前記吸気側フィルタを通過して前記排気孔から排出されるエアを浄化する排気側フィルタとを更に備え、
前記吸気側フィルタが前記第2モータおよび前記ブロアの上方に設けられ、前記排気側フィルタが前記第2モータおよび前記ブロアの下方に設けられていることにより、前記吸気側フィルタが上方から取出可能で、かつ、前記排気側フィルタが下方から取出可能である清掃ロボット。
【請求項8】
請求項4において、前記ノズル内には回転しながら床面に接触する第1回転ブラシが設けられ、
前記駆動輪の真後の位置であって前記ノズルの前方の位置には、回転しながら床面に接することで前記駆動輪の走行跡を消すことが可能な第2回転ブラシが設けられている清掃ロボット。
【請求項9】
床上を自走する清掃ロボットであって、
第1モータの駆動で回転する駆動輪を有する走行アセンブリと、
床面のゴミを吸引するノズルと、
前記ノズルが吸引したゴミを集塵する集塵アセンブリとを備え、
前記走行アセンブリには、走行方向にある障害物の有無を検出する障害物検知手段と、前記走行方向を検知する方位センサとが搭載され、
前記集塵アセンブリが前記走行アセンブリ上に着脱自在に設けられ、
前記走行アセンブリには、底面および内側面を有する搭載用凹部が形成され、この搭載用凹部の円側面に前記集塵アセンブリのケースの外側面が前記内側面に嵌まり込み、
前記集塵アセンブリは下方にエアを排気する排気孔を有し、
前記集塵アセンブリの下面と前記走行アセンブリの底面との間には、前記排気孔からのエアを排気する第1排気通路が形成され、
前記集塵アセンブリのケースの外側面と前記搭載用凹部の内側面との間には第2排気通路が形成され、
これにより、前記排気孔からのエアを前記第1排気通路を介して前記第2排気通路から上方に向って排気可能とした清掃ロボット。
【請求項10】
請求項8において、前記第1および第2排気通路は、前記集塵アセンブリのケースに形成された溝で構成されている清掃ロボット。
【請求項11】
請求項8において、前記集塵アセンブリは前記ノズルから前記ブロワによって吸引されたエアに含まれる塵を濾過する吸気側フィルタと、前記吸気側フィルタによって濾過された塵を溜める集塵空間と、前記吸気側フィルタを通過して排気孔から排出されるエアを浄化する排気側フィルタとを更に備え、
前記吸気側フィルタが前記第2モータおよび前記ブロアの上方に設けられ、前記排気側フィルタが前記第2モータおよび前記ブロアの下方に設けられていることにより、前記吸気側フィルタが上方から取出可能で、かつ、前記排気側フィルタが下方から取出可能である清掃ロボット。
【請求項12】
床上を自走する清掃ロボットであって、
第1モータの駆動で回転する駆動輪と、
床面のゴミを吸引するノズルと、
前記ノズルが吸引したゴミを集塵する集塵部と、
走行方向にある障害物の有無を検出する障害物検知手段と、
前記走行方向を検知する方位センサとを備え、
前記ノズル内には回転しながら床面に接触する第1回転ブラシが設けられ、
前記駆動輪の真後の位置であって前記ノズルの前方の位置には、回転しながら床面に接することで前記駆動輪の走行跡を消すことが可能な第2回転ブラシが設けられている清掃ロボット。
【請求項13】
請求項12において、前記第2回転ブラシは前記駆動輪の外周面にも接することを特徴とする清掃ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−296697(P2006−296697A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121825(P2005−121825)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000223986)フィグラ株式会社 (68)
【Fターム(参考)】