説明

清掃具の補助ハンドル及び柄付き清掃具

【課題】補助ハンドルを清掃具に装着後、ヒンジ機構を中心とする旋回角度の調節を可能とし、清掃具の周方向に動くことを制限する清掃具の補助ハンドルを提供することにある。
【解決手段】
補助ハンドル1は、棒状のハンドル本体2に一端に、柄21の中間部位に連結可能で、且つ柄21に沿った折り畳み位置と、柄21から離れて傾斜する引き出し位置との間でハンドル本体2を回転可能とする連結部3を設ける一方、ハンドル本体2の他端に、柄21の端部に連結されて引き出し位置で柄21の端部を吊り下げ支持する吊り下げ体4を設けたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃具に取り付け、清掃作業時の無理な姿勢を軽減する清掃具の補助ハンドル及び柄付き清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、モップやブラシ等の清掃具を用いてテーブルの下等の床面を清掃する場合、清掃者が前屈みの姿勢で清掃を行い、清掃者の体に負担をかけるという問題があった。
【0003】
これに対し、清掃具の柄に補助棒を取付けることにより、清掃者の無理な姿勢を軽減する清掃具の柄が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、このように清掃具の柄部に補助棒を取り付けた補助ハンドル(柄)では、取付部分を支点に補助棒が前後に旋回する構成のため、力を加えた場合に補助棒が旋回してしまい、補助棒の固定が行われないため、支点部分に止め処を設け、補助棒の回転を制限することにより、力を加えた清掃を可能としたものが知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−167345号公報
【特許文献2】実用新案登録第3110236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような清掃具に補助ハンドルを取り付ける構成では、清掃具と補助ハンドルとを把持して清掃作業をしなければならず、両手で操作することとなるため、作業性に問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、補助ハンドルを清掃具に装着後、清掃作業者が楽な姿勢で片手で清掃作業を行うことを可能とする清掃具の補助ハンドル及び柄付き清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、柄付き清掃具に装着される補助ハンドルであって、
棒状のハンドル本体に一端に、前記柄の中間部位に連結可能で、且つ前記柄に沿った折り畳み位置と、前記柄から離れて傾斜する引き出し位置との間で前記ハンドル本体を回転可能とする連結部を設ける一方、前記ハンドル本体の他端に、前記柄の端部に連結されて前記引き出し位置で前記柄の端部を吊り下げ支持する吊り下げ体を設けたことを特徴としたことにある。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に加え、前記吊り下げ体は、長さを調整可能とする調整手段を備えたことを特徴としたことにある。
【0010】
請求項3に記載の発明は、柄付き清掃具であって、
前記柄の中間部位から端部までの部分を軸方向に二分割して、一方の分割柄を、他方の分割柄に沿った折り畳み位置と、前記他方の分割柄から離れて傾斜する引き出し位置との間で回転可能に連結する一方、前記一方の分割柄の他端に、前記他方の分割柄の端部に連結されて前記引き出し位置で前記他方の分割柄を吊り下げ支持する吊り下げ体を設けたことを特徴としたことにある。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明に加え、前記吊り下げ体は、長さを調整可能とする調整手段を備えたことを特徴としたことにある。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、両手で清掃具を持つことがないため、清掃作業者が前屈みの無理な姿勢で清掃を行う必要がなくなり、清掃作業が容易である。また、連結部で補助ハンドルの前端が清掃具に固定されることに加え、後端が吊り下げ体で連結されることから、清掃具の軸部と補助ハンドルの軸部とが平行になるため、安定した清掃が可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、両手で清掃具を持つことがないため、清掃作業者が前屈みの無理な姿勢で清掃を行う必要がなくなり、清掃作業が容易である。また、分割柄を回転可能に連結する一方、分割柄の端部と他方の分割柄の端部との間を吊り下げ支持する吊り下げ体で連結したことにより、清掃具の軸部と分割柄の軸部とが平行になるため、安定した清掃が可能となる。
【0014】
請求項2及び4に記載の発明によれば、回転角度の調整が容易に可能で、清掃具の長さや種類を選ばない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】補助ハンドルの全体の構成を示す説明図である。
【図2】清掃具に補助ハンドルを取り付けた状態を示す説明図である。
【図3】補助ハンドルの有無を示す説明図である。
【図4】柄付き清掃具の全体の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
まず初めに、本発明の補助ハンドル1は、図1に示すように、モップやブラシ等の清掃具20に取り付けて使用する清掃補助具である。
【0018】
この補助ハンドル1は、図2に示すように、棒状のハンドル本体2の一端に、柄21の中間部位に連結可能で、且つ柄21に沿った折り畳み位置と、柄21から離れて傾斜する引き出し位置との間でハンドル本体2を回転可能とする連結部3を設ける一方、ハンドル本体2の他端に、柄21の端部に連結されて引き出し位置で柄21の端部を吊り下げ支持する吊り下げ体4を設けたものである。
【0019】
このうち、ハンドル本体2は、補助板5と、この補助板5に重ね合わせ、保持部材7,7により保持することで補助ハンドル1の長さ調節を行うスライド板6とで構成する。この補助板5とスライド板6とは、断面円弧状の板材である。このうちスライド板6端部は、折り曲げた後、金具13が取り付けられている。
【0020】
次に、吊り下げ体4は、金具13と、図1に示す柄21端部の孔22とを連結するものである。また、吊り下げ体4には、吊り下げ体4の長さを調節する調節部品40が取り付けられている。この調節部品40が本発明の調節手段である。
【0021】
次に、連結部3は、柄21を挟み込む受け部材8と固定部材9と、嵌合した後、これら受け部材8と固定部材9との外周で軸方向上下に巻き付けて固定するテープ11,11とで構成する。このうち、固定部材9の外周面には、保持板10,10が設けられており、これらで回転部材12の側面を挟持することで回転機構を構成する。この回転部材12は、底面側から補助板5とともにネジで固定されている。また、受け部材8と固定部材9とは、断面を半円状とし、内径側表面に滑り止めのゴム(図示せず)が貼着されている。
【0022】
以上の如く構成された補助ハンドル1の清掃具20への取付けは、以下のように行われる。
【0023】
まず、受け部材8と固定部材9とによって柄21を挟み込む。そして、テープ11,11を、これら受け部材8と固定部材9との軸方向上下で外周方向に巻き付けて固定した後、吊り下げ体4により、金具13と孔22とを連結する。また、回転角度の調整は、吊り下げ体4に取り付けられた長さ調整部品40によって行う。
【0024】
次に、机等により上方に障害物がある床面の清掃は、以下のように行われる。まず初めに、スライド板6を補助板5上から引き出し、清掃作業の行い易い長さとなるように補助ハンドル1の長さ調節を行う。そして、補助ハンドル1を、柄21と重ねた状態から吊り下げ体4が張られる位置まで回転させる。次に、ハンドル本体2を片手で持ち、清掃具20の清掃部分を床面上で前後に摺動させて床面の清掃を行うため、図3に示すように、手の高さがA1の位置に比べ、A2の位置まで高くなり、清掃作業者が楽な姿勢で清掃作業を行うことが可能となる。
また、上方に障害物のない床面の清掃は、ハンドル本体2が清掃具20に沿う位置まで閉じた後、ハンドル本体2とともに握り、清掃具20の清掃部分を床面上で前後に摺動させて床面の清掃を行う。
【0025】
一方、補助ハンドル1の取り外しは、ハンドル本体2が清掃具20に沿う位置まで閉じた後、スライド板6を押し戻し、テープ11,11による固定を開放した後、柄21を挟み込んだ受け部材8と固定部材9とを取り外す。
【0026】
以上のように、本発明の補助ハンドル1は、棒状のハンドル本体2に一端に、柄21の中間部位に連結可能で、且つ柄21に沿った折り畳み位置と、柄21から離れて傾斜する引き出し位置との間でハンドル本体2を回転可能とする連結部3を設ける一方、ハンドル本体2の他端に、柄21の端部に連結されて引き出し位置で柄21の端部を吊り下げ支持する吊り下げ体4を設けたことを特徴としている。
その結果、両手で清掃具20を持つことがないため、清掃作業者が前屈みの姿勢で清掃を行う必要がなくなり、清掃作業が容易である。また、連結部3で補助ハンドル1の前端が清掃具20に固定されることに加え、後端が吊り下げ体4で連結されることから、清掃具20の軸部と補助ハンドル1の軸部とが平行になるため、安定した清掃が可能となる。
【0027】
次に、本発明の柄付き清掃具30は、図4に示すように、柄31の中間部位から端部までの部分を軸方向に二分割して使用する清掃補助具を一体に備えている。
【0028】
この柄31は、一方の分割柄32を、他方の分割柄34に沿った折り畳み位置と、他方の分割柄34から離れて傾斜する引き出し位置との間で回転可能に連結する一方、一方の分割柄32の他端に、他方の分割柄34の端部に連結されて引き出し位置で他方の分割柄34を吊り下げ支持する吊り下げ体36を設けたものである。
【0029】
このうち、分割柄32端部には金具33が取り付けられる一方、分割柄34端部には金具35が取り付けられている。そして、吊り下げ体36は、金具33と金具35と、これらを連結するものである。また、吊り下げ体36には、吊り下げ体36の長さを調節する調節部品25が取り付けられている。
【0030】
以上の如く構成された柄付き清掃具30を用いて、机等により上方に障害物がある床面の清掃は、以下のように行われる。
まず、柄付き清掃具30の柄31から吊り下げ体36が引っ張られる長さまで分割柄32を回転させる。次に、分割柄32を片手で持ち、前後に摺動させて清掃具30のブラシ部分で床面の清掃を行う。
また、使用後は、分割柄32が分割柄34に沿う位置まで閉じることで一体となり、柄31となる。
【0031】
また、本発明の柄付き清掃具30は、柄31の中間部位から端部までの部分を軸方向に二分割して、一方の分割柄32を、他方の分割柄33に沿った折り畳み位置と、他方の分割柄33から離れて傾斜する引き出し位置との間で回転可能に連結する一方、一方の分割柄32の他端に、他方の分割柄33の端部に連結されて前記引き出し位置で他方の分割柄33を吊り下げ支持する吊り下げ体4を設けたことを特徴としている。
その結果、両手で清掃具30を持つことがないため、清掃作業者が前屈みの姿勢で清掃を行う必要がなくなり、清掃作業が容易である。また、分割柄32を回転可能に連結する一方、分割柄32の端部と他方の分割柄34の端部との間を吊り下げ支持する吊り下げ体36で連結したことにより、清掃具の軸部と分割柄の軸部とが平行になるため、安定した清掃が可能となる。
【0032】
他にも、吊り下げ体4又は吊り下げ体36は、長さを調整可能とする調整部品25を備えたことを特徴としている。
その結果、回転角度の調整が容易に可能で、清掃具の長さや種類を選ばない。
【0033】
なお、本発明の補助ハンドル1の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、補助ハンドル1を清掃具20へ取り付けた後、補助ハンドル1が、回転機構を中心とする旋回角度の調節を可能とし、清掃具20の周方向に動くことを制限するものであれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更することができる。
例えば、補助板5とスライド板6とは、断面円弧状の板材であるが、必ずしもこの形状である必要はなく、例えば、補助板5に凹部を設け、スライド板6に凸部を設けることで、凹凸によるレール機構を構成したり、パイプ材の外管と内管とによる伸縮機構等であっても良く、補助ハンドル1の長さを調整可能とするものであれば適宜変更可能である。
【0034】
また、回転角度の調整は、吊り下げ体4又は吊り下げ体36に取り付けられた調整部品25によって行うが、必ずしもこの調整部品25である必要はなく、適宜変更可能である。
【0035】
他にも、回転部材12は、必ずしも当該部材の底面側から補助板5とともにネジで固定する構造である必要はなく、これらを一体としても良く、回転機構を閉じた時に補助ハンドル1が清掃具20に沿う位置まで戻ることを可能とするものであれば適宜変更可能である。
【0036】
また、吊り下げ体4は、補助ハンドル1と清掃具20とを繋ぎ、回転機構の回転角度を調整するとともに、所定の角度以上に開くことを制限するものであれば紐体やチェーン等に適宜変更可能である。
【0037】
他にも、補助ハンドル1の回転機構は、必ずしも保持板10,10で回転部材12の側面を挟持する構成である必要はなく、補助ハンドル1が清掃具20の軸方向上下に旋回するものであれば適宜変更可能である。
【0038】
また、補助ハンドル1の清掃具20への取り付けは、受け部材8と固定部材9とで清掃具20の柄部分を挟み込み、テープ11,11を、これら受け部材8と固定部材9との軸方向上下の外周方向に夫々巻き付けて固定する方法である必要はなく、補助ハンドル1を清掃具20へ取り付けた後、補助ハンドル1が、回転機構を行うものであれば適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1・・補助ハンドル、2・・ハンドル本体、3・・連結部、4・・吊り下げ体、5・・補助板、6・・スライド板、7・・保持部材、8・・受け部材、9・・固定部材、10・・保持板、11・・テープ、12、回転部材、13・・金具、20・・清掃具、21・・柄、22・・孔、30・・柄付き清掃具、31・・柄、32・・分割柄、33・・金具、34・・分割柄、35・・金具、36・・吊り下げ体、40・・調整部品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄付き清掃具に装着される補助ハンドルであって、
棒状のハンドル本体に一端に、前記柄の中間部位に連結可能で、且つ前記柄に沿った折り畳み位置と、前記柄から離れて傾斜する引き出し位置との間で前記ハンドル本体を回転可能とする連結部を設ける一方、前記ハンドル本体の他端に、前記柄の端部に連結されて前記引き出し位置で前記柄の端部を吊り下げ支持する吊り下げ体を設けたことを特徴とする清掃具の補助ハンドル。
【請求項2】
前記吊り下げ体は、長さを調整可能とする調整手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の補助ハンドル。
【請求項3】
柄付き清掃具であって、
前記柄の中間部位から端部までの部分を軸方向に二分割して、一方の分割柄を、他方の分割柄に沿った折り畳み位置と、前記他方の分割柄から離れて傾斜する引き出し位置との間で回転可能に連結する一方、前記一方の分割柄の他端に、前記他方の分割柄の端部に連結されて前記引き出し位置で前記他方の分割柄を吊り下げ支持する吊り下げ体を設けたことを特徴とする柄付き清掃具。
【請求項4】
前記吊り下げ体は、長さを調整可能とする調整手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の柄付き清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−229743(P2011−229743A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103996(P2010−103996)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(507176633)
【Fターム(参考)】